JP2006207559A - 冷凍サイクル装置およびロータリ式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、複数の圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転と、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による一段圧縮運転とを切換え可能とするロータリ式圧縮機と、冷凍効率の増大化および信頼性の向上を得られる冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】ロータリ式圧縮機Aと、凝縮器Bと、膨張装置Cと、蒸発器Dとを冷媒管Pを介して連通して冷凍サイクルを構成し、ロータリ式圧縮機は、密閉ケース1と、電動機部3および電動機部と回転軸4を介して連結される第1、第2の圧縮機構部2A,2Bと、これら圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転をなし、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による一段圧縮運転とに切換える圧力切換え機構Kを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】ロータリ式圧縮機Aと、凝縮器Bと、膨張装置Cと、蒸発器Dとを冷媒管Pを介して連通して冷凍サイクルを構成し、ロータリ式圧縮機は、密閉ケース1と、電動機部3および電動機部と回転軸4を介して連結される第1、第2の圧縮機構部2A,2Bと、これら圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転をなし、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による一段圧縮運転とに切換える圧力切換え機構Kを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、条件に応じて、複数の圧縮機構部の全てを運転し、もしくは少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転して残りの圧縮機構部の運転とを切換え可能としたロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置およびロータリ式圧縮機に関する。
一般的なロータリ式圧縮機の構成は、密閉ケース内に電動機部およびこの電動機部と連結される圧縮機構部を収容しており、圧縮機構部で圧縮したガスを一旦密閉ケース内に吐出する、ケース内高圧形となっている。
上記圧縮機構部は、シリンダに設けられるシリンダ室に偏心ローラが収容される。また、シリンダにはブレード室が設けられていて、ここにブレードが摺動自在に収納される。上記ブレードの先端縁は、常にシリンダ室側へ突出して偏心ローラの周面に弾性的に当接するよう圧縮ばねによって押圧付勢される。したがって、シリンダ室はブレードによって偏心ローラの回転方向に沿い、吸込み室と圧縮室に区画される。
上記圧縮機構部は、シリンダに設けられるシリンダ室に偏心ローラが収容される。また、シリンダにはブレード室が設けられていて、ここにブレードが摺動自在に収納される。上記ブレードの先端縁は、常にシリンダ室側へ突出して偏心ローラの周面に弾性的に当接するよう圧縮ばねによって押圧付勢される。したがって、シリンダ室はブレードによって偏心ローラの回転方向に沿い、吸込み室と圧縮室に区画される。
ところで、近年、上記圧縮機構部を上下に2セット備えた、2シリンダタイプのロータリ式圧縮機が標準化されつつある。そして、このような圧縮機において、複数の圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転ができるようにしたものが、たとえば、[特許文献1]等で知られている。
特開2004−251150号公報
ところで、冷凍サイクル装置においては、圧縮機が多段圧縮運転をなすことにより、各圧縮機構部の圧縮比を小さくすることができ、特に、高圧縮比運転条件となる場合には、効率の向上化を得られる。
しかしながら、低圧縮比運転条件においては、冷媒が複数の圧縮機構部を通ることから、通路抵抗が大きくなり、かえって効率が低下する不具合があった。
しかしながら、低圧縮比運転条件においては、冷媒が複数の圧縮機構部を通ることから、通路抵抗が大きくなり、かえって効率が低下する不具合があった。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、複数の圧縮機構部を直列に連通させて多段圧縮運転をなす全能力運転と、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による圧縮運転をなす能力減少運転とに切換え可能とし、圧縮比の大小にかかわらず効率の向上を得られるロータリ式圧縮機を備えた冷凍サイクル装置およびロータリ式圧縮機を提供しようとするものである。
上記目的を達成するため本発明は、ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを冷媒管を介して連通してなり、冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置において、上記ロータリ式圧縮機は、密閉ケースと、この密閉ケース内に収容される電動機部および電動機部と回転軸を介して連結される複数の圧縮機構部と、複数の圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転をなす多段圧縮運転と、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による圧縮運転をなす一段圧縮運転とに切換える圧力切換え手段とを具備する。
本発明によれば、ロータリ式圧縮機に複数の圧縮機構部を備えるとともに、多段圧縮運転と一段圧縮運転との切換えを可能とし、圧縮比の大小にかかわらず効率向上を得られる等の効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、ロータリ式圧縮機Aの断面構造と、このロータリ式圧縮機Aを備えた冷凍装置の冷凍サイクル構成図である。
はじめに、冷凍サイクル構成から説明すると、ロータリ式圧縮機Aと、凝縮器Bと、膨張装置Cと、蒸発器Dおよび気液分離器Eが、順次、冷媒管Pを介して連通されてなる。
図1は、ロータリ式圧縮機Aの断面構造と、このロータリ式圧縮機Aを備えた冷凍装置の冷凍サイクル構成図である。
はじめに、冷凍サイクル構成から説明すると、ロータリ式圧縮機Aと、凝縮器Bと、膨張装置Cと、蒸発器Dおよび気液分離器Eが、順次、冷媒管Pを介して連通されてなる。
上記ロータリ式圧縮機Aにおいて、1は密閉ケースである。この密閉ケース1内の下部には、後述する第1の圧縮機構部2Aと第2の圧縮機構部2Bが設けられ、上部には電動機部3が設けられる。これら電動機部3と第1、第2の圧縮機構部2A,2Bは、回転軸4を介して連結される。
上記電動機部3は、たとえばブラシレスDC同期モータ(ACモータもしくは商用モータでもよい)が用いられていて、密閉ケース1の内面に固定されるステータ5と、このステータ5の内側に所定の間隙を存して配置され、上記回転軸4に嵌着されるロータ6とから構成される。そして電動機部3は、運転周波数を可変するインバータを介してインバータ制御する制御部(いずれも図示しない)に電気的に接続される。
上記電動機部3は、たとえばブラシレスDC同期モータ(ACモータもしくは商用モータでもよい)が用いられていて、密閉ケース1の内面に固定されるステータ5と、このステータ5の内側に所定の間隙を存して配置され、上記回転軸4に嵌着されるロータ6とから構成される。そして電動機部3は、運転周波数を可変するインバータを介してインバータ制御する制御部(いずれも図示しない)に電気的に接続される。
上記第1の圧縮機構部2Aは最下部に形成され、第1のシリンダ8Aを備えている。第2の圧縮機構部2Bは第1のシリンダ8Aとは中間仕切り板7を介した上部に形成され、第2のシリンダ8Bを備えている。
これら第1、第2のシリンダ8A,8Bは、互いに外形形状寸法と内径寸法が同一であるが、厚さ寸法は相違するよう設定されている。第1、第2のシリンダ8A,8Bの外径寸法は密閉ケース1の内径寸法よりも僅かに大に形成され、密閉ケース1内周面に圧入されたうえに、密閉ケース1外部からの溶接加工によって位置決め固定される。また、第1のシリンダ8Aは第2のシリンダ8Bよりも板厚(軸方向寸法)が大に形成される。
これら第1、第2のシリンダ8A,8Bは、互いに外形形状寸法と内径寸法が同一であるが、厚さ寸法は相違するよう設定されている。第1、第2のシリンダ8A,8Bの外径寸法は密閉ケース1の内径寸法よりも僅かに大に形成され、密閉ケース1内周面に圧入されたうえに、密閉ケース1外部からの溶接加工によって位置決め固定される。また、第1のシリンダ8Aは第2のシリンダ8Bよりも板厚(軸方向寸法)が大に形成される。
第1のシリンダ8Aの下面部に第1の軸受9が重ね合わされ、バルブカバーaとともに取付けボルト10を介してシリンダ8Aに取付け固定される。第2のシリンダ8Bの上面部には第2の軸受11が重ね合わされ、バルブカバーbとともに取付けボルト12を介して第2のシリンダ8Bに取付け固定される。
上記回転軸4は、下端部が第1の軸受9に回転自在に枢支され、その上部が第2の軸受11に回転自在に枢支される。さらに、回転軸4は各シリンダ8A,8B内部を貫通するとともに、略180°の位相差をもって形成される2つの偏心部4a,4bを一体に備えている。各偏心部4a,4bは互いに同一直径をなし、各シリンダ8A,8B内径部に位置するよう組立てられる。ただし、偏心部4aの軸方向長さは偏心部4bの軸方向長さと比較して長く形成されていて、これは第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bとの軸方向長さの相違に比例する。
上記回転軸4は、下端部が第1の軸受9に回転自在に枢支され、その上部が第2の軸受11に回転自在に枢支される。さらに、回転軸4は各シリンダ8A,8B内部を貫通するとともに、略180°の位相差をもって形成される2つの偏心部4a,4bを一体に備えている。各偏心部4a,4bは互いに同一直径をなし、各シリンダ8A,8B内径部に位置するよう組立てられる。ただし、偏心部4aの軸方向長さは偏心部4bの軸方向長さと比較して長く形成されていて、これは第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bとの軸方向長さの相違に比例する。
各偏心部4a,4bの周面には、互いに同一直径をなす偏心ローラ13a,13bが嵌合される。これら偏心ローラ13a,13bの軸方向長さは、上記第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bの板厚(軸方向長さ)と同一に揃えられる。
上記第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bは、上記中間仕切り板7と第1の軸受9および第2の軸受11で上下面が区画され、それぞれの内部に上記偏心ローラ13a,13bが偏心回転自在に収容される第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bが形成される。
上記第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bは、上記中間仕切り板7と第1の軸受9および第2の軸受11で上下面が区画され、それぞれの内部に上記偏心ローラ13a,13bが偏心回転自在に収容される第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bが形成される。
第1、第2のシリンダ室14a,14bは互いに同一直径ではあるが、第1のシリンダ8Aの板厚が第2のシリンダ8Bの板厚よりも大であるところから、第1のシリンダ室14aの排除容積は第2のシリンダ室14bの排除容積よりも大である。偏心ローラ13a,13bは互いに180°の位相差があるが、第1、第2のシリンダ室14a,14bで偏心回転できる。
図2は、ロータリ式圧縮機Aの内部構成を模式的に示すとともに、後述する圧力切換え機構Kの構成と作用を説明する図である。第1のシリンダ8Aおよび第2のシリンダ8Bは横断面とし、偏心ローラ13a,13bは互いに同位相で示している。
図2は、ロータリ式圧縮機Aの内部構成を模式的に示すとともに、後述する圧力切換え機構Kの構成と作用を説明する図である。第1のシリンダ8Aおよび第2のシリンダ8Bは横断面とし、偏心ローラ13a,13bは互いに同位相で示している。
第1、第2のシリンダ8A,8Bには、シリンダ室14a,14bと溝部cを介して連通する、後述するブレード室16a,16bが設けられている。各ブレード室16a,16bは密封構造となっていて、各ブレード室16a,16bと各シリンダ室14a,14bとを連通する溝部cには、ブレード15a,15bが摺動自在に嵌め込まれている。
各ブレード15a,15bは、シリンダ室14a,14b側である先端部dが平面視で略半円状に形成され、後述する手段により背圧を受けて偏心ローラ13a,13b周壁に接触するようになっている。
この状態で、上記偏心ローラ13a,13bがシリンダ室14a,14bの内周壁に沿って偏心回転したとき、ブレード15a,15bは溝部cに沿って往復運動し、偏心ローラ13a,13bの回転角度にかかわらず線接触してシリンダ室14a,14bを吸込み室と圧縮室に仕切ることとなる。
この状態で、上記偏心ローラ13a,13bがシリンダ室14a,14bの内周壁に沿って偏心回転したとき、ブレード15a,15bは溝部cに沿って往復運動し、偏心ローラ13a,13bの回転角度にかかわらず線接触してシリンダ室14a,14bを吸込み室と圧縮室に仕切ることとなる。
偏心ローラ13a,13bがブレード15a,15bとは最も離間する部位にあるとき、ブレード15a,15bの後端部eが各ブレード室16a,16b内に突出する長さ寸法に形成される。逆に、偏心ローラ13a,13b周壁がシリンダ室14a,14b周壁と同一位置にあり、ブレード15a,15bの先端部dが最も後退した状態で、ブレード15a,15bの後端部eはブレード室16a,16bの突出側内壁とはある程度の間隙を存している。
第2のシリンダ8Bに設けられるブレード室16bのみ、ばね部材17が収容されている。上記ばね部材17は圧縮ばねであって、ブレード15bの後端部eとブレード室16b内壁との間に介在され、ブレード15bに弾性力(背圧)を付与して先端部dをシリンダ室14bへ突出させ、偏心ローラ13bに弾性的に接触させる。
これに対して、上記第1のシリンダ8Aのブレード室16aには、後述する保持機構である、たとえば永久磁石18が取付けられている。そして、ブレード室16aの設定環境と、後述する圧力切換え機構(圧力切換え手段)Kの作用に応じて、ブレード15aの先端部dを上記偏心ローラ13aに接触もしくは離間させるようになっている。
これに対して、上記第1のシリンダ8Aのブレード室16aには、後述する保持機構である、たとえば永久磁石18が取付けられている。そして、ブレード室16aの設定環境と、後述する圧力切換え機構(圧力切換え手段)Kの作用に応じて、ブレード15aの先端部dを上記偏心ローラ13aに接触もしくは離間させるようになっている。
ブレード室16aのみ側面部に高圧導入孔19が貫通して設けられ、この高圧導入孔19を介して密閉ケース1内部とブレード室16aとが連通される。したがって、ブレード室16aは密閉ケース1内と同一の圧力環境となる。特に、第1のシリンダ8Aおよびブレード室16aは構造物であるから、これらがケース内圧力を受けても何らの影響もないが、ブレード15aの後端部eはブレード室16aに位置し、ブレード室16aは高圧導入孔19を介して密閉ケース1内と連通するので、ケース内圧力を直接的に受ける。
第1のシリンダ8Aに設けられるブレード室16aに高圧導入孔19を介して密閉ケース1内の圧力(後述するように高圧)が導かれると、ブレード15aは後端部eに高圧の背圧を受ける。その一方で、ブレード15aの先端部dは第1のシリンダ室14aに突出(もしくは内周面と同一位置)しているので、ブレード15aの先端部dはシリンダ室14a内の圧力を受ける。結局、ブレード15aは先端部dと後端部eが受ける互いの圧力の差圧に応じて、圧力の大きい方から圧力の小さい方向へ移動するよう構成される。
また、第2のシリンダ8Bに設けられるブレード室16bには、ブレード後端部eとブレード室16b内壁との間にはばね部材17が介設されていて、ブレード15bの後端部には常にばね部材17の弾性力がかかる。第2のシリンダ室14b内が高圧化しても、この圧力に打ち勝って常にブレード15bの先端部dが偏心ローラ13bの周壁に接触するよう構成される。
上記保持機構18を構成する永久磁石は、常に所定の力でブレード15aを磁気吸引する。具体的には、通常運転時に第1のシリンダ室14aに導かれる吸込み圧力と、ブレード室16aに導かれる密閉ケース1内圧力との差圧よりも小さい力で、ブレード15aを偏心ローラ13aから引き離す方向に磁気力を付勢する。
保持機構18として、永久磁石に代って電磁石を備え、必要に応じて磁気吸引するようにしてもよい。あるいは、弾性体である引張りばねとする。この引張りばねの一端部をブレード15aの背面端部に掛止して、常に所定の弾性力で引張り付勢するようにしてもよい。
保持機構18として、永久磁石に代って電磁石を備え、必要に応じて磁気吸引するようにしてもよい。あるいは、弾性体である引張りばねとする。この引張りばねの一端部をブレード15aの背面端部に掛止して、常に所定の弾性力で引張り付勢するようにしてもよい。
上記第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bには、上記ブレード15a,15bで仕切られるシリンダ室14a,14bの一方側に吸込み管Pa,Pbが接続される。各吸込み管Pa,Pbの接続部からブレード15a,15bを介してシリンダ室14a,14bの他方側には吐出弁機構20a,20bが設けられていて、圧縮された冷媒ガスが所定圧に上昇した状態でシリンダ室14a,14bから吐出するようになっている。それぞれの吐出弁機構20a,20bには吐出管Pc,Pdが連通するよう第1、第2のシリンダ8A,8Bに接続される。
上記第1のシリンダ8Aに接続される吸込み管Paは、密閉ケース1を貫通して、密閉ケース1外部へ延出される。この吸込み管Paは密閉ケース1外部において上記気液分離器Eに連通され、中途部に第1の三方切換え弁21における両側のポートが接続される。上記第1の三方切換え弁21における残りのポートには、上記密閉ケース1の側部に一端が開口する分岐管Peが接続される。
また、吸込み管Paにおける第1の三方切換え弁21と気液分離器E接続部との間には、上記第2のシリンダ8Bに接続される吸込み管Pbが分岐している。この吸込み管Pbの中途部に、第2の三方切換え弁22における両側のポートが接続される。
第1のシリンダ8Aに接続される上記吐出管Pcは、密閉ケース1を貫通して外部に突出し、さらにケース外部を回って第2の三方切換え弁22における残りのポートに接続される。なお、第2のシリンダ8Bに接続される吐出管Pdは、短尺状であり密閉ケース1内部に開口端が位置する。
第1のシリンダ8Aに接続される上記吐出管Pcは、密閉ケース1を貫通して外部に突出し、さらにケース外部を回って第2の三方切換え弁22における残りのポートに接続される。なお、第2のシリンダ8Bに接続される吐出管Pdは、短尺状であり密閉ケース1内部に開口端が位置する。
再び図1に示すように、気液分離器Eと第1のシリンダ8Aとを連通する冷媒管Paが上記吸込み管Paと同一のものであり、同図では第1の三方切換え弁21と第2のシリンダ8Aに接続される吸込み管Pbの分岐部を省略している。また、図1では第1のシリンダ8Aに接続される吐出管Pcが密閉ケース1を貫通して外部に延出され、さらに密閉ケース1を貫通して第2のシリンダ8Bに接続される構成を示しているが、同図では第2の三方切換え弁22を省略している。
このような第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bに対する回路構成と、この回路に第1、第2の三方切換え弁21,22を備えたことで、第1の実施の形態における上記圧力切換え機構(圧力切換え手段)Kが構成される。
そして、圧力切換え機構Kを構成する第1の三方切換え弁21と第2の三方切換え弁22の切換え操作に応じて、後述するように第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bに気液分離器Eで気液分離された低圧の冷媒ガスが導かれ、もしくは密閉ケース1内に吐出される高圧ガスが導かれ、もしくは中間圧の冷媒ガスが導かれる。
そして、圧力切換え機構Kを構成する第1の三方切換え弁21と第2の三方切換え弁22の切換え操作に応じて、後述するように第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bに気液分離器Eで気液分離された低圧の冷媒ガスが導かれ、もしくは密閉ケース1内に吐出される高圧ガスが導かれ、もしくは中間圧の冷媒ガスが導かれる。
つぎに、上述のロータリ式圧縮機Aを備えテ冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置の作用について説明する。
(1) 通常運転(多段圧縮運転)を選択した場合:
通常運転(多段圧縮運転)を選択すると、上記制御部は圧力切換え機構Kを構成する第1の三方切換え弁21と第2の三方切換え弁22を以下のように切換える。すなわち、第1の三方切換え弁21は、吸込み管Paに接続される気液分離器Eと第1のシリンダ室14aとを連通し、これらと分岐管Peを介して接続される密閉ケース1内部との間を遮断する。第2の三方切換え弁22は、吐出管Pc吸込み管Pbを介して第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bとを連通し、これらと吸込み管Paを介して接続される気液分離器Eとの間を遮断する。
(1) 通常運転(多段圧縮運転)を選択した場合:
通常運転(多段圧縮運転)を選択すると、上記制御部は圧力切換え機構Kを構成する第1の三方切換え弁21と第2の三方切換え弁22を以下のように切換える。すなわち、第1の三方切換え弁21は、吸込み管Paに接続される気液分離器Eと第1のシリンダ室14aとを連通し、これらと分岐管Peを介して接続される密閉ケース1内部との間を遮断する。第2の三方切換え弁22は、吐出管Pc吸込み管Pbを介して第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bとを連通し、これらと吸込み管Paを介して接続される気液分離器Eとの間を遮断する。
そして、制御部はインバータを介して電動機部3のインバータ回路に運転信号を送る。回転軸4が回転駆動され、第1の圧縮機構部2Aと第2の圧縮機構部2Bが同時に作用する。
図2に実線矢印で示すように、気液分離器Eで気液分離された低圧の冷媒ガスが、吸込み管Paに沿って導かれ、第1の三方切換え弁21を介して第1のシリンダ8Aに構成される第1のシリンダ室14aに吸込まれる。
図2に実線矢印で示すように、気液分離器Eで気液分離された低圧の冷媒ガスが、吸込み管Paに沿って導かれ、第1の三方切換え弁21を介して第1のシリンダ8Aに構成される第1のシリンダ室14aに吸込まれる。
各シリンダ室14a,14b内では偏心ローラ13a,13bが偏心回転していて、特に第2のシリンダ室14bでは後述するように冷媒ガスを圧縮して吐出管Pdから密閉ケース1内に吐出している。そのため、密閉ケース1内には第2のシリンダ室14bで圧縮された高圧ガスが充満しており、密閉ケース1内は高圧雰囲気となっている。
第1のシリンダ8Aにおいては、第1のシリンダ室14aに吸込み管Paから低圧の冷媒ガスが吸込まれる一方で、ブレード室16aには高圧導入孔19を介して密閉ケース1内の高圧ガスが導入され、高圧雰囲気下にある。すなわち、ブレード15aの先端部dは第1のシリンダ室14aにあるので低圧条件となり、後端部eはブレード室16aにあるので高圧条件となって、先後端部d,eで差圧が存在する。
第1のシリンダ8Aにおいては、第1のシリンダ室14aに吸込み管Paから低圧の冷媒ガスが吸込まれる一方で、ブレード室16aには高圧導入孔19を介して密閉ケース1内の高圧ガスが導入され、高圧雰囲気下にある。すなわち、ブレード15aの先端部dは第1のシリンダ室14aにあるので低圧条件となり、後端部eはブレード室16aにあるので高圧条件となって、先後端部d,eで差圧が存在する。
この差圧の影響で、ブレード15aの先端部dが偏心ローラ13aに摺接するように押圧付勢される。したがって、通常のロータリ式圧縮機における圧縮機構部での圧縮作用と全く同様の圧縮作用が、第1のシリンダ室14aにおいて行われる。
第1のシリンダ室14a内で偏心ローラ13aが偏心回転を行い、ブレード15aの先端部dが差圧条件によって偏心ローラ13a周壁に摺接し、第1のシリンダ室14a内を吸込み室と圧縮室に二分する。偏心ローラ13aのシリンダ室14a内周面転接位置と溝部cが一致し、ブレード15aが最も後退した状態で、第1のシリンダ室14aの空間容量が最大となる。
第1のシリンダ室14a内で偏心ローラ13aが偏心回転を行い、ブレード15aの先端部dが差圧条件によって偏心ローラ13a周壁に摺接し、第1のシリンダ室14a内を吸込み室と圧縮室に二分する。偏心ローラ13aのシリンダ室14a内周面転接位置と溝部cが一致し、ブレード15aが最も後退した状態で、第1のシリンダ室14aの空間容量が最大となる。
第1のシリンダ室14aに気液分離器17から第1の吸込み管Paを介して導かれた低圧の冷媒ガスが充満する。偏心ローラ13aの偏心回転にともなって、偏心ローラ13aの第1のシリンダ室14a内周面に対する転接位置が移動し、ブレード15aが第1のシリンダ室14aを圧縮室と吸込み室に二分する。
偏心ローラ13aの偏心回転にともなって、シリンダ室14aの区画された圧縮室の容積が減少し、充満していた冷媒ガスが徐々に圧縮される。そして、圧縮室の容量がさらに減少して圧縮されたガスが所定圧まで上昇したところで吐出弁機構20aが開放し、吐出管Pcへ吐出される。
偏心ローラ13aの偏心回転にともなって、シリンダ室14aの区画された圧縮室の容積が減少し、充満していた冷媒ガスが徐々に圧縮される。そして、圧縮室の容量がさらに減少して圧縮されたガスが所定圧まで上昇したところで吐出弁機構20aが開放し、吐出管Pcへ吐出される。
このようにして、第1のシリンダ室14aで1段目の圧縮作用が行われて中間圧に上昇した冷媒ガスは、吐出管Pcに案内され第2の三方切換え弁22を介して吸込み管Pbに導かれ、第2のシリンダ室14bに吸込まれる。このシリンダ室14bのブレード15bは、常にばね部材17によって偏心ローラ13b周壁に当接するよう押圧付勢されているので、偏心ローラ13bの偏心回転に追従してシリンダ室14b内へ進退移動する。
第2のシリンダ室14bにおいて、第1のシリンダ室14aと同様、通常の冷媒ガス圧縮作用が行われ、吐出弁機構20bを介して密閉ケース1内へ高圧ガスが吐出される。実質的に、第1のシリンダ室14aで1段面の圧縮作用が行われ、そのまま第2のシリンダ室14bに導かれて2段目の圧縮作用が行われる。
ロータリ式圧縮機Aにおいて2段(多段)圧縮された高圧ガスが凝縮器Bに導かれて凝縮液化し、膨張装置Cで断熱膨張し、蒸発器Dで熱交換空気から蒸発潜熱を奪って冷凍作用をなす。そして、蒸発したあとの冷媒は気液分離器Eに導かれて気液分離され、再びロータリ式圧縮機Aの吸込み管Paから吸込まれて多段圧縮され上述の経路を循環する。
このようにして、ロータリ式圧縮機Aで冷媒ガスを多段圧縮することにより、高圧縮比運転条件における効率の向上化を得られる。
このようにして、ロータリ式圧縮機Aで冷媒ガスを多段圧縮することにより、高圧縮比運転条件における効率の向上化を得られる。
(2) 特別運転(一段圧縮運転)を選択した場合:
特別運転(一段圧縮運転)を選択すると、制御部は第1の三方切換え弁21を分岐管Peと吸込み管Paとが連通するよう切換えて、密閉ケース1内と第1のシリンダ室14aとを連通させる。そのため、気液分離器Eと第1のシリンダ室14aとの間は遮断される。さらに、第2の三方切換え弁22を吸込み管Paと吸込み管Pbとが連通するよう切換えて、気液分離器Eと第2のシリンダ室14bとを連通させる。そのため、第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bとの間は遮断される。
特別運転(一段圧縮運転)を選択すると、制御部は第1の三方切換え弁21を分岐管Peと吸込み管Paとが連通するよう切換えて、密閉ケース1内と第1のシリンダ室14aとを連通させる。そのため、気液分離器Eと第1のシリンダ室14aとの間は遮断される。さらに、第2の三方切換え弁22を吸込み管Paと吸込み管Pbとが連通するよう切換えて、気液分離器Eと第2のシリンダ室14bとを連通させる。そのため、第1のシリンダ室14aと第2のシリンダ室14bとの間は遮断される。
そして、制御部はインバータを介して電動機部3のインバータ回路に運転信号を送る。回転軸4が回転駆動され、第1の圧縮機構部2Aと第2の圧縮機構部2Bが同時に作用する。
図2に破線矢印に示すように、気液分離器Eで気液分離された低圧の冷媒ガスが、吸込み管Paから第2の三方切換え弁22と吸込み管Pbを介して第2のシリンダ室14bに吸込まれる。第2のシリンダ室14bでは偏心ローラ13bが偏心回転をなし、上述したように通常の圧縮作用がなされて、高圧化した冷媒ガスが吐出弁機構20bと吐出管Pdを介して密閉ケース1内に吐出される。
図2に破線矢印に示すように、気液分離器Eで気液分離された低圧の冷媒ガスが、吸込み管Paから第2の三方切換え弁22と吸込み管Pbを介して第2のシリンダ室14bに吸込まれる。第2のシリンダ室14bでは偏心ローラ13bが偏心回転をなし、上述したように通常の圧縮作用がなされて、高圧化した冷媒ガスが吐出弁機構20bと吐出管Pdを介して密閉ケース1内に吐出される。
密閉ケース1内に高圧ガスが充満していて、一部の高圧ガスは第1のシリンダ8Aに設けられたブレード室16aに高圧導入孔19を介して侵入し、ブレード室16aが高圧雰囲気となってブレード15aの後端部eに高圧を付与する。
さらに、密閉ケース1内に充満する高圧ガスの一部は第1の三方切換え弁21の切換え方向に沿って、分岐管Peと第1のシリンダ8Aに接続される吸込み管Paから第1のシリンダ室14aに導かれる。ブレード15aは、先端部dが第1のシリンダ室14aにあって高圧を受け、前後端部d,eにおいて差圧が存在しない。
さらに、密閉ケース1内に充満する高圧ガスの一部は第1の三方切換え弁21の切換え方向に沿って、分岐管Peと第1のシリンダ8Aに接続される吸込み管Paから第1のシリンダ室14aに導かれる。ブレード15aは、先端部dが第1のシリンダ室14aにあって高圧を受け、前後端部d,eにおいて差圧が存在しない。
そのため、ブレード15aは偏心ローラ13aの外周面から離間した位置で移動することなく停止状態を保持する。第1のシリンダ室14aでの圧縮作用は行われず、第1の圧縮機構部2Aは停止状態にある非圧縮運転(休筒運転とも呼ばれる)となる。結局、第2の圧縮機構部2Bでの圧縮作用のみが有効であり、能力を減少した一段圧縮運転がなされ、低圧縮比運転条件における効率の向上化を得られる。
このようにして、常時圧縮作用をなす第2の圧縮機構部2Bと、圧縮−停止の切換えを可能とした第1の圧縮機構部2Aを備えることにより、圧縮比、流量などの運転条件の変化に応じて、多段圧縮と一段圧縮の選択ができて、効率の向上を得られ、最適化を図ることができる。
そして、第1の圧縮機構部2Aのみ非圧縮運転への切換えを可能とし、この圧縮機構部2Aを最も低段側で、かつシリンダ室14aの排除容積を最も大としたから、非圧縮運転をなすことで電動機部3の回転数を大きく低減することなく流量の低減が可能となり、低流量域での効率向上が得られる。
非圧縮運転に切換え可能な第1の圧縮機構部2Aは、偏心ローラ13aを収容するシリンダ室14aを備えたシリンダ8Aと、先端部dが偏心ローラと当接した状態でシリンダ室14a内を二分するブレード15aと、ブレード15aの後端部eを収容するブレード室16aとを具備する。
非圧縮運転に切換え可能な第1の圧縮機構部2Aは、偏心ローラ13aを収容するシリンダ室14aを備えたシリンダ8Aと、先端部dが偏心ローラと当接した状態でシリンダ室14a内を二分するブレード15aと、ブレード15aの後端部eを収容するブレード室16aとを具備する。
ブレード室16aには、常時圧縮運転をなす第2の圧縮機構部2Bから吐出される冷媒ガスが導かれ、シリンダ室14aには圧力切換え機構Kの作用により吸込み圧の冷媒ガスもしくは第2の圧縮機構部8Bから吐出される冷媒ガスが導かれ、ブレード15aはブレード室16aとシリンダ室14aにおける差圧の程度に応じて押圧付勢される。
したがって、第1の圧縮機構部2Aにおいて、圧縮運転時はブレード15aにかかる差圧により偏心ローラ13aとブレード15aとの間のシールを確実にする。シリンダ室14aにブレード室16aと同等の圧力を導くことにより、容易に非圧縮運転に移行することができて、信頼性の向上を得られる。
したがって、第1の圧縮機構部2Aにおいて、圧縮運転時はブレード15aにかかる差圧により偏心ローラ13aとブレード15aとの間のシールを確実にする。シリンダ室14aにブレード室16aと同等の圧力を導くことにより、容易に非圧縮運転に移行することができて、信頼性の向上を得られる。
第1の圧縮機構部2Aにおける非圧縮運転時は、第1のシリンダ室14aに高段側である第2の圧縮機構部2Bの吐出圧を導くようにしたので、差圧によってブレード15aに働く偏心ローラ13aへの押し付け力を確実に無くして、円滑に非圧縮運転へ移行できる。
第2の圧縮機構部2Aにおけるブレード15aは、ブレード室16aに導かれる第1の圧縮機構部2Aの吐出圧力と、シリンダ室14aに導かれる吸込み圧力もしくは吐出圧力との差圧に応じて押圧付勢するようにしたから、ブレード15aと偏心ローラ13aとの摺動部の信頼性を向上し、ブレード室16aからシリンダ室14a吸込み側へのリークも低減でき、性能・信頼性の向上が図れる。
第2の圧縮機構部2Aにおけるブレード15aは、ブレード室16aに導かれる第1の圧縮機構部2Aの吐出圧力と、シリンダ室14aに導かれる吸込み圧力もしくは吐出圧力との差圧に応じて押圧付勢するようにしたから、ブレード15aと偏心ローラ13aとの摺動部の信頼性を向上し、ブレード室16aからシリンダ室14a吸込み側へのリークも低減でき、性能・信頼性の向上が図れる。
図3は、第2の実施の形態における圧力切換え機構Kaを説明する図である。上述の実施の形態と同一の構成部品については同番号を付して新たな説明は省略する。
気液分離器Eから延出される吸込み管Paは、密閉ケース1を貫通して第1のシリンダ8Aに接続され第1のシリンダ室14aに連通することは、第1の実施の形態と同様であるが、この吸込み管Paの中途部からは上記第2のシリンダ8Bに接続され第2のシリンダ室14bに連通する吸込み管Pbが分岐するのみである。
気液分離器Eから延出される吸込み管Paは、密閉ケース1を貫通して第1のシリンダ8Aに接続され第1のシリンダ室14aに連通することは、第1の実施の形態と同様であるが、この吸込み管Paの中途部からは上記第2のシリンダ8Bに接続され第2のシリンダ室14bに連通する吸込み管Pbが分岐するのみである。
吸込み管Pbの中途部には第1の開閉弁25が設けられる。上記第1の開閉弁25は、単なる二方弁であって制御部からの制御信号に応じて開閉制御される。さらに吸込み管Pbにおける第1の開閉弁25と密閉ケース1貫通部との間には、第1のシリンダ8Aに設けられる吐出弁機構20aに連通する吐出管Pcの端部が接続される。上記密閉ケース1の側部と上記吐出管Pcの中途部との間に分岐管Peが接続されている。この分岐管Peの中途部には第2の開閉弁26が設けられている。第2の開閉弁26は単なる二方弁であって、制御部からの制御信号に応じて開閉制御される。
上記吐出管Pcの中途部と、第1のシリンダ8Aに設けられるブレード室16aとは、中間圧分岐管Pfによって連通される。第1の実施の形態では上記ブレード室16aに高圧導入孔19を設けたが、この実施の形態では設けられておらず、代って中間圧分岐管Pfが接続される。
このようにして構成される圧力切換え機構Kaを備えて通常運転(多段圧縮運転)を選択すると、第1の開閉弁25は閉成され、第2の開閉弁26も閉成されたうえに、ロータリ式圧縮機Aが駆動を開始する。
このようにして構成される圧力切換え機構Kaを備えて通常運転(多段圧縮運転)を選択すると、第1の開閉弁25は閉成され、第2の開閉弁26も閉成されたうえに、ロータリ式圧縮機Aが駆動を開始する。
気液分離器Eで蒸発した低圧の冷媒ガスは図に実線矢印に示すように、吸込み管Paを介して第1のシリンダ室14aに導かれる。第1の開閉弁25が閉成されており、ブレード室16aは中間圧分岐管Pfを介して吐出管Pcと連通しているので、吐出管Pc内の圧力同じ中間圧力雰囲気となる。
したがって、ブレード15aの先端部dと後端部eとで差圧が生じ、ブレード先端部dが常に偏心ローラ13aに摺接するように押圧付勢される。第1のシリンダ室14aにおいては通常の圧縮運転が行われ、第1段圧縮された中間圧の冷媒ガスが吸込み管Pbを介して第2のシリンダ室14bに導かれる。第2のシリンダ室14bでは通常の圧縮作用がなされ、吐出管Pdから圧縮された高圧ガスが密閉ケース1内に吐出される。
したがって、ブレード15aの先端部dと後端部eとで差圧が生じ、ブレード先端部dが常に偏心ローラ13aに摺接するように押圧付勢される。第1のシリンダ室14aにおいては通常の圧縮運転が行われ、第1段圧縮された中間圧の冷媒ガスが吸込み管Pbを介して第2のシリンダ室14bに導かれる。第2のシリンダ室14bでは通常の圧縮作用がなされ、吐出管Pdから圧縮された高圧ガスが密閉ケース1内に吐出される。
この実施の形態でも、第1のシリンダ室14aで1段面の圧縮作用が行われ、そのまま第2のシリンダ室14bに導かれて2段目の圧縮作用が行われる。2段(多段)圧縮された高圧ガスが凝縮器B、膨張装置C、蒸発器Dの順に導かれて冷凍作用をなす。したがって、同様の効果を得られる。
特別運転(一段圧縮運転)を選択すると、第1の開閉弁25は開放され、第2の開閉弁26は閉成を保持する。気液分離器Eから低圧の冷媒ガスが第1のシリンダ室14aと、第1の開閉弁25を介して吸込み管Pbから第2のシリンダ室14bに導かれる。さらに、吸込み管Pbの中途部から吐出管Pcを逆流し、中間圧分岐管Pfからブレード室16bに充満する。
特別運転(一段圧縮運転)を選択すると、第1の開閉弁25は開放され、第2の開閉弁26は閉成を保持する。気液分離器Eから低圧の冷媒ガスが第1のシリンダ室14aと、第1の開閉弁25を介して吸込み管Pbから第2のシリンダ室14bに導かれる。さらに、吸込み管Pbの中途部から吐出管Pcを逆流し、中間圧分岐管Pfからブレード室16bに充満する。
第1のシリンダ8Aにおける第1のシリンダ室14aとブレード室16aとは低圧の冷媒ガスで満たされ、ブレード15aの先端部dと後端部eとの間で差圧が生じない。そのため、第1のシリンダ室14aでは圧縮作用が行われない。
一方、吸込み管Pbから第2のシリンダ室14bにおいては、ブレード15bがばね部材17によって押圧付勢され偏心ローラ13bの偏心回転にともなってシリンダ室14bを二分する。したがって、吸込み管Pbから第2のシリンダ室14bに導かれた低圧の冷媒ガスは圧縮される。結局、第2の圧縮機構部2Bにおいてのみ圧縮作用が行われ、第1の圧縮機構部2Aでは非圧縮運転となる。
一方、吸込み管Pbから第2のシリンダ室14bにおいては、ブレード15bがばね部材17によって押圧付勢され偏心ローラ13bの偏心回転にともなってシリンダ室14bを二分する。したがって、吸込み管Pbから第2のシリンダ室14bに導かれた低圧の冷媒ガスは圧縮される。結局、第2の圧縮機構部2Bにおいてのみ圧縮作用が行われ、第1の圧縮機構部2Aでは非圧縮運転となる。
このような多段圧縮運転と一段圧縮運転の効果は、先に第1の実施の形態で説明したものと全く同様であり、ここでは新たな説明を省略する。
なお、第2の実施の形態において、圧力切換え機構Kaを一段圧縮運転に設定して継続し、運転状況の変化により多段圧縮運転に切換える場合がある。このとき制御部は、以下に述べるようにして制御を行う。
一段圧縮運転時に制御部は第1の開閉弁25を開放し、第2の開閉弁26を閉成するよう設定したが、多段圧縮運転への切換えを行う前段階として、第1の開閉弁25を閉成し、第2の開閉弁26を開放するよう制御する。
なお、第2の実施の形態において、圧力切換え機構Kaを一段圧縮運転に設定して継続し、運転状況の変化により多段圧縮運転に切換える場合がある。このとき制御部は、以下に述べるようにして制御を行う。
一段圧縮運転時に制御部は第1の開閉弁25を開放し、第2の開閉弁26を閉成するよう設定したが、多段圧縮運転への切換えを行う前段階として、第1の開閉弁25を閉成し、第2の開閉弁26を開放するよう制御する。
したがって、図に一点鎖線矢印に示すように、密閉ケース1内に吐出され充満する高圧ガスの一部が分岐管Peから第2の開閉弁26を介して吐出管Pcを逆流し、第1のシリンダ8Aに設けられるブレード室16aに導かれる。その一方で第1のシリンダ室14aには気液分離器Eで蒸発した低圧の冷媒ガスが吸込み管Paを介して導かれるので、ブレード15aの第1のシリンダ室14a側である先端部dと、ブレード室16a側である後端部eとに差圧が生じる。
ブレード15aは直ちに移動して、先端部dが偏心ローラ13aの周壁に当接し、かつローラ13aの偏心回転に追従して往復動する。この状態にしてから、先に説明したように第2の開閉弁26を閉成するよう切換え、第1の開閉弁25は閉成を保持するので、先に説明した多段圧縮運転が行われる。
結局、一段圧縮運転から多段圧縮運転への切換えが極めて円滑に行われることとなり、信頼性のより向上化が得られる。しかも、第2の実施の形態では廉価な開閉弁を用意すればよいから、コストへの悪影響を抑制できる。
結局、一段圧縮運転から多段圧縮運転への切換えが極めて円滑に行われることとなり、信頼性のより向上化が得られる。しかも、第2の実施の形態では廉価な開閉弁を用意すればよいから、コストへの悪影響を抑制できる。
なお、上記実施の形態においては、圧縮運転と非圧縮運転の切換え可能な圧縮機構部を最も低段側の圧縮機構部としたが、本発明はこれに限らず、高段側の圧縮機構部を圧縮運転と非圧縮運転に切換えるようにしても良い。この場合、多段圧縮運転と一段圧縮運転時の冷凍能力は略同一となる。
また、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
また、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
A…ロータリ式圧縮機、B…凝縮器、C…膨張装置、E…蒸発器、P…冷媒管、1…密閉ケース、3…電動機部、4…回転軸を、2A…第1の圧縮機構部、2B…第2の圧縮機構部、K…圧力切換え機構(圧力切換え手段)、13a…偏心ローラ、14a…第1のシリンダ室、8A…第1のシリンダ、15a…ブレード、16a…ブレード室。
Claims (4)
- ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを冷媒管を介して連通してなり、冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置において、
上記ロータリ式圧縮機は、
密閉ケースと、
この密閉ケース内に収容される電動機部および、この電動機部と回転軸を介して連結される複数の圧縮機構部と、
上記複数の圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転をなす多段圧縮運転と、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による圧縮運転をなす一段圧縮運転とに切換える圧力切換え手段と
を具備することを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 上記ロータリ式圧縮機における複数の圧縮機構部のうち、上記圧力切換え手段により非圧縮運転に切換えられる圧縮機構部は、
最も低段側にあるとともに、最も排除容積が大であることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。 - 上記ロータリ圧縮機における複数の圧縮機構部のうち、上記圧力切換え手段により非圧縮運転に切換えられる圧縮機構部は、
偏心回転自在なローラを収容するシリンダ室を備えたシリンダと、先端部が上記ローラの周面に対向され、ローラと当接した状態でローラの回転方向に沿ってシリンダ室内を二分するブレードと、上記シリンダに一体に設けられ上記ブレードの後端部を収容するブレード室とを具備し、
上記ブレード室には、常時圧縮運転をなす圧縮機構部から吐出される吐出圧の冷媒ガスが導かれ、上記シリンダ室には上記圧力切換え手段の作用により上記蒸発器で蒸発した吸込み圧の冷媒ガスもしくは常時圧縮運転をなす圧縮機構部から吐出される吐出圧の冷媒ガスが導かれ、上記ブレードはブレード室とシリンダ室における差圧の程度に応じて圧縮運転と非圧縮運転との切換えがなされることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。 - 密閉ケースと、
この密閉ケース内に収容される電動機部および、この電動機部と回転軸を介して連結される複数の圧縮機構部と、
上記複数の圧縮機構部を直列に連通して多段圧縮運転をなす多段圧縮運転と、少なくとも1つの圧縮機構部を非圧縮運転させ残りの圧縮機構部による圧縮運転をなす一段圧縮運転とに切換える圧力切換え手段と
を具備することを特徴とするロータリ式圧縮機。
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