JP2023072644A - 異物除去方法、異物除去装置、及び物品の製造方法 - Google Patents

異物除去方法、異物除去装置、及び物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板上の異物を除去するのに有利な構成を提供することを目的としている。【解決手段】 基板上の硬化性組成物に、部材を接触させた状態で硬化性組成物を硬化させる。その後、基板から硬化性組成物と密着した部材を分離することで、基板上から硬化性組成物と異物とを除去する。【選択図】 図2

Description

本発明は、異物除去方法、異物除去装置、及び物品の製造方法に関するものである。
半導体デバイスやMEMSなどの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィー技術に加えて、基板上に数ナノメートルオーダーの微細なパターン(構造体)を形成することができるインプリント技術が注目されている。インプリント技術は、基板上に未硬化のインプリント材を供給(塗布)し、かかるインプリント材とモールド(型)とを接触させて、モールドに形成された微細な凹凸パターンに対応するインプリント材のパターンを基板上に形成する微細加工技術である。
インプリント技術において、インプリント材の硬化法の1つとして光硬化法がある。光硬化法は、基板上のショット領域に供給されたインプリント材とモールドとを接触させた状態で光を照射してインプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材からモールドを引き離すことでインプリント材のパターンを基板上に形成する方法である。
このようなインプリント技術では、基板上に異物が付着している状態で型と基板上のインプリント材を接触させると、所望の形状の構造物を形成することができないばかりか型や基板を破損してしまう可能性がある。そのため、基板上に付着した異物を除去してからインプリント処理を行う必要がある。
特許文献1には、ウエハ上にパターンを形成する前に、ウエハ上の異物の位置を特定し、当該異物を粉砕し、さらに粘着膜が張り付けられた異物除去用の型を粉砕された異物に接触させて異物を除去する方法が記載されている。
特開2012-243805公報
しかしながら、特許文献1に記載の異物除去方法では、異物粉砕時にパターンや下地層といった構成部材を損傷してしまう可能性がある。また、接着剤で異物を除去する場合、すべてを除去することができないことも懸念される。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、基板上の異物を除去することができる構成を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は基板上の異物を除去する異物除去方法であって、前記基板上に硬化性組成物を供給する供給工程と、前記基板上の硬化性組成物に、部材を接触させる接触工程と、前記硬化性組成物と前記部材とが接触した状態で前記硬化性組成物を硬化させる硬化工程と、前記基板から前記部材を分離することで、前記基板上から前記硬化性組成物と異物を除去する除去工程と、を有し、硬化した前記硬化性組成物が前記部材に積層されるように、前記供給工程、前記接触工程、前記硬化工程、前記除去工程を含む異物処理工程を、同一の前記部材を用いて複数回繰り返し行う。
本発明によれば、基板上の異物を除去するのに有利な構成を提供することができる。
インプリント装置の構成を示す概略図である。 異物除去処理の流れを説明するフローチャートである。 図2のインプリント処理を説明するフローチャートである。 第1の実施形態に係る異物除去処理の流れを説明する図である。 異物除去処理での失敗例を説明する図である。 異物除去処理の際に吐出される液滴の配置例である。 異物除去処理の際に吐出される液滴とメサ端部の位置関係を示した図である。 第2の実施形態に係る説明図である。 第3の実施形態に係る説明図である。 物品の製造方法を説明するための図である。 第4の実施形態に係る説明図である。 第4の実施形態に係る説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
インプリント装置は、基板上に供給された硬化性組成物(インプリント材)を型と接触させ、硬化性組成物に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。例えば、インプリント装置は、基板上に硬化性組成物を供給し、凹凸のパターンが形成された型を基板上の硬化性組成物に接触させた状態で当該硬化性組成物を硬化させる。そして、型と基板との間隔を広げて、硬化した硬化性組成物から型を剥離(離型)することで、基板上の硬化性組成物に型のパターンを転写することができる。このような一連の処理を、インプリント処理と呼び、基板における複数のショット領域の各々について行われる。つまり、1枚の基板における複数のショット領域の各々に対してインプリント処理を行う場合には、該1枚の基板におけるショット領域の数だけインプリント処理が繰り返し行われることとなる。
図1はインプリント装置1の構成を示した図である。図1を用いてインプリント装置1の構成について説明する。ここでは、基板10が配置される面をXY面、それに直交する方向をZ方向として、図1に示したように各軸を決める。インプリント装置1は、基板上に供給された硬化性組成物を型8と接触させ、硬化性組成物に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。型8は、モールド、テンプレートまたは原版とも呼ばれうる。図1のインプリント装置1は、物品としての半導体デバイスなどのデバイスの製造に使用される。ここでは光硬化法を採用したインプリント装置1について説明する。
インプリント装置1は、型8を保持し移動する型保持部3(インプリントヘッド、部材保持部とも称する)、基板10を保持し移動する基板保持部4(ステージ)、基板上に硬化性組成物を配置する吐出機構5(硬化性組成物の供給部)を備える。また、インプリント装置1には、硬化性組成物を硬化させる光9を照射する光照射系2(硬化部)、光35を照射して型と硬化性組成物の接触状態を撮像する撮像部6、インプリント装置1の動作を制御する制御部7を備える。さらに、インプリント装置1は、型や基板に形成されたマークを検出する検出器12を備える。
基板保持部4は、基板10を保持する基板チャック16、XYZ座標系における少なくともX軸方向およびY軸方向の2軸に関して基板10の位置を制御する基板駆動機構17を備える。また、基板保持部4は、その側面に、X、Y、Z、ωx、ωy、ωzの各方向に対応した複数の参照ミラー18を備える。これに対して、インプリント装置1は、これらの参照ミラー18にそれぞれビームを照射することで、基板保持部4の位置を測定する複数のレーザ干渉計19(測長器)を備える。レーザ干渉計19は、基板保持部4の位置を計測し、制御部7は、このときの計測値に基づいて基板10(基板保持部4)の位置決め制御を実行する。インプリント装置1は、参照ミラー18とレーザ干渉計19の代わりにエンコーダを用いて基板保持部4の位置を測定してもよい。
型保持部3は、型チャック11によって型8を保持した状態で型保持部に設けられた型駆動機構38(アクチュエータ)によって上下方向(Z軸方向)に移動する。型保持部3が型駆動機構38によって下方(-Z方向)に移動することによって型8のパターン領域8aは硬化性組成物14と接触(押印)する。インプリント装置1に用いられる型8のパターン領域8aには、基板上に形成する凹凸パターンの反転パターンが形成されている。以下の説明では、型のメサ部は、パターン領域8aである場合について説明するが、パターンが形成されていない平坦部であってもよい。硬化性組成物が硬化した後、型保持部3が型駆動機構38によって上方(+Z方向)に移動することによって型8のパターン領域8aは硬化した硬化性組成物から引き離される(離型)。押印と離型は、型保持部3が移動する代わりに基板保持部4がZ軸方向に移動してもよく、型保持部3と基板保持部4とが相対的に移動してもよい。
さらに、型保持部3には、光透過部材41(例えば石英板)と型8で区切られた空間13が設けられていてもよく、空間13内の圧力を調整することにより押印時や離型時の型8を変形することができる。例えば、押印時に空間13内の圧力を高くすることで型8を基板10に対して凸形状に変形させてパターン領域8aと硬化性組成物14とを接触させることができる。
検出器12は、型8に形成されたマークと、基板10に形成されたマークとを検出することができる。インプリント装置1は、検出器12の検出結果に基づいて型8と基板10の相対的な位置を求めることができ、型8と基板10の少なくとも一方を移動させることで型8と基板10を位置合わせすることができる。
撮像部6は、型保持部3に保持された型8のパターン領域8aを視野に含むように構成(配置)され、型8及び基板10の少なくとも一方を撮像して画像を取得する。撮像部6は、型8及び基板10上の硬化性組成物との接触状態を観察したり、基板10上の状態を確認することができるカメラ(スプレッドカメラ)である。
制御部7は、CPUやメモリなどを含み、基板10上に形成された複数のショット領域にパターンを形成するためにインプリント装置1の各機構の動作を制御する。また制御部7は、型保持部3、基板保持部4、吐出機構5、光照射系2(硬化部)、撮像部6および検出器12を制御するように構成されうる。制御部7は、インプリント装置1内に設けてもよいし、インプリント装置1とは別の場所に設置し遠隔で制御しても良い。
硬化性組成物には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
硬化性組成物は、吐出機構5のインクジェット方式の液体噴射ヘッド等により、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に付与される。硬化性組成物の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上、100mPa・s以下である。
基板は、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板としては、具体的に、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスなどである。
このようなインプリント装置1では、インプリント処理する際に基板上に異物が存在すると、型のパターン領域8aに設けられたパターン構造を破壊してしまう可能性がある。そのため、インプリント装置1でインプリント処理が行われる前に基板上の異物を除去しておく必要がある。
以下、図2及び図3を参照して、基板上の異物を除去する方法について説明を行う。なお以下説明では、図1に示すインプリント装置1内で行われる異物除去処理について説明を行うが、パターンを形成するようなインプリント処理の前に、インプリント装置1とは別の異物除去装置で行うようにしてもよい。
半導体プロセスにおいて基板上にパターンが形成された後は、基板10の表面に異物53が付着することがある。パターンが微細化、高アスペクト化すると、これらの異物は従来のウエット洗浄方法では除去が困難になることが分かっており、以下説明する異物を硬化性組成物に包み込んで除去する異物除去方法が有効である。
図2及び図3は、異物除去処理の方法を説明するフローチャートである。本フローチャートにおける各ステップは、インプリント装置(異物除去装置)の各機構を統括的に制御する制御部により実行される。図1のインプリント装置1では、制御部7によって各部を制御することで実行される。
S201では、外部の搬送手段などから基板10を受けとり、基板保持部4に保持する。そして、S201では、搬入された基板10の表面に異物が存在しているかを検査する。存在している場合には異物の個数、および各異物の座標位置と大きさ(XY方向のサイズおよび、Z方向の高さ)を取得する。異物を検出する方法としては、異物の大きさ、高さ及び基板上の座標が分かる測定方法であれば特に方式は問わないが、例えば図4(a)に示すようなレーザ散乱光による測定方法を用いることができる。図4(e)は、図4(a)の基板のショット領域10b(インプリント領域)上の異物53を基板上側から見た図である。
光照射部60からレーザ光線62を基板10に対して照射すると、レーザ光線62は基板表面で反射し、光検出器61に入射する。このとき基板上に異物53があると、レーザの反射状態が変化するので、光検出器61で検出される光量が変動する。この変動から異物の存在する位置(座標位置)、大きさを測定することができる。また、予め基板に大きさが既知の微小粒子、例えば複数の大きさの異なるシリカ粒子を基板上に散布しておき、それらをレーザで測定することで光の反射強度とシリカ粒子の大きさの相関を求めておくことができる。その相関関係から検量線を引くことで、異物の大きさを知ることができるようになる。反射光は基板の表面状態に依存するため、予め測定する基板の表面状態を事前に把握しておく必要がある。反射状態が変化した位置から基板上の異物の座標を把握することができる。こうした測定方法によって基板上の異物の座標、大きさを知ることができる。また、レーザ散乱光による測定方法以外にも、撮像部6を取得部として用い、座標位置及び大きさを取得してもよい。さらに、インプリント装置1内で検査しなくとも、外部の検査装置から検査結果を取得するようにしてもよい。
以下、S203~S208の処理は、S202の異物検査により見つかった異物の数だけ繰り返し行う。
S203では、異物除去を行うかを判断する。例えば、異物の大きさがインプリント処理に影響しない大きさであれば異物除去を行わないと判断してもよい。インプリント処理で供給される硬化性組成物の膜厚よりも大きい異物は硬化性組成物に埋まることが無いので型を傷つける可能性が高くなるため、異物除去を行うと判断することが好ましい。また、異物の大きさが除去できないほど大きい場合には、その後のインプリント処理自体を行わないようにエラーとして終了してもよい。なお、S203のような異物除去の判断処理を行わなくとも、S202の異物検査時に異物のカウント時にすべてカウントせずに大きさで分別するようにしてもよい。
S204では、異物除去のために基板上に塗布する硬化性組成物の塗布位置(液滴の滴下位置)及び塗布量(滴下量)を決定する。具体的には、S202で検査して取得された異物の大きさから決まる、異物を十分に包み込むことができ、かつ、異物除去用の型8(部材)の端部からはみ出さない量の液滴を、型8の端部からはみ出さないような位置に決定する。
S205では、S204で決定された位置および塗布量で、基板上に異物除去用の硬化性組成物を吐出機構5により吐出させ、硬化性組成物を基板上に塗布する。これにより図4(b)に示すように吐出機構5によって硬化性組成物14の液滴が配置される。図4(f)は、図4(b)の基板のショット領域10bを基板上側から見た図である。
硬化性組成物14の液滴の配置するパターンは様々なものを用いることができる。例えば図6(a)の液滴が正方格子状にあるピッチで配置する正方パターン71、図6(b)の液滴を三角形状にあるピッチで配置するダイアモンドパターン72、図6(c)の液滴が所定面積で一定になるように配置するランダムパターンなどを用いることができる。硬化性組成物の目的の厚さが得られれば配置パターンは限定されず、どれを選んでも良い。また、複数種類のパターンを組み合わせても良い。
S206では、基板上に塗布された複数の液滴と型8とを接触させて押印する。この時の型8の接触時の圧力や高さ等の接触条件は、S202で取得される異物の大きさ等の情報に基づいて決定することが好ましい。また、異物除去のために用いられる型8は、インプリント処理に用いる型とは異なり、表面に硬化性組成物14との密着性を向上させる密着層20が設けられているものが好ましい。基板と硬化後の硬化性組成物との密着力よりも、型8と硬化後の硬化性組成物との密着力の方が大きくなるのであれば、密着層20を設けずとも密着性を向上させる表面処理が行われているだけでもよい。例えば密着性を向上させる目的で型8の表面に微細な凹凸(表面処理層)を設け、アンカー効果による硬化性組成物との密着性の向上を図っても良い。また、異物除去に用いるものであるため、型8の表面はパターン構造が設けられていない平坦な面であることが好ましい。
型8の表面に密着層20を設ける方法としては、インプリント装置外の塗布装置で塗布しても良いし、装置内で塗布されても良く、塗布手段は特に限定されない。例えば、スピンコート法で塗布しても良いし、ディップ方式で塗布しても良い。スピンコート法の場合、一般的なスピンコート装置で基板全域に硬化性組成物を均一に塗布することができる。
塗布後は、密着材料を硬化させるためベーク処理を行っても良い。密着材は型と結合するカルボキシル基、及び硬化性組成物と反応するアクリル基を有する材料からなり、型と硬化性組成物を密着させる機能を有する。
液滴と型8とを接触させて押印して、硬化性組成物が型の接触領域内に充填されるまで十分に待った後にS207に進み、光照射系2から硬化性組成物を硬化させる光9を、型8と密着層20を介して基板上の硬化性組成物14に照射して硬化させる。このとき照射光量などの硬化条件は、S204で決定された硬化性組成物の塗布量(膜厚)に応じた硬化条件とすることが好ましい。光9の波長としては、一般的には紫外線領域の波長が主に使用することができる。図4(c)は、密着層20が設けられた型8を、異物53を包み込む硬化性組成物14に接触させ、硬化光9を照射している様子を示している図である。
S208では、基板上の硬化した硬化性組成物から型8を分離させる。このとき、硬化性組成物14と密着性が高い密着層20が設けられた型8を用いることで、異物を包み込んで固定した硬化性組成物は、基板ではなく型8側に付着して引き離される。図4(d)は、硬化した硬化性組成物から型8を分離した様子を示している。
基板10から異物53を包み込んだ硬化性組成物を引き離した型8は、その後硬化性組成物を除去する必要がある。例えばオゾンアッシングによる方法及び硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いて剥離して除去する方法を用いることができる。またインプリント装置外に型8を取り出して、洗浄装置で洗浄しても良いし、装置内で洗浄しても良い。ただし、一回の異物除去処理ごとに型8から硬化性組成物の除去が必須と言うわけではなく異物除去処理を複数回繰り返し行った後にまとめて除去をしてもよい。その際には型8に付着した硬化性組成物の表面に密着材を塗布して密着層20を設ければ、次の異物除去工程に用いることができる。このとき洗浄することなく異物除去処理に繰り返し用いられた型8は、硬化した硬化性組成物と密着層とが交互に積層された状態となる。
なお、密着層20は、型8の表面に設けるかわりに基板10上に供給された硬化性組成物の表面に塗布してもよい。すなわち、基板上の硬化性組成物に、硬化性組成物との密着性が向上する密着層(表面処理層)を介して、型8が接触すればよい。S208の分離処理の後は、S203に戻り、異物検査工程で検知した異物の個数だけ繰り返し処理を続ける。すべての異物に対して異物除去処理が行われている場合には、異物処理工程は終了し、S209のインプリント処理に進む(詳細は図3を用いて後述する)。さらにインプリント処理の終了後には、基板をインプリント装置1から搬出し、一連の処理を終了する。
次に図5を用いて、S204で決定される硬化性組成物の塗布量が最適でない例について示す。図5(a)は、異物に対して硬化性組成物の塗布量が少なく異物を十分に包み込めない場合を時系列で示しており、図5(b)は、異物に対して硬化性組成物の塗布量が多く型8からはみ出す場合を時系列で示している。
図5(a)の例では、型8を接触させる際に、図5(a-1)で示すように硬化性組成物14と型8との間に隙間が出来てしまう。このような隙間が生じると、図5(a-2)に示すように離型した際に、型8の密着層20と硬化性組成物の一部14-2が十分に密着できておらず、硬化性組成物の一部14-2が基板から分離できず、基板上に残ってしまう可能性が生じる。
一方図5(b)異物を十分に包み込むために硬化性組成物の量を多くし過ぎると、型を押印した時に図5(b-3)に示されるように型8の端部から硬化性組成物がはみ出してしまうことがある。型からはみだした硬化性組成物14bは、硬化性組成物を硬化させる硬化光9が十分に照射されず、硬化が不十分になってしまう。不十分な硬化だと型8を基板10から分離する際に、千切れてしまい基板上に残ってしまう。基板上に異物除去用の硬化性組成物が残存してしまうとそれが異物となり、インプリント処理時にパターン不良の原因となってしまうことが懸念される。
そのため、最適な塗布量とは、異物を十分に包み込む量であり、異物の大きさ(高さ)に対して硬化性組成物の厚さが十分にあることが必要である。すなわち、S204では、S202で取得した異物の大きさ(高さ)に基づいて、硬化性組成物の量を計算することが必要である。例えば大きさ(高さ)が約50nmの異物の場合を考えてみる。型8の大きさが26mm×33mmとし、硬化性組成物の滴下量が1個当たり1.0pLとすると異物を埋めるには、硬化性組成物を30μmピッチで正方形に配置する配置パターンの場合、全面に約43000個配置する必要がある。
また、押印時に型8に対して異物の位置が型8の中心付近になるように硬化性組成物の液滴を配置し、当該位置で押印することで、硬化性組成物が型8の端部からはみ出しにくくすることもできる。また、型の周辺部分の硬化性組成物の配置間隔を広げてはみださないようにすることもできる。配置間隔を広げるということは、型の中央部分の間隔よりも周辺部の間隔を大きくしておくことということである。硬化性組成物の配置間隔は、型を押印する圧力等によっても適宜調整することができる。
具体的には、図7(a)に示されるように型8の端部に位置するショット領域10bの硬化性組成物14の液滴の配置ピッチの間隔を空けて密度を下げることができる。硬化性組成物の配置エリアの途中での配置ピッチの変更は、徐々に変えていくことが望ましい。また、図7(b)のように硬化性組成物の塗布量をショット領域10bだけ少なくなるような液滴配置としても良い。また、図7(c)のようにショット領域10bの硬化性組成物14の液滴の配置パターンを正方形の格子状から、ダイヤモンド状に変えても良い。このように液滴の配置を考慮することで型8の端部からのはみ出しを低減させることもできる。
次に図3を用いてS209のインプリント処理について詳細に説明する。異物除去工程をインプリント装置1とは別の異物除去装置で予め行うような場合には、異物除去装置で異物を除去した基板を用意し、当該基板をインプリント装置1に搬入してインプリント処理を行えばよい。
インプリント処理で用いられる型8は、所望のパターン構造を有する型8であり異物除去処理で用いられるような密着層20が設けられていないものである。
S301では、制御部7は、吐出機構5からインプリント処理に適した量の液滴を吐出させ、基板上に硬化性組成物が塗布されるように制御する。S302では、型と硬化性組成物を接触させる。このとき型8の凹凸パターン構造に硬化性組成物が充填されるように調整しながら押圧されることが好ましい。
S303では、検出器12で検出した基板と型の位置ずれに基づき、型8と基板10の少なくとも一方を移動させることで型8と基板10の位置合わせを行う。
S304では、光照射系2から硬化性組成物を硬化させる光9を、型8を介して基板上の硬化性組成物14に照射して硬化させる。このとき照射光量は、S301で塗布した硬化性組成物の塗布量に応じた照射光量とすることが好ましい。光9の波長としては、異物除去工程と同様に一般的には紫外線領域の波長が主に使用することができる。
S305では、基板上の硬化した硬化性組成物から型8を離型させる。このとき型8として表面に密着層20が設けられていないものを使用しているため、硬化性組成物は基板上に残り、パターン構造が形成される。
S306では、未処理のショット領域があるかを判断し、まだある場合にはS301に戻り処理を続け、すべてのショット領域のインプリント処理が終わっている場合には、インプリント処理を終了し、S210に進む。
以上のように、インプリント処理を行う前に行われる異物除去工程により、型8側に異物を包含する硬化性組成物が密着するように分離させることにより、基板表面から異物を除去させることができる。そして異物を除去した後にインプリント処理が行われることで、異物の影響で型8が破損するようなことを防止できる。
なお、本実施形態では異物除去工程の型8は、インプリント処理で用いる型8と同じサイズの例を用いて説明を行った。しかし、異物除去工程の型8は、インプリント処理で用いる型8よりも小さいサイズの部材を用いてもよく、上述の通り硬化性組成物との密着性を向上させる表面処理(密着層)がなされていればよい。その際にはS202で取得される異物の大きさ等の情報に基づいて最適な大きさの部材を決定し(部材決定工程)、当該部材を用いて異物除去処理が行われるようにすればよい。また異物除去工程で用いる型8は、矩形形状のみならず円形形状や楕円形状のものを用いてもよい。
また、異物除去処理に用いる硬化性組成物と、インプリント処理に用いる硬化性組成物は、同じ種類の材料を用いてもよいが、硬化用のエネルギーにより硬化する硬化性組成物であれば同じ種類でなくてもよく、異物除去処理用の硬化性組成物を用いてもよい。
異物除去処理用の硬化性組成物とすることができれば、インプリント処理用の硬化性組成物とは異なり、後工程のプロセスの影響を考慮する必要がないため、例えばエッチング耐性等パターニングに必要な機能を持たない任意の材料を自由に使うことができる。すなわち粘度を任意に変更するなどして、異物の大きさに合わせた量を配置しやすい材料を用いることができるようになる。
また、本実施形態では1つの異物ごとに異物除去処理を行う例を用いて説明を行ったが異物同士の間隔が近い場合には、複数の異物に対してまとめて異物除去処理を行ってもよい。その場合には、一括して異物除去処理を行う複数の異物のうち、もっとも大きいサイズの異物の情報に応じて硬化性組成物の位置及び量等を決定することで、異物除去処理を良好に行うことが好ましい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、インプリント装置1でインプリント処理を行う前に異物除去処理を行う例を用いて説明を行った。本実施形態では、基板上の凹凸を平坦化する平坦化処理装置で平坦化処理を行う前に異物除去処理を行う例を用いて説明を行う。本実施形態では、第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明を行う。
平坦化処理装置は、配線層や絶縁層を形成する前工程の処理により、基板上に生じた凹凸を、接触面が平坦に設けられた平坦化基板を用いて平坦化する処理を行う装置である。具体的には、複数のショット領域を有する基板全面に一括して硬化性組成物を塗布し、基板と略同サイズもしくは基板より若干大きい平坦化基板を型として用い、硬化性組成物の上に接触させて平坦化する。そして平坦化基板を接触させている状態で硬化性組成物を硬化させたのちに当該平坦化基板を基板上の硬化性組成物から分離することにより、基板上に硬化した硬化性組成物からなる平坦化層を形成することができる。なお、上述のように硬化性組成物の硬化工程は、平坦化基板を接触させている状態で行う必要があるため、平坦化基板は紫外線のような硬化光を透過する材料であることが必要である。具体的には、石英やガラスといった材料の型を用いることができる。図8(a)は、平坦化基板の型8と基板10が接触している様子を示す図である。
このような平坦化装置においても第1の実施形態で説明したように基板上に異物が存在すると、平坦化基板が破損してしまい良好な平坦化処理が行えない可能性がある。そのため、平坦化処理を行う前に基板上の異物検査を行い、平坦化装置を異物除去装置として用いて異物除去処理を行うことが好ましい。異物除去方法としては、第1の実施形態で説明したショット領域と同等の矩形の型8や異物の大きさに応じて定まる型8を用いることができる。それ以外にも、平坦化処理に使用する平坦化基板を用いて基板全面に対して一括して異物除去処理を行うこともできる。図8(a)に示すような基板10と略同等サイズの平坦化基板の型8を用いて異物除去を行うことで、一回の異物除去処理で基板内全域の異物を一度に除去することができる。なお、異物除去処理に用いる平坦化基板の型8にも接触表面には密着層20等の硬化性組成物との密着性を向上する処理がされている必要がある。なお、本実施形態においても密着層20は、型8の表面に設けるかわりに基板10上に供給された硬化性組成物の表面に塗布してもよい。すなわち、基板上の硬化性組成物に、硬化性組成物との密着性が向上する密着層(表面処理層)を介して、型8が接触すればよい。
そして基板内全域を一度に除去する際には、異物検知で検知された異物のうち最も大きい異物に応じて硬化性組成物の位置や量を調整することが好ましい。また、基板10と略同等サイズの平坦化基板の型8を用いることで、基板の外周付近の縁に付着した異物も除去することができる。
また本実施形態における異物除去用(または平坦化処理用)の硬化性組成物の塗布処理は、第1の実施形態と同様に吐出機構5から液滴として吐出方法のみならず、スピンコート法などで基板全域に硬化性組成物を塗布する方法を用いてもよい。なお、平坦化基板を用いて異物除去処理を行う場合には、平坦化基板が接触する基板全域に硬化性組成物を塗布しておく必要がある。異物の周囲だけに硬化性組成物を塗布して異物除去を行うと、硬化性組成物が塗布されていない領域で基板10と型8とが接触し、基板10や型8に傷が入りその後の処理で欠陥となってしまう可能性があるためである。
また、基板全面を一括して異物除去するための硬化性組成物の塗布の際には、基板の外周部から硬化性組成物がはみ出さないように塗布する必要がある。図8(c-1)(c-2)は、基板10の外周部から硬化性組成物14がはみ出してしまう様子を例示したものである。図8(c-1)のように基板10の外周部付近にまで硬化性組成物14を塗布してしまうと、型8を接触させた際に図8(c-2)に示すように基板外周部から硬化性組成物14がはみ出し、基板10の端部から基板裏面へと回り込んでしまう可能性がある。基板裏面に硬化性組成物14が回り込んでしまうと、基板周辺のチャック部分や基板保持部を汚染してしまい、後続の基板の裏面に硬化性組成物14が付着してしまう。基板裏面に硬化性組成物14が付着してしまうと基板保持部で保持した時の基板表面の平坦度が悪化し、インプリント処理等のパターン成形時にディストーション等の位置合わせ不良が発生してしまうことが懸念される。
そのため、このような硬化性組成物14の回り込みが発生しないように、スピンコート塗布時の回転数やインクジェット塗布時の基板上に滴下する液滴量を調整することで、任意の膜厚に調整することが必要とされる。この際に、硬化性組成物の粘度を変えると膜厚を調整しやすくなることが知られている。
また、スピンコート法では、インプリント材を塗布した後に図8(b-1)に示すように基板の外周部81の硬化性組成物14を除去する方法(エッジリンス)を行ってもよい。エッジリンスを行った後に平坦化基板の型8で接触させて(図8(b-2))異物除去処理を行うことで、異物除去処理の際に硬化性組成物14のはみ出しを防止することができる。エッジリンスを行う基板端部からの領域は、基板10上に塗布される硬化性組成物14の厚さによって適宜調整することが好ましい。
また、スピンコート法を用いて硬化性組成物を塗布する方法では、塗布回数は1回に限定されるものではなく、場合によっては複数回の重ね塗りを行っても良い。基板上に検知された異物が大きく、1回のスピンコート処理では硬化性組成物の厚さが足らない場合は、複数回のスピンコート処理を繰り返すことによって異物を十分に包み込む量の硬化性組成物を基板上に配置することができる。
またスピンコート法で予め硬化性組成物を基板全面に塗布した後に、吐出機構5からインクジェット方式で硬化性組成物14を適宜追加することもできる。これにより異物周辺部だけ局所的に硬化性組成物の量を多くすることができ、異物を確実に硬化性組成物で包み込むことができるようになる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、図2のS204の硬化性組成物の硬化性組成物の位置決定時に、異物上に硬化性組成物の液滴が滴下されるように調整する方法について説明する。本実施形態では第1及び第2の実施形態と異なる部分を中心に説明を行い、同じ部分については説明を省略する。
第1の実施形態で示した方法では、異物の位置と硬化性組成物の液滴の配置とは必ずしも一致するとは限らないため、図9(a)に示すショット領域10bの異物53に液滴を配置すると、図9(b)のように液滴と異物53とが離れた位置となる可能性がある。このように硬化性組成物14の液滴と異物53とが離れていると、型8を接触させた際に硬化性組成物14が意図しない方向に押し出されてしまい異物53の周囲を良好に包み込めないことが懸念される。例えば、異物がいびつな形状をしていたりすると、周囲から進んできた硬化性組成物14が異物をうまく回り込めず、異物との間に隙間が生じてしまうことが考えられる。このような隙間が生じた状態では異物が硬化性組成物で十分に固定することができず、基板から型8を分離する際に異物を一緒に分離させることができず、基板上に異物が残ってしまう恐れがある。
そのため、図9(d)に示すように、異物53の直上に硬化性組成物の液滴が滴下されるように塗布処理を行うことで、異物周辺を隙間なく硬化性組成物で包み込むことができるため、硬化により十分に異物を硬化性組成物内部に固定することができる。この状態で型8を基板から分離することで異物を基板上から取り除くことができる。
具体的には、図2のS202で取得した異物の座標位置に液滴が配置されるようにS204で配置パターンを決定し、S205で当該位置に硬化性組成物の液滴を配置することで実行される。この際、図9(c)に示すように配置パターンの一部の液滴14cの座標がシフトするように配置位置を調整してもよいし、図9(d)に示すように配置パターンにさらに異物上用の液滴14dを追加してもよい。なお、異物上用の液滴14dを追加する場合には、型8を接触させる際に、型8から硬化性組成物がはみ出さないように考慮したうえで追加することが必要である。
(第4の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態~第3の実施形態の記載の異物除去方法とは異なる異物除去方法について説明する。本実施形態では、他の実施形態と同様な部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明を行う。第1の実施形態~第3の実施形態では、異物の大きさ等の情報に応じた硬化性組成物を供給する例を用いて説明を行ったが、本実施形態では異物の大きさを予め取得しなくともよい例を説明する。
異物除去を行う際には基板上の異物情報を得るために第1の実施形態や第2の実施形態と同様に異物の有無について検査を行ってもよいが、スループットを向上させるために異物情報を取得することを省略しても構わない。その場合には、基板10に異物53が付着しているかどうかに関係なく、全基板に対して基板に付着する可能性のある異物の大半が除去可能と想定される量(厚さ)の硬化性組成物を塗布して異物除去処理を行うことが好ましい。その場合には、平坦化基板用の平坦化部材等を用いて基板全面に対して一括して異物除去処理を行うことが好ましく、以下本実施形態では、平坦化装置を異物除去装置として用いる例を用いて説明を行う。異物を除去する対象の基板10としては、第1の実施形態のように凹凸パターンを形成するためのインプリント処理用の基板でもよいし、第2の実施形態のように平坦化処理に用いる基板のいずれでもよい。
図11を用いて本実施形態にかかる異物除去方法を説明する。図11(a)に示す異物53が付着した可能性のある基板10に対し、図11(b)のように基板10の全面に硬化性組成物14―1を塗布する。塗布方法は吐出機構5から液滴として吐出するインクジェット法やスピンコート法を用いることができる。インクジェット法の場合、液滴の単位面積当たりの個数密度を高くすることにより、液滴の拡がりを利用して均一な硬化性組成物の膜を形成することができる。スピンコート法の場合、一般的なスピンコート装置で基板全域に硬化性組成物を均一に塗布することができる。さらに、塗布された硬化性組成物14の層の上に平坦化基板用の型8の表面との密着力を高める材料をインクジェット法やスピンコート法などを用いて不図示の吐出機構を用いて塗布し、密着層20を設ける。
さらに、図11(c)に示すように密着層20を介して硬化性組成物14―1と型8とが接するように押印する。そして光照射系2から硬化性組成物を硬化させる光9を、型8と密着層20を介して基板10上の硬化性組成物14―1に照射して硬化性組成物14―1を硬化させる。これにより硬化性組成物の硬化層は異物53を包み込んだ状態で硬化する。これにより硬化した硬化性組成物14-1は密着層20を介して型8と良好に接合した状態となる。
その後図11(d)に示すように型8を基板10から分離させる方向の力を加えると、硬化した硬化性組成物14―1は基板10の表面から剥がれ、異物53は基板10表面から除去される。
1枚目の基板の異物除去が完了した場合には2枚目の異物除去動作に移行する。図12(a)に示すように、異物53付着した別の基板10が装置内に搬入される。この時、型8はその表面に既に1枚目の異物除去で形成された硬化性組成物14―1の硬化物層が接合されている。次に、図12(b)のように図11(b)と同様に基板10の全面に硬化性組成物14―2を塗布し、その後硬化性組成物14―2の上に型8の表面との密着力を高める材料を不図示の吐出機構を用いて塗布し、密着層20を設ける。
さらに図12(c)に示すように密着層20を介して硬化性組成物14―2と型8とが接するように押印する。そして光照射系2から硬化性組成物14-2を硬化させる光9を、型8と密着層20を介して基板10上の硬化性組成物14―2に照射して硬化性組成物14―2を硬化させる。これにより2枚目の硬化性組成物14―2の硬化層(2層目)も、異物53を包み込んだ状態で硬化する。なお、2枚目の硬化性組成物14―2を硬化するための光9は、2枚目の異物除去処理で塗布した硬化性組成物14―2の層に到達するエネルギー密度である必要がある。以上のような硬化処理により、硬化した硬化性組成物14―2の層は密着層20を介して型8表面の硬化した硬化性組成物14-1と良好に接合した状態となる。
その後図12(d)に示すように型8を基板10から分離させる方向の力を加えると、硬化した硬化性組成物14―2は基板10の表面から剥がれ、異物53は基板10表面から除去される。
以上のように1枚目の基板と2枚目の基板とで同一の型8を前回の硬化した硬化性組成物を除去することなく、硬化した前記硬化性組成物が積層されるように用いることで、型8の交換を行うことなく連続して本発明の異物除去動作が可能になる。これにより異物を包み込んだ硬化性組成物14の層が型8に積層されることになる。ただし、硬化性組成物の層の積層を繰り返すと、硬化性組成物を硬化させるための照射光が硬化性組成物に届かなくなるため、適当なタイミングで型8を交換する必要がある。交換頻度としては、硬化用のエネルギーが硬化組成物に届かなくなる前か、あるいは例えば、10枚毎のように所定の枚数毎に交換するなどの方法が考えられる。すなわち、装置を統括的に制御する制御部などが、異物除去処理に同じ部材が硬化性組成物を硬化できる上限の回数用いられた際には、ユーザーに部材の交換を促すように通知するように設けることができる。
基板10から異物53を包み込んだ硬化性組成物を引き離した型8は、その後硬化性組成物を除去する必要がある。例えばオゾンアッシングによる方法及び硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いて剥離して除去する方法を用いることができる。またインプリント装置外に型8を取り出して、洗浄装置で洗浄しても良いし、装置内で洗浄しても良い。また硬化性組成物を除去せずに使い捨てとしてもよい。
以上のように型8側に異物を包含する硬化性組成物が密着するように分離させることにより、基板表面から異物を除去させることができる。そして異物を除去した後にインプリント処理または平坦化処理が行われることで、異物の影響で型8が破損するようなことを防止できる。また、本実施形態では型8を異物除去動作の度に洗浄する必要がなくなるためスループットが向上する。また型8の使用枚数も減らすことができるためコストの点でも有利となる。
なお、本実施形態では密着層20を硬化性組成物の表面に塗布する例を用いて説明したが、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、型8の硬化性組成物14と接する側の表面に塗布してもよい。すなわち、2枚目の除去の場合には硬化性組成物14-1の表面に密着層20を塗布して硬化性組成物14-2と接触できるようにすればよい。
また、本実施形態では密着層20を設ける例を用いて説明したが、硬化処理により型と硬化組成物の密着力が十分に確保できるのであれば、密着層を設けなくともよい。
(物品の製造について)
第1乃至第4の実施形態を用いて説明した異物除去方法を用いて異物を除去した基板に種々のパターニングや、平坦化処理等の基板処理を行って製造される基板は、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、図10を用いて、異物除去した基板に対して、インプリント装置によって基板にパターンを形成し、該パターンが形成された基板を処理し、該処理が行われた基板から物品を製造する物品製造方法について説明する。まず図10(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図10(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図10(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを介して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図10(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図10(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図10(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
そして物品の製造方法には、基板に供給(塗布)されたインプリント材に上記のインプリント装置(インプリント方法)を用いてパターンを形成する工程と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程も含まれる。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利であるといえる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 インプリント装置
5 供給部
7 制御部
8 型
9 硬化部
10 基板
14 硬化性組成物
53 異物

Claims (13)

  1. 基板上の異物を除去する異物除去方法であって、
    前記基板上に硬化性組成物を供給する供給工程と、
    前記基板上の硬化性組成物に、部材を接触させる接触工程と、
    前記硬化性組成物と前記部材とが接触した状態で前記硬化性組成物を硬化させる硬化工程と
    前記基板から前記部材を分離することで、前記基板上から前記硬化性組成物と異物を除去する除去工程と、を有し、
    硬化した前記硬化性組成物が前記部材に積層されるように、前記供給工程、前記接触工程、前記硬化工程、前記除去工程を含む異物処理工程を、同一の前記部材を用いて複数回繰り返し行うことを特徴とする異物除去方法。
  2. 前記基板上の異物の位置および大きさを取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得した情報に基づき、前記基板上に供給する硬化性組成物の量を決定する決定工程と、をさらに有し、
    前記供給工程は、前記決定工程で決定された前記硬化性組成物の量を、前記基板上に供給することを特徴とする請求項1に記載の異物除去方法。
  3. 前記接触工程は、前記硬化性組成物に、密着性が向上する表面処理層を介して前記部材を接触させることを特徴とする請求項1に記載の異物除去方法。
  4. 前記部材の前記硬化性組成物と接触する面に、前記表面処理層として前記硬化性組成物との密着性が向上する密着層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の異物除去方法。
  5. 前記基板上に供給された硬化性組成物の前記部材と接触する面に、前記表面処理層として密着性が向上する密着層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の異物除去方法。
  6. 前記取得工程で取得された情報に基づき、前記接触工程で用いる前記部材を決定する部材決定工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の異物除去方法。
  7. 前記硬化工程における前記硬化性組成物の硬化条件は、前記硬化性組成物の量に応じて定まることを特徴とする請求項2に記載の異物除去方法。
  8. 前記供給工程は、前記硬化性組成物の複数の液滴を前記基板上に配置することにより行われることを特徴とする請求項2に記載の異物除去方法。
  9. 前記供給工程で、前記異物の位置に応じて、前記複数の液滴の配置を決定し、前記基板上に前記硬化性組成物を供給することを特徴とする請求項7に記載の異物除去方法。
  10. 前記接触工程は、前記取得工程で取得した情報に基づき、前記部材の接触条件を決定し、接触させることを特徴とする請求項2に記載の異物除去方法。
  11. 前記部材の前記硬化性組成物に接触する面には、前記硬化性組成物との密着性が向上する処理が行なわれていることを特徴とする請求項3に記載の異物除去方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の異物除去方法により異物が除去された基板を用意する工程と、
    前記用意された基板上にインプリント処理または平坦化処理を行う基板処理工程と、
    前記基板処理工程で処理された基板を加工する工程と、を含み、
    加工された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
  13. 基板上の異物を除去する異物除去装置であって、
    基板を保持する基板保持部と、
    部材を保持する部材保持部と、
    前記硬化性組成物を硬化させる硬化部と、
    前記基板上に供給された硬化性組成物に前記部材を接触させ、さらに、前記硬化性組成物と前記部材とが接触した状態で前記硬化性組成物を硬化させた後、前記基板と前記部材とを分離することで、前記基板上から前記硬化性組成物と異物を除去する除去処理工程を、同一の前記部材を用いて複数回繰り返し行い、硬化した前記硬化性組成物が前記部材に積層されるように制御する制御部と、
    を有することを特徴とする異物除去装置。
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