JP5146008B2 - 異常診断装置、及び異常診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機械設備で使用される回転部品の異常を診断する異常診断装置、及び異常診断方法に関し、特に、機械設備を分解することなく、異常の有無の診断と、この異常に該当する、回転部の部位の特定とを行う、異常診断装置、及び異常診断方法に関する。
鉄道車両や工作機械、風車等の機械設備には、転がり軸受等の回転部品やボールねじ、リニアガイド等の摺動部品が多く装備されて使用されている。これら回転部品や摺動部品を長時間使用することにより摩耗や損傷が発生すると、その回転部品や摺動部品のスムーズな回転、摺動が阻害され、異常音を発生するだけでなく、寿命の低下を来たして破損に至り、機械設備の故障、事故を招くおそれがある。このため従来は、機械設備を一定期間使用した後に摩耗や損傷等、異常の有無を検査していた。
この検査は、機械設備の回転部品や摺動部品が組み込まれた部位、或いは機械設備全体を分解することにより行われ、回転部品或いは摺動部品に発生した損傷や摩耗は、作業者の目視による検査によって発見される。そして、検査で発見される主な欠陥(異常)としては、軸受の場合、異物の噛み込み等によって生ずる圧痕、転がり疲れによる剥離、その他の摩耗等、歯車の場合には、歯部の欠損や摩耗等、車輪の場合には、フラット等の摩耗があり、いずれの場合も新品にはない凹凸や摩耗等が発見されれば、新品に交換される。即ち、検査の結果、摩耗や損傷等の異常が発見された場合は、当該部品を新品に交換して、機械設備の故障や事故を未然に防止していた。
しかしながら、機械設備の一部、又は全体を分解し、作業者の目視によって行う検査方法では、機械設備から回転部品や摺動部品を取り外す作業と、検査が終了した回転部品や摺動部品を再び機械設備に組み込む作業に多大な労力がかかり、機械設備の保守コストが嵩むという問題があった。
また、組立て直す際に検査前にはなかった打痕を回転体や摺動部材につけてしまう等、検査自体が回転体や摺動部材の欠陥を生む原因となる可龍性があった。また、限られた時間内で多数の軸受を目視で検査するため、欠陥を見落とす可能性が残るという問題もあった。さらに、この欠陥の程度の判断も個人差があり実質的には欠陥がなくても部品交換が行なわれるため、無駄なコストがかかることにもなる。
このような問題を解決するために、従来、機械設備の実稼動状態で回転部品や摺動部品の異常診断を行う異常診断装置、又は異常診断方法が種々提案されている。
例えば、加速度センサにより測定した転がり軸受の振動加速度信号にFFT(高速フーリエ変換)処理を行って振動発生周波数成分の信号を抽出し、軸受の形式及び使用年数に基づいて予め設定したしきい値と比較することで、異常の有無を診断する異常診断装置があった(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−22617号公報 特許第3846560号公報
しかしながら、このような従来の異常診断装置においては、しきい値が一意、即ち所定の一定値として単一に設定されているため、例えば転がり軸受等の回転部品に損傷等の異常が存在する場合には、十分な診断精度が得られないという問題があった。
例えば、転がり軸受の外輪に検出手段として加速度センサを付設した場合、ある異常部位から発生される、欠陥に起因する振動(異常振動)は、その伝達経路の差異により異なり、より具体的には、その異常振動は、外輪にその異常が存在した場合と比較して、内輪又はボールに存在した場合の方が、小さくなる傾向にある。加えて、内輪が回転する場合には、回転軸が内輪と嵌合しているため、転がり軸受においては、その異常振動が減衰しやすい傾向にある。
このように、異常部位それぞれにおいて、同じ大きさの異常振動を示す場合であっても、その部位により測定される信号のレベルが異なり、一意のしきい値を用いて異常の有無の診断及び異常の部位の特定を行うと、部位ごとに異なる診断結果が出力してしまい、異常が発生したとしても、この異常が検知されないおそれがあり、この結果、機械設備の安定した稼働が妨げられてしまう可能性がある。
加えて、前述した特許文献等に記載の異常診断装置では、周辺ノイズ等の影響で診断精度が悪くなり、誤診断を基に異常警報を発する等、安定稼動が妨げられる問題があった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械設備に組み込まれた回転部品に対し、異常の有無の診断及び異常の部位の特定を精度良く行うことができる異常診断装置、及び異常診断方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る異常診断装置は下記を構成としている。
(1)機械設備の回転部から発生する振動信号を検出手段により検出し、この検出結果をエンベロープ分析及び周波数分析を行って実測データの周波数成分を求めると共に、前記回転部の異常に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出して、当該異常周波数に対応した前記実測データの周波数成分を抽出し、この抽出された周波数成分としきい値との比較照合を行うことにより、異常の有無の診断と、当該異常に該当する、前記回転部の部位の特定とを行う異常診断装置であって、前記しきい値は、前記異常周波数の、基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定され、且前記しきい値は、前記部位と前記検出手段との間の、前記振動信号の伝達距離又は伝達経路に基づいて、当該部位ごとに設定されると共に、当該部位ごとに設定される前記しきい値は、当該部位ごとに打撃手段を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じて当該部位の前記しきい値それぞれが所定の比例関係を有するように設定され、前記所定の比例関係は、前記回転部が内輪、外輪、及び転動体を有する軸受である場合には、Ci=Co×p=Cb×q 但し、Ciは前記内輪のしきい値、Coは前記外輪のしきい値、Cbは前記転動体のしきい値、p、qは定数、により定義されていることを特徴とする異常診断装置。
(2)前記しきい値は、基本波に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=実効値+δ 但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、前記実効値は得られた周波数範囲に基づく実効値、δは定数、により定義され、第n高調波(n=2,3,4,・・・)に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=Cxn−1×α 但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、αは定数、により定義されることを特徴とする上記(1)の異常診断装置。
(3)前記しきい値は、前記回転部の回転速度に基づいて設定されていることを特徴とする上記(1)又は(2)の異常診断装置。
(4)前記しきい値は、前記回転部の所定の部位のしきい値が他の所定の部位のしきい値を基準にして、設定されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の異常診断装置。
(5)前記診断及び前記特定の結果を伝送するための伝送手段を更に備えることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つの異常診断装置。
(6)前記エンベロープ分析と、前記周波数分析と、前記比較照合と、の少なくともいずれかの処理をマイクロコンピュータのプログラムにより実行することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つの異常診断装置。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つの異常診断装置が適用された鉄道車両用軸受装置。
(8)上記(1)〜(6)のいずれか1つの異常診断装置が適用された風車用軸受装置。
(9)上記(1)〜(6)のいずれか1つの異常診断装置が適用された工作機械主軸用軸
受装置。
上記(1)に記載の異常診断装置によれば、減速機や電動機或いは風車や鉄道車両等の機械設備に組み込まれた回転部から運転中に生じる例えば音、振動、超音波(AE)、歪み等の物理量(振動信号)には、回転部を含む機械設備に欠陥又は異常がある場合に、この欠陥又は異常を示す周波数成分が含まれている。このため、これらの物理量を検出して、電気信号に変換後、エンベロープ分析及び周波数分析を行い、実測データの周波数成分を求めると共に、回転部の異常に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出して、当該異常周波数に対応した前記実測データの周波数成分を抽出し、この抽出された周波数成分としきい値とを比較照合する。この際、しきい値は、異常周波数の基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定されるので、周辺ノイズの影響を受けにくくして、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができる。また、このとき部位ごとにしきい値を設定する際には、その部位と検出手段との間の、振動信号の伝達距離又は伝達経路に基づいてそれぞれ設定されると共に、この部位ごとに設定されるしきい値は、この部位ごとに打撃手段を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じてこの部位のしきい値それぞれが互いに所定の比例関係を有するように設定されるとよい。これにより、部位の配置による振動信号の減衰等の影響が考慮されて、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度よく行うことができる。更にしきい値は、回転部の部位ごとに設定されているので、異常の有無の診断及び異常の部位の特定を精度良く行うことができる。また、その所定の比例関係は、回転部が内輪、外輪、及び転動体を有する軸受である場合には、Ci=Co×p=Cb×q 但し、Ciは前記内輪のしきい値、Coは前記外輪のしきい値、Cbは前記転動体のしきい値、p、qは定数、により定義されているとよい。
上記(2)の異常診断装置のように、しきい値が、基本波に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=実効値+δにより定義され、第n高調波に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=Cxn−1×αにより定義されると良い。このように定義することで、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度良く行うことができる。
また、上記(3)の異常診断装置によれば、基本波及び高調波ごとにしきい値を設定する際には、回転部の回転速度に基づいて設定されることになる。即ち、例えばこれら速度に連動してこのしきい値が増減されて、異常の有無の診断及び異常の部位の特定が行われることになるので、実回転速度や移動速度の変化、或いは鉄道車両における車輪の摩耗の影響による変化等に対応することが可能となり、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができる。
上記(4)の異常診断装置のように、回転部の所定の部位のしきい値の設定を他の所定の部位のしきい値を基準にして行うとよい。これにより、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度よく行うことができる。
上記(5)の異常診断装置によれば、診断及び特定の結果を伝送する伝送手段を備えるので、その結果を、例えばデータ処理装置へ伝送してデータ処理を行うことができ、複数の機械設備、或いは機械設備の複数の回転部の異常の有無の診断及び異常の部位の特定を実稼働状態で精度良く、且つ同時に診断することが可能になる。
上記(6)の異常診断装置によれば、前記エンベロープ分析と、前記周波数分析と、前記比較照合と、の少なくともいずれかの処理をマイクロコンピュータのプログラムにより実行するので、装置を簡素化、小型化かつ安価に構成することができる。
上記(7)の異常診断装置のように、本発明に係る異常診断装置を鉄道車両用軸受装置に適用することにより、鉄道車両の安全稼動に寄与することができる。
上記(8)の異常診断装置のように、本発明に係る異常診断装置を風車用軸受装置に適用することにより、風車の安全稼動に寄与することができる。
上記(9)の異常診断装置のように、本発明に係る異常診断装置を工作機械主軸用軸受装置に適用することにより、工作機械の安全稼動に寄与することができる。
(10)機械設備の回転部から発生する振動信号を検出手段により検出し、この検出結果をエンベロープ分析及び周波数分析を行って実測データの周波数成分を求めると共に、前記回転部の異常に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出して、当該異常周波数に対応した前記実測データの周波数成分を抽出し、この抽出された周波数成分としきい値との比較照合を行うことにより、異常の有無の診断と、当該異常に該当する、前記回転部の部位の特定と、を行う異常診断方法であって、前記しきい値は、前記異常周波数の、基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定され、且つ前記しきい値は、前記部位と前記検出手段との間の、前記振動信号の伝達距離又は伝達経路に基づいて、当該部位ごとに設定されると共に、当該部位ごとに設定される前記しきい値は、当該部位ごとに打撃手段を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じて当該部位の前記しきい値それぞれが互いに所定の比例関係を有するように設定され、前記所定の比例関係は、前記回転部が内輪、外輪、及び転動体を有する軸受である場合には、Ci=Co×p=Cb×q 但し、Ciは前記内輪のしきい値、Coは前記外輪のしきい値、Cbは前記転動体のしきい値、p、qは定数、により定義されていることを特徴とする異常診断方法。
(11)前記しきい値は、基本波に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=実効値+δ 但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、前記実効値は得られた周波数範囲に基づく実効値、δは定数、により定義され、第n高調波(n=2,3,4,・・・)に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=Cxn−1×α 但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、αは定数、により定義されることを特徴とする上記(10)の異常診断方法。
(12)前記しきい値は、前記回転部の回転速度に基づいて設定されていることを特徴とする上記(10)又は(11)の異常診断方法。
上記(10)の異常診断方法によれば、減速機や電動機或いは風車や鉄道車両等の機械設備に組み込まれた回転部から運転中に生じる例えば音、振動、超音波(AE)、歪み等の物理量(振動信号)には、回転部を含む機械設備に欠陥又は異常がある場合に、この欠陥又は異常を示す周波数成分が含まれている。このため、これらの物理量を検出して、電気信号に変換後、エンベロープ分析及び周波数分析を行い、実測データの周波数成分を求めると共に、回転部の異常に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出して、当該異常周波数に対応した前記実測データの周波数成分を抽出し、この抽出された周波数成分としきい値とを比較照合する。この際、しきい値は、異常周波数の基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定されるので、周辺ノイズの影響を受けにくくして、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができる。また、このとき部位ごとにしきい値を設定する際には、その部位と検出手段との振動信号の間の、伝達距離又は伝達経路に基づいてそれぞれ設定されると共に、この部位ごとに設定されるしきい値は、この部位ごとに打撃手段を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じてこの部位のしきい値それぞれが互いに所定の比例関係を有するように設定されるとよい。これにより、部位の配置による振動信号の減衰等の影響等が考慮されて、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度よく行うことができる。更にしきい値は、回転部の部位ごとに設定されているので、異常の有無の診断及び異常の部位の特定を精度良く行うことができる。また、その所定の比例関係は、回転部が内輪、外輪、及び転動体を有する軸受である場合には、Ci=Co×p=Cb×q 但し、Ciは前記内輪のしきい値、Coは前記外輪のしきい値、Cbは前記転動体のしきい値、p、qは定数、により定義されているとよい。
上記(11)の異常診断装置のように、しきい値が、基本波に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=実効値+δにより定義され、第n高調波に対するしきい値Cxとされる場合には、Cx=Cxn−1×αにより定義されると良い。このように定義することで、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度良く行うことができる。
上記(12)の異常診断方法によれば、基本波及び高調波ごとにしきい値を設定する際には、回転部の回転速度に基づいて設定されることになる。即ち、例えばこれら速度に連動してこのしきい値が増減されて、異常の有無の診断及び異常の部位の特定が行われることになるので、実回転速度や移動速度の変化、或いは鉄道車両における車輪の摩耗の影響による変化等に対応することが可能となり、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができる。
本発明によれば、機械設備に組み込まれた回転部品に対し、異常の有無の診断及び異常の部位の特定を精度良く行うことができる異常診断装置、及び異常診断方法を提供することができる。
以下、本発明に係る異常診断装置及び異常診断方法の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る異常診断装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の異常診断装置1は、減速機や電動機或いは風車や鉄道車両等の機械設備10に組み込まれた回転部品である転がり軸受11の異常を診断するものであり、転がり軸受11から発生する振動(信号)を検出する加速度センサ(検出手段)12と、この加速度センサ12で検出した信号を、データ伝送手段(伝送手段)13を介して受信し、信号処理を行って転がり軸受11の異常の有無の診断及び異常の部位の特定を行う信号処理器21及び機械設備10を駆動制御する制御装置22からなる制御器20と、モニタや警報機等からなる出力装置30を備えている。
なお、制御器20は、マイクロコンピュータ(ICチップ、CPU、MPU、DSP等)により構成されている。このため、後述する各処理をこのマイクロコンピュータのプログラムにより実行することができるので、装置を簡素化、小型化かつ安価に構成することができる。
転がり軸受11は、機械設備10の回転軸14に外嵌される内輪111と、ハウジング等に内嵌される外輪112と、内輪111及び外輪112との間で転動可能に配置された複数の転動体113と、転動体113を転動自在に保持する不図示の保持器を有する。
ここで、図2は、本実施形態に係る機械設備の一例である鉄道車両用軸受装置40の要部構成を示す断面図であり、前述した異常診断装置1の適用の一例を示すものとして図示している。
図2に示すように、車軸44が、転がり軸受11としての複列円錐ころ軸受41を介して鉄道車両用台車の一部を構成する軸受箱45に回転自在に支承されると共に、2個の加速度センサ12、12が軸受箱45のラジアル荷重の負荷側領域に固定されている。この加速度センサ12、12により振動を検出し、検出した信号を前述の信号処理器21で処理することで、複列円錐ころ軸受41の異常診断を行う。
このように、加速度センサ12をラジアル荷重の負荷側領域に固定するのは、内輪411又は外輪412の軸受軌道面に損傷が発生した場合、この損傷部を転動体413が通過する際に生じる衝突力が無負荷側よりも負荷側の方が大きいので、感度の良い振動検出が可能になるからである。
加速度センサ12の固定方法には、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着の併用、及び樹脂材による埋め込み等がある。
なお、ボルト固定の場合には、回り止め機能を備えるようにしてもよい。また、加速度センサ12を樹脂材によって軸受箱45に埋め込む場合は、防水性及び耐衝撃性が向上するので、加速度センサ12自体の信頼性が向上することになって好適である。
なお、本実施形態では、振動を検出するセンサとして加速度センサ12を例示したが、振動を検出できる他のセンサ、例えば、AE(Acoustic Emission)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサ等が使用可能であり、また、加速度、速度、歪み、応力、変位等を検出することで、等価的に振動を検出して電気信号に変換することができるものも適宜使用することができる。
なお、以下、センサにより検出される物理量が振動であるとして説明を行うが、これに限らず、その他種々のセンサを用いることで、音、超音波(AE)、歪み等の物理量を検出することができ、これら物理量によっても同じく異常診断が可能である。
また、センサを周辺ノイズが多いことが予想される機械設備10に取り付ける際には、絶縁型を使用する方が周辺ノイズの影響を抑制できて好適である。さらに、センサとして圧電素子等の振動検出素子を使用する場合は、この素子を樹脂で一体成型する構成とすることができる。
また、機械設備10から発生する振動を検出する加速度センサ12は、機械設備10の温度を検出する温度センサや回転速度センサが単一の筐体内に収容される一体型センサであってもよい。この場合、一体型センサは、例えば軸受箱45の平坦部に固定されることが好ましい。温度センサは、温度がある規定値になると、バイメタルの接点が離れるか、接点が溶断することで導通しなくなる方式の温度ヒューズであってもよい。これにより、ある規定値以上の温度が検出されると、温度ヒューズが導通しなくなるので、温度センサによっても異常を検出して、2系統により異常診断を行うことができて、より確かな異常診断を行うことができる。
図3は、本実施形態に係る信号処理器21の主要な機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、信号処理器21は、データ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、振動分析部214、比較判定部215及び内部メモリ216を有して構成される。
なお、この信号処理器21は、前述した通りマイクロコンピュータで構成されており、即ち、このマイクロコンピュータ内に記録保持されたプログラムが実行されることにより、データ収集・分配部211等の各処理部は以下のような各処理を実行することになる。
データ収集・分配部211は、加速度センサ12から送られる信号をA/D変換器によってデジタル信号に変換するとともに、回転速度に関する信号も同時に収集して一時的に蓄積し、信号の種類に応じて回転分析部212、フィルタ処理部213のいずれかに振り分ける。
なお、A/D変換器を加速度センサ12に一体化される構成とし、前述のデータ伝送手段13を介してデジタル信号を受信するようにしてもよい。
回転分析部212は、不図示の回転速度検出手段から出力される信号を基にして内輪111の回転速度を算出し、算出した回転速度を比較判定部215に出力する。
なお、回転速度検出手段が、内輪111に取り付けられたエンコーダと、外輪112に取り付けられた磁石または磁気検出素子と、により構成される場合は、出力信号がエンコーダの形状と回転速度に応じたパルス信号となる。このため、回転分析部212は、エンコーダの形状に応じた所定の変換関数、又は変換テーブルを有し、パルス信号から内輪111の回転速度を算出する。
フィルタ処理部213は、バンドパスフィルタの機能を有し、加速度センサ12の出力信号から、転がり軸受11、歯車、車輪等の固有振動数に対応する周波数帯域のみを抽出し、それ以外の不要な周波数帯域を除去する。この固有振動数は、インパルハンマ等を用いた打撃法により被測定物を加振し、被測定物に取付けた振動検出器、又は打撃により発生した音響を周波数分析することにより容易に求めることができる。
なお、被測定物が転がり軸受11の場合には、内輪111、外輪112、転動体113、軸受箱等のいずれかに起因する固有振動数が与えられることになる。一般的に、機械部品の固有振動数は複数存在し、固有振動数における振幅レベルは高くなるので測定の感度がよい。
振動分析部214は、加速度センサ12からの出力信号(実測データ)を基にして、転がり軸受11から発生した振動信号の周波数分析を行う。この振動分析部214は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部であり、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動信号の周波数スペクトルを算出する。算出された周波数スペクトルは、スペクトルデータとして比較判定部215に出力される。
なお、振動分析部214は、FFTを行う前処理として、絶対値化処理やエンベロープ処理を行い、異常の診断に必要な周波数成分のみに変換してもよい。また、必要に応じて、エンベロープ処理後のエンベロープデータも併せて比較判定部215に出力する。
比較判定部215は、図4に示す所定の関係式を用いて、転がり軸受11の部位ごとの異常周波数を予め計算し、計算した異常周波数に対応するスペクトルデータのレベルを抽出して、しきい値と比較照合する。
なお、本実施形態における比較判定部215は、スペクトルデータから基準値を算出し、この基準値に基づいてしきい値を算出する。ここで、基準値としては、所定の周波数範囲のスペクトルデータ、例えば直流成分等のノイズの影響を小さくするために、得られた周波数範囲から複数のスペクトルレベル、例えば上位10個と下位10個を除いたものを用いて算出した実効値とすることができる。
また、異常周波数の算出は、以前に同様の診断を行っている場合は、内部メモリ216に記憶しておいた過去のデータを用いてもよい。
ここで、抽出したスペクトルデータのレベルとの比較照合に用いるしきい値は、異常周波数の基本波、及び高調波の各周波数ごと、さらには診断対象となる転がり軸受11の部位ごと(即ち、内輪111、外輪112、転動体113、保持器ごと)に個別に設定して行う。例えば、基本波に対するしきい値Cxは、Cx=実効値+δ、第2高調波に対するしきい値Cxは、Cx=Cx×α、さらに第n高調波に対するしきい値Cxは、Cx=Cxn−1×αで算出することができる。さらに、このしきい値Cxを、検出対象となる転がり軸受11の部位ごとに個別に設定する。
ここで、αは任意の実数、nは2以上の自然数であり、Xは転がり軸受11の部位、即ち内輪111、外輪112、転動体113、保持器それぞれを示す識別子である。
なお、しきい値Cxの設定は、それぞれ、実用性を考慮して、例えば第4高調波(i=4)程度までとするのがよい。
また、基本波及び高調波ごとにしきい値を設定する際には、回転速度検出手段により検出した回転速度に連動して増減させるとよく、これにより実回転速度による変化等に対応することが可能となり、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができる。
また、転がり軸受11の部位ごとにしきい値を設定する際には、その部位、即ち内輪111、外輪112、転動体113、保持器それぞれと加速度センサ12との間の、振動信号の伝達距離又は伝達経路に基づいて個別に設定されているとよく、これにより、これら部位の配置による信号の減衰等が考慮されて、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度よく行うことができる。
なお、この部位ごとに設定されるしきい値は、振動の伝達距離又は伝達経路に限らず、部位ごとにインパルスハンマ等を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じて各部位が一定の関係{例えば、Ci=Co×p=Cb×q、ただし、Ciは内輪のしきい値、Coは外輪のしきい値、Cbは転動体のしきい値であり、p、qは定数である。}を有するように設定してもよい。
このようにして判定された転がり軸受11の診断結果は、内部メモリ216に記憶すると共に、機械設備10の動作を制御する制御装置22へ出力され、診断結果に応じた制御信号をフィードバックする。さらに、有線又はネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31により出力装置30に送る。
内部メモリ216は、例えばメモリ又はHDD等により構成され、異常周波数の算出に用いる各回転部品の設計諸元データと、比較判定部215により判定された転がり軸受11の異常の有無の診断及び異常の部位特定に関する各データを記憶する。
出力装置30は、転がり軸受11の診断結果をモニタ等にリアルタイムで表示する。また、異常が検出された場合に、ライトやブザー等の警報機を用いて使用者に異常であることの喚起を促すようにしてもよい。
次に、このように構成された異常診断装置1の動作について説明する。
図5は、異常診断装置1の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101において、加速度センサ12により転がり軸受11から発生する振動が検出され、この検出された振動信号は、データ伝送手段13を介して信号処理器12のデータ収集・分配部211に入力される。
データ収集・分配部211は、入力されたアナログの振動信号を必要に応じて増幅し、A/D変換器によりデジタル信号に変換する(即ち、ステップS102)。
次に、フィルタ処理部213は、フィルタ帯域を選定し(即ち、ステップS103)、回転部品の固有振動数に対応した所定の周波数帯域のみを抽出するためのフィルタ処理を行う(即ち、ステップS104)。
そして、ステップS105では、振動分析部214は、フィルタ処理が行われた後のデジタル信号に対してエンベロープ処理を施し、FFTアルゴリズムによりエンベロープ処理後のデジタル信号の周波数スペクトルを求める等の周波数分析を行い、実測データの周波数成分を求める(ステップS106)。また、必要によりエンベロープ処理後に絶対値化処理を行う。
一方、図4に示す所定の関係式を用い、検出された回転速度に基づいて各回転部品の異常に起因して発生する異常周波数を計算して(即ち、ステップS107)、求めた異常周波数に対応した各回転部品の周波数成分のレベルを基本波から第n高調波にわたってそれぞれ抽出する(即ち、ステップS108)。つまり、転がり軸受11の異常周波数成分には、軸受傷成分Sx、即ち、内輪傷成分Si、外輪傷成分So、転動体傷成分Sb及び保持器成分Scがあり、この周波数成分それぞれのレベルについて基本波から第n高調波にわたって抽出することになる。
一方、ステップS107、S108と並行して、振動分析部214で得られた周波数スペクトルから異常の診断に用いる基準値Cxを求め、この基準値に基づいてしきい値Cxi(i=2、…n)を算出する(ステップS109)。このとき、このしきい値は、前述のとおり、基本波及びn次高調波の各周波数ごと、且つ、転がり軸受11の部位ごとに個別に設定されている。
ステップS110では、ステップS108で抽出した各回転部品の周波数スペクトルのレベルを、ステップS109で計算したしきい値Cxi(i=1、2、…n)とそれぞれ比較し、大きいものがあるか否かを判定する。
この判定の結果、抽出された各回転部品の周波数スペクトルのレベルが全てしきい値よりも小さい場合は、転がり軸受11の各部位に異常はないと判断する(ステップS111)。
一方、ステップS110の手順において、転がり軸受11の内輪111、外輪112、転動体113及び保持器の少なくともいずれかの周波数スペクトルレベルがしきい値より大きければ、この該当する部位に異常があると判断する(ステップS112)。
このような手順を経て、回転部品である転がり軸受11における異常の有無の診断と、異常の部位の特定を行うことができる。
このように実施された診断の結果は、機械設備10の動作を制御する制御装置22へ出力し、診断結果に応じた制御信号をフィードバックする。さらに、有線またはネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31によって出力装置30に送る。(ステップS113)。
次に、本発明に係る実施形態の異常診断装置1を用いた場合の診断結果の精度を確認するため、以下の2つの試験を行った。
(実施例1)
まず、本発明に係る実施形態の異常診断装置1に関し、異常周波数の、基本波及び高調波の周波数ごとにしきい値を個別に設定することについての効果を確かめるため、第1の試験を行った。なお、本試験では、この効果の評価をより客観的に行うため、部位ごとにはしきい値を設定せず、部位間においてはそのしきい値を一定にして行った。
本試験では、円錐ころ軸受の外輪(O)の軌道面に人工的に欠陥を付して、円錐ころ軸受の内輪において200min−1の回転速度で回転中に周辺ノイズが入ったときのハウジングの振動に対しエンベロープ処理を施して周波数分析を行った。このときの試験結果を図6(A)に示す。
ここで、実線は実測した振動データに基づくエンベロープ処理が施された周波数スペクトル、点線はしきい値Co、1点鎖線は回転速度200min−1に基づく外輪損傷に起因した、基本波から第4高調波までの異常振動発生周波数(f〜f)である。ここで、基本波に対するしきい値Coは、Co=基準値=実効値+6dB、第2高調波に対するしきい値Co=Cx×0.7、第n高調波に対するしきい値Co=Con−1×0.7で算出することができる。
なお、実用性を考慮して、しきい値Coは、第4高調波までの設定とした。なお、Cの添え字「o」は、外輪を意味している。
この結果、しきい値Coを超えるピークが外輪損傷に起因した周波数成分と一致していることから、円錐ころ軸受の外輪が損傷していると診断することができる。
一方、図6(B)には、しきい値を基本波及び高調波の周波数ごとに設定せずに一定に設定されている、従来の異常診断方法を用いた場合が示されている。この場合、基本波以外の高調波については、外輪損傷に起因した周波数成分がしきい値を超えていないため、外輪に異常なしと判断されて誤診断を起こしてしまう虞があり、適切な異常診断ではないといえる。
したがって、この試験により、しきい値を、異常周波数の基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定することにより、周辺ノイズの影響を受けにくくして、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができることがわかる。
(実施例2)
次に、本発明に係る実施形態の異常診断装置1に関し、部位ごとにしきい値を設定することについての効果を確かめるため、第2の試験を行った。なお、本試験では、この効果の評価をより客観的に行うため、異常周波数の、基本波及び高調波の周波数ごとにはしきい値を設定せず、基本波と高調波間においてはそのしきい値を一定にして行った。
図7は、転がり軸受の外輪の軌道面に人工的に欠陥を付した玉軸受の内輪を1500min−1の回転速度で回転した際のハウジングの振動に対してエンベロープ処理を施し、周波数分析を行ったデータを示す図である。
図7に示すように、実線は実測した実測データに基づくエンベロープ処理が施された周波数スペクトル、点線はしきい値(=実効値+6dB)、一点鎖線は回転速度1500min−1に基づく外輪損傷に起因する周波数成分f〜fを示している。
この結果により、しきい値を超えるピークが外輪の損傷に起因する周波数成分と一致しているので、玉軸受の外輪が損傷していると診断することができる。
一方、図8は、転動体(玉)の表面に人工的に欠陥を付した転がり軸受の内輪を1500min−1の回転速度で回転した際の軸受箱の振動に対してエンベロープ処理を施し、周波数分析を行ったデータを示す図である。
図8に示すように、実線は実測した振動データに基づくエンベロープ処理が施された周波数スペクトルであり、点線で示すしきい値を外輪の場合と同様に実効値+6dBとすると、玉の損傷に起因する周波数成分がしきい値を超えていないため、異常がないと判断してしまうおそれがある。しかしながら、玉の損傷を判断するために部位ごとに設定されたしきい値(=実効値+4dB)を用いて判断すると、玉が損傷していると判断することができる。
この結果により、しきい値を転がり軸受の部位ごとに個別に設定するので、異常の有無の診断及び異常の部位の特定を精度良く行うことができることがわかる。
以上説明したように、このような本発明の実施形態に係る異常診断装置及び異常診断方法によれば、機械設備10の転がり軸受11から運転中に発生する振動を検出して電気信号に変換し、エンベロープ分析及び周波数分析を行って周波数スペクトルのレベルを求めると共に、転がり軸受11の異常部位に起因する振動の周波数を所定の関係式に基づいて算出して、算出した異常周波数に対応する周波数スペクトルのレベルを抽出して、所定のしきい値とを比較照合する。これにより、機械設備10を分解することなく異常の有無を診断することができ、機械設備10の分解や組立にかかる手間を軽減することが可能となる。
また、比較照合に用いるしきい値を、異常周波数の基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定して異常の有無の診断及び異常の部位の特定を行うので、周辺ノイズの影響を受けにくくして、異常の有無の診断及び異常の部位の特定の精度を向上させることができる。
さらに、比較照合に用いるしきい値を、転がり軸受11の部位ごとに個別に設定して異常の有無の診断及び異常の部位の特定を行うので、異常の有無の診断及び異常の部位の特定を精度良く行うことができる。
また、転がり軸受11の所定の部位のしきい値の設定を他の部位のしきい値を基準に行うとよい。これにより、異常の有無の診断及び異常の部位の特定をより精度よく行うことができる。
また、本実施形態によれば、診断及び特定の結果を伝送するデータ伝送手段13を備えるので、その結果を信号処理器21へ伝送してデータ処理を行うことができ、複数の機械設備10、或いは機械設備10の複数の転がり軸受11の異常の有無の診断及び異常の部位の特定を実稼働状態で精度良く、且つ同時に診断することが可能になる。
なお、本発明の異常診断装置は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、前述した実施形態においては、異常診断装置1を機械設備10の一つである鉄道車両用の転がり軸受11に適用した例について説明したが、この他、風車用軸受装置や、工作機械用軸受装置にも同様に適用することができるのはいうまでもない。
また、前述した実施形態において、回転或いは摺動する部品として転がり軸受11を例示したが、本発明の異常診断装置及び異常診断方法は、損傷によって周期的な振動を発生する、例えば、歯車、車軸、ボールねじ等の回転部品や、リニアガイド、リニアボールベアリング等の摺動部品にも同様に適用可能である。
また、図9に示すように、制御器20にマイクロコンピュータ等を用いることにより、機械設備10に信号処理器21を内蔵することができ、ユニット化を図って小型化が可能となる。制御器20は、例えば軸受装置に内蔵してもよく、機械設備10内に設置するようにしてもよい。また、機械設備10にセンサ12等を複数個設けることもできる。
さらに、前述した実施形態においては、しきい値を(実効値+α)dBとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、実効値+βdB等の式に基づいて算出することもできる。ここで、α、βは任意の実数である。また、実効値の代わりに、任意の時間における実測スペクトルデータの平均値やピーク値を用いてもよい。
本発明の実施形態に係る異常診断装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る鉄道車両用軸受装置の要部構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る信号処理器の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る転がり軸受の傷の部位と、傷に起因して発生する振動周波数の関係を示す表である。 本発明の実施形態に係る異常診断装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。 (A)本発明にかかる異常診断装置及び異常診断方法を適用した実施例1を示すグラフ、(B)は従来の異常診断方法を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る異常診断装置及び異常診断方法を適用した実施例2のデータを示す図である。 本発明の実施形態に係る異常診断装置及び異常診断方法を適用した実施例2の別のデータを示す図である。 本発明に係る異常診断装置の変形例の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 異常診断装置
10 機械設備
11 転がり軸受(回転部)
12 加速度センサ(検出手段)
20 制御器
21 信号処理器
212 回転分析部
213 フィルタ処理部
214 振動分析部
215 比較判定部
22 制御装置
31 データ伝送手段(伝送手段)

Claims (12)

  1. 機械設備の回転部から発生する振動信号を検出手段により検出し、この検出結果をエンベロープ分析及び周波数分析を行って実測データの周波数成分を求めると共に、前記回転部の異常に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出して、当該異常周波数に対応した前記実測データの周波数成分を抽出し、この抽出された周波数成分としきい値との比較照合を行うことにより、異常の有無の診断と、当該異常に該当する、前記回転部の部位の特定とを行う異常診断装置であって、
    前記しきい値は、前記異常周波数の、基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定され、且つ
    前記しきい値は、前記部位と前記検出手段との間の、前記振動信号の伝達距離又は伝達経路に基づいて、当該部位ごとに設定されると共に、
    当該部位ごとに設定される前記しきい値は、当該部位ごとに打撃手段を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じて当該部位の前記しきい値それぞれが互いに所定の比例関係を有するように設定され、
    前記所定の比例関係は、前記回転部が内輪、外輪、及び転動体を有する軸受である場合には、
    Ci=Co×p=Cb×q
    但し、Ciは前記内輪のしきい値、Coは前記外輪のしきい値、Cbは前記転動体のしきい値、
    p、qは定数、
    により定義されていることを特徴とする異常診断装置。
  2. 前記しきい値は、基本波に対するしきい値Cxとされる場合には、
    Cx=実効値+δ
    但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、
    前記実効値は得られた周波数範囲に基づく実効値、
    δは定数、
    により定義され、
    第n高調波(n=2,3,4,・・・)に対するしきい値Cxとされる場合には、
    Cx=Cxn−1×α
    但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、
    αは定数、
    により定義されることを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 前記しきい値は、前記回転部の回転速度に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の異常診断装置。
  4. 前記しきい値は、前記回転部の所定の部位のしきい値が他の所定の部位のしきい値を基準にして、設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の異常診断装置。
  5. 前記診断及び前記特定の結果を伝送するための伝送手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の異常診断装置。
  6. 前記エンベロープ分析と、前記周波数分析と、前記比較照合と、の少なくともいずれかの処理をマイクロコンピュータのプログラムにより実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の異常診断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の異常診断装置が適用された鉄道車両用軸受装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の異常診断装置が適用された風車用軸受装置。
  9. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の異常診断装置が適用された工作機械主軸用軸受装置。
  10. 機械設備の回転部から発生する振動信号を検出手段により検出し、この検出結果をエンベロープ分析及び周波数分析を行って実測データの周波数成分を求めると共に、前記回転部の異常に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出して、当該異常周波数に対応した前記実測データの周波数成分を抽出し、この抽出された周波数成分としきい値との比較照合を行うことにより、異常の有無の診断と、当該異常に該当する、前記回転部の部位の特定と、を行う異常診断方法であって、
    前記しきい値は、前記異常周波数の、基本波及び高調波の周波数ごとに個別に設定され、且つ
    前記しきい値は、前記部位と前記検出手段との間の、前記振動信号の伝達距離又は伝達経路に基づいて、当該部位ごとに設定されると共に、
    当該部位ごとに設定される前記しきい値は、当該部位ごとに打撃手段を用いた打撃試験により予め測定した振動応答のレベル差に応じて当該部位の前記しきい値それぞれが互いに所定の比例関係を有するように設定され、
    前記所定の比例関係は、前記回転部が内輪、外輪、及び転動体を有する軸受である場合には、
    Ci=Co×p=Cb×q
    但し、Ciは前記内輪のしきい値、Coは前記外輪のしきい値、Cbは前記転動体のしきい値、
    p、qは定数、
    により定義されていることを特徴とする異常診断方法。
  11. 前記しきい値は、基本波に対するしきい値Cxとされる場合には、
    Cx=実効値+δ
    但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、
    前記実効値は得られた周波数範囲に基づく実効値、
    δは定数、
    により定義され、
    第n高調波(n=2,3,4,・・・)に対するしきい値Cxとされる場合には、
    Cx=Cxn−1×α
    但し、xは前記回転部の前記部位をそれぞれ示す識別子、
    αは定数、
    により定義されることを特徴とする請求項10に記載の異常診断方法。
  12. 前記しきい値は、前記回転部の回転速度に基づいて設定されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の異常診断方法。
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