JP2013195595A - 反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像解像度および反射防止性に優れるとともに、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム上に、微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層、反射防止層をこの順に設けてなる。該ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、該ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム上に、微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層、反射防止層をこの順に設けてなる。該ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、該ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイに代表される各種ディスプレイの表面に好適に用いられる反射防止フィルムに関する。
近年、マルティメディアの進展とともに、携帯末端機、ノートパソコン、大型テレビなどの普及には目覚しいものがある。これらの機器には画像表示装置(ディスプレイ装置)が組み込まれているため、見易さ(視認性)が第一の機能として要求されているが、実際の使用にあたっては、背景が画像表示部(画面)に映り込んでしまうため、コントラストが低下し、画面が見づらくなるといった状況が多々発生する。このため、視認性低減の原因となっている画面の表面反射を抑制する工夫がなされてきている。
表面反射を抑制する方法としては、透明フィルム基材上にシリカなどの無機粒子やスチレン、アクリル等の有機粒子を含有した防眩層により、ディスプレイ装置表面に凹凸を形成し、光の散乱により、反射像を散らして輪郭をぼやかす反射防止処理(防眩処理)が開示されている(特許文献1)。また、表面に光の厚さ程度の厚みからなる薄膜を形成し、光の干渉効果により反射率を低減する反射防止処理が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、上記の光を散乱させて反射像の輪郭をぼやかす反射防止処理(防眩処理)を施した場合、画像の解像度が低下し、十分な視認性が得られない問題を生じる。また、光の干渉効果により反射率を低減する反射防止処理を施した場合、画像の解像度(鮮明性)には問題がないものの、十分な反射防止性が得られない問題が生じる。さらに、透明フィルム基材上に無機粒子や有機粒子を含有した防眩層上に、光の厚さ程度の厚みからなる薄膜を設けた場合、画像の解像度、反射防止性については十分な効果が得られるものの、画像のコントラストが低下するといった新たな問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、画像解像度(画像鮮明性)および反射防止性に優れるとともに、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムを提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、透明フィルム基材上に、少なくとも微粒子および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムであって、前記ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ前記ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下であることにより前記課題を解決できることを見出した。本発明によれば、画像解像度(画像鮮明性)および反射防止性に優れるとともに、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムが得られるので、ディスプレイの視認性を向上させることができる。また、本発明の反射防止フィルムにおいて、JIS K 7105−1981に基づく透過鮮明度測定装置を用いて4つの光学櫛(巾2mm、1mm、0.5mm、0.125mm)を通して測定される透過鮮明度の合計値が280%以上であり、各光学櫛を通して測定される透過鮮明度の値が各々70%以上とすることにより、像鮮明度が高く、塗膜の白っぽさ(白ぼけ)を低減しコントラスト低下を抑え、ディスプレイの視認性を向上させることができる。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、前記微粒子は平均粒径1.0〜4.8μmであり、且つ前記ハードコート層の塗膜厚さが前記微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍であることが好ましい。また、前記微粒子の平均粒径は3.0〜4.8μmであることがより好ましい。
また、本発明においては、前記微粒子の配合量が前記樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部であることが好ましい。
また、前記反射防止フィルムのヘイズ値が0.1〜5.0%で、60度鏡面光沢度が30%以上75%以下で、かつ20度鏡面光沢度が10%以上50%以下で、さらに視感透過率(透過Y値)が94.00以上とすることにより、本発明の効果をよりいっそう発現することができる。
また、防眩ハードコート層に含まれる前記樹脂としては汎用性の高い電離放射線硬化型樹脂を用いることが大量に安価に製造するには好ましい。
また、本発明に使用される透明フィルム基材としては、たとえば視認性の高さや、価格的な観点からは、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、又はノルボルネンフィルムなどが好適である。
本発明によれば、画像解像度(画像鮮明性)および反射防止性に優れるとともに、画像のコントラストに優れ、ディスプレイの視認性を向上させた表面保護用の反射防止フィルムを提供することができる。すなわち、本発明の反射防止フィルムによれば、塗膜の白っぽさを低減しコントラストを向上させ、高い透過率、高い像鮮明度、画像のギラツキを抑制し、ディスプレイの視認性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム基材上に、少なくとも微粒子および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムであって、前記ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ前記ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下であることを特徴としている。
本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム基材上に、少なくとも微粒子および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムであって、前記ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ前記ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下であることを特徴としている。
ここで、「最大断面高さ」とは上記の定義のとおりであるが、JIS B0601にも定義されているように、測定対象であるフィルム表面の断面曲線(測定曲線)から算出される値である。本発明のような微粒子および樹脂を含有するハードコート層の表面は、微細な凹凸形状だけでなく、うねりが存在している。表面粗さ測定機で測定した測定曲線(通常、断面曲線とも呼ばれる。)は、うねり曲線および粗さ曲線との間で、
断面曲線=うねり曲線+粗さ曲線
の関係がある。従って、本発明における「最大断面高さ」は、「表面うねり成分」を含む断面曲線を評価している。なお、2001年版のJISでは、最大断面高さは記号「Pt」で表す。
断面曲線=うねり曲線+粗さ曲線
の関係がある。従って、本発明における「最大断面高さ」は、「表面うねり成分」を含む断面曲線を評価している。なお、2001年版のJISでは、最大断面高さは記号「Pt」で表す。
また、上記の「平均傾斜角」とは、測定対象であるフィルム表面の断面曲線(測定曲線)を一定間隔ΔXで横方向に区切り、各区間内における断面曲線の終始点を結ぶ線分の傾き(傾斜角:傾斜角は、tan-1(ΔYi/ΔXで求められる。)の絶対値を求め、その値を平均したもの(θa)をいう(図1参照)。すなわち、平均傾斜角(θa)は、下記式で定義される値である。
かかる本発明の反射防止フィルムによれば、優れた反射防止性、画像解像度、画像のコントラスト(以下、単に「コントラスト」ということがある。)を発現する理由は、本発明者の検討によると次のように推測される。
ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ該ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下である場合、特定領域のうねり、或いはなだらかな(緩やかな)表面凹凸、等の表面性が得られ、表面の凹凸に起因する光の屈折、散乱を抑制できるため、表面ヘイズが発現し難くなり、光の屈折、散乱による光のロスが抑えられるので透過率の低下を抑制できるとともに、ハードコート層表面での散乱光によりフィルムが白っぽく濁る現象が抑えられることから透明性に優れ、画像解像度、画像のコントラストを向上させることができるものと考えられる。但し、十分なレベルの反射防止性が得られ難くなるが、ハードコート層の上に反射防止層を設けることで、反射防止性も向上させることができる。
なお、ハードコート層の表面の上記最大断面高さが3.0μmを超える場合、表面の凹凸に起因する光の屈折、散乱が強まるため表面ヘイズが発現し易くなり、光の屈折、散乱による光のロスにより透過率の低下が懸念されるとともに、ハードコート層表面での散乱光による反射防止性は得られ易くなるが、反射防止フィルムが白っぽく濁る現象を抑えられ難くなることから透明性や透過鮮明度が低下しやすい。
また、上記最大断面高さの下限値については特に制約はないが、最大断面高さが1.0μm未満の場合、フィルム表面の凹凸が小さくなりすぎるため、ハードコート層表面での散乱光が少なくなるため、反射防止層を設けても、十分な反射防止性が得られ難くなる。
また、上記平均傾斜角が1度よりも大きい(1度超)場合、表面の凹凸に起因する光の屈折、散乱が強まるため表面ヘイズが発現し易くなり、光の屈折、散乱による光のロスにより透過率の低下が懸念されるとともに、ハードコート層表面での散乱光による反射防止性は得られ易くなるが、反射防止フィルムが白っぽく濁る現象を抑えられ難くなることから透明性や透過鮮明度が低下しやすいという問題がある。
従って、本発明においては、ハードコート層の表面の上記最大断面高さは、1.0μm以上3.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは上記最大断面高さが1.2μm以上2.5μm以下である。
また、ハードコート層の表面の上記平均傾斜角は1度以下であることが好ましく、より好ましくは上記平均傾斜角が0.9度であり、更に好ましくは上記平均傾斜角が0.7度以下である。上記平均傾斜角の下限値については特に制約はないが、防眩性の観点から、0.1度以上であることが好ましい。
なお、本発明において、「評価領域」とは測定領域のことである。
また、ハードコート層の表面の上記平均傾斜角は1度以下であることが好ましく、より好ましくは上記平均傾斜角が0.9度であり、更に好ましくは上記平均傾斜角が0.7度以下である。上記平均傾斜角の下限値については特に制約はないが、防眩性の観点から、0.1度以上であることが好ましい。
なお、本発明において、「評価領域」とは測定領域のことである。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、JIS K 7105−1981に基づく透過鮮明度測定装置を用いて4つの光学櫛(巾2mm、1mm、0.5mm、0.125mm)を通して測定される透過鮮明度の合計値が280%以上であり、各光学櫛を通して測定される透過鮮明度の値が各々70%以上とすることにより、像鮮明度が高く、塗膜の白っぽさ(白ぼけ)を低減しコントラスト低下を抑え、ディスプレイの視認性を向上させることができる。
本発明に用いることのできる透明フィルム基材は、特に限定はないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET;屈折率1.665)、ポリカーボネートフィルム(PC;屈折率1.582)、トリアセチルセルロースフィルム(TAC;屈折率1.485)、ノルボルネンフィルム(NB;屈折率1.525)などが使用でき、フィルム厚さも特に制限はないが、25μm〜250μm程度が汎用的に使用されている。一般的な、電離放射線硬化樹脂の屈折率は、1.52程度であるので、視認性を高くするためには前記樹脂の屈折率に近いTACフィルム、NBフィルムが好ましく、また、価格的にはPETフィルムが好ましい。
本発明におけるハードコート層に用いる樹脂は、被膜を形成する樹脂であれば特に制限なく用いることができるが、特にハードコート層表面にハード性(鉛筆硬度、耐擦傷性)を付与し、またハードコート層形成時に多量の熱を必要としないという点で、電離放射線硬化型樹脂が好ましい。また、ハードコート層には、本発明の効果を損わない範囲で、レベリング剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤などを必要に応じて含有してもよい。
電離放射線硬化型樹脂は、電子線または紫外線等を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、及びエポキシアクリレート系樹脂等の中から適宜選択することができる。電離放射線硬化型樹脂として好ましいものは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートからなるものが挙げられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることができるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記の紫外線硬化可能な多官能アクリレートは単独または2種以上混合して用いてもよく、その含有量は防眩ハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは50〜95重量%である。なお、上記の多官能(メタ)アクリレートの他に、防眩ハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは10重量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートを添加することもできる。
また、ハードコート層には硬度を調整する目的で使用される重合性オリゴマーを添加することができる。このようなオリゴマーとしては、末端(メタ)アクリレートポリメチル(メタ)アクリレート、末端スチリルポリ(メタ)アクリレート、末端(メタ)アクリレートポリスチレン、末端(メタ)アクリレートポリエチレングリコール、末端(メタ)アクリレートアクリロニトリル−スチレン共重合体、末端(メタ)アクリレートスチレン−メチルメタクリレート共重合体などのマクロモノマーを挙げることができ、その含有量は防眩ハードコート用塗料中の樹脂固形分に対して、好ましくは5〜50重量%である。
本発明におけるハードコート層に用いる微粒子を形成する材料としては、特に限定はなく、例えば、シリカ(屈折率1.420〜1.460)、塩化ビニル樹脂(屈折率1.530)、アクリル樹脂(屈折率1.490)、(メタ)アクリル樹脂(屈折率1.520〜1.530)ポリスチレン樹脂(屈折率1.590)、メラミン樹脂(屈折率1.650)、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂(屈折率1.490〜1.590)等が挙げることができ、微粒子は単独で用いてもよいし、或いは2種以上を併用することも可能である。また、前記微粒子の屈折率も制限はないが、本発明の効果をより一層得るには、前記微粒子はハードコート層に用いられる樹脂の屈折率に対し、屈折率の差が0.001〜0.200である微粒子を用いることが好ましく、とくに屈折率の差が0.001〜0.100である微粒子を用いることがより好ましい。
また、本発明において、ハードコート層の塗膜厚さは、ハードコート層を構成する微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2倍である。また、好ましい微粒子の平均粒径は1.0〜4.8μmであり、高い鉛筆硬度を付与するためには微粒子の平均粒径は3.0〜4.8μmであることがより好ましい。
塗膜厚さがハードコート層を構成する微粒子の平均粒径の0.5倍未満であると、微粒子が塗膜中に固定されなくなり、塗膜表面のハード性が著しく悪くなる。
一方塗膜厚さがハードコート層を構成する微粒子の平均粒径の1.5倍を超えると反射防止性が得られ難くなる。なお、前記微粒子の平均粒径は、例えばレーザー回折散乱法で測定することができる。
一方塗膜厚さがハードコート層を構成する微粒子の平均粒径の1.5倍を超えると反射防止性が得られ難くなる。なお、前記微粒子の平均粒径は、例えばレーザー回折散乱法で測定することができる。
また、微粒子の平均粒径が4.8μmよりも大きい場合は、ハードコート層の塗膜厚さを前記微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍と設定した場合に必要以上の防眩性が付与され塗膜表面での外光の散乱が大きくなり、光の散乱により表面が白っぽくなり、ディスプレイの視認性を著しく低下させる。一方、微粒子の平均粒径が1.0μmより小さい場合は塗膜厚さを薄くしなければならないため、ハード性に欠ける。
本発明において微粒子はハードコート層中に前記樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部配合することが好ましく、より好ましくは0.075〜1重量部配合することであり、更に好ましくは0.1〜0.5重量部配合することである。
微粒子の配合量が、前記樹脂100重量部に対して0.05重量部未満の場合は、ハードコート層の塗膜厚さを微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍と設定した場合に反射防止性が得られ難くなる。また、微粒子の配合量が、前記樹脂100重量部に対して3重量部を超えるとヘイズ値が高くなり透過率、コントラストが低下する。
微粒子の配合量が、前記樹脂100重量部に対して0.05重量部未満の場合は、ハードコート層の塗膜厚さを微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍と設定した場合に反射防止性が得られ難くなる。また、微粒子の配合量が、前記樹脂100重量部に対して3重量部を超えるとヘイズ値が高くなり透過率、コントラストが低下する。
上記ハードコート層は、前記樹脂と微粒子等を溶剤に溶解、分散した塗料を透明フィルム基材上に塗工乾燥して形成することができる。溶媒としては、前記樹脂の溶解性に応じて適宜選択でき、少なくとも固形分(樹脂、微粒子、触媒、硬化剤、その他添加剤) を均一に溶解あるいは分散できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等) 、エステル類( 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類、アミド類などが例示できる。また、溶媒は単独で使用しても混合して使用してもよい。
ハードコート層の塗工方法については特に限定しないが、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、デイップコートなど、塗膜厚さの調整が容易な方式で塗工が可能である。なお、塗工したハードコート層の膜厚は、反射防止フィルムの断面写真を顕微鏡等で観察し、塗膜界面から表面までを実測することにより測定可能である。
また、本発明の反射防止層に含有されるフッ素系樹脂としては、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができ、その具体例としては、例えば(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレンなどのフロロオレフィン類;(2)アルキルパーフロロビニルエーテル類もしくはアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテル類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;(5)トリフロロエチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリレート類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。具体的な商品としては、反射防止膜形成用塗料としてJSR社から上市されているオプスターTU2205などを挙げることができる。
本発明の反射防止層には、その効果を阻害しない範囲において、上記の電離放射線硬化型樹脂、有機粒子、無機粒子、レベリング剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤などを必要に応じて含有してもよい。
本発明の反射防止層の厚さは通常80〜120nm程度であるが、特に限定されるものではなく、反射防止フィルムの使用される用途によって適宜調整することが望ましい。例えば、反射率・色相が重視される用途では80〜100nmに調整されることが一般的であり、色相よりも反射率が重視される用途では90〜120nmに調整されることが一般的である。
本発明の反射防止層を積層するにあたって、上述のハードコート層を形成する場合と同様の塗工装置を使用することができ、それぞれの各種塗工装置に適した粘度及び濃度になるように、有機溶媒を用いて任意の塗料濃度(固形分濃度)にすることが好ましい。希釈する有機溶剤の種類は特に限定されるものではないが、極性の高いフッ素樹脂との相溶性の点からケトン類、アルコール類が好ましく、更に塗工性の点からアルコール類を使用することがより好ましい。なお、アルコール類の中でも、tert-ブチルアルコール(2-メチルプロパン-2-オール)を使用することが、相溶性及び塗工性の点から特に好ましい。
以上のとおり、本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム上に、微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムであって、該ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ該ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下であり、JIS K 7105−1981に基づく透過鮮明度測定装置を用いて4つの光学櫛(巾2mm、1mm、0.5mm、0.125mm)を通して測定される透過鮮明度の合計値が280%以上であり、各光学櫛を通して測定される透過鮮明度の値が各々70%以上であることを特徴とし、この場合、前記微粒子は平均粒径1.0〜4.8μmであり、且つ前記ハードコート層の塗膜厚さが前記微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍であり、前記微粒子の配合量が前記樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部であることが好ましい。また、該反射防止フィルムのヘイズ値は0.1〜5.0%であることが好ましく、より好ましくはヘイズ値が0.1〜3.5%であり、更に好ましくはヘイズ値が0.1〜2.0%である。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、60度鏡面光沢度が30%以上75%以下であり、かつ20度鏡面光沢度が10%以上50%以下であることが好ましく、さらに視感透過率(透過Y値)が94.00以上であることが好ましい。
なお、本発明の反射防止フィルムにおいては、透明フィルム基材上に、微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層、反射防止層以外に、帯電防止層のような機能層を設けることも可能である。但し、このような機能層を設けることにより、表面の起伏がキャンセルされ、所望の反射防止性が得られなくなる可能性があるので、微粒子を含有したハードコート層の上に機能層を設ける場合は、機能層の膜厚は0.5μm以下とすることが望ましい。
また、ハードコート層の下に機能層を設けることも可能である。この機能層としては、例えば、基材とハードコート層の密着性を得るための易接着層、帯電防止層などである。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、透明フィルム基材上に、微粒子および樹脂を含有する防眩ハードコート層、反射防止層以外に、帯電防止層のような機能層を、微粒子を含有したハードコート層の上に設ける場合、ハードコート層の塗膜厚さを、ハードコート層を構成する微粒子の平均粒径以下に設定した場合は、ハードコート層と機能層を合計した塗膜厚さが、ハードコート層を構成する微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍であることが好ましい。
なお、本発明の反射防止フィルムは、該反射防止フィルムの表面、つまり反射防止層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ該反射防止層の表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下であることがより好ましい。
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。
なお、微粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度測定器SALD2200(島津製作所製)で測定した。塗膜厚さは、キーエンス(株)製の走査型電子顕微鏡にて断面を観察し、計測した。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
なお、微粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度測定器SALD2200(島津製作所製)で測定した。塗膜厚さは、キーエンス(株)製の走査型電子顕微鏡にて断面を観察し、計測した。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
[実施例1]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)0.09gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)27.45gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
Fuji TAC(トリアセチルセルロースフィルム、富士フィルム(株)社製)に上記塗料をマイヤーバー#4(RDS社製)で塗工し、80℃で1分間乾燥後、350mJ/cm2の紫外線(光源:Fusion Japan社製UVランプ)を照射し硬化した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
メチルイソブチルケトン18gとtert-ブチルアルコール180gにイルガキュア184(重合開始剤:(株)チバスペシャリティケミカル社製)を0.1g添加して十分攪拌した後、反射防止層形成用塗料オプスターTU2205(フッ素系樹脂、JSR(株)社製)50gを添加し十分攪拌して反射防止層形成用塗料を作製した。この塗料を上記で得られたハードコートフィルム上にマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で150mJ/cm2の紫外線を照射し約0.1μmの反射防止層を得た。こうして反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)0.09gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)27.45gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
Fuji TAC(トリアセチルセルロースフィルム、富士フィルム(株)社製)に上記塗料をマイヤーバー#4(RDS社製)で塗工し、80℃で1分間乾燥後、350mJ/cm2の紫外線(光源:Fusion Japan社製UVランプ)を照射し硬化した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
メチルイソブチルケトン18gとtert-ブチルアルコール180gにイルガキュア184(重合開始剤:(株)チバスペシャリティケミカル社製)を0.1g添加して十分攪拌した後、反射防止層形成用塗料オプスターTU2205(フッ素系樹脂、JSR(株)社製)50gを添加し十分攪拌して反射防止層形成用塗料を作製した。この塗料を上記で得られたハードコートフィルム上にマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で150mJ/cm2の紫外線を照射し約0.1μmの反射防止層を得た。こうして反射防止フィルムを得た。
[実施例2]
<ハードコート層塗料調製>
実施例1で用いたアクリル─スチレン共重合粒子をメラミン樹脂─シリカ複合粒子(日産化学工業(株)社製、平均粒子径2.0μm、屈折率1.650)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
実施例1で用いたアクリル─スチレン共重合粒子をメラミン樹脂─シリカ複合粒子(日産化学工業(株)社製、平均粒子径2.0μm、屈折率1.650)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[実施例3]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン80.00gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径1.5μm、屈折率:1.49)0.02gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(東洋インキ製造(株)社製、屈折率:1.49)18.02gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.00g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.2μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン80.00gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径1.5μm、屈折率:1.49)0.02gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(東洋インキ製造(株)社製、屈折率:1.49)18.02gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.00g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.2μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[実施例4]
<ハードコート層塗料調製>
実施例1で用いたアクリル─スチレン共重合粒子を平均粒子径3.0μmの粒子(積水化成品工業(株)社製、屈折率1.525)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#5に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは3.4μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
実施例1で用いたアクリル─スチレン共重合粒子を平均粒子径3.0μmの粒子(積水化成品工業(株)社製、屈折率1.525)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#5に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは3.4μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[実施例5]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)0.75gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)26.79gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)0.75gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)26.79gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[実施例6]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)0.02gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)27.52gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)0.02gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)27.52gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[実施例7]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン45.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径4.8μm、屈折率:1.525)0.17gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)51.12gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)2.75g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは4.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン45.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径4.8μm、屈折率:1.525)0.17gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)51.12gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)2.75g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは4.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[実施例8]
<ハードコート層塗料調製>
酢酸ブチル65.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径3.3μm、屈折率:1.525)0.18gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)32.50gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.75g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.57gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#6に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは2.9μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
酢酸ブチル65.0gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径3.3μm、屈折率:1.525)0.18gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)32.50gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.75g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.57gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#6に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは2.9μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[比較例1]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン82.00gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径3.0μm、屈折率:1.525)0.18gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)15.96gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)0.90g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.2μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン82.00gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径3.0μm、屈折率:1.525)0.18gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)15.96gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)0.90g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.2μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[比較例2]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン52.5gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒子径3.0μm 屈折率1.525)0.48gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)43.69gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)2.38g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#6に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは6.9μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン52.5gにアクリル─スチレン共重合粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒子径3.0μm 屈折率1.525)0.48gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)43.69gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)2.38g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#6に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは6.9μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[比較例3]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)3.00gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)24.54gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.8μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン70.0gにアクリル─スチレン粒子(積水化成品工業(株)社製、平均粒径2.0μm、屈折率:1.525)3.00gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)24.54gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.96gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは1.8μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[比較例4]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン60.0gにアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.520)33.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.50gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは3.4μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
トルエン60.0gにアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.520)33.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.50g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.50gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは3.4μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
[比較例5]
<ハードコート層塗料調製>
実施例1で用いたアクリル─スチレン共重合粒子を平均粒子径6.0μmの粒子(積水化成品工業(株)社製、屈折率1.525)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#10に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは5.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
<ハードコート層塗料調製>
実施例1で用いたアクリル─スチレン共重合粒子を平均粒子径6.0μmの粒子(積水化成品工業(株)社製、屈折率1.525)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#10に変更した以外は実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは5.6μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして反射防止層を積層して、反射防止フィルムを得た。
以上のようにして作製された実施例及び比較例の各反射防止フィルムを次の項目について評価し、その結果を纏めて後記表1及び表2に示した。
(1)最大断面高さ
(株)菱化システム製の三次元表面粗計「VertScan2.0」を用いて測定した。測定により得られた領域断面曲線パラメータの評価領域内の高さの平均値(Ave)がゼロのときの、評価領域内の高さ最大値(P)と評価領域内の高さ最小値(V)との差から最大断面高さ(Pt)を求めた。測定条件の設定は以下のとおりである。
<光学条件>
Camera:SONY HR−50 1/3型
Objective:10×(10倍)
Tube:1×Body
Relay:No Relay
Filter:530white
※光量調節:Lampの値が50〜95の範囲内に入るよう自動で実施。
<測定条件>
Mode:Wave
Size:640×480
Range(μm):Start(5)、Stop(−10)
(株)菱化システム製の三次元表面粗計「VertScan2.0」を用いて測定した。測定により得られた領域断面曲線パラメータの評価領域内の高さの平均値(Ave)がゼロのときの、評価領域内の高さ最大値(P)と評価領域内の高さ最小値(V)との差から最大断面高さ(Pt)を求めた。測定条件の設定は以下のとおりである。
<光学条件>
Camera:SONY HR−50 1/3型
Objective:10×(10倍)
Tube:1×Body
Relay:No Relay
Filter:530white
※光量調節:Lampの値が50〜95の範囲内に入るよう自動で実施。
<測定条件>
Mode:Wave
Size:640×480
Range(μm):Start(5)、Stop(−10)
(2)平均傾斜角
(株)菱化システム製の三次元表面粗計「VertScan2.0」を用いて、フィルム表面の凹凸部の平均傾斜角を測定した。
(3)ヘイズ値
村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM150」を用いて測定した。
(株)菱化システム製の三次元表面粗計「VertScan2.0」を用いて、フィルム表面の凹凸部の平均傾斜角を測定した。
(3)ヘイズ値
村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM150」を用いて測定した。
(4)視感透過率(透過Y値)
村上色彩技術研究所製「積分球高速分光透過測定システムDOT-3」を用い、JISZ8722に順ずる方法にて測定を実施した。
ここで視感透過率とは、Y=K∫S(λ)y(λ)T(λ)dλから求められる。なお、S(λ):波長400〜700nmの分光分布、y(λ):等色関数、T(λ):分光立体角透過率、Y:視感透過率である。
村上色彩技術研究所製「積分球高速分光透過測定システムDOT-3」を用い、JISZ8722に順ずる方法にて測定を実施した。
ここで視感透過率とは、Y=K∫S(λ)y(λ)T(λ)dλから求められる。なお、S(λ):波長400〜700nmの分光分布、y(λ):等色関数、T(λ):分光立体角透過率、Y:視感透過率である。
(5)透過鮮明度
スガ試験機(株)製写像性測定器「ICM−1DP」を使用し測定を実施した。測定は2mm、1mm、0.5mm、0.125mmの巾をもつ光学櫛を用いて行い、各巾における測定値とその総和を算出した。
(6)光沢度(20度、60度)
村上色彩技術研究所製グロスメーター(GM−3D)を使用し、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼り20度または、60度光沢度を測定した。
スガ試験機(株)製写像性測定器「ICM−1DP」を使用し測定を実施した。測定は2mm、1mm、0.5mm、0.125mmの巾をもつ光学櫛を用いて行い、各巾における測定値とその総和を算出した。
(6)光沢度(20度、60度)
村上色彩技術研究所製グロスメーター(GM−3D)を使用し、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼り20度または、60度光沢度を測定した。
(7)鉛筆硬度
新東科学(株)製HEIDON14を使用し、JIS K 5400に準拠して実施した。
(8)ギラツキ
全面緑色表示させた解像度150ppiの液晶表示体(LCD)の上に各防眩フィルムを重ね、画面のキラキラ光る輝きの発生度合いを目視で評価した。なお、LCD表面には予めギラツキの発生しないクリアタイプのハードコートフィルムを設置した。ギラツキがないもの及びギラツキがわずかであるものを「○」、ギラツキが大きく視認性が悪化するものを「×」とした。
新東科学(株)製HEIDON14を使用し、JIS K 5400に準拠して実施した。
(8)ギラツキ
全面緑色表示させた解像度150ppiの液晶表示体(LCD)の上に各防眩フィルムを重ね、画面のキラキラ光る輝きの発生度合いを目視で評価した。なお、LCD表面には予めギラツキの発生しないクリアタイプのハードコートフィルムを設置した。ギラツキがないもの及びギラツキがわずかであるものを「○」、ギラツキが大きく視認性が悪化するものを「×」とした。
(9)白ボケ、白っぽさ
外光の写り込みによる白ボケをコントラストの指標としており、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼りマクベス濃度計で黒濃度として測定した。2.15以上を「○」、2.10以上2.15未満を「△」、2.10未満を「×」とした。また、透過光による塗膜の白っぽさは、塗工面を観測者側にして防眩ハードコートフィルムを介して、白色蛍光灯を見たときの、内部ヘイズによりフィルム中で光が拡散し塗膜が白っぽくなる状態を目視で評価した。白っぽさがないもの及びわずかなものを「○」、白っぽさが若干強いものを「△」、塗膜が白っぽくなるものを「×」とした。
外光の写り込みによる白ボケをコントラストの指標としており、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼りマクベス濃度計で黒濃度として測定した。2.15以上を「○」、2.10以上2.15未満を「△」、2.10未満を「×」とした。また、透過光による塗膜の白っぽさは、塗工面を観測者側にして防眩ハードコートフィルムを介して、白色蛍光灯を見たときの、内部ヘイズによりフィルム中で光が拡散し塗膜が白っぽくなる状態を目視で評価した。白っぽさがないもの及びわずかなものを「○」、白っぽさが若干強いものを「△」、塗膜が白っぽくなるものを「×」とした。
(10)防眩性
防眩性は幅1mm間隔で直線を10本引いたものを反射防止フィルムの塗工面に写り込ませ、塗工面を観測者側にして反射防止フィルムを介して線幅を見たときの、光の散乱により線幅がぼやけて見え難くなる状態を目視で評価した。線幅を認識できないものを「○」、線幅を認識できるものを「×」とした。
防眩性は幅1mm間隔で直線を10本引いたものを反射防止フィルムの塗工面に写り込ませ、塗工面を観測者側にして反射防止フィルムを介して線幅を見たときの、光の散乱により線幅がぼやけて見え難くなる状態を目視で評価した。線幅を認識できないものを「○」、線幅を認識できるものを「×」とした。
以上の表1及び表2の結果から明らかなように、透明フィルム基材上に、微粒子および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなり、ハードコート層の表面の評価領域内の最大断面高さが1.0〜3.0μm以下で、かつ平均傾斜角が1度以下である実施例1〜8ではいずれも、画像解像度および反射防止性に優れるとともに、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムが得られた。
これに対して、微粒子を含有しているが、防眩ハードコートフィルムの表面の評価領域内の最大断面高さが1.0〜3.0μmの範囲外である比較例1、2、微粒子の添加部数の多い比較例3、微粒子が無添加である比較例4、平均粒径が本発明の所望の範囲よりも大きな微粒子を用いた比較例5では、いずれも良好な画像解像度、反射防止性、画像のコントラストをすべて満足することはできなかった。
Claims (7)
- 透明フィルム基材上に、少なくとも微粒子および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムであって、前記ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが1.0〜3.0μmであり、かつ前記ハードコート層表面の凹凸の平均傾斜角が1度以下であり、JIS K 7105−1981に基づく透過鮮明度測定装置を用いて4つの光学櫛(巾2mm、1mm、0.5mm、0.125mm)を通して測定される透過鮮明度の合計値が280%以上であり、各光学櫛を通して測定される透過鮮明度の値が各々70%以上であることを特徴とする反射防止フィルム。
- 前記微粒子は平均粒径1.0〜4.8μmであり、且つ前記ハードコート層の塗膜厚さが前記微粒子の平均粒径の0.5〜1.5倍であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記微粒子は平均粒径が3.0〜4.8μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- 前記微粒子の配合量が前記樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
- 前記反射防止フィルムのヘイズ値が0.1〜5.0%で、60度鏡面光沢度が30%以上75%以下で、かつ20度鏡面光沢度が10%以上50%以下で、さらに視感透過率(透過Y値)が94.00以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
- 前記ハードコート層に含まれる前記樹脂が電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
- 前記透明フィルム基材がトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、又はノルボルネンフィルムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
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