JP7213981B2 - 転写フィルム、積層体の製造方法およびタッチパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなタッチパネルでは、金属配線を含む電極を保護するための保護膜が設けられることが知られている。
Q2-R1-Q1 (1)
式1中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイルオキシ基または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表し、R1は二価の炭化水素基を表す。
また、本発明者らは、打ち抜き加工性について、感光性樹脂層の硬化後の破断伸びを大きくして改善を図ろうとすると、転写フィルムが有している仮支持体および保護フィルムの剥離性が劣る場合があることを明らかとした。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びが15%以上であり、
仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが50nm以下であり、
保護フィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが150nm以下である、転写フィルム。
[2] 下記式(1)を満たす、[1]に記載の転写フィルム。
X×Y<750 式(1)
ここで、式(1)中、Xは、感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びの値(%)を表し、Yは、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
[3] 下記式(2)を満たす、請求項1または2に記載の転写フィルム。
Y ≦ Z 式(2)
ここで、式(2)中、Yは、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表し、Zは、保護フィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
[4] 感光性樹脂層を硬化した硬化膜の膜厚40μmでの透湿度が500g/m2/24hr以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の転写フィルム。
[5] 感光性樹脂層を硬化した硬化膜の23℃での破断伸びに対し、120℃での破断伸びが2倍以上大きい、[1]~[4]のいずれかに記載の転写フィルム。
[6] 感光性樹脂層が、バインダーポリマー、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の転写フィルム。
[7] バインダーポリマーの酸価が30~160mgKOH/gである、[6]に記載の転写フィルム。
[8] 感光性樹脂層が、更に、酸基またはヒドロキシ基と反応可能な基を加熱により生起する化合物を含有する、[6]または[7]に記載の転写フィルム。
[9] 感光性樹脂層が、更に、マイケル付加反応可能な化合物を含有する、[6]~[8]のいずれかに記載の転写フィルム。
[10] 感光性樹脂層と保護フィルムとの間に、更に、感光性樹脂層よりも屈折率の高い屈折率調整層を有する、[1]~[9]のいずれかに記載の転写フィルム。
[11] 電極保護膜形成用である、[1]~[10]のいずれかに記載の転写フィルム。
電極を有する基板上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを感光性樹脂層側から転写する転写工程と、
転写した感光性樹脂層の少なくとも一部を硬化し、硬化膜を形成する硬化工程と、
硬化工程後に仮支持体を剥離し、電極を有する基板上に硬化膜が積層された積層体を得る第2剥離工程と、を有する、積層体の製造方法。
基板上にタッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された構造を有するタッチパネル用基板上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを感光性樹脂層側から転写する転写工程と、
転写した感光性樹脂層をパターン露光する露光工程と、
露光工程後に仮支持体を剥離する第2剥離工程と、
第2剥離工程後に、パターン露光された感光性樹脂層を現像することにより、タッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方の少なくとも一部を保護するタッチパネル用保護膜を得る現像工程と、を有するタッチパネルの製造方法。
なお、本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本開示における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の両方を包含する概念である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
本開示において、特段の断りが無い限り、分子量分布が有る化合物の分子量は、重量平均分子量である。
本開示において、特段の断りが無い限り、高分子の構成単位の比はモル比である。
本開示において、特段の断りが無い限り、屈折率はエリプソメーターで25℃において測定した波長550nmでの値である。
以下、本開示を詳細に説明する。
本発明の転写フィルムは、仮支持体と、感光性樹脂層と、保護フィルムとをこの順に有する転写フィルムである。
また、本発明の転写フィルムにおいては、感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びが15%以上である。
また、本発明の転写フィルムにおいては、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが50nm以下であり、保護フィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが150nm以下である。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、本発明の転写フィルムが、硬化後の120℃における破断伸びが15%以上となる感光性樹脂層を有することより、転写後の感光性樹脂層を硬化した硬化膜に靭性が生じ、その結果、打ち抜き加工性が良好になったと考えられる。
また、仮支持体および保護フィルムを剥離するタイミングと、転写後の感光性樹脂層を硬化するタイミングとを考慮した上で、仮支持体および保護フィルムにおける感光性樹脂層側の表面における算術平均粗さRaが上述した範囲に調整することにより、良好な打ち抜き加工性を維持しながら剥離性を向上させることができたと考えられる。
以下に、本発明の転写フィルムが有する各層について詳細に説明する。
本発明の転写フィルムは、仮支持体を有する。
仮支持体は、フィルムであることが好ましく、樹脂フィルムであることがより好ましい。仮支持体としては、可撓性を有し、かつ、加圧下、または、加圧および加熱下において、著しい変形、収縮、または伸びを生じないフィルムを用いることができる。
このようなフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、およびポリカーボネートフィルムが挙げられる。
これらの中でも、仮支持体としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
また、仮支持体として使用するフィルムには、シワ等の変形、傷などがないことが好ましい。
仮支持体は、仮支持体を介してパターン露光できるという観点から、透明性が高いことが好ましく、365nmの透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、および、仮支持体の透明性の観点から、仮支持体のヘイズは小さい方が好ましい。具体的には、仮支持体のヘイズ値が、2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.1%以下が特に好ましい。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、および、仮支持体の透明性の観点から、仮支持体に含まれる微粒子や異物や欠陥の数は少ない方が好ましい。直径1μm以上の微粒子や異物や欠陥の数は、50個/10mm2以下であることが好ましく、10個/10mm2以下であることがより好ましく、3個/10mm2以下であることが更に好ましく、0個/10mm2であることが特に好ましい。
ここで、算術平均粗さRaは、光学式の表面性状測定器を用いて測定した、JIS B0601:2001に準拠する算術平均粗さである。
仮支持体(特に粒子含有層)に含有させる粒子としては、有機系の粒子であっても、無機系の粒子であってもよい。
有機系の粒子としては、具体的には、例えば、ポリイミド系樹脂、オレフィンもしくは変性オレフィン系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、および、シリコーン樹脂などが挙げられる。
無機系の粒子としては、具体的には、例えば、酸化珪素、炭酸カルシウム、凝集アルミナ、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、および、硫酸バリウムなどが挙げられる。
また、仮支持体に含有させる粒子の数や粒径を調整することにより、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaを上述した範囲に調整することができる。
仮支持体の好ましい態様としては、例えば、特開2014-85643号公報の段落0017~段落0018)、特開2016-27363号公報の段落0019~0026、WO2012/081680A1公報の段落0041~0057、WO2018/179370A1公報の段落0029~0040に記載があり、これらの公報の内容は本明細書に組み込まれる。
仮支持体の好ましい市販品としては、ルミラー16KS40、ルミラー16FB40(以上、東レ株式会社製)、コスモシャインA4100、コスモシャインA4300、コスモシャインA8300(以上、東洋紡株式会社製)を挙げることができる。
本発明の転写フィルムは、感光性樹脂層を有する。
本発明の転写フィルムが有する感光性樹脂層は、硬化した硬化膜の120℃における破断伸びが15%以上となる感光性樹脂層である。言い換えると、硬化後の120℃における破断伸びが15%以上となる特性を有する感光性樹脂層である。
ここで、硬化膜の120℃における破断伸びは、以下に示す方法で測定した値を採用する。
まず、感光性樹脂層形成用の材料(以下、「感光性樹脂組成物」とも略す。)の固形分濃度を適宜調整し、乾燥後の厚みが20μmになるように、セラピール(東レ社製)上に塗布し、乾燥させ、破断伸び評価用の塗布膜を形成する。
次いで、セラピール表面に形成された塗布膜を、超高圧水銀ランプで120mJ/cm2露光して硬化した後、高圧水銀ランプで400mJ/cm2でさらに追加露光し、145℃で30分間加熱した後、3cm×5mmの大きさに切断する。
その後、塗布膜をセラピールから剥離する。
得られた塗布膜を引っ張り試験機(テンシロンRTG-1210:エー・アンド・デイ社製)により、120℃の環境下、50mm/分の速度で引っ張り試験を行う。引っ張り試験機には、図4に示すように、サンプル1の測定長さが20mmとなるようにチャック部2にセットする。なお、サンプル幅は5mmである。
この引っ張り試験において、塗布膜が破断する点の伸び率を5回測定し、平均値を破断伸びとして算出する。
ここで、硬化膜の23℃での破断伸びは、引っ張り試験の環境を120℃から23℃に変更した以外は、上述した方法と同様の方法で測定した値を採用する。
X×Y<750 式(1)
ここで、式(1)中、Xは、感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びの値(%)を表し、Yは、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
また、本発明においては、仮支持体および保護フィルムの剥離性と、転写後の感光性樹脂層を硬化した硬化膜の打ち抜き加工性とが更に高いレベルで両立できる理由から、X×Yの値は、400未満がより好ましく、70より大きいことが好ましい。
ここで、硬化膜の膜厚40μmでの透湿度は、以下の手順で測定した値を採用する。
仮支持体としての厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、スリット状ノズルを用い、感光性樹脂組成物を塗布し、次いで乾燥させることにより、厚さ8μmの感光性樹脂層を形成し、試料作製用転写フィルムを得る。
次に、試料作製用転写フィルムを、住友電工製PTFE(四フッ化エチレン樹脂)メンブレンフィルターFP-100-100上にラミネートし、仮支持体/厚さ8μmの感光性樹脂層/メンブレンフィルターの層構造を有する積層体Aを形成する。ラミネートの条件は、メンブレンフィルター温度40℃、ラミロール温度110℃、線圧3N/cm、搬送速度2m/分とする。
次に、積層体Aから仮支持体を剥離する。
以上の操作を5回繰り返すことにより、合計膜厚40μmの感光性樹脂層/メンブレンフィルターの積層構造を有する積層体Bを形成する。
得られた積層体Bの感光性樹脂層を、i線によって露光量300mJ/cm2にて露光した後、145℃、30分間のポストベークを行うことにより、感光性樹脂層を硬化させて硬化膜を形成する。
以上により、合計膜厚40μmの硬化膜/メンブレンフィルターの積層構造を有する透湿度測定用試料を得る。
透湿度測定用試料を用い、JIS-Z-0208(1976)を参考にして、カップ法による透湿度測定を実施する。
まず、透湿度測定用試料から直径70mmの円形試料を切り出す。
次に、測定カップ内に乾燥させた20gの塩化カルシウムを入れ、次いで上記円形試料によって蓋をすることにより、蓋付き測定カップを準備する。
この蓋付き測定カップを、恒温恒湿槽内にて65℃、90%相対湿度(RH)の条件で24時間放置する。
放置前後での蓋付き測定カップの質量変化から、円形試料の水蒸気透過度(単位:g/m2/24hr)を算出する。
上記測定を3回実施し、水蒸気透過度の平均値を透湿度として算出する。
バインダーポリマーは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
バインダーポリマーは、例えば、現像性の観点から、酸価が30~160mgKOH/gのバインダーポリマーであることが好ましく、酸価が30~160mgKOH/gのアルカリ可溶性樹脂であることがより好ましい。
なお、本開示において、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液への溶解度が0.1質量%以上であることを意味する。
また、バインダーポリマーの酸価は、JIS K0070:1992に記載の方法に従って、測定される値である。
また、バインダーポリマーは、例えば、加熱により架橋成分と熱架橋し、強固な膜を形成しやすいという観点から、酸価が30~160mgKOH/gのカルボキシ基を有する樹脂(いわゆる、カルボキシ基含有樹脂)であることが更に好ましく、酸価が30~160mgKOH/gのカルボキシ基を有するアクリル樹脂(いわゆる、カルボキシ基含有アクリル樹脂)であることが特に好ましい。
なお、本開示において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル化合物由来の構成単位を有する樹脂を指し、上記構成単位の含有量が、樹脂の全質量に対し、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
なお、本開示において、スチレン-アクリル共重合体とは、スチレン化合物由来の構成単位と、(メタ)アクリル化合物由来の構成単位とを有する樹脂を指し、上記スチレン化合物由来の構成単位、上記(メタ)アクリル化合物由来の構成単位の合計含有量が、上記共重合体の全質量に対し、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
また、スチレン化合物由来の構成単位の含有量は、上記共重合体の全質量に対し、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。
また、上記(メタ)アクリル化合物由来の構成単位の含有量は、上記共重合体の全質量に対し、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上95質量%以下であることが特に好ましい。
更に、上記(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート化合物、および、(メタ)アクリル酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物が好ましい。
バインダーポリマーは、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、芳香環を有する構成単位を有することが好ましい。
芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、スチレン、tert-ブトキシスチレン、メチルスチレン、α-メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、スチレン化合物が好ましく、スチレンが特に好ましい。
また、バインダーポリマーは、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、下記式(S)で表される構成単位(スチレン由来の構成単位)を有することがより好ましい。
また、バインダーポリマーにおける芳香環を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~60モル%であることがより好ましく、20モル%~50モル%であることが特に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける上記式(S)で表される構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~60モル%であることがより好ましく、20モル%~50モル%であることが特に好ましい。
なお、本開示において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、上記「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本開示において、上記「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
バインダーポリマーは、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、脂肪族炭化水素環を有する構成単位を有することが好ましい。
脂肪族炭化水素環を有する構成単位における脂肪族炭化水素環としては、トリシクロデカン環、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、ノルボルナン環、イソボロン環等が挙げられる。
これらの中でも、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環であることが好ましく、テトラヒドロジシクロペンタジエン環(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環)であることが特に好ましい。
脂肪族炭化水素環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、バインダーポリマーは、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、下記式(Cy)で表される構成単位を有することがより好ましく、上記式(S)で表される構成単位、および、下記式(Cy)で表される構成単位を有することが特に好ましい。
式(Cy)におけるRCyは、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、炭素数5~20の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることが好ましく、炭素数6~16の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることがより好ましく、炭素数8~14の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることが特に好ましい。
また、式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、シクロペンタン環構造、シクロヘキサン環構造、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造、ノルボルナン環構造、または、イソボロン環構造であることが好ましく、シクロヘキサン環構造、または、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造であることがより好ましく、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造であることが特に好ましい。
更に、式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造であることが好ましく、2環以上4環以下の脂肪族炭化水素環が縮環した環であることがより好ましい。
更にまた、式(Cy)におけるRCyは、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、式(Cy)における-C(=O)O-の酸素原子と脂肪族炭化水素環構造とが直接結合する基、すなわち、脂肪族炭化水素環基であることが好ましく、シクロヘキシル基、または、ジシクロペンタニル基であることがより好ましく、ジシクロペンタニル基であることが特に好ましい。
バインダーポリマーが脂肪族炭化水素環を有する構成単位を含む場合、脂肪族炭化水素環を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、バインダーポリマーの全質量に対し、5質量%~90質量%であることが好ましく、10質量%~80質量%であることがより好ましく、20質量%~70質量%であることが特に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける脂肪族炭化水素環を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~60モル%であることがより好ましく、20モル%~50モル%であることが特に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける上記式(Cy)で表される構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度および強度の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~60モル%であることがより好ましく、20モル%~50モル%であることが特に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける芳香環を有する構成単位および脂肪族炭化水素環を有する構成単位の総含有量は、得られる硬化膜の透湿度、曲げ耐性および強度の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、10モル%~80モル%であることが好ましく、20モル%~70モル%であることがより好ましく、40モル%~60モル%であることが特に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける上記式(S)で表される構成単位および上記式(Cy)で表される構成単位の総含有量は、得られる硬化膜の透湿度、曲げ耐性および強度の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、10モル%~80モル%であることが好ましく、20モル%~70モル%であることがより好ましく、40モル%~60モル%であることが特に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける上記式(S)で表される構成単位のモル量nSと上記式(Cy)で表される構成単位のモル量nCyは、得られる硬化膜の透湿度、曲げ耐性および強度の観点から、下記式(SCy)に示す関係を満たすことが好ましく、下記式(SCy-1)を満たすことがより好ましく、下記式(SCy-2)を満たすことが特に好ましい。
0.2≦nS/(nS+nCy)≦0.8 式(SCy)
0.30≦nS/(nS+nCy)≦0.75 式(SCy-1)
0.40≦nS/(nS+nCy)≦0.70 式(SCy-2)
バインダーポリマーは、得られる硬化膜の強度、および、現像性の観点から、酸基を有する構成単位を有することが好ましい。
上記酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基、リン酸基等が挙げられるが、カルボキシ基が好ましい。
上記酸基を有する構成単位としては、下記に示す、(メタ)アクリル酸由来の構成単位が好ましく挙げられ、メタクリル酸由来の構成単位がより好ましく挙げられる。
バインダーポリマーが酸基を有する構成単位を含む場合、酸基を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の強度、および、現像性の観点から、バインダーポリマーの全質量に対し、5質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~40質量%であることがより好ましく、10質量%~30質量%であることが特に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける酸基を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の強度、および、現像性の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~50モル%であることがより好ましく、20モル%~40モル%であることが特に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける(メタ)アクリル酸由来の構成単位の含有量は、得られる硬化膜の強度、および、現像性の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~50モル%であることがより好ましく、20モル%~40モル%であることが特に好ましい。
バインダーポリマーは、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、反応性基を有していることが好ましく、反応性基を有する構成単位を有することがより好ましい。
反応性基としては、ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。また、バインダーポリマーがエチレン性不飽和基を有している場合、バインダーポリマーは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。
本開示において、「主鎖」とは、樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは、主鎖から枝分かれしている原子団を表す。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
反応性基を有する構成単位の一例としては、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
バインダーポリマーが反応性基を有する構成単位を含む場合、反応性基を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全質量に対し、5質量%~70質量%であることが好ましく、10質量%~50質量%であることがより好ましく、20質量%~40質量%であることが特に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける反応性基を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全量に対し、5モル%~70モル%であることが好ましく、10モル%~60モル%であることがより好ましく、20モル%~50モル%であることが特に好ましい。
反応性基をバインダーポリマーに導入する手段の好ましい例としては、カルボキシ基を有するポリマーを重合反応により合成した後、高分子反応により、得られたポリマーのカルボキシ基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートを反応させて、(メタ)アクリロキシ基をポリマーに導入する手段が挙げられる。この手段により、側鎖に(メタ)アクリロキシ基を有するバインダーポリマーを得ることができる。
上記重合反応は、70℃~100℃の温度条件で行うことが好ましく、80℃~90℃の温度条件で行うことがより好ましい。上記重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾ系開始剤が好ましく、例えば、富士フイルム和光純薬(株)製のV-601(商品名)またはV-65(商品名)がより好ましい。上記高分子反応は、80℃~110℃の温度条件で行うことが好ましい。上記高分子反応においては、アンモニウム塩等の触媒を用いることが好ましい。
バインダーポリマーの各構成単位の残存モノマーの含有量は、パターニング性、及び、信頼性の点から、バインダーポリマー全質量に対して、5,000質量ppm以下が好ましく、2,000質量ppm以下がより好ましく、500質量ppm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、1質量ppm以上が好ましく、10質量ppm以上がより好ましい。
バインダーポリマーの各構成単位の残存モノマーは、パターニング性、及び、信頼性の点から、感光性組成物層全質量に対して、3,000質量ppm以下が好ましく、600質量ppm以下がより好ましく、100質量ppm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、0.1質量ppm以上が好ましく、1質量ppm以上がより好ましい。
高分子反応でバインダーポリマーを合成する際のモノマーの残存モノマー量も上記範囲とすることが好ましい。例えば、カルボン酸側鎖にアクリル酸グリシジルを反応させてバインダーポリマーを合成する場合には、アクリル酸グリシジルの含有量を上記範囲にすることが好ましい。
残存モノマーの量は液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどの公知の方法で測定することができる。
バインダーポリマーの含有量は、例えば、硬化膜の強度、および、転写フィルムにおけるハンドリング性の観点から、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分に対し、10質量%~90質量%であることが好ましく、20質量%~80質量%であることがより好ましく、30質量%~70質量%であることが更に好ましい。
重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物(以下、単に「エチレン性不飽和化合物」とも略す。)であることが好ましい。
エチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物は、感光性樹脂層の感光性(すなわち、光硬化性)および硬化膜の強度に寄与する成分である。
また、エチレン性不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
ここで、2官能以上のエチレン性不飽和化合物とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、より具体的には、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業(株)製)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業(株)製)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(A-NOD-N、新中村化学工業(株)製)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(A-HD-N、新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物、等が挙げられる。
3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、8UX-015A(大成ファインケミカル(株)製)、UA-32P(新中村化学工業(株)製)、UA-1100H(新中村化学工業(株)製)、共栄社化学(株)製のAH-600(商品名)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UX-5000(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
酸基としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基、および、カルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、酸基を有する3~4官能のエチレン性不飽和化合物(ペンタエリスリトールトリおよびテトラアクリレート(PETA)骨格にカルボキシ基を導入したもの(酸価=80~120mgKOH/g))、酸基を有する5~6官能のエチレン性不飽和化合物(ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート(DPHA)骨格にカルボキシ基を導入したもの(酸価=25~70mgKOH/g))、等が挙げられる。これら酸基を有する3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、必要に応じ、酸基を有する2官能のエチレン性不飽和化合物と併用してもよい。
カルボキシ基を含有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物は、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。
カルボキシ基を含有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成(株)製)、アロニックスM-520(東亞合成(株)製)、または、アロニックスM-510(東亞合成(株)製)を好ましく用いることができる。
Q2-R1-Q1 式(I)
式(I)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、R1は鎖状構造を有する二価の連結基を表す。
また、式(I)におけるQ1およびQ2は、反応性の観点から、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
式(I)におけるR1は、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、アルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基(-L1-O-L1-)、または、ポリアルキレンオキシアルキレン基(-(L1-O)p-L1-)であることが好ましく、炭素数2~20の炭化水素基、または、ポリアルキレンオキシアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4~20のアルキレン基であることが更に好ましく、炭素数6~18の直鎖アルキレン基であることが特に好ましい。上記炭化水素基は、少なくとも一部に鎖状構造を有していればよく、例えば、直鎖状、分岐鎖状、環状、および、それらの組み合わせのいずれであってもよく、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、アルキレン基、または、2以上のアルキレン基と1以上のアリーレン基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましく、直鎖アルキレン基であることが特に好ましい。
なお、上記L1はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、エチレン基、プロピレン基、または、ブチレン基であることが好ましく、エチレン基、または、1,2-プロピレン基であることがより好ましい。pは2以上の整数を表し、2~10の整数であることが好ましい。
本開示において、「Q1とQ2の間を連結する最短の連結鎖の原子数」とは、Q1に連結するR1における原子からQ2に連結するR1における原子までを連結する最短の原子数である。
上記化合物の中でも、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、および、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましく、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、および、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることがより好ましく、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、および、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが特に好ましい。
また、感光性樹脂層に用いられるエチレン性不飽和化合物のうち、分子量300以下のエチレン性不飽和化合物の含有量の割合は、感光性樹脂層に含有されるすべてのエチレン性不飽和化合物に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
感光性樹脂層におけるエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、1質量%~70質量%が好ましく、5質量%~70質量%がより好ましく、10質量%~70質量%が更に好ましく、20質量%~60質量%が特に好ましく、20質量%~50質量%が最も好ましい。
また、この場合、3官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性樹脂層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物に対し、10質量%~90質量%が好ましく、15質量%~80質量%がより好ましく、20質量%~70質量%が更に好ましい。
また、この場合、2官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量は、2官能のエチレン性不飽和化合物と3官能以上のエチレン性不飽和化合物との総含有量に対し、40質量%以上100質量%未満であることが好ましく、40質量%~90質量%であることがより好ましく、50質量%~80質量%であることが更に好ましく、50質量%~70質量%であることが特に好ましい。
更に、感光性樹脂層が2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含有する場合、感光性樹脂層に含有されるエチレン性不飽和化合物において、2官能以上のエチレン性不飽和化合物が主成分であることが好ましい。
具体的には、感光性樹脂層が2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含有する場合において、2官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性樹脂層に含有されるエチレン性不飽和化合物の総含有量に対し、60質量%~100質量%が好ましく、80質量%~100質量%がより好ましく、90質量%~100質量%が特に好ましい。
光重合開始剤としては特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤」ともいう。)、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤」ともいう。)、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤(以下、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」ともいう。)、N-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤(以下、「N-フェニルグリシン系光重合開始剤」ともいう。)等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましい。
また、光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
熱架橋性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メチロール化合物、ブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。中でも、得られる硬化膜の強度、および、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、以下にも示すブロックイソシアネート化合物が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物とは、「イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(いわゆる、マスク)した構造を有する化合物」を指す。
ブロックイソシアネート化合物の解離温度は、特に制限されないが、100℃~160℃であることが好ましく、130℃~150℃であることがより好ましい。
ここで、ブロックイソシアネートの解離温度とは、「示差走査熱量計を用いて、DSC(Differential scanning calorimetry)分析にて測定した場合における、ブロックイソシアネートの脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度」を意味する。
示差走査熱量計としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製の示差走査熱量計(型式:DSC6200)を好適に用いることができる。但し、示差走査熱量計は、これに限定されない。
これらの中でも、解離温度が100℃~160℃であるブロック剤としては、例えば、保存安定性の観点から、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート化して保護することにより得られる。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物の中でも、オキシム化合物をブロック剤として用いたオキシム構造を有する化合物が、オキシム構造を有さない化合物よりも解離温度を好ましい範囲にしやすく、かつ、現像残渣を少なくしやすいという観点から好ましい。
重合性基としては、特に制限はなく、公知の重合性基を用いることができる。
重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基等のエチレン性不飽和基、グリシジル基等のエポキシ基を有する基などが挙げられる。
これらの中でも、重合性基としては、得られる硬化膜における表面の面状、現像速度および反応性の観点から、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましく、アクリロキシ基が特に好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の市販品の例としては、カレンズ(登録商標) AOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BP等(以上、昭和電工(株)製)、ブロック型のデュラネートシリーズ(例えば、デュラネート(登録商標) TPA-B80E、旭化成ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
熱架橋性化合物を含む場合、熱架橋性化合物の含有量は、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、1質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~30質量%であることがより好ましい。
チオール化合物としては、単官能チオール化合物、または、多官能チオール化合物が好適に用いられる。中でも、硬化後の硬度の観点から、2官能以上のチオール化合物(多官能チオール化合物)を含むことが好ましく、多官能チオール化合物であることがより好ましい。
ここで、多官能チオール化合物とは、メルカプト基(チオール基)を分子内に2個以上有する化合物を意味する。
多官能チオール化合物としては、分子量100以上の低分子化合物が好ましく、具体的には、分子量100~1,500であることがより好ましく、150~1,000が更に好ましい。
多官能チオール化合物の官能基数としては、硬化後の硬度の観点から、2官能~10官能が好ましく、2官能~8官能がより好ましく、2官能~6官能が更に好ましい。
また、多官能チオール化合物としては、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性および硬度の観点から、脂肪族多官能チオール化合物であることが好ましい。
更に、チオール化合物としては、感光性転写材料の保存安定性の観点から、第二級チオール化合物がより好ましい。
単官能脂肪族チオール化合物としては、具体的には、1-オクタンチオール、1-ドデカンチオール、β-メルカプトプロピオン酸、メチル-3-メルカプトプロピオネート、2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート、n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート、メトキシブチル-3-メルカプトプロピオネート、ステアリル-3-メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
単官能芳香族チオール化合物としては、ベンゼンチオール、トルエンチオール、キシレンチオール等が挙げられる。
式1におけるAは、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性および硬度の観点から、炭素数1~15のn価の脂肪族基、または、上記式2で表される基であることが好ましく、炭素数4~15のn価の脂肪族基、または、上記式2で表される基であることがより好ましく、炭素数4~10のn価の脂肪族基、または、上記式2で表される基であることが更に好ましく、上記式2で表される基であることが特に好ましい。
また、式1におけるAは、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性、硬度および透湿性の観点から、水素原子および炭素原子からなるn価の基、または、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるn価の基であることが好ましく、水素原子および炭素原子からなるn価の基であることがより好ましく、n価の脂肪族炭化水素基であることが特に好ましい。
式1におけるR1はそれぞれ独立に、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性および硬度の観点から、炭素数1~15のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2~4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数3のアルキレン基であることが更に好ましく、1,2-プロピレン基であることが特に好ましい。上記アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。
式S-1中のR1Sにおけるアルキル基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、炭素数の範囲としては1~16が好ましく、1~10がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、2-エチルへキシル基等であり、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基が好ましい。
R1Sとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、または、イソプロピル基が特に好ましく、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式S-2中のnS価の連結基であるL1Sとしては、例えば-(CH2)mS-(mSは2~6の整数を表す。)、-(CH2)mS{(CH2)mSO}mT(CH2)mS-(mSおよびmTはそれぞれ独立に2~6の整数を表す。)などの二価の連結基、トリメチロールプロパン残基、-(CH2)pS-(pSは2~6の整数を表す。)を3個有するイソシアヌル環などの三価の連結基、ペンタエリスリトール残基などの四価の連結基、ジペンタエリスリトール残基などの五価または六価の連結基が挙げられる。
本発明の転写フィルムが有する感光性樹脂層または感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、複素環化合物を含有することが好ましい。
複素環化合物は、基材(特に、銅基板)に対する密着性、および金属(特に、銅)の腐食抑制性の向上に寄与する。
複素環化合物が有する複素環は、単環および多環のいずれの複素環でもよい。
複素環化合物が有するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。複素環化合物は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有することが好ましく、窒素原子を有することがより好ましい。
複素環化合物を含有する場合、複素環化合物の含有量は、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~10質量%であることがより好ましく、0.3質量%~8質量%であることがさらに好ましく、0.5質量%~5質量%であることが特に好ましい。複素環化合物の含有量が上記範囲内であることで、基材(特に、銅基板)に対する密着性、および金属(特に、銅)の腐食抑制性を向上できる。
本発明の転写フィルムが有する感光性樹脂層または感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤としては、特に制限されず、公知の界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、特許第4502784号公報の段落0017および特開2009-237362号公報の段落0060~0071に記載の界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品の例としては、メガファック(登録商標)F551A(DIC(株)製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファック F-171、F-172、F-173、F-176、F-177、F-141、F-142、F-143、F-144、F-437、F-475、F-477、F-479、F-482、F-551-A、F-552、F-554、F-555-A、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-565、F-563、F-568、F-575、F-780、EXP、MFS-330、R-41、R-41-LM、R-01、R-40、R-40-LM、RS-43、TF-1956、RS-90、R-94、RS-72-K、DS-21(以上、DIC株式会社製)、フロラード FC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393、KH-40(以上、AGC(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)、フタージェント 710FM、610FM、601AD、601ADH2、602A、215M、245F(以上、(株)NEOS製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファック DSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファック DS-21が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。
フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。メガファック RS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K(以上、DIC株式会社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニック L10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(以上、BASF社製)、テトロニック 304、701、704、901、904、150R1(以上、BASF社製)、ソルスパース 20000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(以上、富士フイルム和光純薬(株)製)、パイオニン D-6112、D-6112-W、D-6315(以上、竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(以上、日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
ケイ素系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマー、及び、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
ケイ素系界面活性剤の市販品の例としては、DOWSIL 8032 ADDITIVE、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)並びに、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、K354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-6191、X-22-4515、KF-6004、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、F-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。DOWSIL(登録商標)8032(ダウ・東レ(株)製)が挙げられる。
感光性樹脂層に、後述する保護フィルムを圧着及び剥離し易い点でケイ素系界面活性剤は好ましい。
界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、0.01質量%~3質量%であることが好ましく、0.05質量%~1質量%であることがより好ましく、0.1質量%~0.8質量%であることが更に好ましい。
本発明の転写フィルムが有する感光性樹脂層または感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、水素供与性化合物を含むことが好ましい。
ここで、水素供与性化合物は、光重合開始剤の活性光線に対する感度を一層向上させる、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
水素供与性化合物としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44-20189号公報、特開昭51-82102号公報、特開昭52-134692号公報、特開昭59-138205号公報、特開昭60-84305号公報、特開昭62-18537号公報、特開昭64-33104号公報、Research Disclosure 33825号等に記載の化合物等が挙げられる。
水素供与性化合物の具体例としては、トリエタノールアミン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p-ホルミルジメチルアニリン、p-メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
水素供与性化合物を含む場合、水素供与性化合物の含有量は、例えば、重合成長速度と連鎖移動のバランスとによる硬化速度の向上の観点から、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.03質量%~5質量%であることがより好ましく、0.05質量%~3質量%であることが更に好ましい。
本発明の転写フィルムが有する感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
感光性樹脂組成物が溶剤を含むと、塗布による感光性樹脂層の形成がより容易となる傾向がある。
溶剤としては、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(別名:1-メトキシ-2-プロピルアセテート)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、n-プロパノール、2-プロパノール等が挙げられる。
溶剤としては、メチルエチルケトンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤、または、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤が好ましい。
また、溶剤としては、必要に応じ、沸点が180℃~250℃である有機溶剤(高沸点溶剤)を用いることもできる。
溶剤を含む場合、感光性樹脂組成物の固形分量は、感光性樹脂組成物の全質量に対し、5質量%~80質量%であることが好ましく、5質量%~40質量%であることがより好ましく、5質量%~30質量%であることが特に好ましい。
粘度は、粘度計を用いて測定される。粘度計としては、例えば、東機産業(株)製の粘度計(商品名:VISCOMETER TV-22)を好適に用いることができる。但し、粘度計は、これに限定されない。
表面張力は、表面張力計を用いて測定される。表面張力計としては、例えば、協和界面科学(株)製の表面張力計(商品名:Automatic Surface Tensiometer CBVP-Zを好適に用いることができる。但し、表面張力計は、これに限定されない。
本発明の転写フィルムが有する感光性樹脂層または感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、既述の成分以外の成分(いわゆる、その他の成分)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、粒子(例えば、金属酸化物粒子)、着色剤等が挙げられる。
また、その他の成分としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤、特開2000-310706号公報の段落0058~0071に記載のその他の添加剤等も挙げられる。
感光性樹脂層または感光性樹脂組成物は、屈折率、光透過性等の調節を目的として、粒子(例えば、金属酸化物粒子;以下、同じ。)を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子における金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれる。
粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
感光性樹脂層または感光性樹脂組成物は、粒子を含まないか、或いは、粒子の含有量が感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し0質量%を超えて35質量%以下であることが好ましく、粒子を含まないか、或いは、粒子の含有量が感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し0質量%を超えて10質量%以下であることがより好ましく、粒子を含まないか、或いは、粒子の含有量が感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し0質量%を超えて5質量%以下であることが更に好ましく、粒子を含まないか、或いは、粒子の含有量が感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し0質量%を超えて1質量%以下であることが更に好ましく、粒子を含まないことが特に好ましい。
感光性樹脂層または感光性樹脂組成物は、微量の着色剤(顔料、染料等)を含んでいてもよいが、例えば、透明性の観点からは、着色剤を実質的に含まないことが好ましい。
着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、感光性樹脂層または感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、1質量%未満が好ましく、0.1質量%未満がより好ましい。
感光性樹脂層の厚さが、20μm以下であると、転写フィルム全体の薄膜化、感光性樹脂層または得られる硬化膜の透過率向上、感光性樹脂層または得られる硬化膜の黄着色化抑制等の面で有利である。
感光性樹脂層の厚さは、例えば、製造適性の観点から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが特に好ましい。
感光性樹脂層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により測定した任意の5点の平均値として算出する。
感光性樹脂層は無彩色であることが好ましい。具体的には、全反射(入射角8°、光源:D-65(2°視野))が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、L*値は10~90であることが好ましく、a*値は-1.0~1.0であることが好ましく、b*値は-1.0~1.0であることが好ましい。
感光性樹脂層の形成方法の一例として、仮支持体上に、溶剤を含む態様の感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させることにより感光性樹脂層を形成する方法が挙げられる。
塗布の方法としては、公知の方法を用いることができる。
塗布の方法としては、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ダイコート法(すなわち、スリットコート法)等が挙げられる。
これらの中でも、塗布の方法としては、ダイコート法が好ましい。
乾燥の方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の公知の方法を用いることができ、これらの方法を単独でまたは複数組み合わせて適用することができる。
本開示において、「乾燥」とは、組成物に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去することを意味する。
本発明の転写フィルムは、保護フィルムを有する。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。
保護フィルムとしては、例えば、特開2006-259138号公報の段落0083~0087および0093に記載のフィルムを用いてもよい。
保護フィルム(特に粒子含有層)に含有させる粒子としては、仮支持体に含有させる粒子として例示したものと同様のものが挙げられる。
Y ≦ Z 式(2)
ここで、式(2)中、Yは、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表し、Zは、保護フィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
本発明の転写フィルムは、感光性樹脂層と保護フィルムとの間に、更に、感光性樹脂層よりも屈折率の高い屈折率調整層を有していてもよい。
屈折率調整層の屈折率の上限は、特に制限されないが、2.10以下であることが好ましく、1.85以下であることがより好ましく、1.78以下であることが更に好ましく、1.74以下であることが特に好ましい。
屈折率調整層は、アルカリ可溶性(例えば、弱アルカリ水溶液に対する溶解性)を有することが好ましい。
屈折率調整層の厚さは、50nm以上500nm以下であることが好ましく、55nm以上110nm以下であることがより好ましく、60nm以上100nm以下であることが更に好ましい。
屈折率調整層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により測定した任意の5点の平均値として算出する。
金属酸化物粒子の種類としては、特に制限はなく、公知の金属酸化物粒子を用いることができる。
金属酸化物粒子としては、具体的には、酸化ジルコニウム粒子(ZrO2粒子)、Nb2O5粒子、酸化チタン粒子(TiO2粒子)、および二酸化珪素粒子(SiO2粒子)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの中でも、金属酸化物粒子としては、例えば、屈折率調整層の屈折率を1.6以上に調整しやすいという観点から、酸化ジルコニウム粒子および酸化チタン粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。粒子の平均一次粒子径は、例えば、硬化膜の透明性の観点から、1nm~200nmであることが好ましく、3nm~80nmであることがより好ましい。
粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
金属酸化物粒子の市販品としては、
焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F04)、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F74)、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F75)、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F76)、
酸化ジルコニウム粒子(ナノユースOZ-S30M、日産化学工業(株)製)
酸化ジルコニウム粒子(ナノユースOZ-S30K、日産化学工業(株)製)
を挙げることができる。
金属酸化物粒子として酸化チタンを用いる場合、酸化チタン粒子の含有量は、屈折率調整層の全質量に対し、1質量%~95質量%であることが好ましく、20質量%~90質量%であることがより好ましく、40質量%~85質量%であることが更に好ましい。
屈折率調整層の成分については、特開2014-108541号公報の段落0019~0040および0144~0150に記載されている硬化性第二の樹脂層の成分、特開2014-10814号公報の段落0024~0035および0110~0112に記載されている透明層の成分、国際公開第2016/009980号の段落0034~0056に記載されている、アンモニウム塩を有する組成物の成分等を参照することができる。
屈折率調整層に含まれるバインダーポリマーとしては、感光性樹脂層に含まれるバインダーポリマーと同様のものを使用することができ、好ましい範囲も同様である。
屈折率調整層に含まれるエチレン性不飽和化合物としては、感光性樹脂層に含まれるエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物と同様のものを使用することができ、好ましい範囲も同様である。
金属酸化抑制剤としては、例えば、分子内に窒素原子を含む芳香環を有する化合物が好ましく挙げられる。
金属酸化抑制剤の例としては、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、テトラゾール、メルカプトチアジアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
屈折率調整層に含まれ得るその他の成分としては、既述の感光性樹脂層に含まれる各成分と同様のものが挙げられる。
屈折率調整層は、その他の成分として、界面活性剤を含むことが好ましい。
屈折率調整層の形成方法としては、特に限定はない。
屈折率調整層の形成方法の一例として、仮支持体上に形成された既述の感光性樹脂層上に、水系溶剤を含む態様の屈折率調整層形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させることにより屈折率調整層を形成する方法が挙げられる。
屈折率調整層の形成方法における塗布および乾燥の方法の具体例は、それぞれ感光性樹脂層の形成方法における塗布および乾燥の具体例と同様である。
本発明の転写フィルムは、更に、仮支持体と感光性樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
転写フィルムが熱可塑性樹脂層を更に有すると、転写フィルムを基板に転写して積層体を形成した場合に、積層に起因する気泡が発生し難くなる。この積層体を画像表示装置に用いた場合には、画像ムラ等が発生し難くなり、優れた表示特性が得られる。
熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性を有することが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、転写時において、基板表面の凹凸を吸収するクッション材として機能する。
基板表面の凹凸には、既に形成されている、画像、電極、配線等も含まれる。
熱可塑性樹脂層は、凹凸に応じて変形し得る性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層の厚さが3μm以上であると、基板表面の凹凸に対する追従性がより向上するため、基板表面の凹凸をより効果的に吸収できる。
熱可塑性樹脂層の厚さが30μm以下であると、製造適性がより向上するため、例えば、仮支持体に熱可塑性樹脂層を塗布形成する際の乾燥(いわゆる、溶剤除去のための乾燥)の負荷がより軽減され、また、転写後の熱可塑性樹脂層の現像時間がより短縮される。
熱可塑性樹脂層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により測定した任意の5点の平均値として算出する。
熱可塑性樹脂層の形成方法における塗布および乾燥の方法の具体例は、それぞれ感光性樹脂層の形成方法における塗布および乾燥の具体例と同様である。
溶剤は、熱可塑性樹脂層を形成する高分子成分を溶解するものであれば、特に制限されない。
溶剤としては、有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n-プロパノール、および2-プロパノール)が挙げられる。
本発明の転写フィルムは、更に、仮支持体と感光性樹脂層との間に、中間層を有していてもよい。
本発明の転写フィルムが熱可塑性樹脂層を有する場合、中間層は、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間に配置されていることが好ましい。
中間層に含まれる成分としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーが挙げられる。
また、中間層としては、特開平5-72724号公報に「分離層」として記載されているものを用いることもできる。
詳細には、まず、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させて、熱可塑性樹脂層を形成する。次いで、形成した熱可塑性樹脂層上に、中間層形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させて、中間層を形成する。次いで、形成した中間層上に、有機溶剤を含む態様の感光性樹脂組成物(いわゆる、感光性樹脂層形成用組成物)を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を形成する。なお、感光性樹脂層形成用組成物に含まれる有機溶剤は、中間層を溶解しない有機溶剤であることが好ましい。
中間層の形成方法における塗布および乾燥の方法の具体例は、それぞれ感光性樹脂層の形成方法における塗布および乾燥の具体例と同様である。
本開示に係る転写フィルムにおいて、信頼性やパターニング性を向上させる観点から感光性樹脂層、および、上記屈折率調整層の不純物の含有量が少ないことが好ましい。
不純物の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、およびこれらのイオン、並びに、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)などが挙げられる。中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンは不純物として混入し易いため、下記の含有量にすることが特に好ましい。
各層における不純物の含有量は、質量基準で、1,000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、40ppm以下が特に好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界および測定限界の観点から、質量基準で、10ppb以上とすることができ、100ppb以上とすることができる。
不純物を上記範囲に減らす方法としては、各層の原料に不純物を含まないものを選択すること、および層の形成時に不純物の混入を防ぐこと、洗浄して除去すること等が挙げられる。このような方法により、不純物量を上記範囲内とすることができる。
不純物は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法、原子吸光分光法、イオンクロマトグラフィー法等の公知の方法で定量することができる。
化合物の不純物は、上記の金属の不純物と同様の方法で含有量を抑制することができる。また、公知の測定法により定量することができる。
図1は、本発明の転写フィルムの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、転写フィルム10は、保護フィルム16/屈折率調整層20A/感光性樹脂層18A/仮支持体12の積層構造(すなわち、仮支持体12と、感光性樹脂層18Aと、屈折率調整層20Aと、保護フィルム16と、がこの順に配置された積層構造)を有する。
ただし、本発明の転写フィルムは、転写フィルム10であることには限定されず、例えば、屈折率調整層20Aは省略されていてもよい。また、仮支持体12と感光性樹脂層18Aとの間に、既述の熱可塑性樹脂層および中間層の少なくとも一方を有していてもよい。
転写フィルム10は、ネガ型材料(いわゆる、ネガ型フィルム)である。
転写フィルム10の製造方法は、例えば、仮支持体12上に感光性樹脂層18Aを形成する工程と、感光性樹脂層18A上に屈折率調整層20Aを形成する工程と、屈折率調整層20A上に保護フィルム16を形成する工程と、をこの順に含む。
転写フィルム10の製造方法は、屈折率調整層20Aを形成する工程と保護フィルム16を形成する工程との間に、国際公開第2016/009980号の段落0056に記載されている、アンモニアを揮発させる工程を含んでもよい。
本発明の転写フィルムの用途は、特に制限はないが、仮支持体および保護フィルムの剥離性に優れ、転写後の感光性樹脂層を硬化した硬化膜の打ち抜き加工性に優れるため、タッチパネル用の転写フィルムとして好適に用いることができ、タッチパネルにおける保護膜形成用の転写フィルムとしてより好適に用いることができ、タッチパネルにおける電極保護膜形成用の転写フィルムとして特に好適に用いることができる。
本発明の積層体の製造方法は、
上述した本発明の転写フィルムから保護フィルムを剥離する第1剥離工程と、
電極を有する基板上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを感光性樹脂層側から転写する転写工程と、
転写した感光性樹脂層の少なくとも一部を硬化し、硬化膜を形成する硬化工程と、
硬化工程後に仮支持体を剥離し、電極を有する基板上に硬化膜が積層された積層体を得る第2剥離工程と、を有する。
なお、本発明の積層体の製造方法が有する第1剥離工程、転写工程および第2剥離工程における具体的な手法は、後述する本発明のタッチパネルの製造方法が有する第1剥離工程、転写工程および第2剥離工程で説明する手法と同様のものが挙げられる。
また、静電容量型入力装置の電極は、透明電極パターンであってもよく、引き回し配線であってもよい。
タッチパネル用電極としては、例えば、タッチパネルの少なくとも画像表示領域に配置される透明電極パターンが挙げられる。タッチパネル用電極は、画像表示領域からタッチパネルの枠部にまで延びていてもよい。
タッチパネル用配線としては、例えば、タッチパネルの枠部に配置される引き回し配線(いわゆる、取り出し配線)が挙げられる。
タッチパネル用基板およびタッチパネルの態様としては、透明電極パターンのタッチパネルの枠部に延びている部分に、引き回し配線の一部が積層されることにより、透明電極パターンと引き回し配線とが電気的に接続されている態様が好適である。
金属細線としては、銀、銅等の細線が挙げられる。中でも、銀メッシュ、銀ナノワイヤー等の銀導電性材料が好ましい。
引き回し配線の材質である金属としては、金、銀、銅、モリブデン、アルミニウム、チタン、クロム、亜鉛およびマンガン、並びに、これらの金属元素の2種以上からなる合金が挙げられる。引き回し配線の材質としては、銅、モリブデン、アルミニウムまたはチタンが好ましく、銅が特に好ましい。
図2は、本発明の転写フィルムを用いて転写した感光性樹脂層を有するタッチパネルの第1具体例を示す概略断面図である。より詳細には、図2は、タッチパネル30の画像表示領域の概略断面図である。
図2に示すように、タッチパネル30は、基板32と、第二屈折率調整層36と、タッチパネル用電極としての透明電極パターン34と、第一屈折率調整層20と、タッチパネル用電極保護膜18と、がこの順序で配置された構造を有する。
タッチパネル30では、タッチパネル用電極保護膜18および第一屈折率調整層20が、透明電極パターン34の全体を覆っている。
第二屈折率調整層36および第一屈折率調整層20は、第1領域40および第2領域42の両方を、他の層を介して被覆するよりも、直接被覆することが好ましい。
「他の層」としては、絶縁層、透明電極パターン34以外の電極パターン等が挙げられる。
第二屈折率調整層36と接触する箇所における透明電極パターン34の端部の形状が、図2に示される如きテーパー形状である場合は、テーパー形状に沿って(すなわち、テーパー角と同じ傾きで)、第一屈折率調整層20が積層されていることが好ましい。
透明電極パターン34は、例えば、以下の方法により形成できる。
第二屈折率調整層36が形成された基板32の上に、スパッタリングにより電極用薄膜(例えば、ITO膜)を形成する。次いで、形成した電極用薄膜の上に、エッチング用感光性レジストを塗布することにより、または、エッチング用感光性フィルムを転写することにより、エッチング保護層を形成する。次いで、形成したエッチング保護層を、露光および現像により、所望とするパターン形状にパターニングする。次いで、エッチングにより、電極用薄膜のうち、パターニングされたエッチング保護層に覆われていない部分を除去し、電極用薄膜を所望の形状のパターン(すなわち、透明電極パターン34)とする。次いで、剥離液によりパターニングされたエッチング保護層を除去する。
図3は、本発明の転写フィルムを用いて転写した感光性樹脂層を有するタッチパネルの第2具体例を示す概略断面図である。
図3に示すように、タッチパネル90は、画像表示領域74および画像非表示領域75(すなわち、枠部)を有する。
また、タッチパネル90は、基板32の両面にタッチパネル用電極を備えている。詳細には、タッチパネル90は、基板32の一方の面に第1透明電極パターン70を備え、他方の面に第2透明電極パターン72を備えている。
タッチパネル90では、第1透明電極パターン70および第2透明電極パターン72のそれぞれに、引き回し配線56が接続されている。引き回し配線56は、例えば、銅配線である。
タッチパネル90では、基板32の一方の面において、第1透明電極パターン70および引き回し配線56を覆うように、タッチパネル用電極保護膜18が形成されており、基板32の他方の面において、第2透明電極パターン72および引き回し配線56を覆うようにタッチパネル用電極保護膜18が形成されている。
基板32の一方の面および他方の面には、それぞれ第1具体例における第一屈折率調整層および第二屈折率調整層が形成されていてもよい。
本発明のタッチパネルの製造方法は、
上述した本発明の転写フィルムから保護フィルムを剥離する第1剥離工程と、
基板上にタッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された構造を有するタッチパネル用基板上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを感光性樹脂層側から転写する転写工程と、
転写した感光性樹脂層をパターン露光する露光工程と、
露光工程後に仮支持体を剥離する第2剥離工程と、
第2剥離工程後に、パターン露光された感光性樹脂層を現像することにより、タッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方の少なくとも一部を保護するタッチパネル用保護膜を得る現像工程と、を有する。
第1剥離工程は、上述した本発明の転写フィルムから保護フィルムを剥離する工程であり、剥離する手法は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。
転写工程は、基板上にタッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された構造を有するタッチパネル用基板上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを感光性樹脂層側から転写する工程である。
ラミネート(いわゆる、感光性樹脂層の転写)は、真空ラミネーター、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターを用いて行うことができる。
ラミネート温度は、80℃~150℃であることが好ましく、90℃~150℃であることがより好ましく、100℃~150℃であることが更に好ましい。
ゴムローラーを備えたラミネーターを用いる場合、ラミネート温度は、ゴムローラーの温度を指す。
ラミネート時の基板温度は、特に制限されない。
ラミネート時の基板温度としては、10℃~150℃が好ましく、20℃~150℃がより好ましく、30℃~150℃が更に好ましい。
基板として樹脂基板を用いる場合には、ラミネート時の基板温度としては、10℃~80℃が好ましく、20℃~60℃がより好ましく、30℃~50℃が更に好ましい。
また、ラミネート時の線圧としては、0.5N/cm~20N/cmが好ましく、1N/cm~10N/cmがより好ましく、1N/cm~5N/cmが更に好ましい。
また、ラミネート時の搬送速度(ラミネート速度)としては、0.5m/分~5m/分が好ましく、1.5m/分~3m/分がより好ましい。
露光工程は、転写した感光性樹脂層をパターン露光する工程である。
「パターン露光」とは、パターン状に露光する態様、すなわち、露光部と非露光部とが存在する態様の露光を指す。
タッチパネル用基板上の感光性樹脂層のうち、パターン露光における露光部が硬化され、最終的に硬化膜となる。
一方、タッチパネル用基板上の感光性樹脂層のうち、パターン露光における非露光部は硬化せず、次の現像工程において、現像液によって溶解されて除去される。非露光部は、現像工程後、硬化膜の開口部を形成し得る。
パターン露光は、マスクを介した露光でもよく、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
光源としては、各種レーザー、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量は、5mJ/cm2~200mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2~200mJ/cm2であることがより好ましい。
第2剥離工程は、露光工程後に仮支持体を剥離する工程であり、剥離する手法は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。
現像工程は、第2剥離工程後に、パターン露光された感光性樹脂層を現像することにより、タッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方の少なくとも一部を保護するタッチパネル用保護膜を得る工程である。
現像液としては、アルカリ性水溶液を用いることが好ましい。
アルカリ性水溶液に含まれ得るアルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)等が挙げられる。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHは、8~13であることが好ましく、9~12であることがより好ましく、10~12であることが特に好ましい。
アルカリ性水溶液中におけるアルカリ性化合物の含有量は、アルカリ性水溶液の全質量に対し、0.1質量%~5質量%であることが好ましく、0.1質量%~3質量%であることがより好ましい。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε-カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε-カプロラクタム、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
有機溶剤の濃度は、0.1質量%~30質量%であることが好ましい。
現像液は、公知の界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤の濃度は、0.01質量%~10質量%であることが好ましい。
現像液の液温度は、20℃~40℃であることが好ましい。
シャワー現像を行う場合、パターン露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワー状に吹き付けることにより、感光性樹脂層の非露光部を除去する。
感光性樹脂層と熱可塑性樹脂層および中間層の少なくとも一方とを備える転写フィルムを用いた場合には、これらの層の基板上への転写後であって感光性樹脂層の現像の前に、感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワー状に吹き付け、熱可塑性樹脂層および中間層の少なくとも一方(両方存在する場合には両方)を予め除去してもよい。
また、現像の後に、洗浄剤等をシャワーにより吹き付けつつ、ブラシ等で擦ることにより、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は、20℃~40℃であることが好ましい。
基板が樹脂基板である場合には、ポストベークの温度は、100℃~160℃であることが好ましく、130℃~160℃であることがより好ましい。
このポストベークにより、透明電極パターンの抵抗値を調整することもできる。
感光性樹脂層がカルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂を含む場合には、ポストベークにより、カルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂の少なくとも一部をカルボン酸無水物に変化させることができる。このように変化させると、現像性、および、硬化膜の強度に優れる。
現像工程がポスト露光する段階およびポストベークする段階の両方を含む場合、ポスト露光の後、ポストベークを実施することが好ましい。
上記手順によって形成されるパターン(感光性樹脂層の硬化膜)は無彩色であることが好ましい。
具体的には、全反射(入射角8°、光源:D-65(2°視野))が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、パターンのL*値は10~90であることが好ましく、パターンのa*値は-1.0~1.0であることが好ましく、パターンのb*値は-1.0~1.0であることが好ましい。
その他の工程としては、通常のフォトリソグラフィ工程に設けられることがある公知の工程(例えば、洗浄工程)が挙げられる。
なお、以下の実施例において、樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で求めた重量平均分子量である。また、酸価は、理論酸価を用いた。
下記表1に示す組成となるように、感光性樹脂層形成用塗布液である材料A-1~A-7をそれぞれ調製した。
下記表2に示す組成となるように、屈折率調整層形成用塗布液である材料B-1を調製した。
炭酸カルシウム(平均粒子径:1.0μm)を0.05質量%含有する厚み1μmのポリエチレンテレフタレート層(粒子含有層)を、厚さ14μmのポリエチレンテレフタレート層の両面に設けた、合計厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(仮支持体)の上に、感光性樹脂層形成用の材料A-1をスリット状ノズルを用いて塗布し、感光性樹脂層を形成した。なお、塗布量は、乾燥後の膜厚が下記表3の厚みになるように調整した。
次いで、100℃の乾燥ゾーンで溶剤を揮発させた後、感光性樹脂層の上に、炭酸カルシウム(平均粒子径:1.0μm)を0.05質量%含有する厚み1μmのポリプロピレン層(粒子含有層)を、厚さ28μmのポリプロピレン層の両面に設けた、合計厚み30μmのポリプロピレンフィルム(保護フィルム)を圧着し、実施例1の転写フィルムを作製した。
感光性樹脂層形成用の材料A-1を下記表3に示す材料に変更した以外は、実施例1と同様の方法で転写フィルムを作製した。
感光性樹脂層形成用の材料A-1を下記表3に示す材料に変更し、また、下記表3に示す算術平均粗さRaを満たすように、仮支持体および保護フィルムにおける粒子含有層に含有させる炭酸カルシウムの濃度を変更した以外は、実施例1と同様の方法で転写フィルムを作製した。
実施例1と同様の方法で形成した感光性樹脂層の上に、屈折率調整層形成用の材料B-1をスリット状ノズルを用いて塗布し、80℃の乾燥温度で乾燥させ、屈折率調整層を形成した。なお、塗布量は、乾燥後の膜厚が70nmになるように調整した。
次いで、屈折率調整層の上に、厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)を圧着し、実施例6の転写フィルムを作製した。
屈折率調整層の屈折率は1.68であった。
下記表3に示す算術平均粗さRaを満たすように、仮支持体および保護フィルムにおける粒子含有層に含有させる炭酸カルシウムの濃度を変更した以外は、実施例5と同様の方法で転写フィルムを作製した。
下記表3に示す算術平均粗さRaを満たすように、仮支持体における粒子含有層に含有させる炭酸カルシウムの濃度を変更した以外は、実施例1と同様の方法で転写フィルムを作製した。
下記表3に示す算術平均粗さRaを満たすように、保護フィルムにおける粒子含有層に含有させる炭酸カルシウムの濃度を変更した以外は、実施例1と同様の方法で転写フィルムを作製した。
透湿度(平均値)を上述した方法で測定した。
測定した透湿度の平均値に基づき、下記評価基準に従い、水蒸気透過度を評価した。下記評価基準において、AおよびBであれば、実用に適する。結果を下記3中の感光性樹脂層の項目に記載する。
なお、上記測定では、上述のとおり、硬化膜/メンブレンフィルターの積層構造を有する円形試料の透湿度を測定した。しかし、メンブレンフィルターの透湿度が硬化膜の透湿度と比較して極めて高いことから、上記測定では、実質的には、感光性樹脂層の硬化膜自体の透湿度を測定したことになる。
(水蒸気透過度の評価基準)
A:透湿度の平均値が400g/m2/24hr未満
B:透湿度の平均値が400g/m2/24hr以上500g/m2/24hr未満
C:透湿度の平均値が500g/m2/24hr以上
感光性樹脂層の硬化膜の23℃および120℃における破断伸びを上述した方法で測定した。結果を下記3中の感光性樹脂層の項目に記載する。
実施例および比較例で作製した転写フィルムから剥離した保護フィルムの感光性樹脂層側の表面、および、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、仮支持体を介して露光量100mJ/cm2(i線)で感光性樹脂層を露光した後に剥離した仮支持体の感光性樹脂層側の表面について、算術平均粗さRaを測定した。
測定は、光学式表面性状測定器(Zygo NewView 6300(Zygo社製))を用いて行った。結果を下記表3に示す。
<透明膜の形成>
膜厚38μm、屈折率1.53のシクロオレフィン樹脂フィルムを、高周波発振機を用いて、出力電圧100%、出力250Wで、直径1.2mmのワイヤー電極で、電極長240mm、ワーク電極間1.5mmの条件で3秒間コロナ放電処理を行い、表面改質を行った。得られたフィルムを透明フィルム基板とした。
次に、下記表4中に示す材料-Cの材料を、スリット状ノズルを用いて、透明フィルム基板上に塗工した後、紫外線照射(積算光量300mJ/cm2)し、約110℃で乾燥することにより、屈折率1.60、膜厚80nmの透明膜を製膜した。
上記にて得られた透明フィルム基板上に透明膜が積層されたフィルムを、真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:スズ=95:5(モル比))を用いて、直流(DC)マグネトロンスパッタリング(条件:透明フィルム基板の温度150℃、アルゴン分圧0.13Pa、酸素分圧0.01Pa)により、厚さ40nm、屈折率1.82のITO薄膜を形成し、透明フィルム基板上に透明膜と透明電極層を形成したフィルムを得た。ITO薄膜の表面抵抗は80Ω/□(Ω毎スクエア)であった。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記の処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。
次に、下記の処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。
更に、下記の処方E1からなるエッチング用光硬化性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。既述の方法により仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、膜厚2.0μmのエッチング用光硬化性樹脂層とからなる積層体を作製し、最後に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とエッチング用光硬化性樹脂層とが一体となった転写材料である、エッチング用感光性フィルムE1を作製した。
・メタノール:11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:6.36質量部
・メチルエチルケトン:52.4質量部
・メチルメタクリレート/2-エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃:5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃):13.6質量部
・モノマー1(商品名:BPE-500、新中村化学工業(株)製):9.1質量部
・フッ素系ポリマー〔下記成分〕:0.54質量部
フッ素系ポリマー:C6F13CH2CH2OCOCH=CH2 40質量部と、(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2 55質量部と、H(OCHCH2)7OCOCH=CH2 5質量部との共重合体(重量平均分子量3万、メチルエチルケトン30質量%溶液、商品名:メガファックF780F、DIC(株)製)
・ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550):32.2質量部
・ポリビニルピロリドン(商品名:K-30、アイエスピー・ジャパン(株)製):14.9質量部
・蒸留水:524質量部
・メタノール:429質量部
・メチルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(質量%):31/40/29、重量平均分子量60,000、酸価163mgKOH/g):16質量部
・モノマー1(商品名:BPE-500、新中村化学工業(株)製):5.6質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートのテトラエチレンオキシドモノメタクリレート0.5モル付加物:7質量部
・分子中に重合性基を1つ有する化合物としてのシクロヘキサンジメタノールモノアクリレート:2.8質量部
・2-クロロ-N-ブチルアクリドン:0.42質量部
・2,2-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール:2.17質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩:0.02質量部
・ロイコクリスタルバイオレット:0.26質量部
・フェノチアジン:0.013質量部
・界面活性剤(商品名:メガファックF-780F、DIC(株)製):0.03質量部
・メチルエチルケトン:40質量部
・1-メトキシ-2-プロパノール:20質量部
なお、エッチング用光硬化性樹脂層用塗布液E1の溶剤除去後の100℃の粘度は2,500Pa・secであった。
透明フィルム基板上に透明膜と透明電極層を形成したフィルムを洗浄し、保護フィルムを除去したエッチング用感光性フィルムE1をラミネートした。ラミネート条件は、透明フィルム基板の温度:130℃、ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分にて行った。
仮支持体を剥離後、露光マスク(透明電極パターンを有す石英露光マスク)面と既述のエッチング用光硬化性樹脂層との間の距離を200μmに設定し、露光量50mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T-PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を25℃で100秒間、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T-SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間処理し、回転ブラシ、超高圧洗浄ノズルで残渣除去を行い、更に130℃30分間のポストベーク処理を行って、透明フィルム基板上に透明膜と透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成したフィルムを得た。
次に、エッチング用光硬化性樹脂層パターンのついた透明電極パターン付のフィルムを、レジスト剥離液(N-メチル-2-ピロリドン、モノエタノールアミン、界面活性剤(商品名:サーフィノール465、エアープロダクツジャパン(株)製)、液温45℃)を入れたレジスト剥離槽に浸漬し、200秒処理し、エッチング用光硬化性樹脂層を除去し、透明フィルム基板上に透明膜および透明電極パターンを形成したフィルムを得た。
保護フィルムを剥離した各実施例および比較例の転写フィルムを用いて、透明フィルム基板上に透明膜および透明電極パターンを形成したフィルムの透明膜および透明電極パターンを、転写フィルムが覆う位置にて転写した。
その結果、透明フィルム基板が有する透明膜および透明電極パターン上に、転写フィルムによって、感光性樹脂層および仮支持体がこの順に転写された。なお、実施例6では、屈折率調整層、感光性樹脂層および仮支持体がこの順に転写された。転写は、MCK社製真空ラミネーターを用いて、透明フィルム基板の温度:40℃、ゴムローラー温度100℃、線圧3N/cm、搬送速度2m/分の条件で行った。
その後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、露光マスク(電極保護膜形成用パターンを有する石英露光マスク)面と仮支持体とを密着させ、仮支持体を介して露光量100mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
仮支持体を剥離後、炭酸ナトリウム1%水溶液32℃で60秒間現像処理を実施した。
その後、現像処理後の透明フィルム基板に超高圧洗浄ノズルから超純水を噴射することで残渣を除去した。
引き続き、エアを吹きかけて透明フィルム基板上の水分を除去し、145℃30分間のポストベーク処理を行って、透明フィルム基板上に、透明膜、透明電極パターンおよび感光性樹脂層の硬化物が基板から順に積層された積層体を形成した。実施例6では、透明フィルム基板上に、透明膜、透明電極パターン、屈折率調整層および感光性樹脂層の硬化物が基板から順に積層された積層体を形成した。
作製した積層体に対して、ダイカット時の打ち抜き加工性を評価した。
10cm四方の形で打ち抜けるようにトムソン刃を設置し、120℃の温度環境下にて、打ち抜いた後、カット部分を光学顕微鏡にて以下の基準で評価した。結果を下記表5に示す。なお、評価がAおよびBであれば、実用上問題ないと評価できる。
A:いずれの辺においても欠け、割れの発生なし
B:軽微な欠け、割れが発生している
C:明らかに欠け、割れが発生している
(保護フィルムの剥離性)
転写前の保護フィルムの剥離時に、剥離不良が生じていないかを以下の基準で評価した。結果を下記表5に示す。
A:保護フィルム側に感光性樹脂層が残ることなく、感光性樹脂層にも異常感が見られない。
B:剥離始めで保護フィルム側に少し感光性樹脂層の残りが見られるが、それ以外では問題なく、実用上問題ない
C:保護フィルム側への感光性樹脂層の残りが明らかに生じており、実用上問題がある
(仮支持体の剥離性)
露光後、現像前の仮支持体の剥離時に、剥離不良が生じていないかを以下の基準で評価した。結果を下記表5に示す。
A:仮支持体側に感光性樹脂層が残ることなく、感光性樹脂層にも異常感が見られない。
B:剥離始めで仮支持体側に少し感光性樹脂層の残りが見られるが、それ以外では問題なく、実用上問題ない
C:仮支持体側への感光性樹脂層の残りが明らかに生じており、実用上問題がある
また、感光性樹脂層が、硬化後の120℃における破断伸びが15%以上となる感光性樹脂層であっても、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが50nm超であると、仮支持体の剥離性が劣ることが分かった(比較例2)。
また、感光性樹脂層が、硬化後の120℃における破断伸びが15%以上となる感光性樹脂層であっても、保護フィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが150nm超であると、保護フィルムの剥離性が劣ることが分かった(比較例3)。
これに対し、感光性樹脂層が、硬化後の120℃における破断伸びが15%以上となる感光性樹脂層であり、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが50nm以下であり、保護フィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが150nm以下であると、仮支持体および保護フィルムの剥離性に優れ、転写後の感光性樹脂層を硬化した硬化膜の打ち抜き加工性に優れることが分かった(実施例1~8)。
2:チャック部
10:転写フィルム
12:仮支持体
16:保護フィルム
18:タッチパネル用電極保護膜
18A:感光性樹脂層
20:第一屈折率調整層
20A:屈折率調整層
30:タッチパネル
32:基板
34:透明電極パターン
36:第二屈折率調整層
40:透明電極パターンが存在する第1領域
42:透明電極パターンが存在しない第2領域
56:引き回し配線
70:第1透明電極パターン
72:第2透明電極パターン
74:画像表示領域
75:画像非表示領域
90:タッチパネル
Claims (14)
- 仮支持体と、感光性樹脂層と、保護フィルムとをこの順に有する転写フィルムであって、
前記感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びが15%以上であり、
前記仮支持体の前記感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが50nm以下であり、
前記保護フィルムの前記感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが150nm以下であり、
下記式(2)を満たし、
電極保護膜形成用である、転写フィルム。
Y ≦ Z 式(2)
ここで、前記式(2)中、Yは、前記仮支持体の前記感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表し、Zは、前記保護フィルムの前記感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。 - 下記式(1)を満たす、請求項1に記載の転写フィルム。
X×Y<750 式(1)
ここで、前記式(1)中、Xは、前記感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びの値(%)を表し、Yは、前記仮支持体の前記感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。 - 前記式(1)中のX×Yの値が400未満である、請求項2に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層を硬化した硬化膜の膜厚40μmでの透湿度が500g/m2/24hr以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層を硬化した硬化膜の膜厚40μmでの透湿度が10~400g/m2/24hrである、請求項1~4のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層を硬化した硬化膜の膜厚40μmでの透湿度が10~300g/m2/24hrである、請求項1~5のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層を硬化した硬化膜の23℃での破断伸びに対し、120℃での破断伸びが2倍以上大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層が、バインダーポリマー、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 前記バインダーポリマーの酸価が30~160mgKOH/gである、請求項8に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層が、更に、酸基またはヒドロキシ基と反応可能な基を加熱により生起する化合物を含有する、請求項8または9に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層が、更に、マイケル付加反応可能な化合物を含有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 前記感光性樹脂層と前記保護フィルムとの間に、更に、前記感光性樹脂層よりも屈折率の高い屈折率調整層を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の転写フィルム。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の転写フィルムから前記保護フィルムを剥離する第1剥離工程と、
電極を有する基板上に、前記保護フィルムを剥離した前記転写フィルムを前記感光性樹脂層側から転写する転写工程と、
転写した前記感光性樹脂層の少なくとも一部を硬化し、硬化膜を形成する硬化工程と、
前記硬化工程後に前記仮支持体を剥離し、電極を有する前記基板上に前記硬化膜が積層された積層体を得る第2剥離工程と、
を有する積層体の製造方法。 - 請求項1~12のいずれか1項に記載の転写フィルムから前記保護フィルムを剥離する第1剥離工程と、
基板上にタッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された構造を有するタッチパネル用基板上に、前記保護フィルムを剥離した前記転写フィルムを前記感光性樹脂層側から転写する転写工程と、
転写した前記感光性樹脂層をパターン露光する露光工程と、
前記露光工程後に前記仮支持体を剥離する第2剥離工程と、
前記第2剥離工程後に、パターン露光された前記感光性樹脂層を現像することにより、前記タッチパネル用電極およびタッチパネル用配線の少なくとも一方の少なくとも一部を保護するタッチパネル用保護膜を得る現像工程と、
を有するタッチパネルの製造方法。
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