JP2001177130A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JP2001177130A
JP2001177130A JP35718799A JP35718799A JP2001177130A JP 2001177130 A JP2001177130 A JP 2001177130A JP 35718799 A JP35718799 A JP 35718799A JP 35718799 A JP35718799 A JP 35718799A JP 2001177130 A JP2001177130 A JP 2001177130A
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cell module
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JP35718799A
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Takuji Nomura
卓司 野村
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Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面透明基板における光反射による光公害が
防止されかつ満足し得る耐汚染性を備えた太陽電池モジ
ュールを提供する。 【解決手段】 太陽電池モジュールは、透明表面基板1
の第1主面上に設けられた半導体光電変換層3、充填樹
脂6、および裏面カバー7と、基板1の第2主面上に形
成された防眩膜10とを備え、防眩膜10は有機材また
は無機材の粒子30と有機材バインダ20とを含み、バ
インダ20はアクリル系樹脂とフッ素系樹脂の少なくと
も一方を含む第1の成分の100重量部に加えて、加水
分解性シリル基を含有するオルガノシリケートおよび/
またはその縮合物である第2の成分を1重量部以上で5
0重量部未満の範囲内で含み、防眩膜10は水の接触角
が75°未満の良好な濡れ性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池モジュー
ルに関し、特に太陽電池モジュールにおける透明表面基
板の防眩と汚染防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、クリーンエネルギの利用がますま
す叫ばれるようになり、それに伴って太陽電池の利用の
促進が図られている。また、太陽電池の量産化に伴っ
て、製造コストの低減化が進みつつある。太陽電池利用
の形式としては、かっては、大規模な太陽電池発電所の
形態や、人里離れたところでの電源確保のための形態が
主流であった。しかしながら、近年、市街地で住宅の屋
根やビルの外壁に太陽電池モジュールパネルを取付けて
電力を発生し、そのエネルギを従来の電力会社からの電
気と同様に利用することが主流となりつつある。
【0003】かかる太陽電池モジュールパネルは、表面
カバーガラスと裏面カバーフィルムとの間に、複数の光
起電力セルが樹脂で封止されたものである。表面カバー
ガラスとしては、かつては透明ガラスで鏡面をなすもの
が用いられていたため、反射による光公害の問題が生じ
ていた。この問題を解決するため、たとえばガラスをプ
レス加工して表面に特有の形状を形成した型板ガラスの
利用が検討されている。また、特開平11−74552
号公報には、ガラス基板の光入射面に凹凸形状を形成す
る技術が開示されている。
【0004】一方、太陽電池モジュールのコストを大幅
に低減し得る構造として、表面カバーガラスと同じサイ
ズの透明絶縁基板上に、透明電極層、薄膜半導体層、お
よび裏面電極層をパターニングしながら順次形成して得
られる基板一体型薄膜系太陽電池モジュールが利用され
ている。この構造の特徴は、各光起電力セルの配線間、
およびセルとカバーガラスの間に充填する封止樹脂が必
要ないことであり、コスト面の利点のみならず、樹脂の
黄変による特性劣化がないことである。
【0005】図8は、従来の太陽電池モジュールの一例
の概略構成を示す断面図である。この太陽電池モジュー
ルは、透明絶縁基板1と、透明絶縁基板1の光入射面と
異なる面上に形成された透明電極層2と、透明電極層2
上に形成された光半導体層3と、光半導体層3上に形成
された裏面電極層4とを備えている。順に積層された透
明電極層2、光半導体層3、および裏面電極層4は複数
の光電変換セル5に分離され、各セル5は互いに電気的
に直列に接続されて集積化されている。
【0006】また、この太陽電池モジュールは、光電変
換セル5を保護するため、充填樹脂6、および裏面カバ
ーフィルム7により封止されて保護されている。さら
に、このように封止された太陽電池には、フレーム8が
取付けられている。
【0007】このように構成される従来の太陽電池モジ
ュールの製造工程には、プラズマCVD、スパッタ等の
成膜工程の他、集積化のためのレーザスクライブ工程等
が含まれる。そのため、従来の太陽電池モジュールにお
いては、これらの工程を安定的に行なうため、一般に透
明絶縁基板1の光入射面側の表面は、平坦な面に形成さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成される従来の太陽電池モジュールを屋根やビル
の外壁に配列した場合、太陽と太陽電池モジュールとの
角度によっては、太陽光が反射して隣接する家屋の中を
照らしたりする等の光公害の問題が一部で指摘されてい
た。
【0009】そこで、このような問題を解決するため、
前述したように基板の表面を光を散乱する型板ガラスに
することが検討されているが、こうしたガラスを用いた
場合、型板ガラスのテクスチャ仕様の細かな検討あるい
は特別なレーザスクライブ条件が必要となり、これに伴
うコストの増加が発生するという問題があった。
【0010】また、特開平11−74552号公報に開
示されているように、ガラス基板自体に凹凸形状を形成
する場合には、ガラスの加工は高温や反応性の高いフッ
酸等の溶液の使用を伴うため、モジュール完成後には実
施できないという問題があった。また、モジュール作製
前に予めガラス基板自体に加工を施しておいた場合で
は、半導体層や電極層のレーザスクライブによるカット
をガラス基板面より行なうことができない等の問題があ
った。さらに、ガラス基板に凹凸形状を形成する方法と
しては、ブラスト処理も考えられるが、ガラスの強度が
弱くなるという問題があった。
【0011】一方、従来の太陽電池モジュールの製造に
おいては、ロットによりガラス基板の色調に差があるた
め、完成した太陽電池モジュールにおいても、色調に差
が生じてしまうという問題もあった。
【0012】この発明の目的は、上述の問題点を解決
し、光入射面における反射による光公害等が有効に防止
され、かつ色調の統一された太陽電池モジュールを提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明による太陽電池
モジュールは、第1および第2の主面を有する透明表面
基板と、その基板の第1主面上に設けられた半導体光電
変換層、充填樹脂、および裏面カバーと、基板の第2主
面上に形成された防眩膜とを備え、その防眩膜は水に対
して接触角が75°未満の良好な濡れ性を有しているこ
とを特徴としている。
【0014】防眩膜は有機材粒子および無機材粒子の少
なくとも一方と有機材バインダとを含み、その有機材バ
インダは、アクリル系樹脂とフッ素系樹脂の少なくとも
一方を含有する第1の成分の100重量部に加えて、
【0015】
【化2】
【0016】で表わされる加水分解性シリル基を含有す
るオルガノシリケートおよび/またはその縮合物である
第2の成分を1重量部以上で50重量部未満の範囲内で
含み、ここでR1はアルキル基、R2はアルキル基または
アルコキシル基を表わし、aは0または1の整数である
ことが好ましい。
【0017】有機材バインダは第1の成分の100重量
部に加えて、第2の成分を10〜40重量部の範囲内で
含むことがより好ましく、20〜40重量部の範囲内で
含むことがさらに好ましく、30〜40重量部の範囲内
で含むことが特に好ましい。
【0018】また、防眩膜の水に対する接触角は、60
°未満であることがより好ましく、50°未満であるこ
とがさらに好ましい。
【0019】このような太陽電池モジュールに含まれる
半導体光電変換層は、相互接続された複数の単結晶光電
変換セルを含むもの、または集積化された複数の薄膜光
電変換セルを含むものであり得る。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による実施の形態
の一例として太陽電池モジュールの概略構成を示す断面
図である。なお、本願の各図においては、図面の明瞭化
と簡略化のために寸法関係は適宜に変更されており、実
際の寸法関係を反映してはいない。特に、防眩膜表面の
微細な凹凸などは誇張されて示されている。
【0021】図1を参照して、この太陽電池モジュール
は、透明絶縁基板1と、透明絶縁基板1の光入射面と異
なる面上に形成された透明電極層2と、透明電極層2上
に形成された光半導体層3と、光半導体層3上に形成さ
れた裏面電極層4とを備えている。順に積層された透明
電極層2、光半導体層3および裏面電極層4は複数の光
電変換セル5に分離され、各セル5は互いに電気的に直
列に接続されている。
【0022】また、この太陽電池モジュールは、光電変
換セル5を保護するため、充填樹脂6、および裏面カバ
ーフィルム7により、封止されて保護されている。さら
に、このように封止された太陽電池には、透明絶縁基板
1、充填樹脂6および裏面カバーフィルム7等を保持す
るとともに、屋根等の架台等に取付けるために用いられ
るフレーム8が取付けられている。但し、フレーム8は
太陽電池にとって不可欠なものではなく、太陽電池はフ
レーム無しのものや瓦に埋め込まれたものでもよく、フ
レームによって限定されるものではない。
【0023】さらに、透明絶縁基板1の光入射面側に
は、界面処理剤からなる膜40を介して、本願発明の特
徴として、有機材粒子および無機材粒子の少なくとも一
方の粒子30と有機材バインダ20とを含む防眩膜10
が形成されている。防眩膜10の表面には、凹凸形状が
形成されている。
【0024】防眩膜10としては、光入射面側から入射
した光を乱反射するものであってもよいし、また、入射
した光の透過率を向上させて反射を減少させるものでも
よい。
【0025】防眩膜10を構成する有機材バインダ20
として用いることができる樹脂の特性としては、十分な
耐候性を有し、光の透過性がよく、成膜のプロセスにお
いて太陽電池セルを劣化させない温度、具体的には20
0℃以下、より好ましくは150℃以下で成膜する材料
が好ましく用いられる。
【0026】そのような特性を満たす材料として、アク
リル系樹脂とフッ素系樹脂の少なくとも一方を含有する
第1の成分が有機材バインダ20の主要成分として用い
られることが好ましく、さらに、その親水性を改善する
ために、加水分解性シリル基を含有する第2の成分が付
加的成分として含められることが好ましい。
【0027】アクリル樹脂は、アクリルモノマーを主成
分とするモノマーを重合あるいは共重合して得られる樹
脂が好ましく、フッ素系樹脂はフッ素含有モノマーを用
いて重合して得られる樹脂であることが好ましい。
【0028】アクリル樹脂としてはさらには、加水分解
性シリル基を含有する樹脂が好ましく、主鎖が実質的に
ポリビニル型結合からなり、末端あるいは側鎖に加水分
解性基と結合した珪素原子を1分子中に少なくとも1個
を有するシリル基含有ビニル樹脂で、ビニルモノマーと
加水分解性シリル基含有モノマーとの共重合により得ら
れ、主鎖または側鎖にウレタン結合あるいはシロキサン
結合を一部含んでもよい。ビニルモノマーとしては特に
限定はなく、メチル(メタ)クリレート、エチル(メ
タ)クリレート、ブチル(メタ)クリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)クリレート、ステアリル(メタ)ク
リレート、ベンジル(メタ)クリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)クリレート、トリフロロエチル(メタ)クリ
レート、ペンタフロロプロピル(メタ)クリレート、ポ
リカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)
の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのジ
エステルまたはハーフエステル等の不飽和カルボン酸の
エステル;スチレン、a−メチルスチレン、クロロスチ
レン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、
ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル化合物;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレート等
のビニルエステルやアリル化合物;(メタ)クリロニト
リル等のニトリル基含有ビニル化合物;グリシジル(メ
タ)クリレート等のエポキシ基含有ビニル化合物;ジメ
チルアミノエチル(メタ)クリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)クリレート、ビニルピリジン、アミノエ
チルビニルエーテル等のアミノ基含有ビニル化合物;
(メタ)クリルアミド、イタコン酸ジアミド、a−エチ
ル(メタ)クリルアミド、クロトンアミド、マレイン酸
ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドン、
N−ブトキシメチル(メタ)クリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ア
クリロイルモルホリン等のアミド基含有ビニル化合物;
2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)クリレート、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)クリルアミ
ド、アロニクス5700(東亜合成(株)製)、Placce
l FA-1、Placcel FA-4、Placcel FM-1、Placcel FM-4
(以上ダイセル化学(株)製)等の水酸基含有ビニル化
合物;(メタ)クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸およびそれらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩等)、無水マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸、酸無水物、またはその塩;ビニルメチルエーテ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロ
ピレン、ブタジエン、イソプレン、マレイミド、N−ビ
ニルイミダゾール、ビニルスルホン酸等のその他のビニ
ル化合物等が挙げられる。
【0029】アルコキシシランビニルモノマーとして
は、具体的には、
【0030】
【化3】
【0031】等が挙げられる。これらアルコキシシラン
ビニルモノマー単位は、加水分解性シリル基含有ビニル
系共重合体の中で、好ましくは5〜90重量%、さらに
好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜7
0重量%含む。
【0032】アルコキシシランビニルモノマーとビニル
モノマーの共重合体の製造方法については、たとえば特
開昭54−36395、同57−36109、同58−
157810等に示される方法を用いればよい。アゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル開始剤を用い
た溶液重合が最も好ましい。また必要に応じてn−ドデ
シルメルカブタン、t−ドデシルメルカブタン、n−ブ
チルメルカブタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、(H
3CO)3Si−S−S−Si(OCH33、(CH
3O)3Si−S8−Si(OCH33等連鎖移動剤を用
い、分子量調節をすることができる。特に加水分解性シ
リル基を分子中に有する連鎖移動剤、たとえばγ−メル
カプトプロピルトリメトキシシランを用いればシリル基
含有ビニル系共重合体の末端に加水分解性シリル基を導
入することができる。重合溶剤は炭化水素類(トルエ
ン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、酢
酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール等)、エーテル類(エチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、セロソルブアセテート等)、ケトン類
(メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルア
セトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケト
ン、アセトン等)の如き非反応性の溶剤であれば特に限
定はない。
【0033】フッ素系樹脂としてはさらには、水酸基を
含有している樹脂であることが好ましく、たとえばその
一例である水酸基含有フッ素系共重合体は、クロロト
リフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフ
ルオロエチレン等のフルオロオレフィン;CH2=CH
COOCH2CF3、CH2=C(CH3)COOCH2
3、CH2=CHCOOCH(CF32、CH3=C
(CH3)COOCH(CF 32、CH2=CHCOOC
2CF2CF2CF3、CH2=CHCOOCF3、CH2
=C(CH3)COOCH2CF2CF2CF3、CH2=C
(CH3)COOCF 3等を含む(メタ)アクリル酸フル
オロアルキル等のフッ素含有ビニルモノマー、ヒドロ
キシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニル
エーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド、アロニクス5700(東亜合成
(株)製)、Placcel FA-1、同 FA-4、同FM-1、同FM-4
(以上ダイセル化学(株)製)等の水酸基含有ビニルモ
ノマー、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテ
ル;シクロヘキシルビニルエーテル;マレイン酸、フマ
ール酸、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシルアル
キルビニルエーテル等のカルボキシル基含有モノマー;
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル;メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等
の不飽和カルボン酸エステル;ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン等の加水分解性シリル基含有モノマー等;上
記、、を共重合して得られる水酸基価5〜300
mgKOH/g、好ましくは10〜250mgKOH/
gのものである。
【0034】加水分解性シリル基を含有する樹脂として
は、鐘淵化学工業株式会社製ゼムラック(登録商標)、
水酸基を含有するフッ素系樹脂あるいは樹脂組成物とし
ては、旭硝子株式会社製のルミフロン、旭硝子コートア
ンドレジン株式会社製のボンフロン、株式会社トウベ製
ニューガメット、大日本塗料株式会社製Vフロン(いず
れも登録商標)が例示できる。
【0035】ルミフロンは、以下に示す基本物性を有し
ている。
【0036】
【表1】
【0037】ゼムラックは、以下に示す分子構造を含ん
でいる。
【0038】
【化4】
【0039】ここで、R1は炭素数1〜10のアルキル
基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ば
れた一価の炭化水素基、aは0、1または2の整数を示
す。
【0040】有機材バインダ20に付加的に含まれる第
2の成分としては、
【0041】
【化5】
【0042】で表わされる加水分解性シリル基を含有す
るオルガノシリケートおよび/またはその縮合物を好ま
しく用いることができ、ここでR1はアルキル基、R2
アルキル基またはアルコキシル基を表わし、aは0また
は1の整数である。R1中とR2中の炭素数は、特に限定
はないが1〜4であることが好ましい。このような第2
の成分は有機材バインダ20の親水性を改善し、防眩膜
10の表面の耐汚染性を向上させるように作用する。
【0043】第2の成分の具体例としては、テトラメチ
ルシリケート(テトラメトキシシラン)、テトラエチル
シリケート(テトラエトキシシラン)、テトラ−n−プ
ロピルシリケート(テトラプロポキシシシラン)、テト
ラ−i−プロピルシリケート(テトライソプロポキシシ
シラン)、テトラ−n−ブチルシリケート(テトラブト
キシシラン)等を挙げることができる。
【0044】上記テトラアルキルシリケートを加水分解
条件下に縮合させて得られる部分縮合物の生成反応は既
知の製造方法による。すなわち、テトラアルキルシリケ
ートに水を添加し、縮合せしめることにより行なうこと
ができる。また、テトラアルキルシリケート部分加水分
解縮合物は、市販品を用いることもできる。このような
縮合物としては、MSI51、ESI28、ESI4
0、HAS−1(いずれもフルコート(株)製)等があ
る。
【0045】また、トリアルコキシシランとしては、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3グリシドキ
シプロピルメトキシシラン、メチルトリsec−オクチ
ルオキシシラン、メリルトリフェノキシシラン、メチル
トリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン
等およびこれらの縮合物等を挙げることができる。ま
た、これらの縮合物は、市販品を用いることもできる。
このような縮合物としては、AFP−1等(信越化学)
がある。これらを単独でも混合系でも用いることができ
る。
【0046】一般に、有機材バインダはガラスに比べて
親水性が低く、水に関して大きな接触角を有している。
太陽電池モジュールの防眩膜表面における水の接触角が
大きい場合、その表面に付着した雨水などは広がりにく
く、水玉状に散在することになる。このように散在した
水玉が乾いた後には、雨水に含まれていた汚染物質が点
々とした染みになって残り、そのように汚染された太陽
電池モジュールの表面が屋根の美観を損ねることにな
る。また、玉状の雨水は薄く広がった雨水に比べ大きな
厚さを有し、その乾燥後に残される汚染物質の厚さも大
きくなる。さらに、一般的な屋根材である瓦やスレート
は水に対して良好な濡れ性を有しているので、降雨時に
太陽電池モジュールの表面のみに水玉が散在すれば、屋
根の統一的美観を損ねることもある。
【0047】しかし、本発明による太陽電池モジュール
のように、その表面の親水性が改善されていれば、これ
らの問題を生ずることもない。そのように親水性を改善
するために有機材バインダ20に付加的に含まれるべき
第2の成分は第1の成分の100重量部に対して1重量
部以上で50重量部未満の範囲内にあるが、10〜40
重量部の範囲内にあることが好ましく、20〜40重量
部の範囲内にあるのがさらに好ましく、30〜40重量
部の範囲内にあるのが特に好ましい。
【0048】一方、防眩膜10を構成する有機材粒子3
0としては、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチ
レンワックス、またはこれらの少なくとも2種以上の混
合物からなるもの、またはこれらの樹脂あるいは混合樹
脂を主成分とするものが用いられ得る。具体的には、た
とえば、φ8μmのPMMA(ポリメチルメタアクリレ
ート)からなる積水化成製MBX−8、平均φ15μ
m、最大φ30μmのPE(ポリエチレン)からなる楠
本化成製SE480−10T等が用いられ得る。
【0049】また、防眩膜10を構成する無機材粒子3
0としては、シリカからなるものが用いられ得る。具体
的には、たとえば、φ4μmのシリカからなるデグサジ
ャパン製TS100、φ2μmのシリカからなるデグサ
ジャパン製デグサOK−607、φ0.07〜0.1μ
mのシリカゾルからなる日産化学工業株式会社製EG−
ST−ZL等が用いられ得る。
【0050】また、有機材または無機材粒子30の直径
は、好ましくは0.05〜200μm、より好ましくは
0.5〜100μm、特に好ましくは1〜10μmであ
ればよい。粒子30の直径がこの範囲にあれば、反射の
程度を低下させることができる。
【0051】また、有機材バインダ20と有機材または
無機材粒子30との混合重量比は、粒子径が1μm未満
である場合には、有機材バインダの重量100に対して
粒子の重量が50〜2000であることが好ましく、特
には100〜1500あることが好ましい。
【0052】また、有機材または無機材粒子径が1μm
以上、好ましくは1〜10μmである場合は、有機材バ
インダと粒子との混合重量比は、有機材バインダの重量
100に対して粒子の重量として0.1〜98、さらに
は1〜50、特には1〜10が好ましい。粒子径が小さ
すぎれば本発明の防眩効果が十分に発揮されず、また反
対に粒子径が大きすぎればバインダ樹脂に対する分散性
が低下して好ましくない。
【0053】また、防眩膜10の厚さは、0.1〜50
0μm、さらには0.5〜100μm、特に1〜30μ
mであることが好ましい。
【0054】図2は、本願発明による太陽電池モジュー
ルの一例の防眩膜10の一部を拡大して示す断面図であ
る。なお、図示はしないが、防眩膜は単層であってもよ
いし、違う材質や形状、膜厚である防眩膜を複層に重ね
合わせることで防眩効果や透過率の向上に有効な場合も
ある。図2に示された太陽電池モジュールの防眩膜10
においては、有機材バインダ20中に有機材または無機
材粒子30が単層に配置されている。このような構造と
することにより、透過率の低下を防止することができ
る。
【0055】また、図3は、本願発明による太陽電池モ
ジュールの他の例の防眩膜10の一部を拡大して示す断
面図である。この太陽電池モジュールの防眩膜10にお
いては、有機材バインダ20中に有機材または無機材粒
子30の積重なりが変化させて配置されている。このよ
うな構造とすることにより、防眩効果を増大させること
ができる。
【0056】なお、これらの有機材または無機材粒子の
層は形成された防眩膜の一面全体に単層または複層であ
ってもよいし、単層と複層が混じり合っていてもよい。
【0057】このように透明絶縁基板1の光入射面側に
防眩膜10を形成することにより、太陽電池モジュール
に入射した太陽光は、大部分においては発電に寄与する
こととなり、防眩膜表面から反射される入射光の2〜4
%程度の成分は不特定の方向に乱反射されるようにな
る。乱反射して散乱された太陽光は、平行光線ではな
い。そのため、太陽電池モジュールから乱反射された光
は、全体としてぼやけた状態となり、直接太陽電池を見
ても眩しく感じられるようなことがなくなる。
【0058】なお、この実施の形態による太陽電池モジ
ュールにおいて、透明電極層2としては、ITO、Sn
2、またはこれらの積層体であるITO/SnO2、あ
るいはZnO等の光を透過し得る導電材料が用いられ得
る。
【0059】また、光半導体層3は、非晶質シリコンa
−Si、水素化非晶質シリコンa−Si:H、水素化非
晶質シリコンカーバイドa−SiC:H、非晶質シリコ
ンナイトライド等の他、シリコンと炭素、ゲルマニウ
ム、錫等の他の元素との合金からなる非晶質シリコン系
半導体の非晶質または微結晶を、pin型、nip型、
ni型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合
型、ショットキバリア型あるいはこれら組合せた型等に
合成した半導体層が用いられ得る。この他、光半導体層
としては、CdS系、GaAs系、InP系等であって
もよく、何ら限定されるものではない。
【0060】また、裏面電極層4としては、金属または
金属および金属酸化物の複合膜等が用いられ得る。
【0061】さらに、充填樹脂6としては、シリコー
ン、エチレンビニルアセテート、ポリビニルブチラール
等が用いられ、また、裏面カバーフィルム7としては、
フッ素系樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレートあ
るいはアルミニウム等の金属フィルムやSiO2等の薄
膜をラミネートした多層構造のフィルム等が用いられ得
る。
【0062】なお、この実施の形態においては、薄膜系
の太陽電池モジュールについて説明しているが、本願発
明は、単結晶系の太陽電池モジュールにも適用できるこ
とは言うまでもない。
【0063】次に、図1に示した第1実施形態の太陽電
池モジュールの製造方法について説明する。
【0064】まず、透明絶縁基板1の光入射面と異なる
面上に、透明電極層2、光半導体層3および裏面電極層
4を順次形成する。これらの各層を、レーザスクライブ
等のパターニング手段によって、複数の領域に分離す
る。たとえば、透明電極層2は、レーザ加工、エッチン
グ、リフトオフ等の方法により、所定のパターン形状に
形成する。また、裏面電極層4は、蒸着またはスパッタ
法等により成膜した後、同様にレーザ加工、エッチン
グ、リフトオフ等の方法により、所定のパターン形状に
形成する。
【0065】このようにして、透明電極層2、光半導体
層3および裏面電極層4からなる光光電変換セル5を透
明絶縁基板1上に形成した後、これらを保護するため、
充填樹脂6で封止固着し、さらに裏面カバーフィルム7
を装着する。
【0066】続いて、光電変換セル5が形成された透明
絶縁基板1の光入射面側に、本願発明の特徴である、防
眩膜10を形成する。防眩膜10の形成は、裏面電極層
を形成してスクライブした後ならいつでも可能であり、
その直後でも裏面封止後でも端子BOX取付け後でも、
太陽電池を屋根等に設置した後でもよく、塗膜方法にも
よるが、特に限定されるものではない。このとき、透明
絶縁基板1と防眩膜10との間に界面処理剤からなる膜
40を介在させるとよい。このような膜40を介在させ
ることにより、透明絶縁基板1と防眩膜10との接着強
度が増大するとともに、塗装むらが減少される。
【0067】なお、この実施の形態においては、光電変
換セル5を形成した後に防眩膜10を形成している。逆
に防眩膜10を形成した後に光電変換セル5を形成する
とすれば、光電変換セル5の形成の際にレーザ照射を行
なう場合、焦点がぼけてしまうといった問題や、光電変
換セル5の形成の際にプラズマCVD用の真空チャンバ
を使用できないといった問題が生じるおそれがあるから
である。
【0068】図4および図5は、本発明による太陽電池
モジュールの製造方法の一例を説明するための断面図で
あって、防眩膜10の形成方法の一例を示している。ま
ず、図4を参照して、封止された太陽電池モジュールの
透明絶縁基板1の光入射面上に、有機材または無機材粒
子30が混入された有機材バインダ塗材20を塗布す
る。このとき、粒子30のサイズが大きい場合には、図
5に示すように、バインダ塗材20を成膜させる際に、
粒子30の分布によって防眩膜10の表面に凹凸形状が
形成される。
【0069】また、図6は、本発明による太陽電池モジ
ュールの製造方法の他の例を説明するための断面図であ
って、防眩膜10の形成方法の他の例を示している。す
なわち、有機材バインダ塗材20を塗布した後、所定の
パターン形状を有するクロスが巻付けられたローラ9
を、矢印Aに示すように回転させながら矢印B方向に移
動させて所定パターンを転写した後、バインダ塗材20
を成膜させることにより、防眩膜10の表面に凹凸形状
を形成することもできる。
【0070】なお、防眩膜10の光入射面に凹凸形状を
形成する方法としては、上述したような混入された粒子
による作用を利用する方法、あるいはバインダ塗材を塗
布して型押し等により成形した後成膜させる方法等の
他、バインダ塗材を塗布する際のノズルの形状等の工夫
によっても、表面を凹凸形状に形成することができる。
【0071】以上のように形成された防眩膜10は、ガ
ラス基板1の全面を覆っているので、メーカーやロット
ごとのばらつきによるガラス基板1の色調の違いをマス
クすることができ、屋根の上に並べられた複数の太陽電
池モジュール間の色調を統一して美観を高めることもで
きる。
【0072】図7は、本発明による太陽電池モジュール
のさらに他の例の防眩膜10の一部を拡大して示す断面
図である。以上においては、防眩膜10の表面に微細な
凹凸形状が形成されている例について主として説明して
きたが、防眩膜10の表面は図7に示すように平坦であ
っても、たとえばバインダと粒子の屈折率の差によっ
て、防眩効果を発揮できる場合がある。
【0073】
【実施例】以下において、ガラス基板に種々の条件で防
眩膜を形成した実施例について、その光学特性や耐汚染
性の評価を行なった結果を参考例とともに説明する。
【0074】(参考例)表面が平坦なガラス基板の一方
の面にTCO(透明導電性酸化物)膜を形成し、他方の
面に以下の条件で防眩膜を形成した。
【0075】まず、有機材バインダに含まれる第1の成
分として旭硝子株式会社製「ルミフロン」を用い、加水
分解性シリル基を含有する第2の成分は添加されなかっ
た。
【0076】無機材粒子としては、デグサジャパン製シ
リカ「OK−607」(φ2μm)を用い、これを上記
の有機材バインダ中に分散させた。配合率は、有機材バ
インダ中の固形分:粒子=100:5となるように調製
した。
【0077】こうして得られた塗材をガラス基板上にス
プレーによって塗布し、常温で乾燥させた。その結果、
ガラス基板の一方の面にTCO膜が形成され、他方の面
に防眩膜が形成された比較例のサンプルが得られた。
【0078】この比較例のサンプルについて、防眩膜面
側から光を照射して、「60°光沢」、「20°光
沢」、および「全透過率」を測定し、光学特性を評価し
た。なお、「60°光沢」と「20°光沢」は、JIS
−Z−8741−1983の鏡面光沢度測定法に従って
測定された。
【0079】その結果、この比較例のサンプルにおいて
は、60°光沢が15で、20°光沢度が2で、そして
全透過率が81.3%であった。
【0080】また、この参考例のサンプルにおける防眩
膜について水に関する接触角と耐汚染性が測定された。
耐汚染性の測定においては、サンプルの初期透過明度を
色彩色差計(ミノルタ製CR−300)で測定し、大阪
府摂津市で南面30°の屋外暴露を3ヶ月実施した。屋
外暴露後と暴露前の透過明度差(ΔL値)を汚染性の尺
度とし、透過明度が低下しているほど汚れていることを
表わしている。すなわち、暴露の後の透過明度の低下が
少ないほど耐汚染性に優れていることを表わしている。
親水性は、接触角測定器(協和界面科学製CA−S15
0型)を用いて、水との静的接触角を測定することによ
って評価した。当然に、接触角の数値が小さいほど親水
性に優れていることを表わしている。
【0081】このような測定の結果、参考例のサンプル
では水の接触角が92°であり、汚染性の尺度であるΔ
L値は−8.2であった。
【0082】(実施例1)上述の参考例のサンプルに類
似して、実施例1においても、平坦なガラス基板の一方
の面にTCO膜を形成し、他方の面に防眩膜を形成し
た。しかし、この実施例1においては、有機材バインダ
に含まれる第1の成分としてルミフロンの100重量部
が用いられ、第2の成分としてメチルシリケートの15
重量部と「エチルシリケート40」の15重量部が用い
られた。「エチルシリケート40」は日本コルコート社
製の商品名であって、Siを40重量%含んでいる。こ
の実施例1におけるその他の条件は、無機材粒子の添加
条件をも含めて参考例の場合と同様にされた。
【0083】このような実施例1のサンプルについて参
考例の場合と同様に種々の特性評価を行なったところ、
60°光沢が15、20°光沢が1、全透過率が80
%、水の接触角が68°、そして汚染度のΔL値が−
4.5であった。
【0084】(実施例2)参考例に類似して、実施例2
のサンプルが作製された。実施例2においては、有機材
バインダに含まれる第1の成分としてメラミンの25重
量%とルミフロンの75重量%が用いられ、第2の成分
として「HAS−1」の15重量%が用いられた。「H
AS−1」は日本コルコート社製の商品名であり、上述
のエチルシリケート40を部分的に縮合したものに対応
している。実施例2のサンプルの他の形成条件は、参考
例と同様にされた。
【0085】このような実施例2のサンプルについて参
考例の場合と同様に種々の特性を測定したところ、60
°光沢が10、20°光沢が1、全透過率が79%、水
の接触角が58°、そして汚染尺度のΔL値が−2.7
であった。
【0086】(実施例3)実施例3のサンプルも、比較
例の場合に類似して作製された。ただし、有機材バイン
ダに含まれる第1の成分として水酸基含有アクリル樹脂
の100重量部が用いられ、第2の成分としてテトラエ
チルシリケートの30重量部が用いられた。
【0087】このような実施例3のサンプルについて参
考例の場合と同様に種々の特性を測定したところ、60
°光沢が10、20°光沢が1、全透過率が80%、水
の接触角が48°、そして汚染度のΔL値が−3.2で
あった。
【0088】以上から明らかなように、いずれの実施例
と参考例も、太陽電池モジュールとして望まれる十分な
全透過率を維持しつつ、低い光沢度を実現できているこ
とがわかる。しかし、水の接触角が75°未満の実施例
サンプルでは耐汚染性も満足し得る範囲にあるのに対し
て、水の接触角が75°以上の92°である参考例サン
プルでは実施例サンプルに比べて明らかに耐汚染性の劣
っていることがわかる。
【0089】なお、種々の実施例と参考例のサンプルに
おいて、必ずしも耐汚染性が水の接触角の小さい順にな
っていないものもあるが、これは屋外暴露中の自然環境
における不均一性の影響と考えられ、一般的には水の接
触角が小さいほど耐汚染性が向上する関係にあることが
明らかである。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による太陽
電池モジュールは、透明絶縁基板の光入射面に防眩膜を
備えているため、光の反射による光公害等の問題が有効
に防止される。また、防眩膜の親水性が改善されている
ので、その耐汚染性も満足し得るものになっている。
【0091】また、この太陽電池モジュールでは、透明
絶縁基板の一方の主面上に光電変換セルを形成後に他方
の主面上に防眩膜を形成することにより、基板として高
価な型板ガラス等を用いることなく、太陽電池モジュー
ルの外観が映り込みや光公害を防止するように改善され
得る。また、最後に防眩膜を形成するようにすることに
より、従来の基本的な太陽電池モジュールの製造工程を
何ら変更させることなく、上記外観の改善を達成するこ
とができる。
【0092】さらに、防眩膜において、バインダと粒子
がともに有機材同士からなる場合には、相互の密着性が
よくて粒子の欠落や膜自体の剥離が少なくなる。他方、
防眩膜が有機材バインダと無機材粒子とからなる場合に
は、実用上影響するほど入射光量が減少することなく防
眩効果を発揮し、太陽光を有効に光電変換に利用するこ
とができる。さらに、無機材粒子は、劣化の問題も少な
いため、耐候性の点でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による太陽電池モジュールの一例の概
略構成を示す断面図である。
【図2】 本発明による太陽電池モジュールの一例の防
眩膜の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】 本発明による太陽電池モジュールの他の例の
防眩膜の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】 本発明による太陽電池モジュールの製造方法
の一例を説明するための断面図である。
【図5】 図4の製造方法の効果を説明するための断面
図である。
【図6】 本発明による太陽電池モジュールの製造方法
の他の例を説明するための断面図である。
【図7】 本発明による太陽電池モジュールのさらに他
の例の防眩膜の一部を拡大して示す断面図である。
【図8】 従来の太陽電池モジュールの一例の概略構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁基板、2 (前面)透明電極層、3 光半
導体層(半導体光電変換層)、4 裏面電極層、5 光
電変換セル、6 充填樹脂(背面保護充填層)、7 裏
面カバーフィルム(背面保護フィルム)、8 フレー
ム、9 (エンボス)ローラ、10 防眩膜、20 有
機材バインダ、30 有機材または無機材粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/16 5/16 127/12 127/12 133/00 133/00 183/04 183/04 (C08L 27/12 //(C08L 27/12 83:02) 83:02) (C08L 27/12 (C08L 27/12 83:06) 83:06) (C08L 33/00 (C08L 33/00 83:02) 83:02) (C08L 33/00 (C08L 33/00 83:06) 83:06) H01L 31/04 F Fターム(参考) 4J002 BB03X BD12W BD12X BD121 BD15W BD151 BG04W BG041 BG05W BG051 BG06W BG06X BG061 BG08W BG081 BQ00W BQ001 CP023 CP053 DJ016 EX037 GF00 GH00 GQ00 GT00 4J038 CB022 CD091 CD092 CD121 CD122 CE051 CE052 CG001 CG002 CG141 CG142 CH251 CH252 CL001 CL002 DL022 DL052 GA03 GA12 GA15 HA446 NA19 PB09 PC03 5F051 BA11 BA18 HA04 HA16 HA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の主面を有する透明表面
    基板と、 前記基板の前記第1主面上に設けられた半導体光電変換
    層、充填樹脂、および裏面カバーと、 前記基板の前記第2主面上に形成された防眩膜とを備
    え、 前記防眩膜は水に対して接触角が75°未満の良好な濡
    れ性を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 第1および第2の主面を有する透明表面
    基板と、 前記基板の前記第1主面上に設けられた半導体光電変換
    層、充填樹脂、および裏面カバーと、 前記基板の前記第2主面上に形成された防眩膜とを備
    え、 前記防眩膜は有機材粒子および無機材粒子の少なくとも
    一方と有機材バインダとを含み、 前記有機材バインダは、アクリル系樹脂とフッ素系樹脂
    の少なくとも一方を含有する第1の成分の100重量部
    に加えて、 【化1】 で表わされる加水分解性シリル基を含有するオルガノシ
    リケートおよび/またはその縮合物である第2の成分を
    1重量部以上で50重量部未満の範囲内で含み、ここで
    1はアルキル基、R2はアルキル基またはアルコキシル
    基を表わし、aは0または1の整数であり、 そして、前記防眩膜は水に対して接触角が75°未満の
    良好な濡れ性を有することを特徴とする太陽電池モジュ
    ール。
  3. 【請求項3】 前記有機材バインダは、前記第1の成分
    の100重量部に加えて、前記第2の成分を10〜40
    重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項2に記載
    の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記有機材バインダは、前記第1の成分
    の100重量部に加えて、前記第2の成分を20〜40
    重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項3に記載
    の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記有機材バインダは、前記第1の成分
    の100重量部に加えて、前記第2の成分を30〜40
    重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項4に記載
    の太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記半導体光電変換層は相互接続された
    複数の単結晶光電変換セルまたは集積化された複数の薄
    膜光電変換セルを含むことを特徴とする請求項1から5
    のいずれかの項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記防眩膜は水に対して接触角が50°
    未満の良好な濡れ性を有することを特徴とする請求項1
    から6のいずれかの項に記載の太陽電池モジュール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101045067B1 (ko) 2009-10-09 2011-06-28 남성기전 주식회사 태양전지 모듈 구조물
EP2926378A4 (en) * 2012-11-30 2016-07-27 Saint Gobain OPTICAL COMPONENT AND PHOTOVOLTAIC DEVICE

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