JP5932500B2 - インプリント方法およびインプリント装置、それを用いた物品の製造方法 - Google Patents

インプリント方法およびインプリント装置、それを用いた物品の製造方法 Download PDF

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本発明は、インプリント方法およびインプリント装置、ならびにそれを用いた物品の製造方法に関する。
半導体デバイスやMEMSなどの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィー技術に加え、基板(ウエハ)上の樹脂を型(モールド)で成形し、樹脂のパターンを基板上に形成する微細加工技術が注目を集めている。この技術はインプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体を形成することができる。例えば、インプリント技術の1つとして光硬化法がある。この光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板上のパターン形成領域に樹脂(光硬化性樹脂)を塗布する。次に、この樹脂をパターンが形成された型を用いて成形する。そして、光を照射して樹脂を硬化させたうえで引き離すことにより、樹脂のパターンが基板上に形成される。
ここで、この樹脂パターンの形成の際には、樹脂パターンの残膜厚を基板の面内で均一化させることが望ましい。これは、例えば半導体デバイス製造工程の中で、インプリント装置によるパターン形成工程以外の工程、例えばエッチング工程にてドライエッチング処理を実施した際に、線幅の面内ばらつきの発生を抑えるためである。この樹脂パターンの残膜厚を均一化する方法として、特許文献1は、インクジェット方式で樹脂を基板上に塗布する際に、転写するパターンの密度に応じて樹脂の液滴の配置を最適化するインプリント方法を開示している。しかしながら、この樹脂を離散的に基板上に配置するインプリント方法では、基板上で樹脂が広がりにくいため、型に形成されているパターン部と基板上の樹脂とを押し付ける際、パターン部と樹脂との間に気泡が残留しやすい。この気泡が残留したまま樹脂が硬化すると、形成される樹脂パターンの形状が意図しない形状になる可能性がある。これに対して、一旦残留した気泡が消滅するまで待つのでは、生産性が低下する。そこで、特許文献2は、温度や圧力により凝縮する凝縮性ガスを型と基板との間に導入することで、供給後にガスが凝縮して体積が減少することを利用し、残留している気泡の消滅を促進する方法を開示している。この特許文献2にて採用されている凝縮性ガスは、トリクロロフルオロメタン(CFCl)である。さらに、非特許文献1は、凝縮性ガスとして1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCHCF)を採用すれば、充填性が向上することを記載している。
米国特許出願公開第2009/0115110号明細書 特許第3700001号公報
HiroshiHiroshima, "Quick Cavity Filling in UV Nanoimprint UsingPentafluoropropane", Jan. J. Appl. Phys. Vol. 47, No. 6, 2008, p. 5151-5155.
しかしながら、特許文献2と非特許文献1とに記載されている凝縮性ガスの雰囲気中では、未硬化状態の樹脂に多量のガスが溶解する。そのため、樹脂の光硬化後、パターン部と基板上の樹脂とを引き離す際に樹脂に溶解したガスが揮発して、発泡が生じる。発泡するガスの量が多ければ多いほど、パターン部と同等の形状になるべき樹脂パターンの形状が、意図しない形状に形成される可能性がある。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、例えば、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑え、かつ生産性を向上させる点で有利なインプリント方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、型を用いて基板上の樹脂にパターンを形成するインプリント方法であって、ブタン系ガスを含む雰囲気中で、型と樹脂とを接触させることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑え、かつ生産性を向上させる点で有利なインプリント方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るインプリント装置の構成を示す図である。 ブタン系ガスおよび従来のガスの沸点と常温における蒸気圧の表である。 ブタン系ガスおよび従来のガスの樹脂への溶解度を示す表である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るインプリント方法および装置について説明する。図1は、本実施形態に係るインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、物品としての半導体デバイスなどのデバイスの製造に使用され、ウエハ2上(基板上)に塗布された未硬化樹脂11とモールド(型)3とを接触させて成形し、ウエハ2上に樹脂のパターンを形成する装置である。なお、ここでは、光硬化法を採用したインプリント装置とする。また、以下の図においては、ウエハ2上の樹脂に対して照射される紫外線の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。このインプリント装置1は、まず、光照射部4と、モールド保持機構5と、ウエハステージ6と、塗布部7と、ガス供給機構8と、制御部9とを備える。
光照射部4は、インプリント処理の際に、モールド3に対して紫外線10を照射する。この光照射部4は、不図示であるが、光源と、この光源から発せられた紫外線10をインプリントに適切な光に調整し、モールド3に照射する照明光学系とを含む。光源は、水銀ランプなどのランプ類を採用可能であるが、モールド3を透過し、かつ樹脂(紫外線硬化樹脂)11が硬化する波長の光を発する光源であれば、特に限定するものではない。照明光学系は、レンズ、ミラー、アパーチャ、または照射と遮光とを切り替えるためのシャッターなどを含み得る。
モールド3は、外周形状が多角形(好適には、矩形または正方形)であり、ウエハ2に対する面には、例えば回路パターンなどの転写すべき凹凸パターンが3次元状に形成されたパターン部3aを含む。なお、パターンサイズは、製造対象となる物品により様々であるが、微細なものでは十数ナノメートルのパターンも含まれる。また、モールド3の材質は、紫外線10を透過させることが可能で、かつ熱膨張率の低いことが望ましく、例えば石英とし得る。
モールド保持機構5は、モールド3を保持するモールドチャック12と、このモールドチャック12を移動自在に保持するモールド駆動機構13と、不図示であるが、モールド3(パターン部3a)の形状を補正する倍率補正機構とを有する。モールドチャック12は、モールド3における紫外線10の照射面の外周領域を真空吸着力や静電力により引き付けることでモールド3を保持し得る。モールドチャック12は、例えば真空吸着力によりモールド3を保持する場合、外部に設置された不図示の真空ポンプに接続され、この真空ポンプの排気により吸着圧を適宜調整することで、モールド3に対する吸着力(保持力)を調整し得る。モールド駆動機構13は、モールド3とウエハ2上の樹脂11との押し付け、または引き離しを選択的に行うようにモールド3を各軸方向に移動させる。このモールド駆動機構13に採用可能な動力源としては、例えばリニアモータまたはエアシリンダーがある。なお、インプリント装置1における押し付けおよび引き離しの各動作は、モールド3をZ軸方向に移動させることで実現してもよいが、後述のウエハステージ6をZ軸方向に移動させることで実現してもよく、または、その双方を相対的に移動させてもよい。さらに、倍率補正機構は、モールドチャック12におけるモールド3の保持側に設置され、モールド3の側面に対して外力または変位を機械的に与えることによりモールド3(パターン部3a)の形状を補正する。なお、モールドチャック12およびモールド駆動機構13は、XY平面方向の中心部(内側)に、光照射部4から照射された紫外線10をウエハ2に向かい通過可能とする開口領域14を有する。
ウエハ2は、例えば、単結晶シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板、またはガラス基板である。このウエハ2上には、複数のショット(パターン形成領域)が存在し、これらのショットには、パターン部3aにより樹脂11のパターン(パターンを含む層)が成形される。
ウエハステージ6は、ウエハ2を保持して移動可能であり、例えば、モールド3とウエハ2上の樹脂11との押し付けの際のパターン部3aとショットとの位置合わせなどを実施する。このウエハステージ6は、ウエハ2を吸着力により保持するウエハチャック15と、ウエハチャック15を機械的に保持し、各軸方向に移動可能とするステージ駆動機構16とを有する。ウエハチャック15は、例えば、高さの揃った複数のピンでウエハ2を支持し、ピン以外の部分を真空排気により減圧することでウエハ2を保持する。ステージ駆動機構16は、駆動中および静止中の振動が少ない動力源であり、採用可能な動力源としては、例えばリニアモータまたは平面モータなどがある。また、ウエハステージ6は、その側面に、X、Y、Z、ωx、ωy、ωzの各方向に対応した複数の参照ミラー17を備える。これに対して、インプリント装置1は、これらの参照ミラー17にそれぞれヘリウムネオンなどのビームを照射することでウエハステージ6の位置を測定する複数のレーザー干渉計18を備える。なお、図1では、参照ミラー17とレーザー干渉計18との1つの組のみを図示している。レーザー干渉計18は、ウエハステージ6の位置を実時間で計測し、後述する制御部9は、このときの計測値に基づいてウエハ2(ウエハステージ6)の位置決め制御を実行する。なお、位置計測機構としては、上記のような干渉計測長器の他にも半導体レーザーを用いたエンコーダなどが採用可能である。
塗布部7は、モールド保持機構5の近傍に設置され、ウエハ2上に存在するパターン形成領域としてのショット上に、樹脂(未硬化樹脂)11を塗布する。この樹脂11は、紫外線10を受光することにより硬化する性質を有する紫外線硬化樹脂(光硬化性樹脂、インプリント材)であり、半導体デバイス製造工程などの各種条件により適宜選択される。この塗布部7は、塗布方式としてインクジェット方式を採用し、未硬化状態の樹脂11を収容する容器19と、不図示の液滴吐出部とを有する。液滴吐出部は、例えば複数の吐出口を含むピエゾタイプの吐出機構(インクジェットヘッド)を含む。また、塗布部7は、制御部9からの動作指令に基づいて、樹脂11を液滴(後述の液滴11a)としてショット上に分散させて塗布させ、塗布位置や塗布量などを制御する。
ガス供給機構8は、パターン部3aとウエハ2上の樹脂11との押し付け時に、モールド3とウエハ2との隙間空間にガス(気体)を供給する。このガスの供給は、主に、パターン部3aの凹凸パターンに樹脂11が充填される時間を短縮させたり、充填された部分に気泡が残留することを抑止させたりするために実施されるものである。このガス供給機構8は、ガスタンク20と、モールド3の四方側面近傍に設置され、ウエハステージ6側に向かってガスを供給(放出)する供給口21と、ガスタンク20と供給口21との接続配管の途中に設置されたバルブ22と、ガス制御部23とを有する。ガスタンク20は、供給するガスを一旦保管する。供給口21は、例えば、モールドチャック12にてモールド3の周囲を囲むように環状に配置してもよいし、またはモールド3の四方の側面に合わせた複数の穴で構成してもよい。ガス制御部23は、バルブ22の開閉量を適宜調整することで、ガスの供給量や濃度などを調節する。さらに、ガス供給機構8は、供給されたガスを回収する回収口24と、回収口24に接続され、ガスの回収を実施する回収装置25とを有する。このガスの回収は、主に、供給されたガスがインプリント装置1内に滞留したままの状態となることを避けたり、またガスの再利用を促進させたりするために実施されるものである。ガス制御部23は、回収装置25の動作も適宜制御することで、ガスの回収量を調節する。ここで、採用し得るガスとしては、上記のような充填性の観点から、樹脂11での溶解性や拡散性に優れる気体が望ましいが、特に本実施形態で採用されるガスについては、以下で詳説する。
制御部9は、インプリント装置1の各構成要素の動作および調整などを制御し得る。制御部9は、例えばコンピュータなどで構成され、インプリント装置1の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素の制御を実行し得る。本実施形態の制御部9は、少なくとも、ガス制御部23に接続され、ガス供給機構8によるガスの供給動作に関する指令を送信する。なお、制御部9は、インプリント装置1の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
また、不図示であるが、インプリント装置1は、以下の構成要素を含み得る。例えば、インプリント装置1は、ウエハ2上に形成されているアライメントマークを計測するアライメント計測系を備える。また、インプリント装置1は、ウエハステージ6を載置し基準平面を形成する定盤と、モールド保持機構5を固定するブリッジ定盤と、定盤から延設され、床面からの振動を除去する除振器を介してブリッジ定盤を支持する支柱とを備える。さらに、インプリント装置1は、モールド3を装置外部とモールド保持機構5との間で搬入出させるモールド搬送機構や、ウエハ2を装置外部とウエハステージ6との間で搬入出させる基板搬送機構などを備える。
次に、インプリント装置1によるインプリント方法について説明する。まず、制御部9は、基板搬送装置によりウエハステージ6にウエハ2を載置および固定させる。次に、制御部9は、ステージ駆動機構16を駆動させてウエハ2の位置を適宜変更させつつ、アライメント計測系によりウエハ2上のアライメントマークを順次計測させ、ウエハ2の位置を高精度に検出する。そして、制御部9は、その検出結果から各転写座標を演算して、この演算結果に基づいて所定のショットごとにパターンを形成させる。ある1つのショットに対するパターン形成として、制御部9は、まず、ステージ駆動機構16により塗布部7の吐出口の直下にウエハ2上の塗布位置を位置決めさせる。その後、塗布部7は、ウエハ2上のショットに樹脂11を塗布する(塗布工程)。次に、制御部9は、ステージ駆動機構16によりパターン部3a直下の押し付け位置にショットが位置するようにウエハ2を移動させ、位置決めさせる。次に、制御部9は、モールド駆動機構13を駆動させて、パターン部3aとショット上の樹脂11とを押し付ける(接触させる)(押型工程)。同時に、制御部9は、パターン部3aとショットとの位置合わせや倍率補正機構によるパターン部3aの倍率補正などを実施させる。この押し付けにより、樹脂11は、パターン部3aの凹凸パターンに充填される。この状態で、光照射部4は、モールド3の背面(上面)から紫外線10を所定時間照射し、モールド3を透過した紫外線10により樹脂11を硬化させる(硬化工程)。そして、樹脂11が硬化した後、制御部9は、モールド駆動機構13を再駆動させ、パターン部3aと硬化した樹脂11とを引き離す(離型工程)。これにより、ウエハ2上のショットの表面にはパターン部3aの凹凸パターンに倣った3次元形状の樹脂パターン(層)が形成される。このような一連のインプリント動作をウエハステージ6の駆動によりショットを変更しつつ複数回実施することで、インプリント装置1は、1枚のウエハ2上に複数の樹脂パターンを形成することができる。
上記の押型工程では、モールド3とウエハ2上の樹脂11とを押し付ける際、樹脂11がパターン部3aの凹凸パターンに満遍なく充填される必要がある。これは、凹凸パターンと充填された樹脂11との間に気泡が残留した状態で樹脂11を硬化させると、ショット上に形成される樹脂パターンが所望の形状ではなくなり、結果的に製造される半導体デバイスなどの物品自体に影響を及ぼすためである。そこで、制御部9は、押し付け時(少なくとも押し付け開始時)には、モールド3とウエハ2との隙間空間に対して、ガス供給機構8によりガスを供給および回収させ、このガス雰囲気中で、押型工程、硬化工程および離型工程を実行する。これにより、モールド3とウエハ2との隙間空間は、供給されたガスの雰囲気となり、このガスは、樹脂11に溶解、拡散する。ここで、供給するガスとして、従来のように炭素化合物ガスを使用すれば、大気に存在する酸素や窒素などに比べて、樹脂11に対する溶解速度が速まり、かつ樹脂11の粘度も低下するので、樹脂11の充填を短時間で進ませることができる。しかしながら、このようなガス充填方式にて気泡の残留を抑える場合、従来のように炭素化合物ガスを使用すると、溶解性に利点があるとはいえ、未硬化状態の樹脂11に必要以上に多くのガスが溶解する。したがって、パターン部3aと硬化後の樹脂11とを引き離す際に、樹脂11に溶解したガスが揮発して発泡が生じる可能性があり、望ましくない。そこで、本実施形態では、ガス供給機構8が押し付け時に供給するガスとして、凝縮性ガスである、炭素の数が4個のブタン系ガスを採用する。
凝縮性ガスは、押型工程での押し付けの際に凝縮し、体積が急激に減少する。したがって、樹脂11は、パターン部3aの凹凸パターンに満遍なく充填されやすい。特に、この凝縮性ガスがブタン系ガスであると、樹脂11への溶解が特許文献2と非特許文献1とに記載されたガスを用いた場合よりも少ない。すなわち、離型工程での引き離しの際に、樹脂11に溶解したガスが揮発して発泡することを抑えることができる。このブタン系ガスとしては、例えばパーフルオロシクロブタン(c−(CF)が採用可能である。この物質は、沸点が−6゜Cで、常温での蒸気圧が0.3MPaであるため液化しやすい。また、従来用いられていた凝縮性ガスであるトリクロロフルオロメタン(CFCl)や、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCHCF)よりも樹脂11に対する溶解度が低い。この物質は、安定で人体に対する毒性が低く、インプリント装置1にて用いるにも有利である。
ここで、本実施形態で採用し得るブタン系ガスは、上記のパーフルオロシクロブタンに限らず、常温での蒸気圧が、0.1〜0.4MPaの範囲にあるか、または、沸点が、押し付けが実施される空間(処理空間)の温度以下であればよい。図2は、従来の供給ガスとの比較を含む、本実施形態で採用し得るブタン系ガスの示性式と、それぞれの沸点および蒸気圧を示す表である。インプリント装置1では、装置構成や処理条件などを考慮し、図2に示すようなブタン系ガスの中から条件に適したガスを選択し採用する。まず、常温での蒸気圧が上記の範囲内にあるブタン系ガスであれば、押し付け時の押圧をその範囲とすることのみで、容易に液化させることができる。ここで、押圧を上記の範囲に収めることが可能であるということは、インプリント装置1の構成自体に有利となる。例えば、押圧が0.4MPaよりも大きいと、モールド3やウエハ2の精度に影響を及ぼす可能性がある。これに対して、押圧が0.1MPaよりも小さいと、インプリント装置1内での減圧が必要となり、装置構成が複雑になる。一方、光硬化法によるインプリント装置では、処理空間の温度は、通常、常温(23°C付近)である。したがって、沸点が処理空間の温度よりも低いブタン系ガスであれば、容易に液化させることができる。これに対して、沸点が処理空間の温度よりも高いブタン系ガスは、常温では液体であるため、液化により体積減少を起こさせるためには、処理空間内を一旦沸点以上の高温に熱してから再度常温に戻すまで冷却する必要があり、この場合も装置構成が複雑になる。
図3は、従来の供給ガスとの比較を含む、本実施形態で採用し得るブタン系ガスの示性式と、それぞれの樹脂11への溶解度(mg/ml)を示す表である。上記のようにガス供給機構から供給するガスを、空気、窒素またはヘリウムなどの一般的なガスとすると、樹脂11への溶解度が非常に低いため、気泡の残留が生じやすい。また、供給するガスを凝縮性ガスである炭素の数が3つのプロパン系ガスとすると、ブタン系ガスに比べて樹脂11への溶解度が高く、硬化後の樹脂11から発泡が生じやすい。これに対して、本実施形態で採用するブタン系ガスは、適度な溶解度であるため、充填性を向上させつつ、さらに発泡を抑えることができる。なお、供給するガスとして、炭素の数が5つのペンタン系ガスを使用すると、図2に示すように沸点が処理空間よりも高いものがほとんどであり、好ましくない。
このように、インプリント装置1では、供給量および回収量が調整された凝縮性ガスであるブタン系ガスの雰囲気中で、押型工程、硬化工程および離型工程が実施される。これにより、まず、このガスは、樹脂11への溶解性が空気や窒素などの一般的なガスよりも高いため、押し付け時にて気泡の残留を抑え、樹脂パターンが意図しない形状となることを避けることができる。なお、この意図しない形状には、形成された樹脂パターンに欠落が存在することのみならず、発泡時の泡の大きさがパターン部3aの凹凸よりも小さい場合に粗さが大きくなり、形状が荒れることも含む。また、このガス雰囲気中では、樹脂11の粘度が低下し、押し付け時のパターン部3aに樹脂11が充填される速度が速くなるため、結果的に生産性が向上する。さらに、ブタン系ガスの溶解度は、上記一般的なガスよりも高いが、従来の凝縮性ガスよりも低いため、硬化後の発泡を抑え、この場合も樹脂パターンが意図しない形状となることを避けることができる。
以上のように、本実施形態によれば、樹脂パターンが意図しない形状に形成されることを抑え、かつ生産性を向上させる点で有利なインプリント方法および装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るインプリント方法および装置について説明する。上記第1実施形態では、ガス供給機構8が供給するガスとして、ある1つのブタン系ガスを採用している。これに対して、本実施形態のインプリント方法および装置の特徴は、ガス供給機構が供給するガスとして、ブタン(CH(CHCH)に混合用ガスを混合した、ブタンを10%以上含有するガスを採用する点にある。この場合、本実施形態のガス供給機構は、第1実施形態のガス供給機構8の構成にてガスタンク20にはブタンが含まれ、加えて、図1にて点線で示すように、ブタンと混合用ガスとを混合し、その混合率を調整するガス混合装置30を有する。さらに、ガス供給機構は、混合用ガス用のガスタンク31と、ガスタンク31とガス混合装置30との接続配管の途中に設置されたバルブ32とを有する。ここで、本実施形態では、混合用ガスとして、不活性ガス、例えばヘリウムや窒素などを採用し得る。このブタンも、樹脂11の充填速度を速めることができる点で有用である。インプリント装置に供給するブタン系ガスの濃度は、高い方が望ましい。第1実施形態で説明したガスは、比較的安定しているため、必ずしも他のガスを混合する必要はない。しかしながら、ブタンは、引火性を有するので、インプリント装置1で使用するためには、安全対策への要求度が高い。そこで、上記の混合用ガスとしてヘリウムなどを採用することで、安全性を維持することができる。インプリントを行う雰囲気中に、ブタン系ガスが10%以上含まれていることで、転写されるパターンが意図しない形状に形成されることを低減することができる。制御部9は、ガス制御部23を介し、ガス混合装置30に対してガスの混合率を適宜調整させつつ、ガスの供給を実施させる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るインプリント方法および装置について説明する。上記第2実施形態では、ブタン系ガスとしてブタンを、また混合用ガスとしてヘリウムなどを例示したが、それ以外にも、他の凝縮性ガスを混合用ガスとして採用することも可能である。本実施形態では、まず、凝縮性ガスの中でも比較的溶解度が低いブタン系ガスとして、例えばパーフルオロブタン(CF(CFCF)を採用する。これに対して、凝縮性ガスの中でも比較的溶解度が高い混合用ガスとして、例えば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)類の1つである1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを採用する。このどちらのガスも凝縮性を有するため、樹脂11の充填速度を向上させたり、気泡の残留を抑えたりすることができる。特にこの場合には、2つのガスの混合率を調整することで、ガスの発泡を許容範囲に抑えることができるので、凝縮に必要な条件の選択に幅が広がり、インプリント装置1の設計自体が容易になるという利点もある。
(物品の製造方法)
物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンを形成された基板をエッチングする工程を含み得る。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりにパターンを形成された基板を加工する他の処理を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 インプリント装置
2 ウエハ
3 モールド
8 ガス供給機構
10 紫外線
11 樹脂

Claims (8)

  1. 型を用いて基板上の樹脂にパターンを形成するインプリント方法であって、
    ブタン系ガスを含む雰囲気中で、前記型と前記樹脂とを接触させることを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記ブタン系ガスは、前記型と前記樹脂とが接触する空間の温度での蒸気圧が0.1〜0.4MPaの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記ブタン系ガスの沸点は、前記型と前記樹脂とが接触する空間の温度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント方法。
  4. 前記ブタン系ガスは、前記雰囲気中に10%以上含有されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  5. 前記ブタン系ガスと不活性ガスとを混合したガスの雰囲気中で、前記型と前記樹脂とを接触させることを特徴とする請求項4に記載のインプリント方法。
  6. 前記ブタン系ガスは、CH3(CH2)2CH3、c−(CF2)4、CF3(CF2)2CF3の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  7. 型を用いて基板上の樹脂にパターンを形成するインプリント装置であって、
    タン系ガスを含む気体を前記型と前記基板との間の空間に供給するガス供給機構を備え
    前記ガス供給機構からの前記ブタン系ガスの雰囲気中で、前記型と前記樹脂とを接触させることを特徴とするインプリント装置。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインプリント方法、または請求項7に記載のインプリント装置を用いて基板上に樹脂のパターンを形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された基板を加工する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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