JP4807209B2 - 圧縮機 - Google Patents

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    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/04Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents of internal-axis type
    • F04C18/045Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents of internal-axis type having a C-shaped piston

Description

本発明は、ケーシング内に圧縮機構を備えた圧縮機に関し、特に複数のシリンダ室を備えた圧縮機構に設けられる吐出弁に関するものである
従来、例えば容量の異なる複数のシリンダ室を備えた圧縮機構を有する圧縮機として、シリンダが有する環状のシリンダ室の内部に該シリンダ室を外側シリンダ室と内側シリンダ室とに区画する環状ピストンが配置されるとともに、シリンダに対して環状ピストンが偏心回転運動をするように構成された圧縮機構を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この圧縮機では、環状ピストンの偏心回転運動に伴うシリンダ室の容積変化によって冷媒が圧縮される。図6及び図7(図6のVII−VII断面図)に示すように、この圧縮機(100)では、密閉型のケーシング(110)内に、圧縮機構(120)と、該圧縮機構(120)を駆動する電動機(130)とが収納されている。
上記圧縮機構(120)は、環状のシリンダ室(C1,C2)を有するシリンダ(121)と、このシリンダ室(C1,C2)に配置された環状ピストン(122)とを有している。上記シリンダ(121)は、互いに同心上に配置された外側シリンダ(121a)と内側シリンダ(121b)とを備え、外側シリンダ(121a)と内側シリンダ(121b)の間に上記シリンダ室(C1,C2)が形成されている。
上記シリンダ(121)はケーシング(110)に固定されている。また、環状ピストン(122)は電動機に連結されている駆動軸(133)の偏心部(133a)に連結され、該駆動軸(133)の中心に対して偏心回転運動をするように構成されている。
環状ピストン(122)は、駆動軸(133)の偏心部(133a)に摺動自在に嵌合する軸嵌合部(122a)と、軸嵌合部(122a)の外周側で該軸嵌合部(122a)と同心上に位置する環状ピストン本体部(122b)と、軸嵌合部(122a)と環状ピストン本体部(122b)とを図6の下端側(圧縮機構(120)における軸方向の一端側)で連接するピストン鏡板(122c)とを備えている。
上記環状ピストン(122)は、環状ピストン本体部(122b)の外周面の1点が外側シリンダ(121a)の内周面に実質的に接する(「実質的に接する」とは、厳密に言うと油膜ができる程度の微細な隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態をいう)と同時に、それと位相が180°異なる位置において内周面の一点が内側シリンダ(121b)の外周面に実質的に接する状態を保ちながら、偏心回転運動をするように構成されている。この結果、環状ピストン本体部(122b)の外側には外側シリンダ室(C1)が形成され、内側には内側シリンダ室(C2)が形成されている。また、上記軸嵌合部(122a)と上記内側シリンダ(121b)との間には、上記軸嵌合部(122a)の偏心回転運動を許容する一方で冷媒の圧縮には用いられないピストン動作空間(125)が形成されている。
上記環状ピストン本体部(122b)は一箇所で分断されてC型のリング形状に形成されている。また、シリンダ(121)には、外側シリンダ(121a)及び内側シリンダ(121b)と一体にブレード(123)が形成され、該ブレード(123)が環状ピストン本体部(122b)の分断箇所を挿通している。ブレード(123)と環状ピストン(122)は、揺動ブッシュ(127)を介して相対的な揺動運動が可能に連結されている。
上記ブレード(123)は外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)をそれぞれ2つに区画している。具体的には、外側シリンダ室(C1)は高圧室(C1-Hp)と低圧室(C1-Lp)とに区画され、内側シリンダ室(C2)も高圧室(C2-Hp)と低圧室(C2-Lp)とに区画されている。外側シリンダ(121a)には、上記ケーシング(110)に設けられる吸入管(114)から外側シリンダ室(C1)に連通する吸入口(141)がブレード(123)の近傍に形成されている。また、環状ピストン(122)には、該吸入口(141)の近傍に貫通孔(143)が形成され、該貫通孔(143)によって外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)の低圧室(C1-Lp,C2-Lp)同士が連通している。さらに、上記圧縮機構(120)には、上記両シリンダ室(C1,C2)の高圧室(C1-Hp,C2-Hp)をケーシング(110)内の高圧空間(S)に連通させる吐出ポート(145,146)が各シリンダ室(C1,C2)に対応して設けられている。圧縮機構(120)には、各吐出ポート(145,146)を開閉する吐出弁(147,148)が設けられている。
この圧縮機構(120)では、駆動軸(133)の回転に伴って上記環状ピストン(122)が偏心回転運動をすると、外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)のそれぞれで、容積の拡大と縮小が交互に繰り返される。そして、各シリンダ室(C1,C2)の容積が拡大する際には、冷媒を吸入口(141)からシリンダ室(C1,C2)内へ吸入する吸入行程が行われ、容積が縮小する際には、冷媒を各シリンダ室(C1,C2)内で圧縮する圧縮行程と、冷媒を各シリンダ室(C1,C2)から吐出ポートを介してケーシング(110)内の高圧空間(119)へ吐出する吐出行程が行われる。ケーシング(110)の高圧空間(119)に吐出された高圧の冷媒は、該ケーシング(110)に設けられている吐出管(115)を介して冷媒回路の凝縮器へ流出していく。
特開2005−330962号公報
上記の圧縮機(100)は、容量の異なる独立した2つのシリンダ室(C1,C2)を有し、各シリンダ室(C1,C2)での圧縮動作が実質的に180°の位相差で行われる。ここで、上記の圧縮機(100)で各シリンダ室(C1,C2)の吐出ポート(145,145)が近接して配置されている場合、運転周波数が各吐出弁(147,148)の固有振動数より小さくても共振現象が起こる場合がある。これは、吐出周波数が運転周波数の2倍であり、かつその2倍の周波数での振動が吐出弁(147,148)に対する加振力となるためである。その結果、上記の圧縮機(100)では、吐出弁(147,148)の閉じ遅れによる圧縮ガスの内部漏れが発生して効率の低下を招いたり、負荷トルクの変動が増大して異常振動が発生したりするおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のシリンダ室を備えた圧縮機構に配置される近接した複数の吐出弁を改良し、吐出弁の共振現象に起因する不具合の発生を防止することである。
第1の発明は、複数のシリンダ室(C1,C2)を備えた圧縮機構(20)を有し、該圧縮機構(20)に、各シリンダ室(C1,C2)に対応して形成された複数の吐出ポート(45,46)と各吐出ポート(45,46)を開閉する複数の吐出弁(47,48)とが設けられ、各吐出弁(47,48)がリード弁により構成され、各吐出ポート(45,46)が互いに近接して配置され、各吐出ポート(45,46)の吐出タイミングが異なるように設定された(吐出タイミングに位相差がある)圧縮機を前提としている。
そして、この圧縮機は、各吐出弁(47,48)の固有振動数ωn(Hz)と最大運転周波数fmax(Hz)とが、α(rad)を各シリンダ室(C1,C2)間における最小の圧縮進行位相差(0<α≦π)とすると、
ωn>fmax×(2π/α)
の関係式を満たすように構成されていることを特徴としている。この構成は、シリンダ室が3つ以上の場合でも適用可能である。
なお、上記構成要件のうち、「小径側吐出弁(47,48)と大径側吐出弁(47,48)とが近接して配置され、」の「近接して」は、各吐出弁(47,48)の一方の開閉動作が他方の吐出弁(47,48)に対する加振力として作用する程度の距離のことを表している。
この第1の発明では、独立した複数のシリンダ室(C1,C2)での圧縮動作が所定の位相差で行われる。上述したように、圧縮機で各シリンダ室(C1,C2)の吐出ポート(45,46)が近接して配置されている場合、運転周波数が各吐出弁(47,48)の固有振動数より小さくても共振現象が起こる場合があり、吐出弁(47,48)の閉じ遅れによる圧縮ガスの内部漏れが発生して効率の低下を招いたり、負荷トルクの変動が増大して異常振動が発生したりするおそれがある。これに対して、上記第1の発明では、各吐出弁(47,48)の固有振動数ωn(Hz)と圧縮機の最大運転周波数fmax(Hz)との関係を特定しており、例えばシリンダ室(C1,C2)が2つであって、上記位相差が実質的に180°である場合はωnをfmaxの2倍よりも大きくなるようにしているので、共振現象の発生を防止できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記複数のシリンダ室(C1,C2)の容量が互いに異なり、上記複数の吐出ポート(45,46)が、各シリンダ室(C1,C2)の容量に対応して異なる開口面積に形成されていることを特徴としている。
この第2の発明では、各吐出ポート(45,46)を各シリンダ室(C1,C2)の容量に対応して異なる開口面積にすることにより、小さいシリンダ室(C1,C2)から吐出されるガスの流速と大きいシリンダ室(C1,C2)から吐出されるガスの流速とを合わせることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記圧縮機構(20)が、環状のシリンダ室(C1,C2)を有するシリンダ(21)と、該シリンダ(21)に対して偏心してシリンダ室(C1,C2)に収納され、シリンダ室(C1,C2)を外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とに区画する環状ピストン(22)と、上記シリンダ室(C1,C2)に配置され、各シリンダ室(C1,C2)を高圧室(C1-Hp,C2-Hp)と低圧室(C1-Lp,C2-Lp)とに区画するブレード(23)とを有し、シリンダ(21)と環状ピストン(22)とが相対的に偏心回転運動をするように構成され、上記シリンダ(21)には、外側シリンダ室(C1)に連通する外側吐出ポート(45)及び外側吐出弁(47)と、内側シリンダ室(C2)に連通する内側吐出ポート(46)及び内側吐出弁(48)とが設けられていることを特徴としている。
この第3の発明では、環状ピストン(22)の内外に2つのシリンダ室(C1,C2)が形成され、環状ピストン(22)が偏心回転運動をする圧縮機において、共振現象の発生を防止できる。
第4の発明は、第3の発明において、上記ブレード(23)がシリンダ(21)に設けられ、上記環状ピストン(22)とブレード(23)とを相互に可動に連結する連結部材(27)を備えていることを特徴としている。
第5の発明は、第4の発明において、環状ピストン(22)が、円環の一部分が分断されたC型形状に形成され、ブレード(23)が、環状のシリンダ室(C1,C2)の内周側の壁面から外周側の壁面まで、環状ピストン(22)の分断箇所を挿通して延在するように構成され、連結部材(27)が、上記ブレード(23)を進退可能に保持するブレード溝(28)と、上記環状ピストン(22)に分断箇所において揺動自在に保持される円弧状外周面とを有する揺動ブッシュ(27)であることを特徴としている。
これらの第4,第5の発明では、環状ピストン(22)が偏心回転運動をする際に、ブレード(23)に対して連結部材(27)を介して動作をするために、円滑な動作を行うようにすることができる。特に、連結部材(27)として揺動ブッシュ(27)を用いた第5の発明では、ブレード(23)と揺動ブッシュ(27)とがブレード溝(28)内で面接触し、揺動ブッシュ(27)と環状ピストン(22)とが円弧状外周面で面接触しながら揺動するため、極めて円滑な動作を保証できる。
本発明によれば、各吐出弁(47,48)の固有振動数ωn(Hz)と圧縮機の最大運転周波数fmax(Hz)との関係を特定しており、例えばシリンダ室(C1,C2)が2つであって、上記位相差が実質的に180°である場合はωnをfmaxの2倍よりも大きくなるようにしているので、共振現象の発生を防止できる。その結果、弁の閉じ遅れによる圧縮ガスの内部漏れが発生して効率の低下を招いたり、負荷トルクの変動が増大して異常振動が発生したりするおそれは生じない。
上記第2の発明によれば、各吐出ポート(45,46)を各シリンダ室(C1,C2)の容量に対応して異なる開口面積にすることにより、各シリンダ室(C1,C2)から吐出されるガスの圧力が同じ場合に、小さいシリンダ室(C1,C2)から吐出されるガスの流速と大きいシリンダ室(C1,C2)から吐出されるガスの流速とを容易に合わせることができる。
上記第3の発明によれば、環状ピストン(22)の内外に2つのシリンダ室(C1,C2)が形成され、環状ピストン(22)が偏心回転運動をする圧縮機において、共振現象の発生を防止できる。その結果、弁の閉じ遅れによる圧縮ガスの内部漏れが発生して効率の低下を招いたり、負荷トルクの変動が増大して異常振動が発生したりするおそれは生じない。
上記第4,第5の発明によれば、環状ピストン(22)が偏心回転運動をする際に、ブレード(23)に対して連結部材(27)を介して動作をするために、円滑な動作を行うようにすることができる。特に、連結部材(27)として揺動ブッシュ(27)を用いた第5の発明では、ブレード(23)と揺動ブッシュ(27)とがブレード溝(28)内で面接触し、揺動ブッシュ(27)と環状ピストン(22)とが円弧状外周面で面接触しながら揺動するため、極めて円滑な動作を保証できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この実施形態に係る回転式圧縮機(1)の縦断面図、図2は圧縮機構(20)の横断面図、図3は圧縮機構(20)の動作状態図、図4は図1の圧縮機(1)における圧縮機構(20)の拡大縦断面図、図5は図4の平面図において圧縮機構(20)の内部構造も表した図である。図1に示すように、この圧縮機(1)は、ケーシング(10)内に、圧縮機構(20)と電動機(駆動機構)(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。上記圧縮機(1)は、例えば、空気調和装置の冷媒回路において、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して、凝縮器へ吐出するために用いられる。
ケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上端部に固定された上部鏡板(12)と、胴部(11)の下端部に固定された下部鏡板(13)とから構成されている。胴部(11)には、該胴部(11)を貫通する吸入管(14)が設けられ、上部鏡板(12)には、該鏡板(12)を貫通する吐出管(15)が設けられている。上記吸入管(14)にはアキュムレータ(2)が接続されている。
上記圧縮機構(20)は、ケーシング(10)に固定されたフロントヘッド(16)とリヤヘッド(17)との間に構成されている。この圧縮機構(20)は、環状のシリンダ室(C1,C2)を有するシリンダ(21)と、該シリンダ室(C1,C2)内に配置された環状ピストン(22)と、図2及び図3に示すようにシリンダ室(C1,C2)を高圧室(圧縮室)(C1-Hp,C2-Hp)と低圧室(吸入室)(C1-Lp,C2-Lp)とに区画するブレード(23)とを有している。この実施形態では、フロントヘッド(16)がシリンダ(21)を構成している。また、本実施形態では、シリンダ室(C1,C2)を有するシリンダ(21)が固定側で、環状ピストン(22)が可動側であり、環状ピストン(22)がシリンダ(21)に対して偏心回転運動をするように構成されている。
電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、圧縮機構(20)の上方に配置され、ケーシング(10)の胴部(11)に固定されている。ロータ(32)には駆動軸(33)が連結されていて、該駆動軸(33)がロータ(32)とともに回転するように構成されている。駆動軸(33)は、上記シリンダ室(C1,C2)を上下方向に貫通している。また、上記上部鏡板(12)には、電動機(30)への給電用のターミナル(35)が設けられている。
上記駆動軸(33)には、該駆動軸(33)の内部を軸方向にのびる給油路(33b)が設けられている。また、駆動軸(33)の下端部には、給油ポンプ(34)が設けられている。そして、上記給油路(33b)は、該給油ポンプ(34)から上方へのびて、軸受け部や圧縮機構(20)の摺動部に連通している。この構成により、ケーシング(10)内の底部に貯まる潤滑油を、この給油ポンプ(34)で上記給油路(33b)を通じて圧縮機構(20)の摺動部に供給するようにしている。
駆動軸(33)には、シリンダ室(C1,C2)の中に位置する部分に偏心部(33a)が形成されている。偏心部(33a)は、該偏心部(33a)の上下の部分よりも大径に形成され、駆動軸(33)の軸心から所定量だけ偏心している。
上記環状ピストン(22)は、図4に示すように、駆動軸(33)の偏心部(33a)に摺動自在に嵌合する軸嵌合部(22a)と、この軸嵌合部(22a)の外周側で該軸嵌合部(22a)と同心上に位置する環状ピストン本体部(22b)と、軸嵌合部(22a)と環状ピストン本体部(22b)とを図1,図4の下端側(圧縮機構(20)における軸方向の一端側)で連接するピストン鏡板(22c)とを備えている。環状ピストン本体部(22b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。
上記シリンダ(21)は、軸嵌合部(22a)と環状ピストン本体部(22b)との間で駆動軸(33)と同心上に位置する内側シリンダ(21b)と、環状ピストン本体部(22b)の外周側で内側シリンダ(21b)と同心上に位置する外側シリンダ(21a)と、内側シリンダ(21b)と外側シリンダ(21a)とを図1,図4の上端側(圧縮機構(20)における軸方向の他端側)で連接するシリンダ鏡板(21c)とを備えている。
フロントヘッド(16)とリヤヘッド(17)には、それぞれ、上記駆動軸(33)を支持するための軸受け部(16a,17a)が形成されている。このように、本実施形態の圧縮機(1)は、上記駆動軸(33)が上記シリンダ室(C1,C2)を上下方向に貫通し、偏心部(33a)の軸方向両側部分が軸受け部(16a,17a)を介してケーシング(10)に保持される貫通軸構造となっている。
上記圧縮機構(20)は、図2に示すように、上記ブレード(23)に対して環状ピストン(22)を該環状ピストン(22)の分断箇所において揺動可能に連結する連結部材として、揺動ブッシュ(27)を備えている。上記ブレード(23)は、シリンダ室(C1,C2)の径方向線上で、シリンダ室(C1,C2)の内周側の壁面(内側シリンダ(21b)の外周面)から外周側の壁面(外側シリンダ(21a)の内周面)まで、環状ピストン(22)の分断箇所を挿通して延在するように構成され、外側シリンダ(21a)及び内側シリンダ(21b)に固定されている。なお、ブレード(23)は、外側シリンダ(21a)及び内側シリンダ(21b)と一体的に形成してもよいし、別部材を両シリンダ(21a,21b)に取り付けてもよい。図2に示す例は、別部材を両シリンダ(21a,21b)に固定した例である。
外側シリンダ(21a)の内周面と内側シリンダ(21b)の外周面は、互いに同一中心上に配置された円筒面であり、その間に上記シリンダ室(C1,C2)が形成されている。上記環状ピストン(22)は、外周面が外側シリンダ(21a)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ(21b)の外周面よりも大径に形成されている。このことにより、環状ピストン(22)の外周面と外側シリンダ(21a)の内周面との間に外側シリンダ室(C1)が形成され、環状ピストン(22)の内周面と内側シリンダ(21b)の外周面との間に内側シリンダ室(C2)が形成されている。外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とを比較すると、外側シリンダ室(C1)の容量よりも内側シリンダ室(C2)の容量が小さくなっている。
シリンダ鏡板(21c)とピストン鏡板(22c)と外側シリンダ(21a)と環状ピストン本体部(22b)との間に外側シリンダ室(C1)が形成され、シリンダ鏡板(21c)とピストン鏡板(22c)と内側シリンダ(21b)と環状ピストン本体部(22b)との間に内側シリンダ室(C2)が形成されている。また、シリンダ鏡板(21c)とピストン鏡板(22c)と環状ピストン(22)の軸嵌合部(22a)と内側シリンダ(21b)との間には、内側シリンダ(21b)の内周側で軸嵌合部(22a)の偏心回転動作を許容するためのピストン動作空間(25)が形成されている。
また、環状ピストン(22)とシリンダ(21)は、環状ピストン(22)の外周面と外側シリンダ(21a)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、環状ピストン(22)の内周面と内側シリンダ(21b)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
上記揺動ブッシュ(27)は、ブレード(23)に対して高圧室(C1-Hp,C2-Hp)側に位置する吐出側ブッシュ(27A)と、ブレード(23)に対して低圧室(C1-Lp,C2-Lp)側に位置する吸入側ブッシュ(27B)とから構成されている。吐出側ブッシュ(27A)と吸入側ブッシュ(27B)は、いずれも断面形状が略半円形で同一形状に形成され、フラット面同士が対向するように配置されている。そして、両ブッシュ(27A,27B)の対向面の間のスペースがブレード溝(28)を構成している。
このブレード溝(28)にブレード(23)が挿入され、揺動ブッシュ(27A,27B)のフラット面がブレード(23)と実質的に面接触し、揺動ブッシュ(27A,27B)の円弧状の外周面が環状ピストン(22)と実質的に面接触している。揺動ブッシュ(27A,27B)は、ブレード溝(28)にブレード(23)を挟んだ状態で、ブレード(23)の面方向に進退するように構成されている。また、揺動ブッシュ(27A,27B)は、環状ピストン(22)がブレード(23)に対して揺動するように構成されている。したがって、上記揺動ブッシュ(27)は、該揺動ブッシュ(27)の中心点を揺動中心として上記環状ピストン(22)がブレード(23)に対して揺動可能となり、かつ上記環状ピストン(22)がブレード(23)に対して該ブレード(23)の面方向へ進退可能となるように構成されている。
なお、この実施形態では両ブッシュ(27A,27B)を別体とした例について説明したが、両ブッシュ(27A,27B)は、一部で連結することにより一体構造としてもよい。
以上の構成において、駆動軸(33)が回転すると、環状ピストン(22)は、揺動ブッシュ(27)がブレード(23)に沿って進退しながら、揺動ブッシュ(27)の中心点を揺動中心として揺動する。この揺動動作により、環状ピストン(22)とシリンダ(21)との接触点が図3(A)から図3(H)へ順に移動する。なお、図3は本実施形態の圧縮機構(20)の動作状態を表す図であり、図3(A)から図3(H)まで45°間隔で環状ピストン(22)が図の時計回り方向に移動している様子を表している。このとき、上記環状ピストン(22)は駆動軸(33)の周りを公転するが、自転はしない。
フロントヘッド(16)には、吸入管(14)が接続される吸入口(41)が外側シリンダ室(C1)の低圧室(C1-Lp)に連通するように形成されている。また、環状ピストン(22)には、上記外側シリンダ室(C1)の低圧室(C1-Lp)と内側シリンダ室(C2)の低圧室(C2-Lp)とを連通する貫通孔(44)が形成されている。
フロントヘッド(16)には外側吐出ポート(45)と内側吐出ポート(46)が形成されている。これらの吐出ポート(45,46)は、それぞれ、フロントヘッド(16)のシリンダ鏡板(21c)をその軸方向に貫通している。外側吐出ポート(45)の下端は外側シリンダ室(C1)の高圧室(C1-Hp)に臨むように開口し、内側吐出ポート(46)の下端は内側シリンダ室(C2)の高圧室(C2-Hp)に臨むように開口している。一方、これらの吐出ポート(45,46)の上端は、該吐出ポート(45,46)を開閉する吐出弁(47,48)を介して吐出空間(49)に連通している。吐出弁(47,48)は、リード弁により構成され、リード弁のリフト量を規制するための湾曲した弁押さえ(47a,48a)が設けられている(図5(B)参照)。なお、以降の説明で吐出弁(47,48)というときは、リード弁のことを意味するものとする。
上記吐出空間(49)は、フロントヘッド(16)と吐出カバー(18)との間に形成されている。上記吐出カバー(18)は、圧縮機構(20)からの吐出ガスを、一旦上記吐出空間(49)に吐出させた後、吐出カバー(18)と軸受け部(16a)との間のわずかな隙間である吐出開口(18a)を通じてケーシング(10)内の高圧空間(19)に流出させて消音機能を得るためのマフラ機構を構成している。
図4及び図5に示すように、上記吐出ポート(45,46)は、各シリンダ室(C1,C2)の容量に対応して異なる開口面積に形成され、外側吐出ポート(45)の開口面積が内側吐出ポート(46)の開口面積よりも大きくなっている。言い換えると、外側吐出ポート(45)は、容量の大きな外側シリンダ室(C1)に連通し、相対的に大きな開口面積を有する大径側吐出ポートであり、内側吐出ポート(46)は、容量の小さな内側シリンダ室(C2)に連通し、相対的に小さな開口面積を有する小径側吐出ポートである。また、吐出弁(47,48)は、外側吐出ポート(45)を開閉する外側吐出弁(大径側吐出弁)(47)と、内側吐出ポート(46)を開閉する内側吐出弁(小径側吐出弁)(48)とから構成されている。
外側吐出弁(47)と内側吐出弁(48)とを比較すると、外側吐出弁(47)の剛性よりも内側吐出弁(48)の剛性が小さくなっている。具体的には、外側吐出弁(47)と内側吐出弁(48)とは同一の板厚寸法(t)のバネ鋼により形成され、内側吐出弁(48)の幅寸法(W2)が外側吐出弁(47)の幅寸法(W1)よりも小さく設定されている。また、外側吐出弁(47)と内側吐出弁(48)とは、圧縮機構(20)に固定される基端側で一体に構成してもよい。
上記外側吐出弁(47)と内側吐出弁(48)とは近接して配置されている。そして、各吐出弁(47,48)の固有振動数ωn(Hz)と圧縮機(電動機)の最大運転周波数fmax(Hz)とは、α(rad)を各シリンダ室(C1,C2)間における最小の圧縮進行位相差(0<α≦π)とすると、
ωn>fmax×(2π/α)
の関係式を満たすように構成されている。本実施形態では、αが実質的にπ(rad)であるため、ωn(Hz)がfmax(Hz)の2倍よりも大きい値となる。
一方、上記リヤヘッド(17)には、シールリング(29)が設けられている。このシールリング(29)は、リヤヘッド(17)の環状溝(17b)に装填され、ピストン鏡板(22c)の下面に圧接している。また、環状ピストン(22)とリヤヘッド(17)の対向面には、シールリング(29)の径方向内側部分に高圧の潤滑油が導入されるようになっている。以上のことにより、上記シールリング(29)は、上記潤滑油の圧力を利用して、環状ピストン本体部(22b)の上端面とシリンダ鏡板(21c)の下面との間の軸方向隙間、及び外側シリンダ(21a)及び内側シリンダ(21b)の下端面とピストン鏡板(22c)の上面との間の軸方向隙間を縮小するコンプライアンス機構(押し付け機構)を構成している。
−運転動作−
次に、この圧縮機(1)の運転動作について説明する。
電動機(30)を起動すると、ロータ(32)の回転が駆動軸(33)を介して圧縮機構(20)の環状ピストン(22)に伝達される。そうすると、揺動ブッシュ(27A,27B)がブレード(23)に沿って往復運動(進退動作)を行い、かつ、環状ピストン(22)と揺動ブッシュ(27A,27B)が一体的になってブレード(23)に対して揺動動作を行う。そして、環状ピストン(22)が外側シリンダ(21a)及び内側シリンダ(21b)に対して揺動しながら公転し、圧縮機構(20)が所定の圧縮動作を行う。
具体的に、外側シリンダ室(C1)では、図3(B)の状態で低圧室(C1-Lp)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(33)が図の右回りに回転して図3(C)〜図3(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(C1-Lp)の容積が増大するときに、冷媒が、吸入管(14)及び吸入口(41)を通って該低圧室(C1-Lp)に吸入される。
駆動軸(33)が一回転して再び図3(B)の状態になると、上記低圧室(C1-Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(C1-Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(C1-Hp)となり、ブレード(23)を隔てて新たな低圧室(C1-Lp)が形成される。駆動軸(33)がさらに回転すると、上記低圧室(C1-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(C1-Hp)の容積が減少し、該高圧室(C1-Hp)で冷媒が圧縮される。高圧室(C1-Hp)の圧力が所定値となって吐出空間(49)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(C1-Hp)の高圧冷媒によって外側吐出弁(47)が開き、高圧冷媒が吐出空間(49)から吐出開口(18a)を通ってケーシング(10)内の高圧空間(19)へ流出する。
内側シリンダ室(C2)では、図3(F)の状態で低圧室(C2-Lp)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(33)が図の右回りに回転して図3(G)〜図3(E)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(C2-Lp)の容積が増大するときに、冷媒が、吸入管(14)、吸入口(41)、及び貫通孔(44)を通って内側シリンダ室(C2)の低圧室(C2-Lp)へ吸入される。
駆動軸(33)が一回転して再び図3(F)の状態になると、上記低圧室(C2-Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(C2-Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(C2-Hp)となり、ブレード(23)を隔てて新たな低圧室(C2-Lp)が形成される。駆動軸(33)がさらに回転すると、上記低圧室(C2-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(C2-Hp)の容積が減少し、該高圧室(C2-Hp)で冷媒が圧縮される。高圧室(C2-Hp)の圧力が所定値となって吐出空間(49)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(C2-Hp)の高圧冷媒によって内側吐出弁(48)が開き、高圧冷媒が吐出空間(49)から吐出開口(18a)を通ってケーシング(10)内の高圧空間(19)へ流出する。
外側シリンダ室(C1)ではほぼ図3(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側シリンダ室(C2)ではほぼ図3(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とでは、吐出のタイミングがほぼ180°(π(rad))異なっている。外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)で圧縮されてケーシング(10)内の高圧空間(19)へ流出した高圧の冷媒は吐出管(15)から吐出され、冷媒回路で凝縮行程、膨張行程、及び蒸発行程を経た後、再度圧縮機(1)に吸入される。
−実施形態の効果−
上述したように、本実施形態の圧縮機(1)は、容量の異なる独立した2つのシリンダ室(C1,C2)を有し、各シリンダ室(C1,C2)での圧縮動作が実質的に180°の位相差で行われる。上述したように、一般に、圧縮機(1)で各シリンダ室(C1,C2)の吐出ポート(45,46)が近接して配置されている場合は、運転周波数が吐出弁(47,48)の固有振動数ωnより小さくても共振現象が起こる場合があり、吐出弁(47,48)の閉じ遅れによる圧縮ガスの内部漏れが発生して効率の低下を招いたり、負荷トルクの変動が増大して異常振動が発生したりするおそれがある。
これに対して、本実施形態では、各吐出弁(47,48)の固有振動数ωn(Hz)を圧縮機(1)(電動機(30))の最大運転周波数fmax(Hz)の2倍よりも大きくしているので、共振現象の発生を防止できる。その結果、弁の閉じ遅れによる圧縮ガスの内部漏れが発生して効率の低下を招いたり、負荷トルクの変動が増大して異常振動が発生したりするおそれは生じない。
また、容量の異なる独立した2つのシリンダ室(C1,C2)を有する圧縮機(1)では、それぞれのシリンダ室(C1,C2)に最適な吐出ポート(45,46)のサイズが異なる。例えば、本実施形態において各吐出ポート(45,46)を開閉する吐出弁(47,48)の板厚寸法(t)が同じで、サイズの大きい外側吐出ポート(45)を基準にして各吐出弁(47,48)の強度を確保すると、サイズの小さい内側吐出ポート(46)を開閉する内側吐出弁(48)の剛性が高くなりすぎて該内側吐出弁(48)が開きにくくなるために、内側吐出弁(48)を設けた内側シリンダ室(C2)の過圧縮損失が大きくなって圧縮効率が低下することになる。
これに対して、本実施形態では、両吐出弁(47,48)の板厚寸法(t)を同じにする一方で、内側吐出弁(48)の幅寸法(W2)を外側吐出弁(47)の幅寸法(W1)よりも小さくすることによって、内側吐出弁(48)の剛性を外側吐出弁(47)の剛性より小さくしている。したがって、内側吐出弁(48)が外側吐出弁(47)に比べて開閉しにくくなることはない。その結果、内側シリンダ室(C2)での過圧縮損失を防止できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、環状ピストン(22)を挟んで内外に内側シリンダ室(C2)と外側シリンダ室(C1)とを有する2シリンダタイプの圧縮機(1)に本発明を適用した例を説明したが、本発明は、上記実施形態において内側シリンダ(21b)の内周面に軸嵌合部(22a)の外周面を1点で接触させることによりピストン動作空間(25)もシリンダ室として機能させる3シリンダタイプの圧縮機に適用してもよい。この場合も圧縮行程の位相はそれぞれで約180°ずつ異なるため、各吐出弁の固有振動数ωn(Hz)を圧縮機(1)の最大運転周波数fmax(Hz)の2倍よりも大きくすればよい。また、吐出弁は一つ増えるが、小さい容積のシリンダ室に対応するものほど剛性を小さく設定するとよい。
また、本発明は、圧縮行程の位相が180°以外の角度で異なる3シリンダ以上のタイプの圧縮機に適用してもよい。例えば、圧縮行程の位相が120°ずつ異なる3シリンダタイプの場合は、上記の関係式から、各吐出弁の固有振動数ωn(Hz)を圧縮機(1)の最大運転周波数fmax(Hz)の3倍よりも大きくすればよい。この場合も、吐出弁は、小さい容積のシリンダ室に対応するものほど剛性を小さく設定するとよい。
さらに、本発明の適用対象は、シリンダが可動側で、環状ピストンが固定側の圧縮機であってもよいし、回転式圧縮機に限定せず、他の方式の圧縮機であってもよい。
また、本発明において「各吐出ポート(45,46)が互いに近接して配置される」という表現には、同一部材に各吐出ポート(45,46)が設けられている構成において、上述したように吐出ポートの位置が120°間隔で配置されるような場合も含まれる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、複数のシリンダ室を備えた圧縮機構の吐出弁について有用である。
本発明の実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 図1の圧縮機における圧縮機構の構造を示す横断面図である。 図1の圧縮機における圧縮機構の動作状態図である。 図1の圧縮機における圧縮機構の拡大縦断面図である。 図4の平面図において圧縮機構の内部構造も表した図である。 従来の回転式圧縮機の縦断面図である。 図6の圧縮機における圧縮機構の構造を示す横断面図である。
符号の説明
1 回転式圧縮機(圧縮機)
10 ケーシング
20 圧縮機構
21 シリンダ
22 環状ピストン
23 ブレード
27 揺動ブッシュ
28 ブレード溝
45 外側吐出ポート(大径側吐出ポート)
46 内側吐出ポート(小径側吐出ポート)
47 外側吐出弁(大径側吐出弁)
48 内側吐出弁(小径側吐出弁)
C1 外側シリンダ室
C2 内側シリンダ室
C1-Hp 高圧室
C2-Hp 高圧室
C1-Lp 低圧室
C2-Lp 低圧室
ωn 固有振動数
fmax 最大運転周波数
α 圧縮進行位相差

Claims (5)

  1. 複数のシリンダ室(C1,C2)を備えた圧縮機構(20)を有し、該圧縮機構(20)に、各シリンダ室(C1,C2)に対応して形成された複数の吐出ポート(45,46)と各吐出ポート(45,46)を開閉する複数の吐出弁(47,48)とが設けられ、各吐出弁(47,48)がリード弁により構成され、
    各吐出ポート(45,46)が互いに近接して配置され、各吐出ポート(45,46)の吐出タイミングが異なるように設定された圧縮機であって、
    各吐出弁(47,48)の固有振動数ωn(Hz)と最大運転周波数fmax(Hz)とが、α(rad)を各シリンダ室(C1,C2)間における最小の圧縮進行位相差(0<α≦π)とすると、
    ωn>fmax×(2π/α)
    の関係式を満たすように構成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記複数のシリンダ室(C1,C2)の容量が互いに異なり、
    上記複数の吐出ポート(45,46)が、各シリンダ室(C1,C2)の容量に対応して異なる開口面積に形成されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1または2において、
    上記圧縮機構(20)は、環状のシリンダ室(C1,C2)を有するシリンダ(21)と、該シリンダ(21)に対して偏心してシリンダ室(C1,C2)に収納され、シリンダ室(C1,C2)を外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とに区画する環状ピストン(22)と、上記シリンダ室(C1,C2)に配置され、各シリンダ室(C1,C2)を高圧室(C1-Hp,C2-Hp)と低圧室(C1-Lp,C2-Lp)とに区画するブレード(23)とを有し、シリンダ(21)と環状ピストン(22)とが相対的に偏心回転運動をするように構成され、
    上記シリンダ(21)には、外側シリンダ室(C1)に連通する外側吐出ポート(45)及び外側吐出弁(47)と、内側シリンダ室(C2)に連通する内側吐出ポート(46)及び内側吐出弁(48)とが設けられていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記ブレード(23)がシリンダ(21)に設けられ、上記環状ピストン(22)とブレード(23)とを相互に可動に連結する連結部材(27)を備えていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項4において、
    環状ピストン(22)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成され、
    ブレード(23)は、環状のシリンダ室(C1,C2)の内周側の壁面から外周側の壁面まで、環状ピストン(22)の分断箇所を挿通して延在するように構成され、
    連結部材(27)は、上記ブレード(23)を進退可能に保持するブレード溝(28)と、上記環状ピストン(22)に分断箇所において揺動自在に保持される円弧状外周面とを有する揺動ブッシュ(27)であることを特徴とする圧縮機。
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