JP5993230B2 - 微細構造転写装置及び微細構造転写スタンパ - Google Patents

微細構造転写装置及び微細構造転写スタンパ Download PDF

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本発明は、基板上に微細構造を形成する際に使用される微細構造転写装置及び微細構造転写スタンパに関する。
従来、半導体デバイス等で必要とされる微細パターンを加工する技術として、フォトリソグラフィ技術が多く用いられてきた。しかし、パターンの微細化が進み、要求される加工寸法が露光に用いられる光の波長程度まで小さくなるとフォトリソグラフィ技術での対応が困難となってきた。そのため、これに代わり、荷電粒子線装置の一種である電子線描画装置が用いられるようになった。
この電子線を使用したパターン形成は、i線、エキシマレーザ等の光源を使用したパターン形成における一括露光方法と異なり、マスクパターンを直接描画する方法をとる。よって、描画するパターンが多いほど露光(描画)時間が増加し、パターン完成までに時間がかかるという欠点があり、半導体集積回路の集積度が高まるにつれて、パターン形成に必要な時間が増大して、スループットが低下することが懸念される。
そこで、電子線描画装置の高速化を図るために各種形状のマスクを組み合わせて、それらに一括して電子ビームを照射することで複雑な形状の電子ビームを形成する、一括図形照射法の開発が進められている。しかしながら、パターンの微細化が進む一方で、電子線描画装置の大型化や、マスク位置の高精度制御等、装置コストが高くなるという欠点があった。
これに対し、高精度なパターン形成を低コストで行うための技術として、ナノインプリント技術が知られている。このナノインプリント技術は、形成しようとする微細パターンの凹凸に対応する凹凸(表面形状)が形成されたスタンパを、例えば所定の基板上に樹脂層を形成して得られる被転写体に型押しするものであり、微細パターンを樹脂層に転写して形成することができる。
また、光透過性を有するスタンパを使用すると、光硬化性樹脂からなる前記樹脂層に対して、このスタンパを型押しし、このスタンパを介して、高圧水銀ランプやLEDなどの光源を用いて紫外光を照射することで、樹脂層を硬化させることができ、短時間で高精度なパターン形成を行うことができる。このようなナノインプリント技術においては、大容量記録媒体における記録ビットのパターン形成や、半導体集積回路のパターン形成への応用が検討されている。
一般に、ナノインプリント技術で基板上の樹脂層に形成される微細パターンは、凸部と凹部とで構成される。そして、前記の大容量記録媒体や半導体集積回路は、それぞれ大容量記録媒体用基板や半導体集積回路用基板上に形成した、凸部の樹脂層をマスクとして、残膜部分(凹部の樹脂層)及びこの残膜で被覆される基板部分をエッチングすることで製造することができる。
ところで、基板部分のエッチング加工の精度は、残膜の面方向における厚さの分布の影響を受ける。具体的には、例えば、基板上に形成される残膜の面方向の厚さのばらつきが最大厚さと最小厚さの差で50nmを超える場合において、深さ50nmのエッチング加工を行うと、残膜が薄い箇所では基板にエッチングが施されるが、厚い箇所ではエッチングが施されない。したがって、基板に対するエッチング加工の所定の精度を維持しようとすれば、基板上に形成する残膜の厚さが均一である必要がある。
そして、残膜の厚さは薄い方が望ましく、例えば、微細パターンの凸部と凹部の高低差(凸部の高さ)が100nmの場合には、残膜の厚さは100nm以下が望ましい。つまり、残膜の厚さは、凸部の高さ以下であることが望ましい。これは、凸部の高さよりも残膜が厚いと、エッチングの際に凸部のサイドエッチングが起こり、所定の凸部幅よりも細くなり、或いは凸部が消失する虞もある。
その一方で、ナノインプリント技術で使用されるスタンパとしては、例えば、微細パターンを有する領域と微細パターンを有しない領域とが隣接して形成されているもの、数十nm間隔から数百μm間隔といった様々なパターンサイズ(凸部と凹部の間隔)からなる複数種のパターンが並存しているものなどのように、粗密が大きいパターンを有するものがある。
そして、このような粗密が大きいパターンを有するスタンパでは、基板上で均一な残膜を形成することが極めて困難になる。これは、パターンサイズが大きい(パターンが粗)大パターン部とパターンサイズが小さい(パターンが密)となる小パターン部とでは、パターンの凹部に充填されるべき必要な樹脂の体積が異なるためである。
従来、パターンの粗密が大きいスタンパを使用するナノインプリント技術としては、インクジェット法にて基板に塗布する樹脂量をパターンの粗密に応じて調節する技術(例えば、特許文献1参照)、大パターンと比較して小パターンにおける凹部の深さが深くなるようにパターンを形成する技術(例えば、特許文献2参照)、基板上に塗布した樹脂(樹脂層)にスタンパを押し当てた際に流動する余剰の樹脂を受け入れるためのダミーパターンをスタンパに形成する技術(例えば、特許文献3及び4参照)が知られている。
特許第4792028号公報 特開2007−95116号公報 特開2009−6619号公報 特開2008−91782号公報
しかしながら、パターンの粗密が大きいスタンパを使用する従来のナノインプリント技術(例えば、特許文献1から4参照)では、スタンパのパターン形成面積が広くなると、被転写体に複数回に分けて転写する分割転写ではなくて、1回の一括転写によれば基板上に薄く均一な樹脂の残膜を形成することが困難になる問題があった。
そこで、本発明の課題は、粗密が大きく広い面積のパターンを有するスタンパであっても、そのスタンパの一括転写によって基板上に薄く均一な樹脂の残膜を形成することができる微細構造転写装置及び微細構造転写スタンパを提供することにある。
前記課題を解決する本発明の微細構造転写スタンパは、微細なパターンを有するスタンパを、基板上に形成した樹脂膜に押し付けて、前記パターンを前記樹脂膜に転写する微細構造転写スタンパにおいて、前記スタンパの前記パターンは、複数のチップ領域を含んで構成されると共に、前記樹脂膜に前記スタンパが押し付けられる際にそれぞれの前記チップ領域内に形成されるチップパターンに向かって前記樹脂膜を形成する所定の体積の樹脂を流動させて供給する樹脂供給パターンを前記各チップ領域の外周部にし、前記チップパターンは、パターンサイズの相互に異なる少なくとも2種類の前記パターンを有し、前記パターンは、微細な凹部と凸部との繰り返しで形成されると共に、前記パターンサイズは、隣接し合う前記凸部同士の間隔で規定され、前記チップパターンの、少なくとも2種類の前記パターンは、前記パターンサイズが最大の大パターンと、前記パターンサイズが最小の小パターンとを含んで構成され、前記大パターンと前記小パターンとにおける前記パターンサイズ同士の比は、100倍以上であることを特徴とする。
また、前記課題を解決する本発明の微細構造転写装置は、前記の微細構造転写スタンパを備えることを特徴とする。
本発明によれば、粗密が大きく広い面積のパターンを有するスタンパであっても、そのスタンパの一括転写によって基板上に薄く均一な樹脂の残膜を形成することができる微細構造転写装置及び微細構造転写スタンパを提供することができる。
本発明の実施形態に係る微細構造転写装置の構成を説明するため模式図である。 本発明の実施形態に係る微細構造転写スタンパの、パターンを有する側の面を示す平面図である。 (a)は、図2の微細構造転写スタンパに形成される樹脂供給用パターン及びチップ領域のチップパターンを表す部分平面図、(b)は、(a)のIIIb−IIIb断面図、(c)は、(a)のIIIc−IIIc断面図である。 (a)から(d)は、本発明の実施形態に係る微細構造転写方法の工程説明図である。 (a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係る微細構造転写スタンパの、パターンを有する側の面を示す平面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る微細構造転写スタンパに形成される樹脂供給用パターン及びチップ領域のチップパターンを表す部分平面図、(b)は、(a)のVIb−VIb断面図、(c)は、(a)のVIc−VIc断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る微細構造転写スタンパの、パターンを有する側の面を示す平面図、(b)は、(a)の微細構造転写スタンパにおける、チップ領域の外側に形成される樹脂供給パターン及び樹脂排出パターンの様子を示す部分拡大図、(c)は、(b)のチップ領域のチップパターン、樹脂供給パターン及び樹脂排出パターンが、樹脂膜に転写される様子を示す模式図である。 図7(a)の微細構造転写スタンパの変形例を示す平面図である。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る微細構造転写装置Aは、微細なパターンを有する微細構造転写スタンパ1(以下、単に「スタンパ1」と称する)と、このスタンパ1を基板2上に形成した樹脂膜3に押し付けて、スタンパ1のパターンを樹脂膜3に転写するものである。
この微細構造転写装置Aにおいては、スタンパ1は、パターンの形成面が基板2に対向するようにプレート5に固定されている。このプレート5にスタンパ1を固定する方法としては、例えば、接着、真空吸着、機械的チャック等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。また、プレート5は、スタンパ1を基板2に対して接近・離反させる、図示しない昇降機構を備えている。本実施形態でのスタンパ1は、光透過性材料で形成されており、このスタンパ1については後に詳しく説明する。
基板2は、スタンパ1の下方に配置されるステージ4に固定されている。基板2をステージ4に固定する方法としては、例えば、接着、真空吸着、機械的チャック等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
基板2としては、特に制限はなく、微細なパターンを転写して得られる微細構造体の用途に応じて適宜に設定することでき、例えば、シリコンウエハ、各種金属材料、ガラス、石英、セラミック、樹脂等が挙げられる。
基板2の形状としては、平面形状で、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。また、基板2には、中心穴が加工されていてもよい。
基板2上には、光硬化性樹脂組成物が塗布されて形成される前記の樹脂膜3が配置されている。
光硬化性樹脂組成物に含まれる光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基等を有するものが挙げられ、特にエポキシ基、オキセタニル基を有するものが望ましい。
また、光硬化性樹脂組成物には、光重合開始剤が含まれる。
この光重合開始剤としては、例えば、ベンジルケタール、α−ヒドロキシケトン、α−アミノケトン、アシルフォスフィンオキサイド、チタノセノン、オキシフェニル酢酸エステル、オキシムエステル等が挙げられるがこれらに制限されるものではない。
この光硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、ディスペンス法、インクジェット法、スプレー法、スピンコート法等が挙げられる。中でもスピンコート法は望ましい。
なお、基板2の表面には樹脂膜3との接着を促進するための接着層を形成することができる。
このような基板2上の樹脂膜3は、後記するように、スタンパ1が押し付けられた際に、スタンパ1の裏面(プレート5側の面)に設けられた光源(図示省略)から照射される紫外線UV(図4(c)参照)によって硬化することとなる。
次に、本実施形態に係るスタンパ1について説明する。参照する図2は、本実施形態に係る微細構造転写スタンパの、パターンを有する側の面を示す平面図である。図3(a)は、図2の微細構造転写スタンパに形成される樹脂供給用パターン及びチップ領域のチップパターンを表す部分平面図、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb断面図、図3(c)は、図3(a)のIIIc−IIIc断面図である。
スタンパ1(図1参照)は、樹脂膜3(図1参照)との対向面に微細なパターン(図示省略)を有している。このパターンとしては、例えば、複数の微小突起が規則的に配置されたドットパターンや、これとは逆に微小凹部が規則的に配置されたパターン、複数の条が規則的に配置されたラインアンドスペースパターン(ラメラパターン)等が挙げられる。
本実施形態での「微細」とは、ナノメートルからマイクロメートルのサイズ(パターンサイズ)をいい、樹脂膜3に転写するパターン(微細構造)が、例えば、ドットパターンの場合には、隣接し合う微小突起(凸部)同士の間隔(フルピッチ)がナノメートルからマイクロメートルのサイズであり、ラメラパターンの場合には、隣接し合う条(凸部)同士の間隔(フルピッチ)がナノメートルからマイクロメートルのサイズであることをいう。
本実施形態に係るスタンパ1は、図2に示すように、略円盤形状を有しており、後記するチップパターン10(図3(a)参照)が形成される複数のチップ領域6と、各チップ領域6の外側(外周部)に形成される樹脂供給パターン9とを備えている。
このスタンパ1は、例えば、ガラス、石英、樹脂等の光透過性を有する材料で形成されている。また、スタンパ1としては、これらの材料を組み合わせた複合材料で形成されたものを使用することもできる。
本実施形態でのチップ領域6は、平面視で矩形の輪郭11で区画されている。この矩形の輪郭11は、このチップ領域6内に形成されるチップパターン10(図3(a)参照)に基づいて、後のエッチング工程等を経て基板2(図1参照)側に作り込まれることとなるチップ(図示省略)をダイシングソー等で切り出す際の、スクライブラインに対応することとなる。
図2に示すように、本実施形態でのスタンパ1に形成される複数のチップ領域6は、複数列、複数行となるように配列されている。具体的には、スタンパ1の一面に、合計36個のチップ領域6が8列に振り分けられ、図2の紙面右側から左側に向かう列順で、2行、4行、6行、6行、6行、6行、4行、2行となるようにチップ領域6の列が配置されている。なお、チップ領域6の数及び配列の態様はこれに限定されることなく、例えば、チップサイズ、基板2の形状、基板2の大きさ等に応じて適宜に設定することができる。そして、後に詳しく説明する樹脂供給パターン9は、スタンパ1の一面のチップ領域6を除く部分、つまりチップ領域6の配列の間、及びスタンパ1の外周に沿って形成されている。
本実施形態でのスタンパ1は、図3(a)から(c)に示すように、チップ領域6内に大パターン7と小パターン8とを含んで構成されるチップパターン10を有している。
ちなみに、本実施形態での小パターン8は、図3(a)紙面の上下方向に延在するように設けられるラインアンドスペースパターンで構成されている。また、大パターン7は、図3(a)紙面の上下方向に小パターン8を挟んで2組設けられ、各大パターン7は、図3(a)紙面の左右方向に延在する2本の条7a(ラインアンドスペースパターン)で構成されている。
そして、これらの大パターン7と小パターン8とは、互いにパターンサイズが異なっており、大パターン7の隣接し合う条7a(凸部)同士の間隔(フルピッチ)は、小パターン8の隣接し合う条8a(凸部)同士の間隔(フルピッチ)よりも大きくなっている。
なお、図3(a)から(c)に示す大パターン7及び小パターン8は、これらを模式的に示したものであり、これらのパターンサイズは作図の便宜上、実寸と異なっている。ちなみに、大パターン7のパターンサイズ(条(凸部)同士の間隔で規定されるフルピッチ)は、小パターン8のパターンサイズ(条(凸部)同士の間隔で規定されるフルピッチ)の100倍以上となるように設定することができる。
本発明におけるチップパターン10としては、以上の大パターン7及び小パターン8に限定されるものではない。例えば、パターンの形態は、突起、窪み(ピット)、条等の他のパターンを組み合わせて、又は単独で使用することができるし、パターンサイズ(フルピッチ)、チップ領域6内で大パターン7と小パターン8とが占める割合(面積比)等も適宜に設定することができる。
また、チップパターン10は、大パターン7及び小パターン8の2種類に限定されずに、パターンの形態、パターンサイズ等の違いによって区別される2種類以上のパターンで構成することもできる。
次に、樹脂供給パターン9について説明する。この樹脂供給パターン9は、前記したように、各チップ領域6の外周部に形成されている。本実施形態での樹脂供給パターン9は、図2及び図3(a)から(c)に示すように、前記の輪郭11を境にチップ領域6の外側に形成されている。そして、樹脂供給パターン9は、チップパターン10(大パターン7及び小パターン8)の凸部と同じ高さの凸部で形成されている。
また、樹脂供給パターン9の凸部の占める表面面積は、チップパターン10(大パターン7及び小パターン8)の凸部の占める表面面積よりも大きくなるように形成されている。
このような樹脂供給パターン9は、後記するように、樹脂膜3にスタンパ1が押し付けられる際に(図4(b)参照)、それぞれのチップ領域6内に形成されるチップパターン10に向かって、樹脂膜3を形成する所定の体積の光硬化性樹脂組成物(樹脂)を流動させて供給するようになっている。
そして、前記の樹脂供給パターン9の凸部の占める表面面積は、チップパターン10(大パターン7及び小パターン8)に流動させる光硬化性樹脂組成物(樹脂)の体積によって計算される。ちなみに、樹脂供給パターン9が流動させる光硬化性樹脂組成物(樹脂)の体積は、大パターン7及び小パターン8の凹部に充填される体積よりも大きくなるように設定されることが望ましい。
以上のようなチップパターン10(大パターン7及び小パターン8)及び樹脂供給パターン9を含んで構成されるスタンパ1のパターンは、前記したスタンパ1の材料に対して、例えば、フォトリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ、電子ビーム描画法、ナノプリント法等の方法を使用して形成することができる。また、これらの方法は、スタンパ1に形成するパターンの加工精度に応じて適宜に選択することができるが、これらに限定されるものではなく、他の形成方法を採用することもできる。
次に、本実施形態に係る微細構造転写装置A(図1参照)を使用した微細構造転写方法について説明する。
本発明の微細構造転写方法は、樹脂膜3にスタンパ1が押し付けられる際に、各チップ領域6の外周部からそれぞれのチップ領域6内に形成されるチップパターン10に向かって、樹脂膜3を形成する所定の体積の前記した光硬化性樹脂組成物(樹脂)を流動させて供給することを主な特徴とする。
以下では、微細構造転写装置Aの動作を説明しながら、微細構造転写方法について説明する。参照する図4(a)から(d)は、本発明の実施形態に係る微細構造転写方法の工程説明図である。
なお、図4(a)から(d)は、図1に示す微細構造転写装置Aにおける基板2上に設けられた樹脂膜3に対向するスタンパ1を部分的に拡大して表したものであり、図3(b)に示す部分断面図に対応するスタンパ1部分が樹脂膜3に対向している様子を表している。
図1に示すように、樹脂膜3の設けられた基板2がステージ4上に固定され、スタンパ1がプレート5に固定されて微細構造転写装置Aが構成される。そして、図4(a)に示すように、スタンパ1のチップ領域6に形成されたチップパターン10と、チップ領域6の外周部に形成された樹脂供給パターン9とが、基板2上の樹脂膜3と対向することとなる。図4(a)中、符号8aは小パターン8の条であり、図4(a)にはその断面で条8aが表されている。図4(a)中、符号7aは大パターン7の条であり、図4(a)には、その側面の一部で条7aが表されている。
図1に示すプレート5が、図示しない昇降機構によって降下することで、図4(b)に示すように、スタンパ1が樹脂膜3に押し付けられる。この際、チップ領域6のチップパターン10に対向する樹脂膜3を形成する樹脂は優先的にチップパターン10の凹部に充填されていく。
なお、スタンパ1を樹脂膜3に接触させる際に、後の樹脂膜3の硬化工程でその硬化を促進するために、スタンパ1と樹脂膜3とを減圧下に、又は窒素等のガス雰囲気中にさらした後、スタンパ1と樹脂膜3とを接触させることができる。
また、スタンパ1を樹脂膜3に接触させる際に、微細構造転写装置Aに設けたアライメント機構(図示省略)によって、スタンパ1と基板2との位置合わせを行って、スタンパ1と樹脂膜3とを接触させることができる。ちなみに、アライメント機構としては、例えば、光学アライメント式のもの、機械アライメント式のもの等が挙げられる。
そして、本実施形態に係る微細構造転写方法では、図4(b)に示すように、スタンパ1が樹脂膜3に押し付けられる際に、樹脂供給パターン9は、この樹脂供給パターン9に対向する樹脂膜3を形成する樹脂を流動させて、チップパターン10に向かって供給する。その結果、スタンパ1は、基板2上で樹脂膜3を形成する樹脂を押し広げる。
次に、この微細構造転写方法では、図4(c)に示すように、樹脂膜3にスタンパ1を押し付けた状態で、スタンパ1の裏側に設置した前記の光源(図示省略)から紫外線UVを樹脂膜3に照射する。そのことで、樹脂膜3は、スタンパ1のチップパターン10(図4(b)参照)の形状に倣った状態で硬化する。
そして、図1に示すプレート5が、図示しない昇降機構によって上昇することで、図4(d)に示すように、硬化した樹脂膜3からスタンパ1が剥離される。その結果、基板2上には、スタンパ1のチップパターン10が転写された樹脂膜3の硬化物が形成される。また、スタンパ1のチップパターン10の凸部と基板2との間、言い換えれば、樹脂膜3の硬化物に転写されたパターンの凹部と基板2との間、及び樹脂供給パターン9と基板2との間には、樹脂膜3の硬化物からなる残膜12が形成される。
以上のような本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
本実施形態によれば、粗密を有するチップパターン10(大パターン7及び小パターン8)を有するチップ領域6に向けて、このチップ領域6の外周部に設けられた樹脂供給パターン9が樹脂膜3の光硬化性樹脂組成物(樹脂)を流動させて供給する。そのため、スタンパ1の中央部に形成されて樹脂が不足しがちのチップパターン10(特に、大パターン7)は、樹脂供給パターン9によって樹脂が十分に供給される。その結果、パターン形成面積が広く、また粗密を有するチップパターン10を有するスタンパ1であっても、スタンパ1の一括転写によって基板2上にパターン転写された微細構造を欠陥なく形成することができる。
また、樹脂供給パターン9によって樹脂がチップ領域6のチップパターン10に十分に供給されるので、従来と比較して、より少ない樹脂量で(より薄い樹脂膜3であっても)、欠陥のない微細構造を基板2上に形成することができる。その結果、残膜12を薄く均一に基板2上に形成することができる。
また、樹脂供給パターン9は、チップパターン10(大パターン7及び小パターン8)の凸部と同じ高さの凸部で形成され、平面視で樹脂供給パターン9の凸部の占める表面面積は、大パターン7の凸部の占める表面面積よりも大きくなるように形成されているので、比較的、多くの樹脂の充填量を確保しなければならない大パターン7に対しても十分な量の樹脂を供給することができる。
なお、本実施形態は前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、図2の紙面左右方向に等間隔で配置されるチップ領域6の列同士の間に樹脂供給パターン9が形成されるものについて説明したが、樹脂供給パターン9は、チップ領域6の配置に応じて形状を変更することができる。次に参照する図5(a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係る微細構造転写スタンパの、パターンを有する側の面を示す平面図であり、前記実施形態とは別の樹脂供給パターンの態様を示している。
図5(a)に示すように、このスタンパ1では、チップ領域6の列同士の間に形成される樹脂供給パターン9の幅は、スタンパ1の中央から外側寄りになるほど次第に狭くなるように形成されている。つまり、図5(a)に示すように、スタンパ1の中央から外側寄りに、幅W1>幅W2>幅W3の関係を満たすようになっている。
このような樹脂供給パターン9によれば、図5(a)の紙面左右方向に、スタンパ1の外側寄りから中央に向かうほど、チップ領域6の配置密度が、2行、4行、6行へと次第に大きくなっていく。つまり、このスタンパ1では、チップ領域6の配置密度が大きい部分ほど、樹脂供給パターン9の幅を大きく、言い換えれば樹脂供給パターン9の表面面積を大きく取って、各チップ領域6のチップパターン10に供給する樹脂量を十分に確保できる構成となっている。
また、図5(b)に示すように、樹脂供給パターン9は、千鳥状に配置されるチップ領域6同士の間に形成される構成とすることができる。
このような樹脂供給パターン9によれば、千鳥状に配置されるチップ領域6同士の間に樹脂供給パターン9が形成されることによって、樹脂供給パターン9から各チップ領域6に供給される樹脂量を略一定に制御することができる。
なお、チップ領域6同士の間隔については、できるだけ多くの取り数が得られるよう配置を工夫することが望ましい。
また、前記実施形態では、樹脂供給パターン9は、チップ領域6内に形成されるチップパターン10の凸部の高さと同じ高さの凸部で形成したが、チップパターン10に樹脂を供給できればこれに限定されず、樹脂供給パターン9は、ラインアンドスペースパターン、ドットパターン等で形成することもできる。
また、前記実施形態では、樹脂供給パターン9は、チップ領域6の輪郭11を境に、チップ領域6の外側に形成した例について説明したが、本発明はチップ領域6の輪郭11の内側にも樹脂供給パターン9を有する構成とすることができる。次に参照する図6(a)は、本発明の他の実施形態に係る微細構造転写スタンパに形成される樹脂供給用パターン及びチップ領域のチップパターンを表す部分平面図、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb断面図、図6(c)は、図6(a)のVIc−VIc断面図である。
図6(a)から(c)に示すように、このスタンパ1は、チップ領域6の輪郭11の外側に樹脂供給パターン9を有していると共に、輪郭11の内側で、この輪郭11とチップパターン10との間にも樹脂供給パターン9を有している。ちなみに、このチップ領域6の大パターン7は、図6(a)の紙面上下方向に配列する3つの凹部7bと、この3つの凹部7bの間に合計で4つ配置される凸部7aとで構成されている。図6(a)中、符号8は、小パターンである。
このような樹脂供給パターン9は、前記実施形態でのスタンパ1よりも、より広い樹脂供給パターン9を形成することができるので、チップパターン10で樹脂が充填されるべき凹部が大きく設定される場合、例えば、図6(a)に示す大パターン7の凹部7bのように、比較的大きい凹部7bを形成する場合に特に望ましい態様となる。
また、前記実施形態では、スタンパ1の外周部に形成される樹脂供給パターン9が、チップ領域6同士の間に形成される樹脂供給パターン9と同じ高さの平坦面で形成されるものを想定しているが、本発明はスタンパ1の外周部に形成される樹脂供給パターン9にドレイン機構を設けて、スタンパ1が樹脂膜3に押し付けられた際の余剰の樹脂をスタンパ1の外側に排出する構成とすることもできる。
ちなみに、このドレイン機構としては、例えば、スタンパ1の外縁にその一端が臨む複数の溝からなるダミーパターンが挙げられる。
また、本発明は、スタンパ1が樹脂膜3に押し付けられた際の余剰の樹脂を受け入れる樹脂排出パターンを有する構成とすることもできる。
次に参照する図7(a)は、樹脂排出パターンを有する微細構造転写スタンパの平面図、(b)は、(a)の微細構造転写スタンパにおける、チップ領域の外側に形成される樹脂供給パターン及び樹脂排出パターンの様子を示す部分拡大図、(c)は、(b)のチップ領域のチップパターン、樹脂供給パターン及び樹脂排出パターンが、樹脂膜に転写される様子を示す模式図である。
図7(a)及び(b)に示すように、スタンパ1は、チップパターン10を有する複数のチップ領域6を有し、各チップ領域6の外周部には、樹脂供給パターン9を介して樹脂排出パターン13が形成されている。
スタンパ1の樹脂排出パターン13は、図7(c)に示すように、チップ領域6におけるチップパターン10の凹部と同じ深さの凹部で形成されている。なお、樹脂供給パターン9は、前記実施形態と同様に、チップパターン10の凸部と同じ高さの凸部で形成されている。
このようなスタンパ1によれば、樹脂膜3(図4(a)参照)にスタンパ1が押し付けられる際に、樹脂供給パターン9は、それぞれのチップ領域6内に形成されるチップパターン10に向かって、樹脂膜3を形成する所定の体積の光硬化性樹脂組成物(樹脂)を流動させて供給する。
この際、樹脂排出パターン13は、チップ領域6及び樹脂供給パターン9における余剰の樹脂を受け入れて当該チップ領域6及び当該樹脂供給パターン9における余剰の樹脂の排出を促がす。したがって、このスタンパ1によれば、図7(c)に示すように、樹脂膜3に形成される残膜12は、より一層、薄く均一な厚さとなる。
なお、図7(a)に示すスタンパ1の白抜き部分は、樹脂供給パターン9の凸部と同じ高さの平坦面を想定しているが、本発明は、この白抜き部分を、樹脂排出パターン13の凹部と同じ深さの平坦面として、樹脂の排出をより促進できる構成とするのが望ましい。
次に参照する図8は、図7(a)の微細構造転写スタンパの変形例を示す平面図である。
図7(a)に示す前記のスタンパ1は、各チップ領域6の外周部を個別に取り囲むように、樹脂供給パターン9及び樹脂排出パターン13が形成されている。
これに対して、変形例に係るスタンパ1は、図8に示すように、複数のチップ領域6が互いに接するように列を複数形成すると共に、列ごとにこの列を取り囲むように、樹脂供給パターン9及び樹脂排出パターン13が形成される構成とすることもできる。
また、前記実施形態では、樹脂膜3に対するスタンパ1の加圧は、プレート5を介しての平面加圧を想定しているが、本発明ではスタンパ1の中央部から端縁に掛けて圧力分布が次第に小さくなるようにスタンパ1を加圧する球面加圧、スタンパ1を転動するロールで加圧するロール加圧等を採用することもできる。また、前記実施形態では、昇降機構でプレート5を介してスタンパ1を加圧しているが、本発明はスタンパ1の背面に設けた加圧室に空気を送り込んでスタンパ1を加圧するエア加圧を採用することもできる。
次に、実施例を示しながら本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1では、図1に示す微細構造転写装置Aを使用して、基板2上に形成した樹脂膜3にスタンパ1のパターンを転写して微細構造体を作製した。
スタンパ1には、直径200mm、厚さ0.725mmの略円盤状のガラス上にEB描画法にて微細なパターンを直接描画したものを使用した。パターンは、図2に示すように、複数のチップ領域6が配列するものである。
チップ領域6内に形成されるチップパターンは、図3(a)に示すように、大パターン7及び小パターン8を含んで構成され、それぞれラインアンドスペース状(ラメラ状)に凹部と凸部が形成されたものである。ちなみに、大パターン7のパターンサイズは最大幅(凸部同士の間隔で規定されるフルピッチの最大値)で300μmであり、小パターン8のパターンサイズは、最小幅(凸部同士の間隔で規定されるフルピッチの最小値)で200nmであった。大パターン7及び小パターン8の深さはエッチングによりともに400nmとした。樹脂供給パターン9は、大パターン7及び小パターン8の凸部の高さと同じ、凸部(但し、当該凸部上では凹凸のない平坦パターン)で形成した。
樹脂供給パターン9は、チップ領域6の外周部に形成した。具体的には、チップ領域6のスクライブラインの外側500μmの範囲で形成した。また、図示しないが、スタンパ1の最外周(チップ領域6及び樹脂供給パターン9を除く部分)には、このスタンパ1を基板2状の樹脂膜3に押し付けた際に、スタンパ1の外側に余剰の樹脂を排出するためのダミーパターンを形成した。ちなみに、このダミーパターンは、微小凹部が複数配列するドットパターンで形成されたものであり、フルピッチ(凹部同士の間隔)5μm、ドット径2.5μm、凹部深さ400nmであった。
そして、このスタンパ1の表面(パターン形成面)にOPTOOL DSX(ダイキン工業社製)を用いて離型処理を行うと共に、これを組み込んだ図1に示す微細構造転写装置Aを構成した。
図1に示す微細構造転写装置Aの基板2としては、直径100mm、厚さ0.525mmのシリコンウエハを使用した。基板2の表面には、図1に示す樹脂膜3との接着性を向上させるために、カップリング剤(信越シリコーン社製、KBM5103)で接着処理を施した。
樹脂膜3としては、次の光硬化性樹脂組成物を基板2上に100nmの厚さで塗布することで形成した。
前記の光硬化性樹脂組成物としては、ウレタンアクリレート(新中村化学社製、UA−53H)10質量部、ブチルアクリレート(東京化成工業製)90質量部、及び重合開始剤(Ciba社製、DAROCUR1173)3質量部からなる混合物を使用した。
そして、スタンパ1を、図示しない保持治具等のスタンパ保持手段を介してプレートに固定すると共に、樹脂膜3を形成した基板2を、図示しない真空吸着装置等の基板保持手段を介してステージ4に固定した。
次に、本実施例では、この微細構造転写装置Aを使用して基板2上の樹脂膜3にスタンパ1のパターンを転写した。
まず、スタンパ1を保持したプレート5を下降させ、スタンパ1を樹脂膜3に押し付けて基板2上で樹脂膜3を押し広げた。具体的には、樹脂供給パターン9(図4(c)参照)と接する部分の樹脂膜3(図4(c)参照)の厚さが50nm以下となるまで樹脂膜3にスタンパ1を押し付けた。
このことで、チップ領域6に形成されたチップパターン(大パターン7及び小パターン8)には、大パターン7及び小パターン8に対応する位置に形成される樹脂膜3から樹脂が供給されると共に、樹脂供給パターン9に対応する位置に形成される樹脂膜3からも樹脂が供給された。
次に、スタンパ1の裏面に設置した図示しない光源から紫外線UV(図4(c)参照)を照射し、樹脂膜3を硬化させた。その後、プレート5(図4(d)参照)を上昇させることで、スタンパ1を基板2側から剥離した。その結果、基板2上には、スタンパ1のパターン(微細構造)が転写された樹脂膜3(図4(d)参照)が得られた。
そして、樹脂膜3に転写されたパターンを光学顕微鏡で測定したところ、樹脂膜3に転写されたパターンには欠損部が認められなかった。つまり、樹脂膜3にスタンパ1を押し付けた際に、スタンパ1のパターンには樹脂が完全に充填されていたことが確認できた。
また、スタンパ1のパターンが転写された樹脂膜3の一部を削り取って原子間力顕微鏡で観察したところ、基板2の中央部から外周部に掛けての大パターン7の残膜12(図4(d)参照)の厚さは30〜40nmであり、基板2の中央部から外周部に掛けての小パターン8の残膜12の厚さは20〜30nmであった。つまり、直径100mmの基板2の略全面に亘って、残膜12の厚さが20〜40nmの範囲内で形成されたことが確認できた。
(実施例2)
実施例2では、図5(a)に示すように、複数のチップ領域6が配列するスタンパ1を使用した以外は、実施例1と同様に微細構造転写装置Aを構成し、この微細構造転写装置Aを使用して実施例1と同様の方法で基板2上の樹脂膜3にスタンパ1のパターンを転写した。なお、図5(a)に示すスタンパ1の中央部付近における樹脂供給パターン9の幅W1は500μmであり、外周寄りの樹脂供給パターン9の幅W3は200μmであった。
そして、樹脂膜3に転写されたパターンを光学顕微鏡で測定したところ、樹脂膜3に転写されたパターンには欠損部が認められなかった。つまり、樹脂膜3にスタンパ1を押し付けた際に、スタンパ1のパターンには樹脂が完全に充填されていたことが確認できた。
また、スタンパ1のパターンが転写された樹脂膜3の一部を削り取って原子間力顕微鏡で観察したところ、基板2の中央部から外周部に掛けての大パターン7の残膜12(図4(d)参照)の厚さは30〜40nmであり、基板2の中央部から外周部に掛けての小パターン8の残膜12の厚さは20〜30nmであった。つまり、直径100mmの基板2の略全面に亘って、残膜12の厚さが20〜40nmの範囲内で形成されたことが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、図5(a)に示すように、複数のチップ領域6が配列するスタンパ1であって、図6に示すレイアウトのチップ領域6を有するものが使用された。このスタンパ1を使用した以外は、実施例1と同様に微細構造転写装置Aを構成し、この微細構造転写装置Aを使用して実施例1と同様の方法で基板2上の樹脂膜3にスタンパ1のパターンを転写した。
そして、樹脂膜3に転写されたパターンを光学顕微鏡で測定したところ、樹脂膜3に転写されたパターンには欠損部が認められなかった。つまり、樹脂膜3にスタンパ1を押し付けた際に、スタンパ1のパターンには樹脂が完全に充填されていたことが確認できた。
また、スタンパ1のパターンが転写された樹脂膜3の一部を削り取って原子間力顕微鏡で観察したところ、基板2の中央部から外周部に掛けての大パターン7の残膜12(図4(d)参照)の厚さは30〜40nmであり、基板2の中央部から外周部に掛けての小パターン8の残膜12の厚さは20〜30nmであった。つまり、直径100mmの基板2の略全面に亘って、残膜12の厚さが20〜40nmの範囲内で形成されたことが確認できた。
(比較例)
比較例では、図2に示すスタンパ1において、チップ領域6間に樹脂供給パターン9が形成されていない、つまり、図1の横方向に並ぶチップ領域6同士がスクライブラインのみを介して隣接しているスタンパ1を使用した。このスタンパ1を使用した以外は、実施例1と同様に微細構造転写装置Aを構成し、この微細構造転写装置Aを使用して実施例1と同様の方法で基板2上の樹脂膜3にスタンパ1のパターンを転写した。
そして、樹脂膜3に転写されたパターンを光学顕微鏡で測定したところ、樹脂膜3に転写されたパターンには欠損(欠陥)が生じていた。つまり、樹脂膜3にスタンパ1を押し付けた際に、スタンパ1のパターンには樹脂が完全に充填されていなかったことが確認できた。
次に、この比較例では、光硬化性樹脂組成物を基板2上に100nmの厚さで塗布して樹脂膜3を形成した。そして、この樹脂膜3にスタンパ1のパターンを転写した。この樹脂膜3に転写されたパターンを光学顕微鏡で測定したところ、樹脂膜3に転写されたパターンには欠損は認められなかったものの、残膜12の厚さは最小で10nm、残膜12の厚い部分は80nmを超えていた。そして、残膜12の厚さも基板2の全面に渡って不均一となっていた。特に、チップ領域6の配置密度が異なる基板2の中寄りと外周部では、残膜12の厚さの差が顕著であった。
1 微細構造転写スタンパ(スタンパ)
2 基板
3 樹脂膜
4 ステージ
5 プレート
6 チップ領域
7 大パターン
8 小パターン
9 樹脂供給パターン
10 チップパターン
12 残膜
13 樹脂排出パターン
A 微細構造転写装置

Claims (5)

  1. 微細なパターンを有するスタンパを、基板上に形成した樹脂膜に押し付けて、前記パターンを前記樹脂膜に転写する微細構造転写スタンパにおいて、
    前記スタンパの前記パターンは、複数のチップ領域を含んで構成されると共に、前記樹脂膜に前記スタンパが押し付けられる際にそれぞれの前記チップ領域内に形成されるチップパターンに向かって、前記樹脂膜を形成する所定の体積の樹脂を流動させて供給する樹脂供給パターンを前記各チップ領域の外周部に有し、
    前記チップパターンは、パターンサイズの相互に異なる少なくとも2種類の前記パターンを有し、
    前記パターンは、微細な凹部と凸部との繰り返しで形成されると共に、
    前記パターンサイズは、隣接し合う前記凸部同士の間隔で規定され、
    前記チップパターンの、少なくとも2種類の前記パターンは、前記パターンサイズが最大の大パターンと、前記パターンサイズが最小の小パターンとを含んで構成され、
    前記大パターンと前記小パターンとにおける前記パターンサイズ同士の比は、100倍以上であることを特徴とする微細構造転写スタンパ。
  2. 請求項1に記載の微細構造転写スタンパにおいて、
    前記樹脂供給パターンは、前記チップパターンの前記凸部と同じ高さの前記凸部で形成され、平面視で前記樹脂供給パターンの前記凸部の占める表面面積は、前記大パターンの前記凸部の占める表面面積よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする微細構造転写スタンパ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の微細構造転写スタンパにおいて、
    互いに隣接し合う前記チップ領域同士の間に形成される前記樹脂供給パターンを有し、前記微細構造転写スタンパの中央部に形成される当該樹脂供給パターンの幅は、前記微細構造転写スタンパの外側寄りに形成される当該樹脂供給パターンの幅よりも広く形成されていることを特徴とする微細構造転写スタンパ。
  4. 請求項1に記載の微細構造転写スタンパにおいて、
    前記スタンパの前記パターンは、前記樹脂膜に前記スタンパが押し付けられる際に、前記チップ領域及び前記樹脂供給パターンにおける余剰の樹脂を受け入れて当該チップ領域及び当該樹脂供給パターンにおける余剰の樹脂の排出を促がす樹脂排出パターンを前記樹脂供給パターンの外周部に有することを特徴とする微細構造転写スタンパ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の微細構造転写スタンパを備えることを特徴とする微細構造転写装置。
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