JP5990366B2 - 積層体及びそれを用いたロール - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物および積層体に関し、スペーサー材料、基板バンプ又は半導体バンプ好適な感光性樹脂組成物および積層体に関する。
電子材料又は表示材料には感光性のレジストパターンを利用した微細構造材料が広く用いられている。例えば、半導体素子の保護膜又は層間絶縁膜には比較的厚膜の形成性に優れるポリアミック酸などの樹脂に基づくレジストパターンが用いられている(特許文献1)。また、赤、黄及び青の顔料を配合して作製した感光性のレジストパターンを厚膜ブラックマトリックスとして用いる例もある(特許文献2)。また、タッチパネルなどでは対向する2枚の電極間のスペーサーとして感光性のレジストパターンが用いられる例もある(特許文献3)。さらに、10μmを超える厚膜スペーサーであっても有効な感光性樹脂組成物も開示されている(特許文献4)。また、画像表示装置の隔壁を形成するための感光性樹脂組成物も開示されている(特許文献5)。
厚膜のスペーサーを必要とする場合は、スペーサーとして充分な強度と基板密着性を維持する観点からスペーサーの基板接地面積を大きくせざるを得ない。例えば、円柱、四角柱などのスペーサーでは基板接地面を構成する円または四角形の直径または一辺が長くなる。また例えば、四角形(格子)、六角形(ハニカム)などの平面を埋め尽くすことのできる中空の多角形状の底面を有するスペーサーであれば底面を構成する各辺の線幅が太くなる。基板接地面積が大きくなると、スペーサーを表示材料に用いる場合は開口面積が小さくなり画質が低下する。なお、本明細書では、中空の多角形状スペーサーの線幅に対する高さの比をアスペクト比と呼ぶ。対向する基板側からスペーサーを見ると、平面を埋め尽くすように多角形状が並んで見えるが、このとき各多角形の同一部分が繰り返される間隔をピッチと呼ぶ。膜厚を厚くしてもスペーサーとしての機能を充分に維持するためには、アスペクト比が高く、ピッチが広く、かつ形状と材料の観点から強度に優れることが重要である。これらの課題に鑑みると、従来技術は満足のいくものではない。
一方、厚膜のレジストは、めっき法又は印刷法で電極を形成する為にも有用である(特許文献6)。これらの工法で作製された電極は、サイズ又は用途に応じて、基板バンプ、半導体バンプ、銅ポストなどの名称で呼ばれることもある。電極形成では、接続するべき配線の微細化に従って電極をできるだけ小さく、密集して配置する必要が生じる。これに対応するために厚膜レジストにおいては高いアスペクト比が求められている。アスペクト比が高いほど、レジストパターンに使用する感光性樹脂組成物の量も少なくなり、めっき浴汚染性の観点からも好ましい。
特開2008−197158号公報 特開2008−304710号公報 特開2008−233289号公報 特開平11−349787号公報 特開2010−169934号広報 特開2000−305266号公報
本発明の目的は、特定の工程を経て、特定の線幅、ピッチ、形状、高さ及びアスペクト比を有するレジストパターンを作製可能であって、スペーサー材料、基板バンプ又は半導体バンプに好適な感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、下記の通りである。
[1] 感光性樹脂組成物の全固形分100質量%を基準として、カルボキシル基及びフェニル基を有するアクリル系樹脂を含むアルカリ可溶性高分子:20〜90質量%、少なくとも1種の光重合性化合物:5〜75質量%、並びに光重合開始剤:0.01〜30質量%を含む感光性樹脂組成物であって、
(A)フォトマスクを用いて露光する露光工程であって、該感光性樹脂組成物上に積層された支持体と該フォトマスクとの距離が50μmである露光工程、及び
(B)30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液で最小現像時間の1.5倍の時間に亘って現像する現像工程
を含む方法により形成される多角形状感光性樹脂パターンの線幅が20μm以下であり、ピッチが200〜1000μmであり、かつ高さが45〜100μmであることを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2] 前記多角形状感光性樹脂パターンの高さは50〜80μmである、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 前記多角形状感光性樹脂パターンの線幅は15μm以下である、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 前記感光性樹脂パターンの前記線幅に対する前記高さの比(アスペクト比)が3.5以上である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[5] 前記アスペクト比は4.0以上である、[4]に記載の感光性樹脂組成物。
[6] 前記アルカリ可溶性高分子は、スチレン又はベンジル(メタ)アクリレートを共重合成分として含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[7] 前記光重合性化合物は、エチレンオキシド基を有する光重合性化合物を含有する、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[8] 前記光重合性化合物は、ポリエチレンオキシド基及びポリプロピレンオキシド基を有するジアクリレートを含有する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[9] 前記光重合性化合物が、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するエチレンオキシド変性ビスフェノールAを含有する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[10] 前記光重合性化合物の平均分子量が490〜750である、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[11] 前記光重合性化合物の全てが分子内に少なくとも1つのエチレンオキシド基を有する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[12] 前記光重合開始剤はロフィン二量体を含む、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[13] 支持層及び[1]〜[12]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を有する積層体。
[14] 前記感光性樹脂層の光透過率(波長365nm)が40〜60%である、[13]に記載の積層体。
本発明によれば、特定の工程を経て、特定の線幅、ピッチ、形状、高さ及びアスペクト比を有するレジストパターンを作製可能であって、スペーサー材料、基板バンプ又は半導体バンプに好適な感光性樹脂組成物を提供することが出来る。
感光性樹脂パターンの形状、ピッチ及び線幅を示す図面である。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基及びフェニル基を有するアクリル系樹脂を含むアルカリ可溶性高分子:20〜90質量%、少なくとも1種の光重合性化合物:5〜75質量%、並びに光重合開始剤:0.01〜30質量%を含み、そして本発明の感光性樹脂組成物は、(A)フォトマスクを用いて露光する露光工程であって、この感光性樹脂組成物上に積層された支持体と前記フォトマスクとの距離が50μmである露光工程、及び(B)30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液で最小現像時間の1.5倍の時間に亘って現像する現像工程を含む方法により形成される多角形状感光性樹脂パターンの線幅が20μm以下であり、ピッチが200〜1000μmであり、かつ高さが45〜100μmであることを特徴とする。
<アルカリ可溶性高分子>
本発明に使用されるアルカリ可溶性高分子は、カルボキシル基及びフェニル基を有するアクリル系樹脂を含む。また、本明細書において、アクリル系樹脂とは、アルカリ性水溶液に分散ないし可溶でありカルボキシル基とフェニル基を有するアクリル系樹脂をいう。
アルカリ可溶性高分子は、カルボキシル基を含有している。アルカリ可溶性高分子の酸当量は、100〜600が好ましい。酸当量とは、分子中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子の質量をいう。酸当量は、より好ましくは200以上400以下である。酸当量は、現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点から、100以上であり、現像性及び剥離性が向上する点から600以下である。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上500,000以下が好ましい。アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、現像性が向上する点から500,000以下であり、現像凝集物の性状、感光性樹脂積層体とした場合のエッジフューズ性及びカットチップ性などの未露光膜の性状の観点から1,000以上である。エッジフューズ性とは、感光性樹脂積層体としてロール状に巻き取った場合にロールの端面から感光性樹脂組成物層がはみ出す現象をいう。カットチップ性とは未露光膜をカッターで切断した場合にチップが飛ぶ現象のことで、チップが感光性樹脂積層体の上面などに付着すると、後の露光行程などでマスクに転写し不良の原因となる。保護層からアルカリ可溶性高分子が染み出す現象を抑制する観点からも重量平均分子量は1,000以上である。アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、より好ましくは、1,000以上300,000以下であり、さらに好ましくは5,000以上200,000以下であり、よりさらに好ましくは20,000以上100,000以下であり、最も好ましくは、40,000以上70,000以下である。重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
アルカリ可溶性高分子は、後述する第一の単量体の少なくとも一種以上、及び後述する第二の単量体の少なくとも一種以上から成り、カルボキシル基とフェニル基を有する共重合体であることが好ましい。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルが挙げられる。特に、第一の単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましい。本明細書では、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを示す。以下同様である。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも一個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルアルコールのエステル類、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及びスチレン誘導体が挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、スチレン又はベンジル(メタ)アクリレートが共重合成分として好ましい。レジストパターンの密着性の観点からスチレンが特に好ましい。
第一の単量体と第二の単量体の好ましい組み合わせとしては、以下の様な組み合わせを挙げることができる。すなわち、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸の共重合体、スチレン、メタクリル酸ベンジル及びメタクリル酸の共重合体、メタクリル酸ベンジル及びメタクリル酸の共重合体、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びメタクリル酸の共重合体、並びにスチレン、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸の共重合体などを挙げることができる。レジストの現像性及び高密着性の観点から、スチレン、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸の共重合体の組合せが好ましく、より好ましくはスチレンを共重合体の単量体として10〜70質量%含み、更に好ましくは30〜60質量%含み、より更に好ましくは40〜60質量%含む。
アルカリ可溶性高分子の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量%を基準として20〜90質量%の範囲であり、好ましくは40〜60質量%である。アルカリ可溶性高分子の配合量は、現像時間の観点から90質量%以下であり、エッジフューズ性の観点から20質量%以上である。
<光重合性化合物>
本発明に使用される光重合性化合物は、硬化性の観点からエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含むことが好ましい。硬化性及びアルカリ可溶性高分子との相溶性の観点から分子内にアクリロイル基を有する化合物を含むことがより好ましい。好ましくは、光重合性化合物は、エチレンオキシド基を含む。より好ましくは、光重合性化合物は、ポリエチレンオキシド基及びポリプロピレンオキシド基を有するジアクリレートを含む。
たとえば、光重合性化合物としては、ポリアルキレンオキシドの片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、又は片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加し、他方の末端をアルキルエーテル若しくはアリルエーテル化したものなどを挙げることができる。
このような化合物としては、ポリエチレングリコールをフェニル基に付加した化合物の(メタ)アクリレートであるフェノキシヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、又は平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均7モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物の(メタ)アクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、平均1モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物の(メタ)アクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシペンタエチレングリコールモノプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及び平均8モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート(東亞合成(株)製、M−114)が挙げられる。
たとえば、アルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又はエチレンオキシド鎖とプロピレンオキシド鎖とがランダムもしくはブロックで結合したアルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、12モルのエチレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、平均12モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレート、平均18モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均15モル付加したグリコールのジメタクリレートなどを挙げることができる。柔軟性、タック性及び密着性が向上しより細いパターンが形成可能である観点から、エチレンオキシド基を付加したポリエチレングリコールを有するジ(メタ)アクリレートが好ましく、さらにエッジフューズ性の観点からプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端に付加したグリコールのジメタクリレートが好ましく、さらに、平均10〜15モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均1〜5モル付加したグリコールのジメタクリレートを有する化合物がより好ましい。タック性とは張り付き性であり、感光性樹脂表面のタック性(支持体とのはくり性)は、作業性の観点から適度な大きさが望まれる。
また、ビスフェノールAをアルキレンオキシド変性し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が密着性の観点から好ましい。アルキレンオキシド変性にはエチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性、ブチレンオキシド変性、ペンチレンオキシド変性、へキシレンオキシド変性などがある。好ましくは、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するエチレンオキシド変性ビスフェノールAである。このような化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンなどが挙げられる。
さらに、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)クリレート、又はビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均15モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)クリレートなど、エチレンオキシド(EO)変性およびプロピレンオキシド(PO)変性した化合物も、エッジフューズ性の観点から好ましい。これらの両末端に(メタ)アクリロイル基を有するアルキレンオキシド変性ビスフェノールAのエチレンオキシドのモル数は密着性、柔軟性の観点から2モル以上30モル以下が好ましく、5モル以上15モル以下がより好ましい。
たとえば、一分子中に2個を超える(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、中心骨格として分子内にアルキレンオキシド基を付加させることができる基を3モル以上有し、これにエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド又はブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド基を付加させ得られたアルコールを(メタ)アクリレートとすることで得られる。中心骨格になりうる化合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、イソシアヌレート環などを挙げることができる。
このような化合物としては、トリメチロールプロパンのEO3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO6モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO9モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO12モル変性トリアクリレートなどを挙げることができる。このような化合物としては、グリセリンのEO3モル変性トリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−GLY−3E)、グリセリンのEO9モル変性トリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−GLY−9E)、グリセリンのEO6モルPO6モル変性トリアクリレート(A−GLY−0606PE)、グリセリンのEO9モルPO9モル変性トリアクリレート(A−GLY−0909PE)を挙げることができる。このような化合物としては、ペンタエリスリトールの4EO変性テトラアクリレート(サートマージャパン(株)社製SR−494)、ペンタエリスリトールの35EO変性テトラアクリレート(新中村化学工業(株)社製NKエステルATM−35E)を挙げることができる。密着性、解像性の観点から、トリメチロールプロパンのEO3モル変性トリアクリレートが好ましい。
光重合性化合物は、前記化合物以外にも以下に挙げる化合物などを適宜含むことができる。例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[(4−(メタ)アクリロキシポリプロピレンオキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[(4−(メタ)アクリロキシポリブチレンオキシ)フェニル]プロパン、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
さらに、光重合性化合物は、以下のようなウレタン化合物も適宜含むことができる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート又はジイソシアネート化合物(例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート)と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物、例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化合物が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPP1000)との反応生成物がある。また、ポリプロピレングリコール又はポリカプロラクトンにより変性したイソシアヌル酸エステルのジ又はトリ(メタ)アクリレートなども挙げられる。また、例えば、ジイソシアネートとポリオールとの重付加物として得られるウレタン化合物の末端とエチレン性不飽和二重結合及びヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られるウレタンオリゴマーなども挙げることができる。本発明の感光性樹脂組成物が、複数の種類の上記のような光重合性化合物を含む場合には、光重合性化合物の全てが分子内に少なくとも1つのエチレンオキシド基を有することが好ましい。
光重合性化合物の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量%を基準として、5〜75質量%である。光重合性化合物の配合量は、感度、解像性、密着性の観点から5質量%以上であり、解像性、密着性の観点から75質量%以下である。光重合性化合物の配合量は、支持フィルムに塗工してドライフィルムとする場合の未露光膜の膜物性の観点からも、75質量%以下であり、より好ましくは、30〜50質量%である。
光重合性化合物であってかつアルカリ性水溶液に分散ないし可溶の樹脂は、その重量平均分子量が5000以上の場合はアルカリ可溶性高分子とし、重量平均分子量が5000未満の場合は光重合性化合物とする。
感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の平均分子量は、490〜750である。光重合性化合物の平均分子量は、エッジフューズ性の観点から490以上が好ましく、解像性及び密着性の観点から750以下が好ましい。光重合性化合物の平均分子量は、より好ましくは700以上750以下である。
<光重合開始剤>
本発明において光重合開始剤は、それ単独で露光波長の光線を吸収し、感光性樹脂組成物を硬化させ、現像液に不溶とさせるもの、および、それ単独では感光性樹脂組成物を硬化させ現像液に不溶とすることはできないが光重合開始剤と組み合わせて用いることで光重合開始剤の効果を促進するものである。但し、本発明においてロイコ染料は光重合開始剤に含まれない。
光重合開始剤としては、キノン類、芳香族ケトン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾイン又はベンゾインエーテル類、ジアルキルケタール類、チオキサントン類、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類、オキシムエステル類、アクリジン類(例えば9−フェニルアクリジン、ビスアクリジニルヘプタン)が挙げられ、更にヘキサアリールビイミダゾール、ピラゾリン誘導体、N−アリールアミノ酸又はそのエステル化合物(例えばN−フェニルグリシン)、及びハロゲン化合物などが挙げられる。また、光重合開始剤は、ロフィン二量体を含むことが好ましい。
芳香族ケトン類としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4'−ジメチルアミノベンゾフェノンを挙げることができる。これらの中でも、密着性の観点から、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。さらに、透過率の観点から、芳香族ケトン類の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%を基準として0.01〜0.05質量%であることが好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾールの例としては、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルビイミダゾール、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルビイミダゾール、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルビイミダゾール、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルビイミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、
2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、及び2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール等が挙げられる。密着性の観点から、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。さらに感度の観点から、ヘキサアリールビイミダゾールの配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%を基準として0.4〜1.0質量%であることが好ましい。
光重合開始剤の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%を基準として0.01〜30質量%である。光重合開始剤の配合量は、実用的な光感度及びレジストパターンの密着性の観点から0.01質量%以上であり、レジストパターンからの昇華性の観点から30質量%以下である。さらに、光重合開始剤の配合量は、0.2〜1質量%が好ましく、0.4〜0.9質量%がより好ましく、0.5〜0.9質量%がさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には染料、顔料等の着色物質を含有させてもよい。このような着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイヤモンドグリーン等が挙げられる。
染料、顔料等の着色物質の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%を基準として0.01〜1質量%であることが好ましい。着色物質の配合量は、着色性の観点から0.01質量%以上が好ましく、感度、保存安定性の観点から1質量%以下が好ましい。着色物質の配合量は、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%がさらに好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、ロイコ染料を含有させてもよい。ロイコ染料は、トリフェニルメタン染料の無色の中間物であり、ロイコ塩基とも呼ばれる(岩波書店、「岩波 理化学辞典 第5版」、1505頁参照)。
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−フェニルメタン、(4−ジメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、
(4−ジメチルアミノ−2−クロロフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−フルオロフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−イソプロポキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ヘキシルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−オクチルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ドデシルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ベンジルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−クロロフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、
(4−ジエチルアミノ−2−フルオロフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ピペリジリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、〔4−(1−ピロリジニル)−2−エトキシフェニル〕−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−モルホリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ピペリジリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、〔4−(1−ピロリジニル)−2−エトキシフェニル〕−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、
(4−モルホリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−N−エチル−N−p−トリルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−N−エチル−N−フェニルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジフェニルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ベンジルオキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタンなどが挙げられる。これらの中でも、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタンが感度およびレジストパターンのマスク線幅再現性の観点から好ましい。トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタンはロイコクリスタルバイオレットとも呼ばれる。
ロイコ染料の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%を基準として0.01〜1質量%であることが好ましい。ロイコ染料の配合量は、密着性の観点から0.01質量%以上が好ましく、レジストパターンのマスク線幅再現性の観点から1質量%以下が好ましい。また、ロイコ染料の配合量は、0.03〜0.8質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%がさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物は、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類、ビスフェノールAのエポキシ化合物類から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含有してもよい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ビスフェノールAのエポキシ化合物類としては、2,2−ビス[4−[2−(グリシジルオキシ)プロポキシ]フェニル]プロパンなどが挙げられる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類及びビスフェノールAのエポキシ化合物類の合計含有量は、好ましくは感光性樹脂組成物全体を基準として、0.001〜0.2質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。当該含有量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から、0.001質量%以上が好ましく、感度を維持し、染料の脱色および発色を抑える観点から、0.1質量%以下がより好ましい。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は密着性の観点からシランカップリング剤を含んでもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製KBM−503)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学(株)製KBM−502)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−403)、3−グリシドキシプロピリトリメトキシシラン(信越化学(株)製KBM−403)等を挙げる事ができる。これらの中でも密着性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製KBM−503)が好ましい。シランカップリング剤の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%を基準として、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.1〜3%、更に好ましくは1〜3%である。
<多角形状感光性樹脂パターン>
本発明において、多角形状感光性樹脂パターンは、(A)フォトマスクを用いて露光する露光工程であって、上記感光性樹脂組成物上に積層された支持体と前記フォトマスクとの距離が50μmである露光工程、及び(B)30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液で最小現像時間の1.5倍の時間に亘って現像する現像工程を含む方法により形成されることができる。また、この多角形状感光性樹脂パターンは、その線幅が20μm以下であり、そのピッチが200〜1000μmであり、かつその高さが45〜100μmであることを特徴とする。
次に、工程(A)について説明する。工程(A)はフォトマスクを用いて露光する露光工程であって、感光性樹脂組成物上に積層された支持体と前記フォトマスクとの距離が50μmである露光工程である。フォトマスクとは、合成石英上にクロム薄膜による遮光膜が形成されており、かつ所望の露光すべき箇所が開口されたガラスクロムマスクをいう。工程(A)ではガラスクロムマスクと後述の支持体表面との間を50μmにあけて露光する。露光機は、超高圧水銀灯を光源とし、凹面鏡、レンズなどを通して平行光に調整して露光する平行光露光機またはプロキミティ露光機と呼ばれるものを使用する。具体例としては、オーク製作所製露光機(EXM−1066−H−01)を挙げることができる。
次に工程(B)について説明する。工程(B)は、30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液で最小現像時間の1.5倍の時間に亘って現像する現像工程である。最小現像時間とは、基板上に形成された未露光感光性樹脂層を完全に溶解するのに要する最も少ない現像時間をいう。現像は、コンベア式のスプレー現像機を使用する。コンベア式のスプレー現像機について説明する。現像機内では、露光された基板は、30℃の0.4質量%炭酸のトリウム水溶液を噴霧されながら、コンベアロールによって現像機の中を搬送される。炭酸ナトリウムを噴霧するスプレーはスリット状のノズルを有し、基板搬送方向に対して垂直方向に揺動する。工程(B)の現像時間は、前記現像機により最小現像時間を測定し、それを1.5倍した現像時間である。具体例としては、シュミッド(株)製、現像装置(SCHMID combiline, Type 45, Com.No.45−07−173, Voltage 200Volt, Frequency 50Hz, construction year 2007)を用い、現像スプレー圧0.15MPa、オシレーション速度50Hz、水洗連動方式、水洗圧0.15MPaにより現像する工程を挙げることができる。
次に、多角形状感光性樹脂パターンについて説明する。多角形状感光性樹脂パターンとは、対向する基板間にレジストパターンが形成されたとき基板面に平面を埋め尽くすように多角形状のパターンが繰り返し配されるようなレジストパターンをいう。詳細には図1に示す。
次に、感光性樹脂パターンのピッチについて説明する。対向する基板側からスペーサーを見ると、平面を埋め尽くすように多角形状パターンが並んで見えるが、このとき各多角形の同一部分が繰り返される間隔をピッチと呼ぶ。さらに詳細には図1に記載したとおりに定義する。
次に、本発明における感光性樹脂パターンのアスペクト比について説明する。本発明においては、アスペクト比は、レジストパターンの線幅に対するレジストパターンの高さの比であり、下記式(1):
Figure 0005990366
のように定義される。
さらに本発明においては、レジストパターンの高さは感光性樹脂組成物を後述の支持体上に塗布乾燥した後の感光性樹脂層膜厚に等しいとみなす。基板に直接塗布乾燥する場合は、基板に塗布乾燥した後の感光性樹脂層膜厚に等しいとみなす。レジストパターンの線幅は以下のようにして測定する。まず、パターンを熱風式オーブンで200℃/1時間加熱処理した後、日立ハイテク(株)製イオンスパッタ(E−1020)により240秒金蒸着を行い、KEYENCE(株)製レーザー顕微鏡(VK−9500)により20倍の対物レンズを使用し計測する。
本発明の感光性樹脂組成物により形成される多角形状感光性樹脂パターンの線幅は、開口率(面積当たりのレジストで覆われていない部分の割合)の観点から20μm以下であり、好ましくは15μm以下である。
本発明の感光性樹脂組成物により形成される多角形状感光性樹脂パターンのピッチは、200〜1000μmであり、好ましくは200〜500μmであり、より好ましくは200〜400μmである。多角形状感光性樹脂パターンのピッチは、開口率の観点から200μm以上であり、強度の観点から1000μm以下である。
本発明の感光性樹脂組成物により形成される多角形状感光性樹脂パターンの高さは、45〜100μmであり、好ましくは50〜80μmであり、より好ましくは50〜70μmである。多角形状感光性樹脂パターンの高さは、スペーサーとして用いる場合は充分なギャップ保持のために、また電極形成用として用いる場合は電極高さを確保するために、45μm以上である。スペーサーとして用いる場合は基板密着性と強度の観点から、電極形成用として用いる場合は基板密着性、特に印刷法による電極形成用として用いる場合はペースト埋め込み性の観点から100μm以下である。
本発明の感光性樹脂組成物により形成される多角形状感光性樹脂パターンのアスペクト比は、スペーサーとして用いた場合の開口率の観点、及び電極形成用として用いた場合の電極密度の観点から3.5以上が好ましく、4.0以上がより好ましい。
<感光性樹脂積層体>
本発明の別の態様は、少なくとも支持層と上記感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層とが積層された感光性樹脂積層体に関する。この感光性樹脂層は、365nmの波長の光の透過率が40〜60%であることが好ましい。また、上記感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を積層する際には、感光性樹脂層が、40〜60%の、365nmの波長の光の透過率を有するように、上記感光性樹脂組成物を調整することが好ましい。光透過率(365nm)は、(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U−3010)により、支持体と感光性樹脂層を積層した状態で測定される。感光性樹脂層の光透過率(365nm)は、密着性、ピッチ、線幅、アスペクト比、マスク再現性及び矩形性の観点から40%以上60%以下であることが好ましく、40%以上50%以下であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層と支持層を含む。必要により、感光性樹脂層の支持層側とは反対側の表面に保護層を有してもよい。ここで用いられる支持層としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて延伸されたものも使用可能である。支持層のヘーズは、好ましくは5以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.5以下であり、特に好ましくは0.2以下である。支持層の厚みは、薄いほど画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために10〜30μmの厚みを有する支持層が好ましく用いられる。
感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について支持層よりも保護層の方が充分小さく、容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムが保護層として好ましく使用できる。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもできる。保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
保護層にポリエチレンを用いた場合は、ポリエチレンフィルム表面にフィッシュアイと呼ばれるゲルがあり、これが感光性樹脂層に転写することがある。フィッシュアイが感光性樹脂層に転写するとラミネート時に空気を巻き込んで空隙になることがあり、レジストパターンの欠損につながる。フィッシュアイの観点から保護層の材質は延伸ポリプロピレンが好ましい。その具体例としては王子製紙(株)製アルファンE−200Aを挙げることができる。
支持層、感光性樹脂層、及び必要により保護層を順次積層して、感光性樹脂積層体を作製する方法として、既知の方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にし、まず支持層上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布し、次いで乾燥して支持フィルム上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層することができる。
乾燥後の感光性樹脂層の厚さは用途に応じて適宜選択することができる。乾燥後の感光性樹脂層の厚さについては、ダイコーターを用いる場合には約10〜約200μmの範囲で、リバースロールコーターを用いる場合には、約1〜約150μmの範囲で膜厚を調整することができる。
本発明の感光性樹脂積層体は、支持層に感光性樹脂組成物を塗工し乾燥した後、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより作製することができる。
感光性樹脂組成物を溶解する溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、メタノール、エタノール又はイソプロパノールに代表されるアルコール類などが挙げられる。これらの溶剤は、塗工方式と所望する膜厚に応じて適宜選択され、配合される。例えば、ダイコーターを用いて塗工する場合には、支持層上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が25℃で500〜4000mPa・sとなるように、感光性樹脂組成物に溶剤を添加することが好ましい。
<レジストパターン形成方法>
感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンは、ラミネートするラミネート工程、活性光を露光する露光工程、及び未露光部を除去する現像工程を含む方法によって形成することができる。さらにレジストパターンの強度を考慮して、パターンを一定温度で加熱するベーク工程を追加することもできる。
以下、レジストパターン形成方法の具体的な一例を示す。
基板としては、銅張積層板、酸化インジウムスズ(ITO)及び酸化インジウム亜鉛(IZO)などの透明電極がスパッタ又は蒸着されたガラス基板、同様のフィルム基板、誘電体ペーストが塗布されたガラス基板、シリコンウエハ、アモルファスシリコンが蒸着されたガラスウエハ、銅、タンタル、モリブデンなどの金属薄膜がスパッタされたシリコンウエハなどを用いることができる。
基材に感光性樹脂を積層するためには、まず、ラミネーターを用いてラミネート工程を行う。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には、保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着して積層する。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけに積層してもよいし、両面に積層してもよい。この時の加熱温度は一般に約40〜160℃である。また前記加熱圧着は二回以上行うことにより密着性と耐薬品性が向上する。加熱圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、何回か繰り返してロールに通し圧着してもよい。
次に、露光機を用いて露光工程を行う。必要ならば支持層を剥離し、フォトマスクを通して活性光により露光する。露光量は、光源照度と露光時間により決定される。露光量は、光量計を用いて測定してもよい。露光機としては、超高圧水銀灯を光源とした散乱光露光機、同じく平行度を調整した平行光露光機、同じくマスクとワークの間にギャップを設けるプロキシミティ露光機を挙げることができる。さらに、マスクと画像のサイズ比が1:1の投影型露光機、高照度のステッパー(登録商標)といわれる縮小投影露光機又はミラープロジェクションアライナ(登録商標)と呼ばれる凹面鏡を利用した露光機を挙げることができる。
また、露光工程において、直接描画露光方法を用いてもよい。直接描画露光とはフォトマスクを使用せず、基板上にパターンを直接描画して露光する方式である。光源としては、例えば、波長350〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯が用いられる。
次に、現像装置を用いて現像工程を行う。露光後、感光性樹脂層上に支持フィルムがある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去してレジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム(NaCO)又は炭酸カリウム(KCO)の水溶液を用いる。アルカリ水溶液は、感光性樹脂層の特性に合わせて適宜選択されるが、約0.2〜2質量%の濃度及び約20〜40℃のNaCO水溶液が一般的である。前記アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。基材への影響を考慮してテトラアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液などアミン系のアルカリ水溶液を用いることもできる。現像速度に応じて濃度を適宜選択することができる。
上記の各工程を経てレジストパターンを得ることができるが、場合により、さらに約100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、レジストパターン中の未反応の光または熱で硬化する化合物を反応させるか、又はレジストパターンを部材として組み込む前に昇華性成分を昇華させてしまうことができる。また、この加熱工程により、レジストパターンの耐薬品性も向上する。加熱には熱風、赤外線、及び/又は遠赤外線の方式の加熱炉を用いることができる。
<半導体バンプの製造方法>
本発明の感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体又はレジストパターンを用いて半導体バンプを形成することができる。半導体バンプは以下の方法で作製することができる。
シリコンウエハ基板に絶縁層を設け、必要部分にシリコンウエハと接続するための電極を形成する。次いで、銅などの導電膜をスパッタなど方法で形成する。
液状レジストを用いる場合は、こうして得られた基板上に液状レジストをスピンコートする。プリベークにより溶媒を除去して乾燥し、レジスト塗布膜を得る。ついで露光及び現像によりパターンを形成する。ドライフィルムを用いる場合は、前記<レジストパターンの形成方法>と同様な方法でパターンを形成する。
その後、パターン内にめっきを行うが、前処理としては、水又はめっき液そのものに浸けるなどの方法が挙げられる。はんだバンプを形成する場合は、バンプとの密着性を確保するためアンダーバンプメタルと呼ばれるニッケル膜などをめっきにより形成し、この上にめっき法によりはんだをめっきして、バンプを形成する。銅ポストを形成する場合は、パターン内に銅めっきを行い、次いではんだバンプを形成する。めっきに用いるめっき浴としては以下のようなものを挙げることができる。ニッケルめっき浴としてはワット浴、スルファミン酸浴などを挙げることができる。はんだめっき浴としては、はんだの性質に応じて、高鉛、共晶、無鉛などの浴が選択される。銅めっき浴としては硫酸銅など電解銅めっき浴が一般的である。
めっき後は、レジストを剥離液により剥離する。剥離液は、エタノールアミンなどのアルカノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)など、有機アルカリの一種又は二種以上を組み合わせたアルカリ成分、グリコール及びジメチルスルホキシドなどの極性の高い水溶性有機溶媒、水などを組み合わせた有機系の剥離液を用いることができる。銅めっきは硫酸銅などのめっき浴が一般的である。
レジスト剥離後は、エッチングにより導電膜を除去する。エッチングは塩化銅などによる既知の方法を用いることができる。エッチング後はリフローと呼ばれる加熱工程により、はんだ部分を加熱し、はんだボールを作製し半導体バンプを得る。
以下、本発明の実施形態の例を具体的に説明する。
(実施例1〜8及び比較例1〜4、但し実施例1〜5及び7は単なる参考例である。
最初に実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法およびその評価結果を示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における評価用サンプルは次のとおりにして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1に示す組成(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す)の感光性樹脂組成物及び溶媒を十分に攪拌及び混合して感光性樹脂組成物調合液とし、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルム(株)製、GR−16)の表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で6分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは60μmであった。
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として20μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、GF−18)を張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
得られた感光性樹脂積層体の光透過率(365nm)を、ポリエチレンフィルムを剥がし、支持体と感光性樹脂層を積層した状態で、(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U−3010)により測定した。
表2には感光性樹脂組成物調合液中の材料成分の名称を示し、表1には感光性樹脂組成物調合液中の配合量ならびに評価結果を示す。
2.パターン形成性評価
<基板>
表面にITOがスパッタ加工されたソーダライム硝子(ジオマテック(株)製、ITO膜付きガラス0007)を用いた。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、ホットロールラミネーター(大成ラミネーター(株)製、VA−400III )により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.4MPaとし、ラミネート速度は1.5m/min.とした。
<露光>
クロムガラスフォトマスクを用いて、オーク株式会社製高精度露光機(EXM−1066−H−01)により、支持層とマスクの間、即ちギャップを50umとし、ストゥーファー21段ステップタブレット(光学密度0.00を1段目とし、1段毎に光学密度が0.15ずつ増加するステップタブレット)を介して露光した場合に残膜する段数が8段ないし9段となるような露光量で露光した。なお、クロムガラスフォトマスクには、それぞれ表1に記載のパターン形状のマスクを使用した。
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、シュミッド(株)製現像装置を用い、現像スプレー圧0.15MPa、オシレーション速度50Hzの条件で、30℃の0.4質量%NaCO水溶液をスプレーして現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。このとき、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間として測定し、最小現像時間の1.5倍の時間同条件で現像してレジストパターンを作製した。その際、水洗工程は、水洗連動方式、水洗圧0.15MPaで処理した。表1にあるそれぞれのパターン形状を作製した場合のパターン形成性を以下のように評価した:
○:パターンにヨレが見られない。
×:パターンにヨレが見られる。
形成したパターンの線幅(表1に記載の実線幅)は、熱風式オーブンを用いて200℃/1時間でパターンを加熱処理した後、日立ハイテク製イオンスパッタ(E−1020)により240秒に亘って金蒸着を行い、KEYENCE株式会社製レーザー顕微鏡(VK−9500)により20倍の対物レンズを使用し計測した。
<アスペクト比>
感光性樹脂層の膜厚(高さ)と表1に記載の実線幅から上記式(1)によりアスペクト比を求めた。
<開口率>
表1に記載の開口率は、表1に記載の実線幅とピッチから、下記式(2):
Figure 0005990366
により求めた。
3.その他性能評価
<エッジフューズ性>
ロール状に巻き取った感光性樹脂積層体を20℃、遮光条件で一ヶ月保管しエッジフューズ性を以下のように評価した:
○:一ヶ月保管したロールの端面に感光性樹脂の癒着が見られない。
△:一ヶ月保管したロールの端面の一部に、筋状の感光性樹脂の癒着が見られる。
×:一ヶ月保管したロールの端面全体に、感光性樹脂の癒着が見られる。
本明細書では、感光性樹脂層の癒着とは、ロール状に巻き取った感光性樹脂積層体のある層の端面と、その内側及び外側の層の端面とが、それぞれの端面からしみ出した感光性樹脂により繋がってしまう現象をいう。
<タック性>
評価用基板として、35μm厚銅箔を積層した1.2mm厚の銅張積層板表面をスプレー圧0.20MPaで日本研削砥粒(株)製褐色アルミナ研削材(サクランダムR F220)により研磨したものを用意した。
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した前記銅張積層板に旭化成(株)製ホットロールラミネーター(AL−700)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。ラミネート後、23℃、相対湿度50%RHの環境下で一晩調湿した。
上記のようにして得られた評価用サンプルを幅1インチにカットし、(株)オリエンテック製テンシロン(RTM−500)を用いて、180度ピール試験により感光性樹脂層から支持体を剥離し、剥離強度を測定した。引張速度は100mm/minとした。この時の剥離強度の極大平均荷重からタック性を以下のように評価した:
○:極大平均荷重が6gf/inch以上
△:極大平均荷重が1〜6gf/inch未満
×:極大平均荷重が1gf/inch未満
Figure 0005990366
Figure 0005990366
本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、対向する2枚の基板間のスペーサーとしての微細構造材料、又は基板バンプ若しくは半導体バンプ用のレジスト材料として用いることができる。

Claims (12)

  1. 支持層;及び
    感光性樹脂組成物の全固形分100質量%を基準として、カルボキシル基及びフェニル基を有するアクリル系樹脂を含むアルカリ可溶性高分子:20〜90質量%、少なくとも1種の光重合性化合物:5〜75質量%、並びに光重合開始剤:0.01〜0.9質量%を含む感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層;
    を有する積層体であって、
    前記感光性樹脂組成物は、
    (A)四角形のパターン形状を有するフォトマスクを用いて、ストゥーファー21段ステップタブレットを介して露光した場合に残膜する段数が8段ないし9段となるような露光量で露光する露光工程であって、該感光性樹脂組成物上に積層された支持体と該フォトマスクとの距離が50μmであり、かつ前記支持体は16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムである露光工程、及び
    (B)30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液で最小現像時間の1.5倍の時間に亘って現像する現像工程
    を含む方法により形成される多角形状感光性樹脂パターンの線幅が20μm以下であり、ピッチが200〜1000μmであり、かつ高さが45〜100μmであることを特徴とし、
    前記アルカリ可溶性高分子は、スチレン又はベンジル(メタ)アクリレートを共重合成分として含み、
    前記光重合性化合物は、ポリエチレンオキシド基及びポリプロピレンオキシド基を有するジ(メタ)アクリレートを含み、かつ
    前記感光性樹脂層は、前記支持層に接して積層されている、
    前記積層体。
  2. 前記多角形状感光性樹脂パターンの高さは50〜80μmである、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記多角形状感光性樹脂パターンの線幅は15μm以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記感光性樹脂パターンの前記線幅に対する前記高さの比(アスペクト比)が3.5以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記アスペクト比は4.0以上である、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記光重合性化合物が、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するエチレンオキシド変性ビスフェノールAを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記感光性樹脂組成物に含まれる前記光重合性化合物の全体の平均分子量が490〜750である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記光重合性化合物の全てが分子内に少なくとも1つのエチレンオキシド基を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記光重合開始剤はロフィン二量体を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記感光性樹脂層の光透過率(波長365nm)が40〜60%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層体をロール状に巻き取ることにより得られるロール。
  12. 20℃で一カ月保管したときに前記ロールの端面に感光性樹脂の癒着が見られない、請求項11に記載のロール。
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