JP2010287829A - 微細パタンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モールドから離型した後での露光においても転写を行うことができると共に、モールドおよび基板が活性光線に対して透過性でない場合においても転写を行うことができる精度の高い微細パタンの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の微細パタンの製造方法は、基板上に積層される感光性樹脂層に微細パタンを有するモールド105を押し付けて感光性樹脂層に微細パタンを形成する賦型工程と、感光性樹脂層からモールド105を外す離型工程と、不活性ガス下、感光性樹脂層に活性光線を露光して感光性樹脂層を硬化させる露光工程と、を含む微細パタンの製造方法であって、感光性樹脂層は、少なくともラジカル重合型の感光性樹脂組成物を含有し、20℃における粘度が10Pa・s〜1011Pa・sであることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は光ナノインプリントによるパタン成形技術に関する。
近年、半導体素子や光学素子はその小型化や薄型化および高性能化を図るため、ナノスケールの微細な凹凸パタンを表面に転写することが求められている。また、一方、安価な手法で微細なパタンを表面に転写する方法としてナノインプリント方式によるパターニングの方法が多数報告されている。
半導体素子、光学素子作製においては従来の微細パタン製造プロセスであるフォトリソグラフィ技術が中心であったが、こういった背景から、ナノインプリント技術に対しても注目が集まっている。
ナノインプリント技術は、主に感光性樹脂をパタン転写に用いる光ナノインプリント方式と熱可塑性樹脂をパタン転写に用いる熱ナノインプリント方式とに分けることができる。特に光ナノインプリント方式は活性光線による感光反応速度が速いため、凹凸パタンの転写のスループットが良く、生産性にも優れ、また粘性の低い熱可塑性樹脂を用いることができるため低圧力での転写が可能という点やアライメント精度にも優れることから注目を集めている。
従来の一般的な光ナノインプリント方式では、室温において、凹凸パタンを成形する対象の基板上に粘性が非常に低い液状の感光性樹脂をスピンコート法や滴下法等により塗布し、溶媒が含まれる場合はベーキングすることにより溶媒を飛ばして感光性樹脂層を形成し、凹凸形状を有するモールドを押し付けて加圧下の状態において活性光線を照射し、樹脂層を硬化させモールドのパタンを転写させ、硬化後にモールドから離型を行い、所望の凹凸形状を持つ感光性樹脂層を得るものである。
また、感光性樹脂層においては、ラジカル重合型の感光性樹脂が広く使用されている。ラジカル重合型の感光性樹脂の長所としては、材料選択性の広さや反応速度が速い点が挙げられ、短所としては、収縮性が大きい点、酸素によって重合反応が停止してしまう酸素阻害性等が挙げられる。ただし、収縮性については材料設計による対策、また酸素阻害性についてはモールドに押し付けたままでの硬化なので、モールドと樹脂の間には酸素が存在しないため、大きな問題とはならない。
光ナノインプリントに関する技術および特許については多数あり、特に感光性樹脂については支持基板上に感光性樹脂層を積層した感光性樹脂積層体(ドライフィルム)を使用する技術についても開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−73696号公報
しかしながら、従来の光ナノインプリント方式においてはモールドを押し付け、加圧下の状態において露光しなければならなく、モールドが活性光線に対して透過性、あるいは基板が活性光線に対して透過性でなければならなかった。仮にモールドおよび基板が透過性でないものを使用した場合、モールドから離型した後に露光しても、液状樹脂自体の粘性が非常に低いため樹脂がモールドに付着してしまう。またモールドに付着することなく基板にパタンが残った場合も、モールドからの剥離後にその粘性の低さからパタンが垂れてしまう。さらには、モールドから離型した後での露光では、大気中の酸素と反応してしまい、酸素阻害性により重合が停止してしまい、未硬化部が多く存在し、パタンが垂れてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、モールドから離型した後での露光においても転写を行うことができると共に、モールドおよび基板が活性光線に対して透過性でない場合においても転写を行うことができる精度の高い微細パタンの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は、本発明の以下の要素で達成可能である。
本発明の微細パタンの製造方法は、基板上に積層される感光性樹脂層に微細パタンを有するモールドを押し付けて前記感光性樹脂層に微細パタンを形成する賦型工程と、前記感光性樹脂層から前記モールドを外す離型工程と、不活性ガス下、前記感光性樹脂層に活性光線を露光して前記感光性樹脂層を硬化させる露光工程と、を含む微細パタンの製造方法であって、前記感光性樹脂層は、少なくともラジカル重合型の感光性樹脂組成物を含有し、20℃における粘度が10Pa・s〜1011Pa・sであることを特徴とする微細パタンの製造方法。
本発明の微細パタンの製造方法においては、前記感光性樹脂層の厚みは、0.01μm〜7μmであることが好ましい。
本発明の微細パタンの製造方法においては、前記基板および前記モールドは、不透明なことが好ましい。
本発明の微細パタンの製造方法においては、前記不活性ガスは、少なくともヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、フルオロカーボンから選ばれる少なくとも一種類の不活性ガスであることが好ましい。
本発明によれば、モールドから離型した後での露光においても転写を行うことができると共に、モールドおよび基板が活性光線に対して透過性でない場合においても転写を行うことができる精度の高い微細パタンの製造方法を提供することができる。
一般的な平行平板型光ナノインプリント装置の構成の一例を示す図である。 一般的な平行平板型光ナノインプリント装置における微細パタン製造工程の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る微細パタンの製造装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る微細パタンの製造装置における微細パタン製造工程の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る微細パタン製造装置の構成の一例を示す図である。 本発明に係る実施例による結果を示す図である。 本発明に係る実施例による結果の電子顕微鏡写真である。
本発明の説明に先立って、一般的な光ナノインプリント法による微細パタンの転写装置の構成について、図1を用いて説明する。この装置は、平行平板型の光式ナノインプリント装置であって、プレス機構をもつ上下のプレス板101および102より構成されている。上側プレス板101は、活性光線を透過するように石英ガラスを用いた活性光線透過用窓103を設けた構造となっており、上側プレス板101上部に設けた活性光線照射装置104によって露光が行える構成となっている。
転写を行う際には、一対の主面を有し、一方の主面に凹凸が形成されたモールド105と、一対の主面を有する支持体とこの支持体の一方の主面に積層された感光性樹脂層とを有する感光性樹脂積層体106と、を上側プレス板101と下側プレス板102の間に設置する。
次に、微細パタンの製造工程を図2および下記において説明する。
1)プレス機構をもつ、活性光線を透過する窓を持つ上側プレス板と下側プレス板の間にモールドの凹凸が形成された面と感光性樹脂層面とが対向するようにモールドおよび感光性樹脂積層体を設置する。図2においては下側プレス板上に凹凸面側を上向きにしたモールドを設置し、その上に感光性樹脂層面を下向きにした感光性樹脂積層体を設置する構成である。
2)その状態においてプレス機構により上側プレス板と下側プレス板の間隔を制御し、適切な荷重を掛けて感光性樹脂層に対してモールドを押し付ける。
3)モールドを押し付けた加圧状態において、所定の時間保持した後に、上側プレス板越しに感光性樹脂層に対して活性光線を適切な露光量で露光する。
4)露光が終了したのちに、プレス機構により上側プレス板と下側プレス板の間隔を制御し、荷重を開放する。
5)プレス装置からモールドおよび感光性樹脂積層体を取り出し、モールドから転写済感光性樹脂層を離型する。
6)転写済感光性樹脂積層体を得る。
次に本発明で提案する光ナノインプリント法および微細パタンの製造装置の構成を図3に示す。本製造装置は、平行平板型の光ナノインプリント装置であって、プレス機構部をチャンバー200で囲い、気密性を保持することが可能であり、外部からチャンバー200内に不活性ガスを充填できる構成となっている。またモールド105からの感光性樹脂層の離型もチャンバー200内で行えるように上側プレス板101および下側プレス板102に、モールド105および感光性樹脂積層体106を吸着あるいは固定保持可能な構成とした。さらに活性光線照射装置104はモールド105から離型後にも照射できるように上側プレス板101の上部ではなく、上側プレス板101及び下側プレス板102の両側面に設置し、両側面から感光性樹脂積層体106の感光性樹脂層に対して露光できる構成とした。
次に、微細パタンの製造工程を図4および下記において説明する。
1)プレス機構をもつ、上側プレス板と下側プレス板との間にモールド及び感光性樹脂積層体を設置する。上側プレス板には感光性樹脂積層体の支持体面側を吸着または固定し、感光性樹脂層面がモールドと対向する向きに配置する。下側プレス板にはモールドを凹凸パタン面側が感光性樹脂層面と対向する向きに固定保持し、設置する。
2)その状態においてプレス機構により上側プレス板と下側プレス板の間隔を制御し、適切な荷重を掛けて感光性樹脂層に対してモールドを押し付ける。
3)所定の時間保持した後に、プレス機構により上側プレス板と下側プレス板の間隔を制御し、荷重を開放する。この際、感光性樹脂積層体は上側プレス板、モールドは下側プレス板に固定保持されているので、荷重が開放されると同時にモールドから転写済感光性樹脂層の離型が行われる。このようにして、モールドの凹凸(微細パタン)が感光性樹脂層に転写される。
4)この状態において不活性ガス(窒素ガス)を充填させる。不活性ガス内によって露光することにより、酸素阻害による硬化阻害を起すことなく、硬化が可能となる。
5)不活性ガスが充填された状態で、プレス機構に対して両側面に設置されている活性光線照射装置より上側プレス板に固定保持されている感光性樹脂積層体の転写されたパタン面(感光性樹脂層)に向かって適切な露光量で露光を行う。
6)露光完了後、チャンバー内の窒素ガスを外部に排気し、チャンバーを開け、転写済感光性樹脂積層体を得る。
また、本発明の実施の形態に係る微細パタン製造装置の構成の一例として、平行平板型ではなく、生産効率の高いロールトゥロール型の装置の構成を図5に示す。
本装置においては上流より、感光性樹脂積層体供給ロール301、フィルム支持ロール302、外周面に凹凸(微細パタン)を有するローラーモールド303、転写支持ロール304、活性光線照射装置104、感光性樹脂積層体巻き取りロール305で構成されている。ローラーモールド303と転写支持ロール304とは、それぞれの外周面が対向するように設置され、ローラーモールド303の外周面と転写支持ロール304の外周面との間で感光性樹脂積層体106を挟圧できるように構成されている。また、活性光線照射装置104は、感光性樹脂層に対して直接活性光線を照射できるようにローラーモールド303と巻き取りロール305との間に設置されている。また、本装置は全体をチャンバー200で囲い気密性を保持することが可能であり、外部からチャンバー200内に不活性ガスを充填できる構成となっている。
次に、微細パタンの製造工程を下記において説明する。
1)感光性樹脂積層体106を感光性樹脂層面がローラーモールド303の凹凸部と対向する向きに供給ロール301および、巻き取りロール305に設置する。その際に転写支持ロール304とローラーモールド303との間、およびフィルム支持ロール302とローラーモールド303との間を感光性樹脂積層体106が通過するように設置をする。
2)その状態においてチャンバーを閉じた状態で外部から不活性ガスを導入する。
3)しばらく時間が経過したのち、所定の酸素濃度以下に達した状態で、上流の供給ロール301より感光性樹脂積層体106がフィルム支持ロール302へ送られる。
4)フィルム支持ロール302を通り、ローラーモールド303に感光性樹脂積層体106の感光性樹脂層面が転写支持ロール304により適切な荷重で押し付けられる。このようにして、ローラーモールド303の外周面の凹凸が感光性樹脂層に転写される。
5)フィルム支持ロール302において、ローラーモールド303からの離型が行われた後に、活性光線照射装置104より感光性樹脂積層体106の感光性樹脂層面、つまり凹凸が転写された面に対して適切な露光量で露光を行う。
6)露光が完了した転写済の感光性樹脂積層体106は最下流の巻き取りロール305で巻き取られ、転写済フィルムを得る。
図1〜図5までに記載する平行平板型光ナノインプリント成型方法および微細パタンの製造装置において使用するプレス機構部による圧力およびロールトゥロール型光ナノインプリント成型方法および装置における加圧力は0.1kN〜10kNが好ましい。感光性樹脂層への十分な転写を行うためには0.1kN以上の加圧力が好ましく、またモールドおよび感光性樹脂積層体へのダメージ、良好な離型性を得る点から10kN以下の加圧力が好ましい。より好ましくは0.1kN〜3kNである。
図1、図2、図3、図4に記載する成型方法および装置において使用するプレス機構部による加圧力保持時間は1秒〜100秒が好ましい。感光性樹脂層への十分な転写を行うためには1秒以上の保持時間が好ましく、またスループットの点から100秒以下の保持時間が好ましい。より好ましくは1秒〜50秒である。さらに好ましくは1秒〜10秒である。
図5に記載するロールトゥロール型での成型方法および装置においてローラーの回転速度は1mm/秒〜50mm/秒が好ましい。感光性樹脂層への十分な転写を行うためには50mm/秒以下の速度が好ましく、またスループットの点から1mm/秒以上の速度が好ましい。より好ましくは10mm/秒〜30mm/秒である。
図1〜図5までに記載する平行平板型光ナノインプリント成型方法および装置において使用する活性光線照射部およびロールトゥロール型光ナノインプリント成型方法および装置において使用する活性光線照射部は光源として、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光線を有効に放射するものが用いられる。また、露光量は感光性樹脂層の感度にもよるが、通常1mJ/cm〜300mJ/cm程度である。好ましくは1mJ/cm〜100mJ/cmである。
図1〜図5までに記載する微細パタンの製造方法および微細パタンの製造装置において使用する感光性樹脂積層体について下記に詳細に記載する。感光性樹脂積層体は支持体及び感光性樹脂層を含む。
(支持体)
本発明における支持体は、光を透過しても透過しなくても良い。本実施の形態においては、支持体の透過率が微細パタンの形状に及ぼす影響はなく、不透明な材料も用いることができる。支持体に用いられる材質としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。支持体には、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。また、支持体上に予め有機材料や無機材料をコーティングやスパッタリング等の手法で予め形成したものを用いても良い。
支持体の断面曲線の最大断面高さ(Pt)としては、2μm以下のものが好ましい。得られるパタンの表面の平滑性の観点から、断面曲線の最大断面高さ(Pt)2μm以下が好ましい。より好ましくは、0.01μm以上、1.0μm以下である。
支持体の断面曲線の最大断面高さ(Pt)の測定方法は、光干渉方式の非接触形状測定装置、例えば菱化システム社製MM3200で、JIS B0601:’01を参照して測定することができる。
支持体の厚みは、薄い方が経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10μm〜100μmのものが好ましい。
(感光性樹脂層)
<感光性樹脂組成物>
本発明に用いられる感光性樹脂層はネガ型の感光性樹脂組成物が好ましい。ネガ型の感光性樹脂組成物の中でも、高い露光感度が得られやすい点からラジカル重合型の感光性樹脂組成物であることが好ましい。
感光性樹脂層の20℃における粘度は、10Pa・s〜1011Pa・sが好ましい。ドライフィルムのロールの端面からの感光性樹脂の染み出し(エッジヒュージョン)を防止する点とモールドからの感光性樹脂層の良好な離型性を得る点から10Pa・s以上であり、モールドへの感光性樹脂層の十分な埋め込みを得る為に、1011Pa・s以下である。より好ましくは、10Pa・s〜10pa・sである。更に好ましくは、10Pa・s〜10pa・sである。尚、ここでいう感光性樹脂層の粘度は、下記のようにして測定した値である。
・サンプル:厚み:3mm、大きさ:8mmφ、測定前の調湿:23℃、湿度50%雰囲気下で48時間。
・測定装置:ARES 2KFRTN1−FCO(レオメトリックサイエンティフィック社)。
・測定条件:温度:20℃、荷重:2kg、雰囲気:窒素雰囲気、周波数:0.015915Hz〜15.195Hz、歪み:40%を与えるようにデータ取得。
本実施の形態においては、20℃における粘度を10Pa・s以上にすることにより、モールドからの感光性樹脂層の剥離性が向上すると共に、形状を損なうことなく微細パタンを転写することができる。モールドから感光性樹脂層を剥離する際に、20℃における粘度を10Pa・s以上とすることにより、感光性樹脂層自体に適度な弾性力を発現させることができるので、モールドに感光性樹脂が付着することなく、剥離することができる。
また、本実施の形態においては、モールドを感光性樹脂層より剥離してから露光する場合など、感光性樹脂層に微細パタンを転写後、露光・感光性樹脂層の硬化までに所定の時間が生じる場合がある。この間、感光性樹脂層の粘度が低い場合、重力などの作用により転写された微細パタンの形状が崩れる現象が生じる。この際に、20℃において10Pa・s以上の粘度であれば、所定の時間(例えば、20分程度)経過しても、微細パタンの形状を維持することができる。特に、ロールトゥロール方式で製造する場合など、微細パタンが転写された感光性樹脂層が支持ロール上を搬送されるので、振動などの作用により、さらに微細パタンの形状が損なわれやすくなる。この場合においても、微細パタンの形状を損なうことなく製造することができる。
また、感光性樹脂層の粘度を、20℃において、1011Pa・s以下とすることにより、感光性樹脂層を加熱することなく微細パタンを転写することができる共に、低圧力で微細パタンを転写することができる。感光性樹脂層の粘度が高い場合、モールドを押し付けても微細パタンが感光性樹脂層に転写されない現象や、またはモールドの押し付けに高い圧力が必要になるなどの不都合が生じる。一方、20℃において、1011Pa・s以下とすることにより常温で、かつ低圧力で微細パタンを形成することが可能となる。
(ラジカル重合型感光性樹脂組成物)
ラジカル重合型の感光性樹脂組成物は、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有することが柔軟な感光性樹脂層が得られる観点から好ましい。
・高分子化合物
高分子化合物としては、(メタ)アクリル系単量体を共重合したアクリル樹脂やエポキシ系モノマーを共重合したエポキシ樹脂が挙げられるが、アクリル樹脂がより好ましい。アクリル樹脂の中でも、露光前、あるいは露光によるパターニングが失敗した場合に、アルカリ性溶液でパタンの除去が可能であるという点や、支持体との密着性などの点、さらにはアルカリ溶液による残渣除去の点から、側鎖にカルボキシル基を有する単量体と(メタ)アクリル系単量体とを共重合していることが好ましい。側鎖にカルボキシル基を有する単量体とは、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル(モノエステル)が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、アルキル(メタ)アクリレ−ト、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、脂環式側鎖を有する(メタ)アクリレ−トが挙げられ、アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、が挙げられ、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルモノ(メタ)アクリレートが挙げられ、脂環式側鎖を有する(メタ)アクリレ−トとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン及びその誘導体が挙げられる。
高分子化合物は、その重量平均分子量が3,000〜100,000であることが好ましい。分子量はプレス工程におけるモールドへの感光性樹脂層の埋め込み性の点から100,000以下が好ましく、柔軟なフィルム性保持の観点から3,000以上が好ましい。より好ましくは3,000〜50,000である。更に好ましくは、10,000〜40000である。分子量の測定は、日本分光社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工社製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工社製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
高分子化合物は、アルカリ可溶性高分子であることが好ましい。アルカリ可溶性高分子は、カルボキシル基の量が酸当量で100〜2,000であることが好ましい。酸当量とは、1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を示す。支持体との密着性の観点から100以上が好ましい。200〜900がより好ましく、300〜800がさらに好ましい。なお、酸当量の測定は、平沼自動滴定装置(平沼産業社製、COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により測定される。
アルカリ可溶性高分子は、上記種々単量体の混合物を、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノ−ルで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加し、加熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶媒を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いてもよい。
感光性樹脂積層体は、上述した高分子化合物以外にも、耐熱性、耐薬品性などを考慮して、その他のアルカリ可溶性高分子を含有することが出来る。その他アルカリ可溶性高分子とは、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させたセルロース樹脂、フタル酸酢酸セルロース(CAP)、ノボラック樹脂、を挙げることが出来る。
・エチレン性二重結合を有する光重合性化合物
エチレン性二重結合を有する光重合性化合物としては、メタクリル基、アクリル基もしくはビニル基を分子内に1つもしくは複数有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テレフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−トや、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業社製、NKエステルBPE−500)、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロ−ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テルジ(メタ)アクリレート及び、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
・光重合開始剤
光重合開始剤は、紫外線若しくは可視光線に感度を有するものであれば特に制限は無い。光重合開始剤の具体例としては、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル二量体類、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(m−メトキシフェニル)イミダゾ−ル二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体が挙げられる。また、p−アミノフェニルケトン類、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。また、キノン類、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、芳香族ケトン類、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、アクリジン化合物、例えば、9−フェニルアクリジン、トリアジン系化合物、例えば、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2−ベンジル−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−モルフォリノ−1−(4−(メチルチオフェニル)−プロパン−1−オンが挙げられる。
また、その他に光重合開始剤の例として、たとえば、N−アリールグリシン、メルカプトトリアゾール誘導体、メルカプトテトラゾール誘導体、メルカプトチアジアゾール誘導体、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンが挙げられる。また、オキシムエステル化合物としては、オキシムエステル類、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムや、特表2004−534797号公報に記載の化合物を上げることが出来る。
感光性樹脂組成物中の高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、光重合性開始剤の各々の好ましい含有量は、以下の通りである。高分子化合物の含有量は、感光性樹脂組成物100質量%に対して20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。良好なフィルムの性状を得る観点から20質量%以上であり、柔軟な感光性樹脂層を得る観点から80質量%以下である。エチレン性二重結合を有する光重合性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物100質量%に対して10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。活性光線に対する十分な感度を得る観点から10質量%以上であり、良好なフィルム性状を得る観点から70質量%以下である。光重合性開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物100質量%に対して0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。活性光線に対する十分な感度を得る観点から0.1質量%以上であり、良好なフィルム性状を得る観点から20質量%以下である。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤を含有させることもできる。そのような可塑剤としては、フタル酸エステル類、例えば、ジエチルフタレ−トや、p−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、ポリアルキレンオキシド変性ビスフェノールA誘導体、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物やプロピレンオキシド付加物が挙げられる。可塑剤を含有する場合の含有量は1質量%以上20質量%以下が好ましい。柔軟な感光性樹脂層を得る観点から1質量%以上であり、良好なフィルムの性状を得る観点から20質量%以下である。
感光性樹脂組成物は、必要により、カップラー成分、例えば、シランカップリング剤やチタンカップリング剤を含むことができる。カップラー成分を含有する場合の含有量は0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
感光性樹脂組成物は必要により、1時間半減期温度が120℃以上230℃以下である熱ラジカル発生剤を含むことができる。これにより、パタン形成後熱処理により、より高い耐熱性、耐薬液性を得ることができる。感光性樹脂組成物中の含有量は感光性樹脂組成物100質量%に対し、0.01質量%〜2質量%が好ましい。保存安定性の観点から1時間半減期温度120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましい。またポストベーク時間の観点から230℃以下が好ましく、220℃以下がさらに好ましい。このような熱ラジカル発生剤の具体例としては、パーブチルA、パーヘキサ22、パーブチルZ、パーヘキサV、パーブチルIF、パーブチルP、パークミルD、パーヘキサ25B、パーブチルC、パーブチルD,パーメンタH、パーヘキシン25B、パークミルP、パーブチルSM、パーオクタH、パークミルH、パーヘキシルH、パーブチルH(以上日油社製)があげられる。
感光性樹脂組成物に、必要により着色物質を含有することができる。このような着色物質としては、例えば、ロイコクリスタルバイオレット、フルオラン染料、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学社製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学社製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)が挙げられる。
上記着色物質を含有する場合の添加量は、感光性樹脂組成物100質量%中に0.001質量%〜1質量%含むことが好ましい。0.001質量%以上の含量で、取扱い性が向上し、1質量%以下の含量で、保存安定性が向上する。
また、感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物に安定剤を入れることも可能である。このような安定剤としては、例えばp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミンが挙げられる。また、ビスフェノールAの両側にそれぞれ平均1モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールの両側にさらにプロピレンオキシドを付加した化合物、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−(2−ジアルキルアミノ)カルボキシベンゾトリアゾール、ペンタエリスリトール−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸テトラエステルも挙げられる。
上記安定剤を含有する場合の添加量は、感光性樹脂組成物100質量%中に0.01質量%〜3質量%含むことが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜1質量%である。0.01質量%以上の含量で、感光性樹脂組成物に保存安定性が付与され、3質量%以下の含量で、感度が維持される。
<感光性樹脂積層体の製造方法>
感光性樹脂積層体の感光性樹脂層は、上記本実施形態の感光性樹脂組成物を液状にして支持体上に塗布することで形成することができる。
感光性樹脂組成物を支持体上に塗布する際には、必要に応じて、当該感光性樹脂組成物を所定の溶剤に溶解して固形分5質量%〜60質量%の溶液としたものを塗布液として用いてもよい。かかる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
塗布の方法としては、例えば、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、リバースコーター、バーコーター等の方法が挙げられる。また、溶剤の除去は例えば加熱により行うことができ、その場合の加熱温度は約70℃〜150℃であると好ましく、加熱時間は約5分間〜約30分間であると好ましい。
このようにして形成された感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下であることが好ましい。
感光性樹脂層の厚みは0.1μm〜7μm(100nm〜7000nm)が好ましい。プレス工程時のモールドへの感光性樹脂層の埋め込みが良好に行える点から0.1μm以上が好ましく、感光性樹脂層の残膜除去工程におけるドライまたはウェットエッチングの容易性の点から7μm以下が好ましい。より好ましくは0.1μm〜5μmであり、更に好ましくは0.1μm〜3μm、特に好ましくは、0.1μm〜1μm、最も好ましくは0.1μm〜0.5μmである。
支持体と感光性樹脂層おいては、必要に応じて、感光性樹脂層の支持体側と反対側の面を保護フィルムで被覆していてもよい。
保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム(例えば、王子製紙社製、E−200Cなど)、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。また、保護フィルムは低フィッシュアイのフィルムであることが好ましい。更に、保護フィルムと感光性樹脂層との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層から剥離しやすくするために、感光性樹脂層と支持体との間の接着力よりも小さいことが好ましい。保護フィルムの厚みは10μm〜100μmが好ましい。
また支持体と感光性樹脂層との間、及び/又は、感光性樹脂層と保護フィルムとの間に、クッション層、ガスバリア層、離型剤層、接着層、光吸収層、等の中間層又は保護層を更に備えていてもよい。
クッション層としては、熱可塑性樹脂が好ましい。クッション層に用いられる熱可塑性樹脂としては、ラミネート時のロール温度以下のガラス転移温度を有する化合物が好ましく、具体的には10℃以上120℃以下のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂が好ましい。ガラス転移温度が20℃以上100℃以下、特に好ましくは30℃以上約80℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。この理由はラミネート時のロール温度以下のガラス転移温度であることにより感光層を凹凸のある支持体上に熱と圧で転写する際(ラミネートする際)に支持体表面の凹凸を完全に吸収し、気泡残りが全く無い状態でラミネートすることが可能となるためである。
また、クッション層に用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、感光性樹脂積層体としてロール状で保管したときに、ロール端面から熱可塑性樹脂がはみ出すことを防ぐ観点から、10℃以上が好ましく、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは、30℃以上である。
ガラス転移温度が120℃以下の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルあるいはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルあるいはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルおよびそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物のようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体、ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂から少なくとも1つ選ばれるのが好ましいが、さらに「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載のガラス転移温度が120℃以下10℃以上の熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂の含有量は、クッション層100質量%中に、50質量%〜100質量%、特に65質量%〜100質量%含有することが好ましい。
クッション層には、上述の熱可塑性樹脂に加えて、該熱可塑性樹脂と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的なガラス転移温度を下げることも可能である。またクッション層と後に述べるガスバリア層との接着力を調節するために、実質的なガラス転移温度が120℃を越えない範囲で添加剤、例えば、各種のポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤や離型剤を、5質量%〜50質量%の範囲で加えることが可能である。より好ましくは、35質量%以下である。
可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド、p−トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、フタル酸エステル類が挙げられる。フタル酸エステル類としてはフタル酸ジブチル等がある。他に、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコールメチルエーテルを加えることも可能である。
クッション層の厚みは10μm以上が好ましい。この理由としては、クッション層の厚みが10μm以上であると1μm以上の支持体表面の凹凸を完全に吸収することが可能となるためである。また、上限については、性能的には特に限界は無いが、製造適性から約100μm以下、好ましくは約50μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。
ガスバリア層は、A)ポリビニルアルコールを100質量%含有するか、若しくはB)ポリビニルアルコール:75質量%〜99質量%と、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物をガスバリア層100質量%中、1〜25質量%を含有することが好ましい。
−O―(CHCHO)n3‐R (1)
(R及びRは、H又はCHであり、R及びRは同一であっても相違してもよく、nは、3〜25の整数である。)
(RはH又は炭素数1〜炭素数6のアルキル基であり、nは、9〜10000の整数である。)
上記B)の場合、ガスバリア層におけるポリビニルアルコール配合比率としては、現像性及びコストの観点からガスバリア層100質量%に対し、75質量%以上99質量%以下であることが好ましい。より好ましくは85質量%以上95質量%以下である。
ポリビニルアルコールの製法はポリ酢酸ビニルをアルカリ鹸化して製造するのが一般的である。ポリビニルアルコールの重量平均分子量は1,000〜100,000が好ましい。酸素遮断性の観点から、より好ましい重量平均分子量は、5,000〜50,000である。また、鹸化度は50モル%以上が好ましく、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上である。
ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、日本分光社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工社製Shodex(登録商標)(HFIP−805、HFIP−803)2本直列、移動層溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工社製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
上記一般式(1)で表される化合物は、臭気の点からnは3以上が好ましく、ポリビニルアルコールとの相溶性、及び現像性の観点からnは25以下が好ましい。nは、より好ましくは5以上20以下、更に好ましくは7以上15以下である。上記一般式(1)で表される化合物の具体例として、平均分子量が200であるポリエチレングリコール(日油社製PEG200)、平均分子量が300であるポリエチレングリコール(日油社製PEG300、平均分子量が400であるポリエチレングリコール(日油社製PEG400)、平均分子量が600であるポリエチレングリコール(日油社製PEG600)、平均分子量が1000であるポリエチレングリコール(日油社製PEG1000)や平均分子量400であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日油社製ユニオックスM−400)、平均分子量550であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日油社製ユニオックスM−550)、平均分子量1000であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日油社製ユニオックスM−1000)等がある。
上記一般式(2)で表される化合物は、nは9以上が好ましく、現像性の観点からnは10,000以下が好ましい。nは、より好ましくは20以上2,000以下、更に好ましくは30以上1,500以下である。上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、ポリビニルピロリドンがある。具体例としては日本触媒社製の重量平均分子量が4万であるK−15、重量平均分子量10万のK−30、重量平均分子量90万のK−85、重量平均分子量100万のK−90等がある。
上記一般式(1)で表される化合物及び上記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の、ガスバリア層における含有量は、ガスバリア層100質量%に対し、1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。また、感度の観点から、25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下である。
また、ガスバリア層には、上記以外に、公知の水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルエーテル−無水マレイン酸水溶性塩類、カルボキシアルキル澱粉水溶性塩類、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアクリル酸水溶性塩類、ゼラチン、ポリプロピレングリコール等を含有させることが可能である。
ガスバリア層の層厚は感光性樹脂層の転写性に影響を与えない点から5μm以下が好ましく、より好ましくは、3μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。また、酸素遮断性の観点から、ガスバリア層の層厚は0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましい。
離型剤層としては、シリコーン化合物及び含フッ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有するものが好ましい。シリコーン化合物としては、シリコーン系樹脂が挙げられる。
含フッ素化合物としては、アモルファスフッ素樹脂、パーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタクリレートを含有する共重合オリゴマー、フッ素系コーティング剤、電子線または紫外線硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、熱硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、フッ素系界面活性剤などが好ましい。具体的には、旭硝子社製ルミフロン、同サイトップ、日油社製モディパーFシリーズ、ダイキン工業社製ユニダイン、DIC社製メガファックF470シリーズ、同F480シリーズ、同F110シリーズ、住友3M社製EGC1700、オムノヴァ・ソリューション社製ポリフォックスPF−3320、ユニマテック社製ケミノックスFAMAC−8、住友3M社製EGC1720、DIC社製メガファックF114、同F410シリーズ、同F440シリーズ、同F450、同F490シリーズが挙げられる。
中でも、転写性の点でシリコーン系樹脂が特に好ましい。シリコーン系樹脂の具体例としては、信越化学工業社製KM、KS、KFシリーズが挙げられる。
離型剤層の形成方法としては、離型剤を前述の有機ポリマーフィルムに公知の塗布方法、例えば、メイヤーコーティング、グラビアコーティング、ドクターコーティング、エアーナイフコーティングを利用して塗布した後、加熱処理や紫外線照射などの離型剤に適合する公知の方法で乾燥、あるいは硬化する方法が挙げられる。
離型剤層の厚みは特に制限は無いが、0.001μm〜1.0μmが好ましい。離型性改善の効果発現の観点から、0.001μm以上が好ましく、離型剤層付き有機ポリマーフィルム同士を重ねた時のブロッキング防止の観点から、1.0μm以下が好ましい。
感光性樹脂積層体は、例えば、そのままの平板状の形態で、又は円筒状等の巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチック等が挙げられる。貯蔵時には、支持体が最も外側になるように巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取られた感光性樹脂積層体の端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、感光性樹脂積層体を梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。図2、図3、図5に記載する成型方法および装置において不活性ガス雰囲気における酸素濃度は酸素阻害性による感光性樹脂層の未硬化の影響を考慮して0〜10,000ppm以下である必要がある。好ましくは0〜1,000ppmであり、より好ましくは0〜100ppmである。
図1〜図5までに記載する成型方法および装置については本発明を実施するための必要な構成の一例を示すものであり、記載する構成を十分満たすような方法および装置であれば、特に限定するものではない。
被転写材料には前記にもあるように支持基板上に感光性樹脂層を積層した感光性樹脂積層体であるドライフィルムを用いた。感光性樹脂層は下記に示す化合物を混合し、調整を行った。
A−1:メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体のメチルエチルケトン溶液(重量比85/15、重量平均分子量30000、固形分濃度40質量%、酸当量573)120質量部
B−1:トリエトキシメチロールプロパントリアクリレート(サートマー社製 SR−454D) 10質量部
B−2:ビスフェノールA エチレンオキシド10モル付加物ジメタクリレート(新中村化学工業社製NKエステルBPE−500) 20質量部
B−3:ビスフェノールA エチレンオキシド4モル付加物ジメタクリレート(新中村化学工業社製NKエステルBPE−200) 10質量部
C−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体(黒金化成社製) 3質量部
C−2:p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2質量部
D−1:ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
D−2:ダイヤモンドグリーン 0.1質量部
支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルムR340(三菱化学ポリエステル社製、厚さ16μm、断面曲線の最大断面高さ(Pt)0.3μm)に、前記感光性樹脂組成物を、バーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥し感光性樹脂積層体を得た。その中でも感光性樹脂層の厚みは3μmのものを使用した。また、その際の感光性樹脂層の粘度は、20℃において、図6で示す粘度10Pa・s〜1012Pa・sのものを用いた。
モールドはシリコン製およびNi製のナノインプリント用モールドを使用した。図2で使用するモールドについてはシリコン製で厚みが6mmのもの、図3で使用するモールドについてはNi製で厚みが0.1mmのものを円柱ロールに巻きつけ、ローラーモールドとした。
凹凸のパタンは、ライン&スペースパタンのもので、パタンのサイズはピッチ200nm〜2000nm、深さは100nm〜350nmのものを使用した。
使用した装置は図3および図5で示す光ナノインプリント装置を用いた。また工程については図4および前記で記載した工程の通りで行った。図3における平行平板型の光ナノインプリント装置においては、加圧力を2kN、加圧時保持時間を30秒、露光量は付属のUVランプ(照度50mW)で露光量100mJ/cmで露光した。図5におけるロールトゥロール型の光ナノインプリント装置においては、加圧力を2kN、ローラー速度10mm/秒、露光量は付属のUVランプ(照度50mW)で露光量100mJ/cmで露光した。
転写性の評価はパターニングされた形状を顕微鏡およびSEM(電子顕微鏡)を用いて表面および断面を観察して確認した。平行平板型およびロールトゥロール型では条件による転写性の違いがほとんどなかったため、ここでは代表して平行平板型装置による結果を記載する。
転写状態の評価については○、△、×で評価をした。
○:モールドの形状をほぼ正確に転写できている。
△:モールドの形状を一部正確に転写できていない。パタンの断面形状がモールドと比較して丸みを帯び、若干のパタン形状の垂れが見られる。
×:モールドの形状を転写できていない。パタン形状が完全に崩れている。
また、パタン垂れの経時変化を確認するため1時間後および12時間後のものを確認した。
図6に本実施例の転写の結果を示す。転写フィルムは巻き取り直前のものを取出し、転写後1時間後の様子と12時間後の状態を記載したものであり、感光樹脂層粘度の違いによる結果である。図6に示すように、感光性樹脂層の粘度が10Pa・s〜1011Pa・sの場合は、良好な転写結果が得られている。一方、粘度が10Pa・sの場合は、転写後1時間経過後のパタン形状が一部崩れ、その後、12時間経過後は、パタン形状が完全に崩れている。このように粘度が低い場合、微細パタンの転写後、時間の経過により徐々に微細パタンの形状が崩れる現象が発生する。一方、粘度が1012Pa・sの場合は、パタンの転写の際にパタンの形成性が悪く、良好な転写結果が悪いことを示している。
図7に本実施例による転写のパタンの電子顕微鏡写真を示す。同図に示すように、モールドの表面には微小な凹凸が形成されている。この凹凸面が基板表面に押し付けられることにより、基板表面に凸凹が形成される。図7の例では、基板面上に凹凸が形成されているが、感光性樹脂層の粘度が低い場合、この凹凸の角に徐々に丸みを帯びてパタン形状が悪化する。一方、感光性樹脂層の粘度が高い場合、モールドの凹凸が基板表面に転写されず、基板表面の凹凸が浅くなり、微細パタンの形状が悪化する。以上に実施例を示すが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
本発明は、エレクトロニクス、フォトニクス、バイオエレクトロニクスなどに関連する微細パタンの製造に好適である。
101:プレス板
102:プレス板
103:活性光線透過用窓
104:活性光線照射装置
105:モールド
106:感光性樹脂積層体
200:チャンバー
301:供給ロール
302:フィルム支持ロール
303:ローラーモールド
304:転写支持ロール
305:巻き取りロール

Claims (4)

  1. 基板上に積層される感光性樹脂層に微細パタンを有するモールドを押し付けて前記感光性樹脂層に微細パタンを形成する賦型工程と、前記感光性樹脂層から前記モールドを外す離型工程と、不活性ガス下、前記感光性樹脂層に活性光線を露光して前記感光性樹脂層を硬化させる露光工程と、を含む微細パタンの製造方法であって、
    前記感光性樹脂層は、少なくともラジカル重合型の感光性樹脂組成物を含有し、20℃における粘度が10Pa・s〜1011Pa・sであることを特徴とする微細パタンの製造方法。
  2. 前記感光性樹脂層の厚みは、0.01μm〜7μmであることを特徴とする請求項1に記載の微細パタンの製造方法。
  3. 前記基板および前記モールドは、不透明なことを特徴とする請求項1に記載の微細パタンの製造方法。
  4. 前記不活性ガスは、少なくともヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、フルオロカーボンから選ばれる少なくとも一種類の不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の微細パタン製造方法。
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