JP2003172244A - ロータリ式膨張機、流体機械、及び冷凍装置 - Google Patents

ロータリ式膨張機、流体機械、及び冷凍装置

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JP2003172244A
JP2003172244A JP2001371199A JP2001371199A JP2003172244A JP 2003172244 A JP2003172244 A JP 2003172244A JP 2001371199 A JP2001371199 A JP 2001371199A JP 2001371199 A JP2001371199 A JP 2001371199A JP 2003172244 A JP2003172244 A JP 2003172244A
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JP
Japan
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piston
refrigerant
rotary expander
fluid
cylinder
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JP2001371199A
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English (en)
Inventor
Katsumi Hokotani
克己 鉾谷
Michio Moriwaki
道雄 森脇
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/14Power generation using energy from the expansion of the refrigerant

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡素で信頼性の高いロータリ式膨張機
を提供する。 【解決手段】 円環状のピストン(65)を、シリンダ
(61)に収納する。ピストン(65)と一体のブレード
(66)は、シリンダ(61)に取り付けられた一対のブッ
シュ(67)によって支持される。また、ピストン(65)
の内側には、シャフト(45)の第1偏心軸部(46)が嵌
め込まれる。流入ポート(36)は、フロントヘッド(6
3)に形成され、フロントヘッド(63)の内側面に開口
する。この流入ポート(36)は、移動するピストン(6
5)によって開閉される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧流体を供給さ
れて動力を発生させる膨張機、あるいは膨張機を備える
流体機械や冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ロータリ式の流体機械が広く
知られており、圧縮機や膨張機として利用されている。
例えば、特開平8−338356号公報には、ロータリ
式の流体機械により構成されたロータリ式膨張機が開示
されている。
【0003】このロータリ式膨張機には、固有容積比が
存在しない。このため、ロータリ膨張機では、流体が流
体室へ流入するタイミングを、何らかの方法によって制
御する必要がある。そこで、上記公報のロータリ式膨張
機では、ピストンの自転を規制すると共に、ピストンと
これに係合するシャフトの両方に流体の通路を形成して
いる。
【0004】具体的に、このロータリ式膨張機におい
て、ピストンは、自転を規制された状態でシャフトの軸
心を中心として公転する。一方、シャフトは、ピストン
の内面と摺動しながら回転する。つまり、ピストンとシ
ャフトが相対的に移動する。このため、ピストン側の通
路とシャフト側の通路とが所定のタイミングで連通状態
と遮断状態とに切り換わり、これによって流体の流入タ
イミングが制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ータリ式膨張機のようにピストンとシャフトに流体の通
路を形成したのでは、ピストンやシャフトの加工に時間
や工数を要し、製造コストの上昇を招くおそれがある。
【0006】更に、上記ロータリ式膨張機のようにピス
トンとシャフトに流体の通路を形成したのでは、ロータ
リ式膨張機の信頼性が低下するという問題もある。つま
り、ロータリ式膨張機では、ピストンとシャフトが摺動
するため、両者の間を潤滑する必要がある。ところが、
ピストンやシャフトに流体の通路を形成すると、この通
路を流れる流体がピストンとシャフトの隙間へ漏れ込
み、潤滑油を洗い流してしまうおそれがある。この結
果、ピストンとシャフトの間の潤滑が不充分となり、焼
き付き等のトラブルを招くおそれがあった。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、構成が簡素で信頼性
の高いロータリ式膨張機を提供し、併せてこれを備える
流体機械や冷凍装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、両端が一対の閉塞部材(63,64)により閉塞
されるシリンダ(61)と、回転軸(45)の軸心に対して
偏心した状態で上記シリンダ(61)に収納されるピスト
ン(65)と、上記シリンダ(61)とピストン(65)によ
り形成された流体室(62)を高圧側と低圧側とに仕切る
ためのブレード(66)とを備え、上記流体室(62)へ流
体を導入すると上記ピストン(65)に係合する上記回転
軸(45)が回転するロータリ式膨張機を対象としてい
る。そして、上記流体室(62)の高圧側へ流体を送り込
むための流入口(36)は、一方又は両方の上記閉塞部材
(63,64)における内側面に開口し、上記ピストン(6
5)によって連通状態と遮断状態とに切り換えられるも
のである。
【0009】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、上記流体室(62)の低圧側から
流体を送り出すための流出口(37)は、一方又は両方の
上記閉塞部材(63,64)における内側面に開口し、上記
ピストン(65)によって連通状態と遮断状態とに切り換
えられるものである。
【0010】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、ブレード(66)は、ピ
ストン(65)と別体に形成され、その先端が該ピストン
(65)の側面に押圧された状態で進退自在に設置される
ものである。
【0011】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、ブレード(66)は、ピ
ストン(65)の側面から突出する状態で該ピストン(6
5)と一体に形成され、上記ピストン(65)は、シリン
ダ(61)内で揺動するように構成されるものである。
【0012】本発明が講じた第5の解決手段は、流体機
械を対象としており、上記第1,第2,第3又は第4の
解決手段に係るロータリ式膨張機(60)と、電動機(4
0)と、上記ロータリ式膨張機(60)及び電動機(40)
により駆動されて流体を圧縮する圧縮機(50)と、上記
ロータリ式膨張機(60)、電動機(40)、及び圧縮機
(50)が収納されるケーシング(31)とを備えるもので
ある。
【0013】本発明が講じた第6の解決手段は、冷凍装
置を対象としており、上記第1,第2,第3又は第4の
解決手段に係るロータリ式膨張機(60)と圧縮機(50)
とが接続されると共に、冷媒として二酸化炭素が充填さ
れる冷媒回路(20)を備え、上記冷媒回路(20)で冷媒
を循環させて冷凍サイクルを行う際には、上記圧縮機
(50)で冷媒を該冷媒の臨界圧力以上にまで圧縮すると
共に、圧縮された冷媒を上記ロータリ式膨張機(60)で
膨張させて回収した動力を上記圧縮機(50)の駆動に利
用するものである。
【0014】−作用− 上記第1の解決手段では、シリンダ(61)にピストン
(65)を収納することによって流体室(62)が形成され
る。この流体室(62)は、ブレード(66)によって高圧
側と低圧側とに仕切られる。流体室(62)の高圧側へ
は、流入口(36)を通って流体が導入される。この流体
室(62)へ流体を送り込むと、ピストン(65)と係合さ
れた回転軸(45)が回転する。そして、本解決手段のロ
ータリ式膨張機(60)では、流体室(62)へ導入された
流体の内部エネルギが機械的な動力に変換される。
【0015】本解決手段において、流入口(36)は、シ
リンダ(61)の端部を閉塞する一対の閉塞部材(63,6
4)のうちの何れか一方又は両方に形成される。この流
入口(36)は、流体室(62)に臨む閉塞部材(63,64)
の内側面に開口している。また、流入口(36)は、シリ
ンダ(61)内で移動するピストン(65)によって連通状
態と遮断状態とに切り換えられる。流入口(36)が連通
状態となると、流入口(36)を通って流体が流体室(6
2)の高圧側へ流入する。一方、流入口(36)がピスト
ン(65)により閉塞される遮断状態では、流入口(36)
から流体室(62)へ向かう流体の流れが遮断される。
【0016】上記第2の解決手段において、流体室(6
2)の低圧側から流体を送り出すための流出口(37)
は、シリンダ(61)の端部を閉塞する一対の閉塞部材
(63,64)のうちの何れか一方又は両方に形成される。
この流出口(37)は、流体室(62)に臨む閉塞部材(6
3,64)の内側面に開口している。また、流出口(37)
は、シリンダ(61)内で移動するピストン(65)によっ
て連通状態と遮断状態とに切り換えられる。流出口(3
7)が連通状態となると、流出口(37)を通って流体が
流体室(62)の低圧側から流出する。一方、流出口(3
7)がピストン(65)により閉塞される遮断状態では、
流体室(62)から流出口(37)への流体の流入が遮断さ
れる。
【0017】上記第3の解決手段では、ブレード(66)
がピストン(65)とは別体に形成される。つまり、本解
決手段のロータリ式膨張機(60)は、ローリングピスト
ン型に構成される。
【0018】上記第4の解決手段では、ブレード(66)
がピストン(65)と一体に形成される。つまり、本解決
手段のロータリ式膨張機(60)は、揺動ピストン型に構
成される。
【0019】上記第5の解決手段では、本発明に係るロ
ータリ式膨張機(60)、電動機(40)、及び圧縮機(5
0)が1つのケーシング(31)に収納され、一体の流体
機械(30)が形成される。
【0020】上記第6の解決手段では、本発明に係るロ
ータリ式膨張機(60)を備える冷凍装置(10)が構成さ
れる。この冷凍装置(10)において、ロータリ式膨張機
(60)は、圧縮機(50)と共に冷媒回路(20)に接続さ
れる。また、冷媒回路(20)には、冷媒として二酸化炭
素(CO2)が充填される。
【0021】冷媒回路(20)では、冷媒である二酸化炭
素が循環し、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮
機(50)では冷媒が圧縮され、該冷媒(CO2)の臨界
圧力以上にまで昇圧される。圧縮機(50)から吐出され
た冷媒は、例えば空気等へ放熱する。放熱後の冷媒は、
膨張機としての上記ロータリ式膨張機(60)へ流入す
る。ロータリ式膨張機(60)では、冷媒の内部エネルギ
が機械的な動力に変換される。ロータリ式膨張機(60)
で得られた動力は、圧縮機(50)を駆動して冷媒を圧縮
するために利用される。ロータリ式膨張機(60)から流
出した膨張後の冷媒は、例えば空気等から吸熱した後に
圧縮機(50)に吸入され、再び圧縮される。
【0022】
【発明の効果】本発明では、シリンダ(61)の端部を閉
塞する閉塞部材(63,64)に流入口(36)を形成し、シ
リンダ(61)内を移動するピストン(65)によって流入
口(36)が開閉されるようにしている。従って、本発明
によれば、流体室(62)へ流体が流入するタイミングを
適切に制御しつつ、ピストン(65)等に流体の通路を形
成する従来のロータリ式膨張機(60)に比べて構成を簡
素化でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0023】また、本発明に係るロータリ式膨張機(6
0)では、閉塞部材(63,64)に形成した流入口(36)を
ピストン(65)によって開閉している。そのため、この
ロータリ式膨張機(60)では、流入口(36)を通って流
体室(62)へ流入する流体がピストン(65)と回転軸
(45)の隙間に漏れ込むことがない。従って、本発明に
よれば、ピストン(65)と回転軸(45)の隙間に潤滑油
を確実に保持でき、ピストン(65)と回転軸(45)の焼
き付きを防止してロータリ式膨張機(60)の信頼性を確
保することができる。
【0024】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本実施形態1は、本発明に
係る冷凍装置によって構成された空調機(10)である。
【0025】《空調機の全体構成》図1に示すように、
上記空調機(10)は、いわゆるセパレート型のものであ
って、室外機(11)と室内機(13)とを備えている。室
外機(11)には、室外ファン(12)、室外熱交換器(2
3)、第1四路切換弁(21)、第2四路切換弁(22)、
及び圧縮・膨張ユニット(30)が収納されている。室内
機(13)には、室内ファン(14)及び室内熱交換器(2
4)が収納されている。そして、室外機(11)は屋外に
設置され、室内機(13)は屋内に設置されている。ま
た、室外機(11)と室内機(13)とは、一対の連絡配管
(15,16)で接続されている。尚、圧縮・膨張ユニット
(30)の詳細は後述する。
【0026】上記空調機(10)には、冷媒回路(20)が
設けられている。この冷媒回路(20)は、圧縮・膨張ユ
ニット(30)や室内熱交換器(24)などが接続された閉
回路である。また、この冷媒回路(20)には、冷媒とし
て二酸化炭素(CO2)が充填されている。
【0027】上記室外熱交換器(23)と室内熱交換器
(24)とは、何れもクロスフィン型のフィン・アンド・
チューブ熱交換器で構成されている。室外熱交換器(2
3)では、冷媒回路(20)を循環する冷媒が室外空気と
熱交換する。室内熱交換器(24)では、冷媒回路(20)
を循環する冷媒が室内空気と熱交換する。
【0028】上記第1四路切換弁(21)は、4つのポー
トを備えている。この第1四路切換弁(21)は、その第
1のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の吐出ポート(3
5)と配管接続され、第2のポートが連絡配管(15)を
介して室内熱交換器(24)の一端と配管接続され、第3
のポートが室外熱交換器(23)の一端と配管接続され、
第4のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の吸入ポート
(34)と配管接続されている。そして、第1四路切換弁
(21)は、第1のポートと第2のポートとが連通し且つ
第3のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に
実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポートとが
連通し且つ第2のポートと第4のポートとが連通する状
態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
【0029】上記第2四路切換弁(22)は、4つのポー
トを備えている。この第2四路切換弁(22)は、その第
1のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の流出ポート(3
7)と配管接続され、第2のポートが室外熱交換器(2
3)の他端と配管接続され、第3のポートが連絡配管(1
6)を介して室内熱交換器(24)の他端と配管接続さ
れ、第4のポートが圧縮・膨張ユニット(30)の流入ポ
ート(36)と配管接続されている。そして、第2四路切
換弁(22)は、第1のポートと第2のポートとが連通し
且つ第3のポートと第4のポートとが連通する状態(図
1に実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポート
とが連通し且つ第2のポートと第4のポートとが連通す
る状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
【0030】《圧縮・膨張ユニットの構成》図2に示す
ように、圧縮・膨張ユニット(30)は、横長で円筒形の
密閉容器であるケーシング(31)の内部に、圧縮機構部
(50)、膨張機構部(60)、及び電動機(40)を収納し
たものであって、本発明に係る流体機械を構成してい
る。このケーシング(31)内では、図2における左から
右に向かって、圧縮機構部(50)、電動機(40)、膨張
機構部(60)の順で配置されている。尚、図2を参照し
ながらの説明で用いる「右」「左」は、それぞれ同図におけ
る「右」「左」を意味する。
【0031】上記電動機(40)は、ケーシング(31)の
長手方向の中央部に配置されている。この電動機(40)
は、ステータ(41)とロータ(42)とにより構成されて
いる。ステータ(41)は、上記ケーシング(31)に固定
されている。ロータ(42)は、ステータ(41)の内側に
配置されている。また、ロータ(42)には、該ロータ
(42)と同軸にシャフト(45)が貫通している。
【0032】上記シャフト(45)は、その右端側に第1
偏心軸部(46)が形成され、その左端側に第2偏心軸部
(47)が形成されている。第1偏心軸部(46)と第2偏
心軸部(47)は、何れもシャフト(45)の軸心から所定
量だけ偏心している。このシャフト(45)は、回転軸を
構成している。
【0033】上記シャフト(45)には、図示しないが、
油ポンプが連結されている。また、上記ケーシング(3
1)の底部には、潤滑油が貯留されている。この潤滑油
は、油ポンプによって汲み上げられ、圧縮機構部(50)
や膨張機構部(60)へ供給されて潤滑に利用される。
【0034】上記圧縮機構部(50)は、いわゆるスクロ
ール圧縮機を構成している。この圧縮機構部(50)は、
固定スクロール(51)と、可動スクロール(54)と、フ
レーム(57)とを備えている。また、圧縮機構部(50)
には、吸入ポート(34)と吐出ポート(35)とが設けら
れている。
【0035】上記固定スクロール(51)では、鏡板(5
2)に渦巻き状の固定側ラップ(53)が突設されてい
る。この固定スクロール(51)の鏡板(52)は、ケーシ
ング(31)に固定されている。一方、上記可動スクロー
ル(54)では、板状の鏡板(55)に渦巻き状の固定側ラ
ップ(53)が突設されている。固定スクロール(51)と
可動スクロール(54)とは、互いに対向する姿勢で配置
されている。そして、固定側ラップ(53)と可動側ラッ
プ(56)が噛み合うことにより、圧縮室(59)が区画さ
れる。
【0036】上記吸入ポート(34)は、その一端が固定
側ラップ(53)及び可動側ラップ(56)の外周側に接続
されている。一方、上記吐出ポート(35)は、固定スク
ロール(51)の鏡板(52)の中央部に接続され、その一
端が圧縮室(59)に開口している。
【0037】上記可動スクロール(54)の鏡板(55)
は、その右側面の中央部に突出部分が形成されており、
この突出部分にシャフト(45)の第2偏心軸部(47)が
嵌め込まれている。また、上記可動スクロール(54)
は、オルダムリング(58)を介してフレーム(57)に支
持されている。このオルダムリング(58)は、可動スク
ロール(54)の自転を規制するためのものである。そし
て、可動スクロール(54)は、自転することなく、所定
の旋回半径で公転する。この可動スクロール(54)の旋
回半径は、第2偏心軸部(47)の偏心量と同じである。
【0038】上記膨張機構部(60)は、本発明に係るロ
ータリ式膨張機であって、いわゆる揺動ピストン型に構
成されている。この膨張機構部(60)は、シリンダ(6
1)と、フロントヘッド(63)と、リアヘッド(64)
と、ピストン(65)とを備えている。また、膨張機構部
(60)には、流入ポート(36)と流出ポート(37)とが
設けられている。
【0039】上記シリンダ(61)は、その左側端面がフ
ロントヘッド(63)により閉塞され、その右側端面がリ
アヘッド(64)により閉塞されている。つまり、フロン
トヘッド(63)とリアヘッド(64)は、それぞれが閉塞
部材を構成している。
【0040】上記ピストン(65)は、両端がフロントヘ
ッド(63)とリアヘッド(64)で閉塞されたシリンダ
(61)の内部に収納されている。このシリンダ(61)内
にピストン(65)を設置することにより、流体室である
膨張室(62)が区画形成される。
【0041】図3に示すように、上記ピストン(65)
は、円環状あるいは円筒状に形成されている。このピス
トン(65)には、シャフト(45)の第1偏心軸部(46)
が回転自在に嵌め込まれている。尚、この図3は、シリ
ンダ(61)やピストン(65)等をリアヘッド(64)側か
ら見た状態を示している。
【0042】また、上記ピストン(65)には、ブレード
(66)が一体に設けられている。このブレード(66)
は、板状に形成されており、ピストン(65)の外周面か
ら外側へ突出している。シリンダ(61)の内周面とピス
トン(65)の外周面に挟まれた膨張室(62)は、このブ
レード(66)によって高圧側と低圧側とに仕切られる。
【0043】上記シリンダ(61)には、一対のブッシュ
(67)が設けられている。各ブッシュ(67)は、それぞ
れが半月状に形成されている。このブッシュ(67)は、
ブレード(66)を挟み込んだ状態で設置され、ブレード
(66)と摺動する。また、ブッシュ(67)は、ブレード
(66)を挟んだ状態でシリンダ(61)に対して回動自在
となっている。
【0044】上記流入ポート(36)は、フロントヘッド
(63)に形成され、膨張室(62)の高圧側へ流体を送り
込むための流入口を構成している。この流入ポート(3
6)の終端は、膨張室(62)に臨むフロントヘッド(6
3)の内側面に開口している。また、流入ポート(36)
の終端は、図3におけるブレード(66)の左側近傍に開
口している。そして、シリンダ(61)内におけるピスト
ン(65)の移動に伴い、流入ポート(36)は、その終端
がピストン(65)で塞がれて膨張室(62)と遮断される
遮断状態と、その終端から開口状態となって膨張室(6
2)と連通する連通状態とに切り換わる。
【0045】上記流出ポート(37)は、シリンダ(61)
に形成され、膨張室(62)の低圧側から流体を送り出す
ための流出口を構成している。この流出ポート(37)の
始端は、膨張室(62)に臨むシリンダ(61)の内周面に
開口している。また、流出ポート(37)の始端は、図3
におけるブレード(66)の右側近傍に開口している。こ
れら流入ポート(36)と流出ポート(37)は、ピストン
(65)の位置に拘わらず膨張室(62)を介して互いに連
通することがないよう、所定の位置に開口している。
【0046】−運転動作− 上記空調機(10)の動作について説明する。ここでは、
空調機(10)の冷房運転時及び暖房運転時の動作につい
て説明し、続いて膨張機構部(60)の動作について説明
する。
【0047】《冷房運転》冷房運転時には、第1四路切
換弁(21)及び第2四路切換弁(22)が図1に破線で示
す状態に切り換えられる。この状態で圧縮・膨張ユニッ
ト(30)の電動機(40)に通電すると、冷媒回路(20)
で冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われ
る。
【0048】圧縮機構部(50)で圧縮された冷媒は、吐
出ポート(35)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から
吐出される。この状態で、冷媒の圧力は、その臨界圧力
よりも高くなっている。この吐出冷媒は、第1四路切換
弁(21)を通って室外熱交換器(23)へ送られる。室外
熱交換器(23)では、流入した冷媒が室外ファン(12)
により送られる室外空気と熱交換する。この熱交換によ
り、冷媒が室外空気に対して放熱する。
【0049】室外熱交換器(23)で放熱した冷媒は、第
2四路切換弁(22)を通過し、流入ポート(36)を通っ
て圧縮・膨張ユニット(30)の膨張機構部(60)へ流入
する。膨張機構部(60)では、高圧冷媒が膨張し、その
内部エネルギがシャフト(45)の回転動力に変換され
る。膨張後の低圧冷媒は、流出ポート(37)を通って圧
縮・膨張ユニット(30)から流出し、第2四路切換弁(2
2)を通過して室内熱交換器(24)へ送られる。
【0050】室内熱交換器(24)では、流入した冷媒が
室内ファン(14)により送られる室内空気と熱交換す
る。この熱交換により、冷媒が室内空気から吸熱して蒸
発し、室内空気が冷却される。室内熱交換器(24)から
出た低圧ガス冷媒は、第1四路切換弁(21)を通過し、
吸入ポート(34)を通って圧縮・膨張ユニット(30)の
圧縮機構部(50)へ吸入される。圧縮機構部(50)は、
吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
【0051】《暖房運転》暖房運転時には、第1四路切
換弁(21)及び第2四路切換弁(22)が図1に実線で示
す状態に切り換えられる。この状態で圧縮・膨張ユニッ
ト(30)の電動機(40)に通電すると、冷媒回路(20)
で冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われ
る。
【0052】圧縮機構部(50)で圧縮された冷媒は、吐
出ポート(35)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から
吐出される。この状態で、冷媒の圧力は、その臨界圧力
よりも高くなっている。この吐出冷媒は、第1四路切換
弁(21)を通過して室内熱交換器(24)へ送られる。室
内熱交換器(24)では、流入した冷媒が室内空気と熱交
換する。この熱交換により、冷媒が室内空気へ放熱し、
室内空気が加熱される。
【0053】室内熱交換器(24)で放熱した冷媒は、第
2四路切換弁(22)を通過し、流入ポート(36)を通っ
て圧縮・膨張ユニット(30)の膨張機構部(60)へ流入
する。膨張機構部(60)では、高圧冷媒が膨張し、その
内部エネルギがシャフト(45)の回転動力に変換され
る。膨張後の低圧冷媒は、流出ポート(37)を通って圧
縮・膨張ユニット(30)から流出し、第2四路切換弁(2
2)を通過して室外熱交換器(23)へ送られる。
【0054】室外熱交換器(23)では、流入した冷媒が
室外空気と熱交換を行い、冷媒が室外空気から吸熱して
蒸発する。室内熱交換器(24)から出た低圧ガス冷媒
は、第1四路切換弁(21)を通過し、吸入ポート(34)
を通って圧縮・膨張ユニット(30)の圧縮機構部(50)
へ吸入される。圧縮機構部(50)は、吸入した冷媒を圧
縮して吐出する。
【0055】《膨張機構部の動作》膨張機構部(60)の
動作について、図3を参照しながら説明する。
【0056】同図(a)の状態において、フロントヘッド
(63)に開口する流入ポート(36)は、ピストン(65)
の端面によって塞がれた状態となっている。この状態か
ら、シャフト(45)が同図における反時計方向へ90°
回転すると同図(b)の状態となる。この状態では、ピス
トン(65)の移動に伴い、流入ポート(36)の一部が開
口状態となっている。従って、流入ポート(36)が膨張
室(62)と連通し、放熱後の高圧冷媒が膨張室(62)へ
流入する。
【0057】膨張室(62)へ高圧冷媒を導入するとピス
トン(65)が押し動かされ、シャフト(45)が同図の反
時計方向へ回転を続ける。その間、同図(c)(d)に順次
示すように、ピストン(65)の移動が移動するにつれ
て、膨張室(62)の高圧側、即ちブレード(66)で仕切
られた膨張室(62)の同図における左側部分の容積が次
第に拡大してゆく。また、その間は流入ポート(36)が
膨張室(62)と連通した状態に保たれ、膨張室(62)へ
冷媒が流入し続ける。シャフト(45)がほぼ一回転する
と、流入ポート(36)がピストン(65)によって塞が
れ、膨張室(62)に対する冷媒の流入が遮断される。
【0058】その後、再び同図(a)の状態に戻ると、膨
張室(62)が流出ポート(37)と連通し、膨張室(62)
内の冷媒が流出ポート(37)へ送り出される。ピストン
(65)が移動すると、同図(b)〜(d)に順次示すよう
に、膨張室(62)の低圧側、即ちブレード(66)で仕切
られた膨張室(62)の同図における右側部分の容積が次
第に縮小してゆく。また、その間は流出ポート(37)が
膨張室(62)と連通した状態に保たれる。従って、膨張
室(62)からは、冷媒が流出し続ける。そして、同図
(a)の状態に戻ると、膨張室(62)からの冷媒の排出が
完了する。
【0059】−実施形態1の効果− 本実施形態の膨張機構部(60)では、シリンダ(61)の
端部を閉塞するフロントヘッド(63)に流入ポート(3
6)が形成され、シリンダ(61)内を移動するピストン
(65)によって流入ポート(36)の終端が開閉される。
従って、本実施形態によれば、膨張室(62)へ冷媒が流
入するタイミングを適切に制御した上で、ピストン等に
流体の通路を形成する従来のものに比べれば構成を簡素
化でき、膨張機構部(60)の製造コストを削減できる。
【0060】また、本実施形態の膨張機構部(60)で
は、フロントヘッド(63)に形成された流入ポート(3
6)の終端をピストン(65)で開閉し、膨張室(62)へ
冷媒が流入するタイミングを制御している。このため、
上記膨張機構部(60)において、流入ポート(36)を通
って膨張室(62)へ流入する冷媒は、シャフト(45)の
第1偏心軸部(46)とピストン(65)の隙間に漏れ込ま
ない。つまり、潤滑を要する第1偏心軸部(46)とピス
トン(65)の間に冷媒が流入することは無く、両者の隙
間の潤滑油が冷媒によって洗い流されることも無い。従
って、本実施形態によれば、ピストン(65)と第1偏心
軸部(46)の隙間に潤滑油を確実に保持でき、ピストン
(65)と第1偏心軸部(46)の焼き付きを防止して膨張
機構部(60)の信頼性を確保することができる。
【0061】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1において膨張機構部(60)の構成を変更したも
のである。具体的には、上記実施形態1の膨張機構部
(60)が揺動ピストン型に構成されているのに対し、本
実施形態の膨張機構部(60)は、ローリングピストン型
に構成されている。ここでは、本実施形態の膨張機構部
(60)について、上記実施形態1と異なる点を説明す
る。
【0062】図4に示すように、本実施形態において、
ブレード(66)は、ピストン(65)と別体に形成されて
いる。つまり、本実施形態のピストン(65)は、単純な
円環状あるいは円筒状に形成されている。また、本実施
形態のシリンダ(61)には、ブレード溝(68)が形成さ
れている。
【0063】上記ブレード(66)は、シリンダ(61)の
ブレード溝(68)に、進退自在な状態で設けられてい
る。また、ブレード(66)は、図外のバネによって付勢
され、その先端(図4における下端)がピストン(65)
の外周面に押し付けられている。図4(a)〜(d)に順次
示すように、シリンダ(61)内でピストン(65)が移動
しても、このブレード(66)は、ブレード溝(68)に沿
って同図の上下に移動し、その先端がピストン(65)と
接した状態に保たれる。
【0064】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態1において膨張機構部(60)の構成を変更したも
のである。具体的には、上記実施形態1の流出ポート
(37)がシリンダ(61)に設けられているのに対し、本
実施形態の流出ポート(37)は、フロントヘッド(63)
に設けられている。つまり、本実施形態のフロントヘッ
ド(63)には、流入ポート(36)と流出ポート(37)の
両方が形成されている。ここでは、本実施形態の膨張機
構部(60)の構成について、上記実施形態1と異なる点
を説明する。
【0065】図5に示すように、流出ポート(37)の終
端は、膨張室(62)に臨むフロントヘッド(63)の内側
面に開口している。また、流出ポート(37)の始端は、
図5におけるブレード(66)の右側近傍に開口してい
る。そして、シリンダ(61)内におけるピストン(65)
の移動に伴い、流出ポート(37)は、その始端がピスト
ン(65)で塞がれて膨張室(62)と遮断される遮断状態
と、その始端から開口状態となって膨張室(62)と連通
する連通状態とに切り換わる。
【0066】−運転動作− 本実施形態の膨張機構部(60)の動作について、図5を
参照しながら説明する。
【0067】同図(a)の状態において、フロントヘッド
(63)に開口する流入ポート(36)は、ピストン(65)
の端面によって塞がれた状態となっている。この状態か
ら、シャフト(45)が同図における反時計方向へ90°
回転すると同図(b)の状態となる。この状態では、ピス
トン(65)の移動に伴い、流入ポート(36)の一部が開
口状態となっている。従って、流入ポート(36)が膨張
室(62)と連通し、放熱後の高圧冷媒が膨張室(62)へ
流入する。
【0068】膨張室(62)へ高圧冷媒を導入するとピス
トン(65)が押し動かされ、シャフト(45)が同図の反
時計方向へ回転を続ける。その間、同図(c)(d)に順次
示すように、ピストン(65)の移動が移動するにつれ
て、膨張室(62)の高圧側、即ちブレード(66)で仕切
られた膨張室(62)の同図における左側部分の容積が次
第に拡大してゆく。また、その間は流入ポート(36)が
膨張室(62)と連通した状態に保たれ、膨張室(62)へ
冷媒が流入し続ける。シャフト(45)がほぼ一回転する
と、流入ポート(36)がピストン(65)によって塞が
れ、膨張室(62)に対する冷媒の流入が遮断される。
【0069】その後、再び同図(a)の状態に戻ると、一
旦は流入ポート(36)及び流出ポート(37)の何れもが
膨張室(62)と連通しない状態となる。この状態でも膨
張室(62)では冷媒が膨張し続け、ピストン(65)が押
し動かされてシャフト(45)が回転する。
【0070】シャフト(45)が同図における反時計方向
へ更に90°回転すると、同図(b)の状態となる。この
状態では、ピストン(65)の移動に伴い、流出ポート
(37)の一部が開口状態となっている。従って、流出ポ
ート(37)が膨張室(62)と連通し、膨張室(62)内の
冷媒が流出ポート(37)へ送り出される。
【0071】続いて、同図(c)(d)に順次示すように、
ピストン(65)が移動すると、膨張室(62)の低圧側、
即ちブレード(66)で仕切られた膨張室(62)の同図に
おける右側部分の容積が次第に縮小してゆく。また、そ
の間は流出ポート(37)が膨張室(62)と連通した状態
に保たれ、膨張室(62)から冷媒が流出し続ける。シャ
フト(45)がほぼ一回転すると、膨張室(62)からの冷
媒の排出が完了し、流出ポート(37)がピストン(65)
によって塞がれる。
【0072】−実施形態3の効果− 本実施形態によれば、上記実施形態1の効果に加えて、
次のような効果が得られる。具体的に、本実施形態で
は、流入ポート(36)と流出ポート(37)の両方をフロ
ントヘッド(63)に形成している。このため、上記実施
形態1のように流出ポート(37)をシリンダ(61)に設
けたものに比べ、流出ポート(37)の開口位置を設定す
る際の制約を削減でき、膨張機構部(60)の設計自由度
を向上させることができる。
【0073】つまり、流出ポート(37)をシリンダ(6
1)に設けたものでは、ブッシュ(67)の嵌め込まれる
孔の近傍に流出ポート(37)が形成されることとなる
(図3参照)。そして、流出ポート(37)とブッシュ
(67)が近接しすぎると、シリンダ(61)の強度が部分
的に低くなるおそれがある。このため、流出ポート(3
7)の開口位置を設定する際には、膨張室(62)からの
冷媒の排出タイミングだけでなく、シリンダ(61)の強
度をも考慮する必要がある。
【0074】これに対し、本実施形態の流出ポート(3
7)は、シリンダ(61)ではなくフロントヘッド(63)
に形成されている。このため、シリンダ(61)の強度
は、流出ポート(37)の開口位置による影響を全く受け
ない。従って、本実施形態によれば、膨張室(62)から
の冷媒の排出タイミングだけを考慮して流出ポート(3
7)の開口位置を設定することが可能となる。
【0075】−実施形態3の変形例− 尚、本実施形態では、上記実施形態1の膨張機構部(6
0)、即ち揺動ピストン形のロータリ式膨張機におい
て、流出ポート(37)をフロントヘッド(63)に形成し
ているが、ローリングピストン形のロータリ式膨張機に
おいて、流出ポート(37)をフロントヘッド(63)に形
成してもよい。つまり、上記実施形態2の膨張機構部
(60)において、流入ポート(36)と流出ポート(37)
の両方をフロントヘッド(63)に形成してもよい。
【0076】また、本実施形態では、フロントヘッド
(63)に流出ポート(37)を形成しているが、フロント
ヘッド(63)とリアヘッド(64)の両方に流出ポート
(37)を形成してもよい。
【0077】
【発明のその他の実施の形態】−第1変形例− 上記の各実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、ケ
ーシング(31)を横長の円筒状に形成してシャフト(4
5)をほぼ水平姿勢としているが、これに代えて、ケー
シング(31)を縦長の円筒状に形成してシャフト(45)
をほぼ鉛直姿勢としてもよい。ここでは、本変形例の圧
縮・膨張ユニット(30)について、図6を参照しなが
ら、上記の各実施形態と異なる点を説明する。
【0078】本変形例の圧縮・膨張ユニット(30)で
は、上下に延びるシャフト(45)に沿って、圧縮機構部
(50)と電動機(40)と膨張機構部(60)とが下から上
へ向かって順に配置されている。
【0079】本変形例の圧縮機構部(50)は、ロータリ
式流体機械によって構成されている。また、圧縮機構部
(50)は、シリンダ(71,72)とピストン(77,77)を2
つずつ備えている。尚、この圧縮機構部(50)を構成す
るロータリ式流体機械は、ローリングピストン型のもの
であってもよいし、揺動ピストン型のものであってもよ
い。
【0080】具体的に、この圧縮機構部(50)では、リ
アヘッド(75)と、第1のシリンダ(71)と、中間プレ
ート(76)と、第2のシリンダ(72)と、フロントヘッ
ド(74)とが、下から上へ向かって順に積み重なった状
態で設置されている。下方に位置する第1のシリンダ
(71)は、その両端がリアヘッド(75)と中間プレート
(76)とによって塞がれている。上方に位置する第2の
シリンダ(72)は、その両端がフロントヘッド(74)と
中間プレート(76)とによって塞がれている。各シリン
ダ(71,72)には、ピストン(77)が1つずつ収納され
ており、それぞれに圧縮室(73)が形成されている。
【0081】上記圧縮機構部(50)の各シリンダ(71,7
2)には、それぞれ吸入ポート(34)が設けられてい
る。また、圧縮機構部(50)の各シリンダ(71,72)に
は、図示しないが、吐出口が形成されている。圧縮機構
部(50)で圧縮されたガス冷媒は、この吐出口を通って
ケーシング(31)の内部空間へ吐出される。更に、本変
形例の圧縮・膨張ユニット(30)では、ケーシング(3
1)の円筒部分に吐出ポート(35)が取り付けられてい
る。この吐出ポート(35)は、電動機(40)よりも上方
で膨張機構部(60)よりも下方に配置されている。
【0082】本変形例のシャフト(45)には、圧縮機構
部(50)が2つのピストン(77,77)を備えることに対
応し、第3偏心軸部(48)が形成されている。この第3
偏心軸部(48)は、第2偏心軸部(47)の直ぐ下方に形
成されている。また、第2偏心軸部(47)と第3偏心軸
部(48)は、それぞれの偏心方向が180°ずれるよう
に形成されている。そして、第2偏心軸部(47)には上
方のピストン(77)が嵌め込まれ、第3偏心軸部(48)
には下方のピストン(77)が嵌め込まれている。
【0083】本変形例のシャフト(45)には、図示しな
いが、その下端部に遠心ポンプが形成されている。ま
た、上記ケーシング(31)の底部には、潤滑油が貯留さ
れている。シャフト(45)の下端は、ケーシング(31)
に貯留する潤滑油に浸かった状態となっている。この潤
滑油は、遠心ポンプによって汲み上げられ、圧縮機構部
(50)や膨張機構部(60)へ供給されて潤滑に利用され
る。
【0084】本変形例の膨張機構部(60)には、断熱用
部材(80)が設けられている。この断熱用部材(80)
は、熱伝導率の低い材質により構成されている。また、
断熱用部材(80)は、円板状に形成されて、フロントヘ
ッド(63)の下面に密着するように設けられている。
【0085】ここで、ケーシング(31)内の空間のうち
膨張機構部(60)よりも下側の部分は、圧縮機構部(5
0)から吐出された高温高圧のガス冷媒で満たされてい
る。一方、膨張機構部(60)の膨張室(62)へは、空気
に対して放熱した後の冷媒が流入する。このため、膨張
室(62)内の冷媒がケーシング(31)内の吐出冷媒ガス
によって加熱されると、膨張機構部(60)から送り出さ
れる冷媒のエンタルピが増大し、冷房能力の低下を招
く。
【0086】そこで、本変形例では、フロントヘッド
(63)の下方に断熱用部材(80)を設け、膨張室(62)
内の冷媒へ加えられる熱量を削減し、冷房能力の低下を
抑制している。尚、ここでは断熱用部材(80)をフロン
トヘッド(63)と密着させているが、断熱用部材(80)
とフロントヘッド(63)の間に隙間を設けてもよい。こ
の場合には断熱用部材(80)とフロントヘッド(63)の
隙間でも断熱効果が得られ、膨張室(62)の冷媒に対す
る入熱量を一層削減することができる。
【0087】−第2変形例− 上記の各実施形態の膨張機構部(60)では、フロントヘ
ッド(63)だけに流入ポート(36)を設けているが、図
7に示すように、フロントヘッド(63)とリアヘッド
(64)の両方に流入ポート(36)を設けてもよい。尚、
図7には、本変形例を上記実施形態1に適用したものが
示されている。
【0088】具体的に、リアヘッド(64)に形成された
流入ポート(36)は、その終端が膨張室(62)に臨むリ
アヘッド(64)の内側面に開口している。また、リアヘ
ッド(64)の流入ポート(36)の終端は、フロントヘッ
ド(63)の流入ポート(36)の終端と向かい合う位置に
開口している。シリンダ(61)内でピストン(65)が移
動すると、フロントヘッド(63)及びリアヘッド(64)
の流入ポート(36)は、その終端がピストン(65)で塞
がれて膨張室(62)と遮断される遮断状態と、その終端
が開口状態となって膨張室(62)と連通する連通状態と
に切り換わる。
【0089】本変形例の膨張機構部(60)では、フロン
トヘッド(63)及びリアヘッド(64)の流入ポート(3
6)を通って膨張室(62)へ冷媒が流入する。このた
め、フロントヘッド(63)だけに流入ポート(36)を設
けた場合に比べ、膨張室(62)へ流入する際の冷媒の圧
力損失を低減することができる。従って、本変形例によ
れば、膨張室(62)へ流入した冷媒の圧力を高く保つこ
とができ、膨張機構部(60)で得られる動力を増大させ
ることが可能となる。
【0090】−第3変形例− 上記の各実施形態の膨張機構部(60)では、フロントヘ
ッド(63)だけに流入ポート(36)を設けているが、こ
れに代えて、リアヘッド(64)だけに流入ポート(36)
を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空調機の配管系統図である。
【図2】実施形態1に係る圧縮・膨張ユニットの概略断
面図である。
【図3】実施形態1に係る膨張機構部の要部を示す拡大
断面図である。
【図4】実施形態2に係る膨張機構部の要部を示す拡大
断面図である。
【図5】実施形態3に係る膨張機構部の要部を示す拡大
断面図である。
【図6】その他の実施形態の第1変形例に係る圧縮・膨
張ユニットの概略断面図である。
【図7】その他の実施形態の第2変形例に係る圧縮・膨
張ユニットの概略断面図である。
【符号の説明】
(10) 空調機(冷凍装置) (20) 冷媒回路 (30) 圧縮・膨張ユニット(流体機械) (31) ケーシング (36) 流入ポート(流入口) (37) 流出ポート(流出口) (40) 電動機 (45) シャフト(回転軸) (50) 圧縮機構部(圧縮機) (60) 膨張機構部(ロータリ式膨張機) (61) シリンダ (63) フロントヘッド(閉塞部材) (64) リアヘッド(閉塞部材) (65) ピストン (66) ブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H084 AA29 BB09 BB27 CC26 CC41 3L092 BA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が一対の閉塞部材(63,64)により
    閉塞されるシリンダ(61)と、回転軸(45)の軸心に対
    して偏心した状態で上記シリンダ(61)に収納されるピ
    ストン(65)と、上記シリンダ(61)とピストン(65)
    により形成された流体室(62)を高圧側と低圧側とに仕
    切るためのブレード(66)とを備え、 上記流体室(62)へ流体を導入すると上記ピストン(6
    5)に係合する上記回転軸(45)が回転するロータリ式
    膨張機であって、 上記流体室(62)の高圧側へ流体を送り込むための流入
    口(36)は、一方又は両方の上記閉塞部材(63,64)に
    おける内側面に開口し、上記ピストン(65)によって連
    通状態と遮断状態とに切り換えられているロータリ式膨
    張機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロータリ式膨張機におい
    て、 上記流体室(62)の低圧側から流体を送り出すための流
    出口(37)は、一方又は両方の上記閉塞部材(63,64)
    における内側面に開口し、上記ピストン(65)によって
    連通状態と遮断状態とに切り換えられているロータリ式
    膨張機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のロータリ式膨張機
    において、 ブレード(66)は、ピストン(65)と別体に形成され、
    その先端が該ピストン(65)の側面に押圧された状態で
    進退自在に設置されているロータリ式膨張機。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のロータリ式膨張機
    において、 ブレード(66)は、ピストン(65)の側面から突出する
    状態で該ピストン(65)と一体に形成され、 上記ピストン(65)は、シリンダ(61)内で揺動するよ
    うに構成されているロータリ式膨張機。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載のロータリ
    式膨張機(60)と、電動機(40)と、 上記ロータリ式膨張機(60)及び電動機(40)により駆
    動されて流体を圧縮する圧縮機(50)と、 上記ロータリ式膨張機(60)、電動機(40)、及び圧縮
    機(50)が収納されるケーシング(31)とを備えている
    流体機械。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3又は4記載のロータリ
    式膨張機(60)と圧縮機(50)とが接続されると共に、
    冷媒として二酸化炭素が充填される冷媒回路(20)を備
    え、 上記冷媒回路(20)で冷媒を循環させて冷凍サイクルを
    行う際には、上記圧縮機(50)で冷媒を該冷媒の臨界圧
    力以上にまで圧縮すると共に、圧縮された冷媒を上記ロ
    ータリ式膨張機(60)で膨張させて回収した動力を上記
    圧縮機(50)の駆動に利用している冷凍装置。
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