JP2006132332A - 流体機械 - Google Patents

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Tetsuya Okamoto
哲也 岡本
Masakazu Okamoto
昌和 岡本
Eiji Kumakura
英二 熊倉
Katsumi Hokotani
克己 鉾谷
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【課題】膨張機構(60)と圧縮機構(50)の両方に対する給油量を確保し、流体機械の信頼性の向上を図る。
【解決手段】膨張機構(60)と圧縮機構(50)とを備える流体機械において、膨張機構(60)用の給油通路と、圧縮機構(50)用の給油通路とをそれぞれ設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、膨張機構と圧縮機構とを1つのケーシングに収納して構成される流体機械に関する。
従来より、膨張機構と電動機と圧縮機構とが1本の回転軸で連結された流体機械が知られている。このような流体機械では、膨張機構で流体が膨張することによって回転軸に動力が与えられ、この動力が電動機で発生する動力と共に回転軸を通じて圧縮機構に伝達され、圧縮機構がこの回転軸を通じて伝達された動力によって流体を吸い込み圧縮する。
上記流体機械は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシングを備えている。このケーシングの内部には、下側から圧縮機構と電動機と膨張機構とが配置され、上述したように1本の回転軸で連結されている。そして、上記流体機械では、上記圧縮機構と上記膨張機構とに潤滑油を供給する必要がある。
例えば、特許文献1に記載されている流体機械では、ケーシング内の底部に潤滑油が貯留されている油溜りを形成し、上記回転軸の下端部に上記油溜りに浸漬された遠心式の油ポンプを設け、該回転軸の内部には軸心に沿って下端から上端に亘って給油溝を形成している。上記回転軸が回転すると、油溜りの潤滑油は上記遠心式の油ポンプによって汲み上げられ、給油溝を流通して上記両機構の摺動部に供給される。
特開2003−139059号公報
しかしながら、従来の流体機械では、回転軸の内部に設けられた一本の給油溝を通じて油溜りから汲み上げられた潤滑油が圧縮機構と膨張機構との両方に供給されているので、
給油量が一方に偏り、両方に十分な給油ができないおそれがあった。例えば、特許文献1に記載されている流体機械では、下側に配置された圧縮機構側で多くの潤滑油が流出してしまい、上側に配置された膨張機構側では潤滑油が不足するという問題があった。そして、圧縮機構や膨張機構において潤滑油が不足すると、上記両機構において焼き付き等のトラブルが発生し、流体機械の信頼性が低下する要因になっていた。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮機構と膨張機構の両方に対する給油量を確保し、流体機械の信頼性の向上を図ることにある。
本発明は、膨張機構(60)と圧縮機構(50)とを備える流体機械において、膨張機構(60)用の給油通路と、圧縮機構(50)用の給油通路とをそれぞれ設けるようにしたものである。
第1の発明は、流体の膨張により動力を発生させる膨張機構(60)、流体を圧縮する圧縮機構(50)、該膨張機構(60)と該圧縮機構(50)とを連結する回転軸(40)、及び該膨張機構(60)と該圧縮機構(50)と該回転軸(40)とを収納するケーシング(31)を備える流体機械であって、潤滑油を上記膨張機構(60)に供給するための第1給油通路(25)と、潤滑油を上記圧縮機構(50)に供給するための第2給油通路(26)と、上記ケーシング(31)内に貯留された潤滑油を上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)に送り込むポンプ手段とを備えていることを特徴とするものである。
上記第1の発明では、上記ポンプ手段によって上記第1給油通路(25)に送り込まれた潤滑油は途中で流出することなく確実に上記膨張機構(60)に供給され、上記第2給油通路(26)に送り込まれた潤滑油は途中で流出することなく確実に上記圧縮機構(50)に供給される。すなわち、一方への給油量は他方への給油量に影響されることはない。従って、上記両機構(50,60)の各々に対して安定した潤滑油の供給を行うことができるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記ポンプ手段は、潤滑油を上記第1給油通路(25)に送り込む第1給油ポンプ(17)と、潤滑油を上記第2給油通路(26)に送り込む第2給油ポンプ(18)とで構成されていることを特徴とするものである。
上記第2の発明では、第1給油ポンプ(17)によって吸い込まれた潤滑油が第1給油通路(25)を通って膨張機構(60)へ供給され、第2給油ポンプ(18)によって吸い込まれた潤滑油が第2給油通路(26)を通って圧縮機構(50)へ供給される。すなわち、膨張機構(60)と圧縮機構(50)へは、それぞれ別々の給油ポンプ(17,18)によって潤滑油が確実に供給される。従って、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記ポンプ手段は、上記第1給油通路(25)に送り込む潤滑油を吸い込むための第1吸込口(7)と、上記第2給油通路(26)に送り込む潤滑油を吸い込むための第2吸込口(8)とを備えた1つの給油ポンプで構成されていることを特徴とするものである。
上記第3の発明では、第1吸込口(7)から吸い込まれた潤滑油が第1給油通路(25)を通って膨張機構(60)へ供給され、第2吸込口(8)から吸い込まれた潤滑油が第2給油通路(26)を通って圧縮機構(50)へ供給される。すなわち、膨張機構(60)と圧縮機構(50)へは、それぞれ別々の吸込口(7,8)から吸い込まれた潤滑油が確実に供給される。従って、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記ポンプ手段は、上記回転軸(40)に設けられて、該回転軸(40)の回転に伴って吸い込んだ潤滑油を上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)に送り込むように構成されていることを特徴とするものである。
上記第4の発明において、上記ポンプ手段は、上記回転軸(40)に設けられて、該記回転軸(40)の回転によって発生する遠心力を利用して潤滑油を吸い込み、膨張機構(60)用の第1給油通路(25)と圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)とに吸い込んだ潤滑油を送り込む。
第5の発明は、上記第1から第4のいずれか1つの発明において、上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)は、共に上記回転軸(40)内に形成されていることを特徴とするものである。
上記第5の発明では、膨張機構(60)用の第1給油通路(25)と、圧縮機構(50)用との第2給油通路(26)とが共に回転軸(40)内に形成されている。従って、流体機械内に給油通路用の管路を別途設ける必要はない。
第6の発明は、上記第1から第5のいずれか1つの発明において、上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)は、その一方が上記回転軸(40)の軸心方向に延びる管状の管状通路(5)により構成され、他方が該管状通路(5)の周囲に形成されて上記回転軸(40)の軸心方向に延びる環状通路(6)により構成されていることを特徴とするものである。
上記第6の発明では、上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)の2つの給油通路が、管状通路(5)の周囲に環状通路(6)が形成された1本の二重管路により構成されている。従って、膨張機構(60)用の管路と、圧縮機構(50)用の管路とを別々に設ける必要はない。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記第1給油通路(25)は上記管状通路(5)により構成され、上記第2給油通路(26)は上記環状通路(6)により構成されていることを特徴とするものである。
上記第7の発明では、2つの給油通路を構成する二重管路が回転軸(40)内に形成され、その二重管路の内側の管状通路(5)が膨張機構(60)用の第1給油通路(25)を構成し、外側の環状通路(6)が圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)を構成する。つまり、膨張機構(60)へは管状通路(5)を介して潤滑油が確実に供給され、それとは別に圧縮機構(50)へは環状通路(6)を介して潤滑油が確実に供給される。従って、上記両機構(50,60)の各々に対して安定した潤滑油の供給を行うことができるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。
第8の発明は、上記第1から第3のいずれか1つの発明において、上記回転軸(40)は、一方の端部が膨張機構(60)に、他方の端部が圧縮機構(50)に各々係合し、回転軸(40)の各端部には、該回転軸(40)の軸心方向に延びる油通路(28,29)が1つずつ形成されており、回転軸(40)の一方の端部に形成された油通路(28)が第1給油通路(25)の少なくとも一部を構成し、回転軸(40)の他方の端部に形成された油通路(29)が第2給油通路(26)の少なくとも一部を構成していることを特徴とするものである。
上記第8の発明では、流体機械の給油通路として、回転軸(40)の一方の端部に膨張機構(60)用の油通路(28)が形成され、他方の端部に圧縮機構(50)用の油通路(29)が形成されている。つまり、膨張機構(60)へは上記油通路(28)を介して潤滑油が確実に供給され、それとは別に圧縮機構(50)へは上記油通路(29)を介して潤滑油が確実に供給される。従って、上記両機構(50,60)の各々に対して安定した潤滑油の供給を行うことができるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。
第9の発明は、上記第1から第8のいずれか1つの発明において、上記回転軸(40)は、その軸心が上下方向となる姿勢で配置され、上記膨張機構(60)は、上記圧縮機構(50)より上方に配置されていることを特徴とするものである。
上記第9の発明では、ケーシング(31)内において膨張機構(60)は圧縮機構(50)より上方に配置されている。従って、ケーシング内の底部に油溜りが形成されている流体機械の場合、油溜りは膨張機構(60)側ではなく圧縮機構(50)側に形成される。
本発明によれば、膨張機構(60)と圧縮機構(50)とを備える流体機械において、膨張機構(60)用の第1給油通路(25)と、圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)とがそれぞれ設けられているので、一方への給油量は他方への給油量に影響されることはなく、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。この結果、上記両機構(50,60)の潤滑を確実に行って焼き付き等のトラブルを未然に防止することができるので、流体機械の信頼性の向上を図ることができる。
上記第2の発明によれば、膨張機構(60)用の第1給油通路(25)と、圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)とのそれぞれに対して個別の給油ポンプ(17,18)が設けられ、各々の給油ポンプ(17,18)によって潤滑油は上記両機構(50,60)に確実に供給されるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。従って、流体機械の信頼性の向上を図ることができる。
上記第3の発明によれば、上記ポンプ手段は、膨張機構(60)用の第1給油通路(25)と、圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)とのそれぞれに対して個別の吸込口(7,8)を備え、各々の吸込口(7,8)から吸い込まれた潤滑油は確実に上記両機構(50,60)に供給されるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。従って、流体機械の信頼性の向上を図ることができる。
上記第4の発明によれば、上記ポンプ手段は、上記回転軸(40)に設けられて、該回転軸(40)の回転により発生する遠心力によって吸い込んだ潤滑油を第1給油通路(25)と第2給油通路(26)とに送り込むように構成されている。従って、ポンプ手段の構成を簡素化することができる。
上記第5の発明によれば、上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)は、共に上記回転軸(40)内に形成されているので、流体機械内に給油通路用の管路を別途設ける必要はない。よって、流体機械の構成を簡素化することができる。
上記第6の発明によれば、上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)の2つの給油通路が、1本の二重管路により構成されているので、膨張機構(60)用の管路と、圧縮機構(50)用の管路とを別々に設ける必要はない。よって、給油通路の構成を簡素化することができる。
上記第7の発明によれば、2つの給油通路を構成する二重管路が回転軸(40)内に形成され、膨張機構(60)へは該二重管路の内側の管状通路(5)を介して潤滑油が確実に供給され、それとは別に圧縮機構(50)へは該二重管路の外側の環状通路(6)を介して潤滑油が確実に供給される。
上記第8の発明によれば、膨張機構(60)へは回転軸(40)の一方の端部に形成された油通路(28)を介して潤滑油が確実に供給され、それとは別に圧縮機構(50)へは他方の端部に形成された油通路(29)を介して潤滑油が確実に供給される。
上記第9の発明によれば、膨張機構(60)は圧縮機構(50)より上方に配置されるので、ケーシング(31)内の底部に油溜りが形成されているような流体機械の場合、油溜りは膨張機構(60)側ではなく圧縮機構(50)側に形成される。すなわち、比較的高温の潤滑油が貯留される油溜りは、比較的低温の流体が通過する膨張機構(60)から離れた位置に形成される。よって、油溜りの潤滑油から膨張機構(60)への入熱量を抑えることができるので、流体機械における熱ロスをより少なくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。図1に示すように、本実施形態の空調機(10)は、本発明に係る流体機械を備えている。
〈空調機の全体構成〉
図1に示すように、上記空調機(10)は、いわゆるセパレート型のものであって、室外機(11)と室内機(13)とを備えている。上記室外機(11)には、室外ファン(12)、室外熱交換器(23)、第1四路切換弁(21)、第2四路切換弁(22)および圧縮膨張ユニット(30)が収納されている。一方、上記室内機(13)には、室内ファン(14)および室内熱交換器(24)が収納されている。上記室外機(11)は屋外に設置され、室内機(13)は屋内に設置されている。上記室外機(11)と上記室内機(13)とは、一対の連絡配管(15,16)で接続されている。なお、上記圧縮膨張ユニット(30)が本発明の流体機械を構成している。上記圧縮膨張ユニット(30)の詳細は後述する。
上記空調機(10)には、冷媒回路(20)が設けられている。この冷媒回路(20)は、圧縮膨張ユニット(30)や室内熱交換器(24)などが接続された閉回路である。また、この冷媒回路(20)には、冷媒として二酸化炭素(CO2)が充填されている。
上記室外熱交換器(23)と上記室内熱交換器(24)とは、何れもクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成されている。上記室外熱交換器(23)では、冷媒回路(20)を循環する冷媒が室外空気と熱交換する。上記室内熱交換器(24)では、冷媒回路(20)を循環する冷媒が室内空気と熱交換する。
上記第1四路切換弁(21)は、4つのポートを備えている。この第1四路切換弁(21)は、その第1ポートが圧縮膨張ユニット(30)の吐出管(36)に、第2ポートが連絡配管(15)を介して室内熱交換器(24)の一端に、第3ポートが室外熱交換器(23)の一端に、第4ポートが圧縮膨張ユニット(30)の吸入ポート(32)にそれぞれ接続されている。そして、上記第1四路切換弁(21)は、第1ポートと第2ポートとが連通し且つ第3ポートと第4ポートとが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
上記第2四路切換弁(22)は、4つのポートを備えている。この第2四路切換弁(22)は、その第1ポートが圧縮膨張ユニット(30)の流出ポート(35)に、第2ポートが室外熱交換器(23)の他端に、第3ポートが連絡配管(16)を介して室内熱交換器(24)の他端に、第4ポートが圧縮膨張ユニット(30)の流入ポート(34)にそれぞれ接続されている。そして、上記第2四路切換弁(22)は、第1ポートと第2ポートとが連通し且つ第3ポートと第4ポートとが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
〈圧縮膨張ユニットの構成〉
図2及び図3に示すように、上記圧縮膨張ユニット(30)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(31)を備えている。このケーシング(31)の内部には、下から上に向かって順に、圧縮機構(50)と、電動機(45)と、膨張機構(60)とが配置され、1本のシャフト(40)で連結されている。上記ケーシング(31)には、吐出管(36)が取り付けられている。この吐出管(36)は、電動機(45)と膨張機構(60)との間に配置され、ケーシング(31)の内部空間に連通している。
上記電動機(45)は、ケーシング(31)の長手方向の中央部に配置されている。この電動機(45)は、ステータ(46)とロータ(47)とにより構成されている。上記ステータ(46)は、ケーシング(31)に固定されている。上記ロータ(47)は、ステータ(46)の内側に配置され、同軸にシャフト(40)の主軸部(44)が貫通している。上記シャフト(40)は、回転軸を構成し、上端側に2つの大径偏心部(41,42)が形成され、下端側に2つの下側偏心部(58,59)が形成されている。
上記2つの大径偏心部(41,42)は、主軸部(44)よりも大径に且つ主軸部(44)の軸心よりも偏心して形成されており、上側のものが第1大径偏心部(41)を、下側のものが第2大径偏心部(42)をそれぞれ構成している。そして、上記第1大径偏心部(41)と上記第2大径偏心部(42)とは、何れも同じ方向に偏心している。また、第1大径偏心部(41)の外径は、第2大径偏心部(42)の外径よりも大きくなっている。
上記2つの下側偏心部(58,59)は、主軸部(44)よりも大径に且つ主軸部(44)の軸心よりも偏心して形成されており、下側のものが第1下側偏心部(58)を、上側のものが第2下側偏心部(59)をそれぞれ構成している。そして、上記第1下側偏心部(58)と上記第2下側偏心部(59)とでは、主軸部(44)の軸心に対する偏心方向が逆になっている。
上記圧縮機構(50)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ圧縮機を構成している。この圧縮機構(50)は、シリンダ(51,52)とロータリピストン(57,57)とを2組ずつ備えている。上記圧縮機構(50)では、下から上へ向かって順に、リアヘッド(55)と、第1シリンダ(51)と、中間プレート(56)と、第2シリンダ(52)と、フロントヘッド(54)とが積層された状態となっている。
上記第1シリンダ(51)と上記第2シリンダ(51)とは、内径が互いに等しく形成され、その内部には円筒状のロータリピストン(57,57)が1つずつ配置されている。この各ロータリピストン(57,57)は、図示しないが、側面に平板状のブレードが突設されており、このブレードが揺動ブッシュを介してシリンダ(51,52)に支持されている。
上記第1シリンダ(51)内のロータリピストン(57)は、シャフト(40)の第1下側偏心部(58)と係合している。一方、上記第2シリンダ(52)内のロータリピストン(57)は、シャフト(40)の第2下側偏心部(59)と係合している。上記各ロータリピストン(57,57)は、内周面が下側偏心部(58,59)の外周面と摺接し、外周面がシリンダ(51,52)の内周面と摺接する。そして、各ロータリピストン(57,57)の外周面とシリンダ(51,52)の内周面との間に圧縮室(53,53)が形成される。この圧縮室(53,53)は、図示しないが、ロータリピストン(57,57)のブレードによって高圧側と低圧側とに区画されている。
上記第1シリンダ(51)および第2シリンダ(52)には、それぞれ吸入ポート(32、32)が1つずつ形成されている。この各吸入ポート(32.32)は、シリンダ(51,52)を半径方向に貫通し、終端がシリンダ(51,52)内に開口している。また、各吸入ポート(32.32)は、配管によってケーシング(31)の外部へ延長されている。
上記フロントヘッド(54)およびリアヘッド(55)には、それぞれ吐出ポート(33,33)が1つずつ形成されている。上記フロントヘッド(54)の吐出ポート(33)は、第2シリンダ(52)内の圧縮室(53)をケーシング(31)の内部空間と連通させる。上記リアヘッド(55)の吐出ポート(33)は、第1シリンダ(51)内の圧縮室(53)をケーシング(31)の内部空間と連通させる。また、上記各吐出ポート(33,33)は、終端にリード弁からなる吐出弁が設けられており、この吐出弁によって開閉される。なお、吐出弁の図示は省略する。そして、上記圧縮機構(50)からケーシング(31)の内部空間へ吐出されたガス冷媒は、吐出管(36)を通って圧縮膨張ユニット(30)から送り出される。
上記膨張機構(60)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ式膨張機を構成している。この膨張機構(60)は、シリンダ(71,81)とロータリピストン(75,85)とを2組ずつ備えている。上記膨張機構(60)では、上から下へ向かって順に、リアヘッド(62)と、第1シリンダ(71)と、中間プレート(63)と、第2シリンダ(81)と、フロントヘッド(61)とが積層された状態になっている。
上記第1シリンダ(71)の内径は、上記第2シリンダ(81)の内径よりも大きくなっている。上記第1シリンダ(71)の内部には円筒状の第1ロータリピストン(75)が配置され、上記第2シリンダ(81)の内部には円筒状の第2ロータリピストン(85)が配置されている。第1ロータリピストン(75)の外径は、第2ロータリピストン(85)の外径よりも大きくなっている。この各ロータリピストン(75,85)は、図4に示すように、側面に平板状のブレード(76,86)が突設されており、このブレード(76,86)が揺動ブッシュ(77,87)を介してシリンダ(71,81)に支持されている。
上記第1ロータリピストン(75)はシャフト(40)の第1大径偏心部(41)と係合している。一方、上記第2ロータリピストン(85)はシャフト(40)の第2大径偏心部(42)と係合している。上記各ロータリピストン(75,85)は、内周面が大径偏心部(41,42)の外周面と摺接し、外周面がシリンダ(71,81)の内周面と摺接する。そして、上記第1ロータリピストン(75)の外周面と第1シリンダ(71)の内周面との間には第1流体室(72)が形成され、上記第2ロータリピストン(85)の外周面と第2シリンダ(81)の内周面との間には第2流体室(82)が形成されている。第1流体室(72)は、ロータリピストン(75)のブレード(76)によって高圧側の第1高圧室(73)と低圧側の第1低圧室(74)とに区画されている。一方、第2流体室(82)は、ロータリピストン(85)のブレード(86)によって高圧側の第2高圧室(83)と低圧側の第2低圧室(84)とに区画されている。上記膨張機構(60)では、各流体室(72,82)で冷媒が膨張することによって発生した動力を回収し、その動力が圧縮機構(50)に伝達される。
上記第1シリンダ(71)には、流出ポート(35)が形成され、上記第2シリンダ(81)には、流入ポート(34)が形成されている。上記流出ポート(35)は、上記第1シリンダ(71)を半径方向に貫通し、始端が第1シリンダ(71)内に開口して、第1流体室(72)の第1低圧室(74)に連通している。上記流出ポート(35)は、配管によってケーシング(31)の外部へ延長されている。一方、上記流入ポート(34)は、第2シリンダ(81)を半径方向に貫通し、終端が第2シリンダ(81)内に開口して、第2流体室(82)の第2高圧室(83)に連通している。上記流入ポート(34)は、配管によってケーシング(31)の外部へ延長されている。
上記中間プレート(63)には、連通路(64)が形成されている。この連通路(64)は、中間プレート(63)の厚さ方向に対して斜めに貫通し、第1流体室(72)の第1高圧室(73)と第2流体室(82)の第2低圧室(84)とを互いに連通させている。なお、図2において、連通路(64)の図示は省略する。
上記シャフト(40)内には、その軸心と中心が一致する円形の貫通孔が上端から下端に亘って形成されている。上記貫通孔は、シャフト(40)の上端からステータ(46)の下部に亘る小径部と、該小径部の下端に連続してシャフト(40)の下端に至る大径部とで構成されている。上記大径部には、該大径部の上端から下端まで延びる円形の直状管(9)が挿入されており、この直状管(9)が該大径部の上端に固定されて設けられている。上記直状管(9)は、内径が上記小径部と略同一に形成され、その中心が上記小径部の中心と一致している。これによって、上記シャフト(40)内には、上記小径部と上記直状管(9)とから構成される管状通路(5)が、該シャフト(40)の上端から下端に亘って形成され、上記大径部における上記直状管(9)の周囲に形成される環状通路(6)が、ステータ(46)の下部から該シャフト(40)の下端まで形成される。上記管状通路(5)は膨張機構(60)用の第1給油通路(25)を構成し、送り込まれた潤滑油が膨張機構(60)の摺動部に供給されるように形成されている。上記環状通路(6)は圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)を構成し、送り込まれた潤滑油が圧縮機構(50)の摺動部に供給されるように形成されている。
上記ケーシング(31)内の底部には、潤滑油が貯留されている油溜りが形成されている。上記シャフト(40)の下端部には、ポンプ手段を構成する二重遠心式の油ポンプ(48)が設けられている。上記二重遠心式の油ポンプ(48)は、第1給油ポンプ(17)及び第2給油ポンプ(18)の2つの給油ポンプから構成され、油溜りに浸漬されている。そして、上記二重遠心式の油ポンプ(48)では、シャフト(40)の回転に伴って各々のポンプ(17,18)が潤滑油を吸い込むように形成され、第1給油ポンプ(17)によって吸い込こんだ潤滑油は管状通路(5)に送り込まれ、第2給油ポンプ(18)によって吸い込こんだ潤滑油は環状通路(6)に送り込まれる。
上記の構成により、膨張機構(60)へは第1給油ポンプ(17)によって吸い込まれた潤滑油が第1給油通路(25)である管状通路(5)を流通して供給され、一方、圧縮機構(50)へは第2給油ポンプ(18)によって吸い込まれた潤滑油が第2給油通路(26)である環状通路(6)を流通して供給される。
−運転動作−
次に、上記空調機(10)の動作について説明する。ここでは、空調機(10)の冷房運転時および暖房運転時の動作について説明し、続いて圧縮膨張ユニット(30)の動作について説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転時には、第1四路切換弁(21)および第2四路切換弁(22)が図1に破線で示す状態に切り換えられる。この状態で圧縮膨張ユニット(30)の電動機(45)に通電すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
上記圧縮膨張ユニット(30)の圧縮機構(50)で圧縮された超臨界状態の冷媒は、吐出管(36)を通って圧縮膨張ユニット(30)から吐出される。この吐出冷媒は、第1四路切換弁(21)を通って室外熱交換器(23)へ送られ、室外空気へ放熱する。
上記室外熱交換器(23)で冷却された高圧冷媒は、第2四路切換弁(22)を通り、流入ポート(34)から圧縮膨張ユニット(30)の膨張機構(60)へ流入する。この膨張機構(60)では、高圧冷媒が膨張し、高圧冷媒からの動力回収が行われる。膨張後の低温低圧の冷媒は、流出ポート(35)を通って圧縮膨張ユニット(30)から流出し、第2四路切換弁(22)を通って室内熱交換器(24)へ送られ、室内空気から吸熱して蒸発する。これによって、室内空気が冷却される。上記室内熱交換器(24)から出た低圧のガス冷媒は、第1四路切換弁(21)を通り、吸入ポート(32)から圧縮膨張ユニット(30)の圧縮機構(50)へ吸入される。そして、この圧縮機構(50)は、吸入した冷媒を再び圧縮して吐出する。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、第1四路切換弁(21)および第2四路切換弁(22)が図1に実線で示す状態に切り換えられる。この状態で圧縮膨張ユニット(30)の電動機(45)に通電すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
上記圧縮膨張ユニット(30)の圧縮機構(50)で圧縮された超臨界状態の冷媒は、吐出管(36)を通って圧縮膨張ユニット(30)から吐出される。この吐出冷媒は、第1四路切換弁(21)を通って室内熱交換器(24)へ送られ、室内空気へ放熱する。これによって、室内空気が加熱される。
上記室内熱交換器(24)で冷却された高圧冷媒は、第2四路切換弁(22)を通り、流入ポート(34)から圧縮膨張ユニット(30)の膨張機構(60)へ流入する。この膨張機構(60)では、高圧冷媒が膨張し、高圧冷媒からの動力回収が行われる。膨張後の低温低圧の冷媒は、流出ポート(35)を通って圧縮膨張ユニット(30)から流出し、第2四路切換弁(22)を通って室外熱交換器(23)へ送られ、室外空気から吸熱して蒸発する。上記室外熱交換器(23)から出た低圧のガス冷媒は、第1四路切換弁(21)を通り、吸入ポート(32)から圧縮膨張ユニット(30)の圧縮機構(50)へ吸入される。そして、この圧縮機構(50)は、吸入した冷媒を再び圧縮して吐出する。
〈圧縮膨張ユニットの動作〉
圧縮機構部(50)の動作について説明する。圧縮膨張ユニット(30)の圧縮機構(50)は、電動機(45)によって駆動される。すなわち、電動機(45)が駆動して発生する動力がシャフト(40)を通じて圧縮機構(50)に伝達されると、シャフト(40)に形成された下側偏心部(58,59)が回動する。上記下側偏心部(58,59)が回動すると、この下側偏心部(58,59)に摺動自在に外接するロータリピストン(57,57)が第1シリンダ(51)及び第2シリンダ(52)内で揺動運動を行う。
冷媒は、上記ロータリピストン(57,57)の揺動運動に従って吸入ポート(32,32)から第1シリンダ(51)及び第2シリンダ(52)の圧縮室(53,53)に吸入される。吸入された冷媒は、ロータリピストン(57,57)、シリンダ(51,52)の内周壁、及びブレードによって区画された第1シリンダ(51)及び第2シリンダ(52)の圧縮室(53,53)で圧縮され、冷媒である二酸化炭素(CO2)の臨界圧力以上の所定圧力を越えるまで圧縮される。所定圧力を越えた冷媒は、吐出弁を通じて、吐出ポート(33,33)よりケーシング(31)内に吐出される。これにより、ケーシング(31)内の潤滑油の圧力が、圧縮機構(50)から吐出された冷媒の圧力とほぼ同じになる。ケーシング(31)内に吐出された冷媒は、吐出管(36)から冷媒回路(20)へ吐出される。
膨張機構部(60)の動作について図4を参照しながら説明する。まず、第2シリンダ(81)内の第2高圧室(83)へ超臨界状態の高圧冷媒が流入する過程について説明する。上記シャフト(40)の回転角が0°の状態からシャフト(40)が僅かに回転すると、第2ロータリピストン(85)と第2シリンダ(81)の接触位置が流入ポート(34)の開口部を通過し、流入ポート(34)から第2高圧室(83)へ高圧冷媒が流入し始める。その後、シャフト(40)の回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなるにつれて、第2高圧室(83)へ高圧冷媒が流入してゆく。この第2高圧室(83)への高圧冷媒の流入は、シャフト(40)の回転角が360°に達するまで続く。
続いて、膨張機構部(60)において冷媒が膨張する過程について説明する。上記第2高圧室(83)への冷媒の流入が完了した状態において、上記シャフト(40)の回転角が再び0°の状態からシャフト(40)が僅かに回転すると、第2低圧室(84)と第1高圧室(73)が連通路(64)を介して互いに連通し、第2低圧室(84)から第1高圧室(73)へと冷媒が流入し始める。その後、シャフト(40)の回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなるにつれ、第2低圧室(84)の容積が次第に減少すると同時に第1高圧室(73)の容積が次第に増加し、結果として第2低圧室(84)と第1高圧室(73)との合計容積が次第に増加してゆく。この合計容積の増加は、シャフト(40)の回転角が360°に達する直前まで続く。そして、この合計容積が増加する過程で冷媒が膨張し、この冷媒の膨張によってシャフト(40)が回転駆動される。このように、第2低圧室(84)内の冷媒は、連通路(64)を通って第1高圧室(73)へ膨張しながら流入してゆく。
続いて、第1シリンダ(71)内の第1低圧室(74)から冷媒が流出してゆく過程について説明する。上記第1高圧室(73)への冷媒の流入が完了した状態において、上記シャフト(40)の回転角が再び0°の状態からシャフト(40)が僅かに回転すると、第1低圧室(74)は流出ポート(35)に連通し始める。つまり、第1低圧室(74)から流出ポート(35)へと冷媒が流出し始める。その後、シャフト(40)の回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなってゆき、その回転角が360°に達するまでの間に亘って、第1低圧室(74)から膨張後の低圧冷媒が流出してゆく。
圧縮機構(50)や膨張機構(60)に潤滑油が供給される過程について説明する。ケーシング(31)内の底部には、潤滑油が貯留されている油溜りが形成されている。上記シャフト(40)が回転すると、それに伴い上記潤滑油は、上記二重遠心式の油ポンプ(48)を構成する第1給油ポンプ(17)と第2給油ポンプ(18)とによって吸い込まれる。その後、第1給油ポンプ(17)によって吸い込まれた潤滑油は、管状通路(5)に送り込まれ、上向きに流通して膨張機構(60)へ供給される。この膨張機構(60)へ供給された潤滑油は、大径偏心部(41,42)とピストン(75,85)の摺動面、あるいはフロントヘッド(61)やリアヘッド(62)と主軸部(44)の摺動面の潤滑に利用される。潤滑に利用された潤滑油は、膨張機構(60)のフロントヘッド(61)とシャフト(40)の隙間や、圧縮機構(50)のフロントヘッド(54)とシャフト(40)の隙間などを通って、油溜りに戻ってゆく。一方、第2給油ポンプ(18)によって吸い込まれた潤滑油は、環状通路(6)に送り込まれ、上向きに流通して圧縮機構(50)へ供給される。この圧縮機構(50)へ供給された潤滑油は、下側偏心部(58,59)とピストン(57,57)の摺動面、あるいはフロントヘッド(54)やリアヘッド(55)と主軸部(44)の摺動面の潤滑に利用される。潤滑に利用された潤滑油は、圧縮機構(50)のフロントヘッド(54)とシャフト(40)の隙間などを通って、油溜りに戻ってゆく。
上記膨張機構(60)に供給されなかった余剰の潤滑油は、管状通路(5)の終端部すなわちシャフト(40)の上端から膨張機構(60)の上面へ排出される。膨張機構(60)の上面へ排出された余剰の潤滑油は、膨張機構(60)の側面やシャフト(40)の外周面などを流れ落ち、膨張機構(60)のフロントヘッド(61)とケーシング(31)の隙間や膨張機構(60)のフロントヘッド(61)とシャフト(40)の隙間を通り、さらに圧縮機構(50)のフロントヘッド(54)とケーシング(31)の隙間や圧縮機構(50)のフロントヘッド(54)とシャフト(40)の隙間を通って、油溜りへ戻ってゆく。
圧縮機構(50)に供給されなかった余剰の潤滑油は、圧縮機構(50)の上側から圧縮機構(50)の上面へ排出される。圧縮機構(50)の上面へ排出された余剰の潤滑油は、圧縮機構(50)の側面やシャフト(40)の外周面などを流れ落ち、圧縮機構(50)のフロントヘッド(54)とケーシング(31)の隙間や圧縮機構(50)のフロントヘッド(54)とシャフト(40)の隙間を通って、油溜りへ戻ってゆく。
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態1では、膨張機構(60)用の第1給油通路(25)を構成する管状通路(5)と、圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)を構成する環状通路(6)とがそれぞれ設けられ、ポンプ手段を構成する二重遠心式の油ポンプ(48)が、管状通路(5)に潤滑油を送り込む第1給油ポンプ(17)と、環状通路(6)に潤滑油を送り込む第2給油ポンプ(18)とを備えている。従って、一方への給油量は他方への給油量に影響されることはなく、各々の給油ポンプ(17,18)によって吸い込まれた潤滑油は上記両給油通路(5,6)を流通して確実に上記両機構(50,60)に供給されるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。この結果、上記両機構(50,60)の潤滑を確実に行って焼き付き等のトラブルを未然に防止することができるので、流体機械の信頼性の向上を図ることができる。
また、上記二重遠心式の油ポンプ(48)は、上記シャフト(40)に設けられて、該シャフト(40)の回転により発生する遠心力によって吸い込んだ潤滑油を管状通路(5)と環状通路(6)とに送り込むように構成されているので、ポンプ手段の構成を簡素化することができる。
また、上記両給油通路(5,6)は、1本の二重管路により構成され、シャフト(40)内に形成されているので、流体機械内に給油通路用の管路を別途設ける必要はない。よって、流体機械の構成を簡素化することができる。加えて、潤滑油を必要とする圧縮機構(50)及び膨張機構(60)の各摺動部は、上記両機構(50,60)を連結するシャフト(40)の周囲に存在しているので、最短の給油通路を形成することができる。よって、上記両機構(50,60)に対する潤滑油の供給をより少ないエネルギーで効率的に行うことができる。
《発明の実施形態2》
次に本発明の実施形態2を図面に基づいて説明する。
図5及び図6に示すように、本実施形態2は、上記実施形態1で2つの給油ポンプ(17,18)により構成された二重遠心式の油ポンプ(48)を使用していたのに代えて、2つの吸込口(7,8)を有する容積型のポンプ(49)をポンプ手段として使用している。
具体的に、上記容積型のポンプ(49)は、上記実施形態1の二重遠心式の油ポンプ(48)と同様にシャフト(40)の下端に設けられ、管状通路(5)に送り込む潤滑油を吸い込むための第1吸込口(7)と、環状通路(6)に送り込む潤滑油を吸い込むための第2吸込口(8)とを備えている。
上記容積型のポンプ(49)は、圧縮膨張ユニット(30)の電動機(45)が駆動してシャフト(40)が回転し始めると、第1吸込口(7)と第2吸込口(8)とからケーシング(31)内の底部の油溜りに貯留された潤滑油を吸い込み始める。そして、第1吸込口(7)から吸い込まれた潤滑油は、管状通路(5)に送り込まれ、上向きに流通して膨張機構(60)へ供給される。この膨張機構(60)へ供給された潤滑油は、大径偏心部(41,42)とピストン(75,85)の摺動面、あるいはフロントヘッド(61)やリアヘッド(62)と主軸部(44)の摺動面の潤滑に利用される。一方、第2吸込口(8)から吸い込まれた潤滑油は、環状通路(6)に送り込まれ、上向きに流通して圧縮機構(50)へ供給される。この圧縮機構(50)へ供給された潤滑油は、下側偏心部(58,59)とピストン(57,57)の摺動面、あるいはフロントヘッド(54)やリアヘッド(55)と主軸部(44)の摺動面の潤滑に利用される。
本実施形態2によれば、ポンプ手段を構成する容積型のポンプ(49)は、管状通路(5)に送り込む潤滑油を吸い込むための第1吸込口(7)と、環状通路(6)に送り込む潤滑油を吸い込むための第2吸込口(8)とを備えている。すなわち、膨張機構(60)と圧縮機構(50)へは、それぞれ別々の吸込口(7,8)から吸い込まれた潤滑油が確実に供給される。従って、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になるので、流体機械の信頼性の向上を図ることができる。
《発明の実施形態3》
次に本発明の実施形態3を図面に基づいて説明する。
上記実施形態1又は上記実施形態2では2つの給油通路が共にシャフト(40)内にのみ形成されていたが、本実施形態3では、図7に示すように、シャフト(40)外に設けられた管路(19)が一方の給油通路の構成の一部になっている。また、上記シャフト(40)は、膨張機構(60)に係合する上側シャフト部材(40a)と、圧縮機構(50)に係合する下側シャフト部材(40b)とで構成されている。上記下側シャフト部材(40b)には電動機(45)のロータ(47)が取り付けられている。そして、上記上側シャフト部材(40a)の下端と上記下側シャフト部材(40b)の上端とが連結され、1本の回転軸を構成している。
膨張機構(60)用の第1給油通路(25)は、上記管路(19)と、シャフト(40)内に形成された第1油通路(28)と、該管路(19)と該第1油通路(28)とを接続する接続通路(37)とにより構成されている。上記管路(19)は、ケーシング(31)の内周面に沿うようにケーシング(31)内における略下端から略上端に亘って設けられ、その一端がシャフト(40)の下端に設けられた容積型のポンプ(49)の第1吸込口(7)に接続され、他端が膨張機構(60)のリアヘッド(62)内に形成された上記接続通路(37)に接続されている。上記第1油通路(28)は、シャフト(40)の軸心に沿ってシャフト(40)の上端からフロントヘッド(61)の略中央の高さまで形成され、上記管路(19)と上記接続通路(37)とを介してシャフト(40)の上端から送り込まれた潤滑油が膨張機構(60)の摺動部に供給されるように形成されている。
一方、圧縮機構(50)用の第2給油通路(26)は、シャフト(40)内に形成された第2油通路(29)により構成されている。上記第2油通路(29)は、シャフト(40)の軸心に沿ってシャフト(40)の下端からステータ(46)の下部に亘って形成されている。そして、上記第2油通路(29)は、下端側が容積型のポンプ(49)の第2吸込口(8)に接続され、シャフト(40)の下端から送り込まれた潤滑油を圧縮機構(50)の摺動部に供給する。
上記容積型のポンプ(49)は、圧縮膨張ユニット(30)の電動機(45)が駆動してシャフト(40)が回転し始めると、第1吸込口(7)と第2吸込口(8)とからケーシング(31)内の底部の油溜りに貯留された潤滑油を吸い込み始める。そして、第1吸込口(7)から吸い込まれた潤滑油は、上記管路(19)に送り込まれ、上記接続通路(37)と上記第1油通路(28)とを順次流通して膨張機構(60)へ供給される。この膨張機構(60)へ供給された潤滑油は、大径偏心部(41,42)とピストン(75,85)の摺動面、あるいはフロントヘッド(61)やリアヘッド(62)と主軸部(44)の摺動面の潤滑に利用される。一方、第2吸込口(8)から吸い込まれた潤滑油は、上記第2油通路(29)に送り込まれ、圧縮機構(50)へ供給される。この圧縮機構(50)へ供給された潤滑油は、下側偏心部(58,59)とピストン(57,57)の摺動面、あるいはフロントヘッド(54)やリアヘッド(55)と主軸部(44)の摺動面の潤滑に利用される。
本実施形態3によれば、膨張機構(60)へは上記第1油通路(28)を介して潤滑油が確実に供給され、圧縮機構(50)へは上記第2油通路(29)を介して潤滑油が確実に供給されるので、上記両機構(50,60)に対する給油量を確保することが可能になる。この結果、流体機械の信頼性の向上を図ることができる。
また、給油通路がシャフト(40)の上端から下端に亘って形成されている場合は、連結部(43)においてシールを行う必要があるが、給油通路はシャフト(40)の上部と下部とに別々に形成されているので、シールを行う必要がない。
《発明の実施形態4》
次に本発明の実施形態4を図面に基づいて説明する。
上記実施形態3ではポンプ手段が2つの吸込口(7,8)を有する1つの容積型のポンプ(49)によって構成されていたが、本実施形態4では、図8に示すように、ポンプ手段が2つの個別のポンプ(38,39)によって構成されている。
具体的には、上記ポンプ手段は、シャフト(40)の上端すなわち膨張機構(60)の上面に設けられた容積型のポンプ(38)と、シャフト(40)の下端に設けられた遠心式のポンプ(39)とより構成されている。上記容積型のポンプ(38)は、吸込口(7)が管路(19)を介して設けられ、吸込口(7)から吸い込んだ潤滑油を上記第1油通路(28)に送り込むように構成されている。一方、上記遠心式のポンプ(39)は、吸込口(8)から吸い込んだ潤滑油を上記第2油通路(29)に送り込むように構成されている。
空調機を示す配管系統図である。 実施形態1に係る圧縮膨張ユニットを示す縦断面図である。 実施形態1に係る圧縮膨張ユニットの要部を拡大した縦断面図である。 実施形態1に係る回転軸の回転角90°毎の膨張機構の状態を示す横断面図である。 実施形態2に係る圧縮膨張ユニットを示す縦断面図である。 実施形態2に係る圧縮膨張ユニットの要部を拡大した縦断面図である。 実施形態3に係る圧縮膨張ユニットを示す縦断面図である。 実施形態4に係る圧縮膨張ユニットを示す縦断面図である。
符号の説明
5 管状通路
6 環状通路
17 第1給油ポンプ
18 第2給油ポンプ
25 第1給油通路
26 第2給油通路
30 圧縮膨張ユニット
31 ケーシング
40 シャフト(回転軸)
45 電動機
48 二重遠心式のポンプ
49 容積型のポンプ
50 圧縮機構(ロータリ式膨張機)
60 膨張機構(ロータリ式膨張機)

Claims (9)

  1. 流体の膨張により動力を発生させる膨張機構(60)、流体を圧縮する圧縮機構(50)、該膨張機構(60)と該圧縮機構(50)とを連結する回転軸(40)、及び該膨張機構(60)と該圧縮機構(50)と該回転軸(40)とを収納するケーシング(31)を備える流体機械であって、
    潤滑油を上記膨張機構(60)に供給するための第1給油通路(25)と、
    潤滑油を上記圧縮機構(50)に供給するための第2給油通路(26)と、
    上記ケーシング(31)内に貯留された潤滑油を上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)に送り込むポンプ手段とを備えていることを特徴とする流体機械。
  2. 請求項1に記載の流体機械において、
    上記ポンプ手段は、潤滑油を上記第1給油通路(25)に送り込む第1給油ポンプ(17)と、潤滑油を上記第2給油通路(26)に送り込む第2給油ポンプ(18)とで構成されていることを特徴とする流体機械。
  3. 請求項1に記載の流体機械において、
    上記ポンプ手段は、上記第1給油通路(25)に送り込む潤滑油を吸い込むための第1吸込口(7)と、上記第2給油通路(26)に送り込む潤滑油を吸い込むための第2吸込口(8)とを備えた1つの給油ポンプで構成されていることを特徴とする流体機械。
  4. 請求項2に記載の流体機械において、
    上記ポンプ手段は、上記回転軸(40)に設けられて、該回転軸(40)の回転に伴って吸い込んだ潤滑油を上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)に送り込むように構成されていることを特徴とする流体機械。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の流体機械において、
    上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)は、共に上記回転軸(40)内に形成されていることを特徴とする流体機械。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の流体機械において、
    上記第1給油通路(25)及び上記第2給油通路(26)は、その一方が上記回転軸(40)の軸心方向に延びる管状の管状通路(5)により構成され、他方が該管状通路(5)の周囲に形成されて上記回転軸(40)の軸心方向に延びる環状通路(6)により構成されていることを特徴とする流体機械。
  7. 請求項6に記載の流体機械において、
    上記第1給油通路(25)は上記管状通路(5)により構成され、
    上記第2給油通路(26)は上記環状通路(6)により構成されていることを特徴とする流体機械。
  8. 請求項1から3のいずれか1つに記載の流体機械において、
    上記回転軸(40)は、一方の端部が膨張機構(60)に、他方の端部が圧縮機構(50)に各々係合し、
    回転軸(40)の各端部には、該回転軸(40)の軸心方向に延びる油通路(28,29)が1つずつ形成されており、
    回転軸(40)の一方の端部に形成された油通路(28)が第1給油通路(25)の少なくとも一部を構成し、
    回転軸(40)の他方の端部に形成された油通路(29)が第2給油通路(26)の少なくとも一部を構成していることを特徴とする流体機械。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の流体機械において、
    上記回転軸(40)は、その軸心が上下方向となる姿勢で配置され、
    上記膨張機構(60)は、上記圧縮機構(50)より上方に配置されていることを特徴とする流体機械。
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