JP2010258182A - 微細構造転写方法及び微細構造転写装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の微細構造転写方法は、基板1の表面を海として光硬化性樹脂8を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布工程であって、島状の各光硬化性樹脂8の中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状となるように基板1上に光硬化性樹脂8を塗布する樹脂塗布工程を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
そして、前記したように、このような厚みむらを有するパターン形成層は、エッチング加工の精度を低下させる。
なお、凹凸パターンPは、特許請求の範囲にいう「微細構造」に相当し、ナノメートルからマイクロメートルのオーダで形成されたものである。光硬化性樹脂8は、特許請求の範囲にいう「樹脂」に相当する。
基板1としては、光硬化性樹脂8に対する耐性、強度及び加工性を有するものであればよく、材質及びサイズに特に制限はない。基板1としては、例えば、クロム、銅等の金属、石英、シリコン(ケイ素)、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
基板1は、その表面に金属層、樹脂層、酸化膜層等が形成された多層構造体であってもよい。基板1のステージSへの固定方法としては、例えば機械保持、真空吸着、静電チャック等による方法が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばラジカル重合性である(メタ)アクリレート基を有するシランカップリング剤、カチオン重合性であるビニル基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤は、後記する光硬化性樹脂8の有する重合性官能基に応じて選択することが望ましい。
なお、乾燥手段12は、加熱によって乾燥するものや蒸気によって乾燥するもの等が挙げられる。
このような光硬化性樹脂8は、公知の重合促進剤、増感剤等を更に含むものであってもよい。また、光硬化性樹脂8は、基板1との密着力を強化するために更に界面活性剤を含むものであってもよいし、必要に応じて重合禁止剤など添加剤を含むものであってもよい。
本実施形態でのスタンパ2は、石英、ガラス、樹脂等からなる透明性を有する材料で形成されている。特に、石英やガラスは透明性が高く、後記するように、スタンパ2を介して光硬化性樹脂8に光を照射する際に、光が効率的に透過するので望ましい。また、スタンパ2の凹凸パターンPが形成された側には光硬化性樹脂8に対して離型性を有するように離型処理が施されていてもよい。
この光照射機構16は、スタンパ2を光硬化性樹脂8に押し当てた状態で光を照射して光硬化性樹脂8を硬化させる。
この微細構造転写装置Aは、ステージSが搬送手段30によって第1エリア31に搬送されると、基板1の表面が洗浄機構(図示省略)で洗浄される。ここでの洗浄としては、例えば中性洗剤による洗浄、硫酸や過酸化水素、又はそれらの混合液等酸による洗浄、アンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリによる洗浄等が挙げられる。そして、蒸留水等で基板1が更に洗浄された後に乾燥手段12で乾燥することで洗浄工程は終了する。
従来のインクジェット法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)を使用して基板1上に光硬化性樹脂8を離散的に(ドット状に)塗布すると、図4(b)に示すように、基板1上に塗布された光硬化性樹脂8は、中央部8aが盛り上がり、周辺部8bに向かうにしたがって薄くなる平凸レンズ形状となっている。
しかしながら、図4(b)に示すように、平凸レンズ形状で離散的に塗布された光硬化性樹脂8にスタンパ2が押し当てられると、中央部8aからその周囲に押し広げられようとする光硬化性樹脂8の流動抵抗によって、スタンパ2と基板1との間に形成されるパターン形成層Lは、平凸レンズ形状に塗布された光硬化性樹脂8の間で厚みが薄い箇所40が形成される。つまり、従来のインクジェット法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)を使用して光硬化性樹脂8を塗布すると、薄い箇所40が複数形成されてパターン形成層Lにはナノメートルオーダの厚みむらが生じる。
したがって、本実施形態に係る微細構造転写装置A及び微細構造転写方法によれば、図4(a)に示すように、スタンパ2と基板1との間に形成されるパターン形成層Lに厚みむらが生じるのを防止することができる
つまり、本実施形態に係る微細構造転写装置A及び微細構造転写方法によれば、基板1上に厚みが均一なパターン形成層Lを形成することができると共に、インクジェット法を使用することで光硬化性樹脂の必要量が少なくなってプロセスコストや環境負荷を低減することができる。
前記実施形態では、水平に置かれた円盤状の基板1の片面に光硬化性樹脂8を塗布するインクジェットヘッド15を配置する微細構造転写装置Aについて説明したが、本発明は、図5に示すように、縦置きしたリング状の基板1の表裏両面のそれぞれにインクジェットヘッド15を配置したものであってもよい。
(実施例1)
この実施例1では、基板として、ガラス板の表面を、アクリレート基を有するシランカップリング剤(信越シリコーン社製、KBM5130)で処理したものを準備した。この工程は、表面処理工程に相当する。この表面処理工程は、図1に示す微細構造転写装置Aの表面処理機構13にて実施した。
なお、この表面処理を行う前のガラス板の表面エネルギは、37.4 ×10−5(N/cm)であり、表面処理を行った後のガラス板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
なお、スタンパ2に有する凹凸パターンPは、幅50nm、深さ80nmの溝がピッチ100nmで同心円状に連続する溝パターンであった。
なお、転写精度及び転写状態の評価には、AFM(原子間力顕微鏡)、レーザー顕微鏡及びOSA(光スペクトラムアナライザ)が使用された。
この実施例2では、基板として、ガラス板の表面を酸素プラズマ処理したものを準備した。この工程は、表面処理工程に相当する。
なお、この基板の表面エネルギは、68.3 ×10−5(N/cm)であった。
この実施例3では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
この実施例4では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
この実施例5では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
この比較例1では、基板として、ガラス板の表面を、パーフルオロアルキル基を有する離型処理剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX)で処理したものを準備した。
なお、この基板の表面エネルギは、13.7 ×10−5(N/cm)であった。
その結果、図4(b)中の二点鎖線で示すように、光硬化性樹脂8は、中央部8aが10μm程度の厚みで盛り上がった形状となっており、平面視での直径が30μmであった。
この比較例2では、基板として、表面処理をしていないガラス板を準備した。
なお、この基板の表面エネルギは、37.4 ×10−5(N/cm)であった。
その結果、図4(b)中の二点鎖線で示すように、光硬化性樹脂8は、中央部8aが4μm程度の厚みで盛り上がった形状となっており、平面視での直径が60μmであった。
この比較例3では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
この実施例6では、図5に示すように、基板1として、ディスク形状である以外は、実施例1と同様に表面処理したガラス製のものを使用した。なお、基板1は、その表裏両面に表面処理が施されている。つまり、基板1の表裏両面における表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
なお、光硬化性樹脂8の表面張力は、41.8×10−5(N/cm))であった。つまり、光硬化性樹脂8の表面張力が、基板1の表面エネルギの0.8倍以下であった。また、インクジェット法による光硬化性樹脂8の滴下量は4pLであり、光硬化性樹脂8の配置は、図2(b)に示すように、矩形の頂点配置とした。光硬化性樹脂8同士の間隔dは、350μmであった。
2 スタンパ
8 光硬化性樹脂
8a 中央部
8b 周辺部
13 表面処理機構
14 樹脂塗布機構
15 インクジェットヘッド
16 光照射機構
17 剥離機構
A 微細構造転写装置
P 凹凸パターン
S ステージ
Claims (7)
- 表面に微細構造を有するスタンパを基板上に塗布した樹脂に押し当てて前記微細構造を前記樹脂に転写する微細構造転写方法において、
前記基板の表面を海として前記樹脂を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布工程であって、
前記島状の各樹脂の中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように前記基板上に前記樹脂を塗布する樹脂塗布工程を有することを特徴とする微細構造転写方法。 - 前記樹脂が光硬化性樹脂であって、
前記スタンパを前記樹脂に押し当てた状態で前記樹脂に光を照射して前記樹脂を硬化させる光照射工程と、
硬化した前記樹脂から前記スタンパを剥離する剥離工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。 - 前記樹脂の表面張力が、前記基板の表面エネルギの0.8倍以下であって、
前記樹脂の基板上における平面視での直径が500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。 - 平面視での前記島状の各樹脂の直径が300μm以上であると共に各樹脂の中央部の厚みが30nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。
- 前記樹脂が前記基板の表面の70%以上を被覆していることを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。
- 表面に微細構造を有するスタンパを基板上に塗布した光硬化性樹脂に押し当てて前記微細構造を前記光硬化性樹脂に転写する微細構造転写装置において、
前記基板の表面を海として前記光硬化性樹脂を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布機構であって、前記島状の各光硬化性樹脂の中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように前記基板上に前記光硬化性樹脂を塗布する樹脂塗布機構と、
前記スタンパを前記光硬化性樹脂に押し当てた状態で前記光硬化性樹脂に光を照射して前記光硬化性樹脂を硬化させる光照射機構と、
硬化した前記光硬化性樹脂から前記スタンパを剥離する剥離機構と、
を備えることを特徴とする微細構造転写装置。 - 前記基板上に前記光硬化性樹脂を塗布する前に、前記光硬化性樹脂の表面張力が前記基板の表面エネルギの0.8倍以下となるように、前記基板の表面を処理する表面処理機構を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の微細構造転写装置。
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