JP5388539B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
従来の一般的な光(ナノ)インプリント技術としては、感光性樹脂としては液状のものを用い、スピンコートで基材に塗布し、モールドを押し付けるものが中心であった。ただし、この方法は広い面積への適応が困難であったり、硬化後の感光性樹脂とモールドとの離型性が悪いという問題点があった。そのような問題点を克服できる可能性ある方法として、支持体上に感光性樹脂層を形成した感光性樹脂積層体を使用する技術が注目されている。特許文献1には、感光性樹脂積層体に対して、モールドの押し付けと光照射とを含む光ナノインプリントを行うことを特徴とするパターン形成方法について開示されている。
[1]温度35〜130°に設定された加熱体を用いて、モールドと感光性樹脂層とを押
し付けるプレス工程、感光性樹脂層を露光により硬化させる露光工程、およびモールドを外す離脱工程を含むインプリントプロセスにより100nm以上1000nm以下の微細パターンを形成する方法であって、前記プレス工程の前に、支持体及び感光性樹脂層を含む感光性樹脂積層体から、感光性樹脂層を基材にラミネートする工程を含み、前記支持体の断面曲線の最大断面高さ(Pt)が0.01μm以上、1.0μm以下であり、前記感光性樹脂層の20℃における粘度が、10 6 〜10 11 Pa・sであることを特徴とする微細パターンを形成する方法。
[2]前記プレス工程が、ローラーを用いて感光性樹脂層とモールドとを押し付ける工程である、前記[1]に記載のパターンを形成する方法。
[3]前記ローラーの回転速度が、3〜50mm/秒である、前記[2]に記載のパターン形成方法。
[4]前記ローラーによる加圧力が0.1kN〜10kNである前記[2]又は[3]に記載のパターン形成方法。
[5]前記感光性樹脂層の厚みが0.1〜7μmmである、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
[6]前記感光性樹脂層がa)ラジカル重合型若しくはb)化学増幅型の感光性樹脂を含む前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<UVインプリントプロセス>
本発明のパターン形成方法は、光(ナノ)インプリント技術を含み、定盤又はローラーを用いて感光性樹脂層とモールドを押し付けるプレス工程、感光性樹脂層を露光により硬化させる露光工程、およびモールドを外す離脱工程を含む。
感光性樹脂積層体を用いたインプリント法によるパターン形成方法を、図1〜8を用いて説明する。図1及び図2は、一括転写方式若しくはステップアンドリピート方式におけるパターン形成方法の例である。図3〜8は、ローラー型転写方法におけるパターン形成方法の例である。なお、図1〜8はパターン形成方法の一例を示したものであり、本発明はこれらの方法により何ら限定されるものではない。
支持体1−感光性樹脂層2−保護フィルムから構成されている感光性樹脂積層体の場合、保護フィルムを剥離しながら、剥離した感光性樹脂層2の面と基材3とをラミネーターにより貼り合わせる。この時、基材はラミネート工程の直前で加熱しておくこと(予熱)が好ましい。感光性樹脂層をラミネーターのホットロールで、70〜130℃程度に加熱しながら基材に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着する。かかるラミネート工程においては、ラミネート時に基材と感光性樹脂層の間にマイクロエアーが入ることを抑制する目的で、真空ラミネーター等を用いて減圧下で行ってもよいし(真空若しくは減圧下ラミネーション)、ラミネート前に基材上に水等の液体を載せておき、ラミネートしてもよい(ウェットラミネーション)。真空若しくは減圧したラミネーション及びウェットラミネーションは感光性樹脂層自身が薄い場合、または基材の表面の凹凸が感光性樹脂層の厚みに対し大きい場合に適用するのが好ましい。
支持体を感光性樹脂層から剥離する。この場合、オートピーラー等を用いて自動的に剥離してもよい。
・プレス工程
温度35〜130℃に設定された加熱体を用いて、モールドと感光性樹脂層とを押し付ける。
インプリント装置としては、一括転写方式、ステップアンドリピート方式、ローラー転写方式などがある(ナノインプリント応用事例集 第3章第5節、株式会社 情報機構)。
ローラー転写方式の場合は、転写に関係する上側のロールの他に、下側にプレスロールを有するが、上側のロールとプレスロールの間にステージを設けることがある(図3の(3)、図4の(3)、図5の(3)、図6の(3)、図7の(1)、図8の(1))。この場合、このステージを加熱することが感光性樹脂層のモールドへの十分な埋め込み性を確保する点から好ましい。
モールドは、様々な材質のものを使用できるが、一般的にはSi、SiC、Ni、Ta、GC(グラッシーカーボン)、石英、及びポリジメチルシロキサン(PDMS)などが用いられる。光ナノインプリントプロセスにおいてはモールドを加圧した状態でモールド上面から光照射ができる点から、透明なモールドが求められ石英が使われることが多い。また曲面に巻きつけることが可能なことから、最近ではPDMSなどの樹脂製モールドが使用されるようになってきている。
モールドよる加圧力は、0.1〜10kNが好ましい。感光性樹脂層のモールドへの十分な埋め込み性を確保する点から0.1kN以上であり、良好な離型性を得る点から10kN以下である。より好ましくは、0.1〜5kN、更に好ましくは、0.1〜3kNである。
ローラー転写方式の場合の、ローラーの回転速度は3〜50mm/秒が好ましい。生産性の点から3mm/秒以上であり、感光性樹脂層のモールドへの十分な埋め込み性を確保する点から50mm/秒以下である。より好ましくは、5〜40mm/秒であり、更に好ましくは10〜40mm/秒であり、特に好ましくは10〜30mm/秒である。
次に、感光性樹脂層を活性光線の露光により硬化させる。
活性光線の光源としては、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気ア―ク灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光等を有効に放射するものが用いられる。また、半導体励起固体レーザーや、半導体レーザー、超高圧水銀灯などを用いた直接描画(ダイレクトイメージング)露光法等を用いてもよい。
光源の位置は、一括露光方式若しくはステップアンドリピート方式の場合で、活性光線に対し透明なモールドを使用する場合は、モールドのパターンが形成されている面とは反対の面側に設けるのが好ましい。活性光線に対し不透明なモールドを使用する場合は、定盤によるプレスの隣接位置に設けるのが好ましい。
露光量は、感光性樹脂層の感度にもよるが、通常1〜300mJ/cm2程度である。好ましくは、1〜150mJ/cm2であり、より好ましくは、1〜100mJ/cm2である。
モールドを外す離脱工程は、前述の露光工程で詳述したとおり、露光工程前に行うか、露光工程後に行うかの方法がある。
・残膜除去工程
モールド離脱工程後には、基材上にモールドの凸部が押し付けられていた部分に、感光性樹脂層の残膜が存在する場合がある。この残膜を除去する場合には、ドライエッチングに代表されるような残膜を除くプロセスが必要となる。
モールドとして、その凸部分表面にUV遮光性の材料を付着させたモールドを用い、感光性樹脂組成物にアルカリ現像性を持たせると、従来のアルカリ現像による残膜除去(ウェットエッチング)も可能となる。
また、本発明においては、プレス工程後、ラミネート工程をおこなっても良い(図7、図8)。すなわち、予め感光性樹脂層とモールドを押し付け、感光性樹脂層にパターンを転写した後、感光性樹脂層と基材とをラミネートにより張り合わせる。露光工程はラミネート工程の前に行っても後に行ってもよい。転写後のパターンがラミネート後も正確に保持されやすい点から、露光工程はラミネート工程の前に行うことが好ましい。
の構造体として使用してもよいし、得られたパターンをレジストとして使用してもよい。
レジストとして使用する場合は、例えばドライエッチングやウェットエッチングなどのエ
ッチング工程や、めっき工程、スパッタリング工程、蒸着工程、パターンの凹部に様々な
材料を埋め込む工程などを設けることができる。
さらに、パターン形成方法において、最終的に基材からパターンを取り除く工程を設けることができる。この工程には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機アミン化合物などのアルカリ水溶液や、溶剤等を用いることができる。
感光性樹脂積層体は、支持体及び感光性樹脂層を含む。
1)支持体
本発明における支持体は、光を透過しても透過しなくても良い。支持体に用いられる材質としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。支持体には、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
支持体の断面曲線の最大断面高さ(Pt)としては、2μm以下のものが好ましい。得られるパターンの表面の平滑性の観点から、断面曲線の最大断面高さ(Pt)2μm以下が好ましい。より好ましくは、0.01μm以上、1.0μm以下である。
支持体の断面曲線の最大断面高さ(Pt)の測定方法は、光干渉方式の非接触形状測定装置、例えば株式会社菱化システム製MM3200で、JIS B0601:’01を参照して測定することができる。
支持体の厚みは、薄い方が経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10〜100μmのものが好ましい。
<感光性樹脂組成物>
本発明に用いられる感光性樹脂層はネガ型の感光性樹脂組成物が好ましい。ネガ型の感光性樹脂組成物の中でも、a)ラジカル重合型若しくはb)化学増幅型の感光性樹脂組成物が好ましく、より好ましくは、高い露光感度が得られやすい点からラジカル重合型の感光性樹脂組成物である。
・サンプル :厚み 3mm
大きさ 8mmΦ
測定前の調湿 23℃ 50%雰囲気下で48時間
・測定装置 :ARES 2KFRTN1−FCO(レオメトリックサイエンティフィック社)
・測定条件 :温度 20〜70℃
昇温速度 5℃/分
荷重 2kg
雰囲気 窒素雰囲気
周波数 0.015915〜15.915Hz
歪み 40%を与えるようにデータ取得
ラジカル重合型の感光性樹脂組成物は、高分子化合物、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有することが柔軟な感光性樹脂層が得られる観点から好ましい。
・高分子化合物
高分子化合物としては、(メタ)アクリル系単量体を共重合したアクリル樹脂やエポキシ系モノマーを共重合したエポキシ樹脂が挙げられるが、アクリル樹脂がより好ましい。アクリル樹脂の中でも、露光前、あるいは露光によるパターニングが失敗した場合に、アルカリ性溶液でパターンの除去が可能であるという点や、基材との密着性などの点、さらにはアルカリ溶液による残渣除去の点から、側鎖にカルボキシル基を有する単量体と(メタ)アクリル系単量体とを共重合していることが好ましい。
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、アルキル(メタ)アクリレ−ト、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、脂環式側鎖を有する(メタ)アクリレ−トが挙げられ、アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、が挙げられ、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルモノ(メタ)アクリレートが挙げられ、脂環式側鎖を有する(メタ)アクリレ−トとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン及びその誘導体が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子は、上記種々単量体の混合物を、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノ−ルで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加し、加熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶媒を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いていもよい。
エチレン性二重結合を有する光重合性化合物としては、メタクリル基、アクリル基もしくはビニル基を分子内に1つもしくは複数有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テレフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−トや、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロ−ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テルジ(メタ)アクリレート及び、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤は、紫外線若しくは可視光線に感度を有するものであれば特に制限は無い。
感光性樹脂組成物は必要により、1時間半減期温度が120℃以上230℃以下である熱ラジカル発生剤を含むことができる。これにより、パターン形成後熱処理により、より高い耐熱性、耐薬液性を得ることができる。感光性樹脂組成物中の含有量は感光性樹脂組成物100質量%に対し、0.01〜2質量%が好ましい。保存安定性の観点から1時間半減期温度120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましい。またポストベーク時間の観点から230℃以下が好ましく、220℃以下がさらに好ましい。このような熱ラジカル発生剤の具体例としては、パーブチルA、パーヘキサ22、パーブチルZ、パーヘキサV、パーブチルIF、パーブチルP、パークミルD、パーヘキサ25B、パーブチルC、パーブチルD,パーメンタH、パーヘキシン25B、パークミルP、パーブチルSM、パーオクタH、パークミルH、パーヘキシルH、パーブチルH(以上日本油脂(株)製)があげられる。
上記着色物質を含有する場合の添加量は、感光性樹脂組成物100質量%中に0.001〜1質量%含むことが好ましい。0.001質量%以上の含量で、取扱い性が向上し、1質量%以下の含量で、保存安定性が向上する。
化学増幅型感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤、酸の作用により架橋する基を有する化合物、及び可塑剤を含有することが好ましい。以下、これらを順に説明する。
・フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂が挙げられる。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、感光性樹脂組成物100質量%に対して、20〜90質量%配合することが好ましい。より好ましくは30〜70質量%である。感光性樹脂層のフィルム性保持の観点から20質量%以上が好ましく、モールドへの十分な埋め込み性の観点から90質量%以下が好ましい。
光酸発生剤とは、光により直接又は間接的に酸を発生する化合物であり、具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
ここで、芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えば、フェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの芳香族性を有する複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していていてもよい。
いても溶解性が良好であることから、好ましく用いられる。なかでも、下記一般式(II):
光酸発生剤は、感光性樹脂組成物100質量%に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜1質量%、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%の範囲で含有されることができる。感度の観点から0.01質量%以上が好ましく、保存安定性の観点から5質量%以下が好ましい。
酸の作用により架橋する基を有する化合物としては、アミノ化合物、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂を用いることができるが、特に、アルコキシメチル化メラミン樹脂やアルコキシメチル化尿素樹脂等のアルコキシメチル化アミノ樹脂等が好適に使用できる。前記アルコキシメチル化アミノ樹脂は、例えば、沸騰水溶液中でメラミン又は尿素をホルマリンと反応させて得た縮合物を、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類と反応させてエーテルを形成し、次いで反応液を冷却して析出させることで製造できる。前記アルコキシメチル化アミノ樹脂としては、具体的にメトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル化尿素樹脂、エトキシメチル化尿素樹脂、プロポキシメチル化尿素樹脂、ブトキシメチル化尿素樹脂等が挙げられる。前記アルコキシメチル化アミノ樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、アルコキシメチル化メラミン樹脂は、放射線の照射量の変化に対するレジストパターンの寸法変化量が小さく安定したレジストパターンを形成できるため好ましい。中でも、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂又はブトキシメチル化メラミン樹脂が好適である。
酸の作用により架橋する基を有する化合物は、感光性樹脂組成物100質量%に対して1〜40質量%、好ましくは5〜20質量%の範囲で含有されることができる。感光性樹脂組成物中の、酸の作用により架橋する基を有する化合物は、感度、耐エッチング性の観点から1質量%以上が好ましく、保存安定性の観点から40質量%以下が好ましい。
可塑剤としては、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド、p−トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールのブロック共重合体(プルロニック型とも呼ばれる)およびそのジアルキルエーテル、モノアルキルエーテル等が挙げられる。
さらに、下記一般式(III)で表される可塑剤を好ましく用いることができる。
可塑剤の含有量は、感光性樹脂組成物100質量%中、1質量%以上40質量%以下が好ましい。感光性樹脂層の柔軟なフィルム性維持の観点から1質量%以上が好ましく、樹脂付着性、密着性の観点の観点から40質量%以下が好ましい。さらに好ましくは5質量%以上30重量%以下である。
可塑剤の重量平均分子量は、100〜5000であることが好ましい。昇華性の観点から100以上であり、現像性の観点から5000以下である。より好ましくは100〜3000である。
感光性樹脂積層体の感光性樹脂層は、上記本実施形態の感光性樹脂組成物を液状にして支持体上に塗布することで形成することができる。
感光性樹脂組成物を支持体上に塗布する際には、必要に応じて、当該感光性樹脂組成物を所定の溶剤に溶解して固形分5〜60質量%の溶液としたものを塗布液として用いてもよい。かかる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
このようにして形成された感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下であることが好ましい。
感光性樹脂層の厚みは0.1〜7μm(100〜7000nm)が好ましい。プレス工程時のモールドへの感光性樹脂層の埋め込みが良好に行える点から0.1μm以上が好ましく、感光性樹脂層の残膜除去工程におけるドライまたはウェットエッチングの容易性の点から7μm以下が好ましい。より好ましくは0.1〜5μmであり、更に好ましくは0.1〜3μm、特に好ましくは、0.1〜1μm、最も好ましくは0.1〜0.5μmである。
保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム(例えば、王子製紙(株)製E−200Cなど)、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。また、保護フィルムは低フィッシュアイのフィルムであることが好ましい。更に、保護フィルムと感光性樹脂層との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層から剥離しやすくするために、感光性樹脂層と支持体との間の接着力よりも小さいことが好ましい。保護フィルムの厚みは10〜100μmが好ましい。
クッション層としては、熱可塑性樹脂が好ましい。クッション層に用いられる熱可塑性樹脂としては、ラミネート時のロール温度以下のガラス転移温度を有する化合物が好ましく、具体的には10℃以上120℃以下のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂が好ましい。ガラス転移温度が20℃以上100℃以下、特に好ましくは30℃以上約80℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。この理由はラミネート時のロール温度以下のガラス転移温度であることにより感光層を凹凸のある基材上に熱と圧で転写する際(ラミネートする際)に基材表面の凹凸を完全に吸収し、気泡残りが全く無い状態でラミネートすることが可能となるためである。
クッション層には、上述の熱可塑性樹脂に加えて、該熱可塑性樹脂と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的なガラス転移温度を下げることも可能である。またクッション層と後に述べるガスバリア層との接着力を調節するために、実質的なガラス転移温度が120℃を越えない範囲で添加剤、例えば、各種のポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤や離型剤を、5〜50質量%の範囲で加えることが可能である。より好ましくは、35質量%以下である。
他に、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコールメチルエーテルを加えることも可能である。
ガスバリア層は、A)ポリビニルアルコールを100質量%含有するか、若しくはB)ポリビニルアルコール:75〜99質量%と、下記一般式(IV)で表される化合物及び下記一般式(V)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物をガスバリア層100質量%中、1〜25質量%を含有することが好ましい。
上記B)の場合、ガスバリア層におけるポリビニルアルコール配合比率としては、現像性及びコストの観点からガスバリア層100質量%に対し、75質量%以上99質量%以下であることが好ましい。より好ましくは85質量%以上95質量%以下である。
ポリビニルアルコールの製法はポリ酢酸ビニルをアルカリけん化して製造するのが一般的である。ポリビニルアルコールの重量平均分子量は1,000〜100,000が好ましい。酸素遮断性の観点から、より好ましい重量平均分子量は、5,000〜50,000である。また、けん化度は50モル%以上が好ましく、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上である。
ガスバリア層の層厚は感光性樹脂層の転写性に影響を与えない点から5μm以下が好ましく、より好ましくは、3μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。また、酸素遮断性の観点から、ガスバリア層の層厚は0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。
シリコーン化合物としては、シリコーン系樹脂が挙げられる。
含フッ素化合物としては、アモルファスフッ素樹脂、パーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタクリレートを含有する共重合オリゴマー、フッ素系コーティング剤、電子線または紫外線硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、熱硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、フッ素系界面活性剤などが好ましい。具体的には、旭硝子社製ルミフロン、同サイトップ、日本油脂社製モディパーFシリーズ、ダイキン工業社製ユニダイン、大日本インキ化学工業製メガファックF470シリーズ、同F480シリーズ、同F110シリーズ、住友3M社製EGC1700、オムノヴァ・ソリューション社製ポリフォックスPF−3320、ユニマテック社製ケミノックスFAMAC−8、住友3M社製EGC1720、大日本インキ化学工業製メガファックF114、同F410シリーズ、同F440シリーズ、同F450、同F490シリーズが挙げられる。
離型剤層の形成方法としては、離型剤を前述の有機ポリマーフィルムに公知の塗布方法、例えば、メイヤーコーティング、グラビアコーティング、ドクターコーティング、エアーナイフコーティングを利用して塗布した後、加熱処理や紫外線照射などの離型剤に適合する公知の方法で乾燥、あるいは硬化する方法が挙げられる。
離型剤層の厚みは特に制限は無いが、0.001μm〜1.0μmが好ましい。離型性改善の効果発現の観点から、0.001μm以上が好ましく、離型剤層付き有機ポリマーフィルム同士を重ねた時のブロッキング防止の観点から、1.0μm以下が好ましい。
初めに実施例及び比較例に用いたモールド、インプリント装置、感光性樹脂組成物を説明し、次いで、評価方法およびその評価結果を示す。
1.モールド
市販のシリコン製ナノインプリント用モールドを使用した。
寸法 50mm×100mm×0.6mm
パターン寸法: 100nm〜1000nm
深さ: 100nm〜350nm
2.ローラー転写方式のインプリント装置
熱式ローラー型ナノインプリンター NM−0606R(明昌機工(株)製)を使用した。
下記に示す化合物を混合し、感光性樹脂組成物を調製した。
A−1:メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体のメチルエチルケトン溶液(重量比85/15、重量平均分子量30000、固形分濃度40質量%、酸当量573) 120質量部
B−1:トリエトキシメチロールプロパントリアクリレート(サートマー(株)社製 SR−454D) 10質量部
B−2:ビスフェノールA エチレンオキシド10モル付加物ジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500) 20質量部
B−3:ビスフェノールA エチレンオキシド4モル付加物ジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200) 10質量部
C−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体
(黒金化成製) 3質量部
C−2:p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2質量部
D−1:ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
D−2:ダイヤモンドグリーン 0.1質量部
支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルムR340(三菱化学ポリエステル社製、厚さ16μm、断面曲線の最大断面高さ(Pt)0.3μm)に、前記感光性樹脂組成物を、バーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥し感光性樹脂積層体を得た。感光性樹脂層の厚みは0.5〜7μmであった。感光性樹脂層の粘度は、5×107Pa・sであった。
図5に記載された手順に従って、下記の方法で種々のパターンを形成した。
感光性樹脂積層体を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材にラミネートした。その後、感光性樹脂積層体の支持体を剥離除去し、モールドのパターンの上に感光性樹脂層が接するように設置し、ローラー転写方式のインプリント装置のローラーを用いて加圧した。このときの加圧力、ローラー速度、ローラー温度を表1に示すように変化させた。加圧後、モールドを離脱しない状態で、装置に付属しているUVランプ(照度50mW)で露光量100mJ/cm2で露光した。その後、モールドを基材から離脱し、感光性樹脂層に形成されたパターンの転写性とモールドからの離型性を判定した。
実施例及び比較例の評価は以下のようにして行った。
・ 転写性
形成されたパターンについて、顕微鏡及びSEM、断面を観察し、以下のように判定
した。
○:モールドの形状を正確に転写できている。
△:モールドの形状を、一部正確に転写できていない。モールドに埋め込まれているが、パターンの断面形状が丸みを帯びている。
×:モールドの形状を正確に転写できていない。モールドに殆ど埋め込まれておらず、
パターンの形状が完全に崩れている。
モールドから感光性樹脂を離脱したときに、モールド面に感光性樹脂層が残存するかどうかを観察し、以下のように判定した。
○:モールド面に全く感光性樹脂層が残存していない。
△:モールド面の一部に、感光性樹脂層が残存している。
×:モールド面に全面的に、感光性樹脂層が残存している。
このようにして評価した結果を以下の表1に示す。
2.感光性樹脂層
3.基材
4.定盤
5.モールド
6.ローラー型モールド
7.ステージ
8.プレスロール
9.活性光線照射装置(ローラーの下流に配置した場合)
10.活性光線照射装置(ローラーの直下に配置した場合)
11.ローラー
12.フレキシブルな平板状モールド
Claims (6)
- 温度35〜130°に設定された加熱体を用いて、モールドと感光性樹脂層とを押し付けるプレス工程、感光性樹脂層を露光により硬化させる露光工程、およびモールドを外す離脱工程を含むインプリントプロセスにより100nm以上1000nm以下の微細パターンを形成する方法であって、前記プレス工程の前に、支持体及び感光性樹脂層を含む感光性樹脂積層体から、感光性樹脂層を基材にラミネートする工程を含み、前記支持体の断面曲線の最大断面高さ(Pt)が0.01μm以上、1.0μm以下であり、前記感光性樹脂層の20℃における粘度が、10 6 〜10 11 Pa・sであることを特徴とする微細パターンを形成する方法。
- 前記プレス工程が、ローラーを用いて感光性樹脂層とモールドとを押し付ける工程である、請求項1に記載のパターンを形成する方法。
- 前記ローラーの回転速度が、3〜50mm/秒である、請求項2に記載のパターン形成方法。
- 前記ローラーによる加圧力が0.1kN〜10kNである請求項2又は3に記載のパターン形成方法。
- 前記感光性樹脂層の厚みが0.1〜7μmmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記感光性樹脂層がa)ラジカル重合型若しくはb)化学増幅型の感光性樹脂を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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