JP7438366B2 - 金属パターンの形成方法、及び、蒸着用メタルマスクの製造方法 - Google Patents

金属パターンの形成方法、及び、蒸着用メタルマスクの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、金属パターンの形成方法、及び、蒸着用メタルマスクの製造方法に関する。
静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置(有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン、周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写部材を用いて任意の基材上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
また、有機EL表示装置の画素を形成する方法は、有機EL表示装置用の基材に対して、貫通孔を含むメタルマスク(蒸着マスク)を密着させた後、蒸着装置に投入し、有機材料などの蒸着により画素を形成する方法が知られている。
また、従来の金属マスクの製造方法としては、特開2006-152396号公報又は特開2017-226918号公報に記載されたものが知られている。
特開2006-152396号公報には、電鋳用マスク原版を基に作製されるメタルマスクの製造方法において、レジストが塗布された第1の基板に、所定形状で相似な転写パターンが形成された複数のフォトマスクを用いて順次露光したのち現像し、上記第1の基板上に傾斜側壁を有する所定形状凸部を形成し、上記第1の基板の上記所定形状凸部形成側の全面に第1の導電膜を形成し、上記第1の導電膜の上面にめっきにより金属を析出させ、上記析出した金属を上記第1の導電膜から剥離して所定形状凹部を有するマスター原版を作製し、第2の基板の導電性を有する上面に、上記マスター原版の上記所定形状凹部を基に上記所定形状凸部と略同一の凸部を樹脂により形成し、上記樹脂による上記凸部を有する上記第2の基板を上記マスター原版から剥離して上記電鋳用マスク原版を作製し、上記電鋳用マスク原版に露呈される上記第2の導電膜上に、上記マスク原版の上記所定形状凹部の傾斜側壁と略同一の側壁を有する開孔が設けられる厚みまでめっきにより所望の金属の膜を析出・形成し、上記金属の膜を上記電鋳用マスク原版から剥離して作製するようにしたことを特徴とするメタルマスクの製造方法が記載されている。
特開2017-226918号公報には、微細金属マスクを製造する方法であって、(a)キャリアガラスを準備し、上記キャリアガラス上に犠牲層を蒸着する工程と、(b)電鋳めっきのための電極金属を蒸着して電極層を形成する工程と、(c)上記電極層上にフォトレジストを塗布する工程と、(d)光リソグラフィーを用いて上記フォトレジストを露光および現像してパターニングする工程と、(e)パターニングされた上記フォトレジストに電鋳めっきして電鋳めっき層を形成する工程と、(f)上記フォトレジストを除去して金属パターンを形成する工程と、(g)上記電極層に上記金属パターンと対応するパターンを形成してマスクパターンを形成する工程と、(h)パターニングされた上記電鋳めっき層と上記電極層の剛性を高めるために熱処理する工程と、(i)上記電鋳めっき層と上記電極層に形成された上記マスクパターンを検査する工程と、(j)上記キャリアガラスから上記電鋳めっき層と上記電極層を分離する工程と、を含む電鋳めっき法を用いた微細金属マスクの製造方法が記載されている。
また、従来の基板付蒸着マスクとしては、特開2019-173181号公報に記載されたものが知られている。
特開2019-173181号公報には、ガラス製基板と、基板上にめっき処理されて形成され、有孔領域と、この有孔領域を囲む無孔領域とを有するめっき層からなる複数の蒸着マスクとを備え、複数の蒸着マスクは複数段、複数列毎に配置されていることを特徴とする基板付蒸着マスクが記載されている。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、テーパー形状に優れる金属パターンの形成方法を提供することである。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、テーパー形状に優れる蒸着用メタルマスクの製造方法を提供することである。
本開示には、以下の態様が含まれる。
<1> ネガ型感光性樹脂層を基材上に有する積層体を準備する工程、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射し、上記露光マスクを介して上記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光する工程、上記パターン露光された上記ネガ型感光性樹脂層に現像してテーパー形状を有する樹脂パターンを形成する工程、及び、上記樹脂パターンの形状に対応するテーパー形状の金属パターンを形成する工程を含む金属パターンの形成方法。
<2> 上記パターン露光する工程において、上記露光マスクの上記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に、拡散透過率が5%以上である散乱層と、露光光源とをこの順で配置し、上記露光光源から上記散乱層を介して散乱光を照射する<1>に記載の金属パターンの形成方法。
<3> 上記散乱層が、マトリックス材料と上記マトリックス材料中に存在する粒子とを含有し、上記マトリックス材料と上記粒子との屈折率の差が0.05以上である<2>に記載の金属パターンの形成方法。
<4> 上記散乱層が、マトリックス材料と上記マトリックス材料中に存在する粒子とを含有し、上記粒子の平均一次粒子径が0.3μm以上である<2>又は<3>に記載の金属パターンの形成方法。
<5> 上記散乱層が、少なくとも一方の面に凹凸を有する<2>~<4>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<6> 上記凹凸が、複数の凸部を有し、隣り合う凸部と凸部との頂部間の距離が10μm~50μmである<5>に記載の金属パターンの形成方法。
<7> 上記散乱層と上記露光マスクとが、互いに接触しない位置に配置されている<2>~<6>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<8> 上記散乱層が、上記露光マスクと接触して上記露光マスクにおける上記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に配置されている<2>~<6>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<9> 上記露光マスクが、遮光パターンが形成された面とは反対側の面に上記散乱層が形成された、散乱性の露光マスクである<2>~<6>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<10> 上記準備する工程が、仮支持体と上記仮支持体上に配置されたネガ型感光性樹脂層を有する転写材料を用いて、上記転写材料が有する上記ネガ型感光性樹脂層を上記基材の上に転写し上記積層体を形成することを含む<1>~<9>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<11> 上記パターン露光する工程における上記パターン露光が、上記仮支持体を上記露光マスクに接触させて露光するコンタクト露光である<10>に記載の金属パターンの形成方法。
<12> 上記パターン露光する工程における上記パターン露光が、上記仮支持体を剥離した後、上記露光マスクを、上記ネガ型感光性樹脂層を有する上記積層体に接触させて露光するコンタクト露光である<10>に記載の金属パターンの形成方法。
<13> 上記基材が、導電性基材である<1>~<12>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<14> 上記金属パターンが、めっき法によって形成されてなる金属パターンである<1>~<13>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<15> 上記金属パターンを形成する工程の後、上記樹脂パターンを除去する工程を更に含む<1>~<14>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<16> 上記樹脂パターンの除去が、薬液によって行われる<15>に記載の金属パターンの形成方法。
<17> 上記基材を上記金属パターンから除去する工程を更に含む<1>~<16>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<18> 上記樹脂パターンが、角錐台状又は円錐台状の樹脂パターンを含む<1>~<17>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<19> 上記ネガ型感光性樹脂層の厚みが、10μm以上である<1>~<18>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<20> 得られる金属パターンが、蒸着用メタルマスク用金属パターンである<1>~<19>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法。
<21> <1>~<20>のいずれか1つに記載の金属パターンの形成方法により金属パターンを形成することを含む蒸着用メタルマスクの製造方法。
本開示の一実施形態によれば、テーパー形状に優れる金属パターンの形成方法を提供することができる。
本開示の他の実施形態によれば、テーパー形状に優れる蒸着用メタルマスクの製造方法を提供することができる。
図1は、本開示に係る金属パターンの形成方法の好ましい一例を示す模式図である。 図2は、パターン露光工程の光照射において、散乱層の配置位置の第1態様を示す概略断面図である。 図3は、パターン露光工程の光照射において、散乱層の配置位置の第2態様を示す概略断面図である。 図4は、パターン露光工程の光照射において、散乱層の配置位置の第3態様である光散乱性露光マスクを用いる例を示す概略断面図である。 図5は、1つの樹脂パターンの一例における各部の長さの位置を示す模式断面図である。 図6は、1つの金属パターンの一例における各部の長さの位置を示す模式断面図である。 図7は、露光マスクのパターン形状の一例を示す模式図である。
以下、本開示の内容について説明する。なお、添付の図面を参照しながら説明するが、符号は省略する場合がある。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線(活性エネルギー線)が挙げられる。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
(金属パターンの形成方法)
本開示に係る金属パターンの形成方法は、ネガ型感光性樹脂層を基材上に有する積層体を準備する工程、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射し、上記露光マスクを介して上記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光する工程、上記パターン露光された上記ネガ型感光性樹脂層に現像してテーパー形状を有する樹脂パターンを形成する工程、及び、上記樹脂パターンの形状に対応するテーパー形状の金属パターンを形成する工程を含む。
従来の金属パターンの形成方法では、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング法によって金属板に貫通孔を形成することにより、金属パターンが形成され得る。
例えば、厚み100μm~200μmのステンレス鋼(SUS)基板上にフォトレジストをパターニングした後、エッチング液を用いて、実現しようとする開口部の形状にSUS基板をエッチングする。
ところが、薬液でのエッチングにより金属板を加工する方法では、金属板の厚み方向だけでなく面方向にもエッチングされ、いわゆるサイドエッチングが生じるため、加工の寸法精度又は安定性に課題がある。
そのため、高精度なメタルマスクを作製するための工法として、電鋳めっき法を用いた微細金属マスクの製造方法が提案されている。
電鋳法によるメタルマスクの製造方法の例としては、まず、ガラス等の不導体物質によるベース基板の一面にスパッタリング等により金属の被膜(即ち、導電性膜)を形成して導電性を付与しておき、この導電性膜に高精度でフォトレジストによるマスクの開孔パターンを転写形成する。次に、フォトレジストから露呈している導電性膜上にめっき液中でこの導電性膜に電源を接続し、所要の厚みまでニッケル又はニッケル合金を析出させる。最後に、この析出した金属被膜を剥がしてメタルマスクとする。
この際、テーパー形状のついた開孔部を有するメタルマスクを作製するためには、フォトレジストのパターンは、側壁に傾斜のついたテーパー形状のパターンとする必要がある。
このように、従来の金属パターンの形成方法では、テーパー形状において、問題があることを本発明者らは見出した。
本開示に係る金属パターンの形成方法では、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射し、上記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光することにより、上記ネガ型感光性樹脂層の厚み方向の長さに応じて、露光量、特に形成される樹脂パターンの側面部分の露光量が減少し、得られる樹脂パターンにテーパー形状が生じる。更に、上記態様であることにより、上記樹脂パターンのテーパー形状、及び、得られる金属パターンのテーパー形状を十分制御することができる。よって、テーパー形状に優れる金属パターンが得られると推定している。
本開示に係る金属パターンの形成方法により製造される金属パターンは、逆テーパー形状又は反転させれば順テーパー形状を有する金属パターンであり、例えば、蒸着用メタルマスクとして好適に用いることができ、有機EL表示装置製造用FMM(Fine Metal Mask)としてより好適に用いることができ、有機発光ダイオード(OLED)製造用FMMとして特に好適に用いることができる。
また、図1として、本開示に係る金属パターンの形成方法の好ましい一例を示す模式図を示す。
図1は、各工程の段階に応じた図1(a)~図1(e)からなる。また、図1(a)~図1(e)においては、形成される金属バターンの一部分において、基材の面方向に垂直な方向における断面を示す断面模式図として示す。
図1(a)に示すように、上記積層体を準備する工程において、基材102上にネガ型感光性樹脂層104aを有する積層体100を準備する。
積層体100におけるネガ型感光性樹脂層104aを、ネガ型感光性樹脂層104aにおける基材102が設けられた側とは反対側から、露光マスク(不図示)厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光によりパターン露光を行い、更に現像して、図1(b)に示すように、テーパー形状を有する樹脂パターン104を形成する。
次に、めっき法等により、図1(c)に示すように、上記樹脂パターン104の形状に対応する逆テーパー形状の金属パターン106を形成する。
なお、樹脂パターンのテーパー角は、θ1であり、金属パターンのテーパー角はθ2である。図1(c)だけでなく、θ1及びθ2は、図1(b)、図1(d)及び図1(e)においても同様である。
樹脂パターン104及び金属パターン106を有する基材102上から、薬液等により、樹脂パターン104を除去し、図1(d)に示すように、金属パターン106を有する基材102を得る。
金属パターン106を有する基材102から、更に基材102を除去してもよい。基材102を除去することにより、図1(e)に示すように、金属パターン106のみを得ることができる。なお、図1(e)に示すように基材102を除去する場合、金属パターン106は、各金属部分が図示していない部分において、全て結合しているパターンであることが好ましい。
<準備工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、ネガ型感光性樹脂層を基材上に有する積層体を準備する工程(「準備工程」ともいう。)を含む。
また、上記準備工程が、仮支持体と上記仮支持体上に配置されたネガ型感光性樹脂層を有する転写材料を用いて、上記転写材料が有する上記ネガ型感光性樹脂層を上記基材の上に転写し上記積層体を形成することを含むことが好ましい。
本開示に用いられるネガ型感光性樹脂層、及び、ネガ型感光性樹脂層を有する転写材料については、後述する。
上記積層体は、基材及びネガ型感光性樹脂層を少なくとも有する積層体であり、仮支持体、剥離層等の他の層を有していてもよいが、基材、ネガ型感光性樹脂層及び仮支持体からなる積層体、又は、基材及びネガ型感光性樹脂層からなる積層体であることが好ましく、基材、ネガ型感光性樹脂層及び仮支持体からなる積層体であることがより好ましい。
上記ネガ型感光性樹脂層の厚みとしては、特に制限はなく、後述する樹脂パターンの所望の厚みにあわせ、適宜設定することができるが、得られる金属パターンのテーパー角及び寸法安定性の観点から、8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上が更に好ましく、20μm以上が特に好ましく、30μm以上が最も好ましい。また、上記ネガ型感光性樹脂層の厚みの上限は、100μm以下であることが好ましい。
-基材-
上記基材は、板状の基材であることが好ましく、金属基板であることがより好ましい。
また、上記基材は、導電性基材であること、すなわち、少なくともその表面に導電性を有する導電性基材であることが好ましく、上記基材が、導電性材料からなる基材であること、すなわち、基材全体が導電性を有する導電性基材であることがより好ましい。
上記基材としては、例えば、ステンレス鋼などによる金属の薄板、又は、絶縁性材料であるガラスの上面にニッケルの導電性膜を無電解めっきにより形成したものを好適に用いることができる。
上記ガラスとしては、無アルカリガラス又はソーダガラスを好適に用いることができる。
上記基材に用いられる導電性材料としては、例えば、ニッケル、クロム、タンタル、タングステン、酸化インジウムスズ(ITO)等を用いることができる。また、基材への導電性の付与には、無電解めっきによる導電膜形成、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどによる物理的方法を用いることもできる。更に、ベースとなる基材の材料としては、ガラス板、ステンレス鋼板、シリコン基板等が挙げられる。
表面に導電性層を有する基材を用いる場合、上記導電性層の厚みは、電解めっき処理に必要な導電性を有する限りにおいて、厚みは薄い方が好ましい。
また、上記導電性層の厚みは、具体的には、例えば、0.5μm~5μmであることが好ましい。
上記積層体の作製方法としては、特に制限はないが、例えば、転写材料を用い基材上にネガ型感光性樹脂層を形成する方法、ネガ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布乾燥する方法等が挙げられ、転写材料におけるネガ型感光性樹脂層と基材とを貼り合わせる方法が好適に挙げられる。
また、上記転写材料が仮支持体を有する場合は、上記貼り合わせの後に、剥離することが好ましい。
更に、上記転写材料がカバーフィルムを有する場合は、ネガ型感光性樹脂層の表面からカバーフィルムを除去した後、貼り合わせればよい。
基材と転写材料(転写材料におけるネガ型感光性樹脂層)とを貼り合わせる方法としては、特に制限されず、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を用いることができる。
上記貼り合わせは、転写材料におけるネガ型感光性樹脂層側に基材を重ね、ロール等の手段を用いて加圧及び加熱を施すことにより、行われることが好ましい。また、上記貼り合わせには、ラミネーター、真空ラミネーター、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターが使用できる。
更に、上記貼り合わせは、ロールツーロール方式により行われることが好ましい。
以下、ロールツーロール方式について説明する。
本開示において、ロールツーロール方式とは、基材として、巻き取り及び巻き出しが可能な基材を用い、基材及び転写材料の少なくとも一方を巻き出す工程(「巻き出し工程」ともいう。)と、上記積層体を巻き取る工程(「巻き取り工程」ともいう。)と、を含み、少なくとも1つの工程(好ましくは、全ての工程、又は加熱工程以外の全ての工程)を、基材及び転写材料の少なくとも一方、並びに、上記積層体を搬送しながら、基材と転写材料とを貼り合わせる方式をいう。
巻き出し工程における巻き出し方法、及び、巻き取り工程における巻き取り方法としては、特に制限されず、ロールツーロール方式を適用する製造方法において、公知の方法を用いればよい。
<パターン露光工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射し、上記露光マスクを介して上記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光する工程(「パターン露光工程」ともいう。)を含む。
露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射する方法としては、特に制限はないが、露光マスクに散乱光を照射する方法、レンズ等の光学部材を用い照射角度の広い光を露光マスクに照射する方法等が挙げられる。
散乱光を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、例えば、散乱層により散乱光を形成する方法が好適に挙げられる。
照射角度の広い光を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、例えば、照射角度の狭いLED(発光ダイオード)から照射された光を、広角レンズ又は魚眼レンズを通過させ照射角度を広角化する方法が挙げられる。
中でも、パターン露光工程は、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクに対し散乱光を照射し、上記露光マスクを通過した光により上記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光する工程であることが好ましい。
パターン露光工程として、具体的には、例えば、上記露光マスクの上記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に配置された露光光源から露光マスクを介して、上記ネガ型感光性樹脂層に対して散乱光を照射することで、パターン露光する工程が好ましく挙げられる。
散乱光の照射は、上記露光マスクの上記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に、拡散透過率が5%以上である散乱層と、露光光源とをこの順で配置し、露光光源から散乱層を介して散乱光を照射することが好ましい。
なお、本開示におけるパターン露光とは、パターン状に露光する形態、すなわち、ネガ型感光性樹脂層において露光部と非露光部とが存在する形態の露光を指す。
パターン露光工程において、上記パターン露光におけるパターンの詳細な配置及び具体的サイズは特に制限されない。例えば、製造される表示装置(例えばタッチパネル)に応じて、適宜選択すればよい。
また、上記パターン露光においては、上記露光マスクとして、所望の形状に露光するためのマスク(遮光マスク)を用いる。上記露光マスクとしては、特に制限はなく、公知の材質のマスクを用いることができる。
-露光光源-
本開示における露光光源としては公知のものを使用することができる。
露光光源は、上記ネガ型感光性樹脂層を露光可能な波長の光(例えば、365nm又は405nm)を照射する光源であれば、適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びLED(Light Emitting Diode)が挙げられる。
上記露光における光は、上記ネガ型感光性樹脂層を露光可能であれば、特に制限はないが、波長365nm又は405nmを含む光であることが好ましく、波長365nmを含む光であることがより好ましく、波長365nmの光であることが特に好ましい。
露光量としては、上記ネガ型感光性樹脂層を露光可能であれば、特に制限はないが、5mJ/cm~1,000mJ/cmが好ましく、10mJ/cm~500mJ/cmがより好ましい。
仮支持体と上記仮支持体上に配置されたネガ型感光性樹脂層を有する転写材料を用いる場合、パターン露光工程においては、ネガ型感光性樹脂層から仮支持体を剥離した後に露光してもよく、仮支持体を介して露光した後に仮支持体を剥離してもよい。
仮支持体の剥離は、例えば、ネガ型感光性樹脂層と仮支持体を含む積層体を、0.5m/min~4.0m/minの速度で搬送しながら、仮支持体と積層体とのなす角度が10°~180°となるように引っ張ることで、行うことができる。露光前に仮支持体を剥離することで、仮支持体中に含まれる異物、又は、仮支持体に付着した異物が露光に及ぼす悪影響を避けることができる。
ネガ型感光性樹脂層と露光マスクとの接触によるネガ型感光性樹脂層の汚染の防止、及び、露光マスクに付着した異物による露光への影響を避けるため、仮支持体を介して露光することが好ましい。
すなわち、上記積層体における上記ネガ型感光性樹脂層上に、仮支持体を有し、上記樹脂パターンを形成する工程における上記露光が、上記仮支持体を介して行われることが好ましく、また、上記パターン露光する工程における上記パターン露光は、上記仮支持体を上記露光マスクに接触させて露光するコンタクト露光であることがより好ましい。
また、上記パターン露光する工程における上記パターン露光は、上記仮支持体を剥離した後、上記露光マスクを、上記ネガ型感光性樹脂層を有する上記積層体に接触させて露光するコンタクト露光であることも好ましい。
露光マスクを用いる露光方法としては、マスクアライナーを用いた、マスク密着露光、プロキシミティ露光、又は、投影露光等の既存の高精細露光手段を用いることができる。マスクアライナーを用いて露光を行う場合、露光マスクとネガ型感光性樹脂層との距離(露光プロキシミティーギャップ)は、任意に設定することができるが、0μm~500μmが好ましく、10μm~300μmがより好ましく、25μm~200μmが特に好ましい。
また、露光マスクとしては、バイナリーマスク、グレイマスク、ハーフトーンマスク等を用いることができる。
-散乱層-
パターン露光工程では、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光(好ましくは散乱光)の照射は、露光光源と露光マスクとの間に配置された散乱層(より好ましくは拡散透過率が5%以上である散乱層)を介して行うことが好ましい。
散乱層は、独立して設けられてもよく、積層体の他の層、例えば、露光マスクの基材、ドライフィルムレジストにおける仮支持体等に散乱性を有する材料を用いて、散乱層としの機能を付与してもよい。
得られる樹脂パターン及び金属パターンのテーパー角の観点から、上記散乱層と上記露光マスクとは、互いに接触しない位置に配置されている態様が好ましく挙げられる。
上記散乱層と上記露光マスクとの間の距離は、例えば、0μm~200μmとすればよい。
また、上記散乱層は、得られる樹脂パターン及び金属パターンのテーパー角の観点から、上記露光マスクにおける上記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に配置されていることが好ましい。
拡散透過率の測定は、光拡散透過率の指標を用いる。光拡散透過率とは、散乱層に光を当て、散乱層を透過する光のうち、平行成分と拡散成分とを全て含めた光線の全透過率から平行成分を除いた拡散光の透過率を指す。
光拡散透過率は、JIS K 7136(2000)「プラスチック-透明材料のヘーズの求め方」に準拠して求めることができる。
即ち、曇価(へーズ)とは、下記式で表される値を示し、従って、ヘーズメーターを用いることで、被検体である散乱層の拡散透過率を求めることができる。
曇価(へーズ)%=〔拡散透過率(Td)/全光透過率(Tt)〕×100
本開示における測定装置としては、日本電色工業(株)ヘーズメーター NDH7000IIを用いた値を採用している。
散乱層の拡散透過率は、5%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましく、90%以上が特に好ましい。
拡散透過率の上限には特に制限されないが、例えば、100%とすることができる。
散乱層の散乱角は、15°以上であることが好ましく、20°以上であることがより好ましく、20°以上80°以下であることが更に好ましく、40°以上70°以下であることが特に好ましい。ここで、散乱角とは、散乱層を透過した光の垂直方向を0°の強度として、その2分の1の強度となる角度までの幅(プラス側、及びマイナス側の合計)を意味する。半値全角という言葉で表現される場合もある。
散乱角は、ゴニオメータなどを用いて測定することができる。
光の散乱特性は一般的にプラス側とマイナス側で対称になるが、プラス側とマイナス側が非対称の場合でも、散乱角の定義は変更されない。
散乱角の値が測定面の向きによって異なる場合には、その中で最大の値を、その散乱層の散乱角とする。
散乱層は、特に制限はないが、拡散透過率の調整が容易であり、入手しやすいという観点からは、散乱層は、マトリックス材料とマトリックス材料中に存在する粒子とを含有する散乱層(以下、マトリックス材料と粒子とを含有する散乱層と称することがある)、又は、少なくとも一方の面に凹凸を有する散乱層であることが好ましい。
-マトリックス材料と粒子とを含有する散乱層-
本開示に用いられる散乱層の一態様として、マトリックス材料とマトリックス材料中に存在し、散乱層に光散乱性を付与するための粒子(以下、特定粒子と称することがある)とを含有する層が挙げられる。
特定粒子を含む散乱層は、特定粒子が透明なマトリックス材料に分散されて含まれる層であることが好ましい。
マトリックス材料としては、ガラス、石英、樹脂材料等が挙げられる。
マトリックス材料としてガラス又は石英を用いる場合には、ガラス又は石英に特定粒子を練り込んで均一に分散させ、散乱層とすればよい。
マトリックス材料として樹脂材料を用いる場合、紫外線透過性の樹脂層を形成し得る樹脂であることが好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
マトリックス材料として樹脂材料を用いる場合には、散乱層の形成は、公知の方法で行うことができる。例えば、マトリックス材料の樹脂ペレットと特定粒子を溶融混練して、射出成型により板状の散乱層を得ることができる。また、樹脂の前駆体モノマーと特定粒子とを含む樹脂組成物を硬化して散乱層としてもよく、樹脂材料と任意成分としての溶媒等を含む混合物に、特定粒子を混練した樹脂組成物を硬化して散乱層としてもよい。なお、散乱層の形成方法は、上記に限定されない。
特定粒子が散乱層に十分な光散乱性を与えるためには、上記散乱層が、マトリックス材料と上記マトリックス材料中に存在する粒子とを含有し、上記マトリックス材料と上記粒子との屈折率差が0.05以上であることが好ましく、0.05~1.0であることがより好ましく、0.05~0.6であることが更に好ましい。
マトリックス材料と特定粒子との屈折率差が上記範囲であると、散乱光強度を大きくすることができ、且つ、散乱高強度が大きすぎる場合に懸念される入射光の反射が大きくなりすぎることに起因するエネルギーの付与低下が抑制され、ネガ型感光性樹脂層を硬化させるのに十分なエネルギー量を付与することができる。
また、特定粒子が散乱層に十分な光散乱性を与えるためには、上記散乱層が、マトリックス材料と上記マトリックス材料中に存在する粒子とを含有し、上記粒子の平均一次粒子径が0.3μm以上であることが好ましい。特定粒子の平均一次粒子径は、0.3μm~2.0μmの範囲であることがより好ましく、0.5μm~1.5μmの範囲であることが特に好ましい。平均一次粒子径が上記範囲であると、紫外線のミー散乱が発生し、前方散乱光の強度が大きくなり、ネガ型感光性樹脂層を硬化させるのに十分なエネルギー量を付与しやすい。
特定粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて視野角内に存在する任意の特定粒子200個の粒子径を測定し、測定した数値を算術平均することにより算出したものを採用する。
なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
特定粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム粒子(ZrO粒子)、酸化ニオブ粒子(Nb粒子)、酸化チタン粒子(TiO粒子)、酸化アルミニウム粒子(Al粒子)、二酸化珪素粒子(SiO粒子)等の無機粒子、及び、架橋ポリメタクリル酸メチル等の有機粒子が挙げられる。
散乱層は、特定粒子を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
特定粒子の含有量には特に制限はなく、散乱層における特定粒子の種類、サイズ、含有量、形状、屈折率等を調整することで、所望の拡散透過率あるいは所望の散乱角を達成することが好ましい。
特定粒子の含有量としては、例えば、散乱層の全質量に対し、5質量%~50質量%とすることができる。
-少なくとも一方の面に凹凸を有する散乱層-
散乱層の他の態様として、少なくとも一方の面に凹凸を有する散乱層が挙げられる。散乱層の少なくとも一方の面に凹凸を有することで、凹凸により光が散乱され、散乱層を介して、ネガ型感光性樹脂層に対して散乱光が照射される。
散乱層における凹凸は、隣り合う凸部と凸部との頂部間の距離が10μm~50μmであることが好ましい。
凹凸は、隣接する凸部と凸部の底部間が接しており、隣接する凸部と凸部が空隙等の間隔を有さず密に形成されることが光散乱性の観点から好ましい。
凸部のサイズ、形状、凸部の単位面積当たりの形成密度等を調整することで、所望の拡散透過率あるいは所望の散乱角を達成し得る。凸部の形状には特に制限はなく、半球形、円錐形、角錐形、畝状等、目的とする拡散透過率、拡散角度等により、適宜選択される。
少なくとも一方の面に凹凸を有する散乱層は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、(株)オプティカルソリューションズ製、レンズ拡散板(登録商標)、商品名:(以下、同じ)LSD5ACUVT10、LSD10ACUVT10、LSD20ACUVT10、LSD30ACUVT10、LSD40ACUVT10、LSD60ACUVT10、LSD80ACUVT10(以上、紫外線透過アクリル樹脂製)、
レンズ拡散板(登録商標):LSD5AC10、LSD10AC10、LSD20AC10、LSD30AC10、LSD40AC10、LSD60AC10、LSD80AC10(以上、アクリル樹脂製)、
レンズ拡散板(登録商標):LSD5PC10、LSD10PC10、LSD20PC10、LSD30PC10、LSD40PC10、LSD60PC10、LSD80PC10、LSD60×10PC10、LSD60×1PC10、LSD40×1PC10、LSD30×5PC10(以上、ポリカーボネート製)、
レンズ拡散板(登録商標):LSD5U3PS(以上、石英ガラス製)等が挙げられる。
その他の散乱層としては、日本特殊光学樹脂(株)製のフライアイレンズFE10、(有)フィット製のDiffuser、サンテックオプト(株)製のSDXK-1FS、SDXK-AFS、SDXK-2FS、フィルプラス(株)製の光拡散フィルムMX、(株)渋谷光学製のアクリル拡散板ADF901、ADF852、ADF803、ADF754、ADF705、ADF656、ADF607、ADF558、ADF509、ADF451、王子エフテックス(株)製のナノバックリング(登録商標)、リンテック(株)製の光拡散フィルムHDA060、HAA120、GBA110、DCB200、FCB200、IKA130、EDB200、スリーエムジャパン(株)製のスコッチカル(登録商標)光拡散ディフューザーフィルム3635-30、3635-70、(株)きもと製のライトアップ(登録商標)SDW、EKW、K2S、LDS、PBU、GM7、SXE、MXE、SP6F、オプトセーバー(登録商標)L-9、L-11、L-19、L-20、L-35、L-52、L-57、STC3、STE3、ケミカルマット(登録商標)75PWX、125PW、75PBA、75BLB、75PBB、恵和(株)製のオパルス(登録商標)PBS-689G、PBS-680G、PBS-689HF、PBS-680HG、PBS-670G、UDD-147D2、UDD-148D2、SHBS-227C1、SHBS-228C2、UDD-247D2、PBS-630L、PBS-630A、PBS-632A、BS-539、BS-530、BS-531、BS-910、BS-911、BS-912、(株)クラレ製のレジェンダ(登録商標)PC、CL、HC、OC、TR、MC、SQ、EL、OE、(株)ツジデン製のD120P、D121UPZ、D121UP、D261SIIIJ1、D261IVJ1、D263SIII、S263SIV、D171、D171S、D174S等が挙げられる。
散乱層の厚みは、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。
散乱層の厚みは、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
散乱層の厚みは、散乱層の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定した、任意の5箇所の測定値の算術平均値を採用する。
散乱光の照射は、独立した散乱層を介する光照射に限定されない。
例えば、露光マスクにおける遮光部以外の層が光散乱性を有する散乱性の露光マスクを好適に用いることができる。散乱性の露光マスク(単に「散乱性露光マスク」ともいう。)を用いれば、露光マスクを介した光は散乱光となる。
中でも、得られる樹脂パターン及び金属パターンのテーパー角の観点から、上記露光マスクが、遮光パターンが形成された面とは反対側の面に上記散乱層が形成された、散乱性の露光マスクである態様が好ましく挙げられる。
パターン露光工程における散乱光の照射において、散乱層の配置位置は、露光光源と露光マスクとの間であれば、配置位置には特に制限はない。
例えば、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側に、露光マスクと、散乱層と、露光光源と、をこの順に有してもよい。
散乱光(露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光の好ましい一例)を、散乱層を介して照射する場合における散乱層の配置位置の例について、図面を参照して説明する。
図2は、パターン露光工程の光照射において、散乱層の配置位置の第1態様を示す概略断面図である。図2に示す露光された積層体前駆体は、基材12、ネガ型感光性樹脂層16、仮支持体24であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、遮光領域26Aを有する露光マスク26を有し、露光光源(図示せず)側(ネガ型感光性樹脂層16における基材12が設けられた側とは反対側)に、散乱層28が、露光マスク26とは、互いに接触しない位置に配置されている。
図2~図4において、照射光の光路は、矢印にて模式的に示している。
図2に記載のように、散乱層28を通過して散乱された散乱光は、ネガ型感光性樹脂層16の法線方向とは角度を持って散乱するため、ネガ型感光性樹脂層16における硬化領域により形成されるパターン状の硬化層16Aの側面は、基材の面方向に対してなだらかな傾きを有する。パターン状の硬化層16Aの側面は、基材の面方向に対するテーパー角が50°以下であることが好ましい。
図3は、パターン露光工程の光照射において、散乱層の配置位置の第2態様を示す概略断面図である。図3における露光された積層体前駆体は、図2に示す露光された積層体前駆体と同じ層構造を有する。図3に示す第2態様では、散乱層28と露光マスク26とが接触して配置されている。
散乱層28は、露光マスク26の光源側の表面に、塗布、貼り付け等によって一体的に形成されていてもよい。
図3に示す第2態様においても、散乱層28を通過して散乱された散乱光は、露光マスク26の遮光領域26Aを有なさい領域に散乱光として入射され、図3に示すように、ネガ型感光性樹脂層16における硬化領域により形成されるパターン状の硬化層16Aは側面視で、基材の面方向に対してなだらかな傾きを有する。パターン状の硬化層16Aは、基材の法線方向に平行な断面において、基材の面方向に対するテーパー角が50°以下であることが好ましい。
図4は、パターン露光工程の光照射において、散乱層の配置位置の第3態様である散乱性の露光マスクを用いる例を示す概略断面図である。
図4に示す第3態様では、露光マスクとして、拡散透過率が5%以上である散乱性露光マスク32を用いる。散乱性露光マスク32は、散乱性の基材の所望の領域に遮光領域32Aを有する散乱製露光マスク32である。散乱性露光マスクの拡散透過率は、既述の通りである。
図4に示す第3態様では、ネガ型感光性樹脂層16における基材12が設けられた側とは反対側に配置された露光光源(図示せず)により照射された照射光は、散乱性露光マスク32を通過して散乱された散乱光となり、ネガ型感光性樹脂層16に基材の法線方向に対して角度を持って入射するため、図4に示すように、ネガ型感光性樹脂層16における硬化領域により形成されるパターン状の硬化層16Aは側面視で、基材の面方向に対してなだらかな傾きを有する。パターン状の硬化層16Aは、基材の法線方向に平行な断面において、基材の面方向に対するテーパー角が50°以下であることが好ましい。
いずれの態様においても、本開示の金属パターンの形成方法では、露光光源から散乱光が露光マスクに照射され、露光マスクを介してパターン状に、ネガ型感光性樹脂層が露光される。このため、ネガ型感光性樹脂層における硬化領域により形成されるパターン状の硬化層の側面部分は、基材の面方向に対してなだらかな傾きを有し、急峻な傾きの側面とはなり難いため、既述のような種々の利点を有する積層体を形成することができる。
露光後にパターンの直線性を向上させる目的で、樹脂パターン形成工程の前に熱処理を行うことも好ましい。いわゆるPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる工程により、露光時にネガ型感光性樹脂層中で生じた定在波によるパターンエッジの荒れを低減することが可能である。
<樹脂パターン形成工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、上記パターン露光された上記ネガ型感光性樹脂層に現像してテーパー形状を有する樹脂パターンを形成する工程(「樹脂パターン形成工程」ともいう。)を含む。
形成される樹脂パターンの厚みとしては、孔ピッチ、開口径、蒸着角度の関係から適当に選択することができるが、得られる金属パターンのテーパー角及び寸法安定性の観点から、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましく、30μm以上が特に好ましい。また、上限は、100μm以下であることが好ましい。
本開示における樹脂パターン、金属パターン及び各層の厚みの測定方法は、転写材料又は上記積層体の面方向に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、測定するものとする。また、特に断りのない限り、上記厚みの値は、厚みを10点以上測定し、その平均値である。
本開示において、樹脂パターンにおける「テーパー形状」とは、樹脂パターンの頂部(基材側とは反対の側)の幅(W1)と、樹脂パターンの麓部(基材側)の幅(W2)を計測したときに、W1<W2の関係になっている場合を言う。テーパー角は、パターンの側面が基材となす角度のことを言うが、樹脂パターンの頂部の端部と麓部の端部とを直線で結んだときの上記直線と基材表面とのなす角度として近似してもよい。
テーパー角も、孔ピッチ、開口径、蒸着角度の関係から適当に選択することができるが、10°~80°が好ましく、20°~70°がより好ましく、30°~60°が特に好ましい。
また、本開示における樹脂パターンの基材に対するテーパー形状は、順テーパー形状であることが好ましい。
本開示において、上記樹脂パターンのテーパー形状は、例えば、露光マスクに対し斜めに入射する成分における光の角度及びその量を選択することによりその角度を調整することができる。
例えば、散乱層を用いる場合、散乱層の散乱角及び拡散透過率、並びに、露光光源の光量等を調整することが挙げられる。
上記樹脂パターンの形状は、特に制限はなく、所望に応じて適宜選択すればよいが、上記樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、錐台状の樹脂パターンを含むことが好ましく、角錐台状又は円錐台状の樹脂パターンを含むことがより好ましい。
また、上記樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、基材側とは反対側の面の最大径が100μm以下である樹脂パターンを含むことが好ましく、基材側とは反対側の面の最大径が50μm以下である樹脂パターンを含むことがより好ましく、基材側とは反対側の面の最大径が0.1μm以上20μm以下である樹脂パターンを含むことが更に好ましく、基材側とは反対側の面の最大径が0.2μm以上10μm以下である樹脂パターンを含むことが特に好ましい。
更に、上記樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、基材側とは反対側の面の面積が1,200μm以下である樹脂パターンを含むことが好ましく、基材側とは反対側の面の面積が500μm以下である樹脂パターンを含むことがより好ましく、基材側とは反対側の面の面積が0.1μm以上250μm以下である樹脂パターンを含むことが更に好ましく、基材側とは反対側の面の面積が1μm以上100μm以下である樹脂パターンを含むことが特に好ましい。
上記樹脂パターン形成工程においては、パターン露光されたネガ型感光性樹脂層を現像してテーパー形状を有する樹脂パターンを形成する。
上記転写材料が中間層を有する場合、樹脂パターン形成工程において、非露光部の中間層も、非露光部のネガ型感光性樹脂層とともに除去される。また、樹脂パターン形成工程において、露光部の中間層も現像液に溶解あるいは分散する形で除去されてもよい。
上記樹脂パターン形成工程における露光されたネガ型感光性樹脂層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液としては、ネガ型感光性樹脂層の非画像部(非露光部)を除去することができれば特に制限されず、例えば、特開平5-72724号公報に記載の現像液等の公知の現像液が使用できる。
現像液としては、pKa=7~13の化合物を0.05mol/L~5mol/L(リットル)の濃度で含むアルカリ水溶液系の現像液が好ましい。現像液は、水溶性の有機溶剤及び/又は界面活性剤を含有してもよい。現像液としては、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液も好ましい。
現像方式としては、特に制限されず、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、並びに、ディップ現像のいずれであってもよい。シャワー現像とは、露光後のネガ型感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、非露光部を除去する現像処理である。
上記樹脂パターン形成工程の後に、洗浄剤をシャワーにより吹き付け、ブラシで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温は特に制限されないが、20℃~40℃が好ましい。
<金属パターン形成工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、上記樹脂パターンの形状に対応するテーパー形状の金属パターンを形成する工程(「金属パターン形成工程」ともいう。)を含む。
形成される金属パターンの厚みとしては、特に制限はなく、所望に応じて適宜選択することができるが、得られる金属パターンの強度及び耐久性の観点から、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、12μm以上が更に好ましく、15μm以上が特に好ましい。また、上限は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
本開示において、金属パターンにおける「樹脂パターンの形状に対応するテーパー形状とは、テーパー形状を有する樹脂パターンの形状に応じて形成される金属パターンのテーパー形状のことをいう。上述したように、樹脂パターンがW1<W2の関係になっていれば、金属パターンの頂部(基材側とは反対の側)の幅(W3)と、金属パターンの麓部(基材側)の幅(W4)を計測したときに、W3>W4の関係となる。例えば、後述する順テーパー形状に形成された樹脂パターンに対応する金属パターンは、逆テーパー形状となる。
また、金属パターンのテーパー形状におけるテーパー角度は、金属パターンの側面が基材となす角度のことを言うが、金属パターンの頂部の端部と麓部の端部とを直線で結んだときの上記直線と基材表面とのなす角度として近似してもよい。
金属パターンのテーパー角も、適宜選択することができるが、100°~170°が好ましく、110°~160°がより好ましく、120°~150°が特に好ましい。
上記金属パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、上記テーパー形状を有する開口部を備えた金属パターンであることが好ましい。
上記金属パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の最大径が100μm以下である樹脂パターンを含むことが好ましく、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の最大径が50μm以下である樹脂パターンを含むことがより好ましく、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の最大径が0.1μm以上20μm以下である樹脂パターンを含むことが更に好ましく、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の最大径が0.2μm以上10μm以下である樹脂パターンを含むことが特に好ましい。
更に、上記金属パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の開口面積が1,200μm以下である樹脂パターンを含むことが好ましく、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の開口面積が500μm以下である樹脂パターンを含むことがより好ましく、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の開口面積が0.1μm以上250μm以下である樹脂パターンを含むことが更に好ましく、金属パターンの面方向における少なくとも1方の面に有する開口部の開口面積が1μm以上100μm以下である樹脂パターンを含むことが特に好ましい。
上記金属パターン形成工程における金属パターンの形成方法は、上記樹脂パターンの形状に対応する逆テーパー形状の金属パターンを形成することができる方法であれば、特に制限はないが、めっき法(電鋳法)が好ましく挙げられる。
すなわち、上記金属パターンは、めっき法によって形成されてなる金属パターンであることが好ましい。
めっき法により金属パターンを形成する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
上記樹脂パターンが形成された基材の導電性を有する部分にめっき電源を接続し、所望の金属を析出させるめっき浴に浸漬する。基材の上面が露呈している部分に膜状にめっきを析出させ、上記樹脂パターンの厚み以下の範囲でめっき金属を析出させ、逆テーパー形状の金属パターンに成長させる。
めっき浴としては、スルファミン酸ニッケル浴、これにコバルトを添加したニッケルーコバルト合金浴などが挙げられる。めっき処理においては、電流値、及び、通電又は浸漬時間によりめっき厚を制御する。
また、めっき浴の組成、めっき処理温度、めっき処理時の電流値、めっき処理時間等については、特に制限はなく、所望にあわせ、適宜選択することができる。
更に、電気めっきに限らず、無電解めっき法によって金属を析出させてもよい。
また、めっき処理は、室温(例えば、5℃~30℃)から60℃程度の範囲で行うことができる。
上記金属パターンにおける金属は、ニッケル、ニッケル-コバルト合金、鉄-ニッケル合金、銅など種々用いることができる。
中でも、30質量%以上45質量%以下のニッケルを含む鉄ニッケル合金であることが好ましく、36質量%のニッケルと64質量%の鉄との合金が主成分である金属であること、すなわち、インバーであることがより好ましい。金属パターンの形成材料がインバーである場合には、金属パターンの熱膨張係数は、例えば、1.2×10-6/℃程度である。
<樹脂パターン除去工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、上記金属パターンを形成する工程の後、上記樹脂パターンを除去する工程(「樹脂パターン除去工程」ともいう。)を更に含むことが好ましい。
樹脂パターン除去工程における樹脂パターンの除去は、その方法としては特に制限はないが、薬液によって行われることが好ましい。
上記樹脂パターンの除去方法としては、好ましくは30℃~80℃、より好ましくは50℃~80℃にて撹拌中の薬液に上記樹脂パターン及び上記金属パターンを有する基材を1分~30分間浸漬する方法が挙げられる。
薬液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、第4級アンモニウム塩化合物等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン又はこれらの混合溶液に溶解させた液が挙げられる。
また、薬液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により除去してもよい。
<基材除去工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、上記金属パターンを形成する工程の後、上記基材を上記金属パターンから除去する工程を更に含むことが好ましい。
上記基材が除去された金属パターンは、フォトレジストパターンに相補的な、逆テーパー形状がついた傾斜側壁のついた開孔パターンを有し、薄板状のメタルマスクとして好適に用いることができる。
上記基材除去工程における上記基材を上記金属パターンから除去する方法としては、特に制限はないが、上記基材と上記金属パターンとを剥離する方法が好ましく挙げられる。
また、上記金属パターンは、金属部分が全て結合しているパターンであることが好ましい。
上記剥離は、特に制限はないが、例えば、基材を、180°に折り返した状態で引っ張ることにより、剥離させることができる。剥離速度は、特に制限はないが、1mm/s~50mm/sであることが好ましい。
<その他の工程>
本開示に係る金属パターンの形成方法は、上述した以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。その他の工程としては、特に制限はなく、公知の工程が挙げられる。
また、本開示における樹脂パターン形成工程及びその他の工程の例としては、特開2006-23696号公報の段落0035~段落0051に記載の方法を本開示においても好適に用いることができる。
また、本開示に係る金属パターンの形成方法は、得られた金属パターンを研磨する工程、及び、得られた金属パターンを洗浄する工程等を含んでいてもよい。
<金属パターンの用途>
本開示に係る金属パターンの形成方法により製造される金属パターンの用途は、特に制限はされないが、上記金属パターンは、メタルマスク用金属パターンとして好適に用いることができ、蒸着用メタルマスク用金属パターンとしてより好適に用いることができ、有機発光材料蒸着用メタルマスク用金属パターンとして特に好適に用いることができる。また、上記有機発光材料としては、有機EL表示装置に用いられる赤色(R)、緑色(G)又は青色(B)の有機発光材料(RGB有機発光材料)が好適に挙げられ、有機EL発光ダイオードに用いられるRGB有機発光材料が特に好適に挙げられる。
また、本開示に係る金属パターンの形成方法により製造される金属パターンは、有機EL発光ダイオード(OLED)の製造に用いる蒸着用メタルマスクとして特に好適に用いることができる。
更に、本開示に係る金属パターンの形成方法により製造される金属パターンの他の用途としては、特に制限はないが、半田クリーム印刷用として、タッチパネル用ドット印刷、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル) の蛍光体印刷なども挙げられる。
以下、本開示に用いられるネガ型感光性樹脂層及びネガ型感光性樹脂層を有する転写材料について、詳細に説明する。
<<ネガ型感光性樹脂層>>
本開示に用いられる転写材料は、ネガ型感光性樹脂層を少なくとも有する。
ネガ型感光性樹脂層は、重合性化合物、重合開始剤、及びその他の成分を含んでいてもよい。
-重合性化合物-
ネガ型感光性樹脂層は、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物は、重合性基を有する化合物である。重合性基としては、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基が挙げられ、硬化感度がより良好であるという観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
重合性化合物は、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物(以下、単に「エチレン性不飽和化合物」ともいう。)を含むことが好ましい。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。ここで、「2官能以上のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、硬化後の膜強度の点から、2官能のエチレン性不飽和化合物(好ましくは、2官能の(メタ)アクリレート化合物)と、3官能以上のエチレン性不飽和化合物(好ましくは、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物)とを含むことが好ましい。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能のエチレン性不飽和化合物の市販品としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-DCP、新中村化学工業株式会社製〕、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート〔商品名:NKエステル DCP、新中村化学工業株式会社製〕、1,9-ノナンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-NOD-N、新中村化学工業株式会社製〕、1,10-デカンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-DOD-N、新中村化学工業株式会社製〕、及び、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-HD-N、新中村化学工業株式会社製〕が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、及び、グリセリントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及び、ヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念である。また、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、官能基数の上限に特に制限はないが、例えば、20官能以下とすることができ、15官能以下とすることもできる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物の市販品としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔商品名:KAYARAD DPHA、新中村化学工業株式会社〕が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物は、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート又は1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートと、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレートとを含むことがより好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物のカプロラクトン変性化合物〔日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標) DPCA-20、新中村化学工業株式会社製のA-9300-1CL等〕、(メタ)アクリレート化合物のアルキレンオキサイド変性化合物〔日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標) RP-1040、新中村化学工業株式会社製のATM-35E、A-9300、ダイセル・オルネクス社のEBECRYL(登録商標) 135等〕、エトキシル化グリセリントリアクリレート〔新中村化学工業株式会社製のNKエステル A-GLY-9E等〕も挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート化合物も挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物が好ましい。3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、8UX-015A〔大成ファインケミカル株式会社製〕、NKエステル UA-32P〔新中村化学工業株式会社製〕、及びNKエステル UA-1100H〔新中村化学工業株式会社製〕が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物は、現像性向上の点から、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
酸基としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基、及び、カルボキシ基が挙げられる。上記の中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、酸基を有する3官能~4官能のエチレン性不飽和化合物〔ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート(PETA)骨格にカルボキシ基を導入した化合物(酸価:80KOH/g~120mgKOH/g)〕、及び、酸基を有する5~6官能のエチレン性不飽和化合物(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(DPHA)骨格にカルボキシ基を導入した化合物〔酸価:25KOH/g~70mgKOH/g)〕が挙げられる。酸基を有する3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、必要に応じ、酸基を有する2官能のエチレン性不飽和化合物と併用してもよい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物、及び、そのカルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。酸基を有するエチレン性不飽和化合物が、カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物、及び、そのカルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であると、現像性及び膜強度がより高まる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、アロニックス(登録商標) TO-2349〔東亞合成株式会社製〕、アロニックス(登録商標) M-520〔東亞合成株式会社製〕、及び、アロニックス(登録商標) M-510〔東亞合成株式会社製〕が挙げられる。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、特開2004-239942号公報の段落0025~0030に記載の酸基を有する重合性化合物を好ましく用いることができ、この公報に記載の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
エチレン性不飽和化合物の分子量は、200~3,000が好ましく、250~2,600がより好ましく、280~2,200が更に好ましく、300~2,200が特に好ましい。
エチレン性不飽和化合物のうち、分子量300以下のエチレン性不飽和化合物の含有量は、ネガ型感光性樹脂層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物の含有量に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
ネガ型感光性樹脂層は、1種単独のエチレン性不飽和化合物を含んでいてもよく、2種以上のエチレン性不飽和化合物を含んでいてもよい。
エチレン性不飽和化合物の含有量は、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%~70質量%が好ましく、10質量%~70質量%がより好ましく、20質量%~60質量%が更に好ましく、20質量%~50質量%が特に好ましい。
ネガ型感光性樹脂層が2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含む場合、更に単官能エチレン性不飽和化合物を含んでいてもよい。
ネガ型感光性樹脂層が2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含む場合、2官能以上のエチレン性不飽和化合物は、ネガ型感光性樹脂層に含まれるエチレン性不飽和化合物において主成分であることが好ましい。
ネガ型感光性樹脂層が2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含む場合、2官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量は、ネガ型感光性樹脂層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物の含有量に対して、60質量%~100質量%が好ましく、80質量%~100質量%がより好ましく、90質量%~100質量%が更に好ましい。
ネガ型感光性樹脂層が酸基を有するエチレン性不飽和化合物(好ましくは、カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物又はそのカルボン酸無水物)を含む場合、酸基を有するエチレン性不飽和化合物の含有量は、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%~50質量%が好ましく、1質量%~20質量%がより好ましく、1質量%~10質量%が更に好ましい。
-重合開始剤-
ネガ型感光性樹脂層は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、及び、光重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤」ともいう。)、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤」ともいう。)、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤(以下、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」ともいう。)、及び、N-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤(以下、「N-フェニルグリシン系光重合開始剤」ともいう。)が挙げられる。
光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤、及び、N-フェニルグリシン系光重合開始剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、オキシム系光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、及び、N-フェニルグリシン系光重合開始剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
また、光重合開始剤としては、例えば、特開2011-095716号公報の段落0031~0042、及び、特開2015-014783号公報の段落0064~0081に記載された重合開始剤を用いてもよい。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)〔商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製〕、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)〔商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-02、BASF社製〕、[8-[5-(2,4,6-トリメチルフェニル)-11-(2-エチルヘキシル)-11H-ベンゾ[a]カルバゾイル][2-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニル]メタノン-(O-アセチルオキシム)〔商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-03、BASF社製〕、1-[4-[4-(2-ベンゾフラニルカルボニル)フェニル]チオ]フェニル]-4-メチル-1-ペンタノン-1-(O-アセチルオキシム)〔商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-04、BASF社製〕、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 379EG、BASF社製〕、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 907、BASF社製〕、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 127、BASF社製〕、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1〔商品名:IRGACURE(登録商標) 369、BASF社製〕、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 1173、BASF社製〕、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 184、BASF社製〕、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン〔商品名:IRGACURE 651、BASF社製〕、及びオキシムエステル系の化合物〔商品名:Lunar(登録商標) 6、DKSHジャパン株式会社製〕、1-(ビフェニル-4-イル)-2-メチル-2-モルホリノプロパン-1-オン〔商品名APi-307(登録商標)、Shenzhen UV-ChemTech LTD製〕、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-シクロペンチルプロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)〔商品名:TR-PBG-305、常州強力電子新材料社製〕、3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1,2-プロパンジオン-2-(O-アセチルオキシム)〔商品名:TR-PBG-326、常州強力電子新材料社製〕、3-シクロヘキシル-1-(6-(2-(ベンゾイルオキシイミノ)ヘキサノイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)プロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)〔商品名:TR-PBG-391、常州強力電子新材料社製〕が挙げられる。
ネガ型感光性樹脂層は、1種単独の重合開始剤を含んでいてもよく、2種以上の重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また、重合開始剤の含有量の上限は、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
-アルカリ可溶性アクリル樹脂-
ネガ型感光性樹脂層は、アルカリ可溶性アクリル樹脂を含んでいてもよい。
ネガ型感光性樹脂層がアルカリ可溶性アクリル樹脂を含むことで、現像液へのネガ型感光性樹脂層(非露光部)の溶解性が向上する。
本開示において、「アルカリ可溶性」とは、以下の方法によって求められる溶解速度が0.01μm/秒以上であることをいう。
対象化合物(例えば、樹脂)の濃度が25質量%であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をガラス基板上に塗布し、次いで、100℃のオーブンで3分間加熱することによって上記化合物の塗膜(厚み2.0μm)を形成する。上記塗膜を炭酸ナトリウム1質量%水溶液(液温30℃)に浸漬させることにより、上記塗膜の溶解速度(μm/秒)を求める。
なお、対象化合物がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解しない場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート以外の沸点200℃未満の有機溶剤(例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、又はエタノール)に対象化合物を溶解させる。
アルカリ可溶性アクリル樹脂としては、上記において説明したアルカリ可溶性を有するアクリル樹脂であれば制限されない。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の少なくとも一方を含む樹脂を意味する。
アルカリ可溶性アクリル樹脂における(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計割合は、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。
本開示において、「構成単位」の含有量をモル分率(モル割合)で規定する場合、特に断りのない限り、上記「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本開示において、樹脂又は重合体が2種以上の特定の構成単位を有する場合、特に断りのない限り、上記特定の構成単位の含有量は、上記2種以上の特定の構成単位の総含有量を表すものとする。
アルカリ可溶性アクリル樹脂は、現像性の点から、カルボキシ基を有することが好ましい。アルカリ可溶性アクリル樹脂へのカルボキシ基の導入方法としては、例えば、カルボキシ基を有するモノマーを用いてアルカリ可溶性アクリル樹脂を合成する方法が挙げられる。上記方法により、カルボキシ基を有するモノマーは、カルボキシ基を有する構成単位としてアルカリ可溶性アクリル樹脂に導入される。カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、及び、メタクリル酸が挙げられる。
アルカリ可溶性アクリル樹脂は、1つのカルボキシ基を有していてもよく、2つ以上のカルボキシ基を有していてもよい。また、アルカリ可溶性アクリル樹脂におけるカルボキシ基を有する構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
カルボキシ基を有する構成単位の含有量は、アルカリ可溶性アクリル樹脂の全量に対して、5モル%~50モル%が好ましく、5モル%~40モル%がより好ましく、10モル%~30モル%が更に好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂は、硬化後の透湿度及び強度の点から、芳香環を有する構成単位を有することが好ましい。芳香環を有する構成単位としては、スチレン化合物由来の構成単位であることが好ましい。
芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、スチレン化合物由来の構成単位を形成するモノマー、及び、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記スチレン化合物由来の構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、α,p-ジメチルスチレン、p-エチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、t-ブトキシスチレン、及び、1,1-ジフェニルエチレンが挙げられ、スチレン又はα-メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂における芳香環を有する構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂が芳香環を有する構成単位を有する場合、芳香環を有する構成単位の含有量は、アルカリ可溶性アクリル樹脂の全量に対して、5モル%~90モル%が好ましく、10モル%~90モル%がより好ましく、15モル%~90モル%が更に好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂は、タック性、及び、硬化後の強度の点から、脂肪族環式骨格を有する構成単位を含むことが好ましい。
脂肪族環式骨格における脂肪族環としては、例えば、ジシクロペンタン環、シクロヘキサン環、イソボロン環、及び、トリシクロデカン環が挙げられる。上記の中でも、脂肪族環式骨格における脂肪族環としては、トリシクロデカン環が好ましい。
脂肪族環式骨格を有する構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及び、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルカリ可溶性アクリル樹脂における脂肪族環式骨格を有する構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂が脂肪族環式骨格を有する構成単位を有する場合、脂肪族環式骨格を有する構成単位の含有量は、アルカリ可溶性アクリル樹脂の全量に対して、5モル%~90モル%が好ましく、10モル%~80モル%がより好ましく、10モル%~70モル%が更に好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂は、タック性、及び、硬化後の強度の点から、反応性基を有していることが好ましい。
反応性基としては、ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。また、アルカリ可溶性アクリル樹脂がエチレン性不飽和基を有する場合、アルカリ可溶性アクリル樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。
本開示において、「主鎖」とは、樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは、主鎖から枝分かれしている原子団を表す。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基、又は、(メタ)アクリロキシ基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂におけるエチレン性不飽和基を有する構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂がエチレン性不飽和基を有する構成単位を有する場合、エチレン性不飽和基を有する構成単位の含有量は、アルカリ可溶性アクリル樹脂の全量に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~50モル%がより好ましく、15モル%~40モル%が更に好ましい。
反応性基をアルカリ可溶性アクリル樹脂に導入する手段としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、アセトアセチル基、及び、スルホ基等に、エポキシ化合物、ブロックイソシアネート化合物、イソシアネート化合物、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、及び、カルボン酸無水物等を反応させる方法が挙げられる。
反応性基をアルカリ可溶性アクリル樹脂に導入する手段の好ましい例としては、カルボキシ基を有するアルカリ可溶性アクリル樹脂を重合反応により合成した後、ポリマー反応により、アルカリ可溶性アクリル樹脂のカルボキシ基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートを反応させることで、(メタ)アクリロキシ基をアルカリ可溶性アクリル樹脂に導入する手段が挙げられる。上記手段により、側鎖に(メタ)アクリロキシ基を有するアルカリ可溶性アクリル樹脂を得ることができる。
上記重合反応は、70℃~100℃の温度条件で行うことが好ましく、80℃~90℃の温度条件で行うことがより好ましい。上記重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾ系開始剤が好ましく、例えば、富士フイルム和光純薬株式会社製のV-601(商品名)又はV-65(商品名)がより好ましい。また、上記ポリマー反応は、80℃~110℃の温度条件で行うことが好ましい。上記ポリマー反応においては、アンモニウム塩等の触媒を用いることが好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000以上が好ましく、10,000~100,000がより好ましく、15,000~50,000が更に好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂の酸価は、現像性の点から、50mgKOH/g以上が好ましく、60mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上が更に好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましい。本開示において、アルカリ可溶性アクリル樹脂の酸価は、JIS K0070:1992に記載の方法に従って測定される値である。
アルカリ可溶性アクリル樹脂の酸価の上限は、露光されたネガ型感光性樹脂層(露光部)が現像液へ溶解することを抑止する点から、200mgKOH/g以下が好ましく、150mgKOH/g以下がより好ましい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂の具体例を以下に示す。なお、下記アルカリ可溶性アクリル樹脂における各構成単位の含有比率(モル比)は、目的に応じて、上記好ましいMwの範囲内において適宜設定することができる。



ネガ型感光性樹脂層は、1種単独のアルカリ可溶性アクリル樹脂を含んでいてもよく、2種以上のアルカリ可溶性アクリル樹脂を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性アクリル樹脂の含有量は、現像性の点から、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%~90質量%が好ましく、20質量%~80質量%がより好ましく、25質量%~70質量%が更に好ましい。
-カルボン酸無水物構造を有する構成単位を含む重合体-
ネガ型感光性樹脂層は、バインダーとして、カルボン酸無水物構造を有する構成単位を含む重合体(以下、「重合体B」ともいう。)を更に含んでいてもよい。ネガ型感光性樹脂層が重合体Bを含有することで、現像性及び硬化後の強度を向上できる。
カルボン酸無水物構造は、鎖状カルボン酸無水物構造、及び、環状カルボン酸無水物構造のいずれであってもよいが、環状カルボン酸無水物構造が好ましい。
環状カルボン酸無水物構造の環としては、5員環~7員環が好ましく、5員環又は6員環がより好ましく、5員環が更に好ましい。
カルボン酸無水物構造を有する構成単位は、下記式P-1で表される化合物から水素原子を2つ除いた2価の基を主鎖中に含む構成単位、又は、下記式P-1で表される化合物から水素原子を1つ除いた1価の基が主鎖に対して直接又は2価の連結基を介して結合している構成単位であることが好ましい。

式P-1中、RA1aは、置換基を表し、n1a個のRA1aは、同一でも異なっていてもよく、Z1aは、-C(=O)-O-C(=O)-を含む環を形成する2価の基を表し、n1aは、0以上の整数を表す。
A1aで表される置換基としては、例えば、アルキル基が挙げられる。
1aとしては、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、炭素数2のアルキレン基が更に好ましい。
1aは、0以上の整数を表す。Z1aが炭素数2~4のアルキレン基を表す場合、n1aは、0~4の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
1aが2以上の整数を表す場合、複数存在するRA1aは、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在するRA1aは、互いに結合して環を形成してもよいが、互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
カルボン酸無水物構造を有する構成単位としては、不飽和カルボン酸無水物に由来する構成単位が好ましく、不飽和環式カルボン酸無水物に由来する構成単位がより好ましく、不飽和脂肪族環式カルボン酸無水物に由来する構成単位が更に好ましく、無水マレイン酸又は無水イタコン酸に由来する構成単位が特に好ましく、無水マレイン酸に由来する構成単位が最も好ましい。
重合体Bにおけるカルボン酸無水物構造を有する構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
カルボン酸無水物構造を有する構成単位の含有量は、重合体Bの全量に対して、0モル%~60モル%が好ましく、5モル%~40モル%がより好ましく、10モル%~35モル%が更に好ましい。
ネガ型感光性樹脂層は、1種単独の重合体Bを含んでいてもよく、2種以上の重合体Bを含んでいてもよい。
ネガ型感光性樹脂層が重合体Bを含む場合、重合体Bの含有量は、現像性及び硬化後の強度の点から、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~30質量%が好ましく、0.2質量%~20質量%がより好ましく、0.5質量%~20質量%が更に好ましく、1~20質量%が特に好ましい。
-界面活性剤-
ネガ型感光性樹脂層は、界面活性剤を含むことができる。
界面活性剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0017、及び特開2009-237362号公報の段落0060~0071に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ケイ素系界面活性剤(シリコーン系界面活性剤とも称する)、ノニオン系界面活性剤等が挙げられ、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファック(登録商標)F-171、F-172、F-173、F-176、F-177、F-141、F-142、F-143、F-144、F-437、F-475、F-477、F-479、F-482、F-551-A、F-552、F-554、F-555-A、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-565、F-563、F-568、F-575、F-780、EXP、MFS-330、R-41、R-41-LM、R-01、R-40、R-40-LM、RS-43、TF-1956、RS-90、R-94、RS-72-K、DS-21(以上、DIC株式会社製)、フロラード(登録商標)FC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロン(登録商標)S-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393、KH-40(以上、AGC(株)製)、PolyFox(登録商標)PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)、フタージェント(登録商標)710FM、610FM、601AD、601ADH2、602A、215M、245F(以上、(株)NEOS製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファック(登録商標)DSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファック(登録商標)DS-21が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基又はフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。メガファック(登録商標)RS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K(以上、DIC株式会社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマー、及び、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、具体的には、例えば、DOWSIL(登録商標)8032 ADDITIVE、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)並びに、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、K354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-6191、X-22-4515、KF-6004、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越化学工業(株)製)、F-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニック(登録商標)L10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(以上、BASF社製)、テトロニック(登録商標)304、701、704、901、904、150R1(以上、BASF社製)、ソルスパース(登録商標)20000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(以上、富士フイルム和光純薬(株)製)、パイオニン(登録商標)D-6112、D-6112-W、D-6315(以上、竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
ネガ型感光性樹脂層は、1種単独の界面活性剤を含んでいてもよく、2種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。
ネガ型感光性樹脂層が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~3質量%が好ましく、0.05質量%~1質量%がより好ましく、0.1質量%~0.8質量%が更に好ましい。
-他の成分-
ネガ型感光性樹脂層は、既述の成分以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、複素環化合物、脂肪族チオール化合物、ブロックイソシアネート化合物、水素供与性化合物、粒子(例えば、金属酸化物粒子)、及び、着色剤が挙げられる。
また、他の成分としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤、及び、特開2000-310706号公報の段落0058~0071に記載のその他の添加剤も挙げられる。
既述のネガ型感光性樹脂層形成用の塗布液からなる塗布層を乾燥させることでネガ型感光性樹脂層を形成することができる。ネガ型感光性樹脂層の形成については、転写材料の項にて詳述する。
-ネガ型感光性樹脂層の不純物-
信頼性やパターニング性を向上させる観点からネガ型感光性樹脂層の不純物の含有量が少ないことが好ましい。
不純物の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、及びこれらのイオン、並びに、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)などが挙げられる。中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンは不純物として混入し易いため、下記の含有量にすることが特に好ましい。
各層における不純物の含有量は、質量基準で、1,000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、40ppm以下が特に好ましい。下限は、質量基準で、0.01ppm以上とすることができ、0.1ppm以上とすることができる。
不純物を上記範囲に減らす方法としては、各層の原料に不純物を含まないものを選択すること、及び層の形成時に不純物の混入を防ぐこと、洗浄して除去すること等が挙げられる。このような方法により、不純物量を上記範囲内とすることができる。
不純物は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法、原子吸光分光法、イオンクロマトグラフィー法等の公知の方法で定量することができる。
また、ネガ型感光性樹脂層における、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、1,3-ブタジエン、四塩化炭素、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサン等の化合物の含有量が少ないことが好ましい。これら化合物の各層中における含有量としては、質量基準で、1,000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、40ppm以下が特に好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界及び測定限界の観点から、質量基準で、10ppb以上とすることができ、100ppb以上とすることができる。
化合物の不純物は、上記の金属の不純物と同様の方法で含有量を抑制することができる。また、公知の測定法により定量することができる。
上記ではネガ型感光性樹脂層について説明したが、ネガ型感光性樹脂層から形成される樹脂パターンについても、同様の不純物量とすることが好ましい。
-ネガ型感光性樹脂層の厚み
ネガ型感光性樹脂層の厚みとしては、適宜選択することができるが、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましく、30μm以上が特に好ましい。また、上限は、100μm以下であることが好ましい。
-ネガ型感光性樹脂層の形成方法-
ネガ型感光性樹脂層は、ネガ型感光性樹脂層の形成に用いる成分と、溶剤とを含有するネガ型感光性樹脂組成物を調製し、塗布及び乾燥して形成することができる。各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、例えば、孔径0.2μm~30μmのフィルター等を用いてろ過を行ってもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物を仮支持体又はカバーフィルム上に塗布し、乾燥させることで、ネガ型感光性樹脂層を形成することができる。
塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、ダイ塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
また、仮支持体又はカバーフィルム上に後述の中間層又はその他の層を形成した上に、ネガ型感光性樹脂層を形成することもできる。
-ネガ型感光性樹脂組成物-
ネガ型感光性樹脂組成物は、ネガ型感光性樹脂層の形成に用いる成分と、溶剤とを含むことが好ましい。各成分に溶剤を含有させて粘度を調節し、塗布及び乾燥することで、ネガ型感光性樹脂層を好適に形成することができる。
ネガ型感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
溶剤としては、有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(別名:1-メトキシ-2-プロピルアセテート)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、n-プロパノール、及び、2-プロパノールが挙げられる。溶剤としては、メチルエチルケトンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤、又は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤が好ましい。
溶剤としては、米国特許出願公開第2005/282073号明細書の段落0054及び0055に記載の溶剤を用いることもでき、この明細書の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
また、溶剤としては、必要に応じ、沸点が180℃~250℃である有機溶剤(高沸点溶剤)を用いることもできる。
ネガ型感光性樹脂組成物は、1種単独の溶剤を含んでいてもよく、2種以上の溶剤を含んでいてもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、ネガ型感光性樹脂組成物の全固形分量は、ネガ型感光性樹脂組成物の全質量に対して、5質量%~80質量%が好ましく、5質量%~40質量%がより好ましく、5質量%~30質量%が更に好ましい。
ネガ型感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、ネガ型感光性樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、塗布性の点から、1mPa・s~50mPa・sが好ましく、2mPa・s~40mPa・sがより好ましく、3mPa・s~30mPa・sが更に好ましい。粘度は、粘度計を用いて測定する。粘度計としては、例えば、東機産業株式会社製の粘度計(商品名:VISCOMETER TV-22)を好適に用いることができる。但し、粘度計は、上記した粘度計に制限されない。
ネガ型感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、ネガ型感光性樹脂組成物の25℃における表面張力は、例えば、塗布性の観点から、5mN/m~100mN/mが好ましく、10mN/m~80mN/mがより好ましく、15mN/m~40mN/mが更に好ましい。
表面張力は、表面張力計を用いて測定する。表面張力計としては、例えば、協和界面科学株式会社製の表面張力計(商品名:Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z)を好適に用いることができる。ただし、表面張力計は、上記した表面張力計に制限されない。
<<転写材料>>
本開示に用いられる転写材料は、ネガ型感光性樹脂層を少なくとも有し、仮支持体、及び、ネガ型感光性樹脂層を少なくとも有することが好ましい。
-仮支持体-
本開示に用いられる転写材料は、仮支持体を有することが好ましい。
仮支持体は、ネガ型感光性樹脂層を支持し、剥離可能な支持体である。
本開示に用いられる仮支持体は、ネガ型感光性樹脂層を露光する場合において、仮支持体を介してネガ型感光性樹脂層を露光し得る観点から光透過性を有することが好ましい。
光透過性を有するとは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味し、パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定する方法が挙げられる。
仮支持体としては、ガラス基板、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みは、特に限定されず、5μm~200μmの範囲が好ましく、取扱い易さ、汎用性などの点で、10μm~150μmの範囲がより好ましい。
仮支持体の厚みは、支持体としての強度、基材との貼り合わせに求められる可撓性、露光時に要求される光透過性などの観点から、材質に応じて選択すればよい。
仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014-85643号公報の段落0017~段落0018に記載があり、この公報の内容は本開示に組み込まれる。
-カバーフィルム-
本開示に用いられる転写材料は、転写材料における仮支持体が設けられた側の面とは反対側の面に、カバーフィルムを有することが好ましい。
カバーフィルムとしては、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
カバーフィルムの平均厚みは特に限定されず、例えば、1μm~2mmのものが好ましく挙げられる。
-中間層-
本開示に用いられる転写材料又は上記積層体は、中間層(例えば、水溶性樹脂層)を有していてもよい。
中間層は、後述する重合体を含むことが好ましい。
〔重合体〕
中間層は、重合体を含むことができる。
中間層に用いられる重合体としては、水溶性樹脂又はアルカリ可溶性樹脂が好ましい。本開示において、「水溶性」とは、22℃においてpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味し、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
また、上記「水溶性又はアルカリ可溶性」とは、水溶性か、アルカリ可溶性のいずれかであっても、水溶性かつアルカリ可溶性であってもよい。
また、重合体は、22℃におけるpH7.0の水100gへの溶解度が、1g以上であることが好ましく、5g以上であることがより好ましい。
水溶性樹脂としては、例えばセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、アクリルアミド樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体などの樹脂が挙げられる。中でも、セルロース樹脂であることが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶性アクリル樹脂が好ましく、塩を形成してもよい酸基を有するアクリル樹脂がより好ましい。
中間層は、重合体を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
重合体の含有量は、密着性の観点から、中間層の全質量に対して、20質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることがより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
中間層は、吸収を制御する目的から紫外線吸収剤を有していてもよい。紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物であれば、特に制限はない。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾエート化合物、サリシレート化合物、トリアジン化合物、シアノアクリルレート化合物などの紫外線吸収材料が挙げられる。
具体的には、例えば、ベンゾトリアゾール化合物としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体などが挙げられる。
また、例えば、トリアジン化合物としては、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]フェノール、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシフェニル)-s-トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体などが挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。
紫外線吸収材料の含有量は、特に限定されず、感光性樹脂層の光学濃度を所望の値とする量として、適宜設定すればよい。
〔界面活性剤〕
中間層には、厚み均一性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、フッ素原子を有する界面活性剤、ケイ素原子を有する界面活性剤、フッ素原子もケイ素原子も有さない界面活性剤のいずれも使用することができる。中でも、界面活性剤としては、ネガ型感光性樹脂層及び中間層におけるスジの発生抑制、及び、密着性の観点から、フッ素原子を有する界面活性剤であることが好ましく、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキシ基とを有する界面活性剤であることがより好ましい。
また、界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性(非イオン性)、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤は、界面活性剤の析出抑制の観点から、25℃の水100gに対する溶解度が1g以上であるものが好ましい。
中間層は、界面活性剤を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
上記中間層における界面活性剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂層及び中間層におけるスジの発生抑制、及び、密着性の観点から、中間層の全質量に対して、0.05質量%~2.0質量%であることが好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがより好ましく、0.2質量%~0.5質量%であることが特に好ましい。
〔無機フィラー〕
中間層には無機フィラーを含むことができる。本開示における無機フィラーは特に制限はない。シリカ粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられ、シリカ粒子がより好ましい。透明性の観点から粒径の小さい粒子が好ましく、100nm以下の平均粒径のものが更に好ましい。例えば市販品であればスノーテックス(登録商標)が好適に用いられる。
上記中間層における上記粒子の体積分率(中間層における粒子が占める体積割合)は、中間層とネガ型感光性樹脂層との密着性の観点から、中間層の全体積に対し、5%~90%であることが好ましく、10%~80%であることがより好ましく、20%~60%であることが更に好ましい。
〔pH調整剤〕
中間層にはpH調整剤を含むことができる。pH調整剤を含むことで、中間層中の色素の発色状態又は消色状態をより安定的に維持することができ、ネガ型感光性樹脂層と中間層との密着性がより向上する。
本開示におけるpH調整剤は特に制限はない。例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、有機アミン、有機アンモニウム塩等が挙げられる。水溶性の観点から水酸化ナトリウムが好ましい。ネガ型感光性樹脂層と中間層との密着性の観点からは、有機アンモニウム塩が好ましい。
〔中間層の厚み〕
中間層の厚みは、ネガ型感光性樹脂層と中間層との密着性、及び、パターン形成性の観点から、0.3μm~10μmが好ましく、0.3μm~5μmがより好ましく、0.3μm~2μmが特に好ましい。
また、中間層の厚みは、ネガ型感光性樹脂層の厚みよりも薄いことが好ましい。
中間層は、2層以上の層を有することができる。
中間層が2層以上の層を有する場合、各層の厚みは上記範囲内であれば特に限定されないが、中間層における2層以上の層のうち、ネガ型感光性樹脂層に最も近い層の厚みは、中間層とネガ型感光性樹脂層との密着性、及び、パターン形成性の観点から、0.3μm~10μmが好ましく、0.3μm~5μmがより好ましく、0.3μm~2μmが特に好ましい。
〔中間層の形成方法〕
本開示における中間層は、中間層の形成に用いる成分と、水溶性溶剤とを含有する中間層形成用組成物を調製し、塗布及び乾燥して形成することができる。各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液をあらかじめ定めた割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、孔径3.0μmのフィルター等を用いてろ過を行ってもよい。
中間層形成用組成物を仮支持体に塗布し、乾燥させることで、仮支持体上に中間層を形成することができる。塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
中間層形成組成物は、中間層の形成に用いる成分と、水溶性溶剤とを含むことが好ましい。各成分に水溶性溶剤を含有させて粘度を調節し、塗布及び乾燥することで、中間層を好適に形成することができる。
水溶性溶剤としては、公知の水溶性溶剤を用いることができ、例えば、水、炭素数1~6のアルコール等が挙げられ、水を含むことが好ましい。炭素数1~6のアルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、及び、n-ヘキサノールが挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及び、イソプロパノールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。
-その他の層-
本開示に係る転写材料は、上述した以外の層(以下、「その他の層」ともいう。)を有していてもよい。その他の層としては、熱可塑性樹脂層等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂層の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0189~段落0193、及び、更に他の層の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0194~段落0196にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
-転写材料の製造方法-
本開示に用いられる転写材料の製造方法は、特に制限はなく、公知の製造方法、例えば、公知の各層の形成方法等を用いることができる。
また、転写材料の製造方法は、仮支持体上にネガ型感光性樹脂層を形成した後に、上記ネガ型感光性樹脂層上にカバーフィルムを設ける工程を更に含むことが好ましい。
また、転写材料を製造した後、転写材料を巻き取ることにより、ロール形態の転写材料を作製及び保管してもよい。ロール形態の転写材料は、ロールツーロール方式での基材との貼り合わせにそのままの形態で提供できる。
(蒸着用メタルマスクの製造方法)
本開示に係る蒸着用メタルマスクの製造方法は、本開示に係る金属パターンの形成方法により金属パターンを形成することを含む蒸着用メタルマスクの製造方法である。
また、本開示に係る蒸着用メタルマスクの製造方法は、ネガ型感光性樹脂層を基材上に有する積層体を準備する工程、上記ネガ型感光性樹脂層における上記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射し、上記露光マスクを介して上記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光する工程、上記パターン露光された上記ネガ型感光性樹脂層に現像してテーパー形状を有する樹脂パターンを形成する工程、及び、上記樹脂パターンの形状に対応するテーパー形状の金属パターンを形成する工程を含むことが好ましい。
また、本開示に係る蒸着用メタルマスクの製造方法は、上述した本開示に係る金属パターンの形成方法における各工程を含んでいてもよく、好ましい態様も同様である。
また、本開示に係る蒸着用メタルマスクの製造方法により製造される蒸着用メタルマスクは、上記金属パターン以外に、その他の部材を有していてもよい。
その他の部材としては、特に制限はなく、蒸着用メタルマスクに用いられる公知の部材を用いることができる。
(有機発光ダイオードの製造方法、及び、有機EL表示装置の製造方法)
本開示に係る有機発光ダイオードの製造方法、又は、本開示に係る有機EL表示装置の製造方法は、本開示に係る金属パターンの形成方法により得られた金属パターンを用いる。
また、本開示に係る有機発光ダイオードの製造方法、又は、本開示に係る有機EL表示装置の製造方法は、本開示に係る金属パターンの形成方法により得られた金属パターンを蒸着用メタルマスクとして用いる工程を含むことが好ましく、本開示に係る金属パターンの形成方法により得られた金属パターンを有機発光材料蒸着用メタルマスクとして用い、有機発光材料を基板等に蒸着させる工程を含むことがより好ましい。
上記有機発光材料としては、赤色(R)、緑色(G)又は青色(B)の有機発光材料が挙げられる。
更に、本開示に係る有機発光ダイオードの製造方法、又は、本開示に係る有機EL表示装置の製造方法は、上述した本開示に係る金属パターンの形成方法における各工程を含んでいてもよく、好ましい態様も同様である。
また、本開示に係る有機発光ダイオードの製造方法、又は、本開示に係る有機EL表示装置の製造方法は、上述した以外の公知の工程を含んでいてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の実施形態を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の実施形態の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本発明の実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<散乱層の散乱角の測定>
(株)村上色彩技術研究所製のゴニオフォトメーターGP-200を用いて、散乱層に対して垂直に光を入射させ、透過光の強度をプラス90°からマイナス90°までの角度範囲で測定した。0°の強度に対して、強度が2分の1になる全角度幅を散乱角とした。
<ネガ型感光性樹脂組成物1及び2の調製>
下記表1の組成となるように混合した後、メチルエチルケトンを加えることによって、ネガ型感光性樹脂組成物1及び2(表1では組成物1及び2と記載。固形分濃度:25質量%)をそれぞれ調製した。
また、表1に記載の化合物の詳細を以下に示す。
BPE-500:2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、新中村化学工業(株)製
BPE-200:2,2-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、新中村化学工業(株)製
M-270:ポリプロピレングリコールジアクリレート、東亞合成(株)製
A-TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート、新中村化学工業(株)製
SR-454:エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製
SR-502:エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製
A-9300-CL1:ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、新中村化学工業(株)製
B-CIM:光ラジカル発生剤(光重合開始剤)、Hampford社製、2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体
SB-PI 701:増感剤、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、三洋貿易(株)製
CBT-1:防錆剤、カルボキシベンゾトリアゾール、城北化学工業(株)製
TDP-G:重合禁止剤、フェノチアジン、川口化学工業(株)製
Irganox245:ヒンダードフェノール系重合禁止剤、BASF社製
F-552:フッ素系界面活性剤、メガファック F552、DIC(株)製
<転写材料Aの作製>
厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(16KS40:商品名、東レ(株))である仮支持体の上に、バーコーターを用いて、乾燥後のネガ型感光性樹脂層の厚みが10μmになるように、ネガ型感光性樹脂組成物1の塗布量を調整し、ネガ型感光性樹脂組成物1を塗布した後、80℃のオーブンで乾燥させて、ネガ型感光性樹脂層を形成した。次に、ネガ型感光性樹脂層の表面に、カバーフィルムとして、厚み16μmのポリエチレンテレフタレート(16KS40:商品名、東レ(株))を圧着し、転写材料Aを作製した。
<転写材料Bの作製>
厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(16KS40:商品名、東レ(株))である仮支持体の上に、バーコーターを用いて、乾燥後の厚みが1μmになるように、下記の水溶性樹脂組成物を塗布し90℃のオーブンで乾燥させ、中間層として水溶性樹脂層を形成した。その後、水溶性樹脂層の上に、バーコーターを用いて、乾燥後のネガ型感光性樹脂層の厚みが10μmになるように、ネガ型感光性樹脂組成物2の塗布量を調整し、ネガ型感光性樹脂組成物2を塗布した後、80℃のオーブンで乾燥させて、ネガ型感光性樹脂層を形成した。次に、ネガ型感光性樹脂層の表面に、カバーフィルムとして、厚み16μmのポリエチレンテレフタレート(16KS40:商品名、東レ(株))を圧着し、転写材料Bを作製した。
-水溶性樹脂組成物の組成-
・イオン交換水:38.12部
・メタノール(三菱ガス化学(株)製):57.17部
・クラレポバールPVA-205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製):3.22部
・ポリビニルピロリドンK-30((株)日本触媒製):1.49部
・メガファックF-444(フッ素系ノニオン性界面活性剤、DIC(株)製):0.0015部
<転写材料Cの作製>
乾燥後のネガ型感光性樹脂層の厚みを8μmとした以外は、転写材料Aの作製と同様にして、転写材料Cを作製した。
<転写材料Dの作製>
乾燥後のネガ型感光性樹脂層の厚みを20μmとした以外は、転写材料Aの作製と同様にして、転写材料Dを作製した。
(実施例1)
<積層体の形成>
上記で作製した転写材料Aのカバーフィルムを剥離し、露出したネガ型感光性樹脂層の表面を、ガラス上にNiメッキ(厚み100nm)を施した導電性基材上にネガ型感光性樹脂層及び仮支持体を以下の条件でラミネートして、積層体を得た(準備工程)。
-ラミネート条件-
基材の温度:80℃
ゴムローラーの温度:110℃
線圧:3N/cm
搬送速度:2m/分
<樹脂パターンの形成>
次に、露光マスク(ライン/スペース=20μm/20μmで、ライン長が100μm)を、得られた積層体の仮支持体の表面に密着させた。
その後、露光マスクの上に、散乱層として(株)オプティカルソリューションズ社製のレンズ拡散板(登録商標)LSD60ACUVT30(散乱角:60°、拡散透過率:95%、材質:紫外線透過アクリル樹脂)を配置した。露光マスクと散乱層とは互いに接触させずに配置した。表2には、実施例1で用いた散乱層を「凹凸を有する樹脂層」と記載した。
高圧水銀灯露光機((株)大日本科研製MAP-1200L、主波長:365nm)を用いて光を、仮支持体を通して照射して、ネガ型感光性樹脂層を150mJ/cmでパターン露光した(パターン露光工程)。仮支持体を剥離した後、液温が25℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いて50秒間のシャワー現像をすることによってテーパー形状を有する樹脂パターンを形成した(樹脂パターン形成工程)。
<樹脂パターンの断面形状の観察(テーパー形状評価)>
得られた樹脂パターンの断面形状を、基板面内の任意の10か所において電子顕微鏡(SEM)で観察し、図5に示すように、パターン頂部の幅(W1)と、パターンの層厚の半分の部分の幅(W2)、パターン麓部の幅(W3)、層厚(W4)を計測し、各々の平均値を用いて、tan(W4/((W3-W1)/2))の値を計算した。評価基準を以下に示す。
A:W3>W2>W1を満たし、上記値が、5.67未満である。
B:W3>W2>W1を満たし、上記値が、5.67以上である。
C:W3>W2>W1を満たさない。
<金属パターンの形成>
導電性基材を電極とする電解めっきを以下の様に行い、導電性基材上の樹脂パターンが形成されていない領域に、約7μmの厚みを有する電着物(金属パターン)を堆積させた。
50℃に加温しためっき槽内に、めっき液を入れ、陰極として作製した導電性基材を配置し、陽極としてニッケル板をそれぞれ配置し電源を接続した。次に、電源を操作して、導電性基材とニッケル板との間にそれぞれ電流を約60分間流した。導電性基材の表面の樹脂パターンが形成されていない領域に、ニッケルめっき層(金属パターン)が形成された(金属パターン形成工程)。
<樹脂パターンの除去>
次いで、40℃に調整した5質量%トリエチルアミン水溶液(沸点89℃)に60秒間浸漬することで、樹脂パターンを除去し、基材上にテーパー形状を有する金属パターンを形成した。
<基材の剥離>
上記において金属パターンを形成した導電性基材を、50mm/sで180度に折り返した状態で引っ張ることにより、剥離させ、金属パターンを有するメタルマスクを得た。
<断面形状の観察(テーパー形状評価)>
得られた金属パターンの断面形状を、基板面内の任意の10か所において電子顕微鏡(SEM)で観察し、図6に示すように、パターン頂部の幅(W5)と、パターンの層厚の半分の部分の幅(W6)、パターン麓部の幅(W7)、層厚(W8)を計測し、各々の平均値を用いて、tan(W8/((W5-W7)/2))の値を計算した。評価基準を以下に示す。
A:W5>W6>W7を満たし、上記値が、5.67未満である。
B:W5>W6>W7を満たし、上記値が、5.67以上である。
C:W5>W6>W7を満たさない。
<露光量マージン>
露光量を±5%変化させて露光した以外は、上記樹脂パターンの形成と同様にして得られた樹脂パターンの断面形状を上記と同様に観察し、図5に示すように、パターン頂部の幅(W1)と、パターンの膜厚の半分の部分の幅(W2)、パターン麓部の幅(W3)、膜厚(W4)を計測し、各々の平均値を用いて、tan(W4/((W3-W1)/2))の値を計算した。
上記の場合に、樹脂パターンの断面形状の観察(テーパー形状評価)と同様に評価を行った。
A:±5%変化させた露光量で露光し作製した樹脂パターンが、W3>W2>W1を満たし、上記値が、5.67未満である。
B:±5%変化させた露光量で露光し作製した樹脂パターンが、W3>W2>W1を満たし、上記値が、5.67以上である。
C:±5%変化させた露光量で露光し作製した樹脂パターンが、W3>W2>W1を満たさない。
(実施例2~9、並びに、比較例1及び2)
表2に記載のように、露光方法及び転写材料を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂パターン及び金属パターンを形成し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
より詳細には、以下の通りである。
実施例2では、実施例1で用いた散乱層を特定樹脂含有層である別の散乱層に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例2における特定樹脂含有層は、マトリックス材料であるポリメタクリル酸メチル(屈折率1.50)に対し、特定樹脂である平均一次粒子径1.5μmのシリカ粒子((株)日本触媒製シーホスターKE-P150、屈折率1.43)を、特定樹脂含有層全量に対し、固形分で15質量%含む、厚み30μmの層である。実施例2の散乱層においてマトリックス材料と特定粒子との屈折率の差は0.07であり、屈折率の差が0.05以上であった。また、実施例2の散乱層の散乱角は、30°であり、拡散透過率は、90%であった。
また、実施例2においては、特定樹脂含有層を、露光マスクのクロムパターン(遮光パターン)が形成されている面とは反対側の面にスピン塗布により成膜し、散乱層を形成した。
実施例3では、仮支持体を剥離し、露光マスクをネガ型感光性樹脂層に接触させてパターン露光した以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例4では、転写材料Bを用いた以外は、実施例3と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例5では、転写材料Cを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例6では、転写材料Dを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例7では、散乱層として、ライトアップLDS((株)きもと製、散乱角:30°、光拡散ポリマーフィルム、凹凸を有する樹脂層、厚み115μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例8では、露光マスク(ライン/スペース=5μm/20μmで、ライン長が100μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
実施例9では、露光マスクとして、図7に示す3μm×3μmの正方形のスペース部(開口部)SPが上下左右に25μmの間隔をあけて2次元配列(なお、図7では、3×3のスペース部のみを模式的に示した。)しており、上記スパース部以外の部分が遮光部であるマスクを使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
比較例1では、散乱層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
比較例2では、転写材料Bを用い、かつ散乱層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂パターン及び金属パターンを形成した。
上記表2に示すように、実施例1~9の金属パターンの形成方法は、比較例1又は2の金属パターンの形成方法と比べ、得られる金属パターンのテーパー形状に優れる。
(符号の説明)
12:基材、16:ネガ型感光性樹脂層、16A:パターン状の硬化層(樹脂パターン)、24:仮支持体、26:露光マスク、26A:露光マスクの遮光領域、28:散乱層、32:散乱性露光マスク、32A:散乱性露光マスクの遮光領域、100:積層体、102:基材、104:樹脂パターン、104a:ネガ型感光性樹脂層、106:金属パターン、θ1:樹脂パターンのテーパー角、θ2:金属パターンのテーパー角、W1:樹脂パターン頂部の幅、W2:樹脂パターンの層厚の半分の部分の幅、W3:樹脂パターン麓部の幅、W4:樹脂パターンの層厚、W5:金属パターン頂部の幅、W6:金属パターンの層厚の半分の部分の幅、W7:金属パターン麓部の幅、W8:金属パターンの層厚、SP:スペース部
2020年7月31日に出願された日本国特許出願2020-130530号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (19)

  1. ネガ型感光性樹脂層を基材上に有する積層体を準備する工程、
    前記ネガ型感光性樹脂層における前記基材が設けられた側とは反対側から、露光マスクの厚み方向に対し斜めに入射する成分を有する光を照射し、前記露光マスクを介して前記ネガ型感光性樹脂層をパターン露光する工程、
    前記パターン露光された前記ネガ型感光性樹脂層に現像してテーパー形状を有する樹脂パターンを形成する工程、及び、
    前記樹脂パターンの形状に対応するテーパー形状の金属パターンを形成する工程を含み、
    前記準備する工程が、仮支持体と前記仮支持体上に配置されたネガ型感光性樹脂層を有する転写材料を用いて、前記転写材料が有する前記ネガ型感光性樹脂層を前記基材の上に転写し前記積層体を形成することを含み、
    前記パターン露光する工程における前記パターン露光が、前記仮支持体を前記露光マスクに接触させて露光するコンタクト露光である
    金属パターンの形成方法。
  2. 前記パターン露光する工程において、前記露光マスクの前記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に、拡散透過率が5%以上である散乱層と、露光光源とをこの順で配置し、前記露光光源から前記散乱層を介して散乱光を照射する請求項1に記載の金属パターンの形成方法。
  3. 前記散乱層が、マトリックス材料と前記マトリックス材料中に存在する粒子とを含有し、前記マトリックス材料と前記粒子との屈折率の差が0.05以上である請求項2に記載の金属パターンの形成方法。
  4. 前記散乱層が、マトリックス材料と前記マトリックス材料中に存在する粒子とを含有し、前記粒子の平均一次粒子径が0.3μm以上である請求項2又は請求項3に記載の金属パターンの形成方法。
  5. 前記散乱層が、少なくとも一方の面に凹凸を有する請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  6. 前記凹凸が、複数の凸部を有し、隣り合う凸部と凸部との頂部間の距離が10μm~50μmである請求項5に記載の金属パターンの形成方法。
  7. 前記散乱層と前記露光マスクとが、互いに接触しない位置に配置されている請求項2~請求項6のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  8. 前記散乱層が、前記露光マスクと接触して、前記露光マスクにおける前記ネガ型感光性樹脂層側とは反対側に配置されている請求項2~請求項7のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  9. 前記露光マスクが、遮光パターンが形成された面とは反対側の面に前記散乱層が形成された、散乱性の露光マスクである請求項2~請求項6のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  10. 前記パターン露光する工程における前記パターン露光が、前記仮支持体を剥離した後、前記露光マスクを、前記ネガ型感光性樹脂層を有する前記積層体に接触させて露光するコンタクト露光である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  11. 前記基材が、導電性基材である請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  12. 前記金属パターンが、めっき法によって形成されてなる金属パターンである請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  13. 前記金属パターンを形成する工程の後、前記樹脂パターンを除去する工程を更に含む請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  14. 前記樹脂パターンの除去が、薬液によって行われる請求項13に記載の金属パターンの形成方法。
  15. 前記基材を前記金属パターンから除去する工程を更に含む請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  16. 前記樹脂パターンが、角錐台状又は円錐台状の樹脂パターンを含む請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  17. 前記ネガ型感光性樹脂層の厚みが、10μm以上である請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  18. 得られる金属パターンが、蒸着用メタルマスク用金属パターンである請求項1~請求項17のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法。
  19. 請求項1~請求項18のいずれか1項に記載の金属パターンの形成方法により金属パターンを形成することを含む蒸着用メタルマスクの製造方法。
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