JP2005195758A - 感光性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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尋子 古賀
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Abstract

【課題】 ITO基材への密着性に優れ、高解像度、高感度であり、耐熱性に良好な特性を有する、液晶ディスプレイ用スペーサーとして好適な感光性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】 (a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜700であり、かつ、重量平均分子量が5000〜50000の線状重合体を含むバインダ−用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、(c)光重合成開始剤として少なくとも下記式(I):0.1〜20質量%、及び(II):0.1〜20質量%を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化1】
Figure 2005195758

【化2】
Figure 2005195758

【選択図】 選択図なし

Description

本発明は感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体、ならびにその用途に関し、さらに詳しくは、アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体、ならびにそれを用いて形成された、液晶ディスプレイ用スペーサーに関する。
液晶表示装置は一対の基板の間に所定の配向を施された液晶層が配置されており、基板間隔、即ち液晶層の厚みを均一に維持することが画像の良し悪しを決定するため、この液晶層の厚みを一定にする目的でスペーサーが用いられている。
従来前記スペーサーとしては、所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサー粒子が使用されていた。しかしこれらのスペーサー粒子は、ガラス上にランダムに散布されるため、有効画素部内に上記スペーサーが存在すると、スペーサーの写りこみがあったり、入射光が散乱を受け液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。これらの問題を解決するために、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより有効画素部以外にスペーサーを形成する方法がとられるようになってきた(特許文献1)。
このような用途に適する感光性樹脂組成物は例えば、特許文献2、特許文献3に開示されている。しかしこれらのものはITO基材への密着性において充分ではなかった。また生産性の観点からより感度の高いものが望まれている。
特開昭62−90622 特開2001−261761 特開2003−15136
本発明の課題は、高解像度であり、インジウム−スズ酸化物(ITO)基材への密着性に優れ、かつ高感度である液晶ディスプレイ用スペーサーとして好適な感光性樹脂組成物を提供することにある。
上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の感光性樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願は、以下の発明を提供する。
1) (a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜700であり、かつ、重量平均分子量が5000〜50000の線状重合体を含むバインダ−用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、(c)光重合成開始剤として少なくとも下記式(I):0.1〜20質量%、及び(II):0.1〜20質量%を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
Figure 2005195758
(式中、Rは水素、あるいは炭素数1〜6のアルキル基である。)
Figure 2005195758
(式中、X、Y及びZは水素、アルキル基、アルコキシ基及びハロゲン基のいずれかを表し、p、q及びrは1〜5の整数である。)
2) (d)下記式(III)で表される化合物:0.01〜3質量%を含むことを特徴とする(1)記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2005195758
(式中、R、Rは水素、あるいは炭素数1〜6のアルキル基である 。)
3) (b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(IV)で表される化合物を(b)成分の1〜50質量%含有することを特徴とする、(1)または(2)記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2005195758
(式中、Rは水素又はメチル基 であり、Rは−CH−CH(CH)−または−CH(CH)−CH−または−C−であり、nは1〜6の正の整数である。)4) 液晶ディスプレイ用スペーサーの形成に用いられることを特徴とする(1)、(2)または(3)記載の感光性樹脂組成物。
4) 液晶ディスプレイ用スペーサーの形成に用いられることを特徴とする(1)、(2)または(3)記載の感光性樹脂組成物。
5) 支持層上に(1)、(2)または(3)記載の感光性樹脂組成物からなる層を設けた感光性樹脂積層体。
6) 液晶ディスプレイ用スペーサーの形成に用いられることを特徴とする(5)記載の感光性樹脂積層体。
7) (1)、(2)、(3)または(4)記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成し、露光し、現像する工程を含む液晶ディスプレイ用スペーサーの形成方法。
8) (5)または(6)記載の感光性樹脂積層体を基板上に積層し、露光し、現像する工程を含む液晶ディスプレイ用スペーサーの形成方法。
9) (7)または(8)の方法により形成された、液晶ディスプレイ用スペーサー。
本発明の感光性樹脂組成物は、解像度が高く、現像後のレジストパターンがITO基材への密着性に優れ、高感度である特性を有しており、液晶ディスプレイ用スペーサー、ポストスペーサー用の感光性樹脂として有用である。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明に用いられる(a)バインダ−用樹脂を構成する重合体に含まれるカルボキシル基の量は、酸当量で100〜700である必要があり、好ましくは300〜600である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を言う。線状重合体中のカルボキシル基は、感光性樹脂層にアルカリ水溶液に対する現像性を与えるために必要である。酸当量が100未満では、現像耐性が低下し、解像性及び密着性に悪影響を及ぼし、700を超えると、現像性が低下する。
本発明に用いられる重合体の重量平均分子量は、5000〜50000であることが好ましい。解像度の観点から分子量は50000以下が好ましく、塗布乾燥後の塗膜形成の観点から5000以上が好ましい。なお、分子量の測定は、日本分光(株)製ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
本発明に用いられる前記重合体は、次に記す2種類の単量体の中より、各々一種又はそれ以上の単量体を共重合させることにより得られる。第一の単量体は、分子中にエチレン性不飽和二重結合を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。第二の単量体は、非酸性で、分子中にエチレン性不飽和二重結合を一個有し、感光性樹脂層の現像性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。このようなものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。また、高解像度の点でフェニル基を有するビニル化合物(例えば、スチレン、ベンジルメタクリレート)を用いることは本発明の好ましい実施態様である。
本発明に用いられる前記アクリル系重合体は、上記単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノ−ル等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶媒を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いていもよい。
本発明に用いられる前記重合体の感光性樹脂組成物に対する割合は、塗布乾燥後の塗膜形成性の観点から20%以上が好ましく、パターンの現像耐性の観点から90質量%以下が好ましい。さらに好ましくは30〜70質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる(b)光重合可能な不飽和化合物としては、公知の種々のエチレン性不飽和二重結合をもつ化合物が用いられる。例えばビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−トや、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロ−ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テルジ(メタ)アクリレート及び、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物にはエチレン性不飽和二重結合を有するウレタン化合物を含んでも良い。ウレタン化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等のジイソシアネ−ト化合物と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物(2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコ−ルモノメタクリレ−ト等)とのウレタン化合物等が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネ−トとオリゴプロピレングリコ−ルモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマ−PP1000)との反応物がある。
本発明において、下記一般式(IV)で表される化合物を(b)成分の1〜50質量%含有することは密着の観点から好ましい実施形態である。
Figure 2005195758
(式中、Rは水素又はメチル基 であり、Rは−CH−CH(CH)−または−CH(CH)−CH−または−C−であり、nは1〜6の正の整数である。)
一般式(IV)においてR5は−CH−CH(CH)−または−CH(CH)−CH−または−C−であり、ITOへの密着性の観点から−C−がより好ましい。nは感度の観点から6以下が好ましい。また一般式(IV)で示される化合物の配合量は、密着性の観点から(b)成分の1質量%以上が好ましく、解像性の観点から50質量%以下が好ましい。
(b)光重合成可能な不飽和化合物の感光性樹脂組成物全体に対する割合は、3〜70質量%の範囲が好ましい。この割合が、感度の観点から3質量%以上が好ましく、塗布乾燥後の塗膜形成性の観点から70質量%以下が好ましい。好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜55質量%である。
本発明は、(c)光重合開始剤として、少なくとも下記式(I):0.1〜20質量%、及び(II):0.1〜20質量%を必須成分とする。
Figure 2005195758
(式中、Rは水素、あるいは炭素数1〜6のアルキル基である。)
Figure 2005195758
(式中、X、Y及びZは水素、アルキル基、アルコキシ基及びハロゲン基のいずれかを表し、p、q及びrは1〜5の整数である。)
上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、RがCHであるIRGACURE−907(登録商標)(チバスペシャリティケミカルズ社製)があげられる。
上記一般式(II)で表される化合物においては、2個のアリールイミダゾール基を結合する共有結合は、1,1’−、1,2’−、1,4’−、2,2’−、2,4’−又は4,4’−位についているが、1,2’−位についている化合物が好ましい。2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル二量体には、例えば、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾ−ル二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体等があるが、溶剤に対する溶解性、および感度の観点から特に、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体が好ましい
また、上記で示された化合物以外に、他の光重合開始剤との併用も可能である。ここでの光重合開始剤とは、各種の活性光線、例えば紫外線等により活性化され、重合を開始する化合物である。
他の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン化合物、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル等がある。
また、例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類と、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル化合物等の三級アミン化合物との組み合わせもある。
また、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−ο−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(ο−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類等がある。また、N−アリ−ル−α−アミノ酸化合物も用いることも可能であり、これらの中では、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
本発明において、光重合開始剤(I)および(II)のそれぞれが、感光性樹脂組成物に占める割合は、0.1質量%〜20質量%であることが好ましい。感度の観点から0.1質量%以上が好ましい。また、露光時にフォトマスクを通した光の回折によるかぶりを減少し十分な解像度を得るという観点から20質量%以下が好ましい。また(I)および(II)をあわせて0.2質量%〜20.1質量%がより好ましい。
本発明は(d)下記式(III)で表される化合物を含むことが、感光性樹脂層の熱安定性や保存安定性を向上させ、解像性を良くするために好ましい。
Figure 2005195758
(式中、R、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基である 。)
化合物(III)の具体例としてはRがCH、Rがt−ブチル基であるIRGANOX−245(登録商標)(チバスペシャリティーケミカルズ製)があげられる。
化合物(III)の感光性樹脂組成物に占める割合は、安定性と解像度の観点から0.01質量%以上が好ましく、感度の観点から3質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明の感光性樹脂組成物に、さらに必要に応じて可塑剤、増粘剤、充填剤、カップリング剤等の公知の添加剤を含有させることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記説明したバインダー成分(a)、光重合成化合物(b)および光重合成開始剤(c)を含む構成成分を、均一に混合することによって調整される。感光性樹脂組成物を調整する際は、通常適当な溶剤を添加して、組成物溶液とする。感光性樹脂組成物溶液の調整に使用される溶剤としては、感光性樹脂組成物を構成する各成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものが用いられる。その例としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、(ジ)エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、(ジ)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類等があげられる。前記溶剤は単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
液晶ディスプレイ用スペーサーを形成する際には、組成物溶液を基材上に塗布したのち、プレベークして溶剤を除去することにより、塗膜を形成する。組成物溶液の塗布方法としては、例えば、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法など公知の塗布方法を適宜採用することができる。次いでプレベークした塗膜に、所定のマスクフィルムを通して活性光により露光し、アルカリ水溶液により現像し、不要な部分を除去してスペーサーを形成する。
本発明の感光性樹脂組成物は、支持層上に感光性樹脂組成物層を形成し、必要に応じて感光性樹脂組成物層の上に保護膜をもうけた、感光性樹脂積層体として用いることができる。前記のような感光性樹脂積層体として用いることは、枚様式の塗布方式に比べ均一な塗膜を得やすいという点で、本発明の好ましい実施形態である。 本発明の感光性樹脂組成物を感光性樹脂積層体とする場合には、上記感光性樹脂組成物溶液を支持層上に塗工する。ここで用いられる支持層としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。活性光を透過する支持層としては、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
また、支持層のヘ−ズは5.0以下であるものが好ましい。ここでいうヘーズ(Haze)とは濁度を表す値であり、ランプにより照射され試料中を透過した全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Dにより、ヘーズ値H=D/T×100として求められる。これらはJIS−K−7105により規定されており、市販の濁度計によって容易に測定可能である。厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10〜30μmのものが一般的である。
感光性樹脂積層体において、支持層面とは反対側の感光性樹脂層表面に、必要に応じて保護層を積層する。支持層よりも保護層の方が感光性樹脂層との密着力が充分小さく、容易に剥離できることがこの保護層としての重要な特性である。このような保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
液晶ディスプレイ用スペーサー用途において、感光性樹脂層の厚みは液晶のモード等によって要求されるスペーサー高さに、製造工程での膜減りを考慮して決定されるが、一般的には0.1μm〜10μmである。
以下、感光性樹脂積層体を用いた液晶ディスプレイ用スペーサーの作成方法を簡単に述べる。
スペーサーをカラーフィルター上に設ける場合には、透明基板上に着色層をもうけた上に(あるいはさらに着色層上にオーバーコート層を設けた上に)全面にわたり、スパッタリングによりITO膜を成膜する。そのうえに、上記感光性樹脂積層体を保護がある場合は保護を剥離しながら加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は、一般的に、40〜160℃である。
次に、必要ならば支持層を剥離しマスクフィルムを通して活性光により画像露光する。
次いで、感光性樹脂層上に支持層がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液を用いて感光性樹脂層の未露光部を現像除去することによってスペーサーを形成する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いる。これらのアルカリ水溶液は感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.1〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
本発明を実施例に基づいて説明する。
<感光性樹脂組成物>
実施例及び比較例において用いた感光性樹脂組成物の組成を後記する表1に示す。また、表1において略号(a−1〜d−1)で表した感光性樹脂組成物を構成する成分を後記する<記号説明>に示す。
次に、感光性樹脂積層体の作成方法について述べる。
実施例及び比較例においては、表1に示す成分を混合して均一に溶解し、感光性樹脂組成物の溶液を調製し、厚さ20μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルムにバ−コ−タ−を用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で1分間乾燥した。この時の感光性樹脂層の厚さは5μmであった。次いで、感光性樹脂層上に25μmのポリエチレンフィルムを張り合わせ積層フィルムを得た。
<評価>
・ 感度
上記で得た感光性樹脂積層体をITO膜からなる透明電極つきガラス基板上に、該感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥しながら感光性樹脂層をホットロ−ルラミネ−タ−により105℃でラミネ−トした。
この積層体にスト−ファ−製21段ステップタブレットを通して超高圧水銀ランプ((株)オ−ク製作所製HMW−801)により100mJ/cmで露光した。続いて、ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを剥離した後、30℃の0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液を約45秒間スプレ−した。得られた硬化レジストの最高の残膜段数を感度とした。
・ 解像度
上記感度試験と同様の手順で、感光性樹脂積層体をラミネ−トした基板にラインとスペ−スが1:1であるマスクフィルムを通して、100mJ/cmで露光し、現像した。得られた硬化パターンについてラインが欠落することなく、かつ分離し得る最小線幅について次の基準で判定した。
20μm未満:◎
20μm以上、25μm未満:○
25μm以上、30μm未満:△
30μm以上:×
(3)密着性 解像度の評価と同様の手順で、マスクフィルムを10μm角のドットパターンにし、露光、現像した。得られた硬化パターンについて次の基準で判定した。
ドットパターンの欠け、欠落がなく、パターンのきれが良好なもの:◎
ドットパターンの欠け、欠落がないもの:○
ドットパターンの欠落はないが、一部欠けが認められるもの:△
ドットパターンの欠落が認められるもの:×
<記号説明>
a−1:メタクリル酸メチル50重量%、メタクリル酸25重量%、スチレン25重量%の三元共重合体のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度35%、重量平均分子量5万、酸当量344)。
a−2:ベンジルメタクリレート80質量%、メタクリル酸20重量%の共重合体のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度35%、重量平均分子量2万、酸当量430)。
b−1:式(IV)において、Rがメチル基 であり、Rは−C−であり、nが2である化合物。
b−2:ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエスエルBPE−500)。
b−3:トリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−TMPT−3EO)。
b−4:ノナエチレングリコ−ルジアクリレ−ト。
b−5:ペンタエリスリトールテトラアクリレート。
b−6:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
c−1:IRGACURE−907(登録商標)(チバスペシャルティーケミカルズ製)
c−2:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールニ量体 。
c−3:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン。
d−1:IRGANOX−245(登録商標)(チバスペシャルティーケミカルズ製)。
Figure 2005195758
本発明は、液晶ディスプレイの液晶層の厚みを制御するためのスペーサー、ポストスペーサーを形成するために利用することが出来る。

Claims (9)

  1. (a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜700であり、かつ、重量平均分子量が5000〜50000の線状重合体を含むバインダ−用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、(c)光重合成開始剤として少なくとも下記式(I):0.1〜20質量%、及び(II):0.1〜20質量%を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 2005195758
    (式中、Rは水素、あるいは炭素数1〜6のアルキル基である。)
    Figure 2005195758
    (式中、X、Y及びZは水素、アルキル基、アルコキシ基及びハロゲン基のいずれかを表し、p、q及びrは1〜5の整数である。)
  2. (d)下記式(III)で表される化合物:0.01〜3質量%を含むことを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2005195758
    (式中、R、Rは水素、あるいは炭素数1〜6のアルキル基である 。)
  3. (b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(IV)で表される化合物を(b)成分の1〜50質量%含有することを特徴とする、請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2005195758
    (式中、Rは水素又はメチル基 であり、Rは−CH−CH(CH)−または−CH(CH)−CH−または−C−であり、nは1〜6の正の整数である。)
  4. 液晶ディスプレイ用スペーサーの形成に用いられることを特徴とする請求項1、2または3記載の感光性樹脂組成物。
  5. 支持層上に請求項1、2または3記載の感光性樹脂組成物からなる層を設けた感光性樹脂積層体。
  6. 液晶ディスプレイ用スペーサーの形成に用いられることを特徴とする請求項5記載の感光性樹脂積層体。
  7. 請求項1、2、3または4記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成し、露光し、現像する工程を含む液晶ディスプレイ用スペーサーの形成方法。
  8. 請求項5または6記載の感光性樹脂積層体を基板上に積層し、露光し、現像する工程を含む液晶ディスプレイ用スペーサーの形成方法。
  9. 請求項7または8の方法により形成された、液晶ディスプレイ用スペーサー。
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