JP2009085351A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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裕平 吉岡
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Abstract

【課題】ソレノイド・オールオフフェールとなった際にドライブレンジ状態を保持する場合に、専用のソレノイドバルブを不要とする自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】油圧制御装置20は、パーキング切換え手段50の2つのソレノイドバルブRS1,RS2が共に作動しない非通電状態と通電状態とにおいて切換わるオールオフバルブ61と、ドライブ状態と非ドライブ状態とにおいて切換わるドライブ切換えバルブ81とを備える。オールオフフェールとなった際に、ライン圧が前進7速段の際に係合されるクラッチC−2,C−3を制御するリニアソレノイドバルブSL2,SL3に、非通電状態のオールオフバルブ61及びドライブ状態のドライブ切換えバルブ81を介して供給される。これにより、オールオフフェール時の専用のソレノイドバルブが不要となる。
【選択図】図4

Description

本発明は車輌に用いられる自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、運転者の操作を電気信号を介して伝達し、パーキング(P)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ及びリバース(R)レンジに等に切換えるシフトバイワイヤ方式のレンジ切換え装置が備えられた自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来、例えば車輌に搭載される自動変速機は、複数の摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)の係合状態を油圧制御装置によって制御し、変速機構における伝達経路を形成するようになっている。この油圧制御装置は、複数の切換えバルブや調圧バルブ等を備えていると共に、これらバルブの動作を電子制御するための複数のソレノイドバルブを備えており、これらソレノイドバルブの駆動によって上記切換えバルブや調圧バルブを作動させ、上記伝達経路を形成するようになっている。
また、このような油圧制御装置は、シフトバイワイヤ方式のレンジ切換え装置を備えたものがある。このレンジ切換え装置は、運転者の操作を電気信号によってそれぞれのソレノイドバルブに伝達し、これにより該ソレノイドバルブを操作することによって切換えバルブやパーキング装置等を切換えるようになっている。
このようなレンジ切換え装置は、例えば断線などにより、ソレノイドバルブに何等電気信号を送らない(非通電)状態、いわゆるソレノイド・オールオフフェールの状態となることがある。このような場合に、エンジンが停止されるまで、車輌の走行を確保するために油圧制御によって、パーキング装置をパーキング解除状態に保持すると共に、ドライブ(D)レンジ状態も保持することができるフェールセーフ機能を備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
特表2002−533631号公報
上記特許文献1の制御装置は、ソレノイド・オールオフフェールとなった際に、所定の摩擦係合要素に油圧を供給するように構成されており、ドライブ(D)レンジ状態に保持するようになっている。そのため、該制御装置は、非通電状態となった際に油圧を出力するソレノイドバルブを備えており、該ソレノイドバルブから出力する油圧によって切換えバルブを切換えて、所定の摩擦係合要素に油圧が供給される。つまり、該制御装置は、ソレノイド・オールオフフェールの際のための専用のソレノイドバルブが備えられていることになり、部品点数の増加や油圧回路が複雑化することによって自動変速機の油圧制御装置のコンパクト化の妨げとなるという問題があった。
そこで本発明は、ソレノイド・オールオフフェールとなった際にドライブレンジ(走行)状態を保持する場合に、専用のソレノイドバルブを不要とする自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図10参照)、パーキング解除圧が入力されることによりパーキング解除状態となり、前記パーキング解除圧が入力されない場合にはパーキング状態となるパーキング装置(30)と、
複数の変速段を形成するように、それぞれの油圧サーボ(例えば111,112,113,115)によって係脱される複数の摩擦係合要素(C−1,C−2,C−3,C−4,B−1,B−2)と、を備え、
前記パーキング状態と、後進走行を行うリバース状態と、前記パーキング解除状態にされ、かつ複数の前記摩擦係合要素(C−1,C−2,C−3,C−4,B−1,B−2)の全てが解放しているニュートラル状態と、前進走行を行うドライブ状態と、に切換えられ、
複数の前記油圧サーボ(例えば111,112,113,115)を制御する複数のソレノイドバルブ(例えばSL1,SL2,SL3)の非通電時に、エンジンが停止されるまでの間、前記パーキング装置(30)を前記パーキング解除状態に保持し、かつ前記複数の摩擦係合要素(C−1,C−2,C−3,C−4,B−1,B−2)のうち所定の摩擦係合要素(C−2,C−3)を、所定高速段を形成するように係合状態を保持して前記ドライブ状態を保持する自動変速機(1)の油圧制御装置(20)において、
2つのソレノイドバルブ(RS1,RS2)のどちらか一方が作動することによって前記パーキング状態となり、他方が作動することによって前記パーキング解除状態となるように切換えるパーキング切換え手段(50)と、
ドライブ状態と非ドライブ状態により切換えられるドライブ切換えバルブ(81)と、
前記パーキング切換え手段(50)の前記2つのソレノイドバルブ(RS1,RS2)の少なくとも一方が作動する状態と、前記2つのソレノイドバルブ(RS1,RS2)が共に作動しない状態とで切換えられるオールオフバルブ(61)と、を備え、
前記オールオフバルブ(61)が前記2つのソレノイドバルブ(RS1,RS2)が共に作動しない非通電状態で、かつ前記ドライブ切換えバルブ(81)がドライブ状態にある場合(図8参照)、元圧が非通電位置にある前記オールオフバルブ(61)及びドライブ位置にある前記ドライブ切換えバルブ(81)を介して、前記所定高速段の際に作動するリニアソレノイドバルブ(SL2,SL3)のドレーンポート(102c,103c)に供給され、非通電状態にあるこれらリニアソレノイドバルブ(SL2,SL3)から前記所定高速段用油圧サーボ(112,113)に供給される、
ことを特徴とする自動変速機(1)の油圧制御装置(20)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図4、図6ないし図10参照)、前記複数のリニアソレノイドバルブ(例えばSL1,SL2,SL3)の内の1つを、両立しない2個の油圧サーボ(112,115)に兼用する兼用リニアソレノイドバルブ(SL2)とし、該兼用リニアソレノイドバルブ(SL2)からの出力圧を、前進走行時に係合する摩擦係合要素(C−2)の油圧サーボ(112)と後進走行時に係合する摩擦係合要素(B−2)の油圧サーボ(115)とに切換える供給油圧切換えバルブ(91)と、
前記供給油圧切換えバルブ(91)を切換えるための制御圧を出力する供給油圧切換え用ソレノイドバルブ(RS4)と、を備え、
前記ドライブ切換えバルブ(81)は、前記供給油圧切換え用ソレノイドバルブ(RS4)から出力される制御圧によって前記ドライブ状態と前記非ドライブ状態とに切換えられてなる、
請求項1記載の自動変速機(1)の油圧制御装置(20)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図4及び図7参照)、前記兼用リニアソレノイドバルブ(SL2)からの出力圧が供給される前記後進走行時に係合する摩擦係合要素(B−2)は、前進走行時の所定低速段で係合し、
前記ドライブ切換えバルブ(81)は、スプール(81p)と、前記スプール(81p)を一方側に付勢する付勢部材(81s)と、前記スプール(81p)の一方側端部に設けられ、前記供給油圧切換え用ソレノイドバルブ(RS4)の出力ポートと連通する制御ポート(81d)と、前記スプール(81p)の他方側端部に設けられ、前記所定低速段となる際に前記後進走行時に係合する摩擦係合要素(B−2)とは別の低速段用摩擦係合要素(C−1)を制御するリニアソレノイドバルブ(SL1)の出力ポート(101a)と連通する油室(81f)と、を備え、前記制御ポート(81d)に前記供給油圧切換え用ソレノイドバルブ(RS4)からの制御圧が入力し、前記付勢部材(81s)の付勢力に抗して前記スプール(81p)を他方側に押圧することで前記非ドライブ状態に切換わり、
前記所定低速段とされた際には、前記油室(81f)に前記低速段用摩擦係合要素(C−1)を制御するリニアソレノイドバルブ(SL1)からの係合圧が入力し、前記付勢部材(81s)の付勢力と共に前記スプール(81p)を押圧することで前記ドライブ状態が保持されてなる、
請求項2記載の自動変速機(1)の油圧制御装置(20)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図4及び図10参照)、前記ドライブ切換えバルブ(81)は、前記ニュートラル状態及び前記リバース状態の際に前記全てのソレノイドバルブ(例えばSL1,SL2,SL3,RS1,RS2,RS3,RS4)が非通電となった場合には、元圧(PL)により前記スプール(81p)が前記他方側とされた状態を保持し、また前記全てのソレノイドバルブ(例えばSL1,SL2,SL3,RS1,RS2,RS3,RS4)が非通電となった後の前記エンジンの再始動時には、前記パーキング解除圧を前記制御ポート(81d)に入力し、前記スプール(81p)を前記他方側にして前記非ドライブ状態に切換え、前記複数の摩擦係合要素(C−2,C−3)に油圧の供給を行わないことで前記パーキング装置(30)をパーキング状態とする、
請求項3記載の自動変速機(1)の油圧制御装置(20)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない
請求項1に係る本発明によると、オールオフバルブがパーキング切換え手段の2つのソレノイドバルブが共に作動しない非通電状態で、かつドライブ切換えバルブがドライブ状態にある場合に、元圧が非通電状態にあるリニアソレノイドバルブから所定高速段用油圧サーボに供給されるので、該油圧サーボが所定高速段を形成するように係合状態を保持してドライブ状態を保持することができる。従って、従来必要だったソレノイド・オールオフフェール時に作動する専用のソレノイドバルブが不要となる。これにより、ソレノイド・オールオフフェールとなった際に、走行状態を保持するフェールセーフを行うことができるものでありながら、油圧制御装置を簡素化することができてコンパクト化を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、ドライブ切換えバルブは、供給油圧切換え用ソレノイドバルブから出力される制御圧によってドライブ状態と非ドライブ状態とに切換えられる。従って、油圧制御装置は、ドライブ状態と非ドライブ状態とを切換えるための専用のソレノイドバルブを備える場合に比して、油圧制御装置が簡素化されてコンパクト化を図ることができる。
請求項3に係る本発明によると、自動変速機が所定低速段とされた際に、ドライブ切換えバルブは、油室に低速段用摩擦係合要素を制御するリニアソレノイドバルブからの係合圧が入力され、付勢部材の付勢力と共にスプールを押圧することでドライブ状態が保持される。従って、油圧制御装置は、後進走行時に係合する摩擦係合要素が前進走行時の所定低速段で係合する際にも、ドライブ切換えバルブのドライブ状態を保持することができる。
請求項4に係る本発明によると、全てのソレノイドバルブが非通電となった後のエンジンの再始動時には、パーキング解除圧を制御ポートに入力し、スプールを他方側にして非ドライブ状態に切換え、複数の摩擦係合要素に油圧の供給を行わないので、搭載された車輌をパーキング状態とすることができ、オールオフフェール時のフェールセーフを行うことができるものでありながら、エンジンの再始動時には車輌を安全な停止状態にすることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図10に基づいて説明する。
[自動変速機の構成]
まず、本発明を適用し得る自動変速機1、具体的には前進8速段の自動変速機の概略構成について説明する。図1に示すように、例えばFRタイプ(フロントエンジン、リヤドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機1は、不図示のエンジンに接続し得る自動変速機1の入力軸11を有しており、該入力軸11の軸方向を中心としてトルクコンバータ7と、変速機構2とを備えている。
上記トルクコンバータ7は、自動変速機1の入力軸11に接続されたポンプインペラ7aと、作動流体を介して該ポンプインペラ7aの回転が伝達されるタービンランナ7bとを有しており、該タービンランナ7bは、上記入力軸11と同軸上に配設された上記変速機構2の入力軸12に接続されている。また、該トルクコンバータ7には、ロックアップクラッチ10が備えられており、該ロックアップクラッチ10が後述の油圧制御装置20の油圧制御によって係合されると、上記自動変速機1の入力軸11の回転が変速機構2の入力軸12に直接伝達される。
上記変速機構2は、入力軸12(及び中間軸13)上に、プラネタリギヤDPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤDPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1に噛合するピニオンP1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP2を互いに噛合する形で有している、いわゆるダブルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素であるサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2(CR3)、及びリングギヤR3(R2)を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR3に噛合するロングピニオンP4と、該ロングピニオンP4及びサンギヤS3に噛合するショートピニオンP3とを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤDPのサンギヤS1は、例えばミッションケース3に一体的に固定されているボス部3bに接続されて回転が固定されている。また、上記キャリヤCR1は、上記入力軸12に接続されて、該入力軸12の回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっていると共に、第4クラッチC−4(摩擦係合要素)に接続されている。更に、リングギヤR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するキャリヤCR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第1クラッチC−1(摩擦係合要素)及び第3クラッチC−3(摩擦係合要素)に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、係止手段としての第1ブレーキB−1(摩擦係合要素)に接続されてミッションケース3に対して固定自在となっていると共に、上記第4クラッチC−4及び上記第3クラッチC−3に接続されて、第4クラッチC−4を介して上記キャリヤCR1の入力回転が、第3クラッチC−3を介して上記リングギヤR1の減速回転が、それぞれ入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、第1クラッチC−1に接続されており、上記リングギヤR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、中間軸13を介して入力軸12の回転が入力される第2クラッチC−2(摩擦係合要素)に接続されて、該第2クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、係止手段としてのワンウェイクラッチF−1及び第2ブレーキB−2(摩擦係合要素)に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケース3に対して一方向の回転が規制されると共に、該第2ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR3は、不図示の駆動車輪に回転を出力する出力軸15に接続されている。
[各変速段の伝達経路]
つづいて、上記構成に基づき、変速機構2の作用について図1、図2及び図3に沿って説明する。なお、図3に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤDPの部分において、横方向最端部(図3中左方側)の縦軸はサンギヤS1に、以降図中右方側へ順に縦軸は、リングギヤR1、キャリヤCR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、横方向最端部(図3中右方側)の縦軸はサンギヤS3に、以降図中左方側へ順に縦軸はリングギヤR3(R2)、キャリヤCR2(CR3)、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1st)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR3に出力され、前進1速段としての正転回転が出力軸15から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、第2ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2nd)では、図2に示すように、第1クラッチC−1が係合され、第1ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、第1ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR3に出力され、前進2速段としての正転回転が出力軸15から出力される。
前進3速段(3rd)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、第3クラッチC−3の係合によりリングギヤR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にリングギヤR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR3に出力され、前進3速段としての正転回転が出力軸15から出力される。
前進4速段(4th)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、第4クラッチC−4の係合によりキャリヤCR1の入力回転がサンギヤS2に入力される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも高回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR3に出力され、前進4速段としての正転回転が出力軸15から出力される。
前進5速段(5th)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第2クラッチC−2が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進4速段より高い減速回転となってリングギヤR3に出力され、前進5速段としての正転回転が出力軸15から出力される。
前進6速段(6th)では、図2に示すように、第2クラッチC−2及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図1及び図3に示すように、第4クラッチC−4の係合によりサンギヤS2にキャリヤCR1の入力回転が入力される。また、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。つまり、サンギヤS2及びキャリヤCR2に入力回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが入力回転の直結状態となり、そのまま入力回転がリングギヤR3に出力され、前進6速段(直結段)としての正転回転が出力軸15から出力される。
前進7速段(7th、OD1)では、図2に示すように、第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR3に出力され、前進7速段(上記直結段よりも増速のオーバードライブ1速段)としての正転回転が出力軸15から出力される。
前進8速段(8th、OD2)では、図2に示すように、第2クラッチC−2が係合され、第1ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、第1ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進7速段より高い増速回転となってリングギヤR3に出力され、前進8速段(上記直結段よりも増速のオーバードライブ2速段)としての正転回転が出力軸15から出力される。
後進1速段(Rev1)では、図2に示すように、第3クラッチC−3が係合され、第2ブレーキB−2が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、第2ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR3に出力され、後進1速段としての逆転回転が出力軸15から出力される。
後進2速段(Rev2)では、図2に示すように、第4クラッチC−4が係合され、第2ブレーキB−2が係止される。すると、図1及び図3に示すように、第4クラッチC−4の係合によりキャリヤCR1の入力回転がサンギヤS2に入力される。また、第2ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された入力回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR3に出力され、後進2速段としての逆転回転が出力軸15から出力される。
なお、本自動変速機においては、油圧制御装置による油圧制御により、リバースレンジ時に第4クラッチC−4及び第2ブレーキB−2が係合されて、つまり後進2速段のみを形成するようにしている。しかし、これは、種々変更が可能で、後進1速段のみ、もしくは、後進1速段および後進2速段の両方を形成することもできる。
また、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、第1クラッチC−1、第2クラッチC−2、第3クラッチC−3、及び第4クラッチC−4が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2との間、リングギヤR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤDPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となる。また、入力軸12(中間軸13)とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸12とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸12と出力軸15との動力伝達が切断状態となる。
[油圧制御装置の全体構成]
図4は、上記自動変速機1に適用される油圧制御装置20の概略を示す図であり、該油圧制御装置20は、パーキング装置30と、パーキング切換え手段50と、オールオフバルブ61と、チェックバルブ70と、ドライブ切換えバルブ81と、供給油圧切換え手段90と、上記複数のクラッチ及びブレーキのそれぞれの油圧サーボへの油圧の供給を制御するリニアソレノイドバルブとを備えている。なお、図4においては、説明の関係上、上記複数のクラッチ及びブレーキのうちクラッチC−1,C−3,C−2、ブレーキB−2とそれに対応するリニアソレノイドバルブSL1,SL3,SL2とを図示し、これ以外のクラッチ及びブレーキにもそれぞれ対応するリニアソレノイドバルブが配置されているが、図示を省略している。また、本明細書中において、各種ソレノイドバルブの「ノーマルオープン」とは、非通電時に入力ポートと出力ポートとが連通されて入力された油圧が略々そのまま出力ポートより出力されることを意味し、反対に「ノーマルクローズ」とは、非通電時に入力ポートと出力ポートとが遮断されて入力された油圧が出力ポートより出力されないことを意味するものである。
また、本発明に係る油圧制御装置20は、運転者によってパーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ及びドライブ(D)レンジ等が選択されるシフトレバー(不図示)を備えており、該シフトレバーからのシフト信号に基づいて制御部(不図示)が発信する制御信号に基づき、各ソレノイドバルブ等が制御されることによりレンジ切換えが行われている。そして、油圧制御装置20は、これらシフト信号及び制御信号が、電気信号を介して行われるシフトバイワイヤ方式によるものである。従ってシフトレバーによってレンジの選択を行うように説明したが、例えばボタン操作によってレンジの選択を行うように構成することもできる。
図5は、上記パーキング装置30の概略を示す図であり、該パーキング装置30は、大まかにパーキングシリンダ31、パーキングロッド32、サポート36、パーキングポール37、パーキングギヤ41を備えている。上記パーキングシリンダ31は、上記油圧制御装置20のバルブボディ42に接続されており、パーキングロッド32が、その基端側において、軸方向に移動自在となるように貫通配置されている。また、パーキングシリンダ31の内部には、一端をパーキングシリンダ31に対して固定し、他端をパーキングロッド32に対して固定することでパーキングロッド32をパーキングギヤ41側に付勢するように縮設されたスプリング(不図示)が配置されている。該パーキングロッド32は、その先端側においてパーキングシリンダ31方向に摺動自在となり、反対側には移動できなくなるように遊嵌された円錐状のウエッジ33を備えており、該パーキングロッド32に固定された鍔部34と該ウエッジ33との間には、スプリング35が配置されている。上記サポート36は、該パーキングロッド32の先端側の下方に配置されており、パーキングポール37との間にウエッジ33が挿脱されるように配置されている。パーキングポール37は、基端側の軸38を中心に略々上下方向に揺動自在に配置されており、中間部分の上方側には、自動変速機1の出力軸15に固定されたパーキングギヤ41に対して係脱可能な爪部40が突設されている。
以上の構成によりパーキング装置30は、パーキングシリンダ31にパーキング解除圧としての油圧が作用すると、パーキングロッド32がスプリング(不図示)の付勢力に抗して該パーキングシリンダ31側に移動し、ウエッジ33をサポート36とパーキングポール37との間から離脱させ、該パーキングポール37を下方側に揺動して爪部40をパーキングギヤ41との噛合いから外すことによりパーキング解除状態となるように構成されている。また、パーキングシリンダ31に作用する油圧を抜くと、パーキングロッド32がスプリング(不図示)の付勢力によりパーキングポール37側に移動し、ウエッジ33がサポート36とパーキングポール37との間に挿入され、該パーキングポール37を上方側に揺動して爪部40をパーキングギヤ41と噛合わせることによりパーキング状態となるように構成されている。なお、パーキングシリンダ31に作用する油圧を抜いた状態においては、上記爪部40がパーキングギヤ41の凸部に乗り上げ、パーキングポール37が上方側に揺動しない場合にも、ウエッジ33は、スプリング35によってパーキングシリンダ31側とは反対側に付勢されており、パーキングギヤ41が回転すると爪部40が該パーキングギヤ41と噛合うようになっている。
上記パーキング切換え手段50は、図4に示すように、第1ソレノイドバルブRS1、第2ソレノイドバルブRS2及び第3ソレノイドバルブRS3の3個のソレノイドバルブと、第1パーキング切換えバルブ51及び第2パーキング切換えバルブ52を備えている。上記3個のソレノイドバルブRS1,RS2,RS3は、いずれも3ウェイタイプのノーマルクローズからなり、ライン圧(元圧)PLからなる供給圧が供給され、運転者のレバー操作又はボタン操作等の操作に基づく不図示の制御部からの電気信号が入力される。つまり、第1ソレノイドバルブRS1は、上記制御部からの電気信号が入力されると、油路a1に供給された油圧を油路a5に出力し、第2ソレノイドバルブRS2は、上記制御部からの電気信号が入力されると、油路a4に供給された油圧を油路a10に出力し、第3ソレノイドバルブRS3は、上記制御部からの電気信号が入力されると、油路a13に供給された油圧を油路b5に出力する。
第1パーキング切換えバルブ51は、1本のスプール51pと、該スプール51pのX2方向側に縮設されてX1方向側(図中上方)に向けて該スプール51pを付勢するスプリング51sとを有しており、また該スプール51pのX1方向側端部に配置されて第1ソレノイドバルブRS1からの制御圧が作用する制御ポート51eと、該スプール51pのX2方向側端部に配置されて第2ソレノイドバルブRS2からの制御圧が作用する油室51gとを有している。
さらに、第1パーキング切換えバルブ51は、上記ライン圧が供給される入力ポート51aと、入力ポート51bと、スプール51pにより入力ポート51b又はドレーンポートに切換え自在に連通するように配置された出力ポート51cと、スプール51pにより入力ポート51b又はドレーンポートに切換え自在に連通するように配置された出力ポート51dとを有している。
一方、上記スプール51pは、大径ランド部51h及び小径ランド部51iを有しており、該大径ランド部51hは、該小径ランド部51iの外径よりも大きい外径に形成されている。また、この大径ランド部51hと小径ランド部51iとの間には、くびれ部が形成されると共に油室が形成されており、スプール51pがスプリング51sの付勢に抗して移動された位置にあって、該くびれ部に入力ポート51aから入力されるライン圧PLが作用した場合に、上記大径ランド部51hと小径ランド部51iとの外径差、つまり受圧面積の差によって、該スプール51pがスプリング51sの付勢方向と逆方向、即ちX2方向に該スプリング51sの付勢力よりも強い力で付勢されるように構成されている。
上記第1パーキング切換えバルブ51は、スプール51pがスプリング51sに付勢された位置にある場合に、入力ポート51bと出力ポート51dとが連通し、油路a9に供給された油圧を油路b2に出力する。また、第1ソレノイドバルブRS1の制御圧が油路a5,a6を介して制御ポート51eに作用することにより、スプール51pがスプリング51sに付勢された位置から、X2方向側の位置へ、該スプリング51sの付勢力に抗して移動された場合には、上記入力ポート51bと出力ポート51cとが連通し(即ち入力ポート51bと出力ポート51dとは遮断され)、油路a9に供給された油圧を油路b1に出力する。さらに、油路a2,a8を介して上記入力ポート51aにライン圧PLが作用することにより、上述のようにスプール51pがX2方向側の位置に保持される。
また、第1パーキング切換えバルブ51は、第2ソレノイドバルブRS2の制御圧がa10,a11を介して油室51gに作用すると共に、上記スプリング51sの付勢力が作用することにより、X2方向側位置に保持されたスプール51pがX1方向側位置に移動され、上記入力ポート51bと出力ポート51dとが連通し(即ち入力ポート51bと出力ポート51cとは遮断され)、油路a9に供給された油圧を油路b2に出力する。
第2パーキング切換えバルブ52は、1本のスプール52pと、該スプール52pの一端側に縮設されてX1方向側に向いて付勢するスプリング52sとを有しており、また該スプール52pのX1方向側端部に配置されて第3ソレノイドバルブRS3からの制御圧が作用する制御ポート52aを有している。さらに、第2パーキング切換えバルブ52は、上記第1パーキング切換えバルブ51の出力ポート51cと油路b1を介して連結された入力ポート52bと、第1パーキング切換えバルブ51の出力ポート51dと油路b2,b3を介して連結された入力ポート52cと、スプール52pにより入力ポート52b又は入力ポート52cに切換え自在に連通するように配置された出力ポート52dと、を有している。
上記第2パーキング切換えバルブ52は、上記第3ソレノイドバルブRS3からの制御圧が制御ポート52aに作用していない状態では、X1方向側位置とされ、入力ポート52bと出力ポート52dとが連通し、制御ポート52aに油路b5を介して上記制御圧が作用することにより、スプリング52sの付勢力に抗してスプール52pがX2方向側に移動された状態では、入力ポート52cと出力ポート52dとが連通し、油路b6を介してパーキング解除圧としての油圧をパーキング装置30のパーキングシリンダ31に出力している。これにより、パーキング切換え手段50は、第1ソレノイドバルブRS1又は第2ソレノイドバルブRS2にシングルフェールが生じたり、第1パーキング切換えバルブ51が例えばバルブスティックなどにより非作動状態となった場合にも、第3ソレノイドバルブRS3が作動し、第2パーキング切換えバルブ52を切換えることにより、上記パーキング装置30のパーキング状態及びパーキング解除状態を切換えることができる。
上記オールオフバルブ61は、1本のスプール61pと、該スプール61pのX2方向側に縮設されてX1方向側に向けて該スプール61pを付勢するスプリング61sとを有しており、また該スプール61pのX1方向側端部に配置されてライン圧PLが作用する制御ポート61aと、該スプール61pのX2方向側端部に配置されて、後述するオールオフチェックバルブ71からの油圧が作用する油室61hとを有している。
さらに、オールオフバルブ61は、ライン圧PLが供給される入力ポート61bと、入力ポート61cと、スプール61pにより該入力ポート61c又はドレーンポートに切換え自在に連通するように配置された出力ポート61dと、スプール61pにより入力ポート61b又はドレーンポートに切換え自在に連通するように配置された出力ポート61eと、スプール61pにより入力ポート61b又はドレーンポートに切換え自在に連通するように配置された出力ポート61fとを有している。
上記オールオフバルブ61は、スプール61pがスプリング61sに付勢された位置にある場合に、入力ポート61bと出力ポート61eとが連通し、油路a15に供給された油圧を油路c5に出力する。また、オールオフバルブ61は、ライン圧PLが油路a3,a17,a18,a14,a16を介して制御ポート61aに作用することにより、スプール61pがスプリング61sに付勢された位置から、X2方向側の位置へ、該スプリング61sの付勢力に抗して移動される。この場合は、上記入力ポート61bと出力ポート61fとが連通し(即ち入力ポート61bと出力ポート61eとは遮断され)、油路a15に供給された油圧を油路c9に出力し、上記入力ポート61cと出力ポート61dとが連通し、油路c1に供給された油圧を油路c2に出力する。
また、オールオフバルブ61は、オールオフチェックバルブ71からの油圧が油路c10を介して油室61hに作用することにより、スプリング61sと共にスプール61pをX1方向側に付勢する。これにより、上記制御ポート61aに油圧が作用している場合であっても、油室61hに油圧が作用した際には、スプール61hがX1方向側位置とされる。
上記チェックバルブ70は、X2方向側(図中下方側)に配置されたオールオフチェックバルブ71と、X1方向側(図中上方側)に配置されたドライブ切換えチェックバルブ72とを有している。該オールオフチェックバルブ71は、チェックボール73と、入力ポート71aと、入力ポート71cと、出力ポート71bとを有しており、該チェックボール73の作用により、油路a7を介して入力ポート71aから入力される第1ソレノイドバルブRS1からの制御圧と、油路a12を介して入力ポート71cから入力される第2ソレノイドバルブRS2からの制御圧とのどちらか入力された方の制御圧を出力ポート71bから油路c10に出力する。これにより、オールオフチェックバルブ71は、油圧制御装置20の正常時において、第1ソレノイドバルブRS1からの制御圧又は第2ソレノイドバルブRS2からの制御圧を常に出力ポート71bから出力している。つまり、出力ポート71bからの出力が停止した場合は、第1ソレノイドバルブRS1及び第2ソレノイドバルブRS2の停止、即ちソレノイド・オールオフフェール(非通電時)であることを検知する。
ドライブ切換えチェックバルブ72は、チェックボール74と、入力ポート72aと、入力ポート72cと、出力ポート72bとを有しており、該チェックボール74の作用により、油路b2,b4を介して入力ポート72aから入力されるパーキング解除圧と、油路e1,e2を介して入力ポート72cから入力される、後述する第4ソレノイドバルブRS4からの制御圧とのどちらか入力された方の油圧を出力ポート72bから油路d1に出力する。これにより、ドライブ切換えチェックバルブ72は、パーキング解除圧が入力ポート72aに入力される際、つまりパーキング状態の際と、第4ソレノイドバルブRS4からの制御圧が入力ポート72cに入力される際、つまりリバース状態及びドライブ状態における前進1速段(1st)のエンジンブレーキ時の際とで油圧を出力ポート72bから油路d1に出力する。
上記ドライブ切換えバルブ81は、1本のスプール81pと、該スプール81pのX1方向側に縮設されてX2方向側に向けて該スプール81pを付勢するスプリング81sとを有しており、また該スプール81pのX2方向側端部に配置されて油路d1に供給された油圧が作用する制御ポート81dと、該スプール81pのX1方向側端部に配置されて、リニアソレノイドバルブSL1の係合圧が作用する油室81fとを有している。さらに、ドライブ切換えバルブ81は、入力ポート81bと、入力ポート81cと、スプール81pにより該入力ポート81b又はドレーンポートに切換え自在に連通するように配置された出力ポート81aとを有している。
一方、上記スプール81pは、大径ランド部81g及び小径ランド部81hを有しており、該大径ランド部81gは、該小径ランド部81hの外径よりも大きい外径に形成されている。また、この大径ランド部81gと小径ランド部81hとの間には、くびれ部が形成されると共に油室が形成されており、スプール81pがスプリング81sの付勢に抗して移動された位置にあって、該くびれ部に入力ポート81cから入力される油圧が作用した場合に、上記大径ランド部81gと小径ランド部81hとの外径差、つまり受圧面積の差によって、該スプール81pがスプリング81sの付勢方向と逆方向、即ちX1方向に該スプリング81sの付勢力よりも強い力で付勢されるように構成されている。
上記ドライブ切換えバルブ81は、スプール81pがスプリング81sに付勢されたX2方向側の位置(ドライブ状態)にある場合に、入力ポート81bと出力ポート81aとが連通し、油路c9供給された油圧を油路c1に出力する。また、ドライブ切換えバルブ81は、上記油路d1に供給された油圧が制御ポート81dに作用することにより、スプール81pがスプリング81sに付勢された位置から、X1方向側の位置(非ドライブ状態)へ、該スプリング81sの付勢力に抗して移動される。この場合は、上記入力ポート81bと出力ポート81aとは遮断される。また、油路a3,a17,a18,a19,a20を介して上記入力ポート81cにライン圧PLが作用することにより、上述のようにスプール81pがX1方向側の位置に保持される。
また、ドライブ切換えバルブ81は、後述するリニアソレノイドバルブSL1の係合圧が油路d2を介して油室81fに作用すると共に、上記スプリング81sの付勢力が作用することにより、X1方向側に保持されたスプール81pがX2方向側位置に移動される。
上記供給油圧切換え手段90は、第4ソレノイドバルブRS4及び供給油圧切換えバルブ91を備えている。該第4ソレノイドバルブRS4は、3ウェイタイプのノーマルクローズからなり、ライン圧PLからなる供給圧が供給され、運転者のレバー操作又はボタン操作等の操作に基づく制御部からの電気信号が入力される。つまり、第4ソレノイドバルブRS4は、上記制御部からの電気信号が入力されると、油路a21に供給された油圧を油路e1に出力する。
供給油圧切換えバルブ91は、1本のスプール91pと該スプール91pのX2方向側に縮設されてX1方向側に向けて該スプール91pを付勢するスプリング91sとを有しており、また該スプール91pのX1方向側端部に配置されて第4ソレノイドバルブRS4からの制御圧が作用する制御ポート91bを有している。さらに、供給油圧切換えバルブ91は、入力ポート91aと、スプール91pにより切換え自在に連通するように配置された出力ポート91c及び出力ポート91dとを有している。
上記供給油圧切換えバルブ91は、スプール91pがスプリング91sに付勢された位置にある場合に、入力ポート91aと出力ポート91dとが連通し、油路f6に供給された油圧を油路e4に出力する。また、第4ソレノイドバルブRS4の制御圧が油路e1,e3を介して制御ポート91bに作用することにより、スプール91pがスプリング91sに付勢された位置から、X2方向側の位置へ、該スプリング91sの付勢力に抗して移動された場合には、上記入力ポート91aと出力ポート91cとが連通し(即ち入力ポート91aと出力ポート91dとは遮断され)、油路f6に供給された油圧を油路e5に出力する。
つまり、供給油圧切換えバルブ91は、油路f6を介して入力される後述するリニアソレノイドバルブ(兼用リニアソレノイドバルブ)SL2からの係合圧(出力圧)を、上記前進5乃至8速段の際に係合するクラッチC−2の油圧サーボと、後進1,2速段及び前進1速段のエンジンブレーキ時の際に係合するブレーキB−2と、に切換えるように構成されている。
上記リニアソレノイドバルブSL1は、ノーマルクローズからなり、リニア駆動部101Aと調圧バルブ部101Bとにより構成されている。リニア駆動部101Aは、供給(通電)される電流に応じてX2方向側に駆動されるスプール(不図示)を有して構成されおり、調圧バルブ部101Bは、該スプールをX1方向側に付勢するスプリング(不図示)を備えていると共に、入力ポート101cと出力ポート101aとフィードバックポート101bとトレーンポートとを備えて構成されている。これにより、リニアソレノイドバルブSL1のリニア駆動部101Aに電流が供給されない非通電時には、上記スプリングによってスプールがX1方向側の位置にされて、入力ポート101cと出力ポート101aとが遮断されると共に、出力ポート101aとドレーンポートとが連通される。
また、リニアソレノイドバルブSL1のリニア駆動部101Aに徐々に電流が供給されていくと、上記スプリングの付勢力に抗してスプールが徐々にX2方向側に駆動制御されて入力ポート101cと出力ポート101aとの間を徐々に連通して開いていくと共に出力ポート101aとドレーンポートとが徐々に閉じていく状態となる。そして、最終的には、リニア駆動部101Aに最大電流が供給されると、入力ポート101cと出力ポート101aとが連通し(即ち出力ポート101aとドレーンポートとは遮断され)、油路c6に供給された油圧を油路d3,d4,d5を介してクラッチC−1の油圧サーボ111に供給すると共に、油路d3,d2を介して上記ドライブ切換えバルブ81の油室81fに供給する。
なお、上記リニアソレノイドバルブSL1に接続されているクラッチC−1の油圧サーボ111に出力された油圧の一部は、油路d6を介して上記フィードバックポート101bに入力されており、例えば油圧サーボ111に急激に大きな圧力を出力した場合に、スプールをX1方向側に押し戻して該油圧サーボ111に出力される油圧を低下させたり、該油圧サーボ111に出力される油圧が脈動した場合に、油圧を安定させたりするようになっている。
上記リニアソレノイドバルブSL3は、ノーマルクローズからなり、リニア駆動部103Aと調圧バルブ部103Bとにより構成されている。リニア駆動部103Aは、供給(通電)される電流に応じてX2方向側に駆動されるスプール(不図示)を有して構成されおり、調圧バルブ部103Bは、該スプールをX1方向側に付勢するスプリング(不図示)を備えていると共に、入力ポート103dと出力ポート103aとフィードバックポート103bとトレーンポート103cとを備えて構成されている。これにより、リニアソレノイドバルブSL3のリニア駆動部103Aに電流が供給されない非通電時には、上記スプリングによってスプールがX1方向側の位置にされて、入力ポート103dと出力ポート103aとが遮断されると共に、出力ポート103aとドレーンポート103cとが連通される。なお、ドレーンポート103cは、通常時において、油路c3、c2を介してオールオフバルブ61の出力ポート61dに連通しており、該出力ポート61dと連通しているドレーンポートより油圧がドレーンされるように構成されている。
また、リニアソレノイドバルブSL3のリニア駆動部103Aに徐々に電流が供給されていくと、上記スプリングの付勢力に抗してスプールが徐々にX2方向側に駆動制御されて入力ポート103dと出力ポート103aとの間を徐々に連通して開いていくと共に出力ポート103aとドレーンポート103cとが徐々に閉じていく状態となる。そして、最終的には、リニア駆動部103Aに最大電流が供給されると、入力ポート103dと出力ポート103aとが連通し(即ち出力ポート103aとドレーンポート103cとは遮断され)、油路c7に供給された油圧を油路f1,f3を介してクラッチC−3の油圧サーボ113に供給する。
なお、上記リニアソレノイドバルブSL3に接続されているクラッチC−3の油圧サーボ113に出力された油圧の一部は、油路f2を介して上記フィードバックポート103bに入力されており、例えば油圧サーボ113に急激に大きな圧力を出力した場合に、スプールをX1方向側に押し戻して該油圧サーボ113に出力される油圧を低下させたり、該油圧サーボ113に出力される油圧が脈動した場合に、油圧を安定させたりするようになっている。
上記リニアソレノイドバルブSL2は、ノーマルクローズからなり、リニア駆動部102Aと調圧バルブ部102Bとにより構成されている。リニア駆動部102Aは、供給(通電)される電流に応じてX2方向側に駆動されるスプール(不図示)を有して構成されおり、調圧バルブ部102Bは、該スプールをX1方向側に付勢するスプリング(不図示)を備えていると共に、入力ポート102dと出力ポート102aとフィードバックポート102bとトレーンポート102cとを備えて構成されている。これにより、リニアソレノイドバルブSL2のリニア駆動部102Aに電流が供給されない非通電時には、上記スプリングによってスプールがX1方向側の位置にされて、入力ポート102dと出力ポート102aとが遮断されると共に、出力ポート102aとドレーンポート102cとが連通される。なお、ドレーンポート102cは、通常時において、油路c4、c2を介してオールオフバルブ61の出力ポート61dに連通しており、該出力ポート61dと連通しているドレーンポートより油圧がドレーンされるように構成されている。
また、リニアソレノイドバルブSL2のリニア駆動部102Aに徐々に電流が供給されていくと、上記スプリングの付勢力に抗してスプールが徐々にX2方向側に駆動制御されて入力ポート102dと出力ポート102aとの間を徐々に連通して開いていくと共に出力ポート102aとドレーンポート102cとが徐々に閉じていく状態となる。そして、最終的には、リニア駆動部102Aに最大電流が供給されると、入力ポート102dと出力ポート102aとが連通し(即ち出力ポート102aとドレーンポート102cとは遮断され)、油路c8に供給された油圧を油路f4,f6及び上記供給油圧切換えバルブ91を介して、クラッチC−2の油圧サーボ112又はブレーキB−2の油圧サーボ115に供給する。
なお、上記リニアソレノイドバルブSL2に、供給油圧切換えバルブ91を介して接続されているクラッチC−2の油圧サーボ112又はブレーキB−2の油圧サーボ115に出力された油圧の一部は、油路f5を介して上記フィードバックポート102bに入力されている。これにより、例えば油圧サーボ112又は115に急激に大きな圧力を出力した場合に、スプールをX1方向側に押し戻して該油圧サーボ112又は115に出力される油圧を低下させたり、該油圧サーボ112又は115に出力される油圧が脈動した場合に、油圧を安定させたりするようになっている。
[油圧制御装置の作用]
ついで、図6ないし図10に沿って油圧制御装置20の作用について説明する。
通常時における前進走行(ドライブ(D)レンジ)状態では、図6に示すように、上記制御部からの電気信号により、パーキング切換え手段50の第1ソレノイドバルブRS1がON状態かつ第2ソレノイドバルブRS2がOFF状態になる。油路a1に供給されたライン圧PLは調圧されて、制御圧となって油路a5に出力される。該制御圧は、油路a5,a6を介して第1パーキング切換えバルブ51の制御ポート51eに入力され、上述のようにスプール51pをスプリング51sの付勢力に抗してX2方向側へ移動させる。また、第3ソレノイドバルブRS3は、OFF状態とされている。このため、第2パーキング切換えバルブ52のスプール52pは、スプリング52sに付勢されたX1方向側に位置している。
この状態では、油路a2に供給されたライン圧PLが、油路a9を介して第1パーキング切換えバルブ51の入力ポート51bに入力され、出力ポート51cより出力される。この出力ポート51cより出力された油圧は、油路b1を介して第2パーキング切換えバルブ52の入力ポート52bに入力され、出力ポート52dより出力されて、油路b6を介してパーキング装置30のパーキングシリンダ31に入力される。これにより、該パーキング装置30は、パーキング解除状態とされる。
また、上記第1ソレノイドバルブRS1から出力された制御圧は、油路a5,a7を介してオールオフチェックバルブ71の入力ポート71aに入力され、出力ポート71bより出力される。この出力ポート71bより出力された油圧は、油路c10を介してオールオフバルブ61の油室61hに供給される。
一方、油路a3に供給されたライン圧PLは、油路a3,a17,a18,a14,a16を介してオールオフバルブ61の制御ポート61aに入力される。すると、オールオフバルブ61は、制御ポート61aと油室61hとに油圧が作用する。しかし、上述のようにスプール61pには、スプリング61sの付勢力及び油室61hに生じる付勢力の方が、制御ポート61aに生じる付勢力よりも強く作用するので、該スプール61pはX1方向側に位置する。
このとき、オールオフバルブ61は、油路a3,a17,a18,a14,a15を介して入力ポート61bにライン圧PLが入力される。そのライン圧PLは、出力ポート61eより出力される。この出力ポート61eより出力された油圧は、油路c5,c6を介してリニアソレノイドバルブSL1に、油路c5,c7を介してリニアソレノイドバルブSL3に、油路c5,c8を介してリニアソレノイドバルブSL2に、それぞれ供給され、各摩擦係合要素の制御に用いられる。
また、上記前進走行(ドライブ(D)レンジ)状態において、前進1速段のエンジンブレーキ時には、図2に示すように、クラッチC−1及びブレーキB−2を係合する。この場合、図7に示すように、パーキング切換え手段50、オールオフチェックバルブ71及びオールオフバルブ61は、上記通常時の前進走行状態と同様の作用をしており、リニアソレノイドバルブSL1、リニアソレノイドバルブSL3及びリニアソレノイドバルブSL2にも油圧が供給されている。そして、制御部からの電気信号により、リニアソレノイドバルブSL1は、出力ポート101aから油路d3,d4,d5を介して、クラッチC−1の油圧サーボ111に係合圧を供給し、クラッチC−1を係合させる。このとき、該係合圧は、油路d3,d2を介してドライブ切換えバルブ81の油室81fにも供給される。
一方、同じく制御部からの電気信号により、供給油圧切換え手段90の第4ソレノイドバルブRS4がON状態にされ、油路a21に供給されたライン圧PLが調圧されて制御圧となって油路e1に出力される。該制御圧は、油路e1,e3を介して供給油圧切換えバルブ91の制御ポート91bに入力され、スプール91pをスプリング91sの付勢力に抗してX2方向側に移動させる。また、リニアソレノイドバルブSL2は、制御部からの電気信号により、出力ポート102aから油路f4,f6と、スプール91pがX2方向側の位置とされた供給油圧切換えバルブ91の入力ポート91a及び出力ポート91cと、油路e5とを介してブレーキB−2の油圧サーボ115に係合圧を供給し、ブレーキB−2を係止させる。
このとき、第4ソレノイドバルブRS4から出力された制御圧は、油路e1,e2を介して上記ドライブ切換えチェックバルブ72の入力ポート72cに入力され、出力ポート72bより出力される。この出力ポート72bより出力された油圧は、油路d1を介してドライブ切換えバルブ81の制御ポート81dに供給される。これにより、ドライブ切換えバルブ81は、制御ポート81dと油室81fとに油圧が作用するが、上述のようにスプール81pには、スプリング81sの付勢力及び油室81fに生じる付勢力の方が、制御ポート81dに生じる付勢力よりも強く作用するので、該スプール81pはX2方向側の位置(ドライブ状態)とされる。
上記前進走行(ドライブ(D)レンジ)状態の際に、例えば断線等により全てのソレノイドバルブ(第1ソレノイドバルブRS1、第2ソレノイドバルブRS2、第3ソレノイドバルブRS3、第4ソレノイドバルブRS4、リニアソレノイドバルブSL1、リニアソレノイドバルブSL2、リニアソレノイドバルブSL3)がOFFフェール(以下、「オールオフフェール」という)した場合(非通電時)において、図8に示すように、油圧制御装置20は、これら全てのソレノイドバルブからの制御圧や係合圧が停止し、ライン圧だけが作用する状態となる。
第1パーキング切換えバルブ51は、上述のように油路a2,a8を介して入力ポート51aにライン圧PLが入力され、スプール51pがX2方向側の位置に保持されている。これにより、ライン圧PLは、油路a2,a9を介して第1パーキング切換えバルブ51の入力ポート51bに入力され、出力ポート51cより出力される。この出力ポート51cより出力された油圧は、油路b1と、第2パーキング切換えバルブ52の入力ポート52b及び出力ポート52dと、油路b6とを介してパーキングシリンダ31に入力されて、パーキング装置30をパーキング解除状態に保持する。
また、オールオフバルブ61は、制御ポート61aに油路a3,a17,a18,a14,a16を介してライン圧PLが供給され、油室61hへの油圧の供給が停止されるので、該制御ポート61aに生じる付勢力の方が強い。このため、スプール61pがスプリング61sの付勢力に抗してX2方向側の位置に移動する。これにより、ライン圧PLは、油路a3,a17,a18,a14,a15を介して入力ポート61bに入力され、出力ポート61fより出力される。この出力ポート61fより出力された油圧は、油路c9を介してドライブ切換えバルブ81の入力ポート81bに入力される。
さらに、ドライブ切換えバルブ81は、スプール81pがスプリング81sに付勢されたX2方向側の位置(ドライブ状態)にあるので、入力ポート81bに入力された油圧は、出力ポート81aより出力され、油路c1を介してオールオフバルブ61の入力ポート61cに入力される。オールオフバルブ61の入力ポート61cに入力された油圧は、出力ポート61dより出力され、油路c2,c3を介してリニアソレノイドバルブSL3のドレーンポート103cと、油路c2,c4を介してリニアソレノイドバルブSL2のドレーンポート102cとにそれぞれ逆入力される。
そして、該リニアソレノイドバルブSL3は、上述のように非通電時には出力ポート103aとドレーンポート103cと連通されているので、該ドレーンポート103cに逆入力された油圧は、出力ポート103aより出力し、油路f1,f3を介してクラッチC−3の油圧サーボ113に入力される。また、リニアソレノイドバルブSL2は、上述のように非通電時には出力ポート102aとドレーンポート102cと連通されているので、該ドレーンポート102cに逆入力された油圧は、出力ポート102aより出力し、油路f4,f6と、供給油圧切換えバルブ91の入力ポート91a及び出力ポート91dと、油路e4とを介してクラッチC−2の油圧サーボ112に入力される。これにより、自動変速機1は、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合された前進7速段となり、走行状態(ドライブ状態)を保持することができる。
また、後進走行(リバース(R)レンジ)状態及びニュートラル(ニュートラル(N)レンジ)状態の際にオールオフフェールとなった場合において、図9に示すように、パーキング切換え手段50は、前進走行状態の際と同様にパーキング装置30のパーキング解除状態を保持している。さらに、ドライブ切換えバルブ81は、スプール81pがX1方向側の位置(非ドライブ状態)とされた状態で、油路a3,a17,a18,a19,a20を介してライン圧PLが入力ポート81cに入力し、スプール81pのX1方向側位置状態を保持している。これにより、ライン圧PLは、油路a3,a17,a18,a14,a15を介して入力ポート61bに入力され、出力ポート61fより出力されるが、油路c9を介して入力されるドライブ切換えバルブ81の入力ポート81bは、閉塞されているため、ドライブ切換えバルブ81は、油圧を出力しない。つまり、パーキング装置30のパーキング解除状態を保持し、かつリニアソレノイドバルブSL3,SL2にも油圧が供給されないため、自動変速機1は、ニュートラル状態とされる。
上記オールオフフェールとなった後、車輌が停止状態とされ、エンジンがOFFとされた場合には、ライン圧PLの供給が停止されるため、全ての切換えバルブは、スプールがスプリングに付勢された位置とされる。つまり、第1パーキング切換えバルブ51のスプール51pはX1方向側とされ、第2パーキング切換えバルブ52のスプール52pはX1方向側とされ、オールオフバルブ61のスプール61pはX1方向側とされ、ドライブ切換えバルブ81のスプール81pはX2方向側とされ、供給油圧切換えバルブ91のスプール91pはX1方向側とされる。また、パーキングシリンダ31へのパーキング解除圧の供給も停止されるため、パーキング装置30は、パーキング状態とされる。
その後、エンジンが再びONとされた場合(再始動時)には、図10に示すように、油圧制御装置20にライン圧PLが供給される。ライン圧PLは、油路a2,a9を介して第1パーキング切換えバルブ51の入力ポート51bに入力され、出力ポート51dより出力される。この出力ポート51dより出力されたパーキング解除圧としての油圧は、油路b2,b3を介して第2パーキング切換えバルブ52の入力ポート52cに入力されるが、該入力ポート52cは閉塞されているため、第2パーキング切換えバルブ52は、パーキング解除圧を出力しない。つまり、パーキングシリンダ31にパーキング解除圧が入力されないので、パーキング装置30は、パーキング状態となる。
また、上記第1パーキング切換えバルブ51の出力ポート51dより出力されるパーキング解除圧は、油路b2,b4を介してドライブ切換えチェックバルブ72の入力ポート72aに入力され、出力ポート72bより出力されて、ドライブ切換えバルブ81の制御ポート81dに入力される。これにより、ドライブ切換えバルブ81は、制御ポート81dに生じる付勢力により、スプール81pがスプリング81sの付勢力に抗してX1方向側位置(非ドライブ状態)に移動される。
一方、ライン圧PLは、油路a3,a17,a18,a14,a16を介してオールオフバルブ61の制御ポート61aにも入力されており、該制御ポート61aに生じる付勢力により、スプール61pをスプリング61sの付勢力に抗してX2方向側へ移動させる。これにより、ライン圧PLは、油路a3,a17,a18,a14,a15を介して入力ポート61bに入力され、出力ポート61fより出力されるが、油路c9を介して入力されるドライブ切換えバルブ81の入力ポート81bは、スプール81pがX1方向側位置(非ドライブ状態)とされており、閉塞されているため、ドライブ切換えバルブ81は、油圧を出力しない。つまり、パーキング装置30がパーキング状態とされ、かつリニアソレノイドバルブSL1,SL3,SL2にも油圧が供給されないため、自動変速機1は、パーキング状態とされる。
以上のように本発明に係る自動変速機1の油圧制御装置20は、オールオフバルブ61がパーキング切換え手段50の2つのソレノイドバルブRS1,RS2が共に作動しない非通電状態で、かつドライブ切換えバルブ81がドライブ状態にある場合に、ライン圧PLが非通電状態にあるリニアソレノイドバルブSL3,SL2から前進7速段の際に係合されるクラッチC−2,C−3の油圧サーボ112,113に供給されるので、該油圧サーボ112,113が前進7速段を形成するように係合状態を保持してドライブ状態を保持することができる。従って、従来必要だったソレノイド・オールオフフェール時に作動する専用のソレノイドバルブが不要となる。これにより、ソレノイド・オールオフフェールとなった際に、走行状態を保持するフェールセーフを行うことができるものでありながら、油圧制御装置20を簡素化することができてコンパクト化を図ることができる。
また、ドライブ切換えバルブ81は、供給油圧切換え用ソレノイドバルブRS4から出力される制御圧によってドライブ状態と非ドライブ状態とに切換えられる。従って、油圧制御装置20は、ドライブ状態と非ドライブ状態とを切換えるための専用のソレノイドバルブを備える場合に比して、油圧制御装置20が簡素化されてコンパクト化を図ることができる。
また、自動変速機1が前進1速段におけるエンジンブレーキ時とされた際に、ドライブ切換えバルブ81は、油室81fにクラッチC−1を制御するリニアソレノイドバルブSL1からの係合圧が入力され、スプリング81sの付勢力と共にスプール81pを押圧することでドライブ状態が保持される。従って、油圧制御装置20は、後進走行時に係合するブレーキB−2が前進1速段におけるエンジンブレーキ時で係合する際にも、ドライブ切換えバルブ81のドライブ状態を保持することができる。
また、全てのソレノイドバルブが非通電となった後のエンジンの再始動時には、パーキング解除圧を制御ポート81dに入力し、スプール81pをX1方向側にして非ドライブ状態に切換え、複数の摩擦係合要素に油圧の供給を行わないので、搭載された車輌をパーキング状態とすることができ、オールオフフェール時のフェールセーフを行うことができるものでありながら、エンジンの再始動時には車輌を安全な停止状態にすることができる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、本油圧制御装置20を前進8速段、及び後進1速段を可能とする自動変速機1に適用する場合を一例として説明したが、勿論これに限るものではなく、有段式の自動変速機であればどのようなものにも適用できる。
本実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 自動変速機の係合表。 自動変速機の速度線図。 本実施の形態に係る油圧制御装置を示す回路図。 パーキング装置を示す模式図。 通常時のドライブ状態の際の油圧制御装置を示す回路図。 通常時のドライブ状態で前進1速段のエンジンブレーキ時の際の油圧制御装置を示す回路図。 オールオフフェール時のドライブ状態の際の油圧制御装置を示す回路図。 オールオフフェール時のニュートラル又はリバース状態の際の油圧制御装置を示す回路図。 オールオフフェール後のエンジン再始動時の際の油圧制御装置を示す回路図。
符号の説明
1 自動変速機
20 油圧制御装置
30 パーキング装置
50 パーキング切換え手段
61 オールオフバルブ
81 ドライブ切換えバルブ
81d 制御ポート
81f 油室
81p スプール
81s スプリング
91 供給油圧切換えバルブ
101a 出力ポート
102c,103c ドレーンポート
111,112,113,115 油圧サーボ
C−1,C−2,C−3,C−4,B−1,B−2 摩擦係合要素
RS1,RS2,RS3,RS4 ソレノイドバルブ
SL1,SL3 リニアソレノイドバルブ
SL2 兼用リニアソレノイドバルブ

Claims (4)

  1. パーキング解除圧が入力されることによりパーキング解除状態となり、前記パーキング解除圧が入力されない場合にはパーキング状態となるパーキング装置と、
    複数の変速段を形成するように、それぞれの油圧サーボによって係脱される複数の摩擦係合要素と、を備え、
    前記パーキング状態と、後進走行を行うリバース状態と、前記パーキング解除状態にされ、かつ複数の前記摩擦係合要素の全てが解放しているニュートラル状態と、前進走行を行うドライブ状態と、に切換えられ、
    複数の前記油圧サーボを制御する複数のソレノイドバルブの非通電時に、エンジンが停止されるまでの間、前記パーキング装置を前記パーキング解除状態に保持し、かつ前記複数の摩擦係合要素のうち所定の摩擦係合要素を、所定高速段を形成するように係合状態を保持して前記ドライブ状態を保持する自動変速機の油圧制御装置において、
    2つのソレノイドバルブのどちらか一方が作動することによって前記パーキング状態となり、他方が作動することによって前記パーキング解除状態となるように切換えるパーキング切換え手段と、
    ドライブ状態と非ドライブ状態により切換えられるドライブ切換えバルブと、
    前記パーキング切換え手段の前記2つのソレノイドバルブの少なくとも一方が作動する状態と、前記2つのソレノイドバルブが共に作動しない状態とで切換えられるオールオフバルブと、を備え、
    前記オールオフバルブが前記2つのソレノイドバルブが共に作動しない非通電状態で、かつ前記ドライブ切換えバルブがドライブ状態にある場合、元圧が非通電位置にある前記オールオフバルブ及びドライブ位置にある前記ドライブ切換えバルブを介して、前記所定高速段の際に作動するリニアソレノイドバルブのドレーンポートに供給され、非通電状態にあるこれらリニアソレノイドバルブから前記所定高速段用油圧サーボに供給される、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記複数のリニアソレノイドバルブの内の1つを、両立しない2個の油圧サーボに兼用する兼用リニアソレノイドバルブとし、該兼用リニアソレノイドバルブからの出力圧を、前進走行時に係合する摩擦係合要素の油圧サーボと後進走行時に係合する摩擦係合要素の油圧サーボとに切換える供給油圧切換えバルブと、
    前記供給油圧切換えバルブを切換えるための制御圧を出力する供給油圧切換え用ソレノイドバルブと、を備え、
    前記ドライブ切換えバルブは、前記供給油圧切換え用ソレノイドバルブから出力される制御圧によって前記ドライブ状態と前記非ドライブ状態とに切換えられてなる、
    請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記兼用リニアソレノイドバルブからの出力圧が供給される前記後進走行時に係合する摩擦係合要素は、前進走行時の所定低速段で係合し、
    前記ドライブ切換えバルブは、スプールと、前記スプールを一方側に付勢する付勢部材と、前記スプールの一方側端部に設けられ、前記供給油圧切換え用ソレノイドバルブの出力ポートと連通する制御ポートと、前記スプールの他方側端部に設けられ、前記所定低速段となる際に前記後進走行時に係合する摩擦係合要素とは別の低速段用摩擦係合要素を制御するリニアソレノイドバルブの出力ポートと連通する油室と、を備え、前記制御ポートに前記供給油圧切換え用ソレノイドバルブからの制御圧が入力し、前記付勢部材の付勢力に抗して前記スプールを他方側に押圧することで前記非ドライブ状態に切換わり、
    前記所定低速段とされた際には、前記油室に前記低速段用摩擦係合要素を制御するリニアソレノイドバルブからの係合圧が入力し、前記付勢部材の付勢力と共に前記スプールを押圧することで前記ドライブ状態が保持されてなる、
    請求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記ドライブ切換えバルブは、前記ニュートラル状態及び前記リバース状態の際に前記全てのソレノイドバルブが非通電となった場合には、元圧により前記スプールが前記他方側とされた状態を保持し、また前記全てのソレノイドバルブが非通電となった後の前記エンジンの再始動時には、前記パーキング解除圧を前記制御ポートに入力し、前記スプールを前記他方側にして前記非ドライブ状態に切換え、前記複数の摩擦係合要素に油圧の供給を行わないことで前記パーキング装置をパーキング状態とする、
    請求項3記載の自動変速機の油圧制御装置。
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