JP2008180852A - 防眩性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも透明フィルムの片面に微小な凹凸を持ったハードコート層を有する防眩性フィルムであって、該防眩性フィルムのハードコート層側表面の中心線平均粗さRaが0.01〜0.30μm、平均傾斜勾配Δaが0.005〜0.10ラジアン、10点平均粗さRzが0.1〜1.5μmであり、該防眩性フィルムのヘーズ値が1.0〜5.0%であることを特徴とする防眩性フィルム。
【選択図】なし
Description
このような問題を解決するため、LCDにおいては表面に微細な凹凸を形成することによる防眩処理が施されている。防眩処理の方法として、従来よりサンドブラスト加工、エンボス加工、微粒子を含有する塗膜の形成などが行なわれている。例えば、透過光の散乱特性が制御され、ギラツキ感が改良された防眩性ハードコートフィルムの製造方法として、透明プラスチック基材に活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させ、活性エネルギー線硬化型樹脂層を形成したのち、該被膜に対してサンドブラスト加工またはエンボス加工のいずれかの加工を施す方法が特許文献1に提案されている。
また、スチレンビーズなどの透明性微粒子を含んだ樹脂組成物を透明プラスチック基材に塗工することにより、透明性微粒子によって塗布膜に付与される凹凸の状態で塗膜の表面に良好なハードコート層を形成する方法が特許文献3に開示されている。
また、樹脂組成物中にコロイダルシリカを添加しアミン化合物によって凝集させ、微細な凹凸構造を付与し、防眩性ハードコート層を形成する方法が特許文献4に開示されている。
しかし、反射防止膜では映り込んだものの映像が防眩膜に比べて鮮明であるために、表示したいものの視認性が十分ではなかった。
そのため、PDPの優れた透過映像を損なわず、外光の映り込みによる視認性の低下のみを防止するというような、両方の相反する機能を両立する防眩膜の開発が強く望まれていた。
即ち、本発明は、以下のとおりのものである。
(1)透明フィルムと透明フィルム上に形成されるハードコート層からなる防眩性フィルムであって、該防眩性フィルムのハードコート層側表面の中心線平均粗さRaが0.01〜0.30μm、平均傾斜勾配Δaが0.005〜0.10ラジアン、10点平均粗さRzが0.1〜1.5μmであり、該防眩性フィルムのヘーズ値が1.0〜5.0%であることを特徴とする防眩性フィルム。
(2)該フィルムのハードコート層が、シリカ微粒子とバインダーを含み、平均粒子径が5〜200nmのシリカ微粒子の凝集構造を含むことを特徴とする上記(1)に記載の防眩性フィルム。
(3)該ハードコート層の厚みが1〜30μmであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の防眩性フィルム。
(4)該ハードコート層の表面にさらに低屈折率層が形成されてなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防眩性フィルム。
本発明に用いることができる透明フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系フィルム、延伸したポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ノルボルネン系フィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレート系フィルムなどが挙げられる。透明フィルムは、透過光の利用という観点から、ヘーズ値が2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
TACフィルムやPETフィルムの厚さは、ハードコート層の厚みの均一性、光学基材としての取扱性という観点から12μm以上が好ましい。TACフィルムやPETフィルムの厚さの好ましい上限は、光線透過率、光の利用効率の観点から200μmである。
本発明の透明フィルムとしては、紫外線吸収剤を含有させたものが好ましく用いられる。PDP前面板フィルタの構成要素、特に色調補正層などに用いる色素の保護に好ましく用いることができる。紫外線吸収剤として420nm以下の短波長側を吸収する紫外線吸収剤を用いることができ、特に350〜400nmの波長を吸収する紫外線吸収剤を用いることができる。
ここで、ハードコート層の厚さとは、ハードコート層の断面の任意30箇所を電子顕微鏡で観察して求めた厚さの平均値である。
本発明のハードコート層側の表面の中心線平均粗さRaは0.01〜0.30μmの範囲である。そのうち、0.05〜0.15μmが好ましい。中心線平均粗さRaが0.01μm未満であると、外光による映り込みを十分に低減させることが困難となる。また中心線平均粗さRaが0.30μmを超えて大きいと透過像がぼやけるため好ましくなく、更にフィルム表面が粗くなり表面の外見上の均質感が得られないため好ましくない。
本発明のハードコート層側の表面の10点平均粗さRzは0.1〜1.5μmの範囲である。そのうち0.2〜1.0μmが好ましい。10点平均粗さRzが0.1μm未満であると外光による映り込みを十分に低減させることが困難となる。また10点平均粗さRzが1.5μm超えて大きいと透過像がぼやけ、また外観上白っぽく見えるため好ましくない。
なお、中心線平均粗さRa、平均傾斜勾配Δa、10点平均粗さRaは、実施例に記載の方法により測定されたものである。
本発明の防眩性フィルムの全光線透過率は88%以上が好ましい。そのうち90%以上がより好ましく用いられる。88%未満の場合は透過像がぼやける傾向があるため好ましくなく、更に、透過映像の輝度が低下してしまうため好ましくない。
また、45度反射像鮮明度は、スガ試験機の写像性測定機ICM−1Tにより測定でき、ICM−1Tの光学くしのうち、2mm、1mm、0.5mm、0.25mmのくしで測定した45度反射像鮮明度の和が10%以上100%以下であることが好ましく、10%以上80%以下であることがより好ましく、10%以上60%以下のものが最も好ましく用いられる。45度反射像鮮明度の和が100%を超えると、防眩性が不十分であり、外光の映り込みによる像が明確に見え、表示画像の視認性が低下する傾向がある。一方、反射像鮮明度の和が小さすぎるものは外光の映り込みには優れているものの、透過映像までぼやけてしまい、さらに表面の白っぽさが目立ち、表示コントラストが低下してしまう傾向がある。
多官能アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
多官能アクリレートオリゴマーとしては、ノボラック型やビスフェノール型エポキシ樹脂をアクリレート変性したエポキシアクリレート、ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるウレタン化合物のアクリレート変性物であるウレタンアクリレート、ポリエステル樹脂をアクリレート変性したポリエステルアクリレート等が挙げられる。
また、アルコキシシラン系では、アルコキシシランを加水分解重縮合させることにより得られたシラノール基を有する縮合体を含んでいるものが好ましい。塗布後の熱硬化等により、シラノール基がシロキサン結合に変換されて硬化膜が得られる。
これらのハードコート材料は、単独で使用しても、複数を混合して使用しても構わない。屈折率の調整で複数のハードコート材料を混合することは好ましく行われる。この中でも製法の簡便さ、コスト、性能などからアクリルラジカル系が好ましく用いられ、多官能アクリレートオリゴマーがより好ましく用いられる。
ハードコート材料には、さらに添加物として重合開始剤を添加することが有効である。重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤、光ラジカル発生剤、熱酸発生剤、光酸発生剤など公知のものを、ハードコート材料の重合性官能基や重合性モノマーの反応形態に合わせて選ぶことができる。
図2からシリカ微粒子の凝集構造が表面形状に反映している様が示されている。これらはエネルギー分散型X線分析装置(EDX)にてSi元素の面分布をマッピングすることで形状に反映していることを明確にすることができる。このシリカ微粒子の凝集構造からなる形状として、Z原点における断面像から、その断面の平均面積を代表値として用いることができる。この断面(以後シリカ微粒子の凝集体の断面と同義語とする。)の平均面積が400〜5000μm2であることが好ましく、特に500〜2000μm2であることが好ましく用いられる。防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集体は、ハードコート層の表面の10点平均粗さRzが0.1〜1.5μmと低く、シリカ微粒子の凝集体の断面の平均面積が400〜5000μm2と大きい、緩やかな凝集構造をしている。
ハードコート層の表面抵抗は、ディプレイ表面の埃付着の観点から、表面抵抗率は106〜1016Ω/□であることが好ましい。
ハードコート層としては、JIS−K−5400に従う鉛筆硬度試験で、鉛筆強度がH以上になるものが好ましく用いられ、2H以上のものがより好ましい。
帯電防止機能をハードコート層に付与するのは好ましい対応である。導電性微粒子と低屈折率の無機粒子を混合することにより帯電防止機能と屈折率の調整が可能であり、表面形状を損なわない範囲において用いることができる。鉛筆硬度もH以上とすることが可能である。
ハードコート層として鉛筆硬度、表面抵抗、干渉縞の防止を全て満たすために、帯電防止性ハードコート層とするのが好ましい。
ハードコート層の塗工は、上記のハードコート材料に必要に応じて添加物を添加した組成物を、必要に応じて溶媒を用いた塗布溶液として透明プラスチック基板上への塗布成膜・硬化することによって製造することが可能である。
ハードコート層は塗布乾燥後、80〜150℃で加熱して硬化させることにより、或いは、光や電子線を用いて硬化させることにより得ることができる。
低屈折率層は、シリカ微粒子とバインダーを含有する構成が好ましく用いられる。シリカ微粒子としては、内部に空洞が有っても無くても構わないが、分散性、得られる層の表面性、機械的強度の観点から、平均粒子径は200nm以下のものを用いるのが好ましい。平均粒子径が200nmを超えるとヘーズが大きくなり、防眩性フィルム表面の白ボケが発生する傾向がある。
中空シリカ微粒子の空洞を包囲している外殻の厚みによっても屈折率を制御することができる。外殻の厚みとして3nm以上の厚み、特に4nm以上12nm以下の厚みで緻密なものが好ましく用いられる。厚みが薄いと中空シリカ微粒子の屈折率を下げることはできるが、中空シリカ微粒子そのものの強度という観点から破壊が生じる場合がある。一方、外殻の厚いものは屈折率が低くならないため、低屈折率化の効果が低い。
内部に空洞の無いシリカ微粒子の平均粒子径は、通常、窒素吸着法(BET法)により測定された比表面積(m2/g)から、平均粒子径(nm)=(2720/比表面積)の式によって与えられた値である。中空シリカ微粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡で求めた粒子の径をいう。倍率は粒子が5個以上写真に入る倍率とし、その画面に存在するすべての粒子の外径を測定し、その平均値とした。
なお、2種類以上の粒子径のシリカ微粒子や中空シリカ微粒子を併用しても構わない。
バインダーとしては、単独でも複数を組み合わせてもよい。好ましいバインダーとしては、以下のものが挙げられる。
(1)テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(i−プロポキシ)シラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ(i−プロポキシ)シラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジ(i−プロポキシ)シラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピルジ(i−プロポキシ)シラン、メトキシシラン、エトキシシラン、メチルメトキシシラン、
(4)水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カリウム、オルトケイ酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸リチウム、オルトケイ酸テトラメチルアンモニウム、オルトケイ酸テトラプロピルアンモニウム、メタケイ酸テトラメチルアンモニウム、メタケイ酸テトラプロピルアンモニウムなどのケイ酸塩を酸やイオン交換樹脂に接触させることにより得られる活性シリカ。
(6)アルキル(メタ)アクリレート、アルキレンビス(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマーを重合したもの。アルキレンビスグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキシドなどの重合性モノマー。ここで(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの両方を指す。これらの重合物である。
(8)上記(1)〜(7)のアルキル基や水素基はフッ素に置換されたものを用いることができる。フッ素に置換されたものは屈折率が小さく、光学的性能に優れている。しかしながら単独では機械的に弱い場合もあるため、無機の微粒子と混合して用いることができる。
重合性モノマーの種類は、反応の形態、速度などに応じて適宜選択される。重合性モノマーまたは官能基を有するものを用いる場合には、さらに添加物として重合開始剤を添加することが有効である。重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤、光ラジカル発生剤、熱酸発生剤、光酸発生剤など公知のものを、上記の重合性官能基や重合性モノマーの反応形態に合わせて選ぶことができる。
バインダー量は、低屈折率層の表面形状、機械的強度、反射防止性能の観点から、シリカ微粒子と中空シリカ微粒子を合わせた重量を1とした場合に、重量比で0.5以上5.0以下が好ましい。
低屈折率層には、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、レベリング剤、色素、金属塩、界面活性剤、離型剤など種々の添加物を、本発明の趣旨を損なわない範囲で含有させることも可能である。
低屈折率層の厚みとしては、50〜300nmであるが、可視光領域での反射防止性能の観点から、通常、入射角5度における最低反射率波長が500〜750nmの範囲となる膜厚に調整するのが好ましい。低屈折率層の屈折率は、入射角5度における最低反射率を2%以下となるようにシリカ微粒子量、中空シリカ微粒子量、バインダー量を制御することが重要である。
同一分子内に重合性官能基と共有結合を形成することが可能な官能基とを併せ持つ反応性シラン化合物としては、低屈折率層のバインダーとしても用いることができる上記(2)に例示のもの、またはこれらのアルキル基や水素基がフッ素に置換されたものを用いることができる。具体的には以下のようなものが挙げられる。
シリカ微粒子や中空シリカ微粒子の表面は、1nm2あたり0.1〜100個OH基を有している場合が多く、反応性シラン化合物を処理する場合には、シリカ微粒子や中空シリカ微粒子の表面の1/20以上のOH基に対して応分以上を反応性シラン化合物と反応させるのは好ましい態様であり、さらにフルオロアルキル(トリアルコキシ)シランと併用して処理するのも好ましい態様である。フルオロアルキル(トリアルコキシ)シランとの処理は、シリカ微粒子や中空シリカ微粒子と反応性シラン化合物存在下に行ってもよいし、それぞれ別々に行ってもよい。
CF3 (CF2 )x CH2 CH2 Si(OR)3 ・・・(1) R:−CH3 、−C2 H5 、−イロプロピル基、などのアルキル基
x:1〜10の整数
フルオロアルキル(トリアルコキシ)シランとの処理は、シリカ微粒子や中空シリカ微粒子の表面の1/20以上のOH基に対して応分以上を反応させて結合させるのは好ましい態様である。これにより低屈折率層の耐磨耗性をさらに向上させることができるとともに、表面の防汚性の向上、指紋の拭取り性を向上させることができる。
フルオロアルキル(トリアルコキシ)シランはシリカ微粒子や中空シリカ微粒子との反応性の観点から、上記の一般式(1)でR:−CH3が好ましく、xは3〜7が好ましく用いられる。
上記分散媒の具体例としては、水、炭素数1〜6の一価アルコール、炭素数1〜6の二価アルコール、グリセリンなどのアルコール類の他、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ(n−プロピル)エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、1、4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのアルカノールエーテル類、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、アセト酢酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル(n−ブチル)ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどが好適に用いられる。
これらの分散媒は、本発明の目的を損なわない限り、混合したり、他の任意の溶媒または添加物を混合してもよい。
上記分散液を基材に塗布するにあたり、塗布性能および基材との接着力を高めるために、公知のレベリング剤や結合助剤(カップリング剤)を添加することも有効である。
塗布液の濃度は、例えば、中空シリカ微粒子の固形分重量を100重量部とした場合、反応性シラン化合物として0.1〜20重量部、フルオロアルキル(トリアルコキシ)シランを0.1〜20重量部、バインダー成分として50〜500重量部の範囲に調整することは好ましい態様である。
上記の塗布組成物を塗布した後は、分散媒を揮発させたり、反応性シラン化合物やバインダー成分を縮合、架橋させるために加熱を行うのが有効である。加熱温度と時間は基材の耐熱性によって決定される。例えば、基材として透明プラスチックフィルムを用いる場合、加熱温度は50℃〜200℃、時間は1秒〜1時間の間から選ばれ、好ましくは80℃〜150℃、10秒間〜3分間の範囲から選ばれる。また上記バインダーが放射線硬化性を有する場合は、紫外線、電子線などを公知の方法によって照射する。
本発明の低屈折率層は、可視光領域での反射防止性能の観点から、通常、入射角5度における最低反射率波長を500〜750nmの範囲とするのが好ましい。低屈折率層の屈折率は、入射角5度における最低反射率が2%以下となることが好ましい。これにより、ハードコート層との相乗効果で外光の映り込みを低減でき、より好ましい態様となる。
帯電防止層を付与することで、表面抵抗率を下げることが出来る。帯電防止層を付与した場合の本発明の防眩性フィルムの表面抵抗率は、106〜1014Ω/□が好ましい。
本発明の防眩性フィルムは、特にPDPの光学フィルター最表面に好ましく用いることが出来るが、その他、例えば、TVブラウン管、ノートパソコン、電子手帳、タッチパネル、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクションテレビ、プラズマアドレス液晶ディスプレイ、電解放出型ディスプレイ、有機/無機ELディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、光ファイバー、光ディスク等の電子情報機器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の家庭用品分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、コピー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ台ガラス、ゲーム機等の娯楽分野;などにおいて、映り込みの防止の向上を必要としている非常に広範な用途に用いることができる。
[各種測定方法]
(1)射角5度における最低反射率および最低反射率波長;
ガラス板(NHテクノグラス社製:NA35、0.70mmt、TFT用)にアクリル系光学用粘着剤を用いて防眩性フィルム(透明フィルム側)を貼り、ガラス板の裏面の反射光をカットするため、裏面を紙やすりで荒した後に黒色インクで塗りつぶした。その後、分光光度計UV−2450/MPC2200型:5°絶対反射率測定装置(島津製作所株式会社製)を用いて、波長300nm〜800nmの範囲の反射率スペクトルを0.5nm間隔で測定し、最も低い反射率を最低反射率とし、その時の波長を最低反射率波長とした。
スガ試験機株式会社製:写像性測定器ICM−1Tを用いて測定し、ICM−1Tの光学くしのうち、2mm、1mm、0.5mm、0.25mmのくしで測定した4種類の光学くしにおける透過像鮮明度の合計値を透過像鮮明度の和とした。
(3)45度反射像鮮明度;
ガラス板(NHテクノグラス社製:NA35、0.70mmt、TFT用)にアクリル系光学用粘着剤を用いて防眩性フィルムを貼り、ガラス板の裏面の反射光をカットするため、裏面を紙やすりで荒した後に黒色インクで塗りつぶした。その後、スガ試験機株式会社製:写像性測定器ICM−1Tを用いて測定し、ICM−1Tの光学くしのうち、2mm、1mm、0.5mm、0.25mmのくしで測定した4種類の光学くしにおける45度反射像鮮明度の合計値を45度反射像鮮明度の和とした。
ガラス板(NHテクノグラス社製:NA35、0.70mmt、TFT用)にアクリル系光学用粘着剤を用いて防眩性フィルムを貼り、株式会社小坂研究所製:高精度微細形状測定器;サーフコーダET4000を用い、JIS−B−0601に準拠して測定した。なお、基準長さに関してはJIS−B−0633に準じた。
(5)平均傾斜勾配(Δa);
ガラス板(NHテクノグラス社製:NA35、0.70mmt、TFT用)にアクリル系光学用粘着剤を用いて防眩性フィルムを貼り、株式会社小坂研究所製:高精度微細形状測定器;サーフコーダET4000を用い、ASMEB46.1:1995に準拠して測定した。
ガラス板(NHテクノグラス社製:NA35、0.70mmt、TFT用)にアクリル系光学用粘着剤を用いて防眩性フィルムを貼り、株式会社小坂研究所製:高精度微細形状測定器;サーフコーダET4000を用い、JIS−B−0601に準拠して測定した。なお、基準長さに関してはJIS−B−0633に準じた。
(7)鉛筆硬度;
JIS−S−6006に規定される試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、500g荷重における鉛筆硬度を評価した。
粉体をスライドガラス上に少量おき、これに屈折率が既知の液を数滴落として粉体と混合する。この状態で混合液が透明になった場合、既知の液と粉体の屈折率が同等とみなした。
(9)全光線透過率およびヘーズの測定;
日本電色工業株式会社製濁度計(曇り度計);NDH2000を用いて、JIS−K−7361−1に規定される方法にて測定した。
測定装置として東亜ディーケーケー社製:超絶縁計;SM−8210、電極としては平板試料用電極;SME−8311を用い、JIS−K−6911に規定される方法によって表面抵抗率を測定した。(20℃、65RH%)
(11)シリカ微粒子の凝集体の平均断面積測定;
ガラス板(NHテクノグラス社製:NA35、0.70mmt、TFT用)にアクリル系光学用粘着剤を用いて防眩性フィルムを貼り、株式会社小坂研究所製:高精度微細形状測定器;サーフコーダET4000を用い、横500μm、縦200μmの範囲でハードコート層の3次元表面形状測定を行いZ原点での断面におけるシリカ微粒子の凝集体の平均断面積を測定した。
前面フィルターを有するPDP表示装置の前面板フィルターに、外側の表面に防眩性フィルムを粘着剤;LS0280(リンテック株式会社製)を用いて貼り付けた。そしてPDP表示装置へ画像を表示し、透過像を以下の判定基準により目視にて判定した。
◎・・・透過像が完全に鮮明に見える。
○・・・透過像が鮮明であるが、通常のPDPに比べやや劣る。
△・・・透過像がやや白く見える。
×・・・透過像がぼやけて不鮮明。
前面フィルターを有するPDP表示装置の前面板フィルターに、外面側の表面に防眩性フィルムを粘着剤;LS0280(リンテック株式会社製)を用いて貼り付けた。防眩性フィルムが形成されている側に蛍光灯の光を直接反射させ、映り込んだ蛍光灯の像のイメージを以下の判定基準により目視にて判定した。
◎・・・蛍光灯の像のイメージがぼやける。
○・・・蛍光灯の像のイメージが少しぼやける。
△・・・蛍光灯の像のイメージがやや鮮明であるが、周りの景色の映りこみはほとん どない。
×・・・蛍光灯の像のイメージが明確に認識できる。
前面フィルターを有するPDP表示装置の前面板フィルターに、外側の表面に防眩性フィルムを粘着剤;LS0280(リンテック株式会社製)を用いて貼り付けた。防眩性フィルムが形成されている側に蛍光灯の光を直接反射させ、PDP表示装置へ画像を表示し、画像の鮮明度を以下の判定基準により目視にて判定した。
◎・・・外光下でも映像が鮮明に見える。
○・・・やや外光が映るが、画像は鮮明に見える。
△・・・画像に外光が映るが、画像は認識できる。
×・・・画像が外光に打ち消される。
(ハードコート層塗工液:HC−A)
DPE−6A(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、新中村化学社製)75重量部とUV硬化型ハードコート塗料;HIC−G(共栄社化学株式会社製、UV硬化樹脂)25重量部を、メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部の混合溶液に溶解した。その溶液に開始剤として「イルガキュア(商標登録)184」を3重量部加えて溶解した。IPA−ST−ZL(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径70〜100nm、30重量%のイソプロパノール(以下「IPA」と記載)分散液)を17重量部混合し、これに、ナトリウムメトキシドの0.28mol%溶液を17重量部攪拌しながら滴下した。その後1時間攪拌してハードコート層用塗工液:HC−Aを調製した。
ハードコート層塗工液:HC−AのIPA−ST−ZLをIPA−ST−L(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径40〜50nm、30重量%のIPA分散液)17重量部に変更した以外はHC−Aと同様にしてハードコート層用塗工液:HC−Bを調製した。
(ハードコート層塗工液:HC−C)
ハードコート層塗工液:HC−AのIPA−ST−ZLをIPA−ST−MS(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径17〜23nm、30重量%のIPA分散液)20重量部に変更した以外はHC−Aと同様にしてハードコート層用塗工液:HC−Cを調製した。
ハードコート層塗工液:HC−AのIPA−ST−ZLをIPA−ST−L(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径40〜50nm、30重量%のIPA分散液)10重量部に変更した以外はHC−Aと同様にしてハードコート層用塗工液:HC−Dを調製した。
(ハードコート層塗工液:HC−E)
ハードコート層塗工液:HC−AのIPA−ST−ZLをIPA−ST−L(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径40〜50nm、30重量%のIPA分散液)30重量部に変更した以外はHC−Aと同様にしてハードコート層用塗工液:HC−Eを調製した。
UV硬化型ハードコート塗料:セイカビームEXF−01J(大日本精化工業株式会社製、UV硬化樹脂)100重量部にOSCAL1432(触媒化成工業株式会社製、SiO2、粒径10〜20nm、30重量%のIPA分散液)20重量部を加え、更に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(関東化学株式会社製)を希釈せずに0.2重量部加えた。更に、イソプロピルアルコール50重量部、エチルセロソルブ50重量部、メチルエチルケトン50重量部を混合し、その後1時間攪拌してハードコート層用塗工液:HC−Fを調製した。
DPE−6A(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、新中村化学社製)75重量部とUV硬化型ハードコート塗料:HIC−G(共栄社化学株式会社製、UV硬化樹脂)25重量部を、メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部の混合溶液に溶解した。その溶液に開始剤として「イルガキュア(商標登録)184」を3重量部加えて溶解した。その溶液にアクリルビーズMX−150(綜研化学株式会社社製、平均粒径1.5μm)20重量部を加え、MP−1040(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径100nm、20重量%の水分散液)を5重量部混合し、その後1時間攪拌してハードコート層用塗工液:HC−Gを調製した。
DPE−6A(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、新中村化学社製)75重量部とUV硬化型ハードコート塗料:HIC−G(共栄社化学株式会社製、UV硬化樹脂)25重量部を、メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部の混合溶液に溶解した。その溶液に開始剤として「イルガキュア(商標登録)184」を3重量部加えて溶解した。その溶液にアクリルビーズMX−350(綜研化学株式会社社製、平均粒径3.5μm)20重量部を加え、その後1時間攪拌してハードコート層用塗工液:HC−Hを調製した。
ハードコート層塗工液HC−AのIPA−ST−ZLをIPA−ST−L(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径40〜50nm、30重量%のIPA分散液)0.33重量部に変更した以外はHC−Aと同様にしてハードコート層用塗工液:HC−Iを調製した。
(ハードコート層塗工液:HC−J)
ハードコート層塗工液:HC−AのIPA−ST−ZLをIPA−ST−L(日産化学工業株式会社製、SiO2、粒径40〜50nm、30重量%のIPA分散液)84重量部に変更した以外はHC−Aと同様にしてハードコート層用塗工液:HC−Jを調製した。
中空シリカ微粒子として触媒化成工業株式会社製、平均粒径60nm、屈折率1.30、固形分20重量%のイソプロパノール(以後「IPA」と記載)分散液を用いた。この中空シリカ/IPA分散液100重量部に対し、フッ素系低屈折材料(JSR株式会社製、オプスターTU2085、固形分10.5重量%)50重量部を加えた。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/t−ブタノール=25/75(重量比)283重量部で希釈し、固形分3重量%の反射防止塗工液:L−Aを調製した。
(帯電防止層用塗工液:H−A)
ITO微粒子のエタノール分散液(触媒化成工業社製「ELECOM V−2506」固形分20.5重量%)20重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート1重量部、ITOの分散助剤(燐酸エステル系)0.1重量部、開始剤として「イルガキュア(商標登録)184」を0.1重量部用い、これらをエタノール溶媒中で混合・分散させて、固形分濃度4重量%の帯電防止層用塗工液:H−Aを調整した。
(帯電防止層の形成)
透明フィルムとして、東洋紡績株式会社製のUV吸収剤入りのディスプレイ用PETフィルム(厚み100μm)を用い、これに「帯電防止層用塗工液:H−A」をバーコーターを用いて塗工したのち、60℃で2分乾燥後、フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製:UV露光装置(Hバルブ)を用いて、照度2600mW/cm2、光量750mJ/cm2で硬化させて帯電防止層とした。帯電防止層の厚さは約200nmだった。
(ハードコート層の形成)
得られたフィルムをバーコーターを用いて乾燥後の厚みが3.5〜4.5μmになるように「ハードコート層塗工液:HC−A」を塗工した。バーコーターで塗工後の膜を80℃で3分乾燥させた後、フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製:UV露光装置(Hバルブ)を用いて、照度2600mW/cm2、光量750mJ/cm2で硬化させてハードコート層を形成した。
得られたフィルムに「低屈折率層塗工液:L−A」をバーコーターを用いて塗工した。その後、120℃で1分乾燥させた後、フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製:UV露光装置(Hバルブ)を用いて、酸素濃度100ppm以下、照度2600mW/cm2、光量1500mJ/cm2で硬化させておよそ100nmの厚みの低屈折率層を形成し、防眩性フィルムを得た。
(防眩性フィルムの評価)
得られた防眩性フィルムを上記の「各種測定方法」に記載した方法で評価した。この評価方法による結果を表1に要約した。また、得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム表面全体に占める割合は51.2%であった。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−B」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表1に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hだった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム表面全体に占める割合は53.0%だった。図1にこの防眩性フィルムの表面形状鳥瞰図を、図2にこの防眩性フィルムの表面形状高低差微分像図を、図3にこの防眩性フィルムのZ原点における断面図を示した。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−C」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表1に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は49.1%であった。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−D」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表1に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は51.8%であった。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−E」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表1に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は55.2%であった。
透明フィルムとして、実施例1と同様のPETフィルム(厚み100μm)を用い、これに「ハードコート層用塗工液H−C」をバーコーターを用いて乾燥後の厚みが3.5〜4.5μmになるように塗工した。バーコーターで塗工後の膜を80℃で3分乾燥させた後、フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製:UV露光装置(Hバルブ)を用いて、照度2600mW/cm2、光量750mJ/cm2で硬化させて防眩性フィルムを形成した。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表1に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は51.3%であった。
防眩性フィルムの形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−F」とした以外は操作を実施例6と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表2に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は42.2%であった。
この防眩性フィルムをPDPに貼り付け、透過像鮮明度評価をおこなったとき、やや白っぽさが目立った。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−G」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表2に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は42.5%であった。
このフィルムをPDPに貼り付け、透過像鮮明度評価をおこなったとき、内部散乱による白っぽさが確認された。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−H」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表2に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は43.9%であった。
このフィルムをPDPに貼り付け、透過像鮮明度評価をおこなったとき、比較例2よりもさらに内部散乱による白っぽさが確認された。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液を「ハードコート層塗工液:HC−I」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表2に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は39.5%であった。
帯電防止層およびハードコート層および低屈折率層の形成は、用いる塗工液「ハードコート層塗工液:HC−J」とした以外は操作を実施例1と同様にしてそれぞれの層を形成した。透明フィルムは、実施例1と同様にPETフィルムを用いた。
得られた防眩性フィルムは実施例1と同様の評価をし、これらの結果を表2に要約した。
得られた防眩性フィルムの鉛筆硬度は2Hであった。また、得られた防眩性フィルムのシリカ微粒子の凝集構造の断面がフィルム全体に占める割合は54.9%であった。
市販のPDPの反射防止膜を用いて、上記の[各種測定方法]のうち、(12)PDP透過像評価、(13)PDP防眩特性評価、(14)外光下でのPDP映像評価を比較した。これらの結果を表2に要約した。
比較例6に使用した市販のPDPの反射防止膜を分析したところ、100μmのPETフィルム上に膜厚が約4μmのハードコート層が積層され、さらにその上に直径60nmの中空シリカとバインダーからなる膜厚が約100nmの低屈折率層が積層されていた。この市販の反射防止膜の表面の中心線平均粗さRaは0.0046μm、平均傾斜勾配Δaは0.0043ラジアンであった。
Claims (4)
- 透明フィルムと透明フィルム上に形成されるハードコート層からなる防眩性フィルムであって、該防眩性フィルムのハードコート層側表面の中心線平均粗さRaが0.01〜0.30μm、平均傾斜勾配Δaが0.005〜0.10ラジアン、10点平均粗さRzが0.1〜1.5μmであり、該防眩性フィルムのヘーズ値が1.0〜5.0%であることを特徴とする防眩性フィルム。
- 該フィルムのハードコート層が、シリカ微粒子とバインダーを含み、平均粒子径が5〜200nmのシリカ微粒子の凝集構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の防眩性フィルム。
- 該ハードコート層の厚みが1〜30μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防眩性フィルム。
- 該ハードコート層の表面にさらに低屈折率層が形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性フィルム。
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