JP2009243641A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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和幸 野田
Yuichiro Umemoto
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Abstract

【課題】制御用のソレノイドバルブを用いることなく、使用していないリニアソレノイドバルブへの元圧の供給を遮断し得る油圧回路を構成することが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】油圧制御装置1は、リニアソレノイドバルブSLUからの制御圧PSLUが入力される油室21aと、ソレノイドバルブS2からの信号圧PS2が入力される油室21eとを有する元圧カットバルブ21を備えている。該元圧カットバルブ21は、制御圧PSLUが油室21aに作用する右半位置の際に、リニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への元圧となる前進レンジ圧Pを出力し、信号圧PS2が油室21eに作用する左半位置の際に、該前進レンジ圧Pを非出力とする。これにより、元圧カットバルブ21を切換えるための専用のソレノイドバルブの配置を不要とすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば車輌に搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、不使用となるリニアソレノイドバルブへの元圧を遮断し得るように構成することによって燃費向上を図った自動変速機の油圧制御装置に関する。
一般に、例えば車輌に搭載される自動変速機には、変速歯車機構の動力伝達経路を形成するためのクラッチやブレーキ、トルクコンバータをロックアップするロックアップクラッチ等が備えられており、それらクラッチ、ブレーキ、ロックアップクラッチの係脱を制御するための油圧制御装置が備えられている。該油圧制御装置には、上記係脱制御を行うための油圧を切換えたり、或いは調圧(コントロール)したりするための各種バルブ、及びこれらを接続する油路を備えたものがある。
また、近年、上述したような自動変速機の油圧制御装置には、リニアソレノイドバルブの性能の向上に伴って、ライン圧やマニュアルシフトバルブから出力されるレンジ圧を元圧としてリニアソレノイドバルブに入力し、このリニアソレノイドバルブから調圧出力された係合圧を、上記クラッチやブレーキを係脱する油圧サーボに直接的に入力するように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、一般にバルブは、ポート等が形成された中空穴にスプールが移動自在に収納されるため、それら中空穴とスプールとの間を完全にシールすることはできず、つまりバルブに対して油圧がかかると隙間から油が漏れることになる。そのため、上述のようなリニアソレノイドバルブを用いた油圧制御装置では、アイドリング中やガレージシフトの際に、使用していないリニアソレノイドバルブにも元圧が供給されるものがあり、該油圧制御装置では、これら使用していないリニアソレノイドバルブからの油漏れによる消費流量の増加のためにオイルポンプの小型化を妨げ、つまり車輌の燃費向上を妨げる虞があった。そこで、上記特許文献1に示されている油圧制御装置は、無駄な油漏れを防ぐために、使用していないリニアソレノイドバルブへの元圧の供給を遮断し得る切換えバルブを備えた構成となっている。
特開2006−105333号公報
しかしながら、上記特許文献1に示す油圧制御装置は、アイドリング中やガレージシフトの際に、使用していないリニアソレノイドバルブへの元圧の供給を遮断し得るための油圧回路を構成するために、リニアソレノイドバルブへの元圧の供給と遮断を切換える切換えバルブ及び該切換えバルブを制御する専用のソレノイドバルブを備えており、バルブボディのコンパクト化の妨げになる虞があった。
そこで本発明は、制御用のソレノイドバルブを用いることなく、使用していないリニアソレノイドバルブへの元圧の供給を遮断し得る油圧回路を構成することが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図5参照)、多数の摩擦係合要素(C−1,C−2,C−3,B−1,B−2)により動力伝達経路を切換える自動変速ギヤ機構(5)を備え、多数の摩擦係合要素(C−1,C−2,C−3,B−1,B−2)をそれぞれ多数のリニアソレノイドバルブ(SLU,SLC1,SLC2,SLC3,SLB1,SLB2)により制御してなる、自動変速機(3)において、
シフトレバーの操作に基づく前進レンジ(D)以外のシフトレンジ(P,R,N)の際に供給となるソレノイドバルブ(S2)と、
前記リニアソレノイドバルブ(SLU,SLC1,SLC2,SLC3,SLB1,SLB2)の内の少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブ(SLC2,SLC3,SLB1)の油圧供給側に配置される切換えバルブ(21)と、を備え、
該切換えバルブ(21)は、面積差を有するランド部(21q,21r)を備えたスプール(21p)と、前記スプール(21p)に対向して作用する第1の制御油室(21a)及び第2の制御油室(21e)と、前記ランド部(21q,21r)の間に形成され、前記スプール(21p)に対して前記第1の制御油室(21a)と同じ方向に作用する油室(21f)と、該油室に連通する入力ポート(21b)及び出力ポート(21d)と、を有し、
前記第1の制御油室(21a)に、前記リニアソレノイドバルブ(SLU,SLC1,SLC2,SLC3,SLB1,SLB2)の内の少なくとも前進1速段にあって出力する所定のリニアソレノイドバルブ(SLU,SLC1)を連通し、前記第2の制御油室(21e)に、前記ソレノイドバルブ(S2)を連通し、前記入力ポート(21b)に、前記リニアソレノイドバルブの元圧(P)を供給し、前記出力ポート(21d)に、前記少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブ(SLC2,SLC3,SLB1)を連通し、
前記前進レンジ(D)以外のシフトレンジ(P,R,N)から前記前進レンジ(D)とされた際に、前記所定のリニアソレノイドバルブ(SLU,SLC1)から出力された油圧(PSLU,PC1)が前記第1の制御油室(21a)に入力されることで前記スプール(21p)に作用し、前記入力ポート(21b)と前記出力ポート(21d)が前記油室(21f)を介して連通し、前記少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブ(SLC2,SLC3,SLB1)への前記元圧(P)を供給する状態に切換えると共に、前記元圧(P)が前記油室(21f)に入力されることにより前記スプール(21p)に作用して自己保持してなり、
前記前進レンジ(D)から前記前進レンジ(D)以外のシフトレンジ(P,R,N)とされた際に、前記ソレノイドバルブ(S2)から出力された油圧(PS2)が第2の制御油室(21e)に入力されることで前記スプール(21p)に作用し、前記入力ポート(21b)を遮断することで前記少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブ(SLC2,SLC3,SLB1)への前記元圧(P)を遮断する状態に切換えてなる、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図4及び図5参照)、前記ソレノイドバルブは、非通電時に油圧を出力するノーマルオープンタイプで構成され、前記前進レンジ(D)の際の故障時において、所定変速段(例えば5TH)を維持するフェール用ソレノイドバルブ(S2)である、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図4参照)、前記所定のリニアソレノイドバルブは、ロックアップクラッチ(7)を係合するためのロックアップ係合圧(PSLU)を出力するリニアソレノイドバルブ(SLU)である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図1ないし図5参照)、前記所定のリニアソレノイドバルブは、前記多数のリニアソレノイドバルブ(SLU,SLC1,SLC2,SLC3,SLB1,SLB2)のうち、前進1速段の際に係合する前記摩擦係合要素(C−1)の油圧サーボ(31)に係合圧(PC1)を供給するリニアソレノイドバルブ(SLC1)である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、所定のリニアソレノイドバルブから出力された油圧が第1の制御油室に入力されることで、少なくとも前進1速段にあっては不使用となるリニアソレノイドバルブへの元圧を供給する状態に切換えると共に、スプールを自己保持してなり、ソレノイドバルブから出力された油圧が第2の制御油室に入力されることで少なくとも前進1速段にあっては不使用となるリニアソレノイドバルブへの元圧を遮断する状態に切換える切換えバルブを備えたので、少なくとも前進1速段にあっては不使用となるリニアソレノイドバルブへの元圧の供給と遮断を切換える際に、必要なタイミングに出力され、かつ他の用途であるソレノイドバルブから出力される油圧を用いて切換えることができ、例えば切換えバルブを制御するための専用のソレノイドバルブを配置する場合に比して、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができて、バルブボディをコンパクト化することにより自動変速機の油圧制御装置をコンパクト化することができる。
請求項2に係る本発明によると、切換えバルブを遮断する状態に切換える際に、前進レンジから前進レンジ以外のシフトレンジとされるタイミングで出力されるフェール用ソレノイドバルブによって切換えられるので、切換えバルブを制御するための専用のソレノイドバルブを不要とすることができ、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができる。
請求項3に係る本発明によると、切換えバルブを供給する状態に切換える際に、ロックアップクラッチをロックアップするタイミングでロックアップ係合圧を出力するリニアソレノイドバルブによって切換えられるので、切換えバルブを制御するための専用のソレノイドバルブを不要とすることができ、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができる。
請求項4に係る本発明によると、切換えバルブを供給する状態に切換える際に、前進1速段で係合する摩擦係合要素の油圧サーボに係合圧を供給するタイミングで出力されるリニアソレノイドバルブによって切換えられるので、切換えバルブを制御するための専用のソレノイドバルブを不要とすることができ、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。
まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機3は、エンジン(不図示)に接続し得る自動変速機の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、自動変速機構(自動変速ギヤ機構)5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、不図示のミッションケースに一体的に固定されている不図示のボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
つづいて、上記構成に基づき、自動変速機構5の作用について図1、図2及び図3に沿って説明する。なお、図3に示す速度線図において、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸方向はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、縦軸は、図3中左方側から順に、サンギヤS1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、縦軸は、図3中右方側から順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリヤCR2、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジ(前進レンジ)であって、最低変速段としての前進1速段(1ST)では、図2に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば前進レンジ以外のシフトレンジから前進レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進3速段(3RD)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−3の係合によりキャリヤCR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進4速段(4TH)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進3速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進6速段(6TH)では、図2に示すように、クラッチC−2が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進5速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
後進1速段(REV)では、図2に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−2が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、及びクラッチC−3、が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となり、かつ、入力軸10とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸10とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸10とカウンタギヤ11との動力伝達が切断状態となる。
つづいて、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1について説明する。まず、油圧制御装置1における図示を省略した、ライン圧、セカンダリ圧、モジュレータ圧、レンジ圧等の生成部分について、大まかに説明する。なお、これらライン圧、セカンダリ圧、モジュレータ圧、レンジ圧の生成部分は、一般的な自動変速機の油圧制御装置と同様なものであり、周知のものであるので、簡単に説明する。
本油圧制御装置1は、例えばマニュアルシフトバルブ20や図示を省略したオイルポンプ、プライマリレギュレータバルブ、セカンダリレギュレータバルブ、ソレノイドモジュレータバルブ及びリニアソレノイドバルブSLT等を備えており、例えばエンジンが始動されると、上記トルクコンバータ4のポンプインペラ4aに回転駆動連結されたオイルポンプがエンジンの回転に連動して駆動されることにより、不図示のオイルパンからストレーナを介してオイルを吸上げる形で油圧を発生させる。
上記オイルポンプにより発生された油圧は、スロットル開度に応じて調圧出力されるリニアソレノイドバルブSLTの信号圧PSLTに基づき、プライマリレギュレータバルブによって排出調整されつつライン圧Pに調圧される。このライン圧Pは、マニュアルシフトバルブ20、ソレノイドモジュレータバルブ、及び詳しくは後述するリニアソレノイドバルブSLB2等に供給される。このうちのソレノイドモジュレータバルブに供給されたライン圧Pは、該バルブによって略々一定圧となるモジュレータ圧PMODに調圧され、このモジュレータ圧PMODは、上記リニアソレノイドバルブSLTや、詳しくは後述するソレノイドバルブS1,S2等の元圧として供給される。
なお、上記プライマリレギュレータバルブから排出された圧は、例えばセカンダリレギュレータバルブにより更に排出調整されつつセカンダリ圧PSECに調圧され、このセカンダリ圧PSECが、例えば潤滑油路やオイルクーラ等に供給されると共にトルクコンバータ4にも供給され、かつロックアップクラッチ7の制御にも用いられる。
一方、マニュアルシフトバルブ20は、運転席(不図示)に設けられたシフトレバーに機械的(或いは電気的)に駆動されるスプール20aを有しており、該スプール20aの位置がシフトレバーにより選択されたシフトレンジ(例えばP,R,N,D)に応じて切換えられることにより、上記入力されたライン圧Pの出力状態や非出力状態(ドレーン)を設定する。
詳細には、シフトレバーの操作に基づき前進レンジにされると、該スプール20aの位置に基づき上記ライン圧Pが入力される入力ポート20bと前進レンジ圧出力ポート20cとが連通し、該前進レンジ圧出力ポート20cよりライン圧Pが前進レンジ圧Pとして出力される。シフトレバーの操作に基づきR(リバース)レンジにされると、該スプール20aの位置に基づき上記入力ポート20bと後進レンジ圧出力ポート20dとが連通し、該後進レンジ圧出力ポート20dよりライン圧Pが後進レンジ圧PREVとして出力される。また、シフトレバーの操作に基づきパーキング(P)レンジ及びニュートラル(N)レンジにされた際は、上記入力ポート20bと前進レンジ圧出力ポート20c及び後進レンジ圧出力ポート20dとの間がスプール20aによって遮断されると共に、それら前進レンジ圧出力ポート20c及び後進レンジ圧出力ポート20dがドレーンポートEXに連通され、つまり前進レンジ圧P及び後進レンジ圧PREVがドレーン(排出)された非出力状態となる。
ついで、本発明に係る油圧制御装置1における主に変速制御を行う部分について図4に沿って説明する。なお、本実施の形態においては、スプール位置を説明するため、図4中に示す右半分の位置を「右半位置」、左半分の位置を「左半位置」という。
本油圧制御装置1は、上述のクラッチC−1の油圧サーボ31、クラッチC−2の油圧サーボ32、クラッチC−3の油圧サーボ33、ブレーキB−1の油圧サーボ34、ブレーキB−2の油圧サーボ35の、計5つの油圧サーボのそれぞれに係合圧として調圧した出力圧を直接的に供給するための5本のリニアソレノイドバルブSLC1,SLC2,SLC3,SLB1,SLB2を備えており、また、フェールセーフ機能を達成すると共に、リニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への元圧としての前進レンジ圧Pを供給又は遮断に切換える部分として、ソレノイドバルブS1、ソレノイドバルブS2、リニアソレノイドバルブSLU、元圧カットバルブ(切換えバルブ)21、リレーバルブ23、チェックバルブ22等を備えて構成されている。なお、実際の油圧制御装置1には、この他にもリンプホーム機能を達成するための切換えバルブや種々のオリフィスやダンパ等が備えられているが、図示を省略している。
図4に示す油路a1,a2,a3,a4には、上述したマニュアルシフトバルブの前進レンジ圧出力ポート20cが接続されて前進レンジ圧Pが入力し得るように構成されており、また、油路l1には、該マニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポート20dが接続されて後進レンジ圧PREVを入力し得るように構成されている。また、油路a5には、プライマリレギュレータバルブ(不図示)からのライン圧Pが入力されて構成されている。
上記リニアソレノイドバルブSLC1は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路a1,a4を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC1aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ31に制御圧PSLC1を係合圧PC1として出力する出力ポートSLC1bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC1は、非通電時に入力ポートSLC1aと出力ポートSLC1bとを遮断して非出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLC1aと出力ポートSLC1bとの連通する量(開口量)を該指令値に応じて大きくし、つまり指令値に応じた係合圧PC1を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートSLC1bは、油路b1を介してクラッチC−1の油圧サーボ31に接続されている。
一方、リニアソレノイドバルブSLC2は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、後述する元圧カットバルブ21及び油路g1,g2を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC2aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ32に制御圧PSLC2を係合圧PC2として出力する出力ポートSLC2bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC2は、非通電時に入力ポートSLC2aと出力ポートSLC2bとを連通した出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLC2aと出力ポートSLC2bとの連通する量を該指令値に応じて小さくし(即ち開口量を絞り)、つまり指令値に応じた係合圧PC2を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC2の出力ポートSLC2bは、油路c1を介してクラッチC−2の油圧サーボ32に接続されている。
リニアソレノイドバルブSLC3は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、後述する元圧カットバルブ21、油路g1,g3,g5、チェックバルブ22、油路m1を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC3aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ33に制御圧PSLC3を係合圧PC3として出力する出力ポートSLC3bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC3は、非通電時に入力ポートSLC3aと出力ポートSLC3bとを連通した出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLC3aと出力ポートSLC3bとの連通する量を該指令値に応じて小さくし(即ち開口量を絞り)、つまり指令値に応じた係合圧PC3を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC3の出力ポートSLC3bは、油路d1を介してクラッチC−3の油圧サーボ33に接続されている。
リニアソレノイドバルブSLB1は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、後述する元圧カットバルブ21、油路g1,g3,g4を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLB1aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ34に制御圧PSLB1を係合圧PB1として出力する出力ポートSLB1bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLB1は、非通電時に入力ポートSLB1aと出力ポートSLB1bとを遮断して非出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLB1aと出力ポートSLB1bとの連通する量(開口量)を該指令値に応じて大きくし、つまり指令値に応じた係合圧PB1を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLB1の出力ポートSLB1bは、油路e1を介してブレーキB−1の油圧サーボ34に接続されている。
リニアソレノイドバルブSLB2は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路a5を介して上記ライン圧Pを入力する入力ポートSLB2aと、該ライン圧Pを調圧して油圧サーボ35に制御圧PSLB2を係合圧PB2として出力する出力ポートSLB2bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLB2は、非通電時に入力ポートSLB2aと出力ポートSLB2bとを遮断して非出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLB2aと出力ポートSLB2bとの連通する量(開口量)を該指令値に応じて大きくし、つまり指令値に応じた係合圧PB2を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLB2の出力ポートSLB2bは、油路f1を介してブレーキB−2の油圧サーボ35に接続されている。
リニアソレノイドバルブSLUは、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、図示を省略した油路を介して上記ライン圧Pを入力する入力ポート(不図示)と、該ライン圧Pを調圧して上記ロックアップクラッチ7に制御圧(係合圧)PSLUを出力すると共に、元圧カットバルブ21の油室21aに制御圧PSLUを出力する出力ポートSLUaとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLUは、非通電時に入力ポートと出力ポートSLUaとを遮断して非出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートと出力ポートSLUaとの連通する量(開口量)を該指令値に応じて大きくし、つまり指令値に応じた制御圧PSLUを出力し、ロックアップクラッチ7のスリップ制御などを行うように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLUの出力ポートSLUaは、油路k1を介して元圧カットバルブ21の油室21aに接続されている。なお、本実施の形態に係るリニアソレノイドバルブSLUは、元圧として入力ポート(不図示)にライン圧Pが入力されるように説明したが、例えばセカンダリ圧PSECが元圧として入力されるように構成しても構わない。
ソレノイドバルブS1は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、図示を省略した油路を介して上記モジュレータ圧PMODを入力する入力ポート(不図示)と、非通電時(即ちOFF時)に該モジュレータ圧PMODを略々そのまま信号圧PS1として出力する出力ポートS1aとを有している。該出力ポートS1aは、油路h1を介してリレーバルブ23の油室23aに接続されている。
ソレノイドバルブS2は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、図示を省略した油路を介して上記モジュレータ圧PMODを入力する入力ポート(不図示)と、非通電時(即ちOFF時)に該モジュレータ圧PMODを略々そのまま信号圧PS2として出力する出力ポートS2aとを有している。該出力ポートS2aは、油路j1を介して元圧カットバルブ21の油室21eに接続されている。なお、ソレノイドバルブS2の出力ポートS2aは、図示を省略したリンプホーム機能を達成するための切換えバルブの制御油室にも接続されており、オールオフフェール時(故障時)には、信号圧PS2を出力し、該切換えバルブを切換えるように構成されている。
また、各シフトレンジ及び変速段における、ソレノイドバルブS1及びソレノイドバルブS2の動作を図5に示している。なお、図5中の「○」は通電時、「×」は非通電時を表しており、つまり該ソレノイドバルブS1及びソレノイドバルブS2はいずれもノーマルオープンタイプからなるので「○」の際は非出力、「×」の際は出力となっている。
元圧カットバルブ(切換えバルブ)21は、バルブボディに形成された中空穴に穴の穿設方向に対して移動自在となるように挿入されたスプール21pと、該スプール21pを図中上方に付勢するスプリング21sとを有しており、該スプール21pの図中上方に油室(第1の制御油室)21aと、スプール21pの図中下方に油室(第2の制御油室)21eと、スプール21pのランド部21q,21rに径の差違(受圧面積の差違)を備えると共に、該ランド部21q,21rの間に形成された油室21fとを有している。また、元圧カットバルブ21は、入力ポート21bと、入力ポート21cと、出力ポート21dとを有して構成されている。
該元圧カットバルブ21は、スプール21pが左半位置にされた際に、入力ポート21cと出力ポート21dとが連通されると共に、入力ポート21bと出力ポート21dとが遮断され、右半位置にされた際には、入力ポート21bと出力ポート21dとが連通されると共に、入力ポート21cが遮断されるように構成されている。
上述のように油室21aは、油路k1を介して上記リニアソレノイドバルブSLUの出力ポートSLUaに接続されている。上記油室21fは、入力ポート21bより油路a1,a2を介して上記マニュアルシフトバルブ20の前進レンジ圧出力ポート20cに接続され、上記入力ポート21cには、油路i1を介して後述するリレーバルブ23の出力ポート23bが接続されており、スプール21pが左半位置の際に該入力ポート21cに連通する出力ポート21dは、油路g1,g2を介してリニアソレノイドバルブSLC2の入力ポートSLC2aに、また油路g1,g3,g5を介してチェックバルブ22の入力ポート22bに、さらに油路g1,g3,g4を介してリニアソレノイドバルブSLB1の入力ポートSLB1aにそれぞれ接続されている。また、スプール21pが右半位置の際に出力ポート21dに連通する入力ポート21bは、油路a1,a2を介してマニュアルシフトバルブ20の前進レンジ圧出力ポート20cに接続されている。そして、上記油室21eには、油路j1を介してソレノイドバルブS2の出力ポートS2aが接続されている。
リレーバルブ23は、中空穴に移動自在に挿入されたスプール23pと、該スプール23pを図中上方に付勢するスプリング23sとを有していると共に、該スプール23pの図中上方に油室23aを有しており、出力ポート23bと、入力ポート23cと、ドレーンポートEXとを有して構成されている。
該リレーバルブ23は、スプール23pが左半位置にされた際に、入力ポート23cと出力ポート23bとが連通され、右半位置にされた際には、入力ポート23cが遮断されると共に、出力ポート23bとドレーンポートEXとが連通されるように構成されている。
上記油室23aは、油路h1を介して上記ソレノイドバルブS1の出力ポートS1aに接続されている。上記入力ポート23cは、油路a1,a3を介して前進レンジ圧Pが出力されるマニュアルシフトバルブ20の前進レンジ圧出力ポート20cに接続されており、また、上記出力ポート23bは、油路i1を介して上記元圧カットバルブ21の入力ポート21cに接続されている。
なお、リレーバルブ23は、上述のようにノーマルオープンタイプのソレノイドバルブS1によって切換えられる構成であるので、例えば上記リニアソレノイドバルブSLB2からの制御圧PSLB2が出力される油路f1に配置し、該ソレノイドバルブS1から信号圧PS1が出力される左半位置の際に、後進レンジ圧PREVが出力されるマニュアルシフトバルブ20の後進レンジ圧出力ポート20dとブレーキB−2の油圧サーボ35とがショートカットして連通されるように構成することで、フェール時(故障などによる非通電時)の後進レンジを保障し、リンプホーム機能を達成するB−2リレーバルブとして兼用することができる。
チェックバルブ22は、チェックボール22dと、入力ポート22aと、入力ポート22bと、出力ポート22cとを有しており、該チェックボール22dの作用により、油路l1を介して入力ポート22aから入力されるマニュアルシフトバルブ20の後進レンジ圧出力ポート20dからの後進レンジ圧PREVと、油路g1,g3,g5を介して入力ポート22bから入力される元圧カットバルブ21の出力ポート21dからの前進レンジ圧Pとのどちらか入力された方の油圧を出力ポート22cから油路m1に出力する。
次に、本実施の形態に係る油圧制御装置1の作用について説明する。
例えば運転手によりイグニッションがONされると、本油圧制御装置1の油圧制御が開始される。まず、シフトレバーの選択位置が、例えばパーキング(P)レンジ又はニュートラル(N)レンジである際は、不図示の制御部の電気指令によってノーマルオープンタイプであるリニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、及びソレノイドバルブS1に通電され、それぞれの入力ポートと出力ポートとを遮断する。ついで、例えばエンジンが始動されると、エンジン回転に基づくオイルポンプ(不図示)の回転により油圧が発生し、該油圧は、上述のようにプライマリレギュレータバルブやソレノイドモジュレータバルブによって、ライン圧Pやモジュレータ圧PMODにそれぞれ調圧出力され、マニュアルシフトバルブ20の入力ポート20bと、油路a5を介してリニアソレノイドバルブSLB2の入力ポートSLB2aとにライン圧Pが入力されると共に、ソレノイドバルブS1,S2の入力ポート(不図示)にモジュレータ圧PMODが入力される。
[N−D時(前進1速段)における動作]
続いて、例えば運転手がシフトレバーをニュートラルレンジ位置から前進(D)レンジ位置にすると、マニュアルシフトバルブ20の前進レンジ圧出力ポート20cから油路a1,a2,a3,a4に前進レンジ圧Pが出力され、該前進レンジ圧Pは、油路a1,a2を介して元圧カットバルブ21に、油路a1,a3を介してリレーバルブ23に、油路a1,a4を介してリニアソレノイドバルブSLC1にそれぞれ入力される。
油路a1,a2より前進レンジ圧Pが入力ポート21bに入力される元圧カットバルブ21は、ソレノイドバルブS2がOFFされて信号圧PS2が出力されるため、前進レンジに切換えた当初(N−Dシフトの当初)は、スプリング21sの付勢力と共にスプール21pを付勢し、左半位置にされており、入力ポート21bが遮断された状態となる。また、油路a1,a3より前進レンジ圧Pが入力ポート23cに入力されるリレーバルブ23は、ソレノイドバルブS1がONされて信号圧PS1が出力されていないため、スプリング23sの付勢力により右半位置にされており、入力ポート23cが遮断された状態となる。これにより、元圧カットバルブ21は、油路g1に前進レンジ圧Pを出力せず、リニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への元圧が遮断された状態となる。
ついで、例えば制御部により前進1速段が判断されると、該制御部の電気制御によりリニアソレノイドバルブSLC1がONされ、入力ポートSLC1aに入力されている前進レンジ圧Pを調圧制御して、制御圧PSLC1を係合圧PC1として徐々に大きくなるように出力ポートSLC1bから出力し、該制御圧PSLC1(係合圧PC1)が油路b1を介して油圧サーボ31に係合圧PC1として出力され、上記クラッチC−1が係合される。これにより、上記ワンウェイクラッチF−1の係止と相俟って、前進1速段が達成される。
ついで、例えば車輌の走行状況に基づき制御部によりロックアップクラッチ7のONが判断されると、該制御部はロックアップクラッチ7のロックアップ制御を開始し、リニアソレノイドバルブSLUがONされ、入力ポート(不図示)に入力されているライン圧Pを調圧制御して、制御圧PSLUを徐々に大きくなるように出力ポートSLUaから出力し、該制御圧PSLUが油路(不図示)を介してロックアップクラッチ7の作動油室(不図示)に入力される。
このとき、リニアソレノイドバルブSLUから出力された制御圧PSLUは、油路k1を介して元圧カットバルブ21の油室21aに入力されており、また、制御部により前進1速段が判断された際に、図5に示すように、ソレノイドバルブS2がONされて信号圧PS2の出力を停止する。このため、リニアソレノイドバルブSLUから出力された制御圧PSLUが徐々に大きくなるように出力され、油室21aにおけるスプール21pへの付勢力が、スプリング21sの付勢力よりも上回った際には、元圧カットバルブ21が右半位置に切換えられる。
すると、元圧カットバルブ21は、入力ポート21bと出力ポート21dとが油室21fを介して連通し、前進レンジ圧Pが、油路g1,g2を介してリニアソレノイドバルブSLC2の入力ポートSLC2aに、また油路g1,g3,g5、チェックバルブ22、油路m1を介してリニアソレノイドバルブSLC3の入力ポートSLC3aに、さらに油路g1,g3,g4を介してリニアソレノイドバルブSLB1の入力ポートSLB1aにそれぞれに入力される。また、元圧カットバルブ21の油室21fに入力された前進レンジ圧Pは、スプール21pに対して、該スプール21pのランド部21q,21rの受圧面積の差違により、図中下方側(受圧面積の大きなランド部21r側)に付勢力を作用させる。つまり元圧カットバルブ21は、前進レンジ圧Pによって右半位置に自己保持される。
ついで、例えば制御部により前進1速段のエンジンブレーキが判断されると、該制御部からの電気指令により、リニアソレノイドバルブSLB2が調圧制御される。該リニアソレノイドバルブSLB2が調圧制御され、制御圧PSLB2を係合圧PB2として出力ポートSLB2bから出力すると、該制御圧PSLB2は、油路f1を介して油圧サーボ35に入力され、上記ブレーキB−2が係止される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進1速段のエンジンブレーキが達成される。
また、例えば制御部により前進1速段の正駆動が判断され、つまりエンジンブレーキ状態の解除が判断されると、係合圧PB2としての制御圧PSLB2が0にされてドレーンされ、ブレーキB−2が解放される。
[前進2速段における動作]
ついで、例えば上記前進1速段の状態から制御部により前進2速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、上記前進1速段の際と同様に(エンジンブレーキ時は除く)、ソレノイドバルブS1がOFFされ、かつソレノイドバルブS2がONされた状態(図5参照)で、上記リニアソレノイドバルブSLC1の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLB1の調圧制御が行われる。
即ち、リニアソレノイドバルブSLB1が調圧制御されると、制御圧PSLB1が係合圧PB1として出力ポートSLB1bから出力されて、油路e1を介して油圧サーボ34に入力され、ブレーキB−1が係止される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進2速段が達成される。
また、ソレノイドバルブS1がOFFされて信号圧PS1が出力され、該信号圧PS1が油路h1を介してリレーバルブ23の油室23aに入力されると、スプール23pは、スプリング23sの付勢力に反して図中下方側へ移動される。すると、該リレーバルブ23は、左半位置に切換わり、油路a1,a3を介して入力ポート23cに入力された前進レンジ圧Pが、出力ポート23bより出力し、油路i1を介して元圧カットバルブ21の入力ポート21cに入力される。しかし、元圧カットバルブ21は、このとき右半位置にされ、入力ポート21cは、遮断されており、特に影響はない。
[前進3速段における動作]
続いて、例えば上記前進2速段の状態から制御部により前進3速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がOFFされ、かつソレノイドバルブS2がONされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC1の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLB1がOFFされる形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLB1の調圧制御によりブレーキB−1の解放制御が行われ、つまりブレーキB−1の油圧サーボ34の係合圧PB1(制御圧PSLB1)が油路e1を介してリニアソレノイドバルブSLB1のドレーンポートより排出制御され、該ブレーキB−1が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLC3は、ON(通電)されて制御圧PSLC3が0圧となるように閉じられていた状態から調圧制御が行われ、制御圧PSLC3が係合圧PC3として出力ポートSLC3bから出力されて、油路d1を介して油圧サーボ33に入力され、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進3速段が達成される。
[前進4速段における動作]
次に、例えば上記前進3速段の状態から制御部により前進4速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がOFFされ、かつソレノイドバルブS2がONされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC1の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLC3がON(通電)される形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLC2の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御によりクラッチC−3の解放制御が行われ、つまりクラッチC−3の油圧サーボ33の係合圧PC3(制御圧PSLC3)が油路d1を介してリニアソレノイドバルブSLC3のドレーンポートより排出制御され、該クラッチC−3が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLC2は、ON(通電)されて制御圧PSLC2が0圧となるように閉じられていた状態から調圧制御が行われ、制御圧PSLC2が係合圧PC2として出力ポートSLC2bから出力されて、油路c1を介して油圧サーボ32に入力され、クラッチC−2が係合される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進4速段が達成される。
[前進5速段における動作]
次に、例えば上記前進4速段の状態から制御部により前進5速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がOFFされ、かつソレノイドバルブS2がONされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC2の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLC1がOFFされる形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLC1の調圧制御によりクラッチC−1の解放制御が行われ、つまりクラッチC−1の油圧サーボ31の係合圧PC1(制御圧PSLC1)が油路b1を介してリニアソレノイドバルブSLC1のドレーンポートより排出制御され、該クラッチC−1が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLC3は、上記前進3速段の際と同様に、ON(通電)されて制御圧PSLC3が0圧となるように閉じられていた状態から調圧制御が行われ、制御圧PSLC3が係合圧PC3として出力ポートSLC3bから出力されて、油路d1を介して油圧サーボ33に入力され、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−2の係合と相俟って、前進5速段が達成される。
[前進6速段における動作]
そして、例えば上記前進5速段の状態から制御部により前進6速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がOFFされ、かつソレノイドバルブS2がONされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC2の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLC3がON(通電)される形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLB1の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御によりクラッチC−3の解放制御が行われ、つまりクラッチC−3の油圧サーボ33の係合圧PC3(制御圧PSLC3)が油路d1を介してリニアソレノイドバルブSLC3のドレーンポートより排出制御され、該クラッチC−3が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLB1は、上記前進2速段の際と同様に、OFFされて制御圧PSLB1が0圧となるように閉じられていた状態からON(通電)されて調圧制御が行われ、制御圧PSLB1が係合圧PB1として出力ポートSLB1bから出力されて、油路e1を介して油圧サーボ34に入力され、ブレーキB−1が係合される。これにより、上記クラッチC−2の係合と相俟って、前進6速段が達成される。
[D−N時における動作]
その後、例えば運転手が車輌を減速していき、車速に応じてダウンシフトされて前進1速段の状態で停車した後、シフトレバーを前進レンジ位置からニュートラルレンジ位置にすると、上記マニュアルシフトバルブ20の前進レンジ圧出力ポート20cが入力ポート20bとの間が遮断されると共にドレーンポートEXに連通され、つまり前進レンジ圧Pがドレーンされる。
また同時に、シフトレバーセンサ(不図示)によりシフトレバーがニュートラルレンジ位置であることが検出され、制御部により該シフトレバー位置に基づきニュートラルレンジが判定されると、まず、リニアソレノイドバルブSLC2及びリニアソレノイドバルブSLC3がON(通電)されると共に、リニアソレノイドバルブSLC1、リニアソレノイドバルブSLB1、及びリニアソレノイドバルブSLB2がOFFされ、これらの制御圧PSLC1,PSLC2,PSLC3,PSLB1,PSLB2が0圧(非出力状態)にドレーンされて、つまり各油圧サーボ31,32,33,34,35の油圧がドレーンされて、クラッチC−1、クラッチC−2、クラッチC−3、ブレーキB−1、ブレーキB−2が解放される。
一方、ソレノイドバルブS1はONされて信号圧PS1が出力されていないため、上述のようにリレーバルブ23は右半位置に切換えられる。また、ソレノイドバルブS2はOFFされて信号圧PS2が出力されるため、上述のように、元圧カットバルブ21は、スプリング21sの付勢力と共にスプール21pを付勢し、左半位置に切換えられ、入力ポート21bが遮断された状態となる。これにより、元圧カットバルブ21は、油路g1に前進レンジ圧Pを出力せず、リニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への元圧が遮断された状態となる。
[後進1速段における動作]
また、例えば運転手のシフトレバーの操作によってシフトレバーが後進(R)レンジ位置にされると、上述のようにマニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポートから後進レンジ圧PREVが出力され、該後進レンジ圧PREVは、油路l1、チェックバルブ22、油路m1を介してリニアソレノイドバルブSLC3の入力ポートSLC3aに入力される。
また同時に、シフトレバーセンサ(不図示)によりシフトレバーが後進レンジ位置であることが検出され、制御部により該シフトレバー位置として後進レンジが判定されると、ソレノイドバルブS1はONされた状態で維持され、かつソレノイドバルブS2もOFFされた状態に維持されて、つまり信号圧PS1は出力されず、信号圧PS2は出力されるので、上記元圧カットバルブ21はスプリング21sの付勢力と共にスプール21pを付勢し、左半位置に維持され、入力ポート21bが遮断された状態となる。これにより、元圧カットバルブ21は、油路g1に前進レンジ圧Pを出力せず、リニアソレノイドバルブSLC2,SLB1への元圧が遮断された状態となるが、リニアソレノイドバルブSLC3への元圧は、供給される状態となる。
さらに、制御部によりリニアソレノイドバルブSLB2が調圧制御され、制御圧PSLB2を係合圧PB2として出力ポートSLB2bから出力すると、該制御圧PSLB2は、油路f1を介して油圧サーボ35に入力され、上記ブレーキB−2が係止される。
また、制御部によりリニアソレノイドバルブSLC3が徐々に制御圧PSLC3を出力するように調圧制御され、係合圧PC3として出力ポートSLC3bから出力されて、油路d1を介して油圧サーボ33に入力され、つまりクラッチC−3が緩やかに係合される。これにより、上記ブレーキB−2の係止と相俟って、後進1速段が達成される。
なお、後進レンジよりニュートラルレンジに切換えられた際は、上記ニュートラルレンジの状態と同様にされ、つまりブレーキB−2の油圧サーボ35の係合圧PB2は油路f1を介してドレーンされ、クラッチC−3の油圧サーボ33の係合圧PC3は、リニアソレノイドバルブSLC3よりドレーンされる。
[ソレノイド・オールオフフェール時における動作]
続いて、本油圧制御装置1におけるソレノイド・オールオフフェール時における動作を説明する。シフトレバー位置が前進レンジにされた状態における通常走行時に、例えばバッテリーのショートや断線等に起因して、全てのソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブSLC1、リニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、リニアソレノイドバルブSLB1、リニアソレノイドバルブSLB2、リニアソレノイドバルブSLU、ソレノイドバルブS1、ソレノイドバルブS2)がOFFフェール(以下、「オールオフフェール」という。)した場合、リニアソレノイドバルブSLC1、リニアソレノイドバルブSLB1、リニアソレノイドバルブSLB2、及びリニアソレノイドバルブSLUは、ノーマルクローズタイプであるため油圧の出力をせず、リニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、ソレノイドバルブS1、及びソレノイドバルブS2は、ノーマルオープンタイプであるため、それぞれの油圧を出力する。
正常時の走行時において、詳しくは、制御部によりロックアップクラッチ7のONが判断され、リニアソレノイドバルブSLUから制御圧PSLUが出力されて元圧カットバルブ21から元圧が供給された後において、上述のようにソレノイドバルブS2からの信号圧PS2は停止し、リニアソレノイドバルブSLUから出力された制御圧PSLUは、油路k1を介して元圧カットバルブ21の油室21aに入力され、元圧カットバルブ21は右半位置とされている。
この状態からオールオフフェールとなると、元圧カットバルブ21は、リニアソレノイドバルブSLUからの制御圧PSLUが停止し、ソレノイドバルブS2から出力された信号圧PS2が油路j1を介して油室21eに入力されることにより左半位置に切換えられる。また、ソレノイドバルブS1がOFFとなって信号圧PS1が油路h1を介してリレーバルブ23の油室23aに入力されることにより左半位置に維持されることで、油路a1,a3を介して入力ポート23cに入力された前進レンジ圧Pは、出力ポート23bより出力され、油路i1を介して元圧カットバルブ21の入力ポート21cに入力される。このため、元圧カットバルブ21が左半位置とされ、入力ポート21cに前進レンジ圧Pが入力されることから、該元圧カットバルブ21は、出力ポート21dから前進レンジ圧Pを出力する。これにより、上述のようにリニアソレノイドバルブSLC2,SLC3の元圧として前進レンジ圧Pが供給される。そして、ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC2は、入力ポートSLC2aに入力された前進レンジ圧Pが略々そのまま係合圧PC2として、出力ポートSLC2bより出力され、油路c1を介して油圧サーボ32に入力されて、クラッチC−2が係合される。また、ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC3は、入力ポートSLC3aに入力された前進レンジ圧Pが略々そのまま係合圧PC3として、出力ポートSLC3bより出力され、油路d1を介して油圧サーボ33に入力されて、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−2と上記クラッチC−3とが係合されて前進5速段が達成され(図2参照)、つまり走行時にオールオフフェールとなった際は、所定変速段としての前進5速段による走行状態が確保される。
また、ソレノイド・オールオフフェールではないが、ソレノイドバルブS2がオフフェールし、信号圧PS2を出力したままの状態となった場合には、上記元圧カットバルブ21が左半位置となって切換えることができなくなる。しかし、図5に示すように、ソレノイドバルブS1は、前進2速段から前進6速段までの間、信号圧PS1が出力されるので、上述のように、リレーバルブ23が左半位置に切換えられ、前進レンジ圧Pが元圧カットバルブ21の入力ポート21cに入力される。これにより、制御部により前進2速段から前進6速段が判断された際にソレノイドバルブS2がオフフェールしてしまったような場合にも、リニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、及びリニアソレノイドバルブSLB1への前進レンジ圧Pの供給を確保することが可能となる。なお、上記ソレノイドバルブS2がオフフェールした場合の説明をしたが、元圧カットバルブ21が左半位置の状態でバルブスティックを起こしてしまった場合にも、上述と同様な動作により、リニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、及びリニアソレノイドバルブSLB1への前進レンジ圧Pの供給を確保することが可能となる。
以上のように本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1は、リニアソレノイドバルブSLUから出力された制御圧PSLUが油室21aに入力されることで、少なくとも前進1速段にあっては不使用となるリニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への前進レンジ圧Pを供給する状態に切換えると共に、スプール21pを自己保持してなり、ソレノイドバルブS2から出力された信号圧PS2が油室21eに入力されることで少なくとも前進1速段にあっては不使用となるリニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への前進レンジ圧Pを遮断する状態に切換える元圧カットバルブ21を備えたので、少なくとも前進1速段にあっては不使用となるリニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への前進レンジ圧Pの供給と遮断を切換える際に、必要なタイミングに出力され、かつ他の用途であるソレノイドバルブから出力される油圧を用いて切換えることができ、例えば元圧カットバルブ21を制御するための専用のソレノイドバルブを配置する場合に比して、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができて、バルブボディをコンパクト化することにより自動変速機の油圧制御装置1をコンパクト化することができる。
また、元圧カットバルブ21を遮断する状態に切換える際に、前進レンジから前進レンジ以外のシフトレンジとされるタイミングで出力されるソレノイドバルブS2によって切換えられるので、元圧カットバルブ21を制御するための専用のソレノイドバルブを不要とすることができ、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができる。
また、元圧カットバルブ21を供給する状態に切換える際に、ロックアップクラッチ7をロックアップするタイミングでロックアップ係合圧(制御圧)PSLUを出力するリニアソレノイドバルブSLUによって切換えられるので、元圧カットバルブ21を制御するための専用のソレノイドバルブを不要とすることができ、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができる。
次に、以上説明した自動変速機の油圧制御装置1の実施の形態を一部変更した別の実施の形態について説明する。なお、この別の実施の形態においては、一部変更部分を除き、上述した実施の形態と同様な部分に同符号を付して、その説明を省略する。
この別の実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置1は、上記実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置1に比して、元圧カットバルブ21が、リニアソレノイドバルブSLC2,SLC3,SLB1への元圧(前進レンジ圧P)を非出力から出力に切換える、つまり元圧カットバルブ21を左半位置から右半位置へ切換える契機となるリニアソレノイドバルブSLUをリニアソレノイドバルブSLC1に変更したものである。
詳細には、油圧制御装置1において、リニアソレノイドバルブSLUの出力ポートSLUaと元圧カットバルブ21の油室21aとを接続している油路k1を配置する代わりに、リニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートSLC1aと油圧サーボ31とを接続している油路b1を分岐し、元圧カットバルブ21の油室21aに接続して配置するものである。
以上のように構成された油圧制御装置1における作用を説明する。シフトレンジがニュートラルレンジ位置から前進レンジ位置にされた場合において、例えば制御部により前進1速段が判断されると、該制御部の電気制御によりリニアソレノイドバルブSLC1がONされ、入力ポートSLC1aに入力されている前進レンジ圧Pを調圧制御して、制御圧PSLC1を係合圧PC1として徐々に大きくなるように出力ポートSLC1bから出力し、該制御圧PSLC1(係合圧PC1)が油路b1を介して油圧サーボ31に係合圧PC1として出力され、上記クラッチC−1が係合される。これにより、上記ワンウェイクラッチF−1の係止と相俟って、前進1速段が達成される。同時に、油路b1を介して制御圧PSLC1が元圧カットバルブ21の油室21aにも出力され、該油室21aにおけるスプール21pへの付勢力が、スプリング21sの付勢力よりも上回った際には、元圧カットバルブ21が右半位置に切換えられる。
なお、リニアソレノイドバルブSLC1は、前進4速段から前進5速段に変速される際に、クラッチC−1の解放制御により制御圧PSLC1がドレーンポートより排出制御されるが、元圧カットバルブ21は、油室21fに入力される前進レンジ圧Pにより、右半位置に自己保持されているので、前進レンジ圧Pの非出力状態に切換わってしまうことはない。
以上のように別の実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置1は、元圧カットバルブ21を供給する状態に切換える際に、前進1速段で係合するクラッチC−1の油圧サーボ31に係合圧PC1を供給するタイミングで出力されるリニアソレノイドバルブSLC1によって切換えられるので、元圧カットバルブ21を制御するための専用のソレノイドバルブを不要とすることができ、ソレノイドバルブの配置する本数を減らすことができる。
上述した部分以外の構成、作用、及び効果は、上記実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
なお、以上説明した実施の形態においては、本自動変速機の油圧制御装置1を前進6速段、及び後進1速段を可能とする自動変速機3に適用する場合を一例として説明したが、勿論これに限るものではなく、例えば前進8速段を達成する自動変速機に適用してもよく、つまり変速段の段数はどのようなものであってもよい。
本発明に係る自動変速機を示すスケルトン図。 本自動変速機構の係合表。 本自動変速機構の速度線図。 本自動変速機の油圧制御装置を示す回路図。 本自動変速機の油圧制御装置のソレノイドバルブの作動表。
符号の説明
1 油圧制御装置
3 自動変速機
5 自動変速ギヤ機構(自動変速機構)
7 ロックアップクラッチ
21 切換えバルブ(元圧カットバルブ)
21a 第1の制御油室(油室)
21b 入力ポート
21d 出力ポート
21e 第2の制御油室(油室)
21f 油室
21p スプール
21q ランド部(小径)
21r ランド部(大径)
31 油圧サーボ
C−1,C−2,C−3,B−1,B−2 摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)
D 前進レンジ
P,R,N 前進レンジ以外のシフトレンジ
元圧(前進レンジ圧)
SLU 油圧(制御圧、係合圧)
C1 油圧(係合圧)
S2 油圧(信号圧)
SLU,SLC1,SLC2,SLC3,SLB1,SLB2 リニアソレノイドバルブ
S2 ソレノイドバルブ

Claims (4)

  1. 多数の摩擦係合要素により動力伝達経路を切換える自動変速ギヤ機構を備え、前記多数の摩擦係合要素をそれぞれ多数のリニアソレノイドバルブにより制御してなる、自動変速機において、
    シフトレバーの操作に基づく前進レンジ以外のシフトレンジの際に供給となるソレノイドバルブと、
    前記リニアソレノイドバルブの内の少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブの油圧供給側に配置される切換えバルブと、を備え、
    該切換えバルブは、面積差を有するランド部を備えたスプールと、前記スプールに対向して作用する第1の制御油室及び第2の制御油室と、前記ランド部の間に形成され、前記スプールに対して前記第1の制御油室と同じ方向に作用する油室と、該油室に連通する入力ポート及び出力ポートと、を有し、
    前記第1の制御油室に、前記リニアソレノイドバルブの内の少なくとも前進1速段にあって出力する所定のリニアソレノイドバルブを連通し、前記第2の制御油室に、前記ソレノイドバルブを連通し、前記入力ポートに、前記リニアソレノイドバルブの元圧を供給し、前記出力ポートに、前記少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブを連通し、
    前記前進レンジ以外のシフトレンジから前記前進レンジとされた際に、前記所定のリニアソレノイドバルブから出力された油圧が前記第1の制御油室に入力されることで前記スプールに作用し、前記入力ポートと前記出力ポートが前記油室を介して連通し、前記少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブへの元圧を供給する状態に切換えると共に、前記元圧が前記油室に入力されることにより前記スプールに作用して自己保持してなり、
    前記前進レンジから前記前進レンジ以外のシフトレンジとされた際に、前記ソレノイドバルブから出力された油圧が第2の制御油室に入力されることで前記スプールに作用し、前記入力ポートを遮断することで前記少なくとも前進1速段にあって不使用となるリニアソレノイドバルブへの前記元圧を遮断する状態に切換えてなる、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記ソレノイドバルブは、非通電時に油圧を出力するノーマルオープンタイプで構成され、前記前進レンジの際の故障時において、所定変速段を維持するフェール用ソレノイドバルブである、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記所定のリニアソレノイドバルブは、ロックアップクラッチを係合するためのロックアップ係合圧を出力するリニアソレノイドバルブである、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記所定のリニアソレノイドバルブは、前記多数のリニアソレノイドバルブのうち、前進1速段の際に係合する前記摩擦係合要素の油圧サーボに係合圧を供給するリニアソレノイドバルブである、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012225420A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Mazda Motor Corp 自動変速機の制御装置

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