JP2004044569A - ロータリ式膨張機及び流体機械 - Google Patents

ロータリ式膨張機及び流体機械 Download PDF

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Abstract

【課題】膨張室へ高圧流体を導入する期間を任意に設定可能なロータリ式膨張機において、その信頼性を向上させる。
【解決手段】膨張機構部(60)では、シリンダ(61)の両端がフロントヘッド(63)とリアヘッド(64)で閉塞される。フロントヘッド(63)の内側面には、流入ポート(36)の終端と凹溝状の溝状通路(69)とが開口する。ピストン(65)には、シャフト(45)の大径偏心部(46)が嵌め込まれる。ピストン(65)と一体のブレード(66)は、一対のブッシュ(67)を介してシリンダ(61)に保持される。フロントヘッド(63)側の大径偏心部(46)の端面には、凹溝状の連通路(70)が開口する。シャフト(45)が回転すると、この連通路(70)によって流入ポート(36)と溝状通路(69)が間欠的に連通される。そして、流入ポート(36)と溝状通路(69)が連通路(70)によって連通された時にだけ、膨張室(62)へ高圧冷媒が導入される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧流体を供給されて動力を発生させる膨張機や、この膨張機を備えた流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ロータリ式の流体機械が広く知られており、圧縮機や膨張機として利用されている。例えば、特許文献1には、ロータリ式の流体機械により構成されたロータリ式膨張機が開示されている。
【0003】
このロータリ式膨張機には、固有容積比が存在しない。このため、ロータリ膨張機では、冷媒が膨張室へ流入する期間を、何らかの方法によって設定する必要がある。そこで、特許文献1のロータリ式膨張機では、ピストンの自転を規制すると共に、ピストンとこれに係合するシャフトの両方に冷媒の通路を形成している。
【0004】
図29に示すように、上記ロータリ式膨張機において、ピストン(b)は、シャフト(c)に対して偏心した状態で係合し、シリンダ(a)の内面と摺動しながら移動する。このピストン(b)は、その凹部にブレード(h)の先端が係合しており、それによって自転が規制されている。また、ピストン(b)は、その内面がシャフト(c)の偏心部(d)に摺接している。ピストン(b)に形成された冷媒通路(f)は、膨張室(g)に連通している。一方、シャフト(c)に形成された冷媒通路(e)には、高圧の冷媒が送り込まれている。
【0005】
シャフト(c)がピストン(b)に摺接した状態で回転すると、それに伴ってシャフト(c)側の冷媒通路(e)とピストン(b)側の冷媒通路(f)との相対位置が変化する。そして、シャフト(c)の回転角が所定範囲であるときは、シャフト(c)側の冷媒通路(e)とピストン(b)側の冷媒通路(f)が互いに連通し、膨張室(g)へ高圧の冷媒が流れ込む。一方、シャフト(c)の回転角が所定範囲から外れたときは、シャフト(c)側の冷媒通路(e)とピストン(b)側の冷媒通路(f)は連通せず、膨張室(g)へ高圧が流入することはない。
【0006】
このように、特許文献1のロータリ式膨張機では、シャフト(c)側の冷媒通路(e)とピストン(b)側の冷媒通路(f)との位置が一致した時にだけ膨張室(g)へ高圧の冷媒が流れ込む構成を採ることで、冷媒が膨張室(g)へ流入する期間を設定している。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−338356号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ロータリ式膨張機のようにピストン(b)とシャフト(c)に冷媒通路(e,f)を形成する構成を採ると、ロータリ式膨張機の信頼性の低下を招くという問題があった。
【0009】
この問題点について説明する。上記ロータリ式膨張機において、シャフト(c)の偏心部(d)の外周面とピストン(b)の内周面が互いに摺動する。また、膨張室(g)へ流入した冷媒の圧力を受けてピストン(b)が偏心部(d)に押し付けられるため、ピストン(b)と偏心部(d)の摺動面には比較的大きな荷重が作用する。
【0010】
ところが、上記ロータリ式膨張機では、シャフト(c)に形成した冷媒通路へ高圧冷媒を導入しており、ピストン(b)の内周面が高圧冷媒に晒された状態となっている。このため、シャフト(c)の偏心部(d)とピストン(b)の間へ潤滑油を供給しても、供給した潤滑油が高圧冷媒によって洗い流されてしまう。
【0011】
そして、シャフト(c)の偏心部(d)とピストン(b)の間に潤滑油を保持できないと、ピストン(b)と偏心部(d)の間の潤滑を充分に行うことができなくなり、ピストン(b)と偏心部(d)が焼き付いてロータリ式膨張機を運転できなくなる危険があった。特に、高圧冷媒が超臨界状態の二酸化炭素(CO)である場合には、冷媒の潤滑油を洗い流す作用が強いことから、信頼性低下の問題が深刻であった。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、信頼性の高いロータリ式膨張機を提供し、併せてこれを備える流体機械を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、両端が閉塞部材(63,64)によって閉塞されたシリンダ(61,81,82)と、主軸部(48)と該主軸部(48)よりも大径の偏心部(46,49)とを有する回転軸(45)と、上記シリンダ(61,81,82)の内周面と上記偏心部(46,49)の外周面とに摺接して該シリンダ(61,81,82)内に膨張室(62)を区画するピストン(65)と、上記膨張室(62)を高圧側と低圧側に仕切るためのブレード(66)とを備えるロータリ式膨張機を対象としている。そして、上記閉塞部材(63,64)の内側面における上記偏心部(46,49)の端面と摺接する部分に開口して高圧の流体が送り込まれる導入通路(36)と、上記閉塞部材(63,64)の内側面に開口する凹溝状に形成されて上記膨張室(62)の高圧側に連通する溝状通路(69)と、上記回転軸(45)が1回転する間のうち該回転軸(45)の回転角が所定範囲である間だけ導入通路(36)と溝状通路(69)が連通するように上記偏心部(46,49)の端面に開口する連通路(70)とを備えるものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、シリンダ(61,81,82)の各端を閉塞する一対の閉塞部材(63,64)の何れか一方だけに導入通路(36)及び溝状通路(69)が設けられるものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、シリンダ(61,81,82)の各端を閉塞する一対の閉塞部材(63,64)のそれぞれに導入通路(36)及び溝状通路(69)が設けられるものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、シリンダ(61,81,82)の各端を閉塞する一対の閉塞部材(63,64)のうちの一方に導入通路(36)が設けられて他方に溝状通路(69)が設けられるものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項2又は3に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、偏心部(46,49)の端面に開口する凹溝状に形成されるものである。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1,2,3又は4に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、偏心部(46,49)をその一方の端面から他方の端面へ貫通するように形成されるものである。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6に記載のロータリ式膨張機において、偏心部(46,49)の一方の端面における連通路(70)の開口面積と、該偏心部(46,49)の他方の端面における連通路(70)の開口面積とが等しくなっているものである。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1,2,3又は4に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、偏心部(46,49)の一方の端部に開口する凹溝状の第1凹溝部(71)と、該偏心部(46,49)の他方の端部に開口する凹溝状の第2凹溝部(72)と、上記第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)を連通させる通路部(73)とによって形成されるものである。
【0021】
請求項9の発明は、請求項8に記載のロータリ式膨張機において、偏心部(46,49)の一方の端面における第1凹溝部(71)の開口面積と、該偏心部(46,49)の他方の端面における第2凹溝部(72)の開口面積とが等しくなっているものである。
【0022】
請求項10の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の後端部は、該回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって上記偏心部(46,49)の端面における開口幅が次第に狭くなっているものである。
【0023】
請求項11の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、凹溝状に形成されて偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の後端部は、その深さが該回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に減少しているものである。
【0024】
請求項12の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の前端部は、該回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって偏心部(46,49)の端面における開口幅が次第に狭くなっているものである。
【0025】
請求項13の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、連通路(70)は、凹溝状に形成されて偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の前端部は、その深さが該回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって次第に減少しているものである。
【0026】
請求項14の発明は、請求項1に記載のロータリ式膨張機において、シリンダ(61,81,82)とピストン(65)とが複数ずつ設けられて各シリンダ(61,81,82)内に膨張室(62)が形成される一方、回転軸(45)には、偏心部(46,49)が上記ピストン(65)と同数設けられ、上記回転軸(45)が1回転する間に上記各膨張室(62)への流体の導入が順次開始されると共に、ある膨張室(62)への流体の導入開始から次の膨張室(62)への流体の導入開始までの回転軸(45)の回転角が一定となっているものである。
【0027】
請求項15の発明は、請求項1乃至14の何れか1つに記載のロータリ式膨張機において、ブレード(66)は、ピストン(65)と別体に形成されると共に、その先端が該ピストン(65)に押圧された状態でシリンダ(81,82)に進退自在に支持されるものである。
【0028】
請求項16の発明は、請求項1乃至14の何れか1つに記載のロータリ式膨張機において、ブレード(66)は、ピストン(65)の側面から突出するように該ピストン(65)と一体に形成されると共に、シリンダ(81,82)に進退自在で且つ回動自在に支持されるものである。
【0029】
請求項17の発明は、請求項1乃至16の何れか1つに記載のロータリ式膨張機において、膨張室(62)の高圧側へ導入された臨界圧力以上の二酸化炭素の膨張によって回転軸(45)が回転するように構成されるものである。
【0030】
請求項18の発明は、流体機械を対象とし、請求項1乃至17の何れか1つに記載のロータリ式膨張機(60)と、電動機(40)と、上記ロータリ式膨張機(60)及び電動機(40)により駆動されて流体を圧縮する圧縮機(50)と、上記ロータリ式膨張機(60)、電動機(40)、及び圧縮機(50)が収納されるケーシング(31)とを備えるものである。
【0031】
−作用−
請求項1の発明では、両端が閉塞部材(63,64)により閉塞されたシリンダ(61,81,82)にピストン(65)が収納され、シリンダ(61,81,82)内に膨張室(62)が形成される。ピストン(65)は、回転軸(45)に設けられた偏心部(46,49)の外周面と摺接し、更にはシリンダ(61,81,82)の内周面と摺接しながら移動する。また、膨張室(62)は、ブレード(66)によって高圧側と低圧側に仕切られる。シリンダ(61,81,82)内でピストン(65)が移動すると、膨張室(62)における高圧側の容積と低圧側の容積が変化する。そして、ロータリ式膨張機(60)の膨張室(62)へ高圧流体を導入すると、その高圧流体の内部エネルギが回転軸(45)の回転動力に変換される。
【0032】
この発明のロータリ式膨張機(60)では、導入通路(36)が閉塞部材(63,64)の内側面に開口している。また、溝状通路(69)が凹溝状に形成されて閉塞部材(63,64)の内側面に開口している。更に、連通路(70)が回転軸(45)における偏心部(46,49)の端面に開口している。このロータリ式膨張機(60)において、閉塞部材(63,64)はシリンダ(61,81,82)に固定されて移動しない。従って、ロータリ式膨張機(60)の運転中でも、導入通路(36)や溝状通路(69)の位置は変化しない。一方、ロータリ式膨張機(60)の運転中は、回転軸(45)が回転している。このため、偏心部(46,49)に開口する連通路(70)は、回転軸(45)の回転に伴って移動する。
【0033】
この発明では、回転軸(45)が1回転する間、即ち回転軸(45)の回転角が0°から360°に至るまでの間において、その回転角が所定範囲となる間にだけ、導入通路(36)と溝状通路(69)が連通路(70)を介して連通する。導入通路(36)の高圧流体は、その間だけ連通路(70)を通って溝状通路(69)へ流入し、その溝状通路(69)と連通している膨張室(62)へ流れ込む。例えば、回転軸(45)の回転角が0°から120°までの間に導入通路(36)と溝状通路(69)が連通する構成の場合には、その間だけ膨張室(62)へ高圧流体が導入され、回転軸(45)の回転角が120°から360°までの間は膨張室(62)へ高圧流体が導入されない。つまり、この発明のロータリ式膨張機(60)では、回転軸(45)の偏心部(46,49)に形成された連通路(70)が移動することによって、高圧流体を膨張室(62)へ導入する期間が設定される。
【0034】
請求項2の発明では、シリンダ(61,81,82)の両側に設けられた一対の閉塞部材(63,64)のうち、何れか一方の閉塞部材(63,64)だけに導入通路(36)及び溝状通路(69)が形成される。つまり、1つのシリンダ(61,81,82)を挟んで位置する一対の閉塞部材(63,64)のどちらかに、導入通路(36)と溝状通路(69)の両方が設けられる。
【0035】
請求項3の発明では、シリンダ(61,81,82)の両側に設けられた一対の閉塞部材(63,64)のそれぞれに導入通路(36)及び溝状通路(69)が形成される。つまり、1つのシリンダ(61,81,82)を挟んで位置する一対の閉塞部材(63,64)の何れにも、導入通路(36)と溝状通路(69)の両方が設けられる。
【0036】
請求項4の発明では、シリンダ(61,81,82)の両側に設けられた一対の閉塞部材(63,64)のうち、何れか一方の閉塞部材(63)に導入通路(36)が形成され、これとは別の閉塞部材(64)に溝状通路(69)が形成される。つまり、導入通路(36)と溝状通路(69)は、それぞれ別々の閉塞部材(63,64)に設けられる。
【0037】
請求項5の発明では、連通路(70)が凹溝状に形成される。この連通路(70)は、主軸部(48)よりも大径に形成された偏心部(46,49)の端面に開口している。
【0038】
請求項6の発明では、連通路(70)が偏心部(46,49)を貫通するように形成される。この連通路(70)は、主軸部(48)よりも大径に形成された偏心部(46,49)の両方の端面に開口している。
【0039】
請求項7の発明では、偏心部(46,49)の各端面における連通路(70)の開口面積が互いに等しくなる。そして、連通路(70)が導入通路(36)に連通して高圧流体で満たされても、連通路(70)の断面積が等しければ、連通路(70)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうち偏心部(46,49)の高さ方向の成分は無くなる。また、連通路(70)の断面積が等しくなくても、連通路(70)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向成分同士が互いに打ち消しあう。尚、本明細書において、偏心部(46,49)の高さ方向とは、偏心部(46,49)の端面に垂直な方向を意味する。
【0040】
請求項8の発明では、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)と通路部(73)とによって連通路(70)が形成される。主軸部(48)よりも大径に形成された偏心部(46,49)では、その一方の端面に第1凹溝部(71)が開口し、他方の端面に第2凹溝部(72)が開口する。第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)は、通路部(73)によって互いに連通される。
【0041】
この発明のロータリ式膨張機(60)において、連通路(70)が導入通路(36)に連通すると、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)が高圧流体で満たされる。そして、第1凹溝部(71)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分と、第2凹溝部(72)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分とは、それぞれの作用する向きが反対方向となって互いに打ち消しあう。
【0042】
請求項9の発明では、偏心部(46,49)の端面における第1凹溝部(71)の開口面積と第2凹溝部(72)の開口面積が互いに等しくなる。そして、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)が高圧流体で満たされた状態において、第1凹溝部(71)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分と、第2凹溝部(72)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分とは、互いに同じ大きさで逆向きに作用する。
【0043】
請求項10の発明では、偏心部(46,49)の端面における連通路(70)の開口幅が、回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に狭くなる。このため、偏心部(46,49)の連通路(70)と閉塞部材(63,64)の溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積、即ち連通路(70)から溝状通路(69)へ流入する際に流体が通過する部分の面積は、回転軸(45)が回転するにつれて徐々に小さくなってゆく。
【0044】
請求項11の発明では、連通路(70)が凹溝状に形成されて偏心部(46,49)の端面に開口する。偏心部(46,49)の端面における連通路(70)の開口形状は、回転軸(45)の回転方向に沿って延びる円弧状となっている。凹溝状に形成された連通路(70)の深さは、回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に減少している。このため、回転軸(45)の回転方向における連通路(70)の後端部において、この後端部のうちで閉塞部材(63,64)の溝状通路(69)に面する部分の深さは、回転軸(45)が回転するにつれて徐々に浅くなってゆく。
【0045】
請求項12の発明では、偏心部(46,49)の端面における連通路(70)の開口幅が、回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって次第に狭くなる。このため、偏心部(46,49)の連通路(70)と閉塞部材(63,64)の導入通路(36)がオーバーラップする部分の面積、即ち導入通路(36)から連通路(70)へ流入する際に流体が通過する部分の面積は、回転軸(45)が回転するにつれて徐々に大きくなってゆく。
【0046】
請求項13の発明では、連通路(70)が凹溝状に形成されて偏心部(46,49)の端面に開口する。偏心部(46,49)の端面における連通路(70)の開口形状は、回転軸(45)の回転方向に沿って延びる円弧状となっている。凹溝状に形成された連通路(70)の深さは、回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって次第に減少している。このため、回転軸(45)の回転方向における連通路(70)の前端部において、この前端部のうちで閉塞部材(63,64)の導入通路(36)に面する部分の深さは、回転軸(45)が回転するにつれて徐々に深くなってゆく。
【0047】
請求項14の発明では、複数設けられたシリンダ(81,82)のそれぞれにピストン(65)が1つずつ収納され、各シリンダ(81,82)内に膨張室(62)が形成される。この発明のロータリ式膨張機(60)では、回転軸(45)が1回転する間において、各シリンダ(81,82)内の膨張室(62)に対する流体の導入が等間隔で順次開始される。例えば、シリンダ(81,82)が2つの場合は、回転軸(45)の回転角180°毎に膨張室(62)への流体の導入が開始され、シリンダ(81,82)が3つの場合は、回転軸(45)の回転角120°毎に膨張室(62)への流体の導入が開始される。そして、例えばシリンダ(81,82)が2つ設けられている場合には、押しのけ容積が同じでシリンダが1つのロータリ式膨張機に比べ、膨張室(62)1つあたりの流体の流入量は半分となる。従って、この場合には、ロータリ式膨張機(60)へ流入する流体流量の変動幅や、膨張室(62)へ流入する際の流体の流速も半分となる。
【0048】
請求項15の発明では、ブレード(66)がピストン(65)とは別体に形成される。このブレード(66)は、その先端がピストン(65)に押し付けられ、ピストン(65)の偏心運動に伴って進退する。つまり、本発明のロータリ式膨張機(60)は、いわゆるローリングピストン型に構成される。
【0049】
請求項16の発明では、ブレード(66)がピストン(65)と一体に形成される。このブレード(66)は、シリンダ(61,81,82)に保持される。そして、回転軸(45)の偏心部(46,49)に係合するピストン(65)は、シリンダ(61,81,82)と摺動しながら揺動運動を行う。つまり、本発明のロータリ式膨張機(60)は、いわゆる揺動ピストン型に構成される。
【0050】
請求項17の発明では、ロータリ式膨張機(60)の膨張室(62)へ二酸化炭素(CO)が送り込まれる。この膨張室(62)へ導入される二酸化炭素の圧力は、二酸化炭素の臨界圧力以上となっている。そして、ロータリ式膨張機(60)では、導入された二酸化炭素の膨張によって回転軸(45)が回転する。
【0051】
請求項18の発明では、本発明に係るロータリ式膨張機(60)、電動機、及び圧縮機が1つのケーシングに収納され、一体の流体機械が形成される。
【0052】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態1は、本発明の流体機械を用いて構成された空調機(10)である。
【0053】
《空調機の全体構成》
図1に示すように、上記空調機(10)は、いわゆるセパレート型のものであって、室外機(11)と室内機(13)とを備えている。室外機(11)には、室外ファン(12)、室外熱交換器(23)、第1四路切換弁(21)、第2四路切換弁(22)、及び圧縮・膨張ユニット(30)が収納されている。室内機(13)には、室内ファン(14)及び室内熱交換器(24)が収納されている。そして、室外機(11)は屋外に設置され、室内機(13)は屋内に設置されている。また、室外機(11)と室内機(13)とは、一対の連絡配管(15,16)で接続されている。尚、圧縮・膨張ユニット(30)の詳細は後述する。
【0054】
上記空調機(10)には、冷媒回路(20)が設けられている。この冷媒回路(20)は、圧縮・膨張ユニット(30)や室内熱交換器(24)などが接続された閉回路である。また、この冷媒回路(20)には、冷媒として二酸化炭素(CO)が充填されている。
【0055】
上記室外熱交換器(23)と室内熱交換器(24)とは、何れもクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成されている。室外熱交換器(23)では、冷媒回路(20)を循環する冷媒が室外空気と熱交換する。室内熱交換器(24)では、冷媒回路(20)を循環する冷媒が室内空気と熱交換する。
【0056】
上記第1四路切換弁(21)は、4つのポートを備えている。この第1四路切換弁(21)は、その第1のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の吐出ポート(35)と配管接続され、第2のポートが連絡配管(15)を介して室内熱交換器(24)の一端と配管接続され、第3のポートが室外熱交換器(23)の一端と配管接続され、第4のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の吸入ポート(34)と配管接続されている。そして、第1四路切換弁(21)は、第1のポートと第2のポートとが連通し且つ第3のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポートとが連通し且つ第2のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
【0057】
上記第2四路切換弁(22)は、4つのポートを備えている。この第2四路切換弁(22)は、その第1のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の流出ポート(37)と配管接続され、第2のポートが室外熱交換器(23)の他端と配管接続され、第3のポートが連絡配管(16)を介して室内熱交換器(24)の他端と配管接続され、第4のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の流入ポート(36)と配管接続されている。そして、第2四路切換弁(22)は、第1のポートと第2のポートとが連通し且つ第3のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポートとが連通し且つ第2のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
【0058】
《圧縮・膨張ユニットの構成》
図2に示すように、圧縮・膨張ユニット(30)は、本発明の流体機械を構成している。この圧縮・膨張ユニット(30)では、横長で円筒形の密閉容器であるケーシング(31)の内部に、圧縮機構部(50)、膨張機構部(60)、及び電動機(40)が収納されている。また、このケーシング(31)内では、図2における左から右に向かって、圧縮機構部(50)、電動機(40)、膨張機構部(60)の順で配置されている。尚、図2を参照しながらの説明で用いる「右」「左」は、それぞれ同図における「右」「左」を意味する。
【0059】
上記電動機(40)は、ケーシング(31)の長手方向の中央部に配置されている。この電動機(40)は、ステータ(41)とロータ(42)とにより構成されている。ステータ(41)は、上記ケーシング(31)に固定されている。ロータ(42)は、ステータ(41)の内側に配置されている。また、ロータ(42)には、該ロータ(42)と同軸にシャフト(45)の主軸部(48)が貫通している。
【0060】
上記シャフト(45)は、その右端側に大径偏心部(46)が形成され、その左端側に小径偏心部(47)が形成されている。大径偏心部(46)は、主軸部(48)よりも大径に形成され、主軸部(48)の軸心から所定量だけ偏心している。一方、小径偏心部(47)は、主軸部(48)よりも小径に形成され、主軸部(48)の軸心から所定量だけ偏心している。そして、このシャフト(45)は、回転軸を構成している。
【0061】
上記シャフト(45)には、図示しないが、油ポンプが連結されている。また、上記ケーシング(31)の底部には、潤滑油が貯留されている。この潤滑油は、油ポンプによって汲み上げられ、圧縮機構部(50)や膨張機構部(60)へ供給されて潤滑に利用される。
【0062】
上記圧縮機構部(50)は、いわゆるスクロール圧縮機を構成している。この圧縮機構部(50)は、固定スクロール(51)と、可動スクロール(54)と、フレーム(57)とを備えている。また、圧縮機構部(50)には、吸入ポート(34)と吐出ポート(35)とが設けられている。
【0063】
上記固定スクロール(51)では、鏡板(52)に渦巻き状の固定側ラップ(53)が突設されている。この固定スクロール(51)の鏡板(52)は、ケーシング(31)に固定されている。一方、上記可動スクロール(54)では、板状の鏡板(55)に渦巻き状の可動側ラップ(56)が突設されている。固定スクロール(51)と可動スクロール(54)とは、互いに対向する姿勢で配置されている。そして、固定側ラップ(53)と可動側ラップ(56)が噛み合うことにより、圧縮室(59)が区画される。
【0064】
上記吸入ポート(34)は、その一端が固定側ラップ(53)及び可動側ラップ(56)の外周側に接続されている。一方、上記吐出ポート(35)は、固定スクロール(51)の鏡板(52)の中央部に接続され、その一端が圧縮室(59)に開口している。
【0065】
上記可動スクロール(54)の鏡板(55)は、その右側面の中央部に突出部分が形成されており、この突出部分にシャフト(45)の小径偏心部(47)が挿入されている。また、上記可動スクロール(54)は、オルダムリング(58)を介してフレーム(57)に支持されている。このオルダムリング(58)は、可動スクロール(54)の自転を規制するためのものである。そして、可動スクロール(54)は、自転することなく、所定の旋回半径で公転する。この可動スクロール(54)の旋回半径は、小径偏心部(47)の偏心量と同じである。
【0066】
上記膨張機構部(60)は、いわゆる揺動ピストン型のものであって、本発明のロータリ式膨張機を構成している。この膨張機構部(60)は、シリンダ(61)と、フロントヘッド(63)と、リアヘッド(64)と、ピストン(65)とを備えている。また、膨張機構部(60)には、流入ポート(36)と流出ポート(37)とが設けられている。
【0067】
上記シリンダ(61)は、その左側端面がフロントヘッド(63)により閉塞され、その右側端面がリアヘッド(64)により閉塞されている。つまり、フロントヘッド(63)とリアヘッド(64)は、それぞれが閉塞部材を構成している。
【0068】
上記ピストン(65)は、両端がフロントヘッド(63)とリアヘッド(64)で閉塞されたシリンダ(61)の内部に収納されている。そして、図4にも示すように、ピストン(65)の外周面がシリンダ(61)の内周面に摺接し、シリンダ(61)内に膨張室(62)が形成される。
【0069】
図4(a)に示すように、上記ピストン(65)は、円環状あるいは円筒状に形成されている。ピストン(65)の内径は、大径偏心部(46)の外径と概ね等しくなっている。そして、シャフト(45)の大径偏心部(46)がピストン(65)を貫通するように設けられ、ピストン(65)の内周面と大径偏心部(46)の外周面がほぼ全面に亘って摺接する。
【0070】
また、上記ピストン(65)には、ブレード(66)が一体に設けられている。このブレード(66)は、板状に形成されており、ピストン(65)の外周面から外側へ突出している。シリンダ(61)の内周面とピストン(65)の外周面に挟まれた膨張室(62)は、このブレード(66)によって高圧側と低圧側とに仕切られる。
【0071】
上記シリンダ(61)には、一対のブッシュ(67)が設けられている。各ブッシュ(67)は、それぞれが半月状に形成されている。このブッシュ(67)は、ブレード(66)を挟み込んだ状態で設置され、ブレード(66)と摺動する。また、ブッシュ(67)は、ブレード(66)を挟んだ状態でシリンダ(61)に対して回動自在となっている。つまり、ピストン(65)と一体のブレード(66)は、ブッシュ(67)を介してシリンダ(61)に支持され、シリンダ(61)に対して回動自在で且つ進退自在となっている。
【0072】
図4にも示すように、上記流入ポート(36)は、フロントヘッド(63)に形成されており、導入通路を構成している。流入ポート(36)の終端は、フロントヘッド(63)の内側面、即ちシリンダ(61)側の面に開口している。また、フロントヘッド(63)の内側面において、流入ポート(36)は、大径偏心部(46)やピストン(65)の端面によって覆われて膨張室(62)と直接に連通することのない位置に開口している。具体的に、流入ポート(36)の終端は、フロントヘッド(63)の内側面のうち大径偏心部(46)の端面と摺接する部分において、同図(a)における主軸部(48)の軸心のやや左上の位置に開口している。
【0073】
フロントヘッド(63)には、溝状通路(69)も形成されている。図4(b)に示すように、この溝状通路(69)は、フロントヘッド(63)をその内側面側から掘り下げることにより、フロントヘッド(63)の内側面に開口する凹溝状に形成されている。
【0074】
フロントヘッド(63)の内側面における溝状通路(69)の開口部分は、図4(a)における上下に細長い長方形状となっている。溝状通路(69)は、同図(a)における主軸部(48)の軸心よりも左側に位置している。また、この溝状通路(69)は、同図(a)における上端がシリンダ(61)の内周面よりも僅かに内側に位置すると共に、同図(a)における下端がフロントヘッド(63)の内側面のうち大径偏心部(46)の端面と摺接する部分に位置している。そして、この溝状通路(69)は、膨張室(62)と連通可能になっている。
【0075】
シャフト(45)の大径偏心部(46)には、連通路(70)が形成されている。図4(b)に示すように、この連通路(70)は、大径偏心部(46)をその端面側から掘り下げることにより、フロントヘッド(63)に向き合った大径偏心部(46)の端面に開口する凹溝状に形成されている。
【0076】
また、図4(a)に示すように、連通路(70)は、シャフト(45)の回転方向に沿って延びる円弧状に形成されている。更に、連通路(70)におけるその周長方向の中央は、主軸部(48)の軸心と大径偏心部(46)の軸心を結んだ線上であって、大径偏心部(46)の軸心に対して主軸部(48)の軸心とは反対側に位置している。そして、シャフト(45)が回転すると、それに伴って大径偏心部(46)の連通路(70)も移動し、この連通路(70)を介して流入ポート(36)と溝状通路(69)が間欠的に連通される。
【0077】
図4(a)にも示すように、上記流出ポート(37)は、シリンダ(61)に形成されている。この流出ポート(37)の始端は、膨張室(62)に臨むシリンダ(61)の内周面に開口している。また、流出ポート(37)の始端は、同図(a)におけるブレード(66)の右側近傍に開口している。
【0078】
−運転動作−
上記空調機(10)の動作について説明する。ここでは、空調機(10)の冷房運転時及び暖房運転時の動作について説明し、続いて膨張機構部(60)の動作について説明する。
【0079】
《冷房運転》
冷房運転時には、第1四路切換弁(21)及び第2四路切換弁(22)が図1に破線で示す状態に切り換えられる。この状態で圧縮・膨張ユニット(30)の電動機(40)に通電すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0080】
圧縮機構部(50)で圧縮された冷媒は、吐出ポート(35)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から吐出される。この状態で、冷媒の圧力は、その臨界圧力よりも高くなっている。この吐出冷媒は、第1四路切換弁(21)を通って室外熱交換器(23)へ送られる。室外熱交換器(23)では、流入した冷媒が室外ファン(12)により送られる室外空気と熱交換する。この熱交換により、冷媒が室外空気に対して放熱する。
【0081】
室外熱交換器(23)で放熱した冷媒は、第2四路切換弁(22)を通過し、流入ポート(36)を通って圧縮・膨張ユニット(30)の膨張機構部(60)へ流入する。膨張機構部(60)では、高圧冷媒が膨張し、その内部エネルギがシャフト(45)の回転動力に変換される。膨張後の低圧冷媒は、流出ポート(37)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から流出し、第2四路切換弁(22)を通過して室内熱交換器(24)へ送られる。
【0082】
室内熱交換器(24)では、流入した冷媒が室内ファン(14)により送られる室内空気と熱交換する。この熱交換により、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、室内空気が冷却される。室内熱交換器(24)から出た低圧ガス冷媒は、第1四路切換弁(21)を通過し、吸入ポート(34)を通って圧縮・膨張ユニット(30)の圧縮機構部(50)へ吸入される。圧縮機構部(50)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
【0083】
《暖房運転》
暖房運転時には、第1四路切換弁(21)及び第2四路切換弁(22)が図1に実線で示す状態に切り換えられる。この状態で圧縮・膨張ユニット(30)の電動機(40)に通電すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0084】
圧縮機構部(50)で圧縮された冷媒は、吐出ポート(35)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から吐出される。この状態で、冷媒の圧力は、その臨界圧力よりも高くなっている。この吐出冷媒は、第1四路切換弁(21)を通過して室内熱交換器(24)へ送られる。室内熱交換器(24)では、流入した冷媒が室内空気と熱交換する。この熱交換により、冷媒が室内空気へ放熱し、室内空気が加熱される。
【0085】
室内熱交換器(24)で放熱した冷媒は、第2四路切換弁(22)を通過し、流入ポート(36)を通って圧縮・膨張ユニット(30)の膨張機構部(60)へ流入する。膨張機構部(60)では、高圧冷媒が膨張し、その内部エネルギがシャフト(45)の回転動力に変換される。膨張後の低圧冷媒は、流出ポート(37)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から流出し、第2四路切換弁(22)を通過して室外熱交換器(23)へ送られる。
【0086】
室外熱交換器(23)では、流入した冷媒が室外空気と熱交換を行い、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(23)から出た低圧ガス冷媒は、第1四路切換弁(21)を通過し、吸入ポート(34)を通って圧縮・膨張ユニット(30)の圧縮機構部(50)へ吸入される。圧縮機構部(50)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
【0087】
《膨張機構部の動作》
膨張機構部(60)の動作について、図3〜図11を参照しながら説明する。尚、図3は、大径偏心部(46)の中心軸に対して垂直な膨張機構部(60)の断面をシャフト(45)の回転角45°毎に示したものである。また、図4〜図11の各図において、(a)は図3における膨張機構部(60)の断面を拡大図示したものであり、(b)は大径偏心部(46)の中心軸に沿った膨張機構部(60)の断面を模式的に示したものである。尚、図4〜図11の各図において、(b)では主軸部(48)の断面の図示を省略している。
【0088】
膨張室(62)へ高圧冷媒を導入すると、シャフト(45)が図3〜図11の各図における反時計方向へ回転する。
【0089】
シャフト(45)の回転角が0°の時点では、図3,図4に示すように、流入ポート(36)の終端が大径偏心部(46)の端面で覆われている。つまり、流入ポート(36)は、大径偏心部(46)によって塞がれた状態となっている。大径偏心部(46)の連通路(70)は、溝状通路(69)のみに連通している。溝状通路(69)は、ピストン(65)と大径偏心部(46)の端面によって覆われおり、膨張室(62)に連通しない状態となっている。膨張室(62)は、流出ポート(37)に連通することにより、その全体が低圧側となっている。この時点において、膨張室(62)は流入ポート(36)から遮断された状態となっており、高圧冷媒は膨張室(62)へ流入しない。
【0090】
シャフト(45)の回転角が45°の時点では、図3,図5に示すように、流入ポート(36)が大径偏心部(46)の連通路(70)に連通した状態となる。この連通路(70)は、溝状通路(69)にも連通している。溝状通路(69)は、図3や図5(a)における上端部分がピストン(65)の端面から外れた状態となり、膨張室(62)の高圧側と連通する。この時点において、膨張室(62)が連通路(70)及び溝状通路(69)を介して流入ポート(36)に連通された状態となっており、高圧冷媒が膨張室(62)の高圧側へ流入する。つまり、膨張室(62)への高圧冷媒の導入は、シャフト(45)の回転角が0°から45°に至るまでの間に開始される。
【0091】
シャフト(45)の回転角が90°の時点では、図3,図6に示すように、膨張室(62)が連通路(70)及び溝状通路(69)を介して流入ポート(36)に連通された状態となっている。そして、シャフト(45)の回転角が45°から90°に至るまでの間は、膨張室(62)の高圧側へ高圧冷媒が流入し続ける。
【0092】
シャフト(45)が回転を続けると、大径偏心部(46)の連通路(70)は、流入ポート(36)に連通するものの、溝状通路(69)には連通しない状態となる。この時点において、膨張室(62)は流入ポート(36)から遮断された状態となり、高圧冷媒は膨張室(62)へ流入しなくなる。そして、シャフト(45)の回転角が135°の時点では、図3,図7に示すように、大径偏心部(46)の連通路(70)が流入ポート(36)と溝状通路(69)の何れにも連通しない状態となる。このように、膨張室(62)への高圧冷媒の導入は、シャフト(45)の回転角が90°から135°に至るまでの間に終了する。
【0093】
膨張室(62)への高圧冷媒の導入が終了した後は、膨張室(62)の高圧側が閉空間となり、そこへ流入した冷媒が膨張する。つまり、図3や図8〜図11の各図に示すように、シャフト(45)が回転して膨張室(62)における高圧側の容積が増大してゆく。また、その間、流出ポート(37)に連通する膨張室(62)の低圧側からは、膨張後の低圧冷媒が流出ポート(37)を通じて排出され続ける。
【0094】
膨張室(62)における冷媒の膨張は、シャフト(45)の回転角が315°から360°に至るまでの間において、ピストン(65)におけるシリンダ(61)との接触部分が流出ポート(37)に達するまで続く。そして、ピストン(65)におけるシリンダ(61)との接触部分が流出ポート(37)を横切ると、膨張室(62)が流出ポート(37)と連通され、膨張した冷媒の排出が開始される。
【0095】
−実施形態1の効果−
本実施形態の膨張機構部(60)では、共にフロントヘッド(63)の内側面に開口する流入ポート(36)と溝状通路(69)を、シャフト(45)における大径偏心部(46)の端面に開口する連通路(70)によって間欠的に連通させている。このため、大径偏心部(46)とピストン(65)の隙間へ入り込む高圧冷媒の量をごく僅かに抑えることができ、大径偏心部(46)とピストン(65)の摺動面に潤滑油を確実に保持することができる。つまり、本実施形態の膨張機構部(60)では、上述した従来のロータリ式膨張機のような偏心部とピストンの隙間へ供給された潤滑油が冷媒によって洗い流されるという事態は生じない。
【0096】
従って、本実施形態の膨張機構部(60)によれば、高圧冷媒が膨張室(62)へ導入される期間を適切に設定可能とした上で、シャフト(45)の大径偏心部(46)とピストン(65)の間の潤滑を確実に行うことができる。そして、大径偏心部(46)とピストン(65)の焼き付きといったトラブルを未然に防止することができ、膨張機構部(60)の信頼性を向上させることができる。また、膨張機構部(60)の信頼性向上を通じて、圧縮・膨張ユニット(30)や空調機(10)の信頼性を向上させることができる。
【0097】
また、本実施形態の空調機(10)では、超臨界状態の二酸化炭素(CO)が高圧流体として膨張機構部(60)へ導入される。この超臨界状態の二酸化炭素は潤滑油を洗い流す作用の強いものであるが、このような物質を冷媒として用いる場合であっても、本実施形態の膨張機構部(60)によれば、大径偏心部(46)とピストン(65)の焼き付きといったトラブルを回避することが可能である。
【0098】
尚、本実施形態の膨張機構部(60)では、フロントヘッド(63)の内側面に流入ポート(36)が開口する構成を採っている。このため、シャフト(45)の大径偏心部(46)とフロントヘッド(63)の摺動面は高圧流体に晒されることになる。しかしながら、膨張室(62)へ高圧冷媒が導入されることによってピストン(65)に作用する荷重は、ピストン(65)と大径偏心部(46)の摺動面に作用し、ピストン(65)とフロントヘッド(63)の摺動面には作用しない。従って、ピストン(65)とフロントヘッド(63)の摺動面に作用する荷重は比較的小さく、この摺動面が高圧冷媒に晒されても、ピストン(65)とフロントヘッド(63)が焼き付くことはない。
【0099】
また、本実施形態の膨張機構部(60)では、大径偏心部(46)の連通路(70)を凹溝状に形成している。従って、本実施形態によれば、膨張機構部(60)に連通路(70)を形成する構成を採っているにも拘わらず、ピストン(65)と摺動する大径偏心部(46)の剛性低下を最小限に抑制することができる。
【0100】
−実施形態1の変形例−
本実施形態の膨張機構部(60)では、流入ポート(36)と溝状通路(69)をフロントヘッド(63)だけに形成しているが、これに代えて、次のような構成を採ってもよい。つまり、図12に示すように、流入ポート(36)と溝状通路(69)をリアヘッド(64)だけに形成してもよい。この場合、連通路(70)は、大径偏心部(46)におけるリアヘッド(64)側の端面に開口するように形成される。
【0101】
また、本実施形態の膨張機構部(60)では、フロントヘッド(63)の溝状通路(69)に臨むピストン(65)の端面を切り欠くようにしてもよい。このようにピストン(65)を切り欠くことで、膨張室(62)へ向かう高圧冷媒が流れる流路の断面積を拡大できる。その結果、膨張室(62)へ流入する際の高圧冷媒の圧力損失を低減でき、膨張機構部(60)で高圧冷媒から回収される動力を増大させることが可能となる。
【0102】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、上記実施形態1において、膨張機構部(60)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の膨張機構部(60)について、上記実施形態1のものと異なる点を説明する。
【0103】
図13に示すように、本実施形態の膨張機構部(60)では、連通路(70)がシャフト(45)の大径偏心部(46)を貫通している。つまり、この連通路(70)は、大径偏心部(46)におけるフロントヘッド(63)側の端面とリアヘッド(64)側の端面の両方に開口している。図14に示すように、この連通路(70)は、大径偏心部(46)の中心軸に直交する断面における断面積が一定となると共に、大径偏心部(46)を真っ直ぐに貫通するように形成されている。
【0104】
ここで、上記実施形態1のように連通路(70)を大径偏心部(46)の片側の端面だけに開口する凹溝状とすると、連通路(70)が流入ポート(36)に連通する状態では、連通路(70)の内圧によって大径偏心部(46)がリアヘッド(64)に押し付けられる(例えば図6参照)。このため、大径偏心部(46)とリアヘッド(64)の摩擦による損失が増大し、膨張機構部(60)の効率低下を招くおそれがある。
【0105】
これに対し、本実施形態のように連通路(70)が大径偏心部(46)を直線的に貫通する構成を採ると、連通路(70)が流入ポート(36)に連通する状態においても、連通路(70)の内圧によって大径偏心部(46)に作用する荷重は、大径偏心部(46)の中心軸に直交する方向だけに働くことになる(図14参照)。つまり、連通路(70)が高圧冷媒で満たされた状態であっても、大径偏心部(46)がリアヘッド(64)に押し付けられることはない。従って、本実施形態によれば、大径偏心部(46)とリアヘッド(64)の摩擦による損失が増大するのを防止でき、膨張機構部(60)の効率低下を回避することができる。
【0106】
−実施形態2の変形例1−
図15に示すように、本実施形態の膨張機構部(60)では、大径偏心部(46)を貫通する連通路(70)に支柱部(74)を設けてもよい。この支柱部(74)は、大径偏心部(46)と一体に形成されており、連通路(70)を横断している。この支柱部(74)を設けることで、連通路(70)が大径偏心部(46)を貫通する構成を採った場合であっても、大径偏心部(46)を剛性を確保することができる。
【0107】
−実施形態2の変形例2−
本実施形態の膨張機構部(60)では、流入ポート(36)と溝状通路(69)をフロントヘッド(63)に形成しているが、これに代えて、次のような構成を採ってもよい。
【0108】
つまり、図16,図17に示すように、フロントヘッド(63)には流入ポート(36)だけを形成し、溝状通路(69)をリアヘッド(64)に形成してもよい。この場合、フロントヘッド(63)の流入ポート(36)から大径偏心部(46)の連通路(70)へ流入した高圧冷媒は、リアヘッド(64)の溝状通路(69)を通って膨張室(62)へ送り込まれる。尚、これとは逆に、流入ポート(36)をリアヘッド(64)に形成し、溝状通路(69)をフロントヘッド(63)に形成する構成を採ってもよい。
【0109】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、上記実施形態1において、膨張機構部(60)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の膨張機構部(60)について、上記実施形態1のものと異なる点を説明する。
【0110】
図18に示すように、本実施形態の膨張機構部(60)では、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)と通路部(73)とによって連通路(70)が形成されている。
【0111】
図19(b)に示すように、第1凹溝部(71)は、大径偏心部(46)をその端面側から掘り下げることにより、フロントヘッド(63)に向き合った大径偏心部(46)の端面に開口する凹溝状に形成されている。一方、第2凹溝部(72)は、大径偏心部(46)をその端面側から掘り下げることにより、リアヘッド(64)に向き合った大径偏心部(46)の端面に開口する凹溝状に形成されている。また、通路部(73)は、大径偏心部(46)を貫通するように形成され、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)を連通させている。尚、ここでは通路部(73)を1つだけ設けているが、複数の通路部(73)を設けるようにしてもよい。
【0112】
また、図19(a)に示すように、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)は、それぞれが大径偏心部(46)の外周に沿って延びる円弧状に形成されている。そして、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)は、互いに同じ形状となっている。更に、第1凹溝部(71)や第2凹溝部(72)におけるその周長方向の中央は、主軸部(48)の軸心と大径偏心部(46)の軸心を結んだ線上であって、大径偏心部(46)の軸心に対して主軸部(48)の軸心とは反対側に位置している。
【0113】
ここで、上記実施形態1のように連通路(70)を大径偏心部(46)の片側の端面だけに開口する凹溝状とすると、連通路(70)が流入ポート(36)に連通する状態では、連通路(70)の内圧によって大径偏心部(46)がリアヘッド(64)に押し付けられる(例えば図6参照)。このため、大径偏心部(46)とリアヘッド(64)の摩擦による損失が増大し、膨張機構部(60)の効率低下を招くおそれがある。
【0114】
これに対し、本実施形態のように第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)を通路部(73)により連通させて連通路(70)を形成すれば、第1凹溝部(71)の内圧と第2凹溝部(72)の内圧が常に等しくなる。また、本実施形態のように第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)を同一形状とすれば、第1凹溝部(71)が流入ポート(36)に連通する状態においても、第1凹溝部(71)の内圧によって大径偏心部(46)に作用する荷重と、第2凹溝部(72)の内圧によって大径偏心部(46)に作用する荷重とは、それぞれが同じ大きさで反対向きとなって互いに打ち消しあう(図19参照)。つまり、連通路(70)が高圧冷媒で満たされた状態であっても、大径偏心部(46)がリアヘッド(64)に押し付けられることはない。従って、本実施形態によれば、大径偏心部(46)とリアヘッド(64)の摩擦による損失が増大するのを防止でき、膨張機構部(60)の効率低下を回避することができる。
【0115】
【発明の実施の形態4】
本発明の実施形態4は、上記実施形態1において膨張機構部(60)の構成を変更したものである。具体的には、上記実施形態1の膨張機構部(60)が揺動ピストン型に構成されているのに対し、本実施形態の膨張機構部(60)は、ローリングピストン型に構成されている。ここでは、本実施形態の膨張機構部(60)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0116】
図20に示すように、本実施形態において、ブレード(66)は、ピストン(65)と別体に形成されている。つまり、本実施形態のピストン(65)は、単純な円環状あるいは円筒状に形成されている。また、本実施形態のシリンダ(61)には、ブレード溝(68)が形成されている。
【0117】
上記ブレード(66)は、シリンダ(61)のブレード溝(68)に、進退自在な状態で設けられている。また、ブレード(66)は、図外のバネによって付勢され、その先端(図20における下端)がピストン(65)の外周面に押し付けられている。図21に順次示すように、シリンダ(61)内でピストン(65)が移動しても、このブレード(66)は、ブレード溝(68)に沿って同図の上下に移動し、その先端がピストン(65)と接した状態に保たれる。そして、ブレード(66)の先端をピストン(65)の周側面に押し付けることで、膨張室(62)が高圧側と低圧側に仕切られる。
【0118】
【発明の実施の形態5】
本発明の実施形態5は、上記実施形態1の膨張機構部(60)において、シャフト(45)の大径偏心部(46)に形成された連通路(70)の形状を変更したものである。ここでは、本実施形態の膨張機構部(60)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0119】
図22に示すように、本実施形態の連通路(70)は、大径偏心部(46)の端面における開口形状が上記実施形態1と相違している。具体的に、本実施形態の連通路(70)は、シャフト(45)の回転方向に沿って延びる円弧状であって、更にはシャフト(45)の主軸部(48)と同心の円弧状に形成されている。この連通路(70)は、大径偏心部(46)の端面における開口幅が概ね一定となっている。ただし、シャフト(45)の回転方向における連通路(70)の後端部は、シャフト(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に開口幅が狭くなっている。つまり、この連通路(70)の一方の端部は、シャフト(45)の回転方向と反対の方向(即ち、同図における時計方向)へ進むにつれて、その開口幅が徐々に狭くなっている。
【0120】
上記実施形態1の場合と同様に、流入ポート(36)から連通路(70)へ流入した高圧冷媒は、連通路(70)と溝状通路(69)がオーバーラップする部分を通って溝状通路(69)へ流入し、その後に膨張室(62)へと流入する。シャフト(45)の回転に伴って連通路(70)が移動すると、連通路(70)と溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積が減少し、やがて連通路(70)と溝状通路(69)の間が遮断されて膨張室(62)への高圧冷媒の導入が終了する。
【0121】
ここで、シャフト(45)の回転方向における後端側で連通路(70)の開口幅が一定の場合、連通路(70)と溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積は、シャフト(45)が僅かに回転しただけで急激に減少してしまう。このため、それまで膨張室(62)へ流入していた高圧冷媒の流れが急に遮断されることになり、図23(a)に破線で示すように、膨張機構部(60)の入口側で大きな圧力変動が生じてしまう。特に、本実施形態で膨張機構部(60)へ導入されるのは、超臨界状態で液状の冷媒、即ち非圧縮性の流体である。このため、非圧縮性の高圧冷媒の流れを急激に遮断すると、急峻な圧力変動が生じ、冷媒の圧力変動に起因する振動や騒音が過大となるおそれがある。
【0122】
これに対し、本実施形態では、シャフト(45)の回転方向における後端側へ進むにつれて、大径偏心部(46)の端面における連通路(70)の開口幅が次第に狭くなっている。このため、連通路(70)と溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積が減少し始めてからゼロになるまでの時間は、連通路(70)の開口幅が一定の場合に比べて長くなる。そして、膨張室(62)への高圧冷媒の導入を終了する際には、膨張室(62)へ向かう高圧冷媒の流れが緩やかに減少してゆき、図23(b)に破線で示すように、膨張機構部(60)の入口側における圧力変動が緩和される。従って、本実施形態によれば、膨張機構部(60)の運転に伴う冷媒の圧力変動を低減でき、この圧力変動による振動や騒音を低減することができる。
【0123】
また、上述のように、高圧冷媒の流れを急激に遮断すると、膨張機構部(60)の入口側で大きな圧力変動が生じる。そして、このように冷媒が大きく圧力変動すると、高圧冷媒が膨張室(62)へ流入する際の圧力損失が大きく変動して平均的な圧力損失も増大する。このため、図23(a)に実線で示すように、冷媒の流入する膨張室(62)の内圧が充分に高まらず、膨張機構部(60)における動力の回収量が低下してしまう。
【0124】
これに対し、本実施形態では、上述したように、膨張機構部(60)の入口側における圧力変動が低減される。このため、高圧冷媒が膨張室(62)へ流入する際の圧力損失の変動も低減され、平均的な圧力損失も低下する。従って、本実施形態によれば、図23(b)に実線で示すように、冷媒の流入する膨張室(62)の内圧を充分に高めることができ、膨張機構部(60)における動力の回収量を充分に確保できる。
【0125】
−実施形態5の変形例1−
本実施形態の膨張機構部(60)において、シャフト(45)の回転方向における連通路(70)の後端部は、その深さがシャフト(45)の回転方向の後端側へ向かって次第に減少していてもよい。
【0126】
この変形例において、膨張室(62)への高圧冷媒の導入を終了する際には、連通路(70)と溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積だけでなく、連通路(70)のうち溝状通路(69)に面する部分の深さも、シャフト(45)が回転するにつれて次第に減少する。このため、本変形例においても、膨張室(62)への高圧冷媒の導入を終了する際には、膨張室(62)へ向かう高圧冷媒の流量が緩やかに減少してゆき、膨張機構部(60)の入口側における冷媒の圧力変動が緩和される。従って、本変形例によっても、上記実施形態5と同様に、冷媒の圧力変動に起因する振動や騒音を低減できる。
【0127】
尚、ここでは、シャフト(45)の回転方向の後端側へ向かって連通路(70)の開口幅と深さの両方が次第に減少する構成のものについて説明したが、連通路(70)の開口幅は一定のままで、その深さだけが次第に減少する構成を採ってもよい。この場合であっても、膨張室(62)へ向かう高圧冷媒の流れを緩やかに減少させることができ、冷媒の圧力変動を抑制できる。
【0128】
−実施形態5の変形例2−
図24に示すように、本実施形態の膨張機構部(60)において、シャフト(45)の回転方向における前端部は、シャフト(45)の回転方向(即ち、同図における反時計方向)における前端側に向かって開口幅が次第に狭くなるように形成されていてもよい。つまり、この連通路(70)の他方の端部は、シャフト(45)の回転方向へ進むにつれて、その開口幅が徐々に狭くなっていてもよい。
【0129】
上記実施形態1の場合と同様に、シャフト(45)の回転に伴って連通路(70)が流入ポート(36)とオーバーラップし始めると、この流入ポート(36)と連通路(70)がオーバーラップした部分を通って連通路(70)へ高圧冷媒が流入する。その後、この高圧冷媒は、溝状通路(69)を経て膨張室(62)へ導入される。
【0130】
ここで、シャフト(45)の回転方向における前端側で連通路(70)の開口幅が一定の場合、連通路(70)と流入ポート(36)がオーバーラップする部分の面積は、シャフト(45)が僅かに回転しただけで急激に増大してしまう。このため、膨張機構部(60)の入口側における高圧冷媒の流動状態が急激に変化し、冷媒の圧力変動が発生して振動や騒音の原因となるおそれがある。
【0131】
これに対し、本変形例では、シャフト(45)の回転方向における前端側へ進むにつれて、大径偏心部(46)の端面における連通路(70)の開口幅が次第に狭くなっている。このため、連通路(70)と溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積がゼロから最大になるまでの時間は、連通路(70)の開口幅が一定の場合に比べて長くなる。このため、膨張機構部(60)の入口側における高圧冷媒の流動状態が緩やかに変化し、振動や騒音の原因となる冷媒の圧力変動を低減することができる。
【0132】
更に、本変形例において、シャフト(45)の回転方向における連通路(70)の前端部は、その深さがシャフト(45)の回転方向の前端側へ向かって次第に減少していてもよい。
【0133】
このような構成を採った場合において、膨張室(62)への高圧冷媒の導入を開始する際には、連通路(70)と流入ポート(36)がオーバーラップする部分の面積だけでなく、連通路(70)のうち流入ポート(36)に面する部分の深さも、シャフト(45)が回転するにつれて次第に増大する。そのため、このような構成を採るものにおいても、膨張室(62)への高圧冷媒の導入を開始する際には、膨張室(62)へ向かう高圧冷媒の流量が緩やかに増大してゆく。その結果、膨張機構部(60)の入口側における冷媒の圧力変動が緩和され、冷媒の圧力変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
【0134】
尚、ここでは、シャフト(45)の回転方向の前端側へ向かって連通路(70)の開口幅と深さの両方が次第に減少する構成のものについて説明したが、連通路(70)の開口幅は一定のままで、その深さだけが次第に減少する構成を採ってもよい。この場合であっても、膨張室(62)へ向かう高圧冷媒の流れを緩やかに増大させることができ、冷媒の圧力変動を抑制できる。
【0135】
【発明の実施の形態6】
本発明の実施形態6は、上記実施形態1において膨張機構部(60)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の膨張機構部(60)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0136】
図25に示すように、本実施形態の膨張機構部(60)には、シリンダ(81,82)とピストン(65)が2つずつ設けられている。また、この膨張機構部(60)には、中間プレート(85)が設けられている。
【0137】
上記膨張機構部(60)では、図25における左から右へ向かって順に、フロントヘッド(63)、第1シリンダ(81)、中間プレート(85)、第2シリンダ(82)、リアヘッド(64)が積層された状態となっている。この状態において、第1シリンダ(81)は、その左側端面がフロントヘッド(63)により閉塞され、その右側端面が中間プレート(85)により閉塞されている。つまり、フロントヘッド(63)と中間プレート(85)が、第1シリンダ(81)の各端を閉塞するための閉塞部材を構成している。一方、第2シリンダ(82)は、その左側端面が中間プレート(85)により閉塞され、その右側端面がリアヘッド(64)により閉塞されている。つまり、中間プレート(85)とリアヘッド(64)が、第2シリンダ(82)の各端を閉塞するための閉塞部材を構成している。
【0138】
フロントヘッド(63)には、流入ポート(36)及び溝状通路(69)が形成されている。フロントヘッド(63)において、流入ポート(36)と溝状通路(69)は、何れもその内側面、即ち第1シリンダ(81)側の面に開口している。これらの点は、上記実施形態1と同様である。
【0139】
本実施形態では、リアヘッド(64)にも、流入ポート(36)及び溝状通路(69)が形成されている。リアヘッド(64)において、流入ポート(36)と溝状通路(69)は、何れもその内側面、即ち第2シリンダ(82)側の面に開口している。図26に示すように、リアヘッド(64)における流入ポート(36)や溝状通路(69)の開口位置は、フロントヘッド(63)における流入ポート(36)や溝状通路(69)の開口位置と同様である。
【0140】
本実施形態の膨張機構部(60)では、シャフト(45)に大径偏心部(46,49)が2つ形成されている。2つの大径偏心部(46,49)は、図25におけるシャフト(45)の右端側において、左右に並んで形成されている。このうち、同図における左側のものは第1大径偏心部(46)を構成し、右側のものは第2大径偏心部(49)を構成している。そして、第1大径偏心部(46)は第1シリンダ(81)内に位置し、第2大径偏心部(49)は第2シリンダ(82)内に位置している。また、第1大径偏心部(46)と第2大径偏心部(49)では、互いに位相が180°ずれている。つまり、第1大径偏心部(46)と第2大径偏心部(49)では、主軸部(48)の軸心に対する偏心方向が逆になっている。
【0141】
第1大径偏心部(46)には、連通路(70)が形成されている。第1大径偏心部(46)において、連通路(70)は、フロントヘッド(63)側の端面に開口している。この第1大径偏心部(46)の端面における連通路(70)の開口位置や開口形状は、上記実施形態1と同様である。
【0142】
本実施形態では、第2大径偏心部(49)にも連通路(70)が形成されている。第2大径偏心部(49)において、連通路(70)は、リアヘッド(64)側の端面に開口している。図26に示すように、第2大径偏心部(49)における連通路(70)の開口位置や開口形状は、第1大径偏心部(46)における連通路(70)のものと同様である。
【0143】
各シリンダ(81,82)に収納されるピストン(65)は、ブレード(66)と一体に形成されている。各ピストン(65)のブレード(66)は、一対のブッシュ(67)を介してシリンダ(81,82)に支持されている。そして、ピストン(65)は、シリンダ(81,82)に対して回動自在で且つ進退自在となっている。これらの点は、上記実施形態1と同様である。
【0144】
図26にも示すように、第1シリンダ(81)内のピストン(65)には、シャフト(45)の第1大径偏心部(46)が貫通している。一方、第2シリンダ(82)内のピストン(65)には、シャフト(45)の第2大径偏心部(49)が貫通している。上述のように、第1大径偏心部(46)の位相と第2大径偏心部(49)の位相は、互いに180°ずれている。従って、第1シリンダ(81)内のピストン(65)と第2シリンダ(82)内のピストン(65)とでは、その動きの位相が180°ずれている。
【0145】
図27に示すように、本実施形態の膨張機構部(60)では、シャフト(45)が180°回転する毎に、1つの膨張室(62)に対する高圧冷媒の導入が開始される。また、この膨張機構部(60)では、シャフト(45)の回転に伴って、第1シリンダ(81)内の膨張室(62)に対する高圧冷媒の導入と、第2シリンダ(82)内の膨張室(62)に対する高圧冷媒の導入とが交互に繰り返し行われる。
【0146】
−実施形態6の効果−
上述のように、本実施形態の膨張機構部(60)では、シリンダ(81,82)とピストン(65)を2つずつ設け、各シリンダ(81,82)内に膨張室(62)を1つずつ形成している。従って、押しのけ容積が同じでシリンダを1つだけ備えるものと比較すると、膨張室(62)1つあたりの容積が半分となる。このため、膨張室(62)へ流入する際の高圧冷媒の流速を半減させることができ、その際の高圧冷媒の圧力損失を低減することができる。このため、本実施形態によれば、高圧冷媒の導入中における膨張室(62)の内圧を理論値に近づけることができ、膨張機構部(60)における動力の回収量を増大させることができる。
【0147】
また、本実施形態の膨張機構部(60)では、各シリンダ内(81,82)の膨張室(62)に対する高圧冷媒の導入を、シャフト(45)が1回転する間に一定間隔で順次行っている(図27参照)。従って、押しのけ容積が同じでシリンダを1つだけ備えるものと比較すると、膨張機構部(60)に対する高圧冷媒の流入量の変動幅を半分まで低減することができる。また、膨張機構部(60)へ高圧冷媒が全く流入しなくなる期間を、大幅に短縮することができる。このため、本実施形態によれば、冷媒回路(20)における冷媒の脈動の振幅を低減でき、この脈動に起因して発生する振動や騒音を低減することが可能となる。
【0148】
−実施形態6の変形例−
本実施形態では、膨張機構部(60)にシリンダ(81,82)を2つ設けているが、シリンダの数は2つに限らず3つ以上であってもよい。この場合、各シリンダ内の膨張室(62)に対しては、360°をシリンダの数で除して得られたシャフト(45)の回転角毎に、高圧冷媒の導入が開始される。例えば、膨張機構部(60)にシリンダを3つ設けた場合には、各シリンダ内の膨張室(62)に対する高圧冷媒の導入が、シャフト(45)の回転角120°毎に開始される。
【0149】
【発明のその他の実施の形態】
−第1変形例−
上記実施形態1〜5の膨張機構部(60)には、シリンダ(61)が1つであることに対応して流入ポート(36)や溝状通路(69)が1つずつ設けられているが、シリンダ(61)が1つの場合において流入ポート(36)や溝状通路(69)を2つずつ設けるようにしてもよい。ここでは、本変形例を上記実施形態1に適用した場合について説明する。
【0150】
図28に示すように、本変形例の膨張機構部(60)では、フロントヘッド(63)とリアヘッド(64)のそれぞれに、流入ポート(36)と溝状通路(69)が1つずつ形成される。この場合、シャフト(45)の大径偏心部(46)には、連通路(70)が2つ形成される。具体的に、大径偏心部(46)には、そのフロントヘッド(63)側の端面に開口する連通路(70)と、そのリアヘッド(64)側の端面に開口する連通路(70)とが形成される。
【0151】
この変形例の膨張機構部(60)において、フロントヘッド(63)側の連通路(70)がフロントヘッド(63)の流入ポート(36)に連通する時には、同時にリアヘッド(64)側の連通路(70)がリアヘッド(64)の流入ポート(36)に連通する。このため、フロントヘッド(63)側の連通路(70)の内圧は、リアヘッド(64)側の連通路(70)の内圧と常に等しくなる。そして、本変形例の膨張機構部(60)では、上記実施形態2,3の場合と同様に、連通路(70)が高圧冷媒で満たされた状態であっても、大径偏心部(46)がリアヘッド(64)へ押し付けられることはない。従って、本変形例によれば、大径偏心部(46)とリアヘッド(64)の摩擦による損失が増大するのを防止でき、膨張機構部(60)の効率低下を回避することができる。
【0152】
また、この変形例の膨張機構部(60)では、フロントヘッド(63)とリアヘッド(64)にそれぞれ形成された2つの流入ポート(36)を通じて膨張室(62)へ高圧冷媒が導入される。このため、1つの流入ポートを通じて膨張室(62)へ高圧冷媒を導入する場合に比べ、各流入ポート(36)における高圧冷媒の流速を半減させることができる。その結果、膨張室(62)へ流入する際の高圧冷媒の圧力損失を大幅に低減でき、膨張機構部(60)で高圧冷媒から回収される動力を増大させることが可能となる。
【0153】
−第2変形例−
上記の各実施形態において、圧縮・膨張ユニット(30)は、シャフト(45)の中心軸が概ね水平方向となったいわゆる横型に構成されているが、これに代えて、シャフト(45)の中心軸が概ね鉛直方向となったいわゆる縦型に圧縮・膨張ユニット(30)を構成してもよい。この場合、圧縮・膨張ユニット(30)のケーシング(31)内では、例えば下から上に向かって順に、膨張機構部(60)と電動機(40)と圧縮機構部(50)とが配置される。
【0154】
−第3変形例−
上記の各実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、いわゆるスクロール型の流体機械によって圧縮機構部(50)を構成しているが、圧縮機構部(50)の構成はこれに限定されるものではなく、例えばいわゆるローリングピストン型の流体機械によって圧縮機構部(50)を構成してもよい。
【0155】
−第4変形例−
上記の各実施形態では、圧縮・膨張ユニット(30)を構成する1つのケーシング(31)内に圧縮機構部(50)と膨張機構部(60)の両方を設置しているが、これに代えて、圧縮機構部(50)と膨張機構部(60)を別々のケーシングに収納するようにしてもよい。この場合、圧縮機構部(50)は、電動機(40)と共にケーシングに収納される。その一方、膨張機構部(60)は、発電器と共に別のケーシングに収納される。そして、膨張機構部(60)によって駆動される発電器で得られた電力は、電動機(40)へ供給されて圧縮機構部(50)の駆動に利用される。
【0156】
【発明の効果】
本発明のロータリ式膨張機(60)では、共に閉塞部材(63,64)の内側面に開口する導入通路(36)と溝状通路(69)を、偏心部(46,49)の端面に開口する連通路(70)によって間欠的に連通させている。このため、偏心部(46,49)とピストン(65)の隙間へ入り込む高圧流体の量をごく僅かに抑えることができ、偏心部(46,49)とピストン(65)の隙間に潤滑油を確実に保持することができる。つまり、本発明のロータリ式膨張機(60)では、上記従来のロータリ式膨張機のような偏心部とピストンの隙間へ供給された潤滑油が高圧流体によって洗い流されるという事態は生じない。
【0157】
従って、本発明によれば、高圧流体が膨張室(62)へ導入される期間を適切に設定可能とした上で、回転軸(45)の偏心部(46,49)とピストン(65)の間の潤滑を確実に行うことができる。そして、偏心部(46,49)とピストン(65)の焼き付きといったトラブルを回避することができ、ロータリ式膨張機(60)の信頼性を向上させることができる。
【0158】
請求項5の発明では、連通路(70)が凹溝状に形成される。従って、この発明によれば、偏心部(46,49)に連通路(70)を形成する構成を採っているにも拘わらず、偏心部(46,49)の剛性低下を最小限に抑制することができる。
【0159】
請求項6の発明では、連通路(70)が偏心部(46,49)を貫通して該偏心部(46,49)の両方の端面に開口している。このため、例えば凹溝状の連通路(70)を偏心部(46,49)の片方の端面側に形成した場合に比べ、連通路(70)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向成分を削減することができる。従って、この発明によれば、偏心部(46,49)と閉塞部材(63,64)の摩擦による損失の増大を抑制でき、ロータリ式膨張機(60)の効率低下を抑えることができる。
【0160】
特に、請求項7の発明によれば、連通路(70)が高圧流体で満たされた状態においても、連通路(70)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向成分を、見かけ上はゼロにすることが可能となる。従って、この発明によれば、偏心部(46,49)と閉塞部材(63,64)の摩擦による損失が増大するのを回避でき、ロータリ式膨張機(60)の効率を高く維持することができる。
【0161】
請求項8の発明では、第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)を通路部(73)によって連通させることで連通路(70)が形成される。そして、第1凹溝部(71)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分と、第2凹溝部(72)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分とが互いに打ち消しあう。このため、例えば凹溝状の連通路(70)を偏心部(46,49)の片方の端面側に形成した場合に比べ、連通路(70)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向成分を削減することができる。従って、この発明によれば、偏心部(46,49)と閉塞部材(63,64)の摩擦による損失の増大を抑制でき、ロータリ式膨張機(60)の効率低下を抑えることができる。
【0162】
特に、請求項9の発明によれば、第1凹溝部(71)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分と、第2凹溝部(72)の内圧によって偏心部(46,49)に作用する荷重のうちの偏心部(46,49)の高さ方向の成分とを、互いに同じ大きさで反対向きに作用させることができる。従って、この発明によれば、偏心部(46,49)と閉塞部材(63,64)の摩擦による損失が増大するのを回避でき、ロータリ式膨張機(60)の効率を高く維持することができる。
【0163】
請求項10の発明では、偏心部(46,49)の端面における連通路(70)の開口幅が回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に狭くなっており、偏心部(46,49)の連通路(70)と閉塞部材(63,64)の溝状通路(69)がオーバーラップする部分の面積は、回転軸(45)の回転に伴って次第に小さくなる。また、請求項11の発明では、凹溝状に形成された連通路(70)の深さが回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に減少しており、連通路(70)のうちで閉塞部材(63,64)の溝状通路(69)に面する部分の深さは、回転軸(45)の回転に伴って次第に浅くなる。このため、膨張室(62)への流体の導入が終了する際には、膨張室(62)への流体の流入量を緩やかに減少させることができる。
【0164】
ここで、膨張室(62)への流体の流入を一気に遮断した場合には、ロータリ式膨張機(60)の入口側で急峻な圧力変動が生じてしまう。そして、このような圧力変動が生じると、それに起因して振動や騒音が発生し、場合によっては配管等の破損を招いて信頼性を損なうおそれがある。それに対し、これら請求項10,11の発明によれば、膨張室(62)への流体の流入量を徐々に低下させることで、このような急峻な圧力変動の発生を回避できる。従って、これらの発明によれば、圧力変動に起因する振動や配管の破損等を回避して、ロータリ式膨張機(60)の信頼性を向上させることができる。
【0165】
請求項12の発明によれば、偏心部(46,49)の端面における連通路(70)の開口幅が回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって次第に狭くなっており、偏心部(46,49)の連通路(70)と閉塞部材(63,64)の導入通路(36)がオーバーラップする部分の面積は、回転軸(45)の回転に伴って次第に大きくなる。また、請求項13の発明では、凹溝状に形成された連通路(70)の深さが回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって次第に減少しており、連通路(70)のうちで閉塞部材(63,64)の溝状通路(69)に面する部分の深さは、回転軸(45)の回転に伴って次第に深くなる。このため、膨張室(62)への流体の導入を開始する際には、膨張室(62)への流体の流入量を緩やかに増大させることができる。
【0166】
ここで、膨張室(62)へ流体を一気に導入し始めた場合には、ロータリ式膨張機(60)の入口側で流体の流れが急激に変化し、圧力変動が生じてしまう。そして、このような圧力変動が生じると、それに起因して生じる振動や騒音が過大となるおそれがある。それに対し、これら請求項12,13の発明によれば、膨張室(62)への流体の流入量を徐々に増大させることで、このような圧力変動を緩和できる。従って、これらの発明によれば、圧力変動に起因する振動や騒音を確実に低減できる。
【0167】
請求項14の発明では、ロータリ式膨張機(60)に複数のシリンダ(81,82)を設け、各シリンダ(81,82)内の膨張室(62)に対する流体の導入を、回転軸(45)の1回転する間に一定間隔で順次行っている。このため、押しのけ容積が同じでシリンダが1つだけのロータリ式膨張機に比べ、ロータリ式膨張機(60)を通過する流体流量の変動幅や、膨張室(62)へ流入する際の流体の流速を半分以下まで低減できる。
【0168】
従って、この発明によれば、ロータリ式膨張機(60)に接続する管路における脈動の振幅を低減でき、この脈動に起因して発生する振動や騒音を低減することが可能となる。更に、この発明によれば、膨張室(62)へ流入する際の流体の流速が遅くなるため、膨張室(62)へ流入する際の流体の圧力損失を低減できる。そのため、この発明によれば、膨張室(62)へ流体を導入する際の膨張室(62)圧力を理論値に近づけることができ、ロータリ式膨張機(60)における動力の回収量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における空調機の配管系統図である。
【図2】実施形態1における圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図3】シャフトの各回転角での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図4】シャフトの回転角0°又は360°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図5】シャフトの回転角45°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図6】シャフトの回転角90°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図7】シャフトの回転角135°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図8】シャフトの回転角180°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図9】シャフトの回転角225°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図10】シャフトの回転角270°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図11】シャフトの回転角315°での実施形態1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図12】実施形態1の変形例に係る圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図13】実施形態2に係る圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図14】シャフトの回転角90°での実施形態2における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図15】シャフトの回転角90°での実施形態2の変形例1における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図16】実施形態2の変形例2における圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図17】シャフトの回転角90°での実施形態2の変形例2における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図18】実施形態3における圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図19】シャフトの回転角90°での実施形態3における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図20】シャフトの回転角90°での実施形態4における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図21】シャフトの各回転角での実施形態4における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図22】シャフトの回転角90°での実施形態5における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図23】実施形態5の膨張機構部におけるシャフトの回転角と膨張室内圧等との関係図である。
【図24】シャフトの回転角90°での実施形態5の変形例2における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図25】実施形態6における圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図26】シャフトの各回転角での実施形態6における膨張機構部の要部を示す概略断面図である。
【図27】実施形態6の膨張機構部におけるシャフトの回転角と膨張機構部への冷媒流入量との関係図である。
【図28】その他の実施形態の第1変形例における圧縮・膨張ユニットの概略断面図である。
【図29】従来技術に係るロータリ式膨張機の概略断面図である。
【符号の説明】
(30) 圧縮・膨張ユニット(流体機械)
(31) ケーシング
(36) 流入ポート(導入通路)
(40) 電動機
(45) シャフト(回転軸)
(46) 大径偏心部、第1大径偏心部(偏心部)
(48) 主軸部
(49) 第2大径偏心部(偏心部)
(50) 圧縮機構部(圧縮機)
(60) 膨張機構部(ロータリ式膨張機)
(61) シリンダ
(62) 膨張室
(63) フロントヘッド(閉塞部材)
(64) リアヘッド  (閉塞部材)
(65) ピストン
(66) ブレード
(69) 溝状通路
(70) 連通路
(71) 第1凹溝部
(72) 第2凹溝部
(73) 通路部
(81) 第1シリンダ(シリンダ)
(82) 第2シリンダ(シリンダ)

Claims (18)

  1. 両端が閉塞部材(63,64)によって閉塞されたシリンダ(61,81,82)と、主軸部(48)と該主軸部(48)よりも大径の偏心部(46,49)とを有する回転軸(45)と、上記シリンダ(61,81,82)の内周面と上記偏心部(46,49)の外周面とに摺接して該シリンダ(61,81,82)内に膨張室(62)を区画するピストン(65)と、上記膨張室(62)を高圧側と低圧側に仕切るためのブレード(66)とを備えるロータリ式膨張機であって、
    上記閉塞部材(63,64)の内側面における上記偏心部(46,49)の端面と摺接する部分に開口して高圧の流体が送り込まれる導入通路(36)と、
    上記閉塞部材(63,64)の内側面に開口する凹溝状に形成されて上記膨張室(62)の高圧側に連通する溝状通路(69)と、
    上記回転軸(45)が1回転する間のうち該回転軸(45)の回転角が所定範囲である間だけ導入通路(36)と溝状通路(69)が連通するように上記偏心部(46,49)の端面に開口する連通路(70)と
    を備えているロータリ式膨張機。
  2. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    シリンダ(61,81,82)の各端を閉塞する一対の閉塞部材(63,64)の何れか一方だけに導入通路(36)及び溝状通路(69)が設けられているロータリ式膨張機。
  3. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    シリンダ(61,81,82)の各端を閉塞する一対の閉塞部材(63,64)のそれぞれに導入通路(36)及び溝状通路(69)が設けられているロータリ式膨張機。
  4. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    シリンダ(61,81,82)の各端を閉塞する一対の閉塞部材(63,64)のうちの一方に導入通路(36)が設けられて他方に溝状通路(69)が設けられているロータリ式膨張機。
  5. 請求項2又は3に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、偏心部(46,49)の端面に開口する凹溝状に形成されているロータリ式膨張機。
  6. 請求項1,2,3又は4に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、偏心部(46,49)をその一方の端面から他方の端面へ貫通するように形成されているロータリ式膨張機。
  7. 請求項6に記載のロータリ式膨張機において、
    偏心部(46,49)の一方の端面における連通路(70)の開口面積と、該偏心部(46,49)の他方の端面における連通路(70)の開口面積とが等しくなっているロータリ式膨張機。
  8. 請求項1,2,3又は4に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、偏心部(46,49)の一方の端部に開口する凹溝状の第1凹溝部(71)と、該偏心部(46,49)の他方の端部に開口する凹溝状の第2凹溝部(72)と、上記第1凹溝部(71)と第2凹溝部(72)を連通させる通路部(73)とによって形成されているロータリ式膨張機。
  9. 請求項8に記載のロータリ式膨張機において、
    偏心部(46,49)の一方の端面における第1凹溝部(71)の開口面積と、該偏心部(46,49)の他方の端面における第2凹溝部(72)の開口面積とが等しくなっているロータリ式膨張機。
  10. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、
    上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の後端部は、該回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって上記偏心部(46,49)の端面における開口幅が次第に狭くなっているロータリ式膨張機。
  11. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、凹溝状に形成されて偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、
    上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の後端部は、その深さが該回転軸(45)の回転方向における後端側へ向かって次第に減少しているロータリ式膨張機。
  12. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、
    上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の前端部は、該回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって偏心部(46,49)の端面における開口幅が次第に狭くなっているロータリ式膨張機。
  13. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    連通路(70)は、凹溝状に形成されて偏心部(46,49)の端面における開口形状が回転軸(45)の回転方向に沿うような略円弧状となる一方、
    上記回転軸(45)の回転方向における上記連通路(70)の前端部は、その深さが該回転軸(45)の回転方向における前端側へ向かって次第に減少しているロータリ式膨張機。
  14. 請求項1に記載のロータリ式膨張機において、
    シリンダ(61,81,82)とピストン(65)とが複数ずつ設けられて各シリンダ(61,81,82)内に膨張室(62)が形成される一方、
    回転軸(45)には、偏心部(46,49)が上記ピストン(65)と同数設けられ、
    上記回転軸(45)が1回転する間に上記各膨張室(62)への流体の導入が順次開始されると共に、ある膨張室(62)への流体の導入開始から次の膨張室(62)への流体の導入開始までの回転軸(45)の回転角が一定となっているロータリ式膨張機。
  15. 請求項1乃至14の何れか1つに記載のロータリ式膨張機において、
    ブレード(66)は、ピストン(65)と別体に形成されると共に、その先端が該ピストン(65)に押圧された状態でシリンダ(81,82)に進退自在に支持されているロータリ式膨張機。
  16. 請求項1乃至14の何れか1つに記載のロータリ式膨張機において、
    ブレード(66)は、ピストン(65)の側面から突出するように該ピストン(65)と一体に形成されると共に、シリンダ(81,82)に進退自在で且つ回動自在に支持されているロータリ式膨張機。
  17. 請求項1乃至16の何れか1つに記載のロータリ式膨張機において、
    膨張室(62)の高圧側へ導入された臨界圧力以上の二酸化炭素の膨張によって回転軸(45)が回転するように構成されているロータリ式膨張機。
  18. 請求項1乃至17の何れか1つに記載のロータリ式膨張機(60)と、
    電動機(40)と、
    上記ロータリ式膨張機(60)及び電動機(40)により駆動されて流体を圧縮する圧縮機(50)と、
    上記ロータリ式膨張機(60)、電動機(40)、及び圧縮機(50)が収納されるケーシング(31)と
    を備えている流体機械。
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