JP2012225420A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】故障発生時にフェールセーフ制御が実行される自動変速機において、ソレノイドバルブのさらなる故障によるインターロックを回避することを課題とする。
【解決手段】故障発生時に、故障状態であることを判定して油圧制御回路100の全LSV101〜105の通電を阻止することにより、ハイクラッチ50とR35ブレーキ80とを締結させて所定の変速段でのフェール走行を可能とすると共に、このフェール走行が行われるときに、第1、第3、第4LSV101、103、104のいずれかがロークラッチ40、LRブレーキ60又は26ブレーキ70への作動圧の供給を停止できないときは、前記第2LSV102及び第5LSV105によるハイクラッチ50及びR35ブレーキ80への作動圧の供給を阻止する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機の制御装置、特に油圧制御回路等の自動変速機の故障時における制御に関し、車両用自動変速機の技術分野に属する。
車両に搭載される自動変速機は、運転状態に応じて複数の摩擦要素を選択的に締結することにより変速段を自動的に切り換えるもので、前記摩擦要素の締結を制御するための油圧制御回路が備えられる。この油圧制御回路には、各摩擦要素に通じる油路を切り換えるための切換弁や、各摩擦要素に供給される締結用油圧を制御する油圧制御弁などが設けられるが、これらの弁のいくつかはソレノイドバルブで構成され、これらのソレノイドバルブがコントローラからの電気信号により作動して、油路の切り換えや油圧の制御等を行うようになっている。
このような構成な自動変速機においては、前記油圧制御回路が正常に作動しなくなるなどの故障が発生する可能性があり、そこで、そのための対応手段、即ちフェールセーフ手段として、故障発生時にも、少なくとも所定の変速段での走行(以下「フェール走行」という)が可能なように構成しておくことが行われる。
例えば特許文献1には、油圧制御回路に、マニュアルバルブと各摩擦要素に作動圧を供給する複数のソレノイドバルブとの間に、常時連通状態と故障時連通状態との切り換えを行うシーケンスバルブを配設し、故障発生時、全ソレノイドバルブの通電を阻止すれば、前記シーケンスバルブが故障時連通状態となって、マニュアルバルブから所定のソレノイドバルブを介して作動圧が特定の摩擦要素に供給されることにより、所定の変速段が成立して、フェール走行が可能なように構成されたものが開示されている。
また、油圧制御回路に、各摩擦要素用のソレノイドバルブとして、非通電状態で油路を開く(上流側の油路と下流側の油路とを連通させる)ノーマルオープンタイプのものと、非通電状態で油路を閉じる(上流側の油路と下流側の油路とを遮断し、下流側の油路をドレンさせる)ノーマルクローズタイプのものとを備え、故障発生時、全ソレノイドバルブに対する通電を停止すれば、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブが備えられた油路を介して特定の摩擦要素のみに作動圧が供給されるように構成したものがあり、これによっても、故障発生時に所定の変速段によるフェール走行が可能となる。
特開2005−344741号公報
しかし、前記特許文献1に開示された構成では、故障発生時、シーケンスバルブが故障時連通状態となっても、さらなる故障により、所定のソレノイドバルブ以外のソレノイドバルブからも摩擦要素に作動圧が供給されるなど、フェールセーフ機能が正しく動作しない可能性がある。
また、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブとノーマルクローズタイプのソレノイドバルブとを用いた構成では、全ソレノイドバルブの通電を阻止したときに、ノーマルクローズタイプのいずれかのソレノイドバルブが、異常により、通電を阻止するように制御したにも拘らず開き、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブから作動圧が供給される特定の摩擦要素に加えて、異常が発生したノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからも他の摩擦要素に作動圧が供給される可能性があり、この場合、当該自動変速機はインターロック状態となる。
そこで、本発明は、上記のような故障発生時に所定変速段でのフェール走行が可能とされた自動変速機において、油圧制御弁の異常等のさらなる故障による問題を解消することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、複数の油圧制御弁を備え、これらの油圧制御弁から供給される作動圧により複数の摩擦要素を選択的に締結して運転状態に応じた変速段を実現する自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の故障発生時に、故障状態であることを判定して全油圧制御弁の通電を阻止することにより、第1摩擦要素を締結させて所定の変速段でのフェール走行を可能とするフェールセーフ手段と、前記フェールセーフ手段によりフェール走行が行われるときに、前記第1摩擦要素以外の第2摩擦要素への作動圧の供給を制御する第2摩擦要素用油圧制御弁が該第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により前記第2摩擦要素用油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定されたときに、前記第1摩擦要素の締結を阻止するインターロック回避手段とを有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記第2摩擦要素用油圧制御弁は、非通電時に閉じるノーマルクローズタイプのソレノイドバルブであって、該油圧制御弁による作動圧の供給を制御するための制御部と、前記故障発生時に該油圧制御弁の通電を阻止するための通電阻止部とを有し、前記判定手段は、前記第2摩擦要素用油圧制御弁の制御部が通電状態にあって、通電阻止部が通電を阻止できないときに、該油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、前記自動変速機のレンジ位置を検出するレンジ位置検出手段が設けられており、前記故障発生時において、前記インターロック回避手段が前記第1摩擦要素の締結を阻止している場合、該インターロック回避手段は、前記レンジ位置検出手段によりレンジ位置の変更が検出されても、前記第1摩擦要素の締結を阻止する動作を継続して行うことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、当該車両のエンジンの作動を検出するエンジン作動検出手段が設けられており、前記フェールセーフ手段は、故障状態であると判定している状態で、前記エンジン作動検出手段によりエンジンの停止、再始動が検出されたときは、故障状態であるか否かを再判定することを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記第1摩擦要素への作動圧の供給を制御する第1摩擦要素用油圧制御弁が備えられ、前記フェールセーフ手段は、前記故障発生時に、前記第1摩擦要素用油圧制御弁により、前記第1摩擦要素に作動圧を供給させることによってフェール走行を可能とし、前記インターロック回避手段は、前記判定手段により前記第2摩擦要素用油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定したときに、前記第1摩擦要素用油圧制御弁により、前記第1摩擦要素への作動圧の供給を停止させることを特徴とする。
以上の構成により、本願の各請求項の発明によれば、次のような効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、自動変速機の故障発生時に、フェールセーフ手段が、油圧制御回路に備えられた全ての油圧制御弁の通電を阻止することにより、第1摩擦要素が締結されて所定の変速段でのフェール走行が可能となると共に、その場合に、第2摩擦要素用油圧制御弁の異常により、前記第1摩擦要素以外の第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定されたとき、換言すれば、フェール走行が不可と判定されたときは、インターロック回避手段により、前記第1摩擦要素の締結が阻止されることになる。
したがって、故障発生時に、所定の変速段でフェール走行するための第1摩擦要素と、それ以外の第2摩擦要素とが同時に締結されることによるインターロックが回避され、インターロックによる大きなショックの発生が未然に防止される。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記第2摩擦要素用油圧制御弁が非通電時に閉じるノーマルクローズタイプのソレノイドバルブであって、該油圧制御弁に、作動圧の供給を制御するための制御部と、故障発生時に該油圧制御弁の通電を阻止するための通電阻止部とが設けられている場合に、前記判定手段は、該第2摩擦要素用油圧制御弁の制御部が通電状態にあって、通電停止部が通電を阻止できないときに、該第2摩擦要素用油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定するので、この判定手段による判定が正確に行われ、ひいては、第1摩擦要素と第2摩擦要素とが同時に締結されることによるインターロックが確実に回避されることになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、自動変速機の故障発生時において、前記インターロック回避手段が第1摩擦要素の締結を阻止し、本来のフェール走行が実現されなくなったことにより、運転者が自動変速機の異常を感知して、レンジを例えばDレンジからNレンジに変更した後、再びDレンジに変更するなどの操作を行った場合にも、前記インターロック回避手段が第1摩擦要素の締結を阻止する動作を継続して行うので、レンジの変更操作後もフェール走行不可の故障が継続している場合に、該操作によりインターロック回避のための制御がキャンセルされることによるインターロックの発生が防止される。
また、請求項4に記載の発明によれば、フェールセーフ手段が故障状態であると判定してフェール走行が行われ、或いは、フェール走行不可の場合においてインターロック回避手段がインターロック回避動作を行っている場合にも、一旦停車させて、エンジンの停止、再始動の操作が行われたときには、前記フェールセーフ手段により故障判定が再度行われる。
そして、再判定によっても故障の発生が判定されたときには、前記フェールセーフ手段やインターロック回避手段による制御が継続される一方、当該故障が一時的な異常等による場合であって、再判定により故障が判定されなかったときは、その後の走行では通常の変速制御が行われて運転状態に応じた変速段での走行が可能となり、不要なフェールセーフ制御が回避される。
さらに、請求項5に記載の発明によれば、第1摩擦要素への作動圧の供給を制御する第1摩擦要素用油圧制御弁が備えられている場合に、フェール走行を行うときには、該第1摩擦要素用油圧制御弁により第1摩擦要素に作動圧が供給され、また、フェール走行を行おうとした際に、第2摩擦要素用油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定されたときは、該第1摩擦要素用油圧制御弁により前記第1摩擦要素への作動圧の供給が停止されることになる。したがって、フェール走行制御、及びフェール走行が不可の場合のインターロック回避制御が確実に行われる。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の骨子図である。 摩擦要素の締結の組み合わせと変速段との関係を示す表である。 自動変速機の制御システムを示すブロック図である。 油圧制御回路に備えられるソレノイドバルブ内の電気回路図である。 油圧制御回路の概略の構成図であ。 故障発生時の制御動作を示すフローチャートである。 同じく他の制御動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機1は、フロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式車両に搭載されるもので、主たる構成要素として、エンジン出力軸2に取り付けられたトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3の出力回転が入力軸4を介して入力される変速機構5と、前記トルクコンバータ3を介してエンジン出力軸2に駆動されるオイルポンプ6とを有し、これらが、変速機ケース7に収納されている。そして、前記変速機構5の出力回転が出力ギヤ5aからカウンタドライブ機構8を介して差動装置9に伝達され、左右の車軸9a、9bが駆動されるようになっている。
前記変速機構5は、トルクコンバータ3側から軸方向に順次配置された第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30を有すると共に、これらのギヤセット10、20、30で構成される動力伝達経路を切換えるための摩擦要素として、トルクコンバータ3の出力をギヤセット10、20、30側へ選択的に伝達するロークラッチ40及びハイクラッチ50と、各ギヤセット10、20、30の所定の回転要素を固定するLRブレーキ60、26ブレーキ70及びR35ブレーキ80とを有する。なお、LRブレーキ80に並列にワンウェイクラッチ90が配置されている。
前記ギヤセット10、20、30は、いずれもシングルピニオン型のプラネタリギヤセットであって、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
そして、前記入力軸4が第3ギヤセット30のサンギヤ31に連結されていると共に、第1ギヤセット10のサンギヤ11と第2ギヤセット20のサンギヤ21、第1ギヤセット10のリングギヤ14と第2ギヤセット20のキャリヤ23、第2ギヤセット20のリングギヤ24と第3ギヤセット30のキャリヤ33が、それぞれ連結されている。そして、第1ギヤセット10のキャリヤ13に前記出力ギヤ5aが連結されている。
また、第1ギヤセット10のサンギヤ11及び第2ギヤセット20のサンギヤ21は、前記ロークラッチ40を介して入力軸4に断接可能に連結されており、第2ギヤセット20のキャリヤ23は、前記ハイクラッチ50を介して入力軸4に断接可能に連結されている。
さらに、第1ギヤセット10のリングギヤ14及び第2ギヤセット20のキャリヤ23は、並列に配置された前記LRブレーキ60及びワンウェイクラッチ90を介して変速機ケース7に断接可能に連結されており、第2ギヤセット20のリングギヤ24及び第3ギヤセット30のキャリヤ33は、前記26ブレーキ70を介して変速機ケース7に断接可能に連結されており、さらに、第3ギヤセット30のリングギヤ34は、前記R35ブレーキ80を介して変速機ケース7に断接可能に連結されている。
以上の構成により、この変速機構5によれば、ロークラッチ40、ハイクラッチ50、LRブレーキ60、26ブレーキ70及びR35ブレーキ80の締結状態の組み合わせにより、P(駐車)、R(後退)、N(中立)の各レンジとD(前進)レンジの1〜6速とが達成されるようになっており、その組み合わせとレンジ及び変速段との関係を図2の表に示す。
また、この自動変速機1は、図3に示すように、前記クラッチ40、50及びブレーキ60、70、80に選択的に締結用の作動圧を供給して前記変速段を実現するための油圧制御回路100を有し、該回路100に、前記クラッチ40、50及びブレーキ60、70、80への作動圧の供給をそれぞれ制御する第1〜第5リニアソレノイドバルブ(以下、「リニアソレノイドバルブ」を「LSV」と記す)101〜105が備えられている。
ここで、これらのLSV101〜105のうち、第2、第5LSV102、105はノーマルオープン(以下「NO」と記す)タイプで、非通電状態では開き、通電状態では閉じる。また、第1、第3、第4LSV101、104、105はノーマルクローズ(以下「NC」と記す)タイプで、非通電状態では閉じ、通電状態で開く。なお、前述のように、「開く」とは、上流側の油路と下流側の油路とを連通させる状態をいい、「閉じる」とは、上流側の油路と下流側の油路とを遮断し、下流側の油路をドレンさせる状態をいう。
また、これらのLSV101〜105は、図4に示すように、プランジャを駆動するソレノイドSの電源側に制御用トランジスタT1を、接地側に通電阻止用トランジスタT2をそれぞれ接続した構成で、通常は、通電阻止用トランジスタT2をON状態に保持して、制御用トランジスタT1に制御信号を付与することにより、ソレノイドSの通電状態、即ち弁としての開閉や開度を制御すると共に、故障発生時には、通電阻止用トランジスタT2にOFF信号を付与することにより、ソレノイドSに対する通電を強制的に遮断するようになっている。
そして、これらのLSV101〜105を制御するためのコントローラ200が備えられ、該コントローラ200に、当該車両のエンジンを作動、停止させるイグニッションスイッチ201からの信号、運転者の操作により選択された自動変速機1のレンジを検出するレンジセンサ202からの信号、当該車両の車速を検出する車速センサ203からの信号、運転者のアクセルペダル操作量を検出するアクセルセンサ204からの信号等が入力される。そして、コントローラ200は、これらの信号に基づき、前記LSV101〜105に制御信号を出力する。
また、各LSV101〜105には、入力された制御信号に応じて正しく動作しているか否かを判定するための動作センサ101a〜105aが設けられ、これらのセンサ101a〜105aからの信号が前記コントローラ200に入力されるようになっている。
一方、前記油圧制御回路100は、図5に概略の構成を示すように、前記LSV101〜105に加えて、オイルポンプ6の吐出圧を調整してライン圧を生成するレギュレータバルブ111と、運転者のレンジ選択操作によって作動するマニュアルバルブ112と、該マニュアルバルブ112によって選択されたレンジに応じて、前記ライン圧を作動圧として第1〜第5LSV101〜105に配分する各種のバルブや油路等でなる所定油圧回路113とを有する。また、この油圧制御回路100には、図示しないが、トルクコンバータ3の作動油供給用及び該トルクコンバータ3内のロックアップクラッチ制御用の回路が設けられている。
そして、前記マニュアルバルブ112がDレンジの操作位置にあるときは、前記コントローラ200からの制御信号により、当該車両やエンジンの運転状態に応じて第1〜第5LSV101〜105の開閉ないし開度が制御され、これにより、前記クラッチ40、50及びブレーキ60、70、80に選択的に作動圧が供給され、前記図2の表に従って変速段が達成されるようになっている。
また、前記コントローラ200は、上記のような通常走行時の変速制御に加えて、故障発生時のフェールセーフ制御を行うように構成されており、次に、このフェールセーフ制御を、図6、図7に示すフローチャートに従って説明する。
図6に示す制御では、まず、ステップS1で図3に示す各種スイッチ及びセンサ201〜204からの信号、及び、各LSV101〜105にそれぞれ備えられた動作センサ101a〜105aからの信号、さらには図示しない各種センサからの信号を入力し、ステップS2で、これらの信号に基づき、前記油圧制御回路100の故障を含む自動変速機1の故障の有無を判定する。
そして、故障が発生していると判定したときは、ステップS3で、フェールセーフ制御を実行する。この制御は、油圧制御回路100における第1〜第5LSV101〜105の通電阻止用トランジスタT2に一斉にOFF信号を付与することにより行われる。
次に、ステップS4で、前記ステップS3のフェールセーフ制御の結果、前記第1〜第5LSV101〜105のうちのNCタイプの第1LSV101、第3LSV103又は第4LSV104のいずれかの通電を遮断できない状態にあるか否かを判定する。
そして、Yesの場合、即ち、第1LSV101、第3LSV103又は第4LSV104のいずれかの通電を遮断できない場合にはステップS5に進み、インターロック回避制御を実行する。
この制御は、故障を生じていないNOタイプの第2、第5LSV102、105の通電阻止用トランジスタT2にON信号を出力することにより行われ、これにより、自動変速機1のインターロックが防止される。
つまり、前述のフェールセーフ制御として全LSV101〜105の通電阻止用トランジスタT2に一斉にOFF信号を付与すると、NOタイプの第2、第5LSV102、105が通電を阻止されて開くと同時に、NCタイプの第1、第3、第4LSV101、103、104のうちの故障したものが、通電阻止用トランジスタT2にOFF信号を付与したにも拘らず通電されて開き、フェール走行用の5速を実現するハイクラッチ50とR35ブレーキ80とに加えて、ロークラッチ40、LRブレーキ60又は26ブレーキ70のいずれかが締結されることになるのであるが、このとき、NOタイプの第2、第5LSV102、105の通電阻止用トランジスタT2にON信号を出力してこれらのLSV102、105を閉じれば、前記ハイクラッチ50及びR35ブレーキ80の締結が阻止され、自動変速機1のインターロックが回避されることになるのである。
一方、前記ステップS4の判定結果がNoの場合、即ち、NCタイプの第1LSV101、第3LSV103及び第4LSV104のいずれもが通電を遮断できる場合は、次にステップS6へ進み、前述のフェールセーフ制御を継続する。
この制御は、前述のように、全LSV101〜105の通電阻止用トランジスタT2に一斉にOFF信号を付与することにより行われ、これにより、全LSV101〜105の通電を遮断できる場合は、NCタイプの第1LSV101、第3LSV103及び第4LSV104は閉じ、NOタイプの第2LSV102及び第5LSV105は開くことになる。
したがって、ロークラッチ40、LRブレーキ60及び26ブレーキ70は、作動圧の供給が停止され或いは作動圧が排出されて解放され、ハイクラッチ50及びR35ブレーキ80は、作動圧が供給されて締結されることになり、その結果、自動変速機1の変速段は5速となり、5速でのフェール走行が実施される。
一方、NOタイプの第2LSV102及び第5LSV105のいずれかが、故障により前記通電阻止用トランジスタT2にOFF信号を付与したにも拘わらず開かず、ハイクラッチ50又はR35ブレーキ80の少なくとも一方が締結されないときは、正常に作動しているNCタイプの第1、第3、第4LSV101、103、104によってロークラッチ40、LRブレーキ60及び26ブレーキ70が解放されているので、自動変速機1はニュートラル状態となり、この状態でのフェール走行となる。
以上のようにして、故障発生時、フェールセーフ制御により、NCタイプの第1LSV101、第3LSV103及び第4LSV104の通電を遮断できる場合は、5速又はニュートラル状態でのフェール走行が実行されると共に、前記NCタイプの第1LSV101、第3LSV103又は第4LSV104のいずれかの通電を遮断できないことによる自動変速機1のインターロックが回避されることになり、インターロックによる大きなショックの発生等の不具合が未然に防止される。
なお、フローチャートでは示していないが、Dレンジでの走行中に故障が発生し、フェール走行不可と判定されて、ステップS5のインターロック回避制御により自動変速機1がニュートラル状態とされた場合において、運転者がこれを感知し、レンジを例えばNレンジに操作した後、再度Dレンジに操作したような場合にも、コントローラ200は、前記インターロック回避制御を継続して行うように構成されている。
したがって、レンジの変更操作後も、フェール走行不可の故障が継続している場合に、この操作によりインターロック回避制御をキャンセルすることによるインターロックの発生が回避されることになる。
また、以上の制御は、Dレンジでの走行中に故障が発生した場合のものであるが、このような制御が実行された場合、運転者がこれを感知し、一旦停車してエンジンを停止した後、確認のため、改めてエンジンを再始動することが考えられる。
この場合、コントローラ200は、図7に示すフローチャートに従って制御を実行するようになっているが、このフローチャートは、図6のフローチャートに対してステップS12が追加されたもので、ステップS11、S13〜S17は、図6のフローチャートのステップS1〜S6と同じである。
つまり、ステップS11で各種信号を読み込んだ後、ステップS12でエンジンが再始動されたか否かを判定し、再始動されたときには、ステップS13で改めて故障の有無を判定する。そして、故障していると判定したときには、ステップ14以下の制御(図6のフローチャートのステップS3〜S6と同様の制御)を実行する。
また、走行中に感知した異常が一時的な故障によるものであり、エンジン再始動後のステップS13で、故障の発生が判定されなかった場合は、前述のフェールセーフ制御やインターロック回避制御を行わず、通常の変速制御を実行する。
これにより、安全な状態で故障の発生が再判定され、再度、故障の発生が判定されたときには、前記フェールセーフ手段やインターロック回避手段による制御が継続される一方、当該故障が一時的な異常等による場合であって、再判定により故障が判定されなかったときは、その後の走行では通常の変速制御が行われ、運転状態に応じた変速段での走行が可能となる。
なお、以上の実施形態におけるLSV101〜105の制御用トランジスタT1及び通電阻止用トランジスタT2は、FET(電界効果トランジスタ)に置き換えることも可能である。
以上のように、本発明によれば、故障発生時にフェールセーフ制御が実行される自動変速機において、フェールセーフ制御によってインターロックが生じるようなさらなる故障の発生時にも、少なくともインターロックは回避されることになるので、故障に対するフェールセーフ機能の高い自動変速機が実現されることになる。したがって、この種の自動変速機ないしこれを搭載する車両の製造産業において、好適に利用される可能性がある。
1 自動変速機
40、60、70 第2摩擦要素(ロークラッチ、LRブレーキ、26ブレーキ)
50、80 第1摩擦要素(ハイクラッチ、R35ブレーキ)
101、103、104 第2摩擦要素用油圧制御弁(第1、第3、第4LSV)
102、105 第1摩擦要素用油圧制御弁(第2、第5LSV)
200 フェールセーフ手段、判定手段、インターロック回避手段(コントローラ)
201 エンジン作動検出手段
202 レンジ位置検出手段(レンジセンサ)
TR1 制御部
TR2 通電阻止部

Claims (5)

  1. 複数の油圧制御弁を備え、これらの油圧制御弁から供給される作動圧により複数の摩擦要素を選択的に締結して運転状態に応じた変速段を実現する自動変速機の制御装置において、
    前記自動変速機の故障発生時に、故障状態であることを判定して全油圧制御弁の通電を阻止することにより、第1摩擦要素を締結させて所定の変速段でのフェール走行を可能とするフェールセーフ手段と、
    前記フェールセーフ手段によりフェール走行が行われるときに、前記第1摩擦要素以外の第2摩擦要素への作動圧の供給を制御する第2摩擦要素用油圧制御弁が該第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段により前記第2摩擦要素用油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定されたときに、前記第1摩擦要素の締結を阻止するインターロック回避手段とを有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記第2摩擦要素用油圧制御弁は、非通電時に閉じるノーマルクローズタイプのソレノイドバルブであって、該油圧制御弁による作動圧の供給を制御するための制御部と、前記故障発生時に該油圧制御弁の通電を阻止するための通電阻止部とを有し、
    前記判定手段は、前記第2摩擦要素用油圧制御弁の制御部が通電状態にあって、通電阻止部が通電を阻止できないときに、該油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記自動変速機のレンジ位置を検出するレンジ位置検出手段が設けられており、
    前記故障発生時において、前記インターロック回避手段が前記第1摩擦要素の締結を阻止している場合、該インターロック回避手段は、前記レンジ位置検出手段によりレンジ位置の変更が検出されても、前記第1摩擦要素の締結を阻止する動作を継続して行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 当該車両のエンジンの作動を検出するエンジン作動検出手段が設けられており、
    前記フェールセーフ手段は、故障状態であると判定している状態で、前記エンジン作動検出手段によりエンジンの停止、再始動が検出されたときは、故障状態であるか否かを再判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記第1摩擦要素への作動圧の供給を制御する第1摩擦要素用油圧制御弁が備えられ、
    前記フェールセーフ手段は、前記故障発生時に、前記第1摩擦要素用油圧制御弁により、前記第1摩擦要素に作動圧を供給させることによってフェール走行を可能とし、
    前記インターロック回避手段は、前記判定手段により前記第2摩擦要素用油圧制御弁が第2摩擦要素への作動圧の供給を停止できないと判定したときに、前記第1摩擦要素用油圧制御弁により、前記第1摩擦要素への作動圧の供給を停止させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
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