JP2019128179A - 振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置 - Google Patents

振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置 Download PDF

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大木 溝口
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Abstract

【課題】周波数帯域を複数に分割して各周波数帯域の振動値を正常値と比較することで、振動センサが外れた際に減衰を開始する周波数が異なる場合でも、振動センサの外れを正確に検出することができる振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置を提供する。【解決手段】異常診断装置は、振動センサ27と制御装置50とを備え、振動センサ27により測定された振動データを周波数分析する工程と、周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割する工程と、分割された各周波数帯域の振動値を算出する工程と、基準振動値に対する各周波数帯域の振動値の変化に基づいて、振動センサ27の被測定物10からの外れの有無を検出する工程と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、被測定物からの振動センサの脱落を検出可能な振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置に関する。
被測定物に取り付けられた振動センサにより測定された振動データに基づいて、被測定物の異常の有無を判別する場合、振動を正確に測定するためには、振動センサが正しく被測定物に取り付けられていることが必須条件である。
特許文献1には、振動センサが被測定物から外れると、高周波帯域の振動が減衰することを利用して、低周波帯域のパーシャルオーバーオール値(以後、「POA」とも言う)と高周波帯域のPOAとの比を求め、この比を、予め設定された閾値と比較することで振動センサの外れを検出する異常診断装置が記載されている。
特開2017−26514号公報
しかしながら、特許文献1に記載の異常診断装置では、予め設定する高周波帯域の範囲が判定結果にとって重要である。振動センサが外れた場合に振動が減衰を開始する周波数帯域は、センサの設置方法、設置対象面、センサの外れ状態などにより大きく変動するため、高周波帯域を適切に設定することが困難であるという課題があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動センサが外れた際に減衰を開始する周波数が異なる場合でも、振動センサの外れを正確に検出することができる振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 被測定物に取り付けられて前記被測定物の振動を測定する振動センサと、前記振動センサにより測定された振動データに基づいて前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を判定する、振動センサの脱落検知方法であって、
前記振動センサにより測定された前記振動データを周波数分析する工程と、
前記周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割する工程と、
前記分割された各周波数帯域の振動値を算出する工程と、
基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出する工程と、
を備えることを特徴とする振動センサの脱落検知方法。
(2) 前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
前記基準振動値は、正常に取り付けられた前記振動センサにより測定された振動データに基づいて算出された前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値、又は直近の一定期間における前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値の平均値であることを特徴とする(1)に記載の振動センサの脱落検知方法。
(3) 前記被測定物は、主軸を備える風力発電装置であって、
前記主軸の回転速度を測定する回転速度センサと、
前記風力発電装置の発電量を測定する発電量測定装置と、
をさらに備え、
前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
前記基準振動値は、前記回転速度または、前記発電量が略同一の他の風力発電装置の振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割して各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値であることを特徴とする(1)または(2)に記載の振動センサの脱落検知方法。
(4) 前記基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化が、閾値を上回る各周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域を基準とし、該基準となる周波数帯域以外の各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の振動センサの脱落検知方法。
(5) 被測定物に取り付けられて前記被測定物の振動を測定する振動センサと、前記振動センサにより測定された振動データに基づいて前記被測定物の異常の有無を診断する制御装置と、を備える異常診断装置であって、
前記制御装置は、前記振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割し、前記分割された各周波数帯域の振動値を算出し、基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出することを特徴とする異常診断装置。
(6) 前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
前記基準振動値は、正常に取り付けられた前記振動センサにより測定された振動データに基づいて算出された前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値、又は直近の一定期間における前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値の平均値であることを特徴とする(5)に記載の異常診断装置。
(7) 前記被測定物は、主軸を備える風力発電装置であって、
前記主軸の回転速度を測定する回転速度センサと、
前記風力発電装置の発電量を測定する発電量測定装置と、
をさらに備え、
前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
前記基準振動値は、前記回転速度または、前記発電量が略同一の他の風力発電装置の振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割して各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値であることを特徴とする(5)または(6)に記載の異常診断装置。
(8) 前記基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化が、閾値を上回る各周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域を基準とし、該基準となる周波数帯域以外の各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出することを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の異常診断装置。
本発明の振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置によれば、振動センサと制御装置とを備え、前記振動センサにより測定された振動データを周波数分析する工程と、周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割する工程と、分割された各周波数帯域の振動値を算出する工程と、基準振動値に対する各周波数帯域の振動値の変化に基づいて、振動センサの被測定物からの外れの有無を検出する工程と、を備えるので、振動センサの脱落により減衰を開始する周波数が異なる場合においても、被測定物からの振動センサの脱落や振動センサの断線を確実に検出することができる。
本発明に係る振動センサの脱落検知方法が適用される複数の風力発電装置の概略構成図である。 風力発電装置の振動センサの脱落検知を行う制御系のブロック図である。 本発明に係る振動センサの脱落検知方法を説明するフローチャートである。 正常に取り付けられた振動センサの測定データを周波数分析した周波数スペクトル図である。 脱落した振動センサの測定データを周波数分析した周波数スペクトル図である。
以下、本発明に係る振動センサの脱落検知などの異常を診断可能な異常診断装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、被測定物として、例えば、転がり軸受を含む風力発電装置を例にとって説明するが、風力発電装置に限定されず、それ以外の機械装置であっても同様に振動センサの脱落を検知することができる。
図1は、本発明に係る振動センサの脱落検知方法が適用された異常診断装置を備える風力発電装置の概略構成図である。図1に示すように、風力発電装置10(10A,10B,10C)は、地上に立設されたタワー11と、タワー11の上端に支持されたナセル12と、ナセル12の端部に設けられたブレード13とを備えている。
ナセル12には、ドライブトレイン部21が格納されている。ドライブトレイン部21は、主軸22と、増速機23と、発電機24と、転がり軸受25とを備えている。主軸22は、増速機23を介して発電機24に接続されている。主軸22は、転がり軸受25によってナセル12内に回転可能に支持されている。この主軸22を支持する転がり軸受25には、振動センサ27が設けられて転がり軸受25の振動を測定する。また、主軸22には、回転速度を検出する回転速度センサ29が配設され、発電機24には、発電量を測定する発電量測定装置28が配設されている。
ブレード13は、ハブ31と、複数の羽根32とを有している。羽根32は、ハブ31から放射状に延在されている。ブレード13は、ドライブトレイン部21の主軸22の端部に設けられている。
なお、風力発電装置10A,10B,10Cは、増速機23や発電機24の回転軸も転がり軸受(図示略)によって支持されている。また、ドライブトレイン部21には、主軸22の回転を必要に応じて停止させるブレーキ装置(図示略)が設けられている。
上記構造の風力発電装置10A,10B,10Cは、ブレード13の羽根32が風を受けることで主軸22が回転される。すると、その主軸22の回転が増速機23によって増速されて発電機24に伝達され、発電機24によって発電される。
図2は、風力発電装置の振動センサの脱落検知を行う制御系を説明するブロック図である。
図2に示すように、転がり軸受25は、主軸22に外嵌されて回転する内輪41と、ハウジング等に内嵌される外輪42と、内輪41と外輪42との間で転動可能に配置された複数の転動体43と、転動体43を転動自在に保持する不図示の保持器と、を有する。本実施形態では、主軸22を支持する転がり軸受25として、例えば、球面ころ軸受が用いられている。
振動センサ27は、転がり軸受25の固定輪である外輪42のハウジング負荷圏に固定される。振動センサ27としては、加速度センサの他、例えば、AE(Acoustic Emission)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサ等が使用可能であり、また、加速度、速度、歪み、応力、変位等を検出することで、等価的に音や振動を検出して電気信号に変換することができるものも適宜使用することができる。
振動センサ27は、データ伝送手段51を介して制御装置50に接続されており、転がり軸受25の振動を検出し、その振動情報を電気信号として制御装置50に送信する。制御装置50は、周波数分析部52と診断部53と記憶部55とを有している。
周波数分析部52は、振動センサ27から送信される振動情報に基づいて転がり軸受25の振動の周波数分析を行い、診断部53は、転がり軸受25の各構成要素の異常の有無を診断する。また、本実施形態では、周波数分析部52は、得られた周波数スペクトルを複数に分割して、各周波数帯域の振動値としてのパーシャルオーバーオール値を算出する。診断部53は、算出されたパーシャルオーバーオール値に基づいて振動センサ27の外れの有無を検出する。診断部53には、記憶部55が接続されており、振動センサ27が正常に取り付けられている際に検出された振動情報、又は、該振動情報が周波数分析された周波数スペクトル、或いは、周波数スペクトルを分割した各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値(基準振動値)を記憶する。さらに、診断部53には、モニタや警報機等からなる出力装置54が接続されている。なお、振動センサ27及び制御装置50は、異常診断装置を構成する。
振動センサ27には、その出力信号を増幅して出力する増幅器が内蔵されている。なお、センサ出力を増幅する増幅手段は、振動センサ27と制御装置50を構成するマイクロコンピュータとの間に接続したり、マイクロコンピュータ側に内蔵する構成としても良い。但し、増幅器を振動センサ27に内蔵させた構成の場合は、振動センサ27の出力信号が強いため、振動センサ27とマイクロコンピュータとの間の信号伝達経路等で加わるノイズの影響を抑えることができ、ノイズによる処理精度の低下を抑制して、異常診断の信頼性を向上させることができる。
次に、上記同仕様の風力発電装置10A,10B,10Cからの振動センサ27の外れを検知する振動センサの脱落検知方法について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
振動センサ27の固定方法には、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着の併用、及び樹脂材による埋め込み、磁石を用いた設置等があるが、風力発電装置10のメンテナンス作業の際などに、誤って振動センサ27に衝撃を与えると、振動センサ27が転がり軸受25から外れる、或いは外れかける虞がある。
転がり軸受25への固定が不確実な、或いは外れた状態の振動センサ27により測定された振動データは、誤った振動データである可能性が高く、該振動データに基づいて異常診断すると誤った診断結果に繋がる虞が強い。
即ち、振動センサ27が被測定物である風力発電装置10から外れると、振動センサ27は風力発電装置10と一体となって振動することができなくなる。その結果、振動センサ27は、高周波数成分の振動をほとんど測定することができず、高周波数成分は低周波数成分に比べて測定データから欠落する程度が大きくなる。特に、風力発電装置10の異常診断には、精密な診断が要求されるため、振動センサ27が確実に転がり軸受25に固定されていることが要求される。
本実施形態に係る振動センサの脱落検知方法は、図3に示すように、診断対象の振動センサ27により振動データを測定し、測定された振動データをデータ伝送手段51を介して制御装置50に送信する(ステップS1)。そして、周波数分析部52が、測定された各振動データの周波数分析を行う(ステップS2)。
周波数分析部52は、得られた各周波数スペクトルを少なくとも3つ以上、好ましくは5〜10程度の周波数帯域に分割する(ステップS3)。なお、図4は、基準となる正常取付けの振動センサ27による測定データを周波数分析した周波数スペクトル図であり、図5は、診断対象である脱落した振動センサ27による測定データを周波数分析した周波数スペクトル図であり、図4及び図5には、周波数スペクトルを1kHzの周波数ごとに10個の周波数帯域に分割した例を示している。
そして、基準となる(正常)周波数スペクトル(図4)を複数に分割した各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POA1を記憶部55から呼び出して、基準パーシャルオーバーオール値POA11〜POA1nとする(ステップS4)。ここで、パーシャルオーバーオール値POAとは、特定の周波数帯での各周波数における振幅を合計した値である。
次いで、診断対象の振動センサ27(脱落振動センサ27)の周波数スペクトル(図5参照)を複数に分割した各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POA2を算出して、診断パーシャルオーバーオール値POA21〜POA2nとする(ステップS5)。
そして、各周波数帯域における、基準パーシャルオーバーオール値POA1に対する診断パーシャルオーバーオール値POA2の減少率R(R=1−POA2n/POA1n)を算出する(ステップS6)。
さらに、1kHz以上の周波数帯域において、基準パーシャルオーバーオール値POA1に対する診断パーシャルオーバーオール値POA2の減少率Rが、予め設定した第1閾値X1(例えば、1に近い0.9程度)以上の周波数帯域が1つでもあるか否かを判別する(ステップS7)。減少率Rが第1閾値X1以上の周波数帯域が1つでもある場合は(yes)、振動センサ27が外れていると判断され(ステップS8)、減少率Rが第1閾値X1以上の周波数帯域がない場合は(no)、振動センサ27の外れはなく、正常取り付けと判断される(ステップS9)。これにより、転がり軸受25からの振動センサ27の外れの有無を診断する。
なお、各周波数帯域の基準パーシャルオーバーオール値POA1(POA11〜POA1n)は、正常に取り付けられた振動センサ27により測定された振動データに基づく、各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POAとして説明したが、直近の一定期間で測定された振動データのパーシャルオーバーオール値POAの平均値であってもよい。また、振動値は、パーシャルオーバーオール値POAに替えて、分割した各周波数帯域のピーク値を用いることもできる。
振動センサ27が測定対象物である風力発電装置10から外れた場合、高周波帯域の振動が減衰するが、振動センサ27の外れ方によって減衰を開始する周波数が大きく異なる。しかし、本発明の振動センサの脱落検知方法によれば、減衰を開始する周波数が異なる場合においても正確に振動センサ27の外れを検出できる。
また、図1に示すように、複数の風力発電装置10A,10B,10Cが設置された風力発電ファームなどにおいては、風力発電装置10A,10B,10Cのいずれかの振動センサ27の外れの有無を検出するようにしてもよい。
この場合、例えば、検出対象を風力発電装置10Aの振動センサ27とする。また、基準パーシャルオーバーオール値POA1として、回転速度センサ29で測定された回転速度または、発電量測定装置28で測定された発電量が略同一の、複数(少なくとも2台)の他の風力発電装置10B,10Cの振動データを周波数分析した周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割し、各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POAの平均値を用いる。この基準パーシャルオーバーオール値POA1を、検出対象である風力発電装置10Aの各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POA2と比較することで、振動センサ27の風力発電装置10Aからの外れの有無を検出することができる。この検出方法によれば、振動センサ27が設置時点から外れていた場合であっても検出することができる。
なお、基準パーシャルオーバーオール値POA1を算出する風力発電装置10の台数は、2台に限定されず、なるべく多くの風力発電装置10の振動データを用いることで精度が向上するので望ましい。
以上説明したように、本実施形態の振動センサの脱落検知方法及び異常診断装置によれば、振動センサ27と制御装置50とを備え、振動センサ27により測定された振動データを周波数分析する工程と、周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割する工程と、分割された各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POAを算出する工程と、基準パーシャルオーバーオール値POA1に対する各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POA2の変化に基づいて、振動センサ27の風力発電装置10からの外れの有無を検出する工程と、を備えるので、振動センサ27の脱落により減衰を開始する接触共振周波数が異なる場合においても、風力発電装置10からの振動センサ27の脱落を確実に検出することができる。
また、基準パーシャルオーバーオール値POA1は、正常に取り付けられた振動センサ27により測定された振動データに基づいて算出された各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POA、又は直近の一定期間におけるパーシャルオーバーオール値POAの平均値であるので、振動センサ27の脱落を確実に検出することができる。
また、被測定物は、主軸22を備える風力発電装置10Aであって、主軸22の回転速度を測定する回転速度センサ29と、風力発電装置10の発電量を測定する発電量測定装置28と、をさらに備え、基準パーシャルオーバーオール値POA1は、回転速度または、発電量が同一の他の風力発電装置10B,10Cの振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割して各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値POAであるので、振動センサ27の設置時点からの振動センサ27の外れも検出することができる。
なお、本実施形態の変形例として、ステップS7〜S9における転がり軸受25からの振動センサ27の外れの有無の診断は、以下の手法であってもよく、また、上述した手法と以下の手法の中から複数組み合わせて適用してもよい。
(他の診断手法1)
減少率Rが第2閾値X2(例えば、0.5程度)を上回る周波数帯域の内、最も低い周波数帯域を基準周波数帯域とし、基準周波数帯域より低い周波数帯域の減少率Rの平均値M1と、基準周波数帯域より高い周波数帯域の減少率Rの平均値M2とを比較して、基準周波数帯域より高い周波数帯域の減少率Rの平均値M2が、基準周波数帯域より低い周波数帯域の減少率Rの平均値M1より大きい(M2>M1)か否かを判別する(ステップS7)。減少率Rの平均値M2が平均値M1より大きい場合は(yes)、振動センサ27が外れていると判断され(ステップS8)、減少率Rの平均値M2が平均値M1より小さいか、同じ場合は(no)、振動センサ27の外れはなく、正常取り付けと判断される(ステップS9)。
(他の診断手法2)
減少率Rが第2閾値X2(例えば、0.5程度)を上回る周波数帯域の内、最も低い周波数帯域を基準周波数帯域とし、基準周波数帯域より低い周波数帯域で第2閾値X2を上回る周波数帯域数の割合R1と、基準周波数帯域より高い周波数帯域で第2閾値X2を上回る周波数帯域数の割合R2とを比較して、周波数帯域数の割合R2が、周波数帯域数の割合R1より大きい(R2>R1)か否かを判別する(ステップS7)。周波数帯域数の割合R2が、周波数帯域数の割合R1より大きい場合は(yes)、振動センサ27が外れていると判断され(ステップS8)、周波数帯域数の割合R2が割合R1より小さいか、同じ場合は(no)、振動センサ27の外れはなく、正常取り付けと判断される(ステップS9)。
(他の診断手法3)
複数に分割した各周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域の減少率Rが第2閾値X2(例えば、0.5程度)以上のとき、それより高い周波数帯域における減少率Rが第2閾値X2を上回る周波数帯域数の割合R3を算出し、予め設定された第3閾値X3(例えば、0.5程度)以上か否かを判別する(ステップS16)。周波数帯域数の割合R3が、第3閾値X3以上の場合は(yes)、振動センサ27が外れている、或いは振動センサ27の断線と判断され(ステップS17)、周波数帯域数の割合R3が第3閾値X3より小さい場合は(no)、振動センサ27の外れや断線はなく、正常と判断される(ステップS18)。
ここで、減衰を開始する周波数帯域(接触共振周波数)以上の周波数帯域では、接触共振周波数帯域における振動値の減少以上の減少率が確認され、接触共振周波数帯域以下の周波数帯域では、減少率がかなり小さいことが確認されている。一方、ギアの振動や、電動機(発電機)の電磁振動などは、機械の運転条件が同一であっても変動が大きい。これらの変動による一部帯域の振動値(パーシャルオーバーオール値POA)が減少することで、振動センサ27の外れと誤検知してしまう虞がある。このため、他の診断手法1〜3では、接触共振周波数帯域に相当する、減少率Rが第2閾値X2を上回る周波数帯域の内、最も低い周波数帯域を特定した上で、この周波数帯域を基準にして残りの周波数帯域を利用して、振動値が振動センサ27の外れによるものか、外乱によるものかを判断することで、上記外乱の影響による誤診断、誤検出を防止することができ、正確な異常検出が可能となる。
したがって、他の診断手法1〜3によれば、まず、基準振動値に対する各周波数帯域の振動値の変化が、第2閾値X2を上回る各周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域を基準とする。そして、該基準となる周波数帯域以外の各周波数帯域の振動値の基準振動値に対する変化に基づいて、振動センサ27の被測定物からの外れの有無を検出する。これにより、外乱による誤診断、誤検出を防止することができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10,10A, 風力発電装置(被測定物)
10B,10C 他の風力発電装置
22 主軸
27 振動センサ
28 発電量測定装置
29 回転速度センサ
50 制御装置
POA パーシャルオーバーオール値
POA1(POA11〜POA1n) 基準パーシャルオーバーオール値
POA2(POA21〜POA2n) 診断パーシャルオーバーオール値(各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値)

Claims (8)

  1. 被測定物に取り付けられて前記被測定物の振動を測定する振動センサと、前記振動センサにより測定された振動データに基づいて前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を判定する、振動センサの脱落検知方法であって、
    前記振動センサにより測定された前記振動データを周波数分析する工程と、
    前記周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割する工程と、
    前記分割された各周波数帯域の振動値を算出する工程と、
    基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出する工程と、
    を備えることを特徴とする振動センサの脱落検知方法。
  2. 前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
    前記基準振動値は、正常に取り付けられた前記振動センサにより測定された振動データに基づいて算出された前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値、又は直近の一定期間における前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値の平均値であることを特徴とする請求項1に記載の振動センサの脱落検知方法。
  3. 前記被測定物は、主軸を備える風力発電装置であって、
    前記主軸の回転速度を測定する回転速度センサと、
    前記風力発電装置の発電量を測定する発電量測定装置と、
    をさらに備え、
    前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
    前記基準振動値は、前記回転速度または、前記発電量が略同一の他の風力発電装置の振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割して各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値であることを特徴とする請求項1または2に記載の振動センサの脱落検知方法。
  4. 前記基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化が、閾値を上回る各周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域を基準とし、該基準となる周波数帯域以外の各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動センサの脱落検知方法。
  5. 被測定物に取り付けられて前記被測定物の振動を測定する振動センサと、前記振動センサにより測定された振動データに基づいて前記被測定物の異常の有無を診断する制御装置と、を備える異常診断装置であって、
    前記制御装置は、前記振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割し、前記分割された各周波数帯域の振動値を算出し、基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出することを特徴とする異常診断装置。
  6. 前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
    前記基準振動値は、正常に取り付けられた前記振動センサにより測定された振動データに基づいて算出された前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値、又は直近の一定期間における前記各周波数帯域の前記パーシャルオーバーオール値の平均値であることを特徴とする請求項5に記載の異常診断装置。
  7. 前記被測定物は、主軸を備える風力発電装置であって、
    前記主軸の回転速度を測定する回転速度センサと、
    前記風力発電装置の発電量を測定する発電量測定装置と、
    をさらに備え、
    前記振動値は、パーシャルオーバーオール値であり、
    前記基準振動値は、前記回転速度または、前記発電量が略同一の他の風力発電装置の振動データを周波数分析して得られた周波数スペクトルを少なくとも3つの周波数帯域に分割して各周波数帯域のパーシャルオーバーオール値であることを特徴とする請求項5または6に記載の異常診断装置。
  8. 前記基準振動値に対する前記各周波数帯域の前記振動値の変化が、閾値を上回る各周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域を基準とし、該基準となる周波数帯域以外の各周波数帯域の前記振動値の変化に基づいて、前記振動センサの前記被測定物からの外れの有無を検出することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の異常診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113049089A (zh) * 2021-02-05 2021-06-29 北京工业大学 振动传感器的状态监测方法、装置及系统
WO2023037453A1 (ja) * 2021-09-08 2023-03-16 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 ウェイストゲートバルブの音質評価方法、及び音質評価装置

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