JP2009133436A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Tetsuya Shimizu
哲也 清水
Kenichi Tsuchida
建一 土田
Masaji Yamaguchi
雅路 山口
Satoshi Nishio
聡 西尾
Akitomo Suzuki
明智 鈴木
Kazunori Ishikawa
和典 石川
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Abstract

【課題】前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際における摩擦係合要素の急解放によるショック発生を防止するアキュムレータを小型化することが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】油圧制御装置1には、DレンジからNレンジに切換えられた際に、リニアソレノイドバルブSLC1に所定時間の元圧供給を行い、クラッチC−1の解放制御を可能にして該クラッチC−1の急解放を防止するオリフィス60及びアキュムレータ30が備えられている。これらオリフィス60及びアキュムレータ30を、油路a1において、油路a2に分岐する分岐部よりもリニアソレノイドバルブSLC1側に配設する。アキュムレータ30による蓄圧は、第1クラッチアプライリレーバルブ21に作用せず、リニアソレノイドバルブSLC1によりクラッチC−1の解放制御を行うだけの容量で足りる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌等に搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、前進レンジから他のシフトレンジに切換えられて摩擦係合要素の油圧サーボの元圧を排出する際に、アキュムレータによって所定時間の元圧供給を行う自動変速機の油圧制御装置に関する。
近年、例えば車輌に搭載される自動変速機の油圧制御装置においては、リニアソレノイドバルブの性能の向上に伴って、マニュアルシフトバルブから出力されるレンジ圧を元圧としてリニアソレノイドバルブに入力し、このリニアソレノイドバルブから調圧出力された係合圧を、摩擦係合要素を係脱する油圧サーボに直接的に入力するように構成し、これにより、例えば係合圧を調圧するためのコントロールバルブを不要としてコンパクト化を可能にしたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−177934号公報
ところで、上記特許文献1のような油圧制御装置は、シフトポジションが前進レンジから例えばニュートラルレンジにされた際に、マニュアルシフトバルブのドレーンポートから前進レンジ圧が急速にドレーンされることで、それまで係合していたクラッチやブレーキが急解放され、駆動車輪から急速に駆動力が抜けてしまうという、いわゆる解放ショックが生じてしまう虞がある。このような現象を防止するには、リニアソレノイドバルブにより緩やかに係合圧をスイープダウンしつつ摩擦係合要素を解放する必要があり、そのためには、リニアソレノイドバルブの元圧(即ち前進レンジ圧)を、該スイープダウンを行う間、ある程度の圧力に保っておく必要がある。そこで、マニュアルシフトバルブの前進レンジ圧用のポートをオリフィスによって隔てておくと共に、アキュムレータによって前進レンジ圧を蓄圧しておき、ニュートラルに切換えられた際には、該オリフィスによって急速な前進レンジ圧のドレーンを防止すると共に、アキュムレータの油圧放出によってリニアソレノイドバルブの元圧の確保を行うことが考えられる。
しかし、上記前進レンジ圧は、リニアソレノイドバルブの元圧としてだけに用いられるものではなく、例えばリンプホーム用バルブ等の他のバルブにも用いられるため、つまり上記マニュアルシフトバルブの前進レンジ圧用のポートには、上述のリニアソレノイドバルブだけでなく、他のバルブなども接続されている。一般にバルブは、ポート等が形成された中空穴にスプールが移動自在に収納されるため、それら中空穴とスプールとの間を完全にシールすることはできず、つまりバルブに対して油圧がかかると隙間から油が漏れることになる。そのため、上記アキュムレータは、上述のように蓄圧した油圧を放出する際における他のバルブの漏れ量も考慮して蓄圧容量を設計する必要があり、アキュムレータの小型化の妨げとなって、つまり油圧制御装置のコンパクト化の妨げになってしまうという問題があった。
そこで本発明は、前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際における摩擦係合要素の急解放によるショック発生を防止するためのアキュムレータを小型化することを可能とし、以ってコンパクト化することが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図4参照)、前進レンジ(D)の際に前進レンジ圧(P)を出力し、他のシフトレンジ(例えばP,R,N)の際に該前進レンジ圧(P)を排出するレンジ圧生成手段と、
前記前進レンジ(D)の際に係合される摩擦係合要素(例えばC−1)と、
前記前進レンジ圧(P)を元圧として入力し、前記摩擦係合要素(例えばC−1)の油圧サーボ(例えば41)に該前進レンジ圧(P)を調圧して供給する調圧手段(例えばSLC1)と、
前記レンジ圧生成手段と前記調圧手段(例えばSLC1)とを連通する前進レンジ圧給排油路(例えばa1)に介在されたオリフィス(60)と、
前記オリフィス(60)よりも前記調圧手段(例えばSLC1)側にあって前記前進レンジ圧給排油路(例えばa1)に接続されたアキュムレータ(30)と、を備え、
前記アキュムレータ(30)により、前記前進レンジ(D)の際に前記前進レンジ圧(P)を蓄圧し、前記前進レンジ(D)から他のシフトレンジ(例えばP,R,N)に切換えられ、前記レンジ圧生成手段から前記前進レンジ圧(P)が排出された際、前記調圧手段(例えばSLC1)に所定時間の元圧供給を行う自動変速機(3)の油圧制御装置(1)において、
前記前進レンジ圧給排油路(例えばa1)に設けられ、前記前進レンジ圧(P)を所定のバルブ(例えば21)に導入する分岐部を備え、
前記オリフィス(60)及び前記アキュムレータ(30)を、前記前進レンジ圧給排油路(例えばa1)における前記分岐部と前記調圧手段(例えばSLC1)との間に配設した、
ことを特徴とする自動変速機(3)の油圧制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図1ないし図4参照)、前記摩擦係合要素は、少なくとも最低速段(前進1速段、1ST)にて係合されるクラッチ(C−1)である、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機(3)の油圧制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図4参照)、前記所定のバルブは、故障時に前記摩擦係合要素(C−1)の油圧サーボ(41)に前記調圧手段(SLC1)を迂回して前記前進レンジ圧(P)を供給可能にするリンプホーム用バルブ(21)である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機(3)の油圧制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、オリフィス及びアキュムレータを、前進レンジ圧給排油路における分岐部と調圧手段との間に配設したので、アキュムレータに蓄圧する油の容量は調圧手段が解放制御を行うことができるだけの容量で足り、アキュムレータの容量を小さくすることができ、つまりアキュムレータを小型化することができる。これにより、摩擦係合要素の急解放によるショック発生を防止することができるものでありながら、自動変速機の油圧制御装置をコンパクト化することができる。
請求項2に係る本発明によると、摩擦係合要素は、少なくとも最低速段にて係合されるクラッチであるので、特に車輌停車中における前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際の、摩擦係合要素の急解放によるショック発生を防止することができるものでありながら、アキュムレータが、1つのクラッチを制御する1つの調圧手段に解放制御を行うことができる油圧だけを確保する容量で足り、さらにアキュムレータの容量を小さくすることができ、つまりアキュムレータをさらに小型化することができる。これにより、自動変速機の油圧制御装置をさらにコンパクト化することができる。
請求項3に係る本発明によると、所定のバルブは、リンプホーム用バルブであるので、故障時において前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際に前進レンジ圧の所定時間の確保を行う必要がなく、つまりアキュムレータは、正常時において前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際における摩擦係合要素の急解放によるショック発生を防止するだけの容量で足り、これによって、アキュムレータの小型化を可能とすることができる。
また、該リンプホーム用バルブは、故障時に摩擦係合要素の油圧サーボに調圧手段を迂回して前進レンジ圧を供給可能にするバルブであるが、故障時において前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際に、アキュムレータが所定時間の油圧供給を該リンプホーム用バルブに対して行うことがないので、故障時における前進レンジから他のシフトレンジに切換えられた際には、直ちに摩擦係合要素の油圧サーボから油圧を排出することができる。これにより、故障時にあって、他のシフトレンジであるにも拘らず所定時間の前進駆動力が生じてしまうことを防ぐことができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図4に沿って説明する。
[自動変速機の概略構成]
まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両に用いて好適な自動変速機3は、エンジン(不図示)に接続し得る自動変速機の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、不図示のミッションケースに一体的に固定されている不図示のボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
[自動変速機における各変速段の動作]
つづいて、上記構成に基づき、自動変速機構5の作用について図1、図2及び図3に沿って説明する。なお、図3に示す速度線図において、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸方向はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、縦軸は、図3中左方側から順に、サンギヤS1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、縦軸は、図3中右方側から順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリヤCR2、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジであって、最低変速段としての前進1速段(1ST)では、図2に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進3速段(3TH)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−3の係合によりキャリヤCR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進4速段(4TH)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−2に係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進3速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進6速段(6TH)では、図2に示すように、クラッチC−2が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進5速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
後進1速段(REV)では、図2に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−2が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、及びクラッチC−3、が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となり、かつ、入力軸10とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸10とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸10とカウンタギヤ11との動力伝達が切断状態となる。
[油圧制御装置の概略構成]
つづいて、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1について説明する。まず、油圧制御装置1における図示を省略した、ライン圧、セカンダリ圧、モジュレータ圧、レンジ圧等の生成部分について、大まかに説明する。なお、これらライン圧、セカンダリ圧、モジュレータ圧、レンジ圧の生成部分は、一般的な自動変速機の油圧制御装置と同様なものであり、周知のものであるので、簡単に説明する。
本油圧制御装置1は、例えば図示を省略したオイルポンプ、マニュアルシフトバルブ(レンジ圧生成手段)、プライマリレギュレータバルブ、セカンダリレギュレータバルブ、ソレノイドモジュレータバルブ及びリニアソレノイドバルブSLT等を備えており、例えばエンジンが始動されると、上記トルクコンバータ4のポンプインペラ4aに回転駆動連結されたオイルポンプがエンジンの回転に連動して駆動されることにより、不図示のオイルパンからストレーナを介してオイルを吸上げる形で油圧を発生させる。
上記オイルポンプにより発生された油圧は、スロットル開度に応じて調圧出力されるリニアソレノイドバルブSLTの信号圧PSLTに基づき、プライマリレギュレータバルブによって排出調整されつつライン圧Pに調圧される。このライン圧Pは、マニュアルシフトバルブ、ソレノイドモジュレータバルブ、及び詳しくは後述するリニアソレノイドバルブSLC3等に供給される。このうちのソレノイドモジュレータバルブに供給されたライン圧Pは、該バルブによって略々一定圧となるモジュレータ圧PMODに調圧され、このモジュレータ圧PMODは、上記リニアソレノイドバルブSLTや、詳しくは後述するソレノイドバルブS1,S2等の元圧として供給される。
なお、上記プライマリレギュレータバルブから排出された圧は、例えばセカンダリレギュレータバルブにより更に排出調整されつつセカンダリ圧PSECに調圧され、このセカンダリ圧PSECが、例えば潤滑油路やオイルクーラ等に供給されると共にトルクコンバータ4にも供給され、かつロックアップクラッチ7の制御にも用いられる。
一方、マニュアルシフトバルブ(不図示)は、運転席(不図示)に設けられたシフトレバーに機械的(或いは電気的)に駆動されるスプールを有しており、該スプールの位置がシフトレバーにより選択されたシフトレンジ(例えばP,R,N,D)に応じて切換えられることにより、上記入力されたライン圧Pの出力状態や非出力状態(ドレーン)を設定する。
詳細には、シフトレバーの操作に基づきDレンジにされると、該スプールの位置に基づき上記ライン圧Pが入力される入力ポートと前進レンジ圧出力ポートとが連通し、該前進レンジ圧出力ポートよりライン圧Pが前進レンジ圧(Dレンジ圧)Pとして出力される。シフトレバーの操作に基づきR(リバース)レンジにされると、該スプールの位置に基づき上記入力ポートと後進レンジ圧出力ポートとが連通し、該後進レンジ圧出力ポートよりライン圧Pが後進レンジ圧(Rレンジ圧)PREVとして出力される。また、シフトレバーの操作に基づきPレンジ及びNレンジにされた際は、上記入力ポートと前進レンジ圧出力ポート及び後進レンジ圧出力ポートとの間がスプールによって遮断されると共に、それら前進レンジ圧出力ポート及び後進レンジ圧出力ポートがドレーンポートに連通され、つまりDレンジ圧P及びRレンジ圧PREVがドレーン(排出)された非出力状態となる。
[油圧制御装置における変速制御部分の詳細な構成]
ついで、本発明に係る油圧制御装置1における主に変速制御を行う部分について図4に沿って説明する。なお、本実施の形態においては、スプール位置を説明するため、図4中に示す右半分の位置を「右半位置」、左半分の位置を「左半位置」という。
本油圧制御装置1は、上述のクラッチC−1の油圧サーボ41、クラッチC−2の油圧サーボ42、クラッチC−3の油圧サーボ43、ブレーキB−1の油圧サーボ44、ブレーキB−2の油圧サーボ45の、計5つの油圧サーボのそれぞれに係合圧として調圧した出力圧を直接的に供給するための4本のリニアソレノイドバルブSLC1,SLC2,SLC3,SLB1を備えており、また、リンプホーム機能を達成すると共に、リニアソレノイドバルブSLC2の出力圧をクラッチC−2の油圧サーボ42又はブレーキB−2の油圧サーボ45に切換える部分として、ソレノイドバルブS1、ソレノイドバルブS2、第1クラッチアプライリレーバルブ21、第2クラッチアプライリレーバルブ22、C−2リレーバルブ23、B−2リレーバルブ24等を備えて構成されている。
図4に示す油路(前進レンジ圧給排油路)a1、油路a4、油路a5には、上述したマニュアルシフトバルブの前進レンジ圧出力ポート(不図示)が接続されて前進レンジ圧Pが入力し得るように構成されており、また、油路lには、該マニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポート(不図示)が接続されて後進レンジ圧PREVを入力し得るように構成されている。また、油路dには、プライマリレギュレータバルブ(不図示)からのライン圧Pが入力されており、さらに油路g1には、モジュレータバルブ(不図示)からのモジュレータ圧PMODが入力されて構成されている。
このうちの油路a1は、油路a2を介して詳しくは後述する第1クラッチアプライリレーバルブ21のポート21eに接続されていると共に、チェックバルブ50とオリフィス60とが該油路a1上に介在するように配設されている。また、該油路a1は、油路a3を介してアキュムレータ30に接続されていると共に、上記リニアソレノイドバルブSLC1に接続されている。該アキュムレータ30は、ケース30cと、該ケース30cの内部に配設されたピストン30bと、該ピストン30bを付勢するスプリング30sと、該ケース30c及びピストン30bの間に形成された油室30aとを有して構成されている。
上記リニアソレノイドバルブ(調圧手段)SLC1は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路a1を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC1aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ41に制御圧PSLC1を係合圧PC1として出力する出力ポートSLC1bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC1は、非通電時に入力ポートSLC1aと出力ポートSLC1bとを遮断して非出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLC1aと出力ポートSLC1bとの連通する量(開口量)を該指令値に応じて大きくし、つまり指令値に応じた係合圧PC1を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートSLC1bは、油路b1を介して後述の第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22cに接続されている。
一方、リニアソレノイドバルブSLC2は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、油路a4などを介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC2aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ42に制御圧PSLC2を係合圧PC2(又は係合圧PB2)として出力する出力ポートSLC2bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC2は、非通電時に入力ポートSLC2aと出力ポートSLC2bとを連通した出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLC2aと出力ポートSLC2bとの連通する量を該指令値に応じて小さくし(即ち開口量を絞り)、つまり指令値に応じた係合圧PC2(又はPB2)を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC2の出力ポートSLC2bは、油路c1を介して後述の第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22fに接続されている。
リニアソレノイドバルブSLC3は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、油路dなどを介して上記ライン圧Pを入力する入力ポートSLC3aと、該ライン圧Pを調圧して油圧サーボ43に制御圧PSLC3を係合圧PC3として出力する出力ポートSLC3bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC3は、非通電時に入力ポートSLC3aと出力ポートSLC3bとを連通した出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLC3aと出力ポートSLC3bとの連通する量を該指令値に応じて小さくし(即ち開口量を絞り)、つまり指令値に応じた係合圧PC3を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC3の出力ポートSLC3bは、油路e1を介してクラッチC−3の油圧サーボ43に接続されている。また、該油路e1には、チェックバルブ53とオリフィス63とが配設されていると共に、油路e2を介してC−3ダンパ33の油室33aが接続されている。なお、該C−3ダンパ33は、上述したアキュムレータ30と同様の構成であって、一般的なダンパ装置であるので、その詳細説明は省略する。
リニアソレノイドバルブSLB1は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路a5などを介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLB1aと、該前進レンジ圧Pを調圧して油圧サーボ44に制御圧PSLB1を係合圧PB1として出力する出力ポートSLB1bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLB1は、非通電時に入力ポートSLB1aと出力ポートSLB1bとを遮断して非出力状態となり、不図示の制御部(ECU)からの指令値に基づく通電時には、入力ポートSLB1aと出力ポートSLB1bとの連通する量(開口量)を該指令値に応じて大きくし、つまり指令値に応じた係合圧PB1を出力し得るように構成されている。そして、該リニアソレノイドバルブSLB1の出力ポートSLB1bは、油路f1を介してブレーキB−1の油圧サーボ44に接続されている。また、該油路f1には、チェックバルブ54とオリフィス64とが配設されていると共に、油路f2を介してB−1ダンパ34の油室34aが接続されている。
ソレノイドバルブS1は、非通電時に出力状態となるノーマルオープンタイプからなり、油路g1,g2を介して上記モジュレータ圧PMODを入力する入力ポートS1aと、非通電時(即ちOFF時)に該モジュレータ圧PMODを略々そのまま信号圧PS1として出力する出力ポートS1bとを有している。該出力ポートS1bは、油路h1,h2を介して第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21aに接続されており、また、油路h1,h3を介して第2クラッチアプライリレーバルブ22の油室22aに接続されていると共に、油路h4を介してB−2リレーバルブ24の入力ポート24cに接続されている。
ソレノイドバルブS2は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路g1,g3を介して上記モジュレータ圧PMODを入力する入力ポートS2aと、通電時(即ちON時)に該モジュレータ圧PMODを略々そのまま信号圧PS2として出力する出力ポートS2bとを有している。該出力ポートS2bは、油路iを介してB−2リレーバルブの油室24aに接続されている。
第1クラッチアプライリレーバルブ(リンプホーム用バルブ)21は、バルブボディに形成された中空穴に穴の穿設方向に対して移動自在となるように挿入された2つのスプール21p,21qと、該スプール21pを図中上方に付勢するスプリング21sと、該スプール21p,21qを離間する方向に付勢するスプリング21tとを有していると共に、該スプール21qの図中上方に油室21aと、スプール21pの図中下方に油室21dと、両スプール21p,21qの間に油室21cと、スプール21qのランド部の径の差違(受圧面積の差違)により形成された油室21bとを有しており、さらに、入力ポート21eと、入力ポート21fと、入力ポート21gと、入力ポート21hと、出力ポート21iと、出力ポート21jと、ドレーンポートEXとを有して構成されている。
該第1クラッチアプライリレーバルブ21は、スプール21p,21qが左半位置にされた際に、入力ポート21eと出力ポート21jとが連通されると共に、入力ポート21eと出力ポート21iとが遮断され、右半位置にされた際には、入力ポート21eと出力ポート21iとが連通されると共に出力ポート21jとドレーンポートEXとが連通されるように構成されている。また、スプール21pが左半位置にされた際には、入力ポート21hが遮断され、スプール21qが右半位置にされた際には、入力ポート21gが遮断されるように構成されている。
上述のように油室21aは、油路h1,h2を介して上記ソレノイドバルブS1の出力ポートS1bに接続されており、上記油室21bは、入力ポート21fより油路b4を介して後述する第2クラッチアプライリレーバルブ22の出力ポート22iに接続されている。上記入力ポート21eには、油路a1,a2を介して前進レンジ圧Pが入力されており、スプール21pが左半位置の際に該入力ポート21eに連通する出力ポート21jは、油路jを介して第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22hに接続されている。また、スプール21pが右半位置の際に該入力ポート21eに連通する出力ポート21iは、油路k1,k2を介して入力ポート21gと、油路k1,k2,k3を介して入力ポート21hとにそれぞれ接続され、つまり該出力ポート21iは、スプール21p,21qの位置に拘らず、油室21cに接続されている。さらに、該出力ポート21iは、油路k1を介して後述の第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22eに接続されている。そして、上記油室21dには、油路c5を介してC−2リレーバルブ23の出力ポート23cが接続されており、該油路c5には、チェックバルブ55とオリフィス65とが配設されている。
第2クラッチアプライリレーバルブ22は、中空穴に移動自在に挿入されたスプール22pと、該スプール22pを図中上方に付勢するスプリング22sとを有していると共に、該スプール22pの図中上方に油室22aと、該スプール22pの図中下方に油室22bとを有しており、さらに、入力ポート22cと、出力ポート22dと、入力ポート22eと、入力ポート22fと、出力ポート22gと、入力ポート22hと、出力ポート22iとを有して構成されている。
該第2クラッチアプライリレーバルブ22は、スプール22pが左半位置にされた際に、入力ポート22cと出力ポート22d及び出力ポート22iとが連通され、かつ入力ポート22fと出力ポート22gとが連通されると共に、入力ポート22eと入力ポート22hとがそれぞれ遮断され、右半位置にされた際には、入力ポート22eと出力ポート22dとが連通され、かつ入力ポート22hと出力ポート22gとが連通されると共に、入力ポート22cと出力ポート22iと入力ポート22fとが遮断されるように構成されている。
上述のように油室22aは、油路h1,h3を介して上記ソレノイドバルブS1の出力ポートS1bに接続されていると共に、油路h4を介して後述するB−2リレーバルブ24の入力ポート24cに接続されている。上記入力ポート22cは、油路b1を介して上記リニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートSLC1bに接続されており、スプール22pが左半位置の際に該入力ポート22cに連通する出力ポート22dは、油路b2を介してクラッチC−1の油圧サーボ41に接続されている。該油路b2には、チェックバルブ51とオリフィス61とが配設されると共に、油路b3を介してC−1ダンパ31の油室31aが接続されている。また同様にスプール22pが左半位置の際に該入力ポート22cに連通する出力ポート22iは、油路b4を介して上記第1クラッチアプライリレーバルブ21の入力ポート21fに接続されると共に、油路b4,b5を介して油室22bに接続されている。一方、入力ポート22fは、油路c1を介して上記リニアソレノイドバルブSLC2の出力ポートSLC2bに接続されており、また、入力ポート22hは、油路jを介して上記第1クラッチアプライリレーバルブ21の出力ポート21jに接続されている。スプール22pが左半位置の際に該入力ポート22fに連通し、かつスプール22pが右半位置の際に該入力ポート22hに連通する出力ポート22gは、油路c2を介して後述するC−2リレーバルブ23の入力ポート23bに接続されている。該油路c2には、チェックバルブ52とオリフィス62とが配設されていると共に、油路c4を介してC2−B2ダンパ32の油室32aが接続されている。
C−2リレーバルブ23は、中空穴に移動自在に挿入されたスプール23pと、該スプール23pを図中上方に付勢するスプリング23sとを有していると共に、該スプール23pの図中上方に油室23aを有しており、さらに、入力ポート23bと、出力ポート23cと、出力ポート23dと、出力ポート23eと、ドレーンポートEXとを有して構成されている。
該C−2リレーバルブ23は、スプール23pが左半位置にされた際に、入力ポート23bと出力ポート23c及び出力ポート23eとが連通され、かつ出力ポート23dとドレーンポートEXとが連通され、右半位置にされた際には、入力ポート23bと出力ポート23dとが連通され、かつ出力ポート23c及び出力ポート23eとドレーンポートEXとが連通されるように構成されている。
上記油室23aは、油路h5を介して後述するB−2リレーバルブ24の出力ポート24bに接続されている。入力ポート23bは、油路c2を介して上記第2クラッチアプライリレーバルブ22の出力ポート22gに接続されており、該入力ポート23bにスプール23pが左半位置の際に連通する出力ポート23eが油路c3を介してクラッチC−2の油圧サーボ42に接続されている。また、同様に該入力ポート23bにスプール23pが左半位置の際に連通する出力ポート23cは、油路c5を介して上記第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21dに接続されており、また、該油路c5には、チェックバルブ55とオリフィス65とが配設されている。そして、該入力ポート23bにスプール23pが右半位置の際に連通する出力ポート23dは、油路mを介してB−2リレーバルブ24の入力ポート24eに接続されている。
B−2リレーバルブ24は、中空穴に移動自在に挿入されたスプール24pと、該スプール24pを図中上方に付勢するスプリング24sとを有していると共に、該スプール24pの図中上方に油室24aを有しており、出力ポート24bと、入力ポート24cと、入力ポート24dと、入力ポート24eと、出力ポート24fと、出力ポート24gと、ドレーンポートEXとを有して構成されている。
該B−2リレーバルブ24は、スプール24pが左半位置にされた際に、入力ポート24dと出力ポート24f及び出力ポート24gとが連通され、かつ出力ポート24bとドレーンポートEXとが連通されると共に、入力ポート24cが遮断され、右半位置にされた際には、入力ポート24cと出力ポート24bとが連通され、かつ入力ポート24eと出力ポート24gとが連通されると共に、入力ポート24d、ドレーンポートEXとが遮断されるように構成されている。
上記油室24aは、油路iを介して上記ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bに接続されている。上記入力ポート24dは、油路lを介して後進レンジ圧PREVが出力されるマニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポート(不図示)に接続されており、また、上記入力ポート24eは、油路mを介して上記C−2リレーバルブ23の出力ポート23dに接続されており、該入力ポート24dにスプール24pが左半位置の際に連通し、該入力ポート24eにスプール24pが右半位置の際に連通する上記出力ポート24gは、油路nを介してブレーキB−2の油圧サーボ45に接続され、つまり該ブレーキB−2の油圧サーボ45は、マニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポート(不図示)、又はリニアソレノイドバルブSLC2の出力ポートSLC2bに接続されている。また、上述のように入力ポート24cは、油路h4、上記第2クラッチアプライリレーバルブ22の油室22a、油路h1,h3を介してソレノイドバルブS1の出力ポートS1bに接続されており、該入力ポート24cにスプール24pが右半位置の際に連通する出力ポート24bは、油路h5を介して上記C−2リレーバルブ23の油室23aに接続されている。なお、上記入力ポート24dにスプール24pが左半位置の際に連通する出力ポート24fは、不図示の油路を介してプライマリレギュレータバルブの油室に接続されており、プライマリレギュレータバルブに後進レンジ圧PREVを作用させて後進時にライン圧Pを上昇させるように構成されている。
[油圧制御装置の動作]
次に、本実施の形態に係る油圧制御装置1の作用について説明する。
例えば運転手によりイグニッションがONされると、本油圧制御装置1の油圧制御が開始される。まず、シフトレバーの選択位置が、例えばPレンジ又はNレンジである際は、不図示の制御部の電気指令によってノーマルオープンタイプであるリニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、及びソレノイドバルブS1に通電され、それぞれの入力ポートと出力ポートとを遮断する。ついで、例えばエンジンが始動されると、エンジン回転に基づくオイルポンプ(不図示)の回転により油圧が発生し、該油圧は、上述のようにプライマリレギュレータバルブやソレノイドモジュレータバルブによって、ライン圧Pやモジュレータ圧PMODにそれぞれ調圧出力され、不図示のマニュアルシフトバルブの入力ポートと油路dを介してリニアソレノイドバルブSLC3の入力ポートSLC3aとにライン圧Pが入力されると共に、油路g1,g2,g3を介してソレノイドバルブS1,S2の入力ポートS1a,S2aにモジュレータ圧PMODが入力される。
[N−D時(前進1速段)における動作]
続いて、例えば運転手がシフトレバーをNレンジ位置からDレンジ位置にすると、マニュアルシフトバルブの前進レンジ圧出力ポートから油路a1,a4,a5に前進レンジ圧Pが出力され、該前進レンジ圧Pは、油路a1を介してリニアソレノイドバルブSLC1に、油路a4を介してリニアソレノイドバルブSLC2に、油路a5を介してリニアソレノイドバルブSLB1、油路a1,a2を介して第1クラッチアプライリレーバルブ21にそれぞれ入力される。
上記油路a1には、チェックバルブ50とオリフィス60とが配設されており、前進レンジ圧Pによりチェックバルブ50が開かれるため、リニアソレノイドバルブSLC1に対する前進レンジ圧Pの供給は、排出時に比して急速となる。また、油路a1に供給された前進レンジ圧Pは、油路a3を介してアキュムレータ30の油室30aに入力され、該アキュムレータ30によって、リニアソレノイドバルブSLC1に供給される前進レンジ圧Pの蓄圧を行う。
また、油路a2より前進レンジ圧Pが入力ポート21eに入力される第1クラッチアプライリレーバルブ21は、ソレノイドバルブS1がONされて信号圧PS1が出力されていないため、Dレンジに切換えた当初(N−Dシフトの当初)は、スプリング21sの付勢力により左半位置にされており、出力ポート21jから油路jに前進レンジ圧Pを出力するが、同様にソレノイドバルブS1がONされて信号圧PS1が出力されていないため、スプリング22sの付勢力により左半位置にされている第2クラッチアプライリレーバルブ22にあって、入力ポート22hが遮断された状態となる。
ついで、例えば制御部により前進1速段が判断されると、該制御部の電気制御によりリニアソレノイドバルブSLC1がONされ、入力ポートSLC1aに入力されている前進レンジ圧Pを調圧制御して、制御圧PSLC1を係合圧PC1として徐々に大きくなるように出力ポートSLC1bから出力し、該制御圧PSLC1(係合圧PC1)が油路b1を介して第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22cに入力される。
すると、左半位置にされている第2クラッチアプライリレーバルブ22は、入力ポート22cに入力された制御圧PSLC1を、出力ポート22iより出力すると共に、出力ポート22dからも出力する。該出力ポート22iより出力した制御圧PSLC1は、油路b4,b5を介して油室22bに入力され、第2クラッチアプライリレーバルブ22を左半位置にロックすると共に、油路b4を介して第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21bに入力され、スプール21p,21qをスプリング21sの付勢力に反して図中下方へ押圧して、該第1クラッチアプライリレーバルブ21を右半位置に切換える。
スプール21p,21qが右半位置に切換えられた第1クラッチアプライリレーバルブ21は、第2クラッチアプライリレーバルブ22の出力ポート22iより出力された制御圧PSLC1により、スプール21qをスプリング21tの付勢力に反して図中下方へ押圧しているが、入力ポート21eより入力された前進レンジ圧Pが、出力ポート21iより出力され、油路k1,k2,k3及び入力ポート21hを介して油室21cに入力されるため、該スプール21qは、該油室21cに作用する油圧とスプリング21tの付勢力とにより、図中上方に切換えられ、つまりスプール21pとスプール21qとが離間した状態でロックされる。なお、油路k1から第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22eに入力される前進レンジ圧Pは、該入力ポート22eにおいて遮断される。
そして、上述のようにリニアソレノイドバルブSLC1から第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22cに入力された制御圧PSLC1は、出力ポート22dから油路b2を介して油圧サーボ41に係合圧PC1として出力され、上記クラッチC−1が係合される。これにより、上記ワンウェイクラッチF−1の係止と相俟って、前進1速段が達成される。
また、上記油路b2には、チェックバルブ51及びオリフィス61が配設されており、係合圧PC1(制御圧PSLC1)を油圧サーボ41に供給する際はチェックバルブ51を閉じて、該オリフィス61だけを介して緩やかに油圧を供給し、かつ油圧サーボ41から係合圧PC1を排出する際はチェックバルブ51を開いて供給する場合に比して急速に排出するようになっている。さらに、油路b2に供給された係合圧PC1は、油路b3を介してC−1ダンパ31の油室31aに入力され、該C−1ダンパ31によって、油圧サーボ41に給排される係合圧PC1の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収などが行われる。
[前進1速段のエンジンブレーキにおける動作]
また、例えば制御部により前進1速段のエンジンブレーキが判断されると、該制御部からの電気指令により、ソレノイドバルブS2がONされ、かつソレノイドバルブS1がOFFされ、さらに、リニアソレノイドバルブSLC2が調圧制御される。該ソレノイドバルブS2がONされると、油路g1,g3を介して入力ポートS2aに入力されているモジュレータ圧PMODが、信号圧PS2として出力ポートS2bより出力されて、油路iを介してB−2リレーバルブ24の油室24aに入力され、スプール24pがスプリング24sの付勢力に反して図中下方に切換えられ、該B−2リレーバルブ24が右半位置にされる。
また、ソレノイドバルブS1がOFFされると、油路g1,g2を介して入力ポートS1aに入力されているモジュレータ圧PMODが、信号圧PS1として出力ポートS1bより出力されて、油路h1,h2を介して第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21aと、油路h1,h3を介して第2クラッチアプライリレーバルブ22の油室22aと、油路h4を介してB−2リレーバルブ24の入力ポート24cとに入力され、さらに、右半位置にされたB−2リレーバルブ24の出力ポート24bから油路h5を介してC−2リレーバルブ23の油室23aにも入力される。
すると、該C−2リレーバルブ23は、油室23aに入力された信号圧PS1によりスプール23pがスプリング23sの付勢力に反して図中下方に切換えられ、右半位置にされる。なお、第1クラッチアプライリレーバルブ21は、該信号圧PS1が油室21aに入力されるため、該スプール21qが図中下方に切換えられ、右半位置にされるが、スプール21pは、上記前進1速段の際と同じ右半位置のままであって、特に影響はない。また、第2クラッチアプライリレーバルブ22は、油室22aに該信号圧PS1が入力されるが、上述した油室22bの係合圧PC1とスプリング22sの付勢力とが打勝つため、スプール22pは左半位置にロックされたままである。
そして、リニアソレノイドバルブSLC2が調圧制御され、制御圧PSLC2が出力ポートSLC2bから出力されると、該制御圧PSLC2は、油路c1を介して左半位置にロックされた第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22fに入力され、係合圧PB2として出力ポート22gより油路c2に出力される。
該油路c2に出力された係合圧PB2は、右半位置にされているC−2リレーバルブ23の入力ポート23bに入力され、出力ポート23dより出力される。さらに、該係合圧PB2は、油路mを介して右半位置にされているB−2リレーバルブ24の入力ポート24eに入力され、出力ポート24gから出力されて、油路nを介して油圧サーボ45に入力され、上記ブレーキB−2が係止される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進1速段のエンジンブレーキが達成される。
なお、上記油路c2には、チェックバルブ52及びオリフィス62が配設されており、係合圧PB2をブレーキB−2の油圧サーボ45に供給する際はチェックバルブ52を閉じて、該オリフィス62だけを介して緩やかに油圧を供給し、かつ後述する排出時にあっては、チェックバルブ52を開いて油路c2内の油圧を急速に排出するようになっている。さらに、油路c2に供給された係合圧PB2は、油路c4を介してC2−B2ダンパ32の油室32aに入力され、該C2−B2ダンパ32によって、油圧サーボ45に給排される係合圧PB2の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収などが行われる。
また、例えば制御部により前進1速段の正駆動が判断され、つまりエンジンブレーキ状態の解除が判断されると、ソレノイドバルブS2がOFFされると共にソレノイドバルブS1がONされ、さらに、リニアソレノイドバルブSLC2がON(通電)される形で閉じられて、係合圧PB2としての制御圧PSLC2が0にされてドレーンされる。また、ブレーキB−2の油圧サーボ45の係合圧PB2は、ソレノイドバルブS2のOFFによりB−2リレーバルブ24が左半位置に切換えられるため、入力ポート24d、油路l、マニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポート(不図示)を介して該マニュアルシフトバルブのドレーンポートより排出され、これにより、リニアソレノイドバルブSLC2を介してドレーンするよりも早いクイックドレーンが行われて、該ブレーキB−2が素早く解放される。なお、油路m内の油圧は、左半位置に切換えられたC−2リレーバルブ23のドレーンポートEXより排出され、油路c1,c2内の油圧は、リニアソレノイドバルブSLC2のドレーンポートEXより排出される。
[前進2速段における動作]
ついで、例えば上記前進1速段の状態から制御部により前進2速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、上記前進1速段の際と同様に(エンジンブレーキ時は除く)、ソレノイドバルブS1がONされ、かつソレノイドバルブS2がOFFされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC1の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLB1の調圧制御が行われる。
即ち、リニアソレノイドバルブSLB1が調圧制御されると、制御圧PSLB1が係合圧PB1として出力ポートSLB1bから出力されて、油路f1を介して油圧サーボ44に入力され、ブレーキB−1が係止される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進2速段が達成される。
また、上記油路f1には、チェックバルブ54及びオリフィス64が配設されており、係合圧PB1をブレーキB−1の油圧サーボ44に供給する際はチェックバルブ54を閉じて、該オリフィス64だけを介して緩やかに油圧を供給し、かつ該油圧サーボ44から係合圧PB1を排出する際はチェックバルブ54を開いて供給する場合に比して急速に油圧を排出するようになっている。さらに、油路f1に供給された係合圧PB1は、油路f2を介してB−1ダンパ34の油室34aに入力され、該B−1ダンパ34によって、油圧サーボ44に給排される係合圧PB1の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収などが行われる。
[前進3速段における動作]
続いて、例えば上記前進2速段の状態から制御部により前進3速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がONされ、かつソレノイドバルブS2がOFFされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC1の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLB1がOFFされる形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLB1の調圧制御によりブレーキB−1の解放制御が行われ、つまりブレーキB−1の油圧サーボ44の係合圧PB1(制御圧PSLB1)が油路f1を介してリニアソレノイドバルブSLB1のドレーンポートEXより排出制御され、該ブレーキB−1が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLC3は、ON(通電)されて制御圧PSLC3が0圧となるように閉じられていた状態から調圧制御が行われ、制御圧PSLC3が係合圧PC3として出力ポートSLC3bから出力されて、油路e1を介して油圧サーボ43に入力され、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進3速段が達成される。
また、上記油路e1には、チェックバルブ53及びオリフィス63が配設されており、係合圧PC3をクラッチC−3の油圧サーボ43に供給する際はチェックバルブ53を閉じて、該オリフィス63だけを介して緩やかに油圧を供給し、かつ該油圧サーボ43から係合圧PC3を排出する際はチェックバルブ53を開いて供給する場合に比して急速に油圧を排出するようになっている。さらに、油路e1に供給された係合圧PC3は、油路e2を介してC−3ダンパ33の油室33aに入力され、該C−3ダンパ33によって、油圧サーボ43に給排される係合圧PC3の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収などが行われる。
[前進4速段における動作]
次に、例えば上記前進3速段の状態から制御部により前進4速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がONされ、かつソレノイドバルブS2がOFFされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC1の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLC3がOFFされる形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLC2の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御によりクラッチC−3の解放制御が行われ、つまりクラッチC−3の油圧サーボ43の係合圧PC3(制御圧PSLC3)が油路e1を介してリニアソレノイドバルブSLC3のドレーンポートEXより排出制御され、該クラッチC−3が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLC2は、ON(通電)されて制御圧PSLC2が0圧となるように閉じられていた状態から調圧制御が行われ、制御圧PSLC2が係合圧PC2として出力ポートSLC2bから出力されて、油路c1を介して第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22fに入力される。
上述したように第2クラッチアプライリレーバルブ22は、ソレノイドバルブS1がONされて信号圧PS1が油室22aに入力されておらず、かつ油室22bに入力されている係合圧PC1により左半位置にロックされているため、入力ポート22fに入力された制御圧PSLC2係合圧PC2は、出力ポート22gより係合圧PC2として出力される。該出力ポート22gより出力した係合圧PC2は、油路c2を介してC−2リレーバルブ23の入力ポート23bに入力される。
さらに、C−2リレーバルブ23は、ソレノイドバルブS2がOFFされてB−2リレーバルブ24が左半位置にされ、油室23a及び油路h5がドレーン状態にされており、スプリング23sの付勢力により左半位置にされているため、入力ポート23bに入力された係合圧PC2は、出力ポート23cから出力されると共に、出力ポート23eからも出力される。該出力ポート23cから出力された係合圧PC2は、油路c5を介して第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21dに入力され、該第1クラッチアプライリレーバルブ21のスプール21pを該係合圧PC2によりスプリング21sの付勢力と相俟って左半位置に切換えてロックする。この際、油路k1を介して入力ポート22eに入力されている前進レンジ圧Pは、出力ポート21iから出力ポート21jに切換えられ、油路jに出力されるが、第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22hにより遮断される。また、油路k1に供給されていた前進レンジ圧Pが遮断されるので、油路k2,k3を介した油室21cに対するロック圧としての前進レンジ圧Pの供給は解除される。
なお、油路c5には、チェックバルブ55及びオリフィス65が配設されており、係合圧PC2を第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21dに供給する際はチェックバルブ55を閉じて、該オリフィス65だけを介して緩やかに油圧を供給し、かつ該油室21dから係合圧PC2を排出する際はチェックバルブ55を開いて供給する場合に比して急速に油圧を排出するようになっている。
そして、上記C−2リレーバルブ23の出力ポート23eから出力された係合圧PC2は、油路c3を介して油圧サーボ42に入力され、クラッチC−2が係合される。これにより、上記クラッチC−1の係合と相俟って、前進4速段が達成される。
また、上述したように、油路c2には、チェックバルブ52及びオリフィス62が配設されており、上記前進1速段のエンジンブレーキ時と同様に、係合圧PC2をクラッチC−2の油圧サーボ42に供給する際はチェックバルブ52を閉じて、該オリフィス62だけを介して緩やかに油圧を供給し、かつ該油圧サーボ42から係合圧PC2を排出する際はチェックバルブ52を開いて供給する場合に比して急速に油圧を排出するようになっている。さらに、油路c2に供給された係合圧PC2は、油路c4を介してC2−B2ダンパ32の油室32aに入力され、該C2−B2ダンパ32によって、油圧サーボ42に給排される係合圧PC2の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収などが行われる。
[前進5速段における動作]
次に、例えば上記前進4速段の状態から制御部により前進5速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がONされ、かつソレノイドバルブS2がOFFされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC2の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLC1がOFFされる形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLC1の調圧制御によりクラッチC−1の解放制御が行われ、つまりクラッチC−1の油圧サーボ41の係合圧PC1(制御圧PSLC1)が油路b1,b2を介してリニアソレノイドバルブSLC1のドレーンポートEXより排出制御され、該クラッチC−1が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLC3は、上記前進3速段の際と同様に、ON(通電)されて制御圧PSLC3が0圧となるように閉じられていた状態から調圧制御が行われ、制御圧PSLC3が係合圧PC3として出力ポートSLC3bから出力されて、油路e1を介して油圧サーボ43に入力され、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−2の係合と相俟って、前進5速段が達成される。
[前進6速段における動作]
そして、例えば上記前進5速段の状態から制御部により前進6速段が判断されると、該制御部からの電気指令により、同様にソレノイドバルブS1がONされ、かつソレノイドバルブS2がOFFされた状態で、上記リニアソレノイドバルブSLC2の調圧状態が維持されつつ、リニアソレノイドバルブSLC3がON(通電)される形で閉じられると共に、リニアソレノイドバルブSLB1の調圧制御が行われる。
即ち、まず、リニアソレノイドバルブSLC3の調圧制御によりクラッチC−3の解放制御が行われ、つまりクラッチC−3の油圧サーボ43の係合圧PC3(制御圧PSLC3)が油路e1を介してリニアソレノイドバルブSLC3のドレーンポートEXより排出制御され、該クラッチC−3が解放される。また、一方のリニアソレノイドバルブSLB1は、上記前進2速段の際と同様に、OFFされて制御圧PSLB1が0圧となるように閉じられていた状態からON(通電)されて調圧制御が行われ、制御圧PSLB1が係合圧PB1として出力ポートSLB1bから出力されて、油路f1を介して油圧サーボ44に入力され、ブレーキB−1が係合される。これにより、上記クラッチC−2の係合と相俟って、前進6速段が達成される。
[D−N時における動作]
その後、例えば運転手が車輌を減速していき、車速に応じてダウンシフトされて前進1速段の状態で停車した後、シフトレバーをDレンジ位置からNレンジ位置にすると、上記マニュアルシフトバルブの前進レンジ圧出力ポートが入力ポートとの間が遮断されると共にドレーンポートに連通され、つまり前進レンジ圧Pがドレーンされる。
また同時に、シフトレバーセンサ(不図示)によりシフトレバーがNレンジ位置であることが検出され、制御部により該シフトレバー位置に基づきNレンジが判定されると、まず、リニアソレノイドバルブSLC2及びリニアソレノイドバルブSLC3がON(通電)されると共に、リニアソレノイドバルブSLB1がOFFされ、これらの制御圧PSLC2,PSLC3,PSLB1が0圧(非出力状態)にドレーンされて、つまり各油圧サーボ42,43,44,45の油圧がドレーンされて、クラッチC−2、クラッチC−3、ブレーキB−1、ブレーキB−2が解放される。なお、ソレノイドバルブS1はON(通電)された状態で維持され、ソレノイドバルブS2もOFFされた状態に維持されて、つまり両ソレノイドバルブS1,S2から信号圧PS1,PS2は出力されない。
一方、リニアソレノイドバルブSLC1は、例えばクラッチC−1が急解放されると解放ショックが生じるため、徐々に制御圧PSLC1を減圧していくように調圧制御を行いつつ、最終的に制御圧PSLC1を0圧(非出力状態)にドレーンすることで、クラッチC−1を緩やかに解放する。そして、このクラッチC−1も解放されると、自動変速機3は全てのクラッチ・ブレーキが解放されて、ニュートラル状態とされる。
このリニアソレノイドバルブSLC1による解放制御の間は、該リニアソレノイドバルブSLC1の入力ポートSLC1aに油路a3などを介して接続されているアキュムレータ30が、オリフィス60よりもリニアソレノイドバルブSLC1側の油路a1,a3に対して、Dレンジの間に蓄圧した油圧を放出して圧力維持を行うので、該リニアソレノイドバルブSLC1によるクラッチC−1の緩やかな解放制御を可能にしており、これにより、前進1速段の状態からのD−Nシフト操作時において解放ショックが生じることが防止される。
[後進1速段における動作]
また、例えば運転手のシフトレバーの操作によってシフトレバーがRレンジ位置にされると、上述のようにマニュアルシフトバルブの後進レンジ圧出力ポートから後進レンジ圧PREVが出力され、該後進レンジ圧PREVは、油路lなどを介してB−2リレーバルブ24の入力ポート24dに入力される。
また同時に、シフトレバーセンサ(不図示)によりシフトレバーがRレンジ位置であることが検出され、制御部により該シフトレバー位置としてRレンジが判定されると、ソレノイドバルブS1はON(通電)された状態で維持され、かつソレノイドバルブS2もOFFされた状態に維持されて、つまり信号圧PS2は出力されないので、上記B−2リレーバルブ24はスプリング24sの付勢力によって左半位置に維持される。これにより、入力ポート24cに入力された後進レンジ圧PREVは、出力ポート24g、油路nを介してブレーキB−2の油圧サーボ45に供給され、ブレーキB−2が係合される。
さらに、制御部によりリニアソレノイドバルブSLC3が徐々に制御圧PSLC3を出力するように調圧制御され、係合圧PC3として出力ポートSLC3bから出力されて、油路e1を介して油圧サーボ43に入力され、つまりクラッチC−3が緩やかに係合される。これにより、上記ブレーキB−2の係止と相俟って、後進1速段が達成される。
なお、RレンジよりNレンジに切換えられた際は、上記Nレンジの状態と同様にされ、つまりブレーキB−2の油圧サーボ45の係合圧PB2は油路n、B−2リレーバルブ24、油路l、マニュアルシフトバルブを介してドレーンされ、クラッチC−3の油圧サーボ43の係合圧PC3は、リニアソレノイドバルブSLC3よりドレーンされる。
また、例えば例えば運転手によりシフトレバーがRレンジ位置に操作された際に、車速が前進方向に所定速度以上であることを検出すると、制御部によりソレノイドバルブS2がONされ、かつリニアソレノイドバルブSLC3のON(通電状態)が維持され、つまりRレンジ圧PREVがブレーキB−2の油圧サーボ45に供給されないようにB−2リレーバルブ24により遮断すると共に、クラッチC−3の油圧サーボ43に係合圧PC3(制御圧PSLC3)を供給せず、これによって後進1速段の達成を防止する、いわゆるリバースインヒビット機能が行われる。
[ソレノイド・オールオフフェール時における動作]
続いて、本油圧制御装置1におけるソレノイド・オールオフフェール時における動作を説明する。シフトレバー位置がDレンジにされた状態における通常走行時に、例えばバッテリーのショートや断線等に起因して、全てのソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブSLC1、リニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、リニアソレノイドバルブSLB1、ソレノイドバルブS1、ソレノイドバルブS2)がOFFフェール(以下、「オールオフフェール」という。)した場合、リニアソレノイドバルブSLC1、リニアソレノイドバルブSLB1、及びソレノイドバルブS2は、ノーマルクローズタイプであるため油圧の出力をせず、リニアソレノイドバルブSLC2、リニアソレノイドバルブSLC3、及びソレノイドバルブS1は、ノーマルオープンタイプであるため、それぞれの油圧を出力する。
正常時の前進1速段から前進3速段での走行時において、上記第1クラッチアプライリレーバルブ21は、上述のように油室21cに入力された前進レンジ圧Pによってスプール21pが右半位置にロックされており、このため出力ポート21iより出力した前進レンジ圧Pは、油路k1を介して、第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22eに入力され、左半位置にされた第2クラッチアプライリレーバルブ22により遮断された状態とされている。
この状態からオールオフフェールとなると、第2クラッチアプライリレーバルブ22は、ソレノイドバルブS1から出力された信号圧PS1が油路h1,h3を介して油室22aに入力されることにより右半位置に切換えられ、該入力ポート22eに入力された前進レンジ圧Pは、出力ポート22dより出力され、油路b2を介して油圧サーボ41に入力されて、クラッチC−1が係合される。また、ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC2から出力されたPSLC2(係合圧PC2)は、右半位置に切換えられた第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22fによって遮断される。さらに、ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC3は、入力ポートSLC3aに入力されたライン圧Pが略々そのまま係合圧PC3として、出力ポートSLC3bより出力され、油路e1を介して油圧サーボ43に入力されて、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−1と上記クラッチC−3とが係合されて前進3速段が達成され(図2参照)、つまり前進1速段から前進3速段での走行時にオールオフフェールとなった際は、前進3速段による走行状態が確保される。
また、正常時の前進4速段から前進6速段での走行時において、上述のようにクラッチC−2の係合圧PC2が油路c1、第2クラッチアプライリレーバルブ22、油路c2、C−2リレーバルブ23、油路c5を介して第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21dに入力されており、スプール21p,21qが左半位置にロックされているため、出力ポート21jより出力した前進レンジ圧Pは、油路jを介して、第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22hに入力され、左半位置にされた第2クラッチアプライリレーバルブ22により遮断された状態とされている。
この状態からオールオフフェールとなると、第2クラッチアプライリレーバルブ22は、ソレノイドバルブS1から出力された信号圧PS1が油路h1,h3を介して油室22aに入力されることにより右半位置に切換えられ、また、ソレノイドバルブS2がOFFとなってB−2リレーバルブ24は切換えられずに左半位置に維持されることで、油路h4が遮断されて油路h5にソレノイドバルブS1の信号圧PS1が出力されないため、C−2リレーバルブ23も切換えられずに左半位置に維持される。このため、第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22hに入力された前進レンジ圧Pは、出力ポート22gより出力され、油路c2、C−2リレーバルブ23、油路c3を介して油圧サーボ42に入力されて、クラッチC−2が係合される。また、ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC2から出力されたPSLC2(係合圧PC2)は、右半位置に切換えられた第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22fによって遮断されるが、上記油路c2に出力された前進レンジ圧PがC−2リレーバルブ23を介して油路c5にも出力され、第1クラッチアプライリレーバルブ21の油室21dに入力されるので、該第1クラッチアプライリレーバルブ21は、引き続き左半位置にロックされる。そして、ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC3は、入力ポートSLC3aに入力されたライン圧Pが略々そのまま係合圧PC3として、出力ポートSLC3bより出力され、油路e1を介して油圧サーボ43に入力されて、クラッチC−3が係合される。これにより、上記クラッチC−2と上記クラッチC−3とが係合されて前進5速段が達成され(図2参照)、つまり前進4速段から前進6速段での走行時にオールオフフェールとなった際は、前進5速段による走行状態が確保される。
また、上記前進4速段から前進6速段での正常走行時にオールオフフェールとなった場合において、車輌を停止させ、一旦、シフトレバーをNレンジ位置にすると、不図示のマニュアルシフトバルブは、前進レンジ圧Pを出力停止すると共にドレーンし、特にノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC2と第1クラッチアプライリレーバルブ21の入力ポート21eとに対する前進レンジ圧Pがドレーンされる。すると、油路j,c2,c5を介して入力されていた油室21dへの前進レンジ圧Pがドレーンされ、該前進レンジ圧Pによるロックが解除される。また、ノーマルオープンであるソレノイドバルブS1からは信号圧PS1が引き続き出力されるため、第1クラッチアプライリレーバルブ21は、油室21aに入力される信号圧PS1によってスプール21p,21qが右半位置に切換えられる。
なお、このオールオフフェール時におけるNレンジの状態では、ライン圧Pを元圧とし、かつノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLC3から略々ライン圧Pと同圧の制御圧PSLC3(係合圧PC3)が出力されるので、クラッチC−3は係合状態にある。また、クラッチC−3が係合されていても、クラッチC−1,C−2及びブレーキB−1,B−2は解放状態にあり、サンギヤS2に減速回転が入力されても、サンギヤS3及びキャリヤCR2が空転されるため、入力軸10とカウンタギヤ11との間は略々ニュートラル状態である(図1参照)。
そして、例えば運転手により再びシフトレバーがDレンジ位置にされると、マニュアルシフトバルブから前進レンジ圧Pが出力され、該前進レンジ圧Pは、右半位置に切換えられた第1クラッチアプライリレーバルブ21の入力ポート21eに入力されると共に、出力ポート21iから油路k1に出力され、右半位置にある第2クラッチアプライリレーバルブ22の入力ポート22e、出力ポート22d、油路b2を介してクラッチC−1の油圧サーボ41に入力されて、該クラッチC−1が係合し、つまり上記前進1速段から前進3速段での走行時におけるオールオフフェール時と同様の状態となり、前進3速段が確保される。これにより、オールオフフェール後にあって一旦車輌を停車した後でも車輌の再発進が可能となり、例えば安全な場所への移動や整備工場までの移動等が可能となるリンプホーム機能が確保される。
[本発明の説明]
本発明の要部となるオリフィス60及びアキュムレータ30を、例えばマニュアルシフトバルブの前進レンジ圧出力ポートの直ぐ近くに配設し、前進レンジ圧Pが供給される油路a1,a4,a5等において、DレンジからNレンジに切換えられた後の所定時間、該アキュムレータによる油圧供給を行うと、特にリニアソレノイドバルブSLC3の元圧がライン圧Pであるため、全てのリニアソレノイドバルブSLC1,SLC2,SLC3,SLB1における所定時間以内の解放制御を可能とすることができるが、3本のリニアソレノイドバルブSLC1,SLC2,SLB1及び第1クラッチアプライリレーバルブ21に対して、上述したバルブの隙間からの漏れ量も考慮して蓄圧容量を設計する必要があり、アキュムレータの小型化の妨げになる。
しかし、本実施の形態に係る油圧制御装置1は、オリフィス60及びアキュムレータ30を、前進レンジ圧Pの給排油路a1における第1クラッチアプライリレーバルブ21に接続する油路a2との分岐部よりもリニアソレノイドバルブSLC1側(つまり分岐部とリニアソレノイドバルブSLC1との間)に配設したので、特に車輌停車中における前進レンジからNレンジに切換えられた際にも、前進1速段にて係合されるクラッチC−1の急解放によるショック発生を防止することができるものでありながら、アキュムレータ30が、リニアソレノイドバルブSLC2,SLB1や第1クラッチアプライリレーバルブ21などへの前進レンジ圧Pの所定時間の確保を行う必要がなく、クラッチC−1を制御するリニアソレノイドバルブSLC1が解放制御を行うことができる油圧だけを確保する容量で足り、アキュムレータ30の容量を小さくすることができ、つまりアキュムレータ30を小型化することができる。これにより、クラッチC−1の急解放によるショック発生を防止することができるものでありながら、自動変速機3の油圧制御装置1をコンパクト化することができる。
なお、例えばD−N時においてクラッチC−2を解放する場合とは、前進4速段〜前進6速段のような高速段、つまり車輌がある程度の車速で走行している状態でNレンジに切換えられた場合であって、このような場合にクラッチC−2が急解放されたとしても、車輪が惰性で回転しているため、大きな解放ショックが生じることはない。即ち、車輌停車中においてDレンジからNレンジに切換えられた際のクラッチの急解放が、解放ショックとして大きくなり易いので、本油圧制御装置1のように前進1速段からの解放制御をアキュムレータ30により保障することだけで、充分な効果を得ることができる。
また、第1クラッチアプライリレーバルブ21は、ソレノイド・オールオフフェール時にクラッチC−1の油圧サーボ41にリニアソレノイドバルブSLC1を迂回して前進レンジ圧Pを供給可能にするためのバルブであるが、オリフィス60及びアキュムレータ30を上記油路a2の分岐部よりもリニアソレノイドバルブSLC1側に配設することで、オールオフフェール時においてDレンジからNレンジに切換えられた際に、アキュムレータ30が所定時間の油圧供給を該第1クラッチアプライリレーバルブ21に対して行うことがないので、オールオフフェール時におけるDレンジからNレンジに切換えられた際には、直ちにクラッチC−1の油圧サーボ41から油圧を排出することができる。これにより、オールオフフェール時にあって、Nレンジであるにも拘らず所定時間の前進駆動力が生じてしまうことを防ぐことができる。
なお、言うまでもなく、正常時にあってアキュムレータ30がリニアソレノイドバルブSLC1に所定時間の元圧供給を行うとしても、該リニアソレノイドバルブSLC1は、該所定時間よりも短い時間で解放制御を行うので、Nレンジであるにも拘らず所定時間の前進駆動力が生じてしまうことはない。
また、上記説明はDレンジからNレンジにレンジ切換えした際について説明しているが、DレンジからRレンジやPレンジにレンジ切換えされた場合にあっても、前進レンジ圧Pがドレーンされることは同様であり、たとえDレンジからRレンジにされ、後進1速段を形成する場合にあっても、一旦ニュートラル状態を経由した後に後進1速段を形成するので、本発明が有効であることは言うまでもない。
なお、以上説明した実施の形態においては、本自動変速機3の油圧制御装置1を前進6速段及び後進1速段を達成する自動変速機3に適用した場合を一例として説明したが、勿論これに限るものではなく、例えば前進8速段を達成する自動変速機に適用してもよく、つまり、摩擦係合要素の油圧サーボに係合圧を調圧して供給する調圧手段へ元圧として前進レンジ圧を給排する油路に、他のバルブへ該前進レンジ圧を分岐する分岐部を備えているものであれば、どのような自動変速機にあっても本発明を適用することができる。
本発明に係る自動変速機を示すスケルトン図。 本自動変速機構の係合表。 本自動変速機構の速度線図。 本自動変速機の油圧制御装置を示す回路図。
符号の説明
1 油圧制御装置
1ST 最低速段(前進1速段)
3 自動変速機
21 リンプホーム用バルブ(第1クラッチアプライリレーバルブ)
30 アキュムレータ
41 油圧サーボ
60 オリフィス
a1 前進レンジ圧給排油路
C−1 クラッチ
D 前進レンジ
前進レンジ圧
P,R,N 他のシフトレンジ(パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ)
SLC1 調圧手段(リニアソレノイドバルブ)

Claims (3)

  1. 前進レンジの際に前進レンジ圧を出力し、他のシフトレンジの際に該前進レンジ圧を排出するレンジ圧生成手段と、
    前記前進レンジの際に係合される摩擦係合要素と、
    前記前進レンジ圧を元圧として入力し、前記摩擦係合要素の油圧サーボに該前進レンジ圧を調圧して供給する調圧手段と、
    前記レンジ圧生成手段と前記調圧手段とを連通する前進レンジ圧給排油路に介在されたオリフィスと、
    前記オリフィスよりも前記調圧手段側にあって前記前進レンジ圧給排油路に接続されたアキュムレータと、を備え、
    前記アキュムレータにより、前記前進レンジの際に前記前進レンジ圧を蓄圧し、前記前進レンジから他のシフトレンジに切換えられ、前記レンジ圧生成手段から前記前進レンジ圧が排出された際、前記調圧手段に所定時間の元圧供給を行う自動変速機の油圧制御装置において、
    前記前進レンジ圧給排油路に設けられ、前記前進レンジ圧を所定のバルブに導入する分岐部を備え、
    前記オリフィス及び前記アキュムレータを、前記前進レンジ圧給排油路における前記分岐部と前記調圧手段との間に配設した、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記摩擦係合要素は、少なくとも最低速段にて係合されるクラッチである、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記所定のバルブは、故障時に前記摩擦係合要素の油圧サーボに前記調圧手段を迂回して前記前進レンジ圧を供給可能にするリンプホーム用バルブである、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
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