JP2017203451A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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Sachihiro Inada
幸博 稲田
古庄 和宏
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
ちひろ 遠藤
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ちひろ 遠藤
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Abstract

【課題】シンプルな構造により、インジェクション動作を切り換えることができる回転式圧縮機を提案する。【解決手段】回転式圧縮機(20)は、中間圧の流体を上記シリンダ室(46,48)へ導入するための導入路(61)と、導入路(61)を開閉するための開閉機構(70)とを備える。開閉機構(70)は、導入路(61)を開閉するように駆動される弁体(71)と、弁体(71)の背面側の背圧室(76)に所定の圧力を作用させる連通路(85)とを有し、導入路(61)と背圧室(76)の圧力差に応じて、弁体(71)を駆動するように構成される。連通路(85)は、シリンダ室(46,48)の外周側に位置するように、シリンダ(42,44)の軸方向の端面又は上記閉塞部材(43,45)の軸方向の端面に形成される連通溝(80)を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、回転式圧縮機に関する。
従来より、流体を圧縮する回転式圧縮機が知られている。
特許文献1に記載の回転式圧縮機は、電動機と、シリンダの内部でピストンが圧縮する圧縮機構とを有する。電動機によってピストンが回転駆動されると、シリンダ室で流体が圧縮される。
同文献の図11に示すように、回転式圧縮機は、中間圧の冷媒をシリンダ室へ導入する導入路と、導入路を開閉するための開閉機構とを備える。開閉機構は、導入路を開閉するように駆動される弁体と、弁体を収容する収容部とを有し、弁体の背圧室に低圧圧力が作用するように構成される。この開閉機構では、導入路と背圧室との圧力差に応じて弁体が移動し、導入路の開閉状態が切り換えられる。これにより、導入路からシリンダ室へ中間圧を導入する動作(インジェクション動作)のオン/オフが切り換えられる。
特許第5760836号
特許文献1では、同文献の段落0131にも記載のように、弁体の背圧室へ圧力を作用させるための構成について何ら記載されていない。一方、背圧室に圧力を作用させる構造は、できるだけ簡素である方がコスト面でも好ましい。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、シンプルな構造により、インジェクション動作を切り換えることができる回転式圧縮機を提案することである。
第1の発明は、シリンダ室(46,48)が形成されるシリンダ(42,44)と、該シリンダ室(46,48)で回転するピストン(51,52)と、上記シリンダ室(46,48)の軸方向の開口面を閉塞する閉塞部材(43,45)とを備えた回転式圧縮機を対象とし、中間圧の流体を上記シリンダ室(46,48)へ導入するための導入路(61)と、上記導入路(61)を開閉するための開閉機構(70)とを備え、上記開閉機構(70)は、上記導入路(61)を開閉するように駆動される弁体(71)と、該弁体(71)の背面側の背圧室(76)に所定の圧力を作用させる連通路(85)とを有し、上記導入路(61)と上記背圧室(76)の圧力差に応じて、上記弁体(71)を駆動するように構成され、上記連通路(85)は、上記シリンダ室(46,48)の外周側に位置するように、上記シリンダ(42,44)の軸方向の端面又は上記閉塞部材(43,45)の軸方向の端面に形成される連通溝(80)を含むことを特徴とする。
第1の発明では、導入路(61)と背圧室(76)の圧力差に応じて、弁体(71)が駆動され、導入路(61)が開閉される。導入路(61)が開放されると、中間圧の流体が導入路(61)を通じてシリンダ室(46,48)へ導入される動作(インジェクション動作)が行われる。導入路(61)が閉鎖されると、中間圧の流体はシリンダ室(46,48)へ導入されず、インジェクション動作が行われない。
本発明では、背圧室(76)に所定の圧力を作用させるための連通路(85)の少なくとも一部が、シリンダ(42,44)又は閉塞部材(43,45)の連通溝(80)を含んでいる。つまり、シリンダ(42,44)の軸方向端面、又は閉塞部材(43,45)の軸方向端面に溝加工を施すだけで連通路(85)を形成でき、この連通溝(80)を通じて背圧室(76)に所定の圧力を作用させることができる。これにより、連通路(85)の簡素化が図られる。
第2の発明は、第1の発明において、上記連通路(85)は、上記背圧室(76)と上記シリンダ室(46,48)の吸入室(LC)とを連通させることを特徴とする。
第2の発明では、シリンダ室(46,48)の吸入室(LC)の圧力が、連通路(85)を介して背圧室(76)に作用する。これにより、背圧室(76)が低圧圧力となるため、導入路(61)の圧力(中間圧力)と背圧室(76)の圧力(低圧圧力)との差圧を確保でき、この差圧に応じて弁体(71)を駆動できる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記導入路(61)及び弁体(71)は、上記閉塞部材(43,45)の内部に設けられることを特徴とする。
第3の発明では、導入路(61)及び弁体(71)がいずれも閉塞部材(43,45)の内部に設けられる。これにより、導入路(61)及び弁体(71)が、シリンダ室(46,48)と干渉することがない。この結果、導入路(61)及び弁体(71)の設置スペースを十分に確保できる。
第4の発明は、第3の発明において、上記連通溝(80)は、上記閉塞部材(43,45)の端面に形成されることを特徴とする。
第4の発明では、導入路(61)、弁体(71)、及び連通溝(80)が全て閉塞部材(43,45)に集約される。この結果、背圧室(76)と連通溝(80)の接続も閉塞部材(43,45)の内部で完結することができ、開閉機構(70)の簡素化が図られる。
本発明によれば、弁体(71)の背圧室(76)に圧力を作用させるための連通路(85)の少なくとも一部を、シリンダ(42,44)の軸方向端面又は閉塞部材(43,45)の軸方向端面に形成した連通溝(80)により構成している。このため、溝加工により連通路(85)の少なくとも一部を形成することができ、開閉機構(70)の簡素化、ひいては回転式圧縮機の低コスト化を図ることができる。
図1は、実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路の概略の構成図である。 図2は、圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 図3は、圧縮機の第1圧縮部の横断面図である。 図4は、図2のIV矢視図である。 図5は、図2のV-V線断面図である。 図6は、図5のVI-VI線断面図であり、弁体が開放位置にある状態を示している。 図7は、図5のVI-VI線断面図であり、弁体が閉鎖位置にある状態を示している。 図8は、実施形態2に係る圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 図9は、その他の実施形態に係る冷媒回路の概略の構成図である。 図10は、その他の実施形態に係る非円形ピストン式の圧縮機構の図5に相当する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本実施形態に係る圧縮機(20)は、流体(冷媒)を圧縮する回転式圧縮機である。図1に示すように、圧縮機(20)は、空気調和装置(10)の冷媒回路(11)に接続される。空気調和装置(10)は、冷房と暖房とを切り換えて行う。
〈冷媒回路の全体構成〉
冷媒回路(11)では、充填された冷媒が循環することで冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(11)には、圧縮機(20)、四方切換弁(12)、室外熱交換器(13)、室外膨張弁(14)、気液分離器(15)、室内膨張弁(16)、及び室内熱交換器(17)が接続される。四方切換弁(12)の第1ポート(P1)は圧縮機(20)の吐出管(22)に連通する。四方切換弁(12)の第2ポート(P2)は圧縮機(20)の2本の吸入管(23,24)に連通する。四方切換弁(12)の第3ポート(P3)は室外熱交換器(13)のガス端部に連通する。四方切換弁(12)の第4ポート(P4)は室内熱交換器(17)のガス端部に連通する。
冷媒回路(11)には、気液分離器(15)の内部と圧縮機(20)の中間配管(25)とを連通する中間インジェクション配管(18)が接続される。中間インジェクション配管(18)には、開閉弁である中間電磁弁(19)が接続される。
冷媒回路(11)には、吸入連通管(8)が接続される。吸入連通管(8)の一端は中間インジェクション配管(18)における中間電磁弁(19)の下流側に接続される。吸入連通管(8)の他端は圧縮機(20)の吸入ラインに接続される。吸入連通管(8)には、開閉弁である吸入電磁弁(9)が接続される。
冷房運転では、四方切換弁(12)が第1状態(図1の破線で示す状態)となり、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通すると同時に第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する。圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(13)で凝縮し、室内膨張弁(16)で減圧され、室内熱交換器(17)で蒸発する。
暖房運転では、四方切換弁(12)が第2状態(図1の実線で示す状態)となり、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通すると同時に第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する。圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(17)で凝縮し、室外膨張弁(14)で減圧され、室外熱交換器(13)で蒸発する。
冷媒回路(11)では、中間圧の冷媒を圧縮機(20)の圧縮室(HC)へ導入する動作(インジェクション動作)が行われる。インジェクション動作が実行されるときには、中間電磁弁(19)が開放され且つ吸入電磁弁(9)が閉鎖される。インジェクション動作が停止されるときには、中間電磁弁(19)が閉鎖され且つ吸入電磁弁(9)が開放される。これにより、気液分離器(15)内の中間圧の冷媒は、中間インジェクション配管(18)を通じて圧縮機(20)の中間配管(25)へ導入される。
〈圧縮機の全体構成〉
圧縮機(20)の全体構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。圧縮機(20)は、ケーシング(21)と、該ケーシング(21)の内部に収容される駆動機構(30)及び圧縮機構(40)を備えている。ケーシング(21)は、中空円筒状に形成される。ケーシング(21)の内部空間(S)には、圧縮機(20)で圧縮された冷媒が満たされる。つまり、圧縮機(20)は、いわゆる高圧ドーム式に構成される。ケーシング(21)の上部には、1本の吐出管(22)が接続される。ケーシング(21)の胴部には、2本の吸入管(23,24)と1本の中間配管(25)(図1を参照)とが接続される。
駆動機構(30)は、圧縮機構(40)の駆動源を構成する。駆動機構(30)は、電動機(31)と駆動軸(35)とを有している。電動機(31)は、ケーシング(21)の胴部に固定される固定子(32)と、該固定子(32)の内部に挿通される回転子(33)とを有する。回転子(33)の内部には、駆動軸(35)が固定される。電動機(31)は、インバータ装置を介して電力が供給される。つまり、電動機(31)は、回転数が可変なインバータ式に構成される。
駆動軸(35)は、1本の主軸部(36)と、該主軸部(36)の下部に形成される2つの偏心部(37,38)とを有している。主軸部(36)は、電動機(31)と、圧縮機構(40)の下部とに亘って上下に延びている。各偏心部(37,38)の軸心は、主軸部(36)の軸心から所定量だけずれている。具体的に、2つの偏心部(37,38)の軸心は、主軸部(36)の軸心を挟んで約180°ずれた位置にある。つまり、2つの偏心部(37,38)は、これらの位相が約180°ずれている。
本実施形態の圧縮機構(40)は、第1圧縮部(40a)及び第2圧縮部(40b)を有する二気筒式である。各圧縮部(40a,40b)は、シリンダ(42,44)及びピストン(51,52)をそれぞれ有し、シリンダ(42,44)の内部でピストン(51,52)が揺動運動を行う、いわゆる揺動ピストン式に構成される。圧縮機構(40)は、上側から下側に向かって順に、フロントヘッド(41)、第1シリンダ(42)、ミドルプレート(43)、第2シリンダ(44)、及びリアヘッド(45)を有している。ミドルプレート(43)は、第1圧縮部(40a)と第2圧縮部(40b)とに共用される。第1圧縮部(40a)は、圧縮機構(40)の上部に設けられ、フロントヘッド(41)、第1シリンダ(42)、及びミドルプレート(43)を有している。第2圧縮部(40b)は、圧縮機構(40)の下部に設けられ、ミドルプレート(43)、第2シリンダ(44)、及びリアヘッド(45)を有している。
フロントヘッド(41)は、ケーシング(21)の胴部に固定される。フロントヘッド(41)は、第1シリンダ(42)の第1シリンダ室(46)の上側の開口面を閉塞する。フロントヘッド(41)の中央には、駆動軸(35)の軸方向上側に延出するボス部(41a)が形成される。ボス部(41a)の内周面には、駆動軸(35)を回転可能に支持する主軸受が形成される。フロントヘッド(41)には、第1吐出ポート(46a)が形成される(図3を参照)。第1吐出ポート(46a)の始端は第1シリンダ(42)の圧縮室(HC)に連通し、第1吐出ポート(46a)の終端は内部空間(S)に連通する。第1吐出ポート(46a)は、リード弁等の吐出弁(図示省略)によって開閉される。
ミドルプレート(43)は、ケーシング(21)の胴部に固定される。ミドルプレート(43)は、閉塞部材を構成している。ミドルプレート(43)は、第1シリンダ(42)の第1シリンダ室(46)の下側の開口面と、第2シリンダ(44)の第2シリンダ室(48)の上側の開口面とを閉塞する。ミドルプレート(43)の中心部には、駆動軸(35)が貫通する貫通穴(43a)が形成される。貫通穴(43a)の横断面は、正円形状に形成される。ミドルプレート(43)には、インジェクション動作を行うためのインジェクション機構(60)(詳細は後述する)が設けられる。
リアヘッド(45)は、ケーシング(21)の胴部に固定される。リアヘッド(45)は、第2シリンダ(44)の第2シリンダ室(48)の下側の開口面を閉塞する。リアヘッド(45)の中央には、駆動軸(35)を回転可能に支持する副軸受が形成される。リアヘッド(45)には、第2吐出ポート(図示省略)が形成される。第2吐出ポートの始端は第2シリンダ(44)の圧縮室(HC)に連通し、第2吐出ポートの終端は内部空間(S)に連通する。第2吐出ポートは、リード弁等の吐出弁(図示省略)によって開閉される。
第1シリンダ(42)及び第2シリンダ(44)の基本的な構造は同じである。第1シリンダ(42)の内部には、第1シリンダ室(46)が形成され、第2シリンダ(44)の内部には、第2シリンダ室(48)が形成される。これらのシリンダ室(46,48)の横断面(駆動軸(35)に軸直角な断面)の形状が正円形状に形成される。
第1シリンダ(42)には、第1シリンダ室(46)の吸入室(50)に連通する第1吸入ポート(47)が形成される。第1吸入ポート(47)には、第1吸入管(23)が接続される。第2シリンダ(44)には、第2シリンダ室(48)の吸入室(50)に連通する第2吸入ポート(49)が形成される。第2吸入ポート(49)には、第2吸入管(24)が接続される。各シリンダ(42,44)の上死点寄りの部分には、ブッシュ孔(55)がそれぞれ形成される。
第1圧縮部(40a)は第1ピストン(51)を有し、第2圧縮部(40b)は第2ピストン(52)を有する。第1ピストン(51)は、第1シリンダ室(46)に配置され、第1シリンダ室(46)の内周面に沿うように回転運動を行う。第1ピストン(51)は、その内部に第1偏心部(37)が嵌合する円環状に形成される。第2ピストン(52)は、第2シリンダ室(48)に配置され、第2シリンダ室(48)の内周面に沿うように回転運動を行う。第2ピストン(52)は、その内部に第2偏心部(38)が嵌合する円環状に形成される。
各圧縮部(40a,40b)は、ブレード(53)と一対のブッシュ(54)とをそれぞれ有する。図3に示すように、ブレード(53)は、対応するピストン(51)と一体的に設けられる。ブレード(53)は、ピストン(51)の外周面のうち、ブッシュ孔(55)の近傍(上死点寄り)の部分に連結される。ブレード(53)は、ピストン(51)の外周面からシリンダ室(46)の径方向外方へ突出する板状に形成される。ブレード(53)は、シリンダ室(46)を吸入室(LC)と圧縮室(HC)とに区画する。ブレード(53)は、ピストン(51)が回転することに伴い、揺動運動を行うように構成される。
一対のブッシュ(54)は、軸直角な断面が略半径形状に形成され、ブッシュ孔(55)の内部に挿入されている。一対のブッシュ(54)は、それぞれの平坦面が互いに対向するように配置される。これらの平坦面の間に、ブレード(53)が進退可能に挿入される。つまり、ブッシュ(54)は、ブレード(53)を進退可能に保持しながら、ブッシュ孔(55)の内部で揺動する。
−圧縮機の基本動作−
圧縮機(20)の基本動作について図2及び図3を参照しながら説明する。
電動機(31)が通電されると、回転子(33)が回転する。これに伴い、駆動軸(35)、各偏心部(37,38)、及び各ピストン(51,52)が回転する。この結果、第1圧縮部(40a)と第2圧縮部(40b)とで冷媒が圧縮され、冷媒回路(11)で冷凍サイクルが行われる。つまり、冷媒回路(11)の低圧の冷媒は、第1吸入管(23)と第2吸入管(24)とを並行に流れ、第1圧縮部(40a)と第2圧縮部(40b)とでそれぞれ圧縮される。各圧縮部(40a,40b)で圧縮された冷媒(高圧の冷媒)は、内部空間(S)へ流出し、吐出管(22)を流れて冷媒回路(11)へ流出する。
〈圧縮機構の動作〉
圧縮機構の動作について、第1圧縮部(40a)を代表して説明する。なお、第2圧縮部(40b)の動作は、基本的には第1圧縮部(40a)と同じである。
第1圧縮部(40a)では、吸入行程、圧縮行程、及び吐出行程が順に繰り返し行われる。第1ピストン(51)が図3の時計回りに回転すると、吸入室(LC)の容積が徐々に拡大する。これにより低圧の冷媒が第1吸入ポート(47)を介して吸入室(LC)に徐々に吸入されていく(吸入行程)。この吸入行程は、第1ピストン(51)と第1シリンダ室(46)との間のシールポイントが第1吸入ポート(47)を完全に通過する直前まで行われる。
シールポイントが第1吸入ポート(47)を通過すると、吸入室(LC)であった空間が圧縮室(HC)になる。第1ピストン(51)が更に回転すると、圧縮室(HC)の容積が徐々に縮小し、圧縮室(HC)で冷媒が圧縮されていく(圧縮行程)。そして、圧縮室(HC)の内圧が所定値以上になると、吐出弁が開放され、圧縮室(HC)の冷媒が第1吐出ポート(46a)を通じて内部空間(S)へ吐出される(吐出行程)。
〈インジェクション機構〉
圧縮機構(40)は、各圧縮部(40a,40b)でインジェクション動作を行うためのインジェクション機構(60)を備えている。インジェクション機構(60)の構成について、図2〜図7を参照しながら説明する。インジェクション機構(60)は、中間圧の流体を各シリンダ室(46,48)(厳密には圧縮室(HC))へ導入するための導入路(61)と、導入路(61)を開閉するための開閉機構(70)とを備えている。本実施形態の導入路(61)及び開閉機構(70)は、いずれもミドルプレート(43)に設けられる。
図5〜図7に示すように、導入路(61)は、ミドルプレート(43)の外周縁部から内部に向かって延びる主導入路(62)と、該主導入路(62)の終端から2つに分岐する2つの分流路(63,64)とを含んでいる。
主導入路(62)は、ミドルプレート(43)の貫通穴(43a)と干渉しないように、該貫通穴(43a)の内周面の接線方向に延びている。主導入路(62)の終端は、2つのシリンダ室(46,48)の吐出側寄りの部分の間に位置している。主導入路(62)は、大径流路(65)と小径流路(66)とを含んでいる。大径流路(65)は、主導入路(62)の上流側の流路を構成している。大径流路(65)には、中間配管(25)が挿通されている。小径流路(66)は、主導入路(62)の下流側の流路を構成している。小径流路(66)には、2つの分流路(63,64)が連通している。小径流路(66)は、大径流路(65)と同軸であり、且つ大径流路(65)よりも小径に構成される。
大径流路(65)と小径流路(66)との接続部には、弁押さえ(67)が嵌合している。弁押さえ(67)は、主導入路(62)と同軸の扁平な環状に形成され、大径流路(65)と小径流路(66)とを連通させている。弁押さえ(67)は、円筒状の大径部(68)と、該大径部(68)よりも小径の円筒状の小径部(69)とを有する。大径部(68)は、大径流路(65)の終端に嵌合し、小径部(69)は、小径流路(66)の始端に嵌合する。小径部(69)の先端面は、閉状態の弁体(71)が接触する接触面を構成している。
2つの分流路(63,64)は、第1シリンダ室(46)に連通する第1分流路(63)と、第2シリンダ室(48)に連通する第2分流路(64)とで構成される。第1分流路(63)は、小径流路(66)から第1シリンダ室(46)に向かって上方に延びている。第2分流路(64)は、小径流路(66)から第2シリンダ室(48)に向かって下方に延びている。各分流路(63,64)は、それらの軸心が鉛直となる円柱状に形成される。
第1分流路(63)の終端は、第1シリンダ室(46)に開口する開口面(第1インジェクションポート(63a))を構成する(図3を参照)。第2分流路(64)の終端は、第2シリンダ室(48)に開口する開口面(第2インジェクションポート(64a))を構成する。各インジェクションポート(63a,64a)は、対応するシリンダ室(46,48)において、θ1の範囲に設けるのがよい。ここで、θ1の範囲は、図4の線Lを基準とした場合に、シリンダ室(46,48)の中心をOとして時計回りに180°〜360°の範囲であるのが好ましい。なお、線Lは、シリンダ室(46,48)の中心Oと、ピストン(51,52)が上死点に位置する際のシールポイントPを結ぶ仮想平面といえる。
開閉機構(70)は、弁体(71)と、弁座(72)と、スプリング(73)と、中継空間(74)と、連通溝(80)とを有している。
弁体(71)は、弁収容部(75)の内部に配置されている。弁収容部(75)は、弁押さえ(67)と弁座(72)との間に亘る円筒状の内周面によって構成される。弁体(71)は、筒部(71a)と、閉塞部(71b)とを有している。筒部(71a)は、弁収容部(75)の壁面に沿った円筒状に形成される。閉塞部(71b)は、筒部(71a)の軸方向の両端のうち弁押さえ(67)側の端部を閉塞している。閉塞部(71b)は、弁体(71)が閉状態となる際、弁押さえ(67)と接触する。
弁体(71)の内部には、背圧室(76)が区画される。つまり、弁体(71)は、導入路(61)と背圧室(76)とを仕切っている。背圧室(76)には、連通溝(80)から導入される冷媒(低圧)の圧力が作用する。弁体(71)の内部は、スプリング(73)の収容空間も構成している。
弁体(71)は、導入路(61)と背圧室(76)の圧力差に応じて、導入路(61)を開放する位置(図6に示す位置)と、導入路(61)を閉鎖する位置(図7に示す位置)との間を往復動するように構成される。具体的に、弁体(71)が閉鎖位置になると、閉塞部(71b)が弁押さえ(67)に接触すると同時に、第1分流路(63)と第2分流路(64)の各流入口を筒部(71a)が閉塞する状態となる。弁体(71)が開放位置になると、第1分流路(63)と第2分流路(64)の各流入口が露出され、各分流路(63,64)が主導入路(62)と連通する。
弁座(72)は、弁体(71)と中継空間(74)との間の段差部に保持されている。弁座(72)は、外周面に段差を有する円筒状に形成される。弁座(72)は、互いに同軸となる大径弁座部(77)と小径弁座部(78)とを有している。大径弁座部(77)には、弁体(71)及びスプリング(73)が接触する接触面が構成される。小径弁座部(78)は、中継空間(74)に面している。弁座(72)の内部には、弁座(72)の軸心と同軸の連通孔(79)が形成される。連通孔(79)は、背圧室(76)と中継空間(74)とを連通させる。
スプリング(73)は、弁体(71)と弁座(72)の間に配置される。スプリング(73)は、弁体(71)を弁押さえ(67)側に向かって付勢する付勢部を構成している。スプリング(73)の一端は、弁体(71)の閉塞部(71b)に当接する。スプリング(73)の他端は、弁座(72)の大径弁座部(77)に当接する。
中継空間(74)は、導入路(61)と同軸となる円柱状の空間で構成される。中継空間(74)は、導入路(61)よりも小径に形成される。
連通溝(80)は、吸入室(LC)と背圧室(76)とを連通させるための通路である。図2、図4、図5等に示すように、連通溝(80)は、ミドルプレート(43)の軸方向端面に形成される。本実施形態の連通溝(80)は、ミドルプレート(43)の軸方向端面のうち第1シリンダ室(46)に対向する面(上側の面)に形成される。連通溝(80)は、第1シリンダ室(46)よりも径方向外方に位置する円弧溝(81)と、円弧溝(81)の一端から径方向内方へ延びる横溝(82)とを含んでいる。
円弧溝(81)は、第1シリンダ室(46)の内周面に沿うような円弧状に形成される。円弧溝(81)の曲率半径は、第1シリンダ室(46)の曲率半径よりも大きい。第1シリンダ室(46)の内周面と、円弧溝(81)とは、図4及び図5に示すような軸方向視において、互いに平行になっている。円弧溝(81)の上側の開放部は、第1シリンダ(42)の下面によって閉塞される。
円弧溝(81)の始端は、第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)ないし第1吸入ポート(47)の近傍に位置している。円弧溝(81)の終端は、図4の線Lを基準とした場合に、第3象限に相当する箇所に位置している。円弧溝(81)の終端は、中継空間(74)と軸方向(上下方向)に重なる位置にある。円弧溝(81)の終端と中継空間(74)とは、上下に延びる縦穴(83)を介して互いに連通している。
横溝(82)の径方向の外方の端部は、円弧溝(81)の始端に接続している。横溝(82)の径方向の内方の端部は、第1シリンダ室(46)の内周面よりも径方向内方に位置している。つまり、横溝(82)の径方向の内方の端部は、第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)と連通する位置にある。
横溝(82)のうち吸入室(LC)に開口する開口面は、導入ポート(82a)を構成している(図3及び図4を参照)。導入ポート(82a)は、対応するシリンダ室(46,48)において、θ2の範囲に設けるのがよい。ここで、θ2の範囲は、線Lを基準とした場合に、時計回りに0°〜30°の範囲であるのが好ましい。
連通孔(79)、中継空間(74)、縦穴(83)、連通溝(80)、横溝(82)、及び導入ポート(82a)は、背圧室に低圧の圧力を作用させるための連通路(85)を構成している。
−インジェクション動作−
冷媒回路(11)の冷凍サイクルでは、例えば冷房運転においてインジェクション動作が適宜行われる。
インジェクション動作が実行されると、図1に示す冷媒回路(11)の中間電磁弁(19)が開放され且つ吸入電磁弁(9)が閉鎖される。これにより、気液分離器(15)内の中間圧の冷媒は、中間インジェクション配管(18)を介して圧縮機(20)の中間配管(25)へ導入される。
インジェクション機構(60)では、弁体(71)の背面側の背圧室(76)と、第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)とが、連通路(85)を介して連通している。具体的には、背圧室(76)は、連通孔(79)、中継空間(74)、縦穴(83)、連通溝(80)、横溝(82)、及び導入ポート(82a)を介して第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)と連通している。これにより、背圧室(76)の圧力は、冷媒回路(11)の吸入圧力(低圧圧力)と同等の圧力となる。
一方、中間配管(25)に中間圧の冷媒が導入されると、導入路(61)の圧力も中間圧力となる。この結果、導入路(61)の圧力と背圧室(76)の圧力との差圧ΔPが比較的大きくなり、図7に示す状態の弁体(71)はスプリング(73)の付勢力に抗して弁座(72)側へ移動する。この結果、図6に示すように、弁体(71)は弁座(72)に接触する状態となり、第1分流路(63)と第2分流路(64)とが主導入路(62)と連通する。この状態では、主導入路(62)に流入した中間圧の冷媒が、第1分流路(63)と第2分流路(64)とに分流する。第1分流路(63)を流れる冷媒は、第1インジェクションポート(63a)を介して第1シリンダ室(46)の圧縮途中の圧縮室(HC)に導入される。第2分流路(64)を流れる冷媒は、第2インジェクションポート(64a)を介して第2シリンダ室(48)の圧縮途中の圧縮室(HC)に導入される。
インジェクション動作を停止させる際には、図1に示す冷媒回路(11)の中間電磁弁(19)が閉鎖され且つ吸入電磁弁(9)が開放される。これにより、中間配管(25)は、吸入連通管(8)を介して圧縮機(20)の吸入ライン(吸入管(23,24))と連通する。この結果、導入路(61)の圧力は、圧縮機(20)の吸入圧力(低圧圧力)と同等となる。すると、導入路(61)の圧力と背圧室(76)の圧力との圧力差ΔPが小さくなり、図6に示す状態の弁体(71)がスプリング(73)の付勢力によって弁押さえ(67)側へ移動する。この結果、図7に示すように、弁体(71)は弁押さえ(67)に接触する状態となり、第1分流路(63)と第2分流路(64)とが閉塞される。この結果、中間圧の冷媒は各圧縮室(HC)へ導入されなくなる。
−実施形態の効果−
上記実施形態1では、弁体(71)の背面側に低圧の冷媒を導入するための連通路(85)の一部が連通溝(80)によって構成される。連通溝(80)は、ミドルプレート(43)の軸方向の端面(上面)において溝加工によって容易に形成できる。このため、連通路(85)の構造の簡素化、加工コストの低減を図ることができる。
インジェクション機構(60)では、背圧室(76)に第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)の圧力を作用させている。このため、冷媒の低圧と中間圧との差圧に応じて、弁体(71)を確実に開放位置と閉鎖位置との間で駆動できる。この結果、インジェクション動作の切換を確実に行うことができる。
インジェクション機構(60)では、導入路(61)、弁体(71)、及び連通路(85)がいずれもミドルプレート(43)に設けられる。この結果、導入路(61)、弁体(71)、及び連通路(85)がシリンダ室(46,48)と干渉することがなく、これらの設置スペースを十分に確保できる。また、連通路(85)を構成するための各々の通路の接続は、いずれもミドルプレート(43)の内部で完結するため、インジェクション機構(60)の更なる簡素化を図ることができる。
《実施形態1の変形例》
上記実施形態1では、図2に示すように、ミドルプレート(43)の上面に連通溝(80)を形成し、第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)と背圧室(76)とを連通溝(80)を介して連通させている。しかし、ミドルプレート(43)の下面に連通溝(80)を形成し、第2シリンダ室(48)の吸入室(LC)と背圧室(76)とを連通溝(80)を介して連通させてもよい。
また、閉塞部材を構成するフロントヘッド(41)に導入路(61)及び開閉機構(70)を設けてもよい。この場合、フロントヘッド(41)の下面に連通溝(80)を形成し、フロントヘッド(41)の内部に形成した背圧室(76)と第1シリンダ室(46)の吸入室(LC)とを連通溝(80)を介して連通させる。
また、開閉部材を構成するリアヘッド(45)に導入路(61)及び開閉機構(70)を設けてもよい。この場合、リアヘッド(45)の上面に連通溝(80)を形成し、リアヘッド(45)の内部に形成した背圧室(76)と第2シリンダ室(48)の吸入室(LC)とを連通溝(80)を介して連通させる。
《実施形態2》
図8に示す実施形態2の圧縮機(20)は、実施形態1と圧縮機構(40)の構成が異なる。実施形態2の圧縮機構(40)は、1気筒式で構成され、第1圧縮部(1つの圧縮部(40a))のみを有し、第2圧縮部(40b)は有していない。即ち、実施形態2の圧縮機構(40)は、フロントヘッド(41)、1つのシリンダ(42)、及びリアヘッド(45)を有し、ミドルプレート(43)は有していない。
実施形態2では、シリンダ(42)の上側の開口面がフロントヘッド(41)で閉塞され、シリンダ(42)の下側の開口面がリアヘッド(45)で閉塞される。図8の例では、閉塞部材であるリアヘッド(45)に、実施形態1と同様にして、インジェクション機構(60)が設けられる。連通溝(80)は、リアヘッド(45)の上面に形成され、実施形態1と同様にして、背圧室(76)とシリンダ室(46)の吸入室とを連通させる。
実施形態2においても、連通溝(80)をリアヘッド(45)の端面に溝加工により形成できるとともに、背圧室(76)へ低圧の冷媒の圧力を作用させることができる。
実施形態2において、開閉部材を構成するフロントヘッド(41)に導入路(61)及び開閉機構(70)を設けてもよい。この場合、フロントヘッド(41)の上面に連通溝(80)を形成し、フロントヘッド(41)の内部に形成した背圧室(76)とシリンダ室(46)の吸入室とを連通溝(80)を介して連通させる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、閉塞部材を構成するミドルプレート(43)、フロントヘッド(41)、及びリアヘッド(45)のいずれかの軸方向端面に連通溝(80)を形成している。しかしながら、連通溝(80)をシリンダ(42,44)の軸方向端面に形成し、この連通溝(80)の始端を吸入室(LC)に、他端を背圧室(76)に連通させる構成としてもよい。
圧縮機(20)の圧縮室(HC)へ中間圧の冷媒を導入するための冷媒回路(11)は、上記実施形態に限られない。具体的には、例えば冷媒回路(11)は、図9に示すような構成であってもよい。この冷媒回路(11)には、内部熱交換器(90)が接続される。内部熱交換器(90)は、第1流路(91)と第2流路(92)とを有し、これらの流路(91,92)を流れる冷媒を熱交換させる。第1流路(91)は、室外熱交換器(13)と室内熱交換器(17)との間の液ラインに接続される。第2流路(92)は、液ラインと圧縮機(20)の中間配管(25)とを連通させる中間インジェクション配管(18)に接続される。中間インジェクション配管(18)では、上流側から下流側に向かって順に、減圧弁(93)、第2流路(92)、中間電磁弁(19)が接続される。内部熱交換器(90)の第1流路(91)と室外熱交換器(13)の間には室外膨張弁(14)が接続される。
インジェクション動作が実行されると、中間電磁弁(19)が開放され且つ吸入電磁弁(9)が閉鎖され、高圧冷媒の一部が中間インジェクション配管(18)に分流する。この冷媒は、減圧弁(93)によって中間圧力にまで減圧される。内部熱交換器(90)では、第2流路(92)を流れる冷媒が、第1流路(91)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、中間配管(25)、導入路(61)を経由して、圧縮室(HC)へ導入される。
図9の冷媒回路(11)は、暖房運転においてインジェクション動作を行うように構成されている。しかし、冷媒回路は、冷房運転においてインジェクション動作を行う、あるいは冷房運転と暖房運転においてインジェクション動作を行うように構成されていてもよい。図1の冷媒回路(11)も同様である。
上記実施形態の圧縮機構(40)は、真円形のピストン(51)が揺動回転するように構成される。しかしながら、例えば図10に示すように、圧縮機構(40)は、非円形のピストン(51)を有する、非円形式であってもよい。図10の圧縮機構(40)のピストン(51)の外周面形状は、吸入側及び吐出側(図10に示す左側及び右側)の部分が径方向外方へ膨出した楕円形、ないし卵形に形成されている。換言すると、ピストン(51)の外周面においては、下死点に対応する部分の曲率半径が他の部分の曲率半径よりも大きくなっている。シリンダ室(46)の内周面形状は、このピストン(51)の外周面の包絡線の軌跡によって定められている。従って、シリンダ室(46)の内周面形状も、吸入側及び吐出側が径方向に膨出した楕円形、ないし卵形に形成されている。
図10の例の連通溝(80)は、シリンダ室(46)の内周面に沿うような形状をしている。つまり、連通溝(80)は、楕円、ないし卵形の円のうち吐出側の部分が切除されたような円弧状に形成されている。この例では、実施形態1と同様、ミドルプレート(43)にインジェクション機構(60)が設けられ、連通溝(80)が吸入室(LC)と背圧室(76)とを連通させている。この例では、ミドルプレート(43)において、シリンダ室(46)の吐出側の膨出部分と軸方向に重なる部分に開閉機構(70)の少なくとも一部が配置される。このため、開閉機構(70)を設置するためのスペースを十分に確保できる。
上記実施形態の圧縮機(20)は、ピストン(51)とブレード(53)とが一体化された、いわゆる揺動ピストン式である。しかし、圧縮機(20)は、ピストン(51)とブレード(ベーン)とが別体である、ロータリー式(ローリングピストン式)であってもよい。
以上説明したように、本発明は、回転式圧縮機について有用である。
20 圧縮機(回転式圧縮機)
43 ミドルプレート(閉塞部材)
45 リアヘッド(閉塞部材)
46 第1シリンダ室(シリンダ室)
48 第2シリンダ室(シリンダ室)
61 導入路
70 開閉機構
71 弁体
76 背圧室
80 連通溝
85 連通路

Claims (4)

  1. シリンダ室(46,48)が形成されるシリンダ(42,44)と、該シリンダ室(46,48)で回転するピストン(51,52)と、上記シリンダ室(46,48)の軸方向の開口面を閉塞する閉塞部材(43,45)とを備えた回転式圧縮機であって、
    中間圧の流体を上記シリンダ室(46,48)へ導入するための導入路(61)と、
    上記導入路(61)を開閉するための開閉機構(70)とを備え、
    上記開閉機構(70)は、上記導入路(61)を開閉するように駆動される弁体(71)と、該弁体(71)の背面側の背圧室(76)に所定の圧力を作用させる連通路(85)とを有し、上記導入路(61)と上記背圧室(76)の圧力差に応じて、上記弁体(71)を駆動するように構成され、
    上記連通路(85)は、上記シリンダ室(46,48)の外周側に位置するように、上記シリンダ(42,44)の軸方向の端面又は上記閉塞部材(43,45)の軸方向の端面に形成される連通溝(80)を含む
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記連通路(85)は、上記背圧室(76)と上記シリンダ室(46,48)の吸入室(LC)とを連通させる
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記導入路(61)及び弁体(71)は、上記閉塞部材(43,45)の内部に設けられる
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記連通溝(80)は、上記閉塞部材(43,45)の端面に形成される
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
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JPWO2019244273A1 (ja) * 2018-06-20 2021-04-22 三菱電機株式会社 ロータリ圧縮機

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