JP2010208850A - ベルトコンベア状態監視システム、データ収集装置、ベルトコンベアの運転状態判定方法及びプログラム - Google Patents

ベルトコンベア状態監視システム、データ収集装置、ベルトコンベアの運転状態判定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ベルトコンベア状態監視システムを構築する際の配線費用の低コスト化を図る。
【解決手段】一又は複数基のベルトコンベア200ごとに設置されたデータ収集装置100は、無線通信機能を備えており、無線通信用のアクセスポイント300、基地局アンテナ400及び有線のイントラネット500を介して診断サーバ600と通信可能となっている。診断サーバ600の運転/停止判定部及びコンベア搬送物有無判定部は、所定の振動加速度センサで測定される時系列の振動加速度信号を周波数分析して、ベルトコンベア200が運転中であるか停止中であるか、更にはコンベア搬送物の有無を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルトコンベアの電動機や減速機、プーリ等で発生する振動加速度に基づいて当該ベルトコンベアを監視するベルトコンベア状態監視システム、データ収集装置、ベルトコンベアの運転状態判定方法及びプログラムに関する。
機械設備の回転体の異常や劣化を監視、診断するために、回転体の回転により発生する振動を捉えることが行われている。この種の技術として、例えば特許文献1には、転がり軸受等の回転体を含む機械設備、例えば、鉄道車両設備、工作機械、風車等において、回転動作時の振動等の物理量を検出して、異常等の状態を監視する機械設備の監視システムが開示されている。その他にも、特許文献2や特許文献3に、回転機械の診断を振動に基づいて行う技術が開示されている。
物を搬送するベルトコンベアにおいても、その軸受、歯車、電動機回転子、固定子等の振動を自動測定し、測定した振動に基づいて異常や劣化を監視、診断するベルトコンベア状態監視システムを構築することは可能である。
特開2007−232736号公報 特開2008−232934号公報 特開平3−257332号公報
ところで、診断対象設備の回転体の状態(正常状態或いは劣化状態)に変化がないにもかかわらず、回転体の回転数や負荷が変化する場合、発生する振動も変化する。ベルトコンベアであれば、運転中であるか停止中であるか、更には載荷運転中であるか否かで、発生する振動は変化する。そのため、診断精度の低下を防止するためには、ベルトコンベアの負荷が一定の条件下であるときのみ振動を測定したり、負荷に応じて測定した振動を条件分けしたり補正したりする必要がある。
従来の技術では、ベルトコンベアの振動を自動測定する場合、ベルトコンベアを制御する制御盤において回転数や負荷に関する信号(運転中であるか停止中であるか、更には載荷運転中であるか否かのON/OFF信号)を用意し、制御盤からベルトコンベア状態監視システムまで配線して、その信号を伝えるようにしていた。
しかしながら、製鉄工場における鉄鋼の原料ヤード等のように広範囲にベルトコンベアを設置する生産現場においては、ベルトコンベアの制御盤と、ベルトコンベア状態監視システムとの距離が長くなる。工場の規模によっては、広い敷地に多数のベルトコンベアが設置され、ベルトコンベアの基数が数十台〜数百台、その総延長距離が数十キロ〜数百キロに達する場合もある。そのため、ベルトコンベアの制御盤とベルトコンベア状態監視システムとを接続すると、その配線費用が高額になってしまうのが実情である。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、ベルトコンベア状態監視システムを構築する際の配線費用の低コスト化を図ることを目的とする。
本発明のベルトコンベア状態監視システムは、ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を測定する振動加速度センサを備え、前記ベルトコンベア運転中の前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアの劣化を監視するベルトコンベア状態監視システムであって、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する判定手段を備えたことを特徴とする。
本発明のベルトコンベア状態監視システムの他の特徴とするところは、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、コンベア搬送物の有無を判定し、前記振動加速度センサの測定結果を搬送物有りの場合と搬送物無しの場合に分類する手段を更に備えた点にある。
本発明のベルトコンベア状態監視システムの他の特徴とするところは、前記振動加速度センサの測定結果を収集するデータ収集装置を備え、前記データ収集装置は無線通信手段及び自機を駆動させるための発電手段を備える点にある。
本発明のベルトコンベア状態監視システムの他の特徴とするところは、前記無線通信手段は省電力型SS無線(スペクトラム拡散方式)等の省電力型の特定小電力無線を通信手段とする点にある。
本発明のベルトコンベア状態監視システムの他の特徴とするところは、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する判定手段は、前記電動機の出力軸を支持する軸受に設けられた振動加速度センサ、及び、前記減速機の入力軸を支持する軸受に設けられた振動加速度センサの測定結果を用いる点にある。
本発明のベルトコンベア状態監視システムの他の特徴とするところは、前記コンベア搬送物の有無を判定する判定手段は、前記減速機の入力軸を支持する軸受に設けられた振動加速度センサの測定結果を用いる点にある。
本発明のデータ収集装置は、ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を測定する振動加速度センサと、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明のデータ収集装置の他の特徴とするところは、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、コンベア搬送物の有無を判定する判定手段を更に備えた点にある。
本発明のベルトコンベアの運転状態判定方法は、ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を振動加速度センサで測定し、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を振動加速度センサで測定し、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する処理をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、ベルトコンベア状態監視システムにおいてベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定し、更にはコンベア搬送物の有無を判定するようにしたので、ベルトコンベアの制御盤からベルトコンベア状態監視システムまで配線する必要がない。これにより、ベルトコンベア状態監視システムを構築する際の配線費用の低コスト化を図ることができる。
本発明を適用したベルトコンベア状態監視システムの概略構成を示す図である。 ベルトコンベアの構成例を示す図である。 データ収集装置の構成を示す図である。 診断サーバの構成を示す図である。 運転/停止判定部及びコンベア搬送物有無判定部による判定処理を示すフローチャートである。 時系列の振動加速度信号を周波数分析する様子を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明を適用したベルトコンベア状態監視システムの概略構成を示す。製鉄工場等の広い敷地の各所にベルトコンベア200が設置されており、一又は複数基のベルトコンベア200ごとにデータ収集装置100が設置されている。各データ収集装置100は無線通信機能を備えており、無線通信用のアクセスポイント300、基地局アンテナ400及び有線のイントラネット500を介して診断サーバ600と通信可能となっている。なお、図1は簡略的に図示したものであり、実際には多数のベルトコンベア200が設置されており、アクセスポイント300も工場の規模に合わせて適宜な数が配置される。
図2に、ベルトコンベア200の構成例を示す。図2(a)に示すように、テールプーリ201とヘッドプーリ(駆動プーリ)202との間に無端環状のベルト203が掛け渡されて、ベルト203の上に物を載せて搬送する。ベルト203の裏側では、ベルト203にテンションを与えるためのグラビティプーリ204が連係する。
図2(b)に示すように、電動機205が減速機206を介してヘッドプーリ202の入力軸202aに接続し、ヘッドプーリ202に回転力を与える。ヘッドプーリ202の入力軸202aは、軸受202b及び202cにより支持される。
電動機205は、出力軸205a、出力軸205aを支持する負荷側軸受205b及び反負荷側軸受205cを備える。
減速機206は、複数の歯車を噛み合わせて段階的に減速を行うものであり、電動機205の出力軸205aにつながる入力軸206a、入力軸206aに設けられた歯車206b、入力軸206aを支持する電動機側軸受206c及びプーリ側軸受206dを備える。また、第二軸206e、第二軸206eに設けられた歯車206f、206g、第二軸206eを支持する電動機側軸受206h及びプーリ側軸受206iを備える。また、ヘッドプーリ202の入力軸202aにつながる出力軸206j、出力軸206jに設けられた歯車206k、出力軸206jを支持する電動機側軸受206l及びプーリ側軸受206mを備える。
なお、図2(b)に示す構成は一例であり、それに限定されるものではない。例えば電動機と減速機との間に流体継手を使用するような場合もある。
ここで、電動機205、減速機206及びプーリ201、202、204における振動加速度を測定するために、各軸受に振動加速度センサ207が設けられている。図2(b)には、電動機205の負荷側軸受205b、及び、減速機206の入力軸206aの電動機側軸受206cに設けられた振動加速度センサ207を示す。図2(b)では2つの振動加速度センサ207しか図示しないが、他の軸受にも同様に振動加速度センサ207が設けられている。振動加速度センサ207としては、接触型である圧電型を用い、軸受207の外表面に取り付ける。
図3に、データ収集装置100の構成を示す。データ収集装置100において、101はアンテナ102を介してアクセスポイント300と無線通信を行う特定小電力無線通信部である。特定小電力無線には、省電力型のSS無線(スペクトラム拡散(Spread Spectrum)方式)が適しており、耐ノイズ性に優れ、省電力で通信を行うことができる。診断に必要な情報量に対して実用可能な消費電力の範囲は、省電力型特定小電力無線で実用されている通信速度50kbps〜100kbpsの場合で、無線部の消費電力0.2W以下、待機中の無線部の消費電力0.01W以下を使用する。102は通信距離の必要に応じてアンテナを選定する。
103は太陽電池であり、太陽光を電力に変換して出力する太陽電池パネルと、電力を蓄えるバッテリとを備える。このように自機が搭載する発電手段により駆動するので、工場内の電気室からデータ収集装置100への電源配線が不要となる。なお、ここでは発電手段として太陽電池103を搭載しているが、他のタイプ(例えばベルトコンベア200の駆動を利用する誘導発電装置や振動発電装置)を搭載してもよい。
104はタイマー機能を有する制御部であり、所定の時間間隔で本装置100を休止状態から起動させ、太陽電池103を電源として、所定の期間分の各部の振動加速度センサ207の測定結果を無線通信部101を介して送信する。ベルトコンベアの状態監視保全としては、例えば1日に1回、本装置100を起動させて、数十秒程度の振動加速度信号を収集すれば十分である。振動加速度センサ207の測定結果を送信する際には、診断サーバ600側でどの部位の振動加速度センサ207の測定結果であるかが識別できるようにする。
105はサンプリング部であり、振動加速度センサ207のアナログ信号を離散データにA/D変換する。106は信号処理であり、設備診断に必要な積分やフィルタリング、包絡線処理を演算するとともに、任意の振動信号によるベルトコンベアの運転状態と載荷状態を判別する。以上のようにデータ収集装置100は無線通信手段及び自機を駆動させるための発電手段を備え、外部との配線が不要な、独立した単体ユニットとして構成されている。
図4に、診断サーバ600の構成を示す。601は通信部であり、各データ収集装置100から、各部の振動加速度センサ207の測定結果をアクセスポイント300、基地局アンテナ400及び有線のイントラネット500を介して受信する。
602は運転/停止判定部であり、データ収集装置100から受信した所定の振動加速度センサ207の測定結果に基づいて、ベルトコンベア200が運転中であるか停止中であるかを判定する。この判定処理の詳細については図5を用いて後述する。
603はコンベア搬送物有無判定部であり、データ収集装置100から受信した所定の振動加速度センサ207の測定結果に基づいて、コンベア搬送物の有無を判定する。この判定処理の詳細についても図5を用いて後述する。
604は診断部であり、データ収集装置100から受信した各部の振動加速度センサ207の測定結果の日々の変化を捉える等して、ベルトコンベア200の異常や劣化を診断する。この場合に、例えばデータ収集装置100から受信した各部の振動加速度センサ207の測定結果のうち、運転/停止判定部602により運転中であると判定されたタイミングの測定結果を診断用データとして採用する。また、コンベア搬送物有無判定部603による判定結果に基づいて、コンベア搬送物の有無による振動値のばらつきを排除することにより、診断精度を向上させることができる。
605は出力部であり、データ収集装置100から受信した振動加速度センサ207の測定結果や、それに基づく判定部602、603による判定結果、診断部604による診断結果を例えばディスプレイに表示出力する。
606は記憶部であり、データ収集装置100から受信した振動加速度センサ207の測定結果や、それに基づく判定部602、603による判定結果、診断部604による診断結果を保存する。
図5は、運転/停止判定部602及びコンベア搬送物有無判定部603による判定処理を示すフローチャートである。運転/停止判定部602及びコンベア搬送物有無判定部603では、図6に概要を示すように、所定の振動加速度センサ207で測定される時系列の振動加速度信号を周波数分析して、ベルトコンベア200が運転中であるか停止中であるか、更にはコンベア搬送物の有無を判定する。なお、図6のフローチャートの各処理は、データ収集装置100内のCPUが不揮発性メモリ等に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
ベルトコンベア200が運転中であるか停止中であるかを判定する場合、図2(b)に図示した電動機205の負荷側軸受205bの振動加速度センサ207、及び、減速機206の入力軸206aの電動機側軸受206cの振動加速度センサ207での測定結果を用いる。電動機205の出力軸205a及び減速機206の入力軸206aは回転数が最も高いので、ベルトコンベア200の運転中と停止中の回転数の状態変化が振動振幅の差に明確に現れるからである。
ステップS101において、電動機205の回転周波数の卓越スペクトルの振幅Vfrを求める。具体的には、電動機205の負荷側軸受205bの振動加速度センサ207で測定される振動加速度信号を積分して振動速度に変換し、それをFFT(高速フーリエ変換)して、電動機205の回転周波数frの卓越スペクトルVfrを読み取る。ベルトコンベア200の駆動装置(電動機205や減速機206)は、比較的柔らかな架台に据えられているため、電動機205のわずかな偏重心による振れ回り振動、つまり回転周波数の振動振幅が振動速度では支配的であるという特性がある。
ステップS102において、減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数fmの卓越スペクトルAfmを求める。具体的には、減速機206の入力軸206aの電動機側軸受206cの振動加速度センサ207で測定される振動加速度信号をFFT(高速フーリエ変換)して、減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の卓越スペクトルAfmを読み取る。
ステップS103において、電動機205の回転周波数の卓越スペクトルVfrが閾値VS1以上であること、及び、減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の卓越スペクトルAfmが閾値AS1以上であること、のうち少なくともいずれか一方が成立するかどうかを判定する。いずれか一方でも成立すれば、ステップS104に進み、いずれも成立しなければ、ベルトコンベア200が停止中であると判定する(ステップS107)。
更にステップS104において、ステップS101で求めた電動機205の振動速度の実効値又はオーバーオール値VOAが閾値VOA1以上であるかどうかを判定する。VOA≧VOA1であれば、ステップS105に進み、そうでなければ、ベルトコンベア200が停止中であると判定する(ステップS107)。
更にステップS105において、ステップS102で求めた減速機206の一段目歯車206bの振動加速度の実効値又はオーバーオール値AOAが閾値AOA1以上であるかどうかを判定する。AOA≧AOA1であれば、ベルトコンベア200が運転中であると判定し(ステップS106)、そうでなければ、ベルトコンベア200が停止中であると判定する(ステップS107)。
ステップS104、S105は、ベルトコンベア200が運転中でないにもかかわらず、何らかの他の振動により、ステップS101〜S103においてVfr≧VS1及びAfm≧AS1のうち少なくともいずれか一方が成立し、運転中と誤判定しないようにするための処理である。
続いて、コンベア搬送物の有無を判定する。コンベア搬送物の有無を判定する場合、図2(b)に図示した減速機206の入力軸206aの電動機側軸受206cの振動加速度センサ207での測定結果を用いる。
コンベア搬送物の有無によって、電動機205の回転周波数の振幅に顕著な変化はないが、減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の振幅は、コンベア搬送物がない場合に比べてある場合に約2倍以上に増加する特性がある。回転周波数は偏重心の遠心力によるものであるため、載荷負荷による影響は受けにくく、積載と無積載との状態変化を区別することは難しい。電動機205の振動加速度は、電磁スロット振動の他に、多数の部品が励振されるため、支配的な強制振動が存在しない。減速機206の入力軸206aの振動加速度は、入力軸206aの噛み合い振動が支配的であり、振動の発生メカニズムが噛み合う歯数の差によって生じる剛性変化であるため、積載負荷によるトルクの変化を噛み合い振動の変化で判別できる。
ステップS106でベルトコンベア200が運転中であると判定した場合、ステップS108において、減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の卓越スペクトルfmが閾値AS2以上であるかどうかを判定する。Afm≧AS2であれば、載荷運転中であると判定し(ステップS109)、そうでなければ、載荷運転中でないと判定する(ステップS205)。
なお、運転判定用の閾値VS1、AS1、VOA1、AOA1、AS1として、予め適宜な値を設定しておく。例えば、ベルトコンベア200が正常な運転中であることがわかっている状態で、コンベア搬送物がないときの振動速度及び振動加速度を求め、その実効値又はオーバーオールの70〜80%の値を閾値VOA1、AOA1として設定する。また、電動機205の回転周波数の卓越スペクトル及び減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の卓越スペクトルを求め、その70〜80%の値を閾値VS1、AS1として設定する。
同様に、ベルトコンベア200が正常な運転中であることがわかっている状態で、コンベア搬送物があるときの振動加速度を求め、減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の卓越スペクトルを求め、その70〜80%の値を閾値AS2として設定する。
以上述べたように、ベルトコンベア状態監視システムにおいてベルトコンベア200が運転中であるか停止中であるかを判定し、更にはコンベア搬送物の有無を判定するようにしたので、ベルトコンベアの制御盤からベルトコンベア状態監視システムまで配線する必要がない。また、ベルトコンベア状態監視システム内においても、データ収集装置100は無線通信手段及び自機を駆動させるための発電手段を備えるので、電源配線や通信配線が不要である。これにより、ベルトコンベア状態監視システムを構築する際の配線費用の低コスト化を大幅に図ることができる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、診断サーバ600において、所定の振動加速度センサ207の測定結果に基づいて、ベルトコンベア200の運転/停止を判定し、コンベア搬送物の有無を判定するようにしたが、その処理を各データ収集装置100において実行する構成としてもよい。すなわち、データ収集装置100が、図4に示した運転/停止判定部602及びコンベア搬送物有無判定部603を備える構成としてもよい(図3に運転/停止判定部602及びコンベア搬送物有無判定部603を追加する)。
この場合、データ収集装置100からは、振動加速度センサ207の測定結果(図6の上部に示すような時系列の振動加速度信号から演算する振幅値)の他に、周波数分析データを送信するため、1回の伝送容量は50kbyte〜100kbyte程度である。バッテリ駆動を前提とした省電力型の無線通信としては通信速度50kbps〜100kbpsで通信時の消費電力が0.2W以下、待機時の消費電力が0.01W以下の特定省電力無線を選定することにより、5W程度の太陽光発電によって1日に1回の測定を継続することが可能である。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、ベルトコンベア200の運転/停止判定に、電動機205の反負荷側軸受205cの振動加速度センサ207、及び、減速機206の入力軸206aのプーリ側軸受206dcの振動加速度センサ207での測定結果を用いるようにしてもよい。ただし、上記実施形態のように電動機205の負荷側軸受205bの振動加速度センサ207、及び、減速機206の入力軸206aの電動機側軸受206cの振動加速度センサ207での測定結果を用いる場合に比べて、電動機205の回転周波数及び減速機206の一段目歯車206bの噛み合い周波数の検出感度はやや劣るものと考えられる。
本発明を適用したデータ収集装置100や診断サーバ200は、具体的にはCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにより構成することができ、CPUがプログラムを実行することによって実現される。
また、ベルトコンベア200が運転中であるか停止中であるかの判定処理、更にはコンベア搬送物の有無の判定処理は、ソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
100 データ収集装置
101 SS無線通信部
102 アンテナ
103 太陽電池
104 制御部
200 ベルトコンベア
201 テールプーリ
202 ヘッドプーリ
203 ベルト
204 グラビティプーリ
205 電動機
206 減速機
207 振動加速度センサ
300 アクセスポイント
400 基地局アンテナ
500 イントラネット
600 診断サーバ
601 通信部
602 運転/停止判定部
603 コンベア搬送物有無判定部
604 診断部
605 出力部
606 記憶部

Claims (10)

  1. ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を測定する振動加速度センサを備え、前記ベルトコンベア運転中の前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアの劣化を監視するベルトコンベア状態監視システムであって、
    前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する判定手段を備えたことを特徴とするベルトコンベア状態監視システム。
  2. 前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、コンベア搬送物の有無を判定し、前記振動加速度センサの測定結果を搬送物有りの場合と搬送物無しの場合に分類する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベア状態監視システム。
  3. 前記振動加速度センサの測定結果を収集するデータ収集装置を備え、
    前記データ収集装置は無線通信手段及び自機を駆動させるための発電手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルトコンベア状態監視システム。
  4. 前記無線通信手段は省電力型の特定小電力無線を通信手段とすることを特徴とする請求項3に記載のベルトコンベア状態監視システム。
  5. 前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する判定手段は、前記電動機の出力軸を支持する軸受に設けられた振動加速度センサ、及び、前記減速機の入力軸を支持する軸受に設けられた振動加速度センサの測定結果を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルトコンベア状態監視システム。
  6. 前記コンベア搬送物の有無を判定する判定手段は、前記減速機の入力軸を支持する軸受に設けられた振動加速度センサの測定結果を用いることを特徴とする請求項2に記載のベルトコンベア状態監視システム。
  7. ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を測定する振動加速度センサと、
    前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするデータ収集装置。
  8. 前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、コンベア搬送物の有無を判定する判定手段を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載のデータ収集装置。
  9. ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を振動加速度センサで測定し、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定することを特徴とするベルトコンベアの運転状態判定方法。
  10. ベルトコンベアの電動機、前記電動機に接続する減速機及び前記減速機に接続するプーリのうち少なくともいずれか一つにおける振動加速度を振動加速度センサで測定し、前記振動加速度センサの測定結果に基づいて、前記ベルトコンベアが運転中であるか停止中であるかを判定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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