JP5015663B2 - インプリント用感光性樹脂積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、インプリント法によるパターン形成用に有用な感光性樹脂積層体に関する。
現在、LSI等の製造工程における微細パターンの加工は、光を用いたリソグラフィー技術が中心である。この技術の中には、被加工基材上に感光性レジストを塗布し、露光し、現像して硬化パターンを形成するという工程が含まれる。該リソグラフィー技術においては、露光光源の短波長化によって、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いて、最小線幅100nmのLSIが製造されるまでになった。今後もさらに微細化技術が進むと考えられるが、ただし、露光装置の高価格化、スループットの低下、および現像液による硬化パターンへの現像液の浸食が起こり、硬化パターンの密着性が低下してしまうことが課題とされている。
この問題の解決方法として期待されているのが、(ナノ)インプリント技術である。これは、微細パターンを形成したモールド(金型)を基板上の樹脂層に押し付けてパターンを転写する方法であり、高いスループットと微細なパターン形成が容易に行える。さらに、ここで感光性樹脂を用い、モールド上から光照射することにより、パターンを形成するのが光(ナノ)インプリント技術である。
従来の一般的な光(ナノ)インプリント技術は、感光性樹脂としては液状のものを用い、スピンコートで基材に塗布し、モールドを押し付けるものが中心であった。ただし、この方法は広い面積への適応が困難であったり、硬化後の感光性樹脂とモールドとの離型性が悪いという問題点があった。また、特許文献1には、感光性ドライフィルムに対して、モールドの押し付けと光照射とを含む光ナノインプリントを行うことを特徴とするパターン形成方法について開示されている。
しかしながら、露光し、硬化した感光性樹脂層をモールドから離脱する工程において、モールドと硬化した樹脂との密着性が高い場合には、モールドに樹脂が付着する場合がある。この結果、得られたパターンに欠けや断線などが生じるという問題が発生する。
これらの問題の解決のために、モールド表面に定期的に離型層をコーティングするといった方法が取られているが、このことは、スループットの低下などの要因になっている。
特開2007−73696号公報
本発明の目的は、上記問題点を克服し、モールドの定期的な離型処理をする必要がなく、モールド離脱工程において、モールドの離脱をきわめて容易に行うことができるインプリント用感光性樹脂積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、有機ポリマーフィルム上に、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層してなる感光性樹脂積層体において、有機ポリマーフィルムと感光性樹脂層の界面に離型剤層を有することを特徴とするインプリント用感光性樹脂積層体を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)有機ポリマーフィルム上に、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層してなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂組成物が、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び光重合性開始剤を含有し、有機ポリマーフィルムと該感光性樹脂層の界面に離型剤層を有することを特徴とするインプリント用感光性樹脂積層体。
(2)上記離型剤層が、シリコーン化合物及び含フッ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する組成物からなることを特徴とする(1)記載の感光性樹脂積層体。
(3)有機ポリマーフィルムの断面曲線の最大断面高さ(Pt)が2μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)記載の感光性樹脂積層体。
(4)有機ポリマーフィルム上に離型剤層を形成する工程、有機ポリマーフィルム上の離型剤層面に感光性樹脂層を積層する工程、を順次行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体の製造方法。
(5)有機ポリマーフィルム上に離型剤層を形成して離型剤層付き有機ポリマーフィルムを作成する工程、支持層上に感光性樹脂層を積層して感光性樹脂層付き支持層を作成する工程、該離型剤層付き有機ポリマーフィルムの離型剤層面と、該感光性樹脂層付き支持層の感光性樹脂層面とを貼り合わせる工程、を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体の製造方法。
(6)(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体の感光性樹脂層を基材に密着するようにラミネートするラミネート工程、有機ポリマーフィルムを感光性樹脂層から剥離する剥離工程、離型剤層にモールドを押し付けるプレス工程、感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物を露光により重合させる露光工程、モールドを離脱させるモールド離脱工程を、この順に含むことを特徴とするパターン形成方法。
(7)離型剤層に接する部分に、透明部分と遮光部分を有するモールドを用いることを特徴とする(6)記載のパターン形成方法。
(8)モールド離脱工程に続いて、感光性樹脂組成物の未露光部を現像液で溶出除去する現像工程を有することを特徴とする(7)記載のパターン形成方法。
本発明の感光性樹脂積層体をインプリント法によるパターン形成に用いることにより、モールド離脱工程において、モールドの離脱をきわめて容易に行うことができる。そのため、モールドの定期的な離型処理などが一切不要になる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の感光性樹脂積層体は、有機ポリマーフィルム上に、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層してなる感光性樹脂積層体において、有機ポリマーフィルムと感光性樹脂層の界面に離型剤層を有することを特徴とする。
本発明における有機ポリマーフィルムとしては、光が透過しても透過しなくても良い。有機ポリマーフィルムに用いられる材質としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレンフィルムが挙げられる。有機ポリマーフィルムには、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
有機ポリマーフィルムの断面曲線の最大断面高さ(Pt)としては、2μm以下のものが好ましい。得られるパターンの表面の平滑性の観点から、断面曲線の最大断面高さ(Pt)2μm以下が好ましい。
有機ポリマーフィルムの断面曲線の最大断面高さ(Pt)は、0.01μm以上1.0μm以下がより好ましい。
有機ポリマーフィルムの断面曲線の最大断面高さ(Pt)の測定方法は、光干渉方式の非接触形状測定装置、例えば株式会社菱化システム製MM3200で、JIS B0601:’01を参照して測定することができる。
有機ポリマーフィルムの厚みは、薄い方が経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10〜100μmのものが好ましい。
本発明においては、有機ポリマーフィルムと感光性樹脂層の界面に離型剤層を有することを特徴とする。離型剤としては、シリコーン化合物及び含フッ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有するものが好ましい。
シリコーン化合物としては、シリコーン系樹脂が挙げられる。
含フッ素化合物としては、アモルファスフッ素樹脂、パーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタクリレートを含有する共重合オリゴマー、フッ素系コーティング剤、電子線または紫外線硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、熱硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、フッ素系界面活性剤などが好ましい。具体的には、旭硝子社製ルミフロン、同サイトップ、日本油脂社製モディパーFシリーズ、ダイキン工業社製ユニダイン、大日本インキ化学工業製メガファックF470シリーズ、同F480シリーズ、同F110シリーズ、住友3M社製EGC1700、オムノヴァ・ソリューション社製ポリフォックスPF−3320、ユニマテック社製ケミノックスFAMAC−8、住友3M社製EGC1720、大日本インキ化学工業製メガファックF114、同F410シリーズ、同F440シリーズ、同F450、同F490シリーズが挙げられる。
中でも、転写性の点でシリコーン系樹脂が特に好ましい。シリコーン系樹脂の具体例としては、信越化学工業株式会社製KM、KS、KFシリーズが挙げられる。
離型剤層の形成方法としては、離型剤を前述の有機ポリマーフィルムに公知の塗布方法、例えば、メイヤーコーティング、グラビアコーティング、ドクターコーティング、エアーナイフコーティングを利用して塗布した後、加熱処理や紫外線照射などの離型剤に適合する公知の方法で乾燥、あるいは硬化する方法が挙げられる。
離型剤層の厚みは特に制限は無いが、0.001μmから1.0μmが好ましい。離型性改善の効果発現の観点から、0.001μm以上が好ましく、離型剤層付き有機ポリマーフィルム同士を重ねた時のブロッキング防止の観点から、1.0μm以下が好ましい。
本発明における感光性樹脂積層体を得る好ましい方法としては、有機ポリマーフィルム上に離型剤層を形成する工程、有機ポリマーフィルム上の離型剤層面に感光性樹脂層を積層する工程、を順次行う方法がある。
この場合は、有機ポリマーフィルムとは反対側の感光性樹脂層の面に、必要に応じて保護層を積層することも出来る。有機ポリマーフィルム上と離型剤層と感光性樹脂層との密着力よりも、保護層と感光性樹脂層との密着力が充分小さく、容易に剥離できることが好ましい。このような保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム(例えば、王子製紙(株)製E−200Cなど)、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。該保護層の厚みは10〜100μmが好ましい。また、本発明における感光性樹脂積層体を得る他の好ましい方法としては、
i)有機ポリマーフィルム上に離型剤層を形成して離型剤層付き有機ポリマーフィルムを作成する工程、
ii)支持層上に感光性樹脂層を積層して感光性樹脂層付き支持層を作成する工程、
iii)該離型剤層付き有機ポリマーフィルムの離型剤層面と、該感光性樹脂層付き支持層の感光性樹脂層面とを貼り合わせる工程、を含む方法である。
ここで、上記工程i)と上記工程ii)の順序は入れ替わっても構わない。
この方法によって得られた感光性樹脂積層体の場合は、支持層が前述した保護層の役割もはたす。
支持層上に感光性樹脂層を積層するに際しては、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にし、まず支持層上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥し、支持層上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層することができる。感光性樹脂層の厚みは、5μm以下が好ましく、0.5μm以上であることが好ましい。
上記溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール及びイソプロパノールに代表されるアルコール類が挙げられる。溶剤は、支持層上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が、25℃で500〜4000mPa・sとなるように感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。本発明における感光性樹脂積層体を用いたインプリント法によるパターン形成方法を図1を用いて説明する。 感光性樹脂積層体に保護層が存在する場合にはこれを剥離しながら、感光性樹脂積層体の感光性樹脂層面と基材とをラミネーターにより貼り合わせる(図1の(1))。この時、基材は加熱することが好ましい。次に有機ポリマーフィルムを剥離除去し(図1の(2))、モールドを離型剤層上から感光性樹脂層に押し付ける(図1の(3))。その後、モールド上から紫外線光により露光し、感光性樹脂層を硬化させ(図1の(4))、その後モールドを離脱させる(図1の(5))。この際、硬化後の感光性樹脂層表面には、離型剤層が存在するため、極めて容易に離脱が可能になる。モールドは、石英製が好ましい。モールド離脱工程後には、基材上にモールドの凸部が押し付けられていた部分に、感光性樹脂層の残膜が存在する場合がある。この残膜を除去する場合には、ドライエッチングに代表されるような残膜を除くプロセスが必要となる。
モールドとして、その凸部分表面にUV遮光性の材料を付着させたモールドを用い、感光性樹脂組成物にアルカリ現像性を持たせると、従来のアルカリ現像による残膜除去も可能となる。以下に、本発明に用いられる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物について説明する。
感光性樹脂組成物は、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有する。
高分子化合物としては、露光前、あるいは露光によるパターニングが失敗した場合に、アルカリ性溶液でパターンの除去が可能であるという点や、基材との密着性などの点、さらにはアルカリ溶液による残渣除去の点から、側鎖にカルボキシル基を有する単量体と(メタ)アクリル系単量体とを共重合していることが好ましい。側鎖にカルボキシル基を有する単量体とは、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、アルキル(メタ)アクリレ−ト、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルモノ(メタ)アクリレート、脂環式側鎖を有する(メタ)アクリレ−ト、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレンが挙げられる。
本発明に用いられる高分子化合物は、その重量平均分子量が3,000〜50,000であることが好ましい。分子量は50,000以下が好ましく、密着性の観点から3,000以上が好ましい。重量平均分子量が10,000〜40,000であることがより好ましい。分子量の測定は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM-105)による検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
本発明に用いられる高分子化合物は、アルカリ可溶性高分子であることが好ましい。アルカリ可溶性高分子は、カルボキシル基の量が酸当量で100〜2,000であることが好ましい。酸当量とは、1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を示す。基材との密着性の観点から以上が好ましい。200〜900がより好ましく、300〜800がさらに好ましい。なお、酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により測定される。
本発明に用いられるアルカリ可溶性高分子は、上記種々単量体の混合物を、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノ−ルで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加し、加熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶媒を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いていもよい。
本発明の感光性樹脂積層体は、上述した高分子化合物以外にも、耐熱性、耐薬品性などを考慮して、その他のアルカリ可溶性高分子を含有することが出来る。その他アルカリ可溶性高分子とは、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させたセルロース樹脂、ノボラック樹脂、を挙げることが出来る。
本発明に用いられるエチレン性二重結合を有する光重合性化合物としては、例えば、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テレフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−トや、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロ−ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テルジ(メタ)アクリレート及び、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明に用いられる光重合開始剤は、紫外線に感度を有するものであれば特に制限は無い。
光重合開始剤の具体例としては、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル二量体類、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾ−ル二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体が挙げられる。また、p−アミノフェニルケトン類、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。また、キノン類、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、芳香族ケトン類、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、アクリジン化合物、例えば、9−フェニルアクリジン、トリアジン系化合物、例えば、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2−ベンジル−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−モルフォリノ−1−(4−(メチルチオフェニル)−プロパン−1−オンが挙げられる。
また、たとえば、N−アリールグリシン、メルカプトトリアゾール誘導体、メルカプトテトラゾール誘導体、メルカプトチアジアゾール誘導体、ヘキサンジチオール、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンが挙げられる。また、オキシムエステル化合物としては、オキシムエステル類、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O
−ベンゾイルオキシム、及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムや、特表2004−534797号公報に記載の化合物を上げることが出来る。
感光性樹脂組成物中の高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、光重合性開始剤の各々の好ましい含有量は、以下の通りである。高分子化合物の含有量は、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。エチレン性二重結合を有する光重合性化合物の含有量は、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。光重合性開始剤の含有量は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤を含有させることもできる。そのような可塑剤としては、フタル酸エステル類、例えば、ジエチルフタレ−トや、p−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、ポリアルキレンオキシド変性ビスフェノールA誘導体、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物やプロピレンオキシド付加物が挙げられる。可塑剤を含有する場合の含有量は1質量%以上20質量%以下が好ましい。
感光性樹脂組成物は、必要により、カップラー成分、例えば、シランカップリング剤やチタンカップリング剤を含むことができる。カプラー成分を含有する場合の含有量は0.1質量%以上5質量%未満が好ましい。
感光性樹脂組成物は必要により、120℃以上230℃以下の熱ラジカル発生剤を含むことができる。これにより、パターン形成後熱処理により、より高い耐熱性、耐薬液性を得ることができる。感光性樹脂組成物中の含有量は0.01〜2質量%が好ましい。保存安定性の観点から1時間半減期温度120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましい。またポストベーク時間の観点から230℃以下が好ましく、220℃以下がさらに好ましい。このような熱ラジカル発生剤の具体例としては、パーブチルA、パーヘキサ22、パーブチルZ、パーヘキサV、パーブチルIF、パーブチルP、パークミルD、パーヘキサ25B、パーブチルC、パーブチルD,パーメンタH、パーヘキシン25B、パークミルP、パーブチルSM、パーオクタH、パークミルH、パーヘキシルH、パーブチルH(以上日本油脂(株)製)が挙げられる。
感光性樹脂組成物は、必要により、着色物質を含有することができる。このような着色物質としては、例えば、ロイコクリスタルバイオレット、フルオラン染料、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)が挙げられる。
上記着色物質を含有する場合の添加量は、感光性樹脂組成物中に0.001〜1質量%含むことが好ましい。0.001質量%以上の含量では、取扱い性向上という効果があり、1質量%以下の含量では、保存安定性を維持するという効果がある。
また、感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物に安定剤を入れることも可能である。このような安定剤としては、例えばp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミンが挙げられる。また、ビスフェノールAの両側にそれぞれ平均1モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールの両側にさらにプロピレンオキシドを付加した化合物、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−(2−ジアルキルアミノ)カルボキシベンゾトリアゾール、ペンタエリスリトール−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸テトラエステルも挙げられる。
上記安定剤を含有する場合の添加量は、感光性樹脂組成物中に0.01〜3質量%含むことが好ましく、より好ましくは0.05〜1質量%である。0.01質量%以上の含量では、光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという効果があり、3質量%以下の含量では、感度を維持するという効果がある。
本発明を実施例に基づいて説明する。
<モールド>
市販の石英製ナノインプリント用モールドを使用した。
寸法 10mm×10mm×0.6mm
パターン寸法; 1〜10μm
深さ; 1μm
<感光性樹脂組成物>
A−1:メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体のメチルエチルケトン溶液(質量比85/15、重量平均分子量30000、固形分濃度40質量%、酸当量573)
B−1:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
B−2:コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成社製 アロニックス TO−756)
C−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体
(黒金化成製)
C−2; ミヒラーズケトン
<感光性樹脂組成物溶液の調合>
上記感光性樹脂組成物のA−1を120質量部(メチルエチルケトン含有量)、B−1を20質量部、B−2を10質量部、C−1を4質量部、C−2を1質量部を混合し、固形分濃度が50質量%となるようにメチルエチルケトンを追加し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
[実施例1]
<感光性樹脂積層体の作製>
有機ポリマーフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムR340(三菱化学ポリエステル社製、厚さ16μm、断面曲線の最大断面高さ(Pt)0.3μm)にシリコーン樹脂からなる離型剤層を0.1g/mとなるようにグラビアコーターで塗布したフィルムを用い、前記感光性樹脂組成物を、バーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥する。次いで、感光性樹脂層に厚さ20μmの延伸ポリプロピレン製保護層を張り合わせ、感光性樹脂積層体を得た。感光性樹脂層の厚みは1μmであった。
<インプリント法によるパターン形成>
上記実施例の感光性樹脂積層体の保護層を剥がして、シリコン基板にラミネートした。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離除去し、離型剤層の上から石英製のモールドを3MPaにて加圧し、モールドを通して、超高圧水銀ランプ((株)オ−ク製作所製HMW−801)により、露光量100mJ/cmで露光した。その後、モールドを基材から剥離し、パターン形成を行った。硬化した感光性樹脂とモールドとの離脱性は良好であり、良好なパターンが得られた。
[比較例1]
有機ポリマーフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムR340(三菱化学ポリエステル社製、厚さ16μm)を用い、シリコーン樹脂からなる離型剤層を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂積層体を得た。
実施例1と同様の方法でインプリント法によるパターンを形成して評価した結果、硬化した感光性樹脂とモールドとの離脱性は不良であり、一部の樹脂がモールドに付着して、良好なパターンは得られなかった。
本発明のインプリント用感光性樹脂積層体は、半導体や液晶などにおける、パターン形成に応用可能である。
(1)〜(5)は、本発明の感光性樹脂積層体を用いたパターン形成の工程を示す模式図である。
符号の説明
(1)有機ポリマーフィルム
(2)離型剤層
(3)感光性樹脂層
(4)基材
(5)モールド

Claims (7)

  1. 有機ポリマーフィルム上に、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層してなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂組成物が、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び光重合性開始剤を含有し、有機ポリマーフィルムと該感光性樹脂層の界面に離型剤層を有し、該有機ポリマーフィルムの断面曲線の最大断面高さ(Pt)が2μm以下であることを特徴とするインプリント用感光性樹脂積層体。
  2. 上記離型剤層が、シリコーン化合物及び含フッ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する組成物からなることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂積層体。
  3. 有機ポリマーフィルム上に離型剤層を形成する工程、有機ポリマーフィルム上の離型剤層面に感光性樹脂層を積層する工程、を順次行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂積層体の製造方法。
  4. 有機ポリマーフィルム上に離型剤層を形成して離型剤層付き有機ポリマーフィルムを作成する工程、支持層上に感光性樹脂層を積層して感光性樹脂層付き支持層を作成する工程、該離型剤層付き有機ポリマーフィルムの離型剤層面と、該感光性樹脂層付き支持層の感光性樹脂層面とを貼り合わせる工程、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂積層体の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂積層体の感光性樹脂層を基材に密着するようにラミネートするラミネート工程、有機ポリマーフィルムを感光性樹脂層から剥離する剥離工程、離型剤層にモールドを押し付けるプレス工程、感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物を露光により重合させる露光工程、モールドを離脱させるモールド離脱工程を、この順に含むことを特徴とするパターン形成方法。
  6. 離型剤層に接する部分に、透明部分と遮光部分を有するモールドを用いることを特徴とする請求項記載のパターン形成方法。
  7. モールド離脱工程に続いて、感光性樹脂組成物の未露光部を現像液で溶出除去する現像工程を有することを特徴とする請求項記載のパターン形成方法。
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