JP2019184742A - 半導体素子の製造方法、および半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】アライメントマークなどのマークを簡易的に形成する。【解決手段】イオン注入用のレジストパターンを形成するに際し、ポジレジストを用いて側面が順テーパの第一レジストパターン141を基板101上に形成し、ネガレジストを用いて側面が逆テーパの第二レジストパターン142を基板101上に形成し、基板101に対しイオン注入を実施することにより、第一レジストパターン141の側面を含む露出面を変質させてマーク104を形成し、レジスト剥離液を用いて第二レジストパターン142を除去し、マーク104を基板101上に残存させる半導体素子の製造方法。【選択図】図3
Description
本発明は、製造過程でイオン注入を実施する半導体素子の製造方法、および当該製造方法により得られる半導体素子に関する。
従来、半導体素子の製造工程等においては、基板に薄膜を形成し、レジストによってパターンを形成し、先に形成された薄膜をレジストパターンに従ってエッチングする工程が複数回繰り返される。半導体素子としては、形成された各層の平面視における位置関係がずれると所望の性能を発揮させることができないため、先にエッチングされた薄膜と、次にレジストパターンを形成する際のパターン形成用マスクを精度良く位置合わせすることは重要である。
例えば特許文献1には、レジストを含む薄膜をエッチングする際にアライメントマークとなる部分を残存させておき、次にレジストパターンを形成する際に、このアライメントマークに基づいてパターン形成用マスクの位置合わせをする技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術のように、薄膜をエッチングしてアライメントマークを形成する場合、立体的なアライメントマークが形成されるため、次工程においてアライメントを容易に実行することができる。しかし、半導体素子の製造工程では、平面な薄膜の表面に所定パターンのイオンを注入する場合がある。イオン注入工程では、エッチング処理に比べて、表面の段差はほとんど得られないため、イオン注入で得られたマークの認識は非常に困難となる。また、段差のある専用のアライメントマークを先に形成するプロセスも考えられるが、複雑な工程が増えるので、望ましくない。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、イオン注入後の工程において認識が容易なマークを形成する半導体素子の製造方法、およびマークを備えた半導体素子の提供を目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の1つである半導体素子の製造方法は、イオン注入用のレジストパターンを形成するに際し、ポジレジストを用いて側面が順テーパの第一レジストパターンを基板上に形成し、ネガレジストを用いて側面が逆テーパの第二レジストパターンを前記基板上に形成し、前記基板に対しイオン注入を実施することにより、前記第一レジストパターンの前記側面を含む露出面を変質させてマークを形成し、レジスト剥離液を用いて第二レジストパターンを除去し、前記マークを前記基板上に残存させる。
これによれば、比較的簡単、短時間で形成できるレジストパターンを形成した後、半導体素子の機能部分を形成するイオン注入を先に形成したレジストパターンにも実施することにより立体的なマークを基板上に形成し、次工程において認識容易なマークを活用することができる。
なお、前記マークは、イオン注入後の工程におけるマスクの位置合わせに用いても良く、また製造される半導体素子に関する情報を提示しうる文字や記号、1次元コードや2次元コードのような形状としてもよい。
また、上記製造方法により得られる半導体素子は、基板に面していない面全体がイオン注入により変質したポジレジストであるマークを備える。これによれば、マークに基づき半導体素子の管理などを行う事ができる。
本発明によって、比較的形成が簡単なレジストパターンに対し半導体素子の製造に必要なイオン注入を実施することで、段差の大きく認識が容易な立体的マークを形成することができる。
次に、本発明に係る半導体素子の製造方法の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
図1は、第一レジストパターンを形成する工程における基板の端縁部を示す図である。まず図中の工程(a)に示すように、基板101上にポジレジスト膜121を形成する。
基板101は、特に限定されるものではない。例えば、基板101の材質は、形成される膜の種類により任意に選定される。具体的に基板101の材質はSi、SiC、GaN、サファイアなどを例示することができる。また、基板101は、材質の異なる複数の層を備えていてもよい。
ポジレジスト膜121は、ポジレジストにより基板101上に形成された膜である。ポジレジストは、いわゆるフォトレジストであり、光や電子線等によって溶解性などの物性が変化する組成物の1つである。ポジレジストは、光や電子線などにより露光されると現像液に対して溶解性が増大するレジストである。マスクなどを用いて露光されたポジレジスト膜121がアルカリ溶液などで現像されると露光された部分が除去され、マスクにより露光が妨げられた部分が残存する。ポジレジストの具体例としては、ノボラック樹脂等を例示することができる。
なお、第一レジストパターンについては、慣用的にレジストという名称を用いているが、基板101の表面をエッチングなどから保護するものでなくてもかまわない。
基板101の上にポジレジスト膜121を形成する方法は、特に限定されるものではないが、例えばスピンコート法、スプレーコート法などを例示することができる。また、ポジレジスト膜121の膜厚は、特に限定されるものではないが、ポジレジスト膜121は、マーク(後述)として用いられるものであるため、数μm以上であることが好ましい。
なお、基板101の上にポジレジストがコートされた後、ポジレジスト中の溶剤の除去、水分の除去などためにベーク処理が施され、ポジレジスト膜121が形成される。ベーク処理は、120°C〜150°C程度で行われ感光により変質可能な程度にポジレジストは熱架橋される。
図1に示す工程(b)は、第一露光工程を示している。第一露光工程とは、第一マスク131に描かれたパターンを、露光装置を使ってレジスト膜に転写する工程である。本実施の形態の場合、レジスト膜はポジレジスト膜121であるため、第一マスク131には、残存させたい部分については光を遮蔽し、それ以外の部分は光が透過するパターンが設けられている。第一マスク131は、半導体デバイスとしては機能しない領域である素子領域外201に遮光部133が配置されている。
具体的な露光方法は特に限定されるものではなく、密着露光方法、投影露光方法を例示することができる。本実施の形態の場合、等倍の投影露光方法が採用されている。これによりテーパ状の側面(後述)の形成が容易になるからである。
以上の第一露光工程によりポジレジスト膜121に次工程により除去が容易な部分と除去が困難な部分が形成される。また、ポジレジスト膜121が露光用の光を吸収することにより反応するため、ポジレジスト膜121の奥に進むほど光が弱くなり反応も乏しくなる。これにより、第一マスク131に遮蔽された部分から遠ざかるに従ってポジレジスト膜121に徐々に光が強く照射される。このようにグラデーション状に光が照射されることにより、工程(c)に示すように、順テーパの側面が形成される。
図1に示す工程(C)は、第一現像工程を示している。第一現像工程とは、露光後のポジレジスト膜121を現像液に接触させ、感光した領域を溶解除去する工程である。
以上の第一現像工程により、側面が順テーパの第一レジストパターン141が基板101上に形成される。ここで、側面が順テーパとは、第一レジストパターン141の対向する2つの側面が基板から離れるに従って徐々に近づく様に傾斜することを意味している。つまり、第一レジストパターン141の側面は、基板101を第一レジストパターン141が設けられている側から平面視した場合、見えるように傾斜している。例えば、第一レジストパターン141は、円錐台、角錐台、楕円錐台、またはこれらの組み合わせからなる形状となる。
なお、第一現像工程後にポストベーク処理を行い、第一レジストパターン141に熱エネルギを加えて第一レジストパターン141をさらに変質させ(ポストベーク工程)、次工程の影響、例えば溶剤による現像工程の影響を受け難くしてもかまわない。これにより第一レジストパターン141の形状を維持してもよい。
図2は、第二レジストパターンを形成する工程における基板の端縁部を示す図である。工程(d)に示すように、第一レジストパターン141が形成された基板101上にネガレジスト膜122を形成する。
ネガレジスト膜122は、ネガレジストにより第一レジストパターン141が形成された基板101上に形成された膜である。ネガレジストは、露光されると現像液に対して溶解性が減少するレジストである。マスクなどを用いて露光されたネガレジスト膜122が有機溶剤などで現像されると露光された部分が残存し、マスクにより露光が妨げられた部分が除去される。ネガレジストの具体例としては、エポキシ系の樹脂等を例示することができる。
基板101の上にネガレジスト膜122を形成する方法は、ポジレジスト膜121と同様に限定されるものではなく、ポジレジスト膜121と同様、または異なる方法で形成してもかまわない。ネガレジスト膜122は、半導体素子の機能部分を形成する膜であり、膜厚はポジレジスト膜121よりも薄くてもかまわない。
なお、ネガレジスト膜122を形成後、ポジレジスト膜121と同様、ベーク処理をしてもかまわない。
図2に示す工程(e)は、第二露光工程を示している。第二露光工程とは、第二マスク132に描かれたパターンを、露光装置を使ってレジスト膜に転写する工程である。本実施の形態の場合、レジスト膜はネガレジスト膜122であるため、第二マスク132には、残存させたい部分については光を透過し、それ以外の部分は光を遮蔽するパターンが設けられている。第二マスク132は、半導体デバイスとして機能する領域である素子領域202に透過部134が配置されている。
以上の第二露光工程によりネガレジスト膜122に次工程により除去が容易な部分と除去が困難な部分が形成される。また、ポジレジスト膜121の露光の場合と同様、第二マスクに遮蔽された部分から遠ざかるに従ってポジレジスト膜121に徐々に光が弱く照射される。このようにグラデーション状に光が照射されることにより、工程(e)に示すように、逆テーパの側面が形成される。
図2に示す工程(f)は、第二現像工程を示している。第二現像工程とは、露光後のネガレジスト膜122を現像液に接触させ、感光していない領域を溶解除去する工程である。
以上の第一現像工程により、側面が逆テーパの第二レジストパターン142が基板101上に形成される。ここで、側面が逆テーパとは、第二レジストパターン142の側面が第一レジストパターン141の側面とは逆方向に傾斜することを意味している。つまり、第二レジストパターン142の側面は、基板101を平面視した場合、見えないように傾斜している。例えば、第二レジストパターン142は、逆円錐台、逆角錐台、逆楕円錐台、またはこれらの組み合わせからなる形状となる。
図3は、イオン注入工程における基板の端縁部を示す図である。工程(g)に示すように、第一レジストパターン141、および第二レジストパターン142が形成された基板101上に半導体素子の製造に必要なイオンを注入する。注入されるイオンは特に限定されるものではなく、製造される半導体素子の種類、基板101の表層の材質などにより決定される。以上のように、基板101と共に第一レジストパターン141にイオン注入を実施することにより、第一レジストパターン141の側面を含む露出面にもイオンが注入され第一レジストパターン141の少なくとも表層が変質して図3の(h)に示すようにマーク104が形成される。
次に、図3の工程(i)は、第二レジストパターン142の除去工程を示している。除去工程は、レジスト剥離液を用いて第二レジストパターン142を除去し、マーク104を基板101上に残存させる工程である。レジスト剥離液は、特に限定されるものではなく、第二レジストパターン142の材質などにより適宜選定される。なお、第二レジストパターン142も、頂上部分はイオンが注入されて変質するが、第二レジストパターン142の側面は逆テーパであるため、イオンが注入されにくいためあまり変質しない。従って、レジスト剥離液により第二レジストパターン142は側面から侵食され、頂上部分が剥離するように除去される。一方、マーク104は、露出している表面は全体がイオンにより改質されているため、レジスト剥離液に抗して残存する。
以上のようにして、基板101上にマーク104を形成すれば、その後の工程においてマーク104をアライメントマークとして利用し、次工程のマスク等の位置合わせを実行してもよい。また、第一マスク131の遮光部分を文字、数字、記号などとして、マーク104を文字、数字、記号など視認可能な情報としても良く、また、一次元コードや二次元コードなどコンピュータにより処理することで製造される半導体素子に関する情報を提示してもかまわない。また、半導体素子に関する情報とは、特に限定されるものではないが、例えば、ロットを識別する情報、製造日付を示す情報などを例示できる。
上記実施の形態における半導体素子製造方法によれば、ポジレジスト塗布とそのパターンニングという比較的容易に短時間で実施できる工程を加えることにより、半導体素子を製造するために必要な工程を利用して明確に認識できるアライメントマーク、および刻印の少なくとも一方を形成することができる。従って、次工程においてマーク104の認識を容易にし、マスクなどの重ね合わせ制度を向上させることができる。
また、半導体素子製造方法により得られた半導体素子を、マーク104を用いて管理することも可能となる。
また、マーク104を基準にして重ね合わせ精度の測定を正確に実施することも可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
例えば、マーク104を基板101の端縁にある素子領域外201に設ける場合を説明したが、基板101状に複数の半導体素子を形成する場合、素子領域202の間にマーク104を設けてもかまわない。また、マーク104を複数箇所に設けてもかまわない。
また、イオン注入工程が複数回実施される場合、それぞれのイオン注入工程の前に異なる第一レジストパターン141を形成し、マーク104を複数回にわたって形成してもかまわない。
また、ポジレジスト膜121とネガレジスト膜122の膜厚が異なる場合を説明したが、同じ膜厚でもかまわない。
また、マーク104になるポジレジスト膜121の膜厚は、厚い方が段差がつくのでマーク104の視認性は向上する。従って、ポジレジスト膜121の膜厚は厚い方が好ましい。
また、ネガレジスト膜122の膜厚が薄い場合、イオン注入による未変質層が少なく、或いは無くなってしまい、剥離できなくなってしまう恐れがあるのため、ネガレジスト膜122の膜厚は、厚い方が好ましい。
本発明は、イオン注入により拡散層を形成する電界効果トランジスタなどの半導体素子の製造に利用可能である。
101:基板、104:マーク、121:ポジレジスト膜、122:ネガレジスト膜、131:第一マスク、132:第二マスク、133:遮光部、134:透過部、141:第一レジストパターン、142:第二レジストパターン、201:素子領域外、202:素子領域
Claims (4)
- イオン注入用のレジストパターンを形成するに際し、
ポジレジストを用いて側面が順テーパの第一レジストパターンを基板上に形成し、
ネガレジストを用いて側面が逆テーパの第二レジストパターンを前記基板上に形成し、
前記基板に対しイオン注入を実施することにより、前記第一レジストパターンの前記側面を含む露出面を変質させてマークを形成し、
レジスト剥離液を用いて第二レジストパターンを除去し、前記マークを前記基板上に残存させる
半導体素子の製造方法。 - 前記イオン注入後の工程において、前記マークに基づきマスクの位置合わせを行う
請求項1に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記マークは、製造される半導体素子に関する情報を提示しうる形状である
請求項1または2に記載の半導体素子の製造方法。 - 基板に面していない面全体がイオン注入により変質したポジレジストであるマークを備える
半導体素子。
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JP2018073378A JP2019184742A (ja) | 2018-04-05 | 2018-04-05 | 半導体素子の製造方法、および半導体素子 |
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WO2022024633A1 (ja) * | 2020-07-31 | 2022-02-03 | 富士フイルム株式会社 | 金属パターンの形成方法、及び、蒸着用メタルマスクの製造方法 |
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WO2022024633A1 (ja) * | 2020-07-31 | 2022-02-03 | 富士フイルム株式会社 | 金属パターンの形成方法、及び、蒸着用メタルマスクの製造方法 |
JPWO2022024633A1 (ja) * | 2020-07-31 | 2022-02-03 | ||
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