JP2010256850A - 防眩ハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明フィルム上に、有機微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層を設けてなる防眩ハードコートフィルムであって、前記有機微粒子は、平均粒径が2〜6μmで、前記樹脂との屈折率差が0.001〜0.020であり、その配合量が前記樹脂100重量部に対して3〜35重量部であり、前記防眩ハードコート層の塗膜厚さが前記有機微粒子の平均粒径の1〜2倍である。また、防眩ハードコートフィルムのヘイズ値が0.1〜5.0%で、60度鏡面光沢度が60%以上90%以下で、かつ20度鏡面光沢度が15%以上40%以下で、さらに視感透過率(透過Y値)が88.00以上である。
【選択図】なし
Description
本発明に用いることのできる、透明フィルムは、特に限定はないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET;屈折率1.665)、ポリカーボネートフィルム(PC;屈折率1.582)、トリアセチルセルロースフィルム(TAC;屈折率1.485)、ノルボルネンフィルム(NB;屈折率1.525)などが使用でき、フィルム厚さも特に制限はないが、25μm〜250μm程度が汎用的に使用されている。一般的な、電離放射線硬化樹脂の屈折率は、1.52程度であるので、視認性を高くするためには前記樹脂の屈折率に近いTACフィルム、NBフィルムが好ましく、また、価格的にはPETフィルムが好ましい。
また、防眩ハードコート層の下に機能層を設けることも可能である。この機能層としては、例えば、反射防止機能を向上するための屈折率制御層、基材と防眩ハードコート層の密着性を得るための易接着層、帯電防止層などである。
なお、微粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度測定器SALD2200(島津製作所製)で測定した。塗膜厚さは、キーエンス(株)製の走査型電子顕微鏡にて断面を観察し、計測した。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
<塗料調製>
トルエン55.0gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μ m、屈折率:1.525)1.2gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)30.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.5g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
Fuji TAC(トリアセチルセルロースフィルム、富士フィルム(株)社製)に上記塗料をマイヤーバー#14(RDS社製)で塗工し、80℃で1分間乾燥後、350mJ/cm2の紫外線(光源:Fusion Japan社製UVランプ)を照射し硬化した。得られた塗膜の厚さは7μmであった。
<塗料調製>
実施例1で用いたアクリル粒子を屈折率1.53のアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径4.0μm)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#10に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは5μmであった。
<塗料調製>
トルエン38.5gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μm、屈折率:1.525)8.7gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)25.5gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.5g、BYK340(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#18に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは9μmであった。
<塗料調製>
実施例2で用いたアクリル粒子を平均粒径2.5μmのアクリル粒子(綜研化学(株)社製、屈折率1.53)に変更した以外は実施例2と同様の方法で塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例2で用いたマイヤーバーを#8に変更した以外は実施例2と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは3.5μmであった。
[実施例5]
<塗料調製>
実施例1と同様の塗料を調整した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたFuji TAC(トリアセチルセルロースフィルム、富士フィルム(株)社製)の代わりにPETフィルム(ポリエステルフィルム、東洋紡績(株)社製)を用いた以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは7μmであった。
<塗料調製>
実施例1と同様の塗料を調整した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#6に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは4μmであった。
<塗料調製>
実施例3と同様の塗料を調整した。
<防眩フィルム作製>
実施例3で用いたマイヤーバーを#20に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは11μmであった。
<塗料調製>
実施例1で用いたアクリル粒子を屈折率1.49のアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μm)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは7μmであった。
<塗料調製>
実施例1で用いたアクリル粒子を屈折率1.59のスチレン粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μm)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは7μmであった。
<塗料調製>
トルエン28.0gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μm、屈折率:1.525)12.5gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)22.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.5g、BYK375(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#18に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは9μmであった。
<塗料調製>
トルエン60.0gにアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)33.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.5g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは7μmであった。
村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM150」を用いて測定した。
(2)視感透過率(透過Y値)
村上色彩技術研究所製「積分球高速分光透過測定システムDOT-3」を用い、JISZ8722に順ずる方法にて測定を実施した。
ここで視感透過率とは、Y=K∫S(λ)y(λ)T(λ)dλから求められる。なお、S(λ):波長400〜700nmの分光分布、y(λ):等色関数、T(λ):分光立体角透過率、Y:視感透過率である。
スガ試験機(株)製写像性測定器「ICM−1DP」を使用し測定を実施した。測定は2mm、1mm、0.5mm、0.125mmの巾をもつ光学櫛を用いて行い、各巾における測定値とその総和を算出した。
(4)光沢度(20度、60度)
村上色彩技術研究所製グロスメーター(GM−3D)を使用し、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼り20度または、60度光沢度を測定した。
(5)十点平均粗さ、中心線平均粗さ
小坂研究所社製接触式表面粗さ計(SE−30K)を使用し、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
全面緑色表示させた解像度150ppiの液晶表示体(LCD)の上に各防眩フィルムを重ね、画面のキラキラ光る輝きの発生度合いを目視で評価した。なお、LCD表面には予めギラツキの発生しないクリアタイプのハードコートフィルムを設置した。ギラツキがないもの及びギラツキがわずかであるものを「○」、ギラツキが大きく視認性が悪化するものを「×」とした。
外光の写り込みによる白ボケは、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼りマクベス濃度計で黒濃度として測定した。2.15以上を「○」、2.10以上2.15未満を「△」、2.10未満を「×」とした。また、透過光による塗膜の白っぽさは、塗工面を観測者側にして防眩ハードコートフィルムを介して、白色蛍光灯を見たときの、内部ヘイズによりフィルム中で光が拡散し塗膜が白っぽくなる状態を目視で評価した。白っぽさがないもの及びわずかなものを「○」、塗膜が白っぽくなるものを「×」とした。
Claims (6)
- 透明フィルム上に、有機微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層を設けてなる防眩ハードコートフィルムであって、前記有機微粒子は、平均粒径が2〜6μmで、前記樹脂との屈折率差が0.001〜0.020であり、その配合量が前記樹脂100重量部に対して3〜35重量部であり、前記防眩ハードコート層の塗膜厚さが前記有機微粒子の平均粒径の1〜2倍であり、防眩ハードコートフィルムのヘイズ値が0.1〜5.0%で、60度鏡面光沢度が60%以上90%以下で、かつ20度鏡面光沢度が15%以上40%以下で、さらに視感透過率(透過Y値)が88.00以上であることを特徴とする防眩ハードコートフィルム。
- JIS K 7105−1981に基づく像鮮明度測定装置を用いて4つの光学櫛(巾2mm、1mm、0.5mm、0.125mm)を通して測定される像鮮明度の合計値が280%以上であり、各光学櫛を通して測定される像鮮明度の値が各々70%以上で、かつ45°反射で前記4つの光学櫛を通して測定される像鮮明度の値が70%以上200%以下であることを特徴とする請求項1に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記防眩ハードコート層に含まれる前記有機微粒子の屈折率が前記樹脂の屈折率よりも0.001〜0.020高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記防眩ハードコート層表面の十点平均粗さが0.3μm以上0.8μm以下で、かつ中心線平均粗さが0.1μm未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記防眩ハードコート層に含まれる前記樹脂が電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記透明フィルムがトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、又はノルボルネンフィルムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の防眩ハードコートフィルム。
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