JP5181463B2 - 流体機械 - Google Patents

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    • F04C18/04Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents of internal-axis type
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Description

本発明は、偏心回転運動する可動部材と、流体の圧縮又は膨張が行われる流体室を可動部材と共に形成する固定部材とを備える流体機械に関するものである。
従来より、偏心回転運動する可動部材と、流体の圧縮又は膨張が行われる流体室を可動部材と共に形成する固定部材とを備える流体機械が知られている。この種の流体機械は、例えば冷媒回路に接続されて圧縮機又は膨張機として使用される。この種の流体機械の一例が特許文献1に開示されている。
具体的に、特許文献1の図1及び図3には、この種の流体機械として回転式圧縮機がそれぞれ開示されている。これらの回転式圧縮機では、環状のシリンダ室を形成するシリンダと、シリンダ室を内側と外側とに区画する環状のピストンとを備えている。シリンダは、駆動軸の偏心部に係合しており、偏心回転運動する可動部材を構成している。シリンダは、シリンダ室の内側を区画する内側シリンダとシリンダ室の外側を区画する外側シリンダとを備えている。内側シリンダと外側シリンダは、偏心回転運動の際に流体室の容積を変化させる可動区画部を構成している。また、内側シリンダは、回転軸の偏心部が挿入される軸受部も構成している。図1の回転式圧縮機では、シリンダが鏡板を備えている。図3の回転式圧縮機では、シリンダが鏡板を備えていない。これらの回転式圧縮機では、シリンダが偏心回転運動すると、シリンダ室における環状のピストンの内側と外側とで流体が圧縮される。
特開2005−330962号公報
ところで、従来の流体機械の可動部材は、回転軸の軸方向における軸受部の長さが、可動軸受部に合わせて設定されていた。具体的に、特許文献1の図1のように可動部材が鏡板部を有する場合には、回転軸の軸方向で見れば軸受部の長さが鏡板部の背面から可動区画部の先端面までの距離と等しくなっていた。特許文献1の図3のように可動部材が鏡板部を有しない場合には、回転軸の軸方向で見れば軸受部の長さがピストンの長さと等しくなっていた。
このため、従来の流体機械では、例えば流体室の容積を小さくするために回転軸の軸方向における流体室の長さを比較的短くする場合などに、可動区画部の長さと共に軸受部の長さも短くなるので、回転軸が軸受部から受ける軸受荷重が大きくなるという問題があった。軸受荷重が大きくなると、軸受部の信頼性を確保することが困難になる。流体室の容積を小さくする場合としては、例えば、回転軸を高速回転で駆動させるように流体機械を構成する場合や、単位密度当たりの冷凍能力が高い冷媒用に流体機械を構成する場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、偏心回転運動する可動部材と可動部材と共に流体室を形成する固定部材とを備える流体機械において、可動部材の軸受部の信頼性を向上させることにある。
第1の発明は、ケーシング(15)と、上記ケーシング(15)に収容される圧縮機構(20)と、上記圧縮機構(20)を駆動するための回転軸(33)とを備える流体機械を対象とする。そして、上記回転軸(33)は、主軸部(33a)と、該主軸部(33a)の軸心に対して偏心した偏心部(33b)とを備え、上記圧縮機構(20)は、上記回転軸(33)の偏心部(33b)に係合して偏心回転運動する可動部材(25)と、流体の圧縮が行われる流体室(41,42)を上記可動部材(25)と共に形成する固定部材(40)とを備え、上記回転軸(33)の回転に伴って上記可動部材(25)を偏心回転運動させることにより上記流体室(41,42)内の流体を圧縮し、圧縮した流体を上記ケーシング(15)内の空間へ吐出するものである。また、この第1の発明は、上記可動部材(25)が、前面が上記流体室(41,42)に面する可動鏡板部(48)と、該可動鏡板部(48)を貫通すると共に上記偏心部(33b)が挿入される筒状の可動軸受部(49)と、側面が上記流体室(41,42)に面するように上記可動鏡板部(48)の前面に立設されて先端面が上記固定部材(40)と摺接する可動区画部(45)とを備え、上記回転軸(33)の軸方向では、上記可動軸受部(49)の長さが上記可動鏡板部(48)の背面から上記可動区画部(45)の先端面までの距離より長くなっているものである。
第1の発明では、回転軸(33)の軸方向における可動軸受部(49)の長さを、その軸方向における可動鏡板部(48)の背面から可動区画部(45)の先端面までの距離よりも長くしている。可動軸受部(49)の長さは、可動区画部(45)に合わせて設定されていない。従って、回転軸(33)が可動軸受部(49)から受ける軸受荷重を考慮して可動軸受部(49)の長さを設定することが可能である。
また、第1の発明は、上記の構成に加えて、上記固定部材(40)は、外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(39)を備え、該外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(39)の間に環状の流体室(41,42)を形成し、上記可動部材(25)の可動区画部(45)は、環状に形成され、上記固定部材(40)に対して偏心した状態で上記流体室(41,42)に収納されて該流体室(41,42)を外側流体室(41)と内側流体室(42)とに区画し、上記固定部材(40)には、上記外側流体室(41)及び内側流体室(42)のそれぞれを高圧室と低圧室とに区画するブレード(46)が設けられるものである。
第1の発明では、環状の流体室(41,42)が外側流体室(41)と内側流体室(42)とに区画されている。可動部材(25)が偏心回転運動を行うと、外側流体室(41)と内側流体室(42)とではそれぞれ流体の圧縮又は膨張が行われる。
また、第1の発明は、上記の構成に加えて、上記ケーシング(15)内に貯留された潤滑油が上記圧縮機構(20)へ供給され、上記圧縮機構(20)の内部における上記可動軸受部(49)と上記内側シリンダ部(39)の間に空間(61)が形成され、該空間(61)の圧力が上記ケーシング(15)内の圧力と同じになっているものである。
また、第1の発明は、上記の構成に加えて、上記可動部材(25)が、上記可動鏡板部(48)の背面と上記可動軸受部(49)の一端面とが上記回転軸(33)に直交する同一平面上に位置するように形成されている。
第1の発明では、可動鏡板部(48)の背面と上記可動軸受部(49)の一端面とが回転軸(33)に直交する同一平面上に位置している。つまり、可動部材(25)では、可動鏡板部(48)の背面側が平坦面になっている。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記可動部材(25)が、上記回転軸(33)の軸方向で見た場合に上記可動区画部(45)と上記可動鏡板部(48)との全てが上記可動軸受部(49)の両端の間に位置するように形成されている。
第2の発明では、回転軸(33)の軸方向で見た場合に、可動区画部(45)と可動鏡板部(48)との全てが可動軸受部(49)の両端の間に含まれている。つまり、回転軸(33)の軸方向において、可動区画部(45)の先端の位置は、可動軸受部(49)の一端側と同じ位置かその一端側よりも基端側に位置している。回転軸(33)の軸方向において、可動鏡板部(48)の背面の位置は、可動軸受部(49)の他端側と同じ位置かその他端側よりも前面側に位置している。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記可動部材(25)は、上記回転軸(33)の軸方向における上記可動軸受部(49)の中央と、上記回転軸(33)の軸方向における上記可動区画部(45)の中央とが上記回転軸(33)に直交する同一平面上に位置するように形成されている。
第3の発明では、回転軸(33)の軸方向における可動軸受部(49)の中央と、回転軸(33)の軸方向における可動区画部(45)の中央とが回転軸(33)に直交する同一平面上に位置している。このため、回転軸(33)の軸方向において、可動区画部(45)が流体室(41,42)内の流体から受けるガス荷重の作用点と、可動軸受部(49)の中央とが概ね一致する。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つ発明において、冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒回路(80)に接続されて、該冷媒回路(80)に冷媒として充填された二酸化炭素を圧縮する又は膨張させる。
第4の発明では、流体機械(10)が、冷媒としての二酸化炭素を圧縮する又は膨張させる。二酸化炭素冷媒は、通常のフロン冷媒に比べて単位密度当たりの冷凍能力が高い冷媒である。このため、通常のフロン冷媒に比べて二酸化炭素の方が、同じ能力で比較した場合の冷媒回路(80)における冷媒の循環量が少なくなる。従って、流体機械(10)を二酸化炭素冷媒用に構成すると、流体室(41,42)の容積が小さくなる。
本発明によれば、可動軸受部(49)の長さを可動区画部(45)に合わせて設定するようにはしていないので、回転軸(33)が可動軸受部(49)から受ける軸受荷重を考慮して可動軸受部(49)の長さを設定することができる。このため、例えば回転軸(33)の軸方向における流体室(41,42)の長さが比較的短い場合であっても、回転軸(33)が受ける軸受荷重が適切な値になるように可動軸受部(49)の長さを設定することができる。従って、可動部材(25)の可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。
また、発明では、可動部材(25)において可動鏡板部(48)の背面側が平坦面になるようにしている。ここで、この種の流体機械(10)では、運転中に回転軸(33)の外周面に潤滑油が供給される。そして、可動部材(25)の可動鏡板部(48)の背面側には、回転軸(33)の外周面を流れる潤滑油が外側に流出しないように例えばシールリングなどの潤滑油の流出を阻止するための部材を設ける場合がある。発明では、可動部材(25)の可動鏡板部(48)の背面側が平坦面になっているので、シールリングなどの潤滑油の流出を阻止するための部材を容易に設けることができる。
また、上記第3の発明では、回転軸(33)の軸方向において、可動区画部(45)が流体室(41,42)内の流体から受けるガス荷重の作用点と、可動軸受部(49)の中央とが概ね一致するようにしている。従って、可動軸受部(49)にはほぼ均一にガス荷重が作用するので、可動軸受部(49)における回転軸(33)の片当たりを抑制することができ、可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。
また、上記第4の発明では、流体機械(10)が、二酸化炭素冷媒用に構成されており、通常のフロン冷媒用のものに比べて同じ能力で比較した場合に流体室(41,42)の容積が小さくなっている。そして、このような場合は、回転軸(33)の軸方向における可動区画部(45)の長さを、通常のフロン冷媒用の流体機械より短くする場合がある。ここで、本発明では、上述したように、可動軸受部(49)の長さを可動区画部(45)に合わせて設定するようにはしていないので、可動区画部(45)の長さを短くする場合でも、可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。従って、本発明は、この第4の発明の二酸化炭素冷媒用の流体機械(10)に適している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、図1に示す本発明に係る流体機械(10)で構成された圧縮機(10)を備える空調機である。この空調機は、例えば冷媒として二酸化炭素が充填された冷媒回路(80)に接続されている。なお、二酸化炭素冷媒は、通常のフロン冷媒に比べて単位密度当たりの冷凍能力が高い冷媒である。
この冷媒回路(80)には、図2に示すように、圧縮機(10)、四路切換弁(84)、室外熱交換器(81)、室内熱交換器(83)、膨張弁(82)、アキュームレータ(85)が接続されている。四路切換弁(84)は、図2の実線で示す第1状態と、図2の破線で示す第2状態とに切り換えられる。四路切換弁(84)が第1状態に設定されると、圧縮機(10)の吐出側が室外熱交換器(81)のガス側端と連通し、室外熱交換器(81)が放熱器(ガスクーラー)となって室内熱交換器(83)が蒸発器となる冷房運転が行われる。四路切換弁(84)が第2状態に設定されると、圧縮機(10)の吐出側が室内熱交換器(83)のガス側端と連通し、室内熱交換器(83)が放熱器(ガスクーラー)となって室外熱交換器(81)が蒸発器となる暖房運転が行われる。冷房運転及び暖房運転では、圧縮機(10)が、蒸発器(83)から吸入した冷媒を二酸化炭素の臨界圧力以上の圧力になるように圧縮して放熱器(ガスクーラー)(81)へ吐出する。
−圧縮機の構成−
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機(10)は、ケーシング(15)と圧縮機構(20)と電動機(24)とを備えている。ケーシング(15)は、縦長で円筒形の密閉容器状に形成されている。ケーシング(15)内には、下側から順に圧縮機構(20)と電動機(24)とが配置されている。ケーシング(15)の底部には潤滑油を貯留する油溜まりが形成されている。
ケーシング(15)には、その胴部に吸入管(14)が取り付けられ、その頂部に吐出管(11)が取り付けられている。吸入管(14)は圧縮機構(20)に接続され、吐出管(11)はその入口が電動機(24)の上側の空間に開口している。
電動機(24)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、ケーシング(15)の胴部の内周面に固定されている。ロータ(32)は、ステータ(31)の内側に配置されて、上下方向に延びる回転軸(33)に連結されている。
回転軸(33)は、主軸部(33a)と偏心部(33b)とを備えている。主軸部(33a)には、ロータ(32)が連結されている。偏心部(33b)は、回転軸(33)の下寄りの位置に設けられ、主軸部(33a)よりも大径の円柱状に形成されている。偏心部(33b)は、その軸心が主軸部(33a)の軸心から所定量だけ偏心している。回転軸(33)は、圧縮機構(20)を上下方向に貫通している。
回転軸(33)の下端部には、ケーシング(15)内の底部の油溜まりに浸漬する給油ポンプ(34)が設けられている。この給油ポンプ(34)は、回転軸(33)の軸心に沿って延びる給油路(75)に接続されている。給油ポンプ(34)は、回転軸(33)の回転に伴って油溜まりの潤滑油を給油路(75)へ送り込むように構成されている。
圧縮機構(20)は、図1及び図2に示すように、固定部材であるシリンダ(40)と、可動部材であるピストン(25)と、ブレード(46)と、揺動ブッシュ(27)と、下側軸受部材(37)とを備えている。シリンダ(40)は、固定鏡板部(36)と外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(39)とを備えている。ピストン(25)は、可動鏡板部(48)と可動軸受部(49)と環状ピストン部(45)とを備えている。環状ピストン部(45)は可動区画部を構成している。
シリンダ(40)では、固定鏡板部(36)が円盤状に形成され、外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(39)とが円環状に形成されている。固定鏡板部(36)と外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(39)とは、一体に形成されている。外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(39)とは、固定鏡板部(36)の下面に立設されている。外側シリンダ部(38)は、比較的厚肉に形成されており、外周面でケーシング(15)の胴部に固定されている。外側シリンダ部(38)の内周面と内側シリンダ部(39)の外周面とは、互いに同一中心の円筒面になっている。外側シリンダ部(38)の内周面と内側シリンダ部(39)の外周面との間には、環状の流体室(41,42)が形成されている。
固定鏡板部(36)は、環状ピストン部(45)の先端側(上端側)で流体室(41,42)に面して、環状ピストン部(45)の先端面と対面している。固定鏡板部(36)の中央部には、円筒状の固定軸受部(56)が貫通している。固定軸受部(56)は、回転軸(33)の主軸部(33a)のうち偏心部(33b)の上側部分を摺動自在に支持している。また、固定鏡板部(36)の背面(上面)には、鏡板凹部(22)が形成されている。鏡板凹部(22)は、図3に示すように、略長方形状に形成されている。
また、固定鏡板部(36)の外周面には、水平方向に延びる円形断面の凹部(69)が形成されている。凹部(69)には、管状の接続部材(65)が嵌め込まれている。接続部材(65)は、ケーシング(15)の外部に突出して吸入管(14)に接続されている。接続部材(65)と吸入管(14)とは、それぞれを筒状部材(67)に嵌め込むことによって接続されている。
固定鏡板部(36)には、吸入通路(44)が形成されている。吸入通路(44)は、入口端が凹部(69)の底面に開口して出口端が固定鏡板部(36)の前面に開口している。吸入通路(44)の出口端は、固定鏡板部(36)の前面において後述する外側流体室(41)の低圧室(41b)及び内側流体室(42)の低圧室(42b)に跨っている。
固定鏡板部(36)の上面には、マフラー(23)が取り付けられている。固定鏡板部(36)とマフラー(23)との間には、吐出空間(53)が形成されている。固定鏡板部(36)の鏡板凹部(22)の底面部分には、外側吐出通路(51)及び内側吐出通路(52)が形成されている。外側吐出通路(51)は、入口が外側流体室(41)の高圧室(41a)に開口し、出口が吐出空間(53)に開口している。内側吐出通路(52)は、入口が内側流体室(42)の高圧室(42a)に開口し、出口が吐出空間(53)に開口している。また、固定鏡板部(36)の鏡板凹部(22)の底面には、各吐出通路(51,52)の出口を開閉するリード弁が設けられている(図示省略)。
ピストン(25)では、環状ピストン部(45)が円環の一部分が分断されたC型形状に形成され、可動鏡板部(48)が円盤状に形成されている。また、可動軸受部(49)は円筒状に形成されている。環状ピストン部(45)は、可動鏡板部(48)の前面側に立設されている。環状ピストン部(45)は、外周面が外側シリンダ部(38)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ部(39)の外周面よりも大径に形成されている。環状ピストン部(45)は、シリンダ(40)に対して偏心した状態で流体室(41,42)に収納され、流体室(41,42)を内側と外側とに区画している。環状ピストン部(45)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面との間には、外側流体室(41)が形成されている。環状ピストン部(45)の内周面と内側シリンダ部(39)の外周面との間には、内側流体室(42)が形成されている。
環状ピストン部(45)とシリンダ(40)とは、環状ピストン部(45)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、環状ピストン部(45)の内周面と内側シリンダ部(39)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
可動鏡板部(48)は、前面が流体室(41,42)に面している。可動鏡板部(48)は、外側シリンダ部(38)の先端面及び内側シリンダ部(39)の先端面と対面している。
可動軸受部(49)は、可動鏡板部(48)を貫通している。可動軸受部(49)の外周面と内側シリンダ部(39)の内周面との間には、第1空間(61)が形成されている。可動軸受部(49)の上端面は、固定鏡板部(36)の下面と対面している。可動軸受部(49)の上端面は、環状ピストン部(45)の先端面よりも上方に位置している。可動鏡板部(48)の下端面は、回転軸(33)の軸方向において可動鏡板部(48)の背面と同じ位置になっている。つまり、回転軸(33)の軸方向で見た場合に、環状ピストン部(45)と可動鏡板部(48)との全てが可動軸受部(49)の両端の間に含まれている。また、可動軸受部(49)の高さは、環状ピストン部(45)の高さと可動鏡板部(48)の厚みの合計よりも大きくなっている。
また、このピストン(25)では、回転軸(33)の軸方向における可動軸受部(49)の中央(A)と、回転軸(33)の軸方向における環状ピストン部(45)の中央(B)とが、回転軸(33)に直交する同一平面上に位置している。つまり、可動軸受部(49)の高さの中央(A)と、環状ピストン部(45)の高さの中央(B)とが同じ高さである。可動軸受部(49)には、回転軸(33)の偏心部(33b)が摺動自在に嵌め込まれている。これにより、本実施形態の圧縮機(10)では、回転軸(33)が回転すると、ピストン(25)が偏心回転運動を行う。
ブレード(46)は、環状ピストン部(45)の分断箇所を挿通して、外側シリンダ部(38)から内側シリンダ部(39)まで流体室(41,42)の径方向に延びるように設けられている。ブレード(46)は、外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(39)とに固定されている。ブレード(46)は、外側流体室(41)及び内側流体室(42)をそれぞれ高圧室(41a,42a)と低圧室(41b,42b)とに区画している。
揺動ブッシュ(27)は、環状ピストン部(45)の分断部(円環の一部分が抜き取られたC型形状の開口部)において、環状ピストン部(45)とブレード(46)とを相互に可動に連結している。揺動ブッシュ(27)は、ブレード(46)に対して高圧室(41a,42a)側に位置する吐出側ブッシュ(27a)と、ブレード(46)に対して低圧室(41b,42b)側に位置する吸入側ブッシュ(27b)とから構成されている。吐出側ブッシュ(27a)と吸入側ブッシュ(27b)とは、いずれも断面形状が略半円形で同一形状に形成され、平坦面同士が対向するように配置されている。そして、両ブッシュ(27a,27b)の対向する平坦面の間のスペースがブレード溝(28)を構成している。このブレード溝(28)には、ブレード(46)が挿入されている。
揺動ブッシュ(27a,27b)の平坦面(ブレード溝(28)の両側面)は、ブレード(46)と実質的に面接触している。揺動ブッシュ(27a,27b)の円弧状の外周面は、環状ピストン部(45)と実質的に面接触している。揺動ブッシュ(27a,27b)は、ブレード(46)を挟んだ状態で、環状ピストン部(45)と共に流体室(41,42)の径方向に進退するように構成されている。同時に、揺動ブッシュ(27a,27b)は、揺動ブッシュ(27)の中心点を揺動中心として環状ピストン部(45)をブレード(46)に対して揺動させるように構成されている。
なお、この実施形態では両ブッシュ(27a,27b)を別体とした例について説明したが、両ブッシュ(27a,27b)は、一部で連結することにより一体構造としてもよい。
下側軸受部材(37)は、円盤状に形成されて、可動鏡板部(48)の背面側に設けられている。下側軸受部材(37)は、回転軸(33)の主軸部(33a)のうち偏心部(33b)の下側部分を摺動自在に支持している。下側軸受部材(37)の上面には、回転軸(33)を囲うように環状の溝が形成されている。この環状の溝には、円環状のシールリング(19)が嵌め込まれている。シールリング(19)は、下側軸受部材(37)と可動鏡板部(48)とに挟み込まれている。シールリング(19)は、回転軸(33)側から流入する潤滑油が外側へ流出することを阻止すると共に、ピストン(25)をシリンダ(40)に押し付ける力として作用する可動鏡板部(48)の背面の高圧部分の面積を限定するために設けられている。
下側軸受部材(37)と外側シリンダ部(38)との間には、第2空間(62)が形成されている。第2空間(62)は、可動鏡板部(48)の外側に位置しており、偏心回転運動する可動鏡板部(48)が、下側軸受部材(37)に接触しないように形成されている。第2空間(62)は、弁機構が設けられた連通路を通じて、吸入通路(44)に接続されている(図示省略)。第2空間(62)は、連通路の弁機構により、低圧空間となる吸入通路(44)よりも僅かに高い圧力に概ね維持されている。つまり、第2空間(62)は、常に概ね低圧状態になっている。
以上の構成において、回転軸(33)が回転すると、環状ピストン部(45)は、ブレード溝(28)に沿って流体室(41,42)の径方向に進退しながら、揺動ブッシュ(27)の中心
点を揺動中心としてシリンダ(40)に対して揺動する。この揺動動作では、環状ピストン部(45)が回転軸(33)に対して偏心しながら回転(公転)運動する。
−圧縮機の運転動作−
次に、この圧縮機(10)の運転動作について図4を参照しながら説明する。
電動機(24)を起動すると、ロータ(32)の回転が回転軸(33)を介して圧縮機構(20)のピストン(25)に伝達される。これにより、流体室(41,42)内では、環状ピストン部(45)が外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(39)に対して揺動しながら公転するので、圧縮機構(20)で所定の圧縮動作が行われる。
まず、外側流体室(41)における圧縮動作について説明する。外側流体室(41)では、図4(B)の状態(低圧室(41b)がほぼ最小容積となる状態)から環状ピストン部(45)が図の右回りに公転することで、吸入管(14)からの冷媒が吸入通路(44)を通じて低圧室(41b)に冷媒へ流入する。そして、シリンダ(40)が図4の(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、の順に公転して図4の(A)の状態になると、低圧室(41b)への冷媒の吸入が完了する。
冷媒の吸入が完了すると、低圧室(41b)は、図4の(A)から(B)に移行する過程で冷媒が圧縮される高圧室(41a)となる一方、ブレード(46)を隔てて新たな低圧室(41b)が形成される。この状態で環状ピストン部(45)がさらに回転すると、新たに形成された低圧室(41b)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(41a)の容積が減少し、該高圧室(41a)で冷媒が圧縮される。そして、高圧室(41a)の圧力が所定値になると、リード弁が開状態になって外側流体室(41)内で圧縮された高圧冷媒が外側吐出通路(51)を通過して吐出空間(53)へ吐出される。
続いて、内側流体室(42)における圧縮動作について説明する。内側流体室(42)では、図4(F)の状態(低圧室(42b)の容積がほぼ最小となる状態)から環状ピストン部(45)が図の右回りに公転することで、吸入管(14)からの冷媒が吸入通路(44)を通じて低圧室(42b)に冷媒へ流入する。そして、シリンダ(40)が図4の(G)、(H)、(A)、(B)、(C)、(D)の順に公転して図4(E)の状態になると、低圧室(42b)への冷媒の吸入が完了する。
冷媒の吸入が完了すると、この低圧室(42b)は、図4の(E)から(F)に移行する過程で冷媒が圧縮される高圧室(42a)となる一方、ブレード(46)を隔てて新たな低圧室(42b)が形成される。この状態で環状ピストン部(45)がさらに回転すると、新たに形成された低圧室(42b)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(42a)の容積が減少し、該高圧室(42a)で冷媒が圧縮される。そして、高圧室(42a)の圧力が所定値になると、リード弁が開状態になって内側流体室(42)内で圧縮された高圧冷媒が内側吐出通路(52)を通過して吐出空間(53)へ吐出される。
吐出空間(53)へ吐出された冷媒は、マフラー(23)から流出し、コアカットなどの電動機(24)の隙間を通って電動機(24)の上側の空間へ流入する。そして、電動機(24)の上側の空間へ流入した冷媒は、吐出管(11)を通じて放熱器へ吐出される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、可動軸受部(49)の長さを環状ピストン部(45)に合わせて設定するようにはしていないので、回転軸(33)が可動軸受部(49)から受ける軸受荷重を考慮して可動軸受部(49)の長さを設定することができる。このため、本実施形態のように回転軸(33)の軸方向における流体室(41,42)の長さが比較的短い場合であっても、回転軸(33)が受ける軸受荷重が適切な値になるように可動軸受部(49)の長さを設定することができる。従って、ピストン(25)の可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、回転軸(33)が、ピストン(25)の両側でシリンダ(40)の固定軸受部(56)と下側軸受部材(37)とを介してケーシング(15)に保持されている。従って、回転軸(33)が傾きにくいので、可動軸受部(49)における回転軸(33)の片当たりを抑制することができ、可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。また、流体室(41,42)における冷媒漏れも低減される。
また、本実施形態では、ピストン(25)において可動鏡板部(48)の背面側が平坦面になるようにしている。従って、シールリング(19)を容易に設けることができる。
また、本実施形態では、回転軸(33)の軸方向において、環状ピストン部(45)が流体室(41,42)内の冷媒から受けるガス荷重の作用点と、可動軸受部(49)の中央(A)とが概ね一致するようにしている。従って、可動軸受部(49)には均一にガス荷重が作用するので、可動軸受部(49)における回転軸(33)の片当たりを抑制することができ、可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。
《参考技術1》
参考技術1について説明する。この参考技術1では、図5に示すように、ピストン(25)において可動軸受部(49)の下端面が、可動鏡板部(48)の背面より下方に位置している。また、回転軸(33)の軸方向における可動軸受部(49)の中央(A)と、回転軸(33)の軸方向における可動鏡板部(48)の背面から環状ピストン部(45)の先端面までの範囲の中央(B)とが、回転軸(33)に直交する同一平面上に位置している。つまり、可動軸受部(49)の高さの中央(A)と、可動鏡板部(48)の背面から環状ピストン部(45)の先端面までの高さの中央(B)とが同じ高さである。
この参考技術1では、回転軸(33)の軸方向において、可動鏡板部(48)及び環状ピストン部(45)の遠心力による荷重の作用点と、可動軸受部(49)の中央とのずれが比較的小さくなる。従って、可動軸受部(49)には比較的均一に遠心力による荷重が作用するので、可動軸受部(49)における回転軸(33)の片当たりを抑制することができ、可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。
なお、可動鏡板部(48)及び環状ピストン部(45)の遠心力による荷重の作用点と、ガス荷重の作用点との両方を考慮して、これらの作用点の間に、可動軸受部(49)の高さの中央(A)が位置するようにピストン(25)が形成されていてもよい。
《参考技術
参考技術について説明する。参考技術の流体機械(10)は、上記実施形態とは異なりシリンダ(40)が偏心回転運動する圧縮機(10)である。
図6及び図7に示すように、圧縮機構(20)は、可動部材(25)と固定部材(40)とブレード(46)と揺動ブッシュ(27)と下側軸受部材(37)とを備えている。可動部材(25)は、可動鏡板部(48)と外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)と可動軸受部(49)とを備えている。外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)とは、可動区画部を構成している。固定部材(40)は、環状ピストン部(47)と固定鏡板部(36)とを備えている。
可動部材(25)では、可動鏡板部(48)が円盤状に形成され、外側シリンダ部(45a)及び内側シリンダ部(45b)とが円環状に形成されている。可動軸受部(49)は円筒状に形成されている。可動鏡板部(48)と外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)と可動軸受部(49)とは、一体に形成されている。また、内側シリンダ部(45b)は、可動軸受部(49)の外側に連続している。
外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)とは、可動鏡板部(48)の上面に立設されている。可動軸受部(49)は、可動鏡板部(48)を貫通している。つまり、外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)の下端は可動鏡板部(48)の前面に位置しており、可動軸受部(49)の下端は可動鏡板部(48)の背面に位置している。また、外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)とは同じ高さである。
外側シリンダ部(45a)の内周面と内側シリンダ部(45b)の外周面とは、互いに同一中心の円筒面になっている。外側シリンダ部(45a)の内周面と内側シリンダ部(45b)の外周面との間には、環状の流体室(41,42)が形成されている。可動鏡板部(48)は、環状ピストン部(47)の先端側(下端側)で流体室(41,42)に面して、環状ピストン部(47)の先端面と対面している。
可動軸受部(49)の上端面は、固定鏡板部(36)の下面と対面している。可動軸受部(49)の上端面は、外側シリンダ部(45a)や内側シリンダ部(45b)の先端面よりも上方に位置している。また、可動鏡板部(48)の下端面は、回転軸(33)の軸方向において可動鏡板部(48)の背面と同じ位置になっている。つまり、可動軸受部(49)の高さは、内側シリンダ部(45b)の高さと可動鏡板部(48)の厚みの合計よりも大きくなっている。
また、この可動部材(25)では、回転軸(33)の軸方向における可動軸受部(49)の中央(A)と、回転軸(33)の軸方向における外側シリンダ部(45a)の中央(B)とが、回転軸(33)に直交する同一平面上に位置している。つまり、可動軸受部(49)の高さの中央(A)と、内側シリンダ部(45b)の高さ(B)の中央とが同じ高さである。可動軸受部(49)には、回転軸(33)の偏心部(33b)が摺動自在に嵌め込まれている。
固定部材(40)では、環状ピストン部(47)が円環の一部分が分断されたC型形状に形成され、固定鏡板部(36)が円盤状に形成されている。環状ピストン部(47)は、固定鏡板部(36)の前面側に立設されている。環状ピストン部(47)は、外周面が外側シリンダ部(45a)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ部(45b)の外周面よりも大径に形成されている。環状ピストン部(47)は、可動部材(25)に対して偏心した状態で流体室(41,42)に収納され、流体室(41,42)を内側と外側とに区画している。環状ピストン部(47)の外周面と外側シリンダ部(45a)の内周面との間には、外側流体室(41)が形成されている。環状ピストン部(47)の内周面と内側シリンダ部(45b)の外周面との間には、内側流体室(42)が形成されている。
固定鏡板部(36)は、外側シリンダ部(45a)及び内側シリンダ部(45b)の先端側(下側)で流体室(41,42)に面して、外側シリンダ部(45a)の先端面及び内側シリンダ部(45b)の先端面と対面している。また、固定鏡板部(36)の中央部には、円筒状の軸受部(56)が貫通している。軸受部(56)は、回転軸(33)の主軸部(33a)のうち偏心部(33b)の上側部分を摺動自在に支持している。
固定鏡板部(36)には、吸入通路(44)が形成されている。吸入通路(44)は、入口端が吸入管(14)に接続され出口端が固定鏡板部(36)の前面に開口している。吸入通路(44)の出口端は、固定鏡板部(36)の前面において外側流体室(41)の低圧室(41b)及び内側流体室(42)の低圧室(42b)に跨っている。
下側軸受部材(37)は、可動鏡板部(48)の背面側に設けられている。下側軸受部材(37)は、回転軸(33)の主軸部(33a)のうち偏心部(33b)の下側部分を摺動自在に支持している。下側軸受部材(37)と可動鏡板部(48)との間には、シールリング(19)が設けられている。
以上の構成において、回転軸(33)が回転すると、外側シリンダ部(45a)及び内側シリンダ部(45b)は、ブレード溝(28)に沿って流体室(41,42)の径方向に進退しながら、揺動ブッシュ(27)の中心点を揺動中心としてシリンダ(40)に対して揺動する。この揺動動作では、外側シリンダ部(45a)及び内側シリンダ部(45b)が回転軸(33)に対して偏心しながら回転(公転)運動する。
−参考技術の変形例1−
参考技術の変形例1について説明する。この変形例1では、図8に示すように、可動部材(25)において可動軸受部(49)の下端面が、可動鏡板部(48)の背面より下方に位置している。
具体的に、可動軸受部(49)は、下側へゆくほど段階的に厚みが大きくなるように形成されている。可動軸受部(49)の外側には内側シリンダ部(45b)が連続し、その下側には可動鏡板部(48)が連続している。回転軸(33)の軸方向において、可動軸受部(49)の上端面は、内側シリンダ部(45b)の上端面よりも上方に位置している。可動軸受部(49)の下端面と下側軸受部材(37)の上面との間には、シールリング(19)が設けられている。
また、この可動部材(25)では、回転軸(33)の軸方向における可動軸受部(49)の中央(A)と、回転軸(33)の軸方向における可動鏡板部(48)の背面から内側シリンダ部(45b)の先端面までの範囲の中央(B)とが、回転軸(33)に直交する同一平面上に位置している。つまり、可動軸受部(49)の高さの中央(A)と、可動鏡板部(48)の背面から内側シリンダ部(45b)の先端面までの高さの中央(B)とが同じ高さである。
この変形例1では、回転軸(33)の軸方向において、可動鏡板部(48)及び内側及び外側シリンダ部(45)の遠心力による荷重の作用点と、可動軸受部(49)の中央とのずれが比較的小さくなる。従って、可動軸受部(49)には比較的均一に遠心力による荷重が作用するので、可動軸受部(49)における回転軸(33)の片当たりを抑制することができ、可動軸受部(49)の信頼性を向上させることができる。
なお、可動鏡板部(48)及び内側及び外側シリンダ部(45)の遠心力による荷重の作用点と、ガス荷重の作用点との両方を考慮して、これらの作用点の間に、可動軸受部(49)の高さの中央が位置するようにしてもよい。
−参考技術の変形例2−
参考技術の変形例2について説明する。この変形例2では、図9に示すように、可動部材(25)が可動鏡板部(48)を備えていない。外側シリンダ部(45a)と内側シリンダ部(45b)とはブレード(46)によってのみ連結されている。この変形例2では、固定鏡板部(36)が第1鏡板部を構成し、下側軸受部材(37)が第2鏡板部を構成している。
《参考技術
参考技術について説明する。参考技術の流体機械(10)は、揺動ピストン型のロータリ圧縮機を構成する圧縮機構(20)を備える、いわゆるロータリ圧縮機(10)である。以下では、圧縮機構(20)の構成についてのみ説明する。
圧縮機構(20)は、図10及び図11に示すように、固定部材であるシリンダ(40)と、可動部材であるピストン(25)と、下側軸受部材(37)とを備えている。シリンダ(40)は、固定鏡板部(36)と外周区画部(38)とを備えている。ピストン(25)は、可動軸受部(49)と可動区画部(45)とブレード(46)と揺動ブッシュ(27)とを備えている。
シリンダ(40)では、固定鏡板部(36)が円盤状に形成され、外周区画部(38)が円環状に形成されている。外周区画部(38)は、固定鏡板部(36)の下面に立設されている。固定鏡板部(36)の背面には、鏡板凹部(22)が形成されている。固定鏡板部(36)には、一端が後述する流体室(41)の高圧室(41a)に開口して他端が鏡板凹部(22)の底面に開口する吐出通路(51)が設けられている。固定鏡板部(36)の鏡板凹部(22)の底面には、吐出通路(51)の出口を開閉するリード弁が設けられている(図示省略)。また、外周区画部(38)には、外周区画部(38)を貫通する吸入通路(44)が形成されている。
ピストン(25)では、可動軸受部(49)と可動区画部(45)とが共に円筒状に形成されている。可動区画部(45)は、可動軸受部(49)の外側に連続している。可動軸受部(49)には、回転軸(33)の偏心部(33b)が摺動自在に嵌め込まれている。可動区画部(45)の外周面と外周区画部(38)の内周面との間には流体室(41)が形成されている。また、可動区画部(45)の側面には平板状のブレード(46)が突設されており、このブレード(46)は揺動ブッシュ(27)を介して外周区画部(38)に支持されている。ブレード(46)は、流体室(41)を第1室である高圧室(41a)と第2室である低圧室(41b)とに区画している。
本参考技術では、可動軸受部(49)の上端面が、可動区画部(45)の先端面よりも上方に位置している。また、可動鏡板部(48)の下端面は、回転軸(33)の軸方向において可動区画部(45)の下端面と同じ位置になっている。つまり、可動軸受部(49)の高さは、可動区画部(45)の高さよりも大きくなっている。なお、可動軸受部(49)の下端面が、可動区画部(45)の下端面よりも下方に位置するようにしてもよい。
《参考技術
参考技術について説明する。参考技術の流体機械(10)は、後述する可動スクロール(25)が固定スクロール(40)に対して公転運動することによって流体室(41)内の流体を圧縮するスクロール式の圧縮機構(20)を備える圧縮機(10)である。以下では、圧縮機構(20)の構成についてのみ説明する。
図12に示すように、圧縮機構(20)は、可動部材である可動スクロール(25)と、固定部材である固定スクロール(40)と、下側軸受部材(37)とを備えている。可動スクロール(25)は、円板状の可動鏡板部(48)と、その可動鏡板部(48)の前面側に立設された渦巻き壁状の可動側ラップ(45)と、可動側ラップ(45)の内側に連続する可動軸受部(49)とを備えている。この可動スクロール(25)は、図外のオルダムリングを介して下側軸受部材(37)の上面に載置されている。可動軸受部(49)には、回転軸(33)の偏心部(33b)が挿入されている。
固定スクロール(40)は、円板状の固定鏡板部(36)と、その固定鏡板部(36)の前面側に立設された渦巻き壁状の固定側ラップ(38)とを備えている。圧縮機構(20)では、固定スクロール(40)の固定側ラップ(38)と、可動スクロール(25)の可動側ラップ(45)とが噛み合わされている。そして、固定側ラップ(38)と可動側ラップ(45)とが互いに噛み合うことによって、複数の流体室(41)が形成されている。
本参考技術では、可動軸受部(49)の下端面が、可動鏡板部(48)の背面よりも下方に位置している。また、可動鏡板部(48)の上端面は、回転軸(33)の軸方向において可動側ラップ(45)の先端面と同じ位置になっている。つまり、可動軸受部(49)の高さは、可動側ラップ(45)の高さと可動鏡板部(48)の厚みの合計よりも大きくなっている。なお、可動軸受部(49)の下端面が、可動側ラップ(45)の先端面よりも上方に位置するようにしてもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下の変形例のように構成してもよい。
−第1変形例−
上記実施形態について、流体機械(10)を、二酸化炭素以外の冷媒が充填された冷媒回路(80)に接続してもよい。
−第2変形例−
上記実施形態について、図13に示すように、可動軸受部(49)の上端及び下端の内側が面取りされていてもよい。この場合、可動軸受部(49)の上端の高さは可動軸受部(49)の外側の上端の高さになり、可動軸受部(49)の下端の高さは可動軸受部(49)の外側の下端の高さになる。
−第3変形例−
上記実施形態について、図14に示すように、可動軸受部(49)と回転軸(33)の偏心部(33b)との間に、筒状の軸受メタル(17)が設けられていてもよい。軸受メタル(17)は、上端の位置が可動軸受部(49)の上端の位置よりも僅かに低く、下端の位置が可動軸受部(49)の下端の位置よりも僅かに高くなっている。なお、本発明でいう可動軸受部(49)の長さは、軸受メタル(17)の長さを意味するものではない。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、偏心回転運動する可動部材と、流体の圧縮又は膨張が行われる流体室を可動部材と共に形成する固定部材とを備える流体機械について有用である。
実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。 実施形態に係る圧縮機が設けられる冷媒回路の概略構成図である。 実施形態に係る圧縮機の圧縮機構の横断面図である。 実施形態に係る圧縮機の圧縮機構の動作を示す横断面図である。 参考技術1に係る圧縮機の縦断面図である。 参考技術に係る圧縮機の縦断面図である。 参考技術に係る圧縮機の圧縮機構の横断面図である。 参考技術の変形例1に係る圧縮機の縦断面図である。 参考技術の変形例2に係る圧縮機の縦断面図である。 参考技術に係る圧縮機の縦断面図である。 参考技術に係る圧縮機の圧縮機構の横断面図である。 参考技術に係る圧縮機の縦断面図である。 その他の実施形態の第2変形例に係る圧縮機の縦断面図である。 その他の実施形態の第3変形例に係る圧縮機の縦断面図である。
10 圧縮機
15 ケーシング
25 ピストン(可動部材)
33 回転軸
33a 主軸部
33b 偏心部
38 外側シリンダ部
39 内側シリンダ部
40 シリンダ(固定部材)
41 外側流体室
42 内側流体室
45 環状ピストン部(可動区画部)
46 ブレード
48 可動鏡板部
49 可動軸受部
61 空間

Claims (4)

  1. ケーシング(15)と、上記ケーシング(15)に収容される圧縮機構(20)と、上記圧縮機構(20)を駆動するための回転軸(33)とを備える流体機械であって、
    上記回転軸(33)は、主軸部(33a)と、該主軸部(33a)の軸心に対して偏心した偏心部(33b)とを備え、
    上記圧縮機構(20)は、
    上記回転軸(33)の偏心部(33b)に係合して偏心回転運動する可動部材(25)と、
    流体の圧縮が行われる流体室(41,42)を上記可動部材(25)と共に形成する固定部材(40)とを備え、
    上記回転軸(33)の回転に伴って上記可動部材(25)を偏心回転運動させることにより上記流体室(41,42)内の流体を圧縮し、圧縮した流体を上記ケーシング(15)内の空間へ吐出し、
    上記可動部材(25)は、前面が上記流体室(41,42)に面する可動鏡板部(48)と、該可動鏡板部(48)を貫通すると共に上記偏心部(33b)が挿入される筒状の可動軸受部(49)と、側面が上記流体室(41,42)に面するように上記可動鏡板部(48)の前面に立設されて先端面が上記固定部材(40)と摺接する可動区画部(45)とを備え、
    上記回転軸(33)の軸方向では、上記可動軸受部(49)の長さが上記可動鏡板部(48)の背面から上記可動区画部(45)の先端面までの距離より長くなっており、
    上記固定部材(40)は、外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(39)を備え、該外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(39)の間に環状の流体室(41,42)を形成し、
    上記可動部材(25)の可動区画部(45)は、環状に形成され、上記固定部材(40)に対して偏心した状態で上記流体室(41,42)に収納されて該流体室(41,42)を外側流体室(41)と内側流体室(42)とに区画し、
    上記固定部材(40)には、上記外側流体室(41)及び内側流体室(42)のそれぞれを高圧室と低圧室とに区画するブレード(46)が設けられ、
    上記ケーシング(15)内に貯留された潤滑油が上記圧縮機構(20)へ供給され、
    上記圧縮機構(20)の内部における上記可動軸受部(49)と上記内側シリンダ部(39)の間に空間(61)が形成され、該空間(61)の圧力が上記ケーシング(15)内の圧力と同じになっており、
    上記可動部材(25)は、上記可動鏡板部(48)の背面と上記可動軸受部(49)の一端面とが上記回転軸(33)に直交する同一平面上に位置するように形成されていることを特徴とする流体機械。
  2. 請求項1において、
    上記可動部材(25)は、上記回転軸(33)の軸方向で見た場合に上記可動区画部(45)と上記可動鏡板部(48)との全てが上記可動軸受部(49)の両端の間に位置するように形成されていることを特徴する流体機械。
  3. 請求項1又は2において、
    上記可動部材(25)は、上記回転軸(33)の軸方向における上記可動軸受部(49)の中央と、上記回転軸(33)の軸方向における上記可動区画部(45)の中央とが上記回転軸(33)に直交する同一平面上に位置するように形成されていることを特徴する流体機械。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒回路(80)に接続されて、該冷媒回路(80)に冷媒として充填された二酸化炭素を圧縮することを特徴とする流体機械。
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