JP6304921B2 - インプリント方法およびインプリント装置、それを用いた物品の製造方法 - Google Patents

インプリント方法およびインプリント装置、それを用いた物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インプリント方法およびインプリント装置、ならびにそれを用いた物品の製造方法に関する。
半導体デバイスやMEMSなどの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィー技術に加え、基板(ウエハ)上の樹脂を型(モールド)で成形し、樹脂のパターンを基板上に形成する微細加工技術が注目を集めている。この技術はインプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体を形成することができる。例えば、インプリント技術の1つとして光硬化法がある。この光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板上のパターン形成領域に樹脂(光硬化性樹脂)を塗布する。次に、この樹脂をパターンが形成された型を用いて成形する。そして、光を照射して樹脂を硬化させたうえで引き離すことにより、樹脂のパターンが基板上に形成される。
ここで、この樹脂パターンの形成の際には、樹脂パターンの残膜厚を基板の面内で均一化させることが望ましい。これは、例えば半導体デバイス製造工程の中で、インプリント装置によるパターン形成工程以外の工程、例えばエッチング工程にてドライエッチング処理を実施した際に、線幅の面内ばらつきの発生を抑えるためである。この樹脂パターンの残膜厚を均一化する方法として、特許文献1は、インクジェット方式で樹脂を基板上に塗布する際に、転写するパターンの密度に応じて樹脂の液滴の配置を最適化するインプリント方法を開示している。しかしながら、この樹脂を離散的に基板上に配置するインプリント方法では、基板上で樹脂が広がりにくいため、型に形成されているパターン部と基板上の樹脂とを押し付ける際、パターン部と樹脂との間に気泡が残留しやすい。この気泡が残留したまま樹脂が硬化すると、形成される樹脂パターンの形状が意図しない形状になる可能性がある。これに対して、一旦残留した気泡が消滅するまで待つのでは、生産性が低下する。そこで、特許文献2は、押し付けの際に樹脂に対する溶解性の高いガスを型と基板との間に導入することで、残留している気泡の消滅を促進する方法を開示している。さらに、非特許文献1は、溶解性の高いガスとして、特許文献2に記載されているような二酸化炭素やヘリウムよりも、より樹脂と組成の近い炭素化合物ガスを採用すれば、溶解性の向上に加えて、生産性も向上する旨を記載している。具体的には、炭素化合物ガスの雰囲気中では、樹脂の粘度が低下し、押し付け時のパターン部に樹脂が充填される速度が速くなるため、結果的に生産性が向上する。
米国特許出願公開第2009/0115110号明細書 特表2007−509769号公報
跡部、廣島、王、「スピンコートされた光ナノインプリント樹脂のペンタフルオロプロパン中における粘度特性」、第57回応用物理学関連連合講演会 講演予稿集、2010年、20a−ZH−7
しかしながら、非特許文献1に記載された炭素化合物ガス(ペンタフルオロプロパン)の雰囲気中では、未硬化状態の樹脂に多量のガスが溶解する。そのため、樹脂の光硬化後にパターン部と基板上の樹脂とを引き離す際に樹脂に溶解したガスの成分が揮発して、発泡が生じる。発泡するガスの量が多ければ多いほど、パターン部と同等の形状になるべき樹脂パターンの形状が、意図しない形状に形成される可能性がある。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、例えば、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑え、かつ生産性を向上させる点で有利なインプリント方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、型を用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント方法であって、炭素の不飽和結合を有するガスを含む雰囲気中で、型と未硬化のインプリント材とを接触させ、型と未硬化のインプリント材とが接触した状態で光の照射によりインプリント材を硬化させる工程を有し、硬化させる工程において、型と基板の間の炭素の不飽和結合を有するガスは、光の照射により、硬化したインプリント材の一部となることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑え、かつ生産性を向上させる点で有利なインプリント方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るインプリント装置の構成を示す図である。 押し付け時の樹脂の液滴の広がりを時系列で示す図である。 従来の樹脂の反応式である。 第1実施形態におけるガスの供給を受けた樹脂の反応式である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るインプリント方法および装置について説明する。図1は、本実施形態に係るインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、物品としての半導体デバイスなどのデバイスの製造に使用され、ウエハ2上(基板上)に塗布された未硬化樹脂11とモールド(型)3とを接触させて成形し、ウエハ2上に樹脂のパターンを形成する装置である。なお、ここでは、光硬化法を採用したインプリント装置とする。また、以下の図においては、ウエハ2上の樹脂に対して照射される紫外線の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。このインプリント装置1は、まず、光照射部4と、モールド保持機構5と、ウエハステージ6と、塗布部7と、ガス供給機構8と、制御部9とを備える。
光照射部4は、インプリント処理の際に、モールド3に対して紫外線10を照射する。この光照射部4は、不図示であるが、光源と、この光源から発せられた紫外線10をインプリントに適切な光に調整し、モールド3に照射する照明光学系とを含む。光源は、水銀ランプなどのランプ類を採用可能であるが、モールド3を透過し、かつ樹脂(紫外線硬化樹脂)11が硬化する波長の光を発する光源であれば、特に限定するものではない。照明光学系は、レンズ、ミラー、アパーチャ、または照射と遮光とを切り替えるためのシャッターなどを含み得る。
モールド3は、外周形状が多角形(好適には、矩形または正方形)であり、ウエハ2に対する面には、例えば回路パターンなどの転写すべき凹凸パターンが3次元状に形成されたパターン部3aを含む。なお、パターンサイズは、製造対象となる物品により様々であるが、微細なものでは十数ナノメートルのパターンも含まれる。また、モールド3の材質は、紫外線10を透過させることが可能で、かつ熱膨張率の低いことが望ましく、例えば石英とし得る。
モールド保持機構5は、モールド3を保持するモールドチャック12と、このモールドチャック12を移動自在に保持するモールド駆動機構13と、不図示であるが、モールド3(パターン部3a)の形状を補正する倍率補正機構とを有する。モールドチャック12は、モールド3における紫外線10の照射面の外周領域を真空吸着力や静電力により引き付けることでモールド3を保持し得る。モールドチャック12は、例えば真空吸着力によりモールド3を保持する場合、外部に設置された不図示の真空ポンプに接続され、この真空ポンプの排気により吸着圧を適宜調整することで、モールド3に対する吸着力(保持力)を調整し得る。モールド駆動機構13は、モールド3とウエハ2上の樹脂11との押し付け、または引き離しを選択的に行うようにモールド3を各軸方向に移動させる。このモールド駆動機構13に採用可能な動力源としては、例えばリニアモータまたはエアシリンダーがある。なお、インプリント装置1における押し付けおよび引き離しの各動作は、モールド3をZ軸方向に移動させることで実現してもよいが、後述のウエハステージ6をZ軸方向に移動させることで実現してもよく、または、その双方を相対的に移動させてもよい。さらに、倍率補正機構は、モールドチャック12におけるモールド3の保持側に設置され、モールド3の側面に対して外力または変位を機械的に与えることによりモールド3(パターン部3a)の形状を補正する。なお、モールドチャック12およびモールド駆動機構13は、XY平面方向の中心部(内側)に、光照射部4から照射された紫外線10をウエハ2に向かい通過可能とする開口領域14を有する。
ウエハ2は、例えば、単結晶シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板、またはガラス基板である。このウエハ2上には、複数のショット(パターン形成領域)が存在し、これらのショットには、パターン部3aにより樹脂11のパターン(パターンを含む層)が成形される。
ウエハステージ6は、ウエハ2を保持して移動可能であり、例えば、モールド3とウエハ2上の樹脂11との押し付けの際のパターン部3aとショットとの位置合わせなどを実施する。このウエハステージ6は、ウエハ2を吸着力により保持するウエハチャック15と、ウエハチャック15を機械的に保持し、各軸方向に移動可能とするステージ駆動機構16とを有する。ウエハチャック15は、例えば、高さの揃った複数のピンでウエハ2を支持し、ピン以外の部分を真空排気により減圧することでウエハ2を保持する。ステージ駆動機構16は、駆動中および静止中の振動が少ない動力源であり、採用可能な動力源としては、例えばリニアモータまたは平面モータなどがある。また、ウエハステージ6は、その側面に、X、Y、Z、ωx、ωy、ωzの各方向に対応した複数の参照ミラー17を備える。これに対して、インプリント装置1は、これらの参照ミラー17にそれぞれヘリウムネオンなどのビームを照射することでウエハステージ6の位置を測定する複数のレーザー干渉計18を備える。なお、図1では、参照ミラー17とレーザー干渉計18との1つの組のみを図示している。レーザー干渉計18は、ウエハステージ6の位置を実時間で計測し、後述する制御部9は、このときの計測値に基づいてウエハ2(ウエハステージ6)の位置決め制御を実行する。なお、位置計測機構としては、上記のような干渉計測長器の他にも半導体レーザーを用いたエンコーダなどが採用可能である。
塗布部7は、モールド保持機構5の近傍に設置され、ウエハ2上に存在するパターン形成領域としてのショット上に、樹脂(未硬化樹脂)11を塗布する。この樹脂11は、紫外線10を受光することにより硬化する性質を有する紫外線硬化樹脂(光硬化性樹脂、インプリント材)であり、半導体デバイス製造工程などの各種条件により適宜選択される。この塗布部7は、塗布方式としてインクジェット方式を採用し、未硬化状態の樹脂11を収容する容器19と、不図示の液滴吐出部とを有する。液滴吐出部は、例えば複数の吐出口を含むピエゾタイプの吐出機構(インクジェットヘッド)を含む。また、塗布部7は、制御部9からの動作指令に基づいて、樹脂11を液滴(後述の液滴11a)としてショット上に分散させて塗布させ、塗布位置や塗布量などを制御する。
ガス供給機構8は、パターン部3aとウエハ2上の樹脂11との押し付け時に、モールド3とウエハ2との隙間空間にガス(気体)を供給する。このガスの供給は、主に、パターン部3aの凹凸パターンに樹脂11が充填される時間を短縮させたり、充填された部分に気泡が残留することを抑止させたりするために実施されるものである。このガス供給機構8は、ガスタンク20と、モールド3の四方側面近傍に設置され、ウエハステージ6側に向かってガスを供給(放出)する供給口21と、ガスタンク20と供給口21との接続配管の途中に設置されたバルブ22と、ガス制御部23とを有する。ガスタンク20は、供給するガスを一旦保管する。供給口21は、例えば、モールドチャック12にてモールド3の周囲を囲むように環状に配置してもよいし、またはモールド3の四方の側面に合わせた複数の穴で構成してもよい。ガス制御部23は、バルブ22の開閉量を適宜調整することで、ガスの供給量や濃度などを調節する。さらに、ガス供給機構8は、供給されたガスを回収する回収口24と、回収口24に接続され、ガスの回収を実施する回収装置25とを有する。このガスの回収は、主に、供給されたガスがインプリント装置1内に滞留したままの状態となることを避けたり、またガスの再利用を促進させたりするために実施されるものである。ガス制御部23は、回収装置25の動作も適宜制御することで、ガスの回収量を調節する。ここで、採用し得るガスとしては、上記のような充填性の観点から、樹脂11での溶解性や拡散性に優れる気体が望ましいが、特に本実施形態で採用されるガスについては、以下で詳説する。
制御部9は、インプリント装置1の各構成要素の動作および調整などを制御し得る。制御部9は、例えばコンピュータなどで構成され、インプリント装置1の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素の制御を実行し得る。本実施形態の制御部9は、少なくとも、ガス制御部23に接続され、ガス供給機構8によるガスの供給動作に関する指令を送信する。なお、制御部9は、インプリント装置1の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
また、不図示であるが、インプリント装置1は、以下の構成要素を含み得る。例えば、インプリント装置1は、ウエハ2上に形成されているアライメントマークを計測するアライメント計測系を備える。また、インプリント装置1は、ウエハステージ6を載置し基準平面を形成する定盤と、モールド保持機構5を固定するブリッジ定盤と、定盤から延設され、床面からの振動を除去する除振器を介してブリッジ定盤を支持する支柱とを備える。さらに、インプリント装置1は、モールド3を装置外部とモールド保持機構5との間で搬入出させるモールド搬送機構や、ウエハ2を装置外部とウエハステージ6との間で搬入出させる基板搬送機構などを備える。
次に、インプリント装置1によるインプリント方法について説明する。まず、制御部9は、基板搬送装置によりウエハステージ6にウエハ2を載置および固定させる。次に、制御部9は、ステージ駆動機構16を駆動させてウエハ2の位置を適宜変更させつつ、アライメント計測系によりウエハ2上のアライメントマークを順次計測させ、ウエハ2の位置を高精度に検出する。そして、制御部9は、その検出結果から各転写座標を演算して、この演算結果に基づいて所定のショットごとにパターンを形成させる。ある1つのショットに対するパターン形成として、制御部9は、まず、ステージ駆動機構16により塗布部7の吐出口の直下にウエハ2上の塗布位置を位置決めさせる。その後、塗布部7は、ウエハ2上のショットに樹脂11を塗布する(塗布工程)。次に、制御部9は、ステージ駆動機構16によりパターン部3a直下の押し付け位置にショットが位置するようにウエハ2を移動させ、位置決めさせる。次に、制御部9は、モールド駆動機構13を駆動させて、パターン部3aとショット上の樹脂11とを押し付ける(接触させる)(押型工程)。同時に、制御部9は、パターン部3aとショットとの位置合わせや倍率補正機構によるパターン部3aの倍率補正などを実施させる。この押し付けにより、樹脂11は、パターン部3aの凹凸パターンに充填される。この状態で、光照射部4は、モールド3の背面(上面)から紫外線10を所定時間照射し、モールド3を透過した紫外線10により樹脂11を硬化させる(硬化工程)。そして、樹脂11が硬化した後、制御部9は、モールド駆動機構13を再駆動させ、パターン部3aと硬化した樹脂11とを引き離す(離型工程)。これにより、ウエハ2上のショットの表面にはパターン部3aの凹凸パターンに倣った3次元形状の樹脂パターン(層)が形成される。このような一連のインプリント動作をウエハステージ6の駆動によりショットを変更しつつ複数回実施することで、インプリント装置1は、1枚のウエハ2上に複数の樹脂パターンを形成することができる。
上記の押型工程では、モールド3とウエハ2上の樹脂11とを押し付ける際、樹脂11がパターン部3aの凹凸パターンに満遍なく充填される必要がある。これは、凹凸パターンと充填された樹脂11との間に気泡が残留した状態で樹脂11を硬化させると、ショット上に形成される樹脂パターンが所望の形状ではなくなり、結果的に製造される半導体デバイスなどの物品自体に影響を及ぼすためである。そこで、制御部9は、押し付け時(少なくとも押し付け開始時)には、ガス供給機構8によりモールド3とウエハ2との隙間空間にガスを供給させる。図2は、パターン部3aとウエハ2上に塗布された樹脂11とを押し付ける際の樹脂11の液滴11aの広がりを時系列で示す平面図である。まず、塗布部7により塗布された複数の液滴11aは、押し付けを開始していない状態では、図2(a)のようにそれぞれ接触していない。次に、制御部9は、ガス供給機構8によりガスを供給および回収させ、ガス雰囲気中で、押型工程、硬化工程および離型工程を実行する。これにより、モールド3とウエハ2との隙間空間は、供給されたガスの雰囲気となり、このガスは、樹脂11に溶解、拡散する。ここで、供給するガスとして、従来のように炭素化合物ガスを使用すれば、大気に存在する酸素や窒素などに比べて、樹脂11に対する溶解速度が速まり、かつ樹脂11の粘度を低下する。すなわち、図2(a)の状態から押し付けの進行状態である図2(b)、図2(c)へと、樹脂11の充填を短時間で進ませることができる。しかしながら、このようなガス充填方式にて気泡の残留を抑える場合、従来のように炭素化合物ガスを使用すると、溶解性に利点があるとはいえ、未硬化状態の樹脂11に必要以上に多くのガスが溶解する。したがって、パターン部3aと硬化後の樹脂11とを引き離す際に、樹脂11に溶解したガスが揮発して発泡が生じる可能性があり、望ましくない。そこで、本実施形態では、ガス供給機構8が押し付け時に供給するガスとして、樹脂11の光硬化の際に同時に結合しやすい炭素の不飽和結合を有するガスを採用する。例えば、この炭素の不飽和結合を有するガスとして、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)類の1つである2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CFCF=CH)を採用可能である。このHFO類は、炭素原子間の二重結合を有するフッ素系炭化水素の総称であり、安定で人体に対する毒性が低く温暖化係数も低い点で有利である。
ここで、供給するガスが炭素の不飽和結合を有する場合と有しない場合との違いについて説明する。なお、樹脂11は、モノマーM1とモノマーM2との混合物であると想定している。図3は、従来のように、炭素の不飽和結合を有するガスを使用しない場合に、樹脂11が紫外線10の照射により硬化する際の反応式の一例を示す図である。図3に示すように、紫外線(UV)10の照射により、モノマーM1とモノマーM2とが結合して硬化樹脂R1が生成される。本実施形態では光を照射することによって硬化する樹脂を用いる。硬化前の樹脂は、炭素の化合物であること、不飽和結合を持っていることが特徴である。これに対して、図4は、本実施形態における、炭素の不飽和結合を有するガスを使用し、樹脂11が紫外線10の照射により硬化する際の反応式の一例を示す図である。図4に示すように、紫外線10の照射時には、モノマーM1とモノマーM2とが結合するとともに、炭素の不飽和結合を有するガス(CX=CY)も結合され、ガスの成分に関係する反応生成部が一部となった硬化樹脂R2が生成される。すなわち、本実施形態では、樹脂11の硬化の際に、供給したガス成分を樹脂11(硬化樹脂R2)の成分として結合させるので、結果的に、樹脂11に溶解したガスの多くが発泡する(大気に解放される)ことを抑えることができる。なお、ここでの説明では、樹脂11をモノマーM1とモノマーM2との混合物としたが、樹脂11の構成は、モノマーではなく、オリゴマーやポリマーでもよい。さらに、樹脂11は、単一の物質でも複数の物質の混合物でもよい。
このように、インプリント装置1では、供給量および回収量が調整された炭素の不飽和結合を有するガスの雰囲気中で、押型工程、硬化工程および離型工程が実施される。これにより、まず、このガスは、樹脂11への溶解性が高いため、押し付け時にて気泡の残留を抑え、樹脂パターンが意図しない形状となることを避けることができる。なお、この意図しない形状には、形成された樹脂パターンに欠落が存在することのみならず、発泡時の泡の大きさがパターン部3aの凹凸よりも小さい場合に粗さが大きくなり、形状が荒れることも含む。また、このガス雰囲気中では、樹脂11の粘度が低下し、押し付け時のパターン部3aに樹脂11が充填される速度が速くなるため、結果的に生産性が向上する。さらに、樹脂11に溶解したガス成分は、樹脂11の成分と結合するため、硬化後の発泡を抑え、この場合も樹脂パターンが意図しない形状となることを避けることができる。
以上のように、本実施形態によれば、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑え、かつ生産性を向上させる点で有利なインプリント方法および装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るインプリント方法および装置について説明する。上記第1実施形態では、ガス供給機構8が供給するガスとして、炭素の不飽和結合を有するガスのみを採用している。これに対して、本実施形態のインプリント方法および装置の特徴は、ガス供給機構が供給するガスとして、炭素の不飽和結合を有するガスに混合用ガスを混合したものを採用する点にある。この場合、本実施形態のガス供給機構は、図1にて点線で示すように、第1実施形態のガス供給機構8の構成に加えて、炭素の不飽和結合を有するガスと混合用ガスとを混合し、その混合率を調整するガス混合装置30を有する。さらに、ガス供給機構は、混合用ガス用のガスタンク31と、ガスタンク31とガス混合装置30との接続配管の途中に設置されたバルブ32とを有する。
ここで、本実施形態では、炭素の不飽和結合を有するガスとして、例えば、オレフィン系炭化水素である2−ブテン(CHCH=CHCH)を採用すると想定する。このオレフィン系炭化水素も、拡散性や溶解度が高く、反応性も高いため、第1実施形態で採用したHFO類と同様に、樹脂11の充填速度を速める。しかしながら、オレフィン系炭化水素は、引火性を有するので、インプリント装置1で使用するためには、安全対策への要求度が高い。そこで、上記の混合用ガスとして、例えば窒素やヘリウムなどの不活性ガスを採用することで、安全性を維持することができる。制御部9は、ガス制御部23を介し、ガス混合装置30に対してガスの混合率を適宜調整させつつ、ガスの供給を実施させる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るインプリント方法および装置について説明する。上記第2実施形態では、混合用ガスとして窒素やヘリウムを例示したが、それ以外にも、炭素の不飽和結合を持たないガスを採用することも可能である。例えば、まず炭素の不飽和結合を有するガスとして、第1実施形態と同様に、HFO類である2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを採用する。これに対して、本実施形態では、炭素の不飽和結合を持たない混合用ガスとして、例えば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)類の1つである1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCHCF)を採用可能である。このHFC類も、溶解度が高く、樹脂の粘度を低くすることができるため、第1実施形態で採用したHFO類と同様に、樹脂11の充填速度を速めて、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑えることができる。しかしながら、樹脂11との反応性が低いため、単独で使用する場合には、溶解したガスが発泡する可能性もあり得る。そこで、HFC類を反応性の高いHFO類と混合して使用することにより、HFC類の量自体を減少させて使用することができるので、ガスの発泡を許容範囲に抑えることができる。このHFO類に対してHFC類を混合させることは、ガスの安定性が向上し、インプリント装置1内でのガスの取り扱いが容易になるという利点がある。
(物品の製造方法)
物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンを形成された基板をエッチングする工程を含み得る。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりにパターンを形成された基板を加工する他の処理を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 インプリント装置
2 ウエハ
3 モールド
8 ガス供給機構
10 紫外線
11 樹脂

Claims (12)

  1. 型を用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント方法であって、
    炭素の不飽和結合を有するガスを含む雰囲気中で、前記型と未硬化の前記インプリント材とを接触させ、
    前記型と未硬化の前記インプリント材とが接触した状態で光の照射により前記インプリント材を硬化させる工程を有し、
    前記硬化させる工程において、前記型と前記基板の間の前記炭素の不飽和結合を有するガスは、前記光の照射により、硬化した前記インプリント材の一部となることを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記炭素の不飽和結合を有するガスは、タンクから供給されることを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記光は、紫外線であることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント方法。
  4. 前記炭素の不飽和結合は、炭素原子間の二重結合であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  5. 前記炭素の不飽和結合を有するガスは、フッ素系炭化水素であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  6. 前記炭素の不飽和結合を有するガスは、オレフィン系炭化水素であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  7. 前記炭素の不飽和結合を有するガスと、不活性ガスとを混合した混合ガスの雰囲気中で、前記型と未硬化の前記インプリント材とを接触させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  8. 前記炭素の不飽和結合を有するガスと、炭素の不飽和結合を有さないガスとを混合した混合ガスの雰囲気中で、前記型と未硬化の前記インプリント材とを接触させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  9. 型を用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記フッ素系炭化水素と、不活性ガスとを混合した混合ガスの雰囲気中で、前記型と未硬化の前記インプリント材とを接触させることを特徴とするインプリント方法。
  10. 型を用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記フッ素系炭化水素と、炭素の不飽和結合を有さないガスとを混合した混合ガスの雰囲気中で、前記型と未硬化の前記インプリント材とを接触させることを特徴とするインプリント方法。
  11. 型を用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント装置であって、
    炭素の不飽和結合を有するガスを含む雰囲気中で前記型と未硬化の前記インプリント材とを接触させる駆動機構と、
    前記型と未硬化の前記インプリント材とが接触した状態で光の照射により前記インプリント材を硬化させる光照射部と、を備え、
    前記型と前記基板の間の前記炭素の不飽和結合を有するガスは、前記光の照射により、硬化した前記インプリント材の一部となることを特徴とするインプリント装置。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインプリント方法、または請求項11に記載のインプリント装置を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された基板を加工する工程と、
    を含み、加工された基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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