JP2010210021A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たなバルブを追加することなく、確実にフェール発生時に係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断することが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】油圧制御装置20は、ライン圧を生成するライン圧発生源5と、複数の摩擦係合要素C−1〜C−4,B−1,B−2を係合させるリニアソレノイドバルブSL1〜SL5とを有しており、ライン圧を摩擦係合要素に元圧として供給する元圧供給油路a,a,d,d〜dにはパーキング切換えバルブ32が介在している。パーキング切換えバルブ32は、パーキングシリンダ33に油圧を出力するパーキング解除位置(右半位置)にて元圧供給油路a,a,d,d〜dを連通させ、油圧を出力しないパーキング噛合位置(左半位置)にて元圧供給油路a,a,d,d〜dを遮断する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車輌などに搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、係合圧ソレノイドバルブに元圧を供給する元圧供給油路の油路構造に関する。
一般に、自動車などの車輌に搭載される多段式の自動変速機においては、変速歯車機構における伝達経路をクラッチやブレーキの係脱により決定しており、これらクラッチやブレーキの係脱を電子制御される各ソレノイドバルブを用いて油圧制御する油圧制御装置が備えられている。
従来、上述のような油圧制御装置にあって、例えば断線やショートが生じた場合、或いは油圧制御装置内において何らかの故障を検知した場合など、ソレノイドバルブに何ら電気信号を送らない状態、いわゆるソレノイド・オールオフフェールの状態において、車両の走行を確保するために油圧制御によって変速段を形成可能にするものが提案されている(特許文献1参照)。
このものは、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5をノーマルクローズタイプによって構成し、走行中にソレノイド・オールオフフェールが生じた場合、前進7速段を形成する第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3に接続されたリニアソレノイドバルブSL2,SL3の排出ポートに前進レンジ圧を逆入力させ得るように構成されており、オールオフフェール時における前進7速段の形成によりフェールセーフ機能を達成している。
一方、上記油圧制御装置にレンジ圧の設定を行うものとしては、シフトレバーに機械的に連動するマニュアルバルブを用いたものが一般的であったが、近年、車輌設計の自由度の向上等が望まれるようになり、シフトレバーの操作を電気指令に変換し、電気的に(いわゆるシフトバイワイヤによって)レンジ圧の設定を行うものが考えられている(特許文献2及び3参照)。
このものは、シフトレバーが機械的にリンクしていないため、パーキングポールをパーキングギヤに係脱させるための駆動手段として油圧ピストンを有しており、該油圧ピストンのシリンダへの油圧の給排を切換え弁で制御することによって、上記ピストンの移動を操作し、パーキング装置をパーキング状態もしくはパーキング解除状態に切換えている。
特開2007−177932号公報 特表2002−533631号公報 特許EP1408260B1号公報
また、上述したようにシフトバイワイヤ式の自動変速機はシフトレバーと機械的にリンクしていないため、シフトレンジを手動によりパーキング(P)レンジもしくはニュートラル(N)レンジに切換えて、係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断することができない。そのため、リニアソレノイドバルブが係合圧を出力し続けて摩擦係合要素が解放不能に陥る故障(係合フェール)などが発生した場合に、係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断するための機構が必要となる。
一般的に、上記係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断する機構としては、該係合圧ソレノイドバルブの元圧供給油路にバルブを介在させ、該バルブによって元圧供給油路を遮断することが考えられる。
しかし、このようなバルブは、係合フェールなどの故障が発生して初めて作動するため長年に亘って使用されることがなく、実際にフェールが発生した際に作動するかを事前にチェックすることができない。
そのため、係合圧ソレノイドバルブと、元圧遮断用のバルブの両方に故障が発生することを想定して、元圧遮断用のバルブを元圧供給油路に追加で介在させることも考えられるが、バルブ数が多くなるため、油圧制御装置のコンパクト化の妨げになると共に、重量増加の原因にもなってしまう。また、部品点数も増加するため製造コストも高くなる。
そこで、本発明は、新たなバルブを追加することなく、確実にフェール発生時に係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断することが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、元圧(P)を生成する元圧生成部(5)と、前記元圧(P)を元圧供給油路(a,a,d,d〜d)を介して入力し、摩擦係合要素(C−1〜C−4,B−1,B−2)の油圧サーボ(51〜54,61,62)に供給する係合圧として調圧し得る複数の係合圧ソレノイドバルブ(SL1〜SL5)と、を備えた自動変速機の油圧制御装置(20)において、
パーキングギヤ(21)の噛合・解除を駆動制御するパーキング機構(9)のパーキングシリンダ(33)に、前記元圧(P)を前記パーキングギヤ(21)の解除をするためのパーキング解除圧として供給するパーキング解除位置(右半位置)と、該元圧(P)を遮断して該パーキング解除圧(P)を非供給にするパーキング噛合位置(左半位置)とに切換えられるパーキング切換えバルブ(32)を備え、
前記パーキング切換えバルブ(32)を、前記元圧供給油路(a,a,d,d〜d)に介在させると共に、前記パーキング解除位置(右半位置)にて前記元圧供給油路(a,a,d,d〜d)を連通し、前記パーキング噛合位置(左半位置)にて前記元圧供給油路(a,a,d,d〜d)を遮断するように構成した、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置(20)にある。
請求項2に係る発明は、前記パーキング切換えバルブ(32)は、前記パーキング噛合位置(左半位置)に付勢する付勢部材(32s)と、前記パーキング解除位置(右半位置)にて前記元圧(P)により該パーキング解除位置(右半位置)にロックするロック油室(32f)と、を有してなり、
前記パーキング切換えバルブ(32)を前記パーキング解除位置(右半位置)に切換える第1信号圧(PS1)を出力し得る第1ソレノイドバルブ(S1)と、
前記パーキング切換えバルブ(32)を前記パーキング噛合位置(左半位置)に切換える第2信号圧(PS2)を出力し得る第2ソレノイドバルブ(S2)と、を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置(20)にある。
請求項3に係る発明は、前記パーキングシリンダ(33)に対して前記パーキング解除圧(P)が非供給状態となった際に、前記パーキングギヤ(21)の解除を維持するように前記パーキング機構(9)を保持し得るパーキング解除保持機構(34)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置(20)にある。
請求項4に係る発明は、前記元圧供給油路(a,a,d,d〜d)にあって前記パーキング切換えバルブ(32)と前記複数の係合圧ソレノイドバルブ(SL1〜SL5)との間に介在し、前記複数の係合圧ソレノイドバルブ(SL1〜SL5)に対して前記元圧(P)を連通する正常位置(左半位置)と、フェール時に該元圧を遮断し得るフェール位置(右半位置)とに切換えられるフェール時元圧遮断切換えバルブ(35)と、
前記フェール時元圧遮断切換えバルブ(35)を前記フェール位置(右半位置)に切換える第3信号圧(PS3)を出力し得る第3ソレノイドバルブ(S3)と、を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置(20)にある。
請求項5に係る発明は、前記フェール時元圧遮断切換えバルブ(35)は、前記フェール位置(右半位置)にて、前記複数の係合圧ソレノイドバルブ(SL1〜SL5)のうちの所定の係合圧ソレノイドバルブ(例えばSL2,SL3)の排出ポート(SL2c,SL3c)に、前記元圧供給油路(a,a,d,d〜d)からの前記元圧(P)を逆入力させることで所定変速段(例えば前進7速段)を形成し得るように構成されてなる、
ことを特徴とする請求項4記載の自動変速機の油圧制御装置にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に記載の発明によると、係合圧ソレノイドバルブに元圧を供給する元圧供給油路にパーキング切換えバルブを介在させ、パーキング解除位置において元圧供給油路を連通し、パーキング噛合位置にて元圧供給油路を遮断することにより、常時作動している切換えバルブによって、確実に係合圧ソレノイドへの元圧の供給を遮断することができる。また、新たにバルブを追加する必要がないため、油圧制御装置をコンパクトに構成することができ、部品点数も少なくてすむため、製造コストも低いものとなる。
請求項2に記載の発明によると、パーキング切換えバルブを、第1ソレノイドバルブからの第1信号圧によってパーキング解除位置に切換えると共に、ロック油室に元圧が供給されると該パーキング解除位置において、その位置がロックされるため、通常の走行時に係合圧ソレノイドバルブの元圧が遮断されることを防止できる。また、第2ソレノイドバルブからの第2信号圧によって、パーキング噛合位置に切換えることによって、容易に係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断することができる。
請求項3に記載の発明によると、走行中にフェールが発生し、パーキング切換えバルブをパーキング噛合位置にして係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断しても、パーキング解除保持機構によりパーキングギヤの解除を維持することによって、走行中にパーキング状態になることを防止することができる。
請求項4に記載の発明によると、元圧供給油路において、パーキング切換えバルブと係合圧ソレノイドバルブとの間に、元圧遮断切換えバルブを介在させることによって、これらパーキング切換えバルブ及び元圧遮断切換えバルブの両方によって、確実に係合圧ソレノイドバルブの元圧を遮断することができる。
請求項5に記載の発明によると、元圧遮断切換えバルブを、逆入力可能に構成したことによって、ソレノイド・オールオフフェール時のリンプホーム機能を達成することができる。
本発明の実施形態に係る自動変速機構を示すスケルトン図。 本発明の実施形態に係る自動変速機の係合表。 本発明の実施形態に係る油圧制御装置を示す概略図。 本発明の実施形態に係るパーキング機構の概略図。 本発明の実施形態に係る油圧制御装置の作動表。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に沿って説明する。
[自動変速機の構成]
まず、本発明を適用し得るシフトバイワイヤ式の自動変速機1(以下、単に「自動変速機」という)の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFRタイプ(フロントエンジン、リヤドライブ)の車両に用いて好適な自動変速機1は、不図示のエンジンに接続し得る自動変速機1の入力軸11を有しており、該入力軸11の軸方向を中心としてトルクコンバータ7と、変速機構2とを備えている。
上記トルクコンバータ7は、自動変速機1の入力軸11に接続されたポンプインペラ7aと、作動流体を介して該ポンプインペラ7aの回転が伝達されるタービンランナ7bとを有しており、該タービンランナ7bは、上記入力軸11と同軸上に配設された上記変速機構2の入力軸12に接続されている。また、該トルクコンバータ7には、ロックアップクラッチ10が備えられており、該ロックアップクラッチ10が係合されると、上記自動変速機1の入力軸11の回転が変速機構2の入力軸12に直接伝達される。
上記変速機構2には、入力軸12(及び中間軸13)上において、プラネタリギヤDPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤDPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1に噛合するピニオンP1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP2を互いに噛合する形で有している、いわゆるダブルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR3を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR3に噛合するロングピニオンP4と、該ロングピニオンP4及びサンギヤS3に噛合するショートピニオンP3とを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤDPのサンギヤS1は、例えばミッションケース3に一体的に固定されているボス部3bに接続されて回転が固定されている。該ボス部3bは、オイルポンプボディから延設されている。また、上記キャリヤCR1は、上記入力軸12に接続されて、該入力軸12の回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっていると共に、第4クラッチC−4(摩擦係合要素)に接続されている。更に、リングギヤR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するキャリヤCR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第1クラッチC−1(摩擦係合要素)及び第3クラッチC−3(摩擦係合要素)に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、係止手段としての第1ブレーキB−1(摩擦係合要素)に接続されてミッションケース3に対して固定自在となっていると共に、上記第4クラッチC−4及び上記第3クラッチC−3に接続されて、第4クラッチC−4を介して上記キャリヤCR1の入力回転が、第3クラッチC−3を介して上記リングギヤR1の減速回転が、それぞれ入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、第1クラッチC−1に接続されており、上記リングギヤR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、中間軸13を介して入力軸12の回転が入力される第2クラッチC−2(摩擦係合要素)に接続されて、該第2クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、係止手段としてのワンウェイクラッチF−1及び第2ブレーキB−2(摩擦係合要素)に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケース3に対して一方向の回転が規制されると共に、該第2ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR3は、不図示の駆動車輪に回転を出力する出力軸15に接続されている。
そして、上述した変速機構2は、図2に示した各変速段と、各クラッチ及び各ブレーキとの関係を表した係合表に示された組み合わせで各クラッチ及び各ブレーキを作動させることにより、前進1速〜8速の変速段と、後進1速の変速段を達成する。
[油圧制御装置の全体構成]
つづいて、本発明に係る油圧制御装置20の全体構成について、図3に基づいて説明する。なお、各バルブにおける実際のスプールは1本であるが、スプール位置の切換え位置或いはコントロール位置を説明するため、図3中に示す右半分の状態を「右半位置」、左半分の状態を「左半位置」という。
油圧制御装置20は、主に各種の元圧となる油圧を調圧・生成するための、ストレーナ、オイルポンプ、プライマリレギュレータバルブ、セカンダリレギュレータバルブ、ソレノイドモジュレータバルブ、及びリニアソレノイドバルブSLT等を備えており、本実施の形態では、これらライン圧Pを発生させるオイルポンプ及びプライマリレギュレータバルブを合わせてライン圧発生源(元圧生成部)5として図示している。
また、該油圧制御装置20は、複数のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5と、これらリニアソレノイドバルブSL1〜SL5により調圧された係合圧に基づき上記クラッチC−1〜C−4及びブレーキB−1,B−2を係脱し得る油圧サーボ51,52,53,54,61,62と、パーキング切換えバルブ32と、パーキングシリンダ33と、元圧切換えバルブ35と、振分け切換えバルブ36と、これらバルブ32,35,36を制御する第1〜第3ソレノイドバルブS1,S2,S3と、を備えており、制御部6からの制御信号に基づいてこれらソレノイドバルブSL1〜SL5,S1〜S3を電気的に制御し、上記摩擦係合要素C−1〜C−4,B−1,B−2を係脱させている。
なお、本油圧制御装置20における第3ソレノイドバルブS3以外のソレノイドバルブ、即ちリニアソレノイドバルブSL1〜SL5、並びに第1及び第2ソレノイドバルブS1,S2は、非通電時(以下、「オフ」ともいう。)に入力ポートと出力ポートとを遮断し、通電時(以下、「オン」ともいう。)に連通する、いわゆるノーマルクローズ(N/C)タイプのものが用いられており、反対に第3ソレノイドバルブS3だけにノーマルオープン(N/O)タイプのものが用いられている。
また、上記ライン圧発生源5によって調圧されたライン圧Pは、それぞれ油路a,a及び油路aを介して、上記ノーマルクローズ(N/C)タイプの第1及び第2ソレノイドバルブS1,S2の入力ポートS1a,S2aに入力されていると共に、油路a,a,a,aを介して、ノーマルオープン(N/O)タイプの第3ソレノイドバルブS3の入力ポートS3aに入力されている。
[油圧制御装置の変速操作部の構成]
ついで、油圧制御装置20の変速操作部の構成について説明する。上記パーキング切換えバルブ32は、1本のスプール32pと、該スプール32pの一端側に縮設されて該スプール32pを図中上側に付勢するスプリング32sとを有していると共に、その両端部にはそれぞれ第1制御油室32a及び第2制御油室32dが形成されており、該第1制御油室32aには油路b,bを介して第1ソレノイドバルブS1の出力ポートS1bからの信号圧PS1が入力され、第2制御油室32dには油路cを介して第2ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bからの信号圧PS2が入力されるように構成されている。
そのため、上記スプール32pは、第1ソレノイドバルブS1の出力ポートS1bからの信号圧PS1が第1制御油室32aに作用しない状態ではスプリング32sの付勢力により、図の上方に移動して左半位置(パーキング噛合位置)となる。また、第2ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bからの信号圧PS2が第2制御油室32dに作用せずに、第1ソレノイドバルブS1の出力ポートS1bからの信号圧PS1が第1制御油室32aに入力されると、スプール32pが図の下方に移動して右半位置(パーキング解除位置)となる。
また、上記スプール32pは、図中下側の大径ランド部と図中上側の小径ランド部とを有していると共に、パーキング切換えバルブ32は、排出ポートEXと、ライン圧Pが供給される入力ポート32bと、出力ポート32eと、を有しており、該スプール32pの大径ランド部と小径ランド部との間のくびれ部により油室(ロック油室)32fが形成されている。
そして、スプール32pは、スプリング32sの付勢力に抗して下方に移動した右半位置において、上記油室32fを介して入力ポート32bと出力ポート32eが連通し、該入力ポート32bからのライン圧Pが油室32fに作用すると、上記大径ランド部と小径ランド部との外径差、つまり受圧面積の差によって、スプリング32sの付勢力に抗して右半位置にロックされる。
また、出力ポート32eは、パーキング機構9のパーキングシリンダ33に油路nを介して連通しており、該パーキング機構9は、図4に示すように、パーキングシリンダ33と、パーキングロッド23と、サポート16と、パーキングポール17と、パーキングギヤ21と、を備えて構成されている。
上記パーキングシリンダ33は、バルブボディ22に接続されており、パーキングロッド23が、その基端側において、軸方向に移動自在となるように貫通配置されている。該パーキングロッド23は、その先端側において軸方向移動自在となるように遊嵌された円錐状のウエッジ24を備えており、ケース(不図示)に固定された鍔部14と該ウエッジ24との間には、スプリング25が配置されている。上記サポート16は、該パーキングロッド23の先端側の下方に配置されており、パーキングポール17との間にウエッジ24が挿脱されるように配置されている。パーキングポール17は、基端側の軸18を中心に略々上下方向に揺動自在に配置されており、中間部分の上方側には、自動変速機の出力軸に固定されたパーキングギヤ21に対して係脱可能な爪部19が突設されている。
そして、パーキング機構9は、上述したパーキング切換えバルブ32の入力ポート32bと出力ポート32eとが連通してパーキングシリンダ33にライン圧Pが出力されると、ピストン23aの移動によりパーキングロッド23がスプリング25の付勢力に抗して該パーキングシリンダ33側に移動し、ウエッジ24をサポート16とパーキングポール17との間から離脱させ、該パーキングポール17を下方側に揺動して爪部19をパーキングギヤ21との噛合いから外すことによりパーキング解除状態となるように構成されている。
また、パーキング切換えバルブ32からの油圧が遮断され、パーキングシリンダ33に作用する油圧がドレーンされると、パーキングロッド23がスプリング25の付勢力によりパーキングポール17側に移動し、ウエッジ24がサポート16とパーキングポール17との間に挿入され、該パーキングポール17を上方側に揺動して爪部19をパーキングギヤ21と噛合わせることによりパーキング状態となる。
更に、上述したパーキング機構9は、パーキングロッド23(ピストン23a)の位置を保持するパーキング解除保持機構34を有しており、上記パーキングシリンダ33に作用していた油圧がドレーンされても、該パーキング解除保持機構34によってパーキングロッド23の位置をパーキング解除位置に保持することで、パーキング解除状態を保つことが可能に構成されている。
一方、パーキング切換えバルブ32は、上述したパーキング関連のポートの他に、元圧切換えバルブ(フェール時元圧遮断切換えバルブ切換えバルブ)35を介して、リニアソレノイドバルブ(係合圧ソレノイドバルブ)SL1〜SL5に元圧(ライン圧P)を供給するための入力ポート32c及び出力ポート32gを有しており、該入力ポート32cには、油路aを介してライン圧Pが入力されている。
また、出力ポート32gは、油路dを介して元圧切換えバルブ35の入力ポート35bに接続しており、これら入力ポート32c及び出力ポート32gは、スプール32pが左半位置(パーキング状態)にある場合に遮断され、右半位置(パーキング解除状態)にある場合に連通される。
上記元圧切換えバルブ35は、制御油室35aと、上述した入力ポート35bと、出力ポート35cと、入力ポート35dと、出力ポート35eと、入力ポート35fと、排出ポートEXと、スプール35pと、該スプール35pを図の上方に付勢するスプリング35sとを有しており、制御油室35aは油路kを介して第3ソレノイドバルブS3の出力ポートS3bと接続している。
ノーマルオープンタイプの第3ソレノイドバルブS3は、非通電状態にあっては、ライン圧Pを信号圧PS3として上記制御油室35aに出力し、通電状態にあっては、該信号圧PS3を遮断するように構成されており、元圧切換えバルブ35のスプール35pは、信号圧PS3が出力されない通常時、スプリング35sの付勢力により図の上方に移動して左半位置(正常位置)になり、制御油室35aに信号圧PS3が入力されると図の下方に移動して右半位置(フェール位置)になる。
また、上記元圧切換えバルブ35の出力ポート35cは、油路d〜dを介してリニアソレノイドバルブSL2,SL3,SL1,SL4,SL5の入力ポートSL2b,SL3b,SL1b,SL4b,SL5bに接続しており、スプール35pが左半位置において、ライン圧Pが入力される入力ポート35bと連通するように構成されている。そのため、これらソレノイドバルブSL2,SL3,SL1,SL4,SL5には、通常時、元圧としてのライン圧Pが出力ポート35cから出力され、フェール時には第3ソレノイドバルブS3から信号圧PS3が出力されてスプール35pが右半位置になることにより、入力ポート35bと出力ポート35cとの連通が遮断されて、元圧の供給が切断される。
一方、上記スプール35pが右半位置において、入力ポート35bは、出力ポート35eと連通し、該出力ポート35eは、振分け切換えバルブ36のポート36e,36f及び油路e,eを介して、元圧切換えバルブ35の入力ポート35fと連通する。そして、該入力ポート35fが、入力ポート35d及び油路e,eを介してリニアソレノイドバルブSL2,SL3の排出ポートSL2c,SL3cと接続することにより、ソレノイド・オールフェール時にあっては、入力ポート35bに入力されたライン圧Pが上記リニアソレノイドバルブSL2及びSL3の排出ポートSL2c,SL3cに逆入力されるように構成されている。
また、上記振分け切換えバルブ36は、スプール36pと、該スプール36pを図の下方に付勢するスプリング(付勢手段)36sと、を有していると共に、その両端部には、それぞれ第1制御油室36a及び第2制御油室36iが形成されており、該第1制御油室36aには油路b,bを介して第1ソレノイドバルブS1の出力ポートS1bからの信号圧PS1が入力され、第2制御油室36iには油路h,hを介してリニアソレノイドバルブSL1の出力ポートSL1bからの係合圧PSL1が入力されるように構成されている。
更に、振分け切換えバルブ36の入力ポート36bには、油路aを介してライン圧Pが供給されており、上記スプール36pは、第2制御油室36iに出力ポートSL1bから係合圧PSL1が入力されると、図の上方に移動して右半位置になる。
また、スプール36pは、図中最下部に形成された小径ランド部と、その上方の大径ランド部とを有しており、上記右半位置において、該小径ランド部と大径ランド部間に設けられた油室36jに、上記入力ポート36bからライン圧Pが入力されると、上側の大径ランド部と下側の小径ランド部との受圧面積の差に基づき右半位置にロックされる。
一方、該ロック状態において第1制御油室36aに出力ポートS1bからの信号圧PS1が入力されると、該信号圧PS1による付勢力とスプリング36sによる付勢力とが相俟って上記ロックの付勢力に打ち勝つため、スプール36pは図の下方に移動して左半位置になる。
また、振分け切換えバルブ36の入力ポート36cには、リニアソレノイドバルブSL2の出力ポートSL2bから出力される係合圧PSL2が入力されており、該入力ポート36cは、上記スプール36pが左半位置の場合、油路fを介してブレーキB−2の油圧サーボ62に接続している出力ポート36gと連通し、スプール36pが右半位置の場合、油路fを介してクラッチC−2の油圧サーボ52に接続している出力ポート36hと連通する。
そのため、リニアソレノイドバルブSL2からの係合圧PSL2は、非走行レンジ(P及びNレンジ),Rレンジ及び前進1速段エンジンブレーキの場合には、スプール36pが左半位置になって油圧サーボ62に出力され、それ以外の場合には、スプール36pが右半位置になって上記係合圧PSL2を油圧サーボ52に出力される。
なお、上記ライン圧Pの逆入力時に使用される振分け切換えバルブ36のポート36e,36fは、スプール36pが右半位置の際に連通し、左半位置の際に遮断されるように構成されている。
上述したように、油圧制御装置20は、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧供給油路a,a,a,d,d〜dに元圧切換えバルブ35の他に、パーキング切換えバルブ32を介在させて構成されており、パーキング切換えバルブ32のスプール32pを、左半位置にすることによって、元圧切換えバルブ35よりも上流側において、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧(ライン圧P)の供給を遮断することができるようになっている。
[各変速段の作用]
続いて、上記油圧制御装置20における各変速段の作用について、図3乃至図5に基づいて説明する。なお、本油圧制御装置20を搭載する自動車の運転席に配置されたシフトレバー(不図示)は、該レバーの移動方向の上側から下側に向かってP(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジの順に操作可能である。
[P,N,Rレンジ時の作用]
シフトレンジがPレンジにある場合、制御部6からの制御信号により、第1ソレノイドバルブS1がオフされると共に、第2及び第3ソレノイドバルブS2,S3はオンされて、出力ポートS2bから信号圧PS2が出力される。これにより、パーキング切換えバルブ32では、第2制御油室32dのみに信号圧PS2が作用するため、スプリング32sの付勢力と相俟ってスプール32pが左半位置となり、入力ポート32bへのライン圧Pの入力が遮断される。すると、パーキングロッド23がスプリング25の付勢力によってパーキングポール17側に移動し、該パーキングポール17がウエッジ24により押圧されることによりパーキングギヤ21と噛合うことでパーキング状態となる。
また、この時、パーキング切換えバルブ32のスプール32pが左半位置にあるため、入力ポート32cも遮断されており、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧としてのライン圧Pも、パーキング切換えバルブ32において遮断されている。
また、シフトレバーがRレンジに操作されると、第2ソレノイドバルブS2がオフされると共に第1ソレノイドバルブS1がオンされる。すると、第1ソレノイドバルブS1からパーキング切換えバルブ32に制御圧PS1が出力され、スプール32pをスプリング32sの付勢力に抗して右半位置に移動させる。そして、ライン圧Pがパーキングシリンダ33へ供給されると、上述したウエッジ24がパーキングポール17から離脱してパーキング状態が解除される。
更に、上記パーキング状態の解除動作と同時に、制御部6によりリニアソレノイドバルブSL2,SL4がオンされ、係合圧PSL2が、振分け切換えバルブ36の出力ポート36gから油路f1を介して油圧サーボ62に供給されると共に、係合圧PSL4が油路iを介して油圧サーボ54に出力される。これにより、ブレーキB−2と、第4クラッチC−4とが係止/係合し、後進段Rが達成される。
なお、このとき、パーキング切換えバルブ32が右半位置にあるため、入力ポート32cは出力ポート32gと連通し、元圧切換えバルブ35が左半位置にあるため、入力ポート35bは出力ポート35cと連通しており、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5には、元圧供給油路a,a,a,d,d〜dが切断されることなく、元圧としてのライン圧Pが供給されている。
また、シフトレバーがNレンジに操作されると、上記リニアソレノイドバルブSL2,SL4がオフされ、ブレーキB−2及び第4クラッチC−4が解放されることで、ニュートラル状態が達成される。
[前進1速段〜前進8速段時の作用]
一方、シフトレンジがDレンジ(前進1速段エンジンブレーキ時を除く)にされると、制御部6からの制御信号により、第1及び第2ソレノイドバルブS1,S2がオフされると共に、第3ソレノイドバルブS3はオンされる。そのため、これら第1乃至第3ソレノイドバルブS1〜S3の出力ポートS1b〜S3bのいずれからも信号圧PS1
S3は出力されないが、パーキング切換えバルブ32のスプール32pは、大径ランド部と小径ランド部の受圧面積の差によって右半位置にロックされており、パーキングシリンダ33にライン圧Pが供給されてパーキング解除状態が保たれる。
また、スプリング35sの付勢力により、元圧切換えバルブ35のスプール35pも左半位置であるため、入力ポート35bに作用するライン圧Pは、出力ポート35cからリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の全てに向けて出力される。
ここで、リニアソレノイドバルブSL1をオンすると、その出力ポートSL1bから油圧サーボ51に係合圧PSL1が供給されてクラッチC−1が係合し、ワンウェイクラッチF−1の係止と相俟って、前進1速段が達成される。
また、リニアソレノイドバルブSL1から係合圧PSL1が出力されると、該係合圧PSL1は、油路hを介して振分け切換えバルブ36の第2制御油室36iにも入力されて、スプール36pが右半位置になる。すると、振分け切換えバルブ36の油室36jにライン圧Pが入力して、スプール36pは大径及び小径ランド部の受圧面積差によって右半位置にロックされる。
ここで、リニアソレノイドバルブSL1に加えてリニアソレノイドバルブSL5をオンすると、出力ポートSL5bから油圧サーボ61に係合圧PSL5が供給されて第1ブレーキB−1が係止され、前進2速段が達成される。
そして、上記前進2速段の際と同様に、制御部6により図5の作動表に示すとおりにリニアソレノイドバルブSL1〜SL5を制御して、係合圧PSL1〜PSL5を出力することにより、図2の係合表に示す通りに摩擦係合要素が係合し、前進3速段から前進8速段の各変速段が達成される。
なお、前進1速段のエンジンブレーキ時には、第1ソレノイドバルブS1がオンされて、振分け切換えバルブ36が左半位置になると共に、リニアソレノイドバルブSL1及びSL2がオンされる。そして、リニアソレノイドバルブSL1から油圧サーボ51に係合圧PSL1が出力されるとクラッチC−1が係合し、リニアソレノイドバルブSL2から係合圧PSL2が出力されると、該係合圧PSL2は振分け切換えバルブ36の出力ポート36gから油路fを介して油圧サーボ62に出力され、ブレーキB―2が係止される。これにより、前進1速段のエンジンブレーキが達成される。
[ソレノイドバルブ・オールオフフェール時の作用]
ついで、ソレノイド・オールオフフェール時について説明する。本自動変速機の油圧制御装置20にあっては、ソレノイドバルブ、各種切換えバルブ、各種コントロールバルブ等における故障を検出した際に、制御部6の制御で、全てのソレノイドバルブをオフにするソレノイド・オールオフフェールモードに移行する。なお、例えば断線・ショート等が生じた場合にあっても、同様にソレノイドがオールオフとなるので、本明細書中にあっては、これらの状態も含め、ソレノイド・オールオフフェールモードとする。
例えば車両がDレンジで走行中に、何らかの原因によって、ソレノイド・オールオフフェールモードとされると、全てのソレノイドバルブがオフされる(故障時となる)。この際、全てのソレノイドバルブがオフされることにより、ノーマルオープンタイプの第3ソレノイドバルブS3だけ信号圧PS3を出力する状態となり、他のソレノイドバルブは信号圧ないし係合圧の出力を停止するため、特にリニアソレノイドバルブSL2,SL3にあっては、出力ポートSL2b,SL3bと排出ポートSL2c,SL3cとが連通した状態とされる。
また、元圧切換えバルブ35にあっては、オンしている第3ソレノイドバルブS3の信号圧PS3が制御油室35aに入力され、スプリング35sの付勢力に打ち勝って、スプール35pが右半位置に切換わるため、入力ポート35bに入力されるライン圧Pは出力ポート35eから出力されて、振分け切換えバルブ36の入力ポート36eに入力される。この際、該振分け切換えバルブ36は、上述のように大径ランド部と小径ランド部との受圧面積の差に基づき右半位置にロックされているため、入力ポート36eに入力されたライン圧Pは、出力ポート36fから元圧切換えバルブ35の逆圧入力ポート35fに入力され、入力ポート35dを介して、リニアソレノイドバルブSL2,SL3の排出ポートSL2c,SL3cに、それぞれ逆入力圧P35dとして入力される。
これにより、排出ポートSL2cから逆入力圧P35dが入力されたリニアソレノイドバルブSL2は、排出ポートSL2cから係合圧PSL2として出力され、振分け切換えバルブ36の入力ポート36cから出力ポート36hを介して油圧サーボ52に供給され、第2クラッチC−2が係合される。同時に、排出ポートSL3cから逆入力圧P35dが入力されたリニアソレノイドバルブSL3は、その出力ポートSL3bから油圧サーボ53に係合圧PSL3を供給するため、これにより、第3クラッチC−3が係合される。従って、上記第2クラッチC−2の係合と相俟って、前進7速段が達成される。
なお、この時、パーキング切換えバルブ32も、油室32fにライン圧Pが入力されているため、大径及び小径ランド部の受圧面積の差によって、右半位置にロックされており、走行中にパーキング状態となることはない。
[2重フェール時の作用]
ついで、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5の内、リニアソレノイドバルブSL1が何らかの原因で故障し、該故障したリニアソレノイドバルブSL1から常に係合圧PSL1が出力されて第1クラッチC−1が常時係合している場合(係合フェール発生時)において、元圧切換えバルブ35が制御不能な状況について、2重フェールの1例として説明する。
制御部6は、走行中に、第1リニアソレノイドバルブSL1が故障し、クラッチC−1に係合フェールが発生していることを検知すると、3要素が同時に係合することを防止するため、第3ソレノイドバルブS3を制御して信号圧PS3を出力させ、元圧切換えバルブ35を右半位置にしてリニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧の供給を切断することにより、ニュートラル状態にするフェールセーフを実行する。
しかし、第3ソレノイドバルブS3の故障や、元圧切換えバルブ35のバルブスティックなどの原因によって、元圧切換えバルブ35が左半位置に固定されてリニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧の供給を切断することができないと、2重フェールが発生したことを検知し、第2ソレノイドバルブS2からパーキング切換えバルブ32の第2制御油室32dに信号圧PS2を出力する。
上記第2制御油室32dに信号圧PS2が供給されると、パーキング切換えバルブ32のスプール32pはロックが解除されて左半位置に移動する。そして、スプール32pが左半位置になると、入力ポート32cと出力ポート32gとの連通が遮断され、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧(ライン圧P)の供給が切断される。それにより、第1リニアソレノイドバルブSL1への元圧の供給も停止され、第1クラッチC−1及び他の摩擦係合要素C−2〜C−4,B―1,B―2が解放されてニュートラル状態となる。
この時、パーキング切換えバルブ32の入力ポート32bも遮断されて、パーキングシリンダ33へのライン圧Pも停止するため、制御部6は、走行中にパーキングポール17がパーキングギヤ21に噛合しないよう、パーキング解除保持機構34を制御して、パーキングロッド23の位置をパーキング解除位置に保持させ、パーキング解除状態を維持する。
なお、2重フェールの1例として、リニアソレノイドバルブSL1及び元圧切換えバルブ35の故障について説明したが、故障するリニアソレノイドバルブは1つではなく、複数故障した場合も同様にフェールを回避することができる。
また、パーキング切換えバルブ32においてリニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧を遮断することができるため、該パーキング切換えバルブ32によって、元圧切換えバルブ35及び振分け切換えバルブ36が右半位置においてスティックした場合に、例えば7速状態とニュートラル状態をオン/オフさせるスイッチとして使用してもよい。
以上のように、シフトバイワイヤ方式の自動変速機の油圧制御装置20を構成したことにより、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5への元圧供給油路a,a,a,d,d〜dに、パーキング切換えバルブ32を介在させたことにより、通常作動しているバルブによって、リニアソレノイドバルブSL〜SL5への元圧を信頼性高く、遮断することができる。
そのため、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5に係合フェールが発生し、元圧を遮断する必要がある際に、元圧切換えバルブ35でリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の元圧を遮断できないような2重フェールが発生しても、パーキング切換えバルブ32によって元圧の遮断を行うことができる。
更に、新たなバルブなどを追加する必要がなく、パーキング切換えバルブ32を元圧遮断用のバルブとして兼用したことによって、油圧制御装置20が拡大することなく、コンパクトな構成とすることができる。また、部品点数も少なくてすみ、製造コストも安くすることができる。
また、走行中にフェールが発生し、パーキング切換えバルブ32をパーキング噛合位置(左半位置)にしてリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の元圧を遮断しても、パーキング解除保持機構34によりパーキングギヤ21の解除を維持することによって、パーキング状態になることを防止することができる。
なお、パーキング解除保持機構34は、リニアソレノイドバルブを用いて、ピストン23aの端部に設けた引っ掛け部を爪部により保持するタイプや、ピストン23a及びリニアソレノイドバルブのプランジャに突起部を設け、これら突起部を円周方向傾斜した溝部に嵌合させて、その位置を保持するタイプなど、ピストン23a(パーキングロッド23)の位置を保持することができれば、どのようなタイプを用いてもよい。
また、以上説明した本実施の形態においては、本油圧制御装置20を前進8速段、及び後進1速段を可能とする多段式自動変速機1に適用する場合を一例として説明したが、勿論これに限るものではなく、特に前進変速段が多い自動変速機であれば好適であるものの、有段式の自動変速機であればどのようなものにも適用できる。
5 ライン圧発生源(元圧生成部)
9 パーキング機構
20 油圧制御装置
21 パーキングギヤ
32 パーキング切換えバルブ
32f 油室(ロック油室)
33 パーキングシリンダ
34 パーキング解除保持機構
35 元圧切換えバルブ(フェール時元圧遮断切換えバルブ)
S1 第1ソレノイドバルブ
S2 第2ソレノイドバルブ
S3 第3ソレノイドバルブ
ライン圧(元圧)
S1 信号圧(第1信号圧)
S2 信号圧(第2信号圧)
S3 信号圧(第3信号圧)
a,a,d,d〜d 元圧供給油路
C−1〜C−4,B−1,B−2 摩擦係合要素
51〜54,61,62 油圧サーボ
SL1〜SL5 リニアソレノイドバルブ(係合圧ソレノイドバルブ)

Claims (5)

  1. 元圧を生成する元圧生成部と、前記元圧を元圧供給油路を介して入力し、摩擦係合要素の油圧サーボに供給する係合圧として調圧し得る複数の係合圧ソレノイドバルブと、を備えた自動変速機の油圧制御装置において、
    パーキングギヤの噛合・解除を駆動制御するパーキング機構のパーキングシリンダに、前記元圧を前記パーキングギヤの解除をするためのパーキング解除圧として供給するパーキング解除位置と、該元圧を遮断して該パーキング解除圧を非供給にするパーキング噛合位置とに切換えられるパーキング切換えバルブを備え、
    前記パーキング切換えバルブを、前記元圧供給油路に介在させると共に、前記パーキング解除位置にて前記元圧供給油路を連通し、前記パーキング噛合位置にて前記元圧供給油路を遮断するように構成した、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記パーキング切換えバルブは、前記パーキング噛合位置に付勢する付勢部材と、前記パーキング解除位置にて前記元圧により該パーキング解除位置にロックするロック油室と、を有してなり、
    前記パーキング切換えバルブを前記パーキング解除位置に切換える第1信号圧を出力し得る第1ソレノイドバルブと、
    前記パーキング切換えバルブを前記パーキング噛合位置に切換える第2信号圧を出力し得る第2ソレノイドバルブと、を備えてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記パーキングシリンダに対して前記パーキング解除圧が非供給状態となった際に、前記パーキングギヤの解除を維持するように前記パーキング機構を保持し得るパーキング解除保持機構を備えてなる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記元圧供給油路にあって前記パーキング切換えバルブと前記複数の係合圧ソレノイドバルブとの間に介在し、前記複数の係合圧ソレノイドバルブに対して前記元圧を連通する正常位置と、フェール時に該元圧を遮断し得るフェール位置とに切換えられるフェール時元圧遮断切換えバルブと、
    前記フェール時元圧遮断切換えバルブを前記フェール位置に切換える第3信号圧を出力し得る第3ソレノイドバルブと、を備えてなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記フェール時元圧遮断切換えバルブは、前記フェール位置にて、前記複数の係合圧ソレノイドバルブのうちの所定の係合圧ソレノイドバルブの排出ポートに、前記元圧供給油路からの前記元圧を逆入力させることで所定変速段を形成し得るように構成されてなる、
    ことを特徴とする請求項4記載の自動変速機の油圧制御装置。
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