JP2010156498A - 冷凍装置 - Google Patents

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隆造 外島
Yoshitaka Shibamoto
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Abstract

【課題】複数の圧縮機構が1本の駆動軸で連結された圧縮機が設けられて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置において、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得る。
【解決手段】3つ以上のロータリ型の圧縮機構部が1本の駆動軸で連結された圧縮機を有する冷媒回路を備えて二段圧縮冷凍サイクルを行う空気調和装置の2つ以上の圧縮機構部を並列に接続して低段側圧縮機構として用いる。また、並列に接続された圧縮機構部のうちの少なくとも1つの圧縮機構部(31)において、ブレード(63)によって高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが仕切られてシリンダ室(C1)で冷媒が圧縮される圧縮状態と、高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが連通してシリンダ室(C1)で冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置に関し、特に、複数の圧縮機構部が1本の駆動軸で連結された圧縮機が設けられた冷凍装置に関するものである。
従来より、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置として、例えば、2つの圧縮機構部が1本の駆動軸に連結された圧縮機が用いられている(例えば特許文献1参照)。この冷凍装置の圧縮機では、一方の圧縮機構が低段側圧縮機構となり、他方の圧縮機構が高段側圧縮機構となる。
特開2000−87892号公報
ところで、上述のような二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置では、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間の冷媒の圧力(以下、「中間圧力」と称する。)の値によって成績係数(COP)が変化する。ところが、高いCOPが得られる中間圧力は運転条件等によって異なる。そのため、運転条件に応じて中間圧力を適切な値に制御することが好ましい。
しかしながら、上述した冷凍装置では、一方の圧縮機構が常に低段側圧縮機構として用いられ、他方の圧縮機構が常に高段側圧縮機構として用いられるように構成されていた。そのため、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率が常に一定となり、中間圧を運転条件に応じて適切な値に制御することができない。よって、このような圧縮機を備えた冷凍装置では、運転条件が所定の範囲から外れると高いCOPが得られなくなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の圧縮機構が1本の駆動軸で連結された圧縮機が設けられて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置において、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることにある。
第1の発明は、両端が閉塞されたシリンダ(61,71,81)と、該シリンダ(61,71,81)内に1つの流体室(C1,C2,C3)を形成するローラ(62,72,82)と、上記流体室(C1,C2,C3)を高圧室(C1-Hp,C2-Hp,C3-Hp)と低圧室(C1-Lp,C2-Lp,C3-Lp)とに仕切るための仕切部材(63,73,83)とがそれぞれに設けられた複数のロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)が1本の駆動軸(35)で連結された圧縮機(11)を有する冷媒回路(10)を備えて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を3つ以上備えると共に、そのうちの2つ以上の圧縮機構部(31,32)が並列に接続されて低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構として用いられ、上記並列に接続された圧縮機構部(31,32)のうちの少なくとも1つの圧縮機構部(31)において、上記流体室(C1)で冷媒が圧縮される圧縮状態と、高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが連通する冷媒の非圧縮状態とに切り換えることにより、上記低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている。
第1の発明では、圧縮機(11)は3つ以上の圧縮機構部(31,32,33)を備えている。そのため、該圧縮機(11)では、3つ以上の圧縮機構部(31,32,33)のうちの少なくとも1つが低段側圧縮機構として用いられ、残りの少なくとも1つが高段側圧縮機構として用いられて冷媒が二段圧縮される。また、吸入容積比変更手段(2)によって圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると、所定の圧縮機構部(31)において高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが連通するためにローラ(62)が空回りし、該圧縮機構部(31)の流体室(C1)では冷媒が圧縮されなくなる。これにより、低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構の少なくとも一方の吸入容積が変わり、吸入容積比が変更される。
第2の発明は、第1の発明において、上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を3つ備えると共に、そのうちの2つの圧縮機構部(31,32)が並列に接続され、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)のうちの一方の圧縮機構部(31)において、上記圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって上記吸入容積比を変更する。
第2の発明では、例えば、並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)が低段側圧縮機構として用いられている場合に、吸入容積比変更手段(2)によって非圧縮状態に切り換えられると、低段側圧縮機構の吸入容積が小さくなる。これにより、吸入容積比は大きくなる。一方、並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)が高段側圧縮機構として用いられている場合には、吸入容積比変更手段(2)によって非圧縮状態に切り換えられると、高段側圧縮機構の吸入容積が小さくなる。これにより、吸入容積比は小さくなる。
第3の発明は、第1の発明において、上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を4つ備えると共に、そのうちの3つの圧縮機構部(31,32,33)が並列に接続され、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記並列に接続された3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの1つ又は2つの圧縮機構部(31)において、上記圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって上記吸入容積比を変更する。
第3の発明では、例えば、並列に接続された3つの圧縮機構部(31,32,33)が低段側圧縮機構として用いられている場合に、吸入容積比変更手段(2)によって1つ又は2つの圧縮機構部(31)において非圧縮状態に切り換えられると、低段側圧縮機構の吸入容積が小さくなる。これにより、吸入容積比は大きくなる。一方、並列に接続された3つの圧縮機構部(31,32,33)が高段側圧縮機構として用いられている場合に、吸入容積比変更手段(2)によって非圧縮状態に切り換えられると、高段側圧縮機構の吸入容積が小さくなる。これにより、吸入容積比は小さくなる。
第4の発明は、第1の発明において、上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を4つ備えると共に、そのうちの2つの圧縮機構部(31,32)が並列に接続され、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)のうちの一方の圧縮機構部(31)において、上記圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって上記吸入容積比を変更する。
第4の発明では、例えば、並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)が低段側圧縮機構として用いられている場合に、吸入容積比変更手段によって非圧縮状態に切り換えられると、低段側圧縮機構の吸入容積が小さくなる。これにより、吸入容積比は大きくなる。一方、圧縮状態において並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)が高段側圧縮機構として用いられている場合に、吸入容積比変更手段(2)によって非圧縮状態に切り換えられると、高段側圧縮機構の吸入容積が小さくなる。これにより、吸入容積比は小さくなる。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか1つの発明において、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記非圧縮状態において、上記仕切部材(63)を上記ローラ(62)から離隔させることにより、上記高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とを連通させる。
第5の発明では、吸入容積比変更手段(2)によって、仕切部材(63)をローラ(62)から離隔させると、高圧室(C1-Hp,C2-Hp,C3-Hp)と低圧室(C1-Lp,C2-Lp,C3-Lp)とが連通して流体室(C1,C2,C3)は仕切られなくなる。これにより、ローラ(62)がシリンダ(61)内において空回りし、流体室(C1,C2,C3)で冷媒が圧縮されない非圧縮状態となる。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、上記冷媒回路(10)を流通する冷媒が二酸化炭素である。
第6の発明では、冷媒回路(10)に充填された冷媒としての二酸化炭素は、低段側圧縮機構に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、高段側圧縮機構に吸入されて臨界圧力よりも高い高圧圧力状態となるまで圧縮される。
本発明によれば、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続された2つ以上の圧縮機構部のうちの少なくとも1つの圧縮機構部において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比を変更することができる。そのため、運転条件の変化に伴って高いCOPが得られるように中間圧力を変動(上昇又は低下)させることができる。従って、本発明によれば、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることができる。
また、第5の発明によれば、吸入容積比変更手段は、仕切部材をローラから離隔させることによって高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とを連通させることができる。よって、冷媒回路(10)を変化させることなく容易に上記非圧縮状態に切り換えることができる。また、吸入容積比変更手段を容易に構成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る冷凍装置の一例として、空気調和装置について説明する。
《発明の実施形態1》
−全体構成−
図1に示すように、空気調和装置(1)は、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えている。この冷媒回路(10)には、圧縮機(11)と、室外熱交換器(12)と、第1膨張弁(13)と、気液分離器(14)と、第2膨張弁(15)及び室内熱交換器(16)とが接続されている。冷媒回路(10)には、暖房運転と冷房運転とを切り換える四方弁(17)とが設けられている。また、本空気調和装置(1)は、圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率(以下、単に「吸入容積比」と称する。)を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている。
圧縮機(11)の詳細な構成については後述するが、該圧縮機(11)は、密閉容器状のケーシング(40)を備えている。該ケーシング(40)内には、3つの圧縮機構部(31,32,33)と、該3つの圧縮機構部(31,32,33)を駆動するための電動機(34)と、3つの圧縮機構部(31,32,33)と電動機(34)とが連結された駆動軸(35)とが収容されている。なお、詳細については後述するが、圧縮機(11)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの少なくとも1つが低段側圧縮機構として用いられる一方、残りの圧縮機後部のうちの少なくとも1つが高段側圧縮機構として用いられて二段圧縮冷凍サイクルを行うように冷媒回路(10)に接続されている。
ケーシング(40)には、該ケーシング(40)の内外を貫くように第1吸入管(51)、第1吐出管(52)、第2吸入管(53)、第2吐出管(54)、第3吸入管(55)及び高圧吐出管(56)が設けられている。
上記第1吸入管(51)は上記第1圧縮機構部(31)の吸入側に接続され、上記第1吐出管(52)は該第1圧縮機構部(31)の吐出側に接続されている。また、上記第2吸入管(53)は上記第2圧縮機構部(32)の吸入側に接続され、上記第2吐出管(54)は該第2圧縮機構部(32)の吐出側に接続されている。さらに、上記第3吸入管(55)は上記第3圧縮機構部(33)の吸入側に接続される一方、第3圧縮機構部(33)の吐出側はケーシング(40)の内部空間(S1)に開口している。また、上記高圧吐出管(56)は、ケーシング(40)の上部に設けられ、その内側端部が該ケーシング(40)の内部空間(S1)において開口している。
上記四方弁(17)は、第1〜第4ポート(P1,P2,P3,P4)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とを連通させると共に第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを連通させる第1の位置(図1の実線)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させると共に第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる第2の位置(図1の破線)とに切換可能に構成されている。なお、四方弁(17)は、コントローラ(図示省略)によって第1の位置と第2の位置とに切り換えられる。
上記四方弁(17)の第1ポート(P1)には、一端が上記高圧吐出管(56)に接続された高圧ガス管(21)の他端が接続されている。また、四方弁(17)の第2ポート(P2)には、第1ガス管(22)の一端が接続されている。第1ガス管(22)の他端には、室外熱交換器(12)のガス側端部が接続されている。
上記室外熱交換器(12)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室外熱交換器(12)の液側端部には、第1液管(23a)の一端が接続され、該第1液管(23a)の他端には気液分離器(14)が接続されている。また、第1液管(23a)には第1膨張弁(13)が設けられている。
上記気液分離器(14)には、第2液管(23b)の一端が接続されている。該第2液管(23b)の他端は、上記室内熱交換器(16)の液側端部に接続されている。また、第2液管(23b)には、第2膨張弁(15)が設けられている。
上記室内熱交換器(16)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室内熱交換器(16)のガス側端部には、第2ガス管(24)の一端が接続され、該第2ガス管(24)の他端は上記四方弁(17)の第4ポート(P4)に接続されている。
上記四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、上記第1吸入管(51)に接続されている。低圧ガス管(25)の中途部には、低圧ガス分岐管(25a)の一端が接続され、該低圧ガス分岐管(25a)の他端は、上記第2吸入管(53)に接続されている。
上記第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、上記第3吸入管(55)に接続されている。第1連絡管(26)の中途部には、第1連絡合流管(26a)の一端が接続され、該第1連絡合流管(26a)の他端は、上記第2吐出管(54)に接続されている。また、第1連絡管(26)の中途部の上記第1連絡合流管(26a)の接続部よりも第3吸入管(55)側には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
〈圧縮機の構成〉
図2に示すように、本実施形態の圧縮機(11)は、いわゆる全密閉型圧縮機であり、上述のように、第1圧縮機構部(31)と、第2圧縮機構部(32)と、第3圧縮機構部(33)と、該3つの圧縮機構部(31,32,33)を駆動するための電動機(34)と、3つの圧縮機構部(31,32,33)と電動機(34)とを連結する駆動軸(35)とが1つのケーシング(40)内に収容されている。
ケーシング(40)は、縦長円筒形の密閉容器状に形成されている。具体的には、このケーシング(40)は、本体筒部(41)と、上側鏡板(42)と、下側鏡板(43)とを備えている。本体筒部(41)は、両端が開口端となった中空円筒状に形成されている。ケーシング(40)では、本体筒部(41)の上端が上側鏡板(42)によって閉塞され、本体筒部(41)の下端が下側鏡板(43)によって閉塞されている。
ケーシング(40)内では、3つの圧縮機構部(31,32,33)の上方に電動機(34)が配置されている。3つの圧縮機構部(31,32,33)と電動機(34)を連結する駆動軸(35)は、その軸方向が上下方向となる姿勢で配置されている。
電動機(34)は、ロータ(34a)とステータ(34b)とを備えている。ロータ(34a)は、駆動軸(35)の上端部に固定される一方、ステータ(34b)は、ケーシング(40)の本体筒部(41)に固定されている。
駆動軸(35)は、主軸部(35a)と、第1偏心部(35b)と、第2偏心部(35c)と、第3偏心部(35d)とを備えている。3つの偏心部(35b,35c,35d)は、駆動軸(35)のうちのそれぞれの圧縮機構部(31,32,33)を貫通する部分に形成されている。駆動軸(35)では、第1偏心部(35b)の上方に第2偏心部(35c)が配置され、第2偏心部(35c)の上方に第3偏心部(35d)が配置されている。3つの偏心部(35b,35c,35d)は、いずれも外径が主軸部(35a)よりも大きな円柱状に形成され、3つの偏心部(35b,35c,35d)の外径は等しい。また、各偏心部(35b,35c,35d)の軸心は、主軸部(35a)の軸心に対して偏心している。第1偏心部(35b)の主軸部(35a)に対する偏心方向と、第2偏心部(35c)の主軸部(35a)に対する偏心方向とは、駆動軸(35)の回転方向において180°ずれている。また、第2偏心部(35c)の主軸部(35a)に対する偏心方向と、第3偏心部(35d)の主軸部(35a)に対する偏心方向とは、駆動軸(35)の回転方向において180°ずれている。
3つの圧縮機構部(31,32,33)は一体的に構成され、下から上に向かって、カバープレート(36)、リアヘッド(37r)、第1シリンダ(61)、第1ミドルプレート(38)、第2シリンダ(71)、第2ミドルプレート(39)、第3シリンダ(81)及びフロントヘッド(37f)が順に積層されてなる。図示は省略するが、3つの圧縮機構部(31,32,33)は、積層された各部材を貫通するように設けられた複数本のボルトによって互いに締結されている。
上記3つのシリンダ(61,71,81)は、それぞれ肉厚の筒状部材であってその両端面(図2における上端面と下端面)が互いに平行な平坦面となっている。3つのシリンダ(61,71,81)の内部には、駆動軸(35)が挿通されている。第1シリンダ(61)の内部には駆動軸(35)の第1偏心部(35b)が位置し、第2シリンダ(71)の内部には駆動軸(35)の第2偏心部(35c)が位置し、第3シリンダ(81)の内部には駆動軸(35)の第3偏心部(35d)が位置している。
第1ミドルプレート(38)及び第2ミドルプレート(39)は、3つのシリンダ(61,71,81)よりもやや薄肉の平板状部材によって構成されている。第1ミドルプレート(38)は、第1シリンダ(61)と第2シリンダ(71)との間に挟み込まれ、下面が第1シリンダ(61)に密着し、上面が第2シリンダ(71)に密着している。一方、第2ミドルプレート(39)は、第2シリンダ(71)と第3シリンダ(81)との間に挟み込まれ、下面が第2シリンダ(71)に密着し、上面が第3シリンダ(81)に密着している。また、第1ミドルプレート(38)及び第2ミドルプレート(39)には、厚み方向へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔には駆動軸(35)が挿通されている。
フロントヘッド(37f)は、平板状の鏡板部と、該鏡板部の上部に形成された筒状のボス部とを備えている。鏡板部のボス部の反対側の面は平坦に形成され、第3シリンダ(81)と密着している。また、フロントヘッド(37f)には、ボス部から鏡板部に亘って該ボス部の軸方向に延びる貫通孔が形成され、該貫通孔には、駆動軸(35)の主軸部(35a)が挿通されている。
リアヘッド(37r)は、第1シリンダ(61)よりもさらに肉厚の平板状部材によって構成され、その上面が第1シリンダ(61)と密着している。リアヘッド(37r)には、厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔には駆動軸(35)が挿通されている。
カバープレート(36)は、比較的薄肉の平板状部材によって構成されている。このカバープレート(36)は、リアヘッド(37r)の下面を覆うように設けられている。
第1シリンダ(61)内には円筒形状の第1ローラ(62)が収容され、第1シリンダ(61)の内周面と第1ローラ(62)の外周面との間には第1シリンダ室(C1)が形成されている。第1シリンダ室(C1)の上端は、第1ミドルプレート(38)の下面によって閉塞され、第1シリンダ室(C1)の下端は、リアヘッド(37r)の上面によって閉塞されている。第1ローラ(62)の外周面は、その周方向の一カ所において第1シリンダ(61)の内周面と摺接する。第1偏心部(35b)に係合する第1ローラ(62)は、その外周面が第1シリンダ(61)の内周面と接する状態で偏心回転する。
また、第2シリンダ(71)には第2ローラ(72)が収容され、第2シリンダ(71)の内周面と第2ローラ(72)の外周面との間には第2シリンダ室(C2)が形成されている。第2シリンダ室(C2)の上端は、第2ミドルプレート(39)の下面によって閉塞され、第2シリンダ室(C2)の下端は、第1ミドルプレート(38)の上面によって閉塞されている。第2ローラ(72)の外周面は、その周方向の一カ所において第2シリンダ(71)の内周面と摺接する。第2偏心部(35c)に係合する第2ローラ(72)は、その外周面が第2シリンダ(71)の内周面と接する状態で偏心回転する。
さらに、第3シリンダ(81)には第3ローラ(82)が収容され、第3シリンダ(81)の内周面と第3ローラ(82)の外周面との間には第3シリンダ室(C3)が形成されている。第3シリンダ室(C3)の上端は、フロントヘッド(37f)の下面によって閉塞され、第3シリンダ室(C3)の下端は、第2ミドルプレート(39)の上面によって閉塞されている。第3ローラ(82)の外周面は、その周方向の一カ所において第3シリンダ(81)の内周面と摺接する。第3偏心部(35d)に係合する第3ローラ(82)は、その外周面が第3シリンダ(81)の内周面と接する状態で偏心回転する。
図3は、第1圧縮機構部(31)の横断面図である。図3に示すように、第1圧縮機構部(31)は、ブレード(63)が設けられている。ブレード(63)は、ローラ(62)の外周面から外側へ向かって延びる平板状に形成されている。シリンダ室(C1)は、該ブレード(63)によって第1室である低圧室(C1-Lp)と第2室である高圧室(C1-Hp)とに区画されている。
また、第1シリンダ(61)には、上記ブレード(63)を挿入するためのブレード溝(64)が形成されている。該ブレード溝(64)は、第1シリンダ(61)の半径方向に延び、その径方向内側部分はブレード(63)と略等しい幅に形成されている。一方、ブレード溝(64)の径方向外側部分はブレード(63)よりも幅広に形成され、ブレード(63)との間には背圧空間(65)が形成されている。また、ブレード(63)は、ブレード溝(64)内に摺動自在に嵌め込まれ、シリンダ室(C1)内に出没自在に構成されている。
また、背圧空間(65)は、該背圧空間(65)の圧力(以下、単に「背圧」と称する。)を切り換えるための背圧切換機構を構成する三方弁(90)の第2ポート(P2)に接続されている。該三方弁(90)の第1ポート(P1)には、一端が低圧ガス管(25)又は低圧ガス分岐管(25a)に接続された低圧連絡管(25b)の他端が接続されている。また、三方弁(90)の第3ポート(P3)には、一端が高圧ガス管(21)に接続された高圧連絡管(21a)の他端が接続されている。
また、背圧切換機構としての三方弁(90)は、第1ポート(P2)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置とに切換可能に構成されている。そして、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると、背圧空間(65)が低圧連絡管(25b)に接続されて低圧雰囲気となる。一方、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると、背圧空間(65)が高圧連絡管(21a)に接続されて高圧ガス冷媒が導入されて高圧雰囲気となる。
また、ブレード溝(64)の径方向外側には、電磁石(91)が背圧空間(65)に露出するように設けられている。なお、該電磁石(91)は、上記三方弁(90)によって構成される背圧切換機構と共に後述する吸入容積比変更手段(2)を構成している。また、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)は、図示しないコントローラによって第1の位置と第2の位置とに切り換えられ、吸入容積比変更手段(2)を構成する電磁石(91)は、上記コントローラによって、通電状態と非通電状態とに切り換えられる。
また、第1シリンダ(61)には、吸入ポート(66)が形成されている。吸入ポート(66)は、径方向に延びてシリンダ(61)の内外を連通するように形成されている。吸入ポート(66)には上記第1吸入管(51)が接続されている。
一方、図2に示すように、第1シリンダ(61)に隣接するリアヘッド(37r)には、吐出空間(67)と、該吐出空間(67)と第1シリンダ室(C1)とを連通する吐出ポート(68)とが形成されている。そして、吐出ポート(68)には吐出弁(69)が取り付けられ、吐出空間(67)には上記第1吐出管(52)が接続されている。
図4は、第3圧縮機構部(33)の横断面図である。なお、第2圧縮機構部(32)は、後述する吐出空間及び吐出ポートが第2シリンダ(71)に形成されている点において図4に示す第3圧縮機構部(33)の構成と異なるが、それ以外の部分はほぼ同様に構成されているため、該第2圧縮機構部(32)についても図4を用いて説明する。なお、図4において括弧がない符号が第2圧縮機構部(32)の符号を表し、括弧内の符号が第3圧縮機構部(33)の符号を表している。
図4に示すように、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)のそれぞれには、ブレード(73,83)が設けられている。各ブレード(73,83)は、ローラ(72,82)の外周面から外側へ向かって延びる平板状に形成されている。各シリンダ室(C2,C3)は、該ブレード(73,83)によって第1室である低圧室(C2-Lp,C3-Lp)と第2室である高圧室(C2-Hp,C3-Hp)とに区画されている。
また、第2シリンダ(71)及び第3シリンダ(81)のそれぞれには、上記ブレード(73,83)を挿入するためのブレード溝(74,84)が形成されている。該ブレード溝(74,84)は、各シリンダ(71,81)の半径方向に延び、その径方向内側部分はブレード(73,83)と略等しい幅に形成されている。一方、ブレード溝(73,83)の径方向外側部分はブレード(73,83)よりも幅広に形成され、ブレード(73,83)との間には背圧空間(75,85)が形成されている。また、ブレード(73,83)は、ブレード溝(74,84)内に摺動自在に嵌め込まれ、シリンダ室(C2,C3)内に出没自在に構成されている。
また、背圧空間(75,85)には、スプリング(77,87)が設けられている。スプリング(77,87)は、ブレード(73,83)の後端とブレード溝(74,84)の内壁との間に介設されている。さらに、図示を省略しているが、背圧空間(75,85)はケーシング(40)の内部空間(S1)に連通して高圧雰囲気となるように構成されている。そのため、ブレード(73,83)は、該スプリング(77,87)と背圧空間(75,85)の高圧冷媒とによってローラ(72,82)側に付勢され、その先端部がローラ(72,82)の外周面に押圧されている。
各シリンダ(71,81)のそれぞれには、吸入ポート(76,86)が形成されている。吸入ポート(76,86)は、径方向に延びてシリンダ(71,81)の内外を連通するように形成されている。第2シリンダ(71)に形成された吸入ポート(76)には上記第2吸入管(53)が接続され、第3シリンダ(81)に形成された吸入ポート(86)には上記第3吸入管(55)が接続されている。
一方、図2に示すように、第3シリンダ(81)に隣接するフロントヘッド(37f)には、吐出空間(87)と、該吐出空間(87)と第3シリンダ室(C3)とを連通する吐出ポート(88)とが形成されている。そして、吐出ポート(88)には吐出弁(89)が取り付けられ、吐出空間(87)は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に開口している。
なお、図示を省略しているが、第2シリンダ(71)にも、吐出空間と、該吐出空間と第2シリンダ室(C2)とを連通する吐出ポートとが形成されている。なお、吐出ポートは、第2シリンダ(71)の内外を貫通するように形成され、その外側端部には吐出弁が取り付けられている。また、吐出空間には上記第2吐出管(54)が接続されている。
以上の構成により、電動機(34)を起動すると、第1圧縮機構部(31)では、ロータ(34a)の回転が駆動軸(35)の第1偏心部(35b)を介して第1ローラ(62)に伝達される。これにより、第1ローラ(62)が第1シリンダ(61)に対して公転し、第1圧縮機構部(31)が所定の圧縮動作を行う(図5参照)。
具体的には、第1シリンダ室(C1)では、図5(a)の状態から駆動軸(35)が図の右回りに回転してローラ(62)によって吸入ポート(66)が閉塞された状態から、さらに駆動軸(35)が回転して図5(b)〜(a)の状態へ変化するのに伴って低圧室(C1-Lp)の容積が増大し、冷媒が第1吸入管(51)から吸入ポート(66)を介して該低圧室(C1-Lp)に吸入される。
そして、駆動軸(35)が一回転して再びローラ(62)によって吸入ポート(66)が閉塞されると、上記低圧室(C1-Lp)への冷媒の吸入が完了し、低圧室(C1-Lp)は、冷媒が圧縮される高圧室(C1-Hp)となる。このとき、ブレード(63)を隔てて新たな低圧室(C1-Lp)が形成される。そして、駆動軸(35)がさらに回転すると、低圧室(C1-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(C1-Hp)の容積が減少し、該高圧室(C1-Hp)で冷媒が圧縮される。そして、高圧室(C1-Hp)の圧力が所定値となって吐出空間(67)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(69)が開き、高圧室(C1-Hp)の冷媒が吐出ポート(68)及び吐出空間(67)を介して第1吐出管(52)に流出する。
第2圧縮機構部(32)においても、第1圧縮機構部(31)と同様にして冷媒が圧縮される。つまり、第2吸入管(53)から第2シリンダ室(C2)の低圧室(C2-Lp)に吸入された冷媒が高圧室(C2-Hp)において圧縮されて第2吐出管(54)に流出する。
第3圧縮機構部(33)においても、第1圧縮機構部(31)と同様にして冷媒が圧縮される。つまり、第3吸入管(55)から第3シリンダ室(C3)の低圧室(C3-Lp)に吸入された冷媒が高圧室(C3-Hp)において圧縮されてケーシング(40)の内部空間(S1)に流出する。
なお、本実施形態1では、第1圧縮機構部(31)の吸入容積(押しのけ容積)V1と、第2圧縮機構部(32)の吸入容積(押しのけ容積)V2と、第3圧縮機構部(33)の吸入容積(押しのけ容積)V3との間には、V1>V2>V3の関係が成立するように、各圧縮機構部(31,32,33)が設計されている。
〈吸入容積比変更手段の構成〉
上述したように、本空気調和装置(1)は、圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている。また、本実施形態1では、該吸入容積比変更手段(2)は、上記圧縮機(11)の3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの並列に接続された第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)のうちの一方の第1圧縮機構部(31)において、以下に説明する圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって吸入容積比を変更するように構成されている。
具体的には、上記吸入容積比変更手段(2)は、背圧切換機構を構成する三方弁(90)と、電磁石(91)とを備えている。そして、吸入容積比変更手段(2)は、第1圧縮機構部(31)において、ブレード(63)によって高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが仕切られてシリンダ室(C1)で冷媒が圧縮される圧縮状態と、高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが連通してシリンダ室(C1)で冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることによって吸入容積比を変更する。
より具体的には、図3に示すように、上記三方弁(90)を第2の位置に設定し、電磁石(91)への通電を停止すると、上記圧縮状態となる。つまり、背圧空間(65)と高圧連絡管(21a)とが連通することにより、高圧ガス管(21)の高圧圧力状態のガス冷媒が高圧連絡管(21a)を介して背圧空間(65)に導入される。これにより、ブレード(63)は、背圧によって第1ローラ(62)に押し付けられ、シリンダ室(C1)が高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とに仕切られる。この状態では、シリンダ室(C1)において第1ローラ(62)が偏心回転することによって冷媒が該シリンダ室(C1)において圧縮される。
一方、図6に示すように、上記三方弁(90)を第1の位置に設定し、電磁石(91)への通電が行われると、上記非圧縮状態となる。つまり、背圧空間(65)と低圧連絡管(25b)とが連通することにより、背圧空間(65)から冷媒が低圧ガス管(25)に逃げ、背圧空間(65)が低圧雰囲気となる。また、電磁石(91)への通電が行われると、金属製のブレード(63)が電磁石(91)に引き寄せられる。これにより、金属製のブレード(63)は、電磁石(91)に引き寄せられて第1ローラ(62)から離隔し、シリンダ室(C1)の高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが連通する。この状態では、シリンダ室(C1)において第1ローラ(62)が偏心回転しても冷媒が圧縮されない。そのため、第1圧縮機構部(31)では、吐出弁(69)が開かず、冷媒が第1吐出管(52)から吐出されなくなると共に第1吸入管(51)から吸入されなくなる。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。空気調和装置(1)は、下記の冷房運転と暖房運転とに切り換え可能となっている。
(冷房運転)
図7に示すように、四方弁(17)が第1の位置に設定された状態で、圧縮機(11)を起動すると、冷媒回路(10)では、室外熱交換器(12)が放熱器となる一方、室内熱交換器(16)が蒸発器となる二段圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、この二段圧縮冷凍サイクルでは、二段圧縮冷凍サイクルの高圧圧力が二酸化炭素の臨界圧力よりも高くなる。この点は、後述する暖房運転でも同じである。
具体的には、圧縮機(11)が起動すると、圧縮機(11)において圧縮された高圧ガス冷媒が四方弁(17)を経由して室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)において、高圧ガス冷媒は空気と熱交換して放熱して冷却される。
室外熱交換器(12)において冷却された冷媒は、第1膨張弁(13)で中間圧力に減圧された後に、気液分離器(14)で液冷媒とガス冷媒とに分離される。このうち、ガス冷媒は、インジェクション管(20)を介して圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間に流入する。一方、液冷媒は、第2膨張弁(15)において低圧圧力まで減圧された後に、室内熱交換器(16)に流入する。
室内熱交換器(16)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内空気は冷却されて室内へ供給される。室内熱交換器(16)で蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機(11)に吸入されて再び圧縮される。
(暖房運転)
暖房運転では、図8に示すように、四方弁(17)が第2の位置に設定された状態で、圧縮機(11)を起動すると、冷媒回路(10)では、室内熱交換器(16)が放熱器となる一方、室外熱交換器(12)が蒸発器となる二段圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的には、圧縮機(11)が起動すると、圧縮機(11)において圧縮された高圧ガス冷媒が四方弁(17)を経由して室内熱交換器(16)に流入する。室内熱交換器(16)において、高圧ガス冷媒は室内空気と熱交換して放熱して冷却される。その結果、室内空気は加熱されて室内へ供給される。
室内熱交換器(16)において冷却された冷媒は、第2膨張弁(15)で中間圧力に減圧された後に、気液分離器(14)で液冷媒とガス冷媒とに分離される。このうち、ガス冷媒は、インジェクション管(20)を介して圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間に流入する。一方、液冷媒は、第1膨張弁(13)において低圧圧力まで減圧された後に、室外熱交換器(12)に流入する。
室外熱交換器(12)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(12)で蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機(11)に吸入されて再び圧縮される。
(吸入容積比変更手段の制御)
本実施形態1では、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、図示しないコントローラによって、背圧切換機構を構成する三方弁(90)が、運転条件の変化に応じて第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられる。これにより、第1圧縮機構部(31)が非圧縮状態又は圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられると、第1圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮される上記圧縮状態となる。一方、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が通電状態に切り換えられると、第1圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮されない上記非圧縮状態となる。
なお、本実施形態1では、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図8に示すように、上記圧縮状態では、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されると共に、その一部が低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入される。そして、該第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)においてそれぞれ中間圧力状態となるまで圧縮される。
第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡合流管(26a)を通って第1連絡管(26)の中途部に流入する。一方、第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)に流入し、第1連絡合流管(26a)から流入する冷媒と合流して第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第1連絡管(26)の第1連絡合流管(26a)よりも下流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/(V1+V2)となる。
一方、図7に示すように、上記非圧縮状態では、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)には吸入されずに、低圧ガス分岐管(25a)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入され、該第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態まで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第1連絡管(26)の中途部には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように非圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)では冷媒が圧縮されず、第2圧縮機構部(32)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V2となる。
なお、ここで、本空気調和装置(1)の圧縮機(11)は、1本の駆動軸(35)に3つの圧縮機構部(31,32,33)が連結されている。これにより、例えば、吸入容積比Vrを冷房運転において好適な値に設定し、該吸入容積比Vrを変更することなく暖房運転を行うと、暖房運転において中間圧の値が低圧と高圧との中間よりも低くなる一方、吸入容積比Vrを暖房運転において好適な値に設定し、該吸入容積比Vrを変更することなく冷房運転を行うと、冷房運転において中間圧の値が低圧と高圧との中間よりも高くなる。そのため、いずれか一方の運転条件において中間圧が低圧と高圧との平均値となるように吸入容積比Vrを設定すると、他方の運転条件において中間圧が低圧と高圧との平均値から大きくずれてしまうこととなる。
しかし、本空気調和装置(1)では、上述のように、冷房運転に切り換えられる際に、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが大きくなるように変更される。これにより、低段側圧縮機構における圧縮比が小さくなるため、中間圧が低下して低圧と高圧との平均値に近い値となる。その結果、冷房運転において高いCOPを得ることができる。また、中間圧が低下することにより、冷却手段としてのインジェクション管(20)からのガスインジェクション量が比較的多くなる。これにより、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間の冷媒がより冷却されるため、圧縮機(11)の入力を低減することができる。
一方、本空気調和装置(1)では、暖房運転に切り換えられる際に、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが小さくなるように変更される。これにより、低段側圧縮機構における圧縮比が大きくなるため、中間圧が上昇して低圧と高圧との平均値に近い値となる。その結果、暖房運転において高いCOPを得ることができる。また、中間圧が上昇することにより、冷却手段としてのインジェクション管(20)からのガスインジェクション量が比較的少なくなる。これにより、高段側圧縮機構に吸入される冷媒の温度をなるべく低下させないようにすると共に、室外熱交換器(12)の冷媒流量を多くすることにより室外空気からの吸熱量を増大させることができるため、圧縮機(11)の入力の低減と暖房能力の向上の両立を図ることができる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる。
−実施形態1の効果−
以上により、本空気調和装置(1)によれば、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて低段側圧縮機構を構成する2つの圧縮機構部(31,32)のうちの第1圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比を変更することができる。そのため、運転条件の変化に伴って高いCOPが得られるように中間圧力を変動(上昇又は低下)させることができる。従って、本発明によれば、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることができる。
また、本空気調和装置(1)によれば、吸入容積比変更手段(2)は、三方弁(90)と電磁石(91)とを備え、ブレード(63)を第1ローラ(62)から離隔させることによって高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とを連通させることができる。よって、冷媒回路(10)を変化させることなく容易に第1圧縮機構部(31)を非圧縮状態に切り換えることができる。また、吸入容積比変更手段(2)を容易に構成することができる。
さらに、本空気調和装置(1)の冷媒回路(10)では、冷媒として二酸化炭素が用いられている。このように二酸化炭素を冷媒とする二段圧縮冷凍サイクルでは、放熱損失が大きく、高い成績係数(COP)を得難いという問題がある。そのため、上記吸入容積比変更手段(2)を設けてCOPの向上を図る意義がより大きくなる。
《実施形態2》
上記実施形態1では、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうち、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)を並列に接続して低段側圧縮機構として用いる一方、第3圧縮機構部(33)を高段側圧縮機構として用いていた。しかし、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との組合せをこれに限られず、以下のようにしてもよい。
図9(a)、(b)に示すように、実施形態2の空気調和装置(1)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更し、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)と電磁石(91)とを第2圧縮機構部(32)に設けたものである。
具体的には、3つの圧縮機構部(31,32,33)は、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられるように接続されている。そして、第2圧縮機構部(32)は実施形態1の第1圧縮機構部(31)と同様に構成され、該第2圧縮機構部(32)には、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)と電磁石(91)とが設けられている。
そして、実施形態2においても、空気調和装置(1)の運転条件の変化に応じて、図示しないコントローラによって三方弁(90)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられることにより、第2圧縮機構部(32)が圧縮状態又は非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図9(a)に示すように、上記圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)にそれぞれ吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V2+V3)/V1となる。
一方、図9(b)に示すように、上記非圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第2圧縮機構部(32)には吸入されずに、第3圧縮機構部(33)のみに吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように非圧縮状態では、第2圧縮機構部(32)では冷媒が圧縮されず、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V1となる。
以上より、実施形態2では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態2の効果−
以上により、実施形態2の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて高段側圧縮機構を構成する2つの圧縮機構部(32,33)のうちの第2圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比を容易に変更することができる。
《実施形態3》
上記実施形態1では、圧縮機(11)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)を備えていたが、圧縮機構部の数はこれに限られず、以下のように4つの圧縮機構部(31,32,33,34)を備えていてもよい。
図10(a)、(b)に示すように、実施形態3の空気調和装置(1)の圧縮機(11)は、第1圧縮機構部(31)、第2圧縮機構部(32)、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)を備えている。また、これら4つの圧縮機構部(31,32,33,34)は、第1圧縮機構部(31)、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第4圧縮機構部(30)が高段側圧縮機構として用いられるように接続されている。
そして、実施形態3においても、空気調和装置(1)の運転条件の変化に応じて、図示しないコントローラによって三方弁(90)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられることにより、第1圧縮機構部(31)が圧縮状態又は非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図10(a)に示すように、上記圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)にそれぞれ吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第4圧縮機構部(30)に吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第4圧縮機構部(30)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1、第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4となる。よって、吸入容積比Vrは、V4/(V1+V2+V3)となる。
一方、図10(b)に示すように、上記非圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)には吸入されずに、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第4圧縮機構部(30)に吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように非圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)では冷媒が圧縮されず、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられると共に第4圧縮機構部(30)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4となる。よって、吸入容積比Vrは、V4/(V2+V3)となる。
以上より、実施形態2では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる。
−実施形態3の効果−
以上により、実施形態3の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて高段側圧縮機構を構成する2つの圧縮機構部(31,32)のうちの第2圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
−実施形態3の変形例−
なお、上記実施形態3では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が第1圧縮機構部(31)のみに設けられていたが、該吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)を第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)の両方にそれぞれ設けることとしてもよい。このような場合でも、吸入容積比変更手段(2)によって、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が共に圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは、V4/(V1+V2+V3)からV4/V3となって大きくなる一方、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が共に非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは、V4/V3からV4/(V1+V2+V3)となって小さくなる。
また、吸入容積比変更手段(2)によって、本空気調和装置(1)の運転条件に応じて、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が共に圧縮状態である第1の状態と、第1圧縮機構部(31)が非圧縮状態であって第2圧縮機構部(32)が圧縮状態である第2の状態と、第1圧縮機構部(31)が圧縮状態であって第2圧縮機構部(32)が非圧縮状態である第3の状態と、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が共に非圧縮状態となる第4の状態とに切り換えることとしてもよい。
なお、吸入容積比Vrは、第1の状態ではV4/(V1+V2+V3)となり、第2の状態ではV4/(V2+V3)となり、第3の状態ではV4/(V1+V3)となり、第4の状態ではV4/V3となる。
よって、吸入容積比変更手段(2)によって第1の状態〜第4の状態にいずれかの状態から他の状態に切り換えることによって容易に吸入容積比Vrを変更することができる。
なお、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が設けられる圧縮機構部の組合せはこれに限られず、第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)であってもよく、第1圧縮機構部(31)と第3圧縮機構部(33)であってもよい。
《実施形態4》
上記実施形態3では、4つの圧縮機構部(31,32,33,34)のうち、第1圧縮機構部(31)、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)を並列に接続して低段側圧縮機構として用いる一方、第4圧縮機構部(30)を高段側圧縮機構として用いていた。しかし、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との組合せをこれに限られず、以下のようにしてもよい。
図11(a)、(b)に示すように、実施形態4の空気調和装置(1)は、4つの圧縮機構部(31,32,33,34)の接続関係を変更し、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)と電磁石(91)とを第2圧縮機構部(32)に設けたものである。
具体的には、4つの圧縮機構部(31,32,33,34)は、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられるように接続されている。そして、第2圧縮機構部(32)は実施形態1及び実施形態3の第1圧縮機構部(31)と同様に構成され、該第2圧縮機構部(32)には、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)と電磁石(91)とが設けられている。
そして、実施形態4においても、空気調和装置(1)の運転条件の変化に応じて、図示しないコントローラによって三方弁(90)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられることにより、第2圧縮機構部(32)が圧縮状態又は非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図11(a)に示すように、上記圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第2圧縮機構部(32)、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)にそれぞれ吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2、第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3及び第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V2+V3+V4)/V1となる。
一方、図11(b)に示すように、上記非圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第2圧縮機構部(32)には吸入されずに、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)に吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように非圧縮状態では、第2圧縮機構部(32)では冷媒が圧縮されず、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3及び第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V3+V4)/V1となる。
以上より、実施形態4では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態4の効果−
以上により、実施形態4の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて高段側圧縮機構を構成する3つの圧縮機構部(32,33,34)のうちの第2圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比を容易に変更することができる。
−実施形態4の変形例−
なお、上記実施形態4では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が第2圧縮機構部(32)のみに設けられていたが、該吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)を第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)の両方にそれぞれ設けることとしてもよい。このような場合でも、吸入容積比変更手段(2)によって、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が共に圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは、(V2+V3+V4)/V1からV4/V1となって小さくなる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が共に非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは、V4/V1から(V2+V3+V4)/V1となって大きくなる。
また、吸入容積比変更手段(2)によって、本空気調和装置(1)の運転条件に応じて、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が共に圧縮状態である第1の状態と、第2圧縮機構部(32)が非圧縮状態であって第3圧縮機構部(33)が圧縮状態である第2の状態と、第2圧縮機構部(32)が圧縮状態であって第3圧縮機構部(33)が非圧縮状態である第3の状態と、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が共に非圧縮状態である第4の状態とに切り換えることとしてもよい。
なお、吸入容積比Vrは、第1の状態では(V2+V3+V4)/V1となり、第2の状態では(V3+V4)/V1となり、第3の状態では(V2+V4)/V1となり、第4の状態ではV4/V1となる。
よって、吸入容積比変更手段(2)によって第1の状態〜第4の状態にいずれかの状態から他の状態に切り換えることによって容易に吸入容積比Vrを変更することができる。
なお、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が設けられる圧縮機構部の組合せはこれに限られず、第3圧縮機構部(33)と第4圧縮機構部(30)であってもよく、第2圧縮機構部(32)と第4圧縮機構部(30)であってもよい。
《実施形態5》
上記実施形態5では、図12(a)、(b)に示すように、4つの圧縮機構部(31,32,33,34)は、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられるように接続されている。
そして、実施形態5においても、空気調和装置(1)の運転条件の変化に応じて、図示しないコントローラによって三方弁(90)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられることにより、第1圧縮機構部(31)が圧縮状態又は非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図12(a)に示すように、上記圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)にそれぞれ吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)にそれぞれ吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3及び第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V3+V4)/(V1+V2)となる。
一方、図12(b)に示すように、上記非圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されずに第2圧縮機構部(32)のみに吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)に吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように非圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)では冷媒が圧縮されず、第2圧縮機構部(32)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3及び第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V3+V4)/V2となる。
以上より、実施形態5では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる。
−実施形態5の効果−
以上により、実施形態5の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて低段側圧縮機構を構成する2つの圧縮機構部(31,32)のうちの第1圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比を容易に変更することができる。
−実施形態5の変形例−
なお、上記実施形態5では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が低段側圧縮機構として用いられる第1圧縮機構部(31)に設けられていたが、該三方弁(90)及び電磁石(91)を高段側圧縮機構として用いられる第3圧縮機構部(33)に設けることとしてもよい。
このような場合、吸入容積比変更手段(2)によって、冷房運転に切り換えられる際に、第3圧縮機構部(33)が非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比VrがV4/(V1+V2)から(V3+V4)/(V1+V2)となって大きくなり、暖房運転に切り換えられる際に、第3圧縮機構部(33)が圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが(V3+V4)/(V1+V2)からV4/(V1+V2)となって小さくなる。
また、上記実施形態5では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が第1圧縮機構部(31)のみに設けられていたが、該吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)を第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)の両方にそれぞれ設けることとしてもよい。
そして、吸入容積比変更手段(2)によって、本空気調和装置(1)の運転条件に応じて、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)が共に圧縮状態である第1の状態と、第1圧縮機構部(31)が非圧縮状態であって第3圧縮機構部(33)が圧縮状態である第2の状態と、第1圧縮機構部(31)が圧縮状態であって第3圧縮機構部(33)が非圧縮状態である第3の状態と、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)が共に非圧縮状態である第4の状態とに切り換えることとしてもよい。
なお、吸入容積比Vrは、第1の状態では(V3+V4)/(V1+V2)となり、第2の状態では(V3+V4)/V2となり、第3の状態ではV4/(V1+V2)となり、第4の状態ではV4/V2となる。
よって、吸入容積比変更手段(2)によって第1の状態〜第4の状態にいずれかの状態から他の状態に切り換えることによって容易に吸入容積比Vrを変更することができる。
なお、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)が設けられる圧縮機構部の組合せはこれに限られず、第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)であってもよく、第1圧縮機構部(31)と第4圧縮機構部(30)であってもよい。
《実施形態6》
図13(a)、(b)に示すように、実施形態6では、4つの圧縮機構部(31,32,33,34)は、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が直列に接続されて高段側圧縮機構として用いられるように接続されている。
そして、実施形態6においても、空気調和装置(1)の運転条件の変化に応じて、図示しないコントローラによって三方弁(90)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられることにより、第1圧縮機構部(31)が圧縮状態又は非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図13(a)に示すように、上記圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)にそれぞれ吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮される。そして、中間圧力状態の冷媒は、第3圧縮機構部(33)に吸入されて圧縮された後、第4圧縮機構部(30)に吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が直列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/(V1+V2)となる。
一方、図13(b)に示すように、上記非圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)には吸入されずに、第2圧縮機構部(32)のみに吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮される。そして、中間圧力状態の冷媒は、第3圧縮機構部(33)に吸入されて圧縮された後、第4圧縮機構部(30)に吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように非圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)では冷媒が圧縮されず、第2圧縮機構部(32)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が直列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となり、高段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V2となる。
以上より、実施形態6では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる。
−実施形態6の効果−
以上により、実施形態6の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて低段側圧縮機構を構成する2つの圧縮機構部(31,32)のうちの第1圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
なお、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)を、第1圧縮機構部(31)でなく第2圧縮機構部(32)に設けて、第2圧縮機構部(32)を圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって吸入容積比Vrを変更することとしてもよい。
《実施形態7》
図14(a)、(b)に示すように、実施形態7の空気調和装置(1)は、実施形態3における4つの圧縮機構部(31,32,33,34)の接続関係を変更し、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)と電磁石(91)とを第3圧縮機構部(33)に設けたものである。
具体的には、4つの圧縮機構部(31,32,33,34)は、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が直列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられるように接続されている。
そして、実施形態7においても、空気調和装置(1)の運転条件の変化に応じて、図示しないコントローラによって三方弁(90)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられると共に、電磁石(91)が非通電状態又は通電状態に切り換えられることにより、第3圧縮機構部(33)が圧縮状態又は非圧縮状態に切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、冷房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第2の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が非通電状態に切り換えられて上記圧縮状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、三方弁(90)が第1の位置に切り換えられると共に電磁石(91)が通電状態に切り換えられて上記非圧縮状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図14(a)に示すように、上記圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されて圧縮された後、第2圧縮機構部(32)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮される。そして、中間圧力状態の冷媒は、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)にそれぞれ吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように圧縮状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が直列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)及び第4圧縮機構部(30)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3及び第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V3+V4)/V1となる。
一方、図14(b)に示すように、上記非圧縮状態では、低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されて圧縮された後、第2圧縮機構部(32)に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮される。そして、中間圧力状態の冷媒は、第3圧縮機構部(33)には吸入されずに、第4圧縮機構部(30)のみに吸入されて高圧圧力状態となるまで圧縮される。
このように非圧縮状態では、第3圧縮機構部(33)では冷媒が圧縮されず、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が直列に接続されて低段側圧縮機構として用いられると共に第4圧縮機構部(30)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、非圧縮状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第4圧縮機構部(30)の吸入容積V4となる。よって、吸入容積比Vrは、V4/V1となる。
以上より、実施形態7では、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)によって、圧縮状態から非圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、非圧縮状態から圧縮状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態7の効果−
以上により、実施形態7の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)によって、並列に接続されて高段側圧縮機構を構成する2つの圧縮機構部(33,34)のうちの第3圧縮機構部(33)において冷媒が圧縮される圧縮状態と冷媒が圧縮されない非圧縮状態とに切り換えることにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
なお、吸入容積比変更手段(2)を構成する三方弁(90)及び電磁石(91)を、第3圧縮機構部(33)でなく第4圧縮機構部(30)に設けて、第4圧縮機構部(30)を圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって吸入容積比Vrを変更することとしてもよい。
《その他の実施形態》
上述した各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態について、冷媒回路(10)に充填される冷媒が二酸化炭素以外の冷媒(例えばフロン冷媒)であってもよい。
また、上記各実施形態では、圧縮機(11)の中間段の冷媒を冷却する冷却手段としてインジェクション管(20)を用いていたが、冷却手段として熱交換器(中間冷却器)を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、吸入容積比変更手段(2)を、背圧切換機構としての三方弁(90)と電磁石(91)とによって構成されていたが、吸入容積比変更手段(2)はこれに限られず、いかなるものであってもよい。
また、上記各実施形態では、吸入容積比変更手段(2)の背圧切換機構として三方弁(90)を用いていたが、背圧切換機構を複数の電磁弁によって代用することも可能である。
また、上記各実施形態では、冷房運転又は暖房運転に切り換えられる際に、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrを変更していたが、吸入容積比Vrの変更を行うタイミングはこれらに限られず、様々な運転条件の変化に応じて変更することにより、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることが可能となることは言うまでもない。
また、上記実施形態1及び実施形態2では、圧縮機(11)が3つの圧縮機構部(31,32,33)を備える場合について説明し、実施形態3〜実施形態7では圧縮機(11)が4つの圧縮機構部(31,32,33,34)を備える場合について説明したが、本発明に係る冷凍装置はこれに限られない。圧縮機(11)が5つ以上の圧縮機構部を備え、そのうちの少なくとも1つの圧縮機構部において圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えられることによって吸入容積比Vrが変更される空気調和装置であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、二段圧縮冷凍サイクルの冷凍装置について有用である。
図1は、実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路図である。 図2は、実施形態1の圧縮機の縦断面図である。 図3は、実施形態1の第1圧縮機構部の横断面図である。 図4は、実施形態1の第2圧縮機構部及び第3圧縮機構部の横断面図である。 図5は、実施形態1の圧縮機構部の動作状態図である。 図6は、実施形態1の非圧縮状態にある第1圧縮機構部の横断面図である。 図7は、実施形態1に係る空気調和装置の冷房運転時における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図8は、実施形態1に係る空気調和装置の暖房運転時における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図9(a)は、実施形態2に係る空気調和装置において、第2圧縮機構が圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図であり、図9(b)は、第2圧縮機構が非圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図である。 図10(a)は、実施形態3に係る空気調和装置において、第1圧縮機構が圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図であり、図10(b)は、第1圧縮機構が非圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図である。 図11(a)は、実施形態4に係る空気調和装置において、第2圧縮機構が圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図であり、図11(b)は、第2圧縮機構が非圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図である。 図12(a)は、実施形態5に係る空気調和装置において、第1圧縮機構が圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図であり、図12(b)は、第1圧縮機構が非圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図である。 図13(a)は、実施形態6に係る空気調和装置において、第1圧縮機構が圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図であり、図13(b)は、第1圧縮機構が非圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図である。 図14(a)は、実施形態7に係る空気調和装置において、第3圧縮機構が圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図であり、図14(b)は、第3圧縮機構が非圧縮状態にあるときの圧縮機における冷媒の流れを示す図である。
符号の説明
1 空気調和装置(冷凍装置)
2 吸入容積比変更手段
10 冷媒回路
11 圧縮機
30 第4圧縮機構部(圧縮機構部)
31 第1圧縮機構部(圧縮機構部)
32 第2圧縮機構部(圧縮機構部)
33 第3圧縮機構部(圧縮機構部)
35 駆動軸
61、71、81 シリンダ
62、72、82 ローラ
63、73、83 ブレード(仕切部材)
C1、C2、C3 シリンダ室(流体室)
C1−Hp、C2−Hp、C3−Hp 高圧室
C1−Lp、C2−Lp、C3−Lp 低圧室

Claims (6)

  1. 両端が閉塞されたシリンダ(61,71,81)と、該シリンダ(61,71,81)内に1つの流体室(C1,C2,C3)を形成するローラ(62,72,82)と、上記流体室(C1,C2,C3)を高圧室(C1-Hp,C2-Hp,C3-Hp)と低圧室(C1-Lp,C2-Lp,C3-Lp)とに仕切るための仕切部材(63,73,83)とがそれぞれに設けられた複数のロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)が1本の駆動軸(35)で連結された圧縮機(11)を有する冷媒回路(10)を備えて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
    上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を3つ以上備えると共に、そのうちの2つ以上の圧縮機構部(31,32)が並列に接続されて低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構として用いられ、
    上記並列に接続された圧縮機構部(31,32)のうちの少なくとも1つの圧縮機構部(31)において、上記流体室(C1)で冷媒が圧縮される圧縮状態と、高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とが連通する冷媒の非圧縮状態とに切り換えることにより、上記低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を3つ備えると共に、そのうちの2つの圧縮機構部(31,32)が並列に接続され、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)のうちの一方の圧縮機構部(31)において、上記圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって上記吸入容積比を変更する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を4つ備えると共に、そのうちの3つの圧縮機構部(31,32,33)が並列に接続され、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記並列に接続された3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの1つ又は2つの圧縮機構部(31)において、上記圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって上記吸入容積比を変更する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1において、
    上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部を4つ備えると共に、そのうちの2つの圧縮機構部(31,32)が並列に接続され、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記並列に接続された2つの圧縮機構部(31,32)のうちの一方の圧縮機構部(31)において、上記圧縮状態と非圧縮状態とに切り換えることによって上記吸入容積比を変更する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記非圧縮状態において、上記仕切部材(63)を上記ローラ(62)から離隔させることにより、上記高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とを連通させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
    上記冷媒回路(10)を流通する冷媒が二酸化炭素である
    ことを特徴とする冷凍装置。
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