JP2001053316A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールおよびその製造方法

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JP2001053316A
JP2001053316A JP2000159977A JP2000159977A JP2001053316A JP 2001053316 A JP2001053316 A JP 2001053316A JP 2000159977 A JP2000159977 A JP 2000159977A JP 2000159977 A JP2000159977 A JP 2000159977A JP 2001053316 A JP2001053316 A JP 2001053316A
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JP
Japan
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film
solar cell
cell module
binder
electrode layer
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JP2000159977A
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English (en)
Inventor
Takuji Nomura
卓司 野村
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光入射側における光の反射による光公害等が
有効に防止された太陽電池モジュールおよびそれを簡易
かつ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 第1および第2の面を有する透明絶縁基
板1と、透明絶縁基板1の第1の面上に形成された透明
電極層2と、透明電極層2上に形成された光半導体層3
と、光半導体層3上に形成された裏面電極層4と、透明
絶縁基板1の光が入射される第2の面上に形成された光
乱反射膜10とを備え、光乱反射膜10は、無機系材バ
インダ20と無機材粒子30とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池モジュー
ルおよびその製造方法に関するものであり、特に太陽光
発電に用いられる太陽電池モジュールおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、クリーンエネルギの利用がますま
す叫ばれるようになり、それに伴い太陽電池の利用の促
進が図られている。また、太陽電池の量産化に相俟っ
て、製造コストの低減化が進みつつある。太陽電池利用
の形式としては、かっては、大規模に並べて行なった太
陽電池発電所の形態や、人里離れたところでの電源確保
のための形態が主流であった。しかしながら、近年、市
街地で住宅の屋根やビルの外壁に太陽電池モジュールパ
ネルを取付けて電力を発生し、そのエネルギを従来の電
力会社の電気と同様に利用することが主流となりつつあ
る。
【0003】係る太陽電池モジュールパネルは、表面カ
バーガラスと裏面カバーフィルムとの間に、複数の光起
電力素子が樹脂で封止されたものである。表面カバーガ
ラスとしては、かつては透明ガラスで鏡面をなすものが
用いられていたため、光公害の問題が一部で指摘されて
いた。この問題を解決するため、たとえばガラスをプレ
ス加工して表面に特有の形状を形成した型板ガラスの利
用が検討されている。また、特開平11−74552号
公報には、ガラス基板の光入射面に凹凸形状を形成する
技術が開示されている。
【0004】一方、太陽電池モジュールのコストを大幅
に低減する構造として、表面カバーガラスと同じサイズ
の透明絶縁基板に、光の入射側から透明電極層、半導体
層、裏面電極層をパターニングしながら順次形成して得
られる、基板一体型薄膜系太陽電池モジュールが提案さ
れている。この構造の特徴は、各光起電力素子の配線
間、および素子とカバーガラスの間に充填する封止樹脂
が必要ないことであり、コスト面の利点のみならず、表
面カバーガラスにおける光の吸収によるエネルギ損失、
ならびに樹脂の黄変による特性劣化がないことである。
【0005】図7は、従来の太陽電池モジュールの一例
の概略構成を示す断面図である。
【0006】図7を参照して、この太陽電池モジュール
は、透明絶縁基板1と、透明絶縁基板1の光入射面と異
なる面上に形成された透明電極層2と、透明電極層2上
に形成された光半導体層3と、光半導体層3上に形成さ
れた裏面電極層4とを備えている。透明電極層2、光半
導体層3、および裏面電極層4が順次積層されて構成さ
れる光半導体素子5は、複数の領域に分離され、各領域
は互いに電気的に直列または並列に接続されている。
【0007】また、この太陽電池モジュールは、光半導
体素子5を保護するため、充填樹脂6、および裏面カバ
ーフィルム7により封止、保護されている。さらに、こ
のように封止された太陽電池には、フレーム8が取付け
られている。
【0008】このように構成される従来の太陽電池モジ
ュールの製造工程には、プラズマCVD、スパッタ等の
成膜工程の他、レーザ加工工程等が含まれる。そのた
め、従来の太陽電池モジュールにおいては、これらの工
程を安定的に行なうため、一般に透明絶縁基板1の光入
射面側の表面は、平坦な面に形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成される従来の太陽電池モジュールを屋根やビル
の外壁に配列した場合、太陽と太陽電池モジュールとの
角度によっては、太陽光が反射して隣接する家屋の中を
照らしたりする等の光公害の問題が一部で指摘されてい
た。
【0010】そこで、このような問題を解決するため、
前述したように基板の表面を光を散乱する型板ガラスに
することが検討されているが、こうしたガラスを用いた
場合、型板ガラスのテクスチャ仕様の細かな検討あるい
は特別なレーザ加工条件が必要となり、これに伴うコス
トの増加が発生するという問題があった。
【0011】また、特開平11−74552号公報に開
示されるように、ガラス基板自体に凹凸形状を形成する
場合には、ガラスの加工は高温や反応性の高いフッ酸等
の溶液の使用を伴うため、モジュール完成後には実施で
きないという問題があった。また、モジュール作製前に
予めガラス基板自体に加工を施しておいた場合では、半
導体層や電極層のレーザによるカットをガラス基板面よ
り行なうことができない等の問題があった。さらに、ガ
ラス基板に凹凸形状を形成する方法としては、ブラスト
処理も考えられるが、ガラスの強度が弱くなるという問
題があった。
【0012】一方、従来の太陽電池モジュールの製造に
おいては、ロットによりガラス基板の色調に差があるた
め、完成した太陽電池モジュールにおいても、色調に差
が生じてしまうという問題もあった。
【0013】この発明の目的は、上述の問題点を解決
し、光入射側における光の反射による光公害等が有効に
防止され、かつ色調の統一された太陽電池モジュールお
よびそれを簡易かつ安価に製造する方法を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明による太陽電池
モジュールは、第1および第2の面を有する透明絶縁基
板と、透明絶縁基板の第1の面上に形成された第1電極
層と、第1電極層上に形成された光半導体層と、光半導
体層上に形成された第2電極層と、透明絶縁基板の光が
入射される第2の面上に形成された防眩膜とを備え、防
眩膜は、無機材バインダと無機材粒子とを含んでいる。
【0015】なお、本願発明における太陽電池モジュー
ルには、薄膜系の太陽電池モジュールと結晶系の太陽電
池モジュールの両方が包含される。
【0016】無機材バインダは、例えばシリカからな
る。
【0017】また、無機材バインダは、例えば、アルキ
ルシリケート、より具体的には、たとえばエチルシリケ
ート、ブチルシリケート、またはこれらの混合物、また
はこれらあるいはこれらの混合物を主成分とするものか
ら形成される。
【0018】また、無機材バインダを、有機材によって
複合化してもよい。より具体的には、有機分子が無機材
バインダ分子構造内に付加されたもの、あるいは無機分
子と有機分子とが混合されたもの、あるいは無機バイン
ダ中に有機バインダが分散されたものでもよい。
【0019】また、無機材粒子としては、シリカからな
る粒子が用いられる。
【0020】好ましくは、無機材粒子は、直径が0.0
5〜200μmであるとよい。
【0021】さらに好ましくは、無機材粒子は、直径が
1〜10μmであるとよい。
【0022】好ましくは、無機材バインダと無機材粒子
との混合重量比は、無機材バインダの重量を100とし
たとき、無機材粒子の重量が0.1〜2000であると
よい。
【0023】さらに好ましくは、無機材粒子の直径が1
〜10μmの場合、無機材バインダと無機材粒子との混
合重量比は、無機材バインダの重量を100としたと
き、無機材粒子の重量が1〜10であるとよい。
【0024】好ましくは、防眩膜の厚さは、0.1〜5
00μmであるとよい。
【0025】防眩膜において、無機材粒子は、単層に配
置されていてもよいし、2層以上の複層に配置されてい
てもよい。
【0026】また、本願発明においては、透明絶縁基板
と防眩膜との間に、界面処理剤からなる膜がさらに介在
されていてもよい。
【0027】また、好ましくは、防眩膜は、表面に凹凸
形状が形成されているとよい。
【0028】また、本願発明による太陽電池モジュール
は、防眩膜上に、さらに表面保護膜が形成されていると
よい。
【0029】この発明による太陽電池モジュールの製造
方法は、第1および第2の面を有する透明絶縁基板の第
1の面上に、第1電極層を形成するステップと、形成さ
れた第1電極層上に光半導体層を形成するステップと、
形成された光半導体層上に第2電極層を形成するステッ
プと、透明絶縁基板の光が入射される第2の面上に、無
機材バインダと無機材粒子とを含む防眩膜を形成するス
テップとを備え、防眩膜は、透明絶縁基板の第1の面上
に第1電極層、光半導体層、および第2電極層を形成し
た後に形成することを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による第1実施の
形態の太陽電池モジュールの概略構成を示す断面図であ
る。
【0031】図1を参照して、この太陽電池モジュール
は、透明絶縁基板1と、透明絶縁基板1の光入射面と異
なる面上に形成された透明電極層2と、透明電極層2上
に形成された光半導体層3と、光半導体層3上に形成さ
れた裏面電極層4とを備えている。透明電極層2、光半
導体層3および裏面電極層4が順次積層されて構成され
る光半導体素子5は、複数の領域に分離され、各領域は
互いに電気的に直列または並列に接続されている。
【0032】また、この太陽電池モジュールは、光半導
体素子5を保護するため、充填樹脂6、および裏面カバ
ーフィルム7により、封止、保護されている。さらに、
このように封止された太陽電池には、透明絶縁基板1、
充填樹脂6および裏面カバーフィルム7等を保持すると
ともに、屋根等の架台等に取付けるために用いられるフ
レーム8が取付けられている。但し、フレームの有無は
制限されるものではなく、フレーム無しのもの、瓦に埋
め込まれたものでもよく、特に限定されるものではな
い。
【0033】さらに、透明絶縁基板1の光入射面側に
は、界面処理剤からなる膜40を介して、本願発明の特
徴である、無機材バインダと無機材粒子とを含む防眩膜
10が形成されている。防眩膜10の表面には、凹凸形
状が形成されている。さらに、凹凸形状が形成された防
眩膜10の表面には、表面が平坦な表面保護膜50がさ
らに形成されている。
【0034】防眩膜10としては、光入射面側から入射
した光を乱反射するものであってもよいし、また、入射
した光の透過率を向上させ、反射するものを減少させる
ものでもよい。
【0035】防眩膜10を構成する無機材バインダとし
ては、一般式:
【0036】
【化1】 (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、
4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基および
アラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0ま
たは1を示す)で表わされるシリコン含有化合物および
/またはその部分加水分解縮合物が用いられる。
【0037】上記一般式において、R3は炭素数1〜1
0のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル
基、アリール基、好ましくは炭素数6〜9のアリール基
およびアラルキル基、好ましくは炭素数7〜9のアラル
キル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、R4は炭
素数1〜10のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4の
アルキル基、アリール基、好ましくは炭素数6〜9のア
リール基およびアラルキル基、好ましくは炭素数7〜9
のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
また、bは0または1、すなわち、同一分子内に(R3
O)基が3〜4個存在する。なお、同一分子内に存在す
る3〜4個の(R3O)基は、同一であってもよく、異
なっていてもよい。
【0038】前記R3またはR4における炭素数1〜10
のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数6〜9のアリール基および炭素数7〜9のアラル
キル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げ
られる。
【0039】前記シリコン含有化合物の具体例として
は、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシ
リケート、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−
i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケー
ト、テトラ−i−ブチルシリケート、テトラ−t−ブチ
ルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オク
タデシルトリエトキシシラン、メチルトリ−sec−オ
クチルオキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシランなどのアルキルトリアル
コキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシランなどのアリールトリアルコキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシランなどのアルキルトリア
リールオキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランなどのグリシドキシトリアルコキシシラン
などのトリアルコキシシランまたはトリアリールオキシ
シランなどが挙げられる。
【0040】また、前記シリコン含有化合物の部分加水
分解縮合物としては、たとえば通常の方法で前記テトラ
アルキルシリケート、トリアルコキシシラン、トリアリ
ールオキシシランなどに水を添加し、部分加水分解させ
て縮合させたものが挙げられる。その具体例としては、
たとえばMSI51、ESI40、HAS−1、HAS
−10(以上、コルコート(株)製)などのテトラアル
キルシリケート部分加水分解縮合物や、たとえばAFP
−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシ
ラン部分加水分解縮合物、TSB4200、TSB43
00、TSB4400、ベルクリーンなどが挙げられ
る。
【0041】なお、MSI51は、式:
【0042】
【化2】 で表わされる部分加水分解縮合物である。
【0043】無機バインダは、単独でまたは2種以上を
混合したものまたはこれらの混合物、またはこれらある
いはこれらの混合物を主成分とするものより形成された
材料が用いられる。また、無機材バインダは、有機分子
が無機材バインダ分子構造内に付加されたもの、あるい
は無機分子と有機分子とが混合されたもの、あるいは無
機材バインダ中に有機材バインダが分散されたものでも
よい。
【0044】これらのバインダあるいは無機材バインダ
には、塗装前に触媒を添加することで製膜スピードをコ
ントロールすることもある。 硬化触媒としては、具体
的にはジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレ
ート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジ
マレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;リン
酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェー
ト、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、
ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオク
チルホスフェート、ジデシルホスフェート等のリン酸ま
たはリン酸エステル;プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメ
タクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエー
テル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
【0045】
【化3】 カーデユラE(油化シエル(株)製)、エピコート82
8(油化シエル(株)製)、エピコート1001(油化
シエル(株)製)等のエポキシ化合物とリン酸およびま
たはモノ酸性リン酸エステルとの付加反応物;有機チタ
ネート化合物;有機アルミニウム化合物;マレイン酸、
パラトルエンスルホン酸、塩酸等の酸性化合物;エチレ
ンジアミン、ヘキサンジアミンなどの脂肪族ジアミン
類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン類;
ピペリジン、ピペラジンなどの脂環式アミン類;その他
メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン類、エタノ
ールアミン類、トリエチルアミン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン;ヘキシルアミン、
ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデ
シルアミン、ドデシルアミン等のアミン類;これらアミ
ンと酸性リン酸エステルとの反応物;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物、またはn−
ドデシルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン
等アルキルメルカプタン;r−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン等メルカプトシラン;2−メルカプトプ
ロピオン酸、チオサリチル酸、酢酸等カルボン酸;チオ
グリコール酸2−エチルヘキシル等エステル化合物;カ
プキユア3−800(ダイヤモンドシャムロックケミカ
ルズ社製、両末端がメルカプト基であるポリエーテル)
等のポリマーや、チオフェノール、チオ安息香酸等メル
カプト基含有化合物、BT120S(鐘淵化学工業株式
会社製 有機スズ化合物系)等が挙げられる。これらの
硬化触媒のうち、有機スズ化合物、酸性リン酸エステ
ル、アミン類、酸性リン酸エステルとアミン類との反応
物、飽和または不飽和多価カルボン酸またはその酸無水
物、反応性シリコン化合物、有機チタネート化合物、有
機アルミニウム化合物、またはこれらの混合物が好まし
く、特には有機スズ化合物あるいは有機スズ化合物を含
有した硬化触媒が好ましい。中でも、有機スズ化合物と
アミン類、およびまたはメルカプト化合物を用いた硬化
触媒が好ましい。
【0046】無機材バインダとして用いることができる
樹脂等の特性としては、十分な耐候性を有し、光の透過
性がよく、製膜化プロセスにおいて太陽電池素子を劣化
させない温度、具体的には200℃以下、より好ましく
は150℃以下で製膜する材料が好ましく用いられる。
【0047】このような無機材バインダの材料としてよ
り具体的には、たとえば、TSB4200、TSB43
00、TSB4400、または有機材バインダがさらに
混合されたベルクリーン等が好ましく用いられる。
【0048】「TSB4200」、「TSB430
0」、「TSB4400」は、(有)テー・エス・ビー
製の無機ワニスである。「TSB4200」はエチルシ
リケート、「TSB4400」はブチルシリケートをそ
れぞれ主体とするものであり、「TSB4300」はエ
チルシリケートとブチルシリケートの混合物である。こ
れらはいずれも、耐熱絶縁材料として作用するものであ
る。
【0049】また、「ベルクリーン」は、日本油脂株式
会社製のセラミック系塗料であり、特殊セラミック成分
を高耐久性有機成分と複合化したものである。
【0050】一方、防眩膜10を構成する無機材粒子と
しては、シリカからなるものが用いられる。具体的に
は、たとえば、φ4μmのシリカからなるデグサジャパ
ン製TS100、φ2のシリカからなるデグサジャパン
製デグサOK−607、φ4μmのシリカからなるデグ
サジャパン製デグサOK−412、φ0.07〜0.1
μmのシリカからなる日産化学工業(株)製シリカゾル
EG−ST−ZL等が用いられる。
【0051】また、無機材粒子の直径は、好ましくは
0.05μm〜200μm、より好ましくは0.5〜1
00μm、特に好ましくは1〜10μmであるとよい。
粒子の直径がこの範囲内であれば、反射の程度を低下さ
せることができる。
【0052】また、無機材バインダと無機材粒子との混
合重量比は、無機材粒子径が1μm未満である場合は5
0〜2000、特には100〜1500が好ましい。
【0053】また、無機材粒径が1μm以上、好ましく
は1〜10μmである場合は、無機材バインダと無機材
粒子との混合重量比は、0.1〜98、さらには1〜5
0、特には1〜10が好ましい。粒子径が小さいと本発
明の防眩効果が十分に発揮されず、また反対に粒子径が
大きいとバインダ樹脂に対する分散性が低下して好まし
くない。
【0054】また、防眩膜10の厚さは、0.1〜50
0μm、さらには0.5〜100μm、特には1〜30
μmであることが好ましい。
【0055】図2は、本願発明による太陽電池モジュー
ルの一例の防眩膜10の部分を一部拡大して示す断面図
である。
【0056】図示はしていないが、これらの防眩膜は単
層であってもよいし、違う材質や形状、膜厚である防眩
膜を複層に重ね合わせることで防眩効果や透過率の向上
に有効な場合もある。
【0057】この太陽電池モジュールの防眩膜10にお
いては、図2に示すように、無機材バインダ20中に無
機材粒子30が単層に配置されている。このような構造
とすることにより、透過率の低下を防止することができ
る。
【0058】また、図3は、本願発明による太陽電池モ
ジュールの他の例の防眩膜10の部分を一部拡大して示
す断面図である。
【0059】この太陽電池モジュールの防眩膜10にお
いては、図3に示すように、無機材バインダ20中に無
機材粒子30が複層に配置されている。このような構造
とすることにより、防眩効果を増大させることができ
る。
【0060】これらの無機材粒子の層は、形成された防
眩膜の一面全体が単層あるいは複層であってもいいし、
単層と複層が混じり合っていてもよい。
【0061】このように透明絶縁基板の光入射面側に防
眩膜を形成することにより、太陽電池モジュールに入射
した太陽光は、大部分においては発電に寄与することと
なり、表面から反射される入射光の2〜4%程度の成分
は不特定の方向に反射されるようになる。乱反射して散
乱された太陽光は、平行光線ではない。そのため、太陽
電池モジュールから反射された光は、全体としてぼやけ
た状態となり、直接太陽電池を見ても眩しく感じられる
ようなことがなくなる。
【0062】なお、この実施の形態による太陽電池モジ
ュールにおいて、透明電極層2としては、ITO、Sn
2、またはこれらの積層体であるITO/SnO2、あ
るいはZnO等の光を透過し得る材料が用いられる。
【0063】また、光半導体層3は、非晶質シリコンa
−Si、水素化非晶質シリコンa−Si:H、水素化非
晶質シリコンカーバイドa−SiC:H、非晶質シリコ
ンナイトライド等の他、シリコンと炭素、ゲルマニウ
ム、錫等の他の元素との合金からなる非晶質シリコン系
半導体の非晶質または微結晶を、pin型、nip型、
ni型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合
型、ショットキバリア型あるいはこれら組合せた型等に
合成した半導体層が用いられる。この他、光半導体層と
しては、CdS系、GaAs系、InP系等であっても
よく、何ら限定されるものではない。
【0064】また、裏面電極層4としては、金属または
金属および金属酸化物の複合膜等が用いられる。
【0065】さらに、充填樹脂6としては、シリコン、
エチレンビニルアセテート、ポリビニルブチラール等が
用いられ、また、裏面カバーフィルム7としては、フッ
素系樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレートあるい
はアルミニウム等の金属フィルムやSiO2等の薄膜を
ラミネートした多層構造のフィルム等が用いられる。
【0066】なお、この実施の形態においては、薄膜系
の太陽電池モジュールについて説明するが、本願発明
は、結晶系の太陽電池モジュールにも適用できることは
言うまでもない。
【0067】次に、図1に示した第1実施形態の太陽電
池モジュールの製造方法について説明する。
【0068】まず、透明絶縁基板1の光入射面と異なる
面上に、透明電極層2、光半導体層3および裏面電極層
4を順次形成する。これらの各層を、レーザスクライブ
等のパターニング手段によって、複数の領域に分離す
る。たとえば、透明電極層2は、レーザ加工、エッチン
グ、リフトオフ等の方法により、所定のパターン形状に
形成する。また、裏面電極層4は、蒸着またはスパッタ
法等により成膜した後、同様にレーザ加工、エッチン
グ、リフトオフ等の方法により、所定のパターン形状に
形成する。
【0069】このようにして、透明電極層2、光半導体
層3および裏面電極層4からなる光半導体素子5を透明
絶縁基板1上に形成した後、これらを保護するため、充
填樹脂6で封止固着し、さらに裏面カバーフィルム7を
装着する。
【0070】続いて、光半導体素子5が形成された透明
絶縁基板1の光入射面側に、本願発明の特徴である、防
眩膜10を形成する。
【0071】防眩膜の形成は、第2電極層を形成し、ス
クライブをした後ならいつでも可能であり、直後でも、
裏面封止後でも、端子BOX取付後でも、屋根等に設置
した後でも、塗膜方法にもよるが特に限定されるもので
はない。
【0072】このとき、透明絶縁基板1と防眩膜10と
の間に界面処理剤からなる膜40を介在させるとよい。
このような膜40を介在させることにより、透明絶縁基
板1と防眩膜10との接着強度が増大するとともに、塗
装むらが減少される。
【0073】また、この実施の形態においては、光半導
体素子5を形成した後に防眩膜10を形成している。逆
に防眩膜10を形成した後に光半導体素子5を形成する
とすると、光半導体素子5の形成の際にレーザ照射を行
なう場合、焦点がぼけてしまうといった問題や、光半導
体素子5の形成の際に真空チャンバを使用できないとい
った問題が生じるおそれがあるからである。
【0074】図4および図5は、本発明による太陽電池
モジュールの製造方法の一例を説明するための断面図で
あって、防眩膜10の形成方法の一例を示す図である。
【0075】まず、図4を参照して、封止された太陽電
池モジュールの透明絶縁基板1の光入射面上に、無機材
粒子30が混入された無機材バインダ20を塗布する。
【0076】このとき、粒子30のサイズが大きい場合
には、図5に示すように、バインダ20を製膜させる際
に、粒子30の分布によって防眩膜10の表面に凹凸形
状が形成される。
【0077】また、図6は、本発明による太陽電池モジ
ュールの製造方法の他の例を説明するための断面図であ
って、防眩膜10の形成方法の他の例を示す図である。
【0078】図6を参照して、無機材バインダ20を塗
布した後、所定のパターン形状を有するクロスが巻付け
られたローラ9を、矢印Aに示すように回転させながら
矢印Bに示すように移動させて所定パターンを転写した
後、バインダ20を製膜させることにより、防眩膜10
の表面に凹凸形状を形成することもできる。
【0079】なお、防眩膜10の光入射面に凹凸形状を
形成する方法としては、上述したような混入された粒子
による作用を利用する方法、あるいはバインダを塗布し
て型押し等により成形した後製膜させる方法等の他、バ
インダを塗布する際のノズルの形状等の工夫によって
も、表面を凹凸形状に形成することができる。
【0080】また、この実施の形態においては、表面に
凹凸形状が形成された防眩膜10の表面に、さらに表面
の平坦な表面保護膜50を形成している。このような表
面保護膜50を形成することにより、表面に埃が溜まっ
て光電変換率が低下してしまうことを有効に防止するこ
とができる。
【0081】
【実施例】以下、ガラス基板に種々の条件で防眩膜を形
成し、光学特性等の評価を行なった。
【0082】(実施例1)表面が平坦なガラス基板の一
方の面にTCO(透明導電性酸化物)膜を形成した後、
トルエンとアセトンを用いて基板の前処理を行なった
後、基板の他方の面に以下の条件で防眩膜を形成した。
【0083】まず、無機材バインダとして、(有)テー
・エス・ビー製「TSB4400」を用い、これに加水
分解触媒としてHClを添加した。
【0084】また、無機材粒子としては、日産化学工業
(株)製シリカゾル「EG−ST−ZL」(φ0.07
〜0.1μm)を用い、これを前述したバインダ中に手
まぜで分散させた。粒子の配合率は、バインダ:粒子=
5:95となるように調製した。
【0085】このようにして得られた液をガラス基板上
にNo.8のバーコータにより塗布し、風乾で10分間
乾燥させた後、60℃で1時間、さらに120℃で1時
間乾燥させた。
【0086】このようにして、ガラス基板の一方の面上
にTCO膜が、他方の面上に乱反射膜が形成された実施
例1のサンプルが得られた。
【0087】この実施例1のサンプルについて、防眩膜
形成面側から光を照射して、「60°光沢」、「20°
光沢」、「全透過率」を測定し、光学特性を評価した。
【0088】「60°光沢」は、JIS Z 8741
−1983の鏡面光沢度測定法に従い、60°鏡面光沢
を測定した。
【0089】「20°光沢」は、JIS Z 8741
−1983の鏡面光沢度測定法に従い、20°鏡面光沢
を測定した。
【0090】次に、実施例1のサンプルについて、膜厚
測定とXカット試験を行ない、初期膜を評価した。
【0091】「Xカット試験」は、JIS K 540
0に従って行ない、全面が剥がれてしまった場合を0
点、欠陥のない場合を10点として、良好なほど点数が
高くなるように評価した。
【0092】さらに、実施例1のサンプルについて、J
IS C 8938に従い、耐久性試験を行ない、その
後の膜を評価した。
【0093】耐久性試験は、85℃中に264時間放
置、85℃、湿度85%中に270時間放置、85
℃、湿度85%と−20℃との間を10サイクル繰返
す、という3つの条件について行ない、試験後の膜につ
いてXカット試験と外観の評価を行なった。
【0094】(実施例2)バインダ:粒子=10:90
となるように粒子の配合率を調製し、実施例1と同様に
して実施例2のサンプルを作製した。
【0095】このようにして得られた実施例2のサンプ
ルについて、実施例1と同様にして、光学特性、初期
膜、および耐久性試験後の膜の評価を行なった。
【0096】(実施例3)バインダ:粒子=20:80
となるように粒子の配合率を調整し、実施例1と同様に
して実施例3のサンプルを作製した。
【0097】このようにして得られた実施例3のサンプ
ルについて、実施例1と同様にして、光学特性、初期
膜、および耐久性試験後の膜の評価を行なった。
【0098】(実施例4)バインダ:粒子=20:80
となるように粒子の配合率を調整し、バインダ中に粒子
が分散された液をガラス基板上に30μmのアプリケー
タを用いて塗布し、他は実施例1と同様にして実施例4
のサンプルを作製した。
【0099】この実施例4のサンプルについて、実施例
1と同様にして、光学特性、初期膜、および耐久性試験
後の膜の評価を行なった。
【0100】(実施例5)表面が平坦なガラス基板の一
方の面にTCO膜を形成した後、特に基板の前処理は行
なわずに、基板の他方の面に以下の条件で乱反射膜を形
成した。
【0101】まず、無機材バインダとして、(有)テー
・エス・ビー製「TSB4300」を用い、これにエタ
ノールを添加した。
【0102】また、無機材粒子としては、デグサジャパ
ン製シリカ「OK−412」(φ4μm)を用い、これ
を前述したバインダ中に分散ばねを用いて分散させた。
配合率は、バインダ:粒子=80:20となるように調
整した。
【0103】このようにして得られた液をガラス基板上
にNo.8のバーコータを用いて塗布し、風乾で10分
間乾燥させた後、60℃で1時間、さらに120℃で1
時間乾燥させた。
【0104】このようにして、ガラス基板の一方の面に
TCO膜が、他方の面に乱反射膜が形成された実施例5
のサンプルが得られた。
【0105】この実施例5のサンプルについて、実施例
1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行な
った。
【0106】(実施例6)バインダ:粒子=90:10
となるように粒子の配合率を調整し、実施例5と同様に
して実施例6のサンプルを作製した。
【0107】このようにして得られた実施例6のサンプ
ルについて、実施例1と同様にして、光学特性、および
初期膜の評価を行なった。
【0108】(実施例7)バインダ:粒子=95:5と
なるように粒子の配合率を調整し、実施例5と同様にし
て実施例7のサンプルを作製した。
【0109】このようにして得られた実施例7のサンプ
ルについて、実施例1と同様にして、光学特性、および
初期膜の評価を行なった。
【0110】(実施例8)バインダ:粒子=98:2と
なるように粒子の配合率を調整し、バインダ中に粒子が
分散された液をガラス基板上に塗布した後に特に乾燥処
理を行なうことなく、実施例8のサンプルを作製した。
【0111】この実施例8のサンプルについて、実施例
1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行な
った。
【0112】(実施例9)無機材粒子として、デグサジ
ャパン製シリカ「TS100」(φ4μm)を用い、バ
インダ:粒子=95:5となるように粒子の配合率を調
整し、実施例8と同様にして実施例9のサンプルを作製
した。
【0113】このようにして得られた実施例9のサンプ
ルについて、実施例1と同様にして、光学特性、および
初期膜の評価を行なった。
【0114】(実施例10)バインダ:粒子=98:2
となるように粒子の配合率を調整し、実施例9と同様に
して実施例10のサンプルを作製した。
【0115】このようにして得られた実施例10のサン
プルについて、実施例1と同様にして、光学特性、およ
び初期膜の評価を行なった。
【0116】(実施例11)バインダ:粒子=99:1
となるように粒子の配合率を調整し、実施例9と同様に
して実施例11のサンプルを作製した。
【0117】このようにして得られた実施例11のサン
プルについて、実施例1と同様にして、光学特性、およ
び初期膜の評価を行なった。
【0118】(実施例12)バインダとして、(有)テ
ー・エス・ビー製「TSB4200」を用い、無機材粒
子として、日産化学工業(株)製シリカゾル「EG−S
T−ZL」(φ0.07〜0.1μm)を用い、バイン
ダ:粒子=6040となるように粒子の配合率を調整
し、実施例9と同様にして実施例12のサンプルを作製
した。
【0119】このようにして得られた実施例12のサン
プルについて、実施例1と同様にして、光学特性、およ
び初期膜の評価を行なった。
【0120】(実施例13)バインダに粒子が分散され
た液をガラス基板上にNo.3のバーコータを用いて塗
布し、他の条件は実施例12と全く同様にして、実施例
13のサンプルを作製した。
【0121】このようにして得られた実施例13のサン
プルについて、実施例1と同様にして、光学特性、およ
び初期膜の評価を行なった。
【0122】(実施例14)バインダ:粒子=40:6
0となるように粒子の配合率を調整し、他の条件は実施
例13と全く同様にして、実施例14のサンプルを作製
した。
【0123】このようにして得られた実施例14のサン
プルについて、実施例1と同様にして、光学特性、およ
び初期膜の評価を行なった。
【0124】(実施例15)バインダ:粒子=20:8
0となるように粒子の配合率を調整し、実施例14と全
く同様にして、実施例15のサンプルを作製した。
【0125】このようにして得られた実施例15のサン
プルについて、実施例1と同様にして、光学特性、およ
び初期膜の評価を行なった。
【0126】(実施例16)表面が平坦なガラス基板の
一方の面にTCO膜を形成した後、トルエンを用いて基
板の前処理を行なった後、基板の他方の面に以下の条件
で乱反射膜を形成した。
【0127】まず、無機材バインダとして、有機材樹脂
が混合された日本油脂株式会社製「ベルクリーン」を用
い、これを希釈することなく、硬化剤を添加した。
【0128】また、無機材粒子としては、デグサジャパ
ン製シリカ「TS100」(φ4μm)を用い、これを
前述したバインダ中に分散羽根を用いて分散させた。粒
子の配合率は、バインダ:粒子=97:3となるように
調整した。
【0129】このようにして得られた液を、ガラス基板
上にNo.3のバーコータを用いて塗布し、風乾で10
分間乾燥させた。
【0130】このようにして、ガラス基板の一方の面に
TCO膜が、他方の面に乱反射膜が形成された実施例1
6のサンプルが得られた。
【0131】この実施例16のサンプルについて、実施
例1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行
なった。
【0132】(実施例17)バインダ中に粒子が分散さ
れた液を、ガラス基板上にNo.8のバーコータを用い
て塗布し、他は実施例16と全く同様にして、実施例1
7のサンプルを作製した。
【0133】この実施例17のサンプルについて、実施
例1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行
なった。
【0134】(実施例18)バインダ中に粒子が分散さ
れた液を、ガラス基板上にNo.16のバーコータを用
いて塗布し、他は実施例16と全く同様にして、実施例
18のサンプルを作製した。
【0135】この実施例18のサンプルについて、実施
例1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行
なった。
【0136】(実施例19)バインダ:粒子=95:5
となるように粒子の配合率を調整し、バインダ中に粒子
が分散された液を、ガラス基板上にNo.3のバーコー
タを用いて塗布し、他は実施例16と全く同様にして、
実施例19のサンプルを作製した。
【0137】この実施例19のサンプルについて、実施
例1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行
なった。
【0138】(実施例20)バインダ中に粒子が分散さ
れた液を、ガラス基板上にNo.8のバーコータを用い
て塗布し、他は実施例19と全く同様にして、実施例2
0のサンプルを作製した。
【0139】この実施例20のサンプルについて、実施
例1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行
なった。
【0140】(実施例21)バインダ中に粒子が分散さ
れた液を、ガラス基板上にNo.16のバーコータを用
いて塗布し、他は実施例19と全く同様にして、実施例
21のサンプルを作製した。
【0141】この実施例21のサンプルについて、実施
例1と同様にして、光学特性、および初期膜の評価を行
なった。
【0142】(比較例1)実施例1と同様の表面が平坦
なガラス基板の一方の面にTCO膜を形成し、他方の面
に防眩膜を形成しない比較例1のサンプルを作製した。
【0143】このようにして得られた比較例1のサンプ
ルについて、実施例1と同様にして、光学特性の評価を
行なった。
【0144】(比較例2)図8は、従来の太陽電池モジ
ュールの他の例の概略構成を示す断面図である。
【0145】図8を参照して、この太陽電池モジュール
においては、ガラス基板として、半導体層形成面側にエ
ンボス加工により凹凸形状が形成された強化エンボスガ
ラス11が用いられている。
【0146】この従来の太陽電池モジュールに用いられ
る強化エンボスガラス11を比較例2のサンプルとし、
この比較例2のサンプルについても、凹凸が形成された
方とは反対の方向から光を照射し、実施例1と同様に、
光学特性の評価を行なった。
【0147】以上説明した実施例1〜21、比較例1〜
2のサンプルの防眩膜の成膜条件、および評価結果を、
表1〜表3にまとめて示す。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による太陽
電池モジュールは、透明絶縁基板の光入射面に防眩膜を
備えているため、光の反射による光公害等の問題が有効
に防止される。特に、本発明によれば、防眩膜は、実際
上影響するほど入射光量が減少することもなく、太陽光
を有効に利用することができる。また、防眩膜は、無機
材バインダと無機材粒子とを組合せているため、同じ無
機材同士であることから密着性がよくなっている。さら
に、無機材バインダおよび無機材粒子はともに、劣化の
問題も少ないため、耐候性の点でも優れた太陽電池モジ
ュールが得られる。
【0152】また、本発明による太陽電池モジュールの
製造方法は、透明絶縁基板の表面に素子部分を形成後、
防眩膜を形成するようにしたため、基板として高価な型
板ガラス等を用いることなく、太陽電池モジュールの外
観を、映り込みや光公害を防止するように改善できる。
また、最後に防眩膜を形成するようにすることにより、
従来の基本的な太陽電池モジュールの製造工程を何ら変
更させることなく、上記外観の改善を達成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施形態の太陽電池モジュー
ルの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明による太陽電池モジュールの一例の防眩
膜の部分を一部拡大して示す断面図である。
【図3】本発明による太陽電池モジュールの他の例の防
眩膜の部分を一部拡大して示す断面図である。
【図4】本発明による太陽電池モジュールの製造方法の
一例を説明するための断面図である。
【図5】本発明による太陽電池モジュールの製造方法の
一例を説明するための断面図である。
【図6】本発明による太陽電池モジュールの製造方法の
他の例を説明するための断面図である。
【図7】従来の太陽電池モジュールの一例の概略構成を
示す断面図である。
【図8】従来の太陽電池モジュールの他の例の概略構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁基板 2 透明電極層 3 光半導体層 4 裏面電極層 5 光半導体素子 6 充填樹脂 7 裏面カバーフィルム 8 フレーム 9 ローラ 10 防眩膜 20 無機材バインダ 30 無機材粒子 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の面を有する透明絶縁基
    板と、 前記透明絶縁基板の前記第1の面上に形成された第1電
    極層と、 前記第1電極層上に形成された光半導体層と、 前記光半導体層上に形成された第2電極層と、 前記透明絶縁基板の光が入射される前記第2の面上に形
    成された防眩膜とを備え、 前記防眩膜は、無機材バインダと無機材粒子とを含む、
    太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記無機材バインダは、シリカからな
    る、請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記無機材バインダは、アルキルシリケ
    ートから形成される、請求項1記載の太陽電池モジュー
    ル。
  4. 【請求項4】 前記無機材バインダは、エチルシリケー
    ト、ブチルシリケート、またはこれらの混合物、または
    これらあるいはこれらの混合物を主成分とするものから
    形成される、請求項1記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記無機材バインダを、有機材によって
    複合化した、請求項1記載の太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記無機材粒子は、シリカからなる、請
    求項1記載の太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記無機材粒子の直径が1〜10μmで
    あって、前記無機材バインダと前記無機材粒子との混合
    重量比は、前記無機材バインダの重量を100としたと
    き、前記無機材粒子の重量が1〜10である、請求項1
    記載の太陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】 前記透明絶縁基板と前記防眩膜との間に
    介在された、界面処理剤からなる膜をさらに備えた、請
    求項1記載の太陽電池モジュール。
  9. 【請求項9】 前記防眩膜は、表面に凹凸形状が形成さ
    れている、請求項1記載の太陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 前記防眩膜上に形成された、表面保護
    膜をさらに備えた、請求項1記載の太陽電池モジュー
    ル。
  11. 【請求項11】 第1および第2の面を有する透明絶縁
    基板の前記第1の面上に、第1電極層を形成するステッ
    プと、 前記形成された第1電極層上に光半導体層を形成するス
    テップと、 前記形成された光半導体層上に第2電極層を形成するス
    テップと、 前記透明絶縁基板の光が入射される前記第2の面上に、
    無機材バインダと無機材粒子とを含む防眩膜を形成する
    ステップとを備え、 前記防眩膜は、前記透明絶縁基板の第1の面上に第1電
    極層、光半導体層、および第2電極層を形成した後に形
    成することを特徴とする、太陽電池モジュールの製造方
    法。
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