JP2010210206A - 給湯暖房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】一つのヒートポンプ回路に給湯用ガスクーラと暖房用ガスクーラを有する給湯暖房システムにおいて、給湯用ガスクーラまたは暖房用ガスクーラが水冷媒により孔食されるのを防止する。
【解決手段】暖房と給湯を行う通常運転では、電動弁10aで一次冷媒を減圧して給湯用ガスクーラ7,8から給湯用二次冷媒に熱を供給し、暖房用ガスクーラ9で暖房用二次冷媒に熱を供給する。暖房のみの運転時には、電動弁10bで減圧することにより、第2給湯用ガスクーラ8を蒸発器として機能させ、第1給湯用ガスクーラ7と第2給湯用ガスクーラ8で熱エネルギーの授受を相殺する。給湯のみの運転時には、バイパス路14で低段圧縮機5のバイパスをすることで、インタークーラ13を蒸発器として機能させ、暖房用ガスクーラ9とインタークーラ13で熱エネルギーの授受を相殺する。
【選択図】図1

Description

本発明は、給湯及び暖房を行える給湯暖房システムに関し、特に給湯及び暖房の熱源にヒートポンプ回路を用いる給湯暖房システムに関する。
従来から、一つのヒートポンプ回路を熱源として給湯と暖房を行うことができるシステムがあり、特許文献1(特開平9−210505号公報)には暖房運転や冷房運転と同時に給湯運転を行うことができるヒートポンプシステムが記載されている。
このようなヒートポンプシステムは、圧縮機、室外熱交換器、給湯熱交換器、室内熱交換器、及び減圧機構によりヒートポンプ回路が構成されている。そして、この一つのヒートポンプ回路においては、室外熱交換器が蒸発器として機能する一方、給湯用熱交換器及び室内熱交換器が凝縮器として機能して、給湯用熱交換器が給湯用熱源として用いられるとともに室内熱交換器が暖房用熱源として用いられている。
特許文献1(特開平9−210505号公報)に記載されているヒートポンプシステムでは暖房運転も給湯運転も行うことができるが、暖房運転のみを行うときには運転が行われない方の給湯用熱交換器にはヒートポンプ回路の一次冷媒が流れない構成となっている。そのため、暖房運転のみの運転を行う場合に給湯用の水熱交換器に一次冷媒が流れることによる孔食の発生という問題が生じなかった。
ところが給湯暖房システムにおいて、一つのヒートポンプ回路から暖房と給湯の熱エネルギーの供給を受ける場合に、暖房用ガスクーラと給湯用ガスクーラの両方に一次冷媒が流れるような構成を取ると、暖房運転と給湯運転のうちのいずれか一方のみしか行われないときに、運転を行わない方のガスクーラにおいて水冷媒が加熱されることで対流が生じて孔食が発生する場合があるという問題を見出した。
本発明の課題は、一つのヒートポンプ回路に給湯用ガスクーラと暖房用ガスクーラを有する給湯暖房システムにおいて、給湯用ガスクーラまたは暖房用ガスクーラが水冷媒により孔食されるのを防止することにある。
第1発明に係る給湯暖房システムは、一次冷媒を圧縮するための圧縮機構を含み、一次冷媒と給湯用二次冷媒及び暖房用二次冷媒との間で熱交換を行って給湯用二次冷媒及び暖房用二次冷媒に熱を供給するためのヒートポンプ回路と、給湯タンクを含み、給湯タンクに貯留している給湯水に熱を供給するため給湯用二次冷媒を循環させる給湯用二次冷媒循環回路と、暖房のための放熱を行う室内に設けられた暖房端末を含み、暖房端末で熱交換を行わせるため暖房端末に暖房用二次冷媒を循環させる暖房用二次冷媒循環回路とを備え、ヒートポンプ回路の圧縮機構を運転させた状態において、給湯用二次冷媒が給湯水である場合にヒートポンプ回路から循環している給湯水に供給される熱量を略ゼロにする第1状態、及び暖房用二次冷媒が水冷媒である場合にヒートポンプ回路から循環している水冷媒に供給される熱量を略ゼロにする第2状態のうちの少なくとも一方の状態を生成できる。
本発明によれば、暖房のみの運転を行う場合または給湯のみの運転を行う場合にも、ヒートポンプ回路において一次冷媒を循環させる必要があるが、暖房のみの運転のときに第1状態を生成でき、または給湯のみの運転のときに第2状態を生成できる。そのため、暖房のみの運転において給湯水に供給される熱量が略ゼロになるようにすることができることから、給湯用二次冷媒循環回路に対して給湯のための熱量の供給を停止しつつ、孔食が発生しない速度で給湯水を循環させることができる。給湯のみの運転において水冷媒に供給される熱量が略ゼロになるようにすることができることから、暖房用二次冷媒循環回路に対して暖房のための熱量の供給を停止しつつ、孔食が発生しない速度で水冷媒を循環させることができる。
第2発明に係る給湯暖房システムは、第1発明の給湯暖房システムであって、給湯用二次冷媒循環回路は、給湯用二次冷媒として給湯水を使用し、ヒートポンプ回路及び給湯用二次冷媒循環回路は、一次冷媒と給湯水との間で熱交換を行うため一次冷媒と給湯水が循環する第1水熱交換器及び第2水熱交換器を含み、給湯タンクの給湯水に熱を供給しないときには第1状態を生成するため、第1水熱交換器で給湯水から一次冷媒に熱を供給し、第2水熱交換器で一次冷媒から給湯水に熱を供給する。
本発明によれば、暖房のみの運転のときには、給湯タンクの給湯水に熱を供給しないため、第1水熱交換器と第2水熱交換器で、一次冷媒から給湯水に供給される熱量を給湯水から一次冷媒に戻すことができ、新たな機器を付け加えることなく第1状態を生成することができる。
第3発明に係る給湯暖房システムは、第2発明の給湯暖房システムであって、第1水熱交換器及び第2水熱交換器は、一次冷媒及び給湯水が順次流れるように直列に接続された第1給湯用ガスクーラ及び第2給湯用ガスクーラである。
本発明によれば、給湯を行う場合に第1水熱交換器と第2水熱交換器を使って二段階に加熱できるため給湯水を高温まで加熱し易くなる。ところが、暖房のみで給湯を行わないときには一方の水熱交換器に滞留している給湯水の温度が上昇し易く、孔食を起こし易くなる。そのため、第1水熱交換器と第2水熱交換器で互いに熱交換される熱量をキャンセルすることによる孔食防止の効果が顕著に発揮される。
第4発明に係る給湯暖房システムは、第2発明または第3発明のいずれかの給湯暖房システムであって、暖房用二次冷媒循環回路は、暖房用二次冷媒として水冷媒を使用し、ヒートポンプ回路及び暖房用二次冷媒循環回路は、一次冷媒と水冷媒との間で熱交換を行うため一次冷媒と水冷媒が循環する第3水熱交換器及び第4水熱交換器を含み、暖房端末で熱を供給しないときには第2状態を生成するため、第3水熱交換器で水冷媒から一次冷媒に熱を供給し、第4水熱交換器で一次冷媒から水冷媒に熱を供給する。
本発明によれば、給湯のみの運転のときには、暖房端末に熱を供給しないため、第3水熱交換器と第4水熱交換器で、一次冷媒から水冷媒に供給される熱量を水冷媒から一次冷媒に戻すことができ、新たな機器を付け加えることなく第2状態を生成することができる。
第5発明に係る給湯暖房システムは、第2発明または第4発明の給湯暖房システムであって、圧縮機構は、第1圧縮要素及び第1圧縮要素から吐出された一次冷媒の圧力をさらに高めて吐出する第2圧縮要素を含み、第1水熱交換器または第3水熱交換器を中間冷却器として機能させて第1圧縮要素から第2圧縮要素に吐出される一次冷媒の中間冷却を行いつつ一次冷媒の多段圧縮を行う多段圧縮機構である。
本発明によれば、多段圧縮を行う際には中間冷却により運転効率を向上させ、暖房のみの運転または給湯のみの運転を行う際には第1水熱交換器または第3水熱交換器により、一次冷媒から水冷媒に供給される熱量を水冷媒から一次冷媒に戻すことができ、新たな機器を付け加えることなく第1状態または第2状態を生成することができる。
第6発明に係る給湯暖房システムは、第5発明の給湯暖房システムであって、圧縮機構は、第1圧縮要素をバイパスするバイパス路をさらに含み、暖房端末で熱を供給するときにはバイパス路を閉じて第1水熱交換器または第3水熱交換器を凝縮器として機能させ、暖房端末で熱を供給しないときにはバイパス路を開いて第1水熱交換器または第3水熱交換器を蒸発器として機能させる。
本発明によれば、バイパス路を設けるという簡単な構成で、第1水熱交換器または第3水熱交換器を第1状態または第2状態を生成するときに水冷媒から一次冷媒に熱量を戻すための蒸発器として機能させることができる。
第7発明に係る給湯暖房システムは、一次冷媒を圧縮するための圧縮機構と第1水熱交換器と第2水熱交換器とを含み、一次冷媒と給湯水との間での熱交換を第1水熱交換器及び第2水熱交換器により行うとともに、一次冷媒と暖房用二次冷媒との間で熱交換を行うためのヒートポンプ回路と、第1水熱交換器と第2水熱交換器と給湯タンクとを含み、給湯タンクに貯留している給湯水に熱を供給するため給湯水を第1水熱交換器と第2水熱交換器と給湯タンクとの間で循環させる給湯用二次冷媒循環回路と、暖房のための放熱を行う暖房端末を含み、暖房端末で熱交換を行わせるため暖房端末に暖房用二次冷媒を循環させる暖房用二次冷媒循環回路とを備え、ヒートポンプ回路の圧縮機構を運転させた状態において、給湯タンクの給湯水に熱を供給しないときには第1水熱交換器で給湯水から一次冷媒に熱を供給するとともに第2水熱交換器で一次冷媒から給湯水に熱を供給する。
本発明によれば、給湯タンクの給湯水に熱を供給しない暖房のみの運転のときに、第1水熱交換器の熱交換と第2水熱交換器の熱交換とが互いに相殺される関係になるため、給湯用二次冷媒循環回路に対して給湯のための熱量の供給を停止しつつ、孔食が発生しない速度で給湯水を循環させることができる。
第8発明に係る給湯暖房システムは、一次冷媒を圧縮するための圧縮機構と第1水熱交換器と第2水熱交換器とを含み、一次冷媒と給湯用二次冷媒との間で熱交換を行うとともに、一次冷媒と水冷媒との間での熱交換を第1水熱交換器及び第2水熱交換器により行って水冷媒に熱を供給するためのヒートポンプ回路と、給湯タンクを含み、給湯タンクに貯留している給湯水に熱を供給するため給湯用二次冷媒を循環させる給湯用二次冷媒循環回路と、第1水熱交換器と第2水熱交換器と暖房の貯めの放熱を行う暖房端末とを含み、暖房端末で熱交換を行わせるため第1水熱交換器と第2水熱交換器と暖房端末との間で水冷媒を循環させる暖房用二次冷媒循環回路とを備え、ヒートポンプ回路の圧縮機構を運転させた状態において、暖房端末で熱を供給しないときには第1水熱交換器で水冷媒から一次冷媒に熱を供給するとともに第2水熱交換器で一次冷媒から水冷媒に熱を供給する。
本発明によれば、暖房端末で熱を供給しない給湯のみの運転のときに、第1水熱交換器の熱交換と第2水熱交換器の熱交換とが互いに相殺される関係になるため、暖房用二次冷媒循環回路に対して暖房のための熱量の供給を停止しつつ、孔食が発生しない速度で給湯水を循環させることができる。
第1発明に係る給湯暖房システムでは、一つのヒートポンプ回路から給湯用二次冷媒循環回路及び暖房用二次冷媒循環回路に熱の供給が可能な構成において、孔食の発生を防止しつつ暖房のみの運転または給湯のみの運転を行わせることができる。
第2発明に係る給湯暖房システムでは、給湯用二次冷媒循環回路に第1水熱交換器及び第2水熱交換器が含まれる場合に第1水熱交換器と第2水熱交換器との間で熱量の相殺をさせることで孔食発生の防止が可能なシステムの簡素化を行っている。
第3発明に係る給湯暖房システムでは、孔食発生の防止のための構成を、高温の給湯水の供給が容易な直列接続の第1給湯用ガスクーラ及び第2給湯用ガスクーラと兼用することによって、孔食防止に有効な構成の簡素化が図れる。
第4発明に係る給湯暖房システムでは、暖房用二次冷媒循環回路に第3水熱交換器及び第4水熱交換器が含まれる場合に第3水熱交換器と第4水熱交換器との間で熱量の相殺をさせることで孔食発生の防止が可能なシステムの簡素化を行っている。
第5発明に係る給湯暖房システムでは、孔食発生の防止のための構成を、二段圧縮における中間冷却器と兼用することによって、システムの簡素化を図ることができている。
第6発明に係る給湯暖房システムでは、バイパス路を設けることにより、孔食発生防止のための機構を他の構成と兼用させることができ、システムの簡素化を容易に実現できる。
第7発明に係る給湯暖房システムでは、一つのヒートポンプ回路から給湯用二次冷媒循環回路及び暖房用二次冷媒循環回路に熱の供給が可能な構成において、孔食の発生を防止しつつ暖房のみの運転を行わせることができる。
第8発明に係る給湯暖房システムでは、一つのヒートポンプ回路から給湯用二次冷媒循環回路及び暖房用二次冷媒循環回路に熱の供給が可能な構成において、孔食の発生を防止しつつ給湯のみの運転を行わせることができる。
一実施形態の給湯暖房システムの概略を示す構成図。 通常運転時の冷媒の流れを示す図。 暖房のみの運転時の冷媒の流れを示す図。 給湯のみの運転時の冷媒の流れを示す図。 変形例に係る給湯暖房システムの構成の概略を示す構成図。 (a)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す概念図である。(b)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す概念図である。 (a)本発明に適用されるガスクーラの構成を示す斜視図。(b)図6(a)のX−X線端面図。 (a)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す斜視図。(b)本発明に適用されるガスクーラの他の構成を示す側面図。 (a)図8(a)のY−Y線端面図。(b)図8(b)のZ−Z線端面図。
〔一実施形態〕
(1)構成
本発明の一実施形態による給湯暖房システムの構成について図1を用いて説明する。図1に示す給湯暖房システム1は、一次冷媒を循環させることにより蒸気圧縮冷凍サイクルを行うヒートポンプ回路2と、給湯用二次冷媒を循環させることにより給湯用の熱エネルギーを供給するための給湯用二次冷媒循環回路3と、暖房用二次冷媒を循環させることにより暖房用の熱エネルギーを供給するための暖房用二次冷媒循環回路4とを備えている。ヒートポンプ回路2と給湯用二次冷媒循環回路3とが結合されており、一次冷媒と給湯用二次冷媒との間の熱交換により給湯用の熱エネルギーが供給される。また、ヒートポンプ回路2と給湯用二次冷媒循環回路3とが結合されており、一次冷媒と暖房用二次冷媒との間の熱交換により暖房用の熱エネルギーが供給される。なお、図示を省略するが、給湯暖房システム1は、ヒートポンプ回路2、給湯用二次冷媒循環回路3、及び暖房用二次冷媒循環回路4を制御するための制御部を備えている。なお、以下の説明において、ヒートポンプ回路を循環する冷媒(一次冷媒)は二酸化炭素であり、CO2冷媒という。給湯用二次冷媒循環回路3を循環する冷媒(給湯用二次冷媒)は給湯水である。暖房用二次冷媒循環回路4を循環する冷媒(暖房用二次冷媒)は水であり、暖房用水冷媒という。
ヒートポンプ回路2は、低段圧縮機5と、高段圧縮機6と、第1給湯用ガスクーラ7と、第2給湯用ガスクーラ8と、暖房用ガスクーラ9と、電動弁10a,10bと、空気熱交換器11と、液ガス熱交換器12と、インタークーラ13とを接続してなる冷媒回路であり、バイパス路14を有しており、空気熱交換器11にファン11aが取り付けられている。低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、インバータにより回転数の制御が可能な容積式圧縮機である。
低段圧縮機5は、圧縮したCO2冷媒を高段圧縮機6にインタークーラ13を経由して送る。インタークーラ13では、低段圧縮機5から吐出されたCO2冷媒と、ラジエータ21からインタークーラ13に送られた暖房用水冷媒との熱交換を行う。高段圧縮機6は、低段圧縮機5で圧縮されたCO2冷媒をさらに圧縮して第1給湯用ガスクーラ7に送る。なお、低段圧縮機5と高段圧縮機6とによる二段圧縮において、低段圧縮機5から吐出されて高段圧縮機6に吸入されるCO2冷媒の圧力を中間圧という。
第1給湯用ガスクーラ7は、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒と、第2給湯ガスクーラ8から送られてきた給湯水との熱交換を行う。暖房用ガスクーラ9は、第1給湯用ガスクーラ7で熱交換が行われたCO2冷媒を直接受けて暖房用水冷媒との熱交換を行うが、第2給湯用ガスクーラ8は、暖房用ガスクーラ9で熱交換が行われたCO2冷媒を、液ガス熱交換器12と電動弁10bとを経由して受ける。第2給湯用ガスクーラ8は、電動弁10bから送られてきたCO2冷媒と、ポンプ16から送られてきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。つまり、CO2冷媒の経路に直列に配置されている第1給湯用ガスクーラ7、暖房用ガスクーラ9及び第2給湯用ガスクーラ8は、CO2冷媒をこの順で熱交換することになる。液ガス熱交換器12での熱交換については後述する。
電動弁10bは、通常運転時(暖房運転と給湯運転の両方を行う時)及び給湯のみの運転時には減圧が起こらないように全開状態にされ、暖房のみの運転時には開度が調整されてCO2冷媒の減圧を行う。電動弁10aは、通常運転時及び給湯のみの運転時に開度が調整されてCO2冷媒の減圧を行い、暖房のみの運転時には減圧が起こらないように全開状態にされる。
空気熱交換器11(蒸発器)は、電動弁10aから送られてきたCO2冷媒と室外空気との熱交換を行う。その際、ファン11aにより室外空気が空気熱交換器11に送風される。液ガス熱交換器12は、空気熱交換器11で加熱された冷媒と、第2給湯用ガスクーラ8で冷却されたCO2冷媒との熱交換を行う。低段圧縮機5は、液ガス熱交換器12により熱交換されたCO2冷媒を吸入する。
バイパス路14は、入口を液ガス熱交換器12と空気熱交換器11との間に接続され、出口を低段圧縮機5の吐出口とインタークーラ13との間に接続されている。バイパス路14には、電磁弁14aが設けられている。この電磁弁14aは、制御部により制御されて、通常運転時及び暖房のみの運転時に閉止されており、給湯のみの運転時に開放される。
給湯用二次冷媒循環回路3は、ヒートポンプ回路2と共有する第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8に加え、ポンプ16と貯湯タンク15とを備えており、貯湯タンク15に三方弁17が取り付けられている。貯湯タンク15には、例えばステンレス製のサニタリータンクが用いられ、水道水などを給水するための給水口15aと、高温の湯をバスやキッチンに給湯するための出湯口15bと、給湯用二次冷媒循環回路3が低温の給湯水を取るための取水口15cと、給湯用二次冷媒循環回路3が高温の給湯水を供給するための給湯口15dとが設けられている。そして、貯湯タンク15に貯えられる水が底に近いほど冷たくて上壁に近いほど熱いため、給水口15aが貯湯タンク15の底壁に、取水口15cが下部に、給湯口15dが上部に、出湯口15bが上壁に配置されている。
給湯用二次冷媒循環回路3の給湯水はポンプ16により循環される。ポンプ16は、貯湯タンク15の取水口15cから例えば20℃の給湯水を取水して第2給湯用ガスクーラ8に送る。第2給湯用ガスクーラ8は、ポンプ16から送られてきた給湯水と暖房用ガスクーラ9から送られてきたCO2冷媒との熱交換を行って貯湯タンク15の給湯口15dに送る。第1給湯用ガスクーラ7は、第2給湯用ガスクーラ7で加熱された給湯水を、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒との熱交換によりさらに加熱する。それにより、第1給湯用ガスクーラ7から例えば90℃程度の高温の給湯水が貯湯タンク15の給湯口15dに戻される。貯湯タンク15よりバスやキッチンに給湯するときは、例えば、貯湯タンク15の出湯口15bから出た湯と給湯口15aに供給される給湯水とを三方弁17で混合して給湯する。
暖房用二次冷媒循環回路4は、ヒートポンプ回路2と共有する暖房用ガスクーラ9及びインタークーラ13に加え、三方弁18,19とポンプ20とラジエータ21とを備えている。暖房用二次冷媒循環回路4の暖房用水冷媒はポンプ20により循環される。三方弁18は、暖房用ガスクーラ9とインタークーラ13から送られてきた暖房用水冷媒を混合して三方弁19に対して送り出す。この三方弁18での混合の割合に応じて、暖房用ガスクーラ9とインタークーラ13に分配される冷媒の流量が決まる。三方弁19は、三方弁18で混合された暖房用水冷媒と、ラジエータ21から戻って暖房用ガスクーラ9及びインタークーラ13に送られる経路から分岐された暖房用水冷媒とを混合してポンプ20に送る。三方弁19は、暖房用ガスクーラ9の負荷に応じて混合の割合を変える。なお、三方弁18,19は、混合割合を0:100にして混合対象の一方冷媒のみを送り出すことができる。ポンプ20は三方弁19で混合された暖房用水冷媒をラジエータ21に送る。ラジエータ21は、ポンプ20から送られてきた暖房用水冷媒と室内空気との熱交換により熱エネルギーを室内に放出して室内の暖房を行い、冷えた暖房用水冷媒を暖房用ガスクーラ9及びインタークーラ13に戻す。
給湯暖房システムの制御部(図示省略)は、ヒートポンプ回路2の低段圧縮機5と高段圧縮機6と電動弁10a,10bとファン11aと電磁弁14aの制御を行い、給湯用二次冷媒循環回路3のポンプ16の制御を行い、さらに暖房用二次冷媒循環回路4の三方弁18,19及びポンプ20の制御を行う。ヒートポンプ回路2において、低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、制御部により、オン・オフと回転周波数が制御される。また、制御部により、電動弁10a,10bは開度が調節され、ファン11aは送風量が調節され、電磁弁14aは開閉が制御される。給湯用二次冷媒循環回路3において、ポンプ16は制御部によりオン・オフと冷媒循環量が制御される。暖房用二次冷媒循環回路4においては、制御部により、三方弁18,19は混合割合が制御され、ポンプ20はオン・オフと冷媒循環量が制御される。そのため、制御部には、ヒートポンプ回路2のCO2冷媒、給湯用二次冷媒循環回路3の給湯水及び暖房用二次冷媒循環回路4の暖房用二次冷媒の温度などを測定する温度センサ(図示省略)や、ヒートポンプ回路2の低段圧縮機5や高段圧縮機6の吐出圧や吸入圧などを測定する圧力センサ(図示省略)から測定結果が入力される。
(2)動作の概要
図1に示す給湯暖房システム1では、ヒートポンプ回路2の冷凍サイクルによるヒートポンプ回路2のCO2冷媒との熱交換により、第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8で給湯水が加熱され、暖房用ガスクーラ9で暖房用水冷媒が加熱される。加熱された給湯水は、給湯用二次冷媒循環回路3を循環して貯湯タンク15に貯えられ、加熱された暖房用水冷媒を用いて暖房用二次冷媒循環回路4ではラジエータ21による暖房が行われる。その際に、ヒートポンプ回路2の冷凍サイクルにおいては、低段圧縮機5と高段圧縮機6によるCO2冷媒の二段圧縮が用いられ、インタークーラ13により中間冷却されたCO2冷媒と給湯水及び暖房用水冷媒との間で熱交換を行うことによってエネルギー効率の改善が図られている。
また、第1給湯用ガスクーラ7と暖房用ガスクーラ9と第2給湯用ガスクーラ8とをヒートポンプ回路2において直列に接続して、二次冷媒の加熱において、第1給湯用ガスクーラ7が高温域、暖房用ガスクーラ9が中温域に使われることにより、給湯用二次冷媒循環回路3及び暖房用二次冷媒循環回路4の同時使用時に高い成績係数を得ることができる。さらに、第2給湯用ガスクーラ8が給湯水の低温域の加熱に使われることにより、さらに成績係数の改善効果がある。そのため、冬季などにおいて、暖房運転と並行して給湯運転が行われるのが通常運転である。
ところが、夏季やその前後の時期の暖房を使わない時期あるいは暖房負荷が小さい時期には、給湯のみを行いたいが、暖房用ガスクーラ9と第2給湯用ガスクーラ8とをヒートポンプ回路2において直列に接続しているためにそのような運転を行うことが難しくなる。暖房のみの運転を行う場合も同様である。給湯や暖房だけが必要であるのに、暖房用ガスクーラ9やインタークーラ13において熱交換が起きてしまうため、二次冷媒の沸騰や不要な熱の廃棄の問題が生じるからである。本実施形態においては、このような問題点が解消され、冬季などの暖房と給湯の両方が必要なときに高い成績係数を得られる給湯暖房システムであってかつ、夏季などの暖房の需要がない場合や給湯のための熱エネルギーの供給が必要ない場合などに給湯のみの運転や暖房のみの運転を行うことができるようになっている。そこで以下、暖房と給湯とが並行して行われる通常運転と、暖房のみの運転と、給湯のみの運転とに場合を分けて動作の説明を行う。
(3)通常運転
暖房運転と給湯運転が並行して行われる通常運転時には、ヒートポンプ回路2において、制御部により電磁弁14aが閉止され、バイパス路14にはCO2冷媒が流れない。また、電動弁10bが全開にされる一方電動弁10aの開度が調節されることにより、CO2冷媒は、電動弁10bをそのまま通過し、電動弁10aにおいて減圧される。このような設定のもとで行われる通常運転時の各冷媒の流れを図2に示す。図2においては、CO2冷媒の流れが破線で表され、二次冷媒の流れが実線で表されており、CO2冷媒の流れにおいて一つの矢印で低圧の状態にあることが示され、二重の矢印で高圧または中間圧の状態にあることが示されている。なお、矢印のないところは冷媒の流れのないことを表している。
ヒートポンプ回路2において、CO2冷媒は、低圧ガス冷媒の状態で低段圧縮機5に吸入されて中間圧まで圧縮された後、インタークーラ13に対して吐出される。インタークーラ13において、中間圧のCO2冷媒は暖房用水冷媒と熱交換を行うことで冷却される。このインタークーラ13において冷却されたCO2冷媒は、次に、高段圧縮機6に吸入されてさらに圧縮され、高段圧縮機6から第1給湯用ガスクーラ7に吐出される。低段圧縮機5と高段圧縮機6による二段圧縮によって、CO2冷媒が臨界圧力を超える圧力まで圧縮され、第1給湯ガスクーラ7に送られるCO2冷媒の温度は例えば100℃を超える。
第1給湯ガスクーラ7では、100℃程度のCO2冷媒と給湯水との熱交換が行われることで、給湯水が例えば90℃まで容易に加熱される。次に、暖房用ガスクーラ9では、第1給湯用ガスクーラ7で熱交換を終えたCO2冷媒と、ラジエータ21から送られてきた暖房用水冷媒との間で熱交換が行われ、暖房用水冷媒が例えば40℃から65℃に加熱される。
暖房用ガスクーラ9で熱交換を終えたCO2冷媒は、液ガス熱交換器12において空気熱交換器11を出たCO2冷媒との熱交換により冷却される。さらに、第2給湯用ガスクーラ8では、液ガス熱交換器12で熱交換を終えたCO2冷媒と、ポンプ16から送られてきた給湯水との間で熱交換が行われ、給湯水が例えば20℃から30℃に加熱される。
第2給湯用ガスクーラ8で熱交換を終えたCO2冷媒は、電動弁10aで減圧されて気液二相状態になる。空気熱交換器11において室外空気で加熱されたCO2冷媒は飽和ガス冷媒になり、液ガス交換器12に送られる。液ガス交換器12では、暖房用ガスクーラ9で熱交換を終えたCO2冷媒と空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒とが熱交換されることにより、空気熱交換器11から送られてきたCO2冷媒の過熱度が大きくなる。液ガス熱交換器12で加熱されたCO2冷媒は、低段圧縮機5の吸入口に送られる。液ガス熱交換器12による熱交換により液ガス熱交換器12から低段圧縮機5に送られるCO2冷媒の過熱度を大きくすることで、低段圧縮機5が湿り蒸気を吸込むことによる湿り圧縮または液圧縮になるのを防いでいる。
給湯用二次冷媒循環回路3では、貯湯タンク15下部の取水口15cから取水された例えば20℃程度の水がポンプ16により第2給湯用ガスクーラ8及び第1給湯用ガスクーラ7に送られ、第2給湯用ガスクーラ8で例えば20℃から30℃に加熱され、さらに第1給湯用ガスクーラ7で例えば30℃から90℃まで加熱される。第2給湯用ガスクーラ8で30℃に加熱された給湯水が第1給湯用ガスクーラ7でさらに90℃まで加熱されるのでエネルギー効率がよくなる。そして、第1給湯用ガスクーラ7で90℃に加熱された高温の湯が、貯湯タンク15上部の給湯口15dに戻される。
暖房用二次冷媒循環回路4は、給湯用二次冷媒循環回路3と並行して動作しているが、暖房負荷の方が給湯負荷よりも大きく、例えば暖房負荷が給湯負荷の10倍程度である。暖房負荷に応じて暖房用水冷媒の循環量が三方弁19とポンプ20により調節される。暖房用水冷媒は、例えばラジエータ21に供給されるときの温度が60℃で、室内空気と暖房用水冷媒と間で熱交換を行った後、ラジエータ21から戻されるときの温度が40℃である。暖房用ガスクーラ9は、第1給湯用ガスクーラ7から送られてきたCO2冷媒との熱交換により、ラジエータ21から戻ってきた暖房用水冷媒を60℃よりも高い温度、例えば65℃まで加熱する。
(4)暖房のみの運転
暖房運転のみが行われる場合には、ヒートポンプ回路2において、制御部により電磁弁14aが閉止され、バイパス路14にはCO2冷媒が流れない。通常運転時と異なり、ヒートポンプ回路2では、電動弁10aが全開にされる一方電動弁10bの開度が調節されることにより、CO2冷媒は、電動弁10bにおいて減圧され、電動弁10aをそのまま通過する。このような設定のもとで行われる暖房のみの運転の各冷媒の流れを図3に示す。図3における冷媒の種類ごとの表示などの表示方法は図2の場合と同様である。
ヒートポンプ回路2において、CO2冷媒がインタークーラ13で中間冷却されつつ低段圧縮機5と高段圧縮機6とによる二段圧縮で低圧ガス冷媒の状態から臨界状態にまで圧縮されて、第1給湯用ガスクーラ7と暖房用ガスクーラ9で臨界状態のCO2冷媒と給湯水及び暖房用水冷媒との熱交換が順次行われ、さらに液ガス熱交換器12でCO2冷媒の熱交換が行われるところまでの動作は、上述の通常運転の動作と同じである。
ヒートポンプ回路2において、暖房用ガスクーラ9と液ガス熱交換器12を経てきた超臨界状態のCO2冷媒は、電動弁10bで減圧されて気液二相状態になる。そのため、通常運転時と異なり、第2給湯用ガスクーラ8が蒸発器として機能し、ポンプ16から送られてきた給湯水がCO2冷媒と熱交換されることによって冷却される。
第2給湯用ガスクーラ8で加熱されたCO2冷媒は、空気熱交換器11において室外空気との熱交換により加熱されたCO2冷媒は低圧ガス冷媒になり、液ガス交換器12に送られる。液ガス交換器12では、暖房用ガスクーラ9で熱交換を終えたCO2冷媒と空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒との間で熱交換が行われることにより、空気熱交換器11から送られてきたCO2冷媒の過熱度が大きくなる。液ガス熱交換器12で加熱されたCO2冷媒は、低段圧縮機5の吸入口に送られる。液ガス熱交換器12による熱交換により液ガス熱交換器12から低段圧縮機5に送られるCO2冷媒の過熱度を大きくすることで、低段圧縮機5が湿り蒸気を吸込むことによる湿り圧縮または液圧縮になるのを防いでいる。
給湯用二次冷媒循環回路3では、ポンプ16により給湯水が循環している。循環している給湯水は、第1給湯用ガスクーラ7におけるCO2冷媒との熱交換で加熱され、第2給湯用ガスクーラ8におけるCO2冷媒との熱交換で冷却される。第2給湯用ガスクーラ8で給湯水から奪われる熱エネルギーが、第1給湯用ガスクーラ7で給湯水に与えられる熱エネルギーで相殺できるように制御されることにより、取水口15cから取った給湯水の温度とほぼ同じ温度で給湯用二次冷媒循環回路3から給湯口15dに給湯用二次冷媒が戻される。それにより、貯湯タンク15の給湯水が沸きすぎるなどの不具合が防止される。
暖房用二次冷媒循環回路4は、暖房のみの運転においても通常運転と同様に運転されるので説明を省略する。
(5)給湯のみの運転
夏季など暖房負荷がないときに給湯のみの運転を行う場合には、ヒートポンプ回路2において、制御部により電磁弁14aが開放され、バイパス路14にCO2冷媒が流れるため、低段圧縮機5にはCO2冷媒が流れない。また、電動弁10bが全開にされる一方電動弁10aの開度が調節されることにより、CO2冷媒は、電動弁10bをそのまま通過し、電動弁10aにおいて減圧される。さらに、暖房用二次冷媒循環回路4において、制御部により、三方弁18は、開放されて、暖房用ガスクーラ9で熱交換を終えた暖房用水冷媒とインタークーラ13で熱交換を終えた暖房用水冷媒とをそのまま三方弁19に向けて流す。三方弁19は、三方弁18から送られてきた暖房用水冷媒のみをポンプ20に向けて流すため、ラジエータ21から戻ってきた暖房用水冷媒が三方弁19に流れ込まないように閉止される。このような設定のもとで行われる通常運転時の各冷媒の流れを図4に示す。図4における冷媒の種類ごとの表示などの表示方法は図2の場合と同様である。
ヒートポンプ回路2において、空気熱交換器11で熱交換を終えた低圧ガス冷媒(CO2冷媒)はバイパス路14を通ってインタークーラ13に送られる。インタークーラ13が蒸発器として機能するため、空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒は、暖房用水冷媒との熱交換によりさらに加熱されて過熱度が大きくなる。インタークーラ13で熱交換を終えたCO2冷媒は超臨界状態にまで圧縮されて第1給湯用ガスクーラ7に送られる。第1給湯用ガスクーラ7では、例えば100℃程度のCO2冷媒と給湯水との熱交換が行われて、90℃程度まで加熱された給湯水が給湯口15dから貯湯タンク15に戻される。第1給湯用ガスクーラ7で熱交換を終えた超臨界状態のCO2冷媒は、暖房用ガスクーラ9で、暖房用水冷媒との熱交換により暖房用水冷媒を加熱する。暖房用ガスクーラ9で熱交換を終えたCO2冷媒は、液ガス熱交換器12に送られるが、液ガス熱交換器12には空気熱交換器11からCO2冷媒が送られてこないため液ガス熱交換器12で熱交換は行われない。液ガス熱交換器12を通過したCO2冷媒は、電動弁10a,10b及び第1給湯用ガスクーラ8を経由して空気熱交換器11に送られるが、電動弁10a,10b、第1給湯用ガスクーラ8及び空気熱交換器11における動作は通常時の場合と同様であるので説明を省略する。
給湯用二次冷媒循環回路3では、通常運転と同様に、第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8で順次給湯水とCO2冷媒との熱交換が行われる。
暖房用二次冷媒循環回路4では、CO2冷媒との熱交換により、暖房用ガスクーラ9で加熱された暖房用水冷媒とインタークーラ13で冷却された暖房用水冷媒が三方弁18で混合される。そのため、インタークーラ13で暖房用水冷媒から奪われる熱エネルギーが暖房用ガスクーラ9で給湯水に与えられる熱エネルギーで相殺できるように制御されることにより、ポンプ20で送り出される暖房用水冷媒の温度とラジエータ21から戻る暖房用水冷媒の温度とは例えば20℃程度で一致する。それにより、暖房用二次冷媒循環回路4においてラジエータ21に熱エネルギーが供給されてラジエータ21から熱エネルギーが放出されるのを防ぐことができる。
<変形例>
(a)
上記実施形態においては、第1給湯用ガスクーラ7、第2給湯用ガスクーラ8及び暖房用ガスクーラ9がCO2冷媒の経路に直列に配置される場合について説明したが、給湯用ガスクーラと暖房用ガスクーラが少なくとも一つずつCO2冷媒の経路に直列に配置されていれば本発明の効果を奏する。例えば、図5に示すように、一つの第1給湯用ガスクーラ7と二つの暖房用ガスクーラ9a,9bをCO2冷媒の経路に直列に配置してもよい。以下、図5の給湯暖房システム1Aの構成と動作について簡単に説明する。
(1)構成
図5に示す給湯暖房システム1Aは、一次冷媒を循環させることにより蒸気圧縮冷凍サイクルを行うヒートポンプ回路2Aと、給湯用二次冷媒を循環させることにより給湯用の熱エネルギーを供給するための給湯用二次冷媒循環回路3Aと、暖房用二次冷媒を循環させることにより暖房用の熱エネルギーを供給するための暖房用二次冷媒循環回路4Aとを備えている。ヒートポンプ回路2Aと給湯用二次冷媒循環回路3Aとが結合されており、一次冷媒と給湯用二次冷媒との間の熱交換により給湯用の熱エネルギーが供給される。また、ヒートポンプ回路2Aと給湯用二次冷媒循環回路3Aとが結合されており、一次冷媒と暖房用二次冷媒との間の熱交換により暖房用の熱エネルギーが供給される。なお、図示を省略するが、給湯暖房システム1Aは、ヒートポンプ回路2A、給湯用二次冷媒循環回路3A、及び暖房用二次冷媒循環回路4Aを制御するための制御部を備えている。
ヒートポンプ回路2Aは、低段圧縮機5と、高段圧縮機6と、給湯用ガスクーラ7aと、第1暖房用ガスクーラ9aと、第2暖房用ガスクーラ9bと、電動弁10a,10bと、空気熱交換器11と、液ガス熱交換器12と、インタークーラ13とを接続してなる冷媒回路であり、バイパス路14が設けられ、空気熱交換器11にファン11aが取り付けられている。低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、インバータにより回転数の制御が可能な容積式圧縮機である。
低段圧縮機5は、圧縮したCO2冷媒を高段圧縮機6にインタークーラ13を経由して送る。インタークーラ13では、低段圧縮機5から吐出されたCO2冷媒と、貯湯タンク15Aの取水口15eからインタークーラ13に送られた給湯水との熱交換を行う。高段圧縮機6は、低段圧縮機5で圧縮されたCO2冷媒をさらに圧縮して第1給湯用ガスクーラ7aに吐出する。
第1給湯用ガスクーラ7aは、高段圧縮機6から吐出されたCO2冷媒と、ポンプ16から送られてきた給湯水との熱交換を行う。第1暖房用ガスクーラ9aは、第1給湯用ガスクーラ7aで熱交換が行われたCO2冷媒を直接受けて暖房用水冷媒との熱交換を行うが、第2暖房用ガスクーラ9bは、第1暖房用ガスクーラ9aで熱交換が行われたCO2冷媒を、液ガス熱交換器12と電動弁10bとを経由して受ける。第1暖房用ガスクーラ9aは、給湯用ガスクーラ7で熱交換を終えたCO2冷媒と、ラジエータ21aから戻ってきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。第2暖房用ガスクーラ9bは、電動弁10bから送られてきたCO2冷媒と、ラジエータ21bから戻ってきた暖房用水冷媒との熱交換を行う。つまり、CO2冷媒の経路に直列に配置されている給湯用ガスクーラ7、第1暖房用ガスクーラ9a及び第2暖房用ガスクーラ9bは、CO2冷媒との熱交換をこの順で行うことになる。
液ガス熱交換器12での熱交換については後述する。電動弁10bは、通常運転時(暖房運転と給湯運転の両方を行う時)及び暖房のみの運転時には減圧が起こらないように全開状態にされ、給湯のみの運転時には開度が調整されてCO2冷媒の減圧を行う。電動弁10aは、通常運転時及び暖房のみの運転時に開度が調整されてCO2冷媒の減圧を行い、給湯のみの運転時には減圧が起こらないように全開状態にされる。空気熱交換器11は、電動弁10aから送られてきたCO2冷媒と室外空気との熱交換を行う。その際、ファン11aにより室外空気が空気熱交換器11に送風される。液ガス熱交換器12は、空気熱交換器11で加熱された冷媒と、第2暖房用ガスクーラ9bで冷却されたCO2冷媒との熱交換を行う。低段圧縮機5は、液ガス熱交換器12により熱交換されたCO2冷媒を吸入する。
バイパス路14は、入口を液ガス熱交換器12と空気熱交換器11との間に接続され、出口を低段圧縮機5の吐出口とインタークーラ13との間に接続されている。バイパス路14には、電磁弁14aが設けられている。この電磁弁14aは、制御部により制御されて、通常運転時及び暖房のみの運転時に閉止されており、給湯のみの運転時に開放される。
給湯用二次冷媒循環回路3Aは、ヒートポンプ回路2Aと共有する給湯用ガスクーラ7aに加え、ポンプ16と貯湯タンク15Aと三方弁24とを備えており、さらに貯湯タンク15Aに三方弁17が取り付けられている。貯湯タンク15Aは、図1の貯湯タンク15Aの構成に対して、さらに給湯用二次冷媒循環回路3が低温の給湯水を取るための取水口15eを貯湯タンク15Aの下部に有している。
給湯用二次冷媒循環回路3Aの給湯水はポンプ16により循環される。ポンプ16は、貯湯タンク15Aの取水口15cから例えば20℃の給湯水を取水して給湯用ガスクーラ7に送る。ポンプ16と取水口15cとを結ぶ経路に三方弁24が設けられており、三方弁24は、取水口15cから送られてくる給湯水とインタークーラ13から送られてくる給湯水とを混合してポンプ16に送り出す。給湯用ガスクーラ7aは、ポンプ16から送られてきた給湯水を、暖房用ガスクーラ9から送られてきたCO2冷媒との熱交換を行って貯湯タンク15Aの給湯口15dに送る。三方弁24は、取水口15cから取る給湯水とインタークーラ15から受ける給湯水の混合の割合を変えることにより、インタークーラ13に流れる給湯水の流量を変えることができる。給湯用二次冷媒循環回路3Aにおいては、ポンプ16と三方弁24を制御部により制御することで、給湯用ガスクーラ7aとインタークーラ13に流れる給湯水の流量の制御を行っている。
暖房用二次冷媒循環回路4Aは、ヒートポンプ回路2Aと共有する第1暖房用ガスクーラ9a及び第2暖房用ガスクーラ9bに加え、ポンプ20a,20bとラジエータ21aと開閉弁22とバイパス路23,24を備えており、バイパス路23,24には開閉弁23a,24aが設けられている。暖房用二次冷媒循環回路4Aの暖房用水冷媒はポンプ20a,20bにより循環される。ラジエータ21a,21bで熱交換が行われる暖房用水冷媒は、それぞれ第1暖房用ガスクーラ9aと第2暖房用ガスクーラ9bとに分かれて循環する。ポンプ20aはラジエータ21aに暖房用水冷媒を供給するが、ポンプ20aとラジエータ21aとの間に開閉弁22が配置されている。ラジエータ21aから戻る暖房用水冷媒は第1暖房用ガスクーラ9aに送られ、第1暖房用ガスクーラ9aは。熱交換を終えた暖房用水冷媒をポンプ20aに送る。ポンプ20bはラジエータ21bに暖房用水冷媒を供給する。ラジエータ21bから戻る暖房用水冷媒は第2暖房用ガスクーラ9bに送られ、第2暖房用ガスクーラ9bは。熱交換を終えた暖房用水冷媒をポンプ20bに送る。バイパス路23は、入口を第2暖房用ガスクーラ9bとポンプ20bとの間に接続し、出口をラジエータ21aと第1暖房用ガスクーラ9aとの間に接続している。バイパス路24は、入口をポンプ20aと開閉弁22との間に接続し、出口をラジエータ21bと第2暖房用ガスクーラ9bとの間に接続している。
給湯暖房システムの制御部(図示省略)は、ヒートポンプ回路2Aの低段圧縮機5と高段圧縮機6と電動弁10a,10bとファン11aと電磁弁14aの制御を行い、給湯用二次冷媒循環回路3Aのポンプ16と三方弁25の制御を行い、さらに暖房用二次冷媒循環回路4Aのポンプ20a,20bと開閉弁22,23a,24aの制御を行う。ヒートポンプ回路2Aにおいて、低段圧縮機5及び高段圧縮機6は、制御部により、オン・オフと回転周波数が制御される。また、制御部により、電動弁10a,10bは開度が調節され、ファン11aは送風量が調節され、電磁弁14aは開閉が制御される。給湯用二次冷媒循環回路3Aにおいて、ポンプ16は制御部によりオン・オフと冷媒循環量が制御され、三方弁25は混合割合が制御される。暖房用二次冷媒循環回路4Aにおいては、制御部により、ポンプ20a,20bはオン・オフと冷媒循環量が制御され、開閉弁22,223a,24aは開閉が制御される。
(2)動作の概要
図5に示す給湯暖房システム1Aでは、ヒートポンプ回路2Aの冷凍サイクルによるヒートポンプ回路2AのCO2冷媒との熱交換により、給湯用ガスクーラ7aで給湯水が加熱され、第1暖房用ガスクーラ9a及び第2暖房用ガスクーラ9bで暖房用水冷媒が加熱される。加熱された給湯水は、給湯用二次冷媒循環回路3Aを循環して貯湯タンク15Aに貯えられ、加熱された暖房用二次冷媒を用いて暖房用二次冷媒循環回路4Aではラジエータ21a,21bによる暖房が行われる。その際に、ヒートポンプ回路2Aの冷凍サイクルにおいては、低段圧縮機5と高段圧縮機6によるCO2冷媒の二段圧縮が用いられ、インタークーラ13により中間冷却されたCO2冷媒と給湯水及び暖房用水冷媒との間で熱交換を行うことによってエネルギー効率の改善が図られている。
また、給湯用ガスクーラ7aと第1暖房用ガスクーラ9aと第2暖房用ガスクーラ9bとをヒートポンプ回路2Aにおいて直列に接続して、二次冷媒の加熱において、給湯用ガスクーラ7aが高温域、暖房用ガスクーラ9a,9bが中低温域に使われることにより、給湯用二次冷媒循環回路3A及び暖房用二次冷媒循環回路4Aの同時使用時に高い成績係数を得ることができる。そのため、冬季などにおいて、暖房運転と並行して給湯運転が行われるのが通常運転である。
ところが、夏季やその前後の時期の暖房を使わない時期あるいは暖房負荷が小さい時期には、給湯のみを行いたいが、暖房用ガスクーラ9a,9bと給湯用ガスクーラ7aとをヒートポンプ回路2において直列に接続しているためにそのような運転を行うことが難しくなる。暖房のみの運転を行う場合も同様である。給湯や暖房だけが必要であるのに、暖房用ガスクーラ9a,9bや給湯用ガスクーラ7aにおいて熱交換が起きてしまうため、二次冷媒の沸騰や不要な熱の廃棄の問題が生じるからである。本実施形態においては、このような問題点が解消され、冬季などの暖房と給湯の両方が必要なときに高い成績係数を得られる給湯暖房システムであってかつ、夏季などの暖房の需要がない場合や給湯のための熱エネルギーの供給が必要ない場合などに給湯のみの運転や暖房のみの運転を行うことができるようになっている。そこで以下、暖房と給湯とが並行して行われる通常運転と、暖房のみの運転と、給湯のみの運転とに場合を分けて動作の説明を行う。
(3)通常運転
暖房運転と給湯運転が並行して行われる通常運転時には、ヒートポンプ回路2Aにおいて、制御部により電磁弁14aが閉止され、バイパス路14にはCO2冷媒が流れない。また、電動弁10bが全開にされる一方電動弁10aの開度が調節されることにより、CO2冷媒は、電動弁10bをそのまま通過し、電動弁10aにおいて減圧される。さらに、開閉弁22は開放されている一方、開閉弁23a,24aが閉止されており、ラジエータ21aと第1暖房用ガスクーラ9aとの間で循環する暖房用水冷媒と、ラジエータ21bと第2暖房用ガスクーラ9bとの間で循環する暖房用水冷媒は互いに分離されている。
ヒートポンプ回路2Aにおいて、CO2冷媒は、低圧ガス冷媒の状態で低段圧縮機5に吸入されて中間圧まで圧縮された後、インタークーラ13に対して吐出される。インタークーラ13において、中間圧のCO2冷媒は給湯水と熱交換を行うことで冷却される。このインタークーラ13において冷却されたCO2冷媒は、次に、高段圧縮機6に吸入されてさらに圧縮され、高段圧縮機6から給湯用ガスクーラ7aに吐出される。低段圧縮機5と高段圧縮機6による二段圧縮によって、CO2冷媒が臨界圧力を超える圧力まで圧縮され、給湯ガスクーラ7aに送られるCO2冷媒の温度は例えば100℃を超える。給湯ガスクーラ7aでは、100℃程度のCO2冷媒と給湯水との熱交換が行われることで、給湯水が例えば90℃まで加熱される。次に、第1暖房用ガスクーラ9aでは、給湯用ガスクーラ7aで熱交換を終えたCO2冷媒と、ラジエータ21aから送られてきた暖房用水冷媒との間で熱交換が行われる。第1暖房用ガスクーラ9aで熱交換を終えたCO2冷媒は、液ガス熱交換器12において空気熱交換器11を出たCO2冷媒との熱交換により冷却される。さらに、第2暖房用ガスクーラ9bでは、液ガス熱交換器12で熱交換を終えたCO2冷媒と、ラジエータ21bから送られてきた暖房用水冷媒との間で熱交換が行われる。
第2暖房用ガスクーラ9bで熱交換を終えたCO2冷媒は、電動弁10aで減圧されて気液二相状態になる。空気熱交換器11において室外空気で加熱されたCO2冷媒は飽和ガス冷媒になり、液ガス交換器12に送られる。液ガス交換器12では、第1暖房用ガスクーラ9aで熱交換を終えたCO2冷媒と空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒とが熱交換されることにより、空気熱交換器11から送られてきたCO2冷媒の過熱度が大きくなる。液ガス熱交換器12で加熱されたCO2冷媒は、低段圧縮機5の吸入口に送られる。液ガス熱交換器12による熱交換により液ガス熱交換器12から低段圧縮機5に送られるCO2冷媒の過熱度を大きくすることで、低段圧縮機5が湿り蒸気を吸込むことによる湿り圧縮または液圧縮になるのを防いでいる。
給湯用二次冷媒循環回路3Aでは、貯湯タンク15A下部の取水口15eから取水された20℃程度の給湯水がインタークーラ13に送られてCO2冷媒との間で熱交換が行われる。インタークーラ13で温まった給湯水は、三方弁25で、貯湯タンク15A下部の取水口15cから取水された例えば20℃程度の給湯水と混合されてポンプ16により給湯用ガスクーラ7aに送られる。三方弁25で混合されて例えば例えば30℃になった給湯水が、給湯用ガスクーラ7aで90℃まで加熱されて、給湯用ガスクーラ7aから貯湯タンク15A上部の給湯口15dに戻される。インタークーラ13で加熱された給湯水を混合したものを給湯用ガスクーラ7aでさらに90℃まで加熱するのでエネルギー効率がよくなる。
暖房用二次冷媒循環回路4Aは、給湯用二次冷媒循環回路3Aと並行して動作しているが、暖房負荷の方が給湯負荷よりも大きく、例えば暖房負荷が給湯負荷の10倍程度である。暖房用二次冷媒循環回路4Aにおいて、暖房負荷に応じて第1暖房用ガスクーラ9aや第2暖房用ガスクーラ9bに供給される暖房用水冷媒の循環量がポンプ20a,20bにより調節される。暖房用水冷媒は、例えばラジエータ21aに供給されるときの温度が60℃で、室内空気と暖房用水冷媒と間で熱交換を行った後、ラジエータ21aから戻されるときの温度が40℃であり、例えばラジエータ21bに供給されるときの温度が45℃で、室内空気と暖房用水冷媒と間で熱交換を行った後、ラジエータ21bから戻されるときの温度が35℃である。これらの温度は温度センサ(図示省略)により測定されており、ラジエータ21a,21bに供給される暖房用水冷媒の温度とラジエータ21a,21bから戻される暖房用水冷媒の温度などに応じて循環量を変更するため制御部によりポンプ20a,20bが制御される。
(4)給湯のみの運転
夏季など暖房負荷がないときに給湯のみの運転を行う場合には、ヒートポンプ回路2Aにおいて、制御部により電磁弁14aが開放され、バイパス路14にCO2冷媒が流れるため、低段圧縮機5にはCO2冷媒が流れない。また、ヒートポンプ回路2Aにおいて、電動弁10aが全開にされる一方電動弁10bの開度が調節されることにより、CO2冷媒は、電動弁10bにおいて減圧され、電動弁10aをそのまま通過する。さらに、暖房用二次冷媒循環回路4Aにおいて、制御部により、開閉弁22が閉止され、開閉弁23a,24aが開放されて、第1暖房用ガスクーラ9aと第2暖房用ガスクーラ9bとの間で暖房用水冷媒が循環するよう設定される。
ヒートポンプ回路2Aにおいて、CO2冷媒がインタークーラ13で中間冷却されつつ低段圧縮機5と高段圧縮機6とによる二段圧縮で低圧ガス冷媒の状態から臨界状態にまで圧縮されて、給湯用ガスクーラ7aと第1暖房用ガスクーラ9aで臨界状態のCO2冷媒と給湯水及び暖房用水冷媒との熱交換が順次行われ、さらに液ガス熱交換器12でCO2冷媒の熱交換が行われるところまでの動作は、上述の通常運転の動作と同じである。
ヒートポンプ回路2Aにおいて、第1暖房用ガスクーラ9aと液ガス熱交換器12を経てきた超臨界状態のCO2冷媒は、電動弁10bで減圧されて気液二相状態になる。そのため、通常運転時と異なり、第2暖房用ガスクーラ9bが蒸発器として機能し、ポンプ20aから送られてきた暖房用水冷媒がCO2冷媒と熱交換されることによって冷却される。第2暖房用ガスクーラ9bで加熱されたCO2冷媒は、空気熱交換器11において室外空気との熱交換により加熱されたCO2冷媒は低圧ガス冷媒になり、液ガス交換器12に送られる。液ガス交換器12では、第2暖房用ガスクーラ9bで熱交換を終えたCO2冷媒と空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒との間で熱交換が行われることにより、空気熱交換器11から送られてきたCO2冷媒の過熱度が大きくなる。液ガス熱交換器12で加熱されたCO2冷媒は、低段圧縮機5の吸入口に送られる。液ガス熱交換器12による熱交換により液ガス熱交換器12から低段圧縮機5に送られるCO2冷媒の過熱度を大きくすることで、低段圧縮機5が湿り蒸気を吸込むことによる湿り圧縮または液圧縮になるのを防いでいる。
給湯用二次冷媒循環回路3Aでは、通常運転と同様に、給湯用ガスクーラ7aで順次給湯水とCO2冷媒との熱交換が行われる。
暖房用二次冷媒循環回路4Aでは、ポンプ20aにより暖房用水冷媒が第1暖房用ガスクーラ9aと第2暖房用ガスクーラ9bとの間で循環しており、ラジエータ21a,21bには流れない。循環している暖房用水冷媒は、第1暖房用ガスクーラ9aにおけるCO2冷媒との熱交換で加熱され、第2暖房用ガスクーラ9bにおけるCO2冷媒との熱交換で冷却される。第2暖房用ガスクーラ9bで給湯水から奪われる熱エネルギーが、第1暖房用ガスクーラ9aで給湯水に与えられる熱エネルギーで相殺できるように制御されることにより、第1暖房用ガスクーラ9a及び第2暖房用ガスクーラ9bの間を循環する暖房用水冷媒の温度上昇がなくなる。
(5)暖房のみの運転
暖房運転のみが行われる場合には、ヒートポンプ回路2Aにおいて、制御部により電磁弁14aが開放されてバイパス路14にはCO2冷媒が流れるため、低段圧縮機6にはCO2冷媒が流れない。通常運転時と異なり、電動弁10bが全開にされる一方電動弁10aの開度が調節されることにより、CO2冷媒は、電動弁10bをそのまま通過し、電動弁10aにおいて減圧される。暖房用二次冷媒循環回路4Aにおいては、通用運転の場合と同様に、開閉弁22が開放され、開閉弁23a,24aが閉止されることにより、第1暖房用ガスクーラ9aに流れる暖房用水冷媒と第2暖房用ガスクーラ9bに流れる暖房用水冷媒とが分離されている。
ヒートポンプ回路2Aにおいて、空気熱交換器11で熱交換を終えた低圧ガス冷媒(CO2冷媒)はバイパス路14を通ってインタークーラ13に送られる。インタークーラ13が蒸発器として機能するため、空気熱交換器11で熱交換を終えたCO2冷媒は、暖房用水冷媒との熱交換によりさらに加熱されて過熱度が大きくなる。インタークーラ13で熱交換を終えたCO2冷媒は超臨界状態にまで圧縮されて給湯用ガスクーラ7aに送られる。高段圧縮機6が単段で圧縮してCO2冷媒の吐出温度を例えば100℃よりも低い温度にすることで、給湯用ガスクーラ7aでは、CO2冷媒と給湯水との熱交換によって給湯水が沸騰するのを防いでいる。
給湯用ガスクーラ7aで熱交換を終えた超臨界状態のCO2冷媒は、第1暖房用ガスクーラ9aで、暖房用水冷媒との熱交換により暖房用水冷媒を加熱する。第1暖房用ガスクーラ9aで熱交換を終えたCO2冷媒は、液ガス熱交換器12に送られるが、液ガス熱交換器12には空気熱交換器11からCO2冷媒が送られてこないため液ガス熱交換器12で熱交換は行われない。液ガス熱交換器12を通過したCO2冷媒は、電動弁10a,10b及び第2暖房用ガスクーラ9bを経由して空気熱交換器11に送られるが、電動弁10a,10b、第2暖房用ガスクーラ9b及び空気熱交換器11における動作は通常時の場合と同様であるので説明を省略する。
給湯用二次冷媒循環回路3Aでは、ポンプ16により給湯水が循環している。循環している給湯水は、給湯用ガスクーラ7aにおけるCO2冷媒との熱交換で加熱され、インタークーラ13におけるCO2冷媒との熱交換で冷却される。インタークーラ13で給湯水から奪われる熱エネルギーが、給湯用ガスクーラ7aで給湯水に与えられる熱エネルギーで相殺できるように制御されることにより、取水口15cから取った給湯水の温度とほぼ同じ温度で給湯用二次冷媒循環回路3から給湯口15dに給湯用二次冷媒が戻される。それにより、貯湯タンク15の給湯水が沸きすぎるなどの不具合が防止される。
暖房用二次冷媒循環回路4Aは、暖房のみの運転においても通常運転と同様に運転されるので説明を省略する。
(b)
上記実施形態においては、給湯用二次冷媒及び暖房用二次冷媒の両方に水が用いられる場合について説明したが、孔食防止の対象となる回路の冷媒が水であり、他方の冷媒が水以外のものである組み合わせも可能である。この場合、もう一方の冷媒に当たる給湯用二次冷媒及び暖房用二次冷媒は水以外の液体である。また、給湯用二次冷媒に貯湯タンク15,15Aに貯留される水を使っているが、給湯用二次冷媒に水以外の媒体を用いる場合には例えば、貯湯タンク15,15Aの水と給湯用二次冷媒との間で熱交換を行うための熱交換器を設けることもできる。
(c)
上記実施形態においては、暖房用のために室内などに熱を放出するための暖房端末としてラジエータ21,21a,21bを用いる場合について説明したが、暖房端末はラジエータ21,21a,21bに限られない。例えば、ファンコイルユニットや床暖房用の配管などの居室内放熱器を用いることができる。また、暖房端末として用いられる機器は一つに限られず、複数であってもよく、また複数ある場合に異なる種類の放熱器を組合わせてもよい。
(d)
上記実施形態においては、第1給湯用ガスクーラ7及び第2給湯用ガスクーラ8という2つの給湯用ガスクーラと、1つの暖房用ガスクーラ9をヒートポンプ回路2に直列に挿入した場合について説明している。しかし、直列に配置される給湯用ガスクーラと暖房用ガスクーラは他の構成であってもよく、例えば、図6に示すような構成にすることができる。
図6(a)は、暖房専用のガスクーラの代わりに暖房用ガスクーラと給湯用ガスクーラの機能を併せ持つガスクーラを用いた場合の構成を示す概念図である。一次冷媒28の流路において、第1給湯用ガスクーラ7と暖房・給湯兼用ガスクーラ50と第2給湯用ガスクーラ8が、この順で直列に配置されている。図6(a)に示すように暖房・給湯兼用ガスクーラ50を暖房用ガスクーラ9に置き換えると、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が第1給湯用ガスクーラ7、第2給湯用ガスクーラ8及び暖房・給湯兼用ガスクーラ50の全てで行えるようになる。一方、一次冷媒28と暖房用二次冷媒48との熱交換が行われるのは、暖房・給湯兼用ガスクーラ50においてだけである。図6(a)に示す構成を用いた場合、暖房負荷がないときでも、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が第1給湯用ガスクーラ7、第2給湯用ガスクーラ8及び暖房・給湯兼用ガスクーラ50の全てで行えるためエネルギー効率がよくなる。また、暖房負荷がないときには、暖房用二次冷媒48によるラジエータ19への熱エネルギーの供給がなくなるが、そのようなときでも暖房・給湯兼用ガスクーラ50において一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との間で熱交換が行われるため、暖房用二次冷媒48が沸騰するような不具合の発生が抑制される。
給湯負荷がないときには、上記の一実施形態と同様に、第1給湯用ガスクーラ7と第2給湯用ガスクーラ8との間で熱交換量のキャンセルを行う。
図6(a)に示す暖房・給湯兼用ガスクーラ50としては、例えば図7に示すような構成を用いることができる。図7の暖房・給湯兼用ガスクーラ50は、一次冷媒28が流れる板状の多穴管50a、給湯用二次冷媒38が流れる扁平な扁平管50b、暖房用二次冷媒48が流れる扁平な扁平管50c、及び多穴管50aを順に積層して形成されている。つまり、2つの多穴管50aの間に扁平管50b,50cが挟まれた4層構成になっている。多穴管50aは、矩形状の断面に、多穴管50aの長手方向に沿う多数の貫通穴50jを有している(図7(b)参照)。これら貫通穴50jは一次冷媒28が流れる冷媒管50d,50eに繋がっている。一次冷媒28は、冷媒管50dから冷媒管50eに向かって流れる。扁平管50bは冷媒管50f,50gに繋がっており、給湯用二次冷媒38が冷媒管50fから冷媒管50gに向かって流れる。また、扁平管50cは冷媒管50h,50iに繋がっており、暖房用二次冷媒48が冷媒管50hから冷媒管50iに向かって流れる。このとき、図7(b)における上部の多穴管50aと扁平管50bとの間で一次冷媒28と給湯用二次冷媒38の熱交換が行われ、下部の多穴管50aと扁平管50cとの間で一次冷媒28と暖房用二次冷媒48の熱交換が行われる。そのため、多穴管50aや扁平管50b,50cは、アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で形成されている。
図6(b)は、2つの給湯用ガスクーラと1つの暖房用ガスクーラを1つの給湯・暖房兼用のガスクーラに置き換える場合の構成を示す概念図である。給湯・暖房兼用ガスクーラ51においては、給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向の全長にわたって一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が行われ、給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向の中央部分において一次冷媒28と暖房用二次冷媒48との熱交換が行われる。そのため、給湯・暖房兼用ガスクーラ51は、第1給湯用ガスクーラ7と暖房・給湯兼用ガスクーラ50と第2給湯用ガスクーラ8を合わせた機能を有している。この場合、端部近傍D1,D2の給湯用ガスクーラ相当部分と長手方向中央部Cの暖房用ガスクーラの機能部分とが直列に配置されている格好になっている。また、領域E1と領域E2が第1給湯用ガスクーラ7と第2給湯用ガスクーラ8に相当し、給湯負荷がない場合には、これらの領域E1,E2で熱交換量のキャンセルが行われる。
図6(b)に示す給湯・暖房兼用ガスクーラ51を用いた場合、暖房負荷がないときでも、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換が給湯・暖房兼用ガスクーラ51の全長の全てで行えるためエネルギー効率がよくなる。また、暖房負荷がないときには、暖房用二次冷媒48によるラジエータ19への熱エネルギーの供給がなくなるが、そのようなときでも給湯・暖房兼用ガスクーラ51において一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との間で熱交換が行われるため、暖房用二次冷媒48が沸騰するような不具合が発生することはない。
図6(b)に示す給湯・暖房兼用ガスクーラ51としては、例えば図8及び図9に示すような構成を用いることができる。図8及び図9の給湯・暖房兼用ガスクーラ51は、一次冷媒28が流れる板状の多穴管51a、給湯用二次冷媒38が流れる扁平な扁平管51b、及び暖房用二次冷媒48が流れる扁平な扁平管51cを積層して形成されている。給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向中央部Cにおいては、一次冷媒28を途中で給湯・暖房兼用ガスクーラ51の外部へ取り出す冷媒管51f、51gの部分を除いて、図9(a)に示すように、多穴管51aと扁平管51bと扁平管51cと多穴管51aが順に積層された4層構造になっている。ところが、給湯・暖房兼用ガスクーラ51の長手方向における冷媒管51d,51e,51h,51iに近い端部近傍D1,D2では、図9(b)に示すように、多穴管51aと扁平管51bと多穴管51aが順に積層された3層構造になっている。多穴管51aは、矩形状の断面に、多穴管51aの長手方向に沿う多数の貫通穴51lを有している。これら貫通穴51lは一次冷媒28が流れる冷媒管51d,51e,51f,51gに繋がっている。一次冷媒28は、冷媒管51dから冷媒管51f,51gを経由して冷媒管51eに向かって流れる。この冷媒管51f,51gが液ガス熱交換器12と電動弁10bに接続される。
扁平管51bは冷媒管51h,51iに繋がっており、給湯用二次冷媒38が冷媒管51hから冷媒管51iに向かって流れる。また、扁平管51cは冷媒管51j,51kに繋がっており、暖房用二次冷媒48が冷媒管51jから冷媒管51kに向かって流れる。このとき、給湯・暖房用ガスクーラ51の長手方向中央部Cでは、図9(a)における上部の多穴管51aと扁平管51bとの間で一次冷媒28と給湯用二次冷媒38の熱交換が行われ、下部の多穴管51aと扁平管51cとの間で一次冷媒28と暖房用二次冷媒48の熱交換が行われる。一方、給湯・暖房用ガスクーラ51の端部近傍D1,D2では、図9(b)における上部と下部の多穴管51aと扁平管51bとの間で一次冷媒28と給湯用二次冷媒38の熱交換が行われる。この場合、端部近傍D1が図6(a)の第1給湯用ガスクーラ7に相当する機能を発揮し、端部近傍D2が図6(b)の第2給湯用ガスクーラ8に相当する機能を発揮する。そのため、多穴管51aや扁平管51b,51cは、アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で形成されている。
なお、暖房のみの運転の際(給湯負荷がないとき)には、一次冷媒28との関係で領域E1と領域E2のうち一方が凝縮器として機能して他方が蒸発器として機能するので、一次冷媒28と給湯用二次冷媒38との熱交換については、領域E1と領域E2の間で熱交換量のキャンセルが行われる。一次冷媒28と暖房用二次冷媒48との関係では、長手方向中央部Cと領域E1とが重なる部分で暖房用二次冷媒48が加熱される。図8に示した給湯・暖房兼用ガスクーラ51はコンパクトにつくるため、長手方向中央部Cと領域E2が一部重なっているが、暖房のみの運転時の熱効率をよくするためには領域E2と長手方向中央部Cとが重ならない方が好ましく、重ならないように設計することも可能である。
<特徴>
給湯暖房システム1,1Aによれば、給湯用ガスクーラ7,8,7aと暖房用ガスクーラ9,9a,9bとがヒートポンプ回路2,2Aにおいて直列に配置されているので、暖房のみの運転を行う場合または給湯のみの運転を行う場合に、ヒートポンプ回路2,2AにおいてCO2冷媒を循環させたときに運転を休止したい方のガスクーラにもCO2冷媒が流れてしまう。そこで、暖房のみの運転の時には、給湯用ガスクーラ7,7a,8での熱交換により生じる熱エネルギーを、第1給湯用ガスクーラ7(第2水熱交換器)と第2給湯用ガスクーラ8(第1水熱交換器)のように給湯用ガスクーラ同士で相殺するか、または給湯用ガスクーラ7a(第2水熱交換器)とインタークーラ13(第1水熱交換器)で相殺して、給湯用二次冷媒循環回路3,3Aにおいて貯湯タンク15(給湯タンク)に貯えられる給湯水に与えられる熱量をほぼゼロに抑える状態(第1状態)を生成することができる。
また、給湯のみの運転の時には、暖房用ガスクーラ9,9a,8での熱交換により生じる熱エネルギーを、第1暖房用ガスクーラ9a(第4水熱交換器)と第2暖房用ガスクーラ9b(第3水熱交換器)のように暖房用ガスクーラ同士で相殺するか、または暖房用ガスクーラ9(第4水熱交換器)とインタークーラ13(第3水熱交換器)で相殺して、暖房用二次冷媒循環回路4,4Aにおいてラジエータ19(暖房端末)に循環する水冷媒に与えられる熱量をほぼゼロに抑える状態(第2状態)を生成することができる。それにより、暖房のみの運転の際に給湯用二次冷媒循環回路で給湯水を加熱することなく給湯水を循環させることができ、あるいは給湯のみの運転の際に暖房用二次冷媒循環回路で水熱媒を加熱することなく循環させることができ、孔食の発生を防止しつつ暖房のみの運転または給湯のみの運転を行わせることができるようになっている。
上述のようにインタークーラ13や給湯用ガスクーラや暖房用ガスクーラをそれらが本来の機能を果たす必要のないときに、熱エネルギーを相殺するための機器に転用することで、新たな機器を追加せずに孔食を防止できるシステムを構築することができる。それにより、暖房のみの運転または給湯のみの運転を行う際に孔食を防止できる給湯暖房システムを、構成の簡素化により安価に提供できるようになる。
特に、低段圧縮機5(第1圧縮要素)と高段圧縮機6(第2圧縮要素)による二段圧縮の中間冷却を行うためのインタークーラ13を蒸発器として機能させるために、低段圧縮機5(第1圧縮要素)をバイパスするためのバイパス路14が設けられている。バイパス路14を設けるという簡単な構成の付加で、インタークーラ13を孔食防止のための機器へ転用することを可能にしている。
なお、水熱交換器同士で上述の第1状態及び第2状態を生成して熱量の授受が総計で略ゼロになるようにするのが好ましいが、水熱交換器以外の冷却手段を用いて冷媒に与えられる熱量をキャンセルしてもよい。例えばフィンなど他の冷却手段による冷却を用いることができ、また水熱交換器による冷却に対して自然に配管などから放出される熱量を考慮することや他の冷却手段を組み合わせることもできる。そのような場合、水熱交換器で熱量の一部を取り除くだけで水熱交換器同士の熱量の授受で略ゼロにできない場合であっても、他の冷却手段などの負担が減ることから設計の選択の幅が広がるので上記各実施形態の構成を適用する効果はある。
1,1A 給湯暖房システム
2,2A ヒートポンプ回路
3,3A 給湯用二次冷媒循環回路
4,4A 暖房用二次冷媒循環回路
5 低段圧縮機
6 高段圧縮機
7 第1給湯用ガスクーラ
7a 給湯用ガスクーラ
8 第2給湯用ガスクーラ
9 暖房用ガスクーラ
9a 第1暖房用ガスクーラ
9b 第2暖房用ガスクーラ
13 インタークーラ
15,15A 貯湯タンク
21,21a,21b ラジエータ
特開平9−210505号公報

Claims (8)

  1. 一次冷媒を圧縮するための圧縮機構(5,6)を含み、前記一次冷媒と給湯用二次冷媒及び暖房用二次冷媒との間で熱交換を行って前記給湯用二次冷媒及び前記暖房用二次冷媒に熱を供給するためのヒートポンプ回路(2,2A)と、
    給湯タンク(15,15A)を含み、前記給湯タンクに貯留している給湯水に熱を供給するため前記給湯用二次冷媒を循環させる給湯用二次冷媒循環回路(3,3A)と、
    暖房のための放熱を行う暖房端末(21,21a,21b))を含み、前記暖房端末で熱交換を行わせるため前記暖房端末に前記暖房用二次冷媒を循環させる暖房用二次冷媒循環回路とを備え、
    前記ヒートポンプ回路の前記圧縮機構を運転させた状態において、前記給湯用二次冷媒が給湯水である場合に前記ヒートポンプ回路から循環している前記給湯水に供給される熱量を略ゼロにする第1状態、及び前記暖房用二次冷媒が水冷媒である場合に前記ヒートポンプ回路から循環している前記水冷媒に供給される熱量を略ゼロにする第2状態のうちの少なくとも一方の状態を生成できる、給湯暖房システム。
  2. 前記給湯用二次冷媒循環回路は、前記給湯用二次冷媒として前記給湯水を使用し、
    前記ヒートポンプ回路及び前記給湯用二次冷媒循環回路は、前記一次冷媒と前記給湯水との間で熱交換を行うため前記一次冷媒と前記給湯水が循環する第1水熱交換器(8,13)及び第2水熱交換器(7)を含み、前記給湯タンクの前記給湯水に熱を供給しないときには前記第1状態を生成するため、前記第1水熱交換器で前記給湯水から前記一次冷媒に熱を供給し、前記第2水熱交換器で前記一次冷媒から前記給湯水に熱を供給する、請求項1に記載の給湯暖房システム。
  3. 前記第1水熱交換器及び前記第2水熱交換器は、前記一次冷媒及び前記給湯水が順次流れるように直列に接続された第1給湯用ガスクーラ(7)及び第2給湯用ガスクーラ(8)である、請求項2に記載の給湯暖房システム。
  4. 前記暖房用二次冷媒循環回路は、前記暖房用二次冷媒として水冷媒を使用し、
    前記ヒートポンプ回路及び前記暖房用二次冷媒循環回路は、前記一次冷媒と前記水冷媒との間で熱交換を行うため前記一次冷媒と前記水冷媒が循環する第3水熱交換器(13,9b)及び第4水熱交換器(9,9a)を含み、前記暖房端末で熱を供給しないときには前記第2状態を生成するため、前記第3水熱交換器で前記水冷媒から前記一次冷媒に熱を供給し、前記第4水熱交換器で前記一次冷媒から前記水冷媒に熱を供給する、請求項2または請求項3に記載の給湯暖房システム。
  5. 前記圧縮機構は、第1圧縮要素(5)及び前記第1圧縮要素から吐出された前記一次冷媒の圧力をさらに高めて吐出する第2圧縮要素(6)を含み、前記第1水熱交換器または前記第3水熱交換器を中間冷却器として機能させて前記第1圧縮要素から前記第2圧縮要素に吐出される前記一次冷媒の中間冷却を行いつつ前記一次冷媒の多段圧縮を行う多段圧縮機構である、請求項2または請求項4に記載の給湯暖房システム。
  6. 前記圧縮機構は、前記第1圧縮要素をバイパスするバイパス路(14)をさらに含み、前記暖房端末で熱を供給するときには前記バイパス路を閉じて前記第1水熱交換器または前記第3水熱交換器を凝縮器として機能させ、前記暖房端末で熱を供給しないときには前記バイパス路を開いて前記第1水熱交換器または前記第3水熱交換器を蒸発器として機能させる、請求項5に記載の給湯暖房システム。
  7. 一次冷媒を圧縮するための圧縮機構(5,6)と第1水熱交換器(8,13)と第2水熱交換器(7,7a)とを含み、前記一次冷媒と給湯水との間での熱交換を前記第1水熱交換器及び前記第2水熱交換器により行うとともに、前記一次冷媒と暖房用二次冷媒との間で熱交換を行うためのヒートポンプ回路(2,2A)と、
    前記第1水熱交換器と前記第2水熱交換器と給湯タンク(15,15a)とを含み、前記給湯タンクに貯留している前記給湯水に熱を供給するため前記給湯水を前記第1水熱交換器と前記第2水熱交換器と前記給湯タンクとの間で循環させる給湯用二次冷媒循環回路(3,3A)と、
    暖房のための放熱を行う暖房端末(21,21a,21b)を含み、前記暖房端末で熱交換を行わせるため前記暖房端末に前記暖房用二次冷媒を循環させる暖房用二次冷媒循環回路(4,4A)とを備え、
    前記ヒートポンプ回路の前記圧縮機構を運転させた状態において、前記給湯タンクの前記給湯水に熱を供給しないときには前記第1水熱交換器で前記給湯水から前記一次冷媒に熱を供給するとともに第2水熱交換器で前記一次冷媒から前記給湯水に熱を供給する、給湯暖房システム。
  8. 一次冷媒を圧縮するための圧縮機構(5,6)と第1水熱交換器(13,9b)と第2水熱交換器(9,9a)とを含み、前記一次冷媒と給湯用二次冷媒との間で熱交換を行うとともに、前記一次冷媒と水冷媒との間での熱交換を前記第1水熱交換器及び前記第2水熱交換器により行って水冷媒に熱を供給するためのヒートポンプ回路(2,2A)と、
    給湯タンク(15,15A)を含み、前記給湯タンク(15,15A)に貯留している給湯水に熱を供給するため前記給湯用二次冷媒を循環させる給湯用二次冷媒循環回路(3,3A)と、
    前記第1水熱交換器と前記第2水熱交換器と暖房の貯めの放熱を行う暖房端末(21,21a,21b)とを含み、前記暖房端末で熱交換を行わせるため前記第1水熱交換器と前記第2水熱交換器と前記暖房端末との間で前記水冷媒を循環させる暖房用二次冷媒循環回路(4,4A)とを備え、
    前記ヒートポンプ回路の前記圧縮機構を運転させた状態において、前記暖房端末で熱を供給しないときには前記第1水熱交換器で前記水冷媒から前記一次冷媒に熱を供給するとともに前記第2水熱交換器で前記一次冷媒から前記水冷媒に熱を供給する、給湯暖房システム。
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