JP5480530B2 - 微細構造転写方法及び微細構造転写装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スタンパの微細構造を被転写体に転写する微細構造転写方法及び微細構造転写装置に関する。
従来、半導体デバイス等の分野で微細なパターンを加工する技術として、フォトリソグラフィ技術が多く用いられてきた。しかしながら、パターンの微細化が進み、要求される加工寸法が露光に用いられる光の波長程度まで小さくなると、フォトリソグラフィ技術での対応が困難となってきた。そのため、これに代わり荷電粒子線装置の一種である電子線描画装置が用いられるようになった。この電子線描画装置によるパターン形成は、i線、エキシマレーザ等の光源を使用した一括露光方法によるものと異なって、電子線で描画するパターンが多いほど露光(描画)時間がかかってしまう。したがって、半導体集積回路の集積化が進むにつれてパターンの形成に要する時間が長くなってスループットが著しく劣る。
そこで、電子線描画装置によるパターンの形成の高速化を図るために各種形状のマスクを組み合わせて、それらに一括して電子線を照射する一括図形照射法の開発が進められている。しかしながら、一括図形照射法を使用する電子線描画装置は、大型化すると共にマスクの位置をより高精度に制御する機構が更に必要となって装置自体のコストが高くなるという問題がある。
これに対し、高精度なパターン形成を低コストで行うことができる技術として、ナノインプリント技術が知られている。このナノインプリント技術は、形成しようとする微細パターン(凹凸パターン)の凹凸に対応する凹凸(表面形状)が形成されたスタンパを、例えば所定の基板上に塗布した樹脂に型押して転写するものである。そして、このナノインプリント技術は、大容量記録媒体における記録ビットのパターン形成や、半導体集積回路のパターン形成への応用が検討されている。例えば大容量記録媒体用基板や半導体集積回路用基板は、ナノインプリント技術で形成したパターン形成層の凸部をマスクとして、パターン形成層の凹部で露出する薄膜層部分及びこの薄膜層部分に接する基板部分をエッチングすることで製造することができる。
基板部分のエッチング加工の精度は、薄膜層の面方向における厚さの分布の影響を受ける。例えば薄膜層の厚さのばらつきが最大厚さと最小厚さの差で50nmである被転写体は、深さ50nmでエッチング加工が施されると、薄膜層が薄い箇所では基板にエッチングが施されるが、厚い箇所ではエッチングが施されない場合がある。したがって、エッチング加工の所定の精度を維持しようとすれば、基板上に形成するパターン形成層に厚みむらがあってはならない。
その一方で、このようなナノインプリント技術における樹脂の塗布法としては、スピンコート法やインクジェット法が考えられる。しかしながら、スピンコート法をナノインプリント技術に使用すると多量の樹脂を消費するために、プロセスコストや環境負荷が増大する。
これに対して、インクジェット法は、微細な液滴となった樹脂を基板上に離散的に(ドット状に)配置できるために、必要とする樹脂量が極めて少ない(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。したがって、インクジェット法をナノインプリント技術に使用するとプロセスコストや環境負荷を低減することができる。
特開2007−296783号公報 特開2008−178984号公報
しかしながら、インクジェット法で塗布した樹脂にスタンパを型押しすると、基板とスタンパとの間に得られるパターン形成層にナノメートルオーダの厚みむらが生じる問題がある。
そして、前記したように、このような厚みむらを有するパターン形成層は、エッチング加工の精度を低下させる。
そこで、本発明は、基板上に塗布する樹脂量が少なく、しかも得られるパターン形成層に厚みむらが生じるのを防止することができる微細構造転写方法及び微細構造転写装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の微細構造転写方法は、表面に微細構造を有するスタンパを基板上に塗布した樹脂に押し当てて前記微細構造を前記樹脂に転写する微細構造転写方法において、前記基板の表面を海として前記樹脂を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布工程であって、前記島状の各樹脂の中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように前記基板上に前記樹脂を塗布する樹脂塗布工程を有することを特徴とする。
そして、課題を解決する本発明の微細構造転写装置は、表面に微細構造を有するスタンパを基板上に塗布した光硬化性樹脂に押し当てて前記微細構造を前記光硬化性樹脂に転写する微細構造転写装置において、前記基板の表面を海として前記光硬化性樹脂を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布機構であって、前記島状の各光硬化性樹脂の中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように前記基板上に前記光硬化性樹脂を塗布する樹脂塗布機構と、前記スタンパを前記光硬化性樹脂に押し当てた状態で前記光硬化性樹脂に光を照射して前記光硬化性樹脂を硬化させる光照射機構と、硬化した前記光硬化性樹脂から前記スタンパを剥離する剥離機構と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、基板上に塗布する樹脂量が少なく、しかも得られるパターン形成層に厚みむらが生じるのを防止することができる微細構造転写方法及び微細構造転写装置を提供することができる。
本発明の微細構造転写装置の構成説明図である。 (a)は、本発明の微細構造転写方法を使用して基板上に塗布された光硬化性樹脂の断面図、(b)から(d)は、本発明の微細構造転写方法を使用して基板上に塗布された光硬化性樹脂の配置の態様を示す平面図である。 (a)から(d)は、本発明の微細構造転写方法の工程説明図である。 (a)は、本発明の微細構造転写方法を使用して基板とスタンパとの間に形成されたパターン形成層の様子を示す断念図、(b)比較例(従来例)の微細構造転写方法を使用して基板とスタンパとの間に形成されたパターン形成層の様子を示す断念図である。 他の実施形態における基板とインクジェットヘッドの配置位置を模式的に示す概念図である。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは微細構造転写装置について説明した後に微細構造転写方法について説明する。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向に一致させた図1に示す上下方向を基準とする。
図1に示すように、微細構造転写装置Aは、表面に微細な凹凸パターンPを有するスタンパ2を基板1上に塗布した光硬化性樹脂8に押し当てて凹凸パターンPを光硬化性樹脂8に転写するものである。
なお、凹凸パターンPは、特許請求の範囲にいう「微細構造」に相当し、ナノメートルからマイクロメートルのオーダで形成されたものである。光硬化性樹脂8は、特許請求の範囲にいう「樹脂」に相当する。
微細構造転写装置Aは、基板1を固定したステージSが搬送手段30(コンベア)によって第1エリア31、第2エリア32及び第3エリア33をこの順番に水平移動するように構成されている。また、ステージSは昇降手段10によって、第1エリア31、第2エリア32及び第3エリア33のそれぞれにおいて上下移動するように構成されている。
本実施形態における基板1は円盤状であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、その形状は、多角形、楕円等であってもよい。また、基板1は、中心穴が加工されたものであってもよい。
基板1としては、光硬化性樹脂8に対する耐性、強度及び加工性を有するものであればよく、材質及びサイズに特に制限はない。基板1としては、例えば、クロム、銅等の金属、石英、シリコン(ケイ素)、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
基板1は、その表面に金属層、樹脂層、酸化膜層等が形成された多層構造体であってもよい。基板1のステージSへの固定方法としては、例えば機械保持、真空吸着、静電チャック等による方法が挙げられる。
この微細構造転写装置Aの第1エリア31には、基板1の表面を処理する表面処理機構13が設けられている。この表面処理機構13は、後記するように、光硬化性樹脂8の表面張力が基板1の表面エネルギの0.8倍以下となるように、基板1の表面を処理するものである。
本実施形態での表面処理機構13は、シランカップリング剤を基板1の表面に噴射するノズル11と、基板1の表面に付与したシランカップリング剤を乾燥させる乾燥手段12とを備えている。なお、この表面処理機構13には、シランカップリング剤を噴射する前に基板1を洗浄する洗浄機構(図示省略)を備えていてもよい。
シランカップリング剤としては、例えばラジカル重合性である(メタ)アクリレート基を有するシランカップリング剤、カチオン重合性であるビニル基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤は、後記する光硬化性樹脂8の有する重合性官能基に応じて選択することが望ましい。
なお、乾燥手段12は、加熱によって乾燥するものや蒸気によって乾燥するもの等が挙げられる。
表面処理機構13は、基板1の表面エネルギを前記した範囲とすることができれば、シランカップリング剤を付与するものに限定されず、後記するように、基板1の表面に有機層を形成する構成であってもよいし、基板1の表面をプラズマ処理する構成であってもよい。
微細構造転写装置Aの第2エリア32には、樹脂塗布機構14が設けられている。この樹脂塗布機構14は、表面処理機構13で処理された基板1の表面を海として光硬化性樹脂8を島状に離散的に(ドット状に)複数塗布するものである。更に具体的に説明すると、樹脂塗布機構14は、光硬化性樹脂8の基板1上における平面視での直径が500μm以下となるように塗布するものである。この直径は、300μm以上が望ましい。
本実施形態での樹脂塗布機構14は、インクジェット法を使用して光硬化性樹脂8を基板1の表面に塗布するように構成されており、インクジェットヘッド15を備えている。ちなみに、樹脂塗布機構14は、光硬化性樹脂8の平面視での直径が500μm以下となるように塗布可能であればインクジェットヘッド15に限定されない。
光硬化性樹脂8としては、光照射(例えば紫外光照射)により重合する官能基(重合性官能基)を有する光重合性樹脂であれば、主骨格は特に制限はない。また、光硬化性樹脂は、光重合性樹脂モノマを含有する樹脂組成物、複数の光重合性樹脂モノマを含有する樹脂組成物、及び光重合性樹脂と光重合性モノマとを含有する樹脂組成物であってもよい。具体的な官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
光硬化性樹脂8に含むことができる光重合性開始剤は、前記した重合性官能基に合わせ適宜選択される。具体的な光重合性開始剤としては、例えば、ラジカル重合性開始剤、カチオン重合性開始剤等が挙げられる。特にラジカル重合開始剤は硬化速度が速いので、転写の高速化という点で望ましい。特に、紫外線により硬化を開始させるラジカル重合性触媒は、室温での凹凸パターンPの形成が可能となり、より微細な(高精度な)凹凸パターンPを有するスタンパ2から転写した微細構造体(レプリカ)を形成することができるので望ましい。なお、光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような光硬化性樹脂8は、公知の重合促進剤、増感剤等を更に含むものであってもよい。また、光硬化性樹脂8は、基板1との密着力を強化するために更に界面活性剤を含むものであってもよいし、必要に応じて重合禁止剤など添加剤を含むものであってもよい。
この第2エリア32の樹脂塗布機構14は、前記したように、光硬化性樹脂8を離散的に(ドット状に)塗布すると共に、その中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように塗布する。
微細構造転写装置Aの第3エリア33には、スタンパ2と、光照射機構16とが設けられている。
本実施形態でのスタンパ2は、石英、ガラス、樹脂等からなる透明性を有する材料で形成されている。特に、石英やガラスは透明性が高く、後記するように、スタンパ2を介して光硬化性樹脂8に光を照射する際に、光が効率的に透過するので望ましい。また、スタンパ2の凹凸パターンPが形成された側には光硬化性樹脂8に対して離型性を有するように離型処理が施されていてもよい。
なお、本実施形態とは異なって、スタンパ2を介さずに光硬化性樹脂8に光を照射する場合には、スタンパ2は、例えばシリコンウエハ、各種金属材料、セラミック等の非透明性のものであってもよく、具体的には、Si、SiC、SiN、多結晶Si、Ni、Cr、Cu、及びこれらを1種以上含むものが挙げられる。
凹凸パターンPの形成方法としては、例えばフォトリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ、電子ビーム描画法、ナノプリント法等が挙げられる。これらの方法は、凹凸パターンPの加工精度に応じて適宜に選択することができる。
本実施形態でのスタンパ2は、保持治具4で保持されている。この保持治具4は、凹凸パターンPが下方に向くようにスタンパ2の外周縁を保持すると共に、このスタンパ2を、第3エリア33に固定している。そして、保持治具4は、スタンパ2の裏面(図1での上面)に対向する部分が透明体5で形成されている。
前記光照射機構16としては、光硬化性樹脂8を硬化させる光を照射することができれば特に制限はなく、光種は適宜選択することができる。特に紫外光は望ましく、波長365nmの紫外光を照射する紫外線ランプが例示される。光照射機構16は、保持治具4の透明体5を介してスタンパ2の反対側に配置されている。
この光照射機構16は、スタンパ2を光硬化性樹脂8に押し当てた状態で光を照射して光硬化性樹脂8を硬化させる。
なお、スタンパ2を光硬化性樹脂8に押し当てる際には、ステージSが昇降手段10によって上方に移動する。ちなみに、本実施形態では、ステージSを昇降手段10で上方に移動させることで、スタンパ2を光硬化性樹脂8に押し当てる構成となっているが、本発明はスタンパ2と光硬化性樹脂8とが相対的に圧接すればよく、固定したステージSに対してスタンパ2を下方に移動させることによってスタンパ2を光硬化性樹脂8に押し当てる構成としてもよい。
この第3エリア33には、硬化した光硬化性樹脂8からスタンパ2を剥離する剥離機構17が更に設けられている。本実施形態での剥離機構17は、ステージSを下方に移動させる前記昇降手段10で構成されている。
次に、本実施形態に係る微細構造転写装置Aの動作について説明すると共にこの微細構造転写装置Aを用いた微細構造転写方法について説明する。
この微細構造転写装置Aは、ステージSが搬送手段30によって第1エリア31に搬送されると、基板1の表面が洗浄機構(図示省略)で洗浄される。ここでの洗浄としては、例えば中性洗剤による洗浄、硫酸や過酸化水素、又はそれらの混合液等酸による洗浄、アンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリによる洗浄等が挙げられる。そして、蒸留水等で基板1が更に洗浄された後に乾燥手段12で乾燥することで洗浄工程は終了する。
次に、この微細構造転写装置Aでは、表面処理機構13によって基板1に表面処理が施される。具体的には、ノズル11から基板1の表面にシランカップリング剤が噴射された後に、乾燥手段12によって基板1が乾燥される。この工程は、特許請求の範囲にいう「表面処理工程」に相当し、この工程では、基板の表面エネルギが所定の範囲内となるように調節される。ちなみにここでの表面エネルギは、光硬化性樹脂8の表面張力の1.25倍以上とすることが望ましく、言い換えれば、光硬化性樹脂8の表面張力が基板1の表面エネルギの0.8倍以下となるように基板1を処理することが望ましい。
次に、この微細構造転写装置Aでは、ステージSが搬送手段30によって第1エリア31から第2エリア32に搬送されると共に、昇降手段10によって基板1とインクジェットヘッド15との距離が所定の幅に調節される。そして、微細構造転写装置Aは、前記したように、樹脂塗布機構14によって基板1の表面を海として光硬化性樹脂8を島状に離散的に(ドット状に)複数塗布する。更に詳しく説明すると、光硬化性樹脂8は、図2(a)に示すように、その中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状となるように基板1上に塗布される。この工程は、特許請求の範囲にいう「樹脂塗布工程」に相当する。なお、光硬化性樹脂8は、直径が300μm以上のものは、その中央部8aの厚みが30nm以下であることが望ましく、基板1の表面の70%以上を被覆していることが望ましい。
基板1上に離散的に(ドット状に)配置される各光硬化性樹脂8の位置は、図2(b)に示すように、矩形の頂点配置としてもよいし、図2(c)に示すように、正三角形の頂点配置としてもよいし、図2(d)に示すように、正六角形の頂点配置としてもよい。ちなみに、図2(b)から(d)に示す各光硬化性樹脂8の間隔dは、300〜500μmが望ましい。
次に、この微細構造転写装置Aでは、ステージSが搬送手段30によって第2エリア32から第3エリア33に搬送される。つまり、基板1上に塗布された光硬化性樹脂8は、図3(a)に示すように、保持治具4に保持されたスタンパ2の凹凸パターンPと対向することとなる。なお、図3(a)中、符号5は、透明体であり、符号Sはステージである。
次に、図3(b)に示すように、ステージSを上昇させてスタンパ2を基板1に押し当てると、滴下された光硬化性樹脂8は、基板1の表面に広がってスタンパ2の凹凸パターンPに充填される。
そして、図3(c)に示すように、紫外光が保持治具4の透明体5及びスタンパ2を介して光硬化性樹脂8に照射されると、光硬化性樹脂8が硬化する。この工程は、特許請求の範囲にいう「光照射工程」に相当する。
図3(d)に示すように、ステージSを下降させて基板1をスタンパ2から剥離すると、基板1の表面には、硬化した光硬化性樹脂8からなる層(パターン形成層)に微細な凹凸パターンPが転写された微細構造が得られる。この工程は、特許請求の範囲にいう「剥離工程」に相当する。
次に、本実施形態に係る微細構造転写装置A及び微細構造転写方法の作用効果について説明する。なお、ここで参照する図4(a)及び(b)中、スタンパに形成された凹凸パターンは作図の便宜上省略している。
従来のインクジェット法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)を使用して基板1上に光硬化性樹脂8を離散的に(ドット状に)塗布すると、図4(b)に示すように、基板1上に塗布された光硬化性樹脂8は、中央部8aが盛り上がり、周辺部8bに向かうにしたがって薄くなる平凸レンズ形状となっている。
このようなインクジェット法によれば、前記したように、微細な液滴となった樹脂を基板上に離散的に(ドット状に)配置できるために、例えばスピンコート法やディスペンス法と比較して必要とする光硬化性樹脂8の量が極めて少ない。したがって、インクジェット法をナノインプリント技術に使用するとプロセスコストや環境負荷を低減することができる。
しかしながら、図4(b)に示すように、平凸レンズ形状で離散的に塗布された光硬化性樹脂8にスタンパ2が押し当てられると、中央部8aからその周囲に押し広げられようとする光硬化性樹脂8の流動抵抗によって、スタンパ2と基板1との間に形成されるパターン形成層Lは、平凸レンズ形状に塗布された光硬化性樹脂8の間で厚みが薄い箇所40が形成される。つまり、従来のインクジェット法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)を使用して光硬化性樹脂8を塗布すると、薄い箇所40が複数形成されてパターン形成層Lにはナノメートルオーダの厚みむらが生じる。
これに対して、本実施形態に係る微細構造転写装置A及び微細構造転写方法においては、樹脂塗布機構14(樹脂塗布工程)で基板1上に塗布された光硬化性樹脂8が、図4(a)に示すように、その中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状となっている。
そのため、図4(a)に示すように、光硬化性樹脂8にスタンパ2が押し当てられると、周辺部8bからその周囲に押し広げられようとする光硬化性樹脂8は、平凸レンズ形状の光硬化性樹脂8(図4(b)参照)よりも、その流動抵抗が小さくなる。
したがって、本実施形態に係る微細構造転写装置A及び微細構造転写方法によれば、図4(a)に示すように、スタンパ2と基板1との間に形成されるパターン形成層Lに厚みむらが生じるのを防止することができる
つまり、本実施形態に係る微細構造転写装置A及び微細構造転写方法によれば、基板1上に厚みが均一なパターン形成層Lを形成することができると共に、インクジェット法を使用することで光硬化性樹脂の必要量が少なくなってプロセスコストや環境負荷を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、水平に置かれた円盤状の基板1の片面に光硬化性樹脂8を塗布するインクジェットヘッド15を配置する微細構造転写装置Aについて説明したが、本発明は、図5に示すように、縦置きしたリング状の基板1の表裏両面のそれぞれにインクジェットヘッド15を配置したものであってもよい。
また、前記実施形態では、微細構造転写装置Aの表面処理機構13としてシランカップリング剤を基板1に塗布するものについて説明したが、本発明は基板1の表面エネルギを前記したように調節するものであれば表面処理機構13の構成に制限はなく、例えば基板1の表面をプラズマ処理するものや、基板1上に有機層を形成するものであってもよい。
また、前記実施形態では、スタンパ2の外周縁を保持治具4で機械的に保持する微細構造転写装置Aについて説明したが、本発明はスタンパ2を真空吸着等の他の手段によって保持する構成であってもよい。
また、前記実施形態に係る微細構造転写装置Aは、スタンパ2を基板1に押し当てる荷重を検知するロードセル等のセンサや、スタンパ2の水平高さを検出する光学センサを更に備え、スタンパ2の押圧力を制御するように構成してもよい。
また、前記実施形態に係る微細構造転写装置Aは、スタンパ2を製造するスタンパ製造機構(図示省略)を更に備えるものであってもよい。
以上のような微細構造転写装置Aによって微細な凹凸パターンPが転写された微細構造体は、磁気記録媒体や光記録媒体等の情報記録媒体に適用可能である。また、この微細構造体は、大規模集積回路部品や、レンズ、偏光板、波長フィルタ、発光素子、光集積回路等の光学部品、免疫分析、DNA分離、細胞培養等のバイオデバイスへの適用が可能である。
次に、実施例を示しながら本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
この実施例1では、基板として、ガラス板の表面を、アクリレート基を有するシランカップリング剤(信越シリコーン社製、KBM5130)で処理したものを準備した。この工程は、表面処理工程に相当する。この表面処理工程は、図1に示す微細構造転写装置Aの表面処理機構13にて実施した。
なお、この表面処理を行う前のガラス板の表面エネルギは、37.4 ×10−5(N/cm)であり、表面処理を行った後のガラス板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
次に、表面処理を行った基板1上には、図2(a)に示すように、光硬化性アクリルモノマを複合化した光硬化性樹脂8がインクジェット法にて塗布された。基板1上に塗布された光硬化性樹脂8は、中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状となった。なお、インクジェット法においては、ノズルが512(256×2列)個配列されたピエゾ方式のヘッドを使用した。この工程は、樹脂塗布工程に相当する。この樹脂塗布工程は、図1に示す微細構造転写装置Aの樹脂塗布機構14にて実施した。
光硬化性樹脂8の表面張力は、41.8×10−5(N/cm))であった。つまり、図2(a)に示す光硬化性樹脂8の表面張力は、基板1の表面エネルギの0.8倍以下であった。また、インクジェット法による光硬化性樹脂8の滴下量は4pLであり、光硬化性樹脂8の配置は、図2(b)に示すように、矩形の頂点配置とした。光硬化性樹脂8同士の間隔dは、350μmであった。
光硬化性樹脂8の平面視での直径は350μmであり、基板1上での光硬化性樹脂8の面積占有率は72%であった。そして、光硬化性樹脂8の中央部8aの厚みは30nmであり、周辺部8bの厚みは40nmであった。なお、前記した光硬化性樹脂8のサイズは、光硬化したものについてレーザー顕微鏡及び段差計を使用して測定した。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8(図2(b)参照)に、図3(c)に示すように、微細な凹凸パターンPを有する樹脂製のスタンパ2を押し当てた状態で、光硬化性樹脂8に紫外光を照射して光硬化性樹脂8を硬化させた。この工程は、光照射工程に相当する。この光照射工程は、図1に示す微細構造転写装置Aの光照射機構16にて実施した。
なお、スタンパ2に有する凹凸パターンPは、幅50nm、深さ80nmの溝がピッチ100nmで同心円状に連続する溝パターンであった。
次に、図3(d)に示すように、硬化した光硬化性樹脂8からスタンパ2を剥離させることで基板1上の光硬化性樹脂8からなるパターン形成層に凹凸パターンPが形成された微細構造体が得られた。この工程は、剥離工程に相当する。この剥離工程は、図1に示す微細構造転写装置Aの剥離機構17にて実施した。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜(凹凸パターンPの凹部の底と基板1との間の光硬化性樹脂8、以下同じ)の厚みが5nm程度であり、残膜の最大厚さと最小厚さの差の最大値(以下、この差の最大値を最大差という)は1nm程度であった。つまり、本実施例では、厚みむらが形成されずに均一なパターン形成層L(図4(a)参照)を作製することができた。
なお、転写精度及び転写状態の評価には、AFM(原子間力顕微鏡)、レーザー顕微鏡及びOSA(光スペクトラムアナライザ)が使用された。
(実施例2)
この実施例2では、基板として、ガラス板の表面を酸素プラズマ処理したものを準備した。この工程は、表面処理工程に相当する。
なお、この基板の表面エネルギは、68.3 ×10−5(N/cm)であった。
次に、基板上に実施例1と同様のインクジェット法、及び樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用することによって、図2(a)に示すように、中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状で島状に離散するように光硬化性樹脂8を基板1上に塗布した。ちなみに、光硬化性樹脂8の表面張力は、基板1の表面エネルギの0.8倍以下となっている。
図2(b)に示す光硬化性樹脂8同士の間隔dは、350μmであり、光硬化性樹脂8の平面視での直径は350μmであり、基板1上での光硬化性樹脂8の面積占有率は79%であった。そして、光硬化性樹脂8の中央部8aの厚みは25nmであり、周辺部8bの厚みは30nmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8(図2(b)参照)に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが5nm程度であり、最大差は1nm程度であった。つまり、本実施例では、厚みむらが形成されずに均一なパターン形成層L(図4(a)参照)を作製することができた。
(実施例3)
この実施例3では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
次に、基板上に実施例1と同様のインクジェット法、及び樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用することによって、図2(a)に示すように、中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状で島状に離散するように光硬化性樹脂8を基板1上に塗布した。ちなみに、光硬化性樹脂8の表面張力は、基板1の表面エネルギの0.8倍以下となっている。
図2(b)に示す光硬化性樹脂8同士の間隔は、350μmであり、光硬化性樹脂8の平面視での直径は350μmであり、基板1上での光硬化性樹脂8の面積占有率は75%であった。そして、光硬化性樹脂8の中央部8aの厚みは30nmであり、周辺部8bの厚みは40nmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8(図2(b)参照)に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。ただし、本実施例3では、実施例1での樹脂製のスタンパ2に代えて石英製のスタンパ2を使用した。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが5nm程度であり、最大差は1nm程度であった。つまり、本実施例では、厚みむらが形成されずに均一なパターン形成層L(図4(a)参照)を作製することができた。
(実施例4)
この実施例4では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
次に、基板上に実施例1と同様のインクジェット法、及び樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用することによって、図2(a)に示すように、中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状で島状に離散するように光硬化性樹脂8を基板1上に塗布した。ただし、光硬化性樹脂8の配置は、図2(c)に示すように、正三角形の頂点配置とした。ちなみに、光硬化性樹脂8の表面張力は、基板1の表面エネルギの0.8倍以下となっている。光硬化性樹脂8同士の間隔dは、350μmであった。光硬化性樹脂8の平面視での直径は350μmであり、基板1上での光硬化性樹脂8の面積占有率は78%であった。そして、光硬化性樹脂8の中央部8aの厚みは30nmであり、周辺部8bの厚みは40nmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8(図2(b)参照)に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが5nm程度であり、最大差は1nm程度であった。つまり、本実施例では、パ厚みむらが形成されずに均一なパターン形成層L(図4(a)参照)を作製することができた。
(実施例5)
この実施例5では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
次に、基板上に実施例1と同様のインクジェット法、及び樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用することによって、図2(a)に示すように、中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状で島状に離散するように光硬化性樹脂8を基板1上に塗布した。ただし、光硬化性樹脂8の配置は、図2(d)に示すように、正六角形の頂点配置とした。ちなみに、光硬化性樹脂8の表面張力は、基板1の表面エネルギの0.8倍以下となっている。光硬化性樹脂8同士の間隔dは、350μmであった。
光硬化性樹脂8の平面視での直径は350μmであり、基板1上での光硬化性樹脂8の面積占有率は72%であった。そして、光硬化性樹脂8の中央部8aの厚みは30nmであり、周辺部8bの厚みは40nmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8(図2(b)参照)に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが5nm程度であり、最大差は1nm程度であった。つまり、本実施例では、厚みむらが形成されずに均一なパターン形成層L(図4(a)参照)を作製することができた。
(比較例1)
この比較例1では、基板として、ガラス板の表面を、パーフルオロアルキル基を有する離型処理剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX)で処理したものを準備した。
なお、この基板の表面エネルギは、13.7 ×10−5(N/cm)であった。
次に、実施例1と同様のインクジェット法、及び樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用することによって、基板上に樹脂を滴下した。つまり、光硬化性樹脂8の表面張力が、基板1の表面エネルギの0.8倍を超えていた。
その結果、図4(b)中の二点鎖線で示すように、光硬化性樹脂8は、中央部8aが10μm程度の厚みで盛り上がった形状となっており、平面視での直径が30μmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが20nm程度であり、パターン形成層L(図4(b)参照)には著しい厚みむらが形成されていた。
(比較例2)
この比較例2では、基板として、表面処理をしていないガラス板を準備した。
なお、この基板の表面エネルギは、37.4 ×10−5(N/cm)であった。
次に、実施例1と同様のインクジェット法、及び樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用することによって、基板上に樹脂を滴下した。つまり、光硬化性樹脂8の表面張力が、基板1の表面エネルギの0.8倍を超えていた。
その結果、図4(b)中の二点鎖線で示すように、光硬化性樹脂8は、中央部8aが4μm程度の厚みで盛り上がった形状となっており、平面視での直径が60μmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが20nm程度であり、パターン形成層L(図4(b)参照)には著しい厚みむらが形成されていた。
(比較例3)
この比較例3では、基板として、実施例1と同様のものが準備された。つまり、基板の表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
次に、実施例1と同様の樹脂(表面張力41.8×10−5(N/cm))を使用すると共に、この樹脂を基板上にディスペンス法にて塗布した。その結果、図4(b)中の二点鎖線で示すように、光硬化性樹脂8は、中央部8aが10μm程度の厚みで盛り上がった形状となっており、平面視での直径が2000μmであった。
次に、基板1上に塗布した光硬化性樹脂8に、実施例1と同様に、スタンパ2(図3(b)参照)を型押しし、次いで光照射工程及び剥離工程を実施して基板1上に微細構造体を得た。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンPの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが50nm程度であり、最大差は25nm程度であった。つまり、パターン形成層L(図4(b)参照)には著しい厚みむらが形成されていた。
(実施例6)
この実施例6では、図5に示すように、基板1として、ディスク形状である以外は、実施例1と同様に表面処理したガラス製のものを使用した。なお、基板1は、その表裏両面に表面処理が施されている。つまり、基板1の表裏両面における表面エネルギは、53.1 ×10−5(N/cm)であった。
そして、基板1の板面が鉛直方向に沿うように配置されると共に基板1の表裏両面のそれぞれにインクジェットヘッド15(ピエゾ方式のノズルが512(256×2列)個配列)が配置された。
次に、基板1を、軸を中心に回転させながらインクジェットヘッド15から実施例1と同様の光硬化性樹脂を吐出することによって、図2(a)に示すように、中央部8aが薄膜状に平坦であり、かつその周辺部8bが中央部8aよりも盛り上がった形状で島状に離散するように光硬化性樹脂8が基板1の表裏両面に塗布された。
なお、光硬化性樹脂8の表面張力は、41.8×10−5(N/cm))であった。つまり、光硬化性樹脂8の表面張力が、基板1の表面エネルギの0.8倍以下であった。また、インクジェット法による光硬化性樹脂8の滴下量は4pLであり、光硬化性樹脂8の配置は、図2(b)に示すように、矩形の頂点配置とした。光硬化性樹脂8同士の間隔dは、350μmであった。
光硬化性樹脂8の平面視での直径は350μmであり、基板1上での光硬化性樹脂8の面積占有率は72%であった。そして、光硬化性樹脂8の中央部8aの厚みは30nmであり、周辺部8bの厚みは40nmであった。なお、前記した光硬化性樹脂8のサイズは、光硬化したものについてレーザー顕微鏡及び段差計を使用して測定した。
次に、図示しないが、基板1の表裏両面に実施例1と同様の凹凸パターンPを有する樹脂製のスタンパ2を押し当てた状態で、光硬化性樹脂8に紫外光を照射して光硬化性樹脂8を硬化させた。そして、硬化した光硬化性樹脂8からスタンパ2を剥離させることで基板1の表裏両面に凹凸パターンが形成された微細構造体が得られた。
そして、得られた微細構造体について、凹凸パターンの転写精度及び転写状態が実施例1と同様に評価された。転写精度は、高さ方向の最大寸法誤差がわずか3%程度であった。また、転写状態は、残膜の厚みが5nm程度であり、最大差は1nm程度であった。つまり、本実施例では、厚みむらが形成されずに均一なパターン形成層L(図4(a)参照)を作製することができた。
1 基板
2 スタンパ
8 光硬化性樹脂
8a 中央部
8b 周辺部
13 表面処理機構
14 樹脂塗布機構
15 インクジェットヘッド
16 光照射機構
17 剥離機構
A 微細構造転写装置
P 凹凸パターン
S ステージ

Claims (7)

  1. 表面に微細構造を有するスタンパを基板上に塗布した樹脂に押し当てて前記微細構造を前記樹脂に転写する微細構造転写方法において、
    前記基板の表面を海として前記樹脂を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布工程であって、
    前記島状の各樹脂の中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように前記基板上に前記樹脂を塗布する樹脂塗布工程を有することを特徴とする微細構造転写方法。
  2. 前記樹脂が光硬化性樹脂であって、
    前記スタンパを前記樹脂に押し当てた状態で前記樹脂に光を照射して前記樹脂を硬化させる光照射工程と、
    硬化した前記樹脂から前記スタンパを剥離する剥離工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。
  3. 前記樹脂の表面張力が、前記基板の表面エネルギの0.8倍以下であって、
    前記樹脂の基板上における平面視での直径が500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。
  4. 平面視での前記島状の各樹脂の直径が300μm以上であると共に各樹脂の中央部の厚みが30nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。
  5. 前記樹脂が前記基板の表面の70%以上を被覆していることを特徴とする請求項1に記載の微細構造転写方法。
  6. 表面に微細構造を有するスタンパを基板上に塗布した光硬化性樹脂に押し当てて前記微細構造を前記光硬化性樹脂に転写する微細構造転写装置において、
    前記基板の表面を海として前記光硬化性樹脂を島状に離散的に複数塗布する樹脂塗布機構であって、前記島状の各光硬化性樹脂の中央部が薄膜状に平坦であり、かつその周辺部が中央部よりも盛り上がった形状となるように前記基板上に前記光硬化性樹脂を塗布する樹脂塗布機構と、
    前記スタンパを前記光硬化性樹脂に押し当てた状態で前記光硬化性樹脂に光を照射して前記光硬化性樹脂を硬化させる光照射機構と、
    硬化した前記光硬化性樹脂から前記スタンパを剥離する剥離機構と、
    を備えることを特徴とする微細構造転写装置。
  7. 前記基板上に前記光硬化性樹脂を塗布する前に、前記光硬化性樹脂の表面張力が前記基板の表面エネルギの0.8倍以下となるように、前記基板の表面を処理する表面処理機構を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の微細構造転写装置。
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