JP6019837B2 - ヒートポンプシステム - Google Patents

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本発明は、冷熱と温熱を同時に取り出すヒートポンプシステムに関するものである。
従来より、蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路を備えたヒートポンプシステムが知られている。そして、これらのヒートポンプシステムの中には、特許文献1に示すように、冷熱と温熱を同時に取り出すことが可能なものがある。
例えば5℃の冷水と60℃の温水を必要とする工場の生産ラインがあるとする。この場合において、ヒートポンプシステムの冷媒回路の蒸発器で5℃の冷水を生成し、ヒートポンプシステムの冷媒回路の放熱器で60℃の温水を生成する。これにより、1つの冷媒回路で冷水と温水の生成が可能である。
特開2001−349639号公報
しかしながら、ヒートポンプシステムの冷媒回路の熱収支が釣り合うように、5℃の冷水を生成する蒸発器の冷却能力と60℃の温水を生成する放熱器の加熱能力とが設定される場合は少なく、放熱器の加熱能力が蒸発器の冷却能力よりも大きくなることによってヒートポンプシステムの冷媒回路の熱収支が放熱過多になったり、蒸発器の冷却能力が放熱器の加熱能力よりも大きくなることによってヒートポンプシステムの冷媒回路の熱収支が吸熱過多になったりした場合に、効率の高い運転ができないという問題がある。
また、工場の生産ラインでは、異なる温度の流体が必要な場合がある。例えば、60℃の温水と120℃の蒸気との両方が必要な場合には、ヒートポンプシステムの冷媒回路に2つの放熱器を接続し、一方の放熱器で60℃の温水を生成し、他方の放熱器で120℃の蒸気を生成することが考えられる。しかしながら、このヒートポンプシステムの冷媒回路において、120℃の蒸気を生成するために必要な高圧圧力に設定した場合、60℃の温水の放熱器にとっては、過剰に高圧圧力を高くしていることになる。このため、ヒートポンプシステムを効率良く運転することができないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヒートポンプシステムの冷媒回路における熱収支のアンバランスを解消しつつ、複数の対象流体をそれぞれ異なる温度に効率よく加熱することが可能なヒートポンプシステムを提供することにある。
第1の発明は、複数の高温側熱交換器(14)の一次側流路(14a)と複数の低温側熱交換器(54)の一次側流路(54b)とが接続されて冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルの熱源側回路(20)を有する熱源側ユニット(120)と、上記各高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)と放熱器(12)とが接続されて冷媒が循環し、上記高温側熱交換器(14)で上記二次側流路(14b)の冷媒が上記一次側流路(14a)の冷媒から吸熱して蒸発し、上記放熱器(12)で冷媒が第1対象流体へ放熱して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う高温側回路(10a,10b)を有する高温側ユニット(110a,110b)と、上記各低温側熱交換器(54)の二次側流路(54a)と蒸発器(52)とが接続されて冷媒が循環し、上記低温側熱交換器(54)で上記二次側流路(54a)の冷媒が上記一次側流路(54b)の冷媒へ放熱して、上記蒸発器(52)で冷媒が第2対象流体から吸熱して蒸発して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う低温側回路(50)を有する低温側ユニット(150)とを備え、上記熱源側回路(20)は、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の放熱器となり、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の蒸発器となって、上記熱源側回路(20)の冷媒と被熱交換流体とを熱交換する補助熱交換器(25)が接続され、上記複数の高温側ユニット(110a,110b)は、第1対象流体を加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を第1高温側ユニット(110a)よりも高い温度に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは冷媒が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含んでいる。
第1の発明では、低温側熱交換器(54)及び高温側熱交換器(14)がいわゆるカスケード熱交換器となって、熱源側回路(20)は低温側熱交換器(54)を通じて低温側回路(50)から吸熱し、高温側熱交換器(14)を通じて高温側回路(10a,10b)へ放熱する。ここで、補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支のアンバランスに応じて、上記補助熱交換器(25)の動作が切り換わる。その熱収支が吸熱過多の場合に補助熱交換器(25)が放熱器として動作し、その熱収支が放熱過多の場合に補助熱交換器(25)が蒸発器として動作し、外気や排熱などと熱交換する。
そして、上記低温側ユニット(150)の低温側回路(50)は、第2対象流体の目標温度に応じて、第2対象流体を冷却する。また、各高温側ユニット(110a,110b)の高温側回路(10a,10b)は、それぞれの第1対象流体の目標温度に応じて、第1対象流体を加熱する。
第2の発明は、第1の発明において、上記複数の高温側ユニット(110a,110b)が、第1対象流体を加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を第1高温側ユニット(110a)よりも高い温度に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは冷媒が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含むのに代えて、第1対象流体を所定温度未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を上記所定温度以上に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは構成が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含み、上記第1高温側ユニット(110a)は、該第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10a)を冷媒が循環することにより、上記第1対象流体を100℃未満に加熱するように構成され、上記第2高温側ユニット(110b)は、該第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)を、上記第1高温側ユニット(110a)の冷媒の臨界温度よりも高く且つ上記第1対象流体の目標温度よりも高い臨界温度の冷媒が循環することにより、上記第1対象流体を100℃以上に加熱するように構成されている。
第2の発明では、上記第2高温側ユニット(110b)の冷媒の臨界温度が上記第1高温側ユニット(110a)の冷媒の臨界温度よりも高く、且つ上記第2高温側ユニット(110b)の冷媒の臨界温度が上記第1対象流体の目標温度よりも高い。このような臨界温度を有する冷媒が、第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)を循環することによって、上記第1対象流体が100℃以上に加熱される。
第3の発明は、第1の発明において、上記複数の高温側ユニット(110a,110b)が、第1対象流体を加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を第1高温側ユニット(110a)よりも高い温度に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは冷媒が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含むのに代えて、第1対象流体を所定温度未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を上記所定温度以上に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは構成が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含み、上記第1高温側ユニット(110a)は、該第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10a)に1つの高温側圧縮機構(11)が接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うことにより、上記第1対象流体を100℃未満に加熱するように構成され、上記第2高温側ユニット(110b)は、該第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10b)に低段側の高温側圧縮機構(11a)と、該低段側の高温側圧縮機構(11a)で圧縮した冷媒をさらに圧縮する高段側の高温側圧縮機構(11b)とが接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うことにより、上記第1対象流体を100℃以上に加熱するように構成されている。
第3の発明では、第1高温側ユニット(110a)及び第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10a,10b)の回路構成を互いに異ならせることにより、第1高温側ユニット(110a)及び第2高温側ユニット(110b)の構成を異ならせている。
第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10a)では、1つの高温側圧縮機構(11)で圧縮された冷媒が循環して上記第1対象流体を100℃未満に加熱する。一方、第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)では、低段側の高温側圧縮機構(11a)で圧縮した後にさらに高段側の高温側圧縮機構(11b)で圧縮された冷媒が循環して上記第1対象流体を100℃以上に加熱する。
第4の発明は、第3の発明において、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)は、冷媒として臨界温度が上記放熱器(12)による上記第1対象流体の加熱温度を超える冷媒が用いられ、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)において高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)から流出した冷媒の乾き度が1未満となるように冷凍サイクルを行わせる第1動作を行う制御部(100)を備えている。
第4の発明では、上記第2高温側ユニット(110b)の放熱器(12)において第1対象流体を100℃以上に加熱するが、冷媒として臨界温度が上記放熱器(12)による上記第1対象流体の加熱温度を超える冷媒が用いられるので、冷凍サイクルにおいて超臨界域ではなく凝縮域をとることができる。一方、このような冷媒は、常温(25℃)では低圧で密度が非常に小さいことから、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)において必要流量を稼ぐためには冷媒の流速を高くする必要がある。冷媒の流速が高くなると、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)において圧力損失が増大して、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)のCOP(成績係数)が低下する。そこで、本発明では、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)の出口冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となるようにしているため、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)を流れる冷媒の密度は高くなる。そのため、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)において冷媒の流速を高くしなくても必要流量が確保される。
第5の発明は、第4の発明において、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)は、上記放熱器(12)から流出した冷媒と該冷媒の分岐冷媒とが熱交換する過冷却熱交換器(15)と、該過冷却熱交換器(15)で熱交換した上記分岐冷媒を、上記低段側の高温側圧縮機構(11a)から吐出された冷媒と合流させた後に上記高段側の高温側圧縮機構(11b)へ吸入させるインジェクション通路(30)と、該インジェクション通路(30)を流れる上記分岐冷媒の流量調整機構(23,26)とを備えている。
第5の発明では、第2高温側ユニット(110b)の高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)の出口冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となることで、高温側圧縮機構(11a,11b)の吐出冷媒の温度(吐出温度)が低下し、必要な吐出温度を確保し難くなるおそれがある。そこで、本発明では、過冷却熱交換器(15)において放熱器(12)の出口冷媒が過冷却される一方、分岐冷媒が加熱され、その加熱された分岐冷媒が上記低段側及び高段側の高温側圧縮機構(11a,11b)の間の冷媒(上記低段側の高温側圧縮機構(11a)から吐出されて上記高段側の高温側圧縮機構(11b)へ吸入される前の冷媒)と合流する。そうすると、高温側圧縮機構(11a,11b)において、圧縮途中の冷媒の状態(乾き度、過熱度)が変化し、これに伴って、吐出温度が変化する。そして、圧縮途中の冷媒と合流する分岐冷媒の流量が流量調整機構(23,26)によって調整されることで、高温側圧縮機構(11a,11b)の吐出温度が必要温度に調整される。
第6の発明は、第1から第5の何れか1つの発明おいて、上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)は、上記冷媒を循環させる容量可変の熱源側圧縮機構(21)が接続される一方、上記制御部(100)は、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多の場合に該熱源側回路(20)の低圧圧力が低圧設定値になるように上記熱源側圧縮機構(21)の運転容量を調整する第2動作と、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の高圧圧力が高圧設定値になるように上記熱源側圧縮機構(21)の運転容量を調整する第3動作とを行うように構成されていることを備えている。
第6の発明では、補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多になると、熱源側回路(20)の熱収支のアンバランス分のみの吸熱量を増やすようにヒートポンプシステムの運転が制御される。具体的には、補助熱交換器(25)が熱源側回路(20)の蒸発器に切り換わり、上記熱源側回路(20)の高圧圧力が高圧設定値になるように上記熱源側圧縮機構(21)の運転容量が調整される。
一方、補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多になると、熱源側回路(20)の熱収支のアンバランス分のみの放熱量を増やすようにヒートポンプシステムの運転が制御される。具体的には、補助熱交換器(25)が熱源側回路(20)の放熱器に切り換わり、上記熱源側回路(20)の低圧圧力が低圧設定値になるように上記熱源側圧縮機構(21)の運転容量が調整される。
本発明によれば、第1対象流体を加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を第1高温側ユニット(110a)よりも高い温度に加熱する第2高温側ユニット(110b)との冷媒を異ならせる。つまり、各高温側ユニット(110a,110b)の第1対象流体の加熱温度、言い換えれば温度差(第1対象流体と冷媒との温度差)に合わせて、例えば各高温側ユニット(110a,110b)に、コストや効率面を考えた適正な冷媒を採用する。これにより、1つのヒートポンプシステムで異なる温度の第1対象流体を効率よく生成することができる。
また、補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支に応じて、熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)を放熱器又は蒸発器に切り換えるようにし、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多のときに熱収支のアンバランス分のみを熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で吸熱し、熱収支が吸熱過多のときに熱収支のアンバランス分のみを熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で放熱し、熱収支をバランスすることができる。
さらに、熱源側回路(20)で行う熱収支のアンバランス分の処理は、第1対象流体への加熱温度と第2対象流体への冷却温度の中間温度となる、例えば外気から行う。そのため、熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で吸熱を行う場合、第2対象流体を冷却するのに必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の蒸発温度を下げる必要がなく、外気から吸熱するために必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の蒸発温度を下げればよいため、アンバランス分の吸熱に必要な熱源側回路(20)の入力が低減される。
また、熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で放熱を行う場合、第1対象流体を加熱するのに必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の凝縮温度を上げる必要がなく、外気へ放熱するために必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の凝縮温度を上げればよいため、アンバランス分の放熱に必要な熱源側回路(20)の入力が低減される。
したがって、第1対象流体への加熱と第2対象流体への冷却の間で、効果的に排熱回収を行うことができ、ヒートポンプシステムを効率良く運転することができる。
また、各高温側ユニット(110a,110b)と熱源側回路(20)とが、各高温側ユニット(110a,110b)の高温側熱交換器(14)を介して、カスケード的に接続されるようにした。これにより、各高温側ユニット(110a,110b)ごとに設定された第1対象流体の目標温度に応じて、各高温側ユニット(110a,110b)の放熱器(12)の高圧圧力を異ならせることができ、各放熱器(12)ごとに最適な高圧圧力となるようにヒートポンプシステムを運転することができる。
したがって、従来のヒートポンプとは違い、第1対象流体の目標温度が最も高い放熱器に合わせて各放熱器(12)の高圧圧力が一律に設定されるものではないため、過剰に高温側回路(10a,10b)の高圧圧力が高くなるという事態が生じず、ヒートポンプシステムを効率良く運転することができる。
また、上記第2の発明によれば、第1対象流体を100℃以上に加熱する第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)と、第1対象流体を100℃未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10a)とで、臨界温度の異なる冷媒を利用するようにした。そして、第1対象流体の加熱温度が100℃以上の第2高温側ユニット(110b)には、臨界温度が上記第1対象流体の目標温度よりも高い冷媒を用いるようにしたので、第1高温側ユニット(110a)と同じ冷媒を用いる場合に比べて、冷凍サイクルにおいて超臨界域になることなく、必ず凝縮域をとることができるため、第1対象流体を100℃以上まで容易に効率良く加熱することができる。
また、上記第3の発明によれば、上記第1高温側ユニット(110a)及び上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10a,10b)のうち、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)の方を、二段圧縮により冷凍サイクルを行うことができる構成にしたので、冷凍サイクルにおける高圧圧力と低圧圧力の圧力差(高低圧差)が大きくても、各圧縮機構(11a,11b)の圧縮比を小さくでき、単段圧縮の冷凍サイクルの場合に比べて、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)のCOPを向上させることができる。
また、上記第4の発明によれば、臨界温度が100℃を超える冷媒を用いているが、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)の出口冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となるようにしたため、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)において冷媒の流速を高くしなくても必要流量(必要能力)を確保することができる。これにより、冷凍サイクルにおいて超臨界域ではなく凝縮域を確実にとりつつも、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)における圧力損失を低減することができる。その結果、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)のCOPを向上させることが可能である。
また、過熱ガス冷媒は湿り冷媒と比べて比体積が大きく流速が高くなることから、複数のパスを有する高温側熱交換器(14)では、一部のパスに過熱ガス冷媒が発生すると、そのパスは他のパスよりも圧力損失が増大する。そのため、過熱ガス冷媒が発生したパスには冷媒が流入しにくくなり、他のパスに偏って冷媒が流入するという偏流が生じてしまう。ところが、本発明では、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)の出口冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となるようにしているため、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)では過熱ガス冷媒は発生しない。したがって、高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)における冷媒の偏流を抑制することができる。これによって、高温側熱交換器(14)全体を有効活用できるので、高温側熱交換器(14)の熱交換能力を向上させることができ、その結果、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)のCOP(成績係数)を一層向上させることが可能である。
また、上記第5の発明によれば、第2高温側ユニット(110b)の過冷却熱交換器(15)で加熱された分岐冷媒を高温側圧縮機構(11a,11b)における圧縮途中の冷媒に合流させるインジェクション通路(30)と、該インジェクション通路(30)を流れる分岐冷媒の流量調整機構(23,26)とを備えるようにした。そのため、高温側圧縮機構(11a,11b)における圧縮途中の冷媒の状態(乾き度、過熱度)を調整して、高温側圧縮機構(11a,11b)の吐出温度を調整することが可能である。これにより、確実に高温側圧縮機構(11a,11b)の吐出温度を必要温度にすることができ、その結果、放熱器(12)において高圧冷媒の必要温度を確保できるので十分な加熱能力を発揮させることができる。
また、上記第6の発明によれば、熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多のときには、上記熱源側回路(20)の低圧圧力が最適値に制御されるので、ヒートポンプシステムの運転の効率化を図ることができる。また、熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多のときには、上記熱源側回路(20)の高圧圧力が最適値に制御されるので、ヒートポンプシステムの運転の効率化を図ることができる。
図1は、本実施形態のヒートポンプシステムの冷媒回路図である。 図2は、ヒートポンプシステムの放熱過多運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 図3は、ヒートポンプシステムの吸熱過多運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 図4は、本実施形態の第2高温側回路の冷媒回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態のヒートポンプシステムは、例えば炭酸飲料の生産ラインに用いられるものであって、冷熱及び温熱の同時取り出しが可能である。このヒートポンプシステムの温熱は、炭酸飲料に係る原料の糖処理及び滅菌処理、これらの処理を経た原料に炭酸を注入したものの殺菌処理等利用される。一方、ヒートポンプシステムの冷熱は、上述した滅菌処理後及び殺菌処理後の冷却処理、原料に炭酸を注入する際の冷却処理等に利用される。
このヒートポンプシステムは、図1に示すように、熱源側ユニット(120)と第1高温側ユニット(110a)と複数の第2高温側ユニット(110b)と複数の低温側ユニット(150)とコントローラ(100)とを備えている。また、熱源側ユニット(120)には熱源側回路(20)が設けられ、第1高温側ユニット(110a)には第1高温側回路(高温側回路)(10a)が設けられ、第2高温側ユニット(110b)には第2高温側回路(高温側回路)(10b)が設けられ、低温側ユニット(150)には低温側回路(50)が設けられている。
本実施形態では、第1高温側ユニット(110a)及び第2高温側ユニット(110b)の構成を異ならせている。そして、これらの構成を異ならせることによって、第1高温側ユニット(110a)の第1高温側回路(10a)は100℃未満で第1対象流体を加熱するに適切な冷媒回路に構成され、第2高温側ユニット(110b)の第2高温側回路(10b)は100℃以上で第1対象流体を加熱するに適切な冷媒回路に構成される。
熱源側回路(20)と各高温側回路(10a,10b)とは、該各高温側回路(10a,10b)に対応する高温側カスケード熱交換器(高温側熱交換器)(14)を介して互いに接続される。また、熱源側回路(20)と各低温側回路(50)とは、該各低温側回路(50)に対応する低温側カスケード熱交換器(低温側熱交換器)(54)を介して互いに接続される。
上記低温側ユニット(150)の低温側回路(50)は、低温側圧縮機(51)と低温側カスケード熱交換器(54)と低温側蒸発器(52)と低温側膨張弁(53)とが冷媒配管で接続されてなる。
上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)は、熱源側圧縮機(熱源側圧縮機構)(21)と熱源側熱交換器(補助熱交換器)(25)と高温側カスケード熱交換器(14)と熱源側膨張弁(22)と低温側カスケード熱交換器(54)と三方弁(26)と高温側流路調整弁(62)と低温側減圧弁(63)とが冷媒配管で接続されてなる。尚、後述するが、上記三方弁(26)の切換動作により、上記熱源側熱交換器(25)が蒸発器として機能したり、凝縮器として機能したりする。
第1高温側ユニット(110a)の第1高温側回路(10a)は、高温側圧縮機(高温側圧縮機構)(11)と高温側凝縮器(放熱器)(12)と高温側膨張弁(13)と高温側カスケード熱交換器(14)とが冷媒配管で接続されてなる。この第1高温側回路(10a)には、R134aが封入されている。
第2高温側ユニット(110b)の第2高温側回路(10b)は、低段側圧縮機(低段側圧縮機構)(11a)と高段側圧縮機(高段側圧縮機構)(11b)と高温側凝縮器(放熱器)(12)と高温側膨張弁(13)と高温側カスケード熱交換器(14)と過冷却熱交換器(15)とインジェクション通路(30)と第1流量調整弁(23)と第2流量調整弁(26)とが冷媒配管によって接続されている。この第2高温側回路(10b)には、R245faが封入されている。このように、本実施形態では、冷媒の種類を異ならせることで、第1高温側ユニット(110a)と第2高温側ユニット(110b)との構成を異ならせている。
ここで、第2高温側ユニット(110b)のR245faの臨界温度は、第1高温側ユニット(110a)のR134aの臨界温度よりも高い。また、このR245faの臨界温度は、第2高温側ユニット(110b)の第1対象流体の目標温度(本実施形態では120℃)よりも高い。このように、第1対象流体の加熱温度が高い方のユニット(第2高温側ユニット)に臨界温度の高い冷媒を封入するようにして、第1対象流体を100℃以上まで容易に効率よく加熱することを可能にしている。
また、上記熱源側回路(20)にはR410Aが封入されている。また、上記低温側回路(50)には、臨界温度がR410A以下である冷媒が封入されている。
次に、熱源側ユニット(120)と第1高温側ユニット(110a)と低温側ユニット(150)との要素機器について説明する。
(圧縮機と膨張弁)
第1高温側ユニット(110a)の高温側圧縮機(11)、低温側ユニット(150)の低温側圧縮機(51)及び熱源側ユニット(120)の熱源側圧縮機(21)は、いずれも全密閉型で構成されている。これらの圧縮機(11,21,51)には、それぞれインバータ(図示なし)が電気的に接続されている。これらのインバータにより、各圧縮機(11,21,51)は容量可変に構成されている。
第1高温側ユニット(110a)の高温側膨張弁(13)、低温側ユニット(150)の低温側膨張弁(53)及び熱源側ユニット(120)の熱源側膨張弁(22)は、いずれも電動膨張弁で構成されている。上記ヒートポンプシステムの運転を制御するコントローラ(100)の指令により、各膨張弁(13,22,53)の開度が必要に応じて変更される。
(第1高温側ユニットの高温側凝縮器)
第1高温側ユニット(110a)の第1高温側回路(10a)の高温側凝縮器(12)は上記第1高温側回路(10a)の凝縮器を構成する。この高温側凝縮器(12)は、例えばプレート式熱交換器であり、冷媒流路(12a)及び熱媒体流路(12b)を有している。上記冷媒流路(12a)が上記第1高温側回路(10a)に連通し、上記熱媒体流路(12b)が高温側利用回路(図示なし)に連通している。この高温側利用回路は、高温側ポンプ(図示なし)と高温側利用熱交換器(図示なし)とが接続された閉回路である。
上述したように、第1高温側回路(10a)は複数設けられており、各第1高温側回路(10a)に対応する高温側利用回路の高温側利用熱交換器は、上述した糖処理、滅菌処理のそれぞれの工程を行うラインに散在している。
この高温側凝縮器(12)では、上記高温側圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒が冷媒流路(12a)を通過し、上記高温側利用回路の水が熱媒体流路(12b)を通過する際に、両者が熱交換して上記高温側利用回路の水が加熱されて温水となる。この温水が高温側利用熱交換器へ供給され、各ラインに係る炭酸飲料の原料又は調合物の加熱に利用される。
(低温側ユニットの低温側蒸発器)
低温側ユニット(150)の低温側回路(50)の低温側蒸発器(52)は、上記低温側回路(50)の蒸発器を構成する。この低温側蒸発器(52)は、例えばプレート式熱交換器であり、水流路(52a)及び冷媒流路(52b)を有している。上記冷媒流路(52b)が低温側回路(50)に連通し、上記水流路(52a)が低温側利用回路(図示なし)に連通している。この低温側利用回路は、低温側ポンプ(図示なし)と低温側利用熱交換器(図示なし)とが接続された閉回路である。
上述したように、上記低温側回路(50)は複数設けられており、各低温側回路(50)に対応する低温側利用回路の低温側利用熱交換器は、上述した各冷却処理の工程を行うラインに散在している。
この低温側蒸発器(52)では、上記低温側膨張弁(53)で膨張した低圧の冷媒が冷媒流路(52b)を通過し、上記低温側利用回路の水が水流路(52a)を通過する際に、両者が熱交換して上記低温側利用回路の水が冷却されて冷水となる。この冷水が低温側利用熱交換器へ供給され、各ラインに係る炭酸飲料の原料又は調合物の冷却に利用される。
(高温側カスケード熱交換器と熱源側ユニットの高温側減圧弁)
上記第1高温側回路(10a)及び上記熱源側回路(20)に係る高温側カスケード熱交換器(14)は、上記第1高温側回路(10a)の蒸発器として機能すると同時に上記熱源側回路(20)の凝縮器として機能する。この高温側カスケード熱交換器(14)は、例えばプレート式熱交換器であり、凝縮側流路(14a)及び蒸発側流路(14b)を有している。蒸発側流路(14b)が第1高温側回路(10a)に連通し、凝縮側流路(14a)が熱源側回路(20)に連通している。
この高温側カスケード熱交換器(14)では、上記熱源側回路(20)の熱源側圧縮機(21)から吐出された冷媒が凝縮側流路(14a)を通過し、上記第1高温側回路(10a)の高温側膨張弁(13)で膨張した冷媒が蒸発側流路(14b)を通過する際に、両者が熱交換して上記熱源側回路(20)の冷媒が凝縮し、上記第1高温側回路(10a)の冷媒が蒸発する。
上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)の高温側流路調整弁(62)は、上記高温側カスケード熱交換器(14)における凝縮側流路(14a)の流出口と上記熱源側回路(20)の液ライン(27)との間に設けられている。この高温側流路調整弁(62)は、上記高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)から上記熱源側回路(20)の液ライン(27)へ向かう冷媒の流量を調整するものである。
(低温側カスケード熱交換器と熱源側ユニットの低温側減圧弁)
上記熱源側回路(20)及び上記低温側回路(50)に係る低温側カスケード熱交換器(54)は、上記熱源側回路(20)の蒸発器として機能すると同時に上記低温側回路(50)の凝縮器として機能する。この低温側カスケード熱交換器(54)は、例えばプレート式熱交換器であり、凝縮側流路(54a)及び蒸発側流路(54b)を有している。蒸発側流路(54b)が熱源側回路(20)に連通し、凝縮側流路(54a)が低温側回路(50)に連通している。
この低温側カスケード熱交換器(54)では、上記低温側回路(50)の低温側圧縮機(51)から吐出された冷媒が凝縮側流路(54a)を通過し、上記熱源側回路(20)の液ライン(27)から流入する冷媒が蒸発側流路(54b)を通過する際に、両者が熱交換して上記熱源側回路(20)の冷媒が蒸発し、上記低温側回路(50)の冷媒が凝縮する。
上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)の低温側減圧弁(63)は、上記熱源側回路(20)の液ライン(27)と上記低温側カスケード熱交換器(54)における蒸発側流路(54b)の流入口との間に設けられている。この低温側減圧弁(63)は、上記熱源側回路(20)の液ライン(27)から上記低温側カスケード熱交換器(54)の蒸発側流路(54b)へ向かう冷媒を減圧するものである。
(熱源側ユニットの三方弁及び熱源側熱交換器)
上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)の三方弁(26)は、放熱過多状態(第2状態)(図1に実線で示す状態)と、吸熱過多状態(第1状態)(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。放熱過多状態の三方弁(26)では、第1ポート(P1)が第2ポート(P2)に連通し、第3ポート(P3)が閉鎖される。一方、吸熱過多状態の三方弁(26)では、第1ポート(P1)が第3ポート(P3)に連通し、第2ポート(P2)が閉鎖される。
この三方弁(26)は、上記コントローラ(100)の指令によって切換動作を行う。このコントローラ(100)は、上記ヒートポンプシステムの運転状況に応じて放熱過多状態又は吸熱過多状態を選択し、その選択した状態に係る指令信号を上記三方弁(26)へ入力する。
上記熱源側回路(20)の熱源側熱交換器(25)は、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成され、冷媒通路(図示なし)及び空気通路(図示なし)を有している。この熱源側熱交換器(25)の近傍には送風ファン(図示なし)が設けられている。この熱源側熱交換器(25)では、上記冷媒通路を通過する冷媒と上記空気通路を通過する送風ファンの空気とが熱交換するように構成されている。
(第1高温側ユニットの第1高温側回路)
第1高温側ユニット(110a)の第1高温側回路(10a)では、上記高温側圧縮機(11)の吐出口と上記高温側膨張弁(13)の流入口とを接続する冷媒配管の途中に、上記高温側凝縮器(12)の冷媒流路(12a)が連通している。また、上記高温側膨張弁(13)の流出口と上記高温側圧縮機(11)の吸入口とを接続する冷媒配管の途中に、上記高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)が連通している。
(低温側ユニットの低温側回路)
低温側ユニット(150)の低温側回路(50)では、上記低温側圧縮機(51)の吐出口と上記低温側膨張弁(53)の流入口とを接続する冷媒配管の途中に、上記低温側カスケード熱交換器(54)の凝縮側流路(54a)が連通している。また、上記低温側膨張弁(53)の流出口と上記低温側圧縮機(51)の吸入口とを接続する冷媒配管の途中に、上記低温側蒸発器(52)の冷媒流路(52b)が連通している。
(熱源側ユニットの熱源側回路)
上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)では、上記熱源側圧縮機(21)の吐出口から延びる吐出配管は2つに分岐し、一方が上記三方弁(26)の第3ポート(P3)に接続され、他方が吐出側仕切弁(60)を介して高圧ガスライン(28)に接続されている。この高圧ガスライン(28)には、上記高温側カスケード熱交換器(14)に係る凝縮側流路(14a)の流入口が連通している。
また、上記熱源側圧縮機(21)の吸入口から延びる吸入配管は2つに分岐し、一方が上記三方弁(26)の第2ポート(P2)に接続され、他方が吸入側仕切弁(61)を介して低圧ガスライン(29)に接続されている。この低圧ガスライン(29)には、上記低温側カスケード熱交換器(54)に係る蒸発側流路(54b)の流出口が連通している。
また、上記熱源側熱交換器(25)の一端は上記三方弁(26)の第1ポート(P1)に接続され、他端は上記熱源側膨張弁(22)を介して液ライン(27)に接続されている。この液ライン(27)には、上記高温側流路調整弁(62)を介して上記高温側カスケード熱交換器(14)に係る凝縮側流路(14a)の流出口が連通している。また、この液ライン(27)には、上記低温側減圧弁(63)を介して上記低温側カスケード熱交換器(54)に係る蒸発側流路(54b)の流入口が連通している。
また、上記熱源側回路(20)には、上記高圧ガスライン(28)の圧力を検出する高圧センサ(70)と、上記低圧ガスライン(29)の圧力を検出する低圧センサ(71)とが設けられている。これらのセンサ(70,71)の検出値は、コントローラ(100)へ入力される。
(第2高温側ユニットの第2高温側回路)
第2高温側ユニット(110b)の第2高温側回路(10b)は、冷媒が循環して二段圧縮式の冷凍サイクルを行うものである。第2高温側回路(10b)は、図4に示すように、低段側圧縮機(11a)および高段側圧縮機(11b)と、高温側凝縮器(12)と、膨張弁(13)と、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)とが順に冷媒配管によって接続されている。本実施形態では、上述したように、冷媒として、R245fa(臨界温度は154℃)の単一冷媒が用いられている。
第2高温側ユニット(110b)の低段側圧縮機(11a)および高段側圧縮機(11b)は、図示しないが、全密閉型で構成され、圧縮部とその圧縮部を回転駆動するモータとを収容したケーシング内が吸入圧力の雰囲気になる、いわゆる低圧ドーム型に構成されている。つまり、各圧縮機(11a,11b)では吸入冷媒がケーシング内に流入し、圧縮部で圧縮された冷媒がケーシング内に流出することなくケーシング外へ直接吐出される。各圧縮機(11a,11b)は、運転回転数が可変に構成されている。両圧縮機(11a,11b)で冷媒を二段圧縮する。
第2高温側ユニット(110b)の高温側凝縮器(12)は、熱媒体流路(12b)および冷媒流路(12a)を有している。冷媒流路(12a)は、流入端が高段側圧縮機(11b)の吐出側と接続され、流出端が後述する過冷却熱交換器(15)と接続されている。一方、高温側凝縮器(12)の熱媒体流路(12b)は、第1対象流体が120℃に加熱される高温側利用側装置(図示なし)に接続されている。
第2高温側ユニット(110b)の膨張弁(13)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
第2高温側ユニット(110b)の高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)は、流入端が膨張弁(13)と接続され、流出端が低段側圧縮機(11a)の吸入側と接続されている。一方、高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)は熱源側回路(20)に接続されている。高温側カスケード熱交換器(14)では、蒸発側流路(14b)を流れる冷媒と凝縮側流路(14a)を流れる冷媒とが熱交換し、蒸発側流路(14b)の冷媒が凝縮側流路(14a)の冷媒によって加熱される。
また、第2高温側回路(10b)には、過冷却熱交換器(15)とインジェクション通路(30)が設けられている。過冷却熱交換器(15)は、高温側凝縮器(12)と膨張弁(13)との間に接続されており、高温流路(15b)および低温流路(15a)を有している。インジェクション通路(30)は、主通路(45)を有している。主通路(45)は、高温側凝縮器(12)の出口側通路から分岐し過冷却熱交換器(15)を介して低段側圧縮機(11a)と高段側圧縮機(11b)の間に接続されている。つまり、インジェクション通路(30)の流出端は両圧縮機(11a,11b)の間に接続されている。主通路(45)には、過冷却熱交換器(15)をバイパスするバイパス通路(24)が設けられている。また、主通路(45)には、過冷却熱交換器(15)の入口側とバイパス通路(24)との間に第1流量調整弁(23)が設けられ、バイパス通路(24)には、第2流量調整弁(26)が設けられている。
過冷却熱交換器(15)の高温流路(15b)は、流入端が高温側凝縮器(12)と接続され、流出端が膨張弁(13)と接続されている。過冷却熱交換器(15)の低温流路(15a)は、インジェクション通路(30)の主通路(45)に接続されている。インジェクション通路(30)では、高温側凝縮器(12)の出口冷媒の一部が主通路(45)に流入し、その主通路(45)に流入した冷媒の一部がバイパス通路(24)に流入する。つまり、インジェクション通路(30)では、高温側凝縮器(12)の出口冷媒の第1分岐冷媒が過冷却熱交換器(15)の低温流路(15a)に流れ、高温側凝縮器(12)の出口冷媒の第2分岐冷媒がバイパス通路(24)に流れる。過冷却熱交換器(15)では、高温流路(15b)を流れる高温側凝縮器(12)の出口冷媒と低温流路(15a)を流れる上記出口冷媒の第1分岐冷媒とが熱交換し、高温流路(15b)の出口冷媒が過冷却される一方、低温流路(15a)の第1分岐冷媒が蒸発して過熱ガス冷媒(過熱状態のガス冷媒)となる。そして、インジェクション通路(30)は、過冷却熱交換器(15)で過熱ガス冷媒となった主通路(45)の第1分岐冷媒とバイパス通路(24)の第2分岐冷媒(液冷媒)とを混合して低段側圧縮機(11a)と高段側圧縮機(11b)の間に供給するものである。
第1流量調整弁(23)は過熱ガス冷媒である第1分岐冷媒の流量を調整し、第2流量調整弁(26)は液冷媒である第2分岐冷媒の流量を調整するものである。そして、この2つの流量調整弁(25,26)は、インジェクション通路(30)における第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の混合冷媒の流量(即ち、第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の合計流量)を調整し、且つ、混合冷媒における第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の流量比(混合冷媒における各分岐冷媒の流量割合)を調整する流量調整機構である。
また、本実施形態の過冷却熱交換器(15)は、空調機等に設けられる一般的な過冷却熱交換器よりも、非常に高い熱交換能力を有するものである。一般の過冷却熱交換器では、設計点で低温流路の冷媒が所定流量で3℃程度の低い過熱度がつくように熱交換能力が設計されており、低温流路の冷媒流量が設計流量よりも増えるとすぐに低温流路の冷媒は過熱度がつかず湿り状態で流出してしまう。これに対し、本実施形態の過冷却熱交換器(15)では、低温流路(15a)を流れる第1分岐冷媒の流量がある程度変化しても(多くなっても)、第1分岐冷媒は過熱度がついた状態で(過熱ガス冷媒となって)流出するように設計されている。つまり、本実施形態の過冷却熱交換器(15)は、第1分岐冷媒を過熱ガス冷媒とするのに許容される第1分岐冷媒の最大流量が高く設定されている。
また、第2高温側回路(10b)には、各種センサが設けられている。具体的に、第2高温側回路(10b)には、低段側圧縮機(11a)の吸入冷媒の圧力を測定する吸入圧力センサ(P1)と、高段側圧縮機(11b)の吐出冷媒の圧力を測定する吐出圧力センサ(P2)と、両圧縮機(11a,11b)の間に設けられて低段側圧縮機(11a)の吐出冷媒(高段側圧縮機(11b)の吸入冷媒)の圧力を測定する中間圧力センサ(P3)とが設けられている。中間圧力センサ(P3)の測定値は、インジェクション通路(30)において過冷却熱交換器(15)の低温流路(15a)から流出した第1分岐冷媒の圧力に相当する。また、第2高温側回路(10b)には、高段側圧縮機(11b)の吐出冷媒の温度を測定する高段側吐出温度センサ(T1)と、低段側圧縮機(11a)の吐出冷媒の温度を測定する低段側吐出温度センサ(T2)と、主通路(45)における過冷却熱交換器(15)の低温流路(15a)の出口側に設けられて該低温流路(15a)から流出した第1分岐冷媒の温度を測定する出口温度センサ(T3)とが設けられている。
コントローラ(100)は、低段側圧縮機(11a)の吸入冷媒の圧力、低段側圧縮機(11a)の吐出冷媒の圧力および温度の3つのパラメータと、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口の冷媒の乾き度との対応関係を表したデータベースを備えている。低段側圧縮機(11a)の吸入冷媒の圧力は冷凍サイクルの低圧圧力に相当し、低段側圧縮機(11a)の吐出冷媒の圧力は冷凍サイクルの低圧圧力と高圧圧力の間の中間圧力に相当する。
また、コントローラ(100)は、第2高温側回路(10b)において高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口の冷媒が乾き度1未満となるように冷凍サイクルを行わせる乾き度調整動作を行う。この動作が、本発明の制御部(100)の第1動作である。
また、コントローラ(100)は、高段側圧縮機(11b)の吐出冷媒の温度(吐出温度)が目標値となるように、且つ、冷凍サイクルの中間圧力が目標値となるように、第1流量調整弁(23)および第2流量調整弁(26)の開度を調整するインジェクション調整動作を行う。乾き度調整動作およびインジェクション調整動作の詳細については後述する。
−ヒートポンプシステムの運転動作−
次に、上記ヒートポンプシステムの運転動作について説明する。
上記ヒートポンプシステムの運転動作は、上記コントローラ(制御部)(100)で制御される。このコントローラ(100)の運転制御の1つに、放熱過多運転と吸熱過多運転の切換制御がある。以下、この切換制御について説明する。
このコントローラ(100)は、現在の高温側ユニット(110a,110b)と低温側ユニット(150)の運転状況を検知する。そして、運転スイッチがONしているユニット(110a,110b,150)に関し、高温側ユニット(110a,110b)の定格能力値の合計値と低温側ユニット(150)の定格能力値の合計値とを比較する。尚、この定格能力値は、各ユニット(110a,110b,150)毎に予め定められた値であり、これらの値はコントローラ(100)に記憶されている。
両者の合計値を比較した結果、高温側ユニット(110a,110b)の合計値の方が大きい場合には、三方弁(26)を放熱過多状態に切り換える。これにより、補助熱交換器(25)が蒸発器に設定される。このように切り換えるのは、熱源側回路(20)の放熱過多状態が予測されるためである。三方弁(26)が放熱過多状態のときのヒートポンプシステムの運転が放熱過多運転である。
一方、両者の合計値を比較した結果、低温側ユニット(150)の合計値の方が大きい場合には、三方弁(26)を吸熱過多状態に切り換える。これにより、補助熱交換器(25)が凝縮器に設定される。このように切り換えるのは、熱源側回路(20)の吸熱過多状態が予測されるためである。三方弁(26)が吸熱過多状態のときのヒートポンプシステムの運転が吸熱過多運転である。
尚、熱源側回路(20)の熱収支がつりあっている場合には、該熱源側回路(20)の熱源側膨張弁(22)が閉じることになり、熱源側回路(20)の冷媒が熱源側熱交換器(25)へ流れることがなく、上記高温側カスケード熱交換器(14)から流出する冷媒は、すべて上記低温側カスケード熱交換器(54)へ流れる。以下、放熱過多運転と吸熱過多運転とについて説明する。
(放熱過多運転)
上記放熱過多運転では、上述したように熱源側ユニット(120)の三方弁(26)が放熱過多状態に設定される。そして、図2の矢印に示すように冷媒が循環する。この放熱過多運転の開始により、第1高温側ユニット(110a)の高温側圧縮機(11)、第2高温側ユニット(110b)の低段側圧縮機(11a)と高段側圧縮機(11b)、低温側ユニット(150)の低温側圧縮機(51)及び熱源側ユニット(120)の熱源側圧縮機(21)が起動する。ここで、コントローラ(100)は、熱源側回路(20)の高圧圧力が高圧設定値で一定となるように熱源側圧縮機(21)の運転容量を調整する。尚、この高圧設定値は、運転状態によって予め決定されているシステム全体の効率が最大となるように設定される値である。本実施形態では、この高圧設定値は、冷媒の凝縮温度40℃の相当飽和圧力である。この動作が、本発明の制御部(100)の第3動作である。
このヒートポンプシステムの放熱過多運転において、コントローラ(100)は、熱源側回路(20)の低圧圧力を一定に制御しない。したがって、この熱源側回路(20)の低圧圧力が、上記熱源側回路(20)の熱収支に応じて変動する。上記熱源側回路(20)の熱収支における放熱過多の割合が大きくなるほど熱源側回路(20)の低圧圧力が下がる傾向にあり、上記熱源側回路(20)の熱収支における吸熱過多の割合が小さくなるほど熱源側回路(20)の低圧圧力が上がる傾向にある。
本実施形態では、これらの傾向を利用して、ヒートポンプシステムの運転を切り換える。具体的には、熱源側回路(20)の低圧圧力が、運転状態によって予め決定されている低圧設定値以上且つ熱源側回路(20)の低圧圧力が外気温度の相当飽和圧力以上になると、上記熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多であると判定し、ヒートポンプシステムの運転を放熱過多運転から吸熱過多運転に切り換える。一方、熱源側回路(20)の低圧圧力が低圧設定値より小さい又は熱源側回路(20)の低圧圧力が外気温度の相当飽和圧力より小さい場合には、上記熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多状態であると判定し、現在の運転状態を継続する。以下、各回路(10a,10b,20,50)の運転動作について述べる。
《熱源側回路》
上記熱源側回路(20)では、上記熱源側圧縮機(21)から吐出された冷媒が、上記高圧ガスライン(28)を通じて上記各高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)へ流入し、該各高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)で上記高温側回路(10a,10b)の冷媒に放熱して凝縮する。これらの凝縮した各冷媒は、上記高温側流路調整弁(62)で減圧された後に上記液ライン(27)で合流する。この合流した冷媒は再び分流して上記各低温側減圧弁(63)と上記熱源側膨張弁(22)とに流入した後で減圧される。
上記各低温側減圧弁(63)で減圧された冷媒は、上記各低温側カスケード熱交換器(54)で上記低温側回路(50)の冷媒から吸熱して蒸発する。このようにして蒸発した各冷媒は、上記低圧ガスライン(29)で合流した後で上記熱源側圧縮機(21)の吸入側へ向かう。
一方、上記熱源側膨張弁(22)で減圧された冷媒は、上記熱源側熱交換器(25)で空気から吸熱して蒸発した後で上記三方弁(26)を通過して、上記熱源側圧縮機(21)の吸入側へ向かう。
そして、上記低圧ガスライン(29)から上記熱源側圧縮機(21)の吸入側へ向かう冷媒と上記三方弁(26)を通過して上記熱源側圧縮機(21)の吸入側へ向かう冷媒とが合流した後で、上記熱源側圧縮機(21)に吸入される。上記熱源側圧縮機(21)に吸入された冷媒は圧縮された後で上記高圧ガスライン(28)へ向けて再び吐出される。
このように、上記各高温側カスケード熱交換器(14)が上記熱源側回路(20)の凝縮器として機能し、上記各低温側カスケード熱交換器(54)と上記熱源側熱交換器(25)とが上記熱源側回路(20)の蒸発器として機能するように上記熱源側回路(20)内を冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。
《低温側回路》
上記低温側回路(50)では、上記低温側圧縮機(51)から吐出された冷媒が、上記低温側カスケード熱交換器(54)で上記熱源側回路(20)の冷媒に放熱して凝縮する。この凝縮した冷媒は、上記低温側膨張弁(53)で膨張した後で上記低温側蒸発器(52)に流入し、該低温側蒸発器(52)で上記低温側利用回路の水から吸熱して蒸発する。
この蒸発した冷媒は、上記低温側圧縮機(51)に吸入されて圧縮された後で上記低温側カスケード熱交換器(54)へ向けて再び吐出される。このように、上記低温側回路(50)内を冷媒が循環することにより、上記低温側利用回路の水を冷却する。
尚、本実施形態では、炭酸飲料の原料を滅菌した後の冷却処理に利用される冷水を供給する低温側回路(50)では、その冷水供給温度が約20℃となるように該低温側回路(50)の動作が調整される。又、原料に炭酸を注入する際の冷却処理に利用される冷水を供給する低温側回路(50)では、その冷水供給温度が約5℃となるように該低温側回路(50)の動作が調整される。又、殺菌処理した後の冷却に利用される冷水を供給する低温側回路(50)では、その冷水供給温度が約25℃となるように該低温側回路(50)の動作が調整される。
このように、各低温側回路(50)は、各低温側回路(50)ごとに設定された冷水供給温度となるように動作する。
《第1高温側回路》
上記第1高温側回路(10a)では、上記高温側圧縮機(11)から吐出された冷媒が、上記高温側凝縮器(12)で上記高温側利用回路の水に放熱して凝縮する。上記高温側凝縮器(12)で凝縮した高圧の冷媒は、上記高温側膨張弁(13)で減圧されて低圧の冷媒になった後に上記高温側カスケード熱交換器(14)で上記熱源側回路(20)の冷媒から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、上記高温側圧縮機(11)に吸入されて圧縮された後で上記高温側凝縮器(12)へ向けて再び吐出される。このように、上記第1高温側回路(10a)内を冷媒が循環することにより、上記高温側利用回路の水を加熱する。
尚、本実施形態では、炭酸飲料に係る原料の糖処理に利用される温水を供給する第1高温側回路(10a)では、その温水供給温度が約60℃となるように第1高温側回路(10a)の動作が調整される。又、原料に炭酸を注入した後の殺菌処理に利用される温水を供給する第1高温側回路(10a)では、その温水供給温度が約80℃となるように第1高温側回路(10a)の動作が調整される。
このように、各第1高温側回路(10a)は、各第1高温側回路(10a)ごとに設定された温水供給温度となるように動作する。
《第2高温側回路》
両圧縮機(11a,11b)が駆動されると、低段側圧縮機(11a)で圧縮された冷媒は高段側圧縮機(11b)で更に圧縮されて高圧冷媒となる。高段側圧縮機(11b)から吐出された高圧冷媒は、高温側凝縮器(12)で熱媒体(油)と熱交換して凝縮し液冷媒となる。これにより、この熱媒体が加熱される。高温側凝縮器(12)で凝縮した高圧の液冷媒は、一部がインジェクション通路(30)の主通路(45)に流れ、残りが過冷却熱交換器(15)の高温流路(15b)に流れる。
主通路(45)に流れた液冷媒の一部(第1分岐冷媒)は、第1流量調整弁(23)で減圧された後、過冷却熱交換器(15)の低温流路(15a)に流れて高温流路(15b)の高圧冷媒と熱交換する。これによって、高温流路(15b)の高圧冷媒は過冷却される一方、低温流路(15a)の第1分岐冷媒は蒸発して中間圧の過熱ガス冷媒となる。高温流路(15b)の高圧冷媒は、過冷却されたことによって冷媒のエンタルピーが減少する。
一方、主通路(45)に流れた液冷媒の残り(第2分岐冷媒)は、バイパス通路(24)に流れて第2流量調整弁(26)を通過した後、再び主通路(45)に流れて過熱ガス冷媒の第1分岐冷媒と混合する。そして、第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の混合冷媒は、低段側圧縮機(11a)と高段側圧縮機(11b)の間に流れる。
過冷却熱交換器(15)で過冷却された高圧冷媒は、膨張弁(13)で減圧されて低圧冷媒となる。低圧冷媒は、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)に流れて、熱源側回路(20)の冷媒と熱交換して蒸発し、熱源側回路(20)の冷媒が凝縮する。高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)に流れる低圧冷媒は上述したように過冷却された分だけエンタルピーが減少しているので、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発能力(冷却能力)が増大する。高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)から流出した冷媒は、低段側圧縮機(11a)に吸入されて再び圧縮される。低段側圧縮機(11a)から吐出された冷媒は、インジェクション通路(30)からの中間圧の冷媒(第1分岐冷媒および第2分岐冷媒)と合流し、その合流冷媒が高段側圧縮機(11b)に吸入される。
尚、本実施形態では、この第2高温側回路(10b)は、炭酸飲料の生産ラインに係る糖処理後の原料の滅菌処理に利用される蒸気を供給するためのものである。この第2高温側回路(10b)は、その蒸気の供給温度が約120℃となるように動作する。
〈コントローラの乾き度調整動作〉
乾き度調整動作は、上述した運転時に、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口の冷媒が乾き度1未満(いわゆる湿り冷媒)となるように第2高温側回路(10b)を制御する。本実施形態では、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口の冷媒の乾き度が目標値(例えば、0.8)となるように調整される。なお、本実施形態において、上記乾き度の目標値は、1未満の値に設定すればよいが、第2高温側回路(10b)のCOPが最適となる0.7から0.9の範囲内で設定するのが好ましい。
具体的に、乾き度調整動作は、低段側圧縮機(11a)の吸入冷媒の圧力(吸入圧力)、低段側圧縮機(11a)の吐出冷媒の圧力(吐出圧力)および温度(吐出温度)の3つの測定値から、予め用意されたコントローラ(100)のデータベースを用いて、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口冷媒の乾き度を導出する。導出した乾き度が目標値でないとき、コントローラ(100)の乾き度調整動作では、上記導出した乾き度と上記3つの測定値から、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口冷媒の乾き度を目標値とするための制御量あるいは設定値を決定する。
具体的には、膨張弁(13)の開度などが制御される。例えば、膨張弁(14)の開度が増大すると、低段側圧縮機(11a)の吸入圧力は上昇し、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口冷媒の乾き度は低下する。膨張弁(13)の開度が減少すると、低段側圧縮機(11a)の吸入圧力は低下し、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口冷媒の乾き度は上昇する。
このように高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口の冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となると、高温側カスケード熱交換器(14)における冷媒の偏流が抑制される。過熱ガス冷媒は湿り冷媒と比べて比体積が大きく流速が高くなることから、複数のパスを有する蒸発器では、一部のパスにのみ過熱ガス冷媒が発生すると、そのパスは他のパスよりも圧力損失が増大する。そのため、過熱ガス冷媒が発生したパスには冷媒が流入しにくくなり、他のパスに偏って冷媒が流入するという偏流が生じてしまう。ところが、本実施形態では、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口の冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となるようにしているため、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)では冷媒の過熱領域がなくなり過熱ガス冷媒は発生しない。したがって、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)における冷媒の偏流が抑制される。
〈コントローラのインジェクション調整動作〉
インジェクション調整動作は、上述した運転時に、高段側圧縮機(11b)の吐出冷媒の温度(吐出温度)が目標値となるように、且つ、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力(高段側圧縮機(11b)の吸入圧力)が目標値となるように、第1流量調整弁(23)および第2流量調整弁(26)の開度を調整する。高段側圧縮機(11b)の吐出温度の目標値は、高温側凝縮器(12)で120℃の蒸気を生成するために必要な高段側圧縮機(11b)の吐出冷媒の温度に設定される。ここで、最適な圧縮比とは、各圧縮比に対する各圧縮機(11a,11b)の圧縮機効率(運転効率)の組み合わせとして、冷凍サイクル全体の効率が最も良くなる値である。
例えば、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が目標値となっており、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が目標値よりも低い場合、インジェクション通路(30)における第1分岐冷媒(過熱ガス冷媒)と第2分岐冷媒(液冷媒)の混合冷媒(以下、単に混合冷媒という。)の流量は維持しつつ、混合冷媒における第1分岐冷媒の流量割合(流量)が増加するように、第1流量調整弁(23)の開度が増加され、第2流量調整弁(26)の開度が減少される。そうすると、インジェクション通路(30)の混合冷媒の状態(乾き度、過熱度)が変化する。具体的に、混合冷媒の乾き度若しくは過熱度が高くなり、または、混合冷媒が湿り状態から過熱状態になる。つまり、混合冷媒のエンタルピーが増加する。インジェクション通路(30)の混合冷媒のエンタルピーが増加すると、高段側圧縮機(11b)の吸入冷媒のエンタルピーも増加し、その結果、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力は維持したまま、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が上昇して目標値となる。低段側圧縮機(11a)の吐出圧力は、インジェクション通路(30)の混合冷媒の流量が変化しないため、目標値に維持される。
また、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が目標値となっており、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が目標値よりも高い場合、インジェクション通路(30)における混合冷媒の流量は維持しつつ、混合冷媒における第2分岐冷媒の流量割合(流量)が増加するように、第1流量調整弁(23)の開度が減少され、第2流量調整弁(26)の開度が増加される。そうすると、インジェクション通路(30)の混合冷媒の状態(乾き度、過熱度)が変化する。具体的に、混合冷媒の乾き度若しくは過熱度が低くなり、または、混合冷媒が過熱状態から湿り状態になる。つまり、混合冷媒のエンタルピーが減少する。インジェクション通路(30)の混合冷媒のエンタルピーが減少すると、高段側圧縮機(11b)の吸入冷媒のエンタルピーも減少し、その結果、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力は維持したまま、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が低下して目標値となる。
また、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が目標値となっており、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が目標値よりも高い場合、インジェクション通路(30)の混合冷媒における第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の流量比は維持しつつ、混合冷媒の流量が減少するように、第1流量調整弁(23)および第2流量調整弁(26)の両方の開度が減少される。そうすると、混合冷媒のエンタルピーは維持されたまま、混合冷媒の流量のみが減少する。その結果、高段側圧縮機(11b)の吐出温度は維持されたまま、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が低下して目標値となる。なお、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が目標値よりも高い場合、低段側圧縮機(11a)の圧縮比が最適値よりも高くなり、高段側圧縮機(11b)の圧縮比は最適値よりも低くなる。
また、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が目標値となっており、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が目標値よりも低い場合、インジェクション通路(30)の混合冷媒における第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の流量比は維持しつつ、混合冷媒の流量が増加するように、第1流量調整弁(23)および第2流量調整弁(26)の両方の開度が増加される。その結果、高段側圧縮機(11b)の吐出温度は維持されたまま、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が上昇して目標値となる。なお、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力が目標値よりも低い場合、低段側圧縮機(11a)の圧縮比が最適値よりも低くなり、高段側圧縮機(11b)の圧縮比は最適値よりも高くなる。
また、高段側圧縮機(11b)の吐出温度および低段側圧縮機(11a)の吐出圧力の両方が目標値からずれている場合、混合冷媒の流量および混合冷媒における第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の流量比の両方を調整するために、第1流量調整弁(23)および第2流量調整弁(26)の両方の開度が調整される。
以上のように、インジェクション調整動作は、高段側圧縮機(11b)の吐出温度が目標値よりも低い場合はインジェクション通路(30)における混合冷媒の第1分岐冷媒の流量割合を増加させ、目標値よりも高い場合は混合冷媒の第2分岐冷媒の流量割合を増加させる。また、インジェクション調整動作は、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力(高段側圧縮機(11b)の吸入圧力)が目標値よりも低い場合はインジェクション通路(30)における混合冷媒の流量(第1分岐冷媒と第2分岐冷媒の合計流量)を増加させ、目標値よりも高い場合は混合冷媒の流量を減少させる。これによって、高段側圧縮機(11b)の吐出温度と両圧縮機(11a,11b)の間の冷媒圧力(即ち、冷凍サイクルの中間圧)の両方を目標値に調整することができる。
また、インジェクション調整動作は、過冷却熱交換器(15)から流出した第1分岐冷媒(過熱ガス冷媒)の過熱度が低下(例えば、3℃)してきた場合、低段側圧縮機(11a)の吐出圧力の調整よりも高段側圧縮機(11b)の吐出温度の調整を優先して行う。具体的に、インジェクション調整動作では、第1分岐冷媒の過熱度が低下してくると、第1流量調整弁(23)の開度を減少させて、第1分岐冷媒の流量を減少させることで、過冷却熱交換器(15)から流出した第1分岐冷媒の過熱度を確保すると共に、高段側圧縮機(11b)の吐出温度を目標値に保持するように第2流量調整弁(26)の開度を調整する。なお、第1分岐冷媒の過熱度は出口温度センサ(T3)の測定値と中間圧力センサ(P3)の測定値)から導出される。
そして、上述した乾き度調整動作とインジェクション調整動作は、所定時間(例えば、1分)おきに交互に行われる。
(吸熱過多運転)
次に、吸熱過多運転について説明する。この吸熱過多運転では、上述したように熱源側ユニット(120)の三方弁(26)が吸熱過多状態に設定される。そして、図3の矢印に示すように冷媒が循環する。この吸熱過多運転の開始により、第1高温側ユニット(110a)の高温側圧縮機(11)、第2高温側ユニット(110b)の低段側圧縮機(11a)と高段側圧縮機(11b)、低温側ユニット(150)の低温側圧縮機(51)及び熱源側ユニット(120)の熱源側圧縮機(21)が起動する。ここで、コントローラ(100)は、熱源側回路(20)の低圧圧力が低圧設定値で一定となるように熱源側圧縮機(21)の運転容量を調整する。尚、この低圧設定値は、運転状態によって予め決定されているシステム全体の効率が最大となるように設定される値である。本実施形態では、この低圧設定値は、冷媒の蒸発温度20℃の相当飽和圧力である。この動作が、本発明の制御部(100)の第2動作である。
このヒートポンプシステムの吸熱過多運転において、コントローラ(100)は、熱源側回路(20)の高圧圧力を一定に制御しない。したがって、この熱源側回路(20)の高圧圧力が、上記熱源側回路(20)の熱収支に応じて変動する。上記熱源側回路(20)の熱収支における放熱過多の割合が大きくなるほど熱源側回路(20)の高圧圧力が下がる傾向にあり、上記熱源側回路(20)の熱収支における吸熱過多の割合が小さくなるほど熱源側回路(20)の高圧圧力が上がる傾向にある。
本実施形態では、これらの傾向を利用して、ヒートポンプシステムの運転を切り換える。具体的には、熱源側回路(20)の高圧圧力が、運転状態によって予め決定されている高圧設定値以下且つ熱源側回路(20)の高圧圧力が外気温度の相当飽和圧力以下である場合には、上記熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多であると判定し、ヒートポンプシステムの運転を吸熱過多運転から放熱過多運転に切り換える。一方、熱源側回路(20)の高圧圧力が高圧設定値より大きい又は熱源側回路(20)の高圧圧力が外気温度の相当飽和圧力より大きい場合には、上記熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多状態であると判定し、現在の運転状態を継続する。以下、各回路の運転動作について述べる。
《熱源側回路》
上記熱源側回路(20)では、上記熱源側圧縮機(21)から吐出された冷媒が分流して、一方が高圧ガスライン(28)を通じて上記各高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)へ流入し、他方が上記三方弁(26)を通じて上記熱源側熱交換器(25)へ流入する。
上記各高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)へ流入した冷媒は、該各高温側カスケード熱交換器(14)で上記高温側回路(10a,10b)の冷媒に放熱して凝縮する。これらの凝縮した各冷媒は、上記各高温側流路調整弁(62)で減圧された後に上記液ライン(27)で合流する。
一方、上記熱源側熱交換器(25)へ流入した冷媒は、該熱源側熱交換器(25)で空気に放熱して凝縮する。この凝縮した冷媒は上記熱源側膨張弁(22)で減圧された後に、上記各高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)で凝縮した冷媒と上記液ライン(27)にて合流する。
上記液ライン(27)で合流した後で再び分流した冷媒は、上記各低温側減圧弁(63)で必要に応じて減圧される。上記各低温側減圧弁(63)で減圧された冷媒は、上記各低温側カスケード熱交換器(54)で上記低温側回路(50)の冷媒から吸熱して蒸発する。このようにして蒸発した各冷媒は、上記低圧ガスライン(29)で合流した後で上記熱源側圧縮機(21)に吸入される。上記熱源側圧縮機(21)に吸入された冷媒は圧縮された後で上記各高温側カスケード熱交換器(14)の凝縮側流路(14a)及び上記熱源側熱交換器(25)へ向けて再び吐出される。
このように、上記各高温側カスケード熱交換器(14)と上記熱源側熱交換器(25)とが上記熱源側回路(20)の凝縮器として機能し、上記各低温側カスケード熱交換器(54)が上記熱源側回路(20)の蒸発器として機能するように上記熱源側回路(20)内を冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。
尚、上記低温側回路(50)、上記第1高温側回路(10a)、及び第2高温側回路(10b)の各運転動作は、上記放熱過多運転で上述した運転動作と同一のため、説明は省略する。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、第1対象流体を100℃未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を100℃以上まで加熱する第2高温側ユニット(110b)との構成を異ならせる。つまり、各高温側ユニット(110a,110b)の第1対象流体の加熱温度、言い換えれば温度差(第1対象流体と冷媒との温度差)に合わせて、例えば各高温側ユニット(110a,110b)に、コストや効率面を考えた適正な冷媒回路や冷媒を採用する。これにより、1つのヒートポンプシステムで異なる温度の第1対象流体を効率よく生成することができる。
また、補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支に応じて、熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)を放熱器又は蒸発器に切り換えるようにし、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多のときに熱収支のアンバランス分のみを熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で吸熱し、熱収支が吸熱過多のときに熱収支のアンバランス分のみを熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で放熱し、熱収支をバランスすることができる。
さらに、熱源側回路(20)で行う熱収支のアンバランス分の処理は、第1対象流体への加熱温度と第2対象流体への冷却温度の中間温度となる、例えば外気から行う。そのため、熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で吸熱を行う場合、第2対象流体を冷却するのに必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の蒸発温度を下げる必要がなく、外気から吸熱するために必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の蒸発温度を下げればよいため、アンバランス分の吸熱に必要な熱源側回路(20)の入力が低減される。
また、熱源側回路(20)の補助熱交換器(25)で放熱を行う場合、第1対象流体を加熱するのに必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の凝縮温度を上げる必要がなく、外気へ放熱するために必要とされる温度まで補助熱交換器(25)の凝縮温度を上げればよいため、アンバランス分の放熱に必要な熱源側回路(20)の入力が低減される。
したがって、第1対象流体への加熱と第2対象流体への冷却の間で、効果的に排熱回収を行うことができ、ヒートポンプシステムを効率良く運転することができる。
また、各高温側ユニット(110a,110b)と熱源側回路(20)とが、各高温側ユニット(110a,110b)の高温側カスケード熱交換器(14)を介して、カスケード的に接続されるようにした。これにより、各高温側ユニット(110a,110b)ごとに設定された第1対象流体の目標温度に応じて、各高温側ユニット(110a,110b)の高温側凝縮器(12)の高圧圧力を異ならせることができ、各高温側凝縮器(12)ごとに最適な高圧圧力となるようにヒートポンプシステムを運転することができる。
したがって、従来のヒートポンプとは違い、第1対象流体の目標温度が最も高い放熱器に合わせて各高温側凝縮器(12)の高圧圧力が一律に設定されるものではないため、過剰に高温側回路(10a,10b)の高圧圧力が高くなるという事態が生じず、ヒートポンプシステムを効率良く運転することができる。
また、本実施形態によれば、第1対象流体を100℃以上に加熱する第2高温側ユニット(110b)の第2高温側回路(10b)と、第1対象流体を100℃未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)の第1高温側回路(10a)とで、臨界温度の異なる冷媒を利用するようにした。そして、第1対象流体の加熱温度が100℃以上の第2高温側ユニット(110b)には、臨界温度の高い冷媒を用いるようにしたので、臨界温度の低い冷媒を用いる場合に比べて、第1対象流体を100℃以上まで容易に加熱することができる。
また、本実施形態によれば、上記第1高温側ユニット(110a)及び上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10a,10b)のうち、上記第2高温側ユニット(110b)の第2高温側回路(10b)の方を、二段圧縮により冷凍サイクルを行うことができる構成にしたので、冷凍サイクルにおける高圧圧力と低圧圧力の圧力差(高低圧差)が大きくても、各圧縮機(11a,11b)の圧縮比を小さくでき、単段圧縮の冷凍サイクルの場合に比べて、上記第2高温側ユニット(110b)の第2高温側回路(10b)のCOPを向上させることができる。
また、本実施形態によれば、臨界温度が100℃を超える冷媒を用いているが、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となるようにしたため、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)において冷媒の流速を高くしなくても必要流量(必要能力)を確保することができる。これにより、冷凍サイクルにおいて超臨界域ではなく凝縮域を確実にとりつつも、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)における圧力損失を低減することができる。その結果、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)のCOPを向上させることが可能である。
また、過熱ガス冷媒は湿り冷媒と比べて比体積が大きく流速が高くなることから、複数のパスを有する高温側カスケード熱交換器(14)では、一部のパスに過熱ガス冷媒が発生すると、そのパスは他のパスよりも圧力損失が増大する。そのため、過熱ガス冷媒が発生したパスには冷媒が流入しにくくなり、他のパスに偏って冷媒が流入するという偏流が生じてしまう。ところが、本実施形態では、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)の出口冷媒が乾き度1未満(湿り冷媒)となるようにしているため、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)では過熱ガス冷媒は発生しない。したがって、高温側カスケード熱交換器(14)の蒸発側流路(14b)における冷媒の偏流を抑制することができる。これによって、高温側カスケード熱交換器(14)全体を有効活用できるので、高温側カスケード熱交換器(14)の熱交換能力を向上させることができ、その結果、上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)のCOP(成績係数)を一層向上させることが可能である。
また、本実施形態によれば、第2高温側ユニット(110b)の過冷却熱交換器(15)で加熱された分岐冷媒を高温側圧縮機(11a,11b)における圧縮途中の冷媒に合流させるインジェクション通路(30)と、該インジェクション通路(30)を流れる分岐冷媒の流量調整機構(23,26)とを備えるようにした。そのため、高温側圧縮機(11a,11b)における圧縮途中の冷媒の状態(乾き度、過熱度)を調整して、高温側圧縮機(11a,11b)の吐出温度を調整することが可能である。これにより、確実に高温側圧縮機(11a,11b)の吐出温度を必要温度にすることができ、その結果、高温側凝縮器(12)において高圧冷媒の必要温度を確保できるので十分な加熱能力を発揮させることができる。
また、本実施形態によれば、熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多のときには、上記熱源側回路(20)の低圧圧力が最適値に制御されるので、これにより、ヒートポンプシステムの運転の効率化を図ることができる。
また、熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多のときには、上記熱源側回路(20)の高圧圧力が最適値に制御されるので、ヒートポンプシステムの運転の効率化を図ることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、上記第1高温側ユニット(110a)と上記第2高温側ユニット(110b)との冷媒の種類を異ならせて、上記第1高温側ユニット(110a)と上記第2高温側ユニット(110b)との構成を異ならせたが、これに限定されず、例えば、上記第2高温側ユニット(110b)の要素機器(圧縮機や熱交換器等)の構造を上記第1高温側ユニット(110a)とは異ならせて、高温側ユニット(110a,110b)間の構成を異ならせてもよい。
本実施形態では、第2高温側回路(10b)にR245faを封入しているが、これに限定されず、R245faとHFO1234yfとを混合した非共沸混合冷媒であってもよい。この非共沸混合冷媒の混合比は、R245faが90wt%でHFO1234yfが10wt%が好ましい。
本実施形態では、複数の第1高温側回路(10a)の回路構成が同一であったが、これに限定されず、複数の第1高温側回路(10a)の回路構成を異ならせてもよい。また、第2高温側回路(10b)が複数設けられる場合において、各々の第2高温側回路(10b)の回路構成を互いに異ならせてもよい。この場合であっても、本発明と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷熱と温熱を同時に取り出すヒートポンプシステムついて有用である。
1 冷媒回路
10 高温側回路
11 高温側圧縮機(高温側圧縮機構)
12 高温用熱交換器(主凝縮器)
13 高温側膨張弁
14 高温側カスケード熱交換器(高温側熱交換器)
20 熱源側回路
25 熱源側熱交換器(補助熱交換器)
50 低温側回路
51 低温側圧縮機
52 低温側膨張弁(副膨張機構)
53 低温用熱交換器
54 低温側カスケード熱交換器(低温側熱交換器)

Claims (6)

  1. 複数の高温側熱交換器(14)の一次側流路(14a)と複数の低温側熱交換器(54)の一次側流路(54b)とが接続されて冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルの熱源側回路(20)を有する熱源側ユニット(120)と、
    上記各高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)と放熱器(12)とが接続されて冷媒が循環し、上記高温側熱交換器(14)で上記二次側流路(14b)の冷媒が上記一次側流路(14a)の冷媒から吸熱して蒸発し、上記放熱器(12)で冷媒が第1対象流体へ放熱して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う高温側回路(10a,10b)を有する高温側ユニット(110a,110b)と、
    上記各低温側熱交換器(54)の二次側流路(54a)と蒸発器(52)とが接続されて冷媒が循環し、上記低温側熱交換器(54)で上記二次側流路(54a)の冷媒が上記一次側流路(54b)の冷媒へ放熱して、上記蒸発器(52)で冷媒が第2対象流体から吸熱して蒸発して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う低温側回路(50)を有する低温側ユニット(150)とを備え、
    上記熱源側回路(20)は、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の放熱器となり、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の蒸発器となって、上記熱源側回路(20)の冷媒と被熱交換流体とを熱交換する補助熱交換器(25)が接続され、
    上記複数の高温側ユニット(110a,110b)は、第1対象流体を加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を第1高温側ユニット(110a)よりも高い温度に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは冷媒が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含んでいることを特徴とするヒートポンプシステム。
  2. 複数の高温側熱交換器(14)の一次側流路(14a)と複数の低温側熱交換器(54)の一次側流路(54b)とが接続されて冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルの熱源側回路(20)を有する熱源側ユニット(120)と、
    上記各高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)と放熱器(12)とが接続されて冷媒が循環し、上記高温側熱交換器(14)で上記二次側流路(14b)の冷媒が上記一次側流路(14a)の冷媒から吸熱して蒸発し、上記放熱器(12)で冷媒が第1対象流体へ放熱して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う高温側回路(10a,10b)を有する高温側ユニット(110a,110b)と、
    上記各低温側熱交換器(54)の二次側流路(54a)と蒸発器(52)とが接続されて冷媒が循環し、上記低温側熱交換器(54)で上記二次側流路(54a)の冷媒が上記一次側流路(54b)の冷媒へ放熱して、上記蒸発器(52)で冷媒が第2対象流体から吸熱して蒸発して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う低温側回路(50)を有する低温側ユニット(150)とを備え、
    上記熱源側回路(20)は、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の放熱器となり、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の蒸発器となって、上記熱源側回路(20)の冷媒と被熱交換流体とを熱交換する補助熱交換器(25)が接続され、
    上記複数の高温側ユニット(110a,110b)は、第1対象流体を所定温度未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を上記所定温度以上に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは構成が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含み、
    上記第1高温側ユニット(110a)は、該第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10a)を冷媒が循環することにより、上記第1対象流体を100℃未満に加熱するように構成され、
    上記第2高温側ユニット(110b)は、該第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)を、上記第1高温側ユニット(110a)の冷媒の臨界温度よりも高く且つ上記第1対象流体の目標温度よりも高い臨界温度の冷媒が循環することにより、上記第1対象流体を100℃以上に加熱するように構成されていることを特徴とするヒートポンプシステム。
  3. 複数の高温側熱交換器(14)の一次側流路(14a)と複数の低温側熱交換器(54)の一次側流路(54b)とが接続されて冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルの熱源側回路(20)を有する熱源側ユニット(120)と、
    上記各高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)と放熱器(12)とが接続されて冷媒が循環し、上記高温側熱交換器(14)で上記二次側流路(14b)の冷媒が上記一次側流路(14a)の冷媒から吸熱して蒸発し、上記放熱器(12)で冷媒が第1対象流体へ放熱して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う高温側回路(10a,10b)を有する高温側ユニット(110a,110b)と、
    上記各低温側熱交換器(54)の二次側流路(54a)と蒸発器(52)とが接続されて冷媒が循環し、上記低温側熱交換器(54)で上記二次側流路(54a)の冷媒が上記一次側流路(54b)の冷媒へ放熱して、上記蒸発器(52)で冷媒が第2対象流体から吸熱して蒸発して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う低温側回路(50)を有する低温側ユニット(150)とを備え、
    上記熱源側回路(20)は、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の放熱器となり、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の蒸発器となって、上記熱源側回路(20)の冷媒と被熱交換流体とを熱交換する補助熱交換器(25)が接続され、
    上記複数の高温側ユニット(110a,110b)は、第1対象流体を所定温度未満に加熱する第1高温側ユニット(110a)と、第1対象流体を上記所定温度以上に加熱し且つ第1高温側ユニット(110a)とは構成が異なる第2高温側ユニット(110b)とを含み、
    上記第1高温側ユニット(110a)は、該第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10a)に1つの高温側圧縮機構(11)が接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うことにより、上記第1対象流体を100℃未満に加熱するように構成され、
    上記第2高温側ユニット(110b)は、該第1高温側ユニット(110a)の高温側回路(10b)に低段側の高温側圧縮機構(11a)と、該低段側の高温側圧縮機構(11a)で圧縮した冷媒をさらに圧縮する高段側の高温側圧縮機構(11b)とが接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うことにより、上記第1対象流体を100℃以上に加熱するように構成されていることを特徴とするヒートポンプシステム。
  4. 請求項3において、
    上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)は、冷媒として臨界温度が上記放熱器(12)による上記第1対象流体の加熱温度を超える冷媒が用いられ、
    上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)において高温側熱交換器(14)の二次側流路(14b)から流出した冷媒の乾き度が1未満となるように冷凍サイクルを行わせる第1動作を行う制御部(100)を備えていることを特徴とするヒートポンプシステム。
  5. 請求項4において、
    上記第2高温側ユニット(110b)の高温側回路(10b)は、上記放熱器(12)から流出した冷媒と該冷媒の分岐冷媒とが熱交換する過冷却熱交換器(15)と、該過冷却熱交換器(15)で熱交換した上記分岐冷媒を、上記低段側の高温側圧縮機構(11a)から吐出された冷媒と合流させた後に上記高段側の高温側圧縮機構(11b)へ吸入させるインジェクション通路(30)と、該インジェクション通路(30)を流れる上記分岐冷媒の流量調整機構(23,26)とを備えていることを特徴とするヒートポンプシステム。
  6. 請求項1から5の何れか1つにおいて、
    上記熱源側ユニット(120)の熱源側回路(20)は、上記冷媒を循環させる容量可変の熱源側圧縮機構(21)が接続される一方、
    上記制御部(100)は、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が吸熱過多の場合に該熱源側回路(20)の低圧圧力が低圧設定値になるように上記熱源側圧縮機構(21)の運転容量を調整する第2動作と、上記補助熱交換器(25)を除く熱源側回路(20)の熱収支が放熱過多の場合に上記熱源側回路(20)の高圧圧力が高圧設定値になるように上記熱源側圧縮機構(21)の運転容量を調整する第3動作とを行うように構成されていることを備えていることを特徴とするヒートポンプシステム。
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