JP2012220768A - 反射防止フィルム - Google Patents

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堀田武史
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鈴木剛生
Kimiyoshi Sakanochi
阪後公善
Yusuke Sugiyama
杉山祐介
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Abstract

【課題】 本発明では、画像解像度および反射防止性に優れると共に、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 透明フィルム基材上に、少なくとも有機顔料および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、該ハードコート層の最大断面高さを0.6μm以下にすることで画像の解像度および反射防止性に優れると共に、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムを得ることができる。
【選択図】 なし

Description

透明フィルム基材上に、少なくとも有機顔料および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムに関する。
近年、マルティメディアの進展とともに、携帯末端機、ノートパソコン、大型テレビなどの普及には目覚しいものがある。これらの機器には画像表示装置(ディスプレイ装置)が組み込まれているため、見易さ(視認性)が第一の機能として要求されているが、実際の使用にあたっては、背景が画像表示部(画面)に映り込んでしまうため、画面が見づらくなるといった状況が多々発生する。このため、視認性低減の原因となっている画面の表面反射を抑制する工夫がなされてきている。
特許文献1には、透明フィルム基材上にシリカなどの無機粒子やスチレン、アクリル等の有機粒子を含有した防眩層により、光を散乱させて反射像の輪郭をぼやかす反射防止処理(防眩処理)が開示されている。また、引用文献2には表面に光の厚さ程度の厚みからなるフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂の薄膜を形成し、光の干渉効果により反射率を低減する反射防止処理が開示されている。
特開平11−326608号公報 特開2010−286657号公報
しかしながら、光を散乱させて反射像の輪郭をぼやかす反射防止処理(防眩処理)を施した場合、画像の解像度が低下し、十分な視認性が得られない問題が生じる。また、光の干渉効果により反射率を低減する反射防止処理を施した場合、画像の解像度(鮮明性)には問題がないものの、十分な反射防止性が得られない問題が生じる。さらに、透明フィルム基材上に無機粒子あるいは有機粒子を含有した防眩層上に、光の厚さ程度の厚みからなる薄膜を設けた場合、画像の解像度、反射防止性については十分な効果が得られるものの、画像のコントラストが低下するといった新たな問題が生じる。
そこで、本発明では、画像解像度(画像鮮明性)および反射防止性に優れると共に、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、透明フィルム基材上に、少なくとも有機顔料および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、該ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが0.6μm以下であることを特徴とする反射防止フィルムとすることで、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
本発明によれば、画像解像度および反射防止性に優れると共に、画像のコントラストに優れる反射防止フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、透明フィルム基材上に、少なくとも有機顔料および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、該ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが0.6μm以下であることを特徴とする反射防止フィルムに関する。
本発明において、最大断面高さとは、ハードコート層の表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差であり、(株)菱化システム製の三次元表面粗計「VertScan2.0」を用いて測定した。測定により得られた領域粗さパラメータの評価領域内の高さの平均値(Ave)がゼロのときの、評価領域内の高さ最大値(P)と評価領域内の高さ最小値(V)との差から最大断面高さ(St)を求めた値である。
本発明において、優れた反射防止性、画像解像度、画像のコントラスト(以下、「コントラスト」ということがある。)を発現する理由については次のように推測される。
透明フィルム基材上に、表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが0.6μmを超えるハードコート層、このハードコート層上にフッ素系樹脂を含有するハードコート層を設けた反射防止フィルムは、ハードコート表面の凹凸に起因する光の屈折、散乱が強まるため、反射防止性が優れる。また、ハードコート層の凹凸に起因する光の屈折、散乱により、低下する画像解像度を十分なレベルまで向上させることができるものの、低下する画像のコントラストは改善することができない。
本発明において、ハードコート層の最大断面高さの下限値については特に制約はないが、最大断面高さが0.2μm未満の場合、フィルム表面の凹凸が小さくなりすぎるため、ハードコート層表面での散乱光が少なくなるため、十分な反射防止性が得られ難くなる。
従って、本発明においては、防眩ハードコートフィルムの表面の最大断面高さは、0.2μm以上0.6μm以下であることが好ましく、より好ましくは上記最大断面高さが0.25μm以上0.55μm以下であり、更に好ましくは上記最大断面高さが0.3μm以上0.5μm以下である。なお、本発明において、「評価領域」とは測定領域のことである。
本発明に用いることのできる透明フィルム基材は、特に限定はないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET;屈折率1.665)、ポリカーボネートフィルム(PC;屈折率1.582)、トリアセチルセルロースフィルム(TAC;屈折率1.485)、ノルボルネンフィルム(NB;屈折率1.525)などが使用でき、フィルム厚さも特に制限はないが、25μm〜250μm程度が汎用的に使用されている。一般的な、電離放射線硬化樹脂の屈折率は、1.52程度であるので、視認性を高くするためには前記樹脂の屈折率に近いTACフィルム、NBフィルムが好ましく、また、価格的にはPETフィルムが好ましい。
本発明において、ハードコート層に用いる樹脂は、被膜を形成する樹脂であれば特に制限なく用いることができるが、特にハードコート層表面にハード性(鉛筆硬度、耐擦傷性)を付与し、またハードコート層形成時に多量の熱を必要としないという点で、電離放射線硬化型樹脂が好ましい。また、防眩ハードコート層は、本発明の効果を変えない範囲で、レベリング剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤などを必要に応じて含有してもよい。
電離放射線硬化型樹脂は、電子線または紫外線等を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、及びエポキシアクリレート系樹脂等の中から適宜選択することができる。電離放射線硬化型樹脂として好ましいものは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートからなるものが挙げられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能ア
クリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(
メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることができるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記の紫外線硬化可能な多官能アクリレートは単独または2種以上混合して用いてもよく、その含有量はハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは50〜95重量%である。なお、上記の多官能(メタ)アクリレートの他に、ハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは10重量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートを添加することもできる。
また、ハードコート層には硬度を調整する目的で使用される重合性オリゴマーを添加することができる。このようなオリゴマーとしては、末端(メタ)アクリレートポリメチル(メタ)アクリレート、末端スチリルポリ(メタ)アクリレート、末端(メタ)アクリレートポリスチレン、末端(メタ)アクリレートポリエチレングリコール、末端(メタ)アクリレートアクリロニトリル−スチレン共重合体、末端(メタ)アクリレートスチレン−メチルメタクリレート共重合体などのマクロモノマーを挙げることができ、その含有量はハードコート用塗料中の樹脂固形分に対して、好ましくは5〜50重量%である。
本発明のハードコート層に用いる有機微粒子を形成する材料としては、特に限定はないが、例えば、塩化ビニル樹脂(屈折率1.53)、アクリル樹脂(屈折率1.49)、(メタ)アクリル樹脂(屈折率1.52〜1.53)ポリスチレン樹脂(屈折率1.59)、メラミン樹脂(屈折率1.57)、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂(屈折率1.49〜1.59)等が挙げられる。
また、本発明において、ハードコート層の塗膜厚さは、ハードコート層を構成する有機微粒子の平均粒径の1〜2倍であることが必要であり、好ましい有機微粒子の平均粒径は2〜6μmであり、より好ましくは2.5〜5.5μmである。
塗膜厚さがハードコート層を構成する有機微粒子の平均粒径の1倍未満であると、微粒子が塗膜表面に突出し、必要以上の防眩性が付与され塗膜表面での外光の散乱が大きなり、光の散乱により表面が白っぽくなり、ディスプレイの視認性(コントラスト)を著しく低下させる。一方塗膜厚さがハードコート層を構成する有機微粒子の平均粒径の2倍を超えると反射防止性が発現し難くなるとともに、光が透過し難くなる。なお、前記有機微粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱法で測定することができる。
また、有機微粒子の平均粒径が2μm未満の場合は、ハードコート層の塗膜厚さを前記有機微粒子の平均粒径の1〜2倍と設定した場合に反射防止性が発言しにくくなる。一方、有機微粒子の平均粒径が6μmより大きい場合は塗膜厚さを厚くしなければならないため、光が透過し難くなる。
本発明に用いる前記有機微粒子は、ハードコート層を構成する樹脂の屈折率(硬化後の屈折率)に対し、屈折率の差が0.001〜0.020である有機微粒子を用いることが好ましく、とくに屈折率の差が0.001〜0.010である有機微粒子を用いることがより好ましい。つまり、一般的な電離放射線硬化型樹脂の屈折率は、1.52程度であるので、屈折率が1.50〜1.54の有機微粒子を使用することが好ましい。例えば、ハードコート層を構成する樹脂が電離放射線硬化型樹脂の(メタ)アクリル樹脂、ウレタンアクリレート(屈折率=1.52)の場合、前記ハードコート層に用いる有機微粒子は(メタ)アクリル樹脂(屈折率1.52〜1.53)、もしくはアクリル−スチレン共重合樹脂で屈折率を1.51〜1.53に調整した微粒子を使用することが好ましい。
ハードコート層を構成する有機微粒子と樹脂との屈折率差が0.001未満の場合は、ハードコート層の塗膜厚さを有機微粒子の平均粒径の1〜2倍と設定した場合に反射防止性が全く得られない
また、ハードコート層を構成する有機微粒子と樹脂との屈折率差が0.020を超えると、光の透過性を低下させないためには、前記樹脂100重量部に対する添加部数が少なくなるため、十分な反射防止性が得られず、また、反射防止が得られる添加部数では光の透過性が低下し、十分なコントラストを得ることがし難くなる。
また、前記有機微粒子はハードコート層に用いられる樹脂の屈折率よりも0.001〜0.020高いことが好ましい。樹脂との屈折率差が0.001〜0.020低い微粒子を用いる場合でも得られる効果に大差はないが、ハードコート層を構成する樹脂には汎用性の高い電離放射線硬化型樹脂の(メタ)アクリル樹脂、ウレタンアクリレート(屈折率=1.52)を用いることが大量に安価に製造するには好ましく、微粒子の入手性を考慮すると前記樹脂の屈折率よりも0.001〜0.020高い微粒子の方が好ましい。また、有機微粒子は単独で用いてもよいし、或いは2種以上を併用することも可能である。なお、有機微粒子を併用する場合にも、併用する有機微粒子は、平均粒径が2〜6μmであり、ハードコート層を構成する樹脂との屈折率差が0.001〜0.020の範囲のものであることが好ましい。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で無機微粒子、または樹脂との屈折率差が0.001未満、あるいは0.020を超える無機微粒子あるいは有機微粒子を配合しても良い。
本発明において有機微粒子はハードコート層中に前記樹脂100重量部に対して3〜35重量部配合することが好ましく、より好ましくは5〜25重量部配合する。
有機微粒子の配合量が、前記樹脂100重量部に対して3重量部未満の場合は、ハードコート層の塗膜厚さを有機微粒子の平均粒径の1〜2倍と設定した場合に反射防止性が全く得られない。また、有機微粒子の配合量が、前記樹脂100重量部に対して35重量部を超えると光の透過性が低下し、コントラストが得られ難くなる。
ハードコート層は、前記樹脂と微粒子等を溶剤に溶解、分散した塗料を透明フィルム上に塗工乾燥して形成することができる。溶媒としては、前記樹脂の溶解性に応じて適宜選択でき、少なくとも固形分(樹脂、微粒子、触媒、硬化剤、その他添加剤) を均一に溶解あるいは分散できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等) 、エステル類( 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類、アミド類などが例示できる。また、溶媒は単独で使用しても混合して使用してもよい。
ハードコート層の積層(塗工)方法については特に限定しないが、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、デイップコートなど、塗膜厚さの調整が容易な方式で塗工が可能である。なお、ハードコート層の膜厚は、反射防止フィルム断面写真を顕微鏡等で観察し、塗膜界面から表面までを実測することにより測定可能である。
本発明の反射防止層に含有されるフッ素系樹脂としては、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができ、その具体例としては、例えば(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレンなどのフロロオレフィン類;(2)アルキルパーフロロビニルエーテル類もしくはアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテル類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;(5)トリフロロエチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリレート類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。具体的な商品としては、反射防止膜形成用塗料としてJSR社から上市されているオプスターTU2205などを挙げることができる。
本発明の反射防止層には、その効果を阻害しない範囲において、上記の電離放射線硬化型樹脂、有機粒子、無機粒子、レベリング剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤などを必要に応じて含有してもよい。
本発明の反射防止層の厚さは通常80〜120nm程度であるが、特に限定されるものではなく、反射防止フィルムの使用される用途によって適宜調整することが望ましい。例えば、反射率・色相が重視される用途では80〜100nmに調整されることが一般的であり、色相よりも反射率が重視される用途では90〜120nmに調整されることが一般的である。
なお、本発明の透明フィルム基材上にハードコート層、反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムの表面の評価領域内の高さの平均値をゼロ(零)としたときの、評価領域内の高さ最大値と評価領域内の高さ最小値との差で表わす最大断面高さが0.6μm以下とすることが好ましい。
本発明の反射防止層を積層するにあたって、上記のハードコート層を積層する場合と同様の塗工装置が使用することができ、それぞれの塗工装置に適した粘度及び濃度になるように、有機溶媒を用いて任意の塗料濃度(固形分濃度)にすることが好ましい。希釈する有機溶剤の種類は特に限定されるものではないが、極性の高いフッ素樹脂との相溶性の点からケトン類、アルコール類が好ましく、更に塗工性の点からアルコール類を使用することがより好ましい。なお、アルコール類の中でも、tert-ブチルアルコール(2-メチルプロパン-2-オール)を使用することが、相溶性及び塗工性の点から特に好ましい。
以下、本発明の実施の形態を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は特にことわらない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
[実施例1]
<ハードコート層塗料調製>
トルエン65.0gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μm、屈折率:1.525)3.5gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)30.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.5g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
Fuji TAC(トリアセチルセルロースフィルム、富士フィルム(株)社製)に上記塗料をマイヤーバー#14(RDS社製)で塗工し、80℃で1分間乾燥後、350mJ/cmの紫外線(光源:Fusion Japan社製UVランプ)を照射し硬化した。得られた塗膜の厚さは7μm、ハードコート層表面の最大断面高さは0.38μmであった。
<反射防止層の積層>
メチルイソブチルケトン18gとtert−ブチルアルコール180gにイルガキュア184(重合開始剤:(株)チバスペシャリティケミカル社製)を0.1g添加して十分攪拌した後、反射防止膜形成用塗料オプスターTU2205(JSR(株)社製)50gを添加し十分攪拌して反射防止膜形成用塗料を作製した。この塗料を上記で得られたハードコートフィルム上にマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で150mj/cmの紫外線を照射し約0.1μmの反射防止層を積層した。
[実施例2]
<塗料調製>
実施例1で用いたアクリル粒子を屈折率1.53のアクリル粒子(綜研化学(株)社製
、平均粒径4.0μm)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#10に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩
フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは5μm、ハードコート層表面の最大断面高さは0.52μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして行った。
[実施例3]
<塗料調製>
トルエン38.5gにアクリル粒子(綜研化学(株)社製、平均粒径5.0μm、屈折
率:1.525)8.7gを添加し十分攪拌した。この液にアクリル系紫外線硬化樹脂(
日本合成化学工業(株)社製、屈折率:1.52)25.5gとイルガキュア184(光
重合開始剤、(株)チバスペシャリティーケミカル社製)1.5g、BYK340(レベ
リング剤、ビックケミー(株)社製)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#18に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩
フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは9μm、最大断面高さは0.48μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして行った。
[実施例4]
<塗料調製>
実施例2で用いたアクリル粒子を平均粒径2.5μmのアクリル粒子(綜研化学(株)
社製、屈折率1.53)に変更した以外は実施例2と同様の方法で塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例2で用いたマイヤーバーを#8に変更した以外は実施例2と同様の方法で防眩フ
ィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは3.5μm、最大断面高さは0.29μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして行った。
[実施例5]
<塗料調製>
実施例1と同様の塗料を調整した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたFuji TAC(トリアセチルセルロースフィルム、富士フィルム
(株)社製)の代わりにPETフィルム(ポリエステルフィルム、東洋紡績(株)社製)
を用いた以外は実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは
7μm、最大断面高さは0.38μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして行った。
[比較例1]
<塗料調製>
実施例1と同様の塗料を調整した。
<防眩フィルム作製>
実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは7μmであっ
た。作製したフィルムに反射防止層を付与しなかった。
[比較例2]
<塗料調製>
実施例1で用いたアクリル粒子を屈折率1.59のスチレン粒子(綜研化学(株)社製
、平均粒径5.0μm)に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗料を調製した。
<防眩フィルム作製>
実施例1で用いたマイヤーバーを#10に変更した以外は実施例1と同様の方法で防眩
フィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは5μm、ハードコート層表面の最大断面高さは1.20μmであった。
[比較例3]
<塗料調製>
トルエン60.0gにアクリル系紫外線硬化樹脂(日本合成化学工業(株)社製、屈折
率:1.52)33.0gとイルガキュア184(光重合開始剤、(株)チバスペシャリ
ティーケミカル社製)1.5g、BYK325(レベリング剤、ビックケミー(株)社製
)0.5gを添加し十分攪拌し塗料を調製した。
<ハードコートフィルム作製>
実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。得られた塗膜の厚さは7μm、最大断面高さは0.05μmであった。
<反射防止層の積層>
実施例1と同様にして行った。
以上のようにして作製された実施例及び比較例の各防眩ハードコートフィルムを次の項
目について評価し、その結果を纏めて後記表1に示した。
(1)ヘイズ値
村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM150」を用いて測定した。
(2)全光線透過率
村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM150」を用いて測定した。
(3)コントラスト(黒の締まり)、反射防止性(写り込み)
外光の写り込みによる黒の締まりは、塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼りマクベス濃度計で黒濃度として測定した。2.20以上を「○」、2.20未満「×」とした。また、写り込み(輪郭)は、塗工反対面に黒色のビニールテープを貼り、塗工面を観測者側にしてフィルム表面に白色蛍光灯を写りこませた状態にて、白色蛍光灯を見たときに、蛍光灯の写り込んだ状態を目視で評価した。蛍光灯の輪郭がぼやけるものを「○」、蛍光灯の輪郭がはっきりしているものを「×」とした。
(5)最大断面高さ
(株)菱化システム製の三次元表面粗計「VertScan2.0」を用いて測定した。測定により得られた領域粗さパラメータの評価領域内の高さの平均値(Ave)がゼロのときの、評価領域内の高さ最大値(P)と評価領域内の高さ最小値(V)との差から最大断面高さ(St)を求めた。測定条件の設定は以下のとおりである。
<光学条件>
Camera:SONY HR−50 1/3型
Objective:10×(10倍)
Tube:1×Body
Relay:No Relay
Filter:530white
*光量調節:Lampの値が50〜95の範囲内に入るよう自動で実施。
<測定条件>
Mode:Wave
Size:640×480
Range(μm):Start(5)、Stop(−10)
Figure 2012220768

Claims (1)

  1. 透明フィルム基材上に、少なくとも有機顔料および樹脂を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、該ハードコート層の最大断面高さが0.6μm以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015210308A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 日本製紙株式会社 反射防止フィルム

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