JP2008163832A - 流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体を圧縮する圧縮機構が膨張機構と共に1つのケーシング内に収容された流体機械において、ケーシングから膨張機構を流れる流体への入熱量を削減する。
【解決手段】流体機械としての圧縮・膨張ユニット(30)では、1つのケーシング(31)に圧縮機構(50)と膨張機構(60)の両方が収納される。膨張機構(60)には、膨張機構(60)へ冷媒を導入するための流入管(134)と、膨張機構(60)から冷媒を導出するための流出管(135)とが接続される。ケーシング(31)には、2つの突出部(96,97)が形成される。これら2つの突出部(96,97)は、それぞれが管状に形成され、ケーシング(31)の本体部(90)から外方へ突出している。第1突出部(96)には流入管(134)が挿通され、第1突出部(96)の突端部分が流入管(134)と接合される。第2突出部(97)には流出管(135)が挿通され、第2突出部(97)の突端部分が流出管(135)と接合される。
【選択図】図3

Description

本発明は、高圧流体の膨張によって動力を発生させる膨張機構と流体を圧縮する圧縮機構とが1つのケーシング内に収容された流体機械に関する。
従来より、膨張機構と電動機と圧縮機構とを1本の回転軸で連結した流体機械が知られている。この流体機械において、膨張機構では、導入された流体の膨張によって動力が発生する。膨張機構で発生した動力は、電動機で発生した動力と共に、回転軸によって圧縮機構へ伝達される。そして、圧縮機構は、膨張機構及び電動機から伝達された動力によって駆動され、流体を吸入して圧縮する。
特許文献1には、この種の流体機械が開示されている。同文献の図6には、縦長で円筒状のケーシング内に膨張機構と電動機と圧縮機構と回転軸とを収納した流体機械が記載されている。この流体機械のケーシング内では、膨張機構と電動機と圧縮機構とが下から上へ向かって順に配置され、これらが1本の回転軸で互いに連結されている。また、膨張機構と圧縮機構は、共にロータリ式流体機械によって構成されている。
この特許文献1に開示された流体機械は、冷凍サイクルを行う空調機に設けられている。圧縮機構へは蒸発器から5℃程度の低圧冷媒が吸入される。圧縮機構からは、圧縮されて90℃程度となった高圧冷媒が吐出される。圧縮機構から吐出された高圧冷媒は、ケーシングの内部空間を通過し、吐出管を通ってケーシングの外部へ吐出されてゆく。一方、膨張機構へは放熱器からの30℃程度の高圧冷媒が導入される。膨張機構からは、膨張して0℃程度となった低圧冷媒が蒸発器へ向けて送り出される。
また、この流体機械には、膨張機構へ冷媒を導入するための流入管と、膨張機構から冷媒を導出するための流出管とが設けられている。流入管と流出管は、いずれもケーシングを貫通して膨張機構に接続されている。流入管及び流出管は、いずれもケーシングに対してロウ付けや溶接によって接合されている。
特開2003−172244号公報
上述したように、上記特許文献1に開示された流体機械では、圧縮機構で圧縮された高温高圧の流体がケーシング内に吐出される。そのため、この流体機械では、圧縮機構から吐出された流体によってケーシングが加熱され、ケーシングが比較的高温になる。また、上述したように、この流体機械では、膨張機構へ出入りする流体を流すための配管(即ち、流入管や流出管)がケーシングと接合されている。そのため、この流体機械では、ケーシングから流入管や流出管へ熱が伝導し、流入管や流出管の温度も比較的高くなる。
そして、流入管や流出管などの配管の温度が高くなると、配管内を流れる流体が配管によって加熱されてしまうという問題が生じる。特に冷凍サイクルを行う空調機等に上記流体機械を用いる場合は、膨張機構から蒸発器へ送られる冷媒のエンタルピが増大して冷凍能力の低下を招くため、この問題に起因する悪影響が大きかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流体を圧縮する圧縮機構が膨張機構と共に1つのケーシング内に収容された流体機械において、ケーシングから膨張機構を流れる流体への入熱量を削減することにある。
第1の発明は、流体の膨張により動力を発生させる膨張機構(60)と、流体を圧縮する圧縮機構(50)と、膨張機構(60)で発生した動力を圧縮機構(50)に伝達する回転軸(40)とがケーシング(31)の内部空間に収納され、上記圧縮機構(50)が圧縮した流体をケーシング(31)の内部空間へ吐出する流体機械を対象とする。そして、上記膨張機構(60)へ流体を導入し又は該膨張機構(60)から流体を導出するために上記ケーシング(31)を貫通して該膨張機構(60)に接続する管部材(134,135)を備える一方、上記ケーシング(31)は、密閉容器状に形成されて上記膨張機構(60)と上記圧縮機構(50)と上記回転軸(40)とを収容する本体部(90)と、該本体部(90)から外方へ突出するように形成されて突端側で上記管部材(134,135)と接合される突出部(96,97)とを備えるものである。
第1の発明において、圧縮機構(50)で圧縮された比較的高温で高圧の流体は、ケーシング(31)内の空間へ吐出され、その後にケーシング(31)の外部へ流出してゆく。このため、ケーシング(31)はの本体部(90)、圧縮機構(50)から吐出された流体によって加熱され、その温度が比較的高くなる。膨張機構(60)を通過する流体は、管部材(134,135)を通って膨張機構(60)へ流入し、あるいは膨張機構(60)から流出する。ケーシング(31)には、その本体部(90)から外方へ突出した突出部(96,97)が設けられている。ケーシング(31)を貫通する管部材(134,135)は、この突出部(96,97)の突端側と接合されている。ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)へと伝わる熱は、まず本体部(90)から突出部(96,97)へ伝わり、続いて突出部(96,97)の基端から突端へと伝導し、その後に突出部(96,97)から管部材(134,135)へ伝わる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記膨張機構(60)へ流体を導入するための流入管(134)と、該膨張機構(60)から流体を導出するための流出管(135)とを管部材として備える一方、上記ケーシング(31)には、上記流入管(134)と接合される第1の突出部(96)と、上記流出管(135)と接合される第2の突出部(97)とが設けられるものである。
第2の発明において、膨張機構(60)へ向かう流体は流入管(134)を通ってケーシング(31)内の膨張機構(60)へ流入し、膨張機構(60)で膨張した流体は流出管(135)を通ってケーシング(31)の外部へ流出する。ケーシング(31)では、第1の突出部(96)の突端側が流入管(134)と接合され、第2の突出部(97)の突端側が流出管(135)と接合される。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記ケーシング(31)の突出部(96,97)が上記管部材(134,135)を挿通可能な管状に形成され、上記突出部(96,97)の内側面と該突出部(96,97)に挿通された上記管部材(134,135)の外側面との間に隙間が形成されるものである。
第3の発明では、管状に形成された突出部(96,97)に管部材(134,135)が挿通される。この発明では、管部材(134,135)の周囲が突出部(96,97)によって囲われた状態となり、突出部(96,97)の内側面と管部材(134,135)の外側面との間に隙間が形成される。そして、突出部(96,97)と管部材(134,135)の間に隙間が形成されることにより、ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)に至るまでの熱の移動経路が長くなり、突出部(96,97)から管部材(134,135)へ至るまでの熱抵抗が確保される。
第4の発明は、上記第1,第2又は第3の発明において、上記ケーシング(31)では、上記突出部(96,97)が上記本体部(90)と別体に形成され、該突出部(96,97)の基端部分が該本体部(90)と接合されるものである。
第4の発明では、ケーシング(31)の突出部(96,97)がその本体部(90)とは別体に形成される。突出部(96,97)は、その基端部分が本体部(90)と接合され、その突端部分が管部材(134,135)と接合される。ケーシング(31)の本体部(90)から突出部(96,97)に伝わった熱は、突出部(96,97)のほぼ全長に亘って伝導した後に管部材(134,135)へ伝わることになる。従って、ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)に至るまでの熱の移動経路が長くなり、突出部(96,97)から管部材(134,135)へ至るまでの熱抵抗が確保される。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記突出部(96,97)の材質は、鉄を主成分とする合金であるものである。
第5の発明において、突出部(96,97)の材質は、鉄を主成分とする合金となる。鉄を主成分とする合金(例えば、炭素鋼、鋳鉄、ステンレスなど)は、金属の中では熱伝導率が比較的低い材料である。このため、鉄を主成分とする合金で突出部(96,97)を形成すれば、ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)に至るまでの熱抵抗がおおきくなる。
第6の発明は、上記第1〜第5の何れか1つの発明において、上記管部材(134,135)のうち上記ケーシング(31)との接合部から上記膨張機構(60)までの部分が断熱材(150)で覆われるものである。
第6の発明では、管部材(134,135)の一部分が断熱材(150)で覆われる。ここで、管部材(134,135)のうちケーシング(31)との接合部から膨張機構(60)までの部分は、仮に断熱材(150)で覆われていないとすると、圧縮機構(50)からケーシング(31)内へ吐出された比較的高温の流体に晒される部分である。そして、この管部材(134,135)の当該部分を断熱材(150)で覆うと、ケーシング(31)の内部空間に存在する高温の流体から管部材(134,135)へ伝わる熱量が減少する。
本発明では、ケーシング(31)にその本体部(90)から外方へ突出する突出部(96,97)を設け、その突出部(96,97)の突端側を膨張機構(60)に接続する管部材(134,135)と接合している。そのため、圧縮機構(50)の吐出流体により加熱されて高温となったケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)へと伝わる熱は、本体部(90)から突出部(96,97)へと伝わって突出部(96,97)の基端側から突端側へと伝導した後に管部材(134,135)へ伝わる。
ここで、管部材(134,135)をケーシング(31)の本体部(90)に接合する場合には、本体部(90)から管部材(134,135)へ直接に熱が伝わる。それに対し、本発明では、ケーシング(31)の本体部(90)が保有する熱は突出部(96,97)を経由してから管部材(134,135)へと伝わるため、本体部(90)から管部材(134,135)へ至る熱の移動経路が長くなる。従って、本発明によれば、ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)へ至るまでの熱抵抗を大きくすることができ、ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)を流れる流体へ侵入する熱量を削減することができる。
上記第2の発明では、流入管(134)を第1の突出部(96)の突端側に接合し、流出管(135)を第2の突出部(97)の突端側に接合している。従って、この発明によれば、流入管(134)を通って膨張機構(60)へ流入する流体や流出管(135)を通って膨張機構(60)から流出する流体に対してケーシング(31)の本体部(90)から侵入する熱量を確実に削減することができる。
上記第5の発明によれば、熱伝導率の比較的低い金属材料でケーシング(31)の突出部(96,97)を形成することにより、ケーシング(31)の本体部(90)から管部材(134,135)に至るまでの熱抵抗を確実に増大させることができる。
上記第6の発明では、管部材(134,135)における所定の部分を断熱材(150)で覆っている。従って、この発明によれば、圧縮機構(50)がケーシング(31)内へ吐出した高温の流体から管部材(134,135)へ伝わる熱量を削減でき、管部材(134,135)の内部を流れる流体へ侵入する熱量を一層低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る流体機械である圧縮・膨張ユニット(30)を備えた空調機(10)である。
〈空調機の全体構成〉
図1に示すように、本実施形態の空調機(10)は、冷媒回路(20)を備えている。この冷媒回路(20)には、圧縮・膨張ユニット(30)と、室外熱交換器(23)と、室内熱交換器(24)と、第1四路切換弁(21)と、第2四路切換弁(22)とが接続されている。また、この冷媒回路(20)には、冷媒として二酸化炭素(CO2)が充填されている。
上記圧縮・膨張ユニット(30)は、縦長円筒形の密閉容器状に形成されたケーシング(31)を備えている。このケーシング(31)内には、圧縮機構(50)と、膨張機構(60)と、電動機(45)とが収納されている。ケーシング(31)内では、圧縮機構(50)と電動機(45)と膨張機構(60)とが下から上へ向かって順に配置されている。圧縮・膨張ユニット(30)の詳細については後述する。
上記冷媒回路(20)において、圧縮機構(50)は、その吐出側が第1四路切換弁(21)の第1のポートに、その吸入側が第1四路切換弁(21)の第4のポートにそれぞれ接続されている。一方、膨張機構(60)は、その流出側が第2四路切換弁(22)の第1のポートに、その流入側が第2四路切換弁(22)の第4のポートにそれぞれ接続されている。
また、上記冷媒回路(20)において、室外熱交換器(23)は、その一端が第2四路切換弁(22)の第2のポートに、その他端が第1四路切換弁(21)の第3のポートにそれぞれ接続されている。一方、室内熱交換器(24)は、その一端が第1四路切換弁(21)の第2のポートに、その他端が第2四路切換弁(22)の第3のポートにそれぞれ接続されている。
上記第1四路切換弁(21)と第2四路切換弁(22)は、それぞれ、第1のポートと第2のポートとが連通し且つ第3のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポートとが連通し且つ第2のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。
〈圧縮・膨張ユニットの構成〉
図2に示すように、圧縮・膨張ユニット(30)は、ケーシング(31)を備えている。このケーシング(31)は、1つの本体部(90)と2つの突出部(96,97)とを備えている。本体部(90)は、1つの円筒部材(91)と2つの鏡板部材(92)とを備え、密閉容器状に形成されている。円筒部材(91)は、両端が開放された中空円筒状に形成されている。鏡板部材(92)は、椀状に形成されており、円筒部材(91)の各端部に1つずつ設けられて円筒部材(91)の端部を閉塞している。本体部(90)を構成する円筒部材(91)及び鏡板部材(92)の材質は、炭素鋼である。突出部(96,97)については後述する。
上記ケーシング(31)の内部には、下から上に向かって順に、圧縮機構(50)と、電動機(45)と、膨張機構(60)とが配置されている。また、ケーシング(31)の底部には、冷凍機油(潤滑油)が貯留されている。
上記ケーシング(31)の内部空間は、膨張機構(60)のフロントヘッド(61)によって上下に仕切られており、上側の空間が第1空間(38)を、下側の空間が第2空間(39)をそれぞれ構成している。第1空間(38)には膨張機構(60)が配置され、第2空間(39)には圧縮機構(50)と電動機(45)とが配置される。尚、第1空間(38)と第2空間(39)とは気密に仕切られている訳ではなく、第1空間(38)の内圧と第2空間(39)の内圧は概ね等しくなっている。
上記ケーシング(31)には、吐出管(36)が取り付けられている。この吐出管(36)は、電動機(45)と膨張機構(60)の間に配置され、ケーシング(31)内の第2空間(39)に連通している。また、吐出管(36)は、比較的短い直管状に形成され、概ね水平姿勢で設置されている。
上記電動機(45)は、ケーシング(31)の長手方向の中央部に配置されている。この電動機(45)は、ステータ(46)とロータ(47)とにより構成されている。ステータ(46)は、焼嵌め等によって上記ケーシング(31)に固定されている。ステータ(46)の外周部には、その一部を切り欠いたコアカット部(48)が形成されている。このコアカット部(48)とケーシング(31)の内周面との間には、隙間が形成される。ロータ(47)は、ステータ(46)の内側に配置されている。このロータ(47)には、該ロータ(47)と同軸にシャフト(40)の主軸部(44)が貫通している。
上記シャフト(40)は、回転軸を構成している。このシャフト(40)では、その下端側に2つの下側偏心部(58,59)が形成され、その上端側に2つの大径偏心部(41,42)が形成されている。
2つの下側偏心部(58,59)は、主軸部(44)よりも大径に形成されており、下側のものが第1下側偏心部(58)を、上側のものが第2下側偏心部(59)をそれぞれ構成している。第1下側偏心部(58)と第2下側偏心部(59)とでは、主軸部(44)の軸心に対する偏心方向が逆になっている。
2つの大径偏心部(41,42)は、主軸部(44)よりも大径に形成されており、下側のものが第1大径偏心部(41)を構成し、上側のものが第2大径偏心部(42)を構成している。第1大径偏心部(41)と第2大径偏心部(42)とは、何れも同じ方向へ偏心している。第2大径偏心部(42)の外径は、第1大径偏心部(41)の外径よりも大きくなっている。また、主軸部(44)の軸心に対する偏心量は、第2大径偏心部(42)の方が第1大径偏心部(41)よりも大きくなっている。
図示しないが、上記シャフト(40)には、給油通路が形成されている。給油通路は、その始端がシャフト(40)の下端に、その終端がシャフト(40)の上端面にそれぞれ開口している。また、給油通路は、その始端部分が遠心ポンプを構成している。この給油通路は、ケーシング(31)の底に貯留された冷凍機油を吸い込み、吸い込んだ冷凍機油を圧縮機構(50)と膨張機構(60)へ供給する。
圧縮機構(50)は、揺動ピストン型のロータリ圧縮機を構成している。この圧縮機構(50)は、シリンダ(51,52)とピストン(57)を2つずつ備えている。圧縮機構(50)では、下から上へ向かって順に、リアヘッド(55)と、第1シリンダ(51)と、中間プレート(56)と、第2シリンダ(52)と、フロントヘッド(54)とが積層された状態となっている。
第1及び第2シリンダ(51,52)の内部には、円筒状のピストン(57)が1つずつ配置されている。図示しないが、ピストン(57)の側面には平板状のブレードが突設されており、このブレードは揺動ブッシュを介してシリンダ(51,52)に支持されている。第1シリンダ(51)内のピストン(57)は、シャフト(40)の第1下側偏心部(58)と係合する。一方、第2シリンダ(52)内のピストン(57)は、シャフト(40)の第2下側偏心部(59)と係合する。各ピストン(57,57)は、その内周面が下側偏心部(58,59)の外周面と摺接し、その外周面がシリンダ(51,52)の内周面と摺接する。そして、ピストン(57,57)の外周面とシリンダ(51,52)の内周面との間に圧縮室(53)が形成される。
第1及び第2シリンダ(51,52)には、それぞれ吸入ポート(32)が1つずつ形成されている。各吸入ポート(32)は、シリンダ(51,52)を半径方向に貫通し、その終端がシリンダ(51,52)の内周面に開口している。また、各吸入ポート(32)には、吸入管(132)が1本ずつ挿入されている。各吸入管は、円筒部材(91)の下部を貫通してケーシング(31)の外部へ延びている。
フロントヘッド(54)及びリアヘッド(55)には、それぞれ吐出ポートが1つずつ形成されている。フロントヘッド(54)の吐出ポートは、第2シリンダ(52)内の圧縮室(53)を第2空間(39)と連通させる。リアヘッド(55)の吐出ポートは、第1シリンダ(51)内の圧縮室(53)を第2空間(39)と連通させる。また、各吐出ポートは、その終端にリード弁からなる吐出弁が設けられており、この吐出弁によって開閉される。尚、図2において、吐出ポート及び吐出弁の図示は省略する。そして、圧縮機構(50)から第2空間(39)へ吐出されたガス冷媒は、吐出管(36)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から送り出される。
上述したように、圧縮機構(50)へは、給油通路から冷凍機油が供給される。図示しないが、下側偏心部(58,59)や主軸部(44)の外周面には給油通路から分岐した通路が開口しており、この通路から冷凍機油が下側偏心部(58,59)とピストン(57,57)の摺動面、あるいは主軸部(44)とフロントヘッド(54)やリアヘッド(55)の摺動面へ供給される。
図3にも示すように、上記膨張機構(60)は、いわゆる揺動ピストン型の流体機械で構成されている。この膨張機構(60)には、対になったシリンダ(71,81)及びピストン(75,85)が二組設けられている。また、膨張機構(60)には、フロントヘッド(61)と、中間プレート(63)と、リアヘッド(62)とが設けられている。
上記膨張機構(60)では、下から上へ向かって順に、フロントヘッド(61)、第1シリンダ(71)、中間プレート(63)、第2シリンダ(81)、リアヘッド(62)が積層された状態となっている。この状態において、第1シリンダ(71)は、その下側端面がフロントヘッド(61)により閉塞され、その上側端面が中間プレート(63)により閉塞されている。一方、第2シリンダ(81)は、その下側端面が中間プレート(63)により閉塞され、その上側端面がリアヘッド(62)により閉塞されている。また、第2シリンダ(81)の内径は、第1シリンダ(71)の内径よりも大きくなっている。
上記シャフト(40)は、積層された状態のフロントヘッド(61)、第1シリンダ(71)、中間プレート(63)、第2シリンダ(81)、リアヘッド(62)のそれぞれを貫通している。また、シャフト(40)は、その第1大径偏心部(41)が第1シリンダ(71)内に位置し、その第2大径偏心部(42)が第2シリンダ(81)内に位置している。
図4及び図5にも示すように、第1シリンダ(71)内には第1ピストン(75)が、第2シリンダ(81)内には第2ピストン(85)がそれぞれ設けられている。第1及び第2ピストン(75,85)は、何れも円環状あるいは円筒状に形成されている。第1ピストン(75)の外径と第2ピストン(85)の外径とは、互いに等しくなっている。第1ピストン(75)の内径は第1大径偏心部(41)の外径と、第2ピストン(85)の内径は第2大径偏心部(42)の外径とそれぞれ概ね等しくなっている。そして、第1ピストン(75)には第1大径偏心部(41)が、第2ピストン(85)には第2大径偏心部(42)がそれぞれ貫通している。
上記第1ピストン(75)は、その外周面が第1シリンダ(71)の内周面に、一方の端面がフロントヘッド(61)に、他方の端面が中間プレート(63)にそれぞれ摺接している。第1シリンダ(71)内には、その内周面と第1ピストン(75)の外周面との間に第1流体室(72)が形成される。一方、上記第2ピストン(85)は、その外周面が第2シリンダ(81)の内周面に、一方の端面がリアヘッド(62)に、他方の端面が中間プレート(63)にそれぞれ摺接している。第2シリンダ(81)内には、その内周面と第2ピストン(85)の外周面との間に第2流体室(82)が形成される。
上記第1及び第2ピストン(75,85)のそれぞれには、ブレード(76,86)が1つずつ一体に設けられている。ブレード(76,86)は、ピストン(75,85)の半径方向へ延びる板状に形成されており、ピストン(75,85)の外周面から外側へ突出している。第1ピストン(75)のブレード(76)は第1シリンダ(71)のブッシュ孔(78)に、第2ピストン(85)のブレード(86)は第2シリンダ(81)のブッシュ孔(88)にそれぞれ挿入されている。各シリンダ(71,81)のブッシュ孔(78,88)は、シリンダ(71,81)を厚み方向へ貫通すると共に、シリンダ(71,81)の内周面に開口している。
上記各シリンダ(71,81)には、一対のブッシュ(77,87)が一組ずつ設けられている。各ブッシュ(77,87)は、内側面が平面となって外側面が円弧面となるように形成された小片である。各シリンダ(71,81)において、一対のブッシュ(77,87)は、ブッシュ孔(78,88)に挿入されてブレード(76,86)を挟み込んだ状態となる。各ブッシュ(77,87)は、その内側面がブレード(76,86)と、その外側面がシリンダ(71,81)と摺動する。そして、ピストン(75,85)と一体のブレード(76,86)は、ブッシュ(77,87)を介してシリンダ(71,81)に支持され、シリンダ(71,81)に対して回動自在で且つ進退自在となっている。
第1シリンダ(71)内の第1流体室(72)は、第1ピストン(75)と一体の第1ブレード(76)によって仕切られており、図4,図5における第1ブレード(76)の左側が高圧側の第1高圧室(73)となり、その右側が低圧側の第1低圧室(74)となっている。第2シリンダ(81)内の第2流体室(82)は、第2ピストン(85)と一体の第2ブレード(86)によって仕切られており、図4,図5における第2ブレード(86)の左側が高圧側の第2高圧室(83)となり、その右側が低圧側の第2低圧室(84)となっている。
上記第1シリンダ(71)と第2シリンダ(81)とは、それぞれの周方向におけるブッシュ(77,87)の位置が一致する姿勢で配置されている。言い換えると、第2シリンダ(81)の第1シリンダ(71)に対する配置角度が0°となっている。上述のように、第1大径偏心部(41)と第2大径偏心部(42)とは、主軸部(44)の軸心に対して同じ方向へ偏心している。従って、第1ブレード(76)が第1シリンダ(71)の外側へ最も退いた状態になるのと同時に、第2ブレード(86)が第2シリンダ(81)の外側へ最も退いた状態になる。
上記第1シリンダ(71)には、流入ポート(34)が形成されている。流入ポート(34)は、第1シリンダ(71)の内周面のうち、図4,図5におけるブッシュ(77)のやや左側の箇所に開口している。流入ポート(34)は、第1高圧室(73)と連通可能となっている。流入ポート(34)には、銅製の流入管(134)が挿入されている(図3を参照)。流入管(134)は、円筒部材(91)の上部を貫通してケーシング(31)の外部へ延びており、膨張機構(60)へ冷媒を導入するための管部材を構成している。
上記第2シリンダ(81)には、流出ポート(35)が形成されている。流出ポート(35)は、第2シリンダ(81)の内周面のうち、図4,図5におけるブッシュ(87)のやや右側の箇所に開口している。流出ポート(35)は、第2低圧室(84)と連通可能となっている。流出ポート(35)には、銅製の流出管(135)が挿入されている(図3を参照)。流出管(135)は、円筒部材(91)の上部を貫通してケーシング(31)の外部へ延びており、膨張機構(60)から冷媒を導出するための管部材を構成している。
上記中間プレート(63)には、連通路(64)が形成されている。この連通路(64)は、中間プレート(63)を厚み方向へ貫通している。中間プレート(63)における第1シリンダ(71)側の面では、第1ブレード(76)の右側の箇所に連通路(64)の一端が開口している。中間プレート(63)における第2シリンダ(81)側の面では、第2ブレード(86)の左側の箇所に連通路(64)の他端が開口している。そして、図4に示すように、連通路(64)は、中間プレート(63)の厚み方向に対して斜めに延びており、第1低圧室(74)と第2高圧室(83)とを互いに連通させている。
上述したように、ケーシング(31)には2つの突出部(96,97)が設けられている。各突出部(96,97)は、ケーシング(31)の本体部(90)とは別体に形成された管状の部材である。第1突出部(96)は、その内径が流入管(134)の外径よりも大きくなっており、流入管(134)と概ね同軸に配置されている。つまり、第1突出部(96)には流入管(134)が挿通されており、第1突出部(96)の内側面と流入管(134)の外側面との間に隙間が形成される。第2突出部(97)は、その内径が流出管(135)の外径よりも大きくなっており、流出管(135)と概ね同軸に配置されている。つまり、第2突出部(97)には流出管(135)が挿通されており、第2突出部(97)の内側面と流出管(135)の外側面との間に隙間が形成される。各突出部(96,97)の長さは、例えば30〜50mm程度となっている。
各突出部(96,97)の材質は、鉄と炭素の合金である炭素鋼となっている。なお、各突出部(96,97)の材質は、鉄を主成分とする合金であればよく、例えば鋳鉄やステンレスでもよい。また、各突出部(96,97)の材質は、鉄を主成分とする合金以外の比較的熱伝導率が低い材料であってもよい。
各突出部(96,97)は、ケーシング(31)の本体部(90)から外方へ突出している。具体的に、各突出部(96,97)の基端部分(図3における左端部分)は、本体部(90)の円筒部材(91)を貫通しており、円筒部材(91)と溶接によって接合されている。各突出部(96,97)の突端部分(図3における右端部分)では、その表面に銅メッキが施されている。第1突出部(96)のうち銅メッキが施された突端部分は、銅管である流入管(134)とロウ付けによって接合されている。第2突出部(97)のうち銅メッキが施された突端部分は、銅管である流出管(135)とロウ付けによって接合されている。このように、各突出部(96,97)は、それぞれの基端部分がケーシング(31)の本体部(90)と接合され、それぞれの突端部分が流入管(134)や流出管(135)と接合されている。
以上のように構成された本実施形態の膨張機構(60)では、第1シリンダ(71)と、そこに設けられたブッシュ(77)と、第1ピストン(75)と、第1ブレード(76)とが第1ロータリ機構部(70)を構成している。また、第2シリンダ(81)と、そこに設けられたブッシュ(87)と、第2ピストン(85)と、第2ブレード(86)とが第2ロータリ機構部(80)を構成している。上述したように、第1ロータリ機構部(70)の第1低圧室(74)と、第2ロータリ機構部(80)の第2高圧室(83)とは、連通路(64)を介して互いに連通している。そして、第1低圧室(74)と連通路(64)と第2高圧室(83)とによって1つの閉空間が形成され、この閉空間が膨張室(66)を構成している。
−運転動作−
上記空調機(10)の動作について説明する。ここでは、空調機(10)の冷房運転時及び暖房運転時の動作について説明し、続いて膨張機構(60)の動作について説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転時には、第1四路切換弁(21)及び第2四路切換弁(22)が図1に破線で示す状態に切り換えられる。この状態で圧縮・膨張ユニット(30)の電動機(45)に通電すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
圧縮機構(50)で圧縮された冷媒は、吐出管(36)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から吐出される。この状態で、冷媒の圧力は、その臨界圧力よりも高くなっている。この吐出冷媒は、室外熱交換器(23)へ送られて室外空気へ放熱する。室外熱交換器(23)で放熱した高圧冷媒は、流入管(134)を通って膨張機構(60)へ流入する。膨張機構(60)では、高圧冷媒が膨張し、この高圧冷媒から動力が回収される。膨張後の低圧冷媒は、流出管(135)を通って室内熱交換器(24)へ送られる。室内熱交換器(24)では、流入した冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、室内空気が冷却される。室内熱交換器(24)から出た低圧ガス冷媒は、吸入ポート(32)から圧縮機構(50)へ吸入される。圧縮機構(50)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、第1四路切換弁(21)及び第2四路切換弁(22)が図1に実線で示す状態に切り換えられる。この状態で圧縮・膨張ユニット(30)の電動機(45)に通電すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
圧縮機構(50)で圧縮された冷媒は、吐出管(36)を通って圧縮・膨張ユニット(30)から吐出される。この状態で、冷媒の圧力は、その臨界圧力よりも高くなっている。この吐出冷媒は、室内熱交換器(24)へ送られる。室内熱交換器(24)では、流入した冷媒が室内空気へ放熱し、室内空気が加熱される。室内熱交換器(24)で放熱した冷媒は、流入管(134)を通って膨張機構(60)へ流入する。膨張機構(60)では、高圧冷媒が膨張し、この高圧冷媒から動力が回収される。膨張後の低圧冷媒は、流出管(135)を通って室外熱交換器(23)へ送られ、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(23)から出た低圧ガス冷媒は、吸入ポート(32)から圧縮機構(50)へ吸入される。圧縮機構(50)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
〈圧縮・膨張ユニットの動作〉
圧縮・膨張ユニット(30)の動作について説明する。なお、膨張機構(60)の詳細な動作については後述する。
圧縮・膨張ユニット(30)では、電動機(45)及び膨張機構(60)で発生した動力によってシャフト(40)が回転駆動される。圧縮機構(50)は、このシャフト(40)によって駆動され、室内熱交換器(24)と室外熱交換器(23)のうち蒸発器として機能する方で蒸発した冷媒を吸入する。室内熱交換器(24)又は室外熱交換器(23)で蒸発した冷媒は、吸入管を通って各シリンダ(51,52)内の圧縮室(53)へ吸い込まれて圧縮される。圧縮機構(50)で圧縮された冷媒は、ケーシング(31)内の第2空間(39)へ吐出され、吐出管(36)を通ってケーシング(31)から流出してゆく。圧縮機構(50)から吐出される冷媒は、比較的高温(例えば90℃〜100℃程度)となっている。このため、ケーシング(31)の本体部(90)も、比較的高温(例えば80℃〜90℃程度)となっている。
膨張機構(60)へは、室内熱交換器(24)と室外熱交換器(23)のうちガスクーラとして機能する方で放熱した冷媒が流入する。この冷媒は、流入管(134)を通って膨張機構(60)の第1シリンダ(71)内の第1流体室(72)へ流入する。膨張機構(60)へ流入する冷媒の温度は、例えば20℃〜30℃程度となっている。膨張機構(60)では、冷媒が第1シリンダ(71)内の第1流体室(72)から第2シリンダ(81)内の第2流体室(82)へと移動しながら膨張する。膨張機構(60)で膨張した冷媒は、第2流体室(82)から流出管(135)を通ってケーシング(31)の外部へ流出してゆく。膨張機構(60)から流出する冷媒の温度は、例えば−10℃〜0℃程度となっている。
上述したように、圧縮・膨張ユニット(30)では、ケーシング(31)の本体部(90)と流入管(134)や流出管(135)を流れる冷媒との間には大きな温度差があるため、本体部(90)から流入管(134)内や流出管(135)内の冷媒へ向かう熱移動が生じる。
一方、本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、ケーシング(31)の本体部(90)と流入管(134)や流出管(135)との間に突出部(96,97)が介設されている。このため、本体部(90)が保有する熱は、流入管(134)や流出管(135)へ直接伝わるのではなく、突出部(96,97)へ一旦伝わった後に突出部(96,97)から流入管(134)や流出管(135)へと伝わる。具体的に、本体部(90)から流入管(134)内や流出管(135)内の冷媒へ向かって移動する熱は、まず本体部(90)から突出部(96,97)の基端部分へと伝わる。突出部(96,97)の基端部分に伝わった熱は、突出部(96,97)の突端部分へ向かって熱伝導によって移動し、その突端部分から流入管(134)や流出管(135)へと移動して最終的に冷媒へ伝わる。
このように、本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)において、ケーシング(31)の本体部(90)から流入管(134)内や流出管(135)内の冷媒へ向かう熱の移動経路は、流入管(134)や流出管(135)が本体部(90)に直接接合されている従来のものに比べて長くなる。つまり、この圧縮・膨張ユニット(30)では、本体部(90)から流入管(134)内や流出管(135)内の冷媒に至るまでの熱抵抗が従来に比べて大きくなる。従って、この圧縮・膨張ユニット(30)では、本体部(90)から流入管(134)内や流出管(135)内の冷媒へ移動する熱量が従来に比べて減少する。
〈膨張機構の動作〉
膨張機構(60)の動作について、図5を参照しながら説明する。
先ず、第1ロータリ機構部(70)の第1高圧室(73)へ超臨界状態の高圧冷媒が流入する過程について説明する。回転角が0°の状態からシャフト(40)が僅かに回転すると、第1ピストン(75)と第1シリンダ(71)の接触位置が流入ポート(34)の開口部を通過し、流入ポート(34)から第1高圧室(73)へ高圧冷媒が流入し始める。その後、シャフト(40)の回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなるにつれて、第1高圧室(73)へ高圧冷媒が流入してゆく。この第1高圧室(73)への高圧冷媒の流入は、シャフト(40)の回転角が360°に達するまで続く。
次に、膨張機構(60)において冷媒が膨張する過程について説明する。回転角が0°の状態からシャフト(40)が僅かに回転すると、第1低圧室(74)と第2高圧室(83)が連通路(64)を介して互いに連通し、第1低圧室(74)から第2高圧室(83)へと冷媒が流入し始める。その後、シャフト(40)の回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなるにつれ、第1低圧室(74)の容積が次第に減少すると同時に第2高圧室(83)の容積が次第に増加し、結果として膨張室(66)の容積が次第に増加してゆく。この膨張室(66)の容積増加は、シャフト(40)の回転角が360°に達する直前まで続く。そして、膨張室(66)の容積が増加する過程で膨張室(66)内の冷媒が膨張し、この冷媒の膨張によってシャフト(40)が回転駆動される。このように、第1低圧室(74)内の冷媒は、連通路(64)を通って第2高圧室(83)へ膨張しながら流入してゆく。
続いて、第2ロータリ機構部(80)の第2低圧室(84)から冷媒が流出してゆく過程について説明する。第2低圧室(84)は、シャフト(40)の回転角が0°の時点から流出ポート(35)に連通し始める。つまり、第2低圧室(84)から流出ポート(35)へと冷媒が流出し始める。その後、シャフト(40)の回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなってゆき、その回転角が360°に達するまでの間に亘って、第2低圧室(84)から膨張後の低圧冷媒が流出してゆく。
−実施形態1の効果−
本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、ケーシング(31)にその本体部(90)から外方へ突出する突出部(96,97)を設け、その突出部(96,97)の突端部分を膨張機構(60)に接続する流入管(134)や流出管(135)と接合している。そのため、圧縮機構(50)の吐出冷媒により加熱されて高温となったケーシング(31)の本体部(90)から流入管(134)や流出管(135)へと伝わる熱は、本体部(90)から突出部(96,97)へと伝わって突出部(96,97)の基端部分から突端部分へと伝導した後に流入管(134)や流出管(135)へ伝わる。
つまり、本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、流入管(134)や流出管(135)がケーシング(31)の本体部(90)に直接に接合される従来のものに比べ、本体部(90)から流入管(134)や流出管(135)に至るまでの熱の移動距離を長くすることができる。従って、本実施形態によれば、ケーシング(31)の本体部(90)から流入管(134)や流出管(135)へ至るまでの熱抵抗を大きくすることができ、ケーシング(31)の本体部(90)から流入管(134)や流出管(135)を流れる冷媒へ侵入する熱量を削減することができる。
本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、突出部(96,97)の材質を炭素鋼としている。炭素鋼は、熱伝導率が比較的低い鉄系の金属材料の一種である。従って、本実施形態では、突出部(96,97)の基端部分から突端部分に至るまでの熱抵抗を充分に確保することができ、ケーシング(31)の本体部(90)から流入管(134)や流出管(135)を流れる冷媒へ侵入する熱量を一層確実に削減することができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、流入管(134)及び週出管の一部を断熱材(150)で覆うようにしてもよい。
図6に示すように、本変形例の圧縮・膨張ユニット(30)では、流入管(134)のうちケーシング(31)と流入管(134)の接合部から膨張機構(60)までの部分(即ち、流入管(134)のうち第1突出部(96)の突端部分から第1シリンダ(71)の外側面までの部分)と、流出管(135)のうちケーシング(31)と流出管(135)の接合部から膨張機構(60)までの部分(即ち、流出管(135)のうち第2突出部(97)の突端部分から第2シリンダ(81)の外側面までの部分)とのそれぞれが断熱材(150)で覆われている。流入管(134)や流出管(135)における上記の部分では、その外周面に沿って断熱材(150)が設けられる。断熱材(150)の材質としては、PI(ポリイミド)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱伝導率の低い材料が用いられる。
ここで、仮に断熱材(150)が設けられていなかったとすると、流入管(134)のうち第1突出部(96)との接合部から膨張機構(60)までの部分や、流出管(135)のうち第2突出部(97)との接合部から膨張機構(60)までの部分は、それぞれの外周面がケーシング(31)内の第1空間(38)に臨むことになる。一方、上述したように、上記圧縮・膨張ユニット(30)のケーシング(31)内では第1空間(38)と第2空間(39)が互いに連通しており、第1空間(38)にも圧縮機構(50)から吐出された比較的高温の冷媒が流れ込む。このため、流入管(134)や流出管(135)を流れる冷媒には、第1空間(38)内の冷媒からも熱が侵入してくる。
それに対し、本変形例では、流入管(134)や流出管(135)のうち上記の所定部分を断熱材(150)で覆い、これらの部分へ第1空間(38)内の冷媒から侵入する熱量を削減している。従って、本変形例によれば、流入管(134)や流出管(135)の内部を流れる冷媒へ侵入する熱量を一層低減することができる。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、図7に示すように、ケーシング(31)の突出部(96,97)をその本体部(90)と一体に形成してもよい。
本変形例のケーシング(31)では、円筒部材(91)の一部が外側へ膨出するように成型されており、この外側へ膨出した部分が突出部(96,97)を構成している。具体的に、本変形例の各突出部(96,97)は、概ね管状に形成されており、その基端部分が円筒部材(91)と連続すると共に、その突端部分が流入管(134)あるいは流出管(135)とロウ付けによって接合されている。
−実施形態の変形例3−
本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、流入管(134)及び流出管(135)とケーシング(31)の本体部(90)との間に突出部(96,97)を介設しているが、突出部(96,97)を介して本体部(90)に固定される配管は流入管(134)と流出管(135)に限定されない。例えば、膨張機構(60)における膨張過程の膨張室(66)へ冷媒を導入するためのインジェクション用配管が膨張機構(60)に接続されている場合は、このインジェクション用配管をケーシング(31)の本体部(90)に対して突出部を介して固定してもよい。
−実施形態の変形例4−
本実施形態の圧縮・膨張ユニット(30)では、膨張機構(60)を揺動ピストン型のロータリ型流体機械によって構成しているが、膨張機構(60)を構成する流体機械の形式はこれに限定されない。例えば、膨張機構(60)を回転ピストン型のロータリ型流体機械によって構成してもよいし、膨張機構(60)をスクロール型流体機械によって構成してもよい。
−実施形態の変形例5−
上記実施形態の空調機(10)では冷媒として二酸化炭素(CO2)を用いているが、冷媒回路(20)に冷媒として充填される物質はこれに限定されず、例えばR410AやR407C等のいわゆるフロン冷媒を冷媒回路(20)に充填してもよい。
また、上記実施形態の空調機(10)では冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高圧に設定されているが、冷凍サイクルの高圧は冷媒の臨界圧力以下に設定されていてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、流体を圧縮する圧縮機構が膨張機構と共に1つのケーシング内に収容された流体機械について有用である。
実施形態の冷媒回路の構成を示す冷媒回路図である。 実施形態の圧縮・膨張ユニットの縦断面図である。 実施形態の膨張機構を示す縦断面図である。 実施形態の膨張機構の概略構成を示す要部拡大図である。 実施形態の膨張機構におけるシャフトの回転角90°毎の各ロータリ機構部の要部の概略構成を示す横断面図である。 実施形態の変形例1の膨張機構を示す縦断面図である。 実施形態の変形例2の膨張機構を示す縦断面図である。
符号の説明
31 ケーシング
50 圧縮機構
60 膨張機構
90 本体部
96 第1突出部
97 第2突出部
134 流入管(管部材)
135 流出管(管部材)
150 断熱材

Claims (6)

  1. 流体の膨張により動力を発生させる膨張機構(60)と、流体を圧縮する圧縮機構(50)と、膨張機構(60)で発生した動力を圧縮機構(50)に伝達する回転軸(40)とがケーシング(31)の内部空間に収納され、
    上記圧縮機構(50)が圧縮した流体をケーシング(31)の内部空間へ吐出する流体機械であって、
    上記膨張機構(60)へ流体を導入し又は該膨張機構(60)から流体を導出するために上記ケーシング(31)を貫通して該膨張機構(60)に接続する管部材(134,135)を備える一方、
    上記ケーシング(31)は、密閉容器状に形成されて上記膨張機構(60)と上記圧縮機構(50)と上記回転軸(40)とを収容する本体部(90)と、該本体部(90)から外方へ突出するように形成されて突端側で上記管部材(134,135)と接合される突出部(96,97)とを備えている
    ことを特徴とする流体機械。
  2. 請求項1において、
    上記膨張機構(60)へ流体を導入するための流入管(134)と、該膨張機構(60)から流体を導出するための流出管(135)とを管部材として備える一方、
    上記ケーシング(31)には、上記流入管(134)と接合される第1の突出部(96)と、上記流出管(135)と接合される第2の突出部(97)とが設けられている
    ことを特徴とする流体機械。
  3. 請求項1又は2において、
    上記ケーシング(31)の突出部(96,97)が上記管部材(134,135)を挿通可能な管状に形成され、
    上記突出部(96,97)の内側面と該突出部(96,97)に挿通された上記管部材(134,135)の外側面との間に隙間が形成されている
    ことを特徴とする流体機械。
  4. 請求項1,2又は3において、
    上記ケーシング(31)では、上記突出部(96,97)が上記本体部(90)と別体に形成され、該突出部(96,97)の基端部分が該本体部(90)と接合されている
    ことを特徴とする流体機械。
  5. 請求項4において、
    上記突出部(96,97)の材質は、鉄を主成分とする合金である
    ことを特徴とする流体機械。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記管部材(134,135)のうち上記ケーシング(31)との接合部から上記膨張機構(60)までの部分が断熱材(150)で覆われている
    ことを特徴とする流体機械。
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