JP2017219469A - 状態監視装置及び状態監視方法 - Google Patents

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弘樹 小俣
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利満 前川
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Abstract

【課題】機械設備に組み込まれた回転部品に対し、異常部位の特定、損傷の程度又は損傷の進展状況の判断、及び異常部位の残存寿命の予測ができる状態監視装置及び状態監視方法を提供する。
【解決手段】転がり軸受11又はハウジングに固定される振動センサ12と、振動センサ12により検出された波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部と、フィルタ処理後の波形からスペクトルデータを得る演算処理部と、転がり軸受11の回転速度に基づいて算出した軸受損傷周波数と、演算処理部で得られたスペクトルデータとを比較し、転がり軸受11の異常部位を特定する精密診断部と、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される振動実効値に基づいて、異常部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、異常部位、異常部位の損傷の程度、及び回転部品の運転環境から異常部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、静止部材に対して相対的に回転する回転部品の状態を監視する状態監視装置及び状態監視方法に関し、特に、機械設備を分解することなく、該回転部品の状態を監視する状態監視装置及び状態監視方法に関する。
鉄道車両や工作機械、風力発電装置、エレベータ装置等の機械設備には、転がり軸受等の回転部品やボールねじ、リニアガイド等の摺動部品が多く装備されて使用されている。これら回転部品や摺動部品を長時間使用することにより摩耗や損傷が発生すると、回転部品や摺動部品のスムーズな回転、摺動が阻害され、異常音を発生するだけでなく、寿命の低下を来たして破損に至り、機械設備の故障、事故を招くおそれがある。このため従来は、機械設備を一定期間使用した後に摩耗や損傷等、異常の有無を検査していた。
この検査は、機械設備の回転部品や摺動部品が組み込まれた部位、或いは機械設備全体を分解することにより行われ、回転部品或いは摺動部品に発生した損傷や摩耗は、作業者の目視による検査によって発見される。そして、検査で発見される主な欠陥(異常)としては、軸受の場合、異物の噛み込み等によって生ずる圧痕、転がり疲れによるはく離、その他の摩耗等、歯車の場合には、歯部の欠損や摩耗等、車輪の場合には、フラット等の摩耗があり、いずれの場合も新品にはない凹凸や摩耗等が発見されれば、新品に交換される。即ち、検査の結果、摩耗や損傷等の異常が発見された場合は、当該部品を新品に交換して、機械設備の故障や事故を未然に防止していた。
しかしながら、機械設備の一部、又は全体を分解し、作業者の目視によって行う検査方法では、機械設備から回転部品や摺動部品を取り外す作業と、検査が終了した回転部品や摺動部品を再び機械設備に組み込む作業に多大な労力がかかり、機械設備の保守コストが嵩むという問題があった。
また、組立て直す際に検査前にはなかった打痕を回転部品や摺動部品につけてしまう等、検査自体が回転部品や摺動部品の欠陥を生む原因となる可能性があった。また、限られた時間内で多数の軸受を目視で検査するため、欠陥を見落とす可能性が残るという問題もあった。さらに、この欠陥の程度の判断も個人差があり実質的には欠陥がなくても部品交換が行なわれるため、無駄なコストがかかることにもなる。
このような問題を解決するために、従来、転がり軸受が組み込まれた機械装置を分解することなく、機械設備の実稼動状態で回転部品や摺動部品の状態を監視する状態監視装置、又は状態監視方法が種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第4117500号公報 特開2013−185507号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、損傷の程度を診断することが記載されているが、軸受外輪異常のみが対象となっていた。
また、特許文献2に記載の装置では、軸受の異常の有無とその部位の検知を対象としており、損傷の程度及び損傷部位の残存寿命は判別できない。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械設備に組み込まれた回転部品に対し、異常の部位の特定及び損傷の程度を精度良く判断することができると共に、異常の部位の残存寿命を予測することができる状態監視装置及び状態監視方法を提供することにある。
本発明の前述した目的は、下記の構成によって達成される。
(1) 静止部材に対して相対的に回転する回転部品の状態を監視する状態監視装置であって、
前記回転部品又は前記静止部材に固定される振動センサと、
前記振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る演算処理部と、
前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する軸受損傷周波数と、前記演算処理部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の部位を特定する精密診断部と、
前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、
前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、
を備えることを特徴とする状態監視装置。
(2) 前記振動センサにより検出された信号の波形から得られる少なくとも一つの簡易診断値を算出して閾値と比較し、前記回転部品の異常の有無を診断する簡易診断部をさらに備えることを特徴とする(1)に記載の状態監視装置。
(3) 前記周波数帯域別診断値は、振動実効値であり、
前記損傷レベル診断部は、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される前記振動実効値を、正常品又は正常時の値と比較することで、前記回転部品の損傷の程度を診断することを特徴とする(1)に記載の状態監視装置。
(4) 前記周波数帯域別診断値は、前記演算処理部で得られたスペクトルデータから算出されたエンベロープ振動実効値であり、
前記損傷レベル診断部は、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される前記エンベロープ振動実効値を、正常品又は正常時の値と比較することで、前記回転部品の損傷の程度を診断することを特徴とする(1)に記載の状態監視装置。
(5) 前記回転部品を転がり軸受、前記静止部材を前記転がり軸受を支持するハウジングとし、
(1)〜(4)のいずれかに記載の状態監視装置を有することを特徴とする転がり軸受装置。
(6) 静止部材に対して相対的に回転する回転部品の状態を監視する状態監視方法であって、
前記回転部品又は前記静止部材に固定される振動センサから信号を検出する検出工程と、
前記振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理工程と、
前記フィルタ処理工程から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る演算処理工程と、
前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する軸受損傷周波数と、前記演算処理工程で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の部位を特定する精密診断工程と、
前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断工程と、
前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測工程と、
を備えることを特徴とする状態監視方法。
(7) 前記振動センサにより検出された信号の波形から得られる少なくとも一つの簡易診断値を算出して閾値と比較し、前記回転部品の異常の有無を診断する簡易診断工程をさらに備え、
前記精密診断工程、前記損傷レベル診断工程及び残存寿命予測工程は、前記簡易診断工程において前記回転部品が異常有りと診断された際に行われることを特徴とする(6)に記載の状態監視方法。
本発明によれば、機械設備に組み込まれた回転部品に対し、異常の部位の特定及び損傷の程度を精度良く判断することができると共に、異常の部位の残存寿命を予測することができる。
本発明の実施形態に係る状態監視装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る演算処理器の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る状態監視装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る転がり軸受の傷の部位と、傷に起因して発生する振動周波数の関係を示す表である。 (a)〜(c)は、実施例1において、損傷の程度が異なる軸受の振動データに基づくエンベロープ周波数スペクトルを示すグラフである。 周波数帯域別の正常品に対する振動実効値比と、損傷面積率との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る状態監視装置及び状態監視方法の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る状態監視装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の状態監視装置1は、機械設備10に組み込まれた回転部品である転がり軸受11の異常を診断するものであり、転がり軸受11から発生する振動(信号)を検出する振動センサ12と、転がり軸受11の回転速度を検出する回転センサ(図示せず)と、振動センサ12や回転センサで検出した信号を、データ伝送手段(伝送手段)13を介して受信し、信号処理を行って転がり軸受11の異常の有無の診断、異常の部位の特定、及び損傷の程度又は損傷の進展状況の診断、及び異常の部位の残存寿命の予測をリアルタイムで行う演算処理器21(演算処理部)、及び機械設備10を駆動制御する制御装置22からなる制御器20と、モニタや警報機等からなる出力装置30を備えている。
制御装置22は、演算処理器21で得られた診断結果を、運転条件にフィードバック(回転数を落とすなど)するように、機械設備10を駆動制御する。
なお、本実施形態の状態監視装置1が適用される機械設備10としては、例えば、鉄道車両や工作機械、風力発電装置、エレベータ装置等が挙げられる。
また、制御器20は、マイクロコンピュータ(ICチップ、CPU、MPU、DSP等)により構成されている。このため、後述する各処理をこのマイクロコンピュータのプログラムにより実行することができるので、装置を簡素化、小型化かつ安価に構成することができる。
転がり軸受11は、機械設備10の回転軸に外嵌される内輪111と、ハウジング等に内嵌される外輪112と、内輪111及び外輪112との間で転動可能に配置された複数の転動体113と、転動体113を転動自在に保持する不図示の保持器と、を有する。
振動センサ12は、転がり軸受11の固定輪である外輪112のハウジング負荷圏に固定される。振動センサ12の固定方法には、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着の併用、及び樹脂材による埋め込み等がある。振動センサ12を転がり軸受11の回転輪である内輪111に固定する場合には、側面に固定したり、スリップリングを用いて内径面に固定してもよい。
なお、ボルト固定の場合には、回り止め機能を備えるようにしてもよい。また、振動センサ12を樹脂材によってモールドすることで、水分の浸入を防止することができ、さらに外部からの加振に対する防振性が向上するため、センサ自体の信頼性を飛躍的に向上することができる。
また、振動センサ12としては、本実施形態で適用される加速度センサの他、例えば、AE(Acoustic Emission)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサ等が使用可能であり、また、加速度、速度、歪み、応力、変位等を検出することで、等価的に振動を検出して電気信号に変換することができるものも適宜使用することができる。
また、センサを周辺ノイズが多いことが予想される機械設備10に取り付ける際には、絶縁型を使用する方が周辺ノイズの影響を抑制できて好適である。さらに、センサとして圧電素子等の振動検出素子を使用する場合は、この素子を樹脂で一体成型する構成としてもよい。
図2は、本実施形態に係る演算処理器21の主要な機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、演算処理器21は、データ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、振動分析部214、比較判定部215及び内部メモリ216を有して構成される。
なお、この演算処理器21は、前述した通りマイクロコンピュータで構成されており、即ち、このマイクロコンピュータ内に記録保持されたプログラムが実行されることにより、データ収集・分配部211等の各処理部は以下のような各処理を実行することになる。
データ収集・分配部211は、振動センサ12から送られる信号をA/D変換器によってデジタル信号に変換するとともに、回転速度に関する信号も同時に収集して一時的に蓄積し、信号の種類に応じて回転分析部212、フィルタ処理部213のいずれかに振り分ける。
なお、A/D変換器を振動センサ12に一体化される構成とし、前述のデータ伝送手段13を介してデジタル信号を受信するようにしてもよい。
回転分析部212は、回転センサから出力される信号を基にして内輪111の回転速度を算出し、算出した回転速度を比較判定部215に出力する。
なお、回転速度検出手段が、内輪111に取り付けられたエンコーダと、外輪112に取り付けられた磁石または磁気検出素子と、により構成される場合は、出力信号がエンコーダの形状と回転速度に応じたパルス信号となる。このため、回転分析部212は、エンコーダの形状に応じた所定の変換関数、又は変換テーブルを有し、パルス信号から内輪111の回転速度を算出する。
フィルタ処理部213は、バンドパスフィルタの機能を有し、振動センサ12の出力信号を、複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出し、それ以外の不要な周波数帯域を除去する。損傷フィルタ周波数帯域は各軸受装置における固有振動数帯域に応じて設定される。この固有振動数は、インパルスハンマ等を用いた打撃法により被測定物を加振し、被測定物に取付けた振動検出器、又は打撃により発生した音響を周波数分析することにより容易に求めることができる。
なお、被測定物が転がり軸受11の場合には、内輪111、外輪112、転動体113、ハウジング等のいずれかに起因する固有振動数が与えられることになる。一般的に、機械部品の固有振動数は複数存在し、固有振動数における振幅レベルは高くなるので測定の感度がよい。
振動分析部214は、振動センサ12からの出力信号(実測データ)を基にして、転がり軸受11から発生した振動信号の周波数分析を行う。この振動分析部214は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部であり、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動信号の周波数スペクトルを算出する。算出された周波数スペクトルは、スペクトルデータとして比較判定部215に出力される。
なお、振動分析部214は、FFTを行う前処理として、絶対値化処理やエンベロープ処理を行い、異常の診断に必要な周波数成分のみに変換してもよい。また、必要に応じて、エンベロープ処理後のスペクトルデータ(エンベロープ周波数スペクトル)も併せて比較判定部215に出力する。
比較判定部215は、測定された転がり軸受11の振動及び回転速度により、定期的に転がり軸受11の状態監視を行う。具体的に、比較判定部215は、以下に示す簡易診断部、精密診断部、損傷レベル診断部、及び残存寿命予測部を構成している。
簡易診断部は、振動センサ12により検出された信号の波形から得られる実効値、ピーク値、波高率の少なくとも一つの簡易診断値を算出して、各閾値と比較する。そして、「実効値、ピーク値、波高率>各閾値」であるときに、転がり軸受11の異常有りと簡易診断する。
精密診断部は、簡易診断部にて異常ありと診断された場合に、図4に示す所定の関係式を用いて、転がり軸受11の部位ごとの損傷に起因する軸受損傷周波数を予め計算し、振動分析部214で出力されたスペクトルデータを対象に、軸受損傷周波数ごとの照合(「ピーク周波数=軸受損傷周波数」の成否)により、軸受の傷などの異常の発生有無とその部位を特定する。
なお、軸受損傷周波数の算出は、以前に同様の診断を行っている場合は、内部メモリ216に記憶しておいた過去のデータを用いてもよい。
損傷レベル診断部は、損傷部位の特定時又は特定後、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、部位の損傷の程度(損傷の程度:初期/進展期/末期)を診断する。なお、損傷の程度の診断手法としては、例えば、以下の2つが挙げられる。
(1)周波数帯域別診断値を振動実効値とし、損傷レベル診断部は、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される振動実効値を、正常品又は正常時の値とそれぞれ比較する。そして、正常品又は正常時の値に対する振動実効値の比の値を損傷フィルタ周波数帯域毎に判断することで、回転部品の損傷の程度又は損傷の進展状況を診断する。
(2)周波数帯域別診断値を振動分析部214で得られたスペクトルデータから算出されたエンベロープ振動実効値とし、損傷レベル診断部は、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出されるエンベロープ振動実効値を、正常品又は正常時の値と比較することで、回転部品の損傷の程度又は損傷の進展状況を診断する。
次に、残存寿命予測部では、異常の部位、該部位の損傷の程度、及び回転部品の運転環境から異常の部位の残存寿命を予測する。具体的には、損傷の程度の判別結果を基にした、損傷部の拡大予測解析を用いて、回転部品の残存寿命を求めている。
「損傷の拡大」は、疑似的に「き裂の損傷」とみなすことで、破壊力学的手法による予測を行うことが可能である。金属材料の疲労寿命においては、小き裂が疲労のごく初期段階で発生し、繰り返し作用する応力よって小き裂が進展する過程が大部分を占めており、この現象をモデルとして軸受の損傷拡大予測を行う。疲労現象におけるき裂進展挙動は、き裂長さとき裂に働く応力で表される線形破壊力学パラメータK(応力拡大係数)に支配され、き裂が安定して進展する領域では、Kの変動範囲ΔK(応力拡大係数範囲)とき裂進展速度da/dN(応力1サイクルあたりのき裂進展量)は両対数直線関係となることがParis則として知られている(式(1))。
Figure 2017219469
式(1)の関係は、疲労き裂進展特性を表す重要なデータであり、構造材料の疲労寿命設計の基礎となるものである。転がり軸受で見られる転動疲労き裂の進展は、モードIIによることが特徴的であり、例えば、下記非特許文献(1)〜(3)などに記載のデータが有効である。また、モードIIの応力拡大係数は、岡崎らによって以下の式(2)のように表されることが明らかになっている(下記非特許文献(4))。
非特許文献(1):材料,vol.51,No.8(2002),pp.918−925,“ModeII疲労き裂進展下限界値ΔKIIthの測定”
非特許文献(2):材料,vol.50,No.10(2001),pp.1108−1113,“高硬度材料のモードII疲労き裂進展特性を求めるための新試験法”
非特許文献(3):材料,vol.54,No.12(2005),pp.1295−1300,“モードII疲労き裂進展特性とき裂駆動力の実験的評価”
非特許文献(4):Theoretical and Applied Fracture Mechanics, vol.73(2014), pp.161−169
Figure 2017219469
式(2)において、τはき裂に作用するせん断応力であり、Fは形状や材料のポアソン比によって決まる係数である。√(area)は、無限体中に依存する楕円状き裂の面積の平方根であり、即ち、前述の損傷部判定で判別される欠陥部面積を表すパラメータとみなすことができる。転がり軸受において、損傷欠陥は接触圧力によって生じるせん断応力によって軌道面と平行な方向(軌道輪円周方向)に進展する。このとき、損傷欠陥の軸方向の大きさは、軌道面に接触する転動体長さによって決まる定数とみなすことができるので、欠陥部面積パラメータ√(area)は、実質的に円周方向長さのみの関数とみなせる。従って、欠陥部面積パラメータ√(area)は、円周方向欠陥長さ2aを用いて以下の式(3)のように表わせる。
Figure 2017219469
式(3)において、C´は軸受の寸法諸元によって決まる係数である。
せん断応力τは、転動面に対して平行な面(すなわち、欠陥面に対しても平行)に作用する欠陥の遠方のせん断応力である。このせん断応力は、LundbergやHansonらの厳密解によって、最大接触面圧Pmaxに比例する応力として求めることができ、ここではその最大値を用いる。
転がり接触疲労の場合は、転動体の通過に伴って両振りのせん断応力が生じる。その振幅を公称せん断応力振幅τとすると、せん断応力範囲はΔτ=2τであるので、モードII応力拡大係数範囲ΔKIIは、式(3)も用いると以下の式(4)で表される。
Figure 2017219469
式(4)を用いると、き裂進展速度式(1)は次式(5)のように、欠陥長さaの関数として表すことができる。
Figure 2017219469
転がり疲労き裂進展速度式から疲労寿命Nを求めるには、き裂進展速度の逆数(dN/da)を、初期き裂長さaから疲労破壊時の最終き裂長さaまでの範囲において、き裂長さaで積分することにより得られる。すなわち、以下の式(6)のように求められる。
Figure 2017219469
ここで、初期き裂長さaは、損傷診断によって得られた損傷部の大きさ(サイズ)と考えることができ、最終き裂長さaは、運転上許容できる最大のサイズ(許容限界サイズ)を意味する。運転上許容できる最大のサイズとは、例えば音響性能の限界値に達する損傷部サイズ、もしくは軸受の回転トルクの許容限界値に達する損傷部サイズなどである。いずれの場合も対象にしても、任意の損傷部サイズをaとすることができる。
以上のように、損傷診断データから得られる損傷部サイズを基にして、損傷診断時から損傷部が許容限界サイズまで進展するまでのサイクル(すなわち、残存寿命)を求めることができる。加えて、該当軸受の回転速度n(min−1)と軸1回転当りの応力繰り返し数e(cycle/rev)を使うことによって、以下の式(7)のように簡単に残存寿命(日)を算出することができる。
Figure 2017219469
このようにして判定された転がり軸受11の診断結果は、内部メモリ216に記憶すると共に、機械設備10の動作を制御する制御装置22へ出力され、診断結果に応じた制御信号をフィードバックする。制御装置22は、軸受に異常が発生したと診断された時には、軸受が組み込まれたアプリケーションの運転条件にフィードバック(負荷荷重を下げる、回転数を落とすなど)して、希望寿命に達するよう運転環境の調整を自動もしくは手動で行う。さらに、診断結果は、有線又はネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31により出力装置30に送る。出力装置30は、遠隔地であってもよい。
内部メモリ216は、例えばメモリ又はHDD等により構成され、軸受損傷周波数の算出に用いる各回転部品の設計諸元データと、比較判定部215により判定された転がり軸受11の異常の有無の診断、異常の部位特定、異常部位の残存寿命に関する各データを記憶する。
出力装置30は、転がり軸受11の診断結果をモニタ等にリアルタイムで表示する。また、軸受に異常が発生したと診断された時には、その警告とともに残存寿命の予測値を知らせる。警告および残存寿命予測値の告知方法は、軸受ユニットもしくはそれらが組み込まれたアプリケーションに備え付けられた表示灯や表示モニタに直接表示する他、ライトやブザー等の警報機を用いて使用者に異常であることの注意を促すようにしてもよい。
また、信号のデータ伝送手段13は、的確に信号を送受信可能であればよいので、有線でも良いし、ネットワークを考慮した無線を利用してもよい。
次に、このように構成された状態監視装置1の動作について説明する。図3は、状態監視装置1の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、振動センサ12により転がり軸受11から発生する振動及び回転センサにより転がり軸受11の回転速度が検出され、この検出された振動信号及び回転速度信号は、データ伝送手段13を介して演算処理器21のデータ収集・分配部211に入力される。
なお、データ収集・分配部211では、入力されたアナログの振動信号を必要に応じて増幅し、A/D変換器によりデジタル信号に変換する。
次に、ステップS2において、データ収集・分配部211及び内部メモリ216に記憶されたデータをもとに、以降の診断に使用される診断パラメータを算出する。具体的に、診断パラメータとして、簡易診断に用いられる実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)の少なくとも一つの簡易診断値の閾値、軸受損傷周波数、損傷フィルタ周波数帯域が算出される。
次に、ステップS3において、振動センサ12により検出された信号の波形から得られる実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)を各閾値と比較する簡易診断を行う。「実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)>各閾値」であるときには、転がり軸受11の異常有りとして、ステップS4に進み、各値が閾値以下である場合には、異常なしとして、ステップS1に戻り、次のタイミングでステップS1を実行する。
ステップS4では、演算処理器21にて、ステップS2で算出された損傷フィルタ周波数帯域毎に、振動センサ12により検出された信号の波形を分割して抽出する。
さらに、ステップS5では、演算処理器21にて、フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る。
そして、ステップS6では、比較判定部215にて、抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、転がり軸受11の回転速度信号に基づいて算出した転がり軸受11の損傷に起因する軸受損傷周波数と、演算処理部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、ステップS7にて、転がり軸受11の異常の部位を特定する。
つまり、転がり軸受11の軸受損傷周波数成分には、軸受傷成分Sx、即ち、内輪傷成分Si、外輪傷成分So、転動体傷成分Sb及び保持器成分Scがあり、この周波数成分それぞれのレベルを抽出することになる。そして、異常の部位が、内輪、外輪、転動体、保持器のいずれかであるかを特定する。
次に、ステップS8では、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される、上述した周波数帯域別診断値を用いたいずれかの手法により、部位の損傷の程度を診断する。
さらに、ステップS9では、異常の部位、該部位の損傷の程度、及び回転部品の運転環境から異常の部位の残存寿命を予測する。
このような手順を経て、回転部品である転がり軸受11における異常の有無の診断、異常の部位の特定、部位の損傷の程度の診断、及び異常の部位の残存寿命の予測を行うことができる。
このように実施された診断の結果は、機械設備10の動作を制御する制御装置22へ出力し、ステップS10では、診断結果に応じた制御信号をフィードバックする。さらに、有線またはネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31によって出力装置30に送る。
次に、本実施形態の状態監視装置1を用いた場合の診断結果の精度を確認するため、以下の2つの試験を行った。
(実施例1)
まず、内輪軌道面に損傷の程度が異なる3種類の傷欠陥(損傷の程度=傷欠陥部面積/軌道面総面積:大=1.8%、中=0.1%、小=0.01%)を付けた円筒ころ軸受を使用し、該円筒ころ軸受にラジアル荷重127kN,アキシアル荷重50kNを負荷しつつ、1500min-1で内輪を回転させてハウジングの振動を測定する。この結果、表1に示すように、閾値(=正常品の振動実効値に対する比を2)とした簡易診断にて、「実測値>閾値」であることから、それぞれ異常ありと診断される。
Figure 2017219469
次に、振動データを周波数帯域(4000〜10000Hz)でフィルタ処理を施し、エンベロープ処理後にFFTを実施した。図5において、実線は実測した振動データに基づくエンベロープ周波数スペクトル、一点鎖線は回転速度1500min−1に基づく内輪損傷に起因した周波数成分を示している。この結果、ピークが内輪損傷に起因した周波数成分と一致していることから、精密診断により、軸受の内輪が損傷していると診断できる。
次に、損傷レベル診断では、周波数帯域f(10〜3000Hz)、f(3000〜4000Hz)、f(4000〜20000Hz)における振動実効値を算出し、正常品(0〜20000Hz)との振動実効値比を表2と図6に示す。表2は、損傷の程度が異なるそれぞれの軸受の正常品に対する振動実効値の比を表す。図6は、表2の損傷の程度を損傷面積率(%)に直してプロットしたグラフである。この結果より、損傷の程度が小さい場合は高い周波数帯域のみの振動実効値比が大きく、損傷の程度が大きくなるほど低い周波数帯域まで振動実効値比が大きいことが分かる。すなわち、各周波数帯域における振動実効値比より、損傷の程度を判別することができる。
Figure 2017219469
周波数帯域別に算出した振動実効値のうち最大値を参照することにより、損傷の程度を判別することができる。すなわち、損傷の程度=大の傷欠陥を付けた円筒ころ軸受であれば、fの値を参照することにより、傷欠陥部面積=損傷面積率×軌道面総面積を判別することができる。
次に、得られた損傷状態である傷欠陥部面積と、軸受の力学的使用環境である軸受の回転速度(n=1500min−1)及び軸1回転当たりの応力繰り返し数(実施例の試験軸受NU2228EMの場合、e≒9)と、き裂進展速度に関する材料データである、材質によって決まる定数によって、各傷欠陥における残存寿命は算出される。例えば、機械設備に好適な円筒ころ軸受を計算例にすると、き裂進展速度を表す材料定数がC=3×10−18,m=6だった場合、許容欠陥サイズに至るまでの期間は転動体の通過間隔から求めた値を用いて計算すると、欠陥「大」からの場合は約3日、欠陥「中」からの場合は約26日、欠陥「小」からの場合は約37日と求まる。
なお、実施例1では、傷欠陥を例示しているが、はく離損傷についても同様である。また、簡易診断の閾値を正常品の実効値比としたが、実効値の代わりに任意の時間における実測スペクトルデータの平均値やピーク値を用いてもよい。
なお、精密診断において、部位ごとの閾値を振動伝達距離差あるいは経路差ごとに応じて設定してもよいし、事前に部位ごとをインパルスハンマ等の打撃試験にて測定した振動応答レベル差に応じて設定してもよい。
また、フィルタ周波数帯域として軸受またはハウジングの固有振動数を含む帯域を選定すると軸受損傷周波数が励振されるため好ましい。
(実施例2)
実施例2は、試験対象、状態監視装置1の基本構成、簡易診断及び精密診断は、実施例1と同じとし、異なる損傷レベル診断にて試験を行った。
本実施例の損傷レベル診断では、周波数帯域f(10〜3000Hz)、f(3000〜4000Hz)、f(4000〜20000Hz)において、それぞれエンベロープ処理後にFFTを実施し、エンベロープ周波数スペクトルの実効値を算出した。表3は、エンベロープ周波数スペクトルの実効値と正常品との比を示す。
Figure 2017219469
この結果より、損傷の程度が小さい場合は高い周波数帯域のみのエンベロープ振動実効値比が大きく、損傷の程度が大きくなるほど低い周波数帯域までエンベロープ振動実効値比が大きいことが分かる。すなわち、各周波数帯域におけるエンベロープ振動実効値比より損傷の程度を判別することができる。
このように、エンベロープ周波数スペクトルを利用することで、欠陥以外のノイズ等の影響を受けにくくなるため、損傷の程度判別の精度が向上する。
以上説明したように、このような本発明の実施形態に係る状態監視装置1及び状態監視方法によれば、転がり軸受11又はハウジングに固定される振動センサ12と、振動センサ12により検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部と、フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る演算処理部と、抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、転がり軸受11の回転速度信号に基づいて算出した転がり軸受11の損傷に起因する軸受損傷周波数と、演算処理部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、転がり軸受11の異常の部位を特定する精密診断部と、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、を備える。これにより、機械設備に組み込まれた転がり軸受11に対し、異常の部位の特定及び損傷の程度を精度良く判断することができると共に、異常の部位の残存寿命を予測することができる。
また、振動センサ12により検出された信号の波形から得られる少なくとも一つの簡易診断値を算出して閾値と比較し、転がり軸受11の異常の有無を診断する簡易診断部をさらに備えるので、異常の有無を効率良く判断することができる。また、簡易診断部において、異常なしと判断された場合には、精密診断工程以降の処理が行われないので、コンピュータの負荷を軽減することができる。
なお、本発明の状態監視装置は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、本発明の状態監視装置及び状態監視方法は、鉄道車両、工作機械、風力発電装置、エレベータ装置などの機械設備に適用可能である。また、本発明の状態監視装置及び状態監視方法は、前述した実施形態のように、回転部品として転がり軸受11を備えた転がり軸受装置に適用可能である。
さらに、本実施形態の状態監視装置及び状態監視方法は、ノイズ等の影響による誤診断を防ぐことを目的に、診断結果が複数回連続した時点で診断結果を確定するとしてもよい。
また、本実施形態では、内輪回転の場合の転がり軸受の状態を監視する場合について説明したが、本発明の状態監視装置及び状態監視方法は、外輪回転の転がり軸受の状態を監視するものにも適用可能である。
また、本発明の残存寿命を予測する手法は、本実施形態のものに限定されるものではない。その場合、異常の部位の残存寿命を求めるためのパラメータである、異常の部位の損傷の程度について説明する。転がり軸受の転がり疲れ寿命を判断する場合、表面もしくはその近傍を起点としたはく離寿命を用いる場合が多い。これを例に取ると、転がり軸受の異常初期は表面に摩耗が生じたり、混入異物による圧痕生成や金属組織の変化によって、局所的な応力集中が起こる。応力集中部が繰り返し応力を受けるとはく離に至り、転がり軸受の異常が進行する。
また、転がり軸受の取り付け場所は用途により異なるため、運転環境は良好な潤滑状態であったり、劣悪な潤滑状態であったり様々である。劣悪な潤滑状態とは、例えば、希薄な潤滑状態、異物が混入した潤滑状態、水が混入した潤滑状態、高温の潤滑状態があり、本発明では特に限定するものではない。
1 状態監視装置
10 機械設備
11 転がり軸受(回転部品)
12 振動センサ
20 制御器
21 演算処理器
212 回転分析部
213 フィルタ処理部
214 振動分析部
215 比較判定部
22 制御装置
31 データ伝送手段

Claims (3)

  1. 静止部材に対して相対的に回転する回転部品の状態を監視する状態監視装置であって、
    前記回転部品又は前記静止部材に固定される振動センサと、
    前記振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る演算処理部と、
    前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する軸受損傷周波数と、前記演算処理部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の部位を特定する精密診断部と、
    前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、
    前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、
    を備えることを特徴とする状態監視装置。
  2. 前記振動センサにより検出された信号の波形から得られる少なくとも一つの簡易診断値を算出して閾値と比較し、前記回転部品の異常の有無を診断する簡易診断部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の状態監視装置。
  3. 静止部材に対して相対的に回転する回転部品の状態を監視する状態監視方法であって、
    前記回転部品又は前記静止部材に固定される振動センサから信号を検出する検出工程と、
    前記振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理工程と、
    前記フィルタ処理工程から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る演算処理工程と、
    前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する軸受損傷周波数と、前記演算処理工程で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の部位を特定する精密診断工程と、
    前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断工程と、
    前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測工程と、
    を備えることを特徴とする状態監視方法。
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