JP2008190348A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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Hirofumi Azuma
洋文 東
Kazuhiro Kosho
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Abstract

【課題】バイパス通路の流入端が偏心軸部に干渉することなく、バイパス通路の流入端の開口面積を充分確保できるようにする。
【解決手段】バイパス通路(66)のバイパス孔(62)を、低段側シリンダ室(42a)を閉塞するリアヘッド(45)に形成する。低段側ピストン(47a)の外周面は、バイパス孔(62)側に延びた楕円状に形成される。低段側シリンダ(41a)の内周面は、低段側ピストン(47a)の外周面の包絡線に基づいて形成され、低段側シリンダ室(42a)はバイパス孔(62)側が拡がった形状となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、シリンダ室内の冷媒の一部をバイパス通路を介して圧縮機構の吸入側へ戻すことが可能な圧縮機構を備える回転式圧縮機に関するものである。
従来より、シリンダ室内をピストンが公転することで、冷媒を圧縮させる回転式圧縮機が知られている。
この種の回転式圧縮機として、特許文献1にはシリンダ室と圧縮機構の吸入側とを連通させるバイパス通路を備えた圧縮機が開示されている。この圧縮機は、円形状のシリンダ室を有するシリンダと、シリンダ室内を公転する円筒状のピストンとを備えている。ピストンには、駆動軸から所定量偏心した偏心軸部が内嵌している。そして、駆動軸が回転すると、偏心軸部に駆動されるようにピストンがシリンダ室内を公転する。その結果、シリンダ室では、ピストンとシリンダとの間に形成される圧縮室の容積が変化し、圧縮室内で冷媒が圧縮される。
また、上記バイパス通路は、流入端がシリンダの内周面に形成されて圧縮室に開口し、流出端が圧縮機構の吸入配管と繋がっている。また、バイパス通路は、開閉弁によって開閉自在となっている。開閉弁が閉じた状態でピストンがシリンダ室内を公転すると、吸入口より圧縮室内に吸入された冷媒が圧縮され、その冷媒の全量が吐出口から吐出される。一方、開閉弁を開放した状態でピストンがシリンダ室内を公転すると、吸入口より圧縮室内に吸入された冷媒は、一部がバイパス通路を介して圧縮機構の吸入側へ戻される一方、残りの冷媒だけが圧縮されて吐出口から吐出される。
以上のように、この回転式圧縮機では、開閉弁を開閉動作に伴い、冷媒の閉じ込み容積(実質的な吸入容積)を変更することで、圧縮機構の容量を可変としている。
特開昭59−12264号公報
ところで、上述したようなバイパス通路を備えた回転式圧縮機では、シリンダ室に臨むバイパス通路の流入端の開口面積をできるだけ大きくすることが好ましい。なぜなら、上記バイパス通路の開口面積が比較的小さい場合には、シリンダ室内の冷媒の一部が開放状態のバイパス通路へ速やかに流入しないからである。つまり、バイパス通路の開口面積が小さ過ぎると、バイパス通路へ送られる冷媒の排出流量が制限されてしまうので、排出されなかった冷媒は圧縮室で圧縮されることになる。その結果、バイパス通路を開放したにも拘わらず冷媒の吸入容積がほとんど減少しないので、開閉弁の開閉に伴って変化する吸入容積の変化幅は小さくなってしまう。従って、この圧縮機構でバイパス通路の開閉弁を開閉しても、所望の制御幅で圧縮機構の容量を変化させることができないという問題が生じる。
一方、バイパス通路の流入端の開口面積を充分確保するために、この流入端をシリンダ室の側方端を閉塞する閉塞部材(フロントヘッド等)に形成することが考えられる。これにより、特許文献1のようにシリンダの内周面にバイパス通路の流入端を形成する場合と比較して、流入端を形成するスペースを確保し易くなる。しかしながら、このようにして閉塞部材にバイパス通路の流入端を形成し、この流入端の開口面積をシリンダ室の中心側に拡張し過ぎると、この流入端がピストンを回転させるための偏心軸部と干渉してしまう。特に、バイパス通路の流入端を偏心軸部に跨るように形成すると、偏心軸部の外周面とピストンの内周面との間の潤滑油が、上記バイパス通路を通じて圧縮機構の吸入側へ戻されてしまうことがある。この潤滑油は、一般的には高温高圧の状態であるため、このような潤滑油が圧縮機構の吸入側へ戻されると、圧縮機構の吸入冷媒が加熱され、この圧縮機構の容積効率が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、斯かる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、バイパス通路の流入端が偏心軸部に干渉することなく、バイパス通路の流入端の開口面積を充分確保できるようにすることである。
第1の発明は、両端が閉塞部材(44,45,46)に閉塞されるシリンダ室(42a,42b)を有するシリンダ(41a,41b)と、該シリンダ室(42a,42b)に配置される筒状のピストン(47a,47b)と、該ピストン(47a,47b)に内嵌して回転軸(X)から偏心して偏心回転する偏心軸部(35,36)と、上記偏心軸部(35,36)に駆動されるピストン(47a,47b)の自転を制限するための自転制限機構(38,39)とを有し、上記ピストン(47a,47b)が上記シリンダ(41a,41b)の内周面に沿うように公転することでシリンダ室(42a,42b)内で冷媒が圧縮される圧縮機構(41a,41b)を備えた回転式圧縮機を前提としている。そして、この回転式圧縮機は、流入端(62)が偏心軸部(35,36)の径方向外側でシリンダ室(42a,42b)に開口するように上記閉塞部材(44,45,46)に形成され、流出端が上記圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がるバイパス通路(66)と、上記バイパス通路(66)を開閉する開閉機構(13,29,64,65)とを備え、上記ピストン(47a,47b)の外周面は、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出した非円形状に形成されていることを特徴とするものである。
第1の発明の圧縮機構(40a,40b)では、偏心軸部(35,36)が偏心回転することに伴い、ピストン(47a,47b)がシリンダ(41a,41b)の内周面に沿って公転する。その結果、シリンダ室(42a,42b)内の容積が拡縮し、冷媒が圧縮される。
また、本発明の回転式圧縮機には、バイパス通路(66)が設けられる。バイパス通路(66)は、その流入端(62)がシリンダ室(42a,42b)に開口し、その流出端が圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がっている。開閉機構(13,29,64,65)がバイパス通路(66)を閉じた状態では、シリンダ室(42a,42b)に吸入された冷媒の全量が、ピストン(47a,47b)の公転に伴い圧縮される。一方、開閉機構(13,29,64,65)がバイパス通路(66)を開放させる状態では、シリンダ室(42a,42b)内の冷媒の一部がバイパス通路(66)へ送り込まれ、圧縮機構(40a,40b)の吸入側へ戻される。一方、残りの冷媒は上述の如くシリンダ室(42a,42b)で圧縮される。以上のように、本発明の圧縮機構(40a,40b)では、開閉機構(13,29,64,65)によるバイパス通路(66)の開閉動作に応じて、シリンダ室(42a,42b)の閉じ込み容積(実質的な吸入容積)が可変となっている。
本発明においては、バイパス通路(66)の流入端(62)が、シリンダ室(42a,42b)を閉塞するための閉塞部材(44,45,46)に形成される。つまり、本発明のバイパス通路(66)は、上述した特許文献1と異なり、シリンダ室(42a,42b)の側端側に形成される。また、バイパス孔(62)は、偏心軸部(35,36)の外周面の外側に位置しているので、バイパス孔(62)と偏心軸部(35,36)が干渉してしまうことない。更に、圧縮機構(40a,40b)では、ピストン(47a,47b)の外周面、即ちピストン(47a,47b)を軸方向から見た外形が、バイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出した非円形状をしている。換言すると、シリンダ室(42a,42b)は、ピストン(47a,47b)の外周面の軌跡に対応するようにバイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出した形状となっている。このため、例えばピストンが円形に形成されている場合と比較して、バイパス通路(66)の流入端(62)を形成するためのスペースが拡大されるので、この流入端(62)の開口面積を拡げ易くなる。
第2の発明は、第1の発明の回転式圧縮機において、上記ピストン(47a,47b)の外周面は、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側に延びた楕円状に形成されていることを特徴とするものである。
第2の発明のピストン(47a,47b)の外周面は、バイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出するような楕円状に形成されている。一方、シリンダ室(42a,42b)は、バイパス通路(66)の流入端(62)側が拡大するような楕円状に形成される。このため、バイパス通路(66)の流入端(62)を形成するためのスペースが拡大されるので、この流入端(62)の開口面積を拡げ易くなる。
第3の発明は、第1の発明の回転式圧縮機において、上記ピストン(47a,47b)の外周面には、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側に突出する突起部(71b)が形成されていることを特徴とするものである。
第3の発明のピストン(47a,47b)の外周面には、バイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出するように突出する突起部(71b)が形成されている。一方、シリンダ室(42a,42b)は、この突起部(71b)に対応するようにバイパス通路(66)の流入端(62)側が拡大している。このため、バイパス通路(66)の流入端(62)を形成するためのスペースが拡大されるので、この流入端(62)の開口面積を拡げ易くなる。
第4の発明は、両端が閉塞部材(44,45,46)に閉塞されるシリンダ室(42a,42b)を有するシリンダ(41a,41b)と、該シリンダ室(42a,42b)に配置される筒状のピストン(47a,47b)と、該ピストン(47a,47b)に内嵌して回転軸(X)から偏心して偏心回転する偏心軸部(35,36)と、上記偏心軸部(35,36)に駆動されるピストン(47a,47b)の自転を制限するための自転制限機構(38,39)とを有し、上記ピストン(47a,47b)が上記シリンダ(41a,41b)の内周面に沿うように公転することでシリンダ室(42a,42b)内で冷媒が圧縮される圧縮機構(41a,41b)を備えた回転式圧縮機を前提としている。そして、この回転式圧縮機は、流入端(62)が偏心軸部(35,36)の径方向外側でシリンダ室(42a,42b)に開口するように上記閉塞部材(44,45,46)に形成され、流出端が上記圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がるバイパス通路(66)と、上記バイパス通路(66)を開閉する開閉機構(13,29,64,65)とを備え、上記ピストン(47a,47b)の外周面は、円形状に形成され、上記偏心軸部(35,36)は、その軸心(Y)が上記ピストン(47a,47b)の外周面の軸心(P)と一致している場合に比べて、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側におけるピストン(47a,47b)の厚さが大きくなるように、上記軸心(P)に対して所定の方向へ偏心していることを特徴とするものである。
第4の発明の圧縮機構(41a,41b)では、ピストン(47a,47b)の外周面が円形状に形成される。一方、本発明では、ピストン(47a,47b)の外周面の軸心(P)に対して偏心軸部(35,36)が所定方向に偏心している。具体的には、本発明の偏心軸部(35,36)は、その軸心(Y)とピストン(47a,47b)の軸心(P)とが一致するものと比較して、ピストン(47a,47b)におけるバイパス通路(66)の流入端(62)側の厚さが大きくなるように、軸心(P)に対して偏心している。このため、本発明の圧縮機構(40a,40b)では、バイパス通路(66)の流入端(62)側において、偏心軸部(35,36)からシリンダ(41a,41b)の内周面までの間隔が拡がることになる。従って、バイパス通路(66)の流入端(62)を形成するためのスペースが拡大されるので、この流入端(62)の開口面積を拡げ易くなる。
第5の発明は、第4の発明の回転式圧縮機において、上記偏心軸部(35,36)は、その軸心(Y)が上記軸心(P)に対して上記バイパス通路(66)の流入端(62)と逆側の方向へ偏心していることを特徴とするものである。
第5の発明では、ピストン(47a,47b)の外周面の軸心(P)に対して、偏心軸部(35,36)がバイパス通路(66)の流入端(62)と反対側へ偏心している。このため、本発明の圧縮機構(40a,40b)では、バイパス通路(66)の流入端(62)側において、偏心軸部(35,36)からシリンダ(41a,41b)の内周面までの間隔が最大限拡がることになる。従って、バイパス通路(66)の流入端(62)を形成するためのスペースが拡大されるので、この流入端(62)の開口面積を拡げ易くなる。
第1の発明では、ピストン(47a,47b)の外周面をバイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出した非円形状としている。このため、本発明によれば、閉塞部材(44,45,46)においてバイパス通路(66)の流入端(62)側の開口スペースを充分確保できる。その結果、バイパス通路(66)の流入端(62)が偏心軸部(35,36)に干渉することなく、この流入端(62)の開口面積の拡大化を図ることができる。従って、バイパス通路(66)を開放させた状態でピストン(47a,47b)を公転させると、シリンダ室(42a,42b)内の冷媒の一部を速やかにバイパス通路(66)へ送ることができ、冷媒を所望の排気流量で圧縮機構(40a,40b)の吸入側へ戻すことができる。その結果、本発明の圧縮機構(40a,40b)では、バイパス通路(66)の開閉動作に伴う容量の制御幅を拡大することができる。
また、上記第2の発明によれば、ピストン(47a,47b)の外周面をバイパス通路(66)の流入端(62)側に延びる楕円状としているので、閉塞部材(44,45,46)においてバイパス通路(66)の流入端(62)の開口スペースを充分確保でき、バイパス通路(66)の流入端(62)の開口面積を拡大することができる。
また、上記第3の発明によれば、ピストン(47a,47b)の外周面の一部にバイパス通路(66)の流入端(62)側に突出する突起部(71b)を形成したので、閉塞部材(44,45,46)においてバイパス通路(66)の流入端(62)の開口スペースを充分確保でき、バイパス通路(66)の流入端(62)の開口面積を拡大することができる。
第4の発明では、偏心軸部(35,36)の軸心(Y)をピストン(47a,47b)の軸心(P)に対して所定方向に偏心させ、バイパス通路(66)の流入端(62)側のピストン(47a,47b)の厚さを大きくするようにしている。このため、本発明によれば、バイパス通路(66)の流入端(62)が偏心軸部(35,36)に干渉することなく、この流入端(62)の開口面積の拡大化を図ることができる。また、本発明では、ピストン(47a,47b)の外周面形状が円形となるので、ピストン(47a,47b)の加工が容易となる。
特に、第5の発明では、偏心軸部(35,36)の軸心(Y)をピストン(47a,47b)の軸心(P)に対してバイパス通路(66)の流入端(62)と逆側に偏心させている。このため、本発明によれば、偏心軸部(35,36)の外周面からシリンダ(41a,41b)の内周面までの距離が最大限に拡がるので、バイパス通路(66)の流入端(62)の開口面積を更に拡大することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る回転式圧縮機(20)は、室内の冷房や暖房を行う空気調和装置(10)に適用されている。
〈空気調和装置の全体構成〉
図1に示すように、空気調和装置(10)は、冷媒が循環することで冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備えている。冷媒回路(11)には、上記回転式圧縮機(20)、室外熱交換器(14)、室内熱交換器(15)、第1膨張弁(16)、第2膨張弁(17)、四方切換弁(12)、三方切換弁(13)、気液分離器(18)、及びアキュームレータ(19)が接続されている。
回転式圧縮機(20)の吐出側は、吐出管(23)を介して四方切換弁(12)の第1ポート(P1)に接続されている。また、回転式圧縮機(20)の吸入側は、吸入管(22)を介してアキュームレータ(19)の底部に接続されている。また、アキュームレータ(19)の頂部は、四方切換弁(12)の第4ポート(P4)に接続されている。また、室外熱交換器(14)は、その一端が四方切換弁(12)の第2ポート(P2)に、その他端が第2膨張弁(17)を介して気液分離器(18)の底部に接続されている。一方、室内熱交換器(15)は、その一端が四方切換弁(12)の第3ポート(P3)に、その他端が第1膨張弁(16)を介して気液分離器(18)の底部に接続されている。
四方切換弁(12)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。
また、冷媒回路(11)には、インジェクション管(24)が設けられている。インジェクション管(24)は、その一端が気液分離器(18)の頂部に接続され、その他端が回転式圧縮機(20)に接続されている。このインジェクション管(24)には、開閉自在な電磁弁(31)が設けられている。電磁弁(31)を開状態にすると、気液分離器(18)内の中間圧冷媒がインジェクション管(24)によって回転式圧縮機(20)に導入される。
また、冷媒回路(11)には、バイパス管(28)と導入管(29)が設けられている。バイパス管(28)は、その一端が回転式圧縮機(20)に接続され、その他端が吸入管(22)に接続されている。一方、導入管(29)には、三方切換弁(13)が設けられている。三方切換弁(13)は、その一端が回転式圧縮機(20)に接続され、その他端が三方切換弁(13)を介して吐出管(23)と吸入管(22)とに接続されている。三方切換弁(13)は、導入管(29)と回転式圧縮機(20)の吐出管(23)とを連通する状態(図1に実線で示す状態)と、導入管(29)と回転式圧縮機(20)の吸入管(22)とを連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。
〈回転式圧縮機の構成〉
次に、本発明に係る回転式圧縮機の構成について説明する。
図2に示すように、回転式圧縮機(20)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(21)を備えている。ケーシング(21)の上部には、上記吐出管(23)が貫通して接続されている。ケーシング(21)の胴部には、上記吸入管(22)、バイパス管(28)、及び導入管(29)が貫通して接続されている。ケーシング(21)の内部には、その上側寄りに電動機(25)が配置され、その下側寄りに圧縮機構(40)が配置されている。また、ケーシング(21)の内部は、圧縮機構(40)から吐出された冷媒で満たされている。つまり、この回転式圧縮機(20)は、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機で構成されている。
上記電動機(25)は、ステータ(26)とロータ(27)とで構成されている。ステータ(26)は、ケーシング(21)の内周面に固定されている。ロータ(27)は、ステータ(26)の内側に配置されている。ロータ(27)の中央部には、上下方向に延びる駆動軸(33)の主軸部(34)が連結されている。
駆動軸(33)は、電動機(25)が通電されることで、所定の回転軸(X)を軸心として回転駆動される。駆動軸(33)には、下側から順に第1偏心軸部(35)と第2偏心軸部(36)とが形成されている。第1偏心軸部(35)及び第2偏心軸部(36)は、主軸部(34)よりも大径で、且つ主軸部(34)の回転軸(X)に対して偏心して形成されている。第1偏心軸部(35)と第2偏心軸部(36)とでは、回転軸(X)に対する偏心方向が逆になっている。また、第1偏心軸部(35)の高さは、第2偏心軸部(36)よりも高くなっている。
上記ケーシング(21)内の底部には、潤滑油の油溜め部が形成されている。この油溜め部には、駆動軸(33)の下端部が浸積されている。駆動軸(33)の下端部には、遠心式の油ポンプ(33a)が設けられている。駆動軸(33)が回転すると、油溜め部の潤滑油は、油ポンプ(33a)によって上方に汲み上げられる。この潤滑油は、駆動軸(33)に形成される油通路(53)を介して、詳細は後述する圧縮機構(40)の各摺動部等へ供給される。
上記圧縮機構(40)は、低段側圧縮機構(40a)と高段側圧縮機構(40b)とによって構成されている。つまり、この回転式圧縮機は、2つの圧縮機構を備え、冷媒を2段階に圧縮する、いわゆる二段圧縮型の圧縮機で構成されている。
圧縮機構(40)では、上方から順に、フロントヘッド(44)、高段側シリンダ(41b)、ミドルプレート(46)、低段側シリンダ(41a)、及びリアヘッド(45)が配設されている。フロントヘッド(44)、ミドルプレート(46)、及びリアヘッド(45)には、上記駆動軸(33)が貫通している。また、フロントヘッド(44)及びリアヘッド(45)は、ケーシング(21)の内壁に固定されており、駆動軸(33)を回転自在に支持している。フロントヘッド(44)、ミドルプレート(46)、及びリアヘッド(45)は、それぞれ閉塞部材を構成している。
低段側シリンダ(41a)及び高段側シリンダ(41b)は、筒状に形成されている。低段側シリンダ(41a)の内部には低段側シリンダ室(42a)が、高段側シリンダ(41b)の内部には高段側シリンダ室(42b)がそれぞれ形成されている。つまり、低段側シリンダ室(42a)は、その下側の開放端がリアヘッド(45)に閉塞され、その上側の開放端がミドルプレート(46)に閉塞されている。そして、リアヘッド(45)、ミドルプレート(46)、及び低段側シリンダ(41a)の間に、上記低段側シリンダ室(42a)が形成されている。一方、高段側シリンダ室(42b)は、その下側の開放端がミドルプレート(46)に閉塞され、その上側の開放面がフロントヘッド(44)に閉塞されている。そして、フロントヘッド(44)、ミドルプレート(46)、及び高段側シリンダ(41b)の間に、上記高段側シリンダ室(42b)が形成されている。
また、低段側シリンダ室(42a)には、筒状の低段側ピストン(47a)が設けられている。低段側ピストン(47a)には、上記第1偏心軸部(35)が内嵌している。一方、高段側シリンダ室(42b)には、筒状の高段側ピストン(47b)が設けられている。高段側ピストン(47b)には、上記第2偏心軸部(36)が内嵌している。第1偏心軸部(35)と低段側ピストン(47a)との摺動面や、第2偏心軸部(36)と高段側ピストン(47b)との摺動面には、上述した油通路(53)を流れる高温高圧の潤滑油が供給されている。以上のようにして、この圧縮機構(40)では、リアヘッド(45)からミドルプレート(46)に亘って低段側圧縮機構(40a)が設けられ、ミドルプレート(46)からフロントヘッド(44)に亘って高段側圧縮機構(40b)が設けられている。
低段側圧縮機構(40a)及び高段側圧縮機構(40b)は、各ピストン(47a,47b)が各シリンダ室(41a,41b)をそれぞれ揺動するように公転する、いわゆる揺動ピストン型のロータリ圧縮機構で構成されている。低段側圧縮機構(40a)と高段側圧縮機構(40b)とは、基本的な構成は同様となっている。一方、低段側圧縮機構(40a)の低段側シリンダ室(42a)の容積は、高段側圧縮機構(40b)の高段側シリンダ室(42b)の容積よりも大きくなっている。
図3に示すように、低段側圧縮機構(40a)には、ブレード(38)と一対のブッシュ(39,39)が設けられている。上記ブレード(38)は、低段側ピストン(47a)と一体に形成されている。ブレード(38)は、低段側ピストン(47a)の外周面から径方向外側に伸長している。このブレード(38)は、低段側シリンダ室(42a)を低圧側の低圧室(42a-Lp)と高圧側の高圧室(42a-Hp)とに区画する(図5参照)。一対のブッシュ(39,39)は、低段側シリンダ(41a)に形成されるブッシュ孔(56)に嵌合している。各ブッシュ(39,39)は、それぞれ略半円柱状に形成されている。両ブッシュ(39,39)は、その平坦な面同士が互いに向かい合っている。そして、両ブッシュ(39,39)は、その平坦面の間で上記ブレード(38)を進退自在に保持している。また、各ブッシュ(39,39)は、その円弧状の外周面がブッシュ孔(56)の内周面と摺接している。そして、各ブッシュ(39,39)は、ブッシュ孔(56)の軸心を支点としてブッシュ孔(56)に揺動自在に保持されている。以上のような構成のブレード(38)及びブッシュ(39)は、低段側ピストン(47a)の自転を規制するための自転制限機構を構成している。
低段側圧縮機構(40a)には、低段側吸入通路(48a)及び低段側吐出通路(49a)が形成されている。低段側吸入通路(48a)は、低段側シリンダ(41a)に形成されている。低段側吸入通路(48a)の流入端には、上記吸入管(22)が接続されている。低段側吸入通路(48a)の流出端は、低段側シリンダ室(42a)の低圧室(42a-Lp)に開口している。つまり、低段側吸入通路(48a)の流出端は、低段側シリンダ室(42a)の吸入口を構成している。低段側吸入通路(48a)からは、低段側シリンダ室(42a)へ低圧のガス冷媒が供給される。上記低段側吐出通路(49a)は、ミドルプレート(46)に形成されている。低段側吐出通路(49a)の流入端は、低段側シリンダ室(42a)の高圧室(42a-Hp)に開口している。つまり、低段側吐出通路(49a)の流入端は、低段側シリンダ室(42a)の吐出口を構成している。また、低段側吐出通路(49a)の流出端には、ミドルプレート(46)の内部に形成された中間圧空間(50)に開口している(図2参照)。更に、低段側吐出通路(49a)の流出開口部には、図示しない吐出弁が設けられている。中間圧空間(50)は、低段側圧縮機構(40a)からの吐出冷媒で満たされており、中間圧雰囲気となっている。中間圧空間(50)は、上記インジェクション管(24)と連通している。
高段側圧縮機構(40b)には、上記低段側圧縮機構(40a)と同様にして、ブレード及びブッシュが設けられている(図示省略)。また、高段側圧縮機構(40b)には、高段側吸入通路(48b)と高段側吐出通路(49b)が形成されている。高段側吸入通路(48b)の流入端は、上記中間圧空間(50)と連通している。高段側吸入通路(48b)の流出端は、高段側シリンダ室(42b)の低圧室に開口している。上記高段側吐出通路(49b)は、フロントヘッド(44)に形成されている。高段側吐出通路(49b)の流入端は、高段側シリンダ室(42b)の高圧室に開口している。高段側吐出通路(49b)の流出端は、ケーシング(21)の内部に開口している。また、高段側吐出通路(49b)の流出開口部には、図示しない吐出弁が設けられている。更に、フロントヘッド(44)の上部には、高段側吐出通路(49b)の流出開口部近傍の騒音を低減するためのマフラ(58)が設けられている。
図4(A)及び図4(B)に示すように、上述した低段側圧縮機構(40a)には、弁体収容孔(61)、バイパス孔(62)、蓋部材(63)が設けられている。弁体収容孔(61)は、リアヘッド(45)の下端から上端近傍に亘って形成されている。弁体収容孔(61)は、円柱状に形成されている。弁体収容孔(61)の下端側の開口は、上記蓋部材(63)によって封止されている。上記バイパス孔(62)は、その下端が弁体収容孔(61)と接続し、その上端が低段側シリンダ室(42a)に開口している。バイパス孔(62)は、弁体収容孔(61)と同軸の円柱状に形成されている。また、バイパス孔(62)は、弁体収容孔(61)よりも小径となっている。
上記弁体収容孔(61)内には、弁体(64)及びバネ部材(65)が収容されている。弁体(64)は、上側から下側に向かって2段階に外径が拡大するような円柱状に形成されている。つまり、弁体(64)は、上段側の小径部(64a)と中段側の中径部(64b)と下段側の大径部(64c)とを有している。これら小径部(64a)、中径部(64b)、及び大径部(64c)は同軸となっている。
弁体(64)の大径部(64c)は、その外径が弁体収容孔(61)の内径とほぼ同じである。つまり、弁体(64)の大径部(64c)は、弁体収容孔(61)の内周面に摺接している。そして、弁体収容孔(61)は、弁体(64)の大径部(64c)によって、その上側の上部空間(61a)とその下側の下部空間(61b)とに区画されている。
弁体(64)の小径部(64a)は、その外径がバイパス孔(62)の内径とほぼ同じである。つまり、弁体(64)の小径部(64a)は、バイパス孔(62)に係合してバイパス孔(62)を封止可能に構成されている。また、小径部(64a)の先端は、平坦であり且つリアヘッド(45)の上面と平行となるよう形成されている。また、小径部(64a)の高さは、バイパス孔(62)の深さと一致するか、あるいはバイパス孔(62)の深さよりも短くなっている。
弁体(64)の中径部(64b)は、その外径が弁体収容孔(61)の内径よりも小さくなっている。つまり、弁体(64)の中径部(64b)と弁体収容孔(61)の内周面との間には、筒状の隙間が形成されている。この隙間には、中径部(64b)の周囲を覆うようにして上記バネ部材(65)が設けられている。このバネ部材(65)は、上部空間(61a)において、一端が大径部(64c)と当接し、他端が弁体収容孔(61)の天井面と当接するように配置されている。バネ部材(65)が自然長となる状態においては、小径部(64a)がバイパス孔(62)から抜ける位置まで弁体(64)が押し下げられる。
弁体収容孔(61)では、その上部空間(61a)に上記バイパス管(28)が接続されている。つまり、低段側シリンダ室(42a)は、バイパス孔(62)及び上部空間(61a)を介してバイパス管(28)と連通している。これらバイパス孔(62)、上部空間(61a)、及びバイパス管(28)がバイパス通路(66)を構成している。一方、下部空間(61b)には、上記導入管(29)が接続している。下部空間(61b)には、上記三方切換弁(13)の設定に応じて、低圧冷媒又は高圧冷媒が導入管(29)より送られる。即ち、下部空間(61b)は、三方切換弁(13)の切換えに応じて、低圧雰囲気と高圧雰囲気とのいずれかの雰囲気となる。
具体的には、三方切換弁(13)を図1に実線で示す状態に設定すると、吐出管(23)を流通する高圧冷媒が導入管(29)を介して下部空間(61b)に導入される。すると、高圧冷媒がバネ部材(65)の付勢力に抗して弁体(64)を上方に移動させる。その結果、図4(A)に示すように、弁体(64)の小径部(64a)がバイパス孔(62)に係合し、バイパス通路(66)が閉じた状態になる。また、三方切換弁(13)を図1に破線で示す状態に設定すると、吸入管(22)を流通する低圧冷媒が導入管(29)を介して下部空間(61b)に導入される。すると、弁体(64)は、バネ部材(65)の付勢力によって下側に移動する。その結果、図4(B)に示すように、弁体(64)の小径部(64a)がバイパス孔(62)から引き出され、バイパス通路(66)が開いた状態になる。以上のように、三方切換弁(13)、導入管(29)、弁体(64)、及びバネ部材(65)が、バイパス通路(66)を開閉する開閉機構を構成している。
図3に示すように、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)は、駆動軸(33)の回転軸(X)とブッシュ孔(56)の軸心を結ぶ直線Lを基準線とした場合に、この基準線Lから回転軸(X)を中心として図3の時計回りに約90度を成す直線上に位置している。このバイパス孔(62)は、その径方向外側寄りの一部がリアヘッド(45)に跨るように配置されている。また、バイパス孔(62)は、上記第1偏心軸部(35)よりも径方向外側に位置している。つまり、バイパス孔(62)は、回転軸(X)を中心に偏心回転する第1偏心軸部(35)の外周面の軌跡よりも径方向外側に位置している。従って、低段側圧縮機構(40a)では、バイパス孔(62)と第1偏心軸部(35)とが軸方向において重複することがない。
また、低段側圧縮機構(40a)では、リアヘッド(45)に形成されるバイパス孔(62)の開口面積を拡大させるべく、低段側ピストン(47a)及び低段側シリンダ室(42a)が、バイパス孔(62)側に膨出した非円形状をしている。具体的には、低段側ピストン(47a)の外周面は、バイパス孔(62)側、つまり図3の直線Lを基準として約90度を成す方向に延びた略楕円状に形成されている。一方、低段側シリンダ(41a)の内周面形状は、偏心回転時の低段側ピストン(47a)の包絡線に基づいて形成されている。つまり、低段側シリンダ(41a)の内周面は、偏心回転時の低段側ピストン(47a)の外周面の軌跡と一致するような形状をしている。従って、低段側シリンダ室(42a)は、上記低段側ピストン(47a)と同様に、バイパス孔(62)側に膨出した楕円形状となっている。低段側圧縮機構(40a)では、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ室(42a)の内周面に沿うように公転する。つまり、低段側圧縮機構(40a)では、低段側ピストン(47a)の外周面と低段側シリンダ室(42a)の内周面とが当接しながら、低段側ピストン(47a)が回転軸(X)に対して偏心回転する。このため、低段側シリンダ室(42a)では、高圧室(42a-Hp)の冷媒が低圧室(42a-Lp)側へ漏れてしまうことが、この当接部により制限されている。
−空気調和装置の運転動作−
本実施形態に係る空気調和装置(10)の運転動作について説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とが可能に構成されている。
〈冷房運転〉
冷房運転時には、四方切換弁(12)が図1に実線で示す状態に設定される。この状態で回転式圧縮機(20)の電動機(25)に通電すると、回転式圧縮機(20)の運転が開始し、冷媒回路(11)で冷媒が循環して蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
回転式圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、吐出管(23)から吐出されて四方切換弁(12)を通り、室外熱交換器(14)へ送られて室外空気へ放熱する。室外熱交換器(14)で放熱した高圧冷媒は、第2膨張弁(17)で減圧されて中間圧冷媒となり気液分離器(18)に流入する。気液分離器(18)に流入した中間圧冷媒は、中間圧ガス冷媒と中間圧液冷媒とに分離される。そのうち気液分離器(18)の底部から流出した中間圧液冷媒は、第1膨張弁(16)で減圧されて低圧液冷媒となり室内熱交換器(15)へ流入する。室内熱交換器(15)では、流入した冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、室内空気が冷却される。室内熱交換器(15)から流出した低圧冷媒は、四方切換弁(12)とアキュームレータ(19)を順に通過して回転式圧縮機(20)へ吸入される。回転式圧縮機(20)に吸入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)、高段側圧縮機構(40b)の順で圧縮される。
また、この冷房運転において、電磁弁(31)を開状態に設定すると、気液分離器(18)内の中間圧ガス冷媒がインジェクション管(24)によって回転式圧縮機(20)の中間圧空間(50)へ導入される。中間圧空間(50)へ導入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)から吐出された冷媒と共に高段側圧縮機構(40b)で圧縮される。このように、インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ中間圧冷媒を送るようにすると、高段側圧縮機構(40b)の吸入冷媒のエンタルピが低下し、いわゆるエコノマイザ効果により空気調和装置(10)の運転効率が向上する。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、四方切換弁(12)が図1に破線で示す状態に切り換えられる。この状態で回転式圧縮機(20)の電動機(25)に通電すると、冷媒回路(11)で冷媒が循環して蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
回転式圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、吐出管(23)から吐出されて四方切換弁(12)を通り、室内熱交換器(15)へ流入する。室内熱交換器(15)では、流入した冷媒が室内空気へ放熱し、室内空気が加熱される。室内熱交換器(15)で放熱した冷媒は、第1膨張弁(16)で減圧されて中間圧冷媒となり気液分離器(18)に流入する。気液分離器に流入した中間圧冷媒は、中間圧ガス冷媒と中間圧液冷媒とに分離される。そのうち気液分離器(18)の底部から流出した中間圧液冷媒は、第2膨張弁(17)で減圧されて低圧液冷媒となる。第2膨張弁(17)で減圧された低圧液冷媒は、室外熱交換器(14)へ送られ、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(14)から流出した低圧冷媒は、四方切換弁(12)とアキュームレータ(19)を順に通過して回転式圧縮機(20)へ吸入される。回転式圧縮機(20)に吸入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)、高段側圧縮機構(40b)の順で圧縮される。
また、この暖房運転においても、電磁弁(31)を開状態に設定すると、気液分離器(18)内の中間圧のガス冷媒が中間圧空間(50)へ導入される。中間圧空間(50)へ導入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)から吐出された冷媒と共に高段側圧縮機構(40b)で圧縮される。このように、インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ中間圧冷媒を送るようにすると、高段側圧縮機構(40b)の吸入冷媒のエンタルピが低下し、いわゆるエコノマイザ効果により空気調和装置(10)の運転効率が向上する。
−回転式圧縮機の動作−
次に、回転式圧縮機(20)の動作について、図5を参照しながら説明する。この回転式圧縮機(20)は、電動機(25)に通電すると、その電動機(25)で発生する動力によって駆動軸(33)が回転する。その結果、第1及び第2偏心軸部(35,36)は、回転軸(X)に対して所定の偏心量で偏心回転する。つまり、各偏心軸部(35,36)は、その軸心(Y)が回転軸(X)の周りを所定の回転半径で偏心回転する。その結果、各偏心軸部(35,36)が内嵌する各ピストン(47a,47b)は、各シリンダ(41a,41b)内を偏心回転する。その結果、低段側圧縮機構(40a)及び高段側圧縮機構(40b)では、以下のような圧縮動作が行われる。なお、低段側圧縮機構(40a)と高段側圧縮機構(40b)とでは、基本的には同様の圧縮動作が行われるので、以下には低段側圧縮機構(40a)の圧縮動作について詳細に説明する。
回転式圧縮機(20)では、上記三方切換弁(13)の設定、即ち上述したバイパス通路(66)の開閉状態に応じて以下の第1圧縮動作と第2圧縮動作とが切換可能となっている。
〈第1圧縮動作〉
第1圧縮動作は、バイパス通路(66)を閉状態としながら回転式圧縮機(20)を運転するものである。具体的には、第1圧縮動作では、三方切換弁(13)が図1の実線で示す状態に設定される。その結果、上述のように弁体収容孔(61)の下部空間(61b)に高圧冷媒が導入され、弁体(64)が上方に押し上げられる(図4(A)参照)。このため、第1圧縮動作では、バイパス孔(62)が弁体(64)で封止された状態となる。
図5(A)に示す位置の低段側ピストン(47a)の偏心回転角度を0度として説明すると、駆動軸(33)の回転に伴い図5(A)の位置の低段側ピストン(47a)が時計回りに偏心回転すると、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が時計回りに変位する。この当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過すると、低段側シリンダ室(42a)内に低圧室(42a-Lp)が形成される。低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が90度,180度,270度と大きくなるに連れて、低段側吸入通路(48a)から低圧室(42a-Lp)へ冷媒が吸入されていく(図5(B)〜図5(D)参照)。低圧室(42a-Lp)には、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が360度(即ち、0度)になるまで冷媒が吸入される。
その後、図5(A)の状態から、低段側ピストン(47a)が僅かに回転すると、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過する。低段側圧縮機構(40a)では、この当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過した時点で、低圧室(42a-Lp)における冷媒の閉じ込みが完了する。そして、この状態から駆動軸(33)が更に公転すると、低圧室(42a-Lp)は高圧室(42a-Hp)となって冷媒の圧縮を開始する。低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が90度,180度,270度と大きくなるに連れて、高圧室(42a-Hp)の容積が縮小して冷媒が圧縮される。そして、高圧室(42a-Hp)内の冷媒の圧力が中間圧空間(50)の冷媒の圧力を上回ると、吐出弁が開状態になり冷媒が低段側吐出通路(49a)から中間圧空間(50)へ吐出される。冷媒の吐出は、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が360度になるまで続く。
一方、高段側圧縮機構(40b)では、高段側ピストン(47b)の偏心回転に伴って、中間圧空間(50)内の冷媒が高段側吐出通路(49b)を介して高段側シリンダ室(42b)内に吸入される。そして、高段側シリンダ室(42b)内の冷媒の圧力がケーシング(21)内の空間の冷媒の圧力を上回ると、吐出弁が開状態になり、冷媒が高段側吐出通路(49b)からケーシング(21)内の空間へ吐出される。この冷媒は、吐出管(23)から冷媒回路(11)へ吐出され、上述した冷凍サイクルに利用される。
〈第2圧縮動作〉
第2圧縮動作は、バイパス通路(66)を開状態としながら回転式圧縮機(20)を運転するものである。具体的には、第2圧縮動作では、三方切換弁(13)が図1の破線で示す状態に設定される。その結果、上述のように弁体収容孔(61)では、バネ部材(65)によって弁体(64)が下方に押し下げられる(図4(B)参照)。このため、第2圧縮動作では、バイパス孔(62)が開放された状態となる。以上のようにして、バイパス通路(66)が開放されると、低段側シリンダ室(42a)は、バイパス通路(66)を介して低段側圧縮機構(40a)の吸入側(吸入管(22))と連通した状態となる。
偏心回転角度が0度の状態の低段側ピストン(47a)が、僅かに回転すると、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過する。その結果、上記第1圧縮動作と同様に、低段側シリンダ室(42a)内に低圧室(42a-Lp)が形成され、低段側吸入通路(48a)から該低圧室(42a-Lp)へ冷媒が吸入される。そして、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が再び0度となり、その状態からさらに偏心回転して、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過すると、その時点で、低圧室(42a-Lp)における冷媒の吸入が完了すると共に、低圧室(42a-Lp)が高圧室(42a-Hp)となる。
ここで、第2圧縮動作では、バイパス通路(66)は開状態となっている。このため、低段側ピストン(47a)が更に偏心回転しても、高圧室(42a-Hp)では冷媒の圧縮が行われず、高圧室(42a-Hp)内の冷媒はバイパス孔(62)からバイパス通路(66)を介して吸入管(22)へ排出される。この冷媒の排出動作は、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)を塞ぐ状態(偏心回転角度が約90度)になるまで続く。そして、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)を塞いだ時点で、冷媒の排出が終了すると同時に、高圧室(42a-Hp)における冷媒の閉じ込みが完了する。この状態から駆動軸(33)がさらに回転すると、高圧室(42a-Hp)における冷媒の圧縮が開始され、高圧室(42a-Hp)内の冷媒の圧力が中間圧空間(50)の冷媒の圧力を上回ると、吐出弁が開状態になり冷媒が低段側吐出通路(49a)から中間圧空間(50)へ吐出される。冷媒の吐出は、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が360度に達するまで続く。高段側圧縮機構(40b)における冷媒の圧縮動作は、上記第1圧縮動作と同様である。
以上のように、上述の第1圧縮動作では、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過した時点で低段側圧縮機構(40a)における冷媒の閉じ込みが完了する。一方、第2圧縮動作では、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)を塞いだ時点で低段側圧縮機構(40a)における冷媒の閉じ込みが完了する。
このように、この回転式圧縮機(20)では、バイパス通路(66)を開閉することで、低段側圧縮機構(40a)の閉じ込み容積(実質的な吸入容積)を変化させることができる。これにより、低段側圧縮機構(40a)の吸入容積Vlに対する高段側圧縮機構(40b)の吸入容積Vhの比(吸入容積比=Vh/Vl)が変化する。即ち、低段側圧縮機構(40a)の低段側ピストン(47a)と、高段側圧縮機構(40b)の高段側ピストン(47b)とは、同じ駆動軸(33)に連結されているので、駆動軸(33)の回転速度を変化させるだけでは、両圧縮機構(40a,40b)の吸入容積比(Vh/Vl)を変化させることができない。しかしながら、本実施形態の回転式圧縮機(20)では、上述した第1圧縮動作と第2圧縮動作とを切り変えて行うことで、低段側圧縮機構(40a)の吸入容積、ひいては上記吸入容積比(Vh/Vl)を適宜変更することができる。その結果、この回転式圧縮機(20)では、運転条件に応じた最適な吸入容積比での運転が可能となる。
具体的には、例えば冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件になると、低段側圧縮機構(40a)で冷媒の圧縮行程のほとんどが行われることになる。このような場合には、高段側圧縮機構(40b)では冷媒がほとんど圧縮されないので、低段側圧縮機構(40a)の圧縮トルクの変動幅が、高段側圧縮機構(40b)の圧縮トルクの変動幅に対して相対的に大きくなり、振動や騒音が発生してしまうことある。また、このように冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件において、低段側圧縮機構(40a)で圧縮行程のほとんどが行われると、低段側圧縮機構(40a)の吐出冷媒の圧力(即ち、中間圧力)が比較的高くなってしまう。このような場合には、上記インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ送られる中間圧冷媒の量が減少し、上述したようなエコノマイザ効果を充分得ることができないこともある。
このため、本実施形態の回転式圧縮機(20)は、このように冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件になると、上記第1圧縮動作から第2圧縮動作へ運転が切り換えられる。その結果、低段側圧縮機構(40a)の吸込容積Vlが減少し、上記吸入容積比(Vh/Vl)が大きくなるので、冷媒は各圧縮機構(40a,40b)でバランス良く圧縮されることになる。このため、上述のような各圧縮機構(40a,40b)の圧縮トルクの変動幅が平均化され、振動や騒音の低減が図られる。また、このようにすると、低段側圧縮機構(40a)の吐出冷媒の圧力が低下するので、その分だけインジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ送られる中間圧冷媒の量が多くなる。従って、比較的高低差圧が小さい運転条件においても、所望のエコノマイザ効果が得られ、空気調和装置(10)の運転効率が向上する。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、低段側ピストン(47a)の外周面をバイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出するような楕円状としている。このため、上記実施形態によれば、リアヘッド(45)において、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)の開口面積の拡大化を図ることができる。従って、上記第2圧縮動作においては、低段側シリンダ室(42a)内の冷媒の一部を速やかにバイパス通路(66)へ送ることができ、冷媒を所望の排気流量で低段側圧縮機構(40a)の吸入側へ送ることができる。その結果、この回転式圧縮機(20)では、第1圧縮動作と第2圧縮動作の切換えに伴う低段側圧縮機構(40a)における吸入容積の変化幅、ひいては各圧縮機構(40a,40b)の吸入容積比の変化幅を拡大することができる。
また、上記実施形態では、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)を第1偏心軸部(35)の外周面の軌跡よりも径方向外側に位置させている。このため、第1偏心軸部(35)の外周面と低段側ピストン(47a)の内周面との間に供給される高温高圧の油が、バイパス孔(62)を通じて低段側圧縮機構(40a)の吸入側に送られてしまうことを防止できる。従って、低段側圧縮機構(40a)への吸入冷媒が潤滑油によって加熱されることに起因して低段側圧縮機構(40a)の容積効率が低下してしまうことを未然に回避できる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態のように、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)の開口面積を拡大するために、以下のような変形例の構成としても良い。
〈変形例1〉
図6に示すように、変形例1の低段側ピストン(47a)は、円形の円形ピストン部(71a)と突起部(71b)とで構成されており、その外周面がバイパス孔(62)側へ膨出した非円形状となっている。円形ピストン部(71a)は、回転軸(X)と同軸となっている。突起部(71b)は、円形ピストン部(71a)の上端から下端に亘って上下方向に延びている。その軸断面が半楕円形状をしている。突起部(71b)は、円形ピストン部(71a)におけるバイパス孔(62)側の部位からこのバイパス孔(62)に向かって突出している。
一方、低段側シリンダ(41a)の内周面形状は、偏心回転時の低段側ピストン(47a)の包絡線に基づいて形成されている。つまり、低段側シリンダ(41a)の内周面は、偏心回転時の低段側ピストン(47a)の外周面の軌跡と一致するような形状をしている。具体的には、低段側シリンダ(41a)の内周面には、バイパス孔(62)と重複する箇所に円弧溝(72)が形成されている。低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が約90度になると、図6に示すように、低段側ピストン(47a)の突起部(71b)は円弧溝(72)の内周面と摺接する。
以上のように変形例1の低段側シリンダ室(42a)は、この円弧溝(72)によって、バイパス孔(62)を形成するスペースが拡大化されている。従って、この変形例1においても、バイパス孔(62)の開口面積の拡大化を図ることができ、上記第2圧縮動作時において、低段側シリンダ室(42a)内の冷媒の一部を速やかにバイパス通路(66)へ送ることができる。
〈変形例2〉
図7に示すように、変形例2の低段側ピストン(47a)は、その外周面が円形状となっている。一方、第1偏心軸部(35)の軸心(Y)は、低段側ピストン(47a)の外周面の軸心(P)に対して偏心するように低段側ピストン(47a)に内嵌している。換言すると、低段側ピストン(47a)は、その外周面の軸心(P)と、その内周面の中心(即ち、軸心(Y))とが、偏心する筒状に形成されている。
具体的には、第1偏心軸部(35)は、低段側ピストン(47a)の外周面の軸心(P)に対して、バイパス孔(62)と逆側の方向(図3で示した基準線Lに対して約270度を成す方向)へ偏心している。つまり、図7のZの鎖線に示すように、仮に第1偏心軸部(35)を低段側ピストン(47a)の外周面の軸心(P)と同軸とした場合と比較すると、この変形例2の第1偏心軸部(35)は、バイパス孔(62)側における低段側ピストン(47a)の厚さが大きくなっている。従って、低段側ピストン(47a)が図7で示す偏心回転角度(約90度)に位置する状態では、第1偏心軸部(35)の外周面から低段側シリンダ(41a)の内周面までの距離は、第1偏心軸部(35)がZの位置にある場合と比較して長くなる。このため、この変形例2においても、バイパス孔(62)の形成するスペースの拡大化、ひいてはバイパス孔(62)の拡大化を図ることができ、上記第2圧縮動作時において、低段側シリンダ室(42a)内の冷媒の一部を速やかにバイパス通路(66)へ送ることができる。また、変形例2では、低段側ピストン(47a)の外周面形状が、円形となるので、この低段側ピストン(47a)の加工を容易に行うことができる。
なお、この変形例2において、第1偏心軸部(35)の偏心方向は、必ずしもバイパス孔(62)と反対側の方向でなくても良い。つまり、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)側の偏心回転角度(約90度)に位置する状態において、図7のZに示す場合と比較して、第1偏心軸部(35)の外周面から低段側シリンダ(41a)の内周面までの距離が長くなるのであれば、如何なる偏心方向であっても良い。具体的には、例えば第1偏心軸部(35)の軸心(Y)を軸心(P)に対して0度の方向、あるいは180度の方向へ偏心させるようにしても良い。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、実施形態では、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構とを有する2段圧縮機が対象となっているが、これに限られるものではない。例えば、1つの圧縮機構を有する単段の圧縮機に本発明を採用することもできる。
また、例えば図8に示すように、上記実施形態と同様にして、高段側圧縮機構(40b)側にバイパス通路(66)を設け、開閉機構(13,29,64,65)によってバイパス通路(66)を開閉するようにしても良い。この例では、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)がフロントヘッド(44)に形成される一方、バイパス通路(66)の流出端が中間圧空間(50)に繋がっている。この例においては、バイパス通路(66)が開放されると、高段側シリンダ室(42b)内の冷媒の一部が中間圧空間(50)、つまり高段側圧縮機構(40b)の吸入側に戻される構成となっている。この例では、第1圧縮動作と第2圧縮動作とを切り換えることで、高段側圧縮機構(40b)の吸入容積、ひいては各圧縮機構(40a,40b)の吸入容積比を変更することができる。
また、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)は、各シリンダ室(41a,41b)の側端を閉塞する閉塞部材であればどの位置に設けても良い。つまり、図2に示すように低段側シリンダ室(42a)にバイパス孔(62)を開口させる場合には、このバイパス孔(62)をミドルプレート(46)に形成しても良い。また、図8に示すように高段側シリンダ室(42b)にバイパス孔(62)を開口させる場合にも、このバイパス孔(62)をミドルプレート(46)に形成しても良い。
また、ピストン(47a,47b)の自転を規制する自転規制機構として、ブレード(38)及びブッシュ(39)以外の機構を用いるようにしても良い。具体的には、例えば自転規制機構として、スクロール型圧縮機の可動スクロールの自転を防止するためのオルダムリングに相当する機構を採用することもできる。
また、上記実施形態の圧縮機構以外にも、本発明を採用することができる。つまり、本発明は、偏心軸部がピストンに内嵌しており、ピストンが自転を制限されながらシリンダ室に沿って公転するものであれば、如何なる圧縮機構に採用することができる。また、環状のシリンダ室を有するシリンダと、シリンダ室に設けられる環状のピストンとが相対的に偏心回転することで、複数の圧縮室を同時に拡縮する圧縮機構に本発明を採用するようにしても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、シリンダ室内の冷媒の一部をバイパス通路を介して圧縮機構の吸入側へ戻すことが可能な圧縮機構を備える回転式圧縮機について有用である。
本発明の実施形態に係る回転式圧縮機が搭載される空気調和装置の冷媒回路図である。 実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 実施形態に係る回転式圧縮機の低段側圧縮機構の横断面図である。 実施形態に係る回転式圧縮機のバイパス通路を拡大した縦断図であり、図4(A)は第1圧縮動作時の状態を、図4(B)は第2圧縮動作時の状態を示すものである。 実施形態に係る回転式圧縮機の低段側圧縮機構の動作を示す概略説明図であり、図5(A)は低段側ピストンの偏心回転角度が0度である状態を、図5(B)は低段側ピストンの偏心回転角度が90度である状態を、図5(C)は低段側ピストンの偏心回転角度が180度である状態を、図5(D)はピストンの偏心回転角度が270度である状態を、それぞれ示すものである。 実施形態の変形例1に係る低段側圧縮機構の横断面図である。 実施形態の変形例2に係る低段側圧縮機構の横断面図である。 その他の実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。
符号の説明
13 三方切換弁(開閉機構)
20 回転式圧縮機
29 導入管(開閉機構)
35 第1偏心軸部(偏心軸部)
36 第2偏心軸部(偏心軸部)
38 ブレード(自転制限機構)
39 ブッシュ(自転制限機構)
40a 低段側圧縮機構(圧縮機構)
40b 高段側圧縮機構(圧縮機構)
41a 低段側シリンダ(シリンダ)
41b 高段側シリンダ(シリンダ)
42a 低段側シリンダ室(シリンダ室)
42b 高段側シリンダ室(シリンダ室)
44 フロントヘッド(閉塞部材)
45 リアヘッド(閉塞部材)
46 ミドルプレート(閉塞部材)
47a 低段側ピストン(ピストン)
47b 高段側ピストン(ピストン)
62 バイパス孔(流入端)
64 弁体
65 バネ部材
66 バイパス通路
X 回転軸
Y 偏心軸部の軸心
P ピストンの外周面の軸心

Claims (5)

  1. 両端が閉塞部材(44,45,46)に閉塞されるシリンダ室(42a,42b)を有するシリンダ(41a,41b)と、該シリンダ室(42a,42b)に配置される筒状のピストン(47a,47b)と、該ピストン(47a,47b)に内嵌して回転軸(X)から偏心して偏心回転する偏心軸部(35,36)と、上記偏心軸部(35,36)に駆動されるピストン(47a,47b)の自転を制限するための自転制限機構(38,39)とを有し、上記ピストン(47a,47b)が上記シリンダ(41a,41b)の内周面に沿うように公転することでシリンダ室(42a,42b)内で冷媒が圧縮される圧縮機構(41a,41b)を備えた回転式圧縮機であって、
    流入端(62)が偏心軸部(35,36)の径方向外側でシリンダ室(42a,42b)に開口するように上記閉塞部材(44,45,46)に形成され、流出端が上記圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がるバイパス通路(66)と、
    上記バイパス通路(66)を開閉する開閉機構(13,29,64,65)とを備え、
    上記ピストン(47a,47b)の外周面は、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側に膨出した非円形状に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記ピストン(47a,47b)の外周面は、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側に延びた楕円状に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1において、
    上記ピストン(47a,47b)の外周面には、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側に突出する突起部(71b)が形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 両端が閉塞部材(44,45,46)に閉塞されるシリンダ室(42a,42b)を有するシリンダ(41a,41b)と、該シリンダ室(42a,42b)に配置される筒状のピストン(47a,47b)と、該ピストン(47a,47b)に内嵌して回転軸(X)から偏心して偏心回転する偏心軸部(35,36)と、上記偏心軸部(35,36)に駆動されるピストン(47a,47b)の自転を制限するための自転制限機構(38,39)とを有し、上記ピストン(47a,47b)が上記シリンダ(41a,41b)の内周面に沿うように公転することでシリンダ室(42a,42b)内で冷媒が圧縮される圧縮機構(41a,41b)を備えた回転式圧縮機であって、
    流入端(62)が偏心軸部(35,36)の径方向外側でシリンダ室(42a,42b)に開口するように上記閉塞部材(44,45,46)に形成され、流出端が上記圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がるバイパス通路(66)と、
    上記バイパス通路(66)を開閉する開閉機構(13,29,64,65)とを備え、
    上記ピストン(47a,47b)の外周面は、円形状に形成され、
    上記偏心軸部(35,36)は、その軸心(Y)が上記ピストン(47a,47b)の外周面の軸心(P)と一致している場合に比べて、上記バイパス通路(66)の流入端(62)側におけるピストン(47a,47b)の厚さが大きくなるように、上記軸心(P)に対して所定の方向へ偏心していることを特徴とする回転式圧縮機。
  5. 請求項4において、
    上記偏心軸部(35,36)は、その軸心(Y)が上記ピストン(47a,47b)の軸心(P)に対して上記バイパス通路(66)の流入端(62)と逆側の方向へ偏心していることを特徴とする回転式圧縮機。
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