JP2010078257A - 冷凍装置 - Google Patents

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孝幸 河野
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
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Abstract

【課題】圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管を備えた冷凍装置において、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させる。
【解決手段】空気調和装置1は、圧縮機21と、圧縮機21において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する油分離器22と、室外熱交換器24と、室内熱交換器52と、圧縮機21の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機21に供給するための油供給管41とを含む冷媒回路10を備えており、冷媒回路10には、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部を分岐して圧縮機21に供給するための冷媒供給管27がさらに設けられており、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管41から圧縮機21に供給する際に、冷媒供給管27を流れる冷媒を圧縮機21に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置、特に、圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管を備えた冷凍装置に関する。
特許文献1に示されるように、圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管を備えた冷凍装置として、圧縮機から吐出された冷媒に含まれる冷凍機油をサイクロンにおいて分離し、この分離された冷凍機油を油供給管を通じて圧縮機の吸入側へ供給するようにしたものがある。このような冷凍装置では、圧縮機の圧縮行程中における冷媒を冷却して温度上昇を抑え、等温圧縮に近い状態で冷媒の圧縮を行うことができるため、圧縮機の消費動力を小さくして、冷凍装置のCOP(成績係数)を向上させることができるとされている。
特開平4−116348号公報
上述の構成において、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を向上させるためには、多量の冷凍機油を圧縮機構に供給することが好ましいが、圧縮機構に供給される冷凍機油の流量を多くすることにも限度があるため、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果の向上の程度にも限界がある。
本発明の課題は、圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管を備えた冷凍装置において、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることにある。
第1の発明にかかる冷凍装置は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する油分離機構と、圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能することが可能な第1熱交換器と、第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能することが可能な第2熱交換器と、圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管とを含む冷媒回路を備えた冷凍装置において、冷媒回路には、冷媒回路内を循環する冷媒の一部を分岐して圧縮機構に供給するための冷媒供給管がさらに設けられており、油分離機構において分離された冷凍機油を油供給管から圧縮機構に供給する際に、冷媒供給管を流れる冷媒を圧縮機構に供給する。
この冷凍装置では、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、圧縮機構において圧縮された冷媒中から、油分離機構において冷凍機油が分離される。分離された冷凍機油は、油供給管を通じて圧縮機構に供給されるが、この際に、冷媒回路内を循環する冷媒の一部が冷媒供給管によって分岐されて圧縮機構に供給される。
これにより、この冷凍装置では、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができる。
第2の発明にかかる冷凍装置は、第1の発明にかかる冷凍装置において、油供給管には、油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第1油冷却器が設けられている。
この冷凍装置では、油分離機構において分離された冷凍機油は、第1油冷却器によって冷却された後に圧縮機構に供給される。
これにより、この冷凍装置では、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができる。
第3の発明にかかる冷凍装置は、第2の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器と第2熱交換器との間を流れる冷媒を気液分離する気液分離器がさらに設けられており、冷媒供給管は、気液分離器において分離されたガス冷媒を圧縮機構に供給するように設けられており、冷媒回路内を循環する冷媒の一部は、気液分離器において分離されたガス冷媒である。
圧縮機構に供給される冷凍機油の温度は、第1油冷却器の冷却媒体の温度に依存することから、環境温度の影響により冷却媒体の温度が変動する場合には、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果が制限されることになる。
しかし、この冷凍装置では、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、気液分離器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、気液分離器において分離されたガス冷媒は、冷媒回路内を循環する冷媒の一部として冷媒供給管に送られるようになっているため、冷媒供給管から圧縮機構に供給される冷媒の温度は、気液分離器における冷媒の圧力に依存した温度となり、環境温度の影響を受けにくくなっている。
これにより、この冷凍装置では、第1油冷却器によって冷却された冷凍機油を圧縮機構に供給するだけでは、環境温度の影響を受けやすいところ、気液分離器において分離されたガス冷媒を圧縮機構に供給することによって、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を安定的に得ることができる。
第4の発明にかかる冷凍装置は、第2又は第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2熱交換器は、室内の熱負荷を処理することによって冷媒の放熱又は蒸発を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、室内の熱負荷を処理することによって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において室内の熱負荷を処理することによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、油供給管を流れる冷凍機油の熱を室内の熱負荷の処理に使用するようにしている。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、冷凍機油の熱を室内の熱負荷の処理に使用することが可能になるという利点がある。
第5の発明にかかる冷凍装置は、第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、第2熱交換器と気液分離器との間を流れる冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、気液分離器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、気液分離器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において第2熱交換器と気液分離器との間を流れる冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、第2熱交換器と気液分離器との間を流れる冷媒の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において第2熱交換器と気液分離器との間を流れる冷媒が加熱されると、気液分離器において分離されるガス冷媒の流量、すなわち、冷媒供給管を流れる冷媒の流量が増加するため、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果が一層促進されることになる。一方、第2油冷却器において第2熱交換器と気液分離器との間を流れる冷媒が加熱されると、気液分離器において分離される液冷媒の流量が減少するため、第1熱交換器における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、気液分離器において分離されるガス冷媒の流量が増加することで圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を一層促進させることが可能になり、また、気液分離器において分離される液冷媒の流量が減少することで第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第6の発明にかかる冷凍装置は、第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、気液分離器内の冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、気液分離器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、気液分離器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において気液分離器内の冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、気液分離器内の冷媒の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において気液分離器内の冷媒が加熱されると、気液分離器において分離されるガス冷媒の流量、すなわち、冷媒供給管を流れる冷媒の流量が増加するため、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果が一層促進されることになる。一方、第2油冷却器において気液分離器内の冷媒が加熱されると、気液分離器において分離される液冷媒の流量が減少するため、第1熱交換器における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、気液分離器において分離されるガス冷媒の流量が増加することで圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を一層促進させることが可能になり、また、気液分離器において分離される液冷媒の流量が減少することで第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第7の発明にかかる冷凍装置は、第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、気液分離器と第1熱交換器との間を流れる冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、気液分離器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、気液分離器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において気液分離器と第1熱交換器との間を流れる冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、気液分離器と第1熱交換器との間を流れる冷媒の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において気液分離器と第1熱交換器との間を流れる冷媒が加熱されると、第1熱交換器における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第8の発明にかかる冷凍装置は、第2又は第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、第1熱交換器内の冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において第1熱交換器内の冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、第1熱交換器内の冷媒の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において冷凍機油が冷却されると、冷凍機油の温度が非常に低くなり、一方、第2油冷却器において第1熱交換器内の冷媒が加熱されると、第1熱交換器における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、冷凍機油の温度を非常に低くすることが可能になり、また、第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第9の発明にかかる冷凍装置は、第2又は第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、第1熱交換器と圧縮機構との間を流れる冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において第1熱交換器と圧縮機構との間を流れる冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、第1熱交換器と圧縮機構との間を流れる冷媒の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において冷凍機油が冷却されると、冷凍機油の温度が非常に低くなる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、冷凍機油の温度を非常に低くすることが可能になるという利点がある。
第10の発明にかかる冷凍装置は、第2又は第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1熱交換器は、室外空気によって冷媒の放熱又は蒸発を行う熱交換器であり、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、第1熱交換器において発生するドレン水によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において第1熱交換器において発生したドレン水(すなわち、第1熱交換器における室外空気と冷媒との熱交換の際に、室外空気中の水分が結露することによって発生したドレン水)と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、第1熱交換器において発生したドレン水の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において第1熱交換器において発生したドレン水が加熱されると、第1熱交換器やそのドレンパンにおけるドレン水の凍結や成長が抑えられる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、第1熱交換器やそのドレンパンにおけるドレン水の凍結や成長を抑えることが可能になるという利点がある。
第11の発明にかかる冷凍装置は、第2又は第3の発明にかかる冷凍装置において、冷媒回路には、第1熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第2熱交換器を第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、第2熱交換器を圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、第1熱交換器を第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構がさらに設けられており、油供給管には、第1油冷却器とは別に油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器と、第1冷媒循環状態である場合に第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と第2冷媒循環状態である場合に第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構とがさらに設けられており、第1熱交換器は、室外空気によって冷媒の放熱又は蒸発を行う熱交換器であり、第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、第2油冷却器は、蓄熱材によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である。
この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第1熱交換器、及び第2熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第1油冷却状態になるため、冷凍機油は、第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。また、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、圧縮機構において圧縮された冷媒は、主として、油分離機構、第2熱交換器、及び第1熱交換器の順に冷媒回路内を循環し、油分離機構において分離された冷凍機油及び冷媒供給管を流れる冷媒は、圧縮機構に供給される。このとき、油冷却器切換機構が第2油冷却状態になるため、冷凍機油は、第2油冷却器において蓄熱材と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合においても、冷媒循環方向切換機構が第1冷媒循環状態である場合と同様に、油供給管を流れる冷凍機油を第1油冷却器において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、単に室外に放熱することになってしまうところ、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合には、蓄熱材の加熱に使用するものである。そして、第2油冷却器において蓄熱材が加熱されて熱が蓄えられると、この蓄えられた熱を第1熱交換器の除霜用の熱源として使用することができる。
これにより、この冷凍装置では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、第1熱交換器の除霜用の熱源として使用することが可能になるという利点がある。
第12の発明にかかる冷凍装置は、第1〜第11の発明のいずれかにかかる冷凍装置において、油供給管には、油供給管を流れる冷凍機油のエネルギーを回収する回収機構がさらに設けられている。
圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管を備えた冷凍装置では、圧縮機構において、冷媒の圧縮だけでなく、冷凍機油の昇圧が行われる。
そこで、この冷凍装置では、回収機構を油供給管に設けることによって、圧縮機構において冷凍機油の昇圧に消費されたエネルギーを回収するようにしている。
これにより、この冷凍装置では、冷凍機油の昇圧に要するエネルギーが無駄にならないようにすることができる。
第13の発明にかかる冷凍装置は、第1〜第12の発明のいずれかにかかる冷凍装置において、圧縮機構は、臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮する。
この冷凍装置では、圧縮機構において臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮しており、冷凍サイクルにおける高圧が臨界圧力を超える運転(超臨界冷凍サイクル)が行われる。このような超臨界冷凍サイクルでは、臨界圧力以下の圧力まで冷媒を圧縮する冷凍サイクルの場合とは異なり、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却を行ったとしても、冷媒が気液二相状態になることなく、理想的な等温圧縮に近い状態で冷媒の圧縮を行うことができる。
これにより、この冷凍装置では、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を最大限に得ることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができる。
第2の発明では、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができる。
第3の発明では、第1油冷却器によって冷却された冷凍機油を圧縮機構に供給するだけでは、環境温度の影響を受けやすいところ、気液分離器において分離されたガス冷媒を圧縮機構に供給することによって、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を安定的に得ることができる。
第4の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、冷凍機油の熱を直接的に室内の熱負荷の処理に使用することが可能になるという利点がある。
第5又は第6の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、気液分離器において分離されるガス冷媒の流量が増加することで圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を一層促進させることが可能になり、また、気液分離器において分離される液冷媒の流量が減少することで第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第7の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第8の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、冷凍機油の温度を非常に低くすることが可能になり、また、第1熱交換器における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
第9の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、冷凍機油の温度を非常に低くすることが可能になるという利点がある。
第10の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、第1熱交換器やそのドレンパンにおけるドレン水の凍結や成長を抑えることが可能になるという利点がある。
第11の発明では、冷媒循環方向切換機構が第2冷媒循環状態である場合であっても、油供給管を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、この冷凍装置では、第1熱交換器の除霜用の熱源として使用することが可能になるという利点がある。
第12の発明では、冷凍機油の昇圧に要するエネルギーが無駄にならないようにすることができる。
第13の発明では、冷凍機油の供給による圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を最大限に得ることができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる冷凍装置の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明にかかる冷凍装置の第1実施形態としての空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と室内ユニット5と、室外ユニット2と室内ユニット5とを接続する液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7とを備えており、冷房運転と暖房運転を切り換え可能な冷媒回路10を構成している。また、冷媒回路10には、冷媒として二酸化炭素が、また、冷凍機油としてポリアルキレングリコール(PAG)が充填されている。そして、空気調和装置1は、臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮する超臨界冷凍サイクルを行うようになっている。
<室内ユニット>
室内ユニット5は、液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
室内ユニット5は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室内側冷媒回路10aを有している。この室内側冷媒回路10aは、主として、第2膨張機構としての室内膨張弁51と、第2熱交換器としての室内熱交換器52とを有している。
室内膨張弁51は、室内側冷媒回路10a内を流れる冷媒の流量調節や減圧等を行うために、室内熱交換器52の液側に接続された電動膨張弁である。
室内熱交換器52は、冷房運転時には、第1熱交換器としての室外熱交換器24(後述)において放熱した冷媒を室内の熱負荷を処理すること(すなわち、室内の熱負荷を輸送する加熱媒体としての室内空気等と熱交換させること)によって蒸発させる蒸発器として機能し、暖房運転時には、圧縮機構としての圧縮機21(後述)において圧縮された冷媒を室内の熱負荷を処理すること(すなわち、室内の熱負荷を輸送する冷却媒体としての室内空気等と熱交換させること)によって放熱させる放熱器として機能することが可能な熱交換器である。室内熱交換器52は、その液側が室内膨張弁51に接続され、そのガス側がガス冷媒連絡管7に接続されている。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7を介して室内ユニット5に接続されており、室内ユニット5の間で冷媒回路10を構成している。
室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路10bを有している。この室外側冷媒回路10bは、主として、圧縮機構としての圧縮機21と、油分離機構としての油分離器22と、油供給管41と、第1油冷却器42と、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23と、第1熱交換器としての室外熱交換器24と、第1膨張機構としての室外膨張弁25と、気液分離器26と、冷媒供給管27とを有している。
圧縮機21は、冷媒を圧縮するために設けられた単段圧縮型の容積式圧縮機であり、主として、圧縮要素21aと、圧縮要素21aを駆動する圧縮機モータ21bとを有している。圧縮要素21aは、ロータリ型の圧縮要素である。圧縮機モータ21bは、インバータにより、運転周波数(すなわち、回転速度)が可変できるようになっている。
油分離器22は、圧縮機21において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する機構であり、圧縮機21の吐出と冷媒循環方向切換弁23との間に設けられている。油分離器22としては、種々の型式のものが使用可能であるが、本実施形態では、略円筒形状の密閉容器の下部に冷凍機油の出口が形成され、略円筒形状の密閉容器の上部に冷媒の出口が形成され、そして、冷凍機油の出口と冷媒の出口との中間部に圧縮機21において圧縮された冷媒の入口が形成された型式が使用されている。
油供給管41は、油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機21に供給するための油管である。より具体的には、油供給管41は、その一端が油分離器22の冷凍機油出口に接続され、その他端が圧縮機21の油供給ポート21cに接続されている。油供給ポート21cは、圧縮機21の圧縮要素21a内の圧縮行程の途中箇所に開口している。すなわち、本実施形態において、油供給管41は、油分離器22で分離された冷凍機油を圧縮機21の圧縮行程の途中へ供給するように、圧縮機21に接続されている。
第1油冷却器42は、油供給管41を流れる冷凍機油を冷却媒体としての室外空気と熱交換させることによって冷却する熱交換器であり、油供給管41に設けられている。
また、油供給管41には、第1油供給弁43が設けられている。本実施形態において、第1油供給弁43は、第1油冷却器42の冷凍機油出口側に接続された電磁弁である。
冷媒循環方向切換弁23は、冷媒回路10における冷媒の流れの方向を切り換えるために設けられた四路切換弁であり、冷房運転時には、室外熱交換器24を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として機能させ、かつ、室内熱交換器52を室外熱交換器24において放熱した冷媒の蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態にするために、圧縮機21の吐出と室外熱交換器24のガス側端とを接続するとともに圧縮機21の吸入とガス冷媒連絡管7とを接続し(図1の冷媒循環方向切換弁23の実線を参照)、暖房運転時には、室内熱交換器52を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として機能させ、かつ、室外熱交換器24を室内熱交換器52において放熱した冷媒の蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態にするために、圧縮機21の吐出とガス冷媒連絡管7とを接続するとともに圧縮機21の吸入と室外熱交換器24のガス側とを接続することが可能である(図1の冷媒循環方向切換弁23の破線を参照)。
室外熱交換器24は、冷房運転時には、圧縮機21において圧縮された冷媒を冷却媒体としての室外空気と熱交換させることによって放熱させる放熱器として機能し、暖房運転時には、室内熱交換器52において放熱した冷媒を加熱媒体としての室外空気と熱交換させることによって蒸発させる蒸発器として機能することが可能な熱交換器である。室外熱交換器24は、そのガス側が冷媒循環方向切換弁23に接続され、その液側が室外膨張弁25に接続されている。
室外膨張弁25は、室外熱交換器24と気液分離器26との間を流れる冷媒の減圧等を行うために、室外熱交換器24の液側に接続された電動膨張弁である。
気液分離器26は、室外熱交換器24と室内熱交換器52との間を流れる冷媒を一時的に溜めて気液分離することが可能な容器である。より具体的には、気液分離器26は、室外膨張弁25と室内膨張弁26との間を流れる冷媒を気液分離するように設けられている。
冷媒供給管27は、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部を分岐して圧縮機21に供給するための冷媒管である。より具体的には、冷媒供給管27は、その一端が気液分離器26の気液分離されたガス冷媒が溜まる気相部に接続され、その他端が圧縮機21の冷媒供給ポート21dに接続されている。冷媒供給ポート21dは、油供給ポート21cと同様に、圧縮機21の圧縮要素21a内の圧縮行程の途中箇所に開口している。すなわち、本実施形態において、冷媒供給管27は、気液分離器26において気液分離されたガス冷媒を圧縮機21の圧縮行程の途中へ供給するように、圧縮機21に接続されている。また、冷媒供給管27には、第1冷媒供給弁28が設けられている。本実施形態において、第1油供給弁28は、電磁弁である。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管6、7は、空気調和装置1を設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管6は、室外ユニット2及び室内ユニット5に接続されており、冷房運転時には、室外ユニット2の気液分離器26を通過した冷媒を室内ユニット5の室内膨張弁51に送り、暖房運転時には、室内ユニット5の室内膨張弁51を通過した冷媒を室外ユニット2の気液分離器26に送る冷媒管である。ガス冷媒連絡管7は、室外ユニット2及び室内ユニット5に接続されており、冷房運転時には、室内ユニット5の室内熱交換器52を通過した冷媒を室外ユニット2の冷媒循環方向切換弁23に送り、暖房運転時には、室外ユニット2の冷媒循環方向切換弁23を通過した冷媒を室内ユニット5の室内熱交換器52に送る冷媒管である。
以上のように、本実施形態の空気調和装置1は、冷媒を圧縮する単段圧縮型の圧縮機構としての圧縮機21と、圧縮機21において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する油分離機構としての油分離器22と、第1熱交換器としての室外熱交換器24と、第2熱交換器としての室内熱交換器52と、圧縮機21の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機21に供給するための油供給管41とを含む冷媒回路10を備えている。そして、冷媒回路10には、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部として気液分離器26において気液分離されたガス冷媒を分岐して圧縮機21に供給するための冷媒供給管27がさらに設けられており、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管41から圧縮機21に供給する際に、冷媒供給管27を流れる冷媒を圧縮機21に供給するように構成されている。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について、図1を用いて説明する。
<冷房運転>
冷房運転時は、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が図1の実線で示される第1冷媒循環状態とされる。第1膨張機構としての室外膨張弁25及び第2膨張機構としての室内膨張弁51は、開度調節される。また、第1油供給弁43及び第1冷媒供給弁28は、開状態にされる。
この冷媒回路10の状態において、低圧の冷媒は、圧縮機構としての圧縮機21に吸入されて、圧縮要素21aによって冷媒の臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮されて、冷凍サイクルにおける高圧の冷媒として吐出される。この圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、油分離機構としての油分離器22に送られる。この高圧の冷媒は、油分離器22において冷凍機油が分離される。冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒は、冷媒出口から冷媒循環方向切換弁23を通じて第1熱交換器としての室外熱交換器24に送られ、冷却媒体としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。この室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、室外膨張弁25によって減圧されて、気液二相状態の冷媒となる。この室外膨張弁25において気液二相状態になった冷媒は、気液分離器26において気液分離が行われて、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。この気液分離器26において分離された液冷媒は、液冷媒連絡管6を通じて室外ユニット2から室内ユニット5に送られる。この室内ユニット5に送られた液冷媒は、室内膨張弁51において減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となる。この室内膨張弁51において低圧になった冷媒は、第2熱交換器としての室内熱交換器52に送られ、加熱媒体としての室内空気等と熱交換を行うことによって蒸発する。この室内熱交換器52において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管7を通じて室内ユニット5から室外ユニット2に送られる。この室外ユニット2に送られた低圧の冷媒は、冷媒循環方向切換弁23を通じて圧縮機21に再び吸入される。
このような冷房運転時には、空気調和装置1の成績係数(COP)を改善することを目的として、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管41を通じて圧縮機21に供給するようにしている。より具体的には、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において、冷却媒体としての室外空気と熱交換を行うことによって冷却された後に、圧縮機21の油供給ポート21cから圧縮要素21a内の圧縮行程の途中箇所に供給される。これにより、圧縮機21では、圧縮行程中の冷媒が冷却されて、圧縮機21内の圧縮行程が等温圧縮に近づくようになる。しかも、この油供給管41を通じて圧縮機21に冷凍機油を供給する際には、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部としての気液分離器26において分離されたガス冷媒を冷媒供給管27を通じて圧縮機21に供給するようにしている。これにより、圧縮機21では、冷凍機油の供給による圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果がさらに向上することになる。
<暖房運転時>
暖房運転時は、冷媒循環方向切換弁23が図1の破線で示される第2冷媒循環状態とされる。室外膨張弁25及び室内膨張弁51は、開度調節される。また、第1油供給弁43及び第1冷媒供給弁28は、開状態にされる。
この冷媒回路10の状態において、低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入されて、圧縮要素21aによって冷媒の臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮されて、冷凍サイクルにおける高圧の冷媒として吐出される。この圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、油分離器22に送られる。この高圧の冷媒は、油分離器22において冷凍機油が分離される。冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒は、冷媒出口から冷媒循環方向切換弁23及びガス冷媒連絡管7を通じて室外ユニット2から室内ユニット5に送られる。この室内ユニット5に送られた冷媒は、室内熱交換器52において冷却媒体としての室内空気等と熱交換を行うことによって放熱する。この室内交換器52において放熱した高圧の冷媒は、室内膨張弁51によって減圧されて、気液二相状態の冷媒となる。この室内膨張弁51において気液二相状態になった冷媒は、液冷媒連絡管6を通じて室内ユニット5から室外ユニット2に送られる。この室外ユニット2に送られた冷媒は、気液分離器26において気液分離が行われて、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。この気液分離器26において分離された液冷媒は、室外膨張弁25において減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となる。この室外膨張弁25において低圧になった冷媒は、室外熱交換器24に送られ、加熱媒体としての室外空気と熱交換を行うことによって蒸発する。この室外熱交換器24において蒸発した低圧の冷媒は、冷媒循環方向切換弁23を通じて圧縮機21に再び吸入される。
このような暖房運転時においても、冷房運転時と同様に、空気調和装置1の成績係数(COP)を改善することを目的として、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管41を通じて圧縮機21に供給するとともに、この際に、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部としての気液分離器26において分離されたガス冷媒を冷媒供給管27を通じて圧縮機21に供給するようにしている。これにより、圧縮機21では、冷凍機油の供給による圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果がさらに向上することになる。
(3)空気調和装置の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
<A>
本実施形態の空気調和装置1では、油分離機構としての油分離器22において分離された冷凍機油は、油供給管41を通じて圧縮機構としての圧縮機21に供給されるが、この際に、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部が冷媒供給管27によって分岐されて圧縮機21に供給されるため、冷凍機油の供給による圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができるようになっている。
<B>
本実施形態の空気調和装置1では、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42によって冷却された後に圧縮機21に供給されるため、圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができるようになっている。
<C>
圧縮機21に供給される冷凍機油の温度は、第1油冷却器42の冷却媒体(ここでは、室外空気)の温度に依存することから、本実施形態のように、環境温度の影響により冷却媒体の温度が変動する場合には、冷凍機油の供給による圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果が制限されることになる。
しかし、本実施形態の空気調和装置1では、気液分離器26において分離されたガス冷媒が冷媒回路10内を循環する冷媒の一部として冷媒供給管27に送られるようになっているため、冷媒供給管27から圧縮機21に供給される冷媒の温度は、気液分離器26における冷媒の圧力に依存した温度となり、環境温度の影響を受けにくくなっている。
これにより、本実施形態の空気調和装置1では、第1油冷却器42によって冷却された冷凍機油を圧縮機21に供給するだけでは、環境温度の影響を受けやすいところ、気液分離器26において分離されたガス冷媒を圧縮機21に供給することによって、圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を安定的に得ることができる。
<D>
本実施形態の空気調和装置1では、圧縮機21において臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮しており、冷凍サイクルにおける高圧が臨界圧力を超える運転(超臨界冷凍サイクル)が行われる。このような超臨界冷凍サイクルでは、臨界圧力以下の圧力まで冷媒を圧縮する冷凍サイクルの場合とは異なり、冷凍機油の供給による圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却を行ったとしても、冷媒が気液二相状態になることなく、理想的な等温圧縮に近い状態で冷媒の圧縮を行うことができる。これにより、本実施形態の空気調和装置1では、冷凍機油の供給による圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を最大限に得ることができる。
(4)変形例1
上述の実施形態のように、圧縮機構としての圧縮機21の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構としての油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機21に供給するための油供給管41を備えた冷凍装置としての空気調和装置1では、圧縮機21において、冷媒の圧縮だけでなく、冷凍機油の昇圧が行われる。
このため、油供給管41を流れる冷凍機油は、冷凍機油の昇圧に消費されたエネルギーを保有していることになるが、上述の実施形態では、第1油供給弁43における減圧等によって、その保有するエネルギーが失われてしまい、冷凍機油の昇圧に要するエネルギー無駄になってしまう。
そこで、本変形例では、図2に示されるように、油供給管41に油供給管を流れる冷凍機油のエネルギーを回収する回収機構40をさらに設けることで、圧縮機21において冷凍機油の昇圧に消費されたエネルギーを回収するようにしている。
回収機構40は、主として、冷凍機油の減圧を行う減圧要素40aと、減圧要素40aの可動部であるピストン(図示せず)の回転により発電する回収機構ジェネレータ40bとを有している。減圧要素40aは、ロータリ型の減圧要素である。回収機構ジェネレータ40bで発電された電力は、圧縮機21の圧縮機モータ21bや他の機器の動力として利用される。
これにより、本変形例の空気調和装置1では、冷凍機油の昇圧に要するエネルギーが無駄にならないようにすることができる。
(5)変形例2
上述の実施形態及びその変形例1において、圧縮機構としての圧縮機21の動作状態に応じて第1油供給弁43の開閉制御を行うようにしてもよい。
本変形例では、空気調和装置1の制御部8が第1油供給弁43の開閉制御を行うようになっている。
本変形例における圧縮機21は、図3に示されるように、揺動ピストンを有するロータリ型の圧縮要素21aを有している。圧縮要素21aは、圧縮室61を有し、この圧縮室61へ冷媒を吸入して、圧縮するように構成されている。また、油供給ポート21c及び冷媒供給ポート21dは、圧縮室61に連通するように設けられている。
圧縮要素21aは、圧縮室61が形成されたシリンダ62内でのピストン63の動作により冷媒を吸入して圧縮するように構成されている。また、この圧縮要素21aは、圧縮室61が断面円形に形成されるとともに、ピストン63が圧縮室61内で偏心回転運動をするように構成されている。
ピストン63は、出力軸であるクランク軸64のクランクピン64aに嵌合して偏心回転運動をする環状部65と、この環状部65と一体に形成されたブレード66とを有している。ブレード66は、プレート状であって、環状部65の径方向外側へ延在している。シリンダ62は、ブレード66を摺動可能に保持する揺動ブッシュ67を有している。揺動ブッシュ67は、それぞれほぼ半円形の吸入側ブッシュ67aと吐出側ブッシュ67bとから構成されている。吸入側ブッシュ67aと吐出側ブッシュ67bは、一部で連結して一体にしてもよい。
シリンダ62には、圧縮室61に冷媒を吸入するように一端が圧縮室61に開口した吸入ポート62aが形成されている。シリンダ62は、軸方向の両端面を塞ぐ2枚の端板68a、68b(圧縮機モータ21b側の端板68aをフロントヘッドといい、圧縮機モータ21bと反対側の端板68bをリヤヘッドという)を有している。フロントヘッド68aとリヤヘッド68bの一方には、圧縮室61で圧縮された冷媒を吐出するための吐出ポート62bが形成されている。この吐出ポート62bには吐出弁としてリード弁(図示せず)が設けられており、圧縮室61内の圧力と圧縮機21のケーシング内の圧力との圧力差が所定値に達すると吐出ポート62bが開くようになっている。吸入ポート62aは、図3において縦軸の上方向を0°の位置とすると、そこから横軸の右方向へθsだけ角度をとった位置に設けられている。油供給ポート21cには、噴射ノズル69が設けられている。この噴射ノズル69は、角度がθioの位置に設けられている。また、冷媒供給ポート21dは、角度θsと角度θioとの間の角度がθirの位置に設けられている。以上の構成により、吸入ポート62a、油供給ポート21c及び冷媒供給ポート21dは、図4に示される吸入行程中には、圧縮室61を介して互いに連通する位置に配置されていることになる。
制御部8は、図5に示されるように構成されている。制御部8は、入力値(諸元)読込部81と、測定値(または設定値)読込部82と、計算値決定部83とを有している。入力値読込部81と測定値読込部82は、計算値決定部83へ信号を送るように、この計算値決定部83と接続されている。計算値決定部83では、吸入ポート62aの位置θsと、油供給ポート21cの位置θioと、クランク軸64の回転速度ωと、クランク軸64の回転角度の現在値θcとに基づいて、冷凍機油を供給するタイミングが求められ、制御部8から第1油供給弁43へ制御信号が送られる。そして、この制御信号に基づいて第1油供給弁43の開閉制御がなされ、冷凍機油を供給するタイミングが制御される。
具体的には、圧縮機21において吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとする動作中に、吸入行程が終了する位置を油供給開始点とし、吐出行程が終了する前の位置(本変形例では、ピストン63が油供給ポート21cを通過する位置に達した点)を油供給終了点として、制御部8が、油供給開始点から油供給終了点の範囲の少なくとも一部で冷凍機油の供給動作を行うように第1油供給弁43を制御する。特に、制御部8を、油供給開始点から油供給終了点の範囲の全体で冷凍機油の供給動作を行うように構成することが、その範囲の全域にわたって等温圧縮を行えるようにするために好ましい。
次に、冷凍機油の供給動作中の第1油供給弁43の開閉タイミングについて説明する。
まず、制御部8には、入力値読込部81に、吸入ポート62aの位置θsと油供給ポート21cの位置θioとが、予め設定された位置として入力されている。この制御部8では、運転中のクランク軸64の回転速度ωと、クランク軸64の回転角度の現在値θcとが、測定値読込部82で測定される。そして、計算値決定部83において、これらの値に基づいて冷凍機油を供給するタイミングが求められる。
この冷凍機油を供給するタイミングは、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとする動作中に、吸入行程が終了する位置を油供給開始点θsとし、吐出行程が終了する前の位置(具体的にはピストン63が油供給ポート21cを通過する位置に達した点)を油供給終了点θioとして、油供給開始点θsから油供給終了点θioの範囲の少なくとも一部か、またはその範囲の全部で冷凍機油の供給動作を行うように定められる。この範囲の全部で油供給動作を行う場合は、図3に示されるように、ピストン63がθsからθioの範囲に位置しているときに、第1油供給弁43を開状態にし、図4に示されるように、ピストン63がθioからθsの範囲に位置しているときに第1油供給弁43を閉状態にすることになる。
そして、制御部8は、図5の計算値決定部83で求めた油供給時間Δtの間だけ第1油供給弁43が開状態になるように冷凍機油を供給するタイミングを決定して、第1油供給弁43を開閉し、圧縮機21への油供給動作を制御する。
ここで、第1油供給弁43を常に開状態にしていると、ピストン63がθioからθsの範囲に位置するときは、吸入ポート62aと油供給ポート21cが圧縮室61を介して連通してしまい、油供給ポート21cから圧縮室61に入った油が吸入ポート62aへ逆流してしまうおそれがあるが、本変形例のように、ピストン63がθsからθioの範囲に位置しているときは第1油供給弁43を開状態にしているので、その範囲では正常な油供給動作を行うことができるし(図3参照)、ピストン63がθioからθsの範囲に位置しているときは第1油供給弁43を閉状態にしているので、その範囲では無駄な油供給動作が行われない(図4参照)。
これにより、本変形例では、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとするピストン63の動作中に、吸入ポート62aと油供給ポート21cが連通しない間は油供給ポート21cを開くようにしているので、その間は油供給動作をすることによって、上述した等温圧縮の効果を充分に得ることができる。また、ピストン62の動作中に吸入ポート62aと油供給ポート21cが連通する間は油供給ポート21cを閉じるようにしているので、その間は油が圧縮室61に流入するのを防止できる。さらに、ピストン63の動作中に吸入ポート62aと油供給ポート21cが連通する間に油供給ポート21cが開いていると、油供給ポート21cから圧縮室61に流入した冷凍機油が吸入ポート62aへ逆流して冷媒の吸入が妨げられるおそれがあるが、本変形例では、冷凍機油が吸入ポート62aへ逆流することはない。したがって、吸入損失が発生してしまうのを防止できる。
また、本変形例では、圧縮機回転速度、吸入圧力、吐出圧力、エンタルピ、冷媒循環量などの多くの値から必要な冷却量を計算して液冷媒噴射装置の開口時間やインジェクション量を算出したり、圧縮機入力を測定してそれが最小値になるようにするための計算ロジックを制御部8に実装したりする必要はなく、単純に吸入ポート62aの位置を油供給開始点θsとし、油供給ポート21cの位置を油供給終了点θioとして、その範囲内でタイミングをとって油供給動作を行うようにしているため、第1油供給弁43における冷凍機油を供給するタイミングの算出が非常に容易になり、単純な計算ロジックを実装するだけで効果的な油供給が可能となる。
(6)変形例3
上述の変形例2では、第1油供給弁43の開閉制御によって、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとするピストン63の動作中に、吸入ポート62aと油供給ポート21cが連通しない間は油供給ポート21cを開くようにし、また、ピストン62の動作中に吸入ポート62aと油供給ポート21cが連通する間は油供給ポート21cを閉じるようにしているが、油供給ポート21cに設けられた噴射ノズル69を開閉可能な構成とし、第1油供給弁43の開閉制御に代えて、噴射ノズル69の開閉制御を行うようにしてもよい。
本変形例における噴射ノズル69としては、例えば、図6及び図7に示されるように、円筒状の油供給ケース69aと、この油供給ケース69aの軸方向へスライド可能なスプール69bと、このスプール69bを駆動する駆動機構69cとを有するものとすることができる。
油供給ケース69aの一端には、油供給ポート21cと連通する油噴射口69dが形成されている。また、油供給ケース69aの他端は、油供給管41が接続されている。
スプール69bは、油噴射口69d側の端部がテーパ状の弁部69eとして形成されている。油噴射口69dは、油供給ケース69aの内面側が、スプール69bの弁部69eと同じ角度のテーパ面により形成された弁座69fになっている。この構成において、スプール69bが後退して弁部69eの外周面が油供給ケース69aの弁座69fの内周面から離れると(図6の状態)、油供給管41から供給されてきた冷凍機油が弁部69eと弁座69fの間の隙間を通って油供給ポート21cから圧縮室61内へ噴射される。一方、スプール69bが前進して弁部69eの外周面が油供給ケース69aの弁座69fの内周面に圧接すると(図7の状態)、油供給管41から供給されてきた冷凍機油は、油供給ケース21c内が密閉空間になるために、圧縮室61へは噴射されなくなる。
スプール69bを軸方向へ進退させる駆動機構69cとしては、ソレノイド機構が用いられている。ソレノイド機構69cは、スプール69bに固定された鉄心69gと、油供給ケース69aに固定されたコイル69hとを有している。油供給ケース69a内には、スプール69bを後退させる方向へバネ力を加えるコイルバネ69iが設けられ、スプール69bには、コイルバネ69iの一端を受けるバネ受け69jが固定されている。コイルバネ69iの他端は、油供給ケース21cの油噴射口69d側の端面に接している。
ソレノイド機構69cのコイル69hに電流を流さない状態では、スプール69bが可動範囲の後端まで後退する。このとき、鉄心69gは、コイル69hの中心から外れており、スプール69bの弁部69eと油噴射口69dの弁座69fとの間には、隙間が形成されている(図6参照)。一方、ソレノイド機構69cのコイル69hに電流を流した状態では、コイルバネ69iのバネ力に抗して鉄心69hがスプール69bの前方に引っ張られ、スプール69bの弁部69eと油噴射口69dの弁座69fとが圧接する(図7参照)。このとき、上記の隙間がなくなり、油供給ケース69aの内部が密閉空間となる。
このような噴射ノズル69を使用する場合であっても、上述の変形例2と同様の油供給動作を行うことができる。
(7)変形例4
上述の変形例2、3においては、吸入ポート62aの位置を油供給開始点θsとし、油供給ポート21cの位置を油供給終了点θioとして、その範囲内でタイミングをとって油供給動作を行うようにすることで、開閉可能な第1油供給弁43や噴射ノズル69における冷凍機油を供給するタイミングの算出が容易になるようにしているが、圧縮途中の冷媒ガス温度・圧力等の測定値やシリンダ容積等の圧縮機諸元を用いて、油供給動作を行うようにしてもよい。
ここでは、開閉可能な噴射ノズル69を使用した変形例3の構成を前提にして、本変形例における油供給動作について説明する。
本変形例の制御部8は、図8に示されるように構成されている。制御部8は、入力値(諸元)読込部81と、測定値(または設定値)読込部82と、計算値決定部83とを有している。入力値読込部81と測定値読込部82は、計算値決定部83へ信号を送るため、この計算値決定部83と接続されている。計算値決定部83では、シリンダ容積Vcと、吸入ポート位置θsと、油供給位置θio(以上、入力値読込部81のデータ)と、クランク軸64の回転速度ωと、クランク軸64の回転角度の現在値θcと、吸入ガス温度Tsと、冷媒回路10の低圧圧力Lpと、冷媒回路10の高圧圧力Hpと、供給油温度Toと、供給油圧力Po(以上、測定値読込部82のデータ)とに基づいて、油供給動作のタイミングが求められる。つまり、圧縮途中の冷媒ガス温度をTrとしたときに、Tr=Toとなる油供給開始位置θ1と、圧縮途中の冷媒ガス圧力をPrとしたときにPr=Poとなる油供給終了位置θ2と、θ1からθ2に達するまでの油供給時間Δtとが求められて、これらの値を表す制御信号が制御部8から噴射ノズル69へ送られる。そして、この制御信号に基づいてソレノイド機構69cのオンとオフが制御され、冷凍機油を供給するタイミングが制御される。尚、圧縮途中の冷媒ガス温度Trと圧縮途中の冷媒ガス圧力Prは、シリンダ容積Vcや吸入ポート位置θsなどの圧縮機諸元と、吸入ガス温度Tsや冷媒回路10の低圧圧力Lp、冷媒回路10の高圧圧力Hpなどの測定値と、予め制御部8に記録された冷媒の物性データとから算出する。図8中の油供給開始位置θ1と油供給終了点θ2の計算には、圧縮途中の冷媒ガス温度Trと圧縮途中の冷媒ガス圧力Prの算出過程(冷媒温度検出手段と冷媒圧力検出手段)も含まれている。
具体的には、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとする動作中に、圧縮室61内の冷媒の温度Trが供給される冷凍機油の温度Toになる位置を油供給開始点θ1とし、圧縮室61内の冷媒の圧力Trが吐出圧力Hpに達する位置を油供給終了点θ2として、制御部8が、油供給開始点θ1から油供給終了点θ2の範囲の少なくとも一部で油供給動作を行うように噴射ノズル69を制御する。特に、制御部8を、油供給開始点θ1から油供給終了点θ2の範囲の全体で油供給動作を行うように構成することが、その範囲の全域にわたって等温圧縮を行えるようにするために好ましい。
次に、油供給動作中の噴射ノズル69の開閉のタイミングについて説明する。
まず、制御部8には、入力値読込部81に、シリンダ容積Vcと、吸入ポート位置θsと、油供給位置θioとが、予め設定された位置として入力されている。この制御部8では、クランク軸64の回転速度ωと、クランク軸64の回転角度の現在値θcと、吸入ガス温度Tsと、冷媒回路10の低圧圧力Lpと、冷媒回路10の高圧圧力Hpと、供給油温度Toと、供給油圧力Poとが、測定値読込部82で測定される。そして、計算値決定部83において、これらの値に基づいて、冷凍機油を供給するタイミングが求められる。具体的には、圧縮途中の冷媒ガス温度をTrとしたときにTr=Toとなる油供給開始位置θ1と、圧縮途中の冷媒ガス圧力をPrとしたときにPr=Hpとなる油供給終了位置θ2と、θ1からθ2に達するまでの油供給時間Δtとが求められて、これらの値を表す制御信号が制御部8から噴射ノズル69に送られる。そして、この制御信号に基づいてソレノイド機構69cのオンとオフが制御され、冷凍機油が供給されるタイミングが制御される。
この冷凍機油を供給するタイミングは、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとする動作中に、圧縮室61内の冷媒の温度Trが供給油温度Toになる位置を油供給開始点θ1とし、圧縮室61内の冷媒の圧力Prが吐出圧力Hpに達する位置を油供給終了点θ2として、制御部8が、油供給開始点θ1から油供給終了点θ2の範囲の少なくとも一部か、またはその範囲の全部で油供給動作を行うように定められる。この範囲の全部で油供給動作を行う場合は、図9においてθ1のポイントからθ2のポイントまでの範囲の全体で行われ、そのときに噴射ノズル69のスプール69bを後退させて油噴射口69dを開口させる。また、図10に示されるようにピストン63がθ2からθ1の範囲に位置しているときには、噴射ノズル69のスプール69bを前進させて油噴射口69dを閉塞することになる。
そして、制御部8は、計算値決定部83で求めた冷凍機油を供給するタイミングに基づいて噴射ノズル69の油噴射口69dを開閉し、圧縮機21への油供給動作を制御する。
このような本変形例では、図9に示されるように、ピストン63がθ1からθ2の範囲に位置しているときは噴射ノズル69のスプール69bを後退させて油噴射口69dを開口させるようにしているので、その範囲では冷媒の温度Trが冷凍機油の温度Toよりも高い領域がなく、等温圧縮により仕事量を十分に削減できる。また、図10に示されるように、ピストン63がθ2を過ぎてθ1に至るまでの範囲では、噴射ノズル69のスプール69bを前進させて油噴射口69dを閉塞するようにしているので、その範囲では、無駄な油インジェクション動作が行われず、過熱圧縮による動力損失は生じない。
これにより、本変形例では、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを1サイクルとするピストン63の動作中に、圧縮室61内の冷媒の温度Trが供給油温度Toになる位置を油供給開始点θ1とし、圧縮室61内の冷媒の圧力が吐出圧力に達する位置を油供給終了点θ2として、油供給開始点θ1から油供給終了点θ2の範囲の少なくとも一部か、またはその範囲の全部で油供給動作を行うようにしている。θsからθioの範囲の全体で油供給を行う場合は、図11に示されるように、等温圧縮により削減される仕事量を相殺するように作用する仕事量が過熱圧縮により発生していたのに対して、本変形例によれば、θ1からθ2の範囲内でだけ油供給動作を行うようにしたことにより、図12に示されるように過熱圧縮による仕事量が発生しないようにしているので、等温圧縮による効果を高めることが可能となる。
(8)変形例5
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、室内の熱負荷を処理すること(すなわち、室内の熱負荷を輸送する冷却媒体としての室内空気等と熱交換すること)によって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図13を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cは、室外ユニット2を出て室内ユニット5内を通過して再び室外ユニット2内に戻るように構成されている。第2油分岐管41cの室内ユニット5内に配置された部分には、室内の熱負荷を処理することによって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。
次に、図13を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図13の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図13の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、室内の熱負荷を処理することによって冷却されることになる。すなわち、暖房運転時には、第2熱交換器としての室内熱交換器52と同様、第2油冷却器44において油供給管41(ここでは、第2油分岐管41c)を流れる冷凍機油の熱を室内の熱負荷の処理に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、冷凍機油の熱を室内の熱負荷の処理に使用することが可能になるという利点がある。
(9)変形例6
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、第2熱交換器としての室内熱交換器52と気液分離器26との間を流れる冷媒によって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図14を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cには、室内熱交換器52と気液分離器26との間を流れる冷媒(ここでは、暖房運転時において、第2膨張機構としての室内膨張弁51で減圧された後の気液分離器26に流入する前の冷媒)によって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図14の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。
次に、図14を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図14の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図14の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、室内膨張弁51で減圧された後の気液分離器26に流入する前の冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、暖房運転時には、冷凍機油の熱を室内熱交換器52と気液分離器26との間を流れる冷媒の加熱に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。そして、第2油冷却器44において第2熱交換器と気液分離器との間を流れる冷媒が加熱されると、気液分離器26において分離されるガス冷媒の流量、すなわち、冷媒供給管27を流れる冷媒の流量が増加するため、冷凍機油の流量に対するガス冷媒の流量が多くなり、圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果が一層促進されることになる。一方、第2油冷却器44において室内熱交換器52と気液分離器26との間を流れる冷媒が加熱されると、気液分離器26において分離される液冷媒の流量が減少するため、第1熱交換器としての室外熱交換器24における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、気液分離器26において分離されるガス冷媒の流量が増加することで圧縮機21の圧縮行程中における冷媒の冷却効果を一層促進させることが可能になり、また、気液分離器26において分離される液冷媒の流量が減少することで室外熱交換器24における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
(10)変形例7
上述の変形例6では、第2油冷却器44として、第2熱交換器としての室内熱交換器52と気液分離器26との間を流れる冷媒によって冷凍機油を冷却する熱交換器を採用しているが、これに代えて、図15に示されるように、第2油冷却器44として、気液分離器26内の冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器を採用してもよい。この第2油冷却器44として、例えば、気液分離器26内に冷凍機油が流れる伝熱管が設けられた構成等を採用することが考えられる。
そして、本変形例においても、上述の変形例6と同様の作用効果を得ることができる。
(11)変形例8
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、気液分離器26と第1熱交換器としての室外熱交換器24との間を流れる冷媒(ここでは、暖房運転時において、気液分離器26から流出し、かつ、第1膨張機構としての室外膨張弁25で減圧される前の冷媒)によって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図16を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cには、気液分離器26と室外膨張弁25との間を流れる冷媒によって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図14の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。
次に、図16を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図16の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図16の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、気液分離器26から流出し、かつ、室外膨張弁25で減圧される前の冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、暖房運転時には、冷凍機油の熱を気液分離器26と室外膨張弁25との間を流れる冷媒の加熱に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。そして、第2油冷却器44において気液分離器26と室外膨張弁25との間を流れる冷媒が加熱されると、室外熱交換器24における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、室外熱交換器24における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
(12)変形例9
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、気液分離器26と第1熱交換器としての室外熱交換器24との間を流れる冷媒(ここでは、暖房運転時において、第1膨張機構としての室外膨張弁25で減圧された後で、かつ、室外熱交換器24に流入する前の冷媒)によって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図17を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cには、室外膨張弁25と室外熱交換器24の間を流れる冷媒によって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図14の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。
次に、図17を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図17の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図17の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、気液分離器26から流出し、かつ、室外膨張弁25で減圧される前の冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、暖房運転時には、冷凍機油の熱を室外膨張弁25と室外熱交換器24の間を流れる冷媒の加熱に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。そして、第2油冷却器44において室外膨張弁25において冷凍サイクルにおける低圧まで減圧された後の冷媒によって冷凍機油が冷却されると、冷凍機油の温度が非常に低くなり、一方、第2油冷却器44において室外熱交換器24内の冷媒が加熱されると、室外熱交換器24における蒸発負荷が小さくなる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、冷凍機油の温度を非常に低くすることが可能になり、また、室外熱交換器24における蒸発負荷を小さくすることが可能になるという利点がある。
(13)変形例10
上述の変形例9では、第2油冷却器44として、第1膨張機構としての室外膨張弁25と第1熱交換器としての室外熱交換器24との間を流れる冷媒によって冷凍機油を冷却する熱交換器を採用しているが、これに代えて、図18に示されるように、第2油冷却器44として、室外熱交換器24内の冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器を採用してもよい。この第2油冷却器44として、例えば、室外熱交換器24を流れる冷媒の一部を取り出して冷凍機油と熱交換を行う熱交換器等を採用することが考えられる。
そして、本変形例においても、上述の変形例9と同様の作用効果を得ることができる。
(14)変形例11
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、第1熱交換器としての室外熱交換器24と圧縮機構としての圧縮機21の間を流れる冷媒によって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図19を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cには、室外熱交換器24と圧縮機21の間を流れる冷媒(ここでは、冷媒循環方向切換弁23と圧縮機21の吸入との間を流れる冷媒)によって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図14の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。
次に、図19を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図19の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図19の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、室外熱交換器24と圧縮機21の間を流れる冷媒と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、暖房運転時には、冷凍機油の熱を室外熱交換器24と圧縮機21の間を流れる冷媒の加熱に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。そして、第2油冷却器44において冷凍サイクルにおける低圧の冷媒によって冷凍機油が冷却されると、冷凍機油の温度が非常に低くなる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、冷凍機油の温度を非常に低くすることが可能になるという利点がある。
(15)変形例12
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、第1熱交換器としての室外熱交換器24において発生したドレン水(すなわち、室外熱交換器24における室外空気と冷媒との熱交換の際に、室外空気中の水分が結露することによって発生するドレン水)によって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図20を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cには、室外熱交換器24において発生するドレン水によって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。この第2油冷却器44は、室外熱交換器24の下部に一体に設けられたり、室外熱交換器24において発生するドレン水を受けるドレンパン29に設けられることで、室外熱交換器24において発生するドレン水が供給されるようになっている。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図14の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。
次に、図20を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図20の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図20の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、室外熱交換器24において発生したドレン水と熱交換を行うことによって冷却されることになる。すなわち、暖房運転時には、冷凍機油の熱を室外熱交換器24において発生したドレン水の加熱に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。そして、第2油冷却器44において室外熱交換器24において発生したドレン水が加熱されると、室外熱交換器24やドレンパン29におけるドレン水の凍結や成長が抑えられる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、室外熱交換器24やドレンパン29におけるドレン水の凍結や成長を抑えることが可能になるという利点がある。
(16)変形例13
上述の実施形態及びその変形例1〜4では、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)においても、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)と同様に、油供給管41を流れる冷凍機油を第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却すると、暖房運転という空気調和装置1の各所にて加熱能力を必要とする運転であるにもかかわらず、単に室外に放熱することになってしまい、有効利用できないため、好ましいとはいえない。
そこで、本変形例では、油供給管41に、第1油冷却器42とは別に油供給管41を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器44と、冷房運転時に第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態と暖房運転時に第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構としての油冷却器切換弁45とをさらに設けて、冷房運転時には、第1油冷却器41において室外空気によって冷凍機油を冷却し、暖房運転時には、第2油冷却器44において、蓄熱材44aによって冷凍機油を冷却するようにしている。
ここでは、回収機構40を有する変形例1の構成を前提にして、本変形例の構成及び動作について説明する。まず、図21を用いて、本変形例の構成について説明する。
本変形例の油供給管41は、主として、油分離機構としての油分離器22の冷凍機油出口から延びる油出口管41aと、油出口管41aを2つに分岐する第1及び第2油分岐管41b、41cと、第1及び第2油分岐管41b、41cを合流する油合流管41dとを有している。第1油分岐管41bには、第1油冷却器42が設けられている。第2油分岐管41cには、蓄熱材44aによって冷凍機油を冷却する熱交換器である第2油冷却器44が設けられている。この第2油冷却器44は、蓄熱材44aに蓄えられた熱によって第1熱交換器としての室外熱交換器24と圧縮機構としての圧縮機21との間を流れる冷媒(ここでは、冷媒循環方向切換弁23と圧縮機21の吸入との間を流れる冷媒)を加熱することができるように構成されている。すなわち、第2油冷却器44は、第2油分岐管41cを流れる冷凍機油が通過する流路と、冷媒循環方向切換弁23と圧縮機21の吸入との間を流れる冷媒が通過する流路との間に蓄熱材44aが介在した構造を有している。油出口管41aと第1及び第2油分岐管41b、41cとの分岐部には、油冷却器切換弁45が設けられており、冷房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第1冷媒循環状態である場合)には、第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しかつ第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しない(ここでは、第2油分岐管41cを油管41eを介して圧縮機構としての圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第1油冷却器42を使用する第1油冷却状態(図13の油冷却器切換弁45の実線を参照)と、暖房運転時(すなわち、冷媒循環方向切換弁23が第2冷媒循環状態である場合)には、第2油分岐管41cを油出口管41aに接続しかつ第1油分岐管41bを油出口管41aに接続しない(ここでは、第1油分岐管41bを油管41eを介して圧縮機21の吸入側に接続する)ようにして、第2油冷却器44を使用する第2油冷却状態(図14の油冷却器切換弁45の破線を参照)とを切り換えることができるようになっている。第1油分岐管41bの第1油冷却器42の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第1逆止弁46が設けられている。第2油分岐管41cの第2油冷却器44の出口側には、油出口管41aから油合流管41dに向かう冷凍機油の流れのみを許容する第2逆止弁47が設けられている。油合流管41dには、回収機構40及び第1油供給弁43が設けられている。また、冷媒循環方向切換弁23と圧縮機21の吸入との間を接続する吸入管30には、第2油冷却器44をバイパスするバイパス冷媒管31が設けられている。そして、このバイパス冷媒管31には、バイパス冷媒管31への冷媒の流入を制御するバイパス弁32が設けられており、また、吸入管30には、第2油冷却器44への冷媒の流入を制御するデフロスト弁33が設けられている。
次に、図21を用いて、本変形例の動作について説明する。
冷房運転時には、油冷却器切換弁45が図21の実線で示される第1油冷却状態になるため、上述の変形例1における冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において室外空気と熱交換を行うことによって冷却されることになる。
一方、暖房運転時には、油冷却器切換弁45が図21の破線で示される第2油冷却状態になるため、油分離器22において分離された冷凍機油は、油冷却器切換弁45を通じて第2油分岐管41cに設けられた第2油冷却器44に送られて、第2油冷却器44において、蓄熱材44aと熱交換を行うことによって冷却されることになる。この際において、バイパス弁32は、開状態とされ、デフロスト弁33は、閉状態とされており、吸入管30を流れる冷媒と蓄熱材44aとの熱交換は行われない状態になっているため、冷凍機油の熱は、蓄熱材44aの加熱に使用されることになる。すなわち、暖房運転時には、冷凍機油の熱を蓄熱材44aの加熱に使用するようにしている点において、上述の変形例1と異なることになる。そして、第2油冷却器44において蓄熱材44aが加熱されて熱が蓄えられると、この蓄えられた熱を室外熱交換器24の除霜用の熱源として使用することができる。具体的には、室外熱交換器24の着霜が生じた際には、一時的に、冷媒循環方向切換弁23を第1冷媒循環状態に切り換えることで、冷房運転と同様の運転を行い、室外熱交換器24に圧縮機21から吐出される高温高圧の冷媒を通過させて、除霜運転を行うが、この際に、バイパス弁32を閉止し、かつ、デフロスト弁33を開けることで、吸入管30を流れる冷媒を蓄熱材44aによって加熱することで、圧縮機21から吐出される冷媒の温度をできる限り高温にして、室外熱交換器24の除霜を促進することができる。
これにより、本変形例では、暖房運転時であっても、油供給管41を流れる冷凍機油の熱を単に室外に放熱してしまうのではなく、有効に利用することができる。特に、本変形例では、室外熱交換器24の除霜用の熱源として使用することが可能になるという利点がある。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態及びその変形例では、冷媒を圧縮する単段圧縮型の圧縮機構としての圧縮機21と、圧縮機21において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する油分離機構としての油分離器22と、第1熱交換器としての室外熱交換器24と、第2熱交換器としての室内熱交換器52と、圧縮機21の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機21に供給するための油供給管41とを含む冷媒回路10において、冷媒回路10内を循環する冷媒の一部として気液分離器26において気液分離されたガス冷媒を分岐して圧縮機21に供給するための冷媒供給管27をさらに設けて、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管41から圧縮機21に供給する際に、冷媒供給管27を流れる冷媒を圧縮機21に供給するように構成しているが、このような構成を2段圧縮型等の多段圧縮型の圧縮機構としての圧縮機を含む冷媒回路を備えた空気調和装置に適用してもよい。以下に、本実施形態の空気調和装置101の構成及び動作について説明するが、第1実施形態及びその変形例と同じ符号を付した機器等については、本実施形態においても同じ構成を有しているため、説明を省略し、第1実施形態及びその変形例と異なる点について説明を行うものとする。
(1)空気調和装置の構成
図22は、本発明にかかる冷凍装置の第2実施形態としての空気調和装置101の概略構成図である。空気調和装置101は、主として、室外ユニット102と室内ユニット5と、室外ユニット102と室内ユニット5とを接続する液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7とを備えており、冷房運転と暖房運転を切り換え可能な冷媒回路110を構成している。また、冷媒回路110には、第1実施形態及びその変形例と同様、冷媒として二酸化炭素が、また、冷凍機油としてポリアルキレングリコール(PAG)が充填されている。そして、空気調和装置101は、臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮する超臨界冷凍サイクルを行うようになっている。
室外ユニット102は、液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7を介して室内ユニット5に接続されており、室内ユニット5の間で冷媒回路110を構成している。
室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路110bを有している。この室外側冷媒回路110bは、主として、圧縮機構としての圧縮機121と、油分離機構としての油分離器22と、油供給管141と、第1油冷却器42と、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23と、第1熱交換器としての室外熱交換器24と、第1膨張機構としての室外膨張弁25と、気液分離器26と、冷媒供給管27とを有している。
圧縮機121は、冷媒を圧縮するために設けられた多段(ここでは、二段)圧縮型の容積式圧縮機であり、主として、第1及び第2圧縮要素121a、121bと、圧縮要素121a、121bの両方を駆動する圧縮機モータ21bとを有している。圧縮要素121a、121bは、ロータリ型の圧縮要素である。すなわち、圧縮機121は、2つの圧縮要素121a、121bが単一の駆動軸に連結されており、2つの圧縮要素121a、121bがともに圧縮機モータ21bによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。そして、圧縮機121は、吸入管30から冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を第1圧縮要素121aによって圧縮した後に中間冷媒管133に吐出し、中間冷媒管133に吐出された冷媒を第2圧縮要素121bに吸入させて冷媒をさらに圧縮した後に吐出するように構成されている。ここで、中間冷媒管133は、第2圧縮要素121bの前段側に接続された第1圧縮要素121aから吐出された冷媒を、第1圧縮要素121aの後段側に接続された第2圧縮要素121bに吸入させるための冷媒管である。このように、圧縮機121は、本実施形態において、2つの圧縮要素121a、121bを有しており、これらの圧縮要素121a、121bのうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成されている。
油供給管141は、油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機121に供給するための油管である。より具体的には、油供給管141は、その一端が油分離器22の冷凍機油出口に接続され、その他端が圧縮機121の油供給ポート121cに接続されている。油供給ポート121cは、圧縮機121の第2圧縮要素121b内の圧縮行程の途中箇所に開口している。すなわち、本実施形態において、油供給管141は、油分離器22で分離された冷凍機油を圧縮機121の第2圧縮要素121bの圧縮行程の途中へ供給するように、圧縮機121に接続されている。
冷媒供給管127は、冷媒回路110内を循環する冷媒の一部を分岐して圧縮機121に供給するための冷媒管である。より具体的には、冷媒供給管27は、その一端が気液分離器26の気液分離されたガス冷媒が溜まる気相部に接続され、その他端が中間冷媒管133に接続されている。すなわち、本実施形態において、冷媒供給管127は、気液分離器26において気液分離されたガス冷媒を圧縮機121の第2圧縮要素121bの吸入側へ供給するように、圧縮機121に接続されている。
以上のように、本実施形態の空気調和装置101は、冷媒を圧縮する多段圧縮型の圧縮機構としての圧縮機121と、圧縮機121において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する油分離機構としての油分離器22と、第1熱交換器としての室外熱交換器24と、第2熱交換器としての室内熱交換器52と、圧縮機121の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機121に供給するための油供給管141とを含む冷媒回路110を備えている。そして、冷媒回路110には、冷媒回路110内を循環する冷媒の一部として気液分離器26において気液分離されたガス冷媒を分岐して圧縮機121に供給するための冷媒供給管127がさらに設けられており、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管141から圧縮機121に供給する際に、冷媒供給管127を流れる冷媒を圧縮機121に供給するように構成されている。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置101の動作について、図22を用いて説明する。
<冷房運転>
冷房運転時は、冷媒循環方向切換機構としての冷媒循環方向切換弁23が図22の実線で示される第1冷媒循環状態とされる。第1膨張機構としての室外膨張弁25及び第2膨張機構としての室内膨張弁51は、開度調節される。また、第1油供給弁43及び第1冷媒供給弁28は、開状態にされる。
この冷媒回路110の状態において、低圧の冷媒は、圧縮機構としての圧縮機121に吸入されて、まず、第1圧縮要素121aによって冷凍サイクルにおける中間圧力まで圧縮された後に、中間冷媒管133に吐出される。この前段側の第1圧縮要素121aから吐出された中間圧の冷媒は、第1圧縮要素121aの後段側に接続された第2圧縮要素121bに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機121から吐出される。ここで、圧縮機121から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素121a、121bによる二段圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮されている。この圧縮機121から吐出された高圧の冷媒は、油分離機構としての油分離器22に送られる。この高圧の冷媒は、油分離器22において冷凍機油が分離される。冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒は、冷媒出口から冷媒循環方向切換弁23を通じて第1熱交換器としての室外熱交換器24に送られ、冷却媒体としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。この室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、室外膨張弁25によって減圧されて、気液二相状態の冷媒となる。この室外膨張弁25において気液二相状態になった冷媒は、気液分離器26において気液分離が行われて、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。この気液分離器26において分離された液冷媒は、液冷媒連絡管6を通じて室外ユニット102から室内ユニット5に送られる。この室内ユニット5に送られた液冷媒は、室内膨張弁51において減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となる。この室内膨張弁51において低圧になった冷媒は、第2熱交換器としての室内熱交換器52に送られ、加熱媒体としての室内空気等と熱交換を行うことによって蒸発する。この室内熱交換器52において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管7を通じて室内ユニット5から室外ユニット102に送られる。この室外ユニット102に送られた低圧の冷媒は、冷媒循環方向切換弁23を通じて圧縮機121に再び吸入される。
このような冷房運転時には、空気調和装置101の成績係数(COP)を改善することを目的として、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管141を通じて圧縮機121に供給するようにしている。より具体的には、油分離器22において分離された冷凍機油は、第1油冷却器42において、冷却媒体としての室外空気と熱交換を行うことによって冷却された後に、圧縮機121の第2圧縮要素121bに設けられた油供給ポート21cから第2圧縮要素121b内の圧縮行程の途中箇所に供給される。これにより、圧縮機121では、第2圧縮要素121bの圧縮行程中の冷媒が冷却されて、圧縮機121の第2圧縮要素121b内の圧縮行程が等温圧縮に近づくようになる。しかも、この油供給管141を通じて圧縮機121に冷凍機油を供給する際には、冷媒回路110内を循環する冷媒の一部としての気液分離器26において分離されたガス冷媒を冷媒供給管127を通じて圧縮機121の第2圧縮要素121bに供給するようにしている。より具体的には、気液分離器26において分離されたガス冷媒は、冷媒供給管127から中間冷媒管133を流れる冷媒に合流して第2圧縮要素121bに供給される。これにより、中間冷媒管133を流れる冷媒は、冷媒供給管127からのガス冷媒によって冷却されることになり、圧縮機121の第2圧縮要素121bでは、冷凍機油の供給による圧縮機121の第2圧縮要素121bの圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機121の第2圧縮要素121bの圧縮行程中における冷媒の冷却効果がさらに向上することになる。
<暖房運転時>
暖房運転時は、冷媒循環方向切換弁23が図22の破線で示される第2冷媒循環状態とされる。室外膨張弁25及び室内膨張弁51は、開度調節される。また、第1油供給弁43及び第1冷媒供給弁28は、開状態にされる。
この冷媒回路110の状態において、低圧の冷媒は、圧縮機121に吸入されて、圧縮機構としての圧縮機121に吸入されて、まず、第1圧縮要素121aによって冷凍サイクルにおける中間圧力まで圧縮された後に、中間冷媒管133に吐出される。この前段側の第1圧縮要素121aから吐出された中間圧の冷媒は、第1圧縮要素121aの後段側に接続された第2圧縮要素121bに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機121から吐出される。ここで、圧縮機121から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素121a、121bによる二段圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮されている。この圧縮機121から吐出された高圧の冷媒は、油分離機構としての油分離器22に送られる。この高圧の冷媒は、油分離器22において冷凍機油が分離される。冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒は、冷媒出口から冷媒循環方向切換弁23及びガス冷媒連絡管7を通じて室外ユニット102から室内ユニット5に送られる。この室内ユニット5に送られた冷媒は、室内熱交換器52において冷却媒体としての室内空気等と熱交換を行うことによって放熱する。この室内交換器52において放熱した高圧の冷媒は、室内膨張弁51によって減圧されて、気液二相状態の冷媒となる。この室内膨張弁51において気液二相状態になった冷媒は、液冷媒連絡管6を通じて室内ユニット5から室外ユニット102に送られる。この室外ユニット102に送られた冷媒は、気液分離器26において気液分離が行われて、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。この気液分離器26において分離された液冷媒は、室外膨張弁25において減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧の気液二相状態の冷媒となる。この室外膨張弁25において低圧になった冷媒は、室外熱交換器24に送られ、加熱媒体としての室外空気と熱交換を行うことによって蒸発する。この室外熱交換器24において蒸発した低圧の冷媒は、冷媒循環方向切換弁23を通じて圧縮機121に再び吸入される。
このような暖房運転時においても、冷房運転時と同様に、空気調和装置1の成績係数(COP)を改善することを目的として、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管141を通じて圧縮機121の第2圧縮要素121bに供給するとともに、この際に、冷媒回路110内を循環する冷媒の一部としての気液分離器26において分離されたガス冷媒を冷媒供給管127を通じて圧縮機121の第2圧縮要素121bに供給するようにしている。これにより、圧縮機121では、冷凍機油の供給による圧縮機121の第2圧縮要素121bの圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、圧縮機121の第2圧縮要素121bの圧縮行程中における冷媒の冷却効果がさらに向上することになる。
以上のように、本実施形態のような多段(ここでは、二段)圧縮型の圧縮機構としての圧縮機121を含む冷媒回路110においても、圧縮機121の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離器22において分離された冷凍機油を圧縮機121に供給するための油供給管141を設けるとともに、冷媒回路110内を循環する冷媒の一部として気液分離器26において気液分離されたガス冷媒を分岐して圧縮機121に供給するための冷媒供給管127をさらに設けて、油分離器22において分離された冷凍機油を油供給管141から圧縮機121に供給する際に、冷媒供給管127を流れる冷媒を圧縮機121に供給するように構成することで、冷凍機油の供給による圧縮機121の圧縮行程中における冷媒の冷却効果だけでなく、冷媒の供給による冷却効果が加わることになり、第1実施形態と同様、圧縮機121の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができる。
(3)変形例
上述の第2実施形態の空気調和装置101において、第1実施形態の変形例1〜13を適用してもよく、この場合であっても、第1実施形態の変形例1〜13と同様の作用効果を得ることができる。
尚、第1実施形態の変形例2、3、4では、冷媒供給ポート21dが設けられているが、第2実施形態に第1実施形態の変形例2、3、4を適用する場合には、冷媒供給ポート21dは不要となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
<A>
上述の実施形態及びその変形例では、室内ユニット5は1台であったが、複数台であってもよい。また、上述の実施形態及びその変形例では、室内ユニット5に室内膨張弁51が設けられているが、室外ユニット2、102の気液分離器26の液冷媒連絡管6側に設けられていてもよい。
<B>
上述の実施形態及びその変形例では、圧縮機21、121は、ロータリ型の圧縮機であったが、これに限定されず、スクロール型等の他の型式の圧縮機であってもよい。また、上述の実施形態及びその変形例では、1台の圧縮機21、121が設けられているが、2台以上の圧縮機が並列に接続されていてもよい。
<C>
上述の実施形態及びその変形例では、冷媒循環方向切換弁23や油冷却器切換弁45として四路切換弁を採用しているが、複数の電磁弁等を組み合わせることで冷媒循環方向切換弁23や油冷却器切換弁45と同様の機能を得るようにしてもよい。また、上述の第1実施形態の変形例13におけるバイパス弁32及びデフロスト弁33に代えて、三方弁等を採用してもよい。
<D>
上述の実施形態及びその変形例では、油分離器22で分離された冷凍機油を圧縮要素21a、121bの圧縮途中に供給するようにしているが、圧縮要素121aの圧縮途中や圧縮要素21a、121bの吸入側に供給するようにしてもよい。
本発明を利用すれば、圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように油分離機構において分離された冷凍機油を圧縮機構に供給するための油供給管を備えた冷凍装置において、圧縮機構の圧縮行程中における冷媒の冷却効果をさらに向上させることができる。
本発明にかかる冷凍装置の第1実施形態としての空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例1にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例2にかかる空気調和装置における圧縮機の動作中の第1の状態を示す横断面図である。 第1実施形態の変形例2にかかる空気調和装置における圧縮機の動作中の第2の状態を示す横断面図である。 第1実施形態の変形例2、3にかかる制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の変形例3にかかる空気調和装置における圧縮機の動作中の第1の状態を示す横断面図である。 第1実施形態の変形例3にかかる空気調和装置における圧縮機の動作中の第2の状態を示す横断面図である。 第1実施形態の変形例4にかかる制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の変形例4にかかる空気調和装置における圧縮機の第1の状態を示す横断面図である。 第1実施形態の変形例4にかかる空気調和装置における圧縮機の第2の状態を示す横断面図である。 比較例の圧縮機での等温圧縮による動力削減効果を示すグラフである。 第1実施形態の変形例4にかかる空気調和装置における圧縮機での等温圧縮による動力削減効果を示すグラフである。 第1実施形態の変形例5にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例6にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例7にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例8にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例9にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例10にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例11にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例12にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第1実施形態の変形例13にかかる空気調和装置の概略構成図である。 第2実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。
符号の説明
1、101 空気調和装置(冷凍装置)
10、110 冷媒回路
21、121 圧縮機(圧縮機構)
22 油分離器(油分離機構)
23 冷媒循環方向切換弁(冷媒循環方向切換機構)
24 室外熱交換器(第1熱交換器)
26 気液分離器
27、127 冷媒供給管
40 回収機構
41、141 油供給管
42 第1油冷却器
44 第2油冷却器
44a 蓄熱材
45 油冷却器切換弁(油冷却器切換機構)
52 室内熱交換器(第2熱交換器)

Claims (13)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構(21、121)と、前記圧縮機構において圧縮された冷媒中から冷凍機油を分離する油分離機構(22)と、前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能することが可能な第1熱交換器(24)と、前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能することが可能な第2熱交換器(52)と、前記圧縮機構の圧縮行程中の冷媒を冷却するように前記油分離機構において分離された冷凍機油を前記圧縮機構に供給するための油供給管(41、141)とを含む冷媒回路(10、110)を備えた冷凍装置であって、
    前記冷媒回路には、前記冷媒回路内を循環する冷媒の一部を分岐して前記圧縮機構に供給するための冷媒供給管(27、127)がさらに設けられており、
    前記油分離機構において分離された冷凍機油を前記油供給管から前記圧縮機構に供給する際に、前記冷媒供給管を流れる冷媒を前記圧縮機構に供給する、
    冷凍装置(1、101)。
  2. 前記油供給管(41、141)には、前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第1油冷却器(42)が設けられている、請求項1に記載の冷凍装置(1、101)。
  3. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)と前記第2熱交換器(52)との間を流れる冷媒を気液分離する気液分離器(26)がさらに設けられており、
    前記冷媒供給管(27、127)は、前記気液分離器において分離されたガス冷媒を前記圧縮機構(21、121)に供給するように設けられており、
    前記冷媒回路内を循環する冷媒の一部は、前記気液分離器において分離されたガス冷媒である、
    請求項2に記載の冷凍装置(1、101)。
  4. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器(52)を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2熱交換器は、室内の熱負荷を処理することによって冷媒の放熱又は蒸発を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、室内の熱負荷を処理することによって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項2又は3に記載の冷凍装置(1、101)。
  5. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器(52)を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、前記第2熱交換器と前記気液分離器(26)との間を流れる冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項3に記載の冷凍装置(1、101)。
  6. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器(52)を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、前記気液分離器(26)内の冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項3に記載の冷凍装置(1、101)。
  7. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器(52)を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、前記気液分離器(26)と前記第1熱交換器との間を流れる冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項3に記載の冷凍装置(1、101)。
  8. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器(52)を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、前記第1熱交換器内の冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項2又は3に記載の冷凍装置(1、101)。
  9. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器(52)を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、前記第1熱交換器と前記圧縮機構との間を流れる冷媒によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項2又は3に記載の冷凍装置(1、101)。
  10. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1熱交換器は、室外空気によって冷媒の放熱又は蒸発を行う熱交換器であり、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、前記第1熱交換器において発生するドレン水によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項2又は3に記載の冷凍装置(1、101)。
  11. 前記冷媒回路(10、110)には、前記第1熱交換器(24)を前記圧縮機構(21、121)において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第2熱交換器(52)を前記第1熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第1冷媒循環状態と、前記第2熱交換器を前記圧縮機構において圧縮された冷媒の放熱を行う放熱器として機能させ、かつ、前記第1熱交換器を前記第2熱交換器において放熱した冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる第2冷媒循環状態とを切り換える冷媒循環方向切換機構(23)がさらに設けられており、
    前記油供給管(41、141)には、前記第1油冷却器(42)とは別に前記油供給管を流れる冷凍機油を冷却する第2油冷却器(44)と、前記第1冷媒循環状態である場合に前記第1油冷却器を使用する第1油冷却状態と前記第2冷媒循環状態である場合に前記第2油冷却器を使用する第2油冷却状態とを切り換える油冷却器切換機構(45)とがさらに設けられており、
    前記第1熱交換器は、室外空気によって冷媒の放熱又は蒸発を行う熱交換器であり、
    前記第1油冷却器は、室外空気によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器であり、
    前記第2油冷却器は、蓄熱材(44a)によって冷凍機油の冷却を行う熱交換器である、
    請求項2又は3に記載の冷凍装置(1、101)。
  12. 前記油供給管(41、141)には、前記油供給管を流れる冷凍機油のエネルギーを回収する回収機構(40)がさらに設けられている、請求項1〜11のいずれかに記載の冷凍装置(1、101)。
  13. 前記圧縮機構(21、121)は、臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮する、請求項1〜12のいずれかに記載の冷凍装置(1、101)。
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