JP2010210205A - 冷凍装置及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍サイクルにおいて冷媒の多段圧縮を行うための直流同期電動機を用いた高段圧縮機の容量が低段圧縮機の容量より小さい冷凍装置において高段圧縮機の脱調を防止する。
【解決手段】起動時は、ヒートポンプ回路2Aにおいて、電磁弁21aを開放してバイパス路21によりバイパスを行うことで高段圧縮機6を無負荷状態で起動する。低段圧縮機5及び高段圧縮機6の回転が上がって安定した時点で、電磁弁21aを閉止して定常運転に移行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機を有する冷凍装置及びその運転方法に関し、特に圧縮機が直流同期電動機により駆動される冷凍装置及びその運転方法に関する。
従来から、二段圧縮冷凍サイクルにより給湯や暖房を行う給湯システムや暖房システムがあり、例えば特許文献1(特開2002−106988号公報)には、二段圧縮により給湯を行うヒートポンプ給湯機が記載されている。
ところで、このような二段圧縮冷凍サイクルにおいて、低段圧縮機と、その低段圧縮機よりも容量の小さい高段圧縮機とによって冷媒の圧縮を行う場合がある。このような二段圧縮に用いられる高段圧縮機を直流同期電動機で駆動する冷凍装置ついて、特に高段圧縮機の容量が低段圧縮機よりも小さい場合に、起動時の冷媒の循環により高段圧縮機が影響を受けて高段圧縮機に脱調が発生し易くなるという問題を見出した。
本発明の課題は、冷凍サイクルで冷媒の多段圧縮を行う冷凍装置において、直流同期電動機を用いた高段圧縮機の容量が低段圧縮機の容量より小さい場合に高段圧縮機の脱調を防止することにある。
第1発明に係る冷凍装置は、吐出口及び吸入口を持つ低段圧縮機と、吐出口及び吸入口を持ち、低段圧縮機の吐出口から吐出された冷媒を吸入するための吸入ラインを有し、低段圧縮機よりも容量が小さく、駆動源に直流同期電動機が用いられている高段圧縮機と、高段圧縮機の起動時に、低段圧縮機の回転速度を抑制して低段圧縮機の吐出口から吐出される冷媒の吐出量を抑制することにより、または、吸入ラインと高段圧縮機の吐出口から低段圧縮機の吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスすることにより、高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量を抑制する冷媒量抑制手段とを備えている。
本発明によれば、起動時において、低段圧縮機の回転速度を抑制して低段圧縮機の吐出口から吐出される冷媒の吐出量を抑制することにより、または吸入ラインと高段圧縮機の吐出口から低段圧縮機の吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスすることにより、起動時に高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量を抑制して冷媒から高段圧縮機が受ける力を抑えることができる。起動時に高段圧縮機が冷媒から過剰な力を受けなくすることで、駆動源に直流同期電動機を用いた高段圧縮機の脱調を防止できる。
第2発明に係る冷凍装置は、第1発明の冷凍装置であって、高段圧縮機は、高段圧縮機の吐出口から伸びる吐出ラインをさらに有し、冷媒量抑制手段は、吸入ラインに接続された入口と、吐出ラインに接続された出口とを持ち、入口と出口との間をバイパスするバイパス路と、バイパス路に設けられ、高段圧縮機の起動時にバイパス路を開き、低段圧縮機の起動後にバイパス路を閉じる開閉機構とを含む。
本発明によれば、起動時には開閉機構によりバイパス路を開いて吸入ラインの冷媒をバイパスすることで高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量を抑制でき、起動後に開閉機構がバイパス路を閉じることにより起動後にはバイパスによる影響を完全になくしてバイパスによる冷凍装置の機能低下を防止できる。
第3発明に係る冷凍装置は、第1発明の冷凍装置であって、冷媒量抑制手段は、高段圧縮機の吸入ラインに中間圧インジェクションを行うためのインジェクション路を持つ気液分離器を含む。
本発明によれば、起動時において、気液分離器のインジェクション路の圧力は低く、高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量の抑制ができる。一方、起動後においてはインジェクション路の圧力が高くなって、インジェクション路から高段圧縮機の吸入口に向けて冷媒が流れるので、起動後にインジェクション路が本来の役割を果たすようになると特別な処置をしなくともバイパス路としての役割を終わらせることができる。このように、中間圧インジェクションに用いる気液分離器でバイパスするのでバイパス路を付加することなく高段圧縮機の脱調を防止できる冷凍装置を構築できる。
第4発明に係る冷凍装置は、第1発明の冷凍装置において、冷媒量抑制手段は、高段圧縮機の吸入ラインに中間圧インジェクションを行うためのインジェクション路を持つエコノマイザ熱交換器を含む。
本発明によれば、起動時において、エコノマイザ熱交換器のインジェクション路の圧力は低く、高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量の抑制ができる。一方、起動後においてはインジェクション路の圧力が高くなって、インジェクション路から高段圧縮機の吸入口に向けて冷媒が流れるので、起動後にはインジェクション路が本来の役割を果たすようになると特別な処置をしなくともバイパス路としての役割を終わらせることができる。このように、中間圧インジェクションに用いるエコノマイザ熱交換器でバイパスするのでバイパス路やバイパス路の開閉機構を付加することなく高段圧縮機の脱調を防止できる冷凍装置を構築できる。
第5発明に係る冷凍装置は、第1発明の冷凍装置であって、冷媒量抑制手段は、高段圧縮機の起動のタイミングに比べ低段圧縮機の起動のタイミングを遅らせることにより低段圧縮機の吐出量を抑制し、高段圧縮機の吸入口に送る冷媒量を抑制する圧縮機起動タイミング制御手段を含む。
本発明によれば、高段圧縮機に比べ低段圧縮機の起動のタイミングを遅らせることにより高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量が抑制され、タイミング制御という簡単な処置で脱調を防止できる。
第6発明に係る冷凍装置は、第1発明から第5発明のいずれかの冷凍装置において、高段圧縮機の吐出口から低段圧縮機の吸入口までの間に、給湯用ガスクーラ及び暖房用ガスクーラをさらに備える。
本発明によれば、効率の良い冷凍サイクルを行うため一つのヒートポンプ回路に給湯用ガスクーラと暖房用ガスクーラが設けられていることから起動時に高段圧縮機の脱調が起こり易いが、脱調を防止することにより起動ができないなどの不具合を防止して安定した運転が可能になり、確実にエネルギー効率の改善を図れる。
第7発明に係る冷凍装置は、第1発明から第8発明のいずれかの冷凍装置において、低段圧縮機の吐出口と高段圧縮機の吸入口との間に挿入された中間冷却器をさらに備える。
本発明によれば、中間冷却器により冷媒が冷やされて中間冷却器のない場合に比べて低段圧縮機と高段圧縮機の間にある冷媒の密度が高くなりがちであることから、高段圧縮機の吸入口に送られる冷媒量を抑制することで起動時にその状態を緩和できるので高段圧縮機の脱調を防止できる効果が現れ易くなる。
第8発明に係る冷凍装置の運転方法は、低段圧縮機と直流同期電動機を駆動源に使っている高段圧縮機とを有し、低段圧縮機の吐出口から吐出された冷媒を吸入するための吸入ラインを持つ高段圧縮機の容量が低段圧縮機の容量よりも小さい冷凍装置の運転方法であって、高段圧縮機の起動時に、低段圧縮機の回転速度の抑制を行って低段圧縮機の吐出量を抑制し、または、吸入ラインと高段圧縮機の吐出口から低段圧縮機の吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスする第1始動工程と、高段圧縮機の回転が始まってから、低段圧縮機の回転速度の抑制または吸入ラインのバイパスを解除する第2始動工程とを備える。
本発明によれば、第1始動工程において、低段圧縮機の回転速度の抑制を行って低段圧縮機の吐出量を抑制し、または、吸入ラインと高段圧縮機の吐出口から低段圧縮機の吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスすることにより、高段圧縮機の起動時に高段圧縮機の吸入口側の冷媒によって過剰な力が作用するのを防げ、高段圧縮機の脱調を防止できる。高段圧縮機の回転が始まった起動後は、第2始動工程によって、回転速度の抑制または吸入ラインのバイパスを解除することにより、始動後定常運転に移ったときに回転速度の抑制や吸入ラインのバイパスの影響を消失させることができる。
第1発明に係る冷凍装置では、駆動源に直流同期電動機を用いた高段圧縮機の容量が低段圧縮機よりも小さい場合において高段圧縮機の脱調を防止できる。
第2発明に係る冷凍装置では、簡単な構成によって、起動時に高段圧縮機の脱調を防止できるとともに、起動後には脱調を防止する機構の影響を排除した安定な定常運転を実現できる。
第3発明に係る冷凍装置では、気液分離器に高段圧縮機の脱調防止の役割を果たさせるため、新たに機器を付加せずに済み、安価に高段圧縮機の脱調防止が可能な装置を得ることができる。
第4発明に係る冷凍装置では、エコノマイザ熱交換器に高段圧縮機の脱調防止の役割を果たさせるため、新たに機器を付加せずに済み、安価に高段圧縮機の脱調防止が可能な装置を得ることができる。
第5発明に係る冷凍装置では、低段圧縮機と高段圧縮機の起動時のタイミング制御という簡単な処置で脱調を防止でき、安価に高段圧縮機の脱調防止が可能な装置を得ることができる。
第6発明に係る冷凍装置では、一つのヒートポンプ回路に複数のガスクーラが設けられたエネルギー効率の良い装置において高段圧縮機の脱調を防止して確実にエネルギー効率の改善を図ることができる。
第7発明に係る冷凍装置では、高段圧縮機の脱調防止の効果が有効にはたらく。
第8発明に係る冷凍装置の運転方法では、駆動源に直流同期電動機を用いた高段圧縮機の容量が低段圧縮機よりも小さい場合において高段圧縮機の脱調を防止できる。
第1実施形態の給湯暖房システムの概略を示す構成図。 第1実施形態の給湯暖房システムの制御部の制御系統を示すブロック図。 第1実施形態のヒートポンプ回路の動作を説明するための圧力−エンタルピ線図。 (a)第1実施形態の低段圧縮機と高段圧縮機について起動時の回転速度の変化を示すタイミングチャート。(b)第2実施形態の低段圧縮機と高段圧縮機について起動時の回転速度の変化とバイパス路の開閉のタイミングとの関係を示すタイミングチャート。 第2実施形態の給湯暖房システムの概略を示す構成図。 第2実施形態の変形例の給湯暖房システムの概略を示す構成図。 第3実施形態の給湯暖房システムの概略を示す構成図。 第3実施形態の給湯暖房システムの制御系統を示すブロック図。 第3実施形態のヒートポンプ回路の動作を説明するための圧力−エンタルピ線図。 第3実施形態の変形例の給湯暖房システムの概略を示す構成図。 (a)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す概念図である。(b)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す概念図である。 (a)本発明に適用されるガスクーラの構成を示す斜視図。(b)図11(a)のX−X線端面図。 (a)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す斜視図。(b)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す側面図。 (a)図13(a)のY−Y線端面図。(b)図13(b)のZ−Z線端面図。
〔第1実施形態〕
(1)構成
本発明の第1実施形態による給湯暖房システムの構成について図1及び図2を用いて説明する。図1に示す給湯暖房システム1は、一次冷媒を循環させることにより蒸気圧縮冷凍サイクルを行うヒートポンプ回路2と、給湯用二次冷媒を循環させることにより給湯用の熱エネルギーを供給するための給湯用二次冷媒循環回路3と、暖房用二次冷媒を循環させることにより暖房用の熱エネルギーを供給するための暖房用二次冷媒循環回路4とを備えている。ヒートポンプ回路2と給湯用二次冷媒循環回路3とが結合されており、一次冷媒と給湯用二次冷媒との間の熱交換により給湯用の熱エネルギーが供給される。また、ヒートポンプ回路2と給湯用二次冷媒循環回路3とが結合されており、一次冷媒と暖房用二次冷媒との間の熱交換により暖房用の熱エネルギーが供給される。なお、以下の説明において、ヒートポンプ回路を循環する冷媒(一次冷媒)は二酸化炭素であり、CO2冷媒という。給湯用二次冷媒循環回路を循環する冷媒(給湯用二次冷媒)は給湯水である。暖房用二次冷媒循環回路を循環する冷媒(暖房用二次冷媒)は水であり、暖房用水冷媒という。また、給湯暖房システム1は、ヒートポンプ回路2、給湯用二次冷媒循環回路3、及び暖房用二次冷媒循環回路4を制御するために、図2に示す制御部100を備えている。
ヒートポンプ回路2は、低段圧縮機5と、高段圧縮機6と、第1給湯用ガスクーラ7と、第2給湯用ガスクーラ8と、暖房用ガスクーラ9と、電動弁10と、空気熱交換器11と、液ガス熱交換器12と、インタークーラ13とを接続してなる冷媒回路であり、空気熱交換器11にファン11aが取り付けられている。低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、インバータにより回転速度の制御が可能な容積式圧縮機である。
低段圧縮機5は、圧縮したCO2冷媒を高段圧縮機6にインタークーラ13を経由して送る。インタークーラ13では、低段圧縮機5から吐出されたCO2冷媒と、ラジエータ19からインタークーラ13に送られた暖房用水冷媒との熱交換を行う。高段圧縮機6は、低段圧縮機5で圧縮されたCO2冷媒をさらに圧縮して第1給湯用ガスクーラ7に吐出する。なお、低段圧縮機5と高段圧縮機6とによる二段圧縮において、低段圧縮機5から吐出されて高段圧縮機6に吸入されるCO2冷媒の圧力を中間圧という。
第1給湯用ガスクーラ7は、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒と、第2給湯ガスクーラ8から送られてきた給湯水との熱交換を行う。暖房用ガスクーラ9は、第1給湯用ガスクーラ7から送られてきたCO2冷媒と、ラジエータ19から送られてきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。そして、第2給湯用ガスクーラ8は、暖房用ガスクーラ9から送られてきたCO2冷媒と、ポンプ14により送られてきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。第1給湯用ガスクーラ7、暖房用ガスクーラ9及び第2給湯用ガスクーラ8は、CO2冷媒をこの順で熱交換して、液ガス熱交換器12を経由して電動弁10(膨張機構)に送る。液ガス熱交換器12における熱交換については後述する。
電動弁10は、第1給湯用ガスクーラ8から液ガス熱交換器12を介して送られてきたCO2冷媒を減圧して空気熱交換器11に送る。空気熱交換器11(蒸発器)は、電動弁10から送られてきたCO2冷媒と室外空気との熱交換を行う。その際、ファン11aにより室外空気が空気熱交換器11に送風される。液ガス熱交換器12は、空気熱交換器11で加熱された冷媒と、第2給湯用ガスクーラ8で冷却されたCO2冷媒との熱交換を行う。低段圧縮機5は、液ガス熱交換器12により熱交換されたCO2冷媒を吸入する。
給湯用二次冷媒循環回路3は、ヒートポンプ回路2と共有する第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8に加え、ポンプ14と貯湯タンク15とを備えており、貯湯タンク15に三方弁16が取り付けられている。貯湯タンク15には、例えばステンレス製のサニタリータンクが用いられ、水道水などを給水するための給水口15aと、高温の湯をバスやキッチンに給湯するための出湯口15bと、給湯用二次冷媒循環回路3が低温の給湯水を取るための取水口15cと、給湯用二次冷媒循環回路3が高温の給湯水を供給するための給湯口15dとが設けられている。そして、貯湯タンク15に貯えられる水が底に近いほど冷たくて上壁に近いほど熱いため、給水口15aが貯湯タンク15の底壁に、取水口15cが下部に、給湯口15dが上部に、出湯口15bが上壁に配置されている。
給湯用二次冷媒循環回路3の給湯水はポンプ14により循環される。ポンプ14は、貯湯タンク15の取水口15cから例えば20℃の給湯水を取水して第2給湯用ガスクーラ8に送る。第2給湯用ガスクーラ8は、ポンプ14から送られてきた給湯水を、暖房用ガスクーラ9から送られてきたCO2冷媒との熱交換により加熱する。第1給湯用ガスクーラ7は、第2給湯用ガスクーラ7で加熱された給湯水を、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒との熱交換によりさらに加熱する。それにより、第1給湯用ガスクーラ7から例えば90℃程度の高温の給湯水が貯湯タンク15の給湯口15dに戻される。貯湯タンク15よりバスやキッチンに給湯するときは、例えば、貯湯タンク15の出湯口15bから出た湯と給湯口15aに供給される給湯水とを三方弁16で混合して給湯する。
暖房用二次冷媒循環回路4は、ヒートポンプ回路2と共有する暖房用ガスクーラ9及びインタークーラ13に加え、三方弁17とポンプ18とラジエータ19とを備えている。暖房用二次冷媒循環回路4の暖房用水冷媒はポンプ18により循環される。暖房用水冷媒は、例えばラジエータ19に供給されるときの温度が60℃で、ラジエータ19から戻されるときの温度が40℃である。
ラジエータ19は、室内空気と暖房用水冷媒と間で熱交換を行って室内に放熱する。ラジエータ19で熱交換が行われた暖房用水冷媒は、暖房用ガスクーラ9とインタークーラ13とに分配される。暖房用ガスクーラ7は、第1給湯用ガスクーラ7から送られてきたCO2冷媒との熱交換により、ラジエータ19から戻ってきた暖房用水冷媒を60℃よりも高い温度、例えば65℃まで加熱する。インタークーラ13の果たす役割が高段圧縮機6に吸入されるCO2冷媒の冷却にあるため、インタークーラ13を出る暖房用水冷媒の温度はラジエータ19に送られる暖房用水冷媒が有するべき温度、例えば60℃よりも低くなっている。三方弁17は、暖房用ガスクーラ9とインタークーラ13から送られてきた暖房用水冷媒を混合する。この三方弁17での混合の割合に応じて、暖房用ガスクーラ9とインタークーラ13に分配される冷媒量が決まる。また、三方弁17における混合割合によりポンプ18からラジエータ19に送られる暖房用水冷媒の温度が決まる。
図2に給湯暖房システムの制御系統を示す。制御部100は、ヒートポンプ回路2の低段圧縮機5と高段圧縮機6と電動弁10とファン11aと電磁弁21aの制御を行い、給湯用二次冷媒循環回路3のポンプ14の制御を行い、さらに暖房用二次冷媒循環回路4の三方弁17及びポンプ18の制御を行う。ヒートポンプ回路2において、低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、制御部100により、オン・オフと回転速度(回転周波数)が制御される。また、制御部100により、電動弁10は開度が調節され、ファン11aは送風量が調節され、電磁弁21aは開閉が制御される。給湯用二次冷媒循環回路3において、ポンプ14は制御部100によりオン・オフと冷媒循環量が制御される。暖房用二次冷媒循環回路4において、制御部100により、三方弁17は混合割合が制御され、ポンプ18はオン・オフと冷媒循環量が制御される。そのため、制御部100には、ヒートポンプ回路2のCO2冷媒、給湯用二次冷媒循環回路3の給湯水及び暖房用二次冷媒循環回路4の暖房用二次冷媒の温度などを測定する温度センサや、ヒートポンプ回路2の低段圧縮機5や高段圧縮機6の吐出圧や吸入圧などを測定する圧力センサから測定結果が入力される。
(2)動作の概要
図1に示す給湯暖房システム1では、ヒートポンプ回路2の冷凍サイクルによるヒートポンプ回路2のCO2冷媒との熱交換により、第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8で給湯水が加熱され、暖房用ガスクーラ9で暖房用水冷媒が加熱される。加熱された給湯水は、給湯用二次冷媒循環回路3を循環して貯湯タンク15に貯えられ、加熱された暖房用水冷媒を用いて暖房用二次冷媒循環回路4ではラジエータ19による暖房が行われる。その際に、ヒートポンプ回路2の冷凍サイクルにおいては、低段圧縮機5と高段圧縮機6によるCO2冷媒の二段圧縮が用いられ、インタークーラ13により中間冷却されたCO2冷媒と給湯水及び暖房用水冷媒との間で熱交換を行うことによってエネルギー効率の改善が図られている。そのため、低段圧縮機5及び高段圧縮機6の二段圧縮により、給湯負荷と暖房負荷を合わせた大きな負荷に対応しており、大きな冷媒循環量が賄われている。
また、第1給湯用ガスクーラ7と暖房用ガスクーラ9と第2給湯用ガスクーラ8とをヒートポンプ回路2において直列に接続して、二次冷媒の加熱において、第1給湯用ガスクーラ7が高温域、暖房用ガスクーラ9が中温域に使われることにより、給湯用二次冷媒循環回路3及び暖房用二次冷媒循環回路4の同時使用時に高い成績係数を得ることができる。さらに、第2給湯用ガスクーラ8が給湯水の低温域の加熱に使われることにより、さらに成績係数の改善効果がある。
(3)運転時の動作
暖房運転と給湯運転が並行して行われる通常運転時には、ヒートポンプ回路2において、制御部100により電磁弁21aが閉止され、CO2冷媒は低段圧縮機5を流れる。また、制御部100により、電動弁10の開度が調節され、電動弁10で減圧が行われる。通常運転時においては、低段圧縮機5に対する高段圧縮機6の圧縮比の割合(高段圧縮比/低段圧縮比)は1になるよう、制御部100により回転周波数が制御される。給湯と暖房を並行して行う通常運転の場合の圧力−エンタルピ線図を図3に示す。
ヒートポンプ回路2において、低圧のCO2冷媒(図1、図3の点A参照)は、低段圧縮機5に吸入されて中間圧まで圧縮された後、インタークーラ13に対して吐出される(図1、図3の点B参照)。インタークーラ13において、中間圧のCO2冷媒は暖房用水冷媒と熱交換を行うことで冷却される(図1、図3の点C参照)。このインタークーラ13において冷却されたCO2冷媒は、次に、高段圧縮機6に吸入されてさらに圧縮され、高段圧縮機6から第1給湯用ガスクーラ7に吐出される(図1、図3の点D参照)。低段圧縮機5と高段圧縮機6による二段圧縮によって、CO2冷媒が臨界圧力(すなわち、図3に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。このとき、低段圧縮機5と高段圧縮機6の圧縮比が同じになっており、そのため図3から分かるように、第1給湯ガスクーラ7に送られるCO2冷媒の温度は100℃を超える状態になる。
第1給湯ガスクーラ7では、100℃を超えるCO2冷媒と給湯水との熱交換が行われる。これにより、第1給湯ガスクーラ7において、給湯水を例えば90℃まで容易に加熱することができる。次に、第1給湯用ガスクーラ7で熱交換を終えたCO2冷媒は、暖房用ガスクーラ9に送られ、暖房用水冷媒との間で熱交換を行って、暖房用水冷媒を例えば40℃から65℃に加熱するのに用いられる。さらに、暖房用ガスクーラ9で熱交換を終えたCO2冷媒は第2給湯用ガスクーラ8に送られ、第2給湯用ガスクーラ8でCO2冷媒と給湯水との熱交換が行われ、給湯水が例えば20℃から30℃に加熱される一方、CO2冷媒が冷却される(図1、図3の点E参照)。
第2給湯用ガスクーラ8で熱交換を終えたCO2冷媒は、液ガス熱交換器12においてさらに冷却される(図1、図3の点F参照)。液ガス熱交換器12で熱交換を終えたCO2冷媒は、電動弁10で減圧されるが、液ガス熱交換器12による熱交換により電動弁10に送られるCO2冷媒の過冷却度が大きくなっているので、電動弁10においてフラッシュガスが発生し難くなっている。電動弁10で減圧されたCO2冷媒は、気液二相状態になり、空気熱交換器11に送られる(図1、図3の点G参照)。空気熱交換器11において室外空気で加熱されたCO2冷媒は、飽和ガス冷媒になり(図1、図3の点H参照)、液ガス交換器12に送られる。液ガス交換器12では、第2給湯用ガスクーラ8で熱交換を終えたCO2冷媒と空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒とが熱交換されることにより、空気熱交換器11から送られてきたCO2冷媒の過熱度が大きくなる(図1、図3の点A参照)。液ガス熱交換器12で加熱されたCO2冷媒は、低段圧縮機5の吸入口に送られる。液ガス熱交換器12による熱交換により液ガス熱交換器12から低段圧縮機5に送られるCO2冷媒の過熱度を大きくすることで、低段圧縮機5が湿り蒸気を吸込むことによる湿り圧縮または液圧縮になるのを防いでいる。液ガス熱交換器12は、第1給湯用ガスクーラ7、暖房用ガスクーラ9及び第2給湯用ガスクーラ8のように複数のガスクーラがある場合に、機能するガスクーラの数が変っても十分な効果を発揮できる。
給湯用二次冷媒循環回路3では、貯湯タンク15の下部の取水口15cから取水された例えば20℃程度の水がポンプ14により第2給湯用ガスクーラ8及び第1給湯用ガスクーラ7に送られ、第2給湯用ガスクーラ8で例えば20℃から30℃に加熱され、さらに第1給湯用ガスクーラ7で例えば30℃から90℃まで加熱される。第2給湯用ガスクーラ8で30℃に加熱された給湯水が第1給湯用ガスクーラ7で90℃に加熱されるのでエネルギー効率がよくなる。そして、第1給湯用ガスクーラ7で90℃に加熱された高温の湯が、貯湯タンク15の上部の給湯口15dに戻される。
暖房用二次冷媒循環回路4は、給湯用二次冷媒循環回路3と並行して動作しているが、暖房負荷の方が給湯負荷よりも大きく、例えば暖房負荷が給湯負荷の10倍程度である。暖房用二次冷媒循環回路4では、ラジエータ19に例えば60℃程度の温水がポンプ18から送られる。そのために、暖房用ガスクーラ9で加熱されて例えば65℃になった温水と、インタークーラ13でCO2冷媒を冷やすことにより温まった水とを三方弁17で適当な割合で混合して60℃の温水を得ている。
(4)起動制御
起動時は、図4(a)に示すように、制御部100により低段圧縮機5と高段圧縮機6とが回転を始めるタイミングと回転速度が制御される。図4(a)において、時間a0からb0までは、低段圧縮機5及び高段圧縮機6が停止している状態である。高段圧縮機6は、時間b0から回転を始め、時間d0までは低速で回転する。低段圧縮機5は、高段圧縮機6が回転を始めてから所定時間(c0−b0)が経過した後の時間c0から回転を始める。高段圧縮機6が所定時間(c0−b0)を経過するまで単独で回転しているので、低段圧縮機5の吐出口と高段圧縮機6の吸入口との間にあるCO2冷媒が高段圧縮機6により吐出され、低段圧縮機5からCO2冷媒の供給がない状態が生じる。そのため、高段圧縮機6の吸入側の圧力が停止時に比べて低下する。
時間c0から時間d0までは低段圧縮機5と高段圧縮機6がともに低速で回転しており、ほぼ同量のCO2冷媒が低段圧縮機5と高段圧縮機6から吐出されるため、低段圧縮機5が回転を始めても高段圧縮機6の吸入口の圧力が時間c0の状態を維持することになる。つまり、起動のタイミングを遅らせることにより、低段圧縮機5の起動時に高段圧縮機6の吸入口に過剰な圧力が掛かることが防がれる。
次に、低段圧縮機5および高段圧縮機6の回転速度が制御部100により中速まで引き上げられるが、中速に上げるタイミングは、高段圧縮機6のタイミングd0に比べて低段圧縮機5のタイミングe0が遅れるように制御される。そして、時間f0までは低段圧縮機5も高段圧縮機6も中速で回転してほぼ同量のCO2冷媒が低段圧縮機5と高段圧縮機6から吐出されるため、低段圧縮機5が回転を始めても高段圧縮機6の吸入口の圧力が時間c0の状態を維持する。
さらに、低段圧縮機5および高段圧縮機6の回転速度が制御部100により高速まで引き上げられるが、高速に上げるタイミングは、高段圧縮機6のタイミングf0に比べて低段圧縮機5のタイミングg0が遅れるように制御される。そして、時間h0までは低段圧縮機5も高段圧縮機6も高速で回転してほぼ同量のCO2冷媒が低段圧縮機5と高段圧縮機6から吐出されるため、低段圧縮機5が回転を始めても高段圧縮機6の吸入口の圧力が時間e0の状態を維持する。
起動後に、低段圧縮機5及び高段圧縮機6の回転速度を低速から中速に、また中速から高速に引き上げる際にも低段圧縮機5の回転速度を上げるタイミングを高段圧縮機6の回転速度を上げるタイミングより遅らせているので、低段圧縮機5の回転速度の上昇時に低段圧縮機5及び高段圧縮機6がともに低速または中速で回転していた状態の高段圧縮機6の吸入口の圧力よりも高い圧力が低段圧縮機5の吐出口で急激に生じるのを防ぐことができる。
その後さらに回転速度が上がる定常の制御に移るのであるが、定常制御に移るタイミングは、高段圧縮機6のタイミングh0に比べて低段圧縮機5のタイミングi0が遅れるように制御される。
なお、起動制御の準備として、運転停止時の低段圧縮機5および高段圧縮機6の停止のタイミングを制御することができる。運転停止時において、少なくとも、低段圧縮機5よりも高段圧縮機6が先に停止しないように制御部100により制御することができる。
(5)運転の停止
通常運転時、暖房のみの運転及び給湯のみの運転のいずれの場合でも、給湯暖房システム1を停止するときは、制御部100は、ヒートポンプ回路2の高段圧縮機6を停止させてから、数十秒から数分程度経過したのちに、給湯用二次冷媒循環回路3のポンプ14及びまたは暖房用二次冷媒循環回路4のポンプ18を停止させる制御を行う。高段圧縮機6が停止することによりCO2冷媒の循環が停止する。このときポンプ14,18が駆動していることから給湯水や暖房用二次冷場は給湯用二次冷媒循環回路3や暖房用二次冷媒循環回路4を循環している。そのため、第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9内で停止したCO2冷媒が給湯水や暖房用水冷媒との熱交換によって冷やされ、ポンプ14,18が停止して第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9内に水が滞留しても水の温度上昇が抑制され、沸騰やスケールの析出などの不具合が防止される。
〔第2実施形態〕
(1)構成
本発明の第2実施形態による給湯暖房システムについて図5を用いて説明する。図5に示す給湯暖房システム1Aは、一次冷媒を循環させることにより蒸気圧縮冷凍サイクルを行うヒートポンプ回路2Aと、給湯用二次冷媒循環回路3と、暖房用二次冷媒循環回路4とを備えている。図2に示す給湯暖房システム1Aが図1の給湯暖房システム1の構成と異なるのは、ヒートポンプ回路2Aの構成である。
図1の基本構成のヒートポンプ回路2と比較して分かるように、第1実施形態のヒートポンプ回路2Aは、バイパス路21をさらに備えている。従ってバイパス路21以外のヒートポンプ回路2Aの構成はヒートポンプ回路2において既に説明されているので、ここでは説明を省略する。
バイパス路21は、入口を高段圧縮機6の吸入口とインタークーラ13との間に接続され、出口を高段圧縮機6の吐出口と第1給湯用ガスクーラ7との間に接続されている。バイパス路21には、電磁弁21aが設けられている。この電磁弁21aは、制御部100により制御されて、定常運転時に閉止されており、起動時に開放される。バイパス路21の役割が圧力を逃がすことにあるため、バイパス路21の配管の直径は低段圧縮機5の吐出口と高段圧縮機6の吸入口とを結ぶ配管に比べて小さくなっている。
(2)動作
定常運転時には、電磁弁21aが閉止されており、バイパス路21が機能しない。バイパス路21を除いた図5の給湯暖房システム1Aの構成は、図1の給湯暖房システム1の構成と同じであり、定常運転については、給湯暖房システム1Aと給湯暖房システム1が同じ動作をする。そのため、ここでは定常運転時における給湯暖房システム1Aの動作の説明は省略する。
(3)起動時の動作
起動時は、図4(b)に示すように、制御部100により、電磁弁21aの開閉及び低段圧縮機5と高段圧縮機6とが回転を始めるタイミングと回転速度が制御される。図4(b)において、時間a1からc1までは、低段圧縮機5及び高段圧縮機6が停止している状態である。低段圧縮機5及び高段圧縮機6がともに停止している状態において、先ず電磁弁21aが時間b1に開放される。
高段圧縮機6は、時間c1から回転を始め、時間e1までは低速で回転する。このときバイパス路21により圧力が逃げるため、高段圧縮機6は無負荷状態で運転されている。低段圧縮機5は、高段圧縮機6が回転を始めてから所定時間(d1−c1)が経過した後の時間d1から回転を始める。低段圧縮機5の起動時の圧力がバイパス路21により逃がされて高段圧縮機6の吸入口の圧力変動が小さくなっているが、低段圧縮機5を高段圧縮機6より後に起動することにより、高段圧縮機6の吸入口の圧力変動がさらに抑えられる。時間d1から時間e1までは低段圧縮機5と高段圧縮機6がともに低速で回転しており、ほぼ同量のCO2冷媒が低段圧縮機5と高段圧縮機6から吐出される。
次に、低段圧縮機5および高段圧縮機6の回転速度が制御部100により中速まで引き上げられるが、中速に上げるタイミングは、高段圧縮機6のタイミングe1に比べて低段圧縮機5のタイミングf1が遅れるように制御される。そして、時間g1までは低段圧縮機5も高段圧縮機6も中速で回転してほぼ同量のCO2冷媒が低段圧縮機5と高段圧縮機6から吐出される。さらに、低段圧縮機5および高段圧縮機6の回転速度が制御部100により高速まで引き上げられるが、高速に上げるタイミングは、高段圧縮機6のタイミングg1に比べて低段圧縮機5のタイミングh1が遅れるように制御される。そして、時間i1までは低段圧縮機5も高段圧縮機6も高速で回転してほぼ同量のCO2冷媒が低段圧縮機5と高段圧縮機6から吐出される。
起動後に、低段圧縮機5及び高段圧縮機6の回転速度を低速から中速に、また中速から高速に引き上げる際にも低段圧縮機5の回転速度を上げるタイミングを高段圧縮機6の回転速度を上げるタイミングより遅らせているので、バイパス路21により圧力を逃がす効果とあいまって低段圧縮機5の回転速度上昇時における高段圧縮機6の吸入口の圧力変動をさらに小さくすることができる。
その後さらに回転速度が上がる定常の制御に移るのであるが、定常制御に移るタイミングは、高段圧縮機6のタイミングi1に比べて低段圧縮機5のタイミングj1が遅れるように制御される。定常制御に移行するため、バイパス路21が時間i1に閉じられる。
なお、起動制御の準備として、運転停止時の低段圧縮機5および高段圧縮機6の停止のタイミングを制御することができるのは、第1実施形態と同様である。
<変形例>
第2実施形態の給湯暖房システム1Aでは、バイパス路21の入口をインタークーラ13と高段圧縮機6の吸入口との間に接続し、バイパス路21の出口を高段圧縮機6の吐出口と第1給湯用ガスクーラ7との間に接続している。しかし、バイパス路の入口の接続場所は、低段圧縮機5の吐出口から高段圧縮機6の吸入口とを結ぶ経路のどこかにあればよく、例えば低段圧縮機5の吐出口とインタークーラ13との間にであってもよい。また、バイパス路の出口の接続場所は、ヒートポンプ回路において、高段圧縮機6の吐出口から低段圧縮機5の吸入口までのいずれかであればよい。図6の給湯暖房システム1Bは、図5の給湯暖房システム1Aと比べてバイパス路22の接続位置を変えた一例である。図6の給湯暖房システム1Bにおいて、バイパス路22は、入口を低段圧縮機5の吐出口とインタークーラ13との間に接続し、出口を低段圧縮機5の吸入口と液ガス熱交換器12との間に接続している。そして、バイパス路22の開閉は、制御部100により制御されている開閉弁22aによって行われる。定常運転時には開閉弁22aが閉止され、起動時には開閉弁22aが開放されて、第2実施形態の給湯暖房システム1Aと同様の動作を行う。
〔第3実施形態〕
(1)構成
本発明の第3実施形態による給湯暖房システムの構成について図7を用いて説明する。図7に示す給湯暖房システム1Cは、一次冷媒を循環させることにより蒸気圧縮冷凍サイクルを行うヒートポンプ回路2Cと、給湯用二次冷媒循環回路3と、暖房用二次冷媒循環回路4とを備えている。また、給湯暖房システム1Cは、図8に示すような、ヒートポンプ回路2C、給湯用二次冷媒循環回路3、及び暖房用二次冷媒循環回路4を制御するための制御部100Aを有する。
ヒートポンプ回路2Cは、低段圧縮機5と、高段圧縮機6と、第1給湯用ガスクーラ7と、第2給湯用ガスクーラ8と、暖房用ガスクーラ9と、第1電動弁10aと、第2電動弁10bと、第3電動弁10cと、空気熱交換器11と、液ガス熱交換器12と、インタークーラ13と、エコノマイザ熱交換器60とを接続してなる冷媒回路であり、空気熱交換器11にファン11aが取り付けられている。低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、インバータにより回転速度の制御が可能な容積式圧縮機である。
低段圧縮機5は、圧縮したCO2冷媒を高段圧縮機6にインタークーラ13を経由して送る。インタークーラ13では、低段圧縮機5から吐出されたCO2冷媒と、ラジエータ19からインタークーラ13に送られた暖房用水冷媒との熱交換を行う。高段圧縮機6は、低段圧縮機5で圧縮されたCO2冷媒とエコノマイザ熱交換器60からインジェクションされた中間圧のCO2冷媒とをさらに圧縮して第1給湯用ガスクーラ7、暖房用ガスクーラ9及び第2給湯用ガスクーラ8に送る。
第1給湯用ガスクーラ7、暖房用ガスクーラ9及び第2給湯用ガスクーラ8は、CO2冷媒をこの順で熱交換して、エコノマイザ熱交換器60と第3電動弁10cに送る。第1給湯用ガスクーラ7は、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒と、第2給湯ガスクーラ8から送られてきた給湯水との熱交換を行う。暖房用ガスクーラ9は、第1給湯用ガスクーラ7から送られてきたCO2冷媒と、ラジエータ19から送られてきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。そして、第2給湯用ガスクーラ8は、暖房用ガスクーラ9から送られてきたCO2冷媒と、ポンプ14により送られてきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。
第3電動弁10cは、開いているときにエコノマイザ熱交換器60へ中間圧のCO2冷媒の供給を行い、閉じているときは供給を行わない。エコノマイザ熱交換器60は、第2給湯用ガスクーラ8から直接送られる高圧のCO2冷媒と、第3電動弁10cを介して送られる中間圧のCO2冷媒を受ける。そのため、エコノマイザ熱交換器60は、第3電動弁10cが開いているときに、第3電動弁10cで減圧された中間圧のCO2冷媒と、第2給湯ガスクーラ8から送られた高圧のCO2冷媒の熱交換を行う。一方、第3電動弁10cが閉じている時には、エコノマイザ熱交換器60は第2給湯用ガスクーラ7から送られたCO2冷媒をそのまま通過させる。エコノマイザ熱交換器60を出た高圧のCO2冷媒は、液ガス熱交換器を経由して第1電動弁10aへ送られるかまたは、第3電動弁10cに送られる。液ガス熱交換器12における熱交換については後述する。一方、中間圧のCO2冷媒は、エコノマイザ熱交換器60を出た後、高段圧縮機6の吸入口に送られる。
第1電動弁10aと第2電動弁10bは、エコノマイザ熱交換器50を出た高圧のCO2冷媒の減圧を行う。空気熱交換器11(蒸発器)は、第1電動弁10aまたは第2電動弁10bから送られてきたCO2冷媒と室外空気との熱交換を行う。その際、ファン11aにより室外空気が空気熱交換器11に送風される。液ガス熱交換器12は、空気熱交換器11で加熱された冷媒と、エコノマイザ熱交換器60を通過したCO2冷媒との熱交換を行う。低段圧縮機5は、液ガス熱交換器12により熱交換されたCO2冷媒を吸入する。
図7に示す給湯用二次冷媒循環回路3及び暖房用二次冷媒循環回路4の構成は、図1に示した第1実施形態の給湯用二次冷媒循環回路3及び暖房用二次冷媒循環回路4の構成と同じであるので説明を省略する。
図8に示す制御部100Aは、ヒートポンプ回路2Cの低段圧縮機5と高段圧縮機6と第1電動弁10aと第2電動弁10bと第3電動弁10cとファン11aの制御を行い、給湯用二次冷媒循環回路3のポンプ14の制御を行い、さらに暖房用二次冷媒循環回路4の三方弁17及びポンプ18の制御を行う。ヒートポンプ回路2Cにおいて、低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、制御部100Aにより、オン・オフと回転周波数が制御される。また、制御部100Aにより、第1電動弁10a、第2電動弁10b及び第3電動弁10cは開度が調節され、ファン11aは送風量が調節される。なお、第1電動弁10a、第2電動弁10b及び第3電動弁10cは制御部100Aの制御によって閉じることもできる。給湯用二次冷媒循環回路3において、ポンプ14は制御部100Aによりオン・オフと冷媒循環量が制御される。暖房用二次冷媒循環回路4において、制御部100Aにより、三方弁17は混合割合が制御され、ポンプ18はオン・オフと冷媒循環量が制御される。そのため、制御部100Aには、ヒートポンプ回路2CのCO2冷媒、給湯用二次冷媒循環回路3の給湯水及び暖房用二次冷媒循環回路4の暖房用二次冷媒の温度などを測定する温度センサや、ヒートポンプ回路2Cの低段圧縮機5や高段圧縮機6の吐出圧や吸入圧などを測定する圧力センサから測定結果が入力される。
(2)動作の概要
図7に示す給湯暖房システム1Cでは、ヒートポンプ回路2Cの冷凍サイクルによるヒートポンプ回路2CのCO2冷媒との熱交換により、第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8で給湯水が加熱され、暖房用ガスクーラ9で暖房用水冷媒が加熱される。加熱された給湯水は、給湯用二次冷媒循環回路3を循環して貯湯タンク15に貯えられ、加熱された暖房用水冷媒を用いて暖房用二次冷媒循環回路4ではラジエータ19による暖房が行われる。その際に、ヒートポンプ回路2Cの冷凍サイクルにおいては、低段圧縮機5と高段圧縮機6によるCO2の二段圧縮が用いられ、インタークーラ13やエコノマイザ熱交換器60により中間冷却されたCO2と給湯水及び暖房用水冷媒との間で熱交換を行うことによってエネルギー効率の改善が図られている。また、第1給湯用ガスクーラ7と暖房用ガスクーラ9と第2給湯用ガスクーラ8とをヒートポンプ回路2において直列に接続して給湯暖房システム1Cの成績係数の改善が図られ、暖房と給湯の両方が必要なときに高い成績係数を得られかつ、夏季などの暖房の需要がない場合や給湯のための熱エネルギー供給が必要ないときなどに給湯のみの運転や暖房のみの運転を行うことができるようになっているのは、第1実施形態の給湯暖房システム1と同じである。そこで以下、暖房と給湯とが並行して行われる通常運転と、暖房のみの運転と、給湯のみの運転とに場合を分けて動作の説明を行う。
(3)通常運転
暖房運転と給湯運転が並行して行われる通常運転時には、ヒートポンプ回路2Cにおいて、第2電動弁10b及び第3電動弁10cが閉止され、第1電動弁10aの開度が調節される。それにより、エコノマイザ熱交換器60の機能が停止され、エコノマイザ熱交換器60を通過したCO2冷媒が電動弁10aを経由して空気熱交換器11に送られる。また、低段圧縮機5に対する高段圧縮機6の圧縮比の割合(高段圧縮比/低段圧縮比)は1になるよう、制御部100Aにより回転周波数が制御される。このような設定で、給湯と暖房を並行して行う通常運転の場合の圧力−エンタルピ線図は図3と同じになる。
図7の第2電動弁10b及び第3電動弁10cを閉じることにより、ヒートポンプ回路1Cの運転状態は、エコノマイザ熱交換器60が設けられていない図1のヒートポンプ回路2の通常運転時と同じになる。つまり、CO2冷媒は全て第2給湯用ガスクーラ8から液ガス熱交換器12を経由して第1電動弁10aに送られる。給湯暖房システム1Cの通常運転時の動作が給湯暖房システム1の通常運転時の動作と同じになることから、給湯暖房システム1Cの通常運転の説明は省略する。
(4)暖房のみの運転
暖房運転のみが行われる時には、ヒートポンプ回路2Cにおいて、第1電動弁10aが閉止され、第2電動弁10b及び第3電動弁10cの開度が調節される。制御部100Aにより高段圧縮比/低段圧縮比は1に調整される。暖房のみの運転であるため、制御部100Aによってポンプ14がオフにされ、給湯用二次冷媒循環回路3において給湯水の循環が停止される。このような暖房運転のみを行う場合の圧力−エンタルピ線図を図9に示す。
ヒートポンプ回路2Cにおいて、低圧のCO2冷媒(図7、図9の点A1参照)は、低段圧縮機5に吸入されて中間圧まで圧縮された後、インタークーラ13に対して吐出される(図7、図9の点B1参照)。低圧のCO2冷媒は液ガス熱交換器12で熱交換が行われていないため、通常運転時に比べて過熱度が小さくなっている。そのため、低段圧縮機5から吐出されるCO2冷媒の温度も低くなる。
中間圧のCO2冷媒は、インタークーラ13において暖房用水冷媒と熱交換を行うことで冷却されており、さらにエコノマイザ熱交換器60によるガス冷媒のインジェクションにより温度が下がる(図7、図9の点C1参照)。
インタークーラ13及びエコノマイザ熱交換器60による冷却を受けた中間圧のCO2冷媒は、次に、高段圧縮機6に吸入されてさらに圧縮され、高段圧縮機6から第1給湯用ガスクーラ7に吐出されるが(図7、図9の点D1参照)、図9の点D1の方が図3の点Dよりも温度が低くなっており、暖房のみの場合にはCO2冷媒の温度が100℃よりも小さくなる。これにより、第1給湯ガスクーラ7における給湯水の沸騰が防止される。低段圧縮機5と高段圧縮機6による二段圧縮によって、CO2冷媒が臨界圧力を超える圧力まで圧縮されるのは、通常運転時のときと同じである。
さらに、第1給湯用ガスクーラ7を出たCO2冷媒は暖房用ガスクーラ9に送られ、暖房用ガスクーラ9でCO2冷媒と暖房用水冷媒との熱交換が行われ、暖房用水冷媒が例えば40℃から65℃に加熱される。暖房用ガスクーラ9で冷却されたCO2冷媒はさらに第2給湯用ガスクーラ8に送られるが、第2給湯用ガスクーラ8でCO2冷媒と給湯水との熱交換は行われない。
第2給湯用ガスクーラ8を出たCO2冷媒(図7、図9の点E1参照)は、エコノマイザ熱交換器60を通して第2電動弁10bに送られるものと、第3電動弁10cに送られるものに分かれる。エコノマイザ熱交換器60を通して第2電動弁10bに送られるCO2冷媒は、エコノマイザ熱交換器60において冷却される(図7、図9の点F1参照)。エコノマイザ熱交換器60から第3電動弁10cに送られるCO2冷媒は、エコノマイザ熱交換器60により過冷却度が大きくなっているため、第1電動弁10aにおいてフラッシュガスが発生し難くなる。一方、第3電動弁10cで、超臨界状態のCO2冷媒は低圧の気液二相状態のCO2冷媒になるまで減圧される(図7、図9の点I参照)。第3電動弁10cからエコノマイザ熱交換器60に送られる気液二相状態のCO2冷媒は、エコノマイザ熱交換器60で加熱され(図7、図9の点J参照)、高段圧縮機6の吸入側にインジェクションされる(図7、図9の点C1参照)。
第1電動弁10aで減圧されたCO2冷媒は、気液二相状態になり、空気熱交換器11に送られる(図7、図9の点G参照)。空気熱交換器11において室外空気で加熱されたCO2冷媒は、蒸発し(図7、図9の点A1参照)、低段圧縮機5の吸入口に送られる。このとき第1電動弁10aは閉止されているため液ガス熱交換器12では熱交換が行われない。
給湯用二次冷媒循環回路3では、ポンプ14が停止しているので給湯水の循環はない。このとき、第1給湯用ガスクーラ7に滞留している水は、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒との間の熱交換により加熱されるが、CO2冷媒の温度が100℃より低くなっているので沸騰することはない。CO2冷媒の温度は、第1給湯用ガスクーラ7内でのスケールの析出を抑えるには80℃より低いことが好ましく、スケールの析出を防止するには70℃より低いことが好ましい。例えば、エコノマイザ熱交換器60によりインジェクションされるガス冷媒を多くすることにより、高段圧縮機6から吐出されるCO2冷媒の温度を下げることができる。
暖房用二次冷媒循環回路4は、給湯用二次冷媒循環回路3が停止しているため単独で動作しているが、そのため、給湯負荷がなくなった分だけCO2冷媒と暖房用水冷媒との熱交換量を多くする必要がある場合には、例えばポンプ18による暖房用水冷媒の循環量を多くするように制御部100Aにより制御することができる。それにより、通常運転時と同様に、暖房用二次冷媒循環回路4では、ラジエータ19に例えば60℃程度の温水がポンプ18から送られる。
(5)給湯のみの運転
暖房負荷がないときに給湯のみの運転を行う場合には、ヒートポンプ回路2Cにおいて、第1電動弁10aが閉止され、第2電動弁10b,10cの開度が調節される。制御部100Aにより高段圧縮比/低段圧縮比は1に調整される。給湯のみの運転であるため、制御部100Aによってポンプ18がオフにされ、暖房用二次冷媒循環回路4において暖房用水冷媒の循環が停止される。
給湯のみの運転を行う場合も、ヒートポンプ回路2Cにおいて、暖房のみの運転を行う場合と同様の動作が行われる。それにより、高段圧縮機6から吐出されるCO2冷媒の温度を100℃より低くすることができ、暖房用ガスクーラ9で滞留している水とCO2冷媒との間で熱交換で水の温度が上昇することによる不具合の発生が防止される。
(6)起動時の動作
第3実施形態の給湯暖房システム1C(図7参照)では、電動弁10cが設けられているエコノマイザ熱交換器60の中間圧インジェクション路61が、図5の第2実施形態の給湯システム1Aにおけるバイパス路21に相当する。そして、第3実施形態の給湯暖房システム1Cの起動時には、図4(b)に示した第2実施形態の給湯暖房システム1Aと類似の制御が行われる。給湯暖房システム1Aでは起動時に電磁弁21aの開閉を行ってバイパス路21の閉止開放解放を制御しているが、給湯暖房システム1Cでは起動時における中間圧インジェクション路61の閉止開放を電動弁10cで制御している。給湯暖房システム1Cの低段圧縮機5及び高段圧縮機6が図4(b)のタイミングで回転速度の変更を制御されているとすると、時間b1で電動弁10cが開放され、時間i1で電動弁10cが閉じられる。ただし、給湯暖房システム1Cの場合は、第2実施形態の給湯暖房システム1Aと異なり、起動直後からエコノマイザ熱交換器60を使用する場合には、電動弁10cを閉じる工程を省いて時間i1のタイミングで開度の調節を行って中間圧インジェクションが行えるような状態にすることもできる。
(7)運転の停止
通常運転時、暖房のみの運転及び給湯のみの運転のいずれの場合でも、給湯暖房システム1Cを停止するときは、制御部100Aは、ヒートポンプ回路2Cの高段圧縮機6を停止させてから、数十秒から数分程度経過したのちに、給湯用二次冷媒循環回路3のポンプ14及びまたは暖房用二次冷媒循環回路4のポンプ18を停止させる制御を行う。高段圧縮機6が停止することによりCO2冷媒の循環が停止する。このときポンプ14,18が駆動していることから給湯水や暖房用二次冷場は給湯用二次冷媒循環回路3や暖房用二次冷媒循環回路4を循環している。そのため、第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9内で停止したCO2冷媒が給湯水や暖房用水冷媒との熱交換によって冷やされ、ポンプ14,18が停止して第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9内に水が滞留しても水の温度上昇が抑制され、沸騰やスケールの析出などの不具合が防止される。
<変形例>
(a)
上述の第3実施形態では、エコノマイザ熱交換器60により中間圧インジェクションを行っているが、図10に示すように、気液分離器70を用いて中間圧インジェクションを行う場合にも第3実施形態と同様に中間圧インジェクション路を起動時のバイパス路として用いることができる。図10に示す給湯暖房システム1Dと第3実施形態の給湯暖房システム1C(図7参照)が構成上で異なるところは、第2給湯用ガスクーラ8と空気熱交換器11との間の構成である。
第2給湯用ガスクーラ8は液ガス熱交換器12を介して電動弁10eに接続され、また電動弁10fにも接続されている。液ガス熱交換器12は、第2給湯用ガスクーラ8から電動弁10eに送られる超臨界状のCO2冷媒と、空気熱交換器11から低段圧縮機5に送られる低圧のCO2冷媒との間で熱交換を行う。電動弁10e,10fは気液分離器70の冷媒流入管に接続されている。気液分離器70の液流出管は電動弁10gに接続され、気液分離器70のガス流出管は中間圧インジェクション路71の入口に接続されている。この中間圧インジェクション路71の出口は高段圧縮機6の吸入口とインタークーラ13とを結ぶ経路に接続されており、中間圧インジェクション路71には開閉弁71aが設けられている。また、電動弁10gは空気熱交換器11に接続されている。
給湯暖房システム1Dの運転は、給湯暖房システム1Cの運転におけるエコノマイザ熱交換器60を気液分離器70に置き代えたものになる。
暖房運転と給湯運転が並行して行われる通常運転時には、ヒートポンプ回路2Dにおいて、電動弁10f及び開閉弁71aが閉止され、電動弁10eが全開にされ、電動弁10gの開度が調節される。それにより、気液分離器70の機能が停止され、気液分離器70を通過したCO2冷媒が電動弁10gで気液二相になる低圧まで減圧されて空気熱交換器11に送られる。
暖房運転のみが行われる時には、ヒートポンプ回路2Dにおいて、電動弁10eが閉止され、開閉弁71aが開放され、電動弁10f,10gの開度が調節される。電動弁10fで中間圧まで減圧されたCO2冷媒が気液分離器70に供給される。気液分離器70は、気液二相状態から分離したガス冷媒を中間圧インジェクション路71を通じて高段圧縮機6の吸入口に供給するとともに、分離した液冷媒を液流出管から電動弁10gに供給する。電動弁10gでは、気液分離器70から供給された中間圧のCO2冷媒をさらにて威圧まで減圧して空気熱交換器11に送る。なお、電動弁10eが閉止されているので、液ガス熱交換器12では、空気熱交換器11から低段圧縮機5に送られるCO2冷媒の熱交換は行われない。
暖房負荷がないときに給湯のみの運転を行う場合には、ヒートポンプ回路2Dにおいて、電動弁10eが閉止され、開閉弁71aが開放され、電動弁10f,10gの開度が調節される。そして、暖房のみの運転が行われるときと同様の動作が給湯のみの運転でも行われる。
変形例の給湯暖房システム1Dでは、開閉弁71aが設けられている中間圧インジェクション路71が、図5の第2実施形態の給湯システム1Aにおけるバイパス路21に相当する。そして、給湯暖房システム1Dの起動時には、図4(b)に示した第2実施形態の給湯暖房システム1Aと類似の制御が行われる。給湯暖房システム1Aでは起動時に電磁弁21aの開閉を行ってバイパス路21の閉止開放解放を制御しているが、給湯暖房システム1Dでは起動時における中間圧インジェクション路71の閉止開放を開閉弁71aで制御している。給湯暖房システム1Dの低段圧縮機5及び高段圧縮機6が図4(b)のタイミングで回転速度の変更を制御されているとすると、時間b1で開閉弁71aが開放され、時間i1で開閉弁71aが閉じられる。ただし、給湯暖房システム1Dの場合は、給湯暖房システム1Cと同様に、起動直後から気液分離器70を使用する場合には、開閉弁71aを閉じる工程を省いて時間i1のタイミングで開度の調節を行って中間圧インジェクションが行えるような状態にすることもできる。
(b)
上記各実施の形態では、低段圧縮機5と高段圧縮機6とにより二段圧縮が行われるヒートポンプ回路2A,2B,2C,2Dの一次冷媒にCO2冷媒が用いる例について説明したが、本願発明に適用される蒸気圧縮冷媒サイクルで使用される冷媒はCO2冷媒に限られるものではなく、例えばHFC冷媒などであってもよい。
(c)
上記各実施形態では、起動時において、低段圧縮機5及び高段圧縮機6の回転速度の変化を低速、中速、及び高速の三段階の回転速度を経て定常状態に移行させる場合について説明したが、回転速度の制御はこれに限られるものではない。例えば、低段圧縮機5の回転速度に、低速より回転速度の小さな最低速、低速と中速の間の低中速、中速と高速の間の中高速を設けて、図4(a)において、時間b0から時間c0までの回転速度を最低速とし、時間d0から時間e0までの回転速度を低中速とし、時間f0から時間g0までの回転速度を中高速とすることもできる。この場合には、低段圧縮機5及び高段圧縮機6を同時に起動することになる。
(d)
上記各実施形態では、制御部100,100Aにおける低段圧縮機5及び高段圧縮機6の回転速度の制御を予め定められたシーケンスにより行っているが、圧力センサや温度センサにより低段圧縮機5及び高段圧縮機6の状態に応じて回転速度の制御を行うようにしてもよい。例えば、高段圧縮機6の吐出圧が所定値に達したときに低段圧縮機5の回転速度を上げるなどである。
(e)
上記各実施形態においては、第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8という2つの給湯用ガスクーラと、1つの暖房用ガスクーラ9をヒートポンプ回路2,2A,2B,2C,2Dに直列に挿入した場合について説明している。しかし、直列に配置される給湯用ガスクーラと暖房用ガスクーラは他の構成であってもよく、例えば、図11に示すような構成にすることができる。
図11(a)は、暖房専用のガスクーラの代わりに暖房用ガスクーラと給湯用ガスクーラの機能を併せ持つガスクーラを用いた場合の構成を示す概念図である。一次冷媒28の流路において、第1給湯用ガスクーラ7と暖房・給湯兼用ガスクーラ50と第2給湯用ガスクーラ8が、この順で直列に配置されている。図11(a)に示すように暖房・給湯兼用ガスクーラ50を暖房用ガスクーラ9に置き換えると、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が第1給湯用ガスクーラ7、第2給湯用ガスクーラ8及び暖房・給湯兼用ガスクーラ50の全てで行えるようになる。一方、一次冷媒28と暖房用二次冷媒48との熱交換が行われるのは、暖房・給湯兼用ガスクーラ50においてだけである。図11(a)に示す構成を用いた場合、暖房負荷がないときでも、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が第1給湯用ガスクーラ7、第2給湯用ガスクーラ8及び暖房・給湯兼用ガスクーラ50の全てで行えるためエネルギー効率がよくなる。また、暖房負荷がないときには、暖房用二次冷媒48によるラジエータ19への熱エネルギーの供給がなくなるが、そのようなときでも暖房・給湯兼用ガスクーラ50において一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との間で熱交換が行われるため、暖房用二次冷媒48が沸騰するような不具合が発生することはない。
図11(a)に示す暖房・給湯兼用ガスクーラ50としては、例えば図12に示すような構成を用いることができる。図12の暖房・給湯兼用ガスクーラ50は、一次冷媒28が流れる板状の多穴管50a、給湯用二次冷媒38が流れる扁平な扁平管50b、暖房用二次冷媒48が流れる扁平な扁平管50c、及び多穴管50aを順に積層して形成されている。つまり、2つの多穴管50aの間に扁平管50b,50cが挟まれた4層構成になっている。多穴管50aは、矩形状の断面に、多穴管50aの長手方向に沿う多数の貫通穴50jを有している(図12(b)参照)。これら貫通穴50jは一次冷媒28が流れる冷媒管50d,50eに繋がっている。一次冷媒28は、冷媒管50dから冷媒管50eに向かって流れる。扁平管50bは冷媒管50f,50gに繋がっており、給湯用二次冷媒38が冷媒管50fから冷媒管50gに向かって流れる。また、扁平管50cは冷媒管50h,50iに繋がっており、暖房用二次冷媒48が冷媒管50hから冷媒管50iに向かって流れる。このとき、図12(b)における上部の多穴管50aと扁平管50bとの間で一次冷媒28と給湯用二次冷媒38の熱交換が行われ、下部の多穴管50aと扁平管50cとの間で一次冷媒28と暖房用二次冷媒48の熱交換が行われる。そのため、多穴管50aや扁平管50b,50cは、アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で形成されている。
図11(b)は、2つの給湯用ガスクーラと1つの暖房用ガスクーラを1つの給湯・暖房兼用のガスクーラに置き換える場合の構成を示す概念図である。給湯・暖房兼用ガスクーラ51においては、給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向の全長にわたって一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が行われ、給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向の中央部分において一次冷媒28と暖房用二次冷媒48との熱交換が行われる。そのため、給湯・暖房兼用ガスクーラ51は、第1給湯用ガスクーラ7と暖房・給湯兼用ガスクーラ50と第2給湯用ガスクーラ8を合わせた機能を有している。この場合、端部近傍D1,D2の給湯用ガスクーラ相当部分と長手方向中央部Cの暖房用ガスクーラの機能部分とが直列に配置されている格好になっている。図11(b)に示す給湯・暖房兼用ガスクーラ51を用いた場合、暖房負荷がないときでも、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が給湯・暖房兼用ガスクーラ51の全長の全てで行えるためエネルギー効率がよくなる。また、暖房負荷がないときには、暖房用二次冷媒48によるラジエータ19への熱エネルギーの供給がなくなるが、そのようなときでも給湯・暖房兼用ガスクーラ51において一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との間で熱交換が行われるため、暖房用二次冷媒48が沸騰するような不具合が発生することはない。
図11(b)に示す給湯・暖房兼用ガスクーラ51としては、例えば図13及び図14に示すような構成を用いることができる。図13及び図14の給湯・暖房兼用ガスクーラ51は、一次冷媒28が流れる板状の多穴管51a、給湯用二次冷媒38が流れる扁平な扁平管51b、及び暖房用二次冷媒48が流れる扁平な扁平管51cを積層して形成されている。給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向中央部Cにおいては、図14(a)に示すように、多穴管51aと扁平管51bと扁平管51cと多穴管51aが順に積層された4層構造になっている。ところが、給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向における冷媒管51d,51g,51e,51fに近い端部近傍D1,D2では、図14(b)に示すように、多穴管51aと扁平管51bと多穴管51aが順に積層された3層構造になっている。多穴管51aは、矩形状の断面に、多穴管51aの長手方向に沿う多数の貫通穴51jを有している(図14参照)。これら貫通穴51jは一次冷媒28が流れる冷媒管51d,51eに繋がっている。一次冷媒28は、冷媒管51dから冷媒管51eに向かって流れる。扁平管51bは冷媒管51f,51gに繋がっており、給湯用二次冷媒38が冷媒管51fから冷媒管51gに向かって流れる。また、扁平管51cは冷媒管51h,51iに繋がっており、暖房用二次冷媒48が冷媒管51hから冷媒管51iに向かって流れる。このとき、給湯・暖房用ガスクーラ51の長手方向中央部Cでは、図14(a)における上部の多穴管51aと扁平管51bとの間で一次冷媒28と給湯用二次冷媒38の熱交換が行われ、下部の多穴管51aと扁平管51cとの間で一次冷媒28と暖房用二次冷媒48の熱交換が行われる。一方、給湯・暖房用ガスクーラ51の端部近傍D1,D2では、図14(b)における上部と下部の多穴管51aと扁平管51bとの間で一次冷媒28と給湯用二次冷媒38の熱交換が行われる。この場合、端部近傍D1が図13(a)の第1給湯用ガスクーラ7に相当する機能を発揮し、端部近傍D2が図13(b)の第2給湯用ガスクーラ8に相当する機能を発揮する。そのため、多穴管51aや扁平管51b,51cは、アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で形成されている。
なお、上記各実施形態においては、高段圧縮機6の吐出温度を制御することにより、第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9の二次冷媒の温度上昇による不具合の発生を防止している。これら第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9の二次冷媒の温度上昇を防ぐために、第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9に一次冷媒のバイパス路を設け、運転が停止されている第1給湯用ガスクーラ7や暖房用ガスクーラ9のバイパス路に一次冷媒を流すようにして、運転が停止されている第1給湯用ガスクーラ7の一次冷媒が所定温度以下になるように運転の制限制御を行ってもよい。
<特徴>
給湯暖房システム1(冷凍装置)によれば、起動時において、制御部100(圧縮機起動タイミング制御手段)により、図4(a)の時間b0から時間c0では直流同期電動機で駆動される高段圧縮機6を回転させる一方低段圧縮機5の回転速度をゼロにして(回転速度を抑えて)低段圧縮機5から吐出される冷媒の吐出量を抑制している。また、給湯暖房システム1A,1B,1C,1D(冷凍装置)によれば、図4(b)の時間b1にバイパス路21の電磁弁21a(開閉機構)、バイパス路22の電磁弁22a(開閉機構)、中間圧インジェクション路61の電動弁10または中間圧インジェクション路71の開閉弁71aを開放する。それにより、低段圧縮機5の吐出口と高段圧縮機の吸入口の間(吸入ライン)と、高段圧縮機6の吐出口から低段圧縮機5の吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスすることができる。本発明において、吸入ラインは、低段圧縮機5の吐出口から高段圧縮機の吸入口までの一次冷媒の流路であり、吸入ラインにインタークーラ13などの機器が挿入さても吸入ラインの始端と終端は変わらない。
給湯暖房システム1A,1B,1C,1Dに示した吸入ラインは、低段圧縮機5の吐出口とインタークーラ13との間またはインタークーラ13と高段圧縮機6の吸入口との間である。また、給湯暖房システム1A,1B,1C,1Dに示したポイント(高段圧縮機6の吐出口から低段圧縮機5の吸入口までの間のいずれか)は、高段圧縮機6の吐出口と第1給湯用ガスクーラ7との間、低段圧縮機5の吸入口と液ガス熱交換器12との間、第2給湯用ガスクーラ8とエコノマイザ熱交換器60との間、及び気液分離器70である。ここで、高段圧縮機6の吐出口と第1給湯用ガスクーラ7との間が吐出ラインになる。本発明において吐出ラインは、高段圧縮機6の吐出口から次の機器の入口までの間であり、分岐がある場合には各機器の入口までの間である。高段圧縮機6の吐出口から低段圧縮機5の吸入口までの間のいずれかのポイントは、例えば第1給湯用ガスクーラ7と暖房用ガスクーラ9との間や空気熱交換器11と液ガス熱交換器12との間であってもよく、実施形態で示したポイントに限られるものではない。
高段圧縮機6が回転を始める時間b0の時点では低段圧縮機5が停止しており、時間c0に低段圧縮機5が回転を始めるときには高段圧縮機6が回転を始めて冷媒の吐出を行っておりまた時時間b0から間c0の間に高段圧縮機6の吸入口側の冷媒量を減らしているので、起動時に高段圧縮機6の吸入口に送られる冷媒量を抑制して冷媒から高段圧縮機6が受ける力を抑えることができる。起動時に高段圧縮機6が冷媒から過剰な力を受けなくすることで、駆動源に直流同期電動機を用いた高段圧縮機6の脱調を防止できる。
特に、給湯暖房システム1C,1Dにおいては、定常状態において使用するエコノマイザ熱交換器60や気液分離器70に接続されている中間圧インジェクション路61,71をバイパス路として兼用している。それにより、配管や開閉弁などの構成を新たに設ける必要がなくなるので、高段圧縮機6の脱調を防止できるシステムを安価に構成することができる。
1A,1B,1C,1D 冷凍装置
2,2A,2B,2C,2D ヒートポンプ回路
3 給湯用二次冷媒回路
4 暖房用二次冷媒回路
5 低段圧縮機
6 高段圧縮機
7 第1給湯用ガスクーラ
8 第2給湯用ガスクーラ
9 暖房用ガスクーラ
13 インタークーラ
19 ラジエータ
21,22 バイパス路
60 エコノマイザ熱交換器
61,71 中間圧インジェクション路
70 気液分離器
特開平9−210505号公報

Claims (8)

  1. 吐出口及び吸入口を持つ低段圧縮機(5)と、
    吐出口及び吸入口を持ち、前記低段圧縮機の前記吐出口から吐出された冷媒を吸入するための吸入ラインを有し、前記低段圧縮機よりも容量が小さく、駆動源に直流同期電動機が用いられている高段圧縮機(6)と、
    前記高段圧縮機の起動時に、前記低段圧縮機の回転速度を抑制して前記低段圧縮機の前記吐出口から吐出される冷媒の吐出量を抑制することにより、または、前記吸入ラインと前記高段圧縮機の前記吐出口から前記低段圧縮機の前記吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスすることにより、前記高段圧縮機の前記吸入口に送られる冷媒量を抑制する冷媒量抑制手段(21,22,61,71,100,100A)と
    を備える、冷凍装置。
  2. 前記高段圧縮機は、前記高段圧縮機の前記吐出口から伸びる吐出ラインをさらに有し、
    前記冷媒量抑制手段は、
    前記吸入ラインに接続された入口と、前記吐出ラインに接続された出口とを持ち、前記入口と前記出口との間をバイパスするバイパス路(21,22)と、
    前記バイパス路に設けられ、前記高段圧縮機の起動時に前記バイパス路を開き、前記低段圧縮機の起動後に前記バイパス路を閉じる開閉機構(21a,22a)とを含む、請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記冷媒量抑制手段は、前記高段圧縮機の前記吸入ラインに中間圧インジェクションを行うためのインジェクション路(71)を持つ気液分離器(70)を含む、請求項1に記載の冷凍装置。
  4. 前記冷媒量抑制手段は、前記高段圧縮機の前記吸入ラインに中間圧インジェクションを行うためのインジェクション路(61)を持つエコノマイザ熱交換器(60)を含む、請求項1に記載の冷凍装置。
  5. 前記冷媒量抑制手段は、前記高段圧縮機の起動のタイミングに比べ前記低段圧縮機の起動のタイミングを遅らせることにより前記低段圧縮機の吐出量を抑制し、前記高段圧縮機の前記吸入口に送る冷媒量を抑制する圧縮機起動タイミング制御手段(100,100A)を含む、請求項1に記載の冷凍装置。
  6. 前記高段圧縮機の前記吐出口から前記低段圧縮機の前記吸入口までの間に、給湯用ガスクーラ(7,8)及び暖房用ガスクーラ(9)をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の冷凍装置。
  7. 前記低段圧縮機の前記吐出口と前記高段圧縮機の前記吸入口との間に挿入された中間冷却器(13)をさらに備える、請求項1から6のいずれかに記載の冷凍装置。
  8. 低段圧縮機(5)と直流同期電動機を駆動源に使っている高段圧縮機(6)とを有し、前記低段圧縮機の吐出口から吐出された冷媒を吸入するための吸入ラインを持つ前記高段圧縮機の容量が前記低段圧縮機の容量よりも小さい冷凍装置の運転方法であって、
    前記高段圧縮機の起動時に、前記低段圧縮機の回転速度の抑制を行って前記低段圧縮機の吐出量を抑制し、または、前記吸入ラインと前記高段圧縮機の吐出口から前記低段圧縮機の吸入口までの間のいずれかのポイントとをバイパスする第1始動工程と、
    前記高段圧縮機の回転が始まってから、前記低段圧縮機の前記回転速度の抑制または前記吸入ラインのバイパスを解除する第2始動工程と
    を備える、冷凍装置の運転方法。
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