JP2009249609A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バインダー樹脂(A)、硬化性化合物(B)およびフェノール性水酸基含有化合物(Q)を含有する硬化性樹脂組成物において、フェノール性水酸基含有化合物(Q)が分子内に2個以上のフェノール性水酸基を含有する化合物であって、分子量が650以上1200以下、かつフェノール性水酸基価が2.60以上4meq/g以下である化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、このような球形粒子を使用すると、当該球形粒子がガラス基板上に無秩序に散布されて、TFT素子や電極などに損傷を与えたり、また当該球形粒子が透過画素部内に存在すると、入射光の散乱により、液晶表示素子のコントラストが低下したりすることがあった。そこで、球形粒子を用いる代わりに、硬化性樹脂組成物でスペーサを形成することが提案されている。この方法によれば、任意の場所にスペーサを形成することができるので、前述の問題点を解決することができる。
このような硬化性樹脂組成物としては、特定のフェノール性水酸基を含有する化合物を含む硬化性組成物が知られており(特許文献1)、ITO基材への密着性に優れ、高解像度、高感度であり耐熱性に優れたスペーサを得ることができるとされている。
そこで、本発明の目的は、耐NMP性、耐熱性に優れたパターンや塗膜を形成できる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下を提供する。
1.バインダー樹脂(A)、硬化性化合物(B)及びフェノール性水酸基含有化合物(Q)を含有する硬化性樹脂組成物において、フェノール性水酸基含有化合物(Q)が分子内に2個以上のフェノール性水酸基を含有する化合物であって、分子量が650以上120以下、かつフェノール性水酸基価が2.60以上4meq/g以下の化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
2.フェノール性水酸基含有化合物(Q)が式(QI)の構造を有する化合部である前1項記載の硬化性樹脂組成物。
4.バインダー樹脂(A)が、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(A1)および脂肪族多環式エポキシ基を有する単量体(A2)を含む共重合体である前1〜3項のいずれか記載の硬化性樹脂組成物。
5.前1〜4項のいずれか記載の硬化性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
6.前5項記載のパターンを含む表示装置。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類;
及び前記の不飽和ジカルボン酸類の無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組合せて用いられる。
脂肪族多環式エポキシ基を有する単量体(A2)はとして、好ましくは式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、単結合又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表す。]
ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−イソプロピル基、2−ヒドロキシ−イソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基などの水酸基含有アルキル基が挙げられる。中でも、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、チオメチレン基、チオエチレン基、チオプロピレン基、アミノメチレン基、アミノエチレン基、アミノプロピレン基などのヘテロ原子含有アルキレン基などが挙げられる。中でも、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基が挙げられ、より好ましくは単結合、オキシエチレン基が挙げられる。
(A1)から導かれる構成単位;2〜98モル%
(A2)から導かれる構成単位;2〜98モル%
(A1)から導かれる構成単位;5〜95モル%
(A2)から導かれる構成単位;5〜95モル%
メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル類;
シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルアクリレートといわれている。)、ジシクロペンタオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環状アルキルエステル類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;
フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル類;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、O-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらのうち、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが共重合反応性及びアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。
これらは、単独であるいは組合せて用いられる。
(A1)から導かれる構成単位;2〜40モル%
(A2)から導かれる構成単位;2〜95モル%
(A3)から導かれる構成単位;1〜65モル%
(A1)から導かれる構成単位;5〜35モル%
(A2)から導かれる構成単位;5〜80モル%
(A3)から導かれる構成単位;1〜60モル%
具体的には、共重合体を構成する単位(A1)及び(A2)を導く化合物の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、酸素不存在下で、攪拌、加熱、保温することにより、重合体が得られる。なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿などの方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
バインダー樹脂(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分に対して質量分率で、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%である。
また2官能モノマーの具体例としては、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
その他の3官能以上の多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物などが挙げられる。なかでも、3官能以上の多官能モノマーが好ましく用いられる。これらの硬化性化合物(B)は、単独もしくは二種以上併用して用いることができる。
硬化性化合物(B)の含有量は、バインダー樹脂(A)及び硬化性化合物(B)の合計量に対して質量分率で、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%である。
フェノール性水酸基含有化合物(Q)として、具体的には、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学(株)製、商品名Sumilizer GA−80)、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール(チバ・ジャパン(株)製、商品名IRGANOX1330)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(チバ・ジャパン(株)製、商品名IRGANOX3114)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ジャパン(株)製、商品名IRGANOX1010)などが挙げられ、好ましくは3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学(株)製、商品名Sumilizer GA−80やペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ジャパン(株)製、商品名IRGANOX1010)が挙げられる。
フェノール性水酸基含有化合物(Q)の含有量は、バインダー樹脂(A)及び硬化性化合物(B)の合計量に対して質量分率で、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.005〜5質量%である。フェノール性水酸基含有化合物(Q)の含有量が、前記の範囲にあると、耐熱性、耐NMP性が良好になる傾向があり、好ましい。
より具体的には以下のような化合物を挙げることができ、これらをそれぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤としては、例えば、下記式(5)〜(10)の光重合開始剤が挙げられる。
光重合開始助剤の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称;ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのような芳香族アミン化合物が挙げられる。
前記のカルボン酸化合物としては、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などの芳香族ヘテロ酢酸類が挙げられる。
また、光重合開始助剤(C−1)の含有量は、前記と同じ基準で、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜40質量%である。
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル及びジエチレングリコールジブチルエーテルのようなジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテートのようなエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート及びメトキシペンチルアセテートのようなアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンのような芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール及びグリセリンのようなアルコール類;
3−エトキシプロピオン酸エチル及び3−メトキシプロピオン酸メチルのようなエステル類;
γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などが挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、好ましくは前記溶剤の中で沸点が100℃〜200℃である有機溶剤が挙げられ、より好ましくはアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチル及び3−メトキシプロピオン酸メチルのようなエステル類が挙げられ、とりわけ好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル及び3−メトキシプロピオン酸メチルが挙げられる。
これらの溶剤(D)は、それぞれ単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物における溶剤(D)の含有量は、硬化性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは70〜85質量%である。
充填剤として具体的には、ガラス、シリカ、アルミナ、顔料などが例示される。
他の高分子化合物として具体的には、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂やポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂などを用いることができる。
顔料分散剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いられる。前記の界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等のほか、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKA CHEMICALS社製)、PB821(味の素(株)製)などが挙げられる。
密着促進剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
紫外線吸収剤として具体的には、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
また凝集剤として具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
また、硬化性組成物に、光重合開始剤(C)を使用した感光性を有する硬化性樹脂組成物は、例えば、以下のようにして基材上に塗布し、光硬化及び現像を行って、パターンを形成することができる。まず、この組成物を基板(通常はガラス)又は先に形成された感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物層からプリベークすることにより溶剤などの揮発成分を除去して、平滑な塗膜を得る。このときの塗膜の厚さは、およそ1〜6μmである。このようにして得られた塗膜に、目的のパターンを形成するためのマスクを介して紫外線を照射する。この際、露光部全体に均一に平行光線が照射され、かつマスクと基板の正確な位置合わせが行われるよう、マスクアライナーやステッパーなどの装置を使用するのが好ましい。さらにこの後、硬化の終了した塗膜をアルカリ水溶液に接触させて非露光部を溶解させ、現像することにより、目的とするパターン形状が得られる。現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
アルカリ性化合物は、無機及び有機のアルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機及び有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムのような高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムのようなアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアミン塩又は第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いることも、また2種以上組合せて用いることもできる。
アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%の範囲、より好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200質量部及び3−メトキシブチルアセテート105質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合。)240質量部及び、3−メトキシブチルアセテート140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部を3−メトキシブチルアセテート225質量部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分32.6質量%、酸価34.3mg−KOH/gの共重合体(樹脂Aa)の溶液を得た。得られた樹脂Aaの重量平均分子量(Mw)は、13,400、分散度は2.50であった。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比を分散度(Mw/Mn)とした。
合成例1で得られた樹脂Aaを含む樹脂溶液169部(固形分換算55部)に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)45部、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール4部(B−CIM;保土谷化学工業(株)製)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート4部、2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン0.5部、下記Qa0.8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート53部、3−エトキシエチルプロピオネート20部、3−メトキシ1−ブタノール37部及び3−メトキシブチルアセテート87部を混合して硬化性樹脂組成物1を得た。
Qa:3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザー(登録商標)GA−80;住友化学(株)製);フェノール性水酸基2個、分子量741、フェノール性水酸基価2.70meq/g。
Qb:3,3’,3’’,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール(製イルガノックス(登録商標)1330;チバ・ジャパン(株)製);フェノール性水酸基3個、分子量775、フェノール性水酸基価3.87meq/g。
Qc:1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(イルガノックス(登録商標)3114;チバ・ジャパン(株)製);フェノール性水酸基3個、分子量784、フェノール性水酸基価3.83meq/g。
Qd:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス(登録商標)1010;チバ・ジャパン(株)製);フェノール性水酸基4個、分子量1178、フェノール性水酸基価3.40meq/g。
Qe:ハイドロキノンモノメチルエーテル。フェノール性水酸基1個、分子量124、フェノール性水酸基価8.06meq/g。
Qf:2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(ヨシノックス(登録商標)425;(株)エーピーアイコーポレーション製)フェノール性水酸基2個、分子量369、フェノール性水酸基価5.42meq/g。
Qg:2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート(スミライザー(登録商標)GS;住友化学(株)製);フェノール性水酸基1個、分子量549、フェノール性水酸基価1.82meq/g。
Qh:6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8、10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサフスフェピン(スミライザー(登録商標)GP;住友化学(株)製);フェノール性水酸基1個、分子量661、フェノール性水酸基価1.51meq/g。
Qi:トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル−s−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)−トリオン(サイアノックス(登録商標)1790;サンケミカル(株)製);フェノール性水酸基3個、分子量700、フェノール性水酸基価4.29meq/g。
Qj:トリエチレングリコールビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(イルガノックス(登録商標)245;チバ・ジャパン(株)製)フェノール性水酸基2個、分子量587、フェノール性水酸基価3.41meq/g。
なお、フォトマスクとして、次のパターンが同一平面上に形成されたフォトマスクを用いた。
次いで、得られた硬化膜を、顕微分光測光装置(OSP−SP200;OLYMPUS社製)を用いて、400nmにおける透過率(%)を測定し、膜厚3.0μmに換算したときの透過率を算出した。結果を表2に示す。
なお、線幅については、フォトマスク上の10μm部のパターンのボトム部を測定した。ただし、実施例5は評価していない。
膜厚変化(%);(浸漬後の膜厚(μm)/浸漬前の膜厚(μm))×100
透過率変化(%);(浸漬後の透過率(%)/浸漬前の透過率(%))×100
膜厚変化及び透過率変化が、それぞれ、103%以下の場合は○、105%を越えた場合は×とする。
膜厚変化(%);(加熱後の膜厚(μm)/加熱前の膜厚(μm))×100
透過率変化(%);(加熱後の透過率(%)/加熱前の透過率(%))×100
表1に示す組成となるように、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物2〜10を得た。実施例1と同様にして、その評価を行った。
表1に示す組成となるように、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物11を得て、その評価を行った。但し、プリベーク後は、露光、現像及び水洗せずに、ポストベークした。
Claims (6)
- バインダー樹脂(A)、硬化性化合物(B)およびフェノール性水酸基含有化合物(Q)を含有する硬化性樹脂組成物において、フェノール性水酸基含有化合物(Q)が分子内に2個以上のフェノール性水酸基を含有する化合物であって、分子量が650以上1200以下、かつフェノール性水酸基価が2.60以上4meq/g以下である化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
- さらに光重合開始剤(C)を含有する請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
- バインダー樹脂(A)が、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(A1)と脂肪族多環式エポキシ基を有する単量体(A2)との両者を含む共重合体である請求項1〜3いずれか記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載の硬化性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
- 請求項5記載のパターンを含む表示装置。
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