JP2003298087A - 太陽電池システム - Google Patents

太陽電池システム

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JP2003298087A
JP2003298087A JP2002096831A JP2002096831A JP2003298087A JP 2003298087 A JP2003298087 A JP 2003298087A JP 2002096831 A JP2002096831 A JP 2002096831A JP 2002096831 A JP2002096831 A JP 2002096831A JP 2003298087 A JP2003298087 A JP 2003298087A
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JP
Japan
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solar cell
cell system
transparent substrate
coating
coating film
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Pending
Application number
JP2002096831A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Yaguchi
充雄 矢口
Takeyuki Yamaki
健之 山木
Hikari Tsujimoto
光 辻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換効率の優れた太陽電池システムを提
供する。 【解決手段】 太陽電池セルの受光面側に太陽電池セル
を支持する透明基板1を備えた太陽電池システムにおい
て、上記透明基板1の少なくとも一方の表面に、SiX
4(Xは加水分解性基)で表される4官能加水分解性オ
ルガノシランの部分加水分解物及び/又は加水分解物か
らなる4官能シリコーンレジンと、外殻の内部に空洞が
形成された中空シリカ微粒子とを必須成分として含有し
て調製された塗料を塗布した後、乾燥して得られた塗膜
7が形成されている太陽電池システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光または人工
光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池
セルを用いた太陽電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池システムは、一般に屋外へ設置
して使用されるため、雨や風、砂塵や温度変化、場合に
よっては雹の落下などにも耐えられるように、支持板や
樹脂などを用いて十分に保護して使用される。
【0003】このような太陽電池システムの構造として
は、色々な種類のものが検討されているが、現在最もよ
く用いられているのは、図3に示す、いわゆるスーパー
ストレート方式である。この方式は、太陽電池セル2の
受光面側に透明基板1を置いて太陽電池セル2の支持板
とし、その下に透明な充填材料4と裏面コート材5を用
いて太陽電池セル2を封入している。透明基板1として
は、ガラスを用いるのが一般的であり、充填材料4とし
ては、紫外線による劣化が少ないPVB(ポリビニルブ
チレート)や耐湿性に優れたEVA(エチレンビニルア
セテート)などが主に使用される。また、裏面コート材
5には、アルミニウムなどのメタルをPVF(ポリビニ
ルフォルマール)でサンドイッチにした層構造を用い、
耐湿性と高絶縁性を持たせることも多い。
【0004】しかし、上述したタイプの太陽電池システ
ムは、太陽光が太陽電池セルの受光面に届くのに、透明
基板を通過する必要があり、太陽光が透明基板に入射ま
たは透過する際、光の反射によるロスが生じ、その結
果、太陽電池システムの光電変換効率が低下するという
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、光電変換効率の優れた太陽電池システムを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の太
陽電池システムは、太陽電池セルの受光面側に太陽電池
セルを支持する透明基板を備えた太陽電池システムにお
いて、上記透明基板の少なくとも一方の表面に、SiX
4(Xは加水分解性基)で表される4官能加水分解性オ
ルガノシランの部分加水分解物及び/又は加水分解物か
らなる4官能シリコーンレジンと、外殻の内部に空洞が
形成された中空シリカ微粒子とを必須成分として含有し
て調製された塗料を塗布した後、乾燥して得られた塗膜
が形成されていることを特徴とする。
【0007】請求項2に係る発明の太陽電池システム
は、請求項1記載の太陽電池システムについて、上記中
空シリカ微粒子の平均粒子径が、5nm〜2μmである
ことを特徴とする。
【0008】請求項3に係る発明の太陽電池システム
は、請求項1又は請求項2記載の太陽電池システムにお
いて、上記塗膜の厚みが、50nm〜200nmである
ことを特徴とする。
【0009】請求項4に係る発明の太陽電池システム
は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の太陽電池
システムにおいて、上記塗料が、外郭の内部に空洞が形
成されていない中実シリカ微粒子を含有していることを
特徴とする。
【0010】請求項5に係る発明の太陽電池システム
は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池
システムにおいて、上記透明基板の太陽光の取り入れ側
の表面に、上記塗膜が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】請求項6に係る発明の太陽電池システム
は、請求項5記載の太陽電池システムにおいて、上記塗
料が、有機ジルコニウムを含有していることを特徴とす
る。
【0012】請求項7に係る発明の太陽電池システム
は、請求項5又は請求項6記載の太陽電池システムにお
いて、上記塗料が、光触媒を含有していることを特徴と
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0014】[第1の実施形態]図1は、第1の実施形
態を示すもので、太陽電池セル2の受光面側に太陽電池
セル2を支持する透明基板1を備えた太陽電池システム
において、上記透明基板1の太陽光の取り入れ側の表面
に、塗膜7が形成される。
【0015】上記太陽電池セル2としては、単結晶シリ
コン太陽電池セル、多結晶シリコン太陽電池セル、アモ
ルファスシリコン太陽電池セル、化合物太陽電池セル、
色素増感型太陽電池セルなどが上げられるが、これに限
定するものではない。
【0016】なお、ここで、太陽電池セルとは、太陽光
または人工光の光エネルギーを電気エネルギーに変換す
る太陽電池の機能を持つ最小単位のことである。そし
て、この太陽電池セルを一つ又は複数つなぎ合わせて、
使用するのに便利な電圧を取り出せるようにして、太陽
電池システムとする。
【0017】上記透明基板1としては、透光性のもので
あれば、特に限定されずに使用することができるが、例
えば、ガラスに代表される無機系基板、ポリカーボネイ
ト、ポリエチレンテレフタレートに代表される有機系基
板が挙げられる。
【0018】上記塗膜7としては、透明基板1の太陽光
の取り入れ側の表面に、SiX4(Xは加水分解性基)
で表される4官能加水分解性オルガノシランの部分加水
分解物及び/又は加水分解物からなる4官能シリコーン
レジンと、外殻の内部に空洞が形成された中空シリカ微
粒子とを必須成分として含有して調製された塗料を塗布
した後、乾燥して得られる。
【0019】上記塗料を塗布した後、乾燥して得られる
塗膜7は、低屈折率という性質を有している。透明基板
の表面に低屈折率の上記塗膜を形成するこで、上記塗膜
の形成された透明基板の光の反射率は低下し、そして、
光の反射率の低下に伴って、光の反射によるロスが低減
されるため、光の透過率が向上する。
【0020】本実施形態では、太陽電池セル2の受光面
側に太陽電池セル2を支持する透明基板1を備えた太陽
電池システムにおいて、透明基板1の太陽光の取り入れ
側の表面に、上記塗膜7を形成しているので、上記塗膜
7を形成しない従来の太陽電池システムに比べ、太陽電
池セル2へ入射する太陽光の透過量が増大するので、そ
の結果、太陽電池システムとしての光電変換効率を向上
させることができる。
【0021】上記塗膜7を形成する塗料は、以下で具体
的に説明する(A)4官能シリコーンレジンと(B)中
空シリカ微粒子とを必須成分として含有して調整され
る。
【0022】(A)4官能シリコ−ンレジン本実施形態
において、4官能シリコーンレジンとしては、珪素元素
に4個の反応性置換基が結合したもの、すなわちSiX
4(Xは加水分解性基)で表される4官能加水分解性オ
ルガノシランの部分加水分解物及び/又は加水分解物を
含有するものを用いる。この4官能シリコーンレジン
は、中空微粒子の分散安定性に優れており、また3、2
官能シリコーンレジンと比較して、塗膜とした時の屈折
率が小さく、さらに架橋密度をより高くすることができ
るため、塗膜の強度をより高くすることができるもので
ある。
【0023】例えば、4官能加水分解性オルガノシラン
としては、下記化学式(1)に示されるような4官能オ
ルガノアルコキシシランを挙げることができる。
【0024】Si(OR)4 ………(1) 上記化学式(1)中のアルコキシド基「OR」中の
「R」は1価の炭化水素基であれば特に限定されるもの
ではないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適で
あり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル
基等のアルキル基等を例示することができる。アルコキ
シド基中に含有されるアルキル基のうち、炭素数が3以
上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等
のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル
基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有す
るものであってもよい。
【0025】そして、4官能シリコーンレジンを調製す
るにあたっては、上記4官能オルガノアルコキシシラン
等の4官能加水分解性オルガノシランを加水分解(以
下、部分加水分解も含む)することによって行うことが
できる。ここで、得られる4官能シリコーンレジンの重
量平均分子量は特に限定されるものではないが、中空シ
リカ微粒子に対して、より少ない割合の4官能シリコー
ンレジンによって塗膜の機械的強度を得るためには、重
量平均分子量は200〜2000の範囲にあることが好
ましい。重量平均分子量が200より小さいと塗膜の形
成能力に劣る傾向にあり、逆に2000を超えると塗膜
の機械的強度が劣る傾向にある。
【0026】また、4官能シリコーンレジンを調製する
際に、上述した4官能オルガノアルコキシシランを用い
る場合には、加水分解するために配合する水の量は、特
に限定されるものではないが、未反応のアルコキシド基
をより少なくするためには、加水分解性基(OR)に対
する水(H2O)のモル当量、すなわちモル比[H2O]
/[OR]が1.0以上であることが好ましく、より好
ましくは1.0以上5.0以下となるように水を配合し
て加水分解するのがよい。1.0未満では未反応アルコ
キシド基の量が多くなり、塗膜の屈折率を高くする傾向
にあり、逆に5.0より多いと縮合反応が極端に進み、
塗料のゲル化を招く傾向にある。
【0027】また、4官能オルガノアルコキシシラン等
の4官能加水分解性オルガノシランを加水分解する際に
必要に応じて用いられる触媒としては、特に限定される
ものではないが、製造工程に要する時間を短縮する点か
ら、酸性触媒が好ましい。このような酸性触媒として
は、特に限定されないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、
クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピ
オン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マ
ロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸や、
塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸や、酸性コロ
イダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラ
ー等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を
使用することができる。アルコキシドの加水分解は、必
要に応じて、加温して行ってもよく、特に20〜100
℃の条件下で1〜100時間かけて加水分解反応を促進
させると、未反応アルコキシド基を限りなく少なくする
ことができて好ましい。上記の温度範囲や時間範囲を外
れて加水分解すると、未反応アルコキシド基が残留する
傾向がある。なお、上記酸性触媒の代わりに、水酸化ナ
トリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属あるいは
アルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、アンモニア水、
アミン類の水溶液等のアルカリ性触媒を用いることもで
きる。
【0028】(B)中空シリカ微粒子 また、本実施形態において、中空シリカ微粒子として
は、外殻の内部に空洞が形成されたものを用いる。具体
的には、例えば、シリカ系無機酸化物からなる外殻(シ
ェル)の内部に空洞を有した中空シリカ微粒子を用いる
ことができる。なお、ここで、シリカ系無機酸化物と
は、(a)シリカ単一層、(b)シリカとシリカ以外の
無機酸化物とからなる複合酸化物の単一層、(c)シリ
カ単一層と複合酸化物層の単一層とからなる二重層を包
含するものをいう。
【0029】また、外殻は細孔を有する多孔質なもので
あっても良いし、細孔が閉塞されて空洞を密封したもの
であっても良い。さらに、外殻は、内側の第1シリカ被
覆層及び外側の第2シリカ被覆層からなる複数のシリカ
系被覆層をもつものであっても良い。
【0030】そして、本実施形態における塗料は、上述
した(A)4官能シリコーンレジンと、(B)中空シリ
カ微粒子とを必須成分として含有し、さらに必要に応じ
てその他の成分を添加しすることもできる。また、上記
塗料は、必要に応じて有機溶媒や水で希釈しても良く、
このとき塗料を調製するにあたって、予め個々の成分を
必要に応じて有機溶媒や水で希釈しておいても良い。希
釈する際の有機溶媒としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール(IPA)、n−ブタノール、イソブタノール等
の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリ
コールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導
体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体、及び
ジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらの
1種あるいは2種以上を使用することができる。さら
に、これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、ヘプタン酢酸エチル、酢酸ブチル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル
エチルケトオキシム等の1種あるいは2種以上のものを
使用することができる。
【0031】そして、上記のようにして調製した塗料
を、透明基板の表面に塗布して、乾燥硬化させることに
よって、透明基板の表面に低屈折率の塗膜を形成するこ
とができるものである。そして、低屈折率の塗膜を表面
に形成した透明基板は、光の反射率が低下する伴に、光
の透過率は向上する。上記塗料を透明基板の表面に塗布
するにあたって、その方法は特に限定されるものではな
いが、例えば、刷毛塗り、スプレーコート、ディップコ
ート、ロールコート、フローコート、カーテンコート、
ナイフコート、スピンコート、テーブルコート、シート
コート、枚葉コート、ダイコート、バーコート等の通常
の各種塗布方法を選択することができる。
【0032】上記塗膜の膜厚としては、特に制限ない
が、50nm〜200nmとするのが、塗膜7にクラッ
ク発生を抑制する効果が大きいので好ましい。
【0033】また、塗布し乾燥させた塗膜は、さらに、
熱処理を行うのが好ましい。この熱処理によって、塗膜
の機械的強度をさらに向上させることができるものであ
る。熱処理の際の温度は、特に限定されるものではない
が、100〜300℃の比較的低温で5〜30分処理す
ることが好ましい。
【0034】なお、本実施形態の塗料には、外殻の内部
が空洞ではない中実シリカ微粒子を含有することもでき
る。塗料中に、中実シリカ微粒子を含有することで、こ
の塗料によって形成される塗膜の機械的強度を向上さ
せ、さらには耐クラック性を改善することができる。
【0035】上記の中実シリカ微粒子の形態としては、
特に限定されるものではなく、例えば、粉体状の形態で
もゾル状の形態でもよい。中実シリカ微粒子をゾル状の
形態、すなわちコロイダルシリカとして使用する場合、
特に限定されるものではないが、例えば、水分散性コロ
イダルシリカあるいはアルコール等の親水性の有機溶媒
分散性コロイダルを使用することができる。
【0036】上記の中実シリカ微粒子の添加量は、塗料
中における固形分全量に対して、SiO2換算固形分で
0.1〜30質量%であることが好ましい。0.1質量
%未満ではこの中実シリカ微粒子の添加による効果が低
減する傾向にあり、逆に30質量%を超えると塗膜の屈
折率が高くなる傾向にある。
【0037】また、本実施形態の塗料は、有機ジルコニ
ウムを含有することもできる。塗料中に有機ジルコニウ
ムを含有することにより、塗膜形成時の縮合反応を促進
し、塗膜中の架橋密度を向上させ、塗膜の耐水性、耐ア
ルカリ性を付与する効果が得られる。
【0038】この有機ジルコニウムは特に限定されるも
のではないが、たとえば、一般式ZrO2 (O
1(m、pは0〜4の整数、nは0又は1、2n
+m+p=4)で表され、この化学式中のアルコキシ基
(OR1)の官能基(R1)が化学式(1)と同様のもの
を用いることができる。また、R2としては、例えばC5
72であるもの(アセチルアセトネート錯体)やC6
93であるもの(エチルアセトアセテート錯体)が挙
げられる。また、OR1とR2としては、1つの分子中に
複数種のものが存在していても良い。特に、有機ジルコ
ニウムとして、Zr(OC494、Zr(OC493
(C572)及びZr(OC493(C572
(C693)のうち少なくともいずれかを用いると、
塗膜の機械的強度が一層向上できるもである。
【0039】また、有機ジルコニウムの添加量は、Zr
2換算で塗料中における固形分全量に対して、0.1
〜10質量%であることが好ましい。添加量が0.1質
量%未満では有機ジルコニウムによる効果が小さくなる
傾向にあり、逆に10質量%を超えると塗料がゲル化し
たり、凝集等が起こる傾向にある。
【0040】また、本実施形態の塗料には、光触媒を含
有することもできる。塗料中に、光触媒を含有すること
で、この塗料によって形成される塗膜は、紫外線が当た
ると、含有される光触媒がその光触媒作用で水を水酸化
ラジカル化し、この水酸化ラジカルが、塗膜表面に付着
した、水をはじく有機物等の汚れを分解除去することに
より、水に対する塗膜の親水性(濡れ性)がさらに向上
して、水滴で曇りにくい防曇性や、雨水洗浄による防汚
性等がより高いレベルで得られたり長期間維持さるとい
う効果を有する。
【0041】上記光触媒としては、特に限定はされない
が、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化
鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロ
ム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウ
ム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウ
ム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コ
バルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム等
の金属酸化物の他、チタン酸ストロンチウム等を用いる
ことができる。これらの中でも、特に酸化チタンが、そ
の光触媒性能、安全性、入手の容易さおよびコストの面
で好ましい。光触媒の形状としては、特に限定はされな
いが、たとえば、粒状、針状等が挙げられる。混合安定
性、分散安定性の点からは、粒状、特に微粒子が好まし
い。また、光触媒は、1種のみ用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】[第2の実施形態]図2は、第2の実施形
態を示すもので、太陽電池セル2の受光面側に太陽電池
セル2を支持する透明基板1を備えた太陽電池システム
において、上記透明基板1の表面の両方の面に塗膜7を
形成している。
【0043】本実施形態においては、透明基板1の表面
の両方の面に、塗膜7を形成しているので、片面のみに
形成した場合に比べ、光の透過率がさらに良くなり、太
陽電池システムとした時の光電変換効率の向上効果をよ
り大きくすることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。
【0045】(実施例1)テトラエトキシシラン208
質量部にメタノール356質量部を加え、さらに水18
質量部及び0.01Nの塩酸18質量部([H2O]/
[OR]=0.5)を混合し、これをディスパーを用い
てよく混合した。この混合液を25℃恒温槽中で2時間
攪拌して、重量平均分子量を850に調製することによ
り、4官能シリコーンレジンを得た。
【0046】次に、この4官能シリコーンレジンに、中
空シリカ微粒子成分として中空シリカIPA(イソプロ
パノ−ル)分散ゾル(商品名:CS−35 触媒化成工
業製:固形分20質量%、平均一次粒子径約35nm、
外殻厚み約8nm)を用い、中空シリカ微粒子/4官能
シリコーンレジン(縮合化合物換算)の固形分基準で質
量比が70/30となるように添加し、さらに全固形分
が1質量%になるようメタノールで希釈して塗料を調整
した。
【0047】次に、透明基板1とし、予め酸化セリウム
微粒子で研磨洗浄したソーダライムガラス(厚み:1m
m)を使用し、この表面の片方の面に、上記塗料をワイ
ヤーバーコータ(NO.10)で塗膜7の膜厚が約10
0nmになるように塗布し、1時間放置した後、200
℃で10分間熱処理を行い、塗膜7を形成した。
【0048】次いで、塗膜7を形成した透明基板1の裏
面に、アモルファスシリコン太陽電池セル2の受光面を
合わせて配置し、図1に示す太陽電池システムを作製し
た。
【0049】(実施例2)実施例1において、中空シリ
カ微粒子/4官能シリコーンレジン(縮合化合物換算)
の固形分基準で、90/10となるように添加するよう
にした以外は、実施例1と同様にして塗料を調整した。
そして、この塗料を用いて実施例1と同様に、透明基板
1の表面の片方の面に塗膜7を形成し、さらに、実施例
1と同様の構成で、図1に示す太陽電池システムを作製
した。
【0050】(実施例3)実施例1において、中空シリ
カ微粒子/4官能シリコーンレジン(縮合化合物換算)
の固形分基準で、80/15なるように添加し、さらに
中実シリカ微粒子として、シリカメタノールゾル(商品
名:MA−ST 日産化学工業製:粒径10〜20n
m)を、塗料中の全固形分に対し、SiO2換算固形分
で5質量%添加するようにした以外は、実施例1と同様
にして塗料を調整した。そして、この塗料を用いて実施
例1と同様に、透明基板1の表面の片方の面に塗膜7を
形成し、さらに、実施例1と同様の構成で、図1に示す
太陽電池システムを作製した。
【0051】(実施例4)実施例1において、中空シリ
カ微粒子/4官能シリコーンレジン(縮合化合物換算)
の固形分基準で、79/20なるように添加し、さらに
Zr(OC49 3(C572)を、塗料の全固形分に
対し、ZrO2換算固形分で1質量%添加するようにし
た以外は、実施例1と同様にして塗料を調整した。そし
て、この塗料を用いて実施例1と同様に、透明基板1の
表面の片方の面に塗膜7を形成し、さらに、実施例1と
同様の構成で、図1に示す太陽電池システムを作製し
た。
【0052】(比較例)塗膜7を形成しない透明基材1
を用いた以外は、実施例1と同様の構成で、図1に示す
太陽電池システムを作製した。
【0053】(評価)実施例1〜4及び比較例で作製し
た太陽電池システムについて、太陽電池システムの光変
換効率を、JIS−C8934に準拠して評価した。具
体的には、ソーラシュミレータ(山下電装製)およびソ
ースメータ(KEITHLAY2400)を用いて、作
成した太陽電池システムのI−V特性を測定し、光電変
換効率を求めた。
【0054】また、実施例1〜4で透明基板の上に作製
した塗膜の物性について、以下に示す方法で測定した。
【0055】全光線透過率:分光光度計(U−340
0、日立製作所製)で波長550nmの全光線透過率を
測定した。
【0056】反射率:分光光度計(U−3400、日立
製作所製)で波長550nmの反射率を測定した。
【0057】膜厚及び屈折率:走査型電子顕微鏡でガラ
ス破断面を観察し、塗膜の膜厚を測定した。その後、エ
リプソメーター(EMS−1、ULVAC製)を用い
て、屈折率を導出した。
【0058】(結果)上記実施例1〜4及び比較例にお
ける、塗料の構成、塗膜の特性及び太陽電池システムの
光電変換効率の評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1にみられるように、各実施例のもの
は、比較例に対し優れた性能を示すものであった。
【0061】
【発明の効果】請求項1〜請求項7に係る発明の太陽電
池システムは、太陽電池セルの受光面側に太陽電池セル
を支持する透明基板を備えた太陽電池システムにおい
て、透明基板の少なくとも一方の表面に、SiX4(X
は加水分解性基)で表される4官能加水分解性オルガノ
シランの部分加水分解物及び/又は加水分解物からなる
4官能シリコーンレジンと、外殻の内部に空洞が形成さ
れた中空シリカ微粒子とを必須成分として含有して調製
された塗料を塗布した後、乾燥して得られた塗膜が形成
されているので、光電変換効率の優れた太陽電池システ
ムとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池システムの第1の実施形
態を示す模式図である。
【図2】本発明に係る太陽電池システムの第2の実施形
態を示す模式図である。
【図3】従来の太陽電池システムの一例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 透明基板 2 太陽電池セル 7 塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA05 HA03 HA04 JA02 JA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池セルの受光面側に太陽電池セル
    を支持する透明基板を備えた太陽電池システムにおい
    て、上記透明基板の少なくとも一方の表面に、SiX4
    (Xは加水分解性基)で表される4官能加水分解性オル
    ガノシランの部分加水分解物及び/又は加水分解物から
    なる4官能シリコーンレジンと、外殻の内部に空洞が形
    成された中空シリカ微粒子とを必須成分として含有して
    調製された塗料を塗布した後、乾燥して得られた塗膜が
    形成されていることを特徴とする太陽電池システム。
  2. 【請求項2】 上記中空シリカ微粒子の平均粒子径が、
    5nm〜2μmであることを特徴とする請求項1記載の
    太陽電池システム。
  3. 【請求項3】 上記塗膜の厚みが、50nm〜200n
    mであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    太陽電池システム。
  4. 【請求項4】 上記塗料が、外郭の内部に空洞が形成さ
    れていない中実シリカ微粒子を含有していることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の太陽電
    池システム。
  5. 【請求項5】 上記透明基板の太陽光の取り入れ側の表
    面に、上記塗膜が形成されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池システ
    ム。
  6. 【請求項6】 上記塗料が、有機ジルコニウムを含有し
    ていることを特徴とする請求項5記載の太陽電池システ
    ム。
  7. 【請求項7】 上記塗料が、光触媒を含有していること
    を特徴とする請求項5又は請求項6記載の太陽電池シス
    テム。
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