以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。実施形態1は、本発明に係る冷凍装置(10)である。
〈空気調和装置の全体構成〉
図1に示すように、本実施形態1の冷凍装置(10)は、冷房運転と暖房運転を行う空気調和装置により構成されている。冷凍装置(10)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備えている。冷媒回路(11)には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。また、冷媒回路(11)には、圧縮機(30)、四路切換弁(12)、室外熱交換器(14)、室内熱交換器(15)、第1膨張弁(16)、第2膨張弁(17)及び気液分離器(18)が接続されている。また、冷媒回路(11)には、圧縮機(30)において低圧から高圧まで昇圧させる途中の冷媒を冷却する冷却手段(61)を構成するインジェクション管(26)が設けられている。
圧縮機(30)は、密閉容器状のケーシング(40)を備えている。ケーシング(40)内には、第1圧縮機構(41)と第2圧縮機構(42)と電動機(47)とが収容されている。冷媒回路(11)では、第1圧縮機構(41)の圧縮室(53)が、インジェクション管(26)によって冷却される前の冷媒を圧縮するための低段側圧縮室となって、第2圧縮機構(42)の圧縮室(73,83)が、インジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を圧縮するための高段側圧縮室になる二段圧縮冷凍サイクルが行われる。
また、ケーシング(40)には、低段吸入管(31)、低段吐出管(32)、第1高段吸入管(33)、第2高段吸入管(34)、連絡吐出管(35)、連絡吸入管(36)、及び高段吐出管(37)が接続されている。
低段吸入管(31)は、一端が四路切換弁(12)の第3ポート(P3)に接続され、他端が第1圧縮機構(41)の吸入側に接続されている。低段吐出管(32)は、一端が第1圧縮機構(41)の吐出側に接続され、他端が第1高段吸入管(33)と第2高段吸入管(34)に分岐している。低段吐出管(32)には、密閉容器状の第1マフラー(28)が設けられている。また、第1高段吸入管(33)は、第2圧縮機構(42)の第1圧縮部(43)の吸入側に接続され、第2高段吸入管(34)は、第2圧縮機構(42)の第2圧縮部(44)の吸入側に接続されている。第2高段吸入管(34)には、開閉自在の第1電磁弁(21)が設けられている。また、連絡吐出管(35)は、一端が第1圧縮部(43)の吐出側に接続され、他端が第2高段吸入管(34)における第1電磁弁(21)と第2圧縮部(44)の吸入側との間に接続されている。連絡吐出管(35)には、開閉自在の第2電磁弁(22)と、密閉容器状の第2マフラー(29)とが設けられている。また、連絡吸入管(36)は、一端が連絡吐出管(35)における第1圧縮部(43)の吐出側と第2電磁弁(22)との間に接続され、他端がケーシング(40)内における第2圧縮機構(42)と電動機(47)との間の第1空間(45)に開口している。高段吐出管(37)は、一端がケーシング(40)内における第1圧縮機構(41)と電動機(47)との間の第2空間(46)に開口し、他端が四路切換弁(12)の第1ポート(P1)に接続されている。なお、圧縮機(30)のケーシング(40)の内部の詳細については後述する。
室外熱交換器(14)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室外熱交換器(14)の近傍には、室外ファン(24)が配置されている。室外熱交換器(14)では、室外ファン(24)によって送られる室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(14)の一端から延びる冷媒配管は、四路切換弁(12)の第2ポート(P2)に接続されている。室外熱交換器(14)の他端から延びる冷媒配管は、気液分離器(18)内の底部に開口している。この冷媒配管には、開度可変の電子膨張弁により構成された第1膨張弁(16)が設けられている。
室内熱交換器(15)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室内熱交換器(15)の近傍には、室内ファン(25)が配置されている。室内熱交換器(15)では、室内ファン(25)によって送られる室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室内熱交換器(15)の一端から延びる冷媒配管は、四路切換弁(12)の第4ポート(P4)に接続されている。室内熱交換器(15)の他端から延びる冷媒配管は、気液分離器(18)内の底部に開口している。この冷媒配管には、開度可変の電子膨張弁により構成された第2膨張弁(17)が設けられている。
気液分離器(18)には、インジェクション管(26)の一端が接続されている。インジェクション管(26)は、気液分離器(18)内の上部に開口している。インジェクション管(26)の他端は低段吐出管(32)の第1マフラー(28)に接続されている。インジェクション管(26)には、開閉自在の第4電磁弁(27)が設けられている。
四路切換弁(12)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切換自在に構成されている。
なお、本実施形態1では、第1電磁弁(21)、第2電磁弁(22)及び第3電磁弁(23)が、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値に対する、高段側圧縮室のうち冷却手段(61)によって冷却された直後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値の比率である吸入容積比を変更する容積比変更手段(60)を構成している。これらの電磁弁(21,22,23)は、図示しないコントローラによって制御される。これらの電磁弁(21,22,23)の制御については後述する。
〈圧縮機の構成〉
図2に示すように、圧縮機(30)は、縦長で密閉容器状のケーシング(40)を備えている。ケーシング(40)内には、上述したように、第1圧縮機構(41)と、第2圧縮機構(42)と、第1圧縮機構(41)及び第2圧縮機構(42)を駆動する電動機(47)とが収容されている。第1圧縮機構(41)及び第2圧縮機構(42)は、1本の駆動軸(50)で機械的に連結されている。
第1圧縮機構(41)は、図2における電動機(47)の上側に配置されている。第2圧縮機構(42)は、電動機(47)の下側に配置されている。第2圧縮機構(42)は、第1圧縮部(43)及び第2圧縮部(44)を備えている。第1圧縮部(43)及び第2圧縮部(44)は、第1圧縮部(43)が下側に位置するように、上下二段に重ねられている。
ケーシング(40)の頂部には、低段吸入管(31)及び低段吐出管(32)が貫通している。上述したように、低段吸入管(31)は第1圧縮機構(41)の吸入側に接続され、低段吐出管(32)は第1圧縮機構(41)の吐出側に接続されている。また、ケーシング(40)の胴部には、第1高段吸入管(33)、第2高段吸入管(34)、連絡吐出管(35)、連絡吸入管(36)、及び高段吐出管(37)が貫通している。上述したように、第1高段吸入管(33)は第1圧縮部(43)の吸入側に接続され、第2高段吸入管(34)は第2圧縮部(44)の吸入側に接続されている。また、連絡吐出管(35)は第1圧縮部(43)の吐出側に接続され、連絡吸入管(36)は第2圧縮機構(42)と電動機(47)との間の第1空間(45)に開口している。また、高段吐出管(37)は第1圧縮機構(41)と電動機(47)との間の第2空間(46)に開口している。
電動機(47)は、ブラシレスDCモータにより構成されている。電動機(47)は、ステータ(48)とロータ(49)とを備えている。ステータ(48)は、ケーシング(40)の胴部に固定されている。一方、ロータ(49)は、ステータ(48)の内側に配置され、駆動軸(50)の主軸部(50a)に連結されている。なお、電動機(47)の回転速度は、インバータ制御によって調節可能となっている。
駆動軸(50)は、上述の主軸部(50a)と、第1偏心部(50b)と、第2偏心部(50c)と、第3偏心部(50d)とを備えている。第1偏心部(50b)は、主軸部(50a)よりも小径の円柱状に形成され、主軸部(50a)の上端面に立設されている。第1偏心部(50b)の軸心は、主軸部(50a)の軸心に対して偏心している。また、第2偏心部(50c)と第3偏心部(50d)は、駆動軸(50)の下部寄りの位置にそれぞれ設けられている。第2偏心部(50c)と第3偏心部(50d)は、共に主軸部(50a)よりも大径に形成されている。第2偏心部(50c)の軸心と第3偏心部(50d)の軸心は、それぞれ主軸部(50a)の軸心に対して偏心している。第2偏心部(50c)と第3偏心部(50d)とは、駆動軸(50)の軸心を中心として互いに180°位相がずれている。
駆動軸(50)の下端部には、油溜まりに浸漬する給油ポンプ(66)が設けられている。また、駆動軸(50)には、給油ポンプ(66)が吸い上げた冷凍機油が流通する給油通路(64)が形成されている。給油通路(64)は、駆動軸(50)の内部を軸方向に沿って延びている。この圧縮機(30)では、駆動軸(50)の回転に伴って、給油ポンプ(66)が吸い上げた冷凍機油が給油通路(64)を通じて各圧縮機構(41,42)の摺動部及び駆動軸(50)の軸受部に供給される。
第1圧縮機構(41)は、スクロール式の流体機械により構成されている。第1圧縮機構(41)は、図2及び図3に示すように、固定スクロール(51)と可動スクロール(52)とを備えている。
固定スクロール(51)は、渦巻き状の固定側ラップ(51a)と、略円板状の固定側鏡板部(51b)とを備えている。固定側ラップ(51a)は、固定側鏡板部(51b)の前面(図2における下面)に立設されている。
可動スクロール(52)は、渦巻き状の可動側ラップ(52a)と、略円板状の可動側鏡板部(52b)と、筒状の突出部(52c)とを備えている。可動スクロール(52)は、オルダムリング(54)を介して、駆動軸(50)の軸受部が形成されたハウジング部材(38)の上面に載置されている。なお、オルダムリング(54)は、偏心回転運動中の可動スクロール(52)が自転することを阻止する。
可動側ラップ(52a)は、可動側鏡板部(52b)の前面(図2における上面)に立設されている。可動側ラップ(52a)は、固定側ラップ(51a)に噛み合わされている。
本実施形態1の第1圧縮機構(41)は、可動側ラップ(52a)と固定側ラップ(51a)とが非対称に形成された非対称渦巻き構造になっている。固定側ラップ(51a)の巻き数(渦巻きの長さ)は、可動側ラップ(52a)の巻き数(渦巻きの長さ)よりも多くなっている。なお、固定側ラップ(51a)の巻数は、固定側ラップ(51a)の渦巻きが後述する吸入ポート(55)の外側の位置まで延びているものとして数えている。
また、突出部(52c)は、可動側鏡板部(52b)の背面(図2における下面)に立設されている。突出部(52c)には、駆動軸(50)の第1偏心部(50b)が挿入されている。
第1圧縮機構(41)では、図3に示すように、固定側ラップ(51a)と可動側ラップ(52a)との間に、第1圧縮室(53)を構成する複数の圧縮室(53)が形成されている。複数の圧縮室(53)は、固定側ラップ(51a)の内側面と可動側ラップ(52a)の外側面との間の可動外側室(53a)と、固定側ラップ(51a)の外側面と可動側ラップ(52a)の内側面との間の可動内側室(53b)とから構成されている。
また、第1圧縮機構(41)では、固定スクロール(51)に吸入ポート(55)が形成されている。吸入ポート(55)は、固定側鏡板部(51b)の前面から突出する外縁部(51c)に形成されている。吸入ポート(55)には低段吸入管(31)が接続されている。吸入ポート(55)には、圧縮室(53)から低段吸入管(31)へ戻る冷媒の流れを禁止する吸入逆止弁が設けられている(図示省略)。
吸入ポート(55)は、可動スクロール(52)の偏心回転運動に伴って、可動外側室(53a)と可動内側室(53b)のそれぞれに間欠的に連通する。第1圧縮機構(41)では、可動外側室(53a)に可動側ラップ(52a)の外周側端部の外側から冷媒が流入し、可動内側室(53b)に可動側ラップ(52a)の外周側端部の内側から冷媒が流入する。
また、固定スクロール(51)の固定側鏡板部(51b)には吐出ポート(57)が形成されている。吐出ポート(57)は、固定側鏡板部(51b)の中央部に形成された貫通孔により構成されている。吐出ポート(57)の出口は、固定スクロール(51)の上側の吐出室(56)に開口している。吐出ポート(57)は、可動スクロール(52)の偏心回転運動に伴って、可動外側室(53a)と可動内側室(53b)のそれぞれに間欠的に連通する。
また、固定側鏡板部(51b)には、リリーフポート(58)も形成されている。リリーフポート(58)は、一端が圧縮途中の第1圧縮室(53)に開口し、他端が吐出室(56)に開口している。固定側鏡板部(51b)には、リリーフポート(58)を開閉するリリーフバルブ(59)が設けられている。リリーフバルブ(59)は、リード弁により構成されている。このため、圧縮機(30)の始動時や、インジェクション管(26)から導入されるガス冷媒の流量が少なくなった時の過圧縮損失が緩和される。
なお、ケーシング(40)内における第1圧縮機構(41)の上側の空間(65)は、吸入ポート(55)に連通している。なお、この空間(65)が、吐出ポート(57)に連通するようにしてもよい。
以上の構成により、第1圧縮機構(41)では、駆動軸(50)が回転すると、可動スクロール(52)が、図4の(A)から(D)の順に偏心回転する。そして、その偏心回転に伴って、可動外側室(53a)及び可動内側室(53b)では、低段吸入管(31)を通じて導入された冷媒が圧縮される。可動外側室(53a)及び可動内側室(53b)で圧縮された冷媒は、吐出ポート(57)を通じて吐出室(56)に吐出されて、低段吐出管(32)に流入する。
続いて、第2圧縮機構(42)について説明する。第2圧縮機構(42)は、上述したように、第1圧縮部(43)及び第2圧縮部(44)を備えている。第1圧縮部(43)及び第2圧縮部(44)は、共にロータリ式の流体機械により構成されている。
第1圧縮部(43)は、図2及び図5に示すように、共に円環状に形成された第1シリンダ(71)及び第1ロータリピストン(72)を備えている。なお、図5において括弧付きの符号が併記されている部材は、括弧がない符号が第1圧縮部(43)の符号を表し、括弧内の符号が第2圧縮部(44)の符号を表している。この点は、図6についても同様である。
第1シリンダ(71)は、下側のリヤヘッド(68)と上側のミドルプレート(69)とによって挟み込まれている。第1シリンダ(71)の両端は、リヤヘッド(68)とミドルプレート(69)とによって閉塞されている。また、第1ロータリピストン(72)は、第1シリンダ(71)内に配置されている。第1ロータリピストン(72)の外径は、第1シリンダ(71)の内径よりも小さくなっている。第1シリンダ(71)の内周面と第1ロータリピストン(72)の外周面との間には、第2圧縮室(73)が形成されている。第1ロータリピストン(72)の内側には、駆動軸(50)の第2偏心部(50c)が回転自在に嵌め込まれている。なお、リヤヘッド(68)には、駆動軸(50)を支持する第1軸受部(68a)が形成されている。
図5に示すように、第1ロータリピストン(72)の外周面には、平板状の第1ブレード(74)が突設されている。第1ブレード(74)は、区画部材(74)を構成し、第1吸入ポート(76)が開口する低圧側の第1室(73a)と、第1吐出ポート(77)が開口する高圧側の第2室(73b)とに、第2圧縮室(73)を区画している。
第1ブレード(74)は、第1シリンダ(71)に対して揺動可能に設けられた一対の第1揺動ブッシュ(75)に対して、摺動自在に挟み込まれている。第1ロータリピストン(72)は、第1ブレード(74)と共に、第1シリンダ(71)に対して揺動可能になっている。
第1吸入ポート(76)は、第1シリンダ(71)に形成されている。第1吸入ポート(76)の入口側には、第1高段吸入管(33)が接続されている。第1吸入ポート(76)の出口は、一対の第1揺動ブッシュ(75)の一方の揺動ブッシュ(図5における右側の揺動ブッシュ)の近傍に開口している。
一方、第1吐出ポート(77)は、リヤヘッド(68)に形成されている。第1吐出ポート(77)の入口は、一対の第1揺動ブッシュ(75)の他方の揺動ブッシュ(図5における左側の揺動ブッシュ)の近傍に開口している。第1吐出ポート(77)の出口は、リヤヘッド(68)に形成された第1吐出室(78)に開口している。第1吐出室(78)には、連絡吐出管(35)が開口している。また、第1吐出室(78)には、第1吐出ポート(77)を開閉する第1吐出弁(79)が設けられている。第1吐出弁(79)はリード弁により構成されている。第1吐出室(78)には、第1吐出弁(79)のリフト量を制限する第1弁押さえが設けられている(図示省略)。
第2圧縮部(44)は、第1圧縮部(43)と同じ機械要素により構成されている。第2圧縮部(44)は、共に円環状に形成された第2シリンダ(81)及び第2ロータリピストン(82)を備えている。
第2シリンダ(81)は、上側のフロントヘッド(67)と下側のミドルプレート(69)とによって挟み込まれている。第2シリンダ(81)の両端は、フロントヘッド(67)とミドルプレート(69)とによって閉塞されている。また、第2ロータリピストン(82)は、第2シリンダ(81)内に配置されている。第2ロータリピストン(82)の外径は、第2シリンダ(81)の内径よりも小さくなっている。第2シリンダ(81)の内周面と第2ロータリピストン(82)の外周面との間には、第3圧縮室(83)が形成されている。第2ロータリピストン(82)の内側には、駆動軸(50)の第3偏心部(50d)が回転自在に嵌め込まれている。なお、フロントヘッド(67)には、駆動軸(50)を支持する第2軸受部(67a)が形成されている。
図5に示すように、第2ロータリピストン(82)の外周面には、平板状の第2ブレード(84)が突設されている。第2ブレード(84)は、区画部材(84)を構成し、第2吸入ポート(86)が開口する低圧側の第1室(83a)と、第2吐出ポート(87)が開口する高圧側の第2室(83b)とに、第3圧縮室(83)を区画している。
第2ブレード(84)は、第2シリンダ(81)に対して揺動可能に設けられた一対の第2揺動ブッシュ(85)に対して、摺動自在に挟み込まれている。第2ロータリピストン(82)は、第2ブレード(84)と共に、第2シリンダ(81)に対して揺動可能になっている。
第2吸入ポート(86)は、第2シリンダ(81)に形成されている。第2吸入ポート(86)の入口側には、第2高段吸入管(34)が接続されている。第2吸入ポート(86)の出口は、一対の第2揺動ブッシュ(85)の一方の揺動ブッシュ(図5における右側の揺動ブッシュ)の近傍に開口している。
一方、第2吐出ポート(87)は、フロントヘッド(67)に形成されている。第2吐出ポート(87)の入口は、一対の第2揺動ブッシュ(85)の他方の揺動ブッシュ(図5における左側の揺動ブッシュ)の近傍に開口している。第2吐出ポート(87)の出口は、フロントヘッド(67)に形成された第2吐出室(88)に開口している。第2吐出室(88)は、第1空間(45)及び第2空間(46)を介して、高段吐出管(37)に連通している。また、第2吐出室(88)には、第2吐出ポート(87)を開閉する第2吐出弁(89)が設けられている。第2吐出弁(89)はリード弁により構成されている。第2吐出室(88)には、第2吐出弁(89)のリフト量を制限する第2弁押さえが設けられている(図示省略)。
以上の構成により、各圧縮部(43,44)では、駆動軸(50)が回転すると、ロータリピストン(72,82)が、図6の(A)から(H)の順に偏心回転する。ロータリピストン(72,82)は、その内周面が偏心部(50c,50d)の外周面と油膜を介して摺接し、その外周面がシリンダ(71,81)の内周面と油膜を介して摺接しながら、偏心回転する。
第1圧縮部(43)では、駆動軸(50)の回転角が0°の状態から僅かに回転して、第1ロータリピストン(72)と第1シリンダ(71)の接触位置が第1吸入ポート(76)の出口を通過すると、第1吸入ポート(76)から第2圧縮室(73)へ冷媒が流入し始める。そして、第2圧縮室(73)へは、駆動軸(50)の回転角が360°になるまで冷媒が流入し続ける。そして、この状態から駆動軸(50)がさらに回転すると、冷媒の圧縮が開始される。第2圧縮室(73)の冷媒は、第2圧縮室(73)の内力が第1吐出室(78)の内圧を上回って、第1吐出弁(79)が開状態になると、第1吐出ポート(77)を通って、第1吐出室(78)へ吐出される。冷媒の吐出は、駆動軸(50)の回転角が360°になるまで続く。
一方、第2圧縮部(44)では、駆動軸(50)の回転角が0°の状態から僅かに回転して、第2ロータリピストン(82)と第2シリンダ(81)の接触位置が第2吸入ポート(86)の出口を通過すると、第2吸入ポート(86)から第3圧縮室(83)へ冷媒が流入し始める。そして、第3圧縮室(83)へは、駆動軸(50)の回転角が360°になるまで冷媒が流入し続ける。そして、この状態から駆動軸(50)がさらに回転すると、冷媒の圧縮が開始される。第3圧縮室(83)の冷媒は、第3圧縮室(83)の内力が第2吐出室(88)の内圧を上回って、第2吐出弁(89)が開状態になると、第2吐出ポート(87)を通って、第2吐出室(88)へ吐出される。冷媒の吐出は、駆動軸(50)の回転角が360°になるまで続く。なお、第2偏心部(50c)と第3偏心部(50d)とは、駆動軸(50)の軸心を中心として互いに180°位相がずれているので、第1圧縮部(43)の動作状態が図6(A)のとき、第2圧縮部(44)の動作状態は図6(E)となる。
また、本実施形態1では、第1圧縮機構(41)の第1圧縮室(53)の吸入容積V1(可動スクロール(52)の押しのけ容積)と、第1圧縮部(43)の第2圧縮室(73)の吸入容積V2(第1ロータリピストン(72)の押しのけ容積)と、第2圧縮部(44)の第3圧縮室(83)の吸入容積V3(第2ロータリピストン(82)の押しのけ容積)との比率が、下記の式1の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V1>V2>V3の関係が成立している。
V1:V2:V3=1.0:0.4:0.3 (式1)
なお、本実施形態1では、可動外側室(53a)の吸入容積と可動内側室(53b)の吸入容積とが等しくなっているが、可動外側室(53a)の吸入容積と可動内側室(53b)の吸入容積とが互いに相違する場合には、可動外側室(53a)の吸入容積と可動内側室(53b)の吸入容積の平均値が第1圧縮室(53)の吸入容積となる。また、第1圧縮機構(41)では、その吐出容積(吐出ポート(57)が連通した時点の第1圧縮室(53)の容積)が吸入容積V1の半分になっている。つまり、リリーフポート(58)から冷媒を逃がさない場合には、圧縮比が0.5となる。
−運転動作−
次に、冷凍装置(10)の運転動作について説明する。この冷凍装置(10)は、冷房運転等と暖房運転とに切り換え可能となっている。
〈冷房運転〉
冷房運転では、図7に示すように、四路切換弁(12)が第1状態に設定された状態で、圧縮機(30)の運転が行われる。冷媒回路(11)では、室内熱交換器(15)が蒸発器となって室外熱交換器(14)が放熱器となる冷凍サイクルが行われる。この冷凍サイクルでは、冷凍サイクルの高圧圧力が二酸化炭素の臨界圧力よりも高くなる。この点は、後述する暖房運転でも同じである。
具体的に、圧縮機(30)の高段吐出管(37)から吐出された高圧冷媒は、四路切換弁(12)を経由して室外熱交換器(14)へ流入する。室外熱交換器(14)では、室外ファン(24)によって送られる室外空気へ冷媒が放熱する。室外熱交換器(14)で冷却された冷媒は、第1膨張弁(16)で中間圧力に減圧された後に、気液分離器(18)で液冷媒とガス冷媒とに分離される。このうち、ガス冷媒は、インジェクション管(26)を通じて第2圧縮機構(42)へ送られる。一方、液冷媒は、第2膨張弁(17)で低圧圧力まで減圧された後に、室内熱交換器(15)に流入する。
室内熱交換器(15)では、室内ファン(25)によって送られる室内空気から冷媒が吸熱して蒸発する。その結果、室内空気は冷却されて室内へ供給される。室内熱交換器(15)で蒸発した冷媒は、低段吸入管(31)を通って圧縮機(30)に吸入される。そして、圧縮機(30)では、第1圧縮機構(41)、第2圧縮機構(42)の順番で冷媒が圧縮されて、再び高段吐出管(37)から吐出される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、図8に示すように、四路切換弁(12)が第2状態に設定された状態で、圧縮機(30)の運転が行われる。冷媒回路(11)では室内熱交換器(15)が放熱器となって室外熱交換器(14)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
具体的に、圧縮機(30)の高段吐出管(37)から吐出された高圧冷媒は、四路切換弁(12)を経由して室内熱交換器(15)に供給される。室内熱交換器(15)では、室内ファン(25)によって送られる室内空気へ冷媒が放熱する。その結果、室内空気は加熱されて室内へ供給される。
室内熱交換器(15)で冷却された冷媒は、第2膨張弁(17)で中間圧力に減圧された後に、気液分離器(18)で液冷媒とガス冷媒とに分離される。このうち、ガス冷媒は、インジェクション管(26)を通じて第2圧縮機構(42)へ送られる。一方、液冷媒は、第1膨張弁(16)で低圧圧力まで減圧された後に、室外熱交換器(14)へ流入する。室外熱交換器(14)では、室外ファン(24)によって送られる室外空気から冷媒が吸熱して蒸発する。室外熱交換器(14)で蒸発した冷媒は、低段吸入管(31)を通って圧縮機(30)に吸入される。そして、圧縮機(30)では、第1圧縮機構(41)、第2圧縮機構(42)の順番で冷媒が圧縮されて、再び高段吐出管(37)から吐出される。
〈容積比変更手段の制御〉
本実施形態1では、容積比変更手段(60)によって、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)との接続関係が切り換えられ、その結果、第2圧縮機構(42)の吸入容積が変更されて、上記吸入容積比が変更される。具体的に、容積比変更手段(60)によって、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とが互いに並列に接続された並列状態と、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とが互いに直列に接続された直列状態との間の切り換えが行われる。
並列状態では、第1電磁弁(21)が開状態に、第2電磁弁(22)が閉状態に、第3電磁弁(23)が開状態に設定される。並列状態では、図7に示すように、第1圧縮室(53)で圧縮された冷媒が、インジェクション管(26)から供給される冷媒によって冷却される。インジェクション管(26)によって冷却された冷媒は、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とに分配され、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)でそれぞれで圧縮される。第2圧縮室(73)で圧縮された冷媒は、連絡吐出管(35)及び連絡吸入管(36)を経て、第1空間(45)に流入する。第1空間(45)では、第2圧縮室(73)で圧縮された冷媒と、第3圧縮室(83)で圧縮された冷媒とが合流する。そして、第1空間(45)で合流した冷媒は、電動機(47)のコアカットやエアギャップを通って、第2空間(46)に流入して、高段吐出管(37)から吐出される。
並列状態では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の両方が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積V2と第3圧縮室(83)の吸入容積V3の合計になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式2で表される。
Vr=(V2+V3)/V1 (式2)
一方、直列状態では、第1電磁弁(21)が閉状態に、第2電磁弁(22)が開状態に、第3電磁弁(23)が閉状態に設定される。直列状態では、第1圧縮室(53)で圧縮された後にインジェクション管(26)によって冷却された冷媒が、図8に示すように、第2圧縮室(73)で圧縮される。第2圧縮室(73)で圧縮された冷媒は、連絡吐出管(35)及び第2高段吸入管(34)を経て、第3圧縮室(83)に導入されて、第3圧縮室(83)で圧縮される。第3圧縮室(83)で圧縮された冷媒は、電動機(47)のコアカットやエアギャップを通って、第2空間(46)に流入して、高段吐出管(37)から吐出される。
直列状態では、並列状態と同様に、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の両方が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積V2になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式3で表される。
Vr=V2/V1 (式3)
本実施形態1では、冷房運転では並列状態に切り換えられる。冷房運転では、高段となる第2圧縮機構(42)の吸入容積が大きくなる方の並列状態に切り換えられるので、第1圧縮機構(41)と第2圧縮機構(42)との間の中間圧が比較的低くなる。冷房運転では、冷凍サイクルの高圧圧力と低圧圧力との高低差圧が比較的小さくなるので、中間圧を低くすることで、冷却手段(61)によって冷却される冷媒の圧力が、冷凍サイクルの高圧圧力と低圧圧力の平均値に近い値となる。また、中間圧が低くなるので、ガスインジェクション量が比較的多くなる。冷房運転では、ガスインジェクション量を多くして、第2圧縮機構(42)に導入される冷媒の温度をなるべく低下させて、圧縮機(30)の入力が少なくなるようにしている。
一方、暖房運転では直列状態に切り換えられる。暖房運転では、第2圧縮機構(42)の吸入容積が小さくなる方の直列状態に切り換えられるので、第1圧縮機構(41)と第2圧縮機構(42)との間の中間圧力が比較的高くなる。暖房運転では、冷凍サイクルの高圧圧力と低圧圧力との高低差圧が比較的大きくなるので、中間圧を高くすることで、冷却手段(61)によって冷却される冷媒の圧力が、冷凍サイクルの高圧圧力と低圧圧力の平均値に近い値となる。また、中間圧が高くなるので、ガスインジェクション量が比較的少なくなる。暖房運転では、ガスインジェクション量を少なくして、第2圧縮機構(42)に導入される冷媒の温度をなるべく低下させないようにしながら、室外熱交換器(14)の冷媒流量を多くして、室外空気から汲み上げる熱量が多くなるようにしている。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、第1圧縮機構(41)及び第2圧縮機構(42)が1本の駆動軸(50)で機械的に連結されているが、容積比変更手段(60)によって第1圧縮室(53)と第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)との接続関係を切り換えることによって、中間圧を変化させることが可能である。具体的に、高段側となる第2圧縮機構(42)の第2圧縮室(73)及び第3圧縮室(83)に対して、並列状態と直列状態との間の切り換えを行うことによって、中間圧を変化させることが可能である。従って、運転条件等によって中間圧の値が最適な値に近づくように、中間圧を調節することが可能になるので、COPの向上を図ることができる。
また、本実施形態1では、アンロードで吸入容積比を変更するような損失が生じることがないので、効率的にで吸入容積比を変更することができる。
また、本実施形態1では、中間圧の調節に伴って、各圧縮機構(41,42)のトルクが均一化されるので、振動を抑制することもできる。また、第2圧縮機構(42)が圧縮タイミングの異なる2つの圧縮部(43,44)により構成されているので、第2圧縮機構(42)の振動が比較的小さくなる。
また、本実施形態1では、圧縮室(53)の吐出容積が一定の第1圧縮機構(41)、各圧縮室(73,83)の吐出容積が吐出ポート(77,87)の外側の圧力に応じて変化する第2圧縮機構(42)の順番で冷媒が圧縮される。第2圧縮機構(42)の吐出側は、冷媒回路(11)の高圧側に繋がる。このため、冷凍サイクルの高圧圧力が変動しても、第2圧縮機構(42)の各圧縮室(73,83)の吐出容積が変動するので、第2圧縮機構(42)では過圧縮損失や逆流損失がそれほど大きくならない。また、第1圧縮機構(41)の圧縮室(53)の吐出容積に応じて、第2圧縮機構(42)の各圧縮室(73,83)の吸入容積を適切に設計することで、第1圧縮機構(41)で生じる過圧縮損失や逆流損失を抑制することも可能である。従って、第1圧縮機構(41)及び第2圧縮機構(42)の両方で過圧縮損失や逆流損失が小さくなる圧縮機(30)を実現することが可能になる。この点は、後述する実施形態2でも同じである。
また、スクロール式の圧縮機構は、一般的に隙間が多く、冷媒の漏れ量が多くなりやすい。このため、押し退け容積の小さい高段側にスクロール式の第1圧縮機構(41)を適用すると、冷媒の漏れの影響が大きく、運転効率が大きく低下してしまう。これに対して、本実施形態1では、第1圧縮機構(41)が低段側に用いられている。このため、第1圧縮機構(41)における冷媒の漏れの影響が比較的小さく、冷媒漏れによる運転効率の低下を抑制することができる。
また、第2圧縮機構(42)は、各圧縮室(73,83)の吐出ポート(77,87)に対して吐出弁(79,89)が設けられており、吐出弁がない第1圧縮機構(41)に比べて、吐出時間が短くなる。このため、押し退け容積の大きい低段側に第2圧縮機構(42)を適用すると、吐出抵抗が大きくなってしまう。これに対して、本実施形態1では、第2圧縮機構(42)が高段側に用いられている。このため、吐出ポート(77,87)から吐出される冷媒流量が、低段側に用いられる場合に比べて少なくなるので、吐出弁(79,89)による吐出抵抗を抑制することができる。
また、本実施形態1では、高いCOPを得るために二段圧縮冷凍サイクルを行うことが必要な二酸化炭素を用いた冷凍装置(10)に、容積比変更手段(60)が設けられている。このため、容積比変更手段(60)によって中間圧を調節することで、二酸化炭素を用いた冷凍装置(10)として、さらに高いCOPが得られる冷凍装置を実現することができる。この点は、後述する実施形態でも同じである。
また、本実施形態1では、第2圧縮機構(42)で圧縮された全ての冷媒が電動機(47)を通過する。冷媒が電動機(47)を通る際には、冷媒に含まれる冷凍機油の一部が、電動機(47)に付着することによって、冷媒から分離される。従って、より多くの冷凍機油を冷媒から分離することが可能である。
また、本実施形態1では、二段圧縮冷凍サイクルを行うので、スクロール式の第1圧縮機構(41)の運転圧力比・運転圧力差が小さくなる。このため、高圧冷媒である二酸化炭素を用いても、スラスト軸受けを小さくできる。そして、第1圧縮機構(41)の小径化及び軽量化を図ることができる。また、ロータリ式の第2圧縮機構(42)の各圧縮部(43,44)では、押し退け容積と運転圧力比が小さくなる。従って、各圧縮部(43,44)における吸入脈動及び吐出脈動を小さくすることができる。
−実施形態1の変形例1−
この変形例1では、図9に示すように、圧縮機(30)で圧縮する冷媒を冷却するため冷却手段(61)として、インジェクション管(26)に加えて、中間冷却器(19)が設けられている。なお、インジェクション管(26)を設けずに、中間冷却器(19)だけを設けてもよい。
中間冷却器(19)は低段吐出管(32)に配置されている。中間冷却器(19)の近傍には、冷却用ファン(20)が設置されている。中間冷却器(19)では、冷却用ファン(20)によって送られる室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。この変形例1では、第1圧縮機構(41)から第2圧縮機構(42)へ向かう冷媒が、中間冷却器(19)によって冷却される。
−実施形態1の変形例2−
この変形例2では、図10に示すように、第2圧縮機構(42)の構成が上記実施形態1と相違している。
第2圧縮機構(42)は、環状のシリンダ室(104)を有するシリンダ(101)と、そのシリンダ(101)に対して偏心してシリンダ室(104)に収納されてシリンダ室(104)を内外の2つの圧縮室(105,106)に区画する環状のピストン(102)とを備えている。ピストン(102)は、駆動軸(50)によって駆動される可動部材(103)の一部となっている。
シリンダ(101)は、ケーシング(40)に固定されている。シリンダ(101)は、円盤状の固定側鏡板部(101a)と、固定側鏡板部(101a)の下面の内寄りの位置から下方に突出する環状の内側シリンダ部(101b)と、固定側鏡板部(101a)の下面の外周部から下方に突出する環状の外側シリンダ部(101c)とを備えている。内側シリンダ部(101b)の外周面と外側シリンダ部(101c)の内周面とは同軸になっている。シリンダ(101)では、内側シリンダ部(101b)の外周面と外側シリンダ部(101c)の内周面との間に、環状のシリンダ室(104)が形成されている。また、シリンダ(101)には、駆動軸(50)を支持する固定側軸受部(101d)が形成されている。
一方、可動部材(103)は、駆動軸(50)の軸受部が形成されたリアヘッド(116)とシリンダ(101)との間に挟まれている。可動部材(103)は、円盤状の可動側鏡板部(103a)と、上述のピストン(102)と、可動側鏡板部(103a)の上面の内周端部から上方に突出する可動側軸受部(103b)とを備えている。可動側鏡板部(103a)は、固定側鏡板部(101a)と同様に、シリンダ室(104)に面している。
ピストン(102)は、可動側鏡板部(103a)の上面のやや外周寄りの位置から上方に突出している。ピストン(102)は、環状の一部が分断されたC型形状をしている。ピストン(102)は、外周面が外側シリンダ部(101c)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ部(101b)の外周面よりも大径に形成されている。ピストン(102)は、シリンダ(101)に対して偏心してシリンダ室(104)に収納され、シリンダ室(104)を外側の第2圧縮室(105)と内側の第3圧縮室(106)とに区画している。
なお、ピストン(102)とシリンダ(101)とは、ピストン(102)の外周面と外側シリンダ部(101c)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、ピストン(102)の内周面と内側シリンダ部(101b)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
可動側軸受部(103b)には、第2偏心部(50c)が嵌合している。可動部材(103)は、駆動軸(50)の回転に伴い主軸部(50a)の軸心を中心として偏心回転運動する。なお、第2圧縮機構(42)では、可動側軸受部(103b)と内側シリンダ部(101b)との間に、可動側軸受部(103b)の偏心回転運動を許容するための軸側空間(114)が形成されている。この軸側空間(114)では冷媒の圧縮は行われない。
また、第2圧縮機構(42)は、図11に示すように、内側シリンダ部(101b)の外周面から外側シリンダ部(101c)の内周面まで延びるブレード(100)を備えている。ブレード(100)は、シリンダ(101)に固定されている。なお、ブレード(100)は、本変形例2ではシリンダ(101)とは別部材であるが、シリンダ(101)と一体的に形成してもよい。
ブレード(100)は、シリンダ室(104)に配置され、第2圧縮室(105)を低圧側の第1室(105a)と高圧側の第2室(105b)とに区画し、第3圧縮室(106)を低圧側の第1室(106a)と高圧側の第2室(106b)とに区画している。ブレード(100)は、環状の一部が分断されたC型形状のピストン(102)の分断箇所を挿通している。
また、ピストン(102)の分断箇所には、ブレード(100)を挟むように、一対のブッシュ(107a,107b)が嵌合している。一対のブッシュ(107a,107b)は、いずれも断面形状が略半円形で同一形状に形成され、フラット面同士が対向するように配置されている。一対の揺動ブッシュ(107a,107b)のフラット面の間のスペースは、ブレード溝(115)を構成している。なお、この実施形態1では一対の揺動ブッシュ(107a,107b)を別体とした例について説明したが、一対の揺動ブッシュ(107a,107b)が一部で連結することにより一体構造としてもよい。
ブレード溝(115)にはブレード(100)が挿入されている。この状態では、各揺動ブッシュ(107a,107b)のフラット面がブレード(100)と実質的に面接触し、各揺動ブッシュ(107a,107b)の円弧状の外周面がピストン(102)と実質的に面接触している。一対の揺動ブッシュ(107a,107b)は、ブレード溝(115)にブレード(100)を挟んだ状態で、ブレード(100)の面方向に進退するように構成されている。また、一対の揺動ブッシュ(107a,107b)は、ピストン(102)がブレード(100)に対して揺動するように構成されている。これにより、ピストン(102)は、ブレード(100)の延伸方向に進退可能であり、さらに一対の揺動ブッシュ(107a,107b)の中心点を揺動中心として揺動ブッシュ(107a,107b)と共に揺動可能になっている。
第2圧縮機構(42)には、第1高段吸入管(33)及び第2高段吸入管(34)が接続されている。第1高段吸入管(33)は、第2圧縮室(105)の第1室(105a)に連通している。第2高段吸入管(34)は、第3圧縮室(106)の第1室(106a)に連通している。
また、第2圧縮機構(42)には、第2圧縮室(105)から冷媒を吐出させる外側吐出ポート(109)と、第3圧縮室(106)から冷媒を吐出させる内側吐出ポート(110)と、外側吐出ポート(109)が開口する外側吐出室(108)と、内側吐出ポート(110)が開口する内側吐出室(111)とが形成されている。
外側吐出ポート(109)は、第2圧縮室(105)の第2室(105b)と外側吐出室(108)とを連通している。外側吐出ポート(109)には、リード弁により構成された外側吐出弁(112)が設けられている。外側吐出室(108)には、連絡吐出管(35)の入口端が開口している。一方、内側吐出ポート(110)は、第3圧縮室(106)の第2室(106b)と内側吐出室(111)とを連通している。内側吐出ポート(110)には、リード弁により構成された内側吐出弁(113)が設けられている。内側吐出室(111)は、第1空間(45)に連通している。
以上の構成により、駆動軸(50)が回転すると、ピストン(102)は、図12の(A)から(H)の順に偏心回転する。そして、その偏心回転に伴って、第2圧縮室(105)では、第1高段吸入管(33)を通じて導入された冷媒が圧縮される。そして、第2圧縮室(105)で圧縮された冷媒は、外側吐出ポート(109)を通って連絡吐出管(35)に流入する。一方、第3圧縮室(106)では、第2高段吸入管(34)を通じて導入された冷媒が圧縮される。そして、第3圧縮室(106)で圧縮された冷媒は、内側吐出ポート(110)を通って第1空間(45)に流入する。なお、ピストン(102)と外側シリンダ部(101c)の接触点と、ピストン(102)と内側シリンダ部(101b)の接触点とは、駆動軸(50)の軸心回りに180°ずれている。このため、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)とでは、冷媒を圧縮する動作の状態の位相が180°ずれている。
また、この変形例2では、第1圧縮機構(41)の第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第2圧縮機構(42)の第2圧縮室(105)の吸入容積V2と、第2圧縮機構(42)の第3圧縮室(106)の吸入容積V3との比率が、下記の式4の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V1>V2>V3の関係が成立している。
V1:V2:V3=1.0:0.4:0.3 (式4)
この変形例2では、上記実施形態1と同様に、容積比変更手段(60)によって、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)とが互いに並列に接続された並列状態と、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)とが互いに直列に接続された直列状態との間の切り換えは行われる。
並列状態では、第1電磁弁(21)が開状態に、第2電磁弁(22)が閉状態に、第3電磁弁(23)が開状態に設定される。並列状態では、第1圧縮室(53)で圧縮された後にインジェクション管(26)によって冷却された冷媒が、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)とに分配され、各圧縮室(105,106)でそれぞれで圧縮される。第2圧縮室(105)で圧縮された冷媒は、連絡吐出管(35)及び連絡吸入管(36)を経て、第1空間(45)に流入する。第1空間(45)では、第2圧縮室(105)で圧縮された冷媒と、第3圧縮室(106)で圧縮された冷媒とが合流する。そして、第1空間(45)で合流した冷媒は、電動機(47)のコアカットやエアギャップを通って、第2空間(46)に流入して、高段吐出管(37)から吐出される。
並列状態では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)の両方が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(105)の吸入容積V2と第3圧縮室(106)の吸入容積V3の合計になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式5で表される。
Vr=(V2+V3)/V1 (式5)
一方、直列状態では、第1電磁弁(21)が閉状態に、第2電磁弁(22)が開状態に、第3電磁弁(23)が閉状態に設定される。直列状態では、第1圧縮室(53)で圧縮された後にインジェクション管(26)によって冷却された冷媒が、第2圧縮室(105)で圧縮される。第2圧縮室(105)で圧縮された冷媒は、連絡吐出管(35)及び第2高段吸入管(34)を経て、第3圧縮室(106)に導入されて、第3圧縮室(106)で圧縮される。第3圧縮室(106)で圧縮された冷媒は、電動機(47)のコアカットやエアギャップを通って、第2空間(46)に流入して、高段吐出管(37)から吐出される。
直列状態では、並列状態と同様に、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)の両方が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(105)の吸入容積V2になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式6で表される。
Vr=V2/V1 (式6)
なお、この変形例2では、第2圧縮機構(42)が、シリンダ(101)とピストン(102)のうちピストン(102)が偏心回転運動を行うように構成されているが、シリンダ(101)とピストン(102)のうちシリンダ(101)が偏心回転運動を行うように構成されていてもよい。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
実施形態2では、容積比変更手段(60)が、図13に示すように、開閉自在の電磁弁(60)により構成されている。容積比変更手段(60)は、高段となる第2圧縮機構(42)において第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の両方で冷媒の圧縮行程が行われる両方圧縮状態と、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)のうち一方のみで冷媒の圧縮行程が行われる片方圧縮状態とに切り換えることによって、第2圧縮機構(42)の吸入容積を変更して、吸入容積比を変更する。両方圧縮状態では、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とが互いに直列に接続された状態になる。また、片方圧縮状態では、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)のうち下流側の第3圧縮室(83)でのみ冷媒の圧縮行程が行われる。
また、この実施形態2では、第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第2圧縮室(73)の吸入容積V2と、第3圧縮室(83)の吸入容積V3との比率が、下記の式7の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V1>V2>V3の関係が成立している。また、第1圧縮室(53)では、その吐出容積(吐出ポート(57)が連通した時点の第1圧縮室(53)の容積)が吸入容積V1の半分になっている。
V1:V2:V3=1.0:0.7:0.4 (式7)
この実施形態2では、電磁弁(60)が閉状態に設定されると、両方圧縮状態になる。両方圧縮状態では、第1圧縮室(53)で圧縮されて冷却手段(61)によって冷却された冷媒が、図13に示すように、第2圧縮室(73)、第3圧縮室(83)の順番で圧縮される。第3圧縮室(83)で圧縮された冷媒は、第1空間(45)及び第2空間(46)を通って、高段吐出管(37)から吐出される。
両方圧縮状態では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の両方が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積V2になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式8で表される。
Vr=V2/V1 (式8)
一方、電磁弁(60)が開状態に設定されると、片方圧縮状態になる。片方圧縮状態では、第1圧縮室(53)で圧縮されて冷却手段(61)によって冷却された冷媒が、図14に示すように、第2圧縮室(73)、第3圧縮室(83)の順番で流通するが、第2圧縮室(73)では吸入側と吐出側とが連通しているので、第2圧縮室(73)では冷媒の圧縮行程は行われない。第2圧縮室(73)が形成された第1圧縮部(43)は、第1圧縮室(53)で圧縮された冷媒と、自ら吐出した冷媒とを吸入して、昇圧させることなく吐出する。一方、第3圧縮室(83)が形成された第2圧縮部(44)は、第2圧縮室(73)から吐出された冷媒の一部を吸入して圧縮する。第3圧縮室(83)で冷媒された冷媒は、高段吐出管(37)からケーシング(40)外へ吐出される。
片方圧縮状態では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第3圧縮室(83)が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第3圧縮室(83)の吸入容積V3になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式9で表される。
Vr=V3/V1 (式9)
本実施形態2では、上記実施形態1と同様に、冷房運転では、第2圧縮機構(42)の吸入容積が大きくなる方の状態に切り換えられ、暖房運転では、第2圧縮機構(42)の吸入容積が小さくなる方の状態に切り換えられる。冷房運転では、第1圧縮機構(41)と第2圧縮機構(42)との間の中間圧力が比較的低くなり、ガスインジェクション量が比較的多くなる。一方、暖房運転では、第1圧縮機構(41)と第2圧縮機構(42)との間の中間圧力が比較的高くなり、ガスインジェクション量が比較的少なくなる。
−実施形態2の効果−
本実施形態2では、第1圧縮機構(41)及び第2圧縮機構(42)が1本の駆動軸(50)で機械的に連結されているが、高段側となる第2圧縮機構(42)の第2圧縮室(73)及び第3圧縮室(83)に対して、両方圧縮状態と片方圧縮状態との間の切り換えを行うことによって、中間圧を変化させることが可能である。従って、運転条件等によって中間圧の値が最適な値に近づくように、中間圧を調節することが可能になるので、COPの向上を図ることができる。
−実施形態2の変形例1−
この変形例1では、図15に示すように、第2圧縮機構(42)が、上記実施形態1の変形例2と同様の構成をしている。
まず、第2圧縮機構(42)について、上記実施形態1の変形例2に対する相違点を説明する。第2圧縮機構(42)には、1本の高段吸入管(33)が接続されている。高段吸入管(33)は、第2圧縮室(105)の第1室(105a)だけでなく、ピストン(102)に形成された連通孔(117)を通じて、第3圧縮室(106)の第1室(106a)にも連通している。第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)の両方には、高段吸入管(33)を通じて、第1圧縮機構(41)で圧縮された冷媒が導入される。
第2圧縮機構(42)では、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)とでは、冷媒を圧縮する動作の状態の位相が180°ずれているので、吸入冷媒の流量がゼロになることがなく、連続的に流体の吸入が行われる。従って、吸入冷媒の流量変動が原因で生じる圧力脈動、及びその圧力脈動によって生じる振動を抑制することができる。
また、この変形例1では、連絡吐出管(35)の入口端が、上記実施形態1の変形例2とは異なり、内側吐出室(111)に開口している。内側吐出室(111)と第1空間(45)との間には、第1空間(45)から内側吐出室(111)へ冷媒が戻ることを禁止する逆止弁(118)が設けられている。また、外側吐出室(108)は、第1空間(45)に常に連通している。
また、この変形例1では、第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第2圧縮室(105)の吸入容積V2と、第3圧縮室(106)の吸入容積V3との比率が、下記の式10の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V1>V2>V3の関係が成立している。また、第1圧縮室(53)では、その吐出容積(吐出ポート(57)が連通した時点の第1圧縮室(53)の容積)が吸入容積V1の半分になっている。
V1:V2:V3=1.0:0.4:0.3 (式10)
続いて、冷媒回路(11)について、上記実施形態2に対する相違点を説明する。この変形例1では、容積比変更手段(60)を構成する開閉自在の電磁弁(60)が、連絡吐出管(35)に設けられている。
容積比変更手段(60)は、上記実施形態2と同様に、高段となる第2圧縮機構(42)において第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)の両方で冷媒の圧縮行程が行われる両方圧縮状態と、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)のうち一方のみで冷媒の圧縮行程が行われる片方圧縮状態とに切り換えることによって、第2圧縮機構(42)の吸入容積を変更して、吸入容積比を変更する。但し、両方圧縮状態では、上記実施形態2とは異なり、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)が互いに並列に接続された状態になる。
この変形例1では、冷房運転において電磁弁(60)が閉状態に設定されると、両方圧縮状態になる。両方圧縮状態では、第1圧縮室(53)で圧縮されて冷却手段(61)によって冷却された冷媒が、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)に分配されて、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)でそれぞれ圧縮される。第2圧縮部(44)で圧縮された冷媒と、第3圧縮室(106)で圧縮された冷媒とは、図15に示すように、共に第1空間(45)に流入し、第2空間(46)を経て高段吐出管(37)から吐出される。
両方圧縮状態では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)の両方が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうち冷却手段(61)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(105)の吸入容積V2と第3圧縮室(106)の吸入容積V3の合計になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式11で表される。
Vr=(V2+V3)/V1 (式11)
一方、暖房運転において電磁弁(60)が開状態に設定されると、片方圧縮状態になる。片方圧縮状態では、内側吐出室(111)が連絡吐出管(35)を通じて第2圧縮機構(42)の吸入側に連通する。つまり、第3圧縮室(106)では、吸入側と吐出側とが連通する。このため、内側吐出室(111)の内圧は上昇せずに、逆止弁(118)は常に閉状態となる。従って、第1圧縮室(53)で圧縮されて冷却手段(61)によって冷却された冷媒は、図16に示すように、第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)に分配されるが、第3圧縮室(106)では冷媒の圧縮行程は行われない。第2圧縮機構(42)から第1空間(45)へは、第2圧縮室(105)で圧縮された冷媒だけが吐出される。第1空間(45)へ吐出された冷媒は、第2空間(46)を経て高段吐出管(37)から吐出される。
片方圧縮状態では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(105)が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうち冷却手段(61)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(105)の吸入容積V2になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式12で表される。
Vr=V2/V1 (式12)
なお、この変形例では、第2圧縮機構(42)の吸入側にマフラー(28)を設けている。但し、第2圧縮機構(42)では冷媒が連続的に吸入されるので、第2圧縮機構(42)の吸入冷媒による圧力脈動はそれほど大きくならない。従って、マフラー(28)を省略することも可能である。
−実施形態2の変形例2−
この変形例1では、第2圧縮機構(42)が、上記実施形態1と同様の構成をしている。但し、第1圧縮部(43)の構成が若干相違している。
第1圧縮部(43)では、図17に示すように、第1ブレード(74)が、第1ロータリピストン(72)とは別体になっており、移動可能に設けられている。第1シリンダ(71)には、第1ブレード(74)を移動させるための背圧室(123)が形成されている。
背圧室(123)は、三路切換弁により構成されたブレード用切換弁(120)の第1ポート(P1)が接続されている。ブレード用切換弁(120)の第2ポート(P2)は、高圧配管(121)を介して高段吐出管(37)に連通している。ブレード用切換弁(120)の第3ポート(P3)は、低圧配管(122)を介して低段吸入管(31)に連通している。また、背圧室(123)には、電磁石(124)が露出している。
第1圧縮部(43)では、電磁石(124)への通電が停止されると共に、ブレード用切換弁(120)が第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が連通する第1状態に設定されると、背圧室(123)に高圧冷媒が導入されて、図17(A)に示すように、第1ブレード(74)が第1ロータリピストン(72)に押し付けられる。この状態では、第2圧縮室(73)で冷媒の圧縮を行うことができる。
一方、電磁石(124)への通電が行われると共に、ブレード用切換弁(120)が第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が連通する第2状態に設定されると、背圧室(123)に低圧冷媒が導入されて、図17(B)に示すように、金属製の第1ブレード(74)が、電磁石(124)に引き寄せられて、第2圧縮室(73)の低圧側と高圧側とが連通する。この状態では、第1吐出弁(79)が閉じた状態になり、第2圧縮室(73)では圧縮不能となる。この変形例2では、第2圧縮室(73)において圧縮可能な状態と圧縮不能な状態とを切り換えるブレード用切換弁(120)及び電磁石(124)が、容積比変更手段(60)を構成している。
この変形例2では、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(73)と第3圧縮室(74)の両方が高段側圧縮室となるように、圧縮機(30)が冷媒回路(11)に接続されている。第2圧縮室(73)と第3圧縮室(74)は互いに並列に接続されている。
以上の構成により、容積比変更手段(60)によって第2圧縮室(73)を圧縮可能な状態(図17(A)に示す状態)に切り換えると、第2圧縮機構(42)において第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の両方で冷媒の圧縮行程が行われる両方圧縮状態になる。一方、容積比変更手段(60)によって第2圧縮室(73)を圧縮不能な状態(図17(B)に示す状態)に切り換えると、第2圧縮機構(42)において第3圧縮室(83)のみで冷媒の圧縮行程が行われる片方圧縮状態になる。この変形例2では、容積比変更手段(60)が両方圧縮状態と片方圧縮状態との間の切り換えを行うことによって、吸入容積比が変更される。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
実施形態3の冷媒回路(11)では、上流側から第2圧縮室(73)、第3圧縮室(83)、第1圧縮室(53)の順番で、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とが互いに直列に接続されている。
具体的に、図18に示すように、第2圧縮機構(42)の第1圧縮部(43)の吸入側には、第1吸入管(131)が接続されている。第1圧縮部(43)の吐出側には、第1吐出管(132)が接続されている。また、第2圧縮機構(42)の第2圧縮部(44)の吸入側には、第2吸入管(133)が接続されている。第2吸入管(133)は、第1マフラー(28)を介して第1吐出管(132)に接続されている。第2圧縮機構(42)の第2圧縮部(44)の吐出側は、第1空間(45)及び第2空間(46)を介して、第2吐出管(134)に連通している。また、第1圧縮機構(41)の吸入側には、第2マフラー(29)を介して第3吸入管(135)が接続されている。第1圧縮機構(41)の吐出側には、第3吐出管(136)が接続されている。
また、実施形態3では、第1圧縮機構(41)の第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第1圧縮部(43)の第2圧縮室(73)の吸入容積V2と、第2圧縮部(44)の第3圧縮室(83)の吸入容積V3との比率が、下記の式13の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V2>V3>V1の関係が成立している。第1圧縮室(53)の吸入容積V1と第3圧縮室(83)の吸入容積V3とは互いに相違している。
V1:V2:V3=0.7:1.0:0.9 (式13)
また、冷媒回路(11)には、容積比変更手段(60)を構成する三路切換弁(60)が設けられている。三路切換弁(60)では、第1ポート(P1)に、インジェクション管(26)が接続され、第2ポート(P2)に第1マフラー(28)から延びる冷媒配管が接続され、第3ポート(P3)に第2マフラー(29)から延びる冷媒配管が接続されている。三路切換弁(60)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1状態と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通する第2状態とが切換自在に構成されている。
この実施形態3では、三路切換弁(60)の切り換えによって、インジェクション管(26)によって第2圧縮室(73)から第3圧縮室(83)へ流れる冷媒を冷却する第1冷却状態と、インジェクション管(26)によって第3圧縮室(83)から第1圧縮室(53)へ流れる冷媒を冷却する第2冷却状態との間の切り換えを行うことにより、吸入容積比が変更される。三路切換弁(60)が第1状態に設定されると第1冷却状態になり、三路切換弁(60)が第2状態に設定されると第2冷却状態になる。この実施形態3では、冷房運転時に第1冷却状態に切り換えられ、暖房運転時に第2冷却状態に切り換えられる。
第1冷却状態では、図18に示すように、インジェクション管(26)によって第2圧縮室(73)から第3圧縮室(83)へ流れる冷媒が冷却されるので、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の間で低段側と高段側が分かれる。つまり、第2圧縮室(73)が低段側圧縮室となって第3圧縮室(83)及び第1圧縮室(53)が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第3圧縮室(83)の吸入容積V3になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式14で表される。
Vr=V3/V2 (式14)
一方、第2冷却状態では、図19に示すように、インジェクション管(26)によって第3圧縮室(83)から第1圧縮室(53)へ流れる冷媒が冷却されるので、第3圧縮室(83)と第1圧縮室(53)の間で低段側と高段側が分かれる。つまり、第2圧縮室(73)及び第3圧縮室(83)が低段側圧縮室となって第1圧縮室(53)が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積V1になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式15で表される。
Vr=V1/V2 (式15)
なお、この実施形態3では、2つのマフラー(28,29)を設けているが、2つのマフラー(28,29)を省略することも可能である。
−実施形態3の効果−
本実施形態3では、第1冷却状態と第2冷却状態との間の切り換えを行うことによって、中間圧を変化させることが可能である。従って、運転条件等によって中間圧の値が最適な値に近づくように、第1冷却状態と第2冷却状態との間の切り換えを行うことによって中間圧を調節することが可能になるので、COPの向上を図ることができる。この点は、後述する実施形態4でも同じである。
また、本実施形態3では、冷却手段(61)によって冷媒が冷却される状態と冷却されない状態とに切り換えられるのが、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の間と、第3圧縮室(83)と第1圧縮室(53)の間とになる。ここで、第2圧縮室(73)及び第3圧縮室(83)のそれぞれには、吐出ポート(77,87)に吐出弁(79,89)が設けられている。このため、各圧縮室(73,83)の吐出容積が吐出ポート(77,87)の外側の圧力に応じて変化する。従って、冷却手段(61)によって冷媒が冷却される状態と冷却されない状態とに切り換えられることによって、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の間の冷媒の圧力と、第3圧縮室(83)と第1圧縮室(53)の間の冷媒の圧力とは大きく変化するものの、それに応じて、第2圧縮室(73)の吐出容積と第3圧縮室(83)の吐出容積は変動するので、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)では過圧縮損失や逆流損失はほどんど生じない。従って、第2圧縮機構(42)で過圧縮損失や逆流損失が小さくなる圧縮機(30)を実現することが可能になる。この点は、後述する実施形態4でも同じである。
−実施形態3の変形例1−
この変形例1では、図20に示すように、第2圧縮機構(42)が、上記実施形態1の変形例2と同じ構成になっている。
実施形態3の冷媒回路(11)では、上流側から第2圧縮室(105)、第3圧縮室(106)、第1圧縮室(53)の順番で、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)とが互いに直列に接続されている。
また、この変形例1では、第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第2圧縮室(105)の吸入容積V2と、第3圧縮室(106)の吸入容積V3との比率が、下記の式16の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V2>V3>V1の関係が成立している。
V1:V2:V3=0.7:1.0:0.9 (式16)
この変形例1では、実施形態3と同様に、三路切換弁(60)の切り換えによって、インジェクション管(26)によって第2圧縮室(105)から第3圧縮室(106)へ流れる冷媒を冷却する第1冷却状態と、インジェクション管(26)によって第3圧縮室(106)から第1圧縮室(53)へ流れる冷媒を冷却する第2冷却状態との間の切り換えを行うことにより、吸入容積比が変更される。三路切換弁(60)が第1状態に設定されると第1冷却状態になり、三路切換弁(60)が第2状態に設定されると第2冷却状態になる。この変形例1でも、冷房運転時に第1冷却状態に切り換えられ、暖房運転時に第2冷却状態に切り換えられる。
−実施形態3の変形例2−
この変形例2の冷媒回路(11)では、上流側から第1圧縮室(53)、第2圧縮室(73)、第3圧縮室(83)の順番で、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とが互いに直列に接続されている。
この変形例2では、三路切換弁(60)の切り換えによって、インジェクション管(26)によって第1圧縮室(53)から第2圧縮室(73)へ流れる冷媒を冷却する第1冷却状態と、インジェクション管(26)によって第2圧縮室(73)から第3圧縮室(83)へ流れる冷媒を冷却する第2冷却状態との間の切り換えを行うことにより、吸入容積比が変更される。
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。以下では、実施形態3と異なる点について説明する。
実施形態3の冷媒回路(11)では、図21に示すように、上流側から第2圧縮室(73)、第3圧縮室(83)、第1圧縮室(53)の順番で、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)とが互いに直列に接続されている。また、冷却手段(61)が、中間冷却器(19)により構成されている。また、容積比変更手段(60)が、第2四路切換弁(91)と第3四路切換弁(92)により構成されている。
第2四路切換弁(91)は、第1ポート(P1)が第1吐出管(132)に接続され、第2ポート(P2)が中間冷却器(19)を介して第3四路切換弁(92)の第1ポート(P1)に接続され、第3ポート(P3)が第2吐出管(134)に接続され、第4ポート(P4)が第3四路切換弁(92)の第3ポート(P3)に接続されている。一方、第3四路切換弁(92)は、第1ポート(P1)が中間冷却器(19)を介して第2四路切換弁(91)の第2ポート(P2)に接続され、第2ポート(P2)が第2吸入管(133)に接続され、第3ポート(P3)が第2四路切換弁(91)の第4ポート(P4)に接続され、第4ポート(P4)が第3吸入管(135)に接続されている。
各四路切換弁(91,92)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する第1状態と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2状態とが切換自在に構成されている。なお、各四路切換弁(91,92)は複数の電磁弁を代用することができる。
また、本実施形態4では、第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第2圧縮室(73)の吸入容積V2と、第3圧縮室(83)の吸入容積V3との比率が、下記の式17の値に設定されている。なお、これらの吸入容積の間には、V2>V3>V1の関係が成立している。第1圧縮室(53)の吸入容積V1と第3圧縮室(83)の吸入容積V3とは互いに相違している。
V1:V2:V3=0.5:1.0:0.7 (式17)
本実施形態4では、容積比変更手段(60)が、中間冷却器(19)によって第2圧縮室(73)から第3圧縮室(83)へ流れる冷媒を冷却する第1冷却状態と、中間冷却器(19)によって第3圧縮室(83)から第1圧縮室(53)へ流れる冷媒を冷却する第2冷却状態との間の切り換えを行うことによって、吸入容積比を変更する。
具体的に、第2四路切換弁(91)と第3四路切換弁(92)が共に第1状態に設定されると第1冷却状態になり、第2四路切換弁(91)と第3四路切換弁(92)が共に第2状態に設定されると第2冷却状態になる。この実施形態4では、冷房運転時に第1冷却状態に切り換えられ、暖房運転時に第2冷却状態に切り換えられる。
第1冷却状態では、図21に示すように、中間冷却器(19)によって第2圧縮室(73)から第3圧縮室(83)へ流れる冷媒が冷却されるので、第2圧縮室(73)と第3圧縮室(83)の間で低段側と高段側が分かれる。つまり、第2圧縮室(73)が低段側圧縮室となって第3圧縮室(83)及び第1圧縮室(53)が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第3圧縮室(83)の吸入容積V3になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式18で表される。
Vr=V3/V2 (式18)
一方、第2冷却状態では、図22に示すように、中間冷却器(19)によって第3圧縮室(83)から第1圧縮室(53)へ流れる冷媒が冷却されるので、第3圧縮室(83)と第1圧縮室(53)の間で低段側と高段側が分かれる。つまり、第2圧縮室(73)及び第3圧縮室(83)が低段側圧縮室となって第1圧縮室(53)が高段側圧縮室となる。そして、低段側圧縮室のうち低圧冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第2圧縮室(73)の吸入容積となり、高段側圧縮室のうちインジェクション管(26)によって冷却された後の冷媒を吸入する圧縮室の吸入容積の合計値は、第1圧縮室(53)の吸入容積V1になる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式19で表される。
Vr=V1/V2 (式19)
−実施形態4の変形例−
この変形例では、冷却手段(61)として、さらにインジェクション管(26)が設けられている。インジェクション管(26)は、第2四路切換弁(91)の第2ポート(P2)と第3四路切換弁(92)の第1ポート(P1)との間に接続されている。
第1冷却状態では、第2圧縮室(73)から第3圧縮室(83)へ向かう冷媒が、中間冷却器(19)だけでなく、インジェクション管(26)から供給される冷媒によっても冷却される。また、第2冷却状態では、第3圧縮室(83)から第1圧縮室(53)へ向かう冷媒が、中間冷却器(19)だけでなく、インジェクション管(26)から供給される冷媒によっても冷却される。
《発明の実施形態5》
本発明の実施形態5について説明する。
この実施形態5では、圧縮機(30)の第2圧縮機構(42)が、上記実施形態1の変形例2と同様の構成をしている。但し、第2圧縮機構(42)には、1本の第2吸入管(133)が接続されている。また、第2圧縮機構(42)では、第2圧縮室(105)で圧縮された冷媒と第3圧縮室(106)で圧縮された冷媒とが1つの吐出室(137)に吐出される。吐出室(137)に吐出された冷媒は、第1空間(45)及び第2空間(46)を経て、第2吐出管(134)から吐出される。
また、本実施形態5では、第1圧縮室(53)の吸入容積V1と、第2圧縮室(105)の吸入容積V2と第3圧縮室(106)の吸入容積V3の合計値(V2+V3)との比率が、下記の式20の値に設定されている。
V1:V2+V3=1.0:1.1 (式20)
また、この実施形態5では、容積比変更手段(60)によって、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(105)と第3圧縮室(106)との接続関係が切り換えられ、その結果、上記吸入容積比が変更される。具体的に、容積比変更手段(60)によって、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室になって第2圧縮室(105)及び第3圧縮室(106)が高段側圧縮室になる第1切換状態と、第2圧縮室(105)及び第3圧縮室(106)が低段側圧縮室になって第1圧縮室(53)が高段側圧縮室になる第2切換状態との間の切り換えが行われる。容積比変更手段(60)は、2つの四路切換弁(12a,12b)により構成されている。
各四路切換弁(12a,12b)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する第1状態と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2状態とが切換自在に構成されている。なお、各四路切換弁(12a,12b)は複数の電磁弁を代用することができる。
本実施形態5では、2つの四路切換弁(12a,12b)が共に第1状態に設定されると第1切換状態になり、2つの四路切換弁(12a,12b)が共に第2状態に設定されると第2切換状態になる。この実施形態4では、冷房運転時に第1冷却状態に切り換えられ、暖房運転時に第2冷却状態に切り換えられる。
第1切換状態では、図23に示すように、第1圧縮室(53)が低段側圧縮室となって第2圧縮室(105)及び第3圧縮室(106)が高段側圧縮室となる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式21で表される。第1切換状態では、第1空間(45)及び第2空間(46)が高圧空間になる。
Vr=(V2+V3)/V1 (式21)
一方、第2切換状態では、図24に示すように、第2圧縮室(105)及び第3圧縮室(106)が低段側圧縮室となって第1圧縮室(53)が高段側圧縮室となる。その結果、吸入容積比Vrは、下記の式22で表される。第2切換状態では、第1空間(45)及び第2空間(46)が中間圧の空間になる。
Vr=V1/(V2+V3) (式22)
《その他の実施形態》
上述した各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、冷媒回路(11)に充填される冷媒が二酸化炭素以外の冷媒(例えばフロン冷媒)であってもよい。
また、上記実施形態について、第1圧縮機構(41)の吐出ポート(57)に吐出弁を設けてもよい。この場合、冷却手段(61)による冷却効果が少ない場合に、逆流損失を低減させることが可能である。
また、上記実施形態について、第1圧縮機構(41)が、固定側ラップ(51a)の巻き数と可動側ラップ(52a)の巻き数とが等しい対称渦巻き構造であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。