JP5644906B2 - ナノインプリント方法 - Google Patents
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Description
(第1のナノインプリント装置)
図1を参照して、本発明に係るナノインプリント装置について説明する。図1は本発明に係るナノインプリント装置の構成を説明する概略図である。ナノインプリント装置10は主要な構成として、ナノインプリントを実施する要素を内部に備えた転写部11(本実施形態では「密閉チャンバー」として図示している)、転写部11内を給排気する給排気装置17、および樹脂の硬化を阻害する気体を供給する気体供給装置(酸素供給装置18)を少なくとも具備している。
(第2のナノインプリント装置)
図2を参照して、本発明に係るナノインプリント装置の別の例について説明する。なお、第1のナノインプリント装置と略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明を省略する。
(1)転写部11が開放された空間である。
(2)酸素給装置18が樹脂層の硬化させたくない部分に対して、局所的に酸素を供給することができる構成である。
(第1のナノインプリント方法)
次に図面を参照して、本発明に係るナノインプリント方法の手順の一例を説明する。図3は本発明に係るナノインプリント方法を説明する工程断面図であり、モールドの凹凸パターン部を樹脂層に一括転写する形態を示す。図4は本発明に係るナノインプリント工程中における酸素濃度の推移の一例を説明する概略図である。
(1)モールド及び転写基材の準備(図3(A)参照)
転写基材3上にインプリント材料をスピンコート法により塗布し、樹脂層4を形成する。そして、樹脂層4が形成された転写基材3を基材チャック14上に載置する。なお、樹脂層4をインクジェット方式で転写基材3に供給する場合には、転写基材3を基材チャック14上に配置した後に、図示しない塗布ヘッドから樹脂を吐出して樹脂層4を形成する。そしてモールド1をモールドチャック12上に載置する。
(2)モールドと樹脂層の接触(図3(B)参照)
転写部11内を真空引きし、モールド1および転写基材3をそれぞれに位置決めを行なった後、モールドステージ13あるいは基材ステージ15を移動させ、モールド1を樹脂層4に接触させる。モールドの押圧条件等を調整して、凹凸パターン部2内に漏れなくインプリント材料を充填する。モールド1と転写基材3の大きさが同程度である場合には、モールド1と転写基材3との間に存在する樹脂層4の側面が転写部11内の雰囲気に曝されている。このとき、転写部11内における酸素濃度(NB )は、図4に示すように前工程(NA )と略同様である。
(3)樹脂層の硬化および離型開始点の作成(図3(C)参照)
モールド1を樹脂層4に接触させた状態で照明光学系16によって紫外線を照射して樹脂層4の硬化を行う。本発明に係るナノインプリント法では、少なくとも紫外線により樹脂層4を硬化させる時点において、転写部内に樹脂層4の紫外線による硬化を阻害する気体を供給し、モールド1の外縁部に位置する樹脂層に対して硬化が不十分な部分を作成することを特徴とする。転写部11内における酸素濃度は、図4に示すように意図的にモールドと樹脂層の接触時よりも高い状態(NC )が実現されている。効果的に樹脂の硬化を阻害するには、例えば5×104 ppm以上程度含むことが好ましい。より好ましくは1×105 ppm以上であり、さらに好ましくは2×105 ppm程度の酸素を含むことが好ましい。紫外線硬化を阻害する気体(酸素)の量を多くすることで、離型をスムーズに行うことができる。
(4)離型(図3(D)参照)
所定量の紫外線を照射した後、転写部11内を圧力開放して大気圧にする。そしてモールド1を樹脂層4から離型し、転写基材3を転写部外へ取り出す。図4に示すように転写部11の圧力開放に伴い、転写部11内における酸素の占める体積濃度は低下する(ND)。
(変形例)
本発明に係るナノインプリント方法の変形例について、図面を参照して説明する。上記のナノインプリント方法と略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明、図示を省略する。図6は本発明に係るナノインプリント方法の変形例を説明する概略図である。樹脂層4に紫外線を照射して樹脂層の硬化および離型開始点の作成時(図3(C)に相当)に、モールド1の外縁部に接触する部分の樹脂層4に対して、酸素を供給している。このように、転写部11内の酸素濃度を略均一にせず、樹脂層の硬化させたくない部分に対して、局所的に酸素を供給するようにしてもよい。
(第2のインプリント方法)
モールドの凹凸パターン部を樹脂層に一括転写する場合について説明したが、以下はステップアンドリピート方式で凹凸パターン部を樹脂層に転写する例について説明する。図5は本発明に係るナノインプリント方法の別の一例を説明する概略図であり、モールドの凹凸パターン部を樹脂層にステップアンドリピート方式で転写する形態を示す。図5では、ステップアンドリピート方式の隣接する第1の領域101、第2の領域102に対して凹凸パターン部を転写する場面を、説明のために取り挙げている。
(パターン形成体)
図面を参照して、本発明に係るパターン形成体について説明する。図7は本発明に係るパターン形成体を説明する概略図である。なお、上記の説明と略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明を省略する。
2…凹凸パターン部
3…転写基材
4…樹脂層
4a…硬化部
4b…未硬化部
5…パターン形成体
10…ナノインプリント装置
11…転写部
12…モールドチャック
13…モールドステージ
14…基材チャック
15…基材ステージ
16…照明光学系
17…給排気装置
18…酸素供給装置
100…未露光部
101…第1の領域
102…第2の領域
200…硬化させたくない領域
300…照射光
Claims (6)
- 基材上に紫外線硬化樹脂からなり、第1の領域及び第2の領域を含む樹脂層を形成し、
前記樹脂層の前記第1の領域に対して、凹凸パターン部を有するモールドを、前記凹凸パターン部が前記樹脂層の前記第1の領域に接触するように押し当て、
前記樹脂層の前記第2の領域を、紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体に曝しながら、前記樹脂層の前記第1の領域に紫外線を照射して前記樹脂層の前記第1の領域を硬化させ、
次に前記樹脂層の前記第2の領域に対して、前記樹脂層の第1の領域を硬化させた際よりも濃度の低い前記紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体に曝しながら、凹凸パターン部を有するモールドを、前記凹凸パターン部が前記樹脂層の前記第2の領域に接触するように押し当て、
前記樹脂層の前記第2の領域に紫外線を照射して前記樹脂層の前記第2の領域を硬化させることを特徴とするナノインプリント方法。 - 前記樹脂層をスピンコート法により形成することを特徴とする請求項1記載のナノインプリント方法。
- 前記樹脂層をインクジェット法により形成することを特徴とする請求項1記載のナノインプリント方法。
- 前記樹脂層の前記第1の領域に紫外線照射を行う際、遮光構造により紫外線の斜入射成分を遮光することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のナノインプリント方法。
- インプリント処理を大気圧よりも高い状態にして行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載のナノインプリント方法。
- 紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する前記気体を、前記樹脂層の前記第2の領域に供給することにより、前記樹脂層の前記第2の領域を前記気体に曝すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載のナノインプリント方法。
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