JP4655051B2 - 回転式圧縮機 - Google Patents

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本発明は、圧縮室内の冷媒の一部をバイパス通路を介して圧縮機構の吸入側へ戻すことが可能な回転式圧縮機に係るものである。
従来より、シリンダ室内をピストンが偏心回転することで、圧縮室内で冷媒を圧縮させる回転式圧縮機が知られている。
この種の回転式圧縮機として、特許文献1には圧縮機構において、圧縮室内を圧縮機構の吸入側と連通させるバイパス通路を備えた圧縮機が開示されている。この圧縮機は、シリンダ室を有するシリンダと、シリンダ室に収納されるピストンとを備えている。ピストンには、駆動軸から所定量偏心した偏心軸部が内嵌している。駆動軸が回転すると、偏心軸部に駆動されてピストンがシリンダ室内を公転する。その結果、シリンダ室では、ピストンとシリンダとの間に形成される圧縮室の容積が変化し、圧縮室内で冷媒が圧縮される。
また、上記バイパス通路は、流入端がシリンダの内周面に形成されて圧縮室に開口し、流出端が圧縮機構の吸入配管と繋がっている。このバイパス通路は、弁体によって開閉自在となっている。具体的には、弁体の背面側には、冷媒導入管を介して圧縮機構の吐出側と繋がる背圧室が形成されている。また、冷媒導入管には、圧縮機構の吐出側と背圧室とを連通させる状態と、圧縮機構の吐出側と背圧室とを遮断する状態とに切り換え可能な三方弁が設けられている。
三方弁の切換により圧縮機構の吐出側と背圧室とが連通すると、弁体は背圧室に導入された高圧冷媒に押圧されバイパス通路を閉鎖する位置に変位する。この状態でピストンがシリンダ室内を公転すると、吸入口より圧縮室内に吸入された冷媒が圧縮され、その冷媒の全量が吐出口から吐出される。
一方、三方弁の切換により、圧縮機構の吐出側と背圧室とが遮断されると、弁体がスプリングによって付勢され、バイパス通路を開放する位置に変位する。この状態でピストンがシリンダ室内を公転すると、吸入口より圧縮室内に吸入された冷媒は、一部がバイパス通路を介して圧縮機構の吸入側へ戻される一方、残りの冷媒だけが圧縮されて吐出口から吐出される。
以上のようにして、この回転式圧縮機では、弁体の開閉動作に伴い、冷媒の閉じ込み容積(実質的な吸入容積)を変更することで、圧縮機構の容量を可変としている。
特開昭59−12264号公報
上記特許文献1のような回転式圧縮機においては、バイパス通路を閉鎖する弁体の先端面が、圧縮室の内壁に開口するバイパス通路の流入開口面よりもバイパス通路の内部に若干陥没する位置とする必要がある。なぜなら、この先端面が流入開口面よりも圧縮室内に飛び出てしまうと、弁体の先端部とピストンとが干渉してしまい、所定の圧縮動作を行うことができないからである。
一方、閉鎖位置の弁体の先端面をバイパス通路の流入開口面よりも内部に陥没させる位置とすると、弁体の先端面とバイパス通路の流入開口面までの間に僅かな隙間が形成されてしまう。従って、このような状態で上述のような圧縮動作を行うと、この隙間が圧縮室の死容積となり、この圧縮機構の容積効率(圧縮効率)が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、斯かる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、バイパス通路を閉鎖する状態の弁体の先端面と、バイパス通路の流入開口面との間の隙間が死容積となり、圧縮機構の容積効率が低下してしまうのを防止することである。
第1の発明は、固定部材(41a,41b,44,45,46)と、該固定部材(41a,41b,44,45,46)との間に圧縮室を形成しながら駆動軸(33)に対して偏心回転する可動部材(47a,47b)とを有する圧縮機構(40a,40b)を備え、冷媒を上記圧縮室で圧縮する回転式圧縮機を前提としている。そして、この回転式圧縮機は、流入端が上記圧縮室の内壁面に開口し、流出端が上記圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がるバイパス通路(66)と、該バイパス通路(66)の流入開口部(62)を開閉自在に構成され、且つ閉鎖状態ではバイパス通路(66)の流入開口面よりも先端がバイパス通路(66)の内部に陥没した位置となる弁体(64)と、閉鎖状態の弁体(64)の先端面に油を供給する油供給通路(72)とを備え、上記弁体(64)は、閉鎖状態において該弁体(64)の先端面とバイパス通路(66)の流入開口面との間に隙間空間を形成するように構成され、上記油供給通路(72)は、上記隙間空間の死容積を低減するように該隙間空間に油を供給するように構成されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、固定部材(41a,41b,44,45,46)に対して可動部材(47a,47b)が偏心回転することで、圧縮室の容積が拡縮されて冷媒が圧縮される。ここで、弁体(64)がバイパス通路(66)の流入開口部(62)を閉鎖する状態で圧縮動作が行われると、冷媒の全量が圧縮室内で圧縮される。一方、弁体(64)がバイパス通路(66)の流入開口部(62)を開放する状態で圧縮動作が行われると、冷媒の一部がバイパス通路(66)を通じて圧縮機構(40a,40b)の吸入側に戻され、残りの冷媒は圧縮室で圧縮される。以上のように、この圧縮機構(40a,40b)では、弁体(64)によるバイパス通路(66)の開閉動作に応じて、圧縮室の吸入容積が可変となっている。
本発明では、弁体(64)がバイパス通路(66)の流入開口部(62)を閉鎖する状態となると、流入開口部(62)の開口面よりも弁体(64)の先端面がバイパス通路(66)の内部に陥没した位置となる。これにより、閉鎖状態の弁体(64)の先端部が可動部材(47a,47b)と干渉してしまうことが防止されている。一方、弁体(64)をこの位置とすると、弁体(64)の先端面と流入開口部(62)の開口面までの間に僅かな隙間が形成され、この隙間が圧縮室の死容積となってしまう。
そこで、本発明では、閉鎖状態の弁体(64)の先端面に油を供給する油供給通路(72)を設けるようにしている。油供給通路(72)から弁体(64)の先端面に油が供給されると、弁体(64)の先端面と流入開口部(62)の開口面までの隙間が油で満たされることになる。その結果、この隙間は油によって塞がれる状態となるので、この隙間が圧縮動作時において圧縮室の死容積となってしまうことが回避される。
第2の発明は、第1の発明において、上記弁体(64)の先端部は、柱状に形成され、
上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)は、上記弁体(64)の先端部が嵌合する柱状の開口を形成していることを特徴とする。
の発明は、第1又は第2の発明の回転式圧縮機において、上記油供給通路(72)は、油が流通するように上記弁体(64)に形成されて、流出端が弁体(64)の先端面に開口する油注入路(71)を有することを特徴とするものである。
の発明では、閉鎖状態の弁体(64)の先端面に油を供給するために、弁体(64)に油注入路(71)が形成される。バイパス通路(66)の流入開口部(62)を弁体(64)が閉鎖する状態では、この油注入路(71)を通じて弁体(64)の内部を油が流れ、弁体(64)の先端面に流出する。その結果、弁体(64)の先端面に形成される隙間がこの油により塞がれる。
の発明は、第の発明の回転式圧縮機において、上記固定部材(41a,41b,44,45,46)には、一端が上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)に臨むと共に、上記弁体(64)が流入開口部(62)を開閉自在に変位するように内嵌する弁体収容室(61)が形成され、上記油供給通路(72)は、弁体(64)の先端面から背面に亘って貫通して形成される上記油注入路(71)と、上記弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側に油を導入する油導入路(29)とを備えていることを特徴とするものである。
の発明では、バイパス通路(66)の流入開口部(62)に臨むように弁体収容室(61)が形成される。弁体(64)は、この弁体収容室(61)において、バイパス通路(66)の流入開口部(62)を閉鎖する位置と、開放する位置とに変位自在となっている。弁体(64)が閉鎖位置となる状態で、油導入路(29)から弁体(64)の背面側に油が導入されると、この油は弁体(64)に形成される油注入路(71)に流入し、弁体(64)の先端面に流出する。その結果、弁体(64)の先端面に形成される隙間がこの油により塞がれる。
の発明は、第1乃至第のいずれか1つの発明の回転式圧縮機において、上記油供給通路(72)は、上記圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒中から油分離器(30)によって分離された油が導入されるように構成されていることを特徴とするものである。
の発明では、油分離器(30)に分離された油が油供給通路(72)に流入する。ここで、油分離器(30)には、圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒の圧力が作用するため、この油は圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒に押圧されて油供給通路(72)を流通し、閉鎖状態の弁体(64)の先端面に供給される。その結果、弁体(64)の先端面に形成される隙間がこの油により塞がれる。
の発明は、第1乃至第のいずれか1つの発明の回転式圧縮機において、上記圧縮機構(40a,40b)が収納されると共に、内部空間に該圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒が満たされ、底部に圧縮機構(40a,40b)を潤滑する油が貯留される油溜め部(21a)が形成されるケーシング(21)を備え、上記油供給通路(72)は、上記油溜め部(21a)の油が導入されるように構成されていることを特徴とするものである。
の発明では、ケーシング(21)内に圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒が満たされる。つまり、本発明の回転式圧縮機は、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機で構成される。また、ケーシング(21)内の底部には、圧縮機構(40a,40b)の潤滑油の油溜め部(21a)が形成される。油溜め部(2)に溜まった油は、ケーシング(21)内の高圧冷媒に押し出されるようにして油供給通路(72)に流入し、閉鎖状態の弁体(64)の先端面に供給される。その結果、弁体(64)の先端面に形成される隙間がこの油により塞がれる。
の発明は、第又は第の発明の回転式圧縮機おいて、上記油供給通路(72)を流れる油を冷却する冷却手段(32)を備えていることを特徴とするものである。
の発明では、油が油供給通路(72)を流れる際に、この油が冷却手段(32)によって冷却される。ここで、第4の発明の油分離器(30)や第3の発明の油溜め部(21a)から油供給通路(72)に流入する油は、比較的高温であるが、この油が冷却手段(32)によって比較的低温まで冷やされる。このため、この油が閉鎖状態の弁体(64)の先端面に供給されても、圧縮室内の吸入冷媒が油によって加熱されてしまうことが抑制される。
の発明は、第1又は第2の発明の回転式圧縮機において、上記弁体(64)が上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)を閉鎖すると、上記油供給通路(72)を開放する一方、弁体(64)がバイパス通路(66)の流入開口部(62)を開放すると、上記油供給通路(72)を閉鎖する開閉手段(13,63a)を備えていることを特徴とするものである。
の発明では、弁体(64)によるバイパス通路(66)の開閉動作に連動するように、開閉手段(13,63a)によって油供給通路(72)が開閉される。具体的には、弁体(64)がバイパス通路(66)を閉鎖する状態では、油供給通路(72)が開放される。その結果、油供給通路(72)から弁体(64)の先端面に油が供給され、閉鎖状態の弁体(64)の先端側の隙間が、油によって塞がれる。一方、弁体(64)がバイパス通路(66)を開放する状態では、油供給通路(72)が閉鎖される。従って、弁体(64)が開放状態となり、圧縮室内の冷媒がバイパス通路(66)を介して圧縮機構(40a,40b)の吸入側へ送られる際には、弁体(64)の先端面に油が供給されないので、この油が圧縮機構(40a,40b)の吸入側へ送られることもない。その結果、バイパス通路(66)を開放状態として圧縮動作を行う際、圧縮機構(40a,40b)の吸入冷媒が油によって加熱されてしまうことが防止される。
の発明は、第の発明の回転式圧縮機において、上記固定部材(41a,41b,44,45,46)には、一端が上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)に臨むと共に、上記弁体(64)が流入開口部(62)を開閉自在に変位するように内嵌する弁体収容室(61)が形成され、上記油供給通路(72)は、上記弁体(64)の先端面から背面に亘って貫通して形成される上記油注入路(71)と、上記弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側に油を導入する油導入路(29)とを備え、上記開閉手段(13,63a)は、上記弁体(64)がバイパス通路(66)の閉鎖位置に変位すると、油注入路(71)と油導入路(29)とを連通させ、上記弁体(64)がバイパス通路(66)の開放位置に変位すると、油注入路(71)と油導入路(29)とを遮断する遮断部(63a)を備えていることを特徴とするものである。
の発明では、バイパス通路(66)の流入開口部(62)に臨むように弁体収容室(61)が形成される。弁体(64)は、この弁体収容室(61)において、バイパス通路(66)の流入開口部(62)を閉鎖する位置と、開放する位置とに変位自在となっている。また、本発明では、弁体(64)におけるバイパス通路(66)の開閉位置に応じて、油供給通路(72)を開閉するための開閉手段としての遮断部(63a)が設けられる。
具体的には、弁体(64)がバイパス通路(66)を閉鎖する位置となると、遮断部(63a)は弁体(64)に形成される油注入路(71)と、弁体(64)の背面側の油導入路(29)とを連通する。その結果、油導入路(29)から油注入路(71)へ油が導入され、弁体(64)の先端面に油が供給される。一方、弁体(64)がバイパス通路(66)を開放する位置となると、遮断部(63a)は、油注入路(71)と油導入路(29)とを遮断する。その結果、油導入路(29)から油注入路(71)への油の導入が禁止され、弁体(64)の先端面には油が供給されない。その結果、弁体(64)が開放位置となって圧縮動作を行う際、圧縮機構(40a,40b)の吸入冷媒が油によって加熱されてしまうことが防止される。
10の発明は、第1乃至第のいずれか1つの発明の回転式圧縮機において、上記バイパス通路(66)の流入端は、圧縮室の下面側の内壁に開口していることを特徴とするものである。
10の発明では、バイパス通路(66)の流入開口部(62)が圧縮室の下側の内壁に形成される。油供給通路(72)からは、閉鎖状態の弁体(64)の先端上側に油が供給される。このため、弁体(64)の先端側に油が溜まり易くなるので、閉鎖状態の弁体(64)の先端側の隙間を油により確実に塞ぐことができる。
第1の発明では、閉鎖状態となる弁体(64)の先端面と、バイパス通路(66)の流入開口面との間に形成される隙間に油を供給する油供給通路(72)を設けるようにしている。このため、本発明によれば、弁体(64)を閉鎖状態として圧縮動作を行う際、この隙間を油によって塞ぐことができ、圧縮室の死容積の発生を防止できる。従って、この圧縮動作における圧縮機構(40a,40b)の容積効率の低下を防止することができる。
の発明では、弁体(64)に油供給通路(72)を構成するための油注入路(71)を形成するようにしている。このため、本発明によれば、比較的単純な構造により、閉鎖状態の弁体(64)の先端面の隙間を油で塞ぐことができる。
の発明では、弁体(64)を貫通するように油注入路(71)を形成し、弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側に油導入路(29)から油を導入するようにしている。このため、本発明によれば、弁体収容室(61)で弁体(64)を変位させてバイパス通路(66)を開閉させながら、閉鎖位置の弁体(64)の先端側の隙間に容易に油を供給することができる。また、このように油導入路(29)の背面側に油を導入することで、この油の圧力を利用して弁体(64)をバイパス通路(66)の閉鎖位置まで変位させることができる。
の発明では、圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒中から油分離器(30)で分離した油を油供給通路(72)に流入させるようにしている。また、第5の発明では、高圧冷媒で満たされるケーシング(21)内の油溜め部(21a)の油を油供給通路(72)に流入させるようにしている。このため、第や第の発明によれば、油を搬送するためのポンプ等を用いることなく、油を弁体(64)の先端側に供給させ、上記隙間を塞ぐことができる。
の発明では、油供給通路(72)を流れる油を冷却手段(32)で冷却するようにしている。このため、本発明では、弁体(64)の先端側から圧縮室内へ油が入り込んでも、吸入冷媒が昇温されてしまうことを抑制できる。従って、圧縮機構(40a,40b)における吸入冷媒の加熱に起因して、この圧縮機構(40a,40b)の容積効率が低下してしまうのを防止することができる。また、このように油を冷却すると、油の粘度が高くなるので、弁体(64)の先端側の隙間のシール性能が向上し、上述した死容積の発生を効果的に防止することができる。
及び第の発明では、弁体(64)がバイパス通路(66)を開放する状態では、油供給通路(72)を閉鎖するようにしている。このため、これらの発明によれば、油供給通路(72)からの油がバイパス通路(66)を介して圧縮機構(40a,40b)の吸入側へ送られてしまうことを禁止できる。従って、圧縮機構(40a,40b)の吸入冷媒が油によって加熱されてしまうことを防止でき、この圧縮機構(40a,40b)の容積効率の低下を一層確実に防止することができる。
10の発明によれば、バイパス通路(66)の流入開口部(62)を圧縮室の下側の内壁に形成するようにしたので、弁体(64)の先端面と流入開口部(62)の開放面の間の隙間に油が溜まりやすくなる。その結果、この隙間を一層確実に油で塞ぐことができ、圧縮室の死容積の発生を効果的に防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る回転式圧縮機(20)は、室内の冷房や暖房を行う空気調和装置(10)に適用されている。
〈空気調和装置の全体構成〉
図1に示すように、空気調和装置(10)は、冷媒が循環することで冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備えている。冷媒回路(11)には、上記回転式圧縮機(20)、室外熱交換器(14)、室内熱交換器(15)、第1膨張弁(16)、第2膨張弁(17)、四方切換弁(12)、三方切換弁(13)、気液分離器(18)、及びアキュームレータ(19)が接続されている。
回転式圧縮機(20)の吐出側は、吐出管(23)を通じて四方切換弁(12)の第1ポート(P1)に接続されている。また、回転式圧縮機(20)の吸入側は、吸入管(22)を介してアキュームレータ(19)の底部に接続されている。また、アキュームレータ(19)の頂部は、四方切換弁(12)の第4ポート(P4)に接続されている。また、室外熱交換器(14)は、その一端が四方切換弁(12)の第2ポート(P2)に、その他端が第2膨張弁(17)を介して気液分離器(18)の底部に接続されている。一方、室内熱交換器(15)は、その一端が四方切換弁(12)の第3ポート(P3)に、その他端が第1膨張弁(16)を介して気液分離器(18)の底部に接続されている。
四方切換弁(12)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。
また、冷媒回路(11)には、インジェクション管(24)が設けられている。インジェクション管(24)は、その一端が気液分離器(18)の頂部に接続され、その他端が回転式圧縮機(20)に接続されている。このインジェクション管(24)には、開閉自在な電磁弁(31)が設けられている。電磁弁(31)を開状態にすると、気液分離器(18)内の中間圧冷媒がインジェクション管(24)によって回転式圧縮機(20)に導入される。
また、冷媒回路(11)には、バイパス管(28)と油分離器(30)とが設けられている。バイパス管(28)は、その一端が回転式圧縮機(20)に接続され、その他端が吸入管(22)に接続されている。油分離器(30)は、回転式圧縮機(20)の吐出管(23)に接続されている。油分離器(30)は、密閉状の容器で構成され、その内部には回転式圧縮機(20)の吐出冷媒が流入する。油分離器(30)内では、回転式圧縮機(20)の各摺動部を潤滑するための油が吐出冷媒中から分離される。分離された油は、油分離器(30)の底部に貯留される。
また、冷媒回路(11)には、油戻し管(29a)と冷却熱交換器(32)と三方切換弁(13)と導入管(29b)とが設けられている。油戻し管(29a)は、その流入端が油分離器(30)の底部に接続し、その流出端が三方切換弁(13)に接続している。冷却熱交換器(32)は、油戻し管(29a)に設けられている。冷却熱交換器(32)は、油戻し管(29a)を流れる油を冷却する冷却手段を構成している。導入管(29b)は、その流入端が三方切換弁(13)に接続し、その流出端が回転式圧縮機(20)に接続されている。三方切換弁(13)は、残りのポートが回転式圧縮機(20)の吸入管(22)に接続している。三方切換弁(13)は、油戻し管(29a)と導入管(29b)とを連通する状態(図1に実線で示す状態)と、導入管(29b)と回転式圧縮機(20)の吸入管(22)とを連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。三方切換弁(13)が図1の実線の状態となると、油戻し管(29a)と導入管(29b)とによって、回転式圧縮機(20)へ油を導入するための油導入路(29)が構成される。
〈回転式圧縮機の構成〉
次に、本発明に係る回転式圧縮機の構成について説明する。
図2に示すように、回転式圧縮機(20)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(21)を備えている。ケーシング(21)の上部には、上記吐出管(23)が貫通して接続されている。ケーシング(21)の胴部には、上記吸入管(22)、バイパス管(28)、及び導入管(29b)が貫通して接続されている。ケーシング(21)の内部には、その上側寄りに電動機(25)が配置され、その下側寄りに圧縮機構(40)が配置されている。また、ケーシング(21)の内部空間は、圧縮機構(40)から吐出された冷媒で満たされている。つまり、この回転式圧縮機(20)は、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機で構成されている。
上記電動機(25)は、ステータ(26)とロータ(27)とで構成されている。ステータ(26)は、ケーシング(21)の内周面に固定されている。ロータ(27)は、ステータ(26)の内側に配置されている。ロータ(27)の中央部には、上下方向に延びる駆動軸(33)の主軸部(34)が連結されている。
駆動軸(33)は、電動機(25)が通電されることで、所定の回転軸(X)を軸心として回転駆動される。駆動軸(33)には、下側から順に第1偏心軸部(35)と第2偏心軸部(36)とが形成されている。第1偏心軸部(35)及び第2偏心軸部(36)は、主軸部(34)よりも大径で、且つ主軸部(34)の回転軸(X)に対して偏心して形成されている。第1偏心軸部(35)と第2偏心軸部(36)とでは、回転軸(X)に対する偏心方向が逆になっている。また、第1偏心軸部(35)の高さは、第2偏心軸部(36)よりも高くなっている。
上記ケーシング(21)内の底部には、潤滑油の油溜め部(21a)が形成されている。この油溜め部(21a)には、駆動軸(33)の下端部が浸積されている。駆動軸(33)の下端部には、遠心式の油ポンプ(33a)が設けられている。駆動軸(33)が回転すると、油溜め部(21a)の潤滑油は、油ポンプ(33a)によって上方に汲み上げられる。この潤滑油は、駆動軸(33)に形成される油通路(53)を介して、詳細は後述する圧縮機構(40)の各摺動部等へ供給される。
上記圧縮機構(40)は、低段側圧縮機構(40a)と高段側圧縮機構(40b)とによって構成されている。つまり、この回転式圧縮機は、2つの圧縮機構を備え、冷媒を2段階に圧縮する、いわゆる二段圧縮型の圧縮機で構成されている。
圧縮機構(40)では、上方から順に、フロントヘッド(44)、高段側シリンダ(41b)、ミドルプレート(46)、低段側シリンダ(41a)、及びリアヘッド(45)が配設され、これらがケーシング(21)固定される固定部材を構成している。フロントヘッド(44)、ミドルプレート(46)、及びリアヘッド(45)には、上記駆動軸(33)が貫通している。また、フロントヘッド(44)及びリアヘッド(45)は、ケーシング(21)の内壁に固定されており、駆動軸(33)を回転自在に支持している。また、リアヘッド(45)は、上述の油溜め部(21a)に浸積している。
低段側シリンダ(41a)及び高段側シリンダ(41b)は、筒状に形成されている。低段側シリンダ(41a)の内部には低段側シリンダ室(42a)が、高段側シリンダ(41b)の内部には高段側シリンダ室(42b)がそれぞれ形成されている。つまり、低段側シリンダ室(42a)は、その下側の開放端がリアヘッド(45)に閉塞され、その上側の開放端がミドルプレート(46)に閉塞されている。そして、リアヘッド(45)、ミドルプレート(46)、及び低段側シリンダ(41a)の間に、上記低段側シリンダ室(42a)が形成されている。一方、高段側シリンダ室(42b)は、その下側の開放端がミドルプレート(46)に閉塞され、その上側の開放面がフロントヘッド(44)に閉塞されている。そして、フロントヘッド(44)、ミドルプレート(46)、及び高段側シリンダ(41b)の間に、上記高段側シリンダ室(42b)が形成されている。
また、低段側シリンダ室(42a)には、筒状の低段側ピストン(47a)が設けられている。低段側ピストン(47a)には、上記第1偏心軸部(35)が内嵌している。一方、高段側シリンダ室(42b)には、筒状の高段側ピストン(47b)が設けられている。高段側ピストン(47b)には、上記第2偏心軸部(36)が内嵌している。低段側ピストン(47a)及び高段側ピストン(47b)は、可動部材を構成している。以上のようにして、この圧縮機構(40)では、リアヘッド(45)からミドルプレート(46)に亘って低段側圧縮機構(40a)が設けられ、ミドルプレート(46)からフロントヘッド(44)に亘って高段側圧縮機構(40b)が設けられている。
低段側圧縮機構(40a)及び高段側圧縮機構(40b)は、各ピストン(47a,47b)が各シリンダ室(41a,41b)をそれぞれ揺動するように公転する、いわゆる揺動ピストン型(スイング型)のロータリ圧縮機構で構成されている。低段側圧縮機構(40a)と高段側圧縮機構(40b)とは、基本的な構成は同様となっている。一方、低段側圧縮機構(40a)の低段側シリンダ室(42a)の容積は、高段側圧縮機構(40b)の高段側シリンダ室(42b)の容積よりも大きくなっている。
図3に示すように、低段側圧縮機構(40a)には、ブレード(38)と一対のブッシュ(39,39)が設けられている。上記ブレード(38)は、低段側ピストン(47a)と一体に形成されている。ブレード(38)は、低段側ピストン(47a)の外周面から径方向外側に伸長している。このブレード(38)は、低段側シリンダ室(42a)を低圧側の低圧室(42a-Lp)と高圧側の高圧室(42a-Hp)とに区画している。一対のブッシュ(39,39)は、低段側シリンダ(41a)に形成されるブッシュ孔(56)に嵌合している。各ブッシュ(39,39)は、それぞれ略半円柱状に形成されている。両ブッシュ(39,39)は、その平坦な面同士が互いに向かい合っている。そして、両ブッシュ(39,39)は、その平坦面の間で上記ブレード(38)を進退自在に保持している。また、各ブッシュ(39,39)は、その円弧状の外周面がブッシュ孔(56)の内周面と摺接している。そして、各ブッシュ(39,39)は、ブッシュ孔(56)の軸心を支点としてブッシュ孔(56)に揺動自在に保持されている。以上のような構成のブレード(38)及びブッシュ(39)は、低段側ピストン(47a)の自転を規制するための自転制限機構を構成している。
低段側圧縮機構(40a)には、低段側吸入通路(48a)及び低段側吐出通路(49a)が形成されている。低段側吸入通路(48a)は、低段側シリンダ(41a)に形成されている。低段側吸入通路(48a)の流入端には、上記吸入管(22)が接続されている。低段側吸入通路(48a)の流出端は、低段側シリンダ室(42a)の低圧室(42a-Lp)に開口している。つまり、低段側吸入通路(48a)の流出端は、低段側シリンダ室(42a)の吸入口を構成している。低段側吸入通路(48a)からは、低段側シリンダ室(42a)へ低圧のガス冷媒が供給される。上記低段側吐出通路(49a)は、ミドルプレート(46)に形成されている。低段側吐出通路(49a)の流入端は、低段側シリンダ室(42a)の高圧室(42a-Hp)に開口している。つまり、低段側吐出通路(49a)の流入端は、低段側シリンダ室(42a)の吐出口を構成している。また、低段側吐出通路(49a)の流出端には、ミドルプレート(46)の内部に形成された中間圧空間(50)に開口している(図2参照)。更に、低段側吐出通路(49a)の流出開口部には、図示しない吐出弁が設けられている。中間圧空間(50)は、低段側圧縮機構(40a)からの吐出冷媒で満たされており、中間圧雰囲気となっている。中間圧空間(50)は、上記インジェクション管(24)と連通している。
高段側圧縮機構(40b)には、上記低段側圧縮機構(40a)と同様にして、ブレード及びブッシュが設けられている(図示省略)。また、高段側圧縮機構(40b)には、高段側吸入通路(48b)と高段側吐出通路(49b)が形成されている。高段側吸入通路(48b)の流入端は、上記中間圧空間(50)と連通している。高段側吸入通路(48b)の流出端は、高段側シリンダ室(42b)の低圧室に開口している。上記高段側吐出通路(49b)は、フロントヘッド(44)に形成されている。高段側吐出通路(49b)の流入端は、高段側シリンダ室(42b)の高圧室に開口している。高段側吐出通路(49b)の流出端は、ケーシング(21)の内部に開口している。また、高段側吐出通路(49b)の流出開口部には、図示しない吐出弁が設けられている。更に、フロントヘッド(44)の上部には、高段側吐出通路(49b)の流出開口部近傍の騒音を低減するためのマフラ(58)が設けられている(図2参照)。
図4(A)及び図4(B)に示すように、上述した低段側圧縮機構(40a)のリアヘッド(45)には、バイパス孔(62)及び弁体収容室(61)が設けられている。
バイパス孔(62)は、バイパス通路(66)の流入開口部を構成している。バイパス孔(62)は、その上端が低段側シリンダ室(42a)の下側の内壁面に開口している。また、図3に示すように、バイパス孔(62)は、駆動軸(33)の回転軸(X)とブッシュ孔(56)の軸心を結ぶ直線を基準線とした場合に、この基準線から回転軸(X)を中心として図3の時計回りに約90度を成す直線上に位置している。このバイパス孔(62)は、その径方向外側寄りの一部がリアヘッド(45)に跨るように配置されている。また、バイパス孔(62)は、上記第1偏心軸部(35)よりも径方向外側に位置している。つまり、バイパス孔(62)は、回転軸(X)を中心に偏心回転する第1偏心軸部(35)の外周面の軌跡よりも径方向外側に位置している。従って、低段側圧縮機構(40a)では、第1編心軸部(35)の外周面に供給される潤滑油がバイパス孔(62)に直接入り込んでしまうことがない。
弁体収容室(61)は、リアヘッド(45)の下端から上端近傍に亘って形成されている。弁体収容室(61)は、上記バイパス孔(62)と同軸の円柱状に形成されている。弁体収容室(61)は、その上端がバイパス孔(62)に臨んでおり、その下端が蓋部材(63)によって封止されている。
弁体収容室(61)には、弁体(64)が上下方向に変位自在に内嵌している。弁体(64)は、弁体収容室(61)の上側から下側に向かって2段階に外径が拡大するような円柱状に形成されている。つまり、弁体(64)は、上段側の小径部(64a)と中段側の中径部(64b)と下段側の大径部(64c)とを有している。これら小径部(64a)、中径部(64b)、及び大径部(64c)は同軸となっている。
弁体(64)の大径部(64c)は、その外径が弁体収容室(61)の内径とほぼ同じである。つまり、弁体(64)の大径部(64c)は、弁体収容室(61)の内周面に摺接している。そして、弁体収容室(61)は、弁体(64)の大径部(64c)によって、その上側の上部空間(61a)とその下側の下部空間(61b)とに区画されている。
弁体(64)の小径部(64a)は、その外径がバイパス孔(62)の内径とほぼ同じである。つまり、弁体(64)の小径部(64a)は、バイパス孔(62)に係合してバイパス孔(62)を封止可能に構成されている。また、小径部(64a)の先端は、平坦であり且つリアヘッド(45)の上面と平行となるよう形成されている。また、小径部(64a)の高さは、バイパス孔(62)の深さよりも短くなっている。つまり、弁体(64)は、バイパス孔(62)を閉鎖する位置において、その上側の先端面がバイパス孔(62)の流入開口面よりも若干陥没した位置となるように構成されている(図4(A)参照)。従って、低段側圧縮機構(40a)では、閉鎖位置の弁体(64)の先端面とバイパス孔(62)の流入開口面との間に、僅かな隙間空間(70)が形成されることになる。これにより、低段側シリンダ室(42a)を編心回転するピストン(47a)の下端面が、弁体(64)の先端部と干渉してしまうことが制限されている。
弁体(64)の中径部(64b)は、その外径が弁体収容室(61)の内径よりも小さくなっている。つまり、弁体(64)の中径部(64b)と弁体収容室(61)の内周面との間には、筒状の空間が形成されている。この筒状の空間には、中径部(64b)の周囲を覆うようにしてバネ部材(65)が設けられている。このバネ部材(65)は、上部空間(61a)において、一端が大径部(64c)と当接し、他端が弁体収容室(61)の天井面と当接するように配置されている。バネ部材(65)が自然長となる状態においては、小径部(64a)がバイパス孔(62)を開放する位置まで弁体(64)が押し下げられる。
また、弁体(64)には、その上側の先端面から下側の背面に亘って油注入路(71)が形成されている。つまり、油注入路(71)は、その上端が弁体(64)の先端面に開口し、その下端が弁体(64)の背面に開口している。油注入路(71)は、弁体(64)の軸心と略一致している。
弁体収容室(61)では、その上部空間(61a)に上記バイパス管(28)が接続されている。つまり、低段側シリンダ室(42a)は、バイパス孔(62)及び上部空間(61a)を介してバイパス管(28)と連通している。これらバイパス孔(62)、上部空間(61a)、及びバイパス管(28)がバイパス通路(66)を構成している。一方、下部空間(61b)には、その内周面に上記油導入路(29)が接続している。上記油注入路(71)、下部空間(61b)、及び油導入路(29)が弁体(64)の先端面に油を供給するための油供給通路(72)を構成している。下部空間(61b)には、上記三方切換弁(13)の設定に応じて、低圧冷媒又は高圧の油が導入管(29b)より導入される。即ち、下部空間(61b)は、三方切換弁(13)の切換えに応じて、低圧雰囲気と高圧雰囲気とのいずれか一方になる。
三方切換弁(13)を図1に実線で示す状態に設定すると、油分離器(30)で分離された高圧の油が、導入管(29b)を介して下部空間(61b)に導入される。すると、高圧の油がバネ部材(65)の付勢力に抗して弁体(64)を上方に変位させる。その結果、図4(A)に示すように、弁体(64)の小径部(64a)がバイパス孔(62)に係合し、バイパス通路(66)が閉じた状態になる。また、三方切換弁(13)を図1に破線で示す状態に設定すると、吸入管(22)を流通する低圧冷媒が導入管(29b)を介して下部空間(61b)に導入される。すると、弁体(64)は、バネ部材(65)の付勢力によって下側に変位する。その結果、図4(B)に示すように、弁体(64)の小径部(64a)がバイパス孔(62)から引き出され、バイパス通路(66)が開いた状態になる。
以上のような三方切換弁(13)の切換えにより、低段側圧縮機構(40a)では、弁体(64)がバイパス孔(62)の開放位置となる状態で油供給通路(72)による油の供給が行われる一方、弁体(64)がバイパス孔(62)の閉鎖位置となる状態では、油供給通路(72)による油の供給が停止される。即ち、本実施形態の三方切換弁(13)は、弁体(64)がバイパス孔(62)を閉鎖すると、上記油供給通路(72)を開放する一方、弁体(64)がバイパス孔(62)を開放すると、油供給通路(72)を閉鎖する開閉手段を構成している。
−空気調和装置の運転動作−
本実施形態に係る空気調和装置(10)の運転動作について説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とが可能に構成されている。
〈冷房運転〉
冷房運転時には、四方切換弁(12)が図1に実線で示す状態に設定される。この状態で回転式圧縮機(20)の電動機(25)に通電すると、回転式圧縮機(20)の運転が開始し、冷媒回路(11)で冷媒が循環して蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
回転式圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、吐出管(23)から吐出されて油分離器(30)及び四方切換弁(12)を通り、室外熱交換器(14)へ送られて室外空気へ放熱する。室外熱交換器(14)で放熱した高圧冷媒は、第2膨張弁(17)で減圧されて中間圧冷媒となり気液分離器(18)に流入する。気液分離器(18)に流入した中間圧冷媒は、中間圧ガス冷媒と中間圧液冷媒とに分離される。そのうち気液分離器(18)の底部から流出した中間圧液冷媒は、第1膨張弁(16)で減圧されて低圧液冷媒となり室内熱交換器(15)へ流入する。室内熱交換器(15)では、流入した冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、室内空気が冷却される。室内熱交換器(15)から流出した低圧冷媒は、四方切換弁(12)とアキュームレータ(19)を順に通過して回転式圧縮機(20)へ吸入される。回転式圧縮機(20)に吸入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)、高段側圧縮機構(40b)の順で圧縮される。
また、この冷房運転において、電磁弁(31)を開状態に設定すると、気液分離器(18)内の中間圧ガス冷媒がインジェクション管(24)によって回転式圧縮機(20)の中間圧空間(50)へ導入される。中間圧空間(50)へ導入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)から吐出された冷媒と共に高段側圧縮機構(40b)で圧縮される。このように、インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ中間圧冷媒を送るようにすると、高段側圧縮機構(40b)の吸入冷媒のエンタルピが低下し、いわゆるエコノマイザ効果により空気調和装置(10)の運転効率が向上する。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、四方切換弁(12)が図1に破線で示す状態に切り換えられる。この状態で回転式圧縮機(20)の電動機(25)に通電すると、冷媒回路(11)で冷媒が循環して蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
回転式圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、吐出管(23)から吐出されて油分離器(30)及び四方切換弁(12)を通り、室内熱交換器(15)へ流入する。室内熱交換器(15)では、流入した冷媒が室内空気へ放熱し、室内空気が加熱される。室内熱交換器(15)で放熱した冷媒は、第1膨張弁(16)で減圧されて中間圧冷媒となり気液分離器(18)に流入する。気液分離器に流入した中間圧冷媒は、中間圧ガス冷媒と中間圧液冷媒とに分離される。そのうち気液分離器(18)の底部から流出した中間圧液冷媒は、第2膨張弁(17)で減圧されて低圧液冷媒となる。第2膨張弁(17)で減圧された低圧液冷媒は、室外熱交換器(14)へ送られ、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(14)から流出した低圧冷媒は、四方切換弁(12)とアキュームレータ(19)を順に通過して回転式圧縮機(20)へ吸入される。回転式圧縮機(20)に吸入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)、高段側圧縮機構(40b)の順で圧縮される。
また、この暖房運転においても、電磁弁(31)を開状態に設定すると、気液分離器(18)内の中間圧のガス冷媒が中間圧空間(50)へ導入される。中間圧空間(50)へ導入された冷媒は、低段側圧縮機構(40a)から吐出された冷媒と共に高段側圧縮機構(40b)で圧縮される。このように、インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ中間圧冷媒を送るようにすると、高段側圧縮機構(40b)の吸入冷媒のエンタルピが低下し、いわゆるエコノマイザ効果により空気調和装置(10)の運転効率が向上する。
−回転式圧縮機の動作−
次に、回転式圧縮機(20)の動作について説明する。この回転式圧縮機(20)は、電動機(25)に通電すると、その電動機(25)で発生する動力によって駆動軸(33)が回転する。その結果、第1及び第2偏心軸部(35,36)は、回転軸(X)に対して所定の偏心量で偏心回転する。その結果、各偏心軸部(35,36)が内嵌する各ピストン(47a,47b)は、各シリンダ(41a,41b)内を偏心回転する。その結果、低段側圧縮機構(40a)及び高段側圧縮機構(40b)では、以下のような圧縮動作が行われる。なお、低段側圧縮機構(40a)と高段側圧縮機構(40b)とでは、基本的には同様の圧縮動作が行われるので、以下には低段側圧縮機構(40a)の圧縮動作について詳細に説明する。この回転式圧縮機(20)では、上記三方切換弁(13)の設定、即ち上述したバイパス通路(66)の開閉状態に応じて以下の第1圧縮動作と第2圧縮動作とが切換可能となっている。
〈第1圧縮動作〉
第1圧縮動作は、バイパス通路(66)を閉状態としながら回転式圧縮機(20)を運転するものである。具体的には、第1圧縮動作では、三方切換弁(13)が図1の実線で示す状態に設定される。その結果、油分離器(30)の底部に溜まった油は、高圧冷媒に押し出されるようにして、油戻し管(29a)へ流入する。油戻し管(29a)を流れる高温の油は、冷却熱交換器(32)を流通する際に、比較的低温まで冷却される。冷却後の油は、三方切換弁(13)及び導入管(29b)を通過し、弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側の下部空間(61b)に導入される。弁体(64)の背面側に高圧の油が導入されると、弁体収容室(61)では、弁体(64)が上方に押し上げられ、バイパス孔(62)を閉鎖する位置まで変位する(図4(A)参照)。
図5(A)に示す位置の低段側ピストン(47a)の偏心回転角度を0度として低段側圧縮機構(40a)の圧縮動作を説明する。駆動軸(33)の回転に伴い図5(A)の位置の低段側ピストン(47a)が時計回りに偏心回転すると、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が時計回りに変位する。この当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過すると、低段側シリンダ室(42a)内に低圧室(42a-Lp)が形成される(図5(B)参照)。低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が大きくなるに連れて、低段側吸入通路(48a)から低圧室(42a-Lp)へ冷媒が吸入されていく(図5(B)〜図5(H)参照)。低圧室(42a-Lp)には、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が360度(即ち、0度)になるまで冷媒が吸入される。
その後、図5(A)の状態から、低段側ピストン(47a)が僅かに回転すると、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過する。低段側圧縮機構(40a)では、この当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過した時点で、低圧室(42a-Lp)における冷媒の閉じ込みが完了する。そして、この状態から駆動軸(33)が更に公転すると、低圧室(42a-Lp)は高圧室(42a-Hp)となって冷媒の圧縮を開始する。低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が大きくなるに連れて、高圧室(42a-Hp)の容積が縮小して冷媒が圧縮される。そして、高圧室(42a-Hp)内の冷媒の圧力が中間圧空間(50)の冷媒の圧力を上回ると、吐出弁が開状態になり冷媒が低段側吐出通路(49a)から中間圧空間(50)へ吐出される。冷媒の吐出は、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が360度になるまで続く。
以上のような低段側圧縮機構(40a)の第1圧縮動作においては、上述のように、弁体(64)の背面側に高圧の油が導入され、弁体(64)が閉鎖位置に保持されている。ここで、閉鎖位置の弁体(64)の先端面と、バイパス孔(62)の開口面との間には、僅かな隙間空間(70)が形成される。従って、従来のものでは、この状態で圧縮動作が行われると、この隙間空間(70)が圧縮室の死容積となり、圧縮機構の容積効率が低下してしまうという問題があった。そこで、本実施形態では、第1圧縮動作時において、隙間空間(70)を塞ぐために弁体(64)の先端面に油を供給するようにしている。
具体的には、図4(A)に示すように弁体(64)がバイパス孔(62)の閉鎖位置となる状態では、油導入路(29)から下部空間(61b)に向かって油が供給されている。このため、油導入路(29)を流出した油は、下部空間(61b)を介して油注入路(71)に流入する。この油は、油注入路(71)を上方に流れ、弁体(64)の先端面より隙間空間(70)へ供給される。その結果、隙間空間(70)は、油によって塞がれるので、第1圧縮動作時における圧縮室の死容積が減少する。また、この油は冷却熱交換器(32)によって比較的低温にまで冷却されている。このため、この油が圧縮室内に入り込んだとしても、圧縮室の吸入冷媒が加熱されてしまうことが抑制される。同時に、圧縮室内に入り込んでしまった油は、低段側ピストン(47a)の各習動面の潤滑に利用される。
一方、高段側圧縮機構(40b)では、高段側ピストン(47b)の偏心回転に伴って、中間圧空間(50)内の冷媒が高段側吐出通路(49b)を介して高段側シリンダ室(42b)内に吸入される。そして、高段側シリンダ室(42b)内の冷媒の圧力がケーシング(21)内の空間の冷媒の圧力を上回ると、吐出弁が開状態になり、冷媒が高段側吐出通路(49b)からケーシング(21)内の空間へ吐出される。この冷媒は、吐出管(23)から冷媒回路(11)へ吐出され、上述した冷凍サイクルに利用される。
〈第2圧縮動作〉
第2圧縮動作は、バイパス通路(66)を開状態としながら回転式圧縮機(20)を運転するものである。具体的には、第2圧縮動作では、三方切換弁(13)が図1の破線で示す状態に設定される。その結果、上述のように弁体収容室(61)では、バネ部材(65)によって弁体(64)が下方に押し下げられる(図4(B)参照)。このため、第2圧縮動作では、バイパス孔(62)が開放された状態となる。以上のようにして、バイパス通路(66)が開放されると、低段側シリンダ室(42a)は、バイパス通路(66)を介して低段側圧縮機構(40a)の吸入側(吸入管(22))と連通した状態となる。
偏心回転角度が0度の状態の低段側ピストン(47a)が、僅かに回転すると、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過する。その結果、上記第1圧縮動作と同様に、低段側シリンダ室(42a)内に低圧室(42a-Lp)が形成され、低段側吸入通路(48a)から該低圧室(42a-Lp)へ冷媒が吸入される。そして、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が再び0度となり、その状態からさらに偏心回転して、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過すると、その時点で、低圧室(42a-Lp)における冷媒の吸入が完了すると共に、低圧室(42a-Lp)が高圧室(42a-Hp)となる。
ここで、第2圧縮動作では、バイパス通路(66)は開状態となっている。このため、低段側ピストン(47a)が更に偏心回転しても、高圧室(42a-Hp)では冷媒の圧縮が行われず、高圧室(42a-Hp)内の冷媒はバイパス孔(62)からバイパス通路(66)を介して吸入管(22)へ排出される。この冷媒の排出動作は、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)を塞ぐ状態(偏心回転角度が約90度)になるまで続く。そして、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)を塞いだ時点で、冷媒の排出が終了すると同時に、高圧室(42a-Hp)における冷媒の閉じ込みが完了する。この状態から駆動軸(33)がさらに回転すると、高圧室(42a-Hp)における冷媒の圧縮が開始され、高圧室(42a-Hp)内の冷媒の圧力が中間圧空間(50)の冷媒の圧力を上回ると、吐出弁が開状態になり冷媒が低段側吐出通路(49a)から中間圧空間(50)へ吐出される。冷媒の吐出は、低段側ピストン(47a)の偏心回転角度が360度に達するまで続く。高段側圧縮機構(40b)における冷媒の圧縮動作は、上記第1圧縮動作と同様である。
以上のような低段側圧縮機構(40a)の第2圧縮動作において、図4(B)に示すように弁体(64)がバイパス孔(62)の開放位置となる状態では、油供給通路(72)が三方切換弁(13)によって閉鎖されている。このため、第2圧縮動作では、上記第1圧縮動作と異なり、弁体(64)の先端面に油が供給されることもない。その結果、弁体(64)の先端面からバイパス通路(66)へ油が流出してしまうことが回避され、この油によって低段側圧縮機構(40a)の吸入冷媒が加熱されてしまうことも防止される。
以上のように、上述の第1圧縮動作では、低段側ピストン(47a)と低段側シリンダ(41a)の当接位置が低段側吸入通路(48a)の開口部を通過した時点で低段側圧縮機構(40a)における冷媒の閉じ込みが完了する。一方、第2圧縮動作では、低段側ピストン(47a)がバイパス孔(62)を塞いだ時点で低段側圧縮機構(40a)における冷媒の閉じ込みが完了する。
このように、この回転式圧縮機(20)では、バイパス通路(66)を開閉することで、低段側圧縮機構(40a)の閉じ込み容積(実質的な吸入容積)を変化させることができる。これにより、低段側圧縮機構(40a)の吸入容積Vlに対する高段側圧縮機構(40b)の吸入容積Vhの比(吸入容積比=Vh/Vl)が変化する。即ち、低段側圧縮機構(40a)の低段側ピストン(47a)と、高段側圧縮機構(40b)の高段側ピストン(47b)とは、同じ駆動軸(33)に連結されているので、駆動軸(33)の回転速度を変化させるだけでは、両圧縮機構(40a,40b)の吸入容積比(Vh/Vl)を変化させることができない。しかしながら、本実施形態の回転式圧縮機(20)では、上述した第1圧縮動作と第2圧縮動作とを切り変えて行うことで、低段側圧縮機構(40a)の吸入容積、ひいては上記吸入容積比(Vh/Vl)を適宜変更することができる。その結果、この回転式圧縮機(20)では、運転条件に応じた最適な吸入容積比での運転が可能となる。
具体的には、例えば冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件になると、低段側圧縮機構(40a)で冷媒の圧縮行程のほとんどが行われることになる。このような場合には、高段側圧縮機構(40b)では冷媒がほとんど圧縮されないので、低段側圧縮機構(40a)の圧縮トルクの変動幅が、高段側圧縮機構(40b)の圧縮トルクの変動幅に対して相対的に大きくなり、振動や騒音が発生してしまうことある。また、このように冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件において、低段側圧縮機構(40a)で圧縮行程のほとんどが行われると、低段側圧縮機構(40a)の吐出冷媒の圧力(即ち、中間圧力)が比較的高くなってしまう。このような場合には、上記インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ送られる中間圧冷媒の量が減少し、上述したようなエコノマイザ効果を充分得ることができないこともある。
このため、本実施形態の回転式圧縮機(20)は、このように冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件になると、上記第1圧縮動作から第2圧縮動作へ運転が切り換えられる。その結果、低段側圧縮機構(40a)の吸込容積Vlが減少し、上記吸入容積比(Vh/Vl)が大きくなるので、冷媒は各圧縮機構(40a,40b)でバランス良く圧縮されることになる。このため、上述のような各圧縮機構(40a,40b)の圧縮トルクの変動幅が平均化され、振動や騒音の低減が図られる。また、このようにすると、低段側圧縮機構(40a)の吐出冷媒の圧力が低下するので、その分だけインジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ送られる中間圧冷媒の量が多くなる。従って、比較的高低差圧が小さい運転条件においても、所望のエコノマイザ効果が得られ、空気調和装置(10)の運転効率が向上する。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、上記第1圧縮動作時において、バイパス孔(62)の閉鎖位置となる弁体(62)の先端面に油を供給するようにしている。このため、弁体(62)の先端面とバイパス孔(62)の流入開口面との間に形成される隙間空間(70)を油で塞ぐことができ、第1圧縮動作時における圧縮室の死容積を最小化することができる。従って、第1圧縮動作時における低段側圧縮機構(40a)の容積効率の低下を防止できる。
また、上記実施形態では、回転式圧縮機(20)の吐出冷媒中から油分離器(30)で分離した油を上記隙間空間(70)に供給するようにしている。このため、油を搬送するためのポンプ等を用いることなく、隙間空間(70)を油で塞ぐことができる。この際、油供給通路(72)を流れる油を冷却熱交換機(32)で冷却するようにしている。従って、弁体(64)の先端側から圧縮室内へ油が入り込んでも、吸入冷媒が昇温されてしまうことを抑制できる。従って、低段側圧縮機構(40a)における吸入冷媒の加熱に起因して、この低段側圧縮機構(40a)の容積効率が低下してしまうのを未然に防止することができる。
更に、上記実施形態では、三方切換弁(13)の切換により、弁体(64)がバイパス孔(62)の閉鎖位置となる状態では、油供給通路(72)を閉鎖するようにしている。従って、バイパス通路(62)が弁体(64)によって開放される状態では、弁体(64)の先端に油が供給されないので、この油がバイパス通路(62)へ送られてしまうこともない。従って、第2圧縮動作時において、低段側圧縮機構(40a)の吸入冷媒が油によって加熱されてしまうことを防止でき、第2圧縮動作時における低段側圧縮機構(40a)の容積効率の低下を防止できる。
また、上記実施形態では、バイパス孔(62)をリアヘッド(45)の上面に形成するようにしている。このため、弁体(64)の先端面とバイパス孔(62)の開放面の間の隙間空間(70)に油が溜まりやすくなる。その結果、この隙間空間(70)を一層確実に油で塞ぐことができ、圧縮室における死容積の発生を一層効果的に防止することができる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態の油導入通路(29)を以下のように構成しても良い。
〈変形例1〉
図6及び図7に示すように、変形例1では、油供給通路(72)の流入端が、回転式圧縮機(20)の油溜め部(29)に接続されている。具体的には、油導入路(29)の油戻し管(29a)は、その流入端が、回転式圧縮機(20)のケーシング(21)の底部側寄りの部位を貫通して油溜め部(21a)に臨んでいる。一方、油戻し管(29a)の流出端は、上記実施形態と同様、三方切換弁(13)に接続されている。これ以外の構成は、上記実施形態と同様である。
この変形例1の第1圧縮動作時において、三方切換弁(13)が図6の実線に示す状態になると、油溜め部(21a)内の高温の油は、ケーシング(21)内の高圧冷媒に押し出されるようにして、油戻し管(29a)へ流入する。油戻し管(29a)を流れる高温の油は、冷却熱交換器(32)を流通する際に、比較的低温まで冷却される。冷却後の油は、三方切換弁(13)及び導入管(29b)を通過し、弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側の下部空間(61b)に導入される。弁体(64)の背面側に高圧の油が導入されると、弁体収容室(61)では、弁体(64)が上方に押し上げられ、図7に示すように、バイパス孔(62)を閉鎖する位置まで変位する。弁体(64)が閉鎖位置となると、下部空間(61b)内の油は、弁体(64)に形成される油注入路(71)を流通し、弁体(64)の先端面から隙間空間(70)へ流出する。その結果、隙間空間(70)が油によって塞がれる。一方、第2圧縮動作時には、油供給通路(72)による油の供給が三方切換弁(13)によって禁止されるので、油がバイパス通路(66)を通じて低段側圧縮機構(40a)の吸入側へ送られてしまうことがない。
以上のように、この変形例1においても、閉鎖状態の弁体(64)の先端側の隙間空間(70)が油によって塞がれるので、第1圧縮動作時における圧縮室の死容積が最小化され、容積効率の低下を防止することができる。また、変形例1においては、油の搬送源として、ケーシング(21)内の高圧冷媒の圧力を利用しているため、ポンプ等を別途設ける必要がない。また、この変形例1においても、油溜め部(21a)内の油は比較的高温となるが、この油を冷却熱交換器(32)で冷却してから弁体(64)の背面側に導入している。このため、この油が弁体(64)の先端側から圧縮室内へ入り込んでも、吸入冷媒が昇温されてしまうことを抑制できる。
〈変形例2〉
図8に示すように、変形例2の油導入路(29)は、弁体収容室(61)の下部空間(61b)とケーシング(21)内の油溜め部(21a)とを直接繋いでいる。変形例2では、上記実施形態1の三方切換弁(13)や冷却熱交換器(32)が省略された構成となっている。具体的には、弁体収容室(61)を封止する蓋部材(63)には、その軸心周りに複数の油導入路(29)が上下に貫通している。そして、各油導入路(29)は、その下端が油溜め部(21a)に臨んでおり、その上端が下部空間(61b)に臨んでいる。従って、この変形例2では、油溜め部(21a)内の油が常時、弁体収容室(61)の下部空間(61b)に導入された状態となっている。
また、上記蓋部材(63)には、その上面に遮断部(63a)が形成されている。遮断部(63a)は、蓋部材(63)及び弁体(64)の軸心上に位置している。つまり、遮断部(63a)は、弁体(64)の油注入路(71)の延長線上に位置している。遮断部(63a)は、その先端が上方に向かって膨出した略半円球上に形成されている。遮断部(63a)は、弁体(64)が閉鎖位置に変位すると、油注入路(71)と油導入路(29)とを連通させ、弁体(64)が開放位置に変位すると、油注入路(71)と油導入路(29)とを遮断する。つまり、遮断部(63a)は、弁体(64)がバイパス孔(62)を閉鎖すると、上記油供給通路(72)を開放する一方、弁体(64)がバイパス孔(62)を開放すると、油供給通路(72)を閉鎖する開閉手段を構成している。
この変形例2では、空気調和装置(10)の運転条件の変化に伴う冷媒回路(11)の高低差圧に応じて、第1圧縮動作と第2圧縮動作とが自動的に切り換えられる。具体的には、例えば冷媒回路(11)の高低差圧が比較的大きい運転条件では、ケーシング(21)内の高圧冷媒の圧力も比較的大きくなる。このような場合には、弁体(64)の背面に作用する油の圧力が上昇するので、弁体(64)はバネ部材(65)の付勢力に抗して上方に変位し、バイパス孔(62)を閉鎖する(図9(A)参照)。その結果、上述した第1圧縮動作が行われる。
この第1圧縮動作では、油注入路(71)の流入端が遮断部(63a)から開放され、油注入路(71)と各油導入路(29)とが連通する。このため、油導入路(29)を流れる油は、下部空間(61b)を介して油注入路(71)を上方に流れ、弁体(64)の先端面より隙間空間(70)へ供給される。その結果、隙間空間(70)は、油によって塞がれるので、第1圧縮動作時における圧縮室の死容積が減少する。
一方、冷媒回路(11)の高低差圧が比較的小さい運転条件では、ケーシング(21)内の高圧冷媒の圧力も比較的小さくなる。このような場合には、弁体(64)の背面に作用する油の圧力も低下するので、弁体(64)はバネ部材(65)によって下方に押し付けられ、バイパス孔(62)を開放する。その結果、上述した第2圧縮動作が行われる。このため、このように高低差圧が比較的小さい運転条件においては、低段側圧縮機構(40a)の吸入容積Vlが小さくなり、吸入容積比(Vh/Vl)が自動的に大きくなる。その結果、上述したように、各圧縮機構(40a,40b)の圧縮トルクの変動幅が平均化されて振動や騒音の低減が図られると共に、インジェクション管(24)から高段側圧縮機構(40b)の吸入側へ送られる中間圧冷媒の量が多くなり、上記エコノマイザ効果が向上する。
この第2圧縮動作では、油注入路(71)の流入端が遮断部(63a)によって閉塞され、油注入路(71)と各油導入路(29)とが遮断される(図9(B)参照)。このため、弁体(71)の油注入路(71)に油が供給されることが確実に禁止され、バイパス通路(66)への油の流入も防止される。従って、この変形例2においても、第2圧縮動作時において、低段側圧縮機構(40a)の吸入冷媒が油により加熱されてしまうことを確実に防止できる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
図10に示すように、上記実施形態と同様にして、高段側圧縮機構(40b)側にバイパス通路(66)、弁体収容室(61)、及び弁体(64)を設けるようにしても良い。なお、この例では、フロントヘッド(44)にバイパス通路(66)が形成される一方、バイパス通路(66)の流出端が中間圧空間(50)に繋がっている。この例においては、バイパス通路(66)が開放されると、高段側シリンダ室(42b)内の冷媒の一部が中間圧空間(50)、つまり高段側圧縮機構(40b)の吸入側に戻される構成となっている。この例においても、油供給通路(72)より弁体(64)の先端面の隙間空間(70)へ油を導入させることで、この隙間空間(70)を油で塞ぐことができ、圧縮室の死容積を最小限に抑えることができる。
また、実施形態では、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構とを有する2段圧縮機が対象となっているが、これに限られるものではない。例えば、1つの圧縮機構を有する単段の圧縮機に本発明を採用することもできる。また、圧縮機構は、固定部材と、固定部材との間に圧縮室を形成して偏心回転する可動部材とを備えたものであれば、如何なる構成のものであっても良い。具体的には、この圧縮機構として、ローリングピストン型のロータリ圧縮機構や、スクロール圧縮機構を採用しても良い。また、環状のシリンダ室を有するシリンダと、シリンダ室に設けられる環状のピストンとが相対的に偏心回転することで、複数の圧縮室を同時に拡縮する圧縮機構に本発明を採用するようにしても良い。
また、バイパス通路(66)のバイパス孔(62)は、各シリンダ室(42a,42b)に臨む内壁面であれば、如何なる面に形成しても良い。具体的には、バイパス孔(62)をミドルプレート(46)の上端面や下端面に開口させても良いし、各シリンダ(41a,41b)の内周面に開口させても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧縮室内の冷媒の一部をバイパス通路を介して圧縮機構の吸入側へ戻すことが可能な回転式圧縮機について有用である。
本発明の実施形態に係る回転式圧縮機が搭載される空気調和装置の冷媒回路図である。 実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 実施形態に係る回転式圧縮機の低段側圧縮機構の横断面図である。 実施形態に係る回転式圧縮機のバイパス通路を拡大した縦断図であり、図4(A)は第1圧縮動作時の状態を、図4(B)は第2圧縮動作時の状態を示すものである。 実施形態に係る回転式圧縮機の低段側圧縮機構の動作を示す概略説明図である。 実施形態の変形例1に係る回転式圧縮機が搭載される空気調和装置の冷媒回路図である。 実施形態の変形例1に係る低段側圧縮機構の縦断面図である。 実施形態の変形例2に係る低段側圧縮機構の縦断面図である。 変形例2に係る回転式圧縮機のバイパス通路を拡大した縦断図であり、図9(A)は第1圧縮動作時の状態を、図9(B)は第2圧縮動作時の状態を示すものである。 その他の実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。
13 三方切換弁(開閉手段)
20 回転式圧縮機
21 ケーシング
21a 油溜め部
29 油導入路(油供給通路)
30 油分離器
31 冷却熱交換器(冷却手段)
33 駆動軸
40a 低段側圧縮機構(圧縮機構)
40b 高段側圧縮機構(圧縮機構)
41a 低段側シリンダ(固定部材)
41b 高段側シリンダ(固定部材)
44 フロントヘッド(固定部材)
45 リアヘッド(固定部材)
46 ミドルプレート(固定部材)
47a 低段側ピストン(可動部材)
47b 高段側ピストン(可動部材)
61 弁体収容室
63a 遮断部
64 弁体
66 バイパス通路
71 油注入路(油供給通路)
72 油供給通路

Claims (10)

  1. 固定部材(41a,41b,44,45,46)と、該固定部材(41a,41b,44,45,46)との間に圧縮室を形成しながら駆動軸(33)に対して偏心回転する可動部材(47a,47b)とを有する圧縮機構(40a,40b)を備え、冷媒を上記圧縮室で圧縮する回転式圧縮機であって、
    流入端が上記圧縮室の内壁面に開口し、流出端が上記圧縮機構(40a,40b)の吸入側と繋がるバイパス通路(66)と、
    上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)を開閉自在に構成され、且つ閉鎖状態ではバイパス通路(66)の流入開口面よりも先端がバイパス通路(66)の内部に陥没した位置となる弁体(64)と、
    閉鎖状態の上記弁体(64)の先端面に油を供給する油供給通路(72)とを備え、
    上記弁体(64)は、閉鎖状態において該弁体(64)の先端面とバイパス通路(66)の流入開口面との間に隙間空間を形成するように構成され、
    上記油供給通路(72)は、上記隙間空間の死容積を低減するように該隙間空間に油を供給するように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記弁体(64)の先端部は、柱状に形成され、
    上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)は、上記弁体(64)の先端部が嵌合する柱状の開口を形成していることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記油供給通路(72)は、油が流通するように上記弁体(64)に形成されて、流出端が弁体(64)の先端面に開口する油注入路(71)を有することを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項において、
    上記固定部材(41a,41b,44,45,46)には、一端が上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)に臨むと共に、上記弁体(64)が流入開口部(62)を開閉自在に変位するように内嵌する弁体収容室(61)が形成され、
    上記油供給通路(72)は、弁体(64)の先端面から背面に亘って貫通して形成される上記油注入路(71)と、上記弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側に油を導入する油導入路(29)とを備えていることを特徴とする回転式圧縮機。
  5. 請求項1乃至のいずれか1つにおいて、
    上記油供給通路(72)は、上記圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒中から油分離器(30)によって分離された油が導入されるように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  6. 請求項1乃至のいずれか1つにおいて、
    上記圧縮機構(40a,40b)が収納されると共に、内部空間に該圧縮機構(40a,40b)の吐出冷媒が満たされ、底部に圧縮機構(40a,40b)を潤滑する油が貯留される油溜め部(21a)が形成されるケーシング(21)を備え、
    上記油供給通路(72)は、上記油溜め部(21a)の油が導入されるように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  7. 請求項又はおいて、
    上記油供給通路(72)を流れる油を冷却する冷却手段(32)を備えていることを特徴とする回転式圧縮機。
  8. 請求項1又は2において、
    上記弁体(64)が上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)を閉鎖すると、上記油供給通路(72)を開放する一方、弁体(64)がバイパス通路(66)の流入開口部(62)を開放すると、上記油供給通路(72)を閉鎖する開閉手段(13,63a)を備えていることを特徴とする回転式圧縮機。
  9. 請求項において、
    上記固定部材(41a,41b,44,45,46)には、一端が上記バイパス通路(66)の流入開口部(62)に臨むと共に、上記弁体(64)が流入開口部(62)を開閉自在に変位するように内嵌する弁体収容室(61)が形成され、
    上記油供給通路(72)は、上記弁体(64)の先端面から背面に亘って貫通して形成される上記油注入路(71)と、上記弁体収容室(61)における弁体(64)の背面側に油を導入する油導入路(29)とを備え、
    上記開閉手段(13,63a)は、上記弁体(64)がバイパス通路(66)の閉鎖位置に変位すると、油注入路(71)と油導入路(29)とを連通させ、上記弁体(64)がバイパス通路(66)の開放位置に変位すると、油注入路(71)と油導入路(29)とを遮断する遮断部(63a)を備えていることを特徴とする回転式圧縮機。
  10. 請求項1乃至のいずれか1つにおいて、
    上記バイパス通路(66)の流入端は、圧縮室の下側の内壁に開口していることを特徴とする回転式圧縮機。
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