JP2018053886A - ロータリ型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータリ型圧縮機において、“回転方向の反転”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え”を可能にする。
【解決手段】圧縮機構(10)の流体室(11)は、ブレード(65)によって第1室(11a)と第2室(11b)に仕切られる。圧縮機構(10)には、圧縮機構(10)に接続する第1管部材(130)を第1室(11a)に接続するための第1吸入ポート(55a)及び第1吐出ポート(56a)と、ケーシング(110)の内部空間(114)を第2室(11b)に接続するための第2吸入ポート(55b)及び第2吐出ポート(56b)とが形成される。また、圧縮機構(10)には、その回転方向に応じて上記四つのポートを開閉する切換機構(70)が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体を圧縮するロータリ型圧縮機に関するものである。
従来より、流体を圧縮するロータリ型圧縮機が広く知られている。このロータリ型圧縮機は、例えば、冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するために用いられる。
ところで、空気調和機に設けられた冷媒回路では、冷房運転における冷媒の循環方向と、暖房運転における冷媒の循環方向が逆方向となる。一般的な空気調和機では、冷媒回路に四方切換弁が設けられ、この四方切換弁によって冷媒回路における冷媒の循環方向が切り換えられる。また、四方切換弁を省略することを目的として、冷媒回路における冷媒の循環方向の切り換えを、圧縮機の回転方向を反転させることによって行うことも提案されている。例えば、特許文献1には、圧縮機に弁機構を設けることによって、正方向と逆方向のどちらに回転しても冷媒を圧縮できるように構成されたロータリ型圧縮機が開示されている。
一方、特許文献2には、全密閉型の圧縮機を備えた空気調和装置が開示されている。全密閉型の圧縮機では、圧縮部とそれを駆動する電動機とが密閉容器に収容される。この特許文献2の圧縮機は、圧縮部で圧縮された冷媒(高圧冷媒)が密閉容器の内部空間へ吐出される状態(内部高圧型)と、低圧冷媒が密閉容器の内部空間を通って圧縮部へ吸入される状態(内部低圧型)とに切り換わる。そして、この特許文献2の空気調和装置は、冷房運転時に圧縮機が内部高圧型となり、暖房運転時に圧縮機が内部低圧型となるように構成される。
特開昭62−3196号公報 特開2000−88386号公報
上述したように、四方切換弁を省略するために回転方向を反転可能に構成されたロータリ型圧縮機は、特許文献1に開示されており、内部高圧型(即ち、高圧ドーム型)と内部低圧型(即ち、低圧ドーム型)に切り換わる圧縮機は、特許文献2に開示されている。しかし、これら二つの機能(回転方向の反転可能化と、高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え可能化)を実現できる機構を備えた圧縮機は、存在していなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、“回転方向の反転可能化”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え可能化”とを実現できる機構を備えたロータリ型圧縮機を提供することにある。
第1の発明は、流体室(11)を形成するシリンダ(20)、該シリンダ(20)に収容されて偏心回転するピストン(61)、及び上記流体室(11)を第1室(11a)と第2室(11b)に区画するブレード(65)を有する圧縮機構(10)と、回転方向を反転可能に構成されて上記圧縮機構(10)を回転駆動する電動機(120)と、上記圧縮機構(10)と上記電動機(120)とを収容するケーシング(110)と、上記ケーシング(110)を貫通して上記圧縮機構(10)に直接に接続される第1管部材(130)と、上記ケーシング(110)を貫通して該ケーシング(110)の内部空間(114)に開口する第2管部材(135)とを備えたロータリ型圧縮機を対象とする。そして、上記圧縮機構(10)には、上記第1管部材(130)から上記第1室(11a)へ流体を導入するための第1吸入ポート(55a)と、上記第1室(11a)から上記第1管部材(130)へ流体を導出するための第1吐出ポート(56a)と、上記ケーシング(110)の内部空間(114)から上記第2室(11b)へ流体を導入するための第2吸入ポート(55b)と、上記第2室(11b)から上記ケーシング(110)の内部空間(114)へ流体を導出するための第2吐出ポート(56b)とが形成され、更に、上記圧縮機構(10)には、上記圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、上記第1吐出ポート(56a)及び上記第2吸入ポート(55b)を塞ぎ且つ上記第1吸入ポート(55a)から上記第1室(11a)へ流体を導入して上記第2室(11b)から上記第2吐出ポート(56b)へ流体を導出する第1状態となり、上記圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、上記第1吸入ポート(55a)及び上記第2吐出ポート(56b)を塞ぎ且つ上記第2吸入ポート(55b)から上記第2室(11b)へ流体を導入して上記第1室(11a)から上記第1吐出ポート(56a)へ流体を導出する第2状態となる切換機構(70)が設けられるものである。
第1の発明では、圧縮機構(10)に、第1室(11a)に連通する第1吸入ポート(55a)及び第1吐出ポート(56a)と、第2室(11b)に連通する第2吸入ポート(55b)及び第2吐出ポート(56b)とが形成される。圧縮機構(10)は、正方向へ回転するときには、流体を第1室(11a)へ吸入し、圧縮した流体を第2室(11b)から吐出する。また、圧縮機構(10)は、逆方向へ回転するときには、流体を第2室(11b)へ吸入し、圧縮した流体を第1室(11a)から吐出する。第1室(11a)に連通する第1吸入ポート(55a)及び第1吐出ポート(56a)は、それぞれが第1管部材(130)と連通可能であり、第2室(11b)に連通する第2吸入ポート(55b)及び第2吐出ポート(56b)は、それぞれがケーシング(110)の内部空間(114)と連通可能である。このため、第1の発明のロータリ型圧縮機(100)では、上述した四つのポート(55a,55b,56a,56b)を切換機構(70)で開閉することによって、“回転方向の反転可能化”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え可能化”とが実現される。
具体的に、第1の発明では、圧縮機構(10)が正方向へ回転するときに、切換機構(70)が第1状態となる。切換機構(70)が第1状態である場合、圧縮機構(10)は、第1管部材(130)へ流入した流体を第1吸入ポート(55a)から第1室(11a)へ吸入し、圧縮された第2室(11b)の流体を第2吐出ポート(56b)からケーシング(110)の内部空間(114)へ吐出する。ケーシング(110)の内部空間(114)の流体は、第2管部材(135)を通ってケーシング(110)の外部へ導出される。つまり、切換機構(70)が第1状態である場合、この発明のロータリ型圧縮機(100)は、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧が、圧縮機構(10)から吐出された流体の圧力と実質的に等しい高圧ドーム型となる。
また、第1の発明では、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときに、切換機構(70)が第2状態となる。切換機構(70)が第2状態である場合、圧縮機構(10)は、第2管部材(135)を通ってケーシング(110)の内部空間(114)へ流入した流体を第2吸入ポート(55b)から第2室(11b)へ吸入し、圧縮された第1室(11a)の流体を第1吐出ポート(56a)から吐出する。第1吐出ポート(56a)から吐出された流体は、第1管部材(130)を通ってケーシング(110)の外部へ導出される。つまり、切換機構(70)が第2状態である場合、この発明のロータリ型圧縮機(100)は、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧が、圧縮機構(10)へ吸入される流体の圧力と実質的に等しい低圧ドーム型となる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記切換機構(70)は、上記第1吐出ポート(56a)を覆うように設けられ、上記第1室(11a)の流体圧が上記第1管部材(130)の流体圧よりも高くなると開く第1吐出弁(71a)と、上記第2吐出ポート(56b)を覆うように設けられ、上記第2室(11b)の流体圧が上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧よりも高くなると開く第2吐出弁(71b)と、上記圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、上記第1吸入ポート(55a)を開いて上記第2吸入ポート(55b)を閉じ、上記圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、上記第2吸入ポート(55b)を開いて上記第1吸入ポート(55a)を閉じる吸入側弁機構(75)とを備えるものである。
第2の発明において、圧縮機構(10)が正方向へ回転する場合には、第1管部材(130)を通過した流体が第1室(11a)へ吸入され、圧縮された流体が第2室(11b)からケーシング(110)の内部空間(114)へ吐出され、ロータリ型圧縮機(100)が高圧ドーム型となる。この場合は、第1吐出弁(71a)が第1吐出ポート(56a)を塞ぐ状態に保持され、第2吐出弁(71b)が第2吐出ポート(56b)を第2室(11b)の流体圧に応じて開閉する。また、圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、吸入側弁機構(75)が第1吸入ポート(55a)を開いて第2吸入ポート(55b)を閉じる。従って、圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、切換機構(70)が第1状態になる。
また、第2の発明において、圧縮機構(10)が逆方向へ回転する場合には、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体が第2室(11b)へ吸入され、圧縮された流体が第1室(11a)から第1管部材(130)へ吐出され、ロータリ型圧縮機(100)が低圧ドーム型となる。この場合は、第1吐出弁(71a)が第1吐出ポート(56a)を第1室(11a)の流体圧に応じて開閉し、第2吐出弁(71b)が第2吐出ポート(56b)を塞ぐ状態に保持される。また、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、吸入側弁機構(75)が第2吸入ポート(55b)を開いて第1吸入ポート(55a)を閉じる。従って、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、切換機構(70)が第2状態になる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記吸入側弁機構(75)は、上記圧縮機構(10)の停止中には、上記第1吸入ポート(55a)と上記第2吸入ポート(55b)の両方を開くように構成されるものである。
第3の発明では、圧縮機構(10)の停止中に、第1室(11a)が第1吸入ポート(55a)を介して第1管部材(130)と連通すると同時に、第2室(11b)が第2吸入ポート(55b)を介してケーシング(110)の内部空間(114)と連通する。ここで、圧縮機構(10)の作動中には、第1管部材(130)の流体圧とケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧とは、一方が高圧(圧縮機構(10)から吐出される流体の圧力と実質的に同じ圧力)となり、他方が低圧(圧縮機構(10)へ吸入される流体の圧力と実質的に同じ圧力)となる。このため、圧縮機構(10)の停止中に吸入側弁機構(75)が第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)の両方を開くと、ケーシング(110)の内部空間(114)と第1管部材(130)の一方から他方へ流体が圧縮機構(10)を通って流れ、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧と第1管部材(130)の流体圧との差が速やかに縮小する。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記吸入側弁機構(75)は、上記第1吸入ポート(55a)を開いて上記第2吸入ポート(55b)を閉じる第1位置と、上記第2吸入ポート(55b)を開いて上記第1吸入ポート(55a)を閉じる第2位置との間を移動する弁体(80)を備えるものである。
第4の発明では、吸入側弁機構(75)に弁体(80)が設けられる。この弁体(80)は、圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには第1位置に位置し、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには第2位置に位置するように、第1位置と第2位置の間を移動する。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記吸入側弁機構(75)は、上記弁体(80)を、上記第1管部材(130)の流体圧と上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差によって駆動するように構成されるものである。
第5の発明では、第1管部材(130)の流体圧と上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差を利用して、弁体(80)が駆動される。圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧が第1管部材(130)の流体圧よりも高くなり、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、第1管部材(130)の流体圧がケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧よりも高くなる。このため、圧縮機構(10)の回転方向が変更されると、第1管部材(130)の流体圧とケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧とが変化し、その結果、吸入側弁機構(75)の弁体(80)が移動する。
第6の発明は、上記第4又は第5の発明において、上記第1吸入ポート(55a)は、上記ブレード(65)に形成されて該ブレード(65)の上記第1室(11a)側の側面に開口し、上記第2吸入ポート(55b)は、上記ブレード(65)に形成されて該ブレード(65)の上記第2室(11b)側の側面に開口し、上記吸入側弁機構(75)の弁体(80)は、上記ブレード(65)に設けられるものである。
第6の発明では、第1吸入ポート(55a)及び第2吸入ポート(55b)がブレード(65)に形成される。また、吸入側弁機構(75)の弁体(80)は、ブレード(65)に設けられて第1位置と第2位置の間を移動する。
第7の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記吸入側弁機構(75)は、上記第1吸入ポート(55a)を開く開弁位置と上記第1吸入ポート(55a)を閉じる閉弁位置との間を移動する第1弁体(90a)と、上記第2吸入ポート(55b)を開く開弁位置と上記第2吸入ポート(55b)を閉じる閉弁位置との間を移動する第2弁体(90b)とを備えるものである。
第7の発明では、吸入側弁機構(75)に第1弁体(90a)と第2弁体(90b)とが設けられる。第1弁体(90a)は、圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには開弁位置に位置し、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには閉弁位置に位置するように、開弁位置と閉弁位置の間を移動する。第2弁体(90b)は、圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには閉弁位置に位置し、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには開弁位置に位置するように、開弁位置と閉弁位置の間を移動する。
第8の発明は、上記第7の発明において、上記吸入側弁機構(75)は、上記第1弁体(90a)と上記第2弁体(90b)のそれぞれを、上記第1管部材(130)の流体圧と上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差によって駆動するように構成されるものである。
第8の発明では、第1管部材(130)の流体圧と上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差を利用して、第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)が駆動される。圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧が第1管部材(130)の流体圧よりも高くなり、圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、第1管部材(130)の流体圧がケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧よりも高くなる。このため、圧縮機構(10)の回転方向が変更されると、第1管部材(130)の流体圧とケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧とが変化し、その結果、吸入側弁機構(75)の第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)が移動する。
第9の発明は、上記第7又は第8の発明において、上記第1吸入ポート(55a)及び上記第2吸入ポート(55b)は、上記シリンダ(20)に形成され、上記吸入側弁機構(75)の第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)は、上記シリンダ(20)に設けられるものである。
第9の発明では、第1吸入ポート(55a)及び第2吸入ポート(55b)がシリンダ(20)に形成される。また、吸入側弁機構(75)の第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)は、シリンダ(20)に設けられて開弁位置と閉弁位置の間を移動する。
本発明では、第1室(11a)と第1管部材(130)を繋ぐための第1吸入ポート(55a)及び第1吐出ポート(56a)と、第2室(11b)とケーシング(110)の内部空間(114)を繋ぐための第2吸入ポート(55b)及び第2吐出ポート(56b)とを圧縮機構(10)に形成し、これら四つのポート(55a,55b,56a,56b)を切換機構(70)が圧縮機構(10)の回転方向に応じて開閉する。このため、本発明によれば、上述した四つのポート(55a,55b,56a,56b)を圧縮機構(10)に設けた切換機構(70)で開閉することによって、“回転方向の反転”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え”とを実現することができる。
上記第2の発明では、第1吐出弁(71a)と第2吐出弁(71b)と吸入側弁機構(75)とを用いることによって、所定の機能を有する切換機構(70)を実現できる。
ここで、圧縮機構(10)の回転方向を変更する場合は、圧縮機構(10)を一旦停止させ、その後に圧縮機構(10)を停止前とは逆方向へ回転駆動することになる。圧縮機構(10)の損傷を未然に防ぐためには、圧縮機構(10)の吸入側と吐出側の流体圧力の差がある程度小さくなってから、圧縮機構(10)を再起動するのが望ましい。
これに対し、上記第3の発明では、圧縮機構(10)の停止中に吸入側弁機構(75)が第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)の両方を開くため、圧縮機構(10)が停止したときに、ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧と第1管部材(130)の流体圧との差を速やかに縮小することができる。従って、この発明によれば、圧縮機構(10)の回転方向の変更に要する時間を短縮することができる。
上記第4の発明では、吸入側弁機構(75)に弁体(80)が設けられる。そして、この発明によれば、弁体(80)が第1位置と第2位置の間を移動することによって、吸入側弁機構(75)を、第1吸入ポート(55a)を開いて第2吸入ポート(55b)を閉じる状態と、第2吸入ポート(55b)を開いて第1吸入ポート(55a)を閉じる状態とに切り換えることが可能となる。
上記第5の発明では、吸入側弁機構(75)の弁体(80)が、第1管部材(130)の流体圧とケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差によって駆動される。このため、圧縮機構(10)の回転方向を変更すれば、それに連動して弁体(80)が自ずと移動することになる。従って、この発明によれば、弁体(80)に対する特別な制御動作を行うことなく、吸入側弁機構(75)の状態を切り換えることが可能となる。
上記第7の発明では、吸入側弁機構(75)に第1弁体(90a)と第2弁体(90b)とが設けられる。そして、この発明によれば、第1弁体(90a)と第2弁体(90b)のそれぞれが開弁位置と閉弁位置の間を移動することによって、吸入側弁機構(75)を、第1吸入ポート(55a)を開いて第2吸入ポート(55b)を閉じる状態と、第2吸入ポート(55b)を開いて第1吸入ポート(55a)を閉じる状態とに切り換えることが可能となる。
上記第8の発明では、吸入側弁機構(75)の第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)が、第1管部材(130)の流体圧とケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差によって駆動される。このため、圧縮機構(10)の回転方向を変更すれば、それに連動して第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)が自ずと移動することになる。従って、この発明によれば、第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)に対する特別な制御動作を行うことなく、吸入側弁機構(75)の状態を切り換えることが可能となる。
図1は、実施形態1のロータリ型圧縮機の縦断面図である。 図2は、正方向に回転している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図3のB−B断面図である。 図3は、正方向に回転している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図2のA−A断面図である。 図4は、逆方向に回転している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図5のD−D断面図である。 図5は、逆方向に回転している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図4のC−C断面図である。 図6は、正方向に回転している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図2に示す断面の要部の拡大図である。 図7は、逆方向に回転している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図4に示す断面の要部の拡大図である。 図8は、停止している状態の実施形態1の圧縮機構を示す、図6及び図7と同じ箇所の断面図である。 図9は、実施形態1の圧縮機構のピストン及びブレードの平面、正面、背面、及び右側面を並べて示す図である。 図10は、実施形態1の吸入側弁機構の弁体の斜視図である。 図11は、実施形態1の吸入側弁機構の弁体の平面とE−E断面を並べて示す図である。 図12は、実施形態1の圧縮機構のフロントヘッドのF−F断面とG−G断面を並べて示す図である。 図13は、実施形態1の圧縮機構のリアヘッドのH−H断面とI−I断面を並べて示す図である。 図14は、実施形態2のロータリ型圧縮機の圧縮機構を示す、図15のK−O−K断面図である。 図15は、正方向に回転している状態の実施形態2の圧縮機構を示す、図14のJ−J断面図である。 図16Aは、正方向に回転している状態の実施形態2の圧縮機構を示す、図15のO−L断面図である。 図16Bは、正方向に回転している状態の実施形態2の圧縮機構を示す、図15のO−M断面図である。 図17は、逆方向に回転している状態の実施形態2の圧縮機構を示す、図14のJ−J断面図である。 図18Aは、逆方向に回転している状態の実施形態2の圧縮機構を示す、図17のO−N断面図である。 図18Bは、逆方向に回転している状態の実施形態2の圧縮機構を示す、図17のO−P断面図である。 図19は、実施形態2の吸入側弁機構の第1弁体の斜視図である。 図20は、実施形態2の吸入側弁機構の第1弁体の平面とQ−Q断面を並べて示す図である。 図21は、実施形態2の吸入側弁機構の第2弁体の斜視図である。 図22は、実施形態2の吸入側弁機構の第2弁体の平面とR−R断面を並べて示す図である。 図23は、実施形態2の変形例1の圧縮機構の図15に相当する断面を示す断面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の圧縮機(100)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられ、蒸発器で蒸発した冷媒を吸入して圧縮する。また、本実施形態の圧縮機(100)は、圧縮機構(10)の回転方向を反転可能に構成されている。
−圧縮機の全体構成−
図1に示すように、本実施形態の圧縮機(100)は、圧縮機構(10)と電動機(120)とがケーシング(110)に収容された全密閉型のロータリ型圧縮機である。
ケーシング(110)は、起立した状態の円筒状の密閉容器である。ケーシング(110)は、円筒状の胴部(111)と、胴部(111)の端部を閉塞する一対の鏡板(112,113)とを備えている。ケーシング(110)には、第1接続管(130)と第2接続管(135)とが取り付けられている。
第1接続管(130)は、内側管(131)と、内側管(131)の外側を覆う外側管(132)とで構成されている。第1接続管(130)は、胴部(111)の下部を貫通するように設けられている。外側管(132)は、その基端部(図1における左端部)が胴部(111)に接合されている。内側管(131)は、その基端部(図1における左端部)が、後述する圧縮機構(10)のシリンダ(20)に接続されている。外側管(132)と内側管(131)の隙間は、外側管(132)の先端部(図1における右端部)において封止されている。この第1接続管(130)は、ケーシング(110)を貫通して圧縮機構(10)に直接に接続される第1管部材を構成している。
第2接続管(135)は、上側の鏡板(112)の頂部を貫通するように設けられ、この鏡板(112)に接合されている。第2接続管(135)の一端(図1における下端)は、ケーシング(110)の内部空間(114)に開口している。この第2接続管(135)は、ケーシング(110)を貫通してケーシング(110)の内部空間(114)に開口する第2管部材を構成している。
電動機(120)は、圧縮機構(10)の上方に配置されている。電動機(120)は、固定子(121)と回転子(122)とを備えている。固定子(121)は、ケーシング(110)の胴部(111)に固定されている。回転子(122)は、後述する圧縮機構(10)の駆動軸(15)に取り付けられている。電動機(120)は、回転方向を反転可能に構成されている。つまり、この電動機(120)は、圧縮機構(10)を正方向(図3における時計方向)に駆動する動作と、圧縮機構(10)を逆方向(図3における反時計方向)に駆動する動作とを選択的に実行できる。
圧縮機構(10)は、ケーシング(110)内の下部に配置されている。詳しくは後述するが、圧縮機構(10)は、駆動軸(15)を備えている。この駆動軸(15)には、電動機(120)の回転子(122)が取り付けられている。また、圧縮機構(10)には、切換機構(70)が設けられている。
−圧縮機構の構成−
圧縮機構(10)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ型流体機械である。この圧縮機構(10)は、シリンダ(20)と、フロントヘッド(30)と、リアヘッド(40)と、駆動軸(15)と、ピストン(61)と、ブレード(65)と、ブッシュ(62)とを備えている。シリンダ(20)は、ケーシング(110)の胴部(111)に固定されている。フロントヘッド(30)、シリンダ(20)、及びリアヘッド(40)は、互いにボルトによって締結されている。
〈シリンダ〉
図2及び図3に示すように、シリンダ(20)は、厚肉円板状の部材である。シリンダ(20)には、シリンダボア(21)と、ブレード収容孔(22)と、管接続孔(23)とが形成されている。
シリンダボア(21)は、シリンダ(20)を厚さ方向に貫通する円形孔であって、シリンダ(20)の中央部に形成されている。このシリンダボア(21)には、ピストン(61)が収容される。
ブレード収容孔(22)は、シリンダ(20)の内周面(即ち、シリンダボア(21)の壁面)からシリンダ(20)の径方向の外側へ向かって延びる孔である。このブレード収容孔(22)は、シリンダ(20)を厚さ方向に貫通する。ブレード収容孔(22)には、ブレード(65)が収容される。ブレード収容孔(22)は、その壁面がブレード(65)と干渉しないような形状に形成されている。
管接続孔(23)は、ブレード収容孔(22)からシリンダ(20)の径方向の外側へ向かって延びる断面が円形の孔である。この管接続孔(23)は、シリンダ(20)の外周面に開口している。管接続孔(23)には、第1接続管(130)の内側管(131)が挿入される(図1を参照)。
〈フロントヘッド〉
フロントヘッド(30)は、シリンダ(20)の電動機(120)側の端面(図1における上端面)を閉塞する部材である。このフロントヘッド(30)は、本体部(31)と、主軸受部(32)と、外周壁部(33)とを備えている。
本体部(31)は、概ね円形の厚板状に形成されている(図12を参照)。この本体部(31)は、シリンダ(20)の端面を覆うように配置される。主軸受部(32)は、本体部(31)から電動機(120)側(図1における上側)へ延びる円筒状に形成され、本体部(31)の中央部に配置されている。この主軸受部(32)は、圧縮機構(10)の駆動軸(15)を支持するジャーナル軸受を構成している。外周壁部(33)は、本体部(31)の外周縁部から電動機(120)側へ延びる円筒状に形成されている。外周壁部(33)の長さ(高さ)は、主軸受部(32)の長さ(高さ)よりも短い。
フロントヘッド(30)には、蓋板(34)が取り付けられている。蓋板(34)は、ドーナツ板状の部材である。蓋板(34)は、その外径が外周壁部(33)の外径と概ね等しく、その内径が主軸受部(32)の外径よりも若干大きい。蓋板(34)は、その中央の孔に主軸受部(32)が挿通され、その周縁部が外周壁部(33)の突端を全周に亘って覆うように配置される。また、蓋板(34)には、蓋板(34)を貫通する流通孔(35)が形成されている。
フロントヘッド(30)では、本体部(31)と主軸受部(32)と外周壁部(33)と蓋板(34)とに囲まれた第2接続用空間(51b)が形成される。この第2接続用空間(51b)は、蓋板(34)の流通孔(35)と、蓋板(34)と主軸受部(32)の隙間とを介して、ケーシング(110)の内部空間(114)と連通している。
また、フロントヘッド(30)には、第2吐出ポート(56b)と、第2連通孔(52b)とが形成されている。詳しくは後述するが、第2吐出ポート(56b)及び第2連通孔(52b)は、フロントヘッド(30)の本体部(31)を、その厚さ方向に貫通している。第2吐出ポート(56b)及び第2連通孔(52b)の詳細は、切換機構(70)の詳細な構成と共に後述する。
〈リアヘッド〉
リアヘッド(40)は、シリンダ(20)の電動機(120)とは逆側の端面(図1における下端面)を閉塞する部材である。リアヘッド(40)は、本体部(41)と、副軸受部(42)と、外周壁部(43)とを備えている。
本体部(41)は、概ね円形の厚板状に形成されている(図13を参照)。この本体部(41)は、シリンダ(20)の端面を覆うように配置される。副軸受部(42)は、本体部(41)から電動機(120)とは逆側(図1における下側)へ延びる円筒状に形成され、本体部(41)の中央部に配置されている。この副軸受部(42)は、圧縮機構(10)の駆動軸(15)を支持するジャーナル軸受を構成している。外周壁部(43)は、本体部(41)の外周縁部から電動機(120)とは逆側へ延びる円筒状に形成されている。外周壁部(43)の長さ(高さ)は、副軸受部(42)の長さ(高さ)と実質的に等しい。
リアヘッド(40)には、閉塞板(44)が取り付けられている。閉塞板(44)は、ドーナツ板状の部材である。閉塞板(44)は、その外径が外周壁部(43)の外径と概ね等しく、その内径が副軸受部(42)の外径よりも若干小さい。閉塞板(44)は、その内周縁部が副軸受部(42)の突端を全周に亘って覆い、その外周縁部が外周壁部(43)の突端を全周に亘って覆うように配置される。
リアヘッド(40)では、本体部(41)と副軸受部(42)と外周壁部(43)と閉塞板(44)とに囲まれた第1接続用空間(51a)が形成される。この第1接続用空間(51a)は、ケーシング(110)の内部空間(114)から遮蔽されている。つまり、第1接続用空間(51a)は、ケーシング(110)の内部空間(114)と連通しない空間である。
また、リアヘッド(40)には、第1吐出ポート(56a)と、第1連通孔(52a)とが形成されている。第1吐出ポート(56a)及び第1連通孔(52a)は、リアヘッド(40)の本体部(41)を、その厚さ方向に貫通している。第1吐出ポート(56a)及び第1連通孔(52a)の詳細は、切換機構(70)の詳細な構成と共に後述する。
〈駆動軸〉
駆動軸(15)は、主軸部(16)と、偏心軸部(17)とを備えている(図1,2を参照)。偏心軸部(17)は、主軸部(16)よりも大径の円柱状に形成され、主軸部(16)の下端寄りに配置されている。偏心軸部(17)は、主軸部(16)に対して偏心している。偏心軸部(17)の中心軸は、主軸部(16)の中心軸(即ち、駆動軸(15)の回転中心軸)と実質的に平行である。
上述したように、駆動軸(15)の主軸部(16)には、電動機(120)の回転子(122)が取り付けられている。回転子(122)は、主軸部(16)における偏心軸部(17)とは逆側の端部寄りに配置されている。
駆動軸(15)には、給油通路(18)が形成されている。ケーシング(110)の底部に溜まった潤滑油は、給油通路(18)を通って駆動軸(15)の軸受けや圧縮機構(10)の摺動部分へ供給される。
〈ピストン、ブレード、ブッシュ〉
図3に示すように、ピストン(61)は、やや厚肉の円筒状に形成されている。ピストン(61)には、駆動軸(15)の偏心軸部(17)が回転自在に嵌め込まれている。ピストン(61)は、外周面がシリンダ(20)の内周面(即ち、シリンダボア(21)の壁面)と摺接し、一方の端面がフロントヘッド(30)の本体部(31)の前面(シリンダ(20)側の面)と摺接し、他方の端面がリアヘッド(40)の本体部(41)の前面(シリンダ(20)側の面)と摺接する。ただし、ピストン(61)とシリンダ(20)は、互いに接触しないように設計されており、ピストン(61)の外周面とシリンダ(20)の内周面との間には、必ず数μm程度の隙間が確保される。圧縮機構(10)では、ピストン(61)の外周面とシリンダ(20)の内周面との間に流体室(11)が形成される。
ブレード(65)は、ピストン(61)の外周面から突出した矩形平板状の部材である。このブレード(65)は、ピストン(61)と一体に形成されている。また、ブレード(65)の伸長方向は、ピストン(61)の径方向と実質的に一致している。ブレード(65)は、シリンダボア(21)側からブレード収容孔(22)へ差し込まれ、流体室(11)を第1室(11a)と第2室(11b)に仕切る。また、ブレード(65)には、第1吸入ポート(55a)及び第2吸入ポート(55b)が形成され、後述する切換機構(70)の弁体(80)が設けられている。ブレード(65)の詳細な構造は、切換機構(70)の詳細な構成と共に後述する。
圧縮機構(10)には、一対のブッシュ(62)が設けられている。各ブッシュ(62)は、前面が平坦面となり、背面が円弧面となった小さい板状の部材である。一対のブッシュ(62)は、シリンダ(20)のブレード収容孔(22)に差し込まれたブレード(65)を、ブレード(65)を両側から挟み込むように配置される。ピストン(61)と一体のブレード(65)は、このブッシュ(62)を介してシリンダ(20)に揺動自在で且つ進退自在に支持される。
−圧縮機構のポートと切換機構の構成−
圧縮機構(10)には、第1吸入ポート(55a)と、第2吸入ポート(55b)と、第1吐出ポート(56a)と、第2吐出ポート(56b)とが形成されている。また、圧縮機構(10)には、切換機構(70)が設けられている。切換機構(70)は、圧縮機構(10)に形成された四つのポート(55a,55b,56a,56b)を開閉することによって、“圧縮機構(10)の回転方向の反転”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え”とを可能にする。
〈吸入ポート、ブレードの詳細構造〉
ブレード(65)の詳細な構造について、図9を参照しながら説明する。
ブレード(65)は、ピストン(61)の外周面からピストン(61)の径方向の外側へ向かって延びる矩形板状の部材である。ブレード(65)において、その厚さ方向と直交する二つの側面は、一方が第1室(11a)に面する第1側面(66a)となり、他方が第2室(11b)に面する第2側面(66b)となる。
ブレード(65)には、第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)とが形成されている。第1吸入ポート(55a)は、ブレード(65)の第1側面(66a)に開口する長方形状の窪みである。第2吸入ポート(55b)は、ブレード(65)の第2側面(66b)に開口する長方形状の窪みである。
第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)のそれぞれは、ブレード(65)の高さ方向の中央部に形成されている。これら吸入ポート(55a,55b)は、それぞれの長辺がブレード(65)の高さよりも短い。また、第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)のそれぞれは、ピストン(61)の外周面に隣接する位置に形成されている。これら吸入ポート(55a,55b)は、それぞれの短辺が、駆動軸(15)の主軸部(16)に対する偏心軸部(17)の偏心量(即ち、主軸部(16)の中心軸と偏心軸部(17)の中心軸の距離)の2倍と実質的に等しい。
ブレード(65)には、後述する切換機構(70)の弁体(80)を収容するための弁体収容孔(68)が形成されている。弁体収容孔(68)は、ブレード(65)を高さ方向に貫通する円形の孔である。弁体収容孔(68)は、吸入ポート(55a,55b)よりもブレード(65)の突端(ピストン(61)とは逆側の端部)寄りに形成されている。弁体収容孔(68)には、弁体(80)の回転を規制するための溝が形成されている。
ブレード(65)には、第1接続孔(67a)と第2接続孔(67b)とが形成されている。第1接続孔(67a)と第2接続孔(67b)のそれぞれは、ブレード(65)の突端面に開口してブレード(65)の基端へ向かって延びる円形の孔である。第1接続孔(67a)は、ブレード(65)の第1側面(66a)寄りで且つブレード(65)の下面寄りに形成され、第1吸入ポート(55a)を弁体収容孔(68)と連通させる。第2接続孔(67b)は、ブレード(65)の第2側面(66b)寄りで且つブレード(65)の上面寄りに形成され、第2吸入ポート(55b)を弁体収容孔(68)と連通させる。
〈吐出ポート、連通孔〉
図2及び図12に示すように、フロントヘッド(30)には、第2吐出ポート(56b)と、第2連通孔(52b)とが形成されている。
第2吐出ポート(56b)は、フロントヘッド(30)の本体部(31)に形成された円形の孔であって、本体部(31)をその厚さ方向に貫通している。この第2吐出ポート(56b)は、第2接続用空間(51b)を介して第2室(11b)をケーシング(110)の内部空間(114)と連通させる通路である。第2吐出ポート(56b)は、本体部(31)の前面において、第2室(11b)に面し且つブレード(65)に近接した位置に開口している(図3を参照)。
第2連通孔(52b)は、フロントヘッド(30)の本体部(31)に形成された長円形の孔であって、本体部(31)をその厚さ方向に貫通している。この第2連通孔(52b)は、第2接続用空間(51b)を介して弁体収容孔(68)をケーシング(110)の内部空間(114)と連通させる通路である(図2及び図4を参照)。第2連通孔(52b)は、その長手方向がブレード収容孔(22)の伸長方向に沿っている。また、第2連通孔(52b)は、本体部(31)の前面における開口位置と、本体部(31)の前面における開口形状とが、ブレード(65)と共に移動する弁体収容孔(68)が第2連通孔(52b)と常に連通するように設定されている。
図2及び図13に示すように、リアヘッド(40)には、第1吐出ポート(56a)と、第1連通孔(52a)とが形成されている。
第1吐出ポート(56a)は、リアヘッド(40)の本体部(41)に形成された円形の孔であって、本体部(41)をその厚さ方向に貫通している。この第1吐出ポート(56a)は、第1室(11a)を第1接続用空間(51a)と連通させる通路である。第1吐出ポート(56a)は、本体部(41)の前面において、第1室(11a)に面し且つブレード(65)に近接した位置に開口している(図3を参照)。
第1連通孔(52a)は、リアヘッド(40)の本体部(41)に形成された長円形の孔であって、本体部(41)をその厚さ方向に貫通している。この第1連通孔(52a)は、ブレード収容孔(22)を介して弁体収容孔(68)及び第1接続用空間(51a)を第1接続管(130)と連通させる通路である(図2及び図4を参照)。第1連通孔(52a)は、その長手方向がブレード収容孔(22)の伸長方向に沿っている。また、第1連通孔(52a)は、本体部(41)の前面における開口位置と、本体部(41)の前面における開口形状とが、ブレード(65)と共に移動する弁体収容孔(68)が第1連通孔(52a)と常に連通し、且つ第1連通孔(52a)がブレード収容孔(22)と常に連通するように設定されている。
〈切換機構の概要〉
上述したように、切換機構(70)は、“圧縮機構(10)の回転方向の反転”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え”とを可能にするために、圧縮機構(10)に設けられている。この切換機構(70)は、第1吐出弁(71a)と、第2吐出弁(71b)と、吸入側弁機構(75)とを備えている。
第1吐出弁(71a)及び第2吐出弁(71b)のそれぞれは、弁体板(72a,72b)と弁押え(73a,73b)とを一つずつ備えたリード弁である。ここでは、第1吐出弁(71a)及び第2吐出弁(71b)について、図6〜8を参照しながら説明する。
〈吐出弁〉
第1吐出弁(71a)は、リアヘッド(40)に取り付けられている。第1吐出弁(71a)は、弁体板(72a)の先端部がリアヘッド(40)の背面における第1吐出ポート(56a)の開口部を覆うように配置される。第1吐出弁(71a)の弁体板(72a)は、第1室(11a)の冷媒圧力が第1接続用空間(51a)の冷媒圧力よりも高くなると、その先端部がリアヘッド(40)から浮き上がって第1吐出ポート(56a)を開く。なお、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力は、第1接続管(130)の冷媒圧力と実質的に等しい。また、図6及び図8は、第1吐出弁(71a)が第1吐出ポート(56a)を閉じている状態を示し、図7は、第1吐出弁(71a)が第1吐出ポート(56a)を開いている状態を示す。
第2吐出弁(71b)は、フロントヘッド(30)に取り付けられている。第2吐出弁(71b)は、弁体板(72b)の先端部がフロントヘッド(30)の背面における第2吐出ポート(56b)の開口部を覆うように配置される。第2吐出弁(71b)の弁体板(72b)は、第2室(11b)の冷媒圧力が第2接続用空間(51b)の冷媒圧力よりも高くなると、その先端部がフロントヘッド(30)から浮き上がって第2吐出ポート(56b)を開く。なお、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力は、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と実質的に等しい。また、図7及び図8は、第2吐出弁(71b)が第2吐出ポート(56b)を閉じている状態を示し、図6は、第2吐出弁(71b)が第2吐出ポート(56b)を開いている状態を示す。
〈吸入側弁機構〉
吸入側弁機構(75)は、圧縮機構(10)の回転方向に応じて第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)を開閉する機構である。この吸入側弁機構(75)は、一つの弁体(80)を備えている。また、吸入側弁機構(75)は、固定リング(86)とばね(87)とを二つずつ備えている。
図10及び図11に示すように、弁体(80)は、比較的細径の円管状に形成された本体円筒(81)を備えている。本体円筒(81)の外径は、ブレード(65)に形成された弁体収容孔(68)の内径よりも僅かに小さい。
本体円筒(81)の軸方向の中央部には、本体円筒(81)の内部空間(114)を横断する中央隔壁(82)が設けられている。本体円筒(81)の内部空間(114)は、中央隔壁(82)によって、一端側(図11のE−E断面における下端側)の第1弁内通路(83a)と、他端側(図11のE−E断面における上端側)の第2弁内通路(83b)とに仕切られている。
本体円筒(81)には、二つの側面孔(84a,84b)が形成されている。これら二つの側面孔(84a,84b)のそれぞれは、本体円筒(81)の側壁部に形成された円形の孔であって、本体円筒(81)の軸方向と直交する方向へ本体円筒(81)の側壁部を貫通する。第1側面孔(84a)は、中央隔壁(82)よりも本体円筒(81)の一端寄りに形成され、第1弁内通路(83a)に連通している。第2側面孔(84b)は、中央隔壁(82)よりも本体円筒(81)の他端寄りに形成され、第2弁内通路(83b)に連通している。
本体円筒(81)には、一対のガイド溝(85)が形成されている。各ガイド溝(85)は、本体円筒(81)の外周面に開口する凹溝である。各ガイド溝(85)は、本体円筒(81)の軸方向に沿って本体円筒(81)の全長に亘って延びている。図11の平面図に示すように、ガイド溝(85)は、本体円筒(81)の周方向において対向する位置に一つずつ形成されている。なお、本体円筒(81)の外周面において、図11の平面図における一対のガイド溝(85)の左側の領域に、第1側面孔(84a)及び第2側面孔(84b)の両方が開口している。
図6〜8に示すように、弁体(80)は、ブレード(65)に形成された弁体収容孔(68)に収容されている。弁体収容孔(68)において、弁体(80)は、ブレード(65)の高さ方向にスライド自在となっている。また、弁体(80)は、そのガイド溝(85)と弁体収容孔(68)に形成された溝とに係合する回り止め片によって、その軸方向周りの回転が規制されている。なお、弁体収容孔(68)の内壁と弁体(80)のクリアランスは、弁体収容孔(68)の内壁と弁体(80)の隙間のシールが確保されるように、弁体(80)がスライド自在となる最小限の値に設定されている。
固定リング(86)は、非常に短い円管状の部材である。固定リング(86)は、弁体収容孔(68)の一端部と他端部に一つずつ配置されている。各固定リング(86)は、圧入等によってブレード(65)に固定されている。つまり、各固定リング(86)は、ブレード(65)に対して移動不能である。
ばね(87)は、各固定リング(86)と弁体(80)の間に一つずつ設けられている。各ばね(87)は、コイルばねである。図6〜8において、弁体(80)の下方に配置されたばね(87)は、弁体(80)に上向きの力を作用させ、弁体(80)の上方に配置されたばね(87)は、弁体(80)に下向きの力を作用させる。ばね(87)は、圧縮機構(10)の停止中に弁体(80)を図8に示す中立位置(即ち、第1側面孔(84a)が第1接続孔(67a)に開口し、且つ第2側面孔(84b)が第2接続孔(67b)に開口する位置)となるように、弁体(80)に力を作用させる。
弁体(80)は、弁体収容孔(68)の軸方向へスライドすることによって、図6に示す第1位置と、図7に示す第2位置との間を移動するように構成されている。
弁体(80)が第1位置に位置する場合、第1吸入ポート(55a)が第1接続管(130)と連通し、第2吸入ポート(55b)が閉じられる。この場合、第1吸入ポート(55a)は、ブレード(65)の第1接続孔(67a)と、弁体(80)の第1弁内通路(83a)と、リアヘッド(40)の第1連通孔(52a)と、シリンダ(20)のブレード収容孔(22)とを介して、第1接続管(130)の内側管(131)と連通する(図2を参照)。ブレード(65)の第1接続孔(67a)と、弁体(80)の第1弁内通路(83a)と、リアヘッド(40)の第1連通孔(52a)と、シリンダ(20)のブレード収容孔(22)とは、第1吸入ポート(55a)を第1接続管(130)に連通させるための通路を構成する。
弁体(80)が第2位置に位置する場合は、第1吸入ポート(55a)が閉じられ、第2吸入ポート(55b)がケーシング(110)の内部空間(114)と連通する。この場合、第2吸入ポート(55b)は、ブレード(65)の第2接続孔(67b)と、弁体(80)の第2弁内通路(83b)と、フロントヘッド(30)の第2連通孔(52b)と、第2接続用空間(51b)と、蓋板(34)の流通孔(35)とを介して、ケーシング(110)の内部空間(114)と連通する(図4を参照)。ブレード(65)の第2接続孔(67b)と、弁体(80)の第2弁内通路(83b)と、フロントヘッド(30)の第2連通孔(52b)と、第2接続用空間(51b)と、蓋板(34)の流通孔(35)とは、第2吸入ポート(55b)をケーシング(110)の内部空間(114)に連通させるための通路を構成する。
なお、ブレード(65)の第1接続孔(67a)及び第2接続孔(67b)は、それぞれのうち弁体収容孔(68)よりもブレード(65)の突端側の部分が、弁体(80)の本体円筒(81)によって常に塞がれる(図6〜8を参照)。
−圧縮機の運転動作−
上述したように、本実施形態の圧縮機(100)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられ、冷媒を吸入して圧縮した後に吐出する。ここでは、圧縮機(100)の動作を説明する。
〈圧縮機構が正方向へ回転する場合〉
圧縮機構(10)が正方向へ回転する場合の圧縮機(100)の動作について、図2,3,6を参照しながら説明する。
この場合、電動機(120)は、圧縮機構(10)の駆動軸(15)を、図3における時計方向へ回転駆動する。また、切換機構(70)は、第1状態となる。つまり、切換機構(70)の吸入側弁機構(75)は、弁体(80)が第1位置に位置する(図6を参照)。
圧縮機構(10)では、第1吸入ポート(55a)が第1接続管(130)の内側管(131)と連通する。このため、正方向へ回転する駆動軸(15)がピストン(61)を駆動すると、第1室(11a)の容積が拡大し、第1接続管(130)から圧縮機構(10)へ流入した冷媒が第1室(11a)へ吸入される。このとき、第1室(11a)の冷媒圧力は、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力とほぼ同じか僅かに低くなる。このため、第1吐出弁(71a)は、第1吐出ポート(56a)を閉じた状態に保たれる。
また、正方向へ回転する駆動軸(15)がピストン(61)を駆動すると、第2室(11b)の容積が縮小し、第2室(11b)内の冷媒が圧縮される。第2室(11b)の冷媒圧力が第2接続用空間(51b)の冷媒圧力よりも高くなると、第2吐出弁(71b)が開き、第2室(11b)の冷媒が第2吐出ポート(56b)を通って第2接続用空間(51b)へ吐出される。第2接続用空間(51b)へ吐出された冷媒は、蓋板(34)と主軸受部(32)の隙間、又は蓋板(34)の流通孔(35)を通ってケーシング(110)の内部空間(114)へ流入し、その後に第2管部材(135)を通ってケーシング(110)の外部へ導出される。
このように、圧縮機構(10)が正方向へ回転する場合、圧縮機構(10)は、第1吸入ポート(55a)から流体室(11)へ冷媒を吸入し、流体室(11)の冷媒を第2吐出ポート(56b)から吐出する。その結果、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力は、圧縮機構(10)から吐出された冷媒の圧力と実質的に等しくなる。つまり、このように、圧縮機構(10)が正方向へ回転する場合、圧縮機(100)は高圧ドーム型となる。
〈圧縮機構が逆方向へ回転する場合〉
圧縮機構(10)が逆方向へ回転する場合の圧縮機(100)の動作について、図4,5,7を参照しながら説明する。
この場合、電動機(120)は、圧縮機構(10)の駆動軸(15)を、図5における反時計方向へ回転駆動する。また、切換機構(70)は、第2状態となる。つまり、切換機構(70)の吸入側弁機構(75)は、弁体(80)が第2位置に位置する(図7を参照)。
圧縮機構(10)では、第2吸入ポート(55b)がケーシング(110)の内部空間(114)と連通する。このため、逆方向へ回転する駆動軸(15)がピストン(61)を駆動すると、第2室(11b)の容積が拡大し、ケーシング(110)の内部空間(114)から圧縮機構(10)へ流入した冷媒が第2室(11b)へ吸入される。このとき、第2室(11b)の冷媒圧力は、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力とほぼ同じか僅かに低くなる。このため、第2吐出弁(71b)は、第2吐出ポート(56b)を閉じた状態に保たれる。
また、逆方向へ回転する駆動軸(15)がピストン(61)を駆動すると、第1室(11a)の容積が縮小し、第1室(11a)内の冷媒が圧縮される。第1室(11a)の冷媒圧力が第1接続用空間(51a)の冷媒圧力よりも高くなると、第1吐出弁(71a)が開き、第1室(11a)の冷媒が第1吐出ポート(56a)を通って第1接続用空間(51a)へ吐出される。第1接続用空間(51a)へ吐出された冷媒は、リアヘッド(40)の第1連通孔(52a)とシリンダ(20)のブレード収容孔(22)とを順に通過し、その後に第1接続管(130)を通ってケーシング(110)の外部へ導出される。
このように、圧縮機構(10)が逆方向へ回転する場合、圧縮機構(10)は、第2吸入ポート(55b)から流体室(11)へ冷媒を吸入し、流体室(11)の冷媒を第1吐出ポート(56a)から吐出する。その結果、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力は、圧縮機構(10)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しくなる。つまり、圧縮機構(10)が逆方向へ回転する場合、圧縮機(100)は低圧ドーム型となる。
〈吸入側弁機構の動作〉
吸入側弁機構(75)の動作について、図6〜8を参照しながら説明する。
圧縮機構(10)の停止中は、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力とが、概ね等しくなっている。従って、圧縮機構(10)の停止中は、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力とが、概ね等しい。このため、吸入側弁機構(75)の弁体(80)は、図8に示す中立位置に位置する。
圧縮機構(10)が停止状態から正方向へ回転し始めると、第1吸入ポート(55a)から第1室(11a)へ冷媒が吸入されるため、弁体(80)の第1弁内通路(83a)の冷媒圧力が低下する。このため、弁体(80)は、第1弁内通路(83a)側(即ち、図8における下側)へ押され、中立位置から図6に示す第1位置へ移動する。弁体(80)が第1位置に位置すると、第2吸入ポート(55b)が弁体(80)によって閉じられるため、第2室(11b)において冷媒が圧縮される。第2室(11b)において圧縮された冷媒は、第2吐出ポート(56b)を通って第2接続用空間(51b)へ吐出される。
正方向へ回転していた圧縮機構(10)が停止すると、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力との差が次第に縮小する。つまり、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力との差が縮小する。このため、吸入側弁機構(75)の弁体(80)は、ばね(87)によって押されて第1位置から中立位置へ向かって移動する。
弁体(80)が中立位置に位置すると、第1室(11a)が第1吸入ポート(55a)を介してフロントヘッド(30)の第2連通孔(52b)と連通すると同時に、第2室(11b)が第2吸入ポート(55b)を介してリアヘッド(40)の第1連通孔(52a)と連通する。圧縮機構(10)が正方向へ回転している状態では、第2連通孔(52b)と連通するケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力が、第1連通孔(52a)と連通する第1接続管(130)の冷媒圧力よりも高い。このため、圧縮機構(10)では、第2吸入ポート(55b)を通って第2室(11b)へ冷媒が流入すると同時に、第1室(11a)の冷媒が第1吸入ポート(55a)を通って排出される。その結果、圧縮機構(10)のピストン(61)に係合する駆動軸(15)が逆方向へ回転し、第2吸入ポート(55b)から第1吸入ポート(55a)へ向かって冷媒が流れるため、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と第1接続管(130)の冷媒圧力との差が急速に縮小する。
圧縮機構(10)が停止状態から逆方向へ回転し始めると、第2吸入ポート(55b)から第2室(11b)へ冷媒が吸入されるため、弁体(80)の第2弁内通路(83b)の冷媒圧力が低下する。このため、弁体(80)は、第2弁内通路(83b)側(即ち、図8における上側)へ押され、中立位置から図7に示す第2位置へ移動する。弁体(80)が第2位置に位置すると、第1吸入ポート(55a)が弁体(80)によって閉じられるため、第1室(11a)において冷媒が圧縮される。第1室(11a)において圧縮された冷媒は、第1吐出ポート(56a)を通って第1接続用空間(51a)へ吐出される。
逆方向へ回転していた圧縮機構(10)が停止すると、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力との差が次第に縮小する。つまり、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力との差が縮小する。このため、吸入側弁機構(75)の弁体(80)は、ばね(87)によって押されて第2位置から中立位置へ向かって移動する。
弁体(80)が中立位置に位置すると、圧縮機構(10)では、第1吸入ポート(55a)を通って第1室(11a)へ冷媒が流入すると同時に、第2室(11b)の冷媒が第2吸入ポート(55b)を通って排出される。その結果、圧縮機構(10)のピストン(61)に係合する駆動軸(15)が正方向へ回転し、第1吸入ポート(55a)から第2吸入ポート(55b)へ向かって冷媒が流れるため、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と第1接続管(130)の冷媒圧力との差が急速に縮小する。
このように、吸入側弁機構(75)では、圧縮機構(10)の回転方向が変更されて第1連通孔(52a)と第2連通孔(52b)の冷媒圧力(即ち、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力)が変化すると、それに伴って弁体(80)が第1位置と第2位置のどちらかに位置する状態となる。
−本実施形態の圧縮機を空気調和機に設ける場合−
熱源側の室外熱交換器と利用側の室内熱交換器とを備える一般的な空気調和機に本実施形態の圧縮機(100)を設ける場合、その空気調和機の冷媒回路では、圧縮機(100)の第1接続管(130)が室内熱交換器のガス側端に接続され、圧縮機(100)の第2接続管(135)が室外熱交換器のガス側端に接続される。このように圧縮機(100)を冷媒回路に接続すると、空気調和機の冷房運転では圧縮機(100)の圧縮機構(10)が正方向へ回転し、空気調和機の暖房運転では圧縮機(100)の圧縮機構(10)が逆方向へ回転することになる。従って、空気調和機の冷房運転では圧縮機(100)が高圧ドーム型となり、空気調和機の暖房運転では圧縮機(100)が低圧ドーム型となる。
ここで、圧縮機(100)が高圧ドーム型の場合、圧縮機構(10)から吐出された冷媒は、ケーシング(110)の内部空間(114)を通過した後に圧縮機(100)の外部へ導出される。このため、圧縮機(100)を起動してからしばらくの間は、圧縮機構(10)から吐出された冷媒の熱がケーシング(110)等に奪われるため、圧縮機(100)が吐出する冷媒の温度がそれほど高くない状態が続き、充分な暖房能力が得られないおそれがある。
これに対し、上述したように圧縮機(100)を冷媒回路に接続すると、空気調和機の暖房運転では圧縮機(100)が低圧ドーム型となり、圧縮機構(10)において圧縮された冷媒が、圧縮機構(10)から第1接続管(130)へ直接に流入することになる。このため、圧縮機(100)を起動してから殆ど時間が経過していない時点でも、温度が充分に高い冷媒を圧縮機(100)から吐出することができ、充分な暖房能力を得ることができる。
また、空気調和機では、暖房運転を一時的に中断して除霜運転を行う必要がある。この除霜運転は、室外熱交換器に付着した霜を融かすための運転であって、冷媒回路にいて冷媒を暖房運転中とは逆方向(即ち、冷房運転中と同じ方向)へ循環させることによって行われる。このため、本実施形態の圧縮機(100)を備えた空気調和機では、暖房運転を停止して除霜運転を開始するときと、除霜運転を終了して暖房運転を再開するときに、圧縮機構(10)の回転方向を反転させることになる。
一方、本実施形態の圧縮機(100)の切換機構(70)は、圧縮機構(10)の停止中に吸入側弁機構(75)の弁体(80)が中立位置に位置するように構成されている。このため、圧縮機構(10)が停止してからケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と第1接続管(130)の冷媒圧力との差が充分に小さくなるまでに要する時間が短くて済み、圧縮機構(10)の回転方向を反転させるのに要する時間を短縮できる。従って、本実施形態の圧縮機(100)を備えた空気調和機では、暖房運転から除霜運転への切り換えに要する時間と、除霜運転から暖房運転への切り換えに要する時間を短縮でき、除霜運転によって暖房運転が中断する時間を短縮できるため、ユーザーの快適性を向上させることができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、第1室(11a)と第1接続管(130)を繋ぐための第1吸入ポート(55a)及び第1吐出ポート(56a)と、第2室(11b)とケーシング(110)の内部空間(114)を繋ぐための第2吸入ポート(55b)及び第2吐出ポート(56b)とを圧縮機構(10)に形成し、これら四つのポート(55a,55b,56a,56b)を切換機構(70)が圧縮機構(10)の回転方向に応じて開閉する。このため、本実施形態によれば、上述した四つのポート(55a,55b,56a,56b)を圧縮機構(10)に設けた切換機構(70)で開閉することによって、“回転方向の反転”と“高圧ドーム型と低圧ドーム型の切り換え”とを実現することができる。
また、本実施形態では、圧縮機構(10)の停止中に吸入側弁機構(75)が第1吸入ポート(55a)と第2吸入ポート(55b)の両方を開くため、圧縮機構(10)が停止したときに、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と第1接続管(130)の冷媒圧力との差を速やかに縮小することができる。従って、本実施形態によれば、圧縮機構(10)の回転方向の変更に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、吸入側弁機構(75)の弁体(80)が、第1接続管(130)の冷媒圧力とケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力との差によって駆動される。このため、圧縮機構(10)の回転方向を変更すれば、それに連動して弁体(80)が自ずと移動することになる。従って、本実施形態によれば、弁体(80)に対する特別な制御動作を行うことなく、吸入側弁機構(75)の状態を切り換えることが可能となる。
更に、本実施形態では、特別な制御動作が不要な吸入側弁機構(75)と、第1室(11a)と第1接続用空間(51a)の圧力差に応じて自動的に開閉する第1吐出弁(71a)と、第2室(11b)と第2接続用空間(51b)の圧力差に応じて自動的に開閉する第2吐出弁(71b)とによって、切換機構(70)を構成している。従って、本実施形態によれば、圧縮機構(10)の回転方向を変更するだけで切換機構(70)を作動させることができ、圧縮機(100)の制御を簡素化することができる。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の圧縮機(100)は、実施形態1の圧縮機(100)において、切換機構(70)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の圧縮機(100)について、実施形態1の圧縮機(100)と異なる点を説明する。
本実施形態の切換機構(70)は、吸入側弁機構(75)の構成が、実施形態1と異なる。図15に示すように、本実施形態の切換機構(70)は、吸入側弁機構(75)が第1弁体(90a)と第2弁体(90b)とを備えている。また、本実施形態において、第1吸入ポート(55a)及び第2吸入ポート(55b)は、シリンダ(20)に形成されている。図14にも示すように、本実施形態のブレード(65)は、吸入ポート(55a,55b)や弁体収容孔(68)などが形成されない単純な平板状に形成されている。
−シリンダ、フロントヘッド、リアヘッド−
本実施形態において、シリンダ(20)には、第1流体通路(24a)と第2流体通路(24b)とが形成されている。また、このシリンダ(20)には、吸入側弁機構(75)の弁体(90a,90b)を収容するための弁体収容孔(25a,25b)が形成されている。
〈第1流体通路、第1弁体収容孔〉
図15に示すように、第1流体通路(24a)は、ブレード収容孔(22)の近傍に形成されている。また、第1流体通路(24a)は、ブレード収容孔(22)よりも第1室(11a)側に配置されている。第1流体通路(24a)は、シリンダ(20)の内周面(即ち、シリンダボア(21)の壁面)に開口し、シリンダ(20)の径方向の外側へ向かって延びる孔である。第1流体通路(24a)は、シリンダ(20)の内周面側の端部が、第1吸入ポート(55a)を構成している。図16Aにも示すように、第1流体通路(24a)は、シリンダ(20)を径方向に貫通し、シリンダ(20)の外周面に開口している。シリンダ(20)の径方向の外側に位置する第1流体通路(24a)の端部には、第1接続管(130)の内側管(131)が差し込まれている。
第1弁体収容孔(25a)は、シリンダ(20)の内周面の近傍に形成されている。第1弁体収容孔(25a)は、シリンダ(20)のフロントヘッド(30)側の端面(図16Aにおける上端面)に開口する円形で有底の孔である。第1弁体収容孔(25a)は、第1吸入ポート(55a)に隣接する位置に、第1流体通路(24a)と交差するように形成されている。
図16Aに示すように、圧縮機構(10)には、第1フロント側圧力導入路(26a)と、第1リア側圧力導入路(27a)とが形成されている。第1フロント側圧力導入路(26a)は、フロントヘッド(30)の本体部(31)に形成されている。この第1フロント側圧力導入路(26a)は、本体部(31)を厚さ方向に貫通し、第1弁体収容孔(25a)を第2接続用空間(51b)と連通させる。第1リア側圧力導入路(27a)は、リアヘッド(40)の本体部(41)とシリンダ(20)に亘って形成されている。この第1リア側圧力導入路(27a)は、本体部(41)とシリンダ(20)をそれぞれの厚さ方向に貫通し、第1弁体収容孔(25a)を第1接続用空間(51a)と連通させる。
また、圧縮機構(10)には、第1接続路(28a)が形成されている。第1接続路(28a)は、リアヘッド(40)とシリンダ(20)に亘って形成されている。この第1接続路(28a)は、リアヘッド(40)の本体部(41)とシリンダ(20)をそれぞれの厚さ方向に貫通し、第1流体通路(24a)を第1接続用空間(51a)と連通させる。
〈第2流体通路、第2弁体収容孔〉
図15に示すように、第2流体通路(24b)は、ブレード収容孔(22)の近傍に形成されている。また、第2流体通路(24b)は、ブレード収容孔(22)よりも第2室(11b)側に配置されている。第2流体通路(24b)は、シリンダ(20)の内周面に開口し、シリンダ(20)の径方向の外側へ向かって延びる孔である。第2流体通路(24b)は、シリンダ(20)の内周面側の端部が、第2吸入ポート(55b)を構成している。図16Bにも示すように、第2流体通路(24b)は、シリンダ(20)の外周面側の端部が封止されている。
第2弁体収容孔(25b)は、シリンダ(20)の内周面の近傍に形成されている。第2弁体収容孔(25b)は、シリンダ(20)のリアヘッド(40)側の端面(図16Bにおける下端面)に開口する円形で有底の孔である。第2弁体収容孔(25b)は、第2吸入ポート(55b)に隣接する位置に、第2流体通路(24b)と交差するように形成されている。
図16Bに示すように、圧縮機構(10)には、第2フロント側圧力導入路(26b)と、第2リア側圧力導入路(27b)とが形成されている。第2フロント側圧力導入路(26b)は、フロントヘッド(30)の本体部(31)とシリンダ(20)に亘って形成されている。この第2フロント側圧力導入路(26b)は、本体部(31)とシリンダ(20)をそれぞれの厚さ方向に貫通し、第2弁体収容孔(25b)を第2接続用空間(51b)と連通させる。第2リア側圧力導入路(27b)は、リアヘッド(40)の本体部(41)に形成されている。この第2リア側圧力導入路(27b)は、本体部(41)を厚さ方向に貫通し、第2弁体収容孔(25b)を第1接続用空間(51a)と連通させる。
また、圧縮機構(10)には、第2接続路(28b)が形成されている。第2接続路(28b)は、フロントヘッド(30)とシリンダ(20)に亘って形成されている。この第2接続路(28b)は、フロントヘッド(30)の本体部(31)とシリンダ(20)をそれぞれの厚さ方向に貫通し、第2流体通路(24b)を第2接続用空間(51b)と連通させる。
−切換機構−
実施形態1と同様に、本実施形態の切換機構(70)は、第1吐出弁(71a)と、第2吐出弁(71b)と、吸入側弁機構(75)とを備えている。
第1吐出弁(71a)と第2吐出弁(71b)のそれぞれは、実施形態1と同様にリード弁によって構成されている。そして、実施形態1と同様に、第1吐出弁(71a)はリアヘッド(40)の本体部(41)に設けられ、第2吐出弁(71b)はフロントヘッド(30)の本体部(31)に設けられている。
〈吸入側弁機構〉
本実施形態の吸入側弁機構(75)は、弁体(90a,90b)とばね(95a,95b)とを二つずつ備えている。この吸入側弁機構(75)は、圧縮機構(10)の回転方向に応じて、第1弁体(90a)が第1吸入ポート(55a)を開閉し、第2弁体(90b)が第2吸入ポート(55b)を開閉する。
図19及び図20に示すように、第1弁体(90a)は、円柱状の部材である。第1弁体(90a)の外径は、第1弁体収容孔(25a)の内径よりも僅かに小さい。第1弁体(90a)には、貫通孔(91a)と凹部(92a)とが一つずつ形成されている。貫通孔(91a)は、第1弁体(90a)をその軸方向と直交する方向に貫通する円形孔である。貫通孔(91a)は、第1弁体(90a)の一端(図19における上端)寄りに形成されている。凹部(92a)は、第1弁体(90a)の他端面(図19における下端面)に開口する柱状の窪みである。
また、第1弁体(90a)には、一対のガイド溝(93a)が形成されている。各ガイド溝(93a)は、第1弁体(90a)の外周面に開口する凹溝である。各ガイド溝(93a)は、第1弁体(90a)の軸方向に沿って第1弁体(90a)の全長に亘って延びる。ガイド溝(93a)は、第1弁体(90a)の周方向において対向する位置に一つずつ形成されている。
図21及び図22に示すように、第2弁体(90b)は、円柱状の部材である。第2弁体(90b)の外径は、第2弁体収容孔(25b)の内径よりも僅かに小さい。第2弁体(90b)には、貫通孔(91b)と凹部(92b)とが一つずつ形成されている。貫通孔(91b)は、第2弁体(90b)をその軸方向と直交する方向に貫通する円形孔である。貫通孔(91b)は、第2弁体(90b)の他端(図21における下端)寄りに形成されている。凹部(92b)は、第2弁体(90b)の一端面(図21における上端面)に開口する柱状の窪みである。
また、第2弁体(90b)には、一対のガイド溝(93b)が形成されている。各ガイド溝(93b)は、第2弁体(90b)の外周面に開口する凹溝である。各ガイド溝(93b)は、第2弁体(90b)の軸方向に沿って第2弁体(90b)の全長に亘って延びる。ガイド溝(93b)は、第2弁体(90b)の周方向において対向する位置に一つずつ形成されている。
図16Aに示すように、第1弁体(90a)は、第1弁体収容孔(25a)に設けられている。第1弁体収容孔(25a)において、第1弁体(90a)は、第1弁体収容孔(25a)の軸方向にスライド自在となっている。また、第1弁体(90a)は、そのガイド溝(93a)と第1弁体収容孔(25a)に形成された溝とに係合する回り止め片によって、その軸方向周りの回転が規制されている。なお、第1弁体収容孔(25a)の内壁と第1弁体(90a)のクリアランスは、第1弁体収容孔(25a)の内壁と第1弁体(90a)の隙間のシールが確保されるように、第1弁体(90a)がスライド自在となる最小限の値に設定されている。
ばね(95a)は、第1弁体収容孔(25a)の底部と第1弁体(90a)の間に設けられている。ばね(95a)は、コイルばねである。詳しくは後述するが、第1弁体(90a)には、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力とが作用する。ばね(95a)の自由長は、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と第2接続用空間(51b)の冷媒圧力が実質的に等しいときに、第1弁体(90a)が図16Aに示す開弁位置と図18Aに示す閉弁位置の間の中間位置に位置するように設定されている。つまり、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と第2接続用空間(51b)の冷媒圧力が実質的に等しいとき、第1弁体(90a)は、ばね(95a)からの力を受け、重力に逆らって中間位置に留まる。
第1弁体(90a)は、第1弁体収容孔(25a)の軸方向へスライドすることによって、図16Aに示す開弁位置と、図18Aに示す閉弁位置との間を移動するように構成されている。
第1弁体(90a)が開弁位置に位置する場合は、第1弁体(90a)の貫通孔(91a)が第1流体通路(24a)と重なり合い、第1吸入ポート(55a)が開かれる(図16Aを参照)。この場合、第1吸入ポート(55a)は、第1弁体(90a)の貫通孔(91a)と、第1流体通路(24a)とを介して、第1接続管(130)の内側管(131)と連通する。第1弁体(90a)の貫通孔(91a)と、第1流体通路(24a)とは、第1吸入ポート(55a)を第1接続管(130)に連通させるための通路を構成する。
また、第1弁体(90a)が中間位置に位置する場合は、第1弁体(90a)の貫通孔(91a)の一部分が第1流体通路(24a)と重なり合う。従って、この場合は、第1弁体(90a)が開弁位置に位置する場合と同様に、第1吸入ポート(55a)が第1接続管(130)の内側管(131)と連通する。
一方、第1弁体(90a)が閉弁位置に位置する場合は、第1弁体(90a)の貫通孔(91a)が第1流体通路(24a)から外れ、第1吸入ポート(55a)が第1弁体(90a)によって塞がれる(図18Aを参照)。
図16Bに示すように、第2弁体(90b)は、第2弁体収容孔(25b)に設けられている。第2弁体収容孔(25b)において、第2弁体(90b)は、第2弁体収容孔(25b)の軸方向にスライド自在となっている。また、第2弁体(90b)は、そのガイド溝(93b)と第2弁体収容孔(25b)に形成された溝とに係合する回り止め片によって、その軸方向周りの回転が規制されている。なお、第2弁体収容孔(25b)の内壁と第2弁体(90b)のクリアランスは、第2弁体収容孔(25b)の内壁と第2弁体(90b)の隙間のシールが確保されるように、第2弁体(90b)がスライド自在となる最小限の値に設定されている。
ばね(95b)は、リアヘッド(40)と第2弁体(90b)の間に設けられている。ばね(95b)は、コイルばねである。詳しくは後述するが、第2弁体(90b)には、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力とが作用する。ばね(95b)の自由長は、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と第2接続用空間(51b)の冷媒圧力が実質的に等しいときに、第2弁体(90b)が図16Bに示す閉弁位置と図18Bに示す開弁位置の間の中間位置に位置するように設定されている。つまり、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と第2接続用空間(51b)の冷媒圧力が実質的に等しいとき、第2弁体(90b)は、ばね(95b)からの力を受け、重力に逆らって中間位置に留まる。
第2弁体(90b)は、第2弁体収容孔(25b)の軸方向へスライドすることによって、図18Bに示す開弁位置と、図16Bに示す閉弁位置との間を移動するように構成されている。
第2弁体(90b)が開弁位置に位置する場合は、第2弁体(90b)の貫通孔(91b)が第2流体通路(24b)と重なり合い、第2吸入ポート(55b)が開かれる(図18Bを参照)。この場合、第2吸入ポート(55b)は、第2弁体(90b)の貫通孔(91b)と、第2流体通路(24b)と、第2接続路(28b)と、第2接続用空間(51b)と、蓋板(34)の流通孔(35)とを介して、ケーシング(110)の内部空間(114)と連通する。第2弁体(90b)の貫通孔(91b)と、第2流体通路(24b)と、第2接続路(28b)と、第2接続用空間(51b)と、蓋板(34)の流通孔(35)とは、第2吸入ポート(55b)をケーシング(110)の内部空間(114)に連通させるための通路を構成する。
また、第2弁体(90b)が中間位置に位置する場合は、第2弁体(90b)の貫通孔(91b)の一部分が第2流体通路(24b)と重なり合う。従って、この場合は、第2弁体(90b)が開弁位置に位置する場合と同様に、第2吸入ポート(55b)がケーシング(110)の内部空間(114)と連通する。
一方、第2弁体(90b)が閉弁位置に位置する場合は、第2弁体(90b)の貫通孔(91b)が第2流体通路(24b)から外れ、第2吸入ポート(55b)が第2弁体(90b)によって塞がれる(図16Bを参照)。
−圧縮機の運転動作−
本実施形態の圧縮機(100)の動作について、主に実施形態1と異なる点を説明する。
〈圧縮機構が正方向へ回転する場合〉
圧縮機構(10)が正方向へ回転する場合の圧縮機(100)の動作について、図15、図16A、及び図16Bを適宜参照しながら説明する。
この場合、電動機(120)は、圧縮機構(10)の駆動軸(15)を、図15における時計方向へ回転駆動する。また、切換機構(70)の吸入側弁機構(75)は、第1弁体(90a)が開弁位置に位置し、第2弁体(90b)が閉弁位置に位置する(図16Aと図16Bを参照)。圧縮機構(10)では、第1吸入ポート(55a)が第1接続管(130)の内側管(131)と連通する。また、第1吐出弁(71a)は、第1吐出ポート(56a)を閉じた状態に保たれる。
この場合、圧縮機構(10)は、実施形態1と同様に、第1吸入ポート(55a)から第1室(11a)へ冷媒を吸入し、第2室(11b)において圧縮した冷媒を第2吐出ポート(56b)から第2接続用空間(51b)へ吐出する。第2接続用空間(51b)へ吐出された冷媒は、蓋板(34)の流通孔(35)を通ってケーシング(110)の内部空間(114)へ流入し、その後に第2管部材(135)を通ってケーシング(110)の外部へ導出される。従って、本実施形態の圧縮機(100)は、実施形態1と同様に、圧縮機構(10)が正方向へ回転する場合に高圧ドーム型となる。
〈圧縮機構が逆方向へ回転する場合〉
圧縮機構(10)が逆方向へ回転する場合の圧縮機(100)の動作について、図17、図18A、及び図18Bを適宜参照しながら説明する。
この場合、電動機(120)は、圧縮機構(10)の駆動軸(15)を、図17における反時計方向へ回転駆動する。また、切換機構(70)の吸入側弁機構(75)は、第1弁体(90a)が閉弁位置に位置し、第2弁体(90b)が開弁位置に位置する(図18Aと図18Bを参照)。圧縮機構(10)では、第2吸入ポート(55b)がケーシング(110)の内部空間(114)と連通する。また、第2吐出弁(71b)は、第2吐出ポート(56b)を閉じた状態に保たれる。
この場合、圧縮機構(10)は、実施形態1と同様に、第2吸入ポート(55b)から第2室(11b)へ冷媒を吸入し、第1室(11a)において圧縮した冷媒を第1吐出ポート(56a)から第1接続用空間(51a)へ吐出する。第1接続用空間(51a)へ吐出された冷媒は、第1接続用空間(51a)と、第1接続路(28a)と、第1流体通路(24a)とを通って第1接続管(130)へ流入し、その後にケーシング(110)の外部へ導出される。従って、本実施形態の圧縮機(100)は、実施形態1と同様に、圧縮機構(10)が逆方向へ回転する場合に低圧ドーム型となる。
〈吸入側弁機構の動作〉
吸入側弁機構(75)の動作について説明する。
圧縮機構(10)の停止中は、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力とが、概ね等しくなっている。従って、圧縮機構(10)の停止中は、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力とが、概ね等しい。
第1接続用空間(51a)は、第1リア側圧力導入路(27a)を介して第1弁体収容孔(25a)における第1弁体(90a)よりもリアヘッド(40)側(図16Aと図18Aにおける下側)の空間と連通し、第2リア側圧力導入路(27b)を介して第2弁体収容孔(25b)における第2弁体(90b)よりもリアヘッド(40)側(図16Bと図18Bにおける下側)の空間と連通する。一方、第2接続用空間(51b)は、第1フロント側圧力導入路(26a)を介して第1弁体収容孔(25a)における第1弁体(90a)よりもフロントヘッド(30)側(図16Aと図18Aにおける上側)の空間と連通し、第2フロント側圧力導入路(26b)を介して第2弁体収容孔(25b)における第2弁体(90b)よりもフロントヘッド(30)側(図16Bと図18Bにおける上側)の空間と連通する。
このため、第1弁体収容孔(25a)では、第1弁体(90a)のリアヘッド(40)側の冷媒圧力とフロントヘッド(30)側の冷媒圧力が概ね等しくなる。そして、第1弁体(90a)は、ばね(95a)からの力を受けて、開弁位置と閉弁位置の中間の中間位置に位置する。また、第2弁体収容孔(25b)では、第2弁体(90b)のリアヘッド(40)側の冷媒圧力とフロントヘッド(30)側の冷媒圧力が概ね等しくなる。そして、第2弁体(90b)は、ばね(95b)からの力を受けて、閉弁位置と開弁位置の中間の中間位置に位置する。
圧縮機構(10)が停止状態から正方向へ回転し始めると、第1吸入ポート(55a)から第1室(11a)へ冷媒が吸入されるため、第1吸入ポート(55a)に連通する第1接続用空間(51a)の冷媒圧力が低下する。このため、第1弁体(90a)は、中間位置から図16Aに示す開弁位置へ移動し、第2弁体(90b)は、中間位置から図16Bに示す閉弁位置へ移動する。その結果、第1吸入ポート(55a)は開状態となる一方、第2吸入ポート(55b)は第2弁体(90b)によって閉じられ、第2室(11b)において冷媒が圧縮される。第2室(11b)において圧縮された冷媒は、第2吐出ポート(56b)を通って第2接続用空間(51b)へ吐出される。
正方向へ回転していた圧縮機構(10)が停止すると、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力との差が次第に縮小する。つまり、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力との差が縮小する。このため、吸入側弁機構(75)では、第1弁体(90a)が、ばね(95a)に押されて開弁位置から中間位置へ向かって移動し、第2弁体(90b)が、ばね(95b)に押されて閉弁位置から中間位置へ向かって移動する。
第1弁体(90a)が中間位置に位置すると、第1弁体(90a)が開弁位置に位置するときと同様に、第1室(11a)が第1吸入ポート(55a)を介して第1接続用空間(51a)と連通する。また、第2弁体(90b)が中間位置に位置すると、第2弁体(90b)が開弁位置に位置するときと同様に、第2室(11b)が第2吸入ポート(55b)を介して第2接続用空間(51b)と連通する。
圧縮機構(10)が正方向へ回転している状態では、第2接続用空間(51b)と連通するケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力が、第1接続用空間(51a)と連通する第1接続管(130)の冷媒圧力よりも高い。このため、圧縮機構(10)では、第2吸入ポート(55b)を通って第2室(11b)へ冷媒が流入すると同時に、第1室(11a)の冷媒が第1吸入ポート(55a)を通って排出される。その結果、圧縮機構(10)のピストン(61)に係合する駆動軸(15)が逆方向へ回転し、第2吸入ポート(55b)から第1吸入ポート(55a)へ向かって冷媒が流れるため、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と第1接続管(130)の冷媒圧力との差が急速に縮小する。
圧縮機構(10)が停止状態から逆方向へ回転し始めると、第2吸入ポート(55b)から第2室(11b)へ冷媒が吸入されるため、第2吸入ポート(55b)と連通する第2接続用空間(51b)の冷媒圧力が低下する。このため、第1弁体(90a)は、中間位置から図18Aに示す閉弁位置へ移動し、第2弁体(90b)は、中間位置から図18Bに示す開弁位置へ移動する。その結果、第2吸入ポート(55b)は開状態となる一方、第1吸入ポート(55a)は第1弁体(90a)によって閉じられ、第1室(11a)において冷媒が圧縮される。第1室(11a)において圧縮された冷媒は、第1吐出ポート(56a)を通って第1接続用空間(51a)へ吐出される。
逆方向へ回転していた圧縮機構(10)が停止すると、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力との差が次第に縮小する。つまり、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と、第2接続用空間(51b)の冷媒圧力との差が縮小する。このため、吸入側弁機構(75)では、第1弁体(90a)が、重力によって閉弁位置から中間位置へ向かって移動し、第2弁体(90b)が、重力によって開弁位置から中間位置へ向かって移動する。
第1弁体(90a)が中間位置に位置すると、第1弁体(90a)が開弁位置に位置するときと同様に、第1室(11a)が第1吸入ポート(55a)を介して第1接続用空間(51a)と連通する。また、第2弁体(90b)が中間位置に位置すると、第2弁体(90b)が開弁位置に位置するときと同様に、第2室(11b)が第2吸入ポート(55b)を介して第2接続用空間(51b)と連通する。その結果、圧縮機構(10)のピストン(61)に係合する駆動軸(15)が正方向へ回転し、第1吸入ポート(55a)から第2吸入ポート(55b)へ向かって冷媒が流れるため、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力と第1接続管(130)の冷媒圧力との差が急速に縮小する。
このように、吸入側弁機構(75)では、圧縮機構(10)の回転方向が変更されて第1接続用空間(51a)と第2接続用空間(51b)の冷媒圧力(即ち、第1接続管(130)の冷媒圧力と、ケーシング(110)の内部空間(114)の冷媒圧力)が変化すると、それに伴って第1弁体(90a)と第2弁体(90b)のそれぞれが開弁位置と閉弁位置のどちらかに位置する状態となる。
−実施形態2の効果−
本実施形態によれば、実施形態1で得られる効果に加えて、次のような効果が得られる。その効果について説明する。
本実施形態の圧縮機構(10)では、第1流体通路(24a)のうち、シリンダ(20)の内周面に開口する端部から第1弁体(90a)までの領域が、ピストン(61)が移動しても容積が変化しない死容積となる。また、この圧縮機構(10)では、第2流体通路(24b)のうち、シリンダ(20)の内周面に開口する端部から第2弁体(90b)までの領域が、ピストン(61)が移動しても容積が変化しない死容積となる。
これに対し、本実施形態では、吸入側弁機構(75)に第1弁体(90a)と第2弁体(90b)とを設け、これら二つの弁体(90a,90b)をシリンダ(20)の内周面の近傍に配置している。このため、本実施形態によれば、第1流体通路(24a)のうち死容積となる領域と、第2流体通路(24b)のうち死容積となる領域を、必要最小限に抑えることができる。従って、本実施形態によれば、圧縮機構(10)に吸入側弁機構(75)を設けることに起因する圧縮機(100)の効率低下を最小限に抑えることができる。
−実施形態2の変形例1−
本実施形態の圧縮機構(10)は、いわゆるローリングピストン型のロータリ型流体機械であってもよい。
図23に示すように、本変形例の圧縮機構(10)では、ピストン(61)とブレード(65)が別体となっている。また、本変形例の圧縮機構(10)では、ブッシュ(62)が省略されている。本変形例の圧縮機構(10)において、ブレード(65)は、ブレード収容孔(22)に収容され、シリンダ(20)の径方向へ進退自在となっている。ブレード(65)は、冷媒の圧力、または図外の“ばね”によって、その先端がピストン(61)の外周面に押しつけられている。そして、ブレード(65)は、ピストン(61)の移動に伴って、ブレード収容孔(22)の壁面に案内されてスライドする。
−実施形態2の変形例2−
本実施形態の吸入側弁機構(75)では、各弁体(90a,90b)のリアヘッド(40)側だけにばね(95a,95b)を設けているが、各弁体(90a,90b)のフロントヘッド(30)側にも“ばね”を設けてもよい。つまり、本変形例の吸入側弁機構(75)では、各弁体(90a,90b)のリアヘッド(40)側とフロントヘッド(30)側に“ばね”が一つずつ配置される。そして、第1接続用空間(51a)の冷媒圧力と第2接続用空間(51b)の冷媒圧力が実質的に等しいとき、各弁体(90a,90b)は、それぞれの両側に配置された“ばね”の力を受けて中間位置に位置する。
以上説明したように、本発明は、流体を圧縮するロータリ型圧縮機について有用である。
10 圧縮機構
11 流体室
11a 第1室
11b 第2室
20 シリンダ
55a 第1吸入ポート
55b 第2吸入ポート
56a 第1吐出ポート
56b 第2吐出ポート
61 ピストン
65 ブレード
70 切換機構
71a 第1吐出弁
71b 第2吐出弁
75 吸入側弁機構
80 弁体
90a 第1弁体
90b 第2弁体
100 ロータリ型圧縮機
110 ケーシング
114 内部空間
120 電動機
130 第1接続管(第1管部材)
135 第2接続管(第2管部材)

Claims (9)

  1. 流体室(11)を形成するシリンダ(20)、該シリンダ(20)に収容されて偏心回転するピストン(61)、及び上記流体室(11)を第1室(11a)と第2室(11b)に区画するブレード(65)を有する圧縮機構(10)と、
    回転方向を反転可能に構成されて上記圧縮機構(10)を回転駆動する電動機(120)と、
    上記圧縮機構(10)と上記電動機(120)とを収容するケーシング(110)と、
    上記ケーシング(110)を貫通して上記圧縮機構(10)に直接に接続される第1管部材(130)と、
    上記ケーシング(110)を貫通して該ケーシング(110)の内部空間(114)に開口する第2管部材(135)とを備えたロータリ型圧縮機であって、
    上記圧縮機構(10)には、
    上記第1管部材(130)から上記第1室(11a)へ流体を導入するための第1吸入ポート(55a)と、
    上記第1室(11a)から上記第1管部材(130)へ流体を導出するための第1吐出ポート(56a)と、
    上記ケーシング(110)の内部空間(114)から上記第2室(11b)へ流体を導入するための第2吸入ポート(55b)と、
    上記第2室(11b)から上記ケーシング(110)の内部空間(114)へ流体を導出するための第2吐出ポート(56b)とが形成され、
    更に、上記圧縮機構(10)には、上記圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、上記第1吐出ポート(56a)及び上記第2吸入ポート(55b)を塞ぎ且つ上記第1吸入ポート(55a)から上記第1室(11a)へ流体を導入して上記第2室(11b)から上記第2吐出ポート(56b)へ流体を導出する第1状態となり、上記圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、上記第1吸入ポート(55a)及び上記第2吐出ポート(56b)を塞ぎ且つ上記第2吸入ポート(55b)から上記第2室(11b)へ流体を導入して上記第1室(11a)から上記第1吐出ポート(56a)へ流体を導出する第2状態となる切換機構(70)が設けられている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記切換機構(70)は、
    上記第1吐出ポート(56a)を覆うように設けられ、上記第1室(11a)の流体圧が上記第1管部材(130)の流体圧よりも高くなると開く第1吐出弁(71a)と、
    上記第2吐出ポート(56b)を覆うように設けられ、上記第2室(11b)の流体圧が上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧よりも高くなると開く第2吐出弁(71b)と、
    上記圧縮機構(10)が正方向へ回転するときには、上記第1吸入ポート(55a)を開いて上記第2吸入ポート(55b)を閉じ、上記圧縮機構(10)が逆方向へ回転するときには、上記第2吸入ポート(55b)を開いて上記第1吸入ポート(55a)を閉じる吸入側弁機構(75)とを備えている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記吸入側弁機構(75)は、上記圧縮機構(10)の停止中には、上記第1吸入ポート(55a)と上記第2吸入ポート(55b)の両方を開くように構成されている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  4. 請求項2又は3において、
    上記吸入側弁機構(75)は、
    上記第1吸入ポート(55a)を開いて上記第2吸入ポート(55b)を閉じる第1位置と、上記第2吸入ポート(55b)を開いて上記第1吸入ポート(55a)を閉じる第2位置との間を移動する弁体(80)を備えている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  5. 請求項4において、
    上記吸入側弁機構(75)は、上記弁体(80)を、上記第1管部材(130)の流体圧と上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差によって駆動するように構成されている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  6. 請求項4又は5において、
    上記第1吸入ポート(55a)は、上記ブレード(65)に形成されて該ブレード(65)の上記第1室(11a)側の側面に開口し、
    上記第2吸入ポート(55b)は、上記ブレード(65)に形成されて該ブレード(65)の上記第2室(11b)側の側面に開口し、
    上記吸入側弁機構(75)の弁体(80)は、上記ブレード(65)に設けられている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  7. 請求項2又は3において、
    上記吸入側弁機構(75)は、
    上記第1吸入ポート(55a)を開く開弁位置と上記第1吸入ポート(55a)を閉じる閉弁位置との間を移動する第1弁体(90a)と、
    上記第2吸入ポート(55b)を開く開弁位置と上記第2吸入ポート(55b)を閉じる閉弁位置との間を移動する第2弁体(90b)とを備えている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  8. 請求項7において、
    上記吸入側弁機構(75)は、上記第1弁体(90a)と上記第2弁体(90b)のそれぞれを、上記第1管部材(130)の流体圧と上記ケーシング(110)の内部空間(114)の流体圧との差によって駆動するように構成されている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
  9. 請求項7又は8において、
    上記第1吸入ポート(55a)及び上記第2吸入ポート(55b)は、上記シリンダ(20)に形成され、
    上記吸入側弁機構(75)の第1弁体(90a)及び第2弁体(90b)は、上記シリンダ(20)に設けられている
    ことを特徴とするロータリ型圧縮機。
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