JP4929810B2 - 異常診断装置及び異常診断方法 - Google Patents

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本発明は、機械設備、例えば、減速機や電動機あるいは風車や鉄道車両等に用いられる回転部品の異常診断装置及び異常診断方法に関し、特に、該部品の異常の有無や前兆、或いはその異常部位を特定する異常診断装置及び異常診断方法に関する。
モータ等の回転装置の軸受部に対する異常診断方法としては、既に様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。最も一般的なものとしては、特許文献1に記載されるように、軸受部に加速度計を設置し、該軸受部の振動加速度を計測し、更に、この信号にFFT(高速フーリエ変換)処理を行って振動発生周波数成分の信号を抽出して診断を行う方法が知られている。
特開2002−22617号公報
しかしながら、上述の異常診断方法では、微小な異常による振動ピークを分析するにあたりウェーブレット分析などの複雑な処理を必要としている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な処理で診断精度をできるだけ確保しつつ、微小な異常の有無や異常の部位を特定することができる異常診断装置及び異常診断方法を提供することにある。
本発明の目的は、下記の構成により達成される。
(1) 機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出する検出部と、物理量に基づく信号を処理して回転部品の異常の有無を判定する信号処理部と、前記検出部にて検出される物理量にインパルス加振によってスパイクノイズを機械的に付与するインパルス加振部と、を備える異常診断装置であって、
物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
信号処理部は、スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均を行い、予め設定された基準値と比較することにより異常判定することを特徴とする異常診断装置。
(2) 機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出する検出部と、物理量に基づく信号を処理して回転部品の異常の有無を判定する信号処理部と、前記検出部にて検出される物理量にインパルス加振によってスパイクノイズを機械的に付与するインパルス加振部と、を備える異常診断装置であって、
物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
信号処理部は、スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均、フィルタ処理、エンベロープ分析、周波数分析を行い、周波数分析後の実測スペクトルデータの周波数成分と回転部品に起因した周波数成分とを比較照合し、その照合結果に基づき部品の異常の有無及び異常部位を判定することを特徴とする異常診断装置。
(3) 信号処理部による処理、及び判定結果を制御部に出力する処理を行なうマイクロコンピュータを具備したことを特徴とする(1)または(2)に記載の異常診断装置。
(4) 機械設備は鉄道車両用軸受装置であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の異常診断装置。
(5) 機械設備は風車用軸受装置であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の異常診断装置。
(6) 機械設備は工作機械主軸用軸受装置であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の異常診断装置。
(7) 請求項1に記載の異常診断装置を用いて、機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出し、物理量に基づく信号を処理して回転部品の異常の有無を判定する異常診断方法であって、
物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均を行い、予め設定された基準値と比較することにより異常判定することを特徴とする異常診断方法。
(8) 請求項2に記載の異常診断装置を用いて、機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出し、物理量に基づく信号を処理して回転部品の異常の有無を判定する異常診断方法であって、
物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均、フィルタ処理、エンベロープ分析、周波数分析を行い、周波数分析後の実測スペクトルデータの周波数成分と回転部品に起因した周波数成分とを比較照合し、その照合結果に基づき部品の異常の有無及び異常部位を判定することを特徴とする異常診断方法。
本発明の異常診断装置及び異常診断方法によれば、物理量に基づく信号には、時間的にランダムなスパイクノイズが付与されるので、このスパイクノイズをこの物理量に基づく信号に合成させることができる。このため、微小な異常で発生する小さな信号であっても、簡易的に信号を増幅することができる。これにより、ノイズレベルも増幅されるが、スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均を行うことで、ノイズレベルの増幅を低減することができる。従って、このノイズレベルの増幅が低減された信号について、予め設定された基準値と比較することで、簡単な構成で、診断精度をできるだけ確保した異常判定を行うことができる。
また、本発明の異常診断装置及び異常診断方法によれば、上記と同様、同期加算平均を行うことでノイズレベルの増幅が低減された信号に対して、適切なフィルタ処理を施し、エンベロープ分析、周波数分析を行い、周波数分析後の実測スペクトルデータの周波数成分と回転部品に起因した周波数成分とを比較照合し、その照合結果に基づき部品の異常の有無及び異常部位を判定するので、簡単な構成で、診断精度をできるだけ確保しつつ、異常の有無や異常の部位を特定することができる。
さらに、インパルス加振して発生させたスパイクノイズは広い範囲の周波数域を有するため、全体的に周波数レベルが大きくなるが、特に固有振度数近辺での共振域ではその傾向が大きくなるので、上記フィルタ処理により回転部品の固有振動数近辺での周波数帯域を抽出することで、より高精度な診断が可能となる。
以下、本発明の各実施形態に係る異常診断装置及び異常診断方法について図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1に示されるように、第1実施形態の異常診断装置は、機械設備10から発生する信号を検出する検出部20と、機械設備10に時間的にランダムなスパイクノイズを付与するインパルス加振部26と、検出部20の出力した電気信号から機械設備10の異常等の状態を判定するための信号処理部32及び機械設備10を駆動制御する制御部34とを備えた制御器30と、モニタや警報機等の出力装置40とを備える。
機械設備10には、回転部品である転がり軸受12が設けられており、転がり軸受12は、回転軸(図示せず)に外嵌される回転輪である内輪14と、ハウジング(図示せず)に内嵌される固定輪である外輪16と、内輪14及び外輪16との間に配置された複数の転動体である玉18と、玉18を転動自在に保持する保持器(図示せず)とを備える。
検出部20は、運転中に転がり軸受12から発生する振動を検出するための加速度センサ22を備える。加速度センサ22は、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着、或いはモールド材による埋め込み等によってハウジングの外輪近傍に固定されている。なお、ボルト固定の場合には、回り止め機能を備えるようにしてもよい。また、センサ22をモールドする場合には、防水性が図られると共に、外部からの加振に対する防振性が向上するため、センサ22自体の信頼性を飛躍的に向上することができる。
加えて、振動を検出するセンサとして、加速度センサ22を示したが、ほかにも、AE(acoustic emission)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサ、マイクロホン等や、或いは、速度、加速度、歪み、応力、変位型等、転がり軸受12の振動に起因して発生する物理量を電気信号化できるものであればよい。また、ノイズが多いような機械装置に取り付ける際には、絶縁型を使用する方がノイズの影響を受けることが少ないので好ましい。さらに、圧電素子等の振動検出素子を使用する場合には、この素子をプラスチック等にモールドして構成してもよい。
また、インパルス加振部26は、上記物理量にインパルス加振によってスパイクノイズを機械的に付与しており、検出部20によって検出される信号は、運転中に転がり軸受12から発生する振動を簡易的に増幅させたものとなる。なお、本実施形態のように直接機械設備10を加振することができればよいが、信号増幅を考慮すれば検出部20から信号処理部32への伝達過程において、瞬間的にゲインを上げる等、電気的にスパイクノイズを与えるようにしてもよい。
信号処理部32及び制御部34を備える制御器30は、マイクロコンピュータ(ICチップ,専用マイクロチップ,CPU,MPU,DSP等)によって構成されており、データ伝送手段24を介してセンサ22からの電気信号を受け取る。
信号処理部32は、図2に示されるように、データ蓄積分配部50、回転分析部52、同期加算平均処理部54、フィルタ処理部56、振動分析部58、比較判定部60、及び内部メモリ62を備える。データ蓄積分配部50は、センサ22からの電気信号及び回転速度に関する電気信号を受け取り一時的に蓄積すると共に、信号の種類に応じて各分析部52,58の何れかに信号を振り分ける収集および分配機能を有している。各種信号は、データ蓄積分配部50に送られる以前に、図示しないA/Dコンバータによりデジタル信号にA/D変換され、データ蓄積分配部50に送られる。
回転分析部52は、回転速度を検出するセンサ(図示せず)からの出力信号を基に、内輪14、即ち回転軸の回転速度を算出し、算出した回転速度を比較判定部60に送信する。なお、上記検出素子が、内輪14に取り付けられたエンコーダと外輪16に取り付けられた磁石及び磁気検出素子で構成されている場合には、検出素子が出力する信号は、エンコーダの形状と回転速度に応じたパルス信号となる。回転分析部52は、エンコーダの形状に応じた所定の変換関数又は変換テーブルを有しており、関数またはテーブルに従って、パルス信号から内輪14及び回転軸の回転速度を算出する。
同期加算平均処理部54は、複数の振動時間データの加算平均を算出する同期加算平均を行い、欠陥または異常を示す信号と共に増幅されたノイズレベルを低減させる。
フィルタ処理部56は、回転部品である転がり軸受12の固有振動数に基づいて、同期加算平均された信号からその固有振動数近辺での所定の周波数帯域のみを抽出し、不要な周波数帯域を除去する。この固有振動数は、回転部品を被測定物として、打撃法により加振し、被測定物に取り付けた振動検出器又は打撃により発生した音響を周波数分析することにより容易に求めることができる。なお、被測定物が軸受の場合には、内輪、外輪、転動体、保持器等のいずれかに起因する固有振動数が与えられる。一般的に、機械部品の固有振動数は複数存在し、また固有振動数での振幅レベルは高くなるため測定の感度がよい。
インパルス加振して発生させたスパイクノイズは広い範囲の周波数域を有するため、全体的に周波数レベルが大きくなるが、特に固有振度数近辺での共振域ではその傾向が大きくなるので、フィルタ処理部56により回転部品の固有振動数近辺での周波数帯域を抽出することで、より高精度な診断が可能となる。
振動分析部58は、センサ22からの出力信号を基に、絶対値処理やエンベロープ処理を行った後、軸受12に発生している振動の周波数分析を行う。具体的に、振動分析部58は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT計算部を備え、FFTのアルゴリズムに基づいて、振動の周波数スペクトルを算出する。算出された周波数スペクトルは、比較判定部60に送信される。
比較判定部60は、転がり軸受12に起因した周波数成分と振動分析部58による実測スペクトルデータの周波数成分とを比較照合する。本実施形態では、比較判定部60は、実測スペクトルデータから基準値(例えば、音圧レベル或いは電圧レベル)を算出する一方、図4に示す関係式を用いて転がり軸受の傷に起因する周波数(振動発生周波数)を計算し、診断用スペクトルデータから振動発生周波数での音圧レベル(又は電圧レベル)を抽出して、基準値と比較している。さらに、比較判定部60は、判定結果に基づき、異常の有無及び異常部位の特定を行う。
なお、振動発生周波数の演算は、これより前に行ってもよく、以前に同様の診断を行っている場合には、内部メモリ62に記憶し、そのデータを用いてもよい。また、算出に用いる各回転部品の設計諸元データは事前に入力記憶させておく。
そして、比較判定部60での判定結果は、メモリやHDD等の内部メモリ62に保存されても良いし、データ伝送手段42を介して出力装置40へ伝送されてもよい。また、この判定結果を、機械設備10の駆動機構の動作を制御する制御部34へ出力し、この判定結果に応じた制御信号をフィードバックするようにしてもよい。
また、出力装置40は、判定結果をモニタ等にリアルタイムに表示してもよいし、異常が検出された場合にはライトやブザー等の警報機を使って異常の通知を行なってもよい。なお、データ伝送手段24,42は、的確に信号を送受信可能であれば良く、有線でも良いし、ネットワークを考慮した無線を利用しても良い。
なお、同期加算平均処理部54とフィルタ処理部56は順序が逆であってもよく、同期加算平均処理は、時間データではなく、周波数データについて行われてもよい。
次に、図3を参照して、振動信号を基にした異常診断の処理フローの具体例について説明する。
まず、センサ22は各回転部品の振動をインパルス加振部26にてランダムなスパイクノイズが付与された状態で検出する(ステップS101)。検出された振動信号は、A/D変換器によりデジタル信号に変換され(ステップS102)、蓄積された複数の振動信号の時間データに対して同期加算平均処理後(ステップS103)、フィルタ処理部54により所定の周波数帯域のみを抽出するフィルタ処理が行われる(ステップS104)。
その後、振動分析部56では、フィルタ処理後のデジタル信号に対してエンベロープ処理を施し(ステップS105)、エンベロープ処理後のデジタル信号の周波数スペクトルを求める(ステップS106)。
次に、図4に示す関係式から、回転速度信号に基づき各回転部品の異常に起因して発生する振動発生周波数を求め(ステップS107)、求めた周波数に対して各回転部品の異常周波数帯域の音圧レベル(転がり軸受12の場合には、軸受傷成分Sx、即ち、内輪傷成分Si、外輪傷成分So、転動体傷成分Sb及び保持器成分Sc)を求める(ステップS108)。
一方、診断用スペクトル算出部で得られた診断用スペクトルデータから異常診断に用いられる基準値(例えば、音圧レベル或いは電圧レベル)を算出する(ステップS109)。ここで、この基準値は、任意の時間におけるスペクトル曲線のデジタル信号の実効値、クレストファクタ(ピーク値/実効値)、クルトシス、ピーク値、またこれらの値を基に算出したものであってもよい。
次いで、ステップS108で算出された各回転部品の異常周波数帯域の音圧レベル(又は電圧レベル)とステップS109で計算された基準値との比較を設計諸元の異なる回転部品毎に分けて順番に行う(ステップS110)。全ての成分が一致しない時は回転部品に異常なしとして判断する(ステップS111)。一方、いずれかの成分が一致する場合には、異常有りと判断してその異常部位を特定する(ステップS112)と共に、その照合結果を制御部34や、モニタや警報機等の出力装置40に出力する(ステップS113)。
このように本実施形態の機械装置の異常診断装置及び異常診断方法では、物理量に基づく信号には、時間的にランダムなスパイクノイズが付与されるので、このスパイクノイズをこの物理量に基づく信号に合成させることができる。このため、微小な異常で発生する小さな信号であっても、簡易的に信号を増幅することができる。これにより、ノイズレベルも増幅されるが、スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均を行うことで、ノイズレベルの増幅を低減することができる。
従って、このノイズレベルの増幅が低減された信号に対して、適切なフィルタ処理を施し、エンベロープ分析、周波数分析を行い、周波数分析後の実測スペクトルデータの周波数成分と回転部品に起因した周波数成分とを比較照合し、その照合結果に基づき部品の異常の有無及び異常部位を判定するので、簡単な構成で、診断精度をできるだけ確保しつつ、異常の有無や異常の部位を特定することができる。
さらに、インパルス加振して発生させたスパイクノイズは広い範囲の周波数域を有するため、全体的に周波数レベルが大きくなるが、特に固有振度数近辺での共振域ではその傾向が大きくなるので、上記フィルタ処理により回転部品の固有振動数近辺での周波数帯域を抽出することで、より高精度な診断が可能となる。
また、本実施形態の機械装置の異常診断装置及び異常診断方法によれば、信号処理部をマイクロコンピュータで構成するようにしたので、信号処理部がユニット化され、異常診断装置の小型化やモジュール化を図ることができる。
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る異常診断装置及び異常診断方法について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
本実施形態は、複数の転がり軸受12,12を備えた機械設備70の異常診断装置において、センサ22を含んだ検出部とマイクロコンピュータ50からなる信号処理部とを組み合わせた、単一の処理ユニット80を転がり軸受12の軸受装置内に組み込んでいる。これにより、異常診断装置は管理を集中して行えるため、効率的な監視が可能である。また、単一の処理ユニットを軸受装置内に組み込むことで、装置全体がコンパクトになるといったメリットがあり好ましい。なお、この単一の処理ユニットは、機械設備内に組み込んでコンパクト化を図っても良く、また、複数の転がり軸受に対して単一の処理ユニットを構成するようにしても良い。
その他の構成および作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本実施形態では、同期加算平均を行ってノイズレベルの増幅が低減された信号に対して、フィルタ処理、エンベロープ分析、周波数分析、比較照合を行って、回転部品の異常の有無及び異常部位を判定しているが、後述の図6に示す実施例のように、上記ノイズレベルの増幅が低減された信号(例えば、時間データ)に対して、予め設定された基準値と比較することで、回転部品の異常判定を行うようにしてもよい。
本発明の機械設備は、異常診断対象である回転部品を備えたものであればよく、鉄道車両用軸受装置、風車用軸受装置、工作機械主軸用軸受装置等を含む。特に、本発明の異常診断装置を鉄道車両用軸受装置に適用することで、速度が変化したり、カーブ走行等で正常時でも振動加速度が変化する条件で使用される場合にも正確な異常診断を行うことができる。また、本発明の異常診断装置を風車用軸受装置に適用することで、風向きや風の強さ、さらには外部温度が変化する条件下で長期に亘り使用される場合でも信頼性を確保した異常診断を提供でき、加えて、本発明の異常診断装置を工作機械主軸用軸受装置に適用することで、高速、高精度での回転条件下での正確な異常診断を提供できる。
また、回転部品としては、転がり軸受、歯車、車輪、ボールねじ等であってもよく、損傷によって周期的な振動を発生する部品であれば良い。
以下、本発明の異常診断装置及び異常診断方法を用いた具体例について示す。
図6は、外輪軌道面に欠陥をつけた複列円すいころ軸受(内径120mm,外径220mm、幅155mm)の内輪が180min-1で回転中の振動データに時間的にランダムなスパイクノイズを付加した時間波形であり、図7は、スパイクノイズを付加していない時間波形である。ともに、同期加算平均しているため、ランダムなスパイクノイズによるノイズの影響よりも振動ピークの増幅効果の方が大きいことがわかり、予め設定した基準値(フルスケールの±60%)を上回るピークを確認できる。この時間間隔(周期)は、外輪傷成分と一致していることも確認できる。
図8及び図9は、これらの振動時間データをエンベロープ処理後に周波数分析したスペクトル波形を表示したものであり、図8は本発明を適用した図6の時間データを利用したもの、図9は本手法を適用しない図7の時間データを利用したものである。ここで、実線は実測した振動データに基づくエンベロープ周波数スペクトル、点線は基準値(実効値の2倍)、一点鎖線は回転速度180min-1に基づく外輪損傷に起因した周波数成分を示している。
これらにより、本手法を適用した場合では、基準値を越えるピークが外輪損傷に起因した周波数成分と高調波成分まで一致していることがはっきりとわかり、軸受の外輪が損傷していると精度よく診断することができる。
本発明の第1実施形態である異常診断装置の概略図である。 図1の信号処理部のブロック図である。 本発明の第1実施形態である異常診断方法を示すフローチャートである。 軸受の傷の部位と、傷に起因して発生する振動発生周波数の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態である異常診断方装置の概略図である。 本発明が適用される、ランダムなスパイクノイズを付加した時間波形である。 ランダムなスパイクノイズを付加していない時間波形である。 図6の時間波形をエンベロープ処理後周波数分析したスペクトル波形である。 図7の時間波形をエンベロープ処理後周波数分析したスペクトル波形である。
符号の説明
10 機械設備
12 転がり軸受(回転部品)
20 検出部
22 センサ
26 インパルス加振部
30 制御器
32 信号処理部
34 制御部
40 出力装置
50 データ蓄積分配部
52 回転分析部
54 同期加算平均処理部
56 フィルタ処理部
58 振動分析部
60 比較判定部
62 内部メモリ

Claims (8)

  1. 機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出する検出部と、該物理量に基づく信号を処理して前記回転部品の異常の有無を判定する信号処理部と、前記検出部にて検出される物理量にインパルス加振によってスパイクノイズを機械的に付与するインパルス加振部と、を備える異常診断装置であって、
    前記物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
    前記信号処理部は、前記スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均を行い、予め設定された基準値と比較することにより異常判定することを特徴とする異常診断装置。
  2. 機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出する検出部と、該物理量に基づく信号を処理して前記回転部品の異常の有無を判定する信号処理部と、前記検出部にて検出される物理量にインパルス加振によってスパイクノイズを機械的に付与するインパルス加振部と、を備える異常診断装置であって、
    前記物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
    前記信号処理部は、前記スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均、フィルタ処理、エンベロープ分析、周波数分析を行い、前記周波数分析後の実測スペクトルデータの周波数成分と前記回転部品に起因した周波数成分とを比較照合し、その照合結果に基づき前記部品の異常の有無及び異常部位を判定することを特徴とする異常診断装置。
  3. 前記信号処理部による処理、及び前記判定結果を制御部に出力する処理を行なうマイクロコンピュータを具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の異常診断装置。
  4. 前記機械設備は鉄道車両用軸受装置であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の異常診断装置。
  5. 前記機械設備は風車用軸受装置であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の異常診断装置。
  6. 前記機械設備は工作機械主軸用軸受装置であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の異常診断装置。
  7. 請求項1に記載の異常診断装置を用いて、機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出し、該物理量に基づく信号を処理して前記回転部品の異常の有無を判定する異常診断方法であって、
    前記物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
    前記スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均を行い、予め設定された基準値と比較することにより異常判定することを特徴とする異常診断方法。
  8. 請求項2に記載の異常診断装置を用いて、機械設備の回転部品の振動に起因して発生する物理量を検出し、該物理量に基づく信号を処理して前記回転部品の異常の有無を判定する異常診断方法であって、
    前記物理量に基づく信号には、前記インパルス加振によって、ランダムなスパイクノイズが機械的に付与されており、
    前記スパイクノイズが付与された信号に対して同期加算平均、フィルタ処理、エンベロープ分析、周波数分析を行い、前記周波数分析後の実測スペクトルデータの周波数成分と前記回転部品に起因した周波数成分とを比較照合し、その照合結果に基づき前記部品の異常の有無及び異常部位を判定することを特徴とする異常診断方法。
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